【発明の詳細な説明】
抗腫瘍組成物及び処置方法
最近の数年間において、新生物病に対抗するための化学的試薬及び治療レジメ
の発展において基礎的な進歩が成し遂げられた。これらの継続的な進歩にもかか
わらず、癌は耐え難い程度のヒトの痛み及び苦しみを強い続けている。新生物病
及び白血病を処置する新しい、より良い方法が必要性とされているために、特に
手術不能の又は転移性固形腫瘍の分野(種々の型の肺癌など)における新しいク
ラスの抗腫瘍化合物を発見するための努力が行われ続けている。毎年米国におい
て診断される100万の新しいケースの癌の内、非造血性腫瘍は90%以上存在
し、この場合、5年間生存率の改善はせいぜい中程度であった[B.E.Hen
dersonら、Science,254:1131−1137(1991)]
新生物に関係する基礎的な生物学的プロセスに関する最近のなだれの様な情報
は腫瘍の不均一性を我々に深く理解させた。さらなる研究によって、個々の腫瘍
が核型、形態、免疫原性、成長速度、転移能及び抗新生物薬に対する反応などの
重大な性質が異なる多数の新生物細胞の副集団を含有するかもしれないことが認
識されるに至った。
新生物細胞集団間におけるこの極度の不均一性のために新しい化学療法剤は広
い活性スペクトル及び大きな治療指数を有していなければならない。さらには、
その様な試薬は化学的に安定で他の試薬と和合性でなければならない。化学療法
のレジメが出来る限り簡便であり患者にとって痛みがないこともまた重要である
。
この発明は固形腫瘍の処置に有用な一連の新規なスルホニル尿素を報告する。
これらの化合物は経口的に活性であり、このため、もちろん患者に対して外傷が
より少ない結果となり、比較的非毒性である。これらの化合物はまた優れた治療
指数を有している。これらの化合物及びそれらの製剤は新規である。
多数のスルホニル尿素類が本分野において既知である。これらの化合物のある
ものは低血糖活性を有することが知られており、その様な試薬として医薬的に使
用されてきた。さらにはいくつかのスルホニル尿素類は除草活性及び抗真菌活性
を有していることが教示されていた。この構造型の化合物の一般的なレビューは
Kurzer[Chemical Reviews,50:1(1952)]及
びC.R.Kahn及びY.Shecher[Goodman and Gil man’s The Pharmacological Basis of T herapeutics
(Gilmanら、第8編、1990)1484−14
87]によって教示されている。
いくつかのジアリルスルホニル尿素類は活性な抗腫瘍試薬であると報告されて
きた。例えばF.Mohamadi及びM.Speesの米国特許第5,169,
860号(1992年12月8日登録);Harperらの米国特許第4,84
5,128号(1989年7月4日登録);Harperらの米国特許第5,11
0,830号(1992年5月5日登録);G.A.Pooreの米国特許第5,
116,874号(1992年5月26日登録);欧州特許公開0467613
(1992年1月22日公開);Grindeyら、American Ass ociaton of Cancer Research
,27:277(19
86);及びHoughtonら、Cancer Chemotherapy and Pharmacology
,25:84−88(1989)。
本発明は式I
[式中、Aは、
(式中、R1はC1−C6アルキル;R2及びR3は水素、ハロ、C1−C6アルキ
ル及びトリフルオロメチルからなる群から独立して選択されるが、但しR2及び
R3の内の1つ以上は水素ではないことを条件とする)である]で示される新規
化合物又はそれらの医薬的に許容される塩又は溶媒和物及びそれらの塩及び溶媒
和物を提供する。この様な化合物は特に哺乳動物が罹患し易い新生物の処置に有
用である。
本明細書において、「ハロ」という用語はフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨー
ドを表す。「C1−C6アルキル」という用語は炭素原子数1から6の直鎖及び分
枝鎖を表し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
t−ブチル、ペンチル、イソペンチル及びヘキシルを含むがこれらに限定されな
い。
好ましい化合物は、R2及びR3が水素、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、
メチル、エチル及びトリフルオロメチルからなる群から独立して選択される式I
で示される化合物である。
式Iの化合物は一般に、N−[[(置換されたフェニル)アミノ]カルボニル
]−2,3−ジヒドロ−1H−インドールスルホンアミド類又はN−[[(置換
されたフェニル)アミノ]カルボニル]−(N1−置換されたインドール)スル
ホンアミド類の誘導体として表される。別法では、この化合物は1−(置換され
たフェニル)−3−(N1−置換されたインドールスルホニル)尿素類又は1−
(置換されたフェニル)−3−(2,3−ジヒドロ−1H−インドールスルホニ
ル)尿素類、又はN−及びN’−置換スルホニル尿素類として表される。
式Iの化合物は文献において既知の方法によって製造できる。一般には、これ
らの方法はスルホンアミドとイソシアナートとの反応又はスルホニルカルバメー
トと適切に置換されたアニリンとの反応のいずれかを包含する。
式Iの化合物を調製するための好ましいプロセスは式II
で示される適切に置換されたスルホンアミドと式III
で示されるイソシアナートとを反応させて式Iに相当する化合物を提供すること
を包含する。
この反応は一般に水及び水混和性、非反応性溶媒(テトラヒドロフラン又はア
セトンなど)中、塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、
ナトリウムメトキシド、水素化ナトリウムなど)の存在下にて行う。他の割合も
可能であるが、一般に等モル又は少し過剰モルのIIIを使用する。通常、使用
された塩基の量はIIの量とほとんど等モルである。この反応は一般に約0℃か
ら約100℃までにて行う。好ましい温度は約20℃から約30℃であり、この
反応は普通、約3時間以内で完了する。
式Iの化合物を調製する他の好ましいプロセスは、式IIのスルホンアミドと
式XCOOR4(式中、Xはブロモ又はクロロであり、R4はアルキル基、好まし
くはC1−C3アルキルである)で示されるアルキルハロホルメートとを反応させ
て式IVのカルバメートを得ることを包含する。
式IVのカルバメートを次に式Vのアニリン誘導体と反応させて式Iに相当す
る生成物を得る。
IIのIVへの転換を通常、アセトン又はメチルエチルケトンなどの非反応性溶
媒中、炭酸アルカリ金属(例えば炭酸カリウム)などの酸スカベンジャーの存在
