JPH08512112A - 内燃機関 - Google Patents

内燃機関

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JPH08512112A JP7502581A JP50258195A JPH08512112A JP H08512112 A JPH08512112 A JP H08512112A JP 7502581 A JP7502581 A JP 7502581A JP 50258195 A JP50258195 A JP 50258195A JP H08512112 A JPH08512112 A JP H08512112A
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Abstract

(57)【要約】 内燃機関は一対またはそれ以上の対の第1、第2のシリンダ(12、14)を包含し、第1シリンダ(12)が第2シリンダ(14)よりも大きい行程容積を有し、第1、第2のピストン(16、18)がこれらシリンダ内で往復動できるようになっている。第2ピストン(18)が、駆動ステム(234)を有し、第2シリンダ(14)を、第2ピストンの駆動ステムを収容する第1容積部(15a)と、2つのピストン間の第2容積部(15b)とに分割している。吸気口(25)および排気口(27)が第1シリンダ(12)に設けてある。両ピストンがほぼそれらの上死点位置にあるときにピストン(16、18)間に共通の燃焼スペース(20)が形成され、この燃焼スペース(20)が第2容積部を包含している。圧縮行程の終わり付近で移送手段(39、128、391)が第1容積部(15a)と燃焼スペース(20)間のガスの流れを可能とすると共に、抑制手段(128)が第2ピストン(18)の圧縮行程の終わり付近で第1容積部から第2容積部内への燃料/空気混合物の移動を抑制する。第2ピストンの吸気行程中に燃料噴射器(34)が第1容積部に燃料を与える。この内燃機関は、また、第2ピストン(18)を駆動する駆動手段も有し、この駆動手段は第1ピストン(16)の膨張行程の少なくとも一部で第2ピストン(18)をほぼその上死点位置に維持する手段を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】 名称:内燃機関 発明の分野 本発明は、内燃機関に関する。 「分離式エンジン」とは、燃料が圧縮行程の終わり付近、点火直前までエンジ ンに導入した空気の大部分と混合し始めないエンジンである。分離式エンジンと して分類できる種々の内燃機関が、たとえば、GB-A-2155546、GB-A-2186913、GB -A-2218153、GB-A-2238830、GB-A-2246394、GB-A-2261028から知られている。こ れらのエンジンは、現在、文献ではMerrittエンジンとして知られている 。 ディーゼルエンジンも分離式エンジンであるが、火花点火式ガソリンエンジン (SIGE)は予め混ぜた燃料・空気混合気を圧縮する。 ディーゼルエンジンやMerrittエンジンのような分離式エンジンの重要 な特性は、点火の直前まで燃料を空気から離して閉じ込め、圧縮行程の終了付近 で燃料を燃焼室内へ急速に送り込むということにある。 MerrittエンジンはMerritt燃焼管理システム(MCC)と呼ば れるものを使用し、このMerritt燃焼管理システムは往復動燃焼エンジン で燃焼率を促進するように設計した一連のプロセスを意味する。この点では、デ ィーゼル、Otto、SIGEのような他の一般的な燃焼管理システムに類似し ている。MCCは上述した先行特許明細書に記載されている多数の装置によって 作動させることができる。MCCは、より小さいピストンを有する、若干の空気 を収容する第2の小さいシリンダ内でエンジンに供給される燃料の少なくとも一 部を分離し、より大きいピストンの吸気行程あるいは圧縮行程またはこれら両行 程で小さい方のシリンダ内へ燃料を導入するということを特徴とする。燃料は、 両ピストンの圧縮行程の終わり付近で進入が生じるまで空気の大部分から分離さ れたままである。この構成では、燃焼開始前かなりの時間で燃料が空気中に蒸発 することができるが、それと異なり、ディーゼル分離エンジンでは、点火の直前 に液体燃料が空気中に噴射される。MCCシステムでは、小さい方のシリンダは 蒸発用シリンダとして用いられ、小さい方のピストンは燃料移送ピストンとして 用いられる。それ故、小さい方のシリンダは燃料管理シリンダと呼ぶことができ る。大きい方のシリンダは燃料なしで未絞りで空気を受け入れ、大きい方のピス トンは空気を圧縮するのに用いられる。 ここで用いる以下の用語は以下の意味を持つ。 燃料比−F 吸気管を絞っていないときの、大小両シリンダの総合行程容積を満たすのに必 要な空気の大部分内の酸素を使い切るのに必要な燃料の量に対するエンジンに実 際に供給された燃料の量の比。 空気 これは、ガス状または液体状(すなわち、蒸発液体)燃料と燃焼するための他 の通常不活性のガスを含んだ酸素ならびにほぼ純粋の酸素の任意の適当な混合物 をいう。空気は再循環の排ガス、クランクケース・ガスおよび再循環式内燃機関 ガス内に存在する少量の炭化水素物質を含有してもよい。 SIGE 普通の火花点火式ガソリンエンジン。 STCI−(火花トリガー式圧縮点火) 空気と混合している部分蒸発燃料の、火花によって誘発される圧縮点火のプロ セス。 下死点位置 そのシリンダ内の最大容積を露出させた際にピストンがその移動方向を変える ときに生じるピストン位置。 上死点位置 そのシリンダ内の最小容積を露出させた際にピストンがその移動方向を変える ときに生じるピストン位置。 停止行程 小さい方のピストンが静止したままのときのエンジン・サイクル中の期間。 BMEP 大きい方のピストンにかかるブレーキ平均有効圧力。 従来技術に関するここで用いる以下の用語は以下の意味を持つ。 進入 Merrittエンジン特有の、第2シリンダから燃焼スペースへの燃料/空 気混合物の、小さい方のピストンによって影響される移動。 分離 進入開始までに小さい方のシリンダに供給された燃料を小さい方のシリンダ内 に閉じ込めること。従来技術の説明 ディーゼルエンジン ディーゼルエンジンでは、燃料噴射に続いて、燃料、空気の混合を容易にする ために、周知の3つの配置でエンジンを構成するとよい。これを以下に説明する 。 1. 第1図に示す直接噴射式ディーゼルエンジン(DIと呼ばれる)。 2. 第2図に示す間接噴射式ディーゼルエンジン(IDIと呼ばれる)。 3. 第3図に示す中間噴射式、すなわち、ピストン・プラッグド間接噴射式デ ィーゼルエンジン(INIと呼ばれる) 第1図に示すDIディーゼルエンジンはピストン16のクラウンに形成した開 放燃焼室20を有する。空気は吸気管25および吸気弁24を通してシリンダ1 2に入り、空気へ渦流運動が与えられる。燃料噴射器60が多数の液体燃料噴流 を燃焼室へ噴射し、燃焼過程前およびその最中に渦流空気を燃料と混合する。 第2図に示すIDIディーゼルエンジンは孔42を通してシリンダ12と連通 する別個の半密閉式燃焼室20を有する。この孔は圧縮行程中に燃焼室に入った 空気に渦流運動を与え、燃料噴射器60によって燃料が燃焼室内へ噴射され、こ の燃料噴射器は、普通、約100バール以下の燃料ライン圧力を用いるピントル 式である。膨張行程中、高温ガスが孔42から高速で流出する。これが寄生体積 内、特に、弁空所424内およびピストン16上方のバンプ間隙内に含まれる別 の空気と未燃焼燃料を混合する助けとなる。 第3図に示すINIディーゼルエンジンはGB-A-0241398、GB-A-0361202、GB-A -0523137、GB-A-2088952その他に記載されている。この構成はピストン16上の 突起116を使用する。この突起は燃焼室20にある拡大孔内に入っている。突 起は、第2図の間接噴射式ディーゼルエンジンの孔42と同じ目的を果たすより 小さい孔161を包含する。この構成では、エンジンは、ピストンが上死点位置 付近に達したときにIDIディーゼルエンジンとして作動し、他のすべての時期 にはDIディーゼルエンジンとして作動する。 Merrittエンジン Merrittエンジンは、その基本的な純粋な形態では、ディーゼルエンジ ンと同様の分離エンジンであるが、非常に重要な差異を持つ。若干量の空気は、 エンジンサイクルのかなりの部分にわたって小さい方の第2シリンダ内のほぼす べての燃料と混合し、進入前に燃料が蒸発する時間がある。燃焼室への進入は大 きい方の孔を通して生じ、燃焼がより速くなり、遅延なしで開始する。 以下、Merritt燃焼管理システムを説明すると、これはそれ自体を純粋 なMCCとして使用し、特に部分負荷時に高い熱効率をすることができ、あるい は、SIGE燃焼管理システムと組み合わせることもできる。後者の場合、全負 荷での高い出力と部分負荷での高い熱効率とを組み合わせることのできるエンジ ンを得ることができる。また、ディーゼル燃焼管理システムと組み合わせてディ ーゼル燃料を使用し、普通のディーゼルエンジンに比べて、高い出力密度と低い 有害物排出レベルを有するエンジンを得ることもできる。 Merritt燃焼システムはSIGEエンジンに比べて都市走行中の車輛で 用いたときにエンジンの熱効率をかなり改善し、自動車からの有害放出物の量を 低下させることができる。 公知のMerrittエンジンの一例が添付図面の第4図に示してあり、この 図はGB-A-2246394から再現したエンジンの一部を通る部分横断面図である。この エンジンは以下に簡単に説明するが、GB-A-2246394にはより詳しく説明されてい る。 第4図において、Merrittエンジンは火花トリガー式圧縮点火(STC I)を使用するハイブリッド式Merritt/SIGEエンジンの動作を許す 構造として示してある。 このエンジンは大きいピストン16のクラウン部36に装着した小さいピスト ン18を包含する。このピストン18はピラー234とクラウン35とを包含す る。第4図からわかるように、ピラー234は曲面の輪郭となっており、この曲 面が大きい方のシリンダ12から燃焼スペース20に入る空気に渦流運動を与え 、また、燃焼スペース20への進入(すなわち、燃料/空気混合物の運動)の後 に燃料/空気混合物に渦流運動を与える。燃焼スペースはピラー234と小さい シリンダ14の壁面14aの間に形成されている。ピラーの形状、寸法は適切な 寸法、形状の適当な燃焼容積を作るように選ぶ。 ここで、ピストン18のクラウン35が、ピストン18、16のクラウン35 、36間の軸線方向距離よりもかなり小さい軸線方向厚さを持つ縁を有すること に注目されたい。クラウン35は円筒形の周縁37を有し、この周縁は小さいシ リンダの壁面14aからやや離れていて環状ギャップ128の形をした抑制手段 を構成している。小さいシリンダ14の、図で見て上端には周溝39が形成して あり、この周溝は後述するように進入を促進するバイパスとなる。小さいシリン ダ14の上端は第2の吸気弁31と絞り弁32とを備えている。燃料噴射器34 が吸気管33へ液体燃料を供給するために設けてある。絞り弁32は吸気管33 を通して流れる空気の量を制御し、燃料噴射器34によって供給される燃料の量 とはほぼ独立している。SIGEモードのために第2の噴射器82が用いられ、 SIGEモードでは絞り弁83がスパークプラグ52と一緒に作動する。 Merritt動作モードでのエンジンの吸気行程中、空気は吸気管25を通 して大きいシリンダ12へ入る。空気は、また、噴射器34からの燃料と一緒に 開いている弁31を通して小さいシリンダ14へも入る。圧縮行程の早期部分に おいてピストン18のクラウン35を横切る圧力差は絞り弁32と弁31の閉鎖 タイミングの影響を受ける。これは、順次に、ピストン18の上死点位置付近で 圧縮行程の終わりに近づくにつれて燃焼スペース20内への小さいシリンダ14 の内容物の進入タイミングに影響を与える。進入タイミングは、順次に、シリン ダ14内の燃料/空気混合物が圧縮行程中に大きいピストン16によって燃焼ス ペース20に供給されるより熱い空気と出会ったときに、圧縮点火によって蒸発 燃料が点火されるタイミングを制御することができる。 溝39は小さいピストンのクラウン35の縁37の厚さよりも大きい軸線方向 長さを有し、燃料/空気混合物がクラウンまわりに進入するための拡大ギャップ を与える。溝39は小さいシリンダ14にすきま容積を与え、このすきま容積は 圧縮行程中にシリンダ14に余分な容積を与えることによって進入タイミングに 影響を与え得る。 第4図に示すエンジンは大きいシリンダ12に空気を供給する吸気管25の絞 り弁83とスパークプラグ52も有する。排気弁と排気口は第4図には示してい ないが、実際には、大きいシリンダ12と連通してエンジンには存在する。ピス トンの実線位置は下死点位置を表しており、破線は上死点位置を示している。 第4図の「開いた」燃焼スペース配置によれば、スパークプラグ52が燃焼ス ペース内へ直接アクセスすることが可能である。スパークプラグは小さいシリン ダ14の壁面14aを貫いて延びている。大きいシリンダ12は絞り弁83のよ うな流量制御装置を備え、SIGEモードにおける部分負荷時の吸気行程中に大 きいシリンダ12への吸気量を減らすようにしてもよい。 既に燃焼スペースへの進入を開始した燃料の若干量が火花によって点火された 後、燃焼スペース内のガスの圧力および平均温度が上昇する。その結果、蒸発燃 料の残部が燃焼スペースへ進入し続け、その中の空気と混ざりあい、火花によっ て生じた当初の火炎が全燃焼スペースを横切って移動していない場合でも圧縮点 火によって点火される。この点火プロセスは火花トリガー式圧縮点火(STCI )と呼ばれる。 STCIを使用することの重要な利点は、変化するエンジン条件に合わせてタ イミングを取りやすいということにある。STCIを使用している場合、進入プ ロセスのタイミングにわたって必要とされる制御精度は重要度が低く、エンジン の動作にとってもそれほど絶対条件というわけでもない。 STCIを行うには、エンジン・システムが、特定の選定した燃料の進入の早 期の瞬間に圧縮点火を生じさせるには不充分な幾何学的圧縮比で作動するとよい 。あるいは、絞り83を用いて圧縮圧力の終わりと温度を調節するようにしても よい。たとえば、ガソリンの場合、点火トリガー式圧縮点火については、圧縮比 はたとえば10:1の値まで下げてもよい。しかしながら、圧縮点火をこのよう な燃料と一緒に用いようとする場合には、たとえば18:1の圧縮比が必要であ るかも知れない。第2の要件は、燃料蒸気と出会う適所にスパークプラグを設 置し、一方、燃料が進入プロセスの早期部分で燃焼スペース内で空気と混合する ということにある。スパークプラグは正しい時期に火花を発してSTCIプロセ スを開始させる。 1つの点火方式のみを使用するSIGEあるいはディーゼルエンジンと異なり 、Merrittエンジンはその設計および使用する燃料に応じて火花点火と圧 縮点火の両方式のうちのいずれかを使用することができる。 進入の前に燃料の少なくとも一部を蒸発させることによって、Merritt エンジンは上述したように火花点火を使用することができる。圧縮行程中に空気 の大部分から燃料を分離することによって、Merrittエンジンは圧縮点火 として知られている点火プロセスを使用することができる。 分離式エンジンとして、Merrittエンジンは適当な燃料を点火するのに 圧縮点火を使用するのに非常に適している。これは、高い圧縮比を利用する場合 でも、圧縮プロセスの大部分で燃料を自然発火する程充分な空気と予め混合させ ない(すなわち、混合物が濃厚すぎる)ためである。ディーゼルエンジン(これ も分離式エンジンである)では、点火タイミングは燃焼スペースへの燃料噴射の 開始タイミングによって決まる。公知のMerrittエンジンでは、点火タイ ミングの制御は進入プロセスの開始タイミングを制御することによって、あるい は、STCIを開始する火花のタイミングを制御することによって行われる。高 圧縮比および適当な燃料を使用するMerrittエンジンでは、燃料点火は、 燃料蒸気が燃焼スペースに入り始め、非常に熱い空気と出会ったときに火花の助 けなしに生じ得る。Merrittエンジンのような分離式エンジンは燃焼室の 壁面に設置した触媒、たとえば、プラチナによっても点火され得る。これはGB-A -2155546やGB-A-2186913のようないくつかの先行出願に関わるMerrittエ ンジン特許明細書に記載されている。 点火方式の選択により、ガソリン、ディーゼル燃料を含む広範囲にわたる燃料 の選択も可能となる。選定した圧縮比と組み合わせた燃料の選択はMerrit tエンジンで使用する点火方式を決める。たとえば、ディーゼル燃料または非常 にオクタン価の低いガソリンは高い圧縮比が選ばれた場合には圧縮点火によって 点火され、低い圧縮比と組み合わせた高いオクタン価のガソリンは火花で点火さ れる。MerrittエンジンSTCIプロセスにおいては、火花点火は、燃料 の一部のみを点火すればよいので、すべての燃料、空気を混合するプロセスが完 了するまで待つ必要はない。このようにする場合、火花点火は燃焼スペースへの 進入中の残りの燃料を圧縮点火によって引き続いて点火する引き金となる。 GB-A-2246394から知られているMerrittエンジン技術はSIGEとのハ イブリッド化の方法を用いてNOX量についての現行の有害排出物規制法に関わ る問題を解決している。燃焼室にスパークプラグを追加すると共に、吸気マニホ ルドに燃料噴射器または気化器と絞り弁を追加することによって、第4図のMe rrittエンジンは、(i)より高いBMEPレンジで三元触媒コンバータに 匹敵する普通の火花点火式理論ガソリンエンジンとしても、(ii)中間からよ り低位のBMEPレンジでNOX排出量を無視し得る純粋なMerrittエン ジンとしても作動し得る。 