JPH08508226A - 容器の充填法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 散布されるべき物質と高圧噴射剤とを充填する容器をパージする方法およびパージングによって生成したエアゾールディスペンサー。弁を容器の上に置き、弁を容器にシールする前に、一定量の高圧噴射剤を容器に導入する。噴射剤を膨脹させることによって、弁と容器との間のシールされていない接続部を通して容器から空気を押し出す。次に弁を、容器にシールする。

Description

【発明の詳細な説明】 容器の充填法 本発明は、散布される（dispensed）べき物質と噴射剤とを充填する容器から 、空気を除去する方法に関する。この空気の除去は、通常は「パージング」とし て知られており、本明細書ではこの空気の除去を「パーシング」と記載する。 本発明は、詳細には、室温では気体であるが加圧下では液状に保持される噴射 剤に懸濁または溶解した医薬材料などの物質を充填する容器をパージングする方 法に関する。このような噴射剤は、高圧噴射剤として知られている。この種の充 填法は、英国特許第２２３６１４６号明細書に記載されている。この充填法では 、懸濁液を容器に充填した後、医薬材料をその中に含まない高圧噴射剤の量を充 填ヘッドを通して圧送することによって、充填ヘッドを清掃し、充填ヘッドが持 ち上げられているときには懸濁液は大気中に逃げ出さないようになっている。高 圧噴射剤が関与するので、充填は容器の放出口弁を通して行なわれる。 弁を容器にひだをつけて（crimped）固定するときには、充填前、容器には空 気が充満している。容器を充填すると、明らかに加圧下であっても、空気は閉じ 込められたままになる。空気が含まれていることは、物質を作動時に追い出す噴 射剤の作用に役に立たず、空気が純粋でなければ内容物の無菌性が悪くなること もある。 真空下で、容器から空気を除去して、充填手続きを行なうことは現実的でない 。必要な装置は極めて高価であり、この方法で総ての空気を除去することはでき ず、さらに、弁は真空または部分的真空に耐えるように設計されていないのが普 通であるからである。 液状石鹸溶液および揮発性の噴射剤を含む容器からの空気のパージングが、米 国特許第２６８４８０６号明細書に開示されている。この特許明細書には、開放 容器に石鹸溶液を部分的に充填した後、石鹸溶液中にガスを導入して、このガス が溶液を膨脹させて気泡となり、これが容器を満たすようになる工程を含んでな るパージング法が開示されている。続いて、弁を容器にシールし、揮発性噴射剤 を弁を通して導入する。 このパージング系は、ＧＢ−Ａ−２２３６１４６号明細書に記載されている充 填法には適さないことは明らかである。石鹸溶液と同等のものは、医薬材料を高 圧噴射剤に懸濁したものであろう。石鹸溶液とは異なりこれは揮発性であり、と にかく、医薬材料を大気と開放接触させることは極めて望ましくないことである 。高圧噴射剤だけを開放容器に入れたとしても、これは時間が経つと蒸発するで あろうし、容器を速やかに閉じたとしても、容器のバルブフィッティング状態へ の移動により空気の動揺が生じたり、容器が空気をその中に取り込み易くなるで あろう。 本発明によれば、散布されるべき物質と高圧噴射剤とを充填する容器をパージ ングする方法であって、 弁を容器上にシールせずに置き、 この容器に一定量の高圧噴射剤を導入し、 高圧噴射剤を膨脹させて、容器中の空気を弁と容器との間のシールしていない 接続部を通して押しだし、そして 弁を容器にシールする 工程を含んでなるパージング法が提供される。 本発明は、容器と、この容器にシールした弁とを含んでなるエアゾールディス ペンサーであって、 弁を容器上にシールせずに置き、 この容器に一定量の高圧噴射剤を導入し、 高圧噴射剤を膨脹させて、容器中の空気を弁と容器との間のシールしていない 接続部を通して押しだし、 弁を容器にシールし、そして 弁が容器にシールされてしまった後、散布されるべき物質と追加量の高圧噴射 剤とを弁を通して容器に導入する 工程を含んでなる方法によって容器がパージングされ、充填されることを特徴と するエアゾールディスペンサーも提供する。 意外にも、弁を容器上に緩くして置くと、蒸発する高圧噴射剤が弁の回りの空 気を追い出し、空気が容器中に入らないようになることが判明した。アンダー・ バルブ（under-valve）パージングも可能であるが、高圧噴射剤を弁を通して容 器中に充填するのが最も有利である。 