【発明の詳細な説明】
ビタミンDアミド誘導体
本発明は新規ビタミンD類似体、さらに詳しく云えば17−位に修飾された側鎖
を有しかつ細胞調節活性を示す1α−ヒドロキシビタミンD3類似体に関する。
式
を有するビタミンD3がカルシウム代謝において、カルシウムおよびリンの腸吸
収を促進し、カルシウムおよびリンの適切な血清レベルを維持しそして甲状腺ホ
ルモンの存在下で骨液画分化からのカルシウムの動員を刺激することにより重要
な役割を果たすことはよく知られている。
約20年前に、ビタミンD類が生体内でのヒドロキシル化、すなわち肝臓で起こ
る25−位でのヒドロキシル化および腎臓で起こる1α−位でのヒドロキシル化を
受け、その生成する1α,25−ジヒドロキシ代謝産物が生物学的に活性な物質で
あるということは知られていた。この発見によりビタミンDの多くの類似体の合
成が始まり、その評価によればカルシウム代謝に及ぼす実質的な効果を発揮する
には、1α−位のヒドロキシル基および24R−または25−位のいずれかのヒドロ
キシル基が1つの化合物またはその代謝産物にとって必
須であるということが指摘された。前述で指摘したように、24R−または25−位
のヒドロキシル化は1α−位の場合よりもむしろ容易に起こり、このようなヒド
ロキシル基が通常、最終的には生体内に導入されるけれども、既にそのようにヒ
ドロキシル化されたビタミンD類似体の使用が、それらの高められた活性レベル
、それらの作用の迅速性およびその後の身体からの排出のために実質的に有利で
あることは判明している。1α−ヒドロキシル化ビタミンD誘導体が腎不全患者
にとって特に役立つことは認められるであろう。
現在使用されているヒドロキシル化ビタミンD類似体の例としては天然代謝産
物の1α,25−ジヒドロキシビタミンD3および1α−ヒドロキシビタミンD3(
これは生体内で容易に25−ヒドロキシル化される)を挙げることができる。そ
の他の報告された有望な化合物には例えば1α,24R−ジヒドロキシビタミンD3
、前記化合物のD2類似体および24−、26−および/または27−位にフッ素原子
を担持する1α,25−ジヒドロキシ類似体がある(De Luca and Schnoes,Ann.Rev .Biochem
.(1983),52,pp 411-439およびDe Luca etal.,Top.Curr.Chem.(1979
),83,pp-65参照)。
より最近では、天然代謝産物の1α,25−ジヒドロキシビタミンD3は細胞代謝
におけるさらに別の作用を有するということが知られている。これらの細胞調節
作用としては例えば細胞の成熟および分化の刺激(Tanaka et al.,Biochem.J
.(1982),204,pp713-719;Amento et al.,J.Clin.Invest.(1984),73
,pp731-739;Colston et al.,Endocrino1ogy(1981),108,pp 1083-1086;A
beetl al.,Proc.Nat.Acad.Sci.(1981),78,pp4990-4994)および免疫抑
制作用(例えばインターロイキンII生産の阻害)(Rigby,
Immunology Today
(1988),9,pp54-58)を挙げることができる。
さらにより最近では、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3の免疫相乗作用が認
められており、その化合物は殺菌性酸素代謝産物の産生および白血球の走化性反
応を剌激することが見いだされている(例えば、Cohen et al.,J.Immunol.(
1986),136,pp1049-1053参照)。白血球が、例えば、襲う微生物に付着しそし
て吸い込むことにより(走化性反応)および/または超酸化物および/またはそ
の他の有毒酸素代謝産物を産生することにより、種々の感染症に対する生体防御
において重要な役割を果たすことはよく知られている(例えば、Roitt,Brostof
f and Male,“Immunology”2ndEd.(1989),C.V.Mosby,St.Louis,sec16.
10-16.13and17.4-17.5)。この反応はまた、例えば、ビタミンD類似体とは構
造的に極めて異なっている発癌補助性のホルバルエステルおよびγ−インターフ
ェロンのようなミトゲンにより刺激されることもあるということも知られている
。
細胞代謝に及ぼすこれらの作用により、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3は
原則として例えば乾癬症、炎症性および自己免疫性疾患、新生物形成および過形
成の治療、感染症(とりわけ細菌性、ウイルス性および真菌性)の化学療法にお
ける補助剤および単核食細胞が関連するその他の治療様相におけるような種々の
領域での治療の可能性を有する。1α,25−ジヒドロキシビタミンD3および1α
−ヒドロキシビタミンD3はまた高血圧症の治療(Lind et al.,Acta Med.Scan d
.(1987),222,pp423-427)および真性糖尿病の治療(Inomata et al,“Bo
ne Minerai”(1986)1,pp187-192)への使用が推奨されており、そして1α,
25−ジヒドロキシビタミン
D3が毛髪成長を促進すること(Lancet,4 March 1989,p 478)およびアクネの
治療に有用であること(Ma11oy et al.,Tricontinental Meeting for Investig
ative Dermatology,Washington,1989)も示唆されている。
しかし、カルシウム代謝に及ぼす1α,25−ジヒドロキシビタミンD3および1
α−ヒドロキシビタミンD3の強力な作用は、所望の細胞調節、免疫抑制または
免疫相乗作用を惹起させるに十分なレベルでの投与量が許容しがたい過カルシウ
ム血症を招く傾向があるために、通常上記のような使用は除外される。このこと
から、カルシウム代謝への作用は少ないが細胞代謝への望ましい作用を示す新規
な類似体を合成する試みがなされた。
少なくとも中程度には、この所望の活性分離を示す新規類似体についての報告
書は存在している。例えば、コレスタン側鎖の通常のC25〜C27配置の代わりに24
−位にシクロプロピル基を担持している22,23−不飽和1α,24R−ジヒドロキシ
ビタミンD3類似体であって、乾癬症治療用に臨床的試みがなされている化合物MC
-903(カルシポトリオール)は、より小さな過カルシウム血症作用を示しつつ1
α,25−ジヒドロキシビタミンD3に匹敵しうる強度の細胞成熟への作用を示すこ
とが報告されている(Calverley,Tetrahedron(1987),43,pp 4609-4619;お
よびHolick,Arch.Dermatol.(1989),125,pp1692-1696)。同様の主張が1
α,25−ジヒドロキシビタミンD3の類似体例えば22−オキサ(Abe et al.,Endo crino1ogy
(1989),124,pp2645-2647)、並びに24-および26−ホモ(Ostrem e
t al.,J.Biol.Chem.(1987),262,pp14164-14171)、16−デヒドロ−23,2
4−エチニル(Zhou et al.,Blood
(1989),74,pp82-93)および19−ノル−10−ジヒドロ(Perlmanetal.,Tetra hedronLett
.(1990),pp1823-1824)についてなされている。
分化を惹起する活性と過カルシウム血症作用との分離の促進を達成させる目的
で調べた1α,25−ジヒドロキシビタミンD3のその他の類似体としては、例えば
23−オキサ、23−チアおよび23−アザ誘導体(Kubodera et al.,Chem.Pharm. Bull
.(1991),39,pp3221-3224)、種々の大きさの側鎖を有している22−オ
キサ類似体(Kubodera et al.,Chem.Pharm.Bull.(1992),40,pp 1494-14
99)および20−エピ類似体(Binderup et al.,BiochemicalPharmacology(1991
),42,pp1569-1575)を挙げることができる。
これらの開示からどの化合物が細胞調節活性(またはいずれかのかかる活性の
レベル)を示すのかを推理すること、または細胞調節およびカルシウム代謝に関
するこれら活性の分離を導く因子を決定することは不可能のようである。すなわ
ち、例えば、分化を惹起する活性と側鎖の長さまたは親水性との厳密な関係は存
在しないことが認められている。
これら多数の結果からは、コレスタン型の側鎖またはその同族体の端の方にあ
る1個のヒドロキシル基の存在は化合物有意の細胞調節活性を示すのに必須であ
ることが示唆される。しかし、Ostrem氏等(前掲引用書中に)の調査結果は、短
い不飽和の17−位側鎖(例えば、ホモ−またはビス−ホモ−プレグナンにおける
ようなイソプロピルまたはsec−ブチル)のみを有する類似体が、分化を惹起す
る極めて実質的な活性を示しかつ側鎖ヒドロキシル基を担持している
対応する短い側鎖の化合物よりも強力であるということを指摘している。
多数の推奨されている類似体は1α,25−ジヒドロキシビタミンD3と同様のレ
ベルで細胞調節活性を示すようであるが、しかしまた依然としてカルシウム代謝
への相当な作用をも示すようであり、該活性は1α,25−ジヒドロキシビタミン
D3の場合を基準にして多くて2の次数で(at most two orders)減少される。
従って、これはこのような化合物が特に全身的適用が必要とされる場合例えば炎
症性および自己免疫性疾患、新生物形成および過形成の治療の長期治療において
、または乾癬症治療のための経口治療において使用される場合には、累積する毒
性問題を生ずることがある。それ故にカルシウム代謝に及ぼす作用が減少されて
いて、強力な細胞調節活性を示すビタミンD様化合物の必要性がひき続き存在し
ている。
WO-A-9309093号として公告された本出願人による国際特許出願には17−位側鎖
が場合によりN−置換またはN,N−ジ置換されたカルバモイル基で終わっている
多数の1α−ヒドロキシビタミンD誘導体およびその20−エピ類似体が記載され
ている。このような誘導体は、カルシウム代謝に最小の作用を示す一方、例えば
細胞の分化および成熟を顕在化させ、増殖を阻害しそして/または単球を活性化
することにより証明されているように(例えばStyrt et al.,Blood(1986),6 7
,pp334-342に記載の手法により評価されるように)強力な細胞調節作用を有す
る。前記国際特許出願による化合物はラットの血清カルシウムおよびリンレベル
に対しては、たとえ1α,25−ジヒドロキシビタミンD3についての慣用の投与量
の100倍の量で投与しても有意でない作用を有することが見いだされており、従
って
該化合物は細胞調節活性対カルシウム血症活性の有利な治療比を示す。
これらの化合物のさらに別の利点は、それらが腸の1α,25−ジヒドロキシコ
レカルシフェロールレセプターでは非常に低いアフィニティを有するという点に
ある。
本発明は17−位側鎖が場合により置換されたカルバモイル基で終わっている広
範囲のその他の1α−ヒドロキシビタミンD類似体もまた、細胞調節活性とカル
シウム血症生起作用の望ましい分離を示すことができるという本発明者等の発見
に基づいている。
すなわち、本発明の一つの特徴によれば一般式(I)
[式中、R1およびR2は同一であるかまたは相異なることができ、それぞれ水素原
子、脂肪族基、環状脂肪族基、芳香脂肪族基またはアリール基を示すか、または
それらが結合している窒素原子と一緒になって複素環式基を形成し;R3はα−ま
たはβ−配置を有するメチル基を示し;Xは原子価結合またはC1〜2アルキレン
基を示し;Yは-O-、-S-、-CH2-または-NR-(ここでRは水素原子または有機基
である)を示し、Zは原子価結合またはC1〜3アルキレン基を示し;そしてA=
は1α−ヒドロキシル化ビタミンDまたはその類似体のA−環の特性を有するシ
クロヘキシリデン部分を示すが、但し-X-Y-Z-
が一緒になって4個までの炭素原子を有するアルキレン基を示す場合にはA=は
10−位においてエキソ環状メチレン基を担持しない]の化合物が提供される。
式(I)におけるR1および/またはR2が脂肪族基を示す場合には、これらは例
えば低級(例えばC1〜6)アルキル基例えばメチル、エチル、プロピルおよびブ
チル基であることができる。環状脂肪族基R1および/またはR2は例えば3〜8個
の炭素原子を有する低級シクロアルキル基例えばシクロプロピル、シクロペンチ
ルおよびシクロヘキシル基であることができる。芳香脂肪族基としては例えばC6 〜12
アリールC1〜4アルキル基は例えばベンジルまたはフェネチルを挙げること
ができる。アリール基としては例えば、ハロ(例えばクロロまたはブロモ)、低
級(例えばC1〜4)アルキル基例えばメチル、低級アルコキシ(例えばメトキシ
)、低級アルカノイル(例えばアセチル)、低級アルキルアミノ(例えばメチル
アミノ)、ジ(低級アルキル)アミノ(例えばジメチルアミノ)、ニトロ、カル
バモイルおよび低級アルカノイルアミノ(例えばアセトアミド)から選択される
1個以上の置換基を場合により担持している、フェニルまたはナフチルのような
C6〜12炭素環式アリール基を挙げることができる。
基R1R2N-が複素環式基を示す場合にはこれは例えば、O、NおよびSから選択
される1個以上のさらに別のヘテロ原子を含有しかつ例えばそれぞれ5または6
員を有する1個以上の環を含むことができ、その例としてはN−結合のピロリル
、ピラゾリル、イミダゾリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、ピロリジ
ニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、チアゾ
リジニルまたはチアモルホリノ基を挙げることができる。
式(I)におけるR3がα−配置のメチル基である場合には、それらの化合物は
天然ビタミンD誘導体の特性である20R配置を有し、R3がβ−配置である場合に
はそれらの化合物はエピ−ビタミンD誘導体の20S配置を有する。本発明はまた
これら2種の異性体の混合物を包含することが認められるであろう。
XおよびZで表されるアルキレン基は例えばメチレン、エチレンまたは(Zの
場合には)トリメチレンのような直鎖状であることができる。XおよびZ中に存
在する炭素原子の総数は1〜4であるのが好ましい。
Yが-NR-を示す場合には、Rとして存在しうる有機基としては例えば低級(例
えばC1〜6)アルキル基例えばメチル、エチル、プロピルまたはブチル基;低級
(例えばC3〜8)シクロアルキル基例えばシクロプロピル、シクロペンチルまた
はシクロヘキシル基;低級アラルキル基例えばC6〜12アリールC1〜4アルキル基
例えばべンジル;または低級アシル例えばC1〜6アルカノイル例えばアセチルを
挙げることができる。
A=で表されるシクロヘキシリデン環は通常、1α−および3β−位にヒドロ
キシル基またはその保護された誘導体を担持しており、かつ例えば抗増殖活性を
高めそして/または分化を刺激する傾向のあるさらに別の置換基を有することが
できる。すなわち、A=は例えば式(A−1)
(式中、R4およびR5は同一であるかまたは相異なることができ、それぞれ水素原
子またはO−保護基を示し、そしてR6およびR7は同一であるかまたは相異なるこ
とができて、水素原子および適当な1価または2価の置換基から選択される)で
表すことができる。
R4およびR5がO−保護基を示す場合には、これらは例えば本技術分野で普通に