下で完成する。他の割合も使用可能であるが、通常、1モル過剰のハロホルメー
トを加える。反応混合物を約30℃からその混合物の還流温度までの温度に、約
1−6時間の間加熱して所望の中間体IVを得る。
次に、中間体カルバメートIV及び置換されたアニリンVを、ジオキサン、ト
ルエン又はジグリムなどの不活性で高沸点の溶媒中、約50℃からその混合物の
還流温度までの温度にて一緒に加熱して式Iの所望の生成物を得る。
式IVのカルバメートはAtkins及びBurgessによって記載された
手順によっても合成できる[G.Atkins及びE.Burgess、Jou rnal of the American Chemical Societ y
,94;6135(1972)]。このプロセスにおいてはトリエチルアミン
及び置換アニリンをベンゼンなどの溶媒の存在下に混合する。この混合物に塩化
スルファモイルを加え式Vのカルバメートを生成する。
中間体II、III及びV及びこれらの調製方法に必要な他のいかなる試薬も
市販されており又は本分野にて既知の方法により調製できる。
本発明は式Iの化合物の医薬的に許容される塩を用いる方法を包含し、また塩
Iの化合物の医薬的に許容される塩をも包含する。式Iの化合物はアルカリ金属
又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩及び重炭酸塩なとの塩基物質(水酸化
ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチ
ウムなどを含むがこれらに限定されない)と反応させて対応するナトリウム、リ
チウム又はカルシウムなどの医薬的に許容される塩を得ることができる。メチル
アミン、トリエチルアミンなどの第1級、第2級及び第3級アルキルアミン類が
含まれる有機塩基も使用できる。
本発明はさらに式Iの化合物の医薬的に許容される溶媒和塩を包含する。式I
の化合物は水、メタノール、エタノール及びアセトニトリルなどの溶媒と結合し
て対応する水和物、メタノレート、エタノレート及びアセトニトリレートなどの
医薬的に許容される溶媒和塩を形成できる。
本実施例にて使用される用語及び略語は特に記載のない限りそれらの普通の意
味を有している。例えば、「℃」はセルシウス度を表す;「N」は規定又は規定
度を表す;「mmol」はミリモル又はミリモルズを表す;「g」はグラム又は
グラムズを表す:「ml」はミリリットル又はミリリットルズを表す;「M」は
モル又はモル濃度を表している;「FDMS」は電場脱着質量スペクトルを表し
ている;「EIMS」は電子イオン化質量スペクトルを表している;及び「NM
R」は核磁気共鳴を表している。
以下の実施例は式Iの化合物の調製をさらに例示する。これらの実施例は単な
る例示であり、本発明の範囲を限定する意図は決してない。
実施例1
N−[[(4−クロロフェニル)アミノ]カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1
H−インドール−5−スルホンアミド
N−アセチルインドリン(10g、0.062モル)を塩化メチレン(30m
l)中に溶解し、0℃まで冷却した。クロロスルホン酸(28.9g、0.248
モル)を15分かけて滴下して加えた。この反応混合物を次に40℃に加温し、
この温度を約2時間維持した。
2時間後、反応混合物を室温まで冷却し、注意して氷(300ml)の上に注
いだ。次に塩化メチレン(50ml)及びテトラヒドロフラン(10ml)を加
えた。次に有機層を硫酸ナトリウムの中へ滴下した。塩化メチレン(50ml)
を各々用いてさらに2回抽出を行い、硫酸ナトリウムの中へ滴下した。得られた
3つの有機層を合わせて固体を得るまで蒸発した。
得られた固体を可能な最小量のアセトン中に再溶解し、濃水酸化アンモニウム
(200ml)中に注いだ。得られた溶液を60℃に温め、次に水(400ml
)で希釈した。この溶液を室温に冷却し、次に数時間室温にて放置した。
N−アセチルインドリン−5−スルホンアミドを含む得られた固体を濾過によ
って集め、水で洗浄し、次いで減圧下に乾燥した。収量:8.01g(54%)
。
N−アセチルインドリン−5−スルホンアミド(7.2g、0.030モル)を
アセトン(16ml)中に懸濁し、1N水酸化ナトリウム(0,0315モル)
を加えた。5分以内に透明な少し黄色の溶液が生成し、これを室温にて15分間
攪拌した。
4−クロロフェニルイソシアナート(5.07g,0.033モル)をアセトン
(16ml)に溶解し、次にN−アセチルインドリン−5−スルホンアミドを含
む溶液に滴下して加えた。この混合物を室温にて1晩攪拌した。生成した固体を
濾過により除去し、濾液を1N塩酸(31.5ml)を用いて酸性化して粘着性
の白い沈殿を形成させた。この混合物を水(150ml)を用いて希釈し、室温
にて1晩攪拌した。得られた生成物、N−[[(4−クロロフェニル)アミノ]
カルボニル]−1−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スル
ホンアミドを濾過によって集めて、水で洗浄し、さらに減圧下で乾燥した。収量
:10.64g(90%)。
このN−[[(4−クロロフェニル)アミノ]カルボニル]−1−アセチル−
2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホンアミド(0.79g、0.0
02モル)にヒドラジン水和物(0.01モル)を加えて脱アセチル化した。こ
の混合物を70℃に温め、この温度を約5時間維持した。次にこの混合物を室温
まで冷却し、蒸発して油を得た。この油を水中に採り、酢酸エチル/テトラヒド
ロフラン混合物を用いて抽出した。有機層を硫酸ナトリウムを通して滴下し、蒸
発して油を得た。フラッシュクロマトグラフィー(3:1エーテル:ヘキサン及
び1%酢酸)によって標題の生成物を固体(0.17g、24%)として分離し
た。生成物の分析は以下の結果を与えた。1
H NMR(300MHz,d6-DMSO)δ2.99(t,J=8Hz,2H,CH2CH 2),3.55(t,J=8Hz
,2H,CH2CH 2),6.49(d,J=8Hz,1H,ArH),6.55(brs.1H,CH2NH),7.34
(ABq,J=8Hz,Δυ=21Hz,2H,ArH),7.51(sオーバーラップしているd,2H,
ArH),8.80(s,1H,ArNH),10.40(brs,1H,SO2NH);UV(EtOH)λmax(ε
)252(24510)nm;IR(KBr)3340,1607,1541,1494,1450,1170,1145,111
7,1065,576,および550cm-1;EIMS m/e351(M+)
C15H14ClN3O3Sとして分析:
理論値:C,51.21;H,4.01;N,11.94;S,9.11.