STCI方式は、スパークプラグが燃焼室内に既に存在するので、ハイブリッ ド式Merrittエンジン/SIGEエンジンにとっては非常に魅力的である 。SIGE作動モードとMerritt作動モードの切り換えは、エンジン電子 管理システムを用いて自動的に行い得る。その結果、高BMEPあるいは高エン ジン負荷では、エンジンはSIGEとして作動し、中間レンジおよびより低いB MEPでは、エンジンは純粋なMerrittエンジンとして作動し、しかもN OX放出がなく、熱効率もかなり改善される。 先の説明は、Merrittエンジンの燃焼管理システムが共通使用の他の2 つの燃焼システム(ディーゼルエンジンとSIGE)間のリンクとなることを述 べている。ディーゼルと同様に、Merrittエンジンは分離式エンジンであ るが、SIGEと同様に、燃焼室に入る前に燃料を蒸発させることができる。デ ィーゼルと同様に、このMerrittエンジンは圧縮点火を使用できるし、あ るいは、SIGEと同様に、火花トリガー式点火を使用できるが、高低いずれか の圧縮比と組み合わせることになる。さらに、ガソリンあるいはディーゼル燃料 のいずれかを使用できる。最も重要なことは、このMerrittエンジンが、 特に部分負荷において、ディーゼルエンジンと同じ位高いかあるいはそれよりも 高い熱効率で作動できるが、その急速燃焼プロセスにより、ディーゼルエン ジンで可能な程度よりもさらにSIGEの出力密度レベルに接近できるというこ とである。ディーゼルエンジンと同様に、Merrittエンジンは幾何学的圧 縮比を低下させる必要なしにターボチャージドその他の圧縮空気供給源を使用す ることができる。非絞り式エンジンではあるが、ディーゼルエンジンと異なり、 このMerrittエンジンは高圧燃料噴射システムを必要としない。これは、 圧縮行程およびそれに続いて燃焼プロセスが開始する前にサイクルの低圧部分で Merrittエンジンの小さいシリンダに燃料が入るからである。 SIGE圧縮行程は予混合の燃料/空気混合物に作用し、その火花点火方式は ほぼ理論比率の燃料/空気混合物のみに点火し得る。SIGE燃焼プロセスは、 火花で生じ、燃焼スペース内の全燃料/空気混合物容積を横切って移動する火炎 に依存する。逆に、SIGEを超える分離式エンジンの主たる利点は、関連した 燃料の量と無関係に燃料を空気と混合するプロセス中に燃料を燃焼させることが できるということにある。したがって、極めて希薄な全燃料/空気混合物を燃焼 させることができる。中間から低位のBMEPレンジで非常に薄い燃料/空気混 合物を燃焼させるというこの能力は膨張行程でのガス温度をさらに低下させる。 このことは、順次に、エンジンの熱効率を向上させると共に、特に部分負荷での 排気中の有害なNOXガスの量を低減する。往復動式内燃機関の熱効率が燃料/ 空気比が薄くなるにつれて上昇するという事実は認められている。 往復動式内燃機関の熱効率を向上させる2つの主たる方式は、膨張行程開始時 における燃焼速度の促進と、熱放出に続く平均ガス温度の低下である。後者の方 式は、大きいピストンにかかる最大表示平均有効圧力よりも低いところでエンジ ンが作動するときに用いる。 分離式エンジンは燃焼プロセスにおいてシリンダ内で利用できる全酸素をほぼ 完全に使用することによって達成されるSIGEの平均有効圧力の高い最大値に 合わない。分離式エンジンは間隙および寄生容積部に隠れた空気を利用すること ができないが、ガス化した燃料を燃焼させるMerrittエンジンは液滴に集 まった燃料を燃焼させるディーゼルエンジンよりも良好に作動できる。 車輛エンジンからの放出物の制御に関する最近の寄生の結果、三元触媒コンバ ータを使用することになった。これにより、部分燃焼燃料の酸化および燃焼プ ロセス中に生成された窒素の有害酸化物(NOX)の脱酸素のプロセスを完了す る。現在利用できる触媒コンバータは、エンジンが理論燃料/空気混合物を流出 する場合にのみNOX低減と共に有効に作用することができる。これは、排気内 に存在する過剰な酸素がNOXを低減するときに触媒コンバータを無効にするか らである。SIGEを使用する車輛は、現在、NOXについての規制限界内でこ の方法によって作動している。現在ディーゼルエンジンを使用している車輛はこ の理由のためにSIGEのためのNOX低減目標を達成できず、純粋なMerr ittエンジンもより高い平均有効圧力(MEP)レンジで作動するときに同様 の問題に遭遇している。しかしながら、MEPの中間および低位レンジでは、M errittエンジンは潜在的に燃焼プロセス中にNOXの量を無視し得る程度 にしながら作動できる。 希薄燃焼SIGEは、燃焼が最も熱いとき、たとえば、16:1から20:1 までの範囲の空気/燃料比で理論的に希薄な燃料/空気混合物で作動するときに 最大のNOX量を発生する。先に説明したように、このNOXは三元触媒コンバ ータでは低減できない。これは過剰な酸素が排気流に存在するからである。しか しながら、さらに希薄なレンジ、たとえば、20:1よりも大きい空気/燃料比 で作動するときには、約70%のエンジンBMEP以下では、過剰な空気による 稀釈はガスを冷却し、燃焼中にNOXが生じるのを止めるのに充分なものとなり 得る。 他の分離式エンジン(ディーゼルエンジン)と同様に、Merrittエンジ ンは燃焼プロセスの直前およびその最中に燃料と空気とを効果的に混合するため の手段を備える必要がある。MerrittエンジンはDIまたはIDI形態の ディーゼルエンジンと同様の配置を使用してこれを行うことができる。Merr ittエンジンでは、燃料は、少なくとも部分的に蒸発した状態で、圧縮行程の 終わりに向かう進入プロセス中に燃焼室に入る。ディーゼルエンジンにおける並 列プロセスは燃料噴射と呼ばれる。 本発明に関してここで用いられる以下の用語は以下の意味を持つ。 行程容積比−E 大きいシリンダの行程容積に対する小さいシリンダ内の第1容積部の行程容積 の比。 圧縮対進入容積比−CIVR CIVR−大きいシリンダ 大きいシリンダ内のピストン間の特定の容積の最大値対進入開始時のピストン 間の特定容積の値の比。 CIVR−小さいシリンダ 小さいシリンダの第1容積の最大値対進入開始時の第1容積の値の比。 相対圧縮対進入容積比 大きいシリンダの圧縮/進入容積比対小さいシリンダの圧縮/進入容積比の比 。 進入 圧縮行程の終わりまたはその付近で生じる燃焼スペース内への第2シリンダの 第1容積からの燃料/空気混合物の、小さいピストンによって影響を受ける運動 。 分離 進入開始まで第1容積へ給送される燃料の、小さいシリンダの第1容積内への 閉じ込め。 本発明は 改良した内燃機関を提供しようとしている。 したがって、本発明は、 少なくとも一対の第1、第2のシリンダであって、前記第1シリンダが前記第 2シリンダよりも大きい行程容積を有する第1、第2のシリンダと、 前記シリンダ内で往復動できる第1、第2のピストンであって、前記第2ピス トンが駆動ステムを有し、前記第2シリンダを前記駆動ステムを収容する第1容 積部と前記2つのピストンの間の第2容積部とに分割している第1、第2のピス トンと、 前記第1シリンダと連通している吸気手段と、 前記第1シリンダと連通している排気手段と、 前記両ピストンがほぼそれらの上死点位置にあるときに前記両ピストン間に共 通の燃焼スペースを構成する手段であり、この燃焼スペースが前記第2容積部か らなる手段と、 圧縮行程の終わり付近で前記第1、第2の容積部間でガスが流れ得るようにす る移送手段と、 前記第2ピストンの圧縮行程の終わり付近まで前記第1容積部から前記第2容 積部までの燃料/空気混合物の移動を抑制する抑制手段と、 前記第1容積部に燃料を与える第1燃料源と、 前記第2ピストンを駆動する駆動手段であり、前記第1ピストンの膨張行程の 少なくとも一部で前記第2ピストンをその上死点位置あるいはその付近にほぼ静 止状態に維持する手段を包含する駆動手段と を包含する内燃機関を提供する。 すべての形態における本発明の顕著な利点の1つは、ディーゼルエンジン、S IGEエンジンの両方が、クランクケースおよびトランスミッション組立体を除 いてシリンダ・ヘッドのみの設計を変えることによってこの原理に従って変換で きるということにある。 第4図に示すエンジン構造をSIGEモードで作動させているとき、小さいピ ストン16のピラー234は、温度を低く保って吸気弁24を通してエンジンに 入る予混合空気・燃料の予点火を止めるのに有効な冷却を必要とするかも知れな い。SIGEモードでは、このような冷却はピラーに設けた内部空所へガジオン ピンからオイル噴流を吹きつけることによって行えるが、SIGE動作モードで の予点火の問題は本発明によるエンジンの構造で解決できる。本発明による構造 は他の利点も有する。たとえば、GB-A-2246394に記載されているようにMerr ittエンジン原理をディーゼルエンジンと組み合わせたとき、ピラー234を 取り除けば、ディーゼル燃料噴射器から燃焼スペース20内への燃料噴流の分布 をより速く行うことができる。図面の簡単な説明 本発明を、添付図面を参照しながら実施例によって以下にさらに説明する。添 付図面において: 第1図は公知形態の直接噴射(DI)式ディーゼルエンジンの一部を通る部分 断面図である。 第2図は公知形態の間接噴射(IDI)式ディーゼルエンジンの一部を通る部 分断面図である。 第3図は公知形態の中間噴射(INI)式ディーゼルエンジンの一部を通る部 分断面図である。 第4図はSIGEハイブリッド形態の公知のMerrittエンジンを通る部 分断面図である。 第5図は本発明によるMerrittエンジンの第1の直接進入型実施例の一 部を通る、吸気行程の終わりを示す部分断面図である。 第6図は圧縮行程の終わりにある第5図のエンジンの図である。 第7a、7b、7c、7d図は第5、6図のエンジンの動作の1つの完全なサ イクルを示している。 第8a図は圧縮行程中の第5、6図のエンジンの大小のピストンについてのク ランク角度変位曲線を示し、進入プロセスの制御方法を説明する図である。 第8b図は進入プロセスの持続時間にわたる制御を示す、第8a図の詳細を示 す図である。 第9図は進入直前の第5、6図のエンジンの小さいシリンダおよびピストンの 詳細を示す図である。 第10図は進入中の第9図のそれと同様の図である。 第11図は本発明によるMerrittエンジンの第2の間接進入型実施例を 吸気行程の終わりで示す、第5図と同様の図である。 第12図は本発明によるエンジンの第3の中間進入型実施例を圧縮行程の終わ りで示す、第5図と同様の図である。 第13a、13b、13c、13d図は本発明によるエンジンのシリンダ・ヘ ッドのための4つの形態の火炎プレート孔の平面図である。 第14図は間接進入型実施例のためのスパークプラグ、下方溝および絞りオリ フィスを有する変形配置を示す、第9図と同様の図である。 第15図はハイブリッド型火花点火希薄燃焼トーチ構造の形をしている本発明 によるエンジンの第4の直接進入型実施例を示す、第5図と同様の図である。 第16図はディーゼル・ハイブリッド・トーチ配置における本発明によるエン ジンの第5の直接進入型実施例を示す、第5図と同様の図である。 第17図は小さいシリンダ用の2つの燃料噴射器を備えた、ディーゼル・ハイ ブリッド配置の本発明によるエンジンの第6の間接進入型実施例を示す、第5図 と同様の図である。 第18a、18b、18c、18d図は第17図のエンジンのための第7a図 から第7d図と同様の図である。 第19図は小さいシリンダのための1つの燃料噴射器を備えた、ディーゼル・ ハイブリッド配置の本発明によるエンジンの第7の直接進入型実施例を示す、第 5図と同様の図である。 第20a、20b、20c、20d図は第19図のエンジンのための第7a図 から第7d図と同様の図である。 第21図は大きいピストンについての排気行程の開始時で示す第11図のエン ジンの変形例を示す図であり、この変形例はSTCIを用いてガソリン燃料で用 いるに適している。 第22図は燃料噴射器の可能な位置を示す、第9図と同様の図である。 第23図はSIGEハイブリッド・モードで作動する、第5図のエンジンの変 形例を示す図である。 第24a、24b、24c、24d図は小さいピストンの拡張吸気行程および 直接進入で作動する第23図のエンジンのための第7a図から第7d図と同様の 図である。 第25a、25b、25c、25d図は固定の小さいピストンと共に純粋なS IGEモードで作動する第23図のエンジンのための第7a図から第7d図と同 様の図である。 第26図は比較的小さなカムリフトを用いて比較的長い行程距離にわたってエ ンジンの小さいピストンを動かすのに使用できる二重カム機構を通る部分断面図 である。図面の詳細な説明 Merrittエンジンはディーゼルエンジンに類似する3つの配置で構成し 得る。 1. 直接進入(DI)式Merrittエンジン 2. 間接進入(IDI)式Merrittエンジン 3. 中間進入式またはピストン・プラグド間接進入(INI)式Merrit tエンジン DI式Merrittエンジン(その一例が第5、6図に示してある)では、 大きいシリンダ12と燃焼スペース20の間の孔が最大であり、小さいシリンダ 14のフルボアとなり得る。 IDI式Merrittエンジン(その一例が第11図に示してある)では、 孔2161は比較的小さく作ることができ、IDIディーゼルエンジン方式と同 様の要領で、大きいピストンの圧縮行程中に燃焼室に給送された空気における適 当な渦流運動を促進すると共に、膨張行程の早期部分で強力な熱ガス噴流を促進 することができる。 INI式Merrittエンジン(その一例が第12図に示してある)では、 大きいピストンが突起116を備えており、この突起が圧縮行程の後期部分およ び膨張行程の早期部分で孔を部分的に塞ぐ。 第5〜7図のDI式Merrittエンジンは大きいシリンダ12と小さいシ リンダ14を有し、この小さいシリンダは大きいシリンダの軸線方向延長部とな っている。小さいピストン18が小さいシリンダ14内で移動可能であり、この 小さいピストンはクラウン35と円筒形の駆動ステム234を有する。大きいピ ストン16が大きいシリンダ12内で移動可能であり、この大きいピストンはク ラウン36を有し、普通の方法でピストンリングによってシールされている。2 つのピストンは別個の機構によって動かされる。これらの機構は相互に連結して あってもよく、適当な機構Cによって一緒に作動するように制御される。たとえ ば、大きいピストンをクランクシャフト・連接棒構造で動かし、小さいピストン をカムシャフト600に取りつけたカム500で動かしてもよい。2つのピスト ンの行程距離は異なっていてもよい。好ましくは、大きいピストンが長い行程を 有する。 小さいピストン18は第2シリンダ14を小さいピストンのクラウン35の背 後の、駆動ステム234を含む第1容積部15aと2つのピストン間に構成され た第2容積部15b内へ駆動する。明らかなように、これらの容積部はピストン 18の移動につれて変わる。 小さいシリンダ内の行程容積は、シリンダ壁面14a、小さいピストン18の クラウン35の背面および小さいピストン18のステム234の表面によって境 されるスペースである。これは第5図で最もよくわかり、小さいシリンダの行程 容積は小さいピストンが下死点位置にあるときに最大値となる。第6図は、大小 のピストンがそれらの上死点位置に接近するときに圧縮行程の終わり付近にある エンジンを示している。壁面14aによって境されるスペースは今や燃焼スペー ス20となる。 小さいピストン18のクラウン35は縁37を有し、この縁の軸線方向厚さは ピストン18の行程よりもかなり小さい。クラウン35は円筒形の周縁37を持 つものが示してあり、この周縁は小さいシリンダの壁面14aからやや離れてい て環状ギャップ128を形成している。小さいシリンダ14の、図で見て上端に はオプションの周溝39が形成してあり、この周溝は後述するように進入を促進 するバイパスとなり、小さいシリンダに間隙容積を与える。 小さいピストン18のクラウン35は第5、6図では簡略化した形態で示して あるが、種々の形状に設計することが可能であり、そのうちのいくつかを以下に 説明する。 小さいピストン18はエンジンのシリンダヘッドにあるボア511によって案 内され、その中を摺動する。このボアはステム234まわりに小さい間隙を与え 、ステムが自由に動けるようにしているが、過剰なガスの漏洩を防ぐシールを与 える。1つまたはそれ以上の摺動密封リング510がシール・ステム234に対 して直列に設置してあり、さらにガスの漏洩を低減する。小さいピストンはカム シャフトの速度の半分の速度で回転するカム500の影響の下に移動する。スプ リング501がピストン18を助け、カムと接触させ続ける。カム500は大き いピストン16のクランクシャフト機構と同期して、圧縮行程の終わりで(第6 図)、小さいピストン18が図示したようにほぼその上死点位置に到達するよう にしている。この上死点位置では小さいピストン18のクラウン35の下面はシ ール面515をシールしてボア511を通り、またステム234まわりを通っ てガスが漏れるのをほぼ防ぐことができる。 カム500のプロファイルは小さいピストンのための拡張吸気行程を与える。 小さいピストンの移動量は行程の長さにおいてだけでなく大きいピストンの移 動量と異なる。たとえば、小さいピストンの吸気行程は大きいピストンの排気行 程ならびに吸気行程以上に延びてもよい。また、2つのピストンの行程の開始ま たは終了あるいはこれら両方が正確に同じ瞬間に生じる必要はない。 