知られているような分裂可能なO−保護基であることができる。適当な基としは
エーテル化基例えばシリル基[例えばトリ(低級アルキル)シリル基例えばトリ
メチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリルまたはt−ブチルジ
メチルシリル;トリ(アリール)シリル基例えばトリフェニルシリル;および混
合アルキル−アリールシリル基];場合により酸素原子により中断された低級(
例えばC1〜6)アルキル基例えばメチル、メトキシメチルまたはメトキシエトキ
シメチル;および環状基例えばテトラヒドロピラニルであることができる。エス
テル化O−保護基の例としては低級(例えばC1〜6)アルカノイル例えばアセチ
ル、プロピオニル、イソブチリルまたはピバロイル;アロイル(例えば7〜15個
の炭素原子を有する)例えばベンゾイルまたは4−フェニルアゾベンゾイル;低
級アルカンスルホニル例えば(場合によりハロゲン化された)メタンスルホニル
;およびアレンスルホニル例えばp−トルエンスルホニルを挙げることができる
。
O−保護された誘導体は式(I)(式中、R4およびR5は水素原子を示す)の活
性1α,3β−ジオール類の製造における中間体として有用である。さらに、O
−保護基が生体内で代謝上不安定である場合には、式(I)で表されるそのよう
なエーテルおよびエステルは直接、治療に有用である。
R6およびR7のうちの少なくとも1つは水素原子であるのが有利である。R6およ
びR7のうちの他方として存在しうる置換基の例としてはメチレン、メチルおよび
スピロ−結合したシクロプロピル基を挙げることができる。
前記式(A−1)に包含される代表的なA=基としては以下の基
を挙げることができる。
基(A−2)および(A−3)を含有する化合物はビタミンD類
似体のそれぞれ5,6−シス(すなわち5Z)および5,6−トランス(すなわち5E
)異性体であることが分かるであろう。同様に、基(A−4)および(A−5)
を含有する化合物は10,19−ジヒドロビタミンD類似体のそれぞれ5,6−シスおよ
び5,6−トランス異性体であり、そして基(A−8)を含有する化合物は19−ノ
ルビタミンD類似体である。
本発明による5,6−トランス異性体は例えば後記で詳述されるような対応する5
,6−シス異性体の製造における中間体として特に重要である。しかし、R4および
R5が水素原子であるかまたは代謝上不安定な基である5,6−トランス異性体は、
対応する5,6−シス異性体よりも例えば約1の次数の大きさ(about one order o
f magnitude)で低い細胞調節活性を示すことが多く、従って、特に血清カルシ
ウムレベルを高めるそれらの作用もまた減少されうる時に、細胞調節活性とカル
シウム血症活性との評価しうる分離を維持するので治療に有用でありうる。
24−または25−ヒドロキシル基を担持しておらず、多くの場合にはこれらの位
置でヒドロキシル化されることが不可能なかなり大きなビタミンD様の17−位側
鎖を有することができる式(I)の化合物が細胞調節活性を示すという事実は、
このようなヒドロキシル基の必要性を強く示唆するこの領域での以前の調査結果
から考えて予想外である。式(I)の活性化合物についての有用な細胞調節活性
の認識は、1α−ヒドロキシル基を欠く以外は同様の側鎖を有する化合物がビタ
ミンD様活性を有せず、そして明らかに25−ヒドロキシル化を遮断することから
、実際にはビタミンDのアンタゴニストとして有用であるという報告(米国特許
No.4,217,288号参照)を考慮す
ればさらに驚きである。
また、前記1α,24R−ジヒドロキシビタミンD3類似体MC-903が生体内で酸化
されて対応する24−オキソ化合物になることおよびこの代謝産物がMC-903に比較
して細胞増殖および分化における効果に関してかなり減少された活性を示すこと
もまた注目されている(Sφrensen et al.,Biochemical Pharmacology(1990)
,39,pp391-393)。これは本発明の24−オキソおよび同族の化合物に関する本
発明者等の調査結果とは逆に、24−オキソ基の導入が細胞調節活性の点では不活
性化工程からなることを示唆している。
本発明の活性化合物の細胞調節活性は該化合物のカルシウム血症作用の実質的
欠如と合わせて、新生物形成疾患特に骨髄性白血病の治療技術において本発明化
合物を(単独または補助剤としての両方で)重要ならしめている。それらはまた
感染症の化学療法および単核食細胞が関連するその他全ての治療様相において、
例えば骨疾患(例えば骨粗鬆症、骨欠乏症および拘僂病または腎性骨ジストロフ
ィーにおけるような骨ジストロフィー)、自己免疫疾患、宿主−移植片反応、移
植拒絶反応、炎症性疾患(免疫炎症性反応の調節を含む)、新生物形成および過
形成、筋障害、腸症および脊椎炎性心疾患の治療において単独でまたは補助剤と
してのいずれかで使用されうる。本発明による活性化合物はまた創傷治癒の促進
、甲状腺ホルモンの抑制(例えば血清カルシウムホメオスタシスにおけるような
)および皮膚科疾患(例えばアクネ、脱毛症、温疹、かゆみ症、乾癬症および皮
膚老化例えば光による老化)、高血圧症、リウマチ様関節炎、乾癬性関節炎、第
2次上皮小体機能亢進症および喘息の治療において有用である。本発明はこのよ
うな状態の治療および予防並
びにこのような治療および予防用医薬の製造におけるこれら化合物の使用を包含
する。
本発明者等の信ずる所によれば、式(I)の活性20R異性体は例えば併用療法
で感染症の治療に好ましいが、活性20Sエピ−異性体は免疫抑制作用を包含する
適用例えば自己免疫性および炎症性疾患、リウマチ様関節炎、喘息等の治療にお
いて好ましい。この見解は例えばBiochemical Pharmaco1ogy(1991),42(8),p
p1569-1575に報告された20−エピ−ビタミンD3類似体に関するBinderup氏等の
研究により支持されている。
本発明による活性化合物は任意の都合のよい経路例えば経口的(例えば舌下的
)、非経口的、直腸、局所的または吸入による投与用に処方されることができ、
そのように処方された医薬組成物は本発明の1つの特徴を構成する。
経口的に投与しうる組成物は、所望により、1種以上の生理学的に相容性の担
体および/または賦形剤を含有しそして固形物または液体であることができる。
この組成物は任意の都合のよい形態例えば錠剤、コーティング錠剤、カプセル剤
、糖衣錠、水性または油性の懸濁液、溶液、乳液、シロップ剤、エリキシル剤お
よび使用の前に水または別の適当な液体ビヒクルで再調製するのに適当な乾燥製
剤を採ることができる。この組成物は単位剤形で調製するのが有利である。本発
明による錠剤およびカプセル剤は所望により、慣用の成分例えばシロップ、アカ
シア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントまたはポリビニル−ピロリドンの
ような結合剤;例えばラクトース、砂糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシ
ウム、ソルビトールまたはグリシンのような充填剤;例えばステアリン酸マグネ
シウム、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカのような潤滑剤;例えば
馬鈴薯デンプンのような崩壊剤;または例えばラウリル硫酸ナトリウムのような
許容しうる湿潤剤を含有することができる。錠剤は本技術分野でよく知られた手
法に従ってコーティングされうる。
液体組成物は慣用の添加剤例えばソルビトールシロップ、メチルセルロース、
グルコース/砂糖のシロップ、ゼラチン、ヒドロキシメチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルまたは水添食用脂肪のよ
うな懸濁剤;例えばレシチン、ソルビタンモノオレアートまたはアカシアのよう
な乳化剤;食用油例えばアラキス油(arachis oil)、アーモンド油、分溜した
ココナッツ油のような植物性油、魚肝油、例えばポリソルベート80、プロピレン
グリコールまたはエチルアルコールのような油状エステルを包含しうる非水性ビ
ヒクル;および例えばメチルまたはプロピルp−ヒドロキシベンゾエートまたは
ソルビン酸のような保存剤を含有することができる。液体組成物は例えばゼラチ
ン中にカプセル化して単位剤形の製剤にするのが好都合である。非経口投与用組
成物は注射用液体担体例えば発熱性物質不含の滅菌水、過酸化物不含の滅菌性オ
レイン酸エチル、脱水アルコールもしくはプロピレングリコールまたは脱水アル
コール/プロピレングリコールの混合物を用いて処方され、静脈内、腹腔内また
は筋肉内に投与されうる。
直腸投与用組成物は慣用の坐薬基剤例えばココアバターまたは別のグリセリド
を用いて処方されうる。
局所投与用組成物は軟膏、クリーム、ゲル、ローション、シャンプー、ペイン
ト、粉末(スプレーパウダーを含む)、ペッサリー、
タンポン、スプレー、ソース、エアロゾル、ポア−オン(pour-on)およびドロ
ップを包含する。活性成分は所望により例えば親水性または疎水性基剤中で処方
されうる。
吸入投与用組成物は例えば計量される投与量の形態で、計量分配バルブを具備
したエアロゾル容器中に充填された、例えばハロゲン化炭化水素のような噴射剤
中の懸濁液として自己噴射性デリバリー用に処方するのが好都合である。
貯蔵寿命を高めるために例えばアスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソー
ルまたはヒドロキノンのような抗酸化剤を混入させることが有利であることもあ
る。
いずれかの前記組成物が投与量単位形態で調製される場合には、これらは例え
ば単位剤形当たり本発明の活性化合物0.05〜250μg例えば0.1〜50μgを含有する
ことができる。所望により、組成物に1種以上のさらに別の活性成分を混入させ
ることができる。
本発明の活性化合物の1日当たりの適当な投与量は例えば治療中の病状の重篤
度、患者の年齢、体重および健康状態のような因子によるが、1日当たり0.1〜5
00μg例えば0.2〜100μgであることができる。
本発明化合物はいずれか都合のよい方法で例えば以下の方法の1つで製造する
ことができる。
A)式(I)の5,6−シス化合物は対応する5,6−トランス化合物を異性化し、
次いで必要および/または所望により任意のO−保護基を除去することにより製
造することができる。異性化は例えばジスルフィドまたはジセレニドとともにヨ
ウ素で処理することにより、または好ましくはトリプレット感光剤の存在下で紫
外線照射するこ
とにより実施されうる。
B)式(I)の5,6−トランス化合物は対応する1−非置換−5,6−トランス化
合物例えば式
(式中、R4は水素またはO−保護基である)で表されるA=基を有する式(I
)の化合物をヒドロキシル化することにより製造することができる。このような
ヒドロキシル化は例えばGB-A-2038834号に記載のようなセレナイトエステル(こ
れは二酸化セレンまたは第一セレン酸およびアルコールの反応により反応系中で
生成されうる)を使用するか、または例えばGB-A-2108506号に記載のような第一
セレン酸をpH3〜9で使用することにより実施されうる。これら双方の特許明細
書の内容は参照によりここに組み入れられる。所望により、前記1−非置換−5,
6−トランス化合物は対応する5,6−シスビタミンを反応系中において酸化反応条
件下で異性化することにより製造することができる。このヒドロキシル化に続い
て、必要および/または所望により、異性化および/またはO−保護基の除去が
なされる。
C)所望の17−位側鎖用のプレカーサを含有する化合物を所望の側鎖を得るの
に役立つ1種以上の反応成分と1つ以上の工程で反応させ、次いで必要および/
または所望により異性化および/またはO−保護基の除去を行うことにより製造
される。
このような反応は一般式(II)
[式中、R3およびA=は前述の定義を有し、A=はO−保護された形態の基(A
−2)〜(A−8)のうちの1つであるのが好ましい]の化合物中の基Lの変換
として考えることができる。A=が(A−9)の定義を有する化合物(II)もま
た用いられ、次いで前記(B)に記載のように1α−ヒドロキシル化に付される
ことも注目されるべきである。
化合物(II)の諸反応は下記のカテゴリーに分けられる。C1) Yが-CH2-である化合物の製造
このような反応は典型的にはアミド形成段階の前に例えば下記のような1種以
上のホモロゲーション段階(homologation stages)を包含する。
記号
R1およびR2は前述の定義を有し;
qは0または整数であり;
Qは脱離基例えばスルホン酸エステル基例えば低級アルキルスルホニルオキシ
、低級フルオロアルキルスルホニルオキシまたはアリールスルホニルオキシ、ま
たは好ましくはハロゲン原子例えば塩素、臭素もしくはヨウ素であり;そして
Reはエステル化基例えばヒドロカルビル基例えば低級アルキルもしくはアリー
ル基である。
工程3および6の生成物中のヒドロキシル基は例えばトシル化のような反応に
よって脱離基Qに変換され、その後それらの生成物は例えば工程1〜3または工
程4〜6に従ってさらに別のホモロゲーション工程に、および/または例えば工
程7に従ってアミド形成に進むことが可能であることが分かるであろう。
工程8は例えばエステルを加水分解してLが基-(CH2)qCOOHである対応する
酸にし、これを例えばジシクロヘキシルカルボジイミドのようなカップリング剤
の存在下でアミンR1R2NHと反応させることによって間接的に実施されうるか、あ
るいはまたその酸を例えばアシルハライドのような反応性誘導体に変換し、その
後アミンR1R2NHと反応させることもできる。直接的アミド形成はエステルとアミ
ンR1R2NHとの反応により実施されうるが、しかしアミンの金属化された活性誘導
体例えばWang氏等(J.Org.Chem.(1992),57,pp 6101-6103)により記載さ
れたスズ(II)アミド類を使用して行う方が好ましい。
前記反応工程に有用な出発物質としては式(III)
(式中、R4およびR5は前述の定義を有する)の化合物および/またはその5,6
−トランス異性体および対応する1−デオキシ化合物が
あり、それらの化合物はビタミンD2、1α−ヒドロキシビタミンD2またはその
O−保護された誘導体の22,23−二重結合の酸化開裂により(例えばオゾン分解
)により得られ、これらは例えばGB-A-2114570号(これの内容は参照によりここ
に組み入れられる)に記載のようにして、例えば二酸化硫黄またはジアザシクロ
化合物を用いてディールスアルダージエノフィル付加物を形成することにより安
定化するのが好ましい。
好ましくはジエノフィル付加物の形態であるこのような20S化合物(III)は
例えば穏和な塩基例えば炭酸水素ナトリウムのような無機塩基または1,4−ジア
ザビシクロ[2.2.2]オクタン(“DABCO”)または1,8−ジアザビシクロ[5.4.0
]ウンデカ−7−エン(“DBU”)のような第3級有機塩基で処理することによ
り異性化されうる。これにより20Rおよび20S異性体の混合物が得られ、それよ
り純粋な20Rエピ−異性体がクロマトグラフィーで単離されうるか、あるいはま
た所望のエピ−異性体の分離は最終工程を含むそれまでの合成での後の方の段階
まで遅延されうる。
例えば水素化ホウ素ナトリウムのような金属水素化物還元剤を用いて行う化合
物(III)または対応するエピ−異性体のアルデヒド基の還元により、対応する
ヒドロキシメチル化合物すなわちLが-CH2OHである化合物(II)が得られる。こ
