JPH08511422A - 調理された挽肉様製造物およびその製造方法 - Google Patents
調理された挽肉様製造物およびその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
調理された挽肉様製造物およびその製造方法であって、以下の特徴と工程とを有する。当該製造物は、グルテン、含水繊維性植物性タンパク質、水、乾燥卵白および種々のスパイス、香料および色素が混合され、生地となって製造されるものである。当該生地は、5mmの穴の空いたプレートを通して押し出され、好ましくは190℃の植物油の中に入れられた後、ある大きさにカットされる。また、前記生地を加熱する前にカットするか成形してもよい。この結果、咀噛可能な風味ある食品が提供される。
Description
【発明の詳細な説明】
調理された挽肉様製造物およびその製造方法
本発明は、代用食または増量剤として用いられる、調理された挽肉様製造物(
minced meat like product)に関する。
本発明の一つの特徴により、挽肉様製造物の製造工程が提供され、その製造工
程は、1または数種類の植物性タンパク質であって、その内の1種類が小麦グル
テンである前記タンパク質を水と混合し、前記混合物を直径2.0〜100mmの
穴を通して押し出し、その結果得られた押出物を少なくとも65℃の温度に加熱
する工程を含む。
本発明の他の一つの特徴により、前記の方法により製造された製造物が提供さ
れ、その製造物は、水分と油分とを含まないことを基準として少なくとも49%
のタンパク質と、少なくとも5%の油分と15〜80%の最終水分を含む。
本発明の製造物の好適な実施例は、グルテン、繊維性植物性タンパク質と水の
混合物から成り、前記混合物は添加物の使用を必要とせず、成形され、加熱され
る生地(dough)である。
ベーキング用生地のいくつかの特性を取り入れ、しかも風味の適用がなされて
いる。通常のベーキング用生地は主に小麦と水から成る。
小麦粉は12〜14%のタンパク質から成り、含水すると、その内の85%が
グルテンになる。小麦粉の残りの大半は、デンプン顆粒(65〜70%)を形成
する炭水化物と微量の糖分から成る。
本発明の好適な特徴によると、デンプン顆粒を形成する炭水化物の部分は、機
能成分すなわち植物性タンパク質に置換される。
食パン用生地を製造する際に生じる主な現象は以下のとおりである。まず初め
に、壊れたデンプン顆粒の最初の含水が起こる。次に、タンパク質の部分が含水
して不連続のくさびを形成し、その形成過程の終了までに3次元構造を形成する
。前記タンパク質は主にグルテニンで、膨張したデンプン顆粒および壊れていな
い顆粒がその中に捕捉されている。酵母発酵生地においては、発生した二酸化炭
素
がグルテン分子を直線の鎖に引き伸ばし、これらの鎖は相互作用して、ガスのあ
わの下に弾性シートを形成する。
本発明の好適な実施例において、植物性タンパク質はデンプン顆粒の部分に挿
入されるため、また、二酸化炭素の生成が無いため、3次元構造の形成は含水し
た繊維性植物性タンパク質に阻止される。
食パン用生地の主要なタンパク質は、小麦粉のグルテン部分に由来する。それ
らのタンパク質は、溶媒に対する溶解度にしたがい分類され、グルテニンとグリ
アジンとして知られている。グルテニンは3次元構造であり、グリアジンにより
調整される。グルテニンはグルテン弾性に関連し、グリアジンは粘性に関連する
。
いかなる非グルテンタンパク質とグルテンタンパク質との相互作用も、更に考
慮すべきである。この種の相互作用は、緻密な高耐性非伸張性ユニットに至る。
食パン用生地において、こうしたユニットは望ましくないものである。良質で強
い食パン用生地は、弾性より粘性が小さく、非グルテンタンパク質とグルテンタ
ンパク質の相互作用が大きすぎないものであるとされる。しかしながら、本発明
の好適な実施例においては、デンプン顆粒は繊維性植物性タンパク質に置き換え
られているので、これらのグルテンタンパク質と非グルテンタンパク質の相互作
用を促進する。したがって、本発明によれば、形成された生地は弾性よりも粘性
が大きい。
