JPH08505284A - 杉花粉由来のアレルゲン性蛋白質及びペプチド - Google Patents

杉花粉由来のアレルゲン性蛋白質及びペプチド

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JPH08505284A JP6512408A JP51240893A JPH08505284A JP H08505284 A JPH08505284 A JP H08505284A JP 6512408 A JP6512408 A JP 6512408A JP 51240893 A JP51240893 A JP 51240893A JP H08505284 A JPH08505284 A JP H08505284A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、Cryptomeria japonica主要花粉アレルゲンCryjII及びその断片をコードする核酸配列を提供する。本発明は又、CryjII又は少なくともその1断片をコードする核酸配列でトランスフォームした宿主細胞にて生成した精製CryjII及びその少なくとも1断片並びに合成により調製したCryjの断片をも提供する。CryjII及びその断片は、杉花粉症を診断し、治療し及び予防するのに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 杉花粉由来のアレルゲン性蛋白質及びペプチド発明の背景 遺伝的素因を有する個人(人口の約10%に及ぶ)は、彼らがさらされる種々 の環境起源の抗原に対して過剰感作(アレルギー性)となる。それらの即時型及 び/又は遅延型の過敏症を誘発し得る抗原はアレルゲンとして知られている(Ki ng,T.P.,Adv.Immunol.23:77-105,(1976))。枯草熱、喘息及び発疹の症状 を含むアナフィラキシー又はアトピーは、即時型アレルギーの一形態である。そ れは、草、木、雑草、動物の鱗屑、昆虫、食物、薬物及び化学物質等の種々のア トピー性アレルゲンによって引き起こされ得る。 アトピー性アレルギーに関係する抗体は、主として免疫グロブリンIgEクラ スに属する。IgEはマスト細胞及び好塩基球と結合する。特定のアレルゲンと 、マスト細胞又は好塩基球に結合したIgEとの結合により、IgEは、その細 胞上で架橋されてIgE−抗原相互作用の生理的効果を生じ得る。これらの生理 的効果は、他の物質のうちで、ヒスタミン、セロトニン、ヘパリン、エオシン好 性白血球及び/又はロイコトリエンに対する走化性因子、C4、D4及びE4の 放出を含み、これらは、気管支平滑筋細胞の長期の収縮を引き起こす (Hood,L.E.等、Immunology(第2版),The Benjamin/Cumming Publishing C o.,Inc.(1984))。これらの放出された物質は、IgEと特異的アレルゲンと の結合により引き起こされるアレルギー性症状を生じるメディエーターである。 それらを介してアレルゲンの効果は現れる。かかる効果は、その性質が、抗原が 体内に侵入した経路及びIgEのマスト細胞又は好塩基球への付着パターンによ って、全身性であり又は局所的である。局所的出現は、一般に、アレルゲンが体 内に侵入した場所の上皮表面に起きる。全身性効果は、アナフィラキシー(アナ フィラキシー性ショック)を含み、それは、循環(血管内)抗原に対するIgE −好塩基球の応答の結果である。 杉(スギ:Cryptomeria japonica)花粉症は、日本における最も重大なアレル ギー性疾患の一つである。この病気を患っている患者数は増加中であり、幾つか の地域では人口の10%より多くが影響を受けている。杉花粉抽出物を投与して アレルゲンに対して除感作することによる杉花粉症の治療が試みられてきた。し かしながら、杉花粉抽出物を用いる除感作は、高投与量で用いるならばそれがア ナフィラキシーを誘出し得るという欠点を有しており、他方、低投与量を用いて アナフィラキシーを回避した場合には治療はその抽出物に対する寛容を確立する ために数年間継続しなければならない。 杉花粉に由来する主要なアレルゲンは精製され、スギ 塩基性蛋白質(SBP)又はCryjIと呼ばれている。この蛋白質は、分子量41 〜50kDaでpI8.8の塩基性蛋白質であることが報告されている。部分的 に異なるグリコシレーションのために、このアレルゲンの多くのイソ型があるら しい(Yasueda等(1983)J.Allergy C1in.Immunol.71:77-86;及びTaniai等(1 988)FEBS Letters239:329-332)。CryjIのN末端の最初の20アミノ酸の配列 及び16アミノ酸の内部配列が決定された(Taniai、前出)。 第2のアレルゲンが、最近、Cryptomeria japonica(杉)の花粉から単離され た(Sakaguchi等(1990)Allergy 45:309-312)。このCryjIIと呼ばれるアレル ゲンは、非還元及び還元条件下でドデシル硫酸ナトリウムゲル電気泳動(SDS −PAGE)にてアッセイした場合、それぞれ、約37kDa及び45kDaの 分子量を有すると報告された(Sakaguchi等、前出)。CryjIIはCryjIと免疫学的 交差反応性を有しないことが見出された(Sakaguchi(1990)前出;Kawashima等 (1992)Int.Arch.Allergy Immunol.98:110-117)。杉花粉による殆どの患者 は、CryjI及びCryjIIの両者に対するIgE抗体を有することが見出された。し かしながら、アレルギー患者の29%は、CryjIとのみ反応するIgEを有し、 アレルギー患者の14%は、CryjIIとのみ反応するIgEを有した(Sakaguchi (1990)、前出)。CryjIIの等電点電気泳動は、この蛋白質が、CryjIに対する pI 8.6〜8.8と比べて、9.5を超えるpIを有することを示した(Sakaguch i(1990)、前出)。更に、報告されたCryjIIについてのNH2末端配列、NH2 AlaIleAsnIlePheAsnValGluLysTyr−COOHは 、CryjIについて報告されたものと一致しなかった(Sakaguchi(1990)、前出) 。 杉花粉症アレルゲンに注意が払われたにもかかわらず、人々に悪影響を及ぼす 原因であるアレルゲンの特定又は特性決定は非常に不完全である。現在の脱感作 治療は、もし高投与量の花粉抽出物を投与するならば付随するアナフィラキシー の危険を伴う花粉抽出物を用いる治療、又は低投与量の花粉抽出物を投与する場 合に長期の脱感作時間を要する治療を含んでいる。発明の要約 本発明は、Cryptomeria japonica主要花粉アレルゲンCryjIIをコードする核酸 配列及びその断片を提供する。本発明は又、CryjIIをコードする核酸配列又は少 なくともその1断片でトランスフォームされた宿主細胞内で産生された精製され たCryjII及び少なくともその1断片及び合成により調製したCryjIIの断片を提供 する。ここで用いる場合、CryjIIの完全アミノ酸配列をコードする核酸配列の断 片とは、CryjII及び/又は成熟CryjIIの完全アミノ酸配列をコードするヌクレオ チド配列よりも少ない塩基を有する核酸配列のことをいう。CryjII及びその 断片は、杉花粉症を診断し、治療し及び予防するために有用である。この発明を 、請求の範囲に一層詳細に記載し且つその好適具体例を以下の説明に記載する。図面の簡単な説明 図1aは、非還元条件下での、CryjIIのSDS−PAGE(12%)分析を示 している。 図1bは、還元条件下での、CryjIIのSDS−PAGE(12%)分析を示し ている。 図2は、10mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)中の1ステップのNa Cl勾配にて溶出したCryjIIのモノSカラムクロマトグラフィーの結果を示して いる。 図3は、還元条件下で分析したCryjIIの精製したサブ画分のSDS−PAGE (12%)を示している。 図4は、CryjIIをコードする核酸配列(配列番号1)及び演繹されたアミノ酸 (配列番号2)を示している。 図5は、CryjIIの演繹されたアミノ酸配列を示している。 図6は、実施例2で論じるように、Sakaguchi等、前出により規定されたCryjI Iの10個のアミノ酸の配列(配列番号6)と並べた蛋白質配列分析により決定 したCryjIIのロング型(配列番号4)及びショート型(配列番号5)のNH2末 端アミノ酸配列を示している(配列番号3)。 図7は、モノクローナル抗体4B11及び7人の患者(バッチ1)の血漿Ig Eの被覆抗原としての精製CryjIに対する結合応答を示す直接ELISAアッセ イの結果のグラフ表示である。 図8は、モノクローナル抗体4B11及び7人の患者(バッチ1)の血漿Ig Eの被覆抗原としての天然の精製CryjIIに対する結合応答を示す直接ELISA アッセイのグラフ表示である。 図9は、モノクローナル抗体4B11及び7人の患者(バッチ1)の血漿Ig Eの被覆抗原としての組換えCryjII(rCryjII)に対する結合応答を示す直接E LISAアッセイのグラフ表示である。 図10は、8人の患者(バッチ2)の血漿IgEの天然の精製CryjIに対する 結合応答を示す直接ELISAアッセイのグラフ表示である。 図11は、8人の患者(バッチ2)の血漿IgEの天然の精製CryjIIに対する 結合応答を示す直接ELISAアッセイのグラフ表示である。 図12は、8人の患者(バッチ2)の血漿IgEの組換えCryjIIに対する結合 応答を示す直接ELISAアッセイのグラフ表示である。 図13は、8人の患者(バッチ3)の血漿IgEの天然の精製CryjIに対する 結合応答を示す直接ELISAアッセイのグラフ表示である。 図14は、8人の患者(バッチ3)の血漿IgEの天 然の精製CryjIIに対する結合応答を示す直接ELISAアッセイのグラフ表示で ある。 図15は、8人の患者(バッチ3)の血漿IgEの組換えCryjIIに対する結合 応答を示す直接ELISAアッセイのグラフ表示である。 図16は、患者の血漿試料(バッチ1〜3)について行なったMAST評点及 び図7〜15に示した直接ELISAの結果を要約した表である(陽性応答は、 (+)符合で示され、各抗原に対する陽性応答の数は、各欄の下に示してある) 。発明の詳細な説明 本発明は、CryjII(杉花粉に見出されるアレルゲン)をコードする核酸配列を 提供する。図4に示すCryjIIをコードする核酸配列(配列番号:1)は、514 アミノ酸の蛋白質をコードしている。CryjIIの演繹されたアミノ酸配列を図4及 び5に示す(配列番号:2)。天然の精製CryjIIの直接蛋白質配列分析は、2つ の別々の重複するNH2末端配列を生じたが、これらは、ロング及びショートと 呼ばれ、それぞれ、図4、5及び6のアミノ酸46〜89(配列番号:4)及び 51〜89(配列番号:5)に対応している。以前にSakaguchi等、前出によりC ryjIIについて規定された10個のアミノ酸の配列NH2−AlaIleAsnI lePheAsnValGluLysTry−COOH(配列番号:6)は、図 4及び6のアミノ酸55〜64に対応している。完全長のCryjII配列は、20個 のシステイン残基及び3つの潜在的なAsn−Xxx−Ser/Thrコンセン サス配列とのN−結合グリコシル化部位を含んでいる。