明らかなように、小さいピストンを駆動する機構は図示のカムシャフトと異な っていてもよい。たとえば、カム作動式ロッカーでもよいし、第26図に示すよ うに2つのカムによって作動するビームであってもよい。あるいは、液圧または 空気圧式の作動システムを使用してもよい。この場合、この作動システムは大き いピストンのカムシャフトからの信号によって制御される。このような制御が故 障した場合でも、小さいピストンの過った動きが望ましくない接触によって大き いピストンに損傷を与えることがない。 液体状の燃料は、小さいピストンの吸気行程あるいは圧縮行程またはこれら両 行程中に噴射器34のような燃料供給弁によって小さいシリンダ14に給送され る。燃料噴射器は、したがって、比較的低い圧力での給送を行うように設計する とよく、また、大きいピストンの燃焼期間および膨張行程中に面515に着座し たときに小さいピストンのクラウン35によってシールド作用を与えるとよい。 液体燃料は若干量の空気と共に霧化するとよい。 ガス状の燃料は小さな弁機構(図示せず)を通してシリンダ14に供給すると よい。この場合、弁機構は機械的あるいは電気的に作動させてもよいし、若干量 の空気と混ぜてから供給してもよい。 燃焼噴射器の代わりに、小さいピストン18の動きを利用してステム234を 介して燃料を圧送し、クラウン35の下面あるいはその付近に設けた孔を通して シリンダ14内へ噴射してもよい。このような配置(図示せず)では、噴射器3 4およびその燃料ポンプは小さいビストンに組み込むことができる。 大きいシリンダは排気弁26と、大きいシリンダ12内へほとんど絞らずに空 気を供給する吸気弁24を備えた吸気管25とを有する。 燃焼スペースはスパークプラグ52を備えており、STCI原理で作動できる ようになっている。この場合、エンジンの圧縮比は低下する。これは、圧縮行程 の終わりに溝39およびギャップ128を通って進入した後に濃厚な混合気(蒸 発燃料を含有する)の点火が最初に第6図に示す瞬間のやや前に生じる火花で行 われるからである。火花に続いて、早期燃焼が燃焼スペース20内のガスの温度 及び圧力を上昇させ、その結果、ギャップ128および溝39を通って進入し続 けている残りの燃料が圧縮点火によって点火させられることになる。 第6図に示す燃焼スペース20はシリンダヘッド内のシリンダ14用に設けた スペース内に含まれるのが好ましいが、大きいシリンダ12内へ、たとえば、大 きいピストン16のクラウンに、破線で示すように設けたくぼみ117内へ延長 してもよい。あるいは、燃焼スペース20は大きいピストン16のクラウン36 に設けた、破線で示すような突起116を用いることによって小さくすることも できる。 いずれかあるいは両方のピストン16、18が116または117のような突 起あるいはくぼみを持っていて、燃焼スペース内でのガスの動きを方向付ける用 にしてもよいし、また、エンジンに所望の圧縮比を与えるように燃焼スペースの 容積を調節できるようにしてもよい。小さいシリンダ14の選定した容積が所与 の圧縮比にとって燃焼スペースで必要なすきま容積を得るには不充分である場合 には、大きいピストンのクラウンに空所117を設けるか、あるいは、弁座空所 を設けることができるくぼみをシリンダヘッドに設けるかすることによってさら に燃焼すきま容積を増やすしてもよい。 小さいシリンダ14の容積は燃焼スペース20の容積よりも小さいか、おおき いかのいずれでもよい。純粋なMerrittエンジンはエンジンへの全燃料供 給量を小さいシリンダ14へ給送することを要求するが、このような構成はより 小さいシリンダのためのより大きい行程容積あるいは大きい行程容積比Eから利 益を得ることができる。たとえば、小さいシリンダを小型化してエンジンに供給 される燃料の小部分のみを受け入れるようにしてもよい。残りの燃料は、Mer ritt/ディーゼル・ハイブリッド・モードにおけるように燃焼スペースへ直 接供給してもよいし、あるいは、Merritt/SIGEハイブリッド・モー ドにおけるように大きいシリンダの吸気管25に供給してもよい。こうようにし て、小さいシリンダは主燃料チャージ量の点火のために利用することのできるエ ネルギをかなり増大することのできる点火増幅器を与えることができる。このよ うな応用はディーゼルエンジンにおける燃料プロセスを改善することができ、S IGEエンジンでの希薄予混合燃料/空気混合物の点火を可能とすることができ る。 カム・プロファイル500は小さいピストン18を上死点位置から下死点位置 へ180度のカム回転または360度のクランク回転にわたって移動させる。こ のことは、大きいピストン16の排気行程および吸気行程の両方で同時に生じる 小さいピストンの拡張吸気行程を与える。小さいピストンの圧縮行程は90度の カム回転にわたって生じ、後の90度のカム回転では、小さいピストンはその上 死点位置に留まる。 第7a〜7d図は4ストローク・サイクルの純粋なMerrittモードにお ける第5〜7図のエンジンの動作を図解している。第7a〜7d図は大きいピス トン16の吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を表している。第7d図お よび第7a図は小さいピストン18の吸気行程を表しており、第7b図は両ピス トンの圧縮行程の開始を表しており、第7c図は小さいピストンの停止期間すな わちパーキング期間を表している。 第7a〜7d図に示されるタイミング配置によれば、小さいピストン18は、 大きいピストン16がその下死点位置(第7d図)から離れて移動することによ ってその排気行程を開始したときに、上死点位置から離れるように移動する吸気 行程を開始することができる。こうして、小さいピストン18の速度が大きいピ ストン16の比べて遅くなり、その結果、大きいピストン16がその排気行程の 終わり(第7a図)で上死点に到達したポイントで吸気行程距離のほぼ半分に達 するだけである。次いで、小さいピストン18はその上死点位置から離れる吸気 行程を継続し、一方、大きいピストン16もその吸気行程中その上死点位置から 離れるように移動する。吸気行程に続いて、大小の両ピストン16、18はほぼ 同時に圧縮行程を開始することができる(第7b図)。最後に、大きいピストン がその膨張行程を行っているとき(第7c図)、小さいピストン18はその上死 点位置に停止したままである。この構成では、小さいピストンの吸気行程の最 初の部分が大きいピストンの排気行程中に生じ、第2の部分が大きいピストンの 吸気行程中に生じる。 このような配置の重要な利点はリフト中にカムの180度と同じ位に大きい長 い円弧長をカムシャフトに与えるということである。これによれば、余計な機械 的な応力を生じることなしに比較的大きいカムリフトを使用できる。小さいピス トン18の吸気行程の持続時間を延長する主たる利点は、小さいシリンダの第2 容積部で燃料が蒸発する時間を延ばすことにある。 噴射器34は小さいピストン18の吸気行程の初め(第7d)で燃料の給送を 開始し、この燃料の給送は全吸気行程にわたってかつ圧縮行程中にも継続する。 好ましくは、小さいピストンの吸気行程の初めで可能なかぎり早く燃料噴射が開 始して小さいシリンダ14内で液体燃料を蒸発させるのに利用できる期間を最大 にするとよい。小さいピストンの吸気行程の早期部分で、大きいシリンダ12内 の排ガスは小さいピストンのクラウンまわりのギャップ128を通して第1容積 部15aに入る。熱いガスは噴射器34の噴射した燃料の蒸発を助ける。 小さいシリンダ14は吸気弁も排気弁も備えず、小さいピストン18の吸気行 程の後の部分で、大きいシリンダ内の新鮮な空気がギャップ128を流れて小さ いシリンダの内容と混合する。オプションの下方溝391(第14図)を用いて 、小さいピストンのクラウン35まわりの周囲ギャップを拡大することによって 、このピストンが下死点位置で吸気行程の終わりに達したときに小さいシリンダ 内へ送られる空気の量を増大させてもよい。直接進入式または中間進入式実施例 に適した或るオプションの構成では、小さいピストン35のクラウンは吸気行程 の終わりで小さいシリンダ14のボアを出て大きいシリンダから小さいシリンダ への空気の吸入量を高めることができる。 ギャップ128のサイズは、小さいピストンの吸気行程中に小さいシリンダ内 の圧力を大きいシリンダ内の圧力よりも低い値に制限するように慎重に設計する 。このギャップはエンジン速度レンジ、使用燃料、行程容積比Eその他のパラメ ータに合わせて設計してもよい。上方溝39を用いる場合、ギャップを接触する かしないかで摺動する間隙を与える程度に非常に小さくしてピストン18の縁が 溝39に到達するまで進入を阻止するようにしてもよい。この溝39は省略し てもよいが、この場合、ギャップ128を充分に大きく作って、進入中に燃料が ギャップを通して燃焼スペース20へ流れることができるようにしなければなら ない。 シリンダ14の第1容積部15aのサイズが吸気行程中に増大するので、シリ ンダ12からシリンダ14の第1容積部へのガスの移送は燃料の蒸発によるシリ ンダ14内の圧力増大によって影響される。 ひとたびシリンダ14の第1容積部が圧縮行程中(第7b図)に減少し始めた ならば、小さいピストン18の圧縮行程の終わり付近まで分離が維持される。 分離が最終的に終わると、小さいシリンダ14の第1容積部15a内のガスの 混合物は進入プロセスで燃焼スペース20内へ送り込まれる。この混合物は蒸発 した燃料、若干の空気、若干の排ガス、また、おそらくはまだ液状の若干の燃料 を含むが、圧縮点火による燃焼を促進するには酸素量が不充分である。 この進入プロセス中、小さいピストンのクラウンの下面は小さいシリンダ14 の端面に向かって急速に移動する。これは第9、10図によりはっきりと示して ある。第9図は進入の開始直前で圧縮行程の終わり付近において好ましい形態の 小さいピストンを示している。この時点では、分離はまだ優勢であり、空気は燃 焼スペース20からギャップ128を通って第1容積部15a内へ移動する。 第10図において、ピストンのクラウン35の縁37は溝39を覆っておらず 、小さいシリンダ14からのすきま容積の突然の除去ならびに同時のギャップ1 28の拡大によって、第1容積部の内容物が矢印で示すように燃焼スペース20 内へ進入する。カム500のプロファイルは、小さいピストン18が若干の速度 で座部515に到達することができるように設計する。こうして、ガスは適切な 力で進入させられる。進入した燃料/空気混合物は溝の形状によって特別な要領 で燃焼スペース内へ送り込まれる。明らかに、この形状の或る程度の変更は可能 である。1つの変形例が第22図に示してあり、ここでは、小さいピストンの溝 およびクラウン35のプロファイルは第22図に矢印で示すように進入する燃料 /空気混合物の給送通路を与えるような形状にしてある。 燃焼スペースに入る燃料はさらなる酸素と混合し、圧縮点火によるか、あるい は、スパークプラグ52を用いての火花点火によって点火される。しかしなが ら、進入プロセスが完了し、小さいピストンが第22図に示すように座部515 に着座するまで全燃料が完全に燃焼することはない。 圧縮行程または進入期間中のステム・シール510を通して漏洩したガスは小 さいマニホルド5100に集められ、そこから通路5101を通して大きいシリ ンダ12の吸気管25に給送される。 大きいピストン16の膨張行程中、小さいピストンは停止しており、したがっ て、高い圧力、温度条件からステム・シール510および燃料噴射器34を保護 する。小さいピストンのクラウン35は燃焼期間中加熱され、これは次ぎのエン ジン・サイクルでの燃料の蒸発を助ける。 燃焼期間の大部分にわたって、そして、膨張行程中に小さいピストンを停止さ せるということは、小さいピストンのクラウン35のない燃焼スペース20を残 す。これは燃焼プロセスを改善する。 大きいピストン16の排気相(第7d図)は小さいピストン18の吸気行程の 開始と一致し、第1容積部への燃料の噴射がこの行程中に開始する。 小さいピストン18のその上死点、下死点位置間の移動の開始と終了は、大き いピストン16のその上死点、下死点位置間の移動の開始と終了とタイミング的 に正確に一致してもよいし、一致しなくてもよい。小さいピストン18がその上 死点位置に接近するか、あるいは、もしあったとして溝39を露出させ始めると きに進入の瞬間に合わせ、大きいピストン16がその上死点位置に接近したとき に最適なクランク位置で進入の瞬間を促進すると望ましい。点火はスパークプラ グ52に発生した火花によって開始するか、使用燃料とエンジンの圧縮比の組み 合わせを圧縮点火を可能なように選んだ場合には圧縮点火によって開始する。 小さいピストン18の行程は大きいピストン16の行程より小さい、好ましく は、かなり小さい。 第2の適当なタイミング配置は第25図のカム506を使用する。大小の両ピ ストンの吸気行程はほぼ同じクランク角度位置で開始し、両ピストンの圧縮行程 もほぼ同じクランク角度位置で終了する。その後、大きいピストン14は膨張行 程を継続し、その後に排気行程が続く。一方、小さいピストン18は両行程中停 止したままであり、圧縮行程の終わりで到達した上死点位置に停止している。ピ ストン移動のための他のタイミング配置も可能である。 2つのピストンの動き(第7図に示す)は正確に同期している必要はない。好 ましくは、小さいピストンは大きいピストン16の膨張行程の大部分にわたって シール面に着座し続けるとよい。小さいピストンは、大きいピストン16の膨張 行程の終わり付近あるいは大きいピストンの排気行程の初めあるいはその最中に 吸気行程を開始する。あるいは、大きいピストン16の排気行程中の任意の時点 で吸気行程を開始してもよい。大きいピストンの排気行程中に小さいピストンが その吸気行程を開始した場合、小さいピストンは若干量のガス状燃焼生成物を小 さいシリンダ14の第1容積部に導入することになる。吸気行程中に燃料が小さ いシリンダに噴射されたとき、熱いガスは燃料の蒸発を助ける。 第11、4、21図に示すMerritt間接進入配置では、燃焼スペース2 0は孔2161を有する絞りまたはプレート216によって大きいシリンダ12 から部分的に分離される。この孔は燃焼スペース20と大きいシリンダ12の間 のガスの移動を可能とし、多数の機能を与える。大きいピストン16の圧縮行程 中に大きいシリンダ12から燃焼スペース20へ移動している空気に渦流運動を 与える。また、燃焼の早期段階で燃焼スペースから流出する熱ガスを高速の噴流 にする。この噴流は燃焼プロセスに参加するようにすることのできる未使用ある いは寄生空気を含むシリンダ12内の弁空所に向かって送られ得る。孔2161 のサイズは、使用される燃料および圧縮比に依存して、設計者の選択に従って変 えることができる。間接進入混合配置は、圧縮点火またはSTCIと共に、ガソ リンまたはディーゼル燃料、実際には他の任意の燃料を用いてMerrittエ ンジンで使用することができる。間接進入型のMerrittエンジンの明らか なる利点は、エンジン火炎プレートに設ける孔2161のために必要なスペース を減らすことにある。これにより、第11図および第13a図でわかるように、 弁スペースとの干渉が少なくなる。燃焼スペースの容積はプレート216と小さ いピストンのクラウン35の間に含まれてもよいし、あるいは、大きいシリンダ 内へ部分的に拡張してもよい。たとえば、第11図に示すように大きいピストン 16のくぼみ117に拡張してもよい。 第12図のMerritt中間進入型エンジン配置では、シリンダ12に向 かって開いている燃焼スペース20の領域は一時的に中実の境界部116によっ て閉塞される。この境界部は第11図の孔2161と同様の機能を果たす孔11 61(単数または複数)を含む。孔は接線方向あるいは軸線方向あるいはこれら 両方向の速度成分を持って空気をシリンダ12から燃焼スペース20内へ向ける ことができる。これは圧縮行程の後の部分で燃焼スペース20へ給送される空気 に回転ガス運動を与える。 中実境界部はピストン16に設けた突起のように形成したプラグ116の形を していてもよい。プラグ116は燃焼スペース20を含む小さいシリンダ14の 壁からの余裕のある間隙を与えてピストンの移動中に接触を避けることができる 。プラグ116の、大きいピストン16のクラウン上方の有効高さHは比較的小 さくてもよい。たとえば、大きいピストン16の行程の10%〜20%の範囲で あってもよい。これは、シリンダ12内の空気の質量の大きな割合部分(たとえ ば、50%〜70%)が圧縮行程の終わり付近で大きいピストンの移動量の最後 の10%〜20%にわたってプラグを過ぎて燃焼スペース20内へ送られるため である。さらに、この空気は高度に圧縮された状態にあるときに密度を増大する 。 第12図でわかるように、プラグ116およびピストン18は部分球形に形成 された表面を有し、この表面は燃焼室20内の空気に渦流運動を与える助けとな る。 第13a〜13d図はエンジン火炎プレートの2つの可能性のある形態の平面 図である。火炎プレートは弁ヘッド座24、26を含み、図は大きいシリンダ1 2と小さいシリンダ14の間の開口のための可能な形状を示す。第13d、13 c図の配置はシリンダあたり4つの弁を許す。2つの吸気弁24と2つの排気弁 26は直接進入エンジンにおける完全開放、中央配置の小さいシリンダ14を取 り囲んでいる。小さいシリンダの横断面は円形であってもよいし、第13c図に おけるような別の適当な形状としてもよく、火炎プレートで利用できる領域を最 良に使用することができる。小さいピストン18のステム234の確実な案内を するためには、クラウン35は、危険なしに、すなわち小さいシリンダの壁面1 4aに接触することなく任意の横断面形状とすることができる。