相互作用の種類は、存在するタンパク質の性質により多様で複雑である。それ
らは可能な限りの相互作用のすべての範囲にわたり広く記載され、例えば、イオ
ン、共有、水素結合やファン・デル・ワールス力がある。
本発明によれば、所望の時間、混合が行われる際に形成される所望のシート構
造の大部分は、グルテニンであると考えられている。
生地にその構造を形成するため、いくつかの混合方法が研究された。従来のリ
ボンとパドルミキサーからは適切な生地が得られた。従来のらせん生地ミキサー
はやや効率が劣るものであった。トゥイーディ・アンド・モノ(Tweedy and Mon
o)社製の”ノータイム”生地用の機械は、非常に満足のいく生地の構造を形成
する。
混合と結合の段階もツインスクリュー押出器で非常によく模造された。
ここで重要な要素はエネルギー入力である。通常食パン用生地は、約11ワッ
トh/kgが必要である。好適な実施例は、混合のサイズに左右される混合段階にお
いて5〜22ワットh/kgの入力である。混合物の最終温度は75℃未満である。
ベーキング用生地においては、過剰な混合はローフ量を減らすことになるが、本
発明においては、制限される要素は製造工程における生地を処理する能力である
。過剰な混合は、最終製造物の品質に関してさほど重要ではない。
無添加食品の現在の風潮によれば、本発明の重要な特徴は、所望の最終製造物
に達成するため、添加物を必要としないということである。したがって、肉や添
加物を含まない食品が主に考慮される応用品に、その最終製造物は非常に適切で
ある。
前記の結果得られた生地は、加熱段階に入る前に成形される。これは2.0〜
100mm、好ましくは2.5〜15mm、より好ましくは5mmの穴を通して押し出
すことによって好適に達成される。
生地の加熱工程は、好ましくは前記押出物を加熱した植物油に浸すことにより
なされる。他の加熱方法も研究され、赤外線移動オーブンでも満足のいくことが
判明した。
その結果得られた加熱された押出物は、更に適当な大きさに切ってもよい。
製造物の最終的なきめ細かさや食感は、卵白やタンパク質単離体を加えること
により調整される。これらは、きめ細やかさを調整する生地のタンパク質構造の
一因となり得る。加熱の質にも顕著な効果を示す。繊維性植物性タンパク質の使
用に関しても策略を施す余地がある。生地と最終製造物の質に大きな影響を与え
うる数種類の非繊維性植物性タンパク質が研究されてきた(実施例2参照)。
本発明にしたがい、以下の実施例がなされた。
実施例1
グルテン(5.0kg)、含水繊維性植物性タンパク質(15kg)を水(6.
5L)、乾燥卵白(1.0kg)と種々のスパイス、香料、色素と共にトゥイーデ
ィ(Tweedy)70ミキサーに入れた。その混合物を10.5ワットh/kgを記録す
るまで混合した。その結果得られた生地を5mmの穴の空いたプレートを通して押
し出し、100〜250℃、好ましくは190℃の植物油の中に5秒間入れた。
そし
て、その製造物を切って小さくした。その製造物は、水分と油分とを含まないこ
とを基準とし少なくとも49%のタンパク質、少なくとも5%の油分、そして1
5%〜80%の最終水分から成る。
実施例2
大豆粗粉(7.0kg)、グルテン(4.5kg)、水(16L)を十分に含水し
た大豆タンパク質単離体(4.0kg)と混合前の色素、スパイス、香料と共にホ
バート(Hobart)ドウ・ミキサーで高速で35分間混合した。その結果得られた
生地を、例1と同様に、押し出して加熱した。
実施例3
100mmの公称円筒直径を有し、21倍(2.1m)の二重筒身円筒と主要お
よび補助フィードポートとを有するツインスクリュー押出器は、ポート1とポー
ト2に関して1.5対1のフィード入力の割合に設定された。ポート1フィード
は、グルテン5部、乾燥卵白0.8部、スパイスと香料1.2部と植物油1部の
混合物から成る。ポート2は、含水繊維性植物性タンパク質から成る。円筒の機
略は、十分な混合と剪断部分に設定され、均一に混合し、必要なエネルギーを供
給する。円筒は、30℃から最終1.0mで63℃になる温度勾配に設定された
。その結果得られた塊は、最終的な長さが5〜9mmになる回転刃を有する直径4