れは、例えばスルホン酸エステル(例えばトシレート)への変換、次いで所望に
よる、そのスルホン酸エステル基のハロゲン化物塩(例えばアルカリ金属臭化物
)との反応によるヌクレオフィル置換によりLが前述の定義を有する-CH2Qであ
る化合物(II)に変換されうる。
化合物(III)はまた触媒として酢酸第2銅、2,2′−ビピリジルおよ
びDABCOを用いて酸素により、WO90/09991号に記載のように酸化的に脱カルボニ
ル化すると対応する20−ケト化合物になることもできる。これを還元すると20−
ヒドロキシ化合物が得られ、それは次いで例えばトシル化により化合物(II)[
ここでLは基-(CH2)qQであり、そこでqは0である]に変換されうる。20−ケ
トンと反応する還元剤の性質は生成物の立体化学に影響することがあり、従って
例えば水素化ホウ素ナトリウムはその21−メチル基がβ−配置である20−ヒドロ
キシ化合物になる傾向があり、一方水素化アルミニウムリチウムまたはエタノー
ル中ナトリウムはその21−メチル基がα−配置である生成物を形成する傾向があ
る。
20−ヒドロキシ基またはそれから誘導される脱離基のヌクレオフィル置換を包
含するいずれかのその後の反応は、C20炭素原子のまわりの配置の反転を促進す
ることが認められる。すなわち、反応工程がC20での奇数のこのようなヌクレオ
フィル置換を包含する際には究極的に所望されるのとは反対の配置から出発する
ことが必要であろう。
式(II)の化合物[ここでA=は前述の定義を有する基(A−9)を示し、L
はO−保護されたヒドロキシルまたはヒドロキシルメチル基(ここではヒドロキ
シル基は例えばアセチルのような低級アルカノイル基でエステル化されている)
を示す]は前記(B)に記載のように1α−ヒドロキシル化を受けて化合物(II
)[ここでA=は前述の定義を有する基(A−2)または(A−3)を示し、R5
は水素を示す]を生成することができる。このような化合物または例えば式中R5
がトリメチルシリルであるようなその保護された誘導体は水素化されて(例えば
トリス−トリフェニルホスフィンロジウムクロ
リドのような貴金属触媒の存在下で)A=が前述の定義を有する基(A−4)ま
たは(A−5)を示す対応する化合物になるか、またはシクロプロパン化されて
(例えば亜鉛/銅の組み合わせの存在下におけるヨウ化メチレンとの反応による
)A=が前述の定義を有する基(A−6)または(A−7)を示す対応する化合
物になることができる。適切な場合には、このようにして得られた化合物はR5が
O−保護基である化合物に変換され(例えばシリル化による)そして加水分解(
例えば水酸化カリウムまたは炭酸カリウムのような塩基を用いて)または還元(
例えば水素化アルミニウムリチウムを用いて)で側鎖エステル基を除去されて有
用な出発物質(II)(ここでLは-OHまたは-CH2OHである)を生成することがで
きる。
式(II)[ここでA=は前述の定義を有する基(A−8)を示し、Lは-CH2OH
または-CHOである]の化合物はPerlman et al.,Tetrahedron Letters(1992)
,33,pp2937-2940に記載のようにして製造することができる。C2) Y=−O−である化合物の製造
これは前記(C1)に記載のようにして製造される式(II)[式中、Lは基-X
OH(ここでXは式(I)に記載の定義を有する)である]の化合物を式(IV)
QZCONR1R2 (IV)
(式中、R1、R2およびZは式(I)に記載の定義を有しそしてQは前述の定義を
有し、好ましくはハロゲン原子である)の化合物と反応させるか、またはZが原
子価結合でありそしてR1が水素原子である場合には式(IVa)
O=C-NR2 (IVa)
の化合物と反応させることにより実施するのが好都合である。
別法として、このアミド誘導体は間接的には、式(V)
QZCOORe (V)
(式中、Q、ZおよびReは前述の定義を有し、エステル化基Reは例えば分枝鎖状
または非分枝鎖状脂肪族基例えばt−ブチルのような第3級アルキル基または芳
香族基例えば2,6−ジアルキルフェニルまたは2,4,6−トリアルキルフェニル基例
えば2,4−キシリルもしくはメシチルである)の化合物と最初に反応させること
により生成されうる。得られたエステルは例えば前記(C1)の工程8に関する記
載のようにして、所望のアミドに変換されうる。
式(II)においてLが基-XQ(記号は前述の定義を有しそしてQは反応性の高
い脱離基例えばトリフルオロアセテート、トシレートまたはトリフルオロメタン
スルホネートであるのが好ましい)である出発物質を用いることおよびこれらを
式(VI)または(VII)
HOZCONR1R2 (VI)
HOZCOORe (VII)
(ここでR1、R2、ReおよびZは前述の定義を有する)の化合物と反応させる
ことも同様に十分可能であることが分かるであろう。
式(I)においてZがエチレン基である化合物を製造するのに有用なさらに別
の方法は、Lが-XOH(ここでXは前述の定義を有する)である化合物(II)の例
えば式(VIII)
CH2=CHCOORe (VIII)
(ここでReは前述の定義を有する)で表されるようなアクリル酸エステルへの
塩基触媒によるミカエル付加、それに続く前記(C1)の工程8に記載のようなエ
ステル基の所望アミドへの変換からなる。
前記式(IV)の化合物のような試薬は例えば、適当なω−ハロアルカノイルク
ロリド(例えばZがトリメチレン基である化合物(I)を合成したい場合には4
−ブロモブチリルクロリド)とアミンR1R2NH(ここでR1およびR2は前述の定義
を有する)との反応により製造することができる。このような試薬は反応系中に
おいて、すなわちその後精製せずに、好ましくはLが-XOH(ここでXは前述の定
義を有する)である化合物(II)とのその後のカップリングにおいて遊離される
酸と反応するのに十分な過剰の塩基が残るようにモル過剰のアミンを用いて製造
するのが好都合である。C3) Yが−S−である化合物の製造
これは例えば、Lが-XQ(各記号は前述の定義を有する)を示す化合物(II)
と式(IX)
HSZCONR1R2 (IX)
(式中、R1、R2およびZは前述の定義を有する)のω−メルカプトアミドとの
反応またはLが-XSH(Xは前述の定義を有する)である化合物(II)と前記式(
IV)または式(IVa)の化合物との逆反応により実施され、各場合の反応は塩基
の存在下で実施されうる。
別法として、化合物(II)を最初にエステル誘導体に変換し次いで例えば前記
(C1)の工程8に記載のようにそのエステル基を所望のアミドに変換することが
できる。
Lが基-XSH(Xは前述の定義を有する)である式(II)の出発物質は例えば、
Lが-XQ(XおよびQは前述の定義を有する)である対応する化合物から、例え
ばチオール酸またはキサントゲン酸塩との反応それに続く例えばアンモニアとの
反応によって得られる必要とされるチオール基の生成によって製造することがで
きる。C4) Yが−NR−である化合物の製造
適切な1つの反応は適当な20−ケトンまたは式(II)(式中、Lは-X′CHOで
あり、X′は原子価結合またはメチレン基である)の化合物および式(X)
HNRZCONR1R2 (X)
(式中、R、R1、R2およびZは前述の定義を有する)の化合物を用いる還元アミ
ノ化からなる。20−ケトンから出発する反応では主としてエピ−異性体が得られ
る。
別法として、Lが基-XNHR(ここでXおよびRは前述の定義を有する)を示す
化合物(II)またはさらに好ましくはLが-XN3であるアジドとホスフィンP(RP
)3(ここでXは前述の定義を有しそしてRPはヒドロカルビル基である)との反
応により得られる活性化基-XN=P(RP)3は、前記式(IV)または式(IVa)の化
合物との反応によりアルキル化/アシル化されうる。
式(II)においてLが基-XQ(各記号は前述の定義を有しそしてQは反応性の
高い脱離基例えばトリフルオロアセテート、トシレートまたはトリフルオロメタ
ンスルホネートであるのが好ましい)である化合物と前記式(X)の化合物との
逆反応も同様に用いることができ、その際アミン(X)は大過剰に使用するのが
好ましい。
同様に、前記操作のいずれかにおいては最初に末端エステル基を導入し、その
後これを前記(C1)の工程8に記載のように所望のアミドに変換するのが好ま
しい。
D)A=基についての置換パターンを変更させるために式(I)の化合物を反応
させ、次いで必要および/または所望により異性化および/または保護基の除去
を行うことにより製造されうる。
例えば、A=が基(A−4)または(A−5)を示す化合物(I)は、A=が
(A−2)または(A−3)を示す対応する化合物を例えばGB-A-1583749号に記
載の方法を使用して水素化することにより製造することができる。このような水
素化は別法として反応工程のより初期の段階で、例えば式(II)の出発物質また
は中間体について実施されうる。
A=が基(A−6)または(A−7)を示す化合物(I)は、A=が(A−2
)または(A−3)(ここでR4はO−保護基でありそしてR5は水素原子またはト
リメチルシリル基である)を示す対応する化合物からSimmons-Smithのメチレン
化により製造することができる[例えばNeef et al.,Tetrahedron Letters(19
91),32,pp 5073-5076参照]。
A=が基(A−8)を示す化合物(I)は、例えば適当なビタミンD誘導体[
例えばA=が基(A−9)であるプレカーサ化合物(I)]の7,8−二重結合を
例えばオゾン分解によりまたは過マンガン酸カリウムおよび過ヨウ素酸ナトリウ
ムとの逐次反応により分裂させ、次いで得られた8−オンを例えば式(XI)
(式中、R4およびR5はO−保護基を示す)で表される適当な環Aプレカーサとウ
ィッチヒーホルナー(Wittig-Horner)反応(例えばPerlman et al.,Tetrahedr on Letters
(1992),33,pp 2937-2940
参照)を行うことにより製造することができる。
一般に、5,6−シスまたは5,6−トランスのいずれか一方の幾何異性は前記(C
)および(D)に記載の種々の工程のいずれかにおいて存在しうるが、しかし前
記1α−ヒドロキシル化および22,23−二重結合酸化開裂反応では5,6−トランス
異性体を用いる方が好ましい。すなわち、5,6−シスへの5,6−トランスの幾何異
性の変換は1α−ヒドロキシル基の導入後に行うのが最も有利である。
前記反応工程の多くはまた適当なステロイド−5,7−ジエン(またはこのよう
なジエンに変換しうるステロイド−5−エン)を用いて実施され、その後ステロ
イド生成物は例えばUV光線での照射により所望のビタミンD類似体に変換されう
る。
一般に、1α−および/または3β一位に存在するO−保護基は例えば文献に
十分記載されている慣用方法により除去されうる。すなわち、エステル化アシル
基は例えばアルカノール中でアルカリ金属アルコキシドを用いる塩基加水分解に
より除去されうる。例えばシリル基のようなエーテル化基は酸加水分解またはフ
ッ素化物塩例えばテトラアルキルアンモニウムフルオリドでの処理により除去さ
れうる。酸に不安定であるが、塩基には安定であるこのような保護基の使用は、
所望の側鎖を得るのに使用する、ホモロゲーション工程で通常用いられる強塩基
性条件を考慮すると、式(II)の化合物を反応させる際には有利である。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はそれに限定されるもので
はない。温度は全て℃で示されている。
製造 1
a)20α−アセトキシメチル−1α−ヒドロキシ−3β−トリイソ
プロピルシリルオキシ−9,10−セコプレグナ−5(E),7−ジエン[式(II)
−A=(A−5),R3=α−CH3,R4=(i-Pr)3Si,R5=H,L=CH2OCOCH3]
ベンゼン(30ml)(またはベンゼンとエタノールとの1:1混合物)中に溶解
したトリス−トリフェニルホスフィンロジウムクロリド(450mg)の溶液を水素
下で、それ以上の吸収が観察されなくなるまで撹拌する。ベンゼン(30ml)中に
溶解した20α−アセトキシメチル−1α−ヒドロキシ−3β−トリイソプロピル
シリルオキシ−9,10−セコプレグナ−5(E),7,10(19)−トリエン[式(II)
−A=(A−3),R3=α−CH3,R4=(i-Pr)3Si,R5=H,L=CH2OCOCH3-代替
物として対応する1α−トリメチルシリルエーテルを使用してもよい](500mg
)の溶液を加え、その混合物を水素下で、1当量の水素が吸収されるまで撹拌す
る(約21ml)。標記化合物をクロマトグラフィーにより精製する[10(R)およ
び10(S)異性体は場合によりこの段階で分割されうる]。UV λmax約243,251
および261nm、それぞれにε=約35,000;40,000および27,000。
b)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20α−ヒドロキシメチ
ル−9,10−セコプレグナ−5(E),7−ジエン[式(II)−A=(A−5),
R3=α−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=CH2OH]
ジクロロメタン(2ml)中における前記(a)からのジエン(約500mg)をクロ
ロトリイソプロピルシラン(250mg)およびイミダゾール(350mg)で処理し、そ
の混合物を室温で一夜撹拌する。後処理の後に粗ビス−シリルエーテルをテトラ
ヒドロフラン(10ml)中に溶解し、水素化アルミニウムリチウム(100mg)で処
理し次いで室温で1
〜2時間撹拌する。過剰の水素化アルミニウムリチウムを分解した後に(飽和硫
酸ナトリウム水溶液の慎重な添加)、反応混合物を後処理して標記アルコールを
得る。
製造 2
1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20α−ヒドロキシメチル−
9,10−セコプレグナ−5(Z),7−ジエン[式(II)−A=(A−4),R3=
α−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=CH2OH]
製造1(a)の5(E)−トリエン出発物質をベンゼン中フェナジンの存在下
で1時間照射することにより光異性化して、対応する5(Z)−トリエンを得る
。この生成物を製造1(a)に記載のように水素化し次いで製造1(b)のよう
にシリル化および脱アセチル化して標記化合物を得る。UV λmax約243、251およ
び261nm、それぞれにε=約35,000;40,000および27,000。
製造1および2に記載の生成物に対応するエピ(すなわち20β−ヒドロキシメ
チル)化合物は同一の操作で20−エピ化合物、20β−アセトキシメチル−1α−
ヒドロキシ−3β−トリイソプロピルシリルオキシ−9,10−セコプレグナ−5(
E),7,10(19)−トリエン[式(II)−A=(A−3),R3=β-CH3,R4=(i-P
r)3Si,R5=H,L=CH2OCOCH3]から出発することにより製造される。これそれ
自体は、ビタミンD2の二酸化硫黄付加物のオゾン分解により得られる20−アル
デヒドの異性化、それに続く還元および20−エピアルデヒドの1α−ヒドロキシ
ル化を行うことにより製造される。
製造 3
a)20α−アセトキシメチル−1α−ヒドロキシ−3β−トリイソプロピルシリ
ルオキシ−10−スピロシクロプロピル−9,10−セ
コプレグナ−5(E),7−ジエン[式(II)−A=(A−7),R3=α−CH3
,R4=(i-Pr)3Si,R5=H,L=CH2OCOCH3]
エーテル(6ml)中における亜鉛/銅の組み合わせ(1.08g)およびジヨード