4弁配置は対称 的であり、良好なガス流を与えるようにする。第13a図は間接進入エンジンに おける2弁配置の一例を示している。ここで、燃焼スペースは孔2161を通し て大きいシリンダ12に連通している(第11図も参照のこと)。 第13b図は吸気弁24および排気弁26の弁空所424を示しており、間接 進入エンジンにおける燃焼スペース20の端面図である。浅い通路360をシリ ンダヘッド、あるいは、大きいピストンのクラウンに切って孔2161に出入り するガスを方向付けしてもよい。矢印369は圧縮行程の後の部分で燃焼スペー スへ給送された空気の回転方向を示しており、矢印367、368は通路360 から弁空所内へ入った燃焼ガスの回転方向を示している。こうして、弁空所の寄 生容積に捕らえられた酸素が、Ricardo Comet配置を用いて、IDIディーゼル エンジンの動作と同じ要領で燃焼プロセスに参加することができる。Merrittエンジンにおける分離プロセス 本発明によるエンジンでは、分離は小さいシリンダ14の第1容積部15a内 の燃料/空気混合物を大きいシリンダ12に流入する空気から隔離しておくプロ セスである。このプロセスは、小さいピストン18の吸気行程および圧縮行程の 大部分にわたって第2容積部15b内の圧力以下の、第1容積部内で優勢な圧力 に依存する。この分離はいくつかの特徴を用いて達成される。 1.選定した条件の下にギャップを通してガス流を許すに充分に大きいときの 小さいシリンダの壁面と小さいピストンのクラウンの間のギャップ128。 2.ギャップを通してのガス流を許すには小さすぎるときの小さいシリンダの 壁面と小さいピストンのクラウンの間のギャップ128。 3.小さいシリンダにすきま容積を与える容積を有する上方溝39。 4.相対圧縮対進入容積比。 5.特に圧縮行程中の大きいピストン12に対する小さいピストン18の変位 クランク角度関係。これは2つのピストンの圧縮行程の大部分にわたる小さいシ リンダ14と大きいシリンダ12における容積低減率を決定する。 上記の特徴を、エンジンの設計に依存して組み合わせるかあるいは個別に使用 することによって、小さいピストン18の圧縮行程の終わり付近まで進入を禁止 することができる。たとえば、特徴2を用いると特徴3の使用も必要となる。し かしながら、特徴1の使用によれば、小さいピストンが大きいピストンよりもっ と遅れることが必要である(特徴5)。 特徴2、3はたとえば第9図で用いられる。この第9図はギャップ128を通 り、小さいピストン18のクラウン35を横切るガスの移送を示している。小さ いピストンの吸気行程中、シリンダ14の第1容積部15aが増大するにつれて 、たとえば噴射器34によって第1容積部内へ燃料が給送される。燃料が蒸発す るにつれて、それは第1容積部内に付加的な部分圧力を生じさせ、この圧力が大 きいシリンダ12内の圧力も低いままであるならば、大きいピストンの排気行程 中、大きいシリンダ内のガスの若干量がギャップ128を横切って移動して燃料 と混ざる。ギャップの寸法によって与えられる絞りは圧力低下を促進し、これが 第1容積部15a内の圧力を大きいシリンダ内の圧力よりも低く保ち、この効果 がエンジン速度と共に増大する。 小さいピストンの吸気行程中に完全な分離を行うために、小さいシリンダ14 の第1容積部15aへ給送される燃料の量は小さいシリンダの行程容積に一致し ていて、第1容積部内の全圧力が吸気行程中に大きいシリンダ内の全圧力よりも 低く保たれていなければならない。揮発性の高い燃料、たとえばガソリンは進入 プロセス開始前に小さいシリンダ内で完全に蒸発することのない揮発性の低い燃 料に比べて、小さいシリンダ14により大きい行程容積を要求する。揮発性の低 い燃料でもMerrittエンジンで使用できる。これは、第10図に示すよう に進入プロセスが強力なガス噴射を行い、このガスが若干の未蒸発燃料を細かい 液滴の形で運び、燃焼スペース内で急速に燃焼させ得るからである。たとえば、 純粋なMerrittエンジンは低圧噴射器34によって小さいシリンダ14の 第1容積部内へ噴射されたディーゼル燃料を使用でき、特に全負荷時にすべての 燃料を完全に蒸発させなくても作動できる。この場合、小さいピストンの吸気行 程、圧縮行程のときに燃料の一部のみが蒸発し、残りの液体燃料は進入プロセス 中に熱ガスと共に放出されたときに霧化される。 溝39内に含まれる容積も、圧縮行程の終わり付近でピストンのクラウン35 が溝に到達するまで小さいシリンダ14にすきま容積を与える。小さいシリンダ の、たとえば上方溝39内のすきま容積は、圧縮行程中にピストン18の各連続 する変位段階を横ぎる容積比(したがって、圧力比)が同じ変位時間にわたって 大きいシリンダ12の対応する容積比よりも小さいシリンダ14で小さいように 選ぶ。こうすれば、小さいシリンダ14の第1容積部内の圧力上昇が、大小の両 シリンダが等しい圧力で圧縮段階を開始したとしても大きいシリンダ12内の圧 力上昇よりも低くなる。こうして、小さいピストンが溝39に達するまで両ピス トンの圧縮行程中維持される。それ故、このすきま容積の突然の喪失(ギャップ 128が急激に拡大したときに生じる)が進入プロセスを開始させる。 特徴5を第8a、8b図を参照しながら説明する。2つのピストン16、18 が下死点位置(ODC)から上死点位置(IDC)まで圧縮行程中に移動すると きのこれらのピストンの位置が180度から360度のエンジン・クランク角に ついてプロットしてある。各ピストンの位置はピストンに対する行程長さのパー センテージで表してある。曲線6000は大きいピストンのためのクランク機構 の代表的なほぼ正弦波の運動を示しており、曲線6001、6002はクランク シャフトに対する2つの位相角に設定したカムシャフトと共にカム・プロファイ ルによって小さいピストンに与えられる運動を示す2つの例である。ポイント6 003、6004は小さいピストンのクラウンの縁37が上方溝39を露出させ 始めたときの進入プロセスの開始を表している。 曲線6001(6002)は曲線6000より遅れており、その結果、ポイン ト6003(6004)での進入の前の大部分のクランク角位置で、大きいピス トン16が小さいピストン18よりも前方に移動し、こうすることによって、大 きいシリンダ12内の圧力上昇を小さいシリンダ14の第1容積部15aでの圧 力上昇よりも大きくする。明らかなように、第8a、8b図に示す運動は、圧縮 行程中、小さいシリンダの第1容積部におけるよりも比例的に速い速度で大きい ピストンが大きいシリンダの容積を減少させることを示している。ポイント60 03(6004)は小さいピストンの残りの行程長さに沿った進入点を表してい る。小さいピストン18を大きいピストン16よりも相対的に遅くすることは、 カム500のプロファイル(第5図)によるか、あるいは、大きいピストンを作 動させるクランクシャフトに対する、小さいピストンを作動させるカムの角度位 置を移動させることによって達成できる。Merrittエンジンの進入プロセス 進入プロセスは分離プロセスに続くものであり、小さいシリンダ14の第1容 積部15aの内容を小さいビストン18のクラウン35の縁37を横切って燃焼 室20へ移送するプロセスである。これは小さいピストン18の圧縮行程の終わ り付近で生じ、それを第10図の助けを借りて説明する。このとき、小さいシリ ンダ14の第1容積部15aの内容物は、完全にあるいは部分的に蒸発した燃料 と、若干の空気と、おそらくは若干のガス状燃焼生成物とを含んでいる。この混 合物は非常に燃料が濃厚であり、酸素が乏しい。したがって、圧縮行程の終わり でも燃えにくい。燃焼スペース20(吸気の大部分が含まれている)へ移送され たとき、この燃料は酸素の存在の下に点火によって容易に燃焼し始める。 小さいピストン18のクラウン35の縁37が溝39の縁に到達すると、分離 プロセスが崩れる。小さいシリンダの第1容積部15a内に含まれるガスはピス トン18のさらなる移動によって燃焼スペース20内へ押し込まれる。燃料濃厚 ガスは溝によって半径方向下方へ偏向され、円筒形壁面まわりに燃焼スペース内 を回転している空気と混じり合う。ピストン18が最終的に座部515につき当 たると、燃料は分離期間中に蒸発しなかった液体燃料を含んでいる燃焼スペース 20内へ放出される。 小さいピストンのクラウン35の縁の厚さT(第10図)は進入が始まるピス トン18の位置に影響する。厚さTが大きければ大きいほど、進入が遅く始まる 。 進入開始のタイミングは、エンジンの設計、特に、使用する点火方式に従って 異なる。圧縮点火が用いられる場合には、進入のタイミングは燃焼開始を決定す るが、燃焼プロセスは小さいピストンがその座部に達し、酸素が存在する燃焼ス ペースにすべての燃料を給送するまで終了することはない。STCIが用いられ る場合には、進入は、火花点火が生じる前に早期に開始する。その正確なタイミ ングの重要性は、燃焼開始が進入開始後に生じなければならない火花のタイミン グによって制御されるので、低い。 進入プロセスの開始のタイミングは点火タイミングのやや先にある。これは燃 料を燃焼スペース内の酸素と混合して持続可能な燃焼プロセスを可能とする必要 があるからである。進入プロセスが時間を経るにつれて、進入プロセスのタイミ ングを大きいピストンの位置に関係した燃焼プロセスの所望タイミングと同期さ せる必要がある。或る好ましい解決策は、短時間だけ進入を遅らせることである 。 分離プロセスに関連して先に説明した第8a、8b図は、進入プロセスのタイ ミングおよび持続時間をいかにして制御するかを示している。曲線6001、6 002は、1つのカム・プロファイルを用い、カムシャフト(小さいピストンを 作動させる)とクランクシャフト(大きいピストンを作動させる)の間の位相角 を変えることによってもたらされる小さいピストン18の2つの可能性のある動 きを示している。ポイント6003、6004は、第10図に示すように、上方 溝の始まりに小さいピストンが到達することによって物理的に決定される進入プ ロセスの開始を表している。これら両ポイントは行程の終わりから距離xのとこ ろの共通線上に位置するように示してある。この距離xは溝39の始まり位置を 表している。 第8a図において、二重矢印6005は、カムシャフトとクランクシャフトの 間の位相を変えることによる進入プロセスの開始への効果を示している。その結 果、進入は、曲線6001と6002の場合、それぞれ、クランク角θ1、θ2 で始まる。曲線6000と曲線6001の間の遅延角を大きくすると曲線600 2が生じる。曲線6002は、各クランク位置で、小さいピストンが曲線600 1と比べて大きいピストンの位置からさらに遅れていることを示している。この ピストン距離の遅れは分離の開始を制御できる方法の1つである。これは、圧縮 行程中に2つのピストン16、18の引き続く容積比を制御するからである。明 らかなように、この遅れは進入が開始する小さいピストン18の位置(ポイント θ1またはポイントθ2で示してある)に影響する。 第8b図は進入プロセスの持続時間にわたっての制御を説明するための第8a 図の拡大図である。曲線6002上の進入期間はθ2からθC2までのクランク シャフトの角度運動によって表されている。位置6001から位置6002まで の小さいピストン18の遅れを大きくすると、進入プロセスの開始(θ1からθ 2まで)と終了(IDCからθC2まで)の両方が遅れる。θC2での終了は大 きいピストン16の膨張行程の開始へ動かしたものとして図示してあり、これは 進入プロセスの開始を遅らせたことによる予期しない結果である。このような利 点を克服するためには、カム500のプロファイルにより、θ2で進入開始ポイ ントに到達した後に小さいピストン18から急激に離脱できるようにするとよい 。このような配置で可能なカム・プロファイルが第21図に示してある。このカ ム・プロファイルを用いた場合、θC2aまでの破線の曲線6004あるいはθ C2bまでの破線曲線6004は進入プロセス中の小さいピストン18の位置を 示す。ポイント6004に到達する前は、小さいピストンの動きはカム・プロフ ァイルによって制御される。ポイント6004の後、すなわち、進入プロセスが 開始した後、小さいピストン18は、スプリング501およびこの位置にある小 さいピストンに影響するガス力の作用の結果として得ることのできる最高速度ま で自由に加速する。この自由運動は時間依存であり、したがって、より低いエン ジン速度(ポイントθC2a)と比べてより高いエンジン速度(ポイントθC2 b)においてより遅いクランク角で進入プロセスが終了することになる。これは 、全進入プロセスが、より高いエンジン速度で、急速に、たとえば、クランク回 転角で11度を超えて生じる場合には欠点ではない。たとえば、600rpmの アイドル速度で、進入プロセスは2つのクランク角度(上死点前の大きいピスト ン16のクランク回転10度から上死点前のクランク回転8度まで)にわたって 延ばすことができる。6000rpmで、進入プロセスは11度のクランク角( 上死点位置前のクランク回転10度プラス大きいピストンの上死点位置後の1度 )にわたって延ばすことができる。 ポイント6004での小さいピストン18の自由加速運動の開始前に、小さい ピストンは600rpmよりも6000rpmのエンジン速度で速く動き、より 高いエンジン速度で進入プロセスを短くするのを助けることになる。 進入プロセスの終わりで、ピストン18のクラウンが座部515と接触したと きに小さいピストンは停止する。このときの衝撃は小さいシリンダ14の第1容 積部15aから急速に排出されるガスによって緩衝される。進入するガスのこう して生じた高い速度(第10図の矢印5111)は燃焼スペース20内での燃料 と空気の混合を助ける。 上記の配置は非常に短い持続時間の遅い進入を与える。このプロセスは、全燃 料が小さいシリンダ14内へ導入される純粋なMerritt動作モードにおい て火花トリガー式点火と一緒に用いるのに非常に適している。このような配置で は、進入が開始すると直ちに点火が生じ、全エンジン速度で燃焼期間が短くなり 、非常に高い熱効率を得ることができる。 別の配置では、常時カム・プロファイルの影響の下に所与のクランク角持続時 間にわたって進入プロセスを促進することができる。これは上死点位置(360 度クランクシャフト位置)における進入終了までの曲線6001の連続によって 示されている。この場合、点火のタイミングはポイントθ1で進入プロセスが開 始する後まで遅らせる必要がある。これは、圧縮点火を故意に避ける場合には時 間を合わせた火花の助けによって行われる。点火を行った後、まだ進入し続けて いる濃厚燃料混合物が燃焼し、早期に進入した燃料を点火する。この早期の燃料 は燃焼室20内で空気と混じり合った後に希薄な燃料/空気混合物を形成する。 この希薄燃料/空気混合物が燃焼スペース20内でこの方法で(たとえば、エン ジンがアイドリングで、燃料を少ししか使用していないときに)点火できない場 合には、大きいシリンダへの吸気管25を部分的に絞るとよい。これは点火時の 燃焼室20内の空気量を減らし、それによって、点火時の燃焼スペース20内の 燃料/空気混合物を濃厚にする。このようなオプションの絞り弁83が第23図 に示してあるが、エンジンの熱効率を低下させる可能性があるので、この目的の ために絞り弁を使用するのは最小限とするとよい。あるいはまたはそれに追加し で、進入中に小さいシリンダ14の第1容積部15aから出る濃厚燃料/空気混 合物は層状になり、燃焼室20内で火花によって点火可能な状態に留まる。 圧縮点火を用いるMerritt/ディーゼル・ハイブリッド形態のMerr ittエンジンを用いる場合、第8b図に示すポイントθ2での燃料/空気混合 物の進入はMerrittモードで小さいシリンダに入った少量の燃料の点火を 誘発することになる。これは、別個に、クランク角位置に関して最適な燃焼期間 を与えるように適切な時点で燃焼室へ入った燃料の主チャージ分のトーチ作用を 促進する。このようなエンジンでは、少量のトーチ作用燃料のみの圧縮点火が主 燃焼噴射プロセスに先立って生じるが、圧縮行程の終わりで認められる程の不利 な動作は生じない。Merrittエンジンの点火プロセス Merrittエンジンは燃焼室にガス状燃料を給送する分離式エンジンであ る。したがって、燃焼プロセスを開始させるのに圧縮点火またはSTCIを用い るのとは別に、Merrittエンジンはグロープラグや燃焼室20の壁面に配 置した触媒材料、たとえば、プラチナの層のような連続点火装置も使用し得る。 MerrittエンジンがSIGE燃焼システムとハイブリッド化されている場 合には連続点火装置は使用できない。 圧縮点火を使用するためには、ディーゼルエンジンと同様に、Merritt エンジンは適当な燃料を圧縮点火のための充分に高い圧縮比と組み合わせる必要 がある。ディーゼル燃料を用いる場合、直接進入エンジンとして設計された純粋 なMerrittエンジンは、たとえば、14:1〜16:1の圧縮比を使用し 得る。Merrittエンジンで予蒸発ディーゼル燃料を点火するのに必要は圧 縮比はディーゼルエンジンで用いられる圧縮比よりも低く、この場合、燃料の若 干量が蒸発プロセスで熱い空気から熱を抽出した後にのみ液体燃料が点火される 。間接進入エンジンとして設計されたMerrittエンジンはより高い圧縮比 、たとえば、18:1〜20:1を必要とする。これらの値は代表的なIDIデ ィーゼルエンジンの要件より低いかも知れない。 STCIの使用は、燃料が点火前に小さいシリンダ14の第1容積部15a内 で予め蒸発させらるので、Merrittエンジンでも可能である。STCIを 用いる場合、未支援の早期圧縮点火は避けなければならない。したがって、エン ジンの圧縮比は使用する燃料に合わせ、未支援の圧縮点火を避ける必要がある。 