PCGene,Intelligenetic s(カリフォルニア、Mountain View在)に含まれるプログラムによれば、CryjII のロング及びショート型により規定されるNH2末端を有する蛋白質は、それぞ れ469及び464アミノ酸を含み、予想分子量51.5kDa(ロング)及び 50.9kDa(ショート)を有する。CryjIIのロング型を表すアミノ酸配列は 、図4に示すように塩基177〜1586に及ぶヌクレオチド配列(配列番号: 7)によりコードされ、CryjIIのショート型を表すアミノ酸配列は、図4に示す ように192〜1586に及ぶヌクレオチド配列(配列番号:8)によりコード される。完全長のCryjIIをコードするCDNA挿入物を含むベクターでトランス フォームした宿主細胞を、American Type Culture CollectionにATCC No .69105で寄託した。 CryjIIの断片をコードする核酸配列の断片も又、この発明の範囲内にある。こ の発明の範囲内の断片は、CryjIIの部分をコードするものを含み、これらは、哺 乳動物好ましくはヒトにおいて免疫応答を誘発する(最小量のIgEの剌激;I gEの結合;IgG及びIgM抗体の産生の誘出;又は増殖及び/又はリンホカ イン分泌及び/又はT細胞アネルギーの誘導等のT細胞応答の誘出 等)。前述のCryjIIの断片を、ここでは、抗原性断片という。この発明の範囲内 の断片は、CryjIIと交差反応性のアレルゲンを検出するスクリーニングプロトコ ールにおいて用いるために、他の植物種からの核酸とハイブリダイズし得るもの をも含む。ここで用いる場合、CryjIIをコードする核酸配列の断片とは、CryjII 及び/又は成熟CryjIIの完全アミノ酸配列をコードする核酸配列より少ない塩基 を有する核酸配列をいう。一般に、CryjIIの断片をコードする核酸配列を、成熟 蛋白質をコードする塩基から選択するが、ある場合には、この発明の核酸配列の リーダー配列部分からの断片の全部又は一部を選択することが望ましい。この発 明の核酸配列は又、CryjII又はその断片のクローニング、発現又は精製に有用な リンカー配列、改変された制限エンドヌクレアーゼ部位及びその他の配列をも含 む。 CryjIIをコードする核酸配列は、Cryptomeria japonica植物から得ることが出 来る。出願人は、新鮮な花粉及び雄蘂を有する球果がCryjIImRNAの良い源で あることを見出した。Cryptomeria japonicaは杉の周知の種であり、植物材料は 野生、耕作又は装飾用植物から得ることが出来る。CryjIIをコードする核酸配列 は、ここに開示する方法又は遺伝子の単離及びクローニングのための他の任意の 適当な方法を用いて得ることが出来る。この発明の核酸配列はDNA又はRNA であってよい。 本発明は、この発明の核酸配列を発現するための発現ベクター及びトランスフ ォームした宿主細胞を提供する。CryjIIをコードする核酸配列又はそれらの少な くとも1断片をE.coli等の細菌細胞、昆虫細胞(バキュロウイルス)、酵母、 又はチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)等の哺乳動物細胞中で発現させ ることが出来る。適当な発現ベクター、プロモーター、エンハンサー及び他の発 現制御要素は、Sambrook等、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版 ,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,ニューヨーク(1989 )中に見出すことが出来る。他の適当な発現ベクター、プロモーター、エンハン サー及び他の発現要素は、当業者には公知である。哺乳動物、酵母又は昆虫細胞 内での発現は、組換え物質の部分的な又は完全なグリコシレーション及び鎖間又 は鎖内ジスルフィド結合の形成へと導く。酵母内での発現のための適当なベクタ ーは、YepSecl(Baldari等(1987)Embo J.6:229-234);pMFa(Kurjan及びHers kowitz(1982)Cell30:933-943);JRY88(Schultz等(1987)Gene54:113-123) 及びpYES2(Invitrogen Corporationカリフォルニア、San Diego在)を含む。これらの ベクターは自由に入手することが出来る。バキュロウイルス及び哺乳動物発現系 も又入手可能である。例えば、バキュロウイルス系は、昆虫細胞中での発現用に 市販されており(カリフォルニア、San Diego在、PharMingen)、他方、pMSGベクターは 、哺乳動物細胞内 での発現用に市販されている(ニュージャージー、Piscataway在、Pharmacia )。 E.coli内での発現のためには、適当な発現ベクターは、他のものの内で、pTR C(Amann等(1988)Gene69:301-315);pGEX(オーストラリア、Melbourne在、Amrad Co rp.);pMAL(マサチューセッツ、Beverly在、N.E.Biolabs);pRIT5(ニュージャージー、Pisca taway在、Pharmacia);pET-lld(ウィスコンシン、Madison在、Novagen)Jameel等、( 1990)J.Virol.64:3963-3966;及びpSEM(Knapp等(1990)BioTechniques8:280- 281)を含む。例えば、pTRC及びpET-lldの利用は、未融合蛋白質の発現へと導く 。pMAL、pRIT5、pSEM及びpGEXの利用は、マルトースE結合蛋白質(pMAL)、蛋 白質A(pRIT5)、切り詰めたβ−ガラクトシダーゼ(PSEM)又はグルタチオン S−トランスフェラーゼ(pGEX)に融合したアレルゲンの発現へと導くであろう 。CryjII断片又はその断片が融合蛋白質として発現される場合には、キャリアー 蛋白質とCryjII又はその断片との間の融合点に酵素開裂部位を導入することは特 に有利である。次いで、CryjII又はその断片を融合蛋白質からその酵素部位にお ける酵素間裂並びに蛋白質及びペプチド精製のための従来技術を用いる生化学的 精製によって回収することが出来る。適当な酵素開裂部位は、血液凝固因子Xa 又はトロンビンに対するものを含み、それに対する適当な酵素は、例えば、ミズーリ 、St.Louis在、Sigma Chemical Company及びマサチューセッツ、 Beverly在、N.E.Biolabsから入手することが出来る。種々のベクターは、構成的 発現又は例えばIPTG誘導(PRTCAmann等、(1988)前出;pET-lld,ウィスコンシン 、Madison在、Novagen)若しくは温度誘導(pRIT5、ニュージャージー、Piscataway在、P harmacia)を用いる誘導可能な発現を可能にする種々のプロモーター領域を有す る。組換えにより発現される蛋白質を分解する能力を変えた種々のE.coli宿主 中で組換えCryjIIを発現させることも適当であろう(例えば、米国特許第4,7 58,512号)。或は、E.coliにより優先的に利用されるコドンを用いるよ うに核酸配列を変えることは有利であり得る(ここに、かかる核酸の変化は、発 現されるアミノ酸配列に影響を与えないものである)。 宿主細胞は、リン酸カルシウム若しくは塩化カルシウム共沈殿、DEAE−デ キストラン媒介トランスフェクション、又は電気穿孔法等の従来技術を用いて、 この発明の核酸配列を発現するようにトランスフォームすることが出来る。宿主 細胞をトランスフォームするための適当な方法は、Sambrook等、前出及び他の実 験室用テキスト中に見出され得る。この発明の核酸配列は又、標準的技術を用い て合成することも出来る。 本発明は又、精製した杉花粉アレルゲンCryjII又は少なくともその1断片を製 造する方法をも提供し、それは、杉花粉アレルゲンCryjII又は少なくともその1 断片をコードするDNA配列でトランスフォームした宿主細 胞を適当な培地中で培養して該杉花粉アレルゲンCryjII若しくはその少なくとも 1断片を含む細胞及び培地の混合物を生成し;そしてその混合物を精製して実質 的に純粋な杉花粉アレルゲンCryjII又はその少なくとも1断片を生成する工程を 含んでいる。CryjII又はその少なくとも1断片をコードするDNAを含む発現ベ クターでトランスフォームした宿主細胞をその宿主細胞に適した培地中で培養す る。CryjII蛋白質及びペプチドは、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過ク ロマトグラフィー、限外濾過、電気泳動及びCryjII若しくはその断片に特異的な 抗体を用いる免疫精製を含むペプチド又は蛋白質を精製するための公知技術を用 いて、細胞培養培地、宿主細胞又はその両者から精製することが出来る。単離し た及び精製したという用語は、ここでは、交換可能であって、組換えDNA技術 又は化学的前駆体により生成したときに、実質的に細胞性物質若しくは培養培地 を含まないペプチド、蛋白質、蛋白質断片及び核酸配列のことをいう。 CryjII蛋白質は又、実施例1に記載するように杉花粉からも単離し得る。ここ では、杉花粉から直接単離されたCryjIIは「天然の精製」CryjIIとして言及する 。この発明の天然の精製CryjIIが少なくとも80%の純度であること、一層好ま しくは少なくとも90%の純度であること、更に好ましくは均質(少なくとも9 9%)にまで精製されていることは、好ましいことである。 この発明の他の面は、杉花粉アレルゲンCryjII又はその少なくとも1断片(杉 花粉アレルゲンCryjIIの全部又は一部をコードするDNA配列でトランスフォー ムした宿主細胞内で合成されたもの、或は化学合成したもの)、及び精製した杉 花粉アレルゲンCryjII蛋白質又はこれらの少なくとも1つの抗原性断片(この発 明の核酸配列でトランスフォームした宿主細胞内で生成したもの、或は化学合成 したもの)を含む調製物を提供する。この発明の好適具体例において、CryjII蛋 白質は、少なくとも成熟CryjII蛋白質をコードする核酸配列でトランスフォーム した宿主細胞内で産生される。 CryjIIの抗原性断片は、例えば、かかるペプチドをコードするこの発明の対応 する核酸配列の断片から組換えにより生成されたペプチドをスクリーニングする か、又は、当業者に公知の技術を用いて化学的に合成されたペプチドをスクリー ニングするか、又は、このアレルゲンの化学的開裂により生成したペプチドをス クリーニングすることによって得ることが出来る。このアレルゲンは、これらの ペプチドの重複を有しない所望の長さの断片に自由に分割することが出来、或は 好ましくはこれらのペプチドの重複を有しない所望の長さの断片に自由に分割す ることが出来、或は好ましくは所望の長さの重複する断片に分割することが出来 る。これらの断片を試験して、それらの抗原性(例えば、実施例7で論ずるよう な、断片のT細胞増殖等の免疫応答を誘導する能力)を 測定する。 抗原性断片は又、Hill等の論文、Journal of Immunology,147:184-197(1991 )により論じられたようなアルゴリズムを用いても予想し得る。Hill等により論 じられたアルゴリズム等のT細胞活性を導出するペプチドを予想するためのアル ゴリズムは、蛋白質配列に基いており、そこでは、その配列内のあるパターンは MHCに結合しそうでありそれ故にT細胞エピトープを含み得る。