メタン(0.9ml)の混合物を還流下で撹拌しながら40分間加熱する。エーテル(
9ml)中に溶解した20α−アセトキシメチル−1α−ヒドロキシ−3β−トリイ
ソプロピルシリルオキシ−9,10−セコプレグナ−5(E),7,10(19)−トリエン
[式(II)−A=(A−3),R3=α−CH3,R4=(i-Pr)3Si,R5=H,L=CH2O
COCH3−代替物として対応する1α−トリメチルシリルエーテルを使用してもよ
い](約500mg)の溶液を加え、その混合物を出発物質の大部分が消えるまで(T
LC調整:通常、1α−トリメチルシリルエーテルの場合には約4時間、1α−ヒ
ドロキシ化合物の場合にはそれより少ない時間)還流下で撹拌および加熱する。
反応混合物をろ過し、溶媒を除去し、生成物をクロマトグラフィー処理して残留
するジヨードメタンを除去する。標記化合物はUV λmax約246,253および263nmで
、それぞれにε=約29,000;36,000および25,000を有する。
b)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20α−ヒドロキシメチ
ル−10−スピロシクロプロピル−9,10−セコプレグナ−5(E),7−ジエン[
式(II)−A=(A−7),R3=α−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=CH2OH]
ジクロロメタン(2ml)中における前記(a)からのジエン(約500mg)をク
ロロトリイソプロピルシラン(250mg)およびイミダゾール(350mg)で処理し、
その混合物を室温で一夜撹拌する。後処理の後に粗ビス−シリルエーテルをテト
ラヒドロフラン(10ml)中に溶解し、水素化アルミニウムリチウム(100mg)で
処理し次いで室温で1
〜2時間撹拌する。過剰の水素化アルミニウムリチウムの分解後に(飽和硫酸ナ
トリウム水溶液の慎重な添加)、反応混合物を後処理して標記アルコールを得る
。
製造 4
1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20α−ヒドロキシメチル−
10−スピロシクロプロピル−9,10−セコプレグナ−5(Z),7−ジエン[式(
II)−A=(A−6),R3=α−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=CH2OH]
製造2に記載のように5(E)−トリエンの光異性化により製造した対応する
5(Z)−トリエンから出発して製造3(a)の操作を繰り返す。この5(Z)
−トリエンの反応は5(E)−トリエンの反応よりも幾分か遅い。製造3(b)
に記載のようにシリル化および脱アセチル化を行って標記化合物を得る。UV λm ax
約246、253および263nm、それぞれにε=約29,000;36,000および25,000。
実施例 1
a)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20−エピ−22−オキサ
−9,10−セココラ−5(E),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(
I)−A=(A−3),R1+R2=−(CH2)5-,R3=β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si
,X=原子価結合、Y=O,Z=CH2]
テトラヒドロフラン(1ml)中1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオ
キシ−20β−ヒドロキシ−9,10−セコプレグナ−5(E),7,10(19)−トリエン
[式(II)−A=(A−3),R3=β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=OH](19
4mg)及び水素化カリウム(鉱油中35重量%分散液0.15ml)の溶液にテトラヒド
ロフラン(2ml)中18−
クラウン−6−エーテル(132mg)の溶液を1滴ずつ添加した。得られた混合物
を−10℃に冷却し、テトラヒドロフラン(1ml)中N−(ブロモアセチル)ピペ
リジン(315mg)の溶液を1滴ずつ添加して処理した。15分後反応混合物を室温
にし、4時間撹拌し、次に塩化アンモニウムで処理し、仕上げた。粗生成物をク
ロマトグラフ処理してまず出発アルコール(80mg)、次に表題生成物(80mg)を
得た。UV(Et2O)λmax 268,λmax 235nm;IR(CCl4)λmax 1640,1460cm-1;
NMR(CCl4)δ5.4-6.4(2H,ABq,6,7-H′s),4.7-4.9(2H,bs,19-H′s),4
.0-4.7(2H,bm,1,3-H′s),3.83(2H,s,O-CH 2C=O),3.1-3.6(4H,bm,NCH 2
),0.57(3H,s,18-H′s)
b)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20−エピ−22−オキサ
−9,10−セココラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(
I)−A=(A−2),R1+R2=−(CH2)5-,R3=β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si
,X=原子価結合、Y=O,Z=CH2]
ベンゼン(10ml)中上の(a)からの5(E)生成物(80mg)及びフェナジン
(36mg)の溶液を1時間照射した。次に溶媒を除去し、表題5(Z)生成物をク
ロマトグラフィーによって単離した(65.2mg)。NMR(CCl)4δ5.6-6.2(2H,AB
q,6,7-H′s),4.6及び5.2(1H ea,s,19-H′s),4.0-4.6(2H,bm,1,3-H′
s),3.77(2H,s,O-CH2C=O),3.1-3.6(4H,bm,NCH2),0.53(3H,s,18-H
′s)
c)1α,3β−ジヒドロキシ−20−エピ−22−オキサ−9,10−セココラ−5(
Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−2),
R1+R2=-(CH2)5-,R3=β−CH3,R4=R5=(H),X=原子価結合、Y=O,
Z=CH2]
テトラヒドロフラン(1ml)中上の(b)からのビス−シリルエーテル(62.5
mg)をフッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1M溶液1ml)
で処理した。4時間後反応混合物を仕上げ、脱シリル化表題生成物を製造用TLC
(酢酸エチル中30%メタノール)によって単離した(30.4mg)。UV λmax 263,
λmin 228nm,IR(CDCl3)νmax 3160-3640,1630,1450cm-1;NMR(CCl4)δ5.
7-6.6(2H,ABq,6,7-H′s),4.8及び5.3(1H ea,s,19-H′s),3.9-4.5(4H
,bm,1,3-H′s及びO-CH 2C=O),3.1-3.7(4H,bm,NCH 2),1.1(2H,d,J=5 h
z,21-H′s),0.57(3H,s,18-H′s)
実施例 2
a)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20−エピ−23−ホモ−
22−オキサ−9,10−セココラ−5(E),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンア
ミド[式(I)−A=(A−3),R1+R2=-(CH2)5-,R3=β−CH3,R4=R5=(
i-Pr)3Si,X=原子価結合、Y=O,Z=(CH2)2]
1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20β−ヒドロキシ−9,10
−セコプレグナ−5(E),7,10(19)−トリエン[式(II)−A=(A−3),
R3=β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=OH](539mg)を相移動条件下アクリル
酸エチル(2.1ml)と激しく撹拌した[トルエン(21ml),50%水性水酸化ナト
リウム(9ml)及び水酸化テトラブチルアンモニウム(水中10% w/w 0.135ml)
室温において2時間]。水相を除去し、新しいアクリル酸エチル、水酸化ナトリ
ウム及び第四級水酸化アンモニウムで置換し、撹拌を2時間継続した。後者の過
程を更に3回繰り返し、次に有機相を除去し、仕上げた。粗生成物のクロマトグ
ラフィーによって表題アミドに対応す
るエチルエステル(160mg)及び次に出発アルコール(178mg)を得た。このエス
テルはUV(Et2O)λmax 269,λmin 228nm,IR(CDCl4)νmax 1630cm-1;NMR(
CCl4)δ5.2-6.3(2H,ABq,6,7-H′s),4.6-4.9(2H,bs,19-H′s),4.2-4.
6(2H,bm,1,3-H′s),3.6-4.2(2H,q,O-CH2CH3),2.9-3.6(m,O-CH 2CH2C
=O),0.57(3H,s,18-H′s)を有した。
Sn[N(TMS)2]2(ヘキサン中0.1M溶液4ml)をピペリジン(34mg)で処理
することによって調製された試薬(2ml)でヘキサン(1ml)中このエステル(
106mg)を−78℃において処理した。反応混合物を室温にし、TLCが出発エステル
が残留することを示したので、反応ミックスを残りの錫試薬で上のとおり処理し
た。反応物を仕上げ(メタノール及びフッ化カリウムで処理して錫を除去するこ
とを含む)、粗生成物をクロマトグラフィーにかけて出発エステル(12mg)及び
表題アミド(42mg)、UV(Et2O)λmax 269,λmin 229nm,IR(CCl4)νmax 16
40,1460cm-1;NMR(CCl4)δ5.3-6.5(2H,ABq,6,7-H′s),4.6-5.07(2H,b
s,19-H′s),3.8-4.7(bm,1,3-H′s),2.7-3.5(bm,NCH 2),0.53(3H,s
,18-H′s)を得た。
b)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20−エピ−23−ホモ−
22−オキサ−9,10-セココラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンア
ミド[式(I)−A=(A−2),R1+R2=-(CH2)5-,R3=β−CH3,R4=R5=(
i-Pr)3Si,X=原子価結合、Y=O,Z=(CH2)2]
フェナジン(29mg)増感した上の(a)からの5(E)アミド(67mg)を実施
例1(b)のとおり光異性化し、生成物をクロマトグラフィーによって単離して
5(Z)表題化合物(54.9mg)を得た。UV(Et2O)
λmax 262,λmin 227nm,IR(CCl4)νmax 1640,1460cm-1;NMR(CCl4)δ5.6
-6.3(2H,ABq,6,7-H′s),4.5及び5.2(1H ea,bs,19-H′s),3.9-4.5(bm
,1,3-H′s),3.0-3.7(bm,NCH 2),0.50(3H,s,18-H′s)
c)1α,3β−ジヒドロキシ−20−エピ−23−ホモ−22−オキサ−9,10−セ
ココラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=
(A−2),R1+R2=-(CH2)5-,R3=β−CH3,R4=R5=H,X=原子価結合、
Y=O,Z=(CH2)2]
上の(b)からのシリル化化合物(54mg)を実施例1(c)のとおり脱シリル
化して表題ジオール(28mg)を得た。UV(EtOH)λmax 263,λmin 227 nm,IR
(CDCl3)νmax 3200-3660,1640,1460cm-1;NMR(CDCl3)δ5.6-6.5(2H,ABq
,6,7-H′s),4.7及び5.4(1H ea,bs,19-H′s),3.6-4.6(bm,1,3-H′s)
,3.1-3.6(bm,NCH 2),2.3-2.9(2H,t,CH2CH2-C=O),1.05(3H,d,J=6Hz
,21-H′s),0.53(3H,s,18-H′s)
対応するジメチルアミン及びシクロプロピルアミンアミド類縁体(それぞれR1
=R2=CH3及びR1=H,R2=シクロプロピル)は、上の(a)中ピペリジンの代
わりにジメチルアミン又はシクロプロピルアミンを使用し、その後(b)及び(
c)のとおり処理して製造される。
実施例 3
a)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20−エピ−22−オキサ
−9,10−セココラ−5(E),7,10(19)−トリエン酸、モルフォリンアミド[式
(I)−A=(A−3),R1+R2=-(CH2)2-O-(CH2)2-,R3=β−CH3,R4=R5=
(i-Pr)3Si,X=
原子価結合、Y=O,Z=CH2]
テトラヒドロフラン(2ml)中1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオ
キシ−20β−ヒドロキシ−9,10−セコプレグナ−5(E)7,10(19)−トリエン[
式(II)−A=(A−3),R3=β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=OH](306m
g)及び水素化カリウム(鉱油中11.7重量%分散液0.9ml)の溶液にテトラヒドロ
フラン(4ml)中18−クラウン−6−エーテル(264mg)を1滴ずつ添加した。
得られた混合物を−10℃に冷却し、テトラヒドロフラン(3ml)中N−(ブロモ
アセチル)モルフォリン(686mg)の溶液を1滴ずつ添加して処理した。15分後
反応混合物を室温にし、2時間撹拌し、次に塩化アンモニウムで処理し、仕上げ
た。粗生成物をクロマトグラフィー処理してまず出発アルコール(80mg)、次に
表題生成物(80.2mg)を得た。UV(Et2O)λmax 269,λmin 231nm,IR(CCl4)
νmax 1650,1460cm-1;NMR(CCl4)δ5.3-6.3(2H,ABq,6,7-H′s),4.7-5(
2H,bs,19-H′s),4.0-4.7(bm,1,3,20-H′s),3.87(2H,s,O-CH 2C=O),
3.1-3.7(大部分3.47)(8H m,モルフォリン-H′s),0.67(3H,s,18-H′s)
b)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20−エピ−22−オキサ
−9,10−セココラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、モルフォリンアミド[式
(I)−A=(A−2),R1+R2=-(CH2)2-O-(CH2)2-,R3=β−CH3,R4=R5=
(i-Pr)3Si,X=原子価結合、Y=O,Z=CH2]
ベンゼン(14ml)中上の(a)からの5(E)生成物(109mg)及びフェナジ
ン(506mg)の溶液を1時間照射した。次に溶媒を除去し、表題5(Z)生成物
をクロマトグラフィーによって単離した(87mg)。
UV(Et2O)λmax 261,λmin 228nm,IR(CCl4)νmax 1645,1455cm-1;NMR(C
Cl4)δ5.5-6.3(2H,ABq,6,7-H′s),4.6及び5.2(1H ea,s,19-H′s),4.