たとえば、高オクタン価のガソリンを用いる場合には、10:1の圧縮比が適当 である。 STCIプロセスはスパークプラグ52の電極のところに点火可能な混合気を 必要とする。したがって、燃料、空気の両方を電極付近に一緒に持って行ける適 切な場所にスパークプラグを設置することが重要である。 このような配置の適当な1つが第14図に示してあり、ここでは、スパークプ ラグ電極が小さいシリンダの壁面14aにある空所1152内に位置している。 この空所は溝39のやや下方の位置に示してあり、溝39内へ開いていて濃厚な ガス状の燃料がスパークプラグ電極に到達できるようにしている。燃焼スペース 20の壁面まわりに移動している渦流空気は空所の下方部分1153によってス パークプラグ電極に向かって送られる。こうしてできた混合気は火花で点火され て火炎を生じ、この火炎が溝39まわりに移動するように進行する。エンジンの 圧縮比を適当に選定したとき、ひとたび若干の燃料に火花点火したならば、続い て充分な圧力、温度上昇が生じ、小さいシリンダの第1容積部15aから燃焼ス ペース20へ流入する別のガス状燃料の圧縮点火プロセスを誘発することができ る。STCIプロセスはSTGEで用いられる通常の火花点火とは異なり、全混 合気を横切って移動できる火炎前面に着火する火花によって理論燃料/空気混合 物が点火される。Merrittエンジンでは、ディーゼルエンジンと同様に、 燃料と空気の混合は燃焼プロセス中に生じ、すべての燃料が燃焼スペースへ給送 されるまで終われない。 純粋なMerrittエンジンの燃焼スペースは、燃料が点火を必要とすると きまで燃焼スペースに入らないので、代表的なSIGEの燃焼室よりも高い温度 で作動させ得る。Merrittエンジン・ハイブリッドのトーチ作用点火能力 本発明によるMerrittエンジンで使用する分離プロセスは、小さいシリ ンダの第1容積部15aへの燃料供給源以外の燃料供給源から燃焼スペース20 へ給送される燃料に点火する高エネルギ点火源を与えるように使用することがで きる。 この用途の2つの例が第15、16図に示してある。 第15図の配置はスパークプラグによって通常点火し得る均質な燃料/空気混 合物と共に用いるのに適している。 第15図において、噴射器82を介する第2の燃料供給源が大きいシリンダ1 2へ直接燃料を与える。小さいシリンダ18は少量の燃料、たとえば、理論燃料 量の10%(燃料比F=10%)を蒸発させるだけの小さい行程容積比Eを有す る。噴射器34を通してエンジンの1サイクルあたりに給送される燃料の量は一 定であってもよいし、点火プロセスに必要なエネルギに従って変えてもよい。こ の燃料は、低圧噴射器34によって給送されるように図示してあるが、他の低圧 計量装置を用いることもできる。たとえば、小さいピストンのステムの動きを利 用して1サイクルあたり一定量の燃料を圧送してもよい。燃料は噴射器82によ って給送される燃料と同じであってもよいし、もっと揮発性のある燃料あるいは ガス状燃料であってもよい。 小さいシリンダはスパークプラグ52を備え、燃焼スペース20に進入する燃 料/空気混合物を点火する。燃焼スペース20は大きいシリンダ12の必要量を 満たすように設計したより大きいくさび状の燃焼室220と連通するように図示 してある。小さいシリンダの第1容積部15a内の燃料/空気混合物は火花で容 易に点火することができる。たとえば、理論値とすることができる。 第2の低圧噴射器82は大きいシリンダ12に空気を供給している吸気管25 に燃料を給送する。このようなエンジンの出力を制御するのに絞り弁83が必要 であるかも知れない。噴射器82を通しての燃料供給量は吸気行程、圧縮行程中 に大きいシリンダ12に形成される理論混合気にとって必要な量よりも少なくて もよい。したがって、大きいシリンダ12は希薄燃焼エンジンとして作動し、ス パークプラグ52は圧縮行程の終わりで希薄混合気に点火するに充分なエネルギ を支援なしに与えることができなくてもよい。しかしながら、小さいシリンダの 第1容積部15aから進入する燃料/空気混合物はスパークプラグ52によって より容易に点火でき、この点火に続いて、そうして生じた火炎が大きいピストン 16によって燃焼室220に給送される希薄混合気を点火することができる。こ のような配置において、エンジンは、噴射器82を切った場合、噴射器34によ って給送される燃料のみを用いてアイドリングすることができる。より低い部分 負荷で、絞り83は小さいシリンダからのトーチ用火炎によって点火するための 希薄混合気強度を調節するために必要であるかも知れない。あるいは、噴射器8 2を賦活できるまで噴射器34によって小さいシリンダへ余分な燃料を給送して トーチ用火炎によって点火するに充分な強度の希薄混合気を生成してもよい。 トーチ用火炎はガソリンあるいは水素のようなガス状燃料あるいはプロパンま たはブタンのような自己蒸発型液体燃料であり得る。 第15図に示す配置は、また、大きいシリンダ12へ供給されたほぼ均質の燃 料/空気混合物と共に用いるにも適している。小さいシリンダ14は、従来の直 接的なスパークプラグの代わりに燃焼スペース20内の燃料/空気混合物に点火 するプラズマを発生するようにできるかぎり小さいスパークプラグを備えるよう にできるかぎり小さく作る。小さいシリンダ、ピストン、スパークプラグの組立 体は普通のスパークプラグの代わりに普通のSIGEエンジンのシリンダヘッド に螺合させる。このような配置では、小さいピストン18は電気的に作動させる とよい。 第15図に示す配置は小さいピストンの運動のための傾斜軸線も有する。この ような機械的な配置は吸気弁24、排気弁26および小さいピストン18のため の作動機構のためのレイアウト上の利点を与える。 第16図はハイブリッド式トーチ作用モードで用いるMerrittエンジン のための別の配置を示す。図示の配置はディーゼルエンジンのような圧縮点火に よって通常は点火できる燃料と共に用いるのに適している。シリンダヘッドの一 部と大きいピストン16のクラウンの一部に形成した球形の燃焼室220は大き いシリンダ12の必要を満たすものであり、燃焼室配置の種々の可能性のうちの 一例として示してある。小さいシリンダの第1容積部は低圧噴射器であり得る噴 射器34によって燃料の供給を受ける。この燃料は第2の高圧噴射器60によっ て燃焼スペースに供給された別の燃料をトーチ点火するのに用いられる。この配 置は噴射器60が代表的な高圧ディーゼル噴射器であるMerrittエンジン 用の代表的なディーゼル・ハイブリッド配置であり、噴射器34は小さいシリン ダへ少量のディーゼル燃料あるいは別のより揮発性のある燃料またはガス状燃料 を給送する低圧噴射器であってもよい。このような配置では、噴射器34によっ て給送された分離燃料はスパークプラグを使用することなく圧縮点火によって点 火されるように図示してある。しかしながら、噴射器34を通して供給され、第 15図に関連して説明したSTCIプロセスを用いて火花によって点火されるガ ソリンのような揮発性燃料でディーゼルエンジンをトーチ点火することも可能で ある。このようなMerritt/ディーゼル・ハイブリッド・エンジンの1つ の利点は、ディーゼルエンジンに代表されるように、よく知られた騒音を発生す るディーゼル・ノックが消える点までの点火遅延期間を短縮する、あるいは、排 除すらできることにある。別の利点は、ディーゼルエンジンの煤煙あるいは放出 粒子を低減し、燃焼プロセスを速度向上させることにあり、こうすることによっ て、ディーゼルエンジンの出力密度を向上させることができる。純粋型、ハイブリッド型のMerrittエンジン 1 純粋Merrittエンジン・モード Merrittエンジン・モードで作動しているとき、たとえば、最大BME Pで10%(アイドリング時)から80%の燃料比Fレンジで作動しているとき 、大きいシリンダ12への吸気は絞らず、燃料もまったくない。純粋Merri ttモードでは、大きいシリンダ内に存在する空気の若干量が燃焼プロセス中に 燃料と混合するので、完全な燃料比F=100%で燃焼させることはなさそうで ある。さらに、たとえば80%〜90%の比Fでの燃料の燃焼は排気中に望まし くない窒素酸化物を発生させる可能性があるが、若干の酸素も排気中に存在する 。これは排気を処理するのに用いられる普通の三元触媒コンバータを無効にする ことになる。たとえば、80%の燃料比より低い場合、約20%の余剰空気の存 在があれば、燃焼ガスの温度を低下させて窒素酸化物の生成を防止するに充分で ある。 純粋なMerrittモードでは、小さいシリンダの行程容積比Eは最大とな り、最大量の燃料と協働する。第5図に示す直接進入実施例では、小さいピスト ン18のクラウンの直径を必要に応じて制限し、吸排気弁24、26のために火 炎プレート上に充分な面積を与えるが、クラウン35の形状は第13c図に示す ように円形でなくてもよい。小さいシリンダの押し退け第1容積部15aは駆動 機構によって制御される小さいシリンダ18の行程を増大させることによっても 増大させることができる。第5図に示す単純な直接型オーバーヘッド・カムは、 たとえば、20mmまでの行程距離を与えることができる。普通のカム作動式ロ ッカ機構(図示せず)が、たとえば30mm行程まで移動量を増大させることが できる。第26に示す二重カム・ビーム配置は、コンパクトな配置において、た とえば5の倍数だけカムリフトをかなり増大させることができる。第26図にお いて、たとえば歯車(図示せず)によって相互に連結された2つのカム500が スプリング501によってカムと接触させられ続けるビーム519を揺動させ る。ビーム519の端はピン236によって小さいピストン18のステム234 に取りつけてあり、サイドスラストはカラー235によって吸収される。 第7図はクランク角360度またはカム角180度と同じ位に長くできる小ピ ストン18の吸気行程の延長期間を示している。このようん長いカムリフト持続 時間は、第25図に示すカム・プロファイル506と比較して、所与の行程距離 に対して、カム、従動子間のストレスに関する要求の少ないカム500のプロフ ァイルによって与えられる。 小さいシリンダの容積比Eは第11図に示す間接進入実施例を用いながらボア の直径を大きくすることによって拡大することができる。この実施例では、吸排 気弁と大きいシリンダのボアに隣接して火炎プレートの円形縁付近に設けたオリ フィス2161の間の干渉がかなり少なくなる。したがって、小さいピストンの 直径を大きくすることができ、所与の行程容積について、小さいピストンの行程 を小さくすることができる。 表Iは、4行程エンジンの純粋なMerritt動作モードを要約して例示す るものである。Eの値と燃料比Fは説明の目的のためにのみ表示してある。 2 Merritt/ディーゼル・ハイブリッド形態 第17図はディーゼルエンジンとのハイブリッド配置のMerrittエンジ ンを示し、第18図はこのようなエンジンの4行程動作シーケンスを示す。この 配置では、2つの燃料噴射器を用いている。噴射器34はMerrittモード 用の低圧燃料供給を行い、噴射器60はディーゼル・モード用の高圧燃料噴射器 である。噴射器34は小さいピストンの吸気行程中に小さいシリンダの第1容積 部15aへ燃料を給送する。これは大きいピストンの排気行程で開始する。ほん の少量の燃料がMerrittモードで、たとえば、燃料比F=10%で給送さ れ、この量は或る特定の燃焼室設計の燃焼特性に依存してエンジンの負荷および 速度に応じて一定に留まるかあるいは変化する。第2の噴射器60(代表的なデ ィーゼル燃料噴射器)は燃焼室20内で均等な分布を与えるために残りの量のデ ィーゼル燃料を給送するように位置させてある。第22図は2つの噴射器34、 60に適した位置を示す。 第17図に示すエンジンは圧縮点火で点火される。 4行程サイクルでのこのエンジンの動作シーケンスは第18a〜18d図を参 照しながら説明する。 第18d図は大きいピストン16の排気行程と小さいピストン18の吸気行程 の始まりとを示している。少量のディーゼル燃料が低圧噴射器34によって小さ いシリンダ14の第1容積部15a内へ噴射される。吸気行程の早期ではギャッ プ128を通して少量の排気も小さいシリンダへ入る。 大きいピストンの吸気行程中(第18a図)、小さいピストンは吸気行程を続 ける。両ピストンの圧縮行程の終わり付近で(第18b図)、小さいシリンダな いの蒸発燃料が燃焼室20へ進入し、圧縮点火として知られるプロセスで熱い空 気と触れて着火する。このとき、代表的なディーゼル噴射器である第2噴射器 60が第18b図に示すように燃料を給送する。Merrittモードでの燃料 の燃焼で生じたトーチ火炎すなわち温度上昇の影響の下に燃料は極めて急速に着 火する。第18c図に示す膨張行程中、小さいピストン18はその上死点位置に 停止したままであり、燃焼スペース20内の燃焼プロセスを妨げることがない。 Merritt/ディーゼル・ハイブリッド・モードは、第16図に関連して 先に説明したように、第2シリンダを用いて主ディーゼル燃料給送を行うための 急速かつ強力な点火源を与えるトーチ作用配置である。 Merritt/ディーゼル・ハイブリッド・モード用の第2配置が第19図 に示してあり、4行程エンジンのような周期的な動作シーケンスが第20図に示 してある。この配置においては、第20b図に示すように、高圧噴射器である単 一の燃料噴射器6034が小さいピストン18の吸気行程(第20d図)中には 少量の、たとえば、F=10%の燃料を給送し、進入中または進入プロセスが生 じた後あるいはこれら両方の時期においては大きいピストン16の上死点位置付 近で残りのもっと多いディーゼル燃料を給送するという二重の目的を果たす。こ のような噴射器6034を設けることにより、小さいピストンの吸気行程中には 小さいシリンダ14の第1容積部15a内へ第1の量の燃料を給送し、大きいピ ストン16の圧縮行程の終わり付近では燃焼スペース20内へ直接第2の量の燃 料を、約500度のクランク角度の後に給送することができる。1サイクルあた りの二重燃料給送は220度と500度のクランク角度隔たっており、電子的に 制御することができる。このような電子的に制御されるディーゼル燃料噴射シス テムは、最近、ディーゼルエンジンで用いるように導入されている。噴射器60 34の適当な位置が第22図に示してある。 第20c図は小さいピストン18がその上死点位置に停止したままのときの大 きいピストン16の膨張行程を示している。 第18、20図のMerritt/ディーゼル・ハイブリッド配置では、2つ の燃焼システムが同時に作動することは明らかであろう。 表II、IIIは、Merritt/ディーゼル・ハイブリッド作動モードを 要約して例示している。表に示す燃料比Fの量は説明の目的のためにのみ選んで いる。 明らかなように、圧縮点火でディーゼル燃料を使用する純粋なMerritt エンジンはディーゼルエンジンではない。このようなMerrittエンジン( 第11図に間接進入実施例として、第12図に中間進入実施例として示す)は、 小さいシリンダの第1容積部15aと連通し、小さいピストン18の吸気行程中 に低圧で燃料を給送するほんの1つの燃料供給源を使用する。純粋なMerri ttエンジンは、圧縮点火エンジンとしてディーゼル燃料で作動するものである が、それでも、純粋なMerrittモードで作動するときにはハイブリッド型 ディーゼルエンジンではない。たとえば、その小さいシリンダを第14図に示す 間接進入モードのMerrittエンジンはおそらくは火花支援式点火あるいは STCIと組み合わせてディーゼル燃料を使用できる。しかしながら、すべての 燃料が小さいピストンの吸気行程中に噴射器34を通してこのエンジンに給送さ れるので、このエンジンは純粋なMerrittエンジンのままであり、ハイブ リッド型ディーゼル形態ではない。 3 Merritt/STGEハイブリッド型エンジン配置 これらの配置は、同じエンジン構造において純粋なMerrittエンジンが SIGEエンジンあるいは火花点火式ガソリンエンジンとして順次に作動できる ようにする。この配置は第23図に示してある。 第23図は付加的な低圧噴射器82と、STGEエンジンの代用的な配置にお いて大きいシリンダ12の吸気管内に設置した絞り弁83とを示している。スパ ークプラグ52は燃焼スペース20内に設置してあり、二重の目的を果たす。ス パークプラグは、STCI点火プロセスにおいてMerrittモードで進入燃 料を点火し、あるいは、純粋なSIGEモードにおいて予混合の理論燃料/空気 混合物を点火する。 ガソリンタイプのエンジンを持つハイブリッド配置は、より高いレンジの燃料 比F値、たとえば、80%〜100%で理論燃料/空気混合物動作の使用を可能 とするという利点を有する。こうすることによって、排気からのすべての酸素が 除かれて三元触媒コンバータの使用を可能とする。80%〜100%のレンジの F値はエンジン排気中に窒素酸化物の大部分を生成させる。 Merritt/SIGEハイブリッド・モードはSIGEとして作動できる ように設計したMerrittエンジンとして説明することができる。このよう なエンジンでは、小さいシリンダ14は、全負荷(80%までのF)でかなりの 量の燃料、たとえば、エンジンの最大燃料吸入量の80パーセントまでの燃料を 受け入れるに充分な大きさに作られる。一般的に言って、小さいシリンダ14が 大きくなればそれだけ、そこに流入でき、進入前にかなり蒸発できる燃料の割合 が大きくなる。小さいシリンダ14は、たとえば大きいシリンダ12の行程容積 の約10%の行程容積比Eを持ち得るが、2つのシリンダの相対サイズはエンジ ン設計者の選択事項である。