mmの並んだ4つの穴を通して押し出され、最終製造物の温度が出口において11
0℃になるように、長さ1mの移動オーブン上に置かれた。
実施例4
濃縮大豆(5kg)を高速ミキサーで5分間、2.5部の水で含水させた。これ
に、グルテン(3kg)、繊維性植物性タンパク質(0.5kg)、香料とスパイス
(0.5kg)、水(2L)とモノ(Mono)ミキサーで最高速度で4.5分間高速
で混合したものを加えた。その結果得られた生地を、5.2mmのミンチプレート
で押し出し、加熱した植物油に12秒間浸した。
切断工程について言及されてきたが、生地は他の方法で成形されてもよい。
前記実施例は実施例の方法によってのみ記載されたが、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲で種々変更することが可能である。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年6月16日
【補正内容】
(英文訂正頁1〜1a)
調理された挽肉様製造物およびその製造方法
本発明は、代用食または増量剤として用いられる、調理された挽肉様製造物(
minced meat like product)に関する。
本発明が解決しようとする問題は、満足のいく風味ときめ細かさのある製造物
を製造することである。同様の製造物を製造しようとする試みは、すでに成され
てきた。特開平01−277469号公報(JP−A−01277469)には
、保存期間を有する、押し出し、含水および油で揚げる工程を含む製造方法によ
って食料品が製造されている。この発明は、所望の風味ときめ細かさのある製造
物を製造していない。イギリス2066644A号公報には、タンパク質を紡ぐ
ことにより得られる繊維の凝集体を含む食料品を製造するための製造方法と装置
が開示されている。その結果得られた製造物は、天然の肉加工品に匹敵すること
を意図している。しかしながら、その製造物は、所望の風味ときめ細かさを有し
ていない。
本発明の一つの特徴により、挽肉様製造物の製造工程が提供され、その製造工
程は、1または数種類の植物性タンパク質であって、その内の1種類が小麦グル
テンである前記タンパク質を水と混合し、シート構造を形成するため、混合工程
において5〜22ワットh/kg、すなわち、4×104〜1.8×105J/kgを入力
し、前記混合物を直径2.0〜100mmの穴を通して押し出し、その結果得られ
た押出物を少なくとも65℃の温度に加熱する工程を含む。
本発明の他の一つの特徴により、前記の方法により製造された製造物が提供さ
れ、その製造物は、水分と油分とを含まないことを基準として少なくとも49%
のタンパク質、少なくとも5%の油分と15〜80%の最終水分を含む。
本発明の製造物の好適な実施例は、グルテン、繊維性植物性タンパク質と水の
混合物から成り、前記混合物は添加物の使用を必要とせず、成形され、加熱され
る生地(dough)である。
ベーキング用生地のいくつかの特性を取り入れ、しかも風味の適用がなされて
いる。通常のベーキング用生地は主に小麦と水から成る。
(英文訂正頁4)
生地にその構造を形成するため、いくつかの混合方法が研究された。従来のリ
ボンとパドルミキサーからは適切な生地が得られた。従来のらせん生地ミキサー
はやや効率が劣るものであった。トゥイーディ・アンド・モノ(Tweedy and Mon
o)社製の”ノータイム”生地用の機械は、非常に満足のいく生地の構造を形成
する。
混合と結合の段階もツインスクリュー押出器で非常によく模造された。
ここで重要な要素はエネルギー入力である。通常食パン用生地は、約11ワッ
トh/kgが必要である。混合のサイズに左右される混合段階において5〜22ワッ
トh/kgが入力される。混合物の最終温度は75℃未満である。ベーキング用生地
においては、過剰な混合はローフ量を減らすことになるが、本発明においては、
制限される要素は製造工程における生地を処理する能力である。過剰な混合は、
最終製造物の品質に関してさほど重要ではない。
無添加食品の現在の風潮によれば、本発明の重要な特徴は、所望の最終製造物