実測値:C,51.41;H,4.19;N,11.70;S,8.98.実施例2
N−[[(3,4−ジクロロフェニル)アミノ]カルボニル]−2,3−ジヒド
ロ−1H−インドール−5−スルホンアミド
インドリン−5−スルホンアミド−1−カルボン酸エチルの調製
クロロスルホン酸(125ml、1.9モル)が入ったフラスコにインドリン
−1−カルボン酸エチル(70.5g、0.37モル)を、窒素パージ下に激しく
攪拌し、20分かけて分配して加えた。このインドリン−1−カルボン酸エチル
は本分野において既知の手順を用いて調製した。例えばB.de Olivei
raら、Journal of the Chemical Society, Perkins Transactions I
、1977:1477(197
7)を参照せよ。室温にて90分後、反応混合物を注意して砕いた氷(500g
)上に注ぎ、塩化メチレン(3×200ml)で抽出した。合わせた有機抽出物
を硫酸カルシウムを通して濾過することにより乾燥し蒸発した。得られた粗塩化
スルホニルを濃水酸化アンモニウム(500ml)とともに2時間攪拌した。濾
過し、その後に水(500ml)で洗浄し、その後ジエチルエーテル(500m
l)で洗浄し、次いで減圧下に乾燥して生成物であるスルホンアミド(80.4
g、
81%)を白い固体として得た。
生成物の分析は以下の結果を与えた:
mp=164-165℃;Rf(1/1,EtOAc/ヘキサン)=0.28;1H NMR(300MHz,d6-DMSO)
δ1.26(t,3H,J=7.1Hz,CH2CH 3),3.13(t,2H,J=8.7Hz,CH2CH 2),3.97(
t,2H,J=8.7Hz,CH2CH 2),4.19(q,2H,J=7.1Hz,CH 2CH3),7.18(s,2H,D2
Oと置換,SO2NH 2),7.61-7.63(dとオーバーラップしているs,2H,Ar-H)お
よび7.70(bs,1H,Ar-H);UV(EtOH)λmax(ε)262.6(20668),208.6(20
726)および204.6(20527)nm;IR(KBr)3326,3229,1693,1489,1325,1186
,1046,911,828および768cm-1;
FDMS(MeOH)m/e270(M+).
C11H14N2O4Sとして分析:
理論値:C,48.88;H,5.22;N,10.36.
実測値:C,49.08;H,5.40;N,10.56.
1N水酸化ナトリウム溶液(44ml)及びアセトン(22ml)中のインド
リン−5−スルホンアミド−1−カルボン酸エチル(12.0、44.0ミリモル
)の溶液に、アセトン(22ml)中の3,4−ジクロロフェニルイソシアナー
ト(8.6g,44.3ミリモル)の溶液を10分間かけて滴下して加えた。2時
間後、この混合物を濾過し、濾液を1N塩酸溶液(44ml)を用いて処理した
。得られた固体を濾過によって集め、水(100ml)ですすぎ、次にエタノー
ル(250ml)中に1時間スラリー化した。濾過し、その後エタノール(50
ml)で洗浄し、その後ジエチルエーテル(200ml)で洗浄し、さらに減圧
下乾燥して精製されたN−[[(3,4−ジクロロフェニル)アミノ]カルボニ
ル]−2,3−ジヒドロ−1−エチルカルボキシレート−1H−インドール−5
−スルホンアミドを得た。収量:17.8g(89%)。
生成物の分析は以下の結果を与えた:
mp=187-188℃;Rf(9/1,CHCl3/MeOH)=0.35;1H NMR(300MHz,d6-DMSO)δ1.2
6(t,3H,J=7.0Hz,OCH2CH 3),3.15(t,2H,J=8.4Hz,CH2CH 2),4.00(t,2
H,J=8.4Hz,CH2CH 2),4.19(q,2H,J=7.0Hz,OCH 2CH3),7.27(m,1H,Ar-H
)
,7.50(d,1H,J=8.8Hz,Ar-H),7.68(s,1H,Ar-H),7.73-7.85(mオーバ
ーラップしているs,3H,Ar-H),9.10(s,1H,D2Oと置換,NH)および10.9(b
s,1H,D2Oと置換,SO2NH);IR(KBr)3350,1732,1677,1595,1540,1449,
1320,1197,1050および889cm-l;UV(EtOH)λmax(ε)265.0(19475),252.