小さいシリンダは燃焼スペース20の全体を含んで もよいし、直接進入実施例、間接進入実施例あるいは中間進入実施例のいずれで 構成してもよい。スパークプラグ52を使用する火花支援(STCI)を用いて 8:1〜12:1のレンジの中間圧縮比を用いるMerrittモードのエンジ ンでガソリンのような燃料を点火する。小さいシリンダ14の第1容積部15a から燃焼室スペース20内へ進入するときに火花が少量の燃料に点火する。初期 火炎は燃焼スペース20内の圧力、温度を上昇させ、進入プロセスが続くにつれ て残りの燃料の圧縮点火を可能とし、その間、燃料は燃焼に必要な空気と混合す る。この配置では、点火プロセスの正確なタイミングは進入プロセスのタイミン グと火花事象のタイミングとによって影響される。 このハイブリッド型エンジンは、たとえば、F=0%〜80%の燃料比レンジ においてMerrittモードで作動することになる。 たとえば、80%より大きい燃料比Fで作動するとき、純粋なモードにおける Merrittエンジンは普通の火花点火式ガソリンエンジンに変化する。これ は噴射器34を通しての小さいシリンダへの燃料の供給を断ち、代わりに、第2 3図に示す吸気マニホルド噴射器82に対する燃料供給を開始することによって 達成できる。この噴射器は大きいシリンダ12の吸気管25へほぼ理論的な燃料 /空気混合物を給送する。F=80%〜100%のレンジの燃料比は、Merr ittモードで作動しているときには完全に開き、F=80%の燃料比では部分 的に閉じ、F=100%の燃料比では完全に開く絞り83を用いて理論値に留ま るように制御される。 純粋なSIGEモードでは、噴射器82および絞り83はエンジンに理論的な 燃料/空気混合物を与え、純粋なMerrittモードでは、噴射器82は不作 動となり、噴射器34は作動している。同時に両噴射器34、82を通して必要 な理論燃料量をブレンドすることは実際には可能である。 第24図は純粋なSTGEモードにおけるMerritt/SIGEハイブリ ッド型エンジンの4行程動作シーケンスを示している。燃料は、大きいピストン 16の吸気行程中(第24a図)に噴射器82によって吸気マニホルドに給送さ れる。スパークプラグ52が圧縮行程の終わり(第24b図)で理論混合気に点 火する。小さいシリンダ18は膨張行程中(第24c図)停止状態に留まり、こ うすることによって、燃焼プロセスと干渉することがない。排気行程中(第24 d図)、噴射器34は不作動になっているか、あるいは、噴射器82がやや少な い燃料量を給送するようになっている場合には図示したように少量の燃料を給送 してもよい。小さいシリンダ14への若干量の燃料の給送は小さいピストンのク ラウンの冷却を助け、予点火問題の回避を可能とする。 表IVは、Merritt/SIGEハイブリッド動作モードを要約して例示 している。表に示した燃料比Fの量は説明の目的のためだけに選んだ。 ここでも明らかなように、火花トリガー式点火と共にガソリン燃料を使用する 純粋なMerrittエンジンはSIGEエンジンではない。第5図に直接進入 実施例として示し、第21図に間接進入実施例として示すこのような純粋なMe rrittエンジンは、小さいシリンダの第1容積部15aと連通し、小さいピ ストンの吸気行程中に燃料を給送するだた1つの燃料供給源34を使用する。純 粋なMerrittエンジンはガソリン燃料で作動し、火花点火を利用するが、 それでも、純粋なMerrittモードで作動しているときにはハイブリッド型 SIGEではない。 第24、25図のMerritt/SIGEハイブリッド配置の場合、2つの 燃焼系統は順次に作動する。 4 Merritt/希薄燃焼SIGEハイブリッド型エンジン形態 第15図はこのモードでの動作を示している。このモードでは、小さいシリン ダ14は小さい容積比Eのものでよい。このMerritt/ハイブリッド・モ ードの目的は吸気弁24を通して大きいシリンダに流入する希薄混合気の点火を 助けることにある。このハイブリッド形態では、Merritt、SIGE両モ ードが同時に作動する。 行程容積比は、たとえば、E=2%〜5%のレンジにあり、純粋なMerri ttモードで動作するための燃料比Fは、たとえば、約10%であり得る。した がって、エンジンは純粋なMerrittモードではアイドリング状態にあるが 、出力の需要が高まるにつれて、若干量のガソリンが噴射器82によって大きい シリンダへ通じる主吸気管25へ供給される。 低い部分負荷BMEP値では、噴射器82によって供給された非常に希薄な混 合気はMerrittモードの助けによっても点火できない。この場合、絞り8 3を利用して、このような点火が可能となるまで、吸気弁24に流入する混合気 の濃度を高める。この状態が20%から50%までのF値で以下の表Vに例示し てある。 プラズマ点火 再び第15図を参照して、この配置は本発明のさらに別の用途に適している。 小さいシリンダは、理論的に作動するSIGEエンジン用途と、より低い圧縮比 で作動するディーゼルエンジン用途の両方に対して強力な火花発生プラズマ点火 源として用いることができる。この配置では、小さいシリンダは適当な最小燃料 量を蒸発させるに充分なさらに小さい容積Eを持つ。 燃料噴射器34は非常に少量の揮発性燃料あるいはガス状燃料を給送する。ガ ス状燃料は電気手段あるいは空気圧手段によって作動させられる小型の弁によっ て小さいピストンの吸気行程中に分配される。1%以下の小さいシリンダ行程容 積比では、たとえば、水素、プロパンあるいはブタンが適当である。第15図に 示すようなMerritt/希薄燃焼SIGEハイブリッドあるいは第16図に 示すようなMerritt/ディーゼル・ハイブリッドのようなエンジンの動作 は上述したプロセスと同様なままであるが、シリンダ14のサイズを小さくする 目的は未支援のスパークプラグと比べた場合に点火エネルギを強めるのに最も簡 単な方法を提供することにある。たとえば水素源と共にスパークプラグを備える システムはプラズマ・ジェット・イグナイタとして知られている。Merrit t分離プロセスによれば、たとえば、液体ブタンを吸気行程中に低圧で小さいシ リンダへ導入し、進入に続くスパークプラグによる点火までそこに分離させたま まとすることができる。こうしてできたプラズマジェットはSTGEエンジンの 予混合燃料/空気混合物を点火するか、あるいは、ディーゼルエンジンの点火プ ロセスおよび燃焼プロセスをかなり助けることになる。ガソリンその他の適当な 燃料を用いてプラズマを発生させることもできる。 小型の小さいシリンダ14はピストン18のためのより小型の駆動機構を必要 とする。これは電気的あるいは空気圧的に作動させることができる。 完全な小さいシリンダと小さいピストンの組立体は、SIGEエンジンの未支 援スパークプラグの代わり、あるいは、ディーゼルエンジンでの点火を助けるべ く、シリンダヘッドにおけるスクリュウイン・アタッチメントとして構成するこ とができる。 第22図は小さいシリンダ14または燃焼室20に供給する燃料噴射器のいく つかの可能性のある位置を示している。 表VI、VIIは、Merrittモードのプラズマ・トーチ点火を利用する 、第15、16図のエンジンのディーゼルモードおよび理論ガソリンモードを例 示している。 小さいシリンダと連通する燃料噴射器の位置はMerrittエンジンの構造 およびその意図した用途に依存する。種々の位置が第22図に示してある。 噴射器34は低圧噴射器がMerrittモードで燃料を供給できるように設 置してある。この位置は、膨張行程および圧縮行程の大部分にわたって小さいピ ストンのクラウンによって噴射器をシールドするという利点を有する。 噴射器位置6034は、純粋なMerrittモードあるいは第19、20図 に示すディーゼル・ハイブリッド配置における電子的に作動するディーゼル噴射 器に適している。 この位置がMerrittモードで用いられる場合、燃料噴射器は燃焼圧力、 温度に耐えることができなければならないが、低圧でのみガソリンのような燃料 を給送する必要がある。外方へ開いているピントル型噴射器がこのような用途に 適しており、これらはジャークポンプであるいは電子的に作動させてもよい。こ の位置をディーゼル・ハイブリッド・モードで用いる場合には、噴射器は1つの エンジンサイクル中2倍の高い圧力でディーゼル燃料を給送できなければならな い。 噴射器位置60は燃焼室20の容積を通じて均等に燃料を噴射することができ 、第17、18図に示すように2つの噴射器を使用するMerritt/ディー ゼル・ハイブリッド・エンジンとして作動する高圧ディーゼル燃料噴射器に対し て最も適している。 第25図は先に示した拡張カム・プロファイル500と比べてそれと異なった カム・プロファイル506を使用するMerritt/SIGEハイブリッド配 置を示している。カム・プロファイル506は吸気行程(第25a図)および圧 縮行程(第25b図)で大きいピストンとほぼ同期して小さいピストンを移動さ せる。大きいピストン16の膨張行程(第25d図)および排気行程(第25d 図)の最中には、カムは小さいピストンをその上死点位置に停止させて置く。こ のようなカム・プロファイルはハイブリッド形態を含むすべてのMerritt エンジンの形態で使用できる。第25d図に示す大きいピストンの排気行程中に 小さいピストンの吸気行程を開始させたり、第25a図に示す大きいピストンの 吸気行程の終わりの前に小さいピストンの吸気行程を終了させたりする変形例も 可能である。 カム・プロファイル506は、カム・プロファイル500と比べて吸気行程中 に小さいピストンにより高い速度を与え、この理由のために、大型で遅いエンジ ンあるいは小さい容積比Eの値で用いるのにより適している。 第25図は、エンジンが純粋なSIGEモードで作動しているときに小さいピ ストン18を作動させる駆動部が切り離され、エンジンがMerrittエンジ ン・モードで作動する必要があるときには再連結されるMerritt/SIG Eハイブリッド・エンジンに適したオプションの配置も示している。第25図に 示す動作サイクルは、したがって、4行程動作の代表的なSIGEサイクルであ る。このような切り離しは、任意適当なカム・プロファイルと共に、あるいは、 小さいピストンを動かすように選定した任意の駆動機構(たとえば、電気的、機 械的あるいは空気圧式の機構)と共に用いることができる。また、Merrit t/ディーゼル・ハイブリッド・エンジンに応用することもできる。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年4月18日 【補正内容】 第34条の補正: 前記シリンダ内で往復動できる第1、第2のピストンであって、前記第2ピス トンが駆動ステムを有し、前記第2シリンダを前記駆動ステムを収容する第1容 積部と前記2つのピストンの間の第2容積部とに分割している第1、第2のピス トンと、 前記第1シリンダと連通している吸気手段と、 前記第1シリンダと連通している排気手段と、 前記両ピストンがほぼそれらの上死点位置にあるときに前記両ピストン間に共 通の燃焼スペースを構成する手段であり、この燃焼スペースが前記第2容積部か らなる手段と、 前記第1容積部内で圧縮行程の終わり付近における前記第1、第2の容積部間 のガスの流れを可能とする移送手段と、 前記第2ピストンの圧縮行程の終わり付近まで前記第1容積部から前記第2容 積部までの燃料/空気混合物の移動を抑制する抑制手段と、 前記第1容積部に燃料を与える第1燃料源と、 前記第2ピストンを駆動する駆動手段であり、前記第1ピストンの膨張行程の 少なくとも一部で前記第2ピストンをその上死点位置あるいはその付近にほぼ静 止状態に維持する手段を包含する駆動手段と を包含する内燃機関を提供する。 すべての形態における本発明の顕著な利点の1つは、ディーゼルエンジン、S IGEエンジンの両方が、クランクケースおよびトランスミッション組立体を除 いてシリンダ・ヘッドのみの設計を変えることによってこの原理に従って変換で きるということにある。 第4図に示すエンジン構造をSIGEモードで作動させているとき、小さいピ請求の範囲 1. 内燃機関であって、 少なくとも一対の第1、第2のシリンダ(12、14)であり、前記 第1シリンダ(12)が前記第2シリンダ(14)よりも大きい行程容積を有す る第1、第2のシリンダ(12、14)と、 前記シリンダ内で往復動することができる第1、第2のピストン(1 6、18)であり、前記第2ピストン(18)が駆動ステム(234)を有し、 前記第2シリンダ(14)を前記駆動ステムを収容する第1容積部(15a)と 前記2つのピストン間の第2容積部(15b)とに分割している第1、第2のピ ストン(16、18)と、 前記第1シリンダ(12)と連通する吸気手段(25)と、 前記第1シリンダ(12)と連通する排気手段(27)と、 前記両ピストンがほぼそれらの上死点位置にあるときに前記両ピスト ン(16、18)間に共通の燃焼スペース(20)を構成する手段であり、前記 燃焼スペースが前記第2容積部(15b)を包含している手段と、 前記第1容積部(15a)において膨張行程の終了付近で前記第1、 第2の容積部(15a、15b)の間のガスの流れを可能とする移送手段(39 、128)と、 前記第2ピストン(18)の膨張行程の終了付近まで前記第1容積部 から前記第2容積部までの燃料/空気混合物の移動を抑制する抑制手段(128 、C)と、 前記第1容積部(15a)へ燃料を与える第1燃料源(34、603 4)と、 よってシールドされるように位置した低圧燃料噴射器であることを特徴とする内 燃機関。 30. 請求の範囲第1項から第29項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記第1燃料源(34、6034)が液体燃料噴射器であること を特徴とする内燃機関。 31. 請求の範囲第1項から第30項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記第1燃料源(34、6034)がガス状燃料噴射器であるこ とを特徴とする内燃機関。 32. 請求の範囲第1項から第31項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記燃焼スペース(20)内の燃料に点火するための手段(52 )を包含することを特徴とする内燃機関。 33. 請求の範囲第32項記載の内燃機関において、前記点火手段(52) がスパークプラグ、グロープラグその他の点火装置を包含することを特徴とする 内燃機関。 34. 請求の範囲第32項または第33項記載の内燃機関において、前記燃 焼スペース(20)内の選定位置に触媒材料の層が設置してあることを特徴とす る内燃機関。 35. 請求の範囲第8項または第15項記載の内燃機関において、前記小さ いシリンダ(14)の前記壁面(14a)に設けた空所(1152)内に設置し たスパークプラグを包含する点火手段(52)を有し、前記空所が前記第1バイ パス手段(39)内に開いていることを特徴とする内燃機関。 36. 請求の範囲第1項から第35項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、高圧液体燃料噴射器の形をした第2燃料源(60)が設けてあり 、前記第2ピストン(18)がその上死点位置あるいはその付近にあるとき、前 記第2燃料源(60)が、前記燃焼スペース(20)へ、前記燃料源(34)に よって前記第1容積部(15a)へ供給された燃料に加えて、或る量の加圧燃料 を給送できるようにしたことを特徴とする内燃機関。 37. 請求の範囲第36項記載の内燃機関において、前記第1燃料源(34 )を制御して、前記第2ピストンがその上死点位置から隔たった所定の位置にあ るときに開始し、終了するように、給送すべき全燃料量の一部を前記第1容積部 (15a)へ給送させる手段(M)を有し、この手段(M)が、また、前記第2 燃料源(60)を制御して、前記両ピストン(16、18)がそれらの上死点位 置あるいはその付近に引き続いてあるときに全燃料量の残りの部分を前記燃焼ス ペース(20)へ給送させることを特徴とする内燃機関。 38. 請求の範囲第1項から第35項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記第1燃料源(6034)が、前記第2シリンダ(14)の壁 面に設けてあって前記第2シリンダの前記第1、第2の容積部(15a、15b )に直接燃料を給送する高圧燃料噴射器であることを特徴とする内燃機関。 39. 請求の範囲第38項記載の内燃機関において、前記燃料噴射器(60 34)を制御して、前記第2ピストンがその上死点位置から隔たった所定の位置 にあるときに開始し、終了するように、給送すべき全燃料量の一部を前記第1容 積部(15a)へ給送させると共に、前記両ピストン(16、18)がそれらの 上死点位置あるいはその付近に引き続いてあるときに全燃料量の残りの部分を前 記燃焼スペース(20)へ給送させる手段(M)を有することを特徴とする内燃 機関。 40. 請求の範囲第39項記載の内燃機関において、前記制御手段(M)が 、燃科の全量を所与の期間にわたって一定あるいは可変率で2つまたはそれ以上 のパルスあるいはほぼ連続的に給送するように作動し、燃料の第1前記部分を前 記小さいピストン(18)の吸気行程または圧縮行程あるいはこれら両行程中に 前記第2シリンダ(14)の前記第1容積部(15a)内へ給送し、燃料の前記 別の部分を進入の開始あるいはその後にほぼ始まる期間中に前記燃焼スペース( 20)に給送するようにしたことを特徴とする内燃機関。 前記燃焼スペース内で圧縮行程の終わり付近に到達した圧力および温 度が使用燃料の自然な圧縮点火を生じさせるには不充分となるようにする手段と を包含することを特徴とする内燃機関。 