JPH08509411A - 複式コイルの医療用回収器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 心臓血管系などの脈管中から血管閉塞コイルまたはその他の物品のような外来の物体を回収するための器具である。２つの小さな係蹄コイル（60）（62）がそれらの遠位端（68）（70）で結合してループを形成する。コイルの近位端が、１つまたはそれ以上の細長いアクチュエータ部材（20）（22）に取り付けられる。ループのサイズは、細長いアクチュエータ部材の１つまたはそれ以上の近位端（26）（44）を操作することによって調節される。この回収器具は、外来の物体を脈管管腔中で捕捉しそして再配置または取り出すために使用され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 複式コイルの医療用回収器具 発明の分野 本発明は、心臓血管系または尿生殖器路において見られるような脈管管腔また は空洞内から物体または物品を捕捉し、取り出すための器具である。発明の背景 身体中の選択領域における塞栓形成法は、動脈血管奇形、動脈瘤、フィステル 、血管腫瘍などのような病状の治療において、治療上の重要性を増している。こ の手法は、金属コイル、バルーン、ビーズなどのような外来の物体を脈管内に設 置することを包含する。時々、これらの物体は、あちこちに移動し、または他の 理由で脈管からこれらを回収および取り出すことが望まれる。 現存する係蹄（snare）は、しばしば堅すぎまたは大きすぎるため、曲がりく ねった脈管路に沿って深部組織に接近することができない。例えば、米国特許第 5,098,440号は、血管内のステント（stent）の回収または位置替えのための方法 および器具に関する。この装置は、ステントに係合するためのループを有する遠 位端と、遠位端を操作するための近位端と、細長いカテーテルによって血管から シールドされた中間部とを有 する。 1993年２月２日に出願されたPCT/US93/00875は、カテーテルおよびガイドワイ ヤ部分を有する医療用回収器具に関し、その全体を参考として援用する。ガイド ワイヤの遠位端は、コイル状で覆われており、カテーテルの遠位端に固定される ループを形成している。ループのサイズは、ガイドワイヤの近位部分の軸方向の 動きによって変化する。 様々なループまたはバスケット（basket）形態が、胆管系または泌尿系から結 石を除去するために用いられてきた。例えば米国特許第5,064,428号を参照のこ と。 本発明は、曲がりくねった脈管構造またはより大きな脈管、器官、または導管 （duct）のいずれかから物体または物品を回収するための、操作が容易でかつキ ンク（kink）しにくい器具を提供する。発明の要旨 本発明は、脈管内から物体を捕捉し、取り出すための医療用回収器具である。 それらの遠位先端部で接続され、カテーテル様器具の一端に位置する一組の略平 行なコイルを有している。これらコイルは、弛緩状態において互いの側に沿って 位置している。一方のコイルの近位端が引っ張られるとき（または押されるとき ）、コイルの組は変形してループを形成する。このループを、脈管管腔内の邪魔 な物品を捕捉するために用いることができる。 本器具は、互いに対して軸方向に動いた際に係蹄コイルのアクチュエータとし て機能する、第１および第２の細長い部材を有している。上述のように、２つの 係蹄コイルは、第１および第２のアクチュエータの遠位端に取り付けられ、さら に、それらの遠位端で結合されることによってループを形成している。２つの細 長いアクチュエータ部材を互いに対して動かしてループのサイズを調節すること により、脈管中の外来の物体を捕捉することが可能である。 本発明の好適な態様は以下を有している： （a）近位端および遠位端を有する第１の細長いアクチュエータ部材。第１の コイルが第１の細長い部材の遠位端に固定されいている。 （b）近位端および遠位端を有する第２の細長いアクチュエータ部材。第２の コイルが第２の細長い部材の遠位端に固定されいている。これら第１および第２ のコイルの遠位端は結合され、係蹄または係蹄コイルアセンブリを形成する。得 られる係蹄は、様々な形状をとり得る。代表的には、弛緩状態において、係蹄は 相並んで横たわる一組の直線状コイルに見える。この好適な構成は、使用中の「 方向性（directability）」および、弛緩時の相並んで横たわる構成がカテーテ ル管腔内を容易に通り抜け得るという事実に起因して、実質的な効果を有してい る。