0-4.6(bm,1,3,20-H′s),3.87(2H,s,O-CH 2C=O),3.1-3.6(8H,m,モル
フォリン-H′s),0.53(3H,s,18-H′s)
c)1α,3β−ジヒドロキシ−20−エピ−22−オキサ−9,10−セココラ−5(
Z),7,10(19)−トリエン酸、モルフォリンアミド[式(I)−A=(A−2)
,R1+R2=-(CH2)2-O-(CH2)2-,R3=β−CH3,R4=R5=H,X=原子価結合、Y
=O,Z=CH2]
テトラヒドロフラン(1ml)中上の(b)からのビス−シリルエーテル(87mg
)をフッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1M溶液0.68ml)
で処理した。3時間後反応混合物を仕上げ、脱シリル化表題生成物を製造用TLC
(酢酸エチル中7%メタノール)によって単離した(40.9mg)。UV(EtOH)λma x
263,λmin 228nm,IR(CDCl3)νmax 3160-3630,1635,1450cm-1;NMR(CDC
l3)δ5.5-6.5(2H,ABq,6,7-H′s),4.7及び5.3(1H ea,s,19-H′s),3.8
-4.5(bm,1,3,20-H′s),3.98(d,O-CH2C=O),3.1-3.8(8H,m,モルフォリ
ン-H′s),1.08(2H,d,J=5Hz,21-H′s),0.57(3H,s,18-H′s)
実施例 4
a)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20−エピ−23−ビス−
ホモ−22−オキサ−9,10−セココラ−5(E),7,10(19)−トリエン酸、ピペリ
ジンアミド[式(I)−A=(A−3),R1+R2=-(CH2)5-,R3=β−CH3,R4
=R5=(i-Pr)3Si,X=原子価結合、Y=O,Z=(CH2)3]
エーテル(150ml)中ピペリジン(5.8g)にエーテル(30ml)中塩化4−ブロ
モブチリル(6.2g)の溶液を0℃において1滴ずつ添加した。反応混合物を0
℃において0.5時間、その後室温において2時間撹拌した。エーテル溶液を水、
飽和水性重炭酸ナトリウム及びブラインで順次洗浄し、次に乾燥、真空濃縮して
IR(CDCl3)νmax 1690,1630cm-1を有する固体生成物を得た。このようにして
調製した試薬を、更に処理することなく下記のとおり使用した。
テトラヒドロフラン(1ml)中1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオ
キシ−20β−ヒドロキシ−9,10−セコプレグナ−5(E),7,10(19)−トリエン
[式(II)−A=(A−3),R3=β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=OH](255
mg)及び水素化カリウム(鉱油中35重量%分散液0.225ml)の混合物にテトラヒ
ドロフラン(4ml)中18−クラウン−6−エーテル(198mg)の溶液を1滴ずつ
添加した。得られた混合物を0℃に冷却し、上述のとおり調製した試薬526mgで
処理した。15分後反応混合物を室温にし、一夜撹拌し、次に塩化アンモニウムで
処理し、仕上げた。粗生成物をクロマトグラフィー処理して表題生成物(53mg)
を得た。UV(Et2O)λmax 270,λmin 232nm;IR(CCl4)νmax 1615,1445cm-1
;NMR(CCl4)δ5.2-6.4(2H,ABq,6,7-H′s),4.5-4.9(2H,bs,19-H′s)
,3.7-4.5(bm,1,3,20-H′s),3.1-3.7(bm,NCH 2,OCH 2),0.6(3H,s,18-
H′s)
b)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20−エピ−23−ビス−
ホモ−22−オキサ−9,10−セココラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリ
ジンアミド[式(I)−A=(A−2),R1+R2=-(CH2)5-,R3=β−CH3,R4
=R5=(i-Pr)3Si,X=原子価結合、Y=O,Z=(CH2)3]
ベンゼン(7ml)中上の(a)からの5(E)生成物(53mg)及びフェナジン
(25mg)の溶液を1時間照射した。次に溶媒を除去し、表題5(Z)生成物をク
ロマトグラフィーによって単離した(30mg)。UV(Et2O)λmax 262,λmin 229
nm;IR(CCl4)νmax 1615,1435cm-1:NMR(CCl4)δ5.4-6.3(2H,ABq,6,7-H
′s),4.5及び5.3(1H ea,s,19-H′s),3.7-4.5(bm,1,3,20-H′s),3.1-
3.7(bm,NCH 2,OCH 2),0.58(3H,s,18-H′s)
c)1α,3β−ジヒドロキシ−20−エピ−23−ビス−ホモ−22−オキサ−9,10
−セココラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−
A=(A−2),R1+R2=-(CH2)5-,R3=β−CH3,R4=R5=H,X=原子価結
合、Y=O,Z=(CH2)3]
上の(b)からのシリル化化合物(30mg)を実施例1(c)のとおり脱シリル
化して表題ジオール(12mg)を得た。UV λmax(EtOH)262,λmin 226nm;IR
νmax(CDCl3)3100-3620,1600,1435cm-1;NMR δ(CDCl3)5.7-6.6(2H,ABq
,6,7-H′s),4.5及び5.3(1H ea,s,19-H′s),3.8-4.6(bm,1,3,20-H′s
),3.2-3.8(bm,NCH 2,OCH 2),0.63(3H,s,18-H′s)
実施例5
a)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20β−ホルミル−9,10
−セコプレグナ−5(E),7,10(19)−トリエン[式(II)−A=(A−3),
R3=β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=CHO]
ベンゼン(15ml)及びメタノール(15ml)に溶解したGB-A-2114570による1α
−ヒドロキシヴィタミンD2の二酸化硫黄アダクトの1,3
−ビス−トリイソプロピルシリルエーテルのオゾン分解によって得られた20α−
アルデヒド(1.34g)を0℃においてDBU(300μl)と一夜貯蔵することにより
異性化した。粗生成物をエタノール(30ml)に懸濁し、重炭酸ナトリウム(1.46
g)で処理し、2.5時間撹拌下還流加熱して二酸化硫黄を除去した。アルデヒド
の混合物をクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中15%ベンゼンで溶離)によ
って分析した。溶離された最初の化合物は表題(エピ)アルデヒド(289mg)で
あった。UV(Et2O)λmax 269,λmin 227nm;IR(CCl4)νmax 1620,1720cm-1
;NMR(CCl4)δ10.0(1H,d,CHO),5.5-6.4(2H,ABq,6,7-H′s),4.7-5.0
(2H,bs,19-H′s),3.8-4.7(bm,1,3-H′s),0.57(3H,s,18-H′s)
b)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20β−ヒドロキシメチ
ル−9,10−セコプレグナ−5(E),7,10(19)−トリエン[式(II)−A=(A
−3),R3=β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=CH2OH]
ベンゼン(8ml)中上の(a)からのアルデヒド(290mg)を0℃においてエ
タノール(4ml)中硼水素化ナトリウム(100mg)で1滴ずつ処理し、反応混合
物を0℃において更に0.5時間撹拌した。通常の仕上げの後生成物をクロマトグ
ラフィーによって精製して表題アルコール(262mg)を得た。UV(Et2O)λmax 2
69,λmin 228nm;IR(CCl4)νmax 1620,3300-3600cm-1;NMR(CCl4)δ5.4-6
.5(2H,ABq,6,7-H′s),4.7-5.0(2H,bs,19-H′s),3.7-4.7(bm,1,3-H
′s),0.57(3H,s,18-H′s)
c)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20−エピ−23-ホモ−2
3−オキサ−9,10-セココラ−5(E),7,10(19)
−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−3),R1+R2=-(CH2)5
-,R3=β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,X=CH2,Y=O,Z=CH2]
テトラヒドロフラン(1ml)中上の(b)からのアルコール(131mg)及び18
−クラウン−6−エーテル(20mg)の溶液にt−ブトキシ化カリウム(テトラヒ
ドロフラン中1M溶液1ml)を1滴ずつ添加した。混合物を室温において0.5時
間撹拌し、次に−10℃に冷却し、テトラヒドロフラン(1ml)中N−(ブロモア
セチル)−ピペリジン(256mg)を1滴ずつ添加することによって処理した。更
に10分間撹拌の後混合物を仕上げ、生成物をクロマトグラフィーによって精製し
て表題アミド(113mg)を得た。UV(Et2O)λmax 270,λmin 231nm;IR(C
Cl4)νmax 1645,1460cm-1:NMR(CCl4)δ5.4-6.5(2H,ABq,6,7-H′s),4.
7-5.0(2H,bs,19-H′s),3.7-4.7(bm,1,3-H′s),2.7-3.7(m,N-CH2-)
,0.57(3H,s,18-H′s)
d)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20−エピ−23-ホモ−2
3−オキサ−9,10-セココラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミ
ド[式(I)−A=(A−2),R1+R2=-(CH2)5-,R3=β−CH3,R4=R5=(i-
Pr)3Si,X=CH2,Y=O,Z=CH2]
フェナジン(54mg)を含有するベンゼン(14ml)中上の(c)からの5(E)
化合物(113mg)を実施例1(b)のとおり光異性化した(1時間)。生成物を
クロマトグラフィーによって精製して表題化合物84mgを得た。UV(Et2O)λmax
262,λmin 227nm;IR(CCl4)νmax 1650,1465cm-1;NMR(CCl4)δ5.6-6.3(
2H,ABq,6,7-H′s),4.8-5.2(1H ea,bs,19-H′s),3.6-4.8(bm,1,3-H′
s),
3.0-3.6(m,N-CH 2),0.53(3H,s,18-H′s)
e)1α,3β−ジヒドロキシ−20−エピ−23−ホモ−23−オキサ−9,10−セコ
コラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(
A−2),R1+R2=-(CH2)5-,R3=β−CH3,R4=R5=H,X=CH2,Y=O,Z
=CH2]
テトラヒドロフラン(0.6ml)中上の(d)からのシリルエーテル(84mg)を
実施例1(c)のとおりフッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン
中1M溶液0.6ml)で脱シリル化した。粗生成物のクロマトグラフィー精製によ
って表題化合物(43mg)を得た。
UV(EtOH)λmax 263,λmin 227nm:IR(CCl4)νmax 1630,1450,3400-3660c
m-1;NMR(CDCl3)δ5.6-6.4(2H,ABq,6,7-H′s),4.7-5.4(1H ea,bs,19-
H′s),3.8-4.6(bm,1,3-H′s),3.0-3.7(m,N-CH 2-),0.92(d,21-H′s
),0.53(3H,s,18-H′s)
実施例 6
a)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20α−ホルミル−9,10
−セコプレグナ−5(E),7,10(19)−トリエン[式(II)−A=(A−3),
R3=α−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=CHO]
GB-A-2114570による1α−ヒドロキシヴィタミンD2の二酸化硫黄アダクトの1,
3−ビス−トリイソプロピルシリルエーテルのオゾン分解によって得られた20α
−アルデヒド(0.49g)をn−ブタノール(10ml)に懸濁し、重炭酸ナトリウム
(0.49g)で処理し、1.5時間80℃において撹拌下加熱して二酸化硫黄を除去し
た。アルデヒドをクロマトグラフィーによって精製して表題(ノルマル)アルデ
ヒド(330mg)を得た。UV(EtOH)λmax 268,λmin 228nm;IR
(CCl4)νmax 1620,1725cm-1;NMR(CCl4)δ10.1(1H,d,CHO),5.4-6.4(
2H,ABq,6,7-H′s),4.7-5.0(2H,bs,19-H′s),3.8-4.7(bm,1,3-H′s)
,0.6(3H,s,18-H′s)
b)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20α−ヒドロキシメチ
ル−9,10−セコプレグナ−5(E),7,10(19)−トリエン[式(I)−A=(A
−3),R3=α−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=CH2OH]
ベンゼン(8ml)中上の(a)からのアルデヒド(330mg)を0℃においてエ
タノール(4ml)中硼水素化ナトリウム(100mg)で1滴ずつ処理し、反応混合
物を0℃において更に0.5時間撹拌した。仕上げの後生成物をクロマトグラフィ
ーによって精製して表題アルコール(250mg)を得た。UV(Et2O)λmax 269,λmin
228nm;(CCl4)IR νmax 1620,3400-3600cm-1;NMR(CCl4)δ5.5-6.5(2
H,ABq,6,7-H′s),4.7-5.0(2H,bs,19-H′s),3.8-4.7(bm,1,3-H′s)
,0.57(3H,s,18-H′s)
c)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−23−ホモ−23−オキサ
−9,10−セココラ−5(E),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(
I)−A=(Λ−3),R1+R2=−(CH2)5-,R3=α−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si
,X=CH2,Y=O,Z=CH2]
テトラヒドロフラン(1ml)中上の(b)からのアルコール(132mg)及び18
−クラウン−6−エーテル(20mg)の溶液にt−ブトキシ化カリウム(テトラヒ
ドロフラン中1M溶液1ml)を1滴ずつ添加した。混合物を室温において0.5時
間撹拌し、次に−10℃に冷却し、テトラヒドロフラン(1ml)中N−(ブロモア
セチル)−ピペリジ
ン(258mg)を1滴ずつ添加することによって処理した。更に10分間撹拌の後混
合物を室温において3時間撹拌し、次に仕上げ、生成物をクロマトグラフィーに
よって精製して表題アミド(60mg)を得た。
UV(Et2O)λmax 263,λmin 231nm;IR(CCl4)νmax 1650,1475cm-1;NMR(C
Cl4)δ5.4-6.4(2H,ABq,6,7-H′s),4.7-5.1(2H,bs,19-H′s),3.7-4.7
(bm,1,3-H′s),3.0-3.7(m,N-CH 2-),0.63(3H,s,18-H′s)
d)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−23−ホモ−23−オキサ
−9,10−セココラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(
I)−A=(A−2),R1+R2=-(CH2)5-,R3=α−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,
X=CH2,Y=O,Z=CH2]
フェナジン(29mg)を含有するベンゼン(8ml)中上の(c)からの5(E)
化合物(60mg)を実施例1(b)のとおり光異性化した(1時間)。生成物をク
ロマトグラフィーによって精製して表題化合物84mgを得た。UV(Et2O)λmax 26
1,λmin 227nm;IR(CCl4)νmax 1645,1455 cm-1;NMR(CCl4)δ5.6-6.4(2
H,ABq,6,7-H′s),4.6-5.2(1H ea,bs,19-H′s),3.7-4.6(bm,1,3-H′s
),3.0-3.7(m,N-CH 2-),0.53(3H,s,18-H′s)
e)1α,3β−ジヒドロキシ−23−ホモ−23−オキサ−9,10−セココラ−5(
Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−2),
R1+R2=-(CH2)5-,R3=α−CH3,R4=R5=H,X=CH2,Y=O,Z=CH2]
テトラヒドロフラン(0.3ml)中上の(d)からのシリルエーテル(40mg)を
実施例1(c)のとおりフッ化テトラブチルアンモニウム
(テトラヒドロフラン中1M溶液0.6ml)で脱シリル化した。粗生成物のクロマ
トグラフィー精製によって表題化合物(19mg)を得た。UV(EtOH)λmax 262,
λmin 228nm;IR(CCl4)νmax 1640,1450,3300-3640cm-1;NMR(CDCl3)δ5.