に達成するため、添加物を必要としないということである。したがって、肉や添
加物を含まない食品が主に考慮される応用品に、その最終製造物は非常に適切で
ある。
(英文訂正頁8〜9)
特許請求の範囲
1.1または数種類の植物性タンパク質であって、その内の1種類が小麦グルテ
ンである前記タンパク質を水と混合して混合物を製造し、シート構造を形成する
ため、混合段階において5〜22ワットh/kg、すなわち、4×104〜1.8×
105J/kgを入力し、前記混合物を2.0〜100mmの範囲の直径を有する穴を
通して押し出し、その結果得られた押出物を少なくとも65℃の温度に加熱する
段階を含む挽肉様製造物の製造方法。
2.前記穴の直径が2.0〜19mmの範囲である請求項1記載の製造方法。
3.前記穴の直径が2.5〜15mmの範囲である請求項1記載の製造方法。
4.前記穴の直径が5mmである請求項1記載の製造方法。
5.前記押出物を3〜150秒間加熱する先行するいずれかの請求項記載の製造
方法。
6.加熱前または後に、前記押出物をある大きさに形成する先行するいずれかの
請求項記載の製造方法。
7.前記押出物を5〜15mmの範囲で最終的な製造物の長さに切断する先行する
いずれかの請求項記載の製造方法。
8.前記押出物を100〜250℃の範囲の温度の植物油を使用して加熱する先
行するいずれかの請求項記載の製造方法。
9.前記混合物の最終温度が75℃未満である先行するいずれかの請求項記載の
製造方法。
10.水分と油分とを含まないことを基準として少なくとも49%のタンパク質
と、少なくとも5%の油分と15〜80%の最終水分とを含む、請求項1記載の
方法により製造された製造物。
11.卵白または植物性タンパク質単離体の添加を含む請求項10記載の製造物
。
12.色素、香料、スパイスの添加を含む請求項10および11記載の製造物。
13.前記植物性タンパク質は押出しまたは紡ぐことによってきめ細かくされる
請求項10、11および12記載の製造物。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.1または数種類の植物性タンパク質であって、その内の1種類が小麦グルテ ンである前記タンパク質を水と混合して混合物を製造し、前記混合物を2.0〜 100mmの範囲の直径を有する穴を通して押し出し、その結果得られた押出物を 少なくとも65℃の温度に加熱する段階を含む挽肉様製造物の製造方法。 2.前記穴の直径が2.0〜19mmの範囲である請求項1記載の製造方法。 3.前記穴の直径が2.5〜15mmの範囲である請求項1記載の製造方法。 4.前記穴の直径が5mmである請求項1記載の製造方法。 5.前記押出物を3〜150秒間加熱する先行するいずれかの請求項記載の製造 方法。 6.加熱前または後に、前記押出物をある大きさに形成する先行するいずれかの 請求項記載の製造方法。 7.前記押出物を5〜15mmの範囲で最終的な製造物の長さに切断する先行する いずれかの請求項記載の製造方法。 8.前記押出物を100〜250℃の範囲の温度の植物油を使用して加熱する先 行するいずれかの請求項記載の製造方法。 9.前記混合段階においは5〜22ワットh/kg、すなわち、4×104〜1.8 ×105J/Kgが入力され、前記混合物の最終温度が75℃未満である先行するい ずれかの請求項記載の製造方法。 10.水分と油分とを含まないことを基準として少なくとも49%のタンパク質 と、少なくとも5%の油分と15〜80%の最終水分とを含む、請求項1記載の 方法により製造された製造物。 11.卵白または植物性タンパク質単離体の添加を含む請求項10記載の製造物 。 12.色素、香料、スパイスの添加を含む請求項10および11記載の製造物。 13.前記植物性タンパク質は押出しまたは紡ぐことによってきめ細かくされる 請求項10、11および12記載の製造物。 14.前記植物性タンパク質はきめ細かくされない請求項10、11および12 記載の製造物。 15.いずれかの実施例1〜4に記載の製造物。
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