しかしながら、コイルは、様々な形状で結合されることによって所望の係蹄 を形成することができる。 本発明は、係蹄コイルアセンブリとともに協働する様々な アクチュエータ機構を包含する。 本発明は更に、脈管内から物体を捕捉かつ取り除くためのカテーテルアセンブ リを包含しており、カテーテルおよび上述の医療用回収器具からなっている。図面の簡単な説明 図１Aは、本発明の器具の特定の実施態様の部分断面図である。 図１Bは、本発明のアクチュエータハンドルの特定の実施態様の拡大断面図で ある。 図２A、２B、および２Cは、図１Aに示す器具の遠位端の３つの変形例を示す拡 大断面図である。 図３は、拡張コイル中に組み紐（braid）を包含する器具の遠位端の変形例を 示す、拡大部分断面図である。 図４Aおよび４Bは、それぞれ、高度に制御可能な本発明の器具の、切取側面図 および端面図である。 図５は、本発明の回収器およびカテーテルアセンブリの部分断面図である。 図６A−６Dは、本発明の器具の操作を示す、図５のカテーテルアセンブリの拡 大部分断面図である。 図７−１０は、本発明の器具の別の実施態様の遠位端の拡大断面図である。発明の説明 図１Aおよび２Aは、本発明の回収器具の基本的な実施態様を示している。回収 器具全体を全体として（10）と示す。その主要な構成部分は、第１の細長い遠位 端アクチュエータ部材（20）（本例においては可動制御ワイヤ（20））、および 第２の細長いアクチュエータ部材（22）（本例においては制御ワイヤ（20）の外 部に位置する静止管材である。ワイヤ（20）の近位端（38）に接続されたアクチ ュエータハンドル（24）は、治療を行う医師が、制御ワイヤ（20）を引っ張り、 下記の係蹄アセンブリを作動させるためのハンドルとして機能する。 第１のアクチュエータ部材（20）は、制御ワイヤの形態をとる場合は、適度の 引っ張り強度を有する、任意の数の適切な材料、例えばステンレス鋼、カーボン ファイバー、エンジニアリングプラスチック、タングステン合金などを、多条（ multi-strand）ケーブルまたは単一条の（signle strand）糸など様々な形態に 構成したものから形成され得る。しかし好ましくは、第１のアクチュエータ部材 （20）（引っ張り状態で用いる際）は、「いわゆる」超弾性合金からなるワイヤ コアである。これらの合金は、オーステナイト結晶（austenitic crystal）構造 からストレス誘導型マルテンサイト（steress-induced martensitic）（SIM）構 造に変形し、ストレスが取り除かれたときにオーステナイト結晶構造（および元 の形状）に弾性的に戻ることができる能力により特徴付けられる。代表的な合金 は、ニッケル−チタニウム合金であるニチノールである。ニチノールは、市販入 手が容易であり、−20°と30°との間 の様々な温度範囲においてオーステナイト−SIM−オーステナイト変形を起こす 。これらの材料は、例えば米国特許第3,174,851号および第3,351,463号に記載さ れている。これら合金は、ストレスが一旦取り除かれたときにほぼ完全に元の形 態に弾性的に復帰するそれらの能力のため、特に適している。このため、アクチ ュエータワイヤ（20）のサイズは、例えば直径約0.005インチとかなり小さくて もよく、得られる器具は、身体の非常に小さな領域にも接近することができる。 このような合金を選択することにより、アクチュエータ部材が身体の脈管構造中 を通過する際の実質的なストレスに耐え、なおかつ曲げが解消された（traverse d）ときに、任意のキンクまたは曲げの痕跡を残さずに元の形状に戻ることが可 能になる。 アクチュエータまたは制御ワイヤ（20）は、近位セクション（26）および遠位 セクション（30）を有する。近位セクション（26）は、約0.005から0.025インチ 、好ましくは0.010から0.018インチの均一な直径を好ましくは有する。比較的よ り可撓性の高い遠位セクション（30）は、ワイヤ（20）の遠位部分においてしば しば３〜30センチメートルにわたって延びる。中間セクションに隣接するワイヤ の２つの部分の中間の直径を有する中間セクションを設けてもよい。または中間 セクションは、連続的なテーパーであり得、多くのテーパー状セクションまたは 異なる直径を有する部分を有し得、またはその全長に沿って均一な直径でそして 遠位セクションでまたはその近辺でテーパー状であり得る。完全長アクチュエー タワイヤ（20）は、 約50と300cmとの間、代表的には約175と190cmとの間であり得る。