44. 請求の範囲第43項記載の内燃機関において、前記点火手段(52) が前記小さいシリンダ(14)の前記壁面(14a)に設けた空所(1152) に設置したスパークプラグを包含することを特徴とする内燃機関。 45. 請求の範囲第43項記載の内燃機関において、前記第1、第2の燃料 源(34、82)および前記可変流れ面積弁手段(83)を制御して、エンジン を、前記第1燃料源が不作動あるいはほぼ不作動となり、前記可変流れ面積弁手 段(83)が前記第1シリンダ(12)へ導入される燃料/空気混合物をほぼ理 論値になるように制御する前記SIGEモードと、前記第2燃料源(82)が不 作動あるいはほぼ不作動となり、前記可変流れ面積弁手段(83)がほぼ完全に 開くSTCIモードとの間で切り換える制御手段(M)を有することを特徴とす る内燃機関。 46. 請求の範囲第1項から第35項および第41項から第45項のうちい ずれか1つの項に記載の内燃機関において、前記第1燃料源(34、6034) からの燃料を前記第2シリンダ(14)の前記第1容積部(15a)に給送され た空気に導入することによってエンジンのアイドリングを行い、絞った量の実質 的に空気を前記第1シリンダ(12)へのみ流入させた後に前記混合物が前記燃 焼スペース(20)に進入し、圧縮温度を圧縮点火値より低い値に制限すること を特徴とする内燃機関。 47. 請求の範囲第1項から第46項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記燃焼スペース(20)が前記第2容積部(15b)を包含す ることを特徴とする内燃機関。 64. 請求の範囲第60項から第63項のうちいずれか1つに記載の方法に おいて、前記第1の所定量の燃料を火花で点火して前記点火エネルギを発生させ ることを特徴とする方法。 65. 請求の範囲第60項から第63項のうちいずれか1つに記載の方法に おいて、前記第1の所定量の燃料を圧縮点火で点火して前記点火エネルギを発生 させることを特徴とする方法。 66. 請求の範囲第60項記載の方法において、さらに、 前記第2ピストンの圧縮行程の終わり付近で前記燃焼スペース(20 )内へ第2の所定量の高圧液体燃料を噴射して圧縮点火による点火を行う段階を 包含することを特徴とする方法。 67. 請求の範囲第66項記載の方法において、前記第1の所定量の燃料を 前記第2ピストンの吸気行程中に前記第2シリンダ(14)の前記第1容積部( 15a)内へ噴射することを特徴とする方法。 68. 請求の範囲第66項または第67項記載の方法において、前記第2燃 料が低オクタン価あるいは高オクタン価の燃料であり、前記第1燃料が揮発性の 、より高いオクタン価の燃料であることを特徴とする方法。 69. 請求の範囲第68項記載の方法において、前記第1燃料がガソリンで あることを特徴とする方法。 70. 請求の範囲第68項記載の方法において、前記第2燃料がディーゼル 燃料であることを特徴とする方法。 71. 請求の範囲第60項から第70項のうちいずれか1つに記載の方法に おいて、前記第2ピストン(18)が前記第1ピストン(16)の排気行程およ び吸気行程の少なくとも一部にわたって吸気行程を行うことを特徴とする方法。 72. 請求の範囲第71項記載の方法において、前記第2ピストン(18)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 9403548.2 (32)優先日 1994年2月24日 (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 OA(BF,BJ,CF,CG, CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,T D,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA,C N,CZ,FI,GE,HU,JP,KE,KG,KP ,KR,KZ,LK,LV,MD,MG,MN,MW, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SI,S K,TJ,UA,US,UZ,VN 【要約の続き】 噴射器(34)が第1容積部に燃料を与える。この内燃 機関は、また、第2ピストン(18)を駆動する駆動手 段も有し、この駆動手段は第1ピストン(16)の膨張 行程の少なくとも一部で第2ピストン(18)をほぼそ の上死点位置に維持する手段を包含する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 内燃機関であって、 少なくとも一対の第1、第2のシリンダ(12、14)であり、前記 第1シリンダ(12)が前記第2シリンダ(14)よりも大きい行程容積を有す る第1、第2のシリンダ(12、14)と、 前記シリンダ内で往復動することができる第1、第2のピストン(1 6、18)であり、前記第2ピストン(18)が駆動ステム(234)を有し、 前記第2シリンダ(14)を前記駆動ステムを収容する第1容積部(15a)と 前記2つのピストン間の第2容積部(15b)とに分割している第1、第2のピ ストン(16、18)と、 前記第1シリンダ(12)と連通する吸気手段(25)と、 前記第1シリンダ(12)と連通する排気手段(27)と、 前記両ピストンがほぼそれらの上死点位置にあるときに前記両ピスト ン(16、18)間に共通の燃焼スペース(20)を構成する手段であり、前記 燃焼スペースが前記第2容積部(15b)を包含している手段と、 膨張行程の終了付近で前記第1、第2の容積部(15a、15b)の 間のガスの流れを可能とする移送手段(39、128)と、 前記第2ピストン(18)の膨張行程の終了付近まで前記第1容積部 から前記第2容積部までの燃料/空気混合物の移動を抑制する抑制手段(128 、C)と、 前記第1容積部(15a)へ燃料を与える第1燃料源(34、70) と、 前記第2ピストン(18)を駆動する駆動手段(D)であり、前記第 1ピストン(16)の膨張行程の少なくとも一部で前記第2ピストン(18)を その上死点位置またはその付近にほぼ停止状態に維持する手段を包含する駆動手 段(D)と を包含することを特徴とする内燃機関。 2. 請求の範囲第1項記載の内燃機関において、 第2ピストンが縁(37)を備えるクラウン(35)を有し、この縁 (37)が前記第2シリンダ(14)の隣接した壁面(14a)から半径方向に 隔たって両者間にギャップ128を構成しており、 前記移送手段が前記第2シリンダ(14)の、前記第1シリンダ(1 2)から遠い方の端に形成された手段(39)を包含し、この手段(39)が、 前記第2ピストン(18)がその上死点位置あるいはその付近にあるときに前記 第2ピストンのクラウン(35)の前記縁(37)まわり第1のバイパス(39 )を構成しており、 前記間隔が、圧縮行程の終了付近まで前記側壁と前記第2ピストンの クラウン(35)の間を前記第1容積部から前記燃焼スペースへガスが流れるの をほぼ制限するサイズとなっている ことを特徴とする内燃機関。 3. 請求の範囲第1項記載の内燃機関において、 第2ピストンが縁(37)を備えたクラウン(35)を有し、この縁 (37)が前記第2シリンダ(14)の隣接壁面(14a)から半径方向に隔た っていて間にギャップ(128)を構成し、このギャップにより、前記第2ピス トン(18)の全行程で前記第1、第2の容積部(15a、15b)間のガスの 流れが可能となり、前記ギャップが前記移送手段を包含しており、 前記抑制手段が前記第1、第2のシリンダ(12、14)のここで定 義するような相対圧縮対進入容積比を包含し、この相対圧縮対進入容積比が1以 上である ことを特徴とする内燃機関。 4. 請求の範囲第1項記載の内燃機関において、 第2ピストンが縁(37)を備えたクラウン(35)を有し、この縁 (37)が前記第2シリンダ(14)の隣接壁面(14a)から半径方向に隔た っていて間にギャップ(128)を構成し、このギャップにより、前記第2ピス トン(18)の全行程で前記第1、第2の容積部(15a、15b)間のガスの 流れが可能となり、前記ギャップが前記移送手段を包含しており、 前記抑制手段が前記第1、第2のピストン(16、18)間にカップ リング手段(C)を包含し、使用時に、前記ギャップを横切って圧力差が生じて 前記第2ピストン(18)の圧縮行程の終了付近まで前記第1容積部(15a) から前記第2容積部(15b)までの燃料/空気混合物の流れを抑制するように なっている ことを特徴とする内燃機関。 5. 請求の範囲第1項記載の内燃機関において、 前記移送手段が前記第2シリンダ(14)の、前記第1シリンダ(1 2)から遠い方の端に形成した手段(39)を包含し、この手段(39)が、前 記第2ピストン(18)がその上死点位置あるいはその付近にあるときに前記第 2ピストンまわりに第1のバイパス(39)を構成し、 前記抑制手段が前記第1、第2のシリンダ(12、14)のここで定 義するような相対圧縮対進入容積比を包含し、この相対圧縮対進入容積比が1以 上である ことを特徴とする内燃機関。 6. 請求の範囲第1項記載の内燃機関において、 前記移送手段が前記第2シリンダ(14)の、前記第1シリンダ(1 2)から遠い方の端に形成した手段(39)を包含し、この手段(39)が、前 記第2ピストン(18)がその上死点位置あるいはその付近にあるときに前記第 2ピストンまわりに第1のバイパス(39)を構成し、 前記抑制手段が前記第1、第2のピストン(16、18)間にカップ リング手段(C)を包含し、使用時に、前記ギャップを横切って圧力差が生じて 前記第2ピストン(18)の圧縮行程の終了付近まで前記第1容積部(15a) から前記第2容積部(15b)までの燃料/空気混合物の流れを抑制するように なっている ことを特徴とする内燃機関。 7. 請求の範囲第2項記載の内燃機関において、 前記抑制手段が、さらに、前記第1、第2のシリンダ(12、14) のここで定義するような相対圧縮対進入容積比を包含し、この相対圧縮対進入容 積比が1以上である ことを特徴とする内燃機関。 8. 請求の範囲第2、5、6または7項記載の内燃機関において、前記第 1バイパス手段(39)が前記第2シリンダの周囲長の少なくとも一部にわたっ て延びるように前記第2シリンダ(14)の壁面(14a)に形成した溝である ことを特徴とする内燃機関。 9. 請求の範囲第2、3、5、7、8項のうちいずれか1つの項に記載の 内燃機関において、 前記抑制手段が、さらに、前記第1、第2のピストン(16、18) 間にカップリング手段(C)を包含し、使用時に、前記ギャップを横切って圧力 差が生じて前記第2ピストン(18)の圧縮行程の終了付近まで前記第1容積部 (15a)から前記第2容積部(15b)までの燃料/空気混合物の流れを抑制 するようになっている ことを特徴とする内燃機関。 10. 請求の範囲第1項記載の内燃機関において、 第2ピストンが縁(37)を備えたクラウン(35)を有し、この縁 (37)が前記第2シリンダ(14)の隣接壁面(14a)から半径方向に隔た っていて間にギャップ(128)を構成し、このギャップにより、前記第2ピス トン(18)の全行程で前記第1、第2の容積部(15a、15b)間のガスの 流れが可能となり、 前記移送手段が、前記ギャップ(128)と、前記第2シリンダ(1 4)の、前記第1シリンダ(12)から遠い方の端に形成した手段(39)を包 含し、この手段(39)が、前記第2ピストン(18)がその上死点位置あるい はその付近にあるときに前記第2ピストンのクラウン(35)の縁(37)まわ りに第1のバイパス(39)を構成し、 前記抑制手段が前記第1、第2のピストン(16、18)間にカップ リング手段(C)を包含し、使用時に、前記ギャップを横切って圧力差が生じて 前記第2ピストン(18)の圧縮行程の終了付近まで前記第1容積部(15a) から前記第2容積部(15b)までの燃料/空気混合物の流れを抑制するように なっている ことを特徴とする内燃機関。 11. 請求の範囲第1項記載の内燃機関において、 第2ピストンが縁(37)を備えたクラウン(35)を有し、この縁 (37)が前記第2シリンダ(14)の隣接壁面(14a)から半径方向に隔た っていて間にギャップ(128)を構成し、このギャップにより、前記第2ピス トン(18)の全行程で前記第1、第2の容積部(15a、15b)間のガスの 流れが可能となり、 前記移送手段が、前記ギャップ(128)と、前記第2シリンダ(1 4)の、前記第1シリンダ(12)から遠い方の端に形成した手段(39)を包 含し、この手段(39)が、前記第2ピストン(18)がその上死点位置あるい はその付近にあるときに前記第2ピストンのクラウン(35)の縁(37)まわ りに第1のバイパス(39)を構成し、 前記抑制手段が前記第1、第2のシリンダ(12、14)のここで定 義するような相対圧縮対進入容積比を包含し、この相対圧縮対進入容積比が1以 上である ことを特徴とする内燃機関。 12. 請求の範囲第1項記載の内燃機関において、 前記抑制手段が前記第1、第2のシリンダ(12、14)のここで定 義するような相対圧縮対進入容積比を包含し、この相対圧縮対進入容積比が1以 上であり、 前記抑制手段が、さらに、前記第1、第2のピストン(16、18) 間にカップリング手段(C)を包含し、使用時に、前記ギャップを横切って圧力 差が生じて前記第2ピストン(18)の圧縮行程の終了付近まで前記第1容積部 (15a)から前記第2容積部(15b)までの燃料/空気混合物の流れを抑制 するようになっており、 前記移送手段が、前記ギャップ(128)と、前記第2シリンダ(1 4)の、前記第1シリンダ(12)から遠い方の端に形成した手段(39)を包 含し、この手段(39)が、前記第2ピストン(18)がその上死点位置あるい はその付近にあるときに前記第2ピストンのクラウン(35)の縁(37) まわりに第1のバイパス(39)を構成している ことを特徴とする内燃機関。 13. 請求の範囲第12項記載の内燃機関において、 第2ピストンが縁(37)を備えたクラウン(35)を有し、この縁 (37)が前記第2シリンダ(14)の隣接壁面(14a)から半径方向に隔た っていて間にギャップ(128)を構成し、このギャップにより、前記第2ピス トン(18)の全行程で前記第1、第2の容積部(15a、15b)間のガスの 流れが可能となり、前記移送手段が前記ギャップを包含している ことを特徴とする内燃機関。 14. 請求の範囲第4、6、9、10、12項のうちいずれか1つの項に記 載の内燃機関において、前記カップリング(C)が機械的なカップリングである ことを特徴とする内燃機関。 15. 請求の範囲第10項から第13項のうちいずれか1つの項に記載の内 燃機関において、前記第1バイパス(39)が前記第2シリンダの周囲長の少な くとも一部にわたって延びるように前記第2シリンダ(14)の壁面(14a) に形成した溝であることを特徴とする内燃機関。 16. 請求の範囲第8項または第15項記載の内燃機関において、前記第1 バイパス手段(39)が前記第2シリンダ(14)のボアの急なまたは漸次の拡 大部によって構成されていることを特徴とする内燃機関。 17. 請求の範囲第8項または第15項記載の内燃機関において、前記溝( 39)および前記ピストン縁(37)が、協働して、前記第2容積部(15b) 内へ流れる燃料/空気混合物を前記第2容積部部内の空気と混ぜるのを助ける発 散型ギャップを与えるように形成してあることを特徴とする内燃機関。 18. 請求の範囲第2項から第17項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記移送手段が、前記第2シリンダ(14)の、前記第1シリン ダ(12)に近い方の端に形成された手段(391)を包含し、この手段(39 )が、前記第2ピストン(18)がその下死点位置あるいはその付近にあるとき に前記第2ピストン(18)まわりに第2のバイパスを構成することを特徴とす る内燃機関。 19. 請求の範囲第18項記載の内燃機関において、前記第2バイパス手段 (391)が前記第2ピストンのクラウン(35)の縁(37)の厚みよりも大 きい軸線方向長さを有することを特徴とする内燃機関。 20. 請求の範囲第18項または第19項記載の内燃機関において、前記第 2バイパス手段(391)が前記第2シリンダの周囲長の少なくとも一部にわた って延びるように前記第2シリンダ(14)の壁面(14a)に形成した溝であ ることを特徴とする内燃機関。 21. 請求の範囲第18、19または20項記載の内燃機関において、前記 第2バイパス手段(391)が前記第2シリンダ(14)のボアの急なまたは漸 次の拡大部によって構成されていることを特徴とする内燃機関。 22. 請求の範囲第1項から第21項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、 前記第2ピストン(18)の前記ステム(234)が内燃機関のシリ ンダヘッドにあるボア内で密封状態で軸線方向に摺動できることを特徴とする内 燃機関。 23. 請求の範囲第1項から第22項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、 前記第2ピストン(18)の前記ステム(234)が内燃機関のシリ ンダヘッドにあるボア内で密封状態で軸線方向に摺動できるようになっており、 さらに、前記ボアを前記吸気手段(25)に接続してボアから前記吸 気手段へ漏洩ガスを送る通路手段(5101)を包含する ことを特徴とする内燃機関。 24. 