4(20830)および208.8(34048)nm;FDMS(MeOH)m/e457,459,461(M+).
C18H17Cl2N3O5Sとして分析:
理論値:C,47.17;H,3.74;N,9.17.
実測値:C,47.37;H,3.91;N,9.02.
上記の調製されたカルバメート(11.0g,25.0ミリモル)を2N水酸化
カリウム水溶液(125ml)中、1時間還流加熱した。氷槽中にて冷却後、反
応混合物に5N塩酸(50ml)を加えて反応を止めた。濾過及び乾燥によって
粗の標題生成物を得て、これを1N水酸化ナトリウム(50ml)及び水(45
0ml)中に溶解し、その後濾過して不溶物質を除去することによって精製した
。濾液を1N塩酸(50ml)で処理することにより固体を沈殿させ、この固体
を濾過によって集めて乾燥し、N−[[(3,4−ジクロロフェニル)アミノ]
カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホンアミド(3.
9g、40%)を得た。
生成物の分析は以下の結果を与えた:
mp=125℃;Rf(THF)=0.52;1H NMR(300MHz,d6-DMSO)δ2.96(t,2H,J=8.4H
z,CH2CH 2),3.52(t,2H,J=8.4Hz,CH2CH 2),6.45(d,1H,J=8.1Hz,Ar-H
),6.55(bs,1H,D2Oと置換,NH),7.25(m,1H,Ar-H),7.46(dオーバー
ラップしているs,3H,Ar-H),7.67(m,1H,Ar-H),9.02(s,1H,D2Oと置換
,NH)および10.6(bs,1H,D2Oと置換,SO2NH);UV(1:1,pH=7緩衝液/MeOH
)λmax(ε)258.2(30477)および209.6(43326)nm;IR(KBr)3344,1707,
1607,2477,1171,1119および857cm-1;FDMS(MeOH)m/e385,387,389(M+)
.
C15H13Cl2N3O3Sとして分析:
理論値:C,46.64;H,3.39;N,10.80.
実測値:C,46.68;H,3.40;N,10.81.実施例3
N−[[(3,4−ジクロロフェニル)アミノ]カルボニル]−1−メチル−1
H−インドール−5−スルホンアミド
N−メチル−インドリン−5−スルホンアミド
機械的攪拌機及び窒素パージラインを有する3リットルの3つ首フラスコを実
施例2にて調整したエチル−インドリン−1−カルボキシレート−5−スルホン
アミド(27g,100ミリモル)及び無水テトラヒドロフラン(1000ml
)で満たした。次に窒素パージ下に水素化リチウムアンモニウム(95%、10
g,250ミリモル)を20分かけて部分的に加えると強く発熱した。この反応
物を室温にて攪拌し、HPLC(逆相、40/60/0.2% アセトニトリル
/水/リン酸、1ml/分、254nmにてモニターする)を用いてモニターし
た。2時間後、混合物を氷浴槽中にて冷却し、さらなる反応が確認されなくなる
まで氷を加えて注意して反応を止めた。次にpHが3になるまで濃塩酸(65m
l)を加えた。無機の固体を濾過によって除去し、濾液を蒸発して黄褐色の固体
(23g)得た。粗の固体を水(250ml)中に30分間スラリー化し、濾過
し、その後ケーキを水(300ml)及びジエチルエーテル(300ml)です
すぐことにより精製した。減圧乾燥によって生成物であるスルホンアミド(17
.3g、81%)を得た。メタノールからの再結晶化によって分析サンプルを得
た。
生成物の分析は以下の結果を与えた:
mp=176-177℃;Rf(1/1EtOAc/ヘキサン)=0.29;1H NMR(300MHz,d6-DMSO)δ
2.74(s 3H,NCH 3),2.92(t,2H,J=8.4Hz,CH2CH 2),3.38(t,2H,J=8.4Hz
,CH2CH 2),6.47(d,1H,J=8.3Hz,Ar-H),6.91(bs,2H,D2Oと置換,SO2NH 2
),7.39(s,1H,Ar-H)および7.44(d,1H,J=8.3Hz,Ar-H);IR(KBr)331
4,3239,1605,1509,1313,1170および1062cm-1;FDMS(MeOH)m/e212(M+)
.
C9H12N2O2Sとして分析:
理論値:C,50.92;H,5.70;N,13.20.
実測値:C,50.87;H,5.62;N,12.91.
N−メチル−インドリン−5−スルホンアミド(225mg、1.06ミリモ
ル)を炭素上の10%パラジウム(84mg)とメタノール(8ml)中にて混
合し、これらを23時間還流した。炭素上の10%パラジウム(100mg)及
びメタノール(5ml)を更に加え、還流をさらに23時間続けた。冷却した反
応混合物をセライト(Celite)(登録商標)パッドを通して濾過し、蒸発
し、粗の固体をテトラヒドロフラン中に再溶解し、再びセライト(登録商標)パ
ッドを通して濾過した。濾液を蒸発してN−メチル−1H−インドール−5−ス
ルホンアミド(211mg,95%)を得た。この中間体はN−メチル−インド
リン−5−スルホンアミド及び2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベ
ンゾキノン(DDQ)の還流エチレングリコールモノメチルエーテル中における
反応によって既知の手順を用いて35%の収率にて製造してもよい。例えばH.
B
:659(1973)を参照せよ。
生成物の分析は以下の結果を与えた:
mp=225゜-227℃;Rf(EtOAc)=0.59;1H NMR(300MHz,d6-DMSO)δ3.82(s,3H
,N-CH 3),6.58(d,1H,J=3.0Hz,Ar-H),7.11(s,2H,D2Oと置換,SO2NH)
,7.47(d,1H,J=3.0Hz,Ar-H),7.58(s,2H,Ar-H)および8.03(s,1H,Ar
-H);IR(KBr)3330,3235,2948,1512,1326,1145,および1062cm-1;
FDMS(MeOH)m/e210(M+).