下記に説明す るように、制御ワイヤの遠位先端部は、コイルセクションを形成するように覆わ れ得るか、または独立にコイルに取り付けられ、第２のアクチュエータ部材（22 ）の遠位端（32）と調節可能なループを形成し得る。 第２の細長いまたはアクチュエータ部材（22）は、一般に第１のアクチュエー タの長さ近辺、例えば長さ50と300cmとの間、代表的には長さ175と190cmとの間 である。図１Aおよび２Aに示す変形例においては、第２のアクチュエータ（22） は、本発明の器具上の係蹄アセンブリを作動させるために第１のアクチュエータ 部材（20）が動くときに位置を保持するという意味において、静止しているとし て示される。第２の細長いまたはアクチュエータ部材（22）は、適切な圧縮強度 を有する任意の生体適合性材料、例えば金属、合金、ポリマー、複合体（compos ite）などからなり得る。特に有用であるのは、ステンレス鋼のような合金およ びニチノールのような超弾性合金である。適切なポリマーとしては、ポリイミド 、ポリエチレンテレフタレート（PET）、ポリウレタン、ある種のポリエチレン 、ポリプロピレン、および大部分のナイロンがある。第２のアクチュエータ部材 （22）はまた、多層の組み紐（同軸上に配置されたポリマー性チューブおよび金 属またはポリマー性組み紐からなる）のような複合体、または金属コイルまたは リボンを補強材として用いて同様に強化された複合体からなっていてもよい。強 度および可撓性について最適化されれば、他 の多層の部材構造もまた適切である。第２のアクチュエータ部材の可撓性を、代 表的には遠位端に接近するに従ってより可撓性になるように変化させることによ って、器具が脈管領域により効率的に接近することを可能にすることも考えられ る。 図１Aおよび２A、２B、および２Cに示すように、望ましい変型例においては、 約0.008と0.030インチとの間、好ましくは約0.012インチの内径、および約0.012 と0.035インチとの間、好ましくは約0.016インチの外径を有するステンレス鋼ハ イポチューブ（hypotube）からなる、第２の細長いアクチュエータ部材（22）を 使用する。 この好ましい変型例においては、第２のアクチュエータ部材（22）は、その遠 位端（32）上で拡張コイル（40）に接続されている。拡張コイル（40）は、長い 本発明の回収器が相並んで曲がることを可能にし、そしてそれによってより容易 に様々な接近カテーテルおよび開口脈管構造中を通過する。拡張コイル（40）は 、代表的には第２の細長い部材（22）と同じ内径および外径を有する。拡張コイ ル（40）は、第２の細長い部材（22）の可撓性拡張部を形成する。拡張コイル（ 40）は、ステンレス鋼、プラチナ、金、またはそれらの合金であってもよく、長 さ約20と50cmとの間である。または、コイルは、ステンレス鋼、プラチナ、金、 または合金リボンまたは組み紐によって代替され得る。好ましくはステンレス鋼 であるが、プラチナまたはケブラー（kevlar）からなっていてもよく、直径が約 0. 002と0.003インチとの間である保持ストリング（retainer string）（50）を、 コイル（40）の管腔（46）の内部に取り付けることによって、コイルの伸びを防 いでもよい。組み紐部材の場合はストリングを必要としない。 ２つの小さな係蹄コイル（60および62）は、それらの遠位端で結合され、そし てさらにそれらの近位端で、一つは拡張コイル（40）の遠位端（44）、そして一 つは第１のアクチュエータ部材または制御またはアクチュエータワイヤ（20）の 遠位端（28）と結合されて、調節可能なループ（72）を形成する。この調節可能 なループ（72）が、体内管腔または空洞内から外来の物体または物品を引っぱり 出す。具体的には、代表的には長さ約0.5と1.0cmとの間でかつコイル径が約0.00 7インチと0.009インチとの間である係蹄コイル（60）が、ストリング（50）また は使用されていれば組み紐の遠位端（52）に取り付けられており、そしてはんだ 付けまたはその他の方法で、拡張コイル（40）の遠位端（44）に接続される。小 さな係蹄コイル（62）は、好ましくは、回収器具（10）の末端の位置が放射線写 真で透視可能なように、プラチナまたは金などの放射線不透過性金属からなる。 やはり好ましくは放射線不透過性材料からなり、そして代表的には上記の小さな 係蹄コイル（60）と同様のサイズである第２の小さな係蹄コイル（62）が、第１ のアクチュエータ部材またはワイヤ（20）の遠位端（28）に接続されている。