本発明のパージング法の利点は散布されるべき物質が高圧噴射剤の懸濁液また は溶液でない充填法においても得られるということが強調されるべきである。既 知の方法によれば、開放容器に低圧噴射剤（すなわち、室温で液状であるもの） に溶解した物質を部分的に充填することができる。次に、弁を容器上に置き、前 記のようにして空気をパージした後、弁をシールし、次いで高圧噴射剤の最終量 を弁を通して導入することができる。 本発明の一態様を、本発明によるパージング法を、例示として、図解的に示す 下記の図面を用いて更に詳細に下記に説明する。 図面はパーシングおよび充填行程の３つの連続した状態Ａ、ＢおよびＣを示す 。状態Ａでは、空の容器１には弁２を単に載せただけであり、弁は容器上にシー ルされておらず、容器の最上部の回りに若干の空気隙間が残されている。 状態Ｂでは、充填ヘッド３が容器まで下がり、一定量の高圧噴射剤を容器内に 注入する。この量は例えば、液体噴射剤０．２ｇであることができる。充填ヘッ ド３の構造は当業者によってよく理解されているので、この充填ヘッドは詳細に は記載しておらず、この充填ヘッドは、一体的な計量装置を備えた標準的ガス抜 きヘッドど同等である。 噴射剤は容器の底に溜まり、蒸発して、容器から空気を置換する。実際には、 噴射剤は空気より重いので、空気を容器の底から上方へと移動させるのである。 膨脹する噴射剤の圧により弁が外れてしまうのを防止するため、充填ヘッドは 、例えば２０ｃｍ／秒の速度で弁からゆっくりと引き離すべきである。ヘッドを 弁から引き離したら、それは、もっと早い速度で引っ込めることができる。 状態Ｃでは、弁を通常の方式でひだつけヘッド４によって容器に固定する。 シールした容器は充填位置に移動させることができ、その位置で弁を通して医 薬物質を高圧噴射剤に懸濁したものを充填した後、場合によっては噴射剤だけを 充填して充填ヘッドをクリーニングすることができる。 医薬物質は、例えばサルブタモル、ベクロメタゾン・ジプロピオネート、サル メテロールまたはフルチカゾンプロピオネートであることができる。 パージング噴射剤は、充填噴射剤、例えば１，１，１，２−テトラフルオロエ タン、すなわちプロペラント１３４ａと同じものであることができる。 前記のパージング法は極めて効率的であることが見出だされているが、これは パージングが起こつている間に弁が所定部位にあり、噴射剤の損失および空気の 取り込みがさけられ、更に弁自身に入っている空気がパージングされるからであ る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ， ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 散布されるべき物質と高圧噴射剤とを充填する容器をパージングする方 法であって、 弁を容器上にシールせずに置き、 この容器に一定量の高圧噴射剤を導入し、 高圧噴射剤を膨脹させて、容器中の空気を弁と容器との間のシールしていない 接続部を通して押しだし、そして 弁を容器にシールする 工程を含んでなるパージング法。 ２． 高圧噴射剤を、弁を通して容器に導入する、請求の範囲第１項に記載の 方法。 ３． 高圧噴射剤を、弁と容器との間のシールしていない接続部を通して容器 に導入する、請求の範囲第１項に記載の方法。 ４． 高圧噴射剤が、１，１，１，２−テトラフルオロエタンである、請求の 範囲第１〜３項のいずれか１項に記載の方法。 ５． 弁を、ひだつけヘッドによって容器にシールする、請求の範囲第１〜４ 項のいずれか一項に記載の方法。 ６． 請求の範囲第１〜５項のいずれか一項に記載の方法によって容器をパー ジングする工程と、弁を容器にシールした後、散布されるべき物質と追加量の高 圧噴射剤とを弁を通して容器に導入する工程を含んでなる、容器を充填する方法 。 ７． 散布されるべき物質が医薬物質である、請求の範囲第６項に記載の方法 。 ８． 医薬物質がサルブタモルである、請求の範囲第７項に記載の方法。 ９． 医薬物質がベクロメタゾンジプロピオネートである、請求の範囲第７項 に記載の方法。 １０． 医薬物質がサルメテロールである、請求の範囲第７項に記載の方法。 １１． 医薬物質がフルチカゾンプロピオネートである、請求の範囲第７項に 記載の方法。 １２． 実質的に本明細書に記載の方法。 １３． 容器と、この容器にシールした弁とを含んでなるエアゾールディスペ ンサーであって、その容器が請求が範囲第６〜１１項のいずれか一項に記載の方 法によって充填されることを特徴とする、エアゾールディスペンサー。