C9H10N2O2S・0.33THFとして分析:
理論値:C,52.96;H,5.44;N,11.97.
実測値:C,52.62;H,5.06;N,11.53.
次に1−メチル−1H−インドール−5−スルホンアミドを3,4−ジクロロ
フェニルイソシアナート(1.16g、6.20ミリモル)と実施例2に記載の様
に反応させた。この反応によってN−[[(3,4−ジクロロフェニル)アミノ
]−カルボニル]−1−メチル−1H−インドール−5−スルホンアミド(収量
620mg)を得た。
この実施例の生成物の物理化学は後述の実施例4にて例示された標題生成物の
物理的特徴と一致した。実施例4
N−[[(3,4−ジクロロフェニル)アミノ]カルボニル]−1−メチル−1
H−インドール−5−スルホンアミドの合成の別の手順
[(2,3−ジヒドロ−1−メチル−1H−インドール−5−イル)スルホニ
ル]カルバミン酸、エチルエステルを本分野にて既知の手順により調整した。例
えば上記のBurgess及びAtkinsを参照せよ。G.Gribbleら
[Synthesis、1977:859(1977)]に記載の様に調製した
N−メチルインドリンを塩化カルベトキシスルファモイル(28g,150ミリ
モル)及びトリエチルアミン(21ml、150ミリモル)とベンゼン(200
ml)中にて反応させた。粗の収量は位置異性体の混合物として25g(59%
)であった。クロマトグラフィー(シリカゲル、100%CH2Cl2)は所望の
[(2,3−ジヒドロ−1−メチル−1H−インドール−5−イル)スルホニル
]カルバミン酸、エチルエステルを与えた。収量:11.3g(27%)。
生成物の分析は以下の結果を与えた:
Rf(1/1EtOAc/ヘキサン)=0.36;1H NMR(300MHz,d6-DMSO)δ1.06(t3H,J=7.
0Hz,OCH2CH 3),2.80(s,3H,NCH 3),2.90(t,2H,J=8.5Hz,NCH2CH 2),3.
45(t,2H,J=8.5Hz,NCH 2CH2),3.96(q,2H,J=7.0Hz,OCH 2CH3),6.50(d
,1H,J=8.4Hz,Ar-H),7.38(s,1H,Ar-H),7.50(d,1H,J=8.4Hz,Ar-H)
および11.5(bs,1H,D2Oと置換,NH);FDMS(MeOH)m/e284(M+).
C12H16N2O4Sとして分析:
理論値:C,50.69;H,5.67;N,9.85.
実測値:C,50.94;H,5.74;N,9.85.
上記の生成した(2,3−ジヒドロ−1−メチル−1H−インドール−5−ス
ルホニル)カルバミン酸、エチルエステル(2.0g、7.0ミリモル)の酢酸(
40ml)中の溶液をマンガン(III)酢酸二水和物(2.55g,9.5ミリ
モル)で処理し、室温にて15時間攪拌した。この反応混合物を水(400ml
)に注ぎ、得られた固体を濾過によって集めた。この固体を水中に再度懸濁し、
濾
過によって集め、空気乾燥して(1−メチル−1H−インドール−5−イル−ス
ルホニル)カルバミン酸、エチルエステル(1.5g、75%)を得た。シリカ
ゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって分析サン
プルを得た。
生成物の分析は以下の結果を与えた:
mp=153゜-155℃;Rf(EtOAc)=0.56;1H NMR(300MHz,d6-DMSO)δ1.05(t,3H
,J=7.2Hz,CH2CH 3),3.83(s,3H,N-CH 3),3.93(q,2H,J=7.2Hz,CH 2CH3
),6.65(d,1H,J=3.1Hz,Ar-H),7.53(d,1H,J=3.1Hz,Ar-H),7.62(s
,2H,Ar-H),8.15(s,1H,Ar-H)および11.70(bs,1H,D2Oと置換,SO2NH)
;UV(EtOH)λmax(ε)284.5(4494)および234.0(41100)nm;IR(KBr)323
6,1749,1433,1342,1223,1143および1058cm-1;FDMS(MeOH)m/e 282(M+)
.
C12H14N2O4Sとして分析:
理論値:C,51.05;H,5.00;N,9.92.
実測値:C,51.20;H,4.71;N,9.97.
次に上記の様に生成されたカルバメート生成物(1.0g、3.55ミリモル)
を、還流トルエン(35ml)中にて2時間、この時間の間にDean−Sta
rkトラップからの蒸留液を周期的に除去しながら(計10ml)、3,4−ジ
クロロアニリン(0.69g、4.26ミリモル)と反応させた。標題生成物(1
.19g,85%)を冷却した反応混合物から濾過及び空気乾燥によって集めた
。
生成物の分析は以下の結果を与えた:
mp=193゜-194℃;Rf(19/1,CH2Cl2/MeOH)=0.35;1H NMR(300 MHz,d6-DMSO)
δ3.83(s,3H,N-CH 3),6.65(d,1H,J=3.0Hz,Ar-H),7.22(dd,1H,J=2.
5,8.8Hz,Ar-H),7.45(d,1H,J=8.8Hz,Ar-H),7.52(d,1H,J=3.1Hz,Ar
-H),7.61-7.71(オーバーラッピングしている多重線,3H,Ar-H),8.20(s,
1H,Ar-H),9.04(s,1H,D2Oと置換,NH),および10.81(bs,1H,D2Oと置換
,SO2NH);UV(EtOH)λmax(ε)284.8(6944),235.0(58699)および210.2
(41775)nm;IR(KBr)3330,3235,1707,1588,1526,1462,1324,1149およ
び1042cm-1;FDMS(MeOH)m/e 397,399,401(M+)
C16H13Cl2N3O3Sとして分析:
理論値:C,48.25;H,3.29;N,10.55.