実施例7で論 じるCryjIIA及びCryjIIB等のアルゴリズムにより予想されたペプチドを、実施例 7で論じる様にして組換え又は合成により生成してT細胞活性について試験する ことが出来る。 もし杉花粉アレルゲン例えばCryjIIの断片を治療目的に利用すべきであるなら ば、刺激(即ち、増殖又はリンホカイン分泌)等のT細胞応答を導出することが 出来及び/又はT細胞アネルギーを誘導することの出来る杉花粉アレルゲンの断 片は特に望ましく、最小IgE刺激活性を有する杉花粉の断片も又望ましい。更 に、治療目的のために、精製杉花粉アレルゲン例えばCryjII及びそれらの断片は 、好ましくは、杉花粉に特異的なIgEに結合せず、或は天然の精製杉花粉アレ ルゲンがかかるIgEに結合する程度より実質的に僅かしかかかるIgEに結合 しない。もし精製杉花粉アレルゲン又はその断片がIgEに結合するならば、か かる結合がマスト細胞又は好塩基球からのメディエーター(例えば、ヒスタミン ) の放出を生じないことが望ましい。最小IgE刺激活性は、天然のCryjII蛋白質 により刺激されるIgE生成の量より少ないIgE刺激活性のことをいう。 T細胞刺激活性を有し、従って、少なくとも1つのT細胞エピトープを含む本 発明の単離した抗原性断片又はペプチドは、特に望ましい。T細胞エピトープは 、アレルギーの臨床症状の原因と成る蛋白質アレルゲンに対する免疫応答の開始 及び持続に関与すると考えられている。これらのT細胞エピトープは、抗原提示 細胞の表面上の適当なHLA分子に結合して関連T細胞サブポピュレーションを 刺激することによりヘルパーT細胞のレベルで初期事象の引き金を引くと考えら れる。これらの事象は、T細胞増殖、リンホカイン分泌、局所的炎症反応、追加 の免疫細胞のその部位への補充及び抗体産生へ導くB細胞カスケードの活性化へ と導く。これらの抗体の1つのイソ型であるIgEは、アレルギー症状の発達に 基本的に重要であり、その産生は事象のカスケードの初期に、ヘルパーT細胞の レベルで、分泌されたリンホカインの性質により影響を受ける。エピトープは、 レセプターによる認識の基本要素又は最小単位であり(特に、免疫グロブリン、 組織適合抗原及びT細胞レセプター)、このエピトープはレセプター認識に必須 のアミノ酸を含んでいる。エピトープ特にT細胞エピトープのアミノ酸配列を真 似るアミノ酸配列及び蛋白質アレルゲンに対するアレルギー応答を調節するアミ ノ酸配列(Cryj IIに対するアレルギー応答を下方制御し得るものを含む)は、この発明の範囲内 にある。 実施例7で論じるように、杉花粉アレルゲンに感受性の個人(即ち、杉花粉ア レルゲンに対するIgE媒介の免疫応答を有する個人)から得たT細胞をアレル ゲンから誘導したペプチドと共に培養し、このペプチドへの応答においてT細胞 の増殖が起きるかどうかを、例えばトリチウム化チミジンの細胞への取り込みに よる測定により測定することによって、ヒトT細胞剌激活性を試験することが出 来る。ペプチドに対するT細胞による応答についての刺激インデックスを、ペプ チドに対する応答における最大CPMを対照のCPMで除したものとして計算す ることが出来る。バックグラウンドレベルの2倍以上の刺激インデックス(S. I.)を「陽性」と考える。陽性結果を用いて、試験した各ペプチドに対する平 均刺激インデックスを計算する。この発明の好適ペプチドは、少なくとも1つの T細胞エピトープを含み且つ2.0以上の平均T細胞剌激インデックスを有する 。2.0以上の平均T細胞刺激インデックスを有するペプチドは、治療剤として 有用であると考えられる。図17に示すように、CryjIIペプチドのCryjIIA及びC ryjIIBは、少なくとも2の平均刺激インデックスを有し、それ故に、予想される ように、少なくとも1つのT細胞エピトープを含む。 杉花粉からの精製蛋白質アレルゲン又はそれらの好適 な抗原性断片は、杉花粉感受性の個人又は杉花粉アレルゲンと交差反応性のアレ ルゲンに対してアレルギー性の個人に投与した場合、その個人の杉花粉若しくは かかる交差反応性のアレルゲンに対するアレルギー応答を調節し、好ましくは、 その個人のそのアレルゲンに対するB細胞応答、T細胞応答又はB細胞及びT細 胞応答の両者を調節することが出来る。ここで用いる場合、杉花粉アレルゲンに 感受性の個人のアレルギー応答の調節は、標準臨床手順により測定したときに、 アレルゲンに対する非応答性又は症状の減少として定義することが出来る(例え ば、Varney等、British Medical Journal,302:265-269(1990)を参照されたい )(杉花粉誘発性の喘息症状の減少を含む)。ここでいう場合、症状の減少は、 個人がこの発明のペプチド若しくは蛋白質を用いる治療管理を完了した後でのア レルゲンに対する任意のアレルギー応答の減少を含む。この減少は、主観的なも のであって良い(即ち、患者がアレルゲンの存在下で一層快適に感じればよい) 。症状の減少は又、公知の標準皮膚試験を用いて臨床的に測定することも出来る 。 精製したCryjII蛋白質又はその断片を、好ましくは、Tamura等(1986)Microb iol.Immunol.30:883-896又は米国特許第4,939,239号に開示されたマウ スモデル等の杉花粉の哺乳動物モデルにて、又はChiba等(1990)Int.Arch.Alle rgy Immunol.93:83-88に開示された霊長類モデルにて試験する。蛋白質又はその 断片に対するI gE結合についての初期スクリーニングは、実験動物又はヒトのボランティアに 対するスクラッチ試験又は皮内皮膚試験によって、又はRAST(放射アレルゲ ン吸着試験)、RAST阻害、ELISAアッセイ、放射免疫アッセイ(RIA )又はヒスタミン放出にて行なうことが出来る。 アレルギーの個人を、本発明の精製した蛋白質アレルゲン又は本発明の抗原性 断片(少なくとも1つのT細胞エピトープを含み、蛋白質アレルゲンから誘導さ れる)にさらすと、適当なT細胞サブポピュレーションを寛容化し又は免疫性減 少させて、それらを蛋白質アレルゲンに対して非応答性にし且つこのようにさら されても免疫応答の刺激に関与しないようにすることが出来る。更に、少なくと も1つのT細胞エピトープを含むこの発明の蛋白質アレルゲン又は本発明の抗原 性断片の投与は、天然の蛋白質アレルゲン又はその部分にさらすことと比較して リンホカイン分泌プロフィルを調節することが出来る(例えば、IL−4の減少 及び/又はIL−2の増加を生じる)。更に、かかる抗原性断片又は蛋白質アレ ルゲンにさらすことは、通常そのアレルゲンに対する応答に関与するT細胞サブ ポピュレーションに影響を与えて、それらのT細胞が通常そのアレルゲンにさら される部位(例えば、鼻粘膜、皮膚及び肺)から離れて治療用の断片又は蛋白質 アレルゲンの投与部位に向かうようにすることが出来る。このT細胞サブポピュ レーションの 再分配は、アレルゲンに通常さらされる部位において通常の免疫応答を刺激する 患者の免疫系の能力を改善し又は減少させ、アレルギー症状の減少を生じる。 単離したCryjII蛋白質及びそれらから導かれる断片又は部分を、杉花粉アレル ゲン又は交差反応性蛋白質アレルゲンに対するアレルギー反応を診断し、治療し 及び予防する方法において用いることが出来る。従って、本発明は、単離した杉 花粉アレルゲンCryjII又はその少なくとも1断片(CryjII又はその少なくとも1 断片を発現するようにトランスフォームした宿主細胞にて生成したもの)及び製 薬上許容し得るキャリアー若しくは希釈剤を含む治療用組成物を提供する。この 発明の治療用組成物は又、合成により調製したCryjII又はその少なくとも1断片 及び製薬上許容し得るキャリアー若しくは希釈剤を含んでもよい。脱感作される べき個人への本発明の治療用組成物の投与は、公知技術を用いて行なうことが出 来る。CryjII、JunvI若しくはJunsI蛋白質又はそれらの少なくとも1断片を例え ば適当な希釈剤、キャリアー及び/又はアジュバントと組合せて個人に投与する ことが出来る。製薬上許容し得る希釈剤は塩溶液及び緩衝剤水溶液を含む。製薬 上許容し得るキャリアーは、ポリエチレングリコール(Wie等(1981)Int.Arch. Allergy Appl.Immunol.64:84-99)及びリポソーム(Strejan等(1984)J.Neuroi mmunol 7:27)を含む。T細胞アネルギーを誘導する目的には、この治療用組成 物を、好ましく は、非免疫原形態(例えば、アジュバントを含まない)で投与する。かかる組成 物は、一般に、注射(皮下、静脈等)、経口投与、吸入、経皮適用又は直腸投与 により投与する。この発明の治療用組成物を、杉花粉感受性の個人に、その個人 の杉花粉に対する感受性を減じる(即ち、アレルギー応答を減じる)のに十分な 投与量及び期間で投与する。この治療用組成物の有効量は、その個人の杉花粉に 対する感受性の程度、年齢、性別及び体重、並びにCryjII蛋白質又はその断片が その個人における抗原応答を誘出する能力等の因子によって変化する。 CryjIIcDNA(又は該cDNAが転写されたmRNA)又はその一部を用い て、任意の種類又は型の植物において類似の配列を同定することが出来、従って 、CryjIIcDNA若しくはmRNA又はそれらの部分にハイブリダイズするだけ 十分な相同性を有する配列(例えば、Cupressus sempervirens,Juniperus sabi noides等のアレルゲンからのDNA)を低緊縮条件下で同定し又は「引き出す」 ことが出来る。それらの十分な相同性(一般に40%を超える)を有する配列を 、ここに記載した方法を用いて、更なる評価のために選択することが出来る。或 は、高緊縮条件を用いることが出来る。この方法では、本発明のDNAを用いて 、他の型の植物、好ましくは関連する科、属又は種(例えば、Juniperus又はCup ressus)において、杉花粉アレルゲンCryjIIのアミノ酸配列に類似のアミノ酸配 列を有するポリペプチドをコードする配列を同定することが出来、それ故、他の 種におけるアレルゲンを同定することが出来る。従って、本発明は、CryjIIを含 むだけでなく、本発明のDNAとハイブリダイズするDNAによりコードされる 他のアレルゲンをも含む。この発明は、更に、以前に同定されていない単離した アレルゲン性蛋白質又はそれらの断片を含み、それらは、抗体交差反応(単離し たアレルゲン性蛋白質又はそれらの断片はこの発明の蛋白質及びペプチドに特異 的な抗体に結合することが出来る)により、又はT細胞交差反応(単離したアレ ルゲン性蛋白質又はそ れらの断片はこの発明の蛋白質及びペプチドに特異的なT細胞を刺激することが 出来る)等により、免疫的にCryjII又はその断片と関係している。 本発明のcDNAによりコードされる蛋白質又はペプチドを、例えば、「精製 した」アレルゲンとして用いることが出来る。かかる精製したアレルゲンは、杉 花粉症の診断及び治療のための鍵となる試薬であるアレルゲン抽出物の標準化に おいて有用である。更に、CryjIIの核酸配列に基づくペプチドを用いることによ り、抗ペプチド抗体又はモノクローナル抗体を、標準的方法を用いて作成するこ とが出来る。これらの血清又はモノクローナル抗体を用いてアレルゲン抽出物を 標準化することが出来る。 本発明のペプチド及び蛋白質の利用により、首尾一貫した、十分に規定された 組成及び生物学的活性を有する製剤を作成して治療目的のために投与することが 出来る(例えば、杉感受性の個人のかかる木々の花粉に対するアレルギー応答を 調節する等)。