6-6.5(2H,ABq,6,7-H′s),4.7-5.4(1H ea,bs,19-H′s),3.8-4.7(bm,
1,3-H′s),3.0-3.8(m,N-CH2),1.0(d,21-H′s),0.52(3H,s,18-H′s
)
化合物1α,3β−ジヒドロキシ−23−ホモ−23−オキサ−9,10−セココラ−
5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ジエチルアミド[式(I)−A=(A−2)
,R1=R2=Et,R3=α−CH3,R4=R5=H,X=CH2,Y=O,Z=CH2]及び1
α,3β−ジヒドロキシ−23−ホモ−23−オキサ−9,10−セココラ−5(Z),
7,10(19)−トリエン酸、シクロプロピルアミド[式(I)−A=(A−2),R1
=H,R2=シクロプロピル,R3=α−CH3,R4=R5=H,X=CH2、Y=O,Z=
CH2]は、実施例6(c)中のN−(ブロモアセチル)ピペリジンをそれぞれN,N
−ジエチルブロモアセトアミド及びN−シクロプロピルブロモアセトアミドに置
換し、次に実施例6(d)及び6(e)の操作に従うことによって製造される。
化合物1α,3β−ジヒドロキシ−23−ホモ−23−オキサ−9,10−セココラ−
5(E),7−ジエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−5),R1+
R2=-(CH2)5-,R3=α−CH3,R4=R5=H,X=CH2、Y=O,Z=CH2];1α
,3β−ジヒドロキシ−23−ホモ−23−オキサ−9,10−セココラ−5(Z),7
−ジエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−4),R1+R2=-(CH2)5-
,R3=α-CH3,R4=R5=H,X=CH2、Y=O,Z=CH2];1α,3β−ジヒド
ロキシ−23−ホモ−23−オキサ−10−スピロシクロプロピル−9,10−セ
ココラ−5(E),7−ジエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−7
),R1+R2=-(CH2)5-,R3=α−CH3,R4=R5=H,X=CH2,Y=O,Z=CH2
];及び1α,3β−ジヒドロキシ−23−ホモ−23−オキサ−10−スピロシクロ
プロピル−9,10−セココラ−5(Z),7−ジエン酸、ピペリジンアミド[式(
I)−A=(A−6),R1+R2=-(CH2)5-,R3=α−CH3,R4=R5=H,X=C
H2、Y=O,Z=CH2]は、実施例6(c)のステロールをそれぞれ1α,3β
−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20α−ヒドロキシメチル−9,10−セコ
プレグナ−5(E),7−ジエン(製造1(b)参照);1α,3β−ビス−ト
リイソプロピルシリルオキシ−20α−ヒドロキシメチル−9,10−セコプレグナ−
5(Z),7−ジエン(製造2参照);1α,3β−ビス−トリイソプロピルシ
リルオキシ−20α−ヒドロキシメチル−10−スピロシクロプロピル−9,10−セコ
プレグナ−5(E),7−ジエン(製造3(b)参照);及び1α,3β−ビス
−トリイソプロピルシリルオキシ−20α−ヒドロキシメチル−10−スピロシクロ
プロピル−9,10−セコプレグナ−5(Z),7−ジエン(製造4参照)に代え、
次に実施例6(e)の操作に従うことによって生成物からシリル基を除去するこ
とによって製造される。
同様にしてA=(A−4)、(A−5)、(A−6)又は(A−7)を有する
式(I)の上の生成物のジエチル(R1=R2=Et)及びシクロプロピル(R1=H,
R2=シクロプロピル)アミド類縁体は、実施例6(c)に類縁の工程中それぞれ
N,N−ジエチルブロモアセトアミド又はN−シクロプロピルブロモアセトアミド
を使用することによって製造される。
同様にして上の化合物(R3=β−CH3)の20−エピ類縁体は、R3
=β−CH3及びL=CH2OHを有する式(II)の対応する化合物から出発して上のと
おり製造される。
実施例 7
a)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−23−ノル−9,10−セコ
コラ−5(E),7,10(19)−トリエン酸、ニトリル(20−ノルマル及び20−エピ
異性体の混合物)[式(I)−A=(A−3),R3=α−及びβ−CH3,R4=R5
=(i-Pr)3Si,L=CH2CN]
シアン化カリウム(390mg)を含有するジメチルスルホキシド(5ml)中1α
,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20(α,β)−トシルオキシメ
チル−9,10−セコプレグナ−5(E),7,10(19)−トリエン[式(II)−A=(
A−3),R3=α,β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=CH2O,トシル](1g)
の溶液を90℃において2時間加熱し、生成物を抽出(ジエチルエーテル)、洗浄
及びカラムクロマトグラフィーによって精製して表題ニトリル(748mg)を得た
。
UV(Et2O)λmax 267,λmin 229nm;NMR(CCl4)δ5.36-6.13(ABq,6,7-H′s
),4.83(bs,19-H′s),4.13-4.46(m,1,3-H′s),0.53(s,18-H′s)
b)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−23−ノル−9,10−セコ
コラ−5(E),7,10(19)−トリエン酸、カルボキシアルデヒド(20−ノルマル
及び20−エピ異性体の混合物)[式(II)−A=(A−3),R3=α−及びβ−
CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=CH2CHO]
ヘキサン(3ml)中上の(a)からのニトリル(480mg)を−78℃に冷却し、
水素化ジイソプロピルアルミニウム(ヘプタン中1M溶液
1.4ml)で処理した。混合物を0℃において1時間撹拌し、エーテル及び飽和塩
化アンモニウム溶液で処理し、生成物をエーテル中に抽出して単離した。粗生成
物はUV(Et2O)λmax 270,λmin 229nm;IR(CCl4)νmax 1730cm-1;NMR(CCl4
)δ10.6(bs,CHO),5.53-6.23(ABq,6,7-H′s),4.76(bs,19-H′s),4
.16-4.43(m,1,3-H′s),0.56(s,18-H′s)を有した。
c)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20(α,β)−(2−
ヒドロキシエチル)−9,10−セコプレグナ−5(E),7,10(19)−トリエン[式
(II)−A=(A−3),R3=α−及びβ−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=CH2C
H2OH]
ベンゼン(10m1)中上の(b)からのアルデヒド(440mg)を0℃においてエ
タノール(10ml)中硼水素化ナトリウム(105mg)の溶液で処理して後室温にお
いて45分間撹拌した。仕上げの後生成物をクロマトグラフィーによって精製して
表題化合物(380mg)を得た。UV(Et2O)λmax 269,λmin 228nm;IR(CCl4)
νmax 3500-3700cm-1;NMR(CCl4)δ5.53-6.3(ABq,6,7-H′s),4.73(bs,1
9-H′s),4.16-4.43(m,1,3-H′s),0.56(s,18-H′s)
混合物1.2gのヘキサン中30%ベンゼンで展開されるシリカゲル上注意深いク
ロマトグラフィーにより異性体(C−20における)を分割した。20β−(エピ)
異性体(145mg)は極性が小さい方で、最初に、次いで異性体の混合物、そして
次に20α−(ノルマル)異性体(360mg)が溶離された。
d)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20α−(2−ブロモエ
チル)−9,10−セコプレグナ−5(E),7,10(19)−トリエン[式(II)−A=
(A−3),R3=α−CH3,R4=R5=
(i-Pr)3Si,L=CH2CH2Br]
塩化p−トルエンスルホニル(110mg)及びピリジン(243μl)を含有するジ
クロロメタン(5ml)中上の(c)からのノルマルアルコール(200mg)を室温
において2時間撹拌した。重炭酸ナトリウム(飽和溶液20ml)を添加し、撹拌を
更に2時間継続し、反応混合物を仕上げた。粗トシレートを臭化リチウム(317m
g)及び1,8ビス−ジメチルアミノナフタレン(「プロトンスポンジ」40mg)を含
有するアセトニトリル(6.6ml)及びジクロロメタン(6.6ml)に溶解し、混合物
を80℃において30分間還流加熱した。次に混合物を冷却し、仕上げて表題ブロミ
ド(261mg,クロマトグラフィーによって精製)を得た。UV(Et2O)λmax 267,
λmin 228nm;NMR(CCl4)δ5.43-6.16(ABq,6,7-H′s),4.76(bs,19-H′s
),4.14-4.45(m,1,3-H′s),3.16(m,CH 2Br),0.5(s,18-H′s)
e)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−23−ホモ−9,10−セコ
コラ−5(E),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(
A−3),R1+R2=-(CH2)5-,R3=α−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,X=Y=Z=
CH2]
テトラヒドロフラン(24.7ml)中N−アセチルピペリジン(1.32ml)をリチウ
ムジイソプロピルアミド[ジイソプロピルアミン(2.79ml)及びブチルリチウム
(ヘキサン中1.6M溶液6.39ml)から調製]でリチウム化した。テトラヒドロフ
ラン(1.5ml)中上の(d)からのブロミド(261mg)を上の溶液(2.75ml)で処
理した。15分後過剰の試薬を塩化アンモニウムで分解し、混合物を仕上げて表題
化合物(クロマトグラフィー後218mg)を得た。UV(Et2O)λmax 267,λmin
228nm;IR(CCl4)νmax 1620cm-1:NMR(CCl4)δ5.46-
6.23(ABq,6,7-H′s),4.73(bs,19-H′s),3.33(nm,n-CH 2),0.53(s,
18-H′s)
f)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−23−ホモ−9,10−セコ
コラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(
A−2),R1+R2=-(CH2)5-,R3=α−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,X=Y=Z=
CH2]
フェナジン(100mg)を含有するベンゼン(2.7ml)中上の(a)からの5(E
)化合物(218mg)を実施例1(b)のとおり光異性化した(1時間)。表題化
合物(142mg)をクロマトグラフィーによって単離した。UV(Et2O)λmax 263,
λmin 226nm:IR(CDCl3)νmax1640cm-1;NMR(CDCl3)δ5.73-6.16(ABq,6,7
-H′s),5.13,5.26(各 s,19-H′s),3.9-4.4(m,1,3-H′s),3.43(nm,
n-CH 2),0.53(s,18-H′s)
g)1α,3β−ジヒドロキシ−23−ホモ−9,10−セココラ−5(Z),7,10(1
9)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−2),R1+R2=-(CH2
)5-,R3=α−CH3,R4=R5=H,X=Y=Z=CH2]
テトラヒドロフラン(1ml)中上の(f)からのシリルエーテル(80mg)をフ
ッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1M溶液1ml)で室温に
おいて1時間脱シリル化した。表題化合物(38mg)を製造用TLCによって単離し
た。UV(Et2O)λmax 263,λmin 227nm;IR(CDCl3)νmax 3350-3600,1640cm-1
:NMR(CDCl3)δ5.7-6.23(ABq,6,7-H′s),4.8,5.13(各s,19-H′s),
3.83-4.3(m,1,3-H′s),3.60(nm,n-CH 2),0.83-0.93(d,21-H′s),0.5
3(s,18-H′s)
h)1α,3β−ジヒドロキシ−23−ホモ−9,10−セココラ−5(Z),7−ジ
エン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−4),R1+R2=-(CH2)5-,R3
=α−CH3,R4=R5=H,X=Y=Z=CH2]
この化合物は、製造1(a)の方法による上の(g)の生成物の水素添加又は
上の(f)の生成物の同様の水素添加、次いで上の(g)記載のとおり脱シリル
化によって製造される。
i)1α,3β−ジヒドロキシ−23−ホモ−9,10−セココラ−5(E),7−ジ
エン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−5),R1+R2=-(CH2)5-,R3
=α−CH3,R4=R5=H,X=Y=Z=CH2]
この化合物は、製造1(a)の方法による上の(e)の生成物の水素添加、次
いで上の(g)記載のとおり脱シリル化によって製造される。
化合物1α,3β−ジヒドロキシ−9,10−セココラ−5(E),7−ジエン酸
、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−5),R1+R2=-(CH2)5-,R3=α−
CH3,R4=R5=H,X=原子価結合、Y=Z=CH2];1α,3β−ジヒドロキシ
−9,10−セココラ−5(Z),7−ジエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A
=(A−4),R1+R2=-(CH2)5-,R3=α−CH3,R4=R5=H,X=原子価結合
、Y=Z=CH2];1α,3β−ジヒドロキシ−10−スピロシクロプロピル−9,1
0−セココラ−5(E),7−ジエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(
A−7),R1+R2=-(CH2)5-,R3=α−CH3,R4=R5=H,X=原子価結合、Y
=Z=CH2];及び1α,3β−ジヒドロキシ−10−スピロシクロプロピル−9,1
0−セココラ−5(Z),7−ジ
エン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−6),R1+R2=-(CH2)5-,R3
=α−CH3,R4=R5=H,X=原子価結合、Y=Z=CH2]は、実施例7(d)中
出発ステロールをそれぞれ1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−
20α−ヒドロキシメチル−9,10−セコプレグナ−5(E),7−ジエン(製造1
(b)参照);1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20α−ヒド
ロキシメチル−9,10−セコプレグナ−5(Z),7−ジエン(製造2参照):1
α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20α−ヒドロキシメチル−10
−スピロシクロプロピル−9,10−セコプレグナ−5(E),7−ジエン(製造3
(b)参照):及び1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20α−
ヒドロキシメチル−10−スピロシクロプロピル−9,10−セコプレグナ−5(Z)
,7−ジエン(製造4参照)に代え、次に実施例7(e)の操作に従い、最後に
実施例7(g)の操作に従うことによって生成物からシリル基を除去することに
よって作られる。
同様にして化合物1α,3β−ジヒドロキシ−23−ホモ−9,10−セココラ−5
(E),7−ジエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−5),R1+R2
=-(CH2)5-,R3=α−CH3,R4=R5=H,X=Y=Z=CH2];1α,3β−ジヒ
ドロキシ−23−ホモ−9,10−セココラ−5(Z),7−ジエン酸、ピペリジンア
ミド[式(I)−A=(A−4),R1+R2=-(CH2)5-,R3=α−CH3,R4=R5=H
,X=Y=Z=CH2];1α,3β−ジヒドロキシ−23−ホモ−10−スピロシク
ロプロピル−9,10−セココラ−5(E),7−ジエン酸、ピペリジンアミド[式
(I)−A=(A−7),R1+R2=-(CH2)5-,R3=α-CH3,R4=R5=H,X=Y
=Z=CH2];1α,3β−ジヒドロキシ−23−
ホモ−10−スピロシクロプロピル−9,10−セココラ−5(Z),7−ジエン酸、
ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−6),R1+R2=-(CH2)5-,R3=α-CH3
,R4=R5=H,X=Y=Z=CH2];及び1α,3β−ジヒドロキシ−23−ホモ
−19−ノル−9,10−セココラ−5,7−ジエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−
A=(A−8),R1+R2=-(CH2)5-,R3=α−CH3,R4=R5=H,X=Y=Z=C