請求の範囲第1項から第23項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記シリンダ(12、14)間を流れるガスに渦流運動を与える 手段(116、1161、216、2161)を包含することを特徴とする内燃 機関。 25. 請求の範囲第24項記載の内燃機関において、前記シリンダ(12、 14)間を流れるガスに渦流運動を与える前記手段が前記第1ピストン(16) のクラウンに形成した突起(116)を包含し、この突起が、前記第1ピストン がその上死点位置に接近したときに前記第2シリンダ(14)内へ突入するよう に配置してあることを特徴とする内燃機関。 26. 請求の範囲第25項記載の内燃機関において、前記突起(116)が 前記ガス流のジェットを所定の方向に向ける孔(1161)を有することを特徴 とする内燃機関。 27. 請求の範囲第24項記載の内燃機関において、前記シリンダ(12、 14)間を流れるガスに渦流運動を与える前記手段が前記シリンダ(12、14 )間の絞り(216、2161)を包含し、この絞りが前記ガス流のジェットを 所定方向に向ける孔(2161)を有することを特徴とする内燃機関。 28. 請求の範囲第1項から第23項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、さらに、前記第1、第2のシリンダ(12、14)間に隔壁(2 16、2161)を包含し、この隔壁がガス流のジェットを所定方向に向ける孔 (2161)を有することを特徴とする内燃機関。 29. 請求の範囲第1項から第28項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記第1燃料源(34)が燃焼中に前記第2ピストン(18)に よってシールドされるように位置した低圧燃料噴射器であることを特徴とする内 燃機関。 30. 請求の範囲第1項から第29項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記第1燃料源(34、70)が液体燃料噴射器であることを特 徴とする内燃機関。 31. 請求の範囲第1項から第30項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記第1燃料源(34、70)がガス状燃料噴射器であることを 特徴とする内燃機関。 32. 請求の範囲第1項から第31項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記燃焼スペース(20)内の燃料に点火するための手段(52 )を包含することを特徴とする内燃機関。 33. 請求の範囲第32項記載の内燃機関において、前記点火手段(52) がスパークプラグ、グロープラグその他の点火装置を包含することを特徴とする 内燃機関。 34. 請求の範囲第32項または第33項記載の内燃機関において、前記燃 焼スペース(20)内の選定位置に触媒材料の層が設置してあることを特徴とす る内燃機関。 35. 請求の範囲第8項または第15項記載の内燃機関において、前記小さ いシリンダ(14)の前記壁面(14a)に設けた空所(1152)内に設置し たスパークプラグを包含する点火手段(52)を有し、前記空所が前記第1バイ パス手段(39)内に開いていることを特徴とする内燃機関。 36. 請求の範囲第1項から第35項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、高圧液体燃料噴射器の形をした第2燃料源(60)が設けてあり 、前記第2ピストン(18)がその上死点位置あるいはその付近にあるとき、前 記第2燃料源(60)が、前記燃焼スペース(20)へ、前記燃料源(34)に よって前記第1容積部(15a)へ供給された燃料に加えて、或る量の加圧燃料 を給送できるようにしたことを特徴とする内燃機関。 37. 請求の範囲第36項記載の内燃機関において、前記第1燃料源(34 )を制御して、前記第2ピストンがその上死点位置から隔たった所定の位置にあ るときに開始し、終了するように、給送すべき全燃料量の一部を前記第1容積部 (15a)へ給送させる手段(M)を有し、この手段(M)が、また、前記第2 燃料源(60)を制御して、前記両ピストン(16、18)がそれらの上死点位 置あるいはその付近に引き続いてあるときに全燃料量の残りの部分を前記燃焼ス ペース(20)へ給送させることを特徴とする内燃機関。 38. 請求の範囲第1項から第35項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記第1燃料源(70)が、前記第2シリンダ(14)の壁面に 設けてあって前記第2シリンダの前記第1、第2の容積部(15a、15b)に 直接燃料を給送する高圧燃料噴射器であることを特徴とする内燃機関。 39. 請求の範囲第38項記載の内燃機関において、前記燃料噴射器(70 )を制御して、前記第2ピストンがその上死点位置から隔たった所定の位置にあ るときに開始し、終了するように、給送すべき全燃料量の一部を前記第1容積部 (15a)へ給送させると共に、前記両ピストン(16、18)がそれらの上死 点位置あるいはその付近に引き続いてあるときに全燃料量の残りの部分を 前記燃焼スペース(20)へ給送させる手段(M)を有することを特徴とする内 燃機関。 40. 請求の範囲第39項記載の内燃機関において、前記制御手段(M)が 、燃料の全量を所与の期間にわたって一定あるいは可変率で2つまたはそれ以上 のパルスあるいはほぼ連続的に給送するように作動し、燃料の第1前記部分を前 記小さいピストン(18)の吸気行程または圧縮行程あるいはこれら両行程中に 前記第2シリンダ(14)の前記第1容積部(15a)内へ給送し、燃料の前記 別の部分を進入の開始あるいはその後にほぼ始まる期間中に前記燃焼スペース( 20)に給送するようにしたことを特徴とする内燃機関。 41. 請求の範囲第1項から第40項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記吸気手段(25)の上流側で前記第1シリンダ(12)と連 通して可変流れ面積弁手段(83)が設置してあり、前記第1シリンダへの空気 供給量を制限することができることを特徴とする内燃機関。 42. 請求の範囲第1項から第41項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、 前記吸気手段(25)の上流側で前記第1シリンダ(12)と連通し て、前記第1シリンダへの空気供給量を制限することができる可変流れ面積弁手 段(83)が設置してあり、 前記第1シリンダ(12)の前記吸気手段(25)に、内燃機関をS IGEモードで作動させ得る火花点火可能な燃料/空気混合物を与える第2燃料 源(82)が設けてある ことを特徴とする内燃機関。 43. 請求の範囲第1項から第31項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、さらに、 前記第1シリンダ(12)へ燃料を与える第2燃料源(82)と、 前記吸気手段(25)の上流側で前記第1シリンダ(12)と連通し て設けた、前記第1シリンダへの空気供給量を制限することができる可変流れ面 積弁手段(83)と、 前記燃焼スペース(20)内の燃料を点火する手段(52)と、 前記点火手段を制御する制御手段(M)と、 前記燃焼スペース内で圧縮行程の終わり付近に到達した圧力および温 度が使用燃料の自然な圧縮点火を生じさせるには不充分となるようにする手段と を包含することを特徴とする内燃機関。 44. 請求の範囲第43項記載の内燃機関において、前記点火手段(52) が前記小さいシリンダ(14)の前記壁面(14a)に設けた空所(1152) に設置したスパークプラグを包含することを特徴とする内燃機関。 45. 請求の範囲第43項記載の内燃機関において、前記第1、第2の燃料 源(34、82)および前記可変流れ面積弁手段(83)を制御して、エンジン を、前記第1燃料源が不作動あるいはほぼ不作動となり、前記可変流れ面積弁手 段(83)が前記第1シリンダ(12)へ導入される燃料/空気混合物をほぼ理 論値になるように制御する前記SIGEモードと、前記第2燃料源(82)が不 作動あるいはほぼ不作動となり、前記可変流れ面積弁手段(83)がほぼ完全に 開くSTCIモードとの間で切り換える制御手段(M)を有することを特徴とす る内燃機関。 46. 請求の範囲第1項から第35項および第41項から第45項のうちい ずれか1つの項に記載の内燃機関において、前記第1燃料源(34、70)から の燃料を前記第2シリンダ(14)の前記第1容積部(15a)に給送された空 気に導入することによってエンジンのアイドリングを行い、絞った量の実質的に 空気を前記第1シリンダ(12)へのみ流入させた後に前記混合物が前記燃焼ス ペース(20)に進入し、圧縮温度を圧縮点火値より低い値に制限し、前記ピス トン(18)が上死点位置にあるとき前記混合物がスパークプラグ52により点 かされることを特徴とする内燃機関。 47. 請求の範囲第1項から第46項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記燃焼スペース(20)が前記第2容積部(15b)を包含す ることを特徴とする内燃機関。 48. 請求の範囲第1項から第46項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記第2容積部(15b)が前記燃焼スペース(20)を包含す ることを特徴とする内燃機関。 49. 請求の範囲第1項から第48項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記維持手段が、前記第1ピストン(16)の膨張行程、排気行 程の少なくとも一部で前記第2ピストン(18)をその上死点位置またはその付 近にほぼ静止した状態で維持するように作動することを特徴とする内燃機関。 50. 請求の範囲第1項から第49項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記駆動手段(D)が、前記第2ピストン(18)の圧縮行程の 第1部分で前記第2ピストン(18)を前記第1ピストン(16)よりも小さい 行程パーセンテージにわたって移動させるように作動すると共に、圧縮行程の後 の部分にわたって前記第2ピストンを加速して前記第1、第2のピストンをほぼ 同時にそれらの上死点位置に到達させるように作動することを特徴とする内燃機 関。 51. 請求の範囲第50項記載の内燃機関において、 前記第2ピストン(18)が前記第2ピストン(18)をその上死点 位置に向かって押圧する片寄せ手段(501)を有し、 前記駆動手段が前記第2ピストン(18)を移動するためのカム手段 (500、506)を包含し、 前記カム手段(500、506)が、その角度運動の一部にわたって 前記第2ピストン(18)から離脱して前記第2ピストンを圧縮行程の後の部分 にわたって加速させるようなプロファイルとなっている ことを特徴とする内燃機関。 52. 請求の範囲第1項から第50項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記駆動手段が前記第2ピストン(18)を移動させるカム手段 (500、506)を包含することを特徴とする内燃機関。 53. 請求の範囲第1項から第52項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記駆動手段が、前記第1ピストン(16)の排気行程および吸 気行程の両方で前記第2ピストン(18)をその吸気行程にわたって移動させる ように作動することを特徴とする内燃機関。 54. 請求の範囲第1項から第52項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記駆動手段が、前記第1ピストン(16)がその吸気行程にわ たって移動している間に前記第2ピストン(18)をその吸気行程にわたって移 動させるように作動することを特徴とする内燃機関。 55. 請求の範囲第1項から第54項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、さらに、前記第1ピストン(16)の各サイクルで前記第2ピス トン(18)をほぼその上死点位置に維持し、それによって、本内燃機関を普通 のエンジンとして作動し得るようにする手段を包含することを特徴とする内燃機 関。 56. 請求の範囲第1項から第55項のうちいずれか1つの項に記載の内燃 機関において、前記駆動手段が電気式、空気圧式または液圧式のアクチュエータ 手段を包含することを特徴とする内燃機関。 57. 請求の範囲第1項記載の内燃機関を作動させる方法であって、 前記第2ピストン(18)の吸気行程あるいは圧縮行程またはこれら 両方の行程で第1の所定量の燃料を前記第1容積部(15a)に導入する段階と 、 前記第1ピストン(16)の吸気行程中に第2の所定量の燃料を前記 第1シリンダ(12)へ導入して前記第1シリンダ(12)内に所定の燃料/空 気比混合物を与える段階と、 進入開始後で進入完了前に前記燃焼スペース(20)内へ点火エネル ギを放出して進入している燃料の一部に点火し、それによって、前記第1シリン ダ(12)内へ先に導入されている前記燃料/空気混合物の点火を行う段階とを 包含することを特徴とする方法。 58. 請求の範囲第57項記載の方法において、前記第1シリンダ(12) 内の前記所定燃料/空気混合物が理論値よりも希薄であることを特徴とする方法 。 59. 請求の範囲第57項記載の方法において、前記第1シリンダ(12) 内の前記所定燃料/空気混合物がほぼ理論値であることを特徴とする方法。 60. 請求の範囲第1項記載の内燃機関を作動させる方法であって、 前記第2ピストン(18)の吸気行程あるいは圧縮行程またはこれら 両方の行程で第1の所定量の燃料を前記第1容積部(15a)に導入する段階 と、 進入開始後で進入完了前に前記燃焼スペース(20)内へ点火エネル ギを放出して進入している燃料の一部に点火し、それによって、前記燃焼スペー ス(20)内の温度および圧力を進入してる燃料の残りを圧縮点火によって点火 するに充分なレベルまで上昇させる段階と を包含することを特徴とする方法。 61. 請求の範囲第60項記載の方法において、さらに、前記第1シリンダ (12)へ導入される空気の量を制御しながら前記第1ピストンの吸気行程中に 前記第1シリンダ(12)内へ別の所定量の燃料を導入して前記第1シリンダ( 12)内に所定の燃料/空気比混合物を与えることを特徴とする方法。 62. 請求の範囲第61項記載の方法において、前記所定の燃料/空気混合 物がほぼ理論値であることを特徴とする方法。 63. 請求の範囲第60、61または62項記載の方法において、前記第1 シリンダ(12)へ導入される空気を絞って、前記燃焼スペース(20)内への 点火エネルギの放出前に圧縮点火を生じさせるには不充分なレベルまで圧縮温度 、圧力の終わりを制御することを特徴とする方法。 64. 請求の範囲第60項から第63項のうちいずれか1つに記載の方法に おいて、前記第1の所定量の燃料を火花で点火して前記点火エネルギを発生させ ることを特徴とする方法。 65. 請求の範囲第60項から第63項のうちいずれか1つに記載の方法に おいて、前記第1の所定量の燃料を圧縮点火で点火して前記点火エネルギを発生 させることを特徴とする方法。 66. 請求の範囲第60項から第64項のうちいずれか1つに記載の方法に おいて、さらに、 前記第2ピストンの圧縮行程の終わり付近で前記燃焼スペース(20 )内へ第2の所定量の高圧液体燃料を噴射して圧縮点火による点火を行う段階を 包含することを特徴とする方法。 67. 請求の範囲第66項記載の方法において、前記第1の所定量の燃料を 前記第2ピストンの吸気行程中に前記第2シリンダ(14)の前記第1容積部 (15a)内へ噴射することを特徴とする方法。 68. 請求の範囲第66項または第67項記載の方法において、前記第2燃 料が低オクタン価あるいは高オクタン価の燃料であり、前記第1燃料が揮発性の 、より高いオクタン価の燃料であることを特徴とする方法。 69. 請求の範囲第68項記載の方法において、前記第1燃料がガソリンで あることを特徴とする方法。 70. 請求の範囲第68項記載の方法において、前記第2燃料がディーゼル 燃料であることを特徴とする方法。 71. 請求の範囲第60項から第70項のうちいずれか1つに記載の方法に おいて、前記第2ピストン(18)が前記第1ピストン(16)の排気行程およ び吸気行程の少なくとも一部にわたって吸気行程を行うことを特徴とする方法。 72. 請求の範囲第71項記載の方法において、前記第2ピストン(18) が前記第1ピストン(16)の排気行程および吸気行程のほとんど全期間を通じ て吸気行程を行うことを特徴とする方法。 73. 請求の範囲第60項から第72項のうちいずれか1つに記載の方法に おいて、前記第2ピストン(18)の圧縮行程が前記第1ピストン(16)の圧 縮行程のほとんど全期間にわたって生じることを特徴とする方法。 74. 請求の範囲第60項から第73項のうちいずれか1つに記載の方法に おいて、前記第2ピストン(18)が前記第1ピストン(16)の膨張行程のほ とんど全期間にわたってその上死点位置にほぼ静止した状態に留まることを特徴 とする方法。 75. 請求の範囲第60項から第70項のうちいずれか1つに記載の方法に おいて、前記第2ピストン(18)が前記第1ピストン(16)の排気行程およ び膨張行程のほとんど全期間にわたってその上死点位置にほぼ静止した状態に留 まることを特徴とする方法。
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