かかるペプチド又は蛋白質の投与は、例えば、CryjIIアレルゲン に対するB細胞応答、CryjIIアレルゲンに対するT細胞応答又はB及びT細胞の 両方の応答を調節することが出来る。精製したペプチドは又、Cryptomeria japo nicaアレルギーの免疫療法の機構を研究し及び免疫療法において有用な改変した 誘導体又はアナログをデザインするために用いることも出来る。 他の人々の仕事は、一般に、アレルゲンの高投与量が最良の結果(即ち、最大 の症状軽快)を生じるということを示した。しかしながら、多くの人々は、アレ ルゲンに対するアレルギー反応のために、アレルゲンの大量投与に耐えられない 。対応する天然のアレルゲンと同じかそれより増大された治療特性を有するが減 少した副作用(特に、アナフィラキシー反応)を有する改変したペプチド又は改 変したアレルゲンが生成されるような方法で、天然のアレルゲンの改変をデザイ ンすることが出来る。これらは、例えば、本発明の蛋白質又はペプチド(例えば 、CryjIIのアミノ酸配列の全部又は一部を有するもの)、又は改変した蛋白質若 しくはペプチド、又は蛋白質若しくはペプチドのアナログであってよい。 溶解度を増し、治療若しくは予防効果又は安定性(例えば、生体外での貯蔵寿 命及びイン・ビボでの蛋白質分解に対する抵抗性)を増大させる等の目的で、こ の発明の蛋白質又はペプチドの構造を改変することは可能である。免疫原性を改 変し及び/又はアレルゲン性を減じるために、アミノ酸置換、欠失又は付加等に よってアミノ酸配列が変化した、或は、同じ目的のために成分が加えられた、改 変した蛋白質又はペプチドを生成することが出来る。例えば、T細胞エピトープ 機能に必須のアミノ酸残基を公知の技術(例えば、各残基の置換及びT細胞反応 性の有無の測定)を用いて測定することが出来る。 例えば、ペプチドを、強い増殖応答の誘導能力を伴わ ないでT細胞アネルギーを誘導し及びMHC蛋白質に結合する能力、並びに免疫 原形態での投与時の増殖応答を維持するように改変することが出来る。この場合 には、T細胞レセプターに対する重大な結合残基を、公知の技術(例えば、各残 基の置換及びT細胞反応性の存否の測定)を用いて決定することが出来る。T細 胞レセプターとの相互作用に必須であることが示されたそれらの残基を、必須ア ミノ酸を他のもの好ましくはその存在がT細胞反応性を増大し、関連MHCへの 結合を除去はしないが減少させる類似のアミノ酸残基で置換(保存的置換)する ことによって改変することが出来る。 更に、この発明のペプチドを、MHC蛋白質複合体との相互作用に必須である べきことが示されたアミノ酸を他のもの好ましくはその存在がT細胞活性を増大 し、除去はしないが減少させ又は該活性に影響しないことが示された類似のアミ ノ酸残基と置換(保存的置換)することによって改変することが出来る。更に、 MHC蛋白質複合体との相互作用に必須でないがMHC蛋白質複合体にやはり結 合するアミノ酸残基を、その取り込みがT細胞反応性を増大し、影響せず又は除 去はしないが減少させる他のアミノ酸で置換することによって改変することが出 来る。非必須アミノ酸についての好適なアミノ酸置換は、アラニン、グルタミン 酸又はメチルアミノ酸での置換を含む(但し、それらに限定はされない)。 蛋白質又はペプチドの改変の他の例は、システイン残 基を好ましくはアラニン、セリン、スレオニン、ロイシン又はグルタミン酸で置 換してジスルフィド結合を介する2量体形成を最少化することである。この発明 のペプチドの改変の他の例は、このペプチドのアミノ酸側鎖の化学的改変又は環 化である。 安定性及び/又は反応性を増大するために、この発明の蛋白質又はペプチドを 改変して、その蛋白質アレルゲンのアミノ酸配列に、自然の対立遺伝子変化から 生じる1つ以上の多形を取り込むことも出来る。更に、Dアミノ酸、非天然アミ ノ酸又は非アミノ酸アナログを代用とし又は加えて、この発明の範囲内の改変し た蛋白質又はペプチドを生成することが出来る。更に、本発明の蛋白質又はペプ チドを、A.Sehonと共同研究者(Wie等、前出)のポリエチレングリコール(PE G)法を用いて改変してPEGと結合した蛋白質又はペプチドを生成することが 出来る。更に、PEGを、この発明の蛋白質又はペプチドの化学合成中に加える ことが出来る。蛋白質若しくはペプチド又はその部分の改変は又、還元/アルキ ル化(Tarr、Methods of Protein Microcharacter-ization,J.E.Silver編、Hum ana Press,Clifton,NJ,155-194頁(1986)中);アシル化(Tarr、前出); 適当なキャリアーへの化学カップリング(Mishell及びShiigi編、Selected Meth ods in Cellu1ar Immunology,WH Freeman,San Francisco,CA(1980);米国 特許第4,939,239号);又は温和なホルマリン処理 (Marsh International Archives of Allergy and Applied Immunology,41:1 99-215(1971))をも含むことが出来る。 この発明の蛋白質及びペプチドの精製を容易にし且つ溶解度を潜在的に増大さ せるために、そのペプチドの主鎖にレポーター基を加えることが出来る。例えば 、ポリヒスチジンをペプチドに加えてそのペプチドを固定化金属イオンアフィニ ティークロマトグラフィーで精製することが出来る(Hochuli,E.等、Bio/Techn olgy,6:1321-1325(1988))。更に、特異的なエンドプロテアーゼ開裂部位を 、所望であれば、レポーター基とペプチドのアミノ酸配列との間に導入して無関 係の配列を含まないペプチドの単離を促進することが出来る。蛋白質抗原に対し て個人を上首尾に脱感作するためには、蛋白質若しくはペプチドの溶解度を、そ のペプチドに官能基を付加することにより又は疎水性T細胞エピトープ若しくは これらのペプチド中の疎水性エピトープを含む領域若しくはこの蛋白質若しくは ペプチドの疎水性領域を含まないことによって、増大させることが必要であろう 。 ペプチド内のT細胞エピトープの適当な抗原プロセッシングを潜在的に補助す るために、それぞれ少なくとも1つのT細胞エピトープを含む領域間で、標準的 プロテアーセ感受性部位を組換えにより又は合成によって工作することが出来る 。例えば、KK若しくはRR等の荷電したアミノ酸の対を、ペプチドの組換え構 築中にペプチ ド内の領域間に導入することが出来る。その結果のペプチドを、カテプシン及び /又は他のトリプシン様酵素開裂に対して感受性にして1つ以上のT細胞エピト ープを含むペプチドの部分を生成することが出来る。更に、かかる荷電アミノ酸 残基は、ペプチドの溶解度の増大を生じさせることが出来る。 この発明のペプチド若しくは蛋白質(例えば、CryjII又はその断片)をコード するDNAの位置指定突然変異導入法を利用して、公知の方法によってこのペプ チド若しくは蛋白質の構造を改変することが出来る。かかる方法は、その他の方 法の内で、縮退したオリゴヌクレオチド(Ho等、Gene,77:51-59(1989))を用 いるか又は全合成の突然変異遺伝子(Hostomsky,Z.等、Biochem.Biophys,Res. Comm.,161:1056-1063(1989))を用いるPCRを含む。細菌での発現を促進す るために、前述の方法を他の手順と共に用いて、この発明の蛋白質若しくはペプ チドをコードするDNA構築物中の真核生物用コドンを、E.coli、酵母、哺乳 動物細胞又は他の真核生物細胞中で優先的に利用されているものに変えることが 出来る。 現在利用可能な構造的情報を用いて、杉花粉感受性の個人に十分量で投与した ときにその個人の杉花粉に対するアレルギー応答を調節するCryjIIペプチドをデ ザインすることが出来る。これは、例えば、CryjIIの構造を調べ、杉花粉感受性 の個人におけるB細胞及び/又はT細胞応答に影響を与える能力について試験す べきペプチド を(発現系により、合成により若しくはその他の方法により)生成し及びそれら の細胞により認識されるエピトープを含む適当なペプチドを選択することによっ て行なうことが出来る。杉花粉アレルゲンが杉花粉感受性の個人にアレルギー反 応を誘発する能力をブロックし若しくは阻止することの出来る薬剤若しくは薬物 をデザインすることも現在可能である。かかる薬剤は、例えば、それらが関連す る抗CryjIIIgEに結合し、それ故、IgE−アレルゲン結合及びその後のマス ト細胞脱顆粒を阻止するような方法でデザインすることが出来る。或は、かかる 薬剤は、免疫系の細胞性成分に結合することが出来、Cryptomeria japonica花粉 アレルゲンに対するアレルギー応答の抑制若しくは脱感作を生じる。これの非制 限的な例は、杉花粉に対するアレルギー応答を抑制する本発明のcDNA/蛋白 質構造に基づく、適当なB及びT細胞エピトープペプチド又はそれらの改変物の 利用である。これは、杉花粉感受性の個人からの血液成分を用いるイン・ビトロ 研究においてB及びT細胞機能に影響を与えるB及びT細胞エピトープペプチド の構造を限定することにより行なうことが出来る。 本発明の蛋白質、ペプチド又は抗体を、杉花粉症を検出し及び診断するために 利用することも出来る。例えば、これは、杉花粉に対する感受性を評価すべき個 人から得た血液若しくは血液生成物を、単離した抗原性ペプチド若しくはCryjII のペプチド、又は単離したCryjII蛋 白質と、血液成分(例えば、抗体、T細胞、B細胞)とペプチド若しくは蛋白質 との結合に適した条件下で合わせて、かかる結合が起きる程度を測定することに よって行なうことが出来る。本発明の蛋白質、ペプチド又は抗体を利用し得る他 のアレルギー疾患の診断方法は、放射アレルゴソルベント試験(RAST)、ペ ーパー放射免疫ソルベント試験(PRIST)、酵素結合免疫ソルベントアッセ イ(ELISA)、放射免疫アッセイ(RIA)、免疫−放射分析アッセイ(I RMA)、蛍光免疫アッセイ(LIA)、ヒスタミン放出アッセイ及びIgE免 疫ブロットを含む。 他の診断試験において、個人における少なくとも1つの蛋白質アレルゲンCryj IIに特異的なIgEの存在及びそれらの個人のT細胞のCryjII蛋白質アレルゲン のT細胞エピトープに応答する能力は、それらの個人に即時型過敏症試験及び遅 延型過敏症試験を施すことによって測定することが出来る。これらの個人に、Cr yjII蛋白質アレルゲン若しくはその一部分又はCryjII蛋白質若しくはその一部分 の改変型(各々は、このアレルゲンに特異的なIgEに結合する)を用いて即時 型過敏症試験(例えば、Immunology(1985)Roitt,I.M.,Male,D.K.(編),C .V.Mosby Co.,Gower Medical Publishing,London,NY,19.2-19.18頁;22.1-2 2.10頁を参照)を施した。これらの同じ患者に、即時型過敏症試験を施す前、施 すと同時、又は施した後に、遅延型過敏症試験を施した。勿 論、即時型過敏症試験を遅延型過敏症試験の前に施す場合は、遅延型過敏症試験 は特異的な即時型過敏症反応を示した個人に行なわれる。遅延型過敏症試験は、 蛋白質アレルゲン若しくはその一部分の改変型又は蛋白質アレルゲンから導かれ たレコンビトープペプチドを利用し、これらの各々は、ヒトT細胞刺激活性を有 するが、このアレルゲンに感受性の個人集団の相当のパーセンテージ(例えば、 少なくとも約75%)においてこのアレルゲンに特異的なIgEに結合しない。 