H2]は、実施例7(d)によりそれぞれ次の中間体をトシル化し、次に実施例7
(a)、7(b)、7(c)、7(d)及び7(e)の操作をそれぞれ適用し、
実施例7(g)により脱トシル化することによって製造される:1α,3β−ビ
ス−トリイソプロピルシリルオキシ−20α−ヒドロキシメチル−9,10−セコプレ
グナ−5(E),7−ジエン(製造1(b)参照);1α,3β−ビス−トリイ
ソプロピルシリルオキシ−20α−ヒドロキシメチル−9,10−セコプレグナ−5(
Z),7−ジエン(製造2参照);1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリル
オキシ−20α−ヒドロキシメチル−10−スピロシクロプロピル−9,10−セコプレ
グナ−5(E),7−ジエン(製造3(b)参照);1α,3β−ビス−トリイ
ソプロピルシリルオキシ−20α−ヒドロキシメチル−10−スピロシクロプロピル
−9,10−セコプレグナ−5(Z),7−ジエン(製造4参照);及び1α,3β
−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20α−ヒドロキシメチル−19−ノル−
9,10−セコプレグナ−5,7−ジエン[式(II)−A=(A−8),R3=α−CH3,
R4=R5=(i-Pr)3Si、L=CH2OH]。
実施例 8
a)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20β−(2−ブロモエ
チル)−9,10−セコプレグナ−5(E),7,10(19)−
トリエン[式(II)−A=(A−3),R3=β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=
CH2CH2Br]
上の実施例7(c)からのエピ−アルコール[式(II)−A=(A−3),R3
=β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si,L=CH2CH2OH](200mg)を実施例7(d)の操
作により対応するブロミド、表題化合物(248mg)に変換した。UV(Et2O)λmax
269,λmin 227nm;NMR(CCl4)δ5.46-6.23(ABq,6,7-H′s),4.7(bs,19-
H′s),4.13-4.4(m,1,3-H′s),3.16(m,CH 2Br),0.56(s,18-H′s)
b)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20−エピ−23−ホモ−
9,10−セココラ−5(E),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I
)−A=(A−3),R1+R2=-(CH2)5-、R3=β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si、X
=Y=Z=CH2]
上の(a)からのエピ−ブロミド(248mg)を実施例7(a)のとおりN−ア
セチルピペリジンのリチウム塩で処理して表題化合物(211mg)を得た。uv(Et2
O)λmax 269,λmin 229nm;IR(CCl4)νmax 1640 cm-1;NMR(CDCl3)δ5.56
-6.23(ABq,6,7-H′s),4.83(bs,19-H′s),3.36(nm,n-CH 2),0.53(s
,18-H′s)
c)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20−エピ−23−ホモ−
9,10−セココラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I
)−A=(A−2),R1+R2=-(CH2)5-、R3=β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si、X
=Y=Z=CH2]
フェナジン(100mg)を含有するベンゼン(2.7ml)中上の(b)からの5(E
)化合物(211mg)を実施例1(b)のとおり光異性化した(1時間)。表題化
合物(142mg)をクロマトグラフィーにより単離した。UV(Et2O)λmax 263,λmin
227nm;IR(CCl4)νmax
1650cm-1;NMR(CDCl3)δ5.5-6.4(ABq,6,7-H′s),4.76,5.1(各s,19-H
′s),4.1-4.3(m,1,3-H′s),3.4(nm,n-CH 2),0.53(s,18-H′s)
d)1α,3β−ジヒドロキシ−20−エピ−23−ホモ−9,10−セココラ−5(Z
),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−2),R1
+R2=-(CH2)5-、R3=β−CH3,R4=R5=H、X=Y=Z=CH2]
テトラヒドロフラン(1ml)中上の(c)からのシリルエーテル(80mg)をフ
ッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1M溶液1ml)で室温に
おいて1時間脱シリル化した。表題化合物(35mg)を製造用TLCによって単離し
た。UV(Et2O)λmax 264,λmin 227nm;IR(CCl4)νmax 3350-3600,1620cm- 1
;NMR(CDCl3)δ5.63-6.2(ABq,6,7-H′s),4.76,5.1(各 s,19-H′s)
,3.86-4.2(m,1,3-H′s),3.3(nm,n-CH 2),0.76-0.86(d,21−H′s),0
.53(s,18-H′s)
e)1α,3β−ジヒドロキシ−20−エピ−23−ホモ−9,10−セココラ−5(Z
),7−ジエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−4),R1+R2=-(
CH2)5-、R3=β−CH3,R4=R5=H、X=Y=Z=CH2]
この化合物は、製造1(a)の方法による上の(d)の生成物の水素添加又は
上の(c)の生成物の同様の水素添加、次いで上の(d)記載のとおり脱シリル
化によって製造される。
f)1α,3β−ジヒドロキシ−20−エピ−23−ホモ−9,10−セココラ−5(E
),7−ジエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−5),R1+R2=-(
CH2)5-、R3=β−CH3,R4=R5=H、
X=Y=Z=CH2]
この化合物は、上の(b)の生成物の水素添加、次いで上の(d)記載のとお
り脱シリル化によって製造される。
実施例 9
a)1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20−エピ−23−ホモ−
9,10−セコ−23-チアコラ−5(E),7,10(19)−トリエン酸、エチルエステル
[式(II)−A=(A−3),R3=β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si、L=CH2.S.CH2
.CO.OEt]
「プロトンスポンジ」(171mg)を含有するジクロロメタン(3ml)中実施例
5(b)からの20−エピ−アルコール(131mg)の溶液を−78℃において無水ト
リフルオロメタンスルホン酸(68mg)で処理した。反応混合物を室温まで上げ、
−78℃に戻し、エチル2−メルカプトエタノエート(72mg、1滴ずつ添加)で処
理し、室温まで上げ、更に1時間撹拌した。仕上げの後生成物をクロマトグラフ
ィーによって精製して表題化合物(75mg)を得た。UV(Et2O)λmax 268,λmin
228nm;IR(CCl4)νmax 1740,1630cm-1;NMR(CCl4)δ5.4-6.7(ABq,6,7-H
′s),4.7-5.0(bs,19-H′s),3.8-4.7(m,q,1,3-H′s,Et-H′s),2.96
(s,S-CH2-CO2Et),0.57(s,18-H′s)b)1α,3β−ビス−トリイソプロ
ピルシリルオキシ−20−エピ−23−ホモ−9,10−セコ−23−チアコラ−5(E)
,7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−3),R1+
R2=-(CH2)5-、R3=β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si、X=CH2、Y=S,Z=CH2]
ヘキサン(1ml)中上の(a)からのエステル(62mg)の溶液を−78℃におい
てヘキサン(2.1ml)中ピペリジン(34mg)及び
Sn[N(TMS)2]2(176mg)から調製された試薬の1滴ずつの添加によって処理し
た。次に反応混合物を室温まで上げ、1時間撹拌した。メタノールで錫を析出さ
せ、反応物を仕上げ、生成物をクロマトグラフィーによって精製して表題化合物
(47mg)を得た。UV(Et2O)λmax 210,269 λmin 230nm;IR(CCl4)νmax 16
45,1465cm-1;NMR(CCl4)δ5.4-6.6(ABq,6,7-H′s),4.7-5.0(bs,19-H′
s),3.7-4.7(m,1,3-H′s),3.2-3.7(m,N-CH 2′s),3.07(s,S-CH 2-CO2E
t),0.6(s,18-H′s)
c)1α,3β−ジヒドロキシ−20−エピ−23−ホモ−9,10−セコ−23−チアコ
ラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A
−2),R1+R2=-(CH2)5-、R3=β−CH3,R4=R5=H、X=CH2,Y=S,Z=
CH2]
上の(b)からの5(E)化合物(47mg)を実施例1(b)のとおり光異性化
して5(Z)化合物(38mg)を得た。UV(Et2O)λmax 210,264,λmin 229nm
;IR(CCl4)νmax 1645,1455cm-1;NMR(CCl4)δ5.6-6.4(ABq,6,7-H′s)
,4.7,5.3(each s,19-H′s),3.9-4.7(m,1,3-H′s),3.1-3.6(m,N-CH 2
′s),3.07(s,S-CH 2-CO2Et),0.53(s,18-H′s)
これを実施例1(c)のとおり脱シリル化して表題化合物(19mg、クロマトグ
ラフィーにより精製)を得た。UV(EtOH)λmax 209,264 λmin 230nm;IR(CD
Cl3)νmax 3200-3660,1630,1450cm-1;NMR(CDCl3)δ5.4-6.5(ABq,6,7-H
′s),4.7及び5.4(各s,19-H′s),3.7-4.7(m,1,3-H′s),3.0-3.7(m,N
-CH 2,S-CH 2),0.97(d,j=6Hz,21-H′s),0.55(s,18-H′s)
化合物23−アザ−1α,3β−ジヒドロキシ−20−エピ−23−ビス−ホモ−9,
10−セココラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)
−A=(A−2),R1+R2=-(CH2)5-、R3=β−CH3,R4=R5=H、X=CH2,Y
=NH、Z=(CH2)2]は、同様にしてメルカプトエタノエートエステルをN−(β
−アラニル)ピペリジン(8当量)で置換し、次に実施例1(b)により光異性
化し、実施例1(c)により脱シリル化して製造される。
化合物23−アザ−1α,3β−ジヒドロキシ−20−エピ−23−ホモ−9,10−セ
ココラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=
(A−2),R1+R2=-(CH2)5-、R3=β−CH3,X=CH2、Y=NH、Z=CH2]は、
同様にN−グリシルピペリジン(8当量)をN−(β−アラニル)ピペリジンに
置換することによって製造された。20−エピーアルコール(120mg)の反応は、
5(E)シリル化合物(60mg)を与えた:UV(Et2O)λmax 204,269,λmin 230
nm;IR(CDCl3)νmax 1640,1460,1440cm-1:NMR(CDCl3)δ5.5-6.6(ABq,6
,7-H′s),4.9-5.0(bs,19-H′s),3.8-4.9(m,1,3-H′s),3.0-3.7(m,
Nに隣接するH′s),0.53(s,18-H′s)
異性化は、対応する5(Z)シリル化合物(50mg):UV(Et2O)λmax 207,2
63,λmin 227nm;IR(CDCl3)νmax 1630,1460,1440cm-1;NMR(CDCl3)δ5.
6-6.5(ABq,6,7-H′s),4.7,5.3(各s,19-H′s),3.9-4.7(m,1,3-H′s)
,3.0-3.7(m,Nに隣接するH′s),0.53(s,18-H′s)を与えた。脱シリル化
は、所望の1α,3β−ジヒドロキシ化合物(10mg):UV(EtOH)λmax 207,2
63,λmin 227nm;IR(CDCl3)νmax 3660-3100,1630,1440cm-1;NMR(CDCl3
)δ5.7-6.5(ABq,6,7-H′s),4.8,5.4(各 s,
19-H′s),3.8-4.6(m,1,3-H′s),3.0-3.8(m,Nに隣接するH′s),0.97
(d,21-H′s),0.53(s,18-H′s)を与えた。
実施例 10
a)1α,3β−ビス−t−ブチルジメチルシリルオキシ−20β−ヒドロキシメ
チル−19−ノル−9,10−セコプレグナ−5(E),7−ジエン[式(II)−A=
(A−8),R3=β−CH3,R4=R5=t-Bu(Me)2Si,L=CH2OH]
Tetrahedron Lett.(1992),33,2937頁のとおり得られた1α,3β−ビス
−t−ブチルジメチルシリルオキシ−20α−ホルミル−19−ノル−9,10−セコプ
レグナ−5,7−ジエン[式(II)−A=(A−8),R3=α−CH3,R4=R5=t-Bu
(Me)2Si,L=CHO]をベンゼン(15ml)及びメタノール(15ml)に溶解し、0℃
においてDBU(400μl)と共に一夜貯蔵することによって異性化した。ノルマル
(20α−ホルミル)及びエピ(20β−ホルミル)アルデヒドは、0℃においてエ
タノール(15ml)中硼水素化ナトリウム(400mg)で1滴ずつ処理することによ
るベンゼン(30ml)中アルデヒド(約1g)の還元、その後反応混合物を0℃に
おいて更に0.5時間撹拌する前又は後クロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中1
5%ベンゼンにより溶離)によって分割することができる。仕上げの後生成物を
クロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中ベンゼン又はエーテルで溶離)に
よって分割して表題化合物を得る。
b)1α,3β−ビス−t−ブチルジメチルシリルオキシ−20−エピ−19−ノル
−9,10−セココラ−5,7−ジエン酸ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−8
),R1+R2=-(CH2)5-、R3=β−CH3,R4=R5=t-Bu(Me)2Si,X=原子価結合、
Y=Z=CH2]
上の(a)からのエピ−アルコール(200mg)を塩化p−トルエンスルホニル
(110mg)及びピリジン(243μl)を含有するジクロロメタン(5ml)中室温に
おいて2時間撹拌する。重炭酸ナトリウム(飽和溶液20ml)を添加し、撹拌を更
に2時間継続し、反応混合物を仕上げる。粗トシレートを臭化リチウム(317mg
)及び1,8ビス−ジメチルアミノナフタレン(「プロトンスポンジ」−40mg)を
含有するアセトニトリル(6.6ml)及びジクロロメタン(6.6ml)に溶解し、混合
物を80℃において30分間還流加熱する。次に混合物を冷却し、仕上げして対応す
る20−ブロモメチル化合物を得、これをテトラヒドロフラン(1.5ml)に溶解し
、テトラヒドロフラン(24.7ml)中N−アセチルピペリジン(1.32ml)をリチウ
ムジイソプロピルアミド[ジイソプロピルアミン(2.79ml)及びブチルリチウム
(ヘキサン中1.6M溶液6.39ml)から調製]でリチウム化することによって製造
したリチオ−N−アセチルピペリジン(2.75ml)の溶液で−78℃において処理し
た。反応混合物を室温に上げ、15分後過剰の試薬を塩化アンモニウムで分解し、
混合物を仕上げて表題化合物を得た。
c)1α,3β−ジヒドロキシ−20−エピ−19−ノル−9,10−セココラ−5,7−
ジエン酸,ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−8),R1+R2=-(CH2)5-、
R3=β-CH3,R4=R5=H,X=原子価結合、Y=Z=CH2]
テトラヒドロフラン(1.5ml)中上の(b)からのシリルエーテル(約100mg)
をフッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1M溶液1.3ml)で
室温において1時間脱シリル化する。表題化合物をクロマトグラフィーによって
単離する。
実施例 11
a)1α,3β−ビス−t−ブチルジメチルシリルオキシ−23−ホモ−19−ノル
−23−オキサ−9,10−セココラ−5,7−ジエン酸、ピペリジンアミド[式(I)
−A=(A−8),R1+R2=-(CH2)5-,R3=α−CH3,R4=R5=t-Bu(Me)2Si,X
=CH2,Y=O,Z=CH2]
テトラヒドロフラン(1ml)中1α,3β−ビス−t−ブチルジメチルシリル
オキシ−20α−ヒドロキシメチル−9,10−セコプレグナ−5,7−ジエン(Tetrahe
dron Lett.(1992),33,2937頁)(約150mg)及び16−クラウン−6−エーテ
ル(25mg)の溶液にt−ブトキシ化カリウム(テトラヒドロフラン中1M溶液1.