本 発明のこの変型例においては、やはり放射線不透過性のマーカーからなっていて もよい丸いボール（64）が、小さな係蹄コ イル（62）の近位端（66）で、制限ブロック（limit block）としてはんだ付け される。小さな係蹄コイル（60）および（62）の遠位端（68）および（70）は次 に、代表的にははんだ付けまたは溶接によって結合され、調節可能ループ（72） を形成する。係蹄コイル（60および62）は、引き出されるべき物品上で鋸歯状の 掴み表面として作用し、そしてこれらの粗い表面のために、邪魔な物品をより確 実に引き出すことができる。 しばしば長さが約２と20cmとの間、代表的には長さ約４と５cmとの間であるア クチュエータハンドル（24）を、第１のアクチュエータ部材（20）の近位端（38 ）上に、それが第２のアクチュエータ部材（22）と少なくとも約１〜２cm重なる ように設ける。アクチュエータハンドル（24）は、第２のアクチュエータ部材（ 22）に用いられる材料と同様な材料からなり得るが、その材料の性質はここでは 重要ではない。しかしながら、ステンレス鋼などの金属が強度およびコストの観 点から望ましい。具体的には、アクチュエータハンドル（24）は望ましくは、約 0.012と0.034インチとの間、好ましくは約0.020インチの内径、および約0.016と 0.040インチとの間、好ましくは約0.025インチの外径を有する、ステンレス鋼ハ イポチューブである。アクチュエータハンドル（24）の近位端（82）は、クリン プ（crimp）その他の方法で第１のアクチュエータ部材または制御ワイヤ（20） に結合され、そしてそのアクチュエータワイヤ（20）を次に平らに整える（trim ）。結果として、アクチュエータハンドル（24）の、第２のアクチュエータ部材 （22）に対する長さ方 向または軸方向動きによりループ（72）の直径が調節される。アクチュエータハ ンドル（24）が第２のアクチュエータ部材（22）方向へ押されると、ループ（72 ）の直径が大きくなり、アクチュエータハンドルを遠い方向へ引くと、ループ（ 72）の直径が小さくなる。本発明の係蹄アセンブリへのねじれとアクチュエータ ハンドル（24）の動きとの組み合わせにより、脈管管腔（150）内から外来の物 体を捕捉し、除去またはその位置を移すことができる。アクチュエータハンドル （24）のねじれ動きには、若干量の制御または制限が必要な場合もあることに注 意しなければならない。何故なら、過剰なねじれの結果、係蹄コイル（60および 62）が互いに絡まってしまうことがあるためである。特に好ましい実施態様にお いては、図１Bに示すように、アクチュエータハンドル（24）はネジ山をきり、 同軸上に設けられた内側および外側部材（それぞれ90および92）を有していても よい。第１のアクチュエータ部材（20）の近位端は、ハンドル外側部材（92）の 内側部分に接続されている。ハンドル内側部材（90）および外側部材（92）は、 外側部材（92）が回転しかつ内側部材（90）が相対的に静止状態に保たれたとき に第１のアクチュエータ部材が制御可能に操作されるように、互いに接続される 。 図２Bは、図１Aおよび２Aに示した本発明の回収器具の変型例を示している。 本例においては、第２のアクチュエータ部材（141）の遠位端は、より小さな直 径にテーパー付けまたはスエージ加工（swaged）されているため、拡張コイル（ 40）が大き な領域ではんだ付けまたは溶接され、強く取り付けられる。 図２Cは、器具の遠位直径を最小にし、小さな径の脈管構造中へのその接近可 能性を最適化するために拡張コイル（143）をテーパー状にした、本発明の変型 例を示している。 図３は、保持ストリング（50）を省略し、拡張組み紐（145）を拡張コイル（4 0）上に配置し、伸びを防ぎかつ脈管構造中を通過する際に曲がることを可能に している、本発明の変型例を示している。 図４Aおよび４Bは、保持ストリング（151）をその遠位先端部で平坦化するこ とにより、係蹄コイルの動きを、保持ストリング（151）の平坦化された領域の 平面に略垂直な単一平面に制限している器具を示している。本変型例においては 、アクチュエータワイヤ（153）もまた平坦化され、器具の制御可能性をさらに 高めている。すなわち、アクチュエータワイヤ（153）を引いたときまたは押し たとき、係蹄コイルは、図４Bに示した矢印の方向にのみ動く傾向を有している 。