上記の診断試験の結果に基いて、特異的な即時型過敏症反応及び遅延型過敏症反 応の両方を有することが見出された個人は、治療上有効な量の治療用組成物を投 与するための適当な候補である。この治療用組成物は、改変型の蛋白質若しくは その一部分、組換えにより生成した蛋白質アレルゲン、又はレコンビトープペプ チド(各々、遅延型過敏症試験で用いられる)及び製薬上許容し得るキャリアー 若しくは希釈剤を含む。 本発明は又、CryjIIのすべての若しくは少なくとも1つの断片をコードするD NAを含む発現ベクターを含む宿主細胞をCryjII若しくは少なくともその1断片 の発現に適した条件下で培養することを含むCryjII若しくはその断片を生成する 方法をも提供する。次いで、発現された生成物を公知技術を用いて回収する。或 は、CryjII若しくはその断片を、公知の機械的若しくは化学的技術を用いて合成 することが出来る。 この発明の任意の具体例において用いたDNAは、ここに記載したようにして 得られたcDNAであるか、或は、ここに表示した配列の全部若しくは一部を有 する任意のオリゴデオキシヌクレオチド配列又はそれらの機能的等価物であって よい。かかるオリゴデオキシヌクレオチド配列は、公知技術を用いて、化学的若 しくは酵素的に生成することが出来る。オリゴヌクレオチド配列の機能的等価物 は、1)CryjIIの配列(又は対応する配列部分)又はその断片がハイブリダイズ する相補的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズし得る配列、又は2)CryjIIに 相補的な配列(又は対応する配列部分)及び/又は3)CryjIIの配列(又は対応 する配列部分)によりコードされる生成物と同じ機能的特性を有する生成物(例 えば、ポリペプチド又はペプチド)をコードする配列であるものである。機能的 等価物が一方の基準を満たさなければならないか両方の基準を満たさなければな らないかは、その利用に依る(例えば、もしそれがオリゴプローブとしてのみ用 いられるならは、それは第1若しくは第2の基準を満たしさえすれば良く、もし それがCryjIIアレルゲンを生成するために用いられるならば、第3の基準さえ満 たせば良い)。 この発明を、更に、下記の非制限的実施例により説明する。実施例1 杉花粉アレルゲン(CryjII)の精製 以下の杉花粉からの天然アレルゲンCryjIIの精製は、以前に刊行された報告( Yasueda等、J.Allergy C1in.Immunol.71:77,1983;Sukaguchi等、Allergy,45: 309(1990))を改変したものである。 日本国から得た100gの杉花粉(ワシントン、Spokane在、HollisterStir) を1Lのジエチルエーテル中で3回脱脂し、濾過後に花粉を集めてエーテルを真 空中で乾燥させた。 脱脂した花粉を、50mM トリスHCl(pH7.8)、0.2M NaC l及びプロテアーゼ阻害剤(2μg/ml(終濃度)大豆トリプシン阻害剤、1 μg/ml(終濃度)ロイペプチン、1μg/ml(終濃度)ペプスタチン及び 0.17mg/ml(終濃度)フェニルメチルスルホニルフルオリド)を含む2 Lの抽出用緩衝液中で4℃で一晩抽出した。不溶性物質を1.2Lの抽出用緩衝 液で4℃で一晩再抽出し、両抽出物を合わせて、抽出用緩衝液で平衡化したWhat man DE-52セルロース(乾重量200g)を用いてバッチ式吸収により色素脱失 した。 色素脱失した物質を、次いで、80%飽和(4℃)の硫安沈澱により分画して 、低分子量の物質の多くを除去した。その結果のペレットを、0.4Lのプロテ アーゼ阻害剤を含む50mM 酢酸ナトリウム(pH5.0)に再懸濁させ、同 緩衝液に対して十分に透析した。 この試料を、更に、下記の2つの方法の何れか1つによる精製にかけた。方法A この試料を、4℃でプロテアーゼ阻害剤を加えた50mM 酢酸ナトリウム( pH5.0)で平衡化した100mLのDEAEセルロースカラム(Whatman DE -52)に加えた。DEAEセルロースカラムからの未結合物質(塩基性蛋白質) を、次いで、プロテアーゼ阻害剤を加えた4℃の10mM 酢酸ナトリウム(p H5.0)で平衡化した50mlのカチオン交換カラム(Whatman CM-52)に加 えた。0−0.3M NaClの直線的勾配を用いてこれらの蛋白質を溶出させ た。初期画分はCryjIに富み、他方後期画分はCryjIIに富んでいた。CryjIIを含 む画分をプールし、次いで、10mM酢酸ナトリウム(pH5.0)にてlmL のMono S HR5/5カラム(ニュージャージー、Pischatway在、Pharmacia)に加えて蛋白質 を室温でNaClの直線的勾配を用いて溶出させた。残留CryjIは0.2M N aClで溶出し、CryjIIは0.3〜0.4M NaClで溶出した。CryjIIのピ ークをプールし、凍結乾燥により2倍に濃縮してゲル濾過クロマトグラフィーに かけた。 この試料を、10mM 酢酸緩衝液(pH5.0)及び0.15M NaCl にて、FPLC Superdex 7516/60カラム(ニュージャージー、Piscataway在、Pharmaci a)に、室温で、30ml/分の流量で加えた。精製CryjII を35〜30kD領域で回収した。CryjIIは、SDS−PAGE(銀染色)で分 析した際に、非還元条件下で、2つのブロードなバンドとしてCryjIより低く移 動した(図1a)が、還元条件下では、両バンドとも上方へシフトしてCryjIと して移動した(図1b)。この高度に精製したCryjIIは、CryjIに結合すること が示されたMAb CBF2を用いるウエスタンブロット及びN末端蛋白質配列決定 により検出したように、依然として少量(〜5%)のCryjIを含んだ。このCryjI I調製物を用いて、後述のように、CryjIIの一次蛋白質配列を生成させた。方法B 硫安沈澱から透析した試料を、プロテアーセ阻害剤を含む50mM 酢酸ナト リウム(pH5.0)で4℃で平衡化した5.0mlのQ-Sepharose Econapacア ニオン交換カートリッジ(カリフォルニア、Richmond在、BioRad)に1ml/分で加え た。溶出を、0.5M NaClを含む上記の緩衝液を用いて行なった。次いで 、塩基性の未結合物質を、プロテアーセ阻害剤を含む50mM 酢酸ナトリウム (pH5.0)で平衡化した5.0mlのCM-Sepharose Econopacカチオン交換 カートリッジ(カリフォルニア、Richmond在、BioRad)に加えた。塩基性蛋白質を、0 .1M リン酸ナトリウム(pH7.0)、0.3M NaClまでの直線的勾 配を用いて4℃で1ml/分にて溶出した。CryjIIに富むピークを勾配の 後期にて集めて更にゲル濾過クロマトグラフィーにより精製した。 FPLCゲル濾過を、320mLのSuperdex 7526/60(ニュージャージー、Piscataway 在、Pharmacia)カラムを用いて、0.15M NaClの存在下で20mM酢 酸ナトリウム(pH5.0)にて、0.5ml/分で行なった。CryjIIを殆ど含 む主要ピークは、160〜190mlにて溶出した。次に、夾雑CryjIを、10 mlM 酢酸ナトリウム(pH5.0)で平衡化した1.0ml Mono S 5/5(ニュージャージー 、Piscataway在、Pharmacia)カチオン交換カラムを用いるFPLCに より除去した。0〜1M NaClの段階的勾配を、0.2M、0.3M、0. 4M及び1M塩濃度をイソクラティックに維持することにより利用した。 複数のピーク(最大9ピーク)を得て(図2)、還元条件下のSDS−PAG E(銀染色)により分析した(図3)。報告されたpI8.6〜8.9(Yasued a等、J.Allergy Clin.Immunol.,17巻(1983))を有するCryjIは、初期のピ ークに溶出し、約40kDの分子量を示した。CryjIIは、2本のバンドとして均 質にまで精製され(図3)、後期の複数のピークに溶出されたが、これは、イソ 型の存在を示唆している。生化学的に精製したCryjIに対して高められたマウス モノクローナル抗体8Bll IgGを用いるELISA分析は、これらの精製CryjI I調製物中にCryjIの存在しないことを確実にし た。この精製CryjIIをヒトIgE反応性の研究(実施例6)において用いた。CryjIIの物理的特性 CryjIIの物理的特性を下記のように研究し、要約した。非還元的SDS−PA GE条件下では、CryjIIは、34000〜32000に及ぶ分子量の2本のバン ドからなる。両バンドの分子量は、還元条件下では、約38〜36kDまで高分 子量側へシフトする(図1b)。このSDS−ポリアクリルアミドゲル中でのシ フトも他者(Sakaguchi等、Allergy 45:309-312(1990))により観察された。 これらの結果は、恐らく分子内ジスルフィド結合がこの蛋白質内に存在すること を示唆し、それは、クローン化CryjIIがヌクレオチド配列から演繹される20個 のシステインを含むという現在の発見(実施例3)が支持している。IEFゲル から評価したCryjIIのpIは約10である。この精製CryjIIは、何人かの患者の ヒトIgEと結合する。 これらのCryjIIの2つの分子量のバンドを、12%SDS−ポリアクリルアミ ドゲル上で分離し、次いで、PVDF膜(カリフォルニア、Foster City在、Applied Bi osystems)上にエレクトロブロットした。そのブロットを、クーマシーブリリア ントブルーで染色し、切り取ってN末端アミノ酸配列決定にかけた(実施例2) 。それらの結果は、低分子量のバンドが最初の5アミノ酸を失っていることを除 いては、これらの分子量の大きいバ ンド及び小さいバンドが同じN末端配列を有することを示した。cDNAの配列 に基いて評価した大きい方のバンドの分子量は約52,000であり、これは、 還元剤の存在及び不在においてSDS−ポリアクリルアミドゲルで評価した分子 量より有意に大きい。それは又、ゲル濾過及び予備的質量分析から得られたもの よりも大きい。この違いを説明する幾つかの可能性がある。1つの可能性は、Cr yjII蛋白質がプロセッシングを受けるということである。この蛋白質のN末端及 びC末端が開裂されるということはあり得ることである。このプロセッシングが 細胞中で起こるのか或は、4種の異なるプロテアーセ阻害剤を殆どの精製工程で 加えたにもかかわらず精製工程の間の蛋白質加水分解によるものであるのかは現 時点では不明である。それにもかかわらず、精製CryjIIから得られた2つのN末 端配列(実施例2)は又、Sakaguchi等(Allergy,45:309-312(1990))により 公表されたN末端配列(10アミノ酸)を含み、これは、恐らくCryjIIのN末端 が加水分解されていることを示唆している。Sakaguchi等(前出)は彼らの精製 において何らプロテアーゼ阻害剤を用いなかったので、高度の加水分解が起きた のであろう。これは、Sakaguchi等が得たN末端アミノ酸配列が何故に実施例2 で論じるN末端配列の下流であったのかを説明することが出来よう。 天然CryjII又は組換えCryjIIを精製するために用い得る他のアプローチは、イ ムノアフィニティークロマトグ ラフィーである。この技術は、モノクローナル抗体と抗原との間の相互作用の特 異性による非常に選択的な蛋白質の精製を提供する。マウスポリクローナル及び モノクローナル抗体を、精製したCryjIIに対して生成させる。これらの抗体を、 アレルゲンCryjIIの精製、特性決定、分析及び診断に用いる。