2ml)を1滴ずつ添加する。混合物を室温において0.5時間撹拌し、次に−10℃に
冷却し、テトラヒドロフラン(1ml)中N−(ブロモアセチル)−ピペリジン(
256mg)を1滴ずつ添加することによって処理する。更に10分間撹拌の後混合物
を仕上げ、生成物をクロマトグラフィーによって精製して表題化合物を得る。
b)1α,3β−ジヒドロキシ−23−ホモ−19−ノル−23−オキサ−9,10−セコ
コラ−5,7−ジエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(Λ−8),R1+R2
=-(CH2)5-,R3=α−CH3,R4=R5=H,X=CH2,Y=O,Z=CH2]
テトラヒドロフラン(0.6ml)中上の(a)からのシリルエーテル(80mg)を
フッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1M溶液0.6ml)で実
施例1(c)のとおり脱シリル化する。粗生成物のクロマトグラフィー精製によ
って表題化合物を得る。
実施例 12
23−アザ−1α,3β−ジヒドロキシ−9,10−セココラ−5(Z),
7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−2),R1+R2
=-(CH2)5-、R3=α−CH3,R4=R5=H、X=CH2、Y=NH、Z=原子価結合]
20α−アミノメチル−1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−9,
10−セコプレグナ−5(E),7,10(19)−ジエン[式(I)−A=(A−3),
R3=α−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si、L=CH2NH2]をテトラヒドロフランに溶解し
、N−クロロホルミルピペリジン(1.2当量)でアシル化して1α,3β−ビス
−トリイソプロピルシリルオキシ−23−アザ−9,10−セコプレグナ−5(E),
7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A−3),R1+R2
=-(CH2)5-、R3=α−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si、X=CH2、Y=NH、Z=原子価
結合]を得る。生成物を実施例1(b)のとおり光異性化し、シリル基を実施例
1(c)のとおり除去して表題化合物を得る。
実施例 13
a)22−アザ−1α,3β−ビス−トリイソプルピルシリルオキシ−23−ホモ−
9,10−セココラ−5(E),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド及びその
20−エピマ−の混合物[式(I)−A=(A−3),R1+R2=-(CH2)5-,R3=α
,β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si、X=原子価結合、Y=NH,Z=(CH2)2]
1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−9,10−セコプレグナ−5
(E),7,10(19)−トリエン−20−オン(248mg)、イソプロポキシ化チタン(I
V)(682mg)及びN−(β−アラニル)ピペリジン(187mg)の混合物を室温に
おいて3時間撹拌した。エタノール(1ml)及びシアノ硼水素化ナトリウム(38
mg)を添加し、撹拌を一夜継続した。仕上げの後アルミナカラム上クロマトグラ
フィーに
よって表題生成物が分割された。極性の小さい方の異性体(おそらく20−エピ)
(170mg)はUV(Et2O)λmax 208,269,λmin 230 nm;IR(CDCl3)νmax 1625
,1450cm-1;NMR(CDCl3)δ5.5-6.8(ABq,6,7-H′s),4.8-5.1(bs,19-H′s
),4.0-4.8(m,1,3-H′s),3.1-3.7(m,Nに隣接するH′s),0.58(s,18-
H′s)を有した。極性の大きい方の(マイナー)異性体(96mg)はUV(Et2O)λmax
208,268,λmin 229 nm;IR(CDCl3)νmax 1630,1450cm-1;NMR(CDCl3
)δ5.5-6.5(ABq,6,7-H′s),4.7-5.0(bs,19-H′s),3.8-4.7(m,1,3-H
′s),3.1-3.8(m,Nに隣接するH′s),0.53(m,18H′s)を有した。
b)22−アザ−1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20-エピ−2
3-ホモ−9,10-セココラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド
[式(I)−A=(A−2),R1+R2=-(CH2)5-、R3=β-CH3,R4=R5=(i-Pr)3
Si、X=原子価結合、Y=NH、Z=(CH2)2]
上の(a)からのメジャーな極性の小さい方の異性体(95mg)を実施例1(b
)のとおり光異性化して表題化合物(65mg)を得た。UV(Et2O)λmax 207,263
,λmin 227 nm;IR(CDCl3)νmax 1620,1450cm-1;NMR(CDCl3)δ5.6-6.4(
ABq,6,7-H′s),4.7,5.3(各s,19-H′s),3.1-3.7(Nに隣接するH′s)
,0.57(s,18-H′s)
c)22−アザ−1α,3β−ジヒドロキシ−20−エピ−23−ホモ−9,10−セココ
ラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ピペリジンアミド[式(I)−A=(A
−2),R1+R2=-(CH2)5-、R3=β−CH3,R4=R5=H、X=原子価結合、Y=N
H、Z=(CH2)2]
上の(b)からのシリルエーテル(65mg)を実施例1(c)のとおり
脱シリル化した。中性アルミナカラムを通して後製造用TLC(アルミナプレート
)によって表題化合物(17mg)を得た。UV(EtOH)λmax 206,262,λmin 228
nm;IR(CDCl3)νmax 3640-3200,1615,1440cm-1;NMR(CDCl3)δ5.5-6.4(A
Bq,6,7-H′s),4.7,5.3(各s,19-H′s),3.7-4.7(m,1,3-H′s),3.0-3
.7(m,Nに隣接するH′s),1.17(d,21-H′s),0.63(s,18-H′s)
実施例 14
a)20α−アミノメチル−1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−
9,10−セコプレグナ−5(E),7,10(19)−トリエン[式(II)−A=(A−3
),L=CH2NH2、R3=α−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si]
エーテル(0.75ml)中対応する20α−アジドメチル化合物(L=CH2N3)(247
mg)の溶液を0℃において水素化リチウムアルミニウム(1M溶液1.9ml)で処
理した。反応混合物を室温において45分間撹拌し、次に0℃に冷却し、ジエチル
エーテルで希釈し、湿った硫酸ナトリウムで処理し、濾過した。濾液を水及びブ
ラインで洗浄し、次に蒸発させて表題化合物(208mg)を得た。UV(Et2O)λmax
269,λmin 228 nm
b)23−アザ−1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−9,10−セコ
コラ−5(E),7,10(19)−トリエン酸、ジエチルアミド[式(I)−A=(A
−3),R1=R2=C2H5、R3=α−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si、X=CH2、Y=NH、
Z=原子価結合]
テトラヒドロフラン(1.0ml)中上の(a)からの20α−アミノメチル化合物
(204mg)の溶液を10%水性水酸化ナトリウム(0.720ml)で処理し、0℃に冷却
し、塩化N,N−ジエチルカルバモイル(80μl)
で処理し、次に室温において4時間撹拌した。粗生成物をエーテル中に抽出し、
仕上げた。クロマトグラフィーによって表題化合物(164mg)を得た。UV(Et2O
)λmax 269,λmin 228 nm;IR(CCl4)νmax 1650cm-1;NMR(CCl4)δ6.26-5
.5(ABq,6,7-H′s),4.73(s,19-H′s),4.46-4(m,1,3-H′s),0.53(s
,18-H′s)
c)23−アザ−α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−9,10−セココ
ラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ジエチルアミド[式(I)−A=(A−
2),R1=R2=C2H5、R3=α-CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si、X=CH2、Y=NH、Z=
原子価結合]
フェナジン(80mg)を含有するベンゼン(22ml)中上の(c)からの5(E)
化合物を75分間照射した。溶媒を除去し、表題生成物(102mg)を製造用且Cに
よって単離した。UV(Et2O)λmax 262-3λmin 226 nm;IR(CCl4)νmax 1650c
m-1;NMR(CCl4)δ5.7-5.93(ABq,6,7-H′s),4.6,4.96(各s,19-H′s)
,0.56(s,18-H′s)
d)23−アザ−α,3β−ジヒドロキシ−9,10−セココラ−5(Z),7,10(19)
−トリエン酸、ジエチルアミド[式(I)−A=(A−2),R1=R2=C2H5、R3
=α−CH3,R4=R5=H、X=CH2、Y=NH、Z=原子価結合]
テトラヒドロフラン(0.7ml)中上の(c)からのシリルエーテル(102mg)を
室温において5時間フッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1
M溶液0.7ml)で処理することによって脱シリル化した。表題化合物(35.8mg)
は製造用TLC(2X)によって単離された。UV(EtOH)λmax 26,λmin 226 nm
;IR(CDCl3)νmax 1630,3200-3600cm-1;NMR(CDCl3)δ5.76-6.36(ABq,6,
7-H′s),4.8,5.2(各s,19-H′s),3.0-3.3(m,Nに隣接するH′s),
0.9-1.23(m,21-Hs,Me H′s of ethyl),0.53(s,18-H′s)
実施例 15
a)20α−及び20β−アミノメチル−1α,3β−ビス−トリイソプルピルシリ
ルオキシ−9,10−セコプレグナ−5(E),7,10(19)−トリエンの混合物[式(
II)−A=(A−3),L=CH2NH2,R3=α,β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si]
エーテル(0.5ml)中対応する20α,β−アジドメチル化合物(L=CH2N3)(
170mg)の溶液を0℃において水素化リチウムアルミニウム(1M溶液1.36ml)
で処理した。反応混合物を室温において45分間撹拌し、次に0℃に冷却し、ジエ
チルエーテルで希釈し、湿った硫酸ナトリウムで処理し、濾過した。濾液を水及
びブラインで洗浄し、次に蒸発させて表題化合物(109mg)を得た。UV(Et2O)
λmax 268,λmin 228 nm
b)23−アザ−1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−9,10−セコ
コラ−5(E),7,10(19)−トリエン酸、ジエチルアミド及びその20−エピマ−
[式(I)−A=(A−3),R1=R2=C2H5、R3=α,β−CH3,R4=R5=(i-Pr
)3Si、X=CH2、Y=NH、Z=原子価結合]
テトラヒドロフラン(0.5ml)中上の(a)からの20α,β−アミノメチル化
合物(102mg)の溶液を10%水性水酸化ナトリウム(0.360ml)で処理し、0℃
に冷却し、塩化N,N−ジエチルカルバモイル(39μl)で処理し、次に室温におい
て3時間撹拌した。粗生成物をエーテル中に抽出し、仕上げる。クロマトグラフ
ィーによって2種の生成物を得、そのうち極性の小さい方は20−エピ化合物(45
mg)であると推定され、それはUV(Et2O)λmax 268,λmin 228 nm;IR
(CCl4)ν 1650cm-1;NMR(CCl4)δ6.3-5.56(ABq,6,7-H′s),4.8(s,19-
H′s),4.36-4.03(m,1,3-H′s),3.0-3.3(m,Nに隣接するH′s),0.56(
s,18-H′s)を有した。
c)23−アザ−1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−20−エピ−
9,10−セココラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸、ジエチルアミド[式(I)
−A=(A−2),R1=R2=C2H5、R3=β−CH3,R4=R5=(i-Pr)3Si、X=CH2
、Y=NH、Z=原子価結合]
フェナジン(38mg)を含有するベンゼン(11ml)中上の(b)からの5(E)
化合物を75分間照射し、実施例14(c)のとおり処理した。表題生成物(102mg
)を製造用TLCによって単離した。(Et2O)λmax 262,λmin 227 nm;IR(CCl4
)νmax 1640cm-1;NMR(CCl4)δ5.56-5.9(ABq,6,7-H′s),4.59,4.96(各
s,19-H′s),3.96-4.3(m,1,3-H′s),2.9-3.23(m,Nに隣接するH′s)
,0.56(s,18−H′s)
d)23−アザ−1α,3β−ジヒドロキシ−20−エピ−9,10−セココラ−5(Z
),7,10(19)−トリエン酸、ジエチルアミド[式(I)−A=(A−2),R1=
R2=C2H5、R3=β−CH3,R4=R5=H、X=CH2、Y=NH、Z=原子価結合]
テトラヒドロフラン(0.35ml)中上の(c)からのシリルエーテル(32mg)を
実施例14(d)のとおりフッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン
中1M溶液0.35ml)で処理することによって脱シリル化した。仕上げ及びクロマ
トグラフィーによって表題化合物(6mg)を得、更に脱活性アルミナ上クロマト
グラフィーによって単離した。UV(EtOH)λmax 263,λmin 227 nm;IR(CDCl3
)
ν 1630,3400Cm-1;NMR(CDCl3)δ5.76-6.33(ABq,6,7-H′s),4.83,5.16
(各s,19-H′s),3.73-4.3(m,1,3-H′s),2.96-3.3(m,Nに隣接するH′
s),0.8-1.16(m,21-H′s,MeエチルのH′s),0.56(s,18-H′s)
実施例 16
1α,3β−ジヒドロキシ−9,10−セココラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸
、N−メチル−N−フェニルアミド[式(I)−A=(A−2),R1=CH3、R2
=Ph,R3=α-CH3,R4=R5=H、X=CH2、Y=CH2、Z=原子価結合]
ジクロロメタン(0.75ml)中1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキ
シ−9,10−セココラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸(175mg)及びジシクロ
ヘキシルカルボジイミド(52mg)の混合物を室温において1時間撹拌し、次にN
−メチルアニリン(27mg)で処理する。得られる混合物を室温において一夜撹拌
し、TLCによってモニターする−最初に生成したアシルイミデートが完全には反
応していない場合には更にN−メチルアニリン(0.5〜1当量)を添加し、更に1
0〜15時間撹拌する。次に混合物をエーテルで希釈し、稀塩酸、次に水で洗浄し
、乾燥し、溶媒を蒸発させる。生成物をシリカゲル上クロマトグラフィーによっ
て精製する。この生成物の脱シリル化は、実施例14(d)中フッ化テトラブチル
アンモニウムで処理して表題化合物(必要な場合にはクロマトグラフィーによっ
て精製)を得る。別法として製造1(a)に従いシリルエーテルの水素添加、次
いで同様な脱シリル化により1α,3β−ジヒドロキシ−9,10−セココラ−5(
Z),7−ジエン酸、N−メチル−N−フェニルアミド[式(I)−A=(A−
4),R1=CH3、R2=Ph,R3=α−CH3,R4=R5
=H、X=CH2、Y=CH2、Z=原子価結合]を得る。
実施例 17
1α,3β−ジヒドロキシ−20−エピ−9,10−セココラ−5(Z),7,10(19)−
トリエン酸、N−メチル−N−フェニルアミド[式(I)−A=(A−2),R1
=CH3、R2=Ph,R3=β−CH3,R4=R5=H、X=CH2、Y=CH2、Z=原子価結合
]
ジクロロメタン(0.75ml)中1α,3β−ビス−トリイソプロピルシリルオキ
シ−20−エピ−9,10−セココラ−5(Z),7,10(19)−トリエン酸(175mg)及
びジシクロヘキシルカルボジイミド(52mg)の混合物を室温において1時間撹拌
し、次にN−メチルアニリン(27mg)で処理する。得られる混合物を室温におい
て一夜撹拌し、TLCによってモニターする−最初に生成したアシルイミデートが
完全には反応していない場合には更にN−メチルアニリン(0.5〜1当量)を添
加し、更に10〜15時間撹拌する。次に混合物をエーテルで希釈し、稀塩酸、次に
水で洗浄し、乾燥し、溶媒を蒸発させる。生成物をシリカゲル上クロマトグラフ
ィーによって精製する。ベンゼン中フェナジンを使用して実施例14(c)記載の
とおりこの生成物の光異性化、その後実施例14(d)のとおりフッ化テトラブチ
ルアンモニウムで処理することによる脱シリル化によって表題化合物(必要な場
合にはクロマトグラフィーによって精製)を得る。別法として製造1(a)に従
いシリルエーテルの水素添加、次いで同様な脱シリル化により1α,3β−ジヒ
ドロキシ−20−エピ−9,10−セココラ−5(E),7−ジエン酸、N−メチル−
N−フェニルアミド[式(I)−A=(A−5),R1=CH3、R2=Ph,R3=β−C
H3,R4=R5=H、X=CH2、Y=CH2、Z=原子価結合]を得る。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 31/59 ABV 9454−4C A61K 31/59 ABV
ACD 9454−4C ACD
ADA 9454−4C ADA
ADT 9454−4C ADT
ADU 9454−4C ADU
ADW 9454−4C ADW
AEG 9454−4C AEG
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA,
CN,CZ,FI,GE,HU,JP,KG,KP,K
R,KZ,LK,LV,MD,MG,MN,MW,NO
,NZ,PL,RO,RU,SD,SI,SK,TJ,
TT,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 セツテイ,スンダラ・カトウガム・スリー
ニバーサセツテイ
アメリカ合衆国マサチユーセツツ州02140.
ケンブリツジ.リンジアベニユー402
(72)発明者 ラームゴーポル,マラーテイ
アメリカ合衆国マサチユーセツツ州01810.
アンドーバー.ガーフイールドイーストレ
イン8