実測値:C,48.50;H,3.41;N,10.47.
本発明の他の態様は、哺乳動物が罹患し易い新生物を処置する方法を提供し、
その方法は該処置の必要のある哺乳動物に、式I
[式中、Aは
[式中、R1はC1−C6アルキル;R2及びR3は水素、ハロ、C1−C6アルキ
ル及びトリフルオロメチルからなる群から独立して選択されるが、但しR2及び
R3の1つ以上が水素ではないことを条件とする)である]で示される化合物又
はそれらの医薬的に許容される塩又は溶媒和塩を、罹患し易い新生物の処置に有
効な量、投与することを包含する。
式Iの化合物はインビボ系において、移植された哺乳動物の腫瘍に対して活性
であることが示された。式Iの化合物の抗腫瘍活性を証明するために、これらの
化合物のいくつかを種々の同種移植片及び異種移植片の腫瘍を有するマウスにつ
いて試験した。
本発明のスルホニル尿素類の抗新生物活性を示すために用いられた腫瘍モデル
の1つは、ヒト結腸異種移植片VRC5[J.A.Houghton及びD.M
.
Taylor,British Journal of Cancer、37:
213−223(1978)]であった。この腫瘍はSt.Jude's Ch
ildren's Research Hospitalから入手され、ヒト腫
瘍モデルとして広く使用されてきた。
他の腫瘍モデルにはGardnerリンパ肉腫(GLS)としても知られてお
り、広く用いられている同種移植片6C3HEDリンパ肉腫を有するC3Hマウ
スを用いた。6C3HEDリンパ肉腫をE.G.及びG.Mason リサーチ
(ウスター、マサチューセッツ)にて維持されたDivision of Ca
ncer Treatment、国立癌機構、腫瘍銀行から得た。
標準的技術を用いて最初の継代腫瘍を液体窒素中に保管した。移植された腫瘍
を6カ月ごとに又は必要に応じて腫瘍銀行から再度確立した。この腫瘍を宿主マ
ウス内に1週間に2回連続して継代することにより維持した。
ここで使用された手順において、腫瘍を継代動物から除去し、無菌技術を用い
て1から3mm角の四角のフラグメントに切り刻んだ。腫瘍片を抗菌培地1及び
脳心臓注入(Difco、デトロイト、ミシガン)の両方を用いて無菌性を調べ
た。この異種移植腫瘍片を受容体CD1Nu/Nuマウスにトロカールによって
腋窩部位において皮下に移植した。同種移植6C3HED腫瘍片を類似の方法で
受容体C3Hマウスに移植した。
適切なスケジュールの薬物治療を異種移植腫瘍を有するマウスに対して腫瘍移
植7日後に開始し、6C3HEDリンパ肉腫を有するマウスに対しては移植1日
後に開始した。試験化合物を2.5%エムルファー(Emulphor)EL6
20(GAFコーポレーションから入手)と混合した(0.9%食塩水中、1:
40希釈)。各投与における投与容積総量は0.5mlであった。対象化合物の
投与開始時及び終了時において全ての動物を計量した。食糧及び水は任意に与え
た。
各対照群及び各投与量の処置群は移植された動物のプールから無作為に選択さ
れた9又は10匹から構成された。18ゲージ針を使用する胃管栄養によって製
剤を経口投与した。ヒト腫瘍異種移植片を用いる研究については10日間そして
同種移植片を用いる研究については8日間、毎日、化合物を投与した。
処置終了5日後に、マイクロコンピューターとインターフェイスで連結された
デジタルエレクトロニックカリパスを用いて、腫瘍の2つの次元の測定(幅及び
長さ)を用いて腫瘍を測定した[J.F.Worzallaら,Investi
gational New Drugs,8:241−245(1990)]。
腫瘍重量は以下の式を用いてこれらの測定値から計算した:
等数のマウスの少なくとも1つの対照群を、同体積の2.5%エムルファーの
みで処置した。阻害パーセントを、対照群に対する試験群の平均腫瘍サイズの比
率を1から引いて、その結果に100をかけることによって決定する。
式Iの化合物が経口投与された場合のVRC5ヒト結腸腺癌を有するマウス及
び6C3HEDリンパ肉腫を有するマウスにおけるいくつかの実験が表Iに示さ
れている。この表中、カラム1は試験された化合物の実施例番号を示す;カラム
2は研究されている特定のヒト腫瘍異種移植片又はマウス同種移植片を記載する
;カラム3は式Iの化合物の投与量を体重kg当たりのミリグラムで示している
;カラム4は腫瘍成長阻害パーセントを記載している;及びカラム5は群の動物
総数に対する実験中に死亡したマウスの数を記録している。
式Iの化合物は上記のものに加えて、通常、化学療法に耐性であると考えられ
ているいくつかを含む他の腫瘍モデルに対してもまた活性である。これらの化合
物は最小限の毒性を有し、広範囲の抗新生物活性を示す。
式Iの化合物は抗新生物試薬であるので、本発明はまた哺乳動物が罹患し易い
新生物の処置方法であって、該処置が必要な哺乳動物に式Iの化合物又はそれら
の医薬的に許容される塩又は溶媒和塩を効果量投与することを包含する方法をも
提供する。特に、本発明化合物は卵巣、非小細胞肺、胃の、膵臓の、腎臓の細胞
、胸、結腸直腸の、小細胞肺、メラノーマ及び頭及び首などの癌腫;及びカポジ
肉腫及び横紋筋肉腫などの肉腫を含む固形腫瘍の処置に有用である。
式Iの化合物は通常医薬組成物の形態で投与する。これらの化合物は経口、直
腸、皮内、皮下、静脈内、筋肉内及び鼻腔内を含む種々の経路によって投与でき
る。この様な組成物は卵巣、非小細胞肺、胃の、膵臓の、腎臓の細胞、胸、結腸
直腸の、小細胞肺、メラノーマ及び頭及び首などの癌腫;及びカポジ肉腫及び横
紋筋肉腫などの肉腫を含む固形癌の処置に有用である。
式Iの化合物は経口医薬組成物の形態で投与するのが好ましい。その様な組成