アセンブリ全体をねじる能力と連携して、本器具は、脈管の折れ曲がり（bend s and kinks）中を通し、所望の物品を掴むための位置に送り込む操作が容易で ある。さらに、保持ストリング（151）およびアクチュエータワイヤ（153）上の 平坦化された領域のエッジに対する反動する動きに対して係蹄コイルの抵抗力が 増大し、そしてその方向に垂直（normal）な抵抗力が低下する。 上述の回収器具（10）は、カテーテル（104）中に挿入することによって、容 易に標的部位に接近することができる。図５は、 そのようなカテーテルおよび回収器アセンブリ（130）を示している。カテーテ ル（104）は、可撓性回収器（10）を受け入れるための中心軸管腔（110）を有し ている。カテーテル（104）の構造およびサイズは、末梢脈管系の小さな脈管内 に挿入されることが可能でかつ回収器（10）がその管腔（110）内に挿入可能な ようにされている。カテーテル（104）は、米国特許第4,955,862号に記載された 構造およびサイズ、または任意の他の構成を有していてもよい。 回収器（10）は、カテーテル（104）の全長を通じて軸方向に延び、かつその カテーテル（104）の遠位端（120）から外に延びている。 図６A〜Dは、カテーテルおよび回収器アセンブリ（130）をどのように用いて 脈管（150）内から物体を回収するかを示している。図６Aから明らかなように、 アセンブリ（130）は、カテーテル（104）の遠位端（120）が脈管（150）より除 去されるべき物体−−図示例では血管閉塞コイル（140）に近接するように、脈 管（150）中に挿入される。アセンブリ（130）のこのような場所への挿入は、従 来の方法によって達成される。一旦アセンブリ（130）が位置決めされると、第 ２のアクチュエータ部材（22）を静止位置に保ちながらアクチュエータハンドル （24）を進めることより、回収器具（10）のループ（72）が大きくされる。この 軸方向操作を、図６Bの矢印（160）によって示す。カテーテル（104）中での回 収器具（10）の軸方向操作を容易にするため、生理学的に受容可能な流体（図６ A中に矢印（162）によって示す） を、カテーテル（104）の管腔（110）中を通じてポンプで送ることによって、回 収器具（10）とカテーテル（104）との間の潤滑を提供し得る。脈管内でループ （72）を操作することによって、邪魔な血管閉塞コイル（140）を捕捉する。図 ６Bおよび６Cを参照。さまようコイル（140）が捕捉されると、ループ（72）は 、矢印（164）で示されるようにアクチュエータハンドル（24）の軸方向動きに よって引き戻され（図６Cおよび６D参照）、コイル（140）は、ループ（72）に よって回収器（10）の遠位端（12）に固く保持される。このように捕捉され、そ して固く保持されたコイル（140）は、カテーテルおよび回収器アセンブリ（130 ）を脈管から引き出すことによって、脈管（150）から取り出される（図６D参照 ）。 上述の図は、管状部材およびアクチュエータワイヤをアクチュエータとして備 えた回収器具の好ましい変型例を示しているが、器具の有用な構成は、他にも多 く考えられる。図７〜10は、本発明の複式の係蹄コイルループを用いた他の変型 例を示している。 図７は、この場合においてはカテーテル本体（168）および２つの制御ワイヤ （170および172）である細長い部材を示している。これらの制御またはアクチュ エータワイヤは、アクチュエータ部材またはワイヤ（20）に関する図１Aおよび ２Aの説明において上述した材料からなり得る。アクチュエータワイヤ（174およ び176）の遠位端は、先に記載した２つの小さな係蹄コイル（60および62）の近 位端（76および66）に取り付けられて いる。係蹄コイル（68および70）の遠位端は、代表的にははんだ付けまたは溶接 によって接合され、調節可能ループ（72）を形成している。調節可能ループ（72 ）が回収されるべき対象物に近くなるように、回収器アセンブリ（178）が脈管 構造中に位置決めされる。対象物の位置を再配置するか除去され得るように対照 物を捕捉するために、カテーテル本体（168）を静止状態に保ちながら制御ワイ ヤ（170および172）のいずれか一方のまたは両方の近位端を操作することによっ てループ（72）を調節する。 図８は、図７に示された回収器具と同様な構成を有する回収器具を示している 。２つの制御またはアクチュエータワイヤ（170および172）が、カテーテル（16 8）の管腔内部に設けられている。