実施例2 精製CryjIIの蛋白質配列決定 CryjII蛋白質を実施例1におけるようにして単離した。SDS−PAGEで示 した二重バンド(図1a)をProBlott(カリフォルニア、Foster City在、Applied Bios ystems)上へエレクトロブロットした。配列決定をBeckman/Porton Microsequen cer(モデルLF3000、カリフォルニア、Carlsbad在、Beckman Instruments)、プログラ マブルソルベントモジュール(カリフォルニア、Carlsbad在、Beckman Instuments,Sys tem Gold Model 126)及びPTH−アミノ酸検出用ダイオードアレイデテクター モジュール(カリフォルニア、Carlsbad在、Beckman Instruments,Beckman System Gol d Model 168)を製造者のマニュアルに従って用いて行なった。 上方の二重バンドの単一のN末端配列分析及び下方の二重バンドの複数のN末 端配列分析は、両バンドが「ロング」及び「ショート」と呼ばれる2つのN末端 を含むことを示した。下方の二重バンドは、約3.3ピコモルのロング型と8. 3ピコモルのショート型を含んだ。こ の収量の差異は、各シーケンサーサイクルにおける計量による配列割り当てをす るのに十分であった。上方の二重バンドは、約8.3ピコモルの両配列を含んだ 。現われたロング配列は、NH2−RKVEHSRHDAINIFNVEKYG AVGDGKH−DCTEAFSTAW(Q)( )( )( )KNP( ) −COOH(配列番号:4)(ここに、(Q)は、38位のグルタミンの仮の同 定を示し、( )は、39〜41及び45位の未知の残基を示す)であった。現 われた「ショート」配列は、NH2−SRHDAINIFNVEKYGAVGD GKHDCTEAFSTAWS−COOH(配列番号:5)であった。従って、 ロングCryjII配列は、ショート型よりも5つの更なるアミノ末端残基を有し、シ ョート型の配列は、ロング型のそれと正確に一致した。更に、CryjIIのロング及 びショート両型は、以前にCryjIIについて記載された(Sakaguchi等、1990、前 出)10アミノ酸NH2−AINIFNVEKY−COOH(配列番号:6)を 含んだ。以前に公表された10アミノ酸(Sakaguchi等、1990、前出)は上記の ロング型のアミノ酸10〜19に対応する。実施例3 杉花粉及び雄蘂を有する球果からのRNAの抽出及びCryjIIのクローニング Arnold Arboretum(マサチューセッツ、Boston)にある1本のCryptomeria japonica (杉)の木から採集した新鮮な花 粉及び雄蘂を有する球果試料を直ちにドライアイス上で凍結した。RNAを50 0mgの各試料から、本質的にFrankis及びMascarhenas、(1980)Ann.Bot.45:5 95-599により記載された様にして調製した。これらの試料をドライアイス上で乳 鉢と乳棒ですり漬し、0.1% ジエチルピロカーボネート(DEPC)で一晩 処理した0.2M NaCl、1ml EDTA、1% SDSを有する5ml の50mM トリス(pH9.0)に懸濁させた。フェノール/クロロホルム/ イソアミルアルコール(25:24:1で混合)で5回抽出した後に、RNAを 水相から、0.1容の3M 酢酸ナトリウム及び2容のエタノールで沈殿させた 。遠心分離によりペレットを回収し、2mlのdH2Oに再懸濁させ、65℃に 5分間加熱した。2mlの4M 塩化リチウムを沈澱に加えて、RNAを一晩O ℃でインキュベートした。遠心分離によりRNAペレットを回収し、1mlのd H2Oに再懸濁させ、再び3M 酢酸ナトリウム及びエタノールでドライアイス 上で1時間沈澱させた。最後のペレットを70%エタノールで洗い、空気乾燥さ せ、100μlのDEPC処理したdH2Oに再懸濁させて−80℃に貯蔵した 。 二本鎖cDNAを、4μg(花粉)及び8μg(頭状花序)のRNAから、市 販のキット(cDNA合成システムキット、メリーランド、Gaithersburg在、BRL)を 用いて合成した。二本鎖cDNAをフェノール抽出及びエタノ ール沈澱し、Rafnar等(1991) J.Biol.Chem.266:1229-1236;Frohman等(1990) Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:8998-9002;及びRoux等(1990)BioTech.8:48-57の方 法に従って、改変アンカードPCR反応で用いるために、T4DNAポリメラー ゼ(ウィスコンシン、Madison在、Promega)で鈍端化し、次いで、エタノール沈澱して 自己アニールしたAT及びALオリゴヌクレオチドに繋いだ。オリゴヌクレオチ ドATは、配列(配列番号:10)5'-GGGTCTAGAGGTACCGTCCGTCCGATCGATCATT-3' (Rafnar等、前出)を有する。オリゴヌクレオチドALは、配列(配列番号:1 1)5'-AATGATCGATGCT-3'(Rafnar等、前出)を有する。 CryjIIのアミノ末端をリンカー結合したcDNA(20μl反応の2μl)か らの増幅における最初の試みは、縮退したオリゴヌクレオチドCP−11及びオ リゴヌクレオチドAPを用いて行なった。CP−11は配列(配列番号:12) 5’−ATACTTCTCIACGTTGAA−3’を有し、ここに、1位のA はGであってもよく、4位のCはTでもよく、7位のCはTでもよく、10位の Iは縮退を減らすためのイノシンであり(Knoth等(1988)Nuleic AcidsRes.16 :10932)、13位のGはAでもよく、そして16位のGはAでもよい。配列( 配列番号:13)5’−GGGTCTAGAGGTACCGTCCG−3’を有 するAPは、オリゴヌクレオチドATのヌクレオチド1〜20に対応する。 CP−11は、実質的にアミノ酸配列PheAsnValGluLysTyr( 配列番号:14)(図4のアミノ酸59〜64)をコードするコード鎖配列に相 補的な縮退オリゴヌクレオチド配列であり、これらは、図4に示した以前に公表 されたCryjII配列(Sakaguchi等、前出)のカルボキシ末端に対応する。すべて のオリゴヌクレオチドは、アラバマ州、Huntsville在、Research Genetics Inc. により合成された。 ポリメラーセ連鎖反応(PCR)を、市販のキット(GeneAmp DNア増幅キ ット、コネチカット、Norwalk在、Perkin Elmer Cetus)を用いて行ない、dN TPを含む10μlの10×緩衝液を100pモルの各オリゴヌクレオチド、c DNA(20μlの第1鎖cDNA反応混合物の3〜5μl)、0.5μlのAm plitaqDNAポリメラーゼ及び蒸留水(100μlにする)と混合した。 これらの試料を、プログラム可能な温度制御装置(マサチューセッツ、Cambridge在、M J Research,Inc.)を用いて増幅した。増幅の最初の5回は、94℃で1分間の 変性、45℃で1分間のプライマーのテンプレートへのアニーリング及び72℃ で1分間の鎖延長からなった。増幅の最後の20回は、上記のとおりの変性、5 5℃で1分間のアニーリング及び上記の通りの鎖延長からなった。第一次PCR 反応を100pモルの各オリゴヌクレオチドAP及びCP−11を用いて行なっ た。次いで、この初期増幅の5パーセント(5μl)を、各100p モルAP及びのCP−12を用いる第二次増幅で用いた。CP−12は、配列( 配列番号:15)5'-CCTGCAGTACTTCTCIACGTTGAAIAT-3'を有し、ここで10位の CはTでもよく、13位のCはTでもよく、16及び25位のIは上記の種苦諦 を減じるためのイノシンであり、19位のGはAでもよく、22位のGはAでも よい。配列(配列番号:16)5'-CCTGCAG-3'(CP−12の塩基1〜7)は、 クローニング目的のために加えられたPstI部位を表す。残りの縮退したオリ ゴヌクレオチド配列は、CryjIのアミノ酸IlePheAsnValGluLy sTyr(配列番号17)(図4のアミノ酸58〜64)を実質的にコードする コード鎖に相補的である。増幅したDNAを、逐次的なクロロホルム、フェノー ル及びクロロホルム抽出と、その後の0.5容の7.5M酢酸アンモニウム及び 1.5容のイソプロパノールでのドライアイス上での沈澱によって回収した。沈 澱及び70%エタノールでの洗浄の後に、このDNAを、50μlの反応にてX baIとPstIで同時に消化し、沈殿させて容積を10μlに減らして調製用 2%GTG NuSieve低融点ゲル(メイン、Rockport在、FMC)中で電気泳動した。 適当な寸法のDNA領域を、エチジウムブロミド(EtBr)染色により可視化 し、取り出して、市販の配列決定用キット(Sequenase kit,オハイオ、Clevela nd在、U.S.Biochemicals)を用いて、ジデオキシチェーンターミネーション法( Sanger等(1977)Proc.N atl.Acad Sci.USA74:54463-5476)により配列決定するために、適当に消化した pUC19中に繋いだ。すべての生成したクローンを配列決定したが、CryjII配 列を含むものは見出されなかった。代わりの2゜PCR反応をAP及びネストし たオリゴヌクレオチドCP−21を用いて行なった。CP−21は、配列(配列 番号:18)5’−CCTGCAGTACTTCTCIACGTTGAAGAT −3’を有し、ここに、10位のCはTでもよく、13位のCはTでもよく、1 6位のIは上記の縮退を減らすためのイノシンであり、19位のGはAでもよく 、22位のGあAでもよく、そして25位のGはA又はTでもよい。配列(配列 番号:16)5’−CCTGCAG−3’CP−21の塩基1〜7)は、クロー ニング目的のために加えられたPstI部位を表し;残りの縮退したオリゴヌク レオチド配列は、実質的にアミノ酸IlePheAsnValGluLysTy r(配列番号:17)(図4のアミノ酸58〜64)をコードするコード鎖配列 に対応する非コード鎖配列である。 第一次PCRを、上記のように、二本鎖のリンカー結合したcDNAにおいて 、CP−23D及びAPを用いても行なって、CryjIIcDNAの3’末端を増幅 することを試みた。第二次PCRを、第一次反応の5%を用いて、CP−24D 及びAPを用いて行なった。CP−23D[配列(配列番号:19)5’−GC IATTAATATTTTTAA−3’(ここに、6位のTはC又 はAでもよく、9位のTはCでもよく、12位のTはC又はAでもよく、そして 15位のTはCでもよい)]は、実質的にアミノ酸配列AlaIleAsnIl ePheAsn(配列番号:20)(図4のアミノ酸55〜60)をコードする コード鎖配列であり;CP−24D(配列番号:21)[配列5’−GGAAT TCCGCIATTAATATTTTTAATGT−3’(ここに、14位のT はC又はAでもよく、17位のTはCでもよく、20位のTはC又はAでもよく 、23位のTはCでもよく、そして26位のTはCでもよい)]は、配列5’− GGAATTCC−3’(配列番号:22)(CP−24の塩基1〜8)を含み 、これは、クローニング目的のために加えられたEcoRI部位を表す。CP− 24Dの残りの縮退オリゴヌクレオチド配列は、実質的にアミノ酸AlaIle AsnIlePheAsnVal(配列番号:23)(図4のアミノ酸55〜6 1)をコードする。