物は製剤分野において良く知られた方法で調製され、少なくとも1つの活性化合
物を含有する。
他の側面においては、本発明はまた、医薬的に許容される担体、賦形剤又は希
釈剤と共に活性成分として式Iの化合物又は医薬的に許容されるそれらの塩又は
溶媒和塩を含む新規な医薬組成物をも包含する。本発明組成物の製造においては
、通常、活性成分を賦形剤と混合し、賦形剤によって希釈し又はカプセル、サシ
ェ、紙又は他の容器の形態となし得るその様な担体内に封入する。賦形剤が希釈
剤として作用する場合、それは固体、半固体又は液体物質であってもよく、賦形
剤が活性成分の運搬体、担体又は溶媒として作用する。従って本発明化合物は錠
剤、丸剤、粉末剤、トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、
乳剤、溶液剤、シロップ剤、エアゾル剤(固体として又は液体溶媒中において)
、例えば活性成分を10重量%まで含有している軟膏、ゼラチン軟及び硬カプセ
ル剤、坐剤 無菌注入溶液剤及び無菌充填粉末剤の形態を採り得る。
製剤を調製する場合には、他の成分と混合する前に活性化合物を粉砕して適切
な粒子サイズとすることが必要な場合もある。活性化合物が実質上不溶であれば
、通常は200メッシュ以下の粒子サイズに粉砕する。活性化合物が実質上水溶
性ならば、粒子サイズは製剤中において実質上均一に分散するために、例えば約
40メッシュに粉砕することによって調整するのが普通である。
好ましい賦形剤のいくつかの例としてはラクトース、デキストロース、ショ糖
、ソルビトール、マンニトール、スターチ、アカシアガム、リン酸カルシウム、
アルギナート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロー
ス、ポリビニルピロロリドン、セルロース、水、シロップ及びメチルセルロース
がある。製剤はさらに以下のものを含んでもよい:潤滑剤(タルク、ステアリン
酸マグネシウム、及び鉱油);湿潤剤;乳化剤及び懸濁化剤;保存剤(メチル−
及びプロピルヒドロキシ安息香酸など);甘味剤;及び芳香剤。本発明の組成物
は本分野にて既知の手順を用いて患者に投与後、迅速な、持続性の又は遅延した
活性成分の放出が提供される様に製剤化できる。
本発明組成物は、各々の用量が活性成分を約5から約500mg、より普通に
は約25から約300mg含む一回投与剤形として製剤化するのが好ましい。「
一回投与剤形」という用語はヒト受容体及び他の哺乳動物に対して投与する1回
の投与量として適切な、物理的に分離された1回分を表し、各々の1回分は適切
な
医薬的賦形剤と共に、所望の治療効果を得る様に計算され、あらかじめ決定され
た量の活性物質を含んでいる。
活性化合物は広範囲の投与量において効果的である。例えば、1日の投与量は
通常、約0.5から約600mg/体重kgの範囲内である。大人のヒトを処置
する場合、1回投与又は分割した投与で約1から約50mg/kgの範囲が好ま
しい。しかし、実際に投与される本発明化合物の量は、処置される状態、選択さ
れた投与経路、実際に投与される化合物、年令、体重及び個々の患者の反応、及
び患者の症状の重篤さを含む関連する状況に照らして医者が決定するであろうこ
とが理解されるであろう。従って、上記の投与量の範囲は本発明の範囲を限定す
る意図は全くない。
本発明の典型的な化合物を以下の実施例において記載する。製剤例1
以下の成分を含有しているゼラチン硬カプセル剤を調製する:
成分 量
(mg/カプセル)
N−[[(3,4−ジクロロフェニル)アミノ]−
カルボニル]−1−メチル−1H−インドール−
5−スルホンアミド 250.0
スターチ 305.0
ステアリン酸マグネシウム 5.0
上記の成分を混合し、560mgの量にてゼラチン硬カプセル内に充填する。製剤例2
以下の成分を用いて錠剤を調製する:
成分 量
(mg/錠剤)
N−[[(4−トリフルオロメチルフェニル)アミノ]−
カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−
5−スルホンアミド 250.0
セルロース、微結晶性 400.0
コロイド状シリコンジオキシド 10.0
ステアリン酸 5.0
成分を混合し、各々665mgの重量の錠剤に打錠する。製剤例3
以下の成分を含有する乾燥粉末吸入器製剤を調製する。
成分 量%
N−[[(3−フルオロフェニル)アミノ]−
カルボニル]−1−イソプロピル−1H−インドール−
6−スルホンアミド 5
ラクトース 95
活性混合物をラクトースと混合し、この混合物を乾燥粉末吸入器具に入れる。製剤例4
各々が活性成分60mgを含む錠剤を以下の様に調製する:
成分 量
(mg/錠剤)
N−[[(4−ブロモフェニル)アミノ]−
カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−
4−スルホンアミド 60.0mg
スターチ 45.0mg
微結晶性セルロース 35.0mg
ポリビニルピロロリドン
(水中の10%溶液として) 4.0mg
ナトリウムカルボキシメチルスターチ 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
タルク 1.0mg
計 150mg
活性成分、スターチ及びセルロースを20番メッシュU.S.ふるいに通し、よ
く混合する。ポリビニルピロロリドンの溶液を得られた粉末と混合し、次にこれ
を16メッシュU.S.ふるいに通す。この様に製造された顆粒を50−60℃に
て乾燥し、16メッシュU.S.ふるいに通す。ナトリウムカルボキシメチルスタ
ーチ、ステアリン酸マグネシウム及びタルクを予め30番メッシュU.S.ふるい