一方のワイヤ（170）の遠位端（174）と、一 方の係蹄コイル（60）の近位端（76）とが、代表的にははんだ付けまたは溶接に よって、カテーテル本体（168）に結合されている。他方のワイヤ（172）の遠位 端（176）が、他方の係蹄コイル（62）の近位端（66）に結合されているが、カ テーテル本体（168）には結合されていない。係蹄コイル（60および62）の遠位 端（68および70）は、上述のように結合されており、調節可能ループ（72）を形 成している。このループ（72）は、取り付けられていない方のアクチュエータワ イヤ（172）の近位端を操作することにより調節される。 図９および10は、本発明の回収器具の他の２つの別の実施態様を示している。 図９において、制御またはアクチュエー タワイヤ（170）がカテーテル（168）の管腔中に挿入されている。係蹄コイル（ 60および62）の近位端（76および66）は、カテーテル（168）の遠位端（188）お よび制御ワイヤ（170）の遠位端（174）に、それぞれ結合されている。係蹄コイ ル（60および62）の遠位端（68および70）は結合されて調節可能ループ（72）を 形成している。制御ワイヤ（170）の近位端を操作することにより、ループ（72 ）の調節を可能にし、対象物を捕捉し脈管内で再配置または取り出す。 図10において、0.005と0.025インチとの間、好ましくは0.01と0.018インチと の間の直径を有する小径内側カテーテル（180）が、外側カテーテル（168）の管 腔内に挿入されている。係蹄コイル（60および62）の近位端（76および66）は、 外側カテーテル（168）の遠位端（188）および内側カテーテル（180）の遠位端 （182）に、それぞれ図示されるように結合されている。係蹄コイル（60および6 2）の遠位端（68および70）は、結合されて調節可能ループ（72）を形成してい る。内側カテーテル（180）の近位端を操作することにより、ループ（72）の調 節を可能にする。 医療用器具分野の当業者に自明な本発明の上述の変型例の改変は、以下の請求 項の範囲内であることが意図される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)， ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，Ｃ Ｈ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ， ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，Ｍ Ｎ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＴ，ＵＡ， ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 セペッカ，イワン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94063, レッドウッド シティ，17ティーエイチ アベニュー 1148 (72)発明者 ジア，サン アメリカ合衆国 カリフォルニア 95111, サン ホセ，トポック コート 3588 (72)発明者 パム，ピート フォング アメリカ合衆国 カリフォルニア 94538, フレモント，コンデ コート 5049 (72)発明者 サムソン，ジーン アメリカ合衆国 カリフォルニア 95035, ミルピタス，バソナ ストリート 645

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．脈管内から物体を捕捉しおよび取り出すための医療用回収器具であって、 （a）近位端および遠位端を有する第１のアクチュエータであって、該第１の アクチュエータ遠位端に固定された第１の係蹄コイルを有する第１のアクチュエ ータと； （b）近位端および遠位端を有する第２のアクチュエータであって、該第２の アクチュエータの遠位端に固定された第２の係蹄コイルを有し、該第１および第 ２の係蹄コイルの遠位端が結合されてループを形成している、第２のアクチュエ ータとを有し； 該第１のアクチュエータが第２のアクチュエータに対して長軸に沿って動くこ とにより、ループのサイズが調節可能である、医療用回収器具。 ２．前記第２のアクチュエータが、前記近位端と前記遠位端との間に延びる管腔 をさらに有し、前記第１のアクチュエータが該第２のアクチュエータ部材の該管 腔中に受け入れられる、請求項１に記載の器具。 ３．前記第２のアクチュエータの前記遠位端が、該第２のアクチュエータ部材の 管腔から延びる管腔を有する拡張コイルを有する、請求項２に記載の器具。 ４．前記第１および第２の係蹄コイルが、それらの遠位端で、放射線不透過性マ ーカー部材により結合している、請求項１に記載の器具。 ５．前記第１のアクチュエータがアクチュエータワイヤである、請求項２に記載 の器具。 ６．前記アクチュエータワイヤが、ステンレス鋼および超弾性合金からなる群よ り選択される材料からなる、請求項５に記載の器具。 ７．前記材料がニチノールである、請求項６に記載の器具。 ８．近位端および遠位端およびその間に延びる管腔を有するアクチュエータハン ドルをさらにに有しており、ここで該アクチュエータハンドルの遠位端が前記第 ２のアクチュエータの近位端を同軸で取り囲み、そして該アクチュエータハンド ルの近位端が前記第１のアクチュエータの近位端を同軸で取り囲みなおかつ該近 位端に固定される、請求項２に記載の器具。 ９．前記第２のアクチュエータが、ステンレス鋼、プラチナ、ニチノール、ポリ イミド、ポリエチレンテレフタレート、ポ リウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびナイロンからなる群より選択 される材料からなる、請求項８に記載の器具。 １０．前記第２のアクチュエータがステンレス鋼からなる、請求項９に記載の器 具。 １１．前記第１および第２のアクチュエータ部材が制御ワイヤである、請求項１ に記載の器具。 １２．前記制御ワイヤを同軸で取り囲むアクチュエータハンドルをさらに有する 、請求項１１に記載の器具。 １３．前記第１の係蹄コイルの近位端が前記第１のアクチュエータ部材の遠位端 に固定される、請求項１２に記載の器具。 １４．前記第１のアクチュエータが制御ワイヤであり、前記第２のアクチュエー タが該制御ワイヤを同軸に取り囲む管腔を有するカテーテル本体である、請求項 １に記載の器具。 １５．前記第１および第２のアクチュエータ部材が管腔を有するカテーテル本体 であり、ここで該第２のアクチュエータが該第１のアクチュエータよりも小さい 管腔を有しており、そして該第１のアクチュエータが該第２のアクチュエータ部 材を同軸に取り囲む、請求項１に記載の器具。 １６．前記第２のアクチュエータ拡張コイルがテーパー状である、請求項３に記 載の器具。 １７．前記第２のアクチュエータ拡張コイル管腔が、該管腔の各端部で固定され た保持ワイヤを含む、請求項３に記載の器具。 １８．前記保持ワイヤが、遠位端および近位端を有し、そして該保持ワイヤが該 遠位端で平坦化されている、請求項１７に記載の器具。 １９．前記第１のアクチュエータがアクチュエータワイヤである、請求項３に記 載の器具。 ２０．前記第１のアクチュエータがアクチュエータワイヤでありかつ遠位端およ び近位端を有し、そして該アクチュエータワイヤが該遠位端で平坦化されている 、請求項３に記載の器具。 ２１．前記第１のアクチュエータがアクチュエータワイヤでありかつ遠位端およ び近位端を有し、そして該アクチュエータワイヤが該遠位端で平坦化されている 、請求項１８に記載 の器具。 ２２．前記第２のアクチュエータが遠位端および近位端を有し、そして該第２の アクチュエータの可撓性が、遠位端に向かってより可撓性であるように変化して いる、請求項２に記載の器具。 ２３．脈管内から物体を捕捉し、そして取り出すための医療用回収器具およびカ テーテルアセンブリであって、 （a）遠位端、近位端、およびそれらの間に延びる管腔を有するカテーテル本 体であって、該カテーテル本体は、該物体の部位まで該脈管に沿って進行し得る カテーテル本体と； （b）近位端および遠位端を有する第１のアクチュエータであって、該遠位端 に固定された第１の係蹄コイルを有する第１のアクチュエータと； （c）近位端および遠位端を有する第２のアクチュエータであって、該アクチ ュエータの遠位端に固定された第２の係蹄コイルを有し、該第１および第２の係 蹄コイルの遠位端が結合されてループを形成する、第２のアクチュエータとを有 し； ここで該ループのサイズが一方のアクチュエータが他方のアクチュエータに対 して長軸方向に沿って動くことにより、ループのサイズが調節可能である、医療 用回収器具およびカテーテルアセンブリ。 ２４．前記カテーテル本体と前記第１のアクチュエータ部材との間に潤滑を提供 するために、生理学的に受容可能な流体を該カテーテル本体管腔中を遠位方向に 通過させるための手段を含む、請求項２３に記載の器具。