再び、複数クローンを配列決定したが、CryjIIと同定された ものはなく、このアプローチは、これ以上追求しなかった。 実施例2に記載した新規なCryjII蛋白質配列データの特性表示に基いて、Cryj IIをクローニングするための新規な縮退オリゴヌクレオチドをデザインして合成 した。以後言及するすべてのオリゴヌクレオチドは、ABI 394DNA/RNA Synthesiz er(カリフォルニア、Foster City在、Applied Biosystems)にて合成し、NAP-10カラ ム(スウ ェーデン国、Uppsala在、Pharmacia)にて、製造者の支持に従って精製した。縮 退オリゴヌクレオチドCP−35をAPと共に二本鎖のリンカー結合したcDN Aにおいて、上記のように行なう第一次PCR反応において用いた。CP−35 は、配列(配列番号:24)5’−GCTTCGGTACAATCATGTTT −3’[ここに、3位のTはCでもよく、6位のGはA、T又はCでもよく、9 位のAはGでもよく、12位のAはGでもよく、15位のAはGでもよく、そし て18位のTはCでもよく、この縮退オリゴヌクレオチド配列は、実質的にアミ ノ酸配列CryjIIのLysHisAspCysThrGluAla(配列番号:2 5)(図4のアミノ酸71〜77)をコードするコード鎖配列に対応する非コー ド鎖配列である]を有する。次いで、この初期増幅の5パーセント(5μl)( JC136と呼ぶ)を、AP及び縮退CryjIIプライマーCP−36[配列(配列 番号:26)5’−GGCTGCAGGTACAATCATGTTTGCCAT C−3’(ここに、11位のAはGでもよく、14位のAはGでもよく、17位 のAはGでもよく、20位のTはCでもよく、23位のGはA、T又はCでもよ く、26位のAはGでもよい)を有する初期にネストしたCryjIIオリゴヌクレオ チドプライマー]の各々100pモルと共に第二次増幅において用いた。ヌクレ オチド5’−GGCTGCAG−3’(配列番号:27)(CP−36の塩基1 〜8)は、クロー ニング目的のために加えられたPstI制限部位を表している。CP−36の残 りの縮退オリゴヌクレオチド配列は、実質的にCryjIIのアミノ酸AspGlyL ysHisAspCysThr(配列番号:28)(図4のアミノ酸69〜75 )をコードするコード鎖配列に対応する非コード鎖配列である。優勢な増幅生成 物(JC137と呼ぶ)は、EtBr染色2%GTGアガロースゲルで可視化し たところ、約265塩基対のDNAバンドであった。 増幅したDNAを、逐次的なクロロホルム、フェノール及びクロロホルム抽出 と、その後の0.5容の7.5酢酸アンモニウム及び1.5容のイソプロパノー ルでの−20℃での沈澱によって回収した。沈澱及び70%エタノールでの洗浄 の後に、このDNAを、15μlの反応にてXbaIとPstIで同時に消化し て調製用2%G T G SeaPlaque低融点ゲル(メイン、Rockport在、FMC)中で 電気泳動した。適当な寸法のDNAバンドを、EtBr染色により可視化し、取 り出して、市販の配列決定用キット(Sequenase kit,オハイオ、Cleveland在、U.S. Biochemicals)を用いて、ジデオキシチェーンターミネーション法(Sanger等( 1977)Proc.Natl.Acad Sci.USA74:54463-5476)により配列決定するために、適 当に消化したpUC19中に繋いだ。 pUC19JC137a、pUC19JC137b及びpUC19JC137 eと呼ばれるクローンは、Cryj IIのアミノ末端をコードする配列を含むことが見出された。3クローンは、すべ て、5’非翻訳領域において異なる長さを有するにもかかわらず、それらの重複 領域において同一の配列を有した。クローンpUC19JC137bは、最長の クローンであった。これらのクローンの翻訳された配列は、開示されたCryjIIの 10アミノ酸配列(Sakaguchi等、前出)並びに実施例2に記載したCryjIIアミ ノ酸配列と完全な同一性を有した。アミノ酸の番号付けは、完全長の蛋白質の配 列に基いており、アミノ酸1はCryjIIの間始メチオニン(Met)に対応する。 開始Metの位置は、上流のインフレームの停止コドンの存在により及び周囲ヌ クレオチド配列の植物のコンセンサス配列との78%相同性により支持された( 該コンセンサス配列は、Lutcke等(1987)EMBOJ.6:43-48により報告されたよう に、開始Metを含む)。 CryjII遺伝子の残りをコードするcDNAを、リンカー結合したcDNAから 、オリゴヌクレオチドCP−37(配列番号:29)(これは、配列5'-ATGTTGG ACAGTGTTGTCGAA-3'を有する)及びAPを第一次PCRにおいて用いることによ ってクローン化し、JC138iiと呼んだ。オリゴヌクレオチドCP−37は 、図4のヌクレオチド129〜149に対応し、部分的CryjIIクローンpUC1 9JC137bについて決定されたヌクレオチド配列に基づいている。 第2のPCR反応を、各100pモルのAP及びCP−38(配列番号:30 )(これは、配列5'−GGGAATTCAGAAAAGTTGAGCATTCTCGT-3'を有する)、ネストし たプライマーを用いて、初期増幅混合物の5%にて行なった。ヌクレオチド配列 (配列番号:31)5'−GGGAATTC-3'(CP−38の塩基1〜8)は、クローニ ング目的のために加えられたEcoRI制限部位を表す。残りのオリゴヌクレオ チド配列は、図4のヌクレオチド177〜197に対応し、部分的CryjIIクロー ンpUC19JC137bについて決定されたヌクレオチド配列に基づいている 。増幅したDNA生成物(JC140iiiと呼ぶ)を上記のように精製して沈 殿させ、その後EcoRI及びAsp718で消化して調製用の1%低融点ゲル 中で電気泳動した。約1.55kb長の優勢なDNAバンドを切り出し、配列決 定のためにpUC19中にライゲートした。DNAを、市販のキット(sequenas e kit (オハイオ、Cleveland在、U.S.Biochemicals)を用いて、ジデオキシチェーンター ミネーション法(Sanger等、前出)により配列決定した。両鎖を、M13順方向 及び逆向プライマー(マサチューセッツ、Beverly在、N.E.Biolabs)及び内部シーケンシ ング用プライマーCP−35、CP−38、CP−40、CP−41、CP−4 2、CP−43、CP−44、CP−45、CP−46、CP−47、CP−4 8、CP−49、CP−50及びCP−51を用いて、完全に配列決定した。C P−40(配列番号:32)は、配列5'-GTTCTTCAATGGGCCATGT-3'有し、図4の ヌクレオチド359〜377に対応する。CP−41(配列番号:33)は、配 列5'-GTGTTAGGACTGTCTCTCGG-3'有し、それは、図4のヌクレオチド720〜73 9に対応する非コード鎖配列である。CP−42(配列番号:35)は、配列5' -TGTCCAGGCCATGGAATAAG-3'れは、図4のヌクレオチド864〜883に対応する (但し、最初のヌクレオチドは、正しいGではなくてTとして合成)。CP−4 3は、配列(配列番号コロン35)5'-GCCTTACATGGACTGCAACC-3'を有し、それは 、図4のヌクレオチド1476〜1495に対応する非コード鎖配列である。C P−44は、配列(配列番号:36)5'-TCCACGGGTCTGATAATCCA-3'を有し、それ は、図4のヌクレオチド612〜631に対応する。CP−45は配列(配列番 号:37)5'-AGGCAGGAAGCAATTTTCCC-3'を有し、それは、図4のヌクレオチド 1254〜1273に対応する非コード鎖配列である。CP−46は、配列(配 列番号:38)5'-TACTGCACTTCAGCTTCTGC-3'を有し、それは、図4のヌクレオチ ド1077〜1096に対応する。CP−47は、配列(配列番号:39)GGGG GTCTCCGAATTTATCA-3'を有し、それは、図4のヌクレオチド1039〜1058 に実質的に対応する非コード鎖である(但し、CP−47の第5ヌクレオチドは 、正しいヌクレオチドTではなくGとして合成)。CP−48(配列番号:40 )は、配列5'-GGATATTTCAGTGGACACGT-3'を有し、図4のヌクレオチド1290〜 1309に対応する。CP−49(配列番号:41)は、配列5'-TATTAGAAGACCC TGTGCCT-3'を有し、それは、図4のヌクレオチド821〜840に対応する非コ ード鎖配列である。CP−50(配列番号:42)は、配列5'−CCATGTAAGGCCAA GTTAGT-3'を有し、それは、図4のヌクレオチド1485〜1504に対応する 。CP−51(配列番号:43)は、配列5'-ACACCTTTACCCATTAGAGT-3'、それは 、図4のヌクレオチド486〜505に対応する非コード鎖である。 3つのクローン(pUC19JC140iiia、pUC19JC140ii id及びpUC19JC140iiieと呼ぶ)は、実質的に部分的なCryjII配 列を含むことが見出された。クローンpUC19JC140iiidの配列を、 それが最長の3’非翻訳領域を有するので、コンセンサス配列として選択した。 pUC 19JC140iiid及びpUC19JC137bの配列を用いて、図4に示 した複合CryjII配列を構築した。この複合体において、ヌクレオチド230は、 pUC19JC137b中に(pUC19JC137a、pUC19JC140 iiia及びpUC19JC140iiieにおいても)見出されるAとして報 告されており、pUC19JC140iiid中にGとして見出されるものでは ない。しかしながら、ヌクレオチド230のA及びGの両者は、アミノ酸63の Lysをコードしている。クローンpUC19JC140iiia配列はpUC 19JC140iiidのそれと同一であったが、次の点は除く:pUC19J C140iiiaは、ヌクレオチド357にCの代りにTを有し(アミノ酸10 6に予想される変化はない)、ヌクレオチド754にTではなくCを有し(アミ ノ酸238のIleからThrへの変化)、ヌクレオチド1246にTではなく Cを有し(アミノ酸402のLeuからProへの変化)、そしてヌクレオチド 1672にCではなくTを有する(非翻訳領域)。クローンpUC19JC14 0iiieの配列は、pUC19JC140iiidのそれと同一であったが、 但し、ヌクレオチド794はAではなくGであり(アミノ酸251のIleから Metへの変化)、そしてヌクレオチド357はCの代りにTであった(アミノ 酸106に予想される変化はない)。 EcoRI/XbaI消化(オリゴヌクレオチドAP は、Xba及びAsp718制限酵素部位の両者を有する)を用いるJC140 iiiPCR生成物のクローニングにおける初期の試みは、CryjIIcDNA中の 内部XbaI制限部位のために半分に切断されたcDNAを生成して、800及 び750bpバンドを生じ、750bpのバンドは上首尾にEcoRI/Xba I消化したpUC19中にクローン化され、配列決定された。2つの750bp クローンを配列決定してCryjII分子の5’半分であることを見出した(クローン pUC19JC140−2a及びpUC19JC140−2b)。クローンpU C19JC140−2aは、ヌクレオチド297にTの代りにCを有し(アミノ 酸86のCysからArgへの変化)及びクローンpUC19JC140−2b はヌクレオチド753にAではなくGを有する(アミノ酸238のIleからV alへの変化)。両クローンpUC19JC140−2a及びクローンpUC1 9JC140−2bはヌクレオチド357にCの代りにTを有する(アミノ酸1 06に予想される変化はない)。 2つの異なるPCR増幅は又、クローン化CryjII配列をAmplitaq Cycle Seque ncing kit(コネチカット、Norwalk在、Perkin Elmer Cetus)を用いて、直接、配列決 定して確認した。この手順は、オリゴヌクレオチド配列決定用プライマーの[32 P]末端標識を含み、それは、次いで、テンプレートDNAにアニールされ(1 μl中の1.6pモル)及びジデオキシNTPを用いて、4μl 10XCycling Mix(0.5U/μl Amplitaq DNAポリメラーセを含有) 、5μl テンプレートDNA(10〜100fモル)及び20μlにするだけ のdH2Oをも含むPCR反応において延長される(Sanger等(1977)Proc.Natl .Acad.Sci.USA 74:5463-5476)。このキットにおける停止用混合液中のdGTP は、7−デアザ−dGTPで置き換えた(DNAの高G+C領域を含む配列の増 大した解像を与える)。テンプレートDNAは、PCR生成物であり、それは、 順次、クロロホルム、フェノール及びクロロホルム抽出し、0.5容の7.5酢 酸アンモニウム及び1.5容のイソプロパノールで−20℃で沈殿させることに より回収し、次いで、調製用の1又は2%のSeaPlaque低融点ゲル(FMC)中 を電気泳動したものであった。適当な寸法のDNAバンドをEtBr染色により 可視化し、切り出してGelase(ウィスコンシン、Madison在、Epicentre Technologies) で処理してアガロースを除去した。このDNAを再沈殿させ、20μg/mlの RNアーセ(インジアアナ、Indianapolis在、Boehringer Mannheim)を含む50μl のTE(10mM トリス(pH7.4)、1mM EDTA(pH8.0)) に再懸濁させた。CryjIIをクローン化するのに用いた2つの第二次増幅を繰り返 し、そしてPCRサイクル配列決定ようのテンプレートとして用いた:JC13 7ii、5’末端PCR(上記の1゜PCRJC136から増幅)をオリゴヌク レオ チドAP及びCP−36を用いて再増幅し;JC140ii、3’末端PCR( 上記の1゜PCRJC138iiから増幅)をオリゴヌクレオチドAP及びCP −38を用いて再増幅した。用いた1゜増幅の両者を沈殿させ、1又は2%の調 製用SeaPlaque低融点ゲル(FMC)を通して電気泳動し、適当な寸法のバンド をEtBr染色により可視化して切り出した。次いで、各1゜増幅の2μlを対 応する2゜PCR反応において用いた。次いで、2゜PCR生成物を、PCRサ イクル配列決定用のDNAテンプレートとして調製した。PCRサイクル配列決 定におけるプライマーとして用いたオリゴヌクレオチド(その多くは、これらの クローンを配列決定するのに用いた)は、JC137iiについて次の通りであ る:CP−36及びCP−39(配列番号:44)(これは、配列5'-CTGTCCAAC ATAATTTGGGC-3'及び図4のヌクレオチド120〜139に対応する非コード鎖配 列である)。JC140iiを配列決定するのに用いたオリゴヌクレオチドプラ イマーは、CP−38、CP−40、CP−41、CP−42、CP−43、C P−44、CP−45、CP−46、CP−47、CP−49、CP−50、C P−54(配列番号:45)(これは、配列5'-CATGGCAGGGTGGTTCAGGC-3'を有し 、図4のヌクレオチド985〜1004に対応する)、CP−55(配列番号: 46)(これは、配列5'-TAGCCCCATTTACGTGCACG-3'を有し、図4のヌクレオチド 929〜94 8に対応する非コード鎖配列である)及びCP−56(配列番号:47)(これ は、配列5'-TTGGGGTCGAGGCCTCCGAA-3'を有し、図4のヌクレオチド1437〜1 456に対応する)であった。この全長PCRサイクル配列決定の配列は、図4 に示した複合pUC19JCC137b/pUC19JC140iiidCryjII 配列と2ヌクレオチドだけ変化していた(これらの何れもアミノ酸変化へと導か ない)。ヌクレオチド357にはCの代りにT(アミノ酸106に予想される変 化はない)があり、ヌクレオチド635にはAの代りにCがあった(アミノ酸変 化なし)。 CryjIIのヌクレオチド及びアミノ酸配列を図4及び5に示す。これは、2つの 重複するクローンpUC19JC137b及びpUC19JC140iiidか らの複合ヌクレオチド配列である。複数の独立のクローンの配列決定及びPCR 生成物のサイクル配列決定は、図4のヌクレオチド配列を確実にした。上記のよ うに、予想されるアミノ酸変化を生じる幾つかのヌクレオチド変化があった。し かしながら、すべてのヌクレオチドの多形(ヌクレオチド357におけるTによ るCの置換を除く)は、単一クローン又は配列決定において認められただけであ った。Tが、pUC19JC140iiidを除くすべてのクローンでヌクレオ チド357において見られたにもかかわらず、C及びTの両者はアミノ酸106 においてLeuをコードしている。 CryjIIに対する完全なcDNA配列は、5’非翻訳配列の41ヌクレオチド、 開始Metに対するコドン(図4のヌクレオチド42〜44)で始まる1542 ヌクレオチドのオープンリーディングフレーム、及び143bpの3’非翻訳領 域を含む1726ヌクレオチドからなる。コンセンサスポリアデニル化シグナル 配列が、ポリAテールの64ヌクレオチド5’側の3’非翻訳領域にある(図4 のヌクレオチド1654〜1659)。開始Metの位置は、インフレームの上 流の停止コドンの存在により及び開始Metを含む植物のコンセンサス配列との 78%の相同性により確認される(該開始Metは、CryjII中に見出されるTAAAAUG GC(図4の塩基38〜46(配列番号:48))で、これは、植物について のコンセンサス配列AACAAUGGC(配列番号:49)Lutcke等(1987)EMBO J.6:43 -48に匹敵する)。このオープンリーディングフレームは、CryjIIについての公 表された部分的蛋白質配列(Sakaguchi等、前出)(図4のアミノ酸55〜64 に対応)との完全な配列同一性を有する演繹された514アミノ酸の蛋白質をコ ードする。予想されるCryjII蛋白質は、20個のCysを有し、コンセンサス配 列N−X−S/Tに対応する4つの潜在的N結合グリコシレーション部位を含み 、予想分子量56.6kDa及び予想pI9.08を有する。 CryjIIについての3つの別々のNH2末端配列(実施例2で測定したロング型 及びショート型及び、図6に示 すように、Sakaguchi等、前出により測定されたNH2末端)の検出は、成熟Cryj II蛋白質のアミノ末端がブロックされていること及び精製蛋白質の配列分析によ り得られた配列が蛋白質加水分解開裂生成物を表すということを示唆する。図6 に示すように、CryjIIのロング型のアミノ酸配列は、アミノ酸46で始まり、Cr yjIIのショート型のアミノ酸配列は、アミノ酸51で始まり、そして、Sakaguch i等により測定されたNH2末端配列は、アミノ酸54で始まる。アミノ酸1〜4 5が、酵素的に開裂されて図4のアミノ酸46で始まる機能的に活性な蛋白質を 与えるCryjIIのリーダー/プレプロ位置を表すということはあり得る。アミノ酸 51及び54で始まる配列は、アミノ酸46で始まる蛋白質の分解生成物を表す 。von Heijneの方法(Nucleic Acids Res.(1986)14:4683-4690)を用いて、図 4のアミノ酸22と23の間に予想される開裂部位がある。もし成熟CryjII蛋白 質が図4のアミノ酸23で始まるならば、その蛋白質は、492アミノ酸長であ って予想分子量54.2kDa及び予想pI9.0を有するであろう。 Swiss-ProtデータベースのCryjII配列についてのサーチは、CryjIIが、コーン 、トウモロコシのポリガラクチュロナーセに対して、43.3%相同(トマト( Lycopersicon esculentum)のポリガラクチュロナーセに33.3%同一)及び 48.4%相同(32.6%同一)であることを示した。すべてのヌクレオチド 及び アミノ酸配列分析は、PCGENE(カリフォルニア、Mountain View在、Intelligenetics) を用いて行なった。実施例4 日本で採集された杉花粉からのRNAの抽出及び組換えCryjIIの発現 日本でCryptomeria japonica(杉)の木のプールから採集した新鮮な花粉を直 ちにドライアイス上で凍結した。この花粉500mgから、本質的にFrankis及 びMascarenhas Ann.Bot.45:595-599に記載されたようにしてRNAを調製した。 試料をドライアイス上で乳鉢と乳棒ですり潰して、一晩0.1%DEPCで処理 した0.2M NaCl、1mM EDTA、1% SDSを加えた5mlの5 0mM トリス(pH9.0)に懸濁させた。フェノール/クロロホルム/イソ アミルアルコール(25:24:1で混合)で5回抽出した後に、RNAを、0 .1容の3M 酢酸ナトリウム及び2容のエタノールで水相から沈澱させた。ペ レットを遠心分離で回収し、2mlのdH2Oに再懸濁させて65℃に5分間加 熱した。これらのRNA調製物に2mlの4M塩化リチウムを加えて、一晩0℃ でインキュベートした。遠心分離によりRNAペレットを回収して、1mlのd H2Oに再懸濁させ、再び3M 酢酸ナトリウム及びエタノールで一晩沈殿させ た。最終的ペレットを100μlのdH2Oに再懸濁させて−80℃で保存した 。 二本鎖cDNAを、8μl花粉RNAから、cDNA合成システムキット(BR L)を用いてGubler及びHoffman(1983)Gene25:263-269の方法に従ってオリゴd Tプライミングで合成した。PCRを、dNTPを含む10μlの10×緩衝液 を各100pモルのセンスオリゴヌクレオチド及びアンチセンスオリゴヌクレオ チド、cDNA(400μlの二本鎖cDNA反応混合物の10μl)、0.5 μlのAmplitaqDNAポリメラーセ及び蒸留水(100μlにする)と混合して 、GeneAmpDNA増幅キット(Perkin Elmer Cetus)を用いて行なった。 これらの試料を、MJ Research,Inc.(マサチューセッツ、Cambridge在)プログラム可 能な温度制御装置を用いて増幅した。最初の5回の増幅は、94℃で1分間の変 性、45℃で1分間のプライマーのテンプレートへのアニーリング及び72℃で 1分間の鎖延長からなった。最後の20回の増幅は、上記の通りの変性、55℃ で1分間のアニーリング及び上記の通りの鎖延長からなった。 新たなプライマー対のセットを、開始Metから停止コドンまでのCryjIIcD NAの増幅用に合成した。CP−52(配列番号:50)は、配列5'-GCCGAATTC ATGGCCATGAAATTAATT-3'を有し、ここに、ヌクレオチド配列5'-GCCGAATTC-3'(配 列番号:51)(CP−52の塩基1〜9)は、クローニング目的のために加え たEcoRI制限部位を表し、残りの配列は図4のヌクレオチド 42〜59に対応する。CP−53(配列番号:52)は、配列5'-CGGGGATCCTC ATTATGGATGGTAGAT-3'を