に通し、次にその顆粒に加え、混合後、打錠マシンにて打錠して各々150mg
の重量の錠剤を製造する。製剤例5
各々が医薬80mgを含有するカプセルを以下の様に製造する:
成分 量
(mg/カプセル)
N−[[3(t−ブチル)フェニル)アミノ]−
カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−
5−スルホンアミド 80.0 mg
スターチ 109.0 mg
ステアリン酸マグネシウム 1.0 mg
計 190.0 mg
活性成分、セルロース、スターチ及びステアリン酸マグネシウムを混合し、2
0番メッシュU.S.ふるいに通し、190mgの量にてゼラチン硬カプセル内に
充填する。製剤例6
各々が5.0ml用量当たり医薬50mgを含有する懸濁剤を以下の様に製造
する:
成分 量
N−[[(3,4−ジクロロフェニル)アミノ)−
カルボニル]−1−エチル−1H−インドール−
6−スルホンアミド 50.0 mg
キサンチンガム 4.0 mg
カルボキシメチルセルロースナトリウム(11%)
微結晶性セルロース(89%) 50.0 mg
ショ糖 1.75 g
安息香酸ナトリウム 10.0 mg
芳香剤 適量
着色剤 適量
精製水 5.0mlまで
医薬、ショ糖及びキサンチンガムを混合し、10番メッシュU.S.ふるいに通
し、次にあらかじめ作られた微結晶性セルロース及びカルボキシメチルセルロー
スナトリウムの水溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、芳香剤及び着色剤をい
からかの水で希釈し、攪拌して加える。次に必要な容量を与える水を加える。製剤例7
各々が活性成分を225mg含有している坐剤を以下の様に製造する:
成分 量
N−[[(3−クロロ−4−トリフルオロ−
メチルフェニル)アミノ]カルボニル]−2,3−
ジヒドロ−1H−インドール−6−スルホンアミド 225 mg
飽和脂肪酸グリセライドを加えて 2,000mgまで
活性成分を60番メッシュU.S.ふるいに通し、必要最小限に加熱して予め溶
解した飽和脂肪酸グリセライド中に懸濁する。次にこの混合物を公称2.0g容
量の坐剤の型に注ぎ冷却させる。製剤例8
各々が医薬150mgを含有しているカプセル剤を以下の様に製造する:
成分 量
(mg/カプセル)
N−[[(3,4−ジフルオロフェニル)アミノ]−
カルボニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−
5−スルホンアミド 150.0 mg
スターチ 407.0 mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0 mg
計 560.0 mg
活性成分、セルロース、スターチ及びステアリン酸マグネシウムを混合し、2
0番メッシュU.S.ふるいに通し、560mgの量にてゼラチン硬カプセル内に
充填する。
本発明方法において使用される他の好ましい製剤は経皮デリバリーデバイス(
パッチ剤)を使用する。その様な経皮パッチ剤はコントロールされた量の本発明
化合物の継続的又は非継続的浸出を与えるために使用してもよい。医薬成分のデ
リバリーのための経皮パッチの構造及び利用は本分野においてよく知られている
。例えば1991年6月11日に登録された米国特許第5,023,252号を参
照せよ。その様なパッチ剤は医薬成分の継続的、拍動性の又は要求されたデリバ
リーのために構成されてもよい。
医薬組成物を直接又は間接的に脳に導入することが望まれる又は必要とされる
ことが頻繁にあるだろう。直接的技術は血液脳関門を迂回するために宿主の脳室
系内にドラッグデリバリーカテーテルを配置することを包含するのが通常である
。体の特定の解剖学的部位に生物学的因子を輸送するために使用された1つのそ
の様な埋め込み可能なデリバリーシステムは1991年4月30日に登録された
米国特許第5,011,472号に記載されている。
一般的に好ましい間接的な技術は親水性の薬を脂質溶解性の薬又はプロドラッ
グへと転換することによって薬の潜在性を提供するための組成物を製剤化するこ
とを包含するのが通常である。潜在性は、薬をより脂溶性として血液−脳関門を
通過する輸送に従い易くするために、薬に存在する水酸基、カルボニル基、スル
フェート及び第1級アミン基を遮断することにより一般に成し遂げられる。別法
では、血液−脳関門を一時的に開くことができる高張の溶液を動脈内注入するこ
とによって、親水性の薬のデリバリーを達成してもよい。
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フロントページの続き
(81)指定国 OA(BF,BJ,CF,CG,
CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,T
D,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
N,CZ,FI,GE,HU,JP,KG,KP,KR
,KZ,LK,LV,MD,MG,MN,MW,NO,
NZ,PL,RO,RU,SD,SI,SK,TJ,T
T,UA,UZ,VN
(72)発明者 ハウバート、ジェイムス・ジェフリー
アメリカ合衆国98005ワシントン、ベルビ
ュ、ノースイースト・サーティース・スト
リート12740番
(72)発明者 レイ、ジェイムス・エドワード
アメリカ合衆国46268インディアナ、イン
ディアナポリス、グレインジャー・レイン
6640番
(72)発明者 トス、ジョン・エルドン
アメリカ合衆国46278インディアナ、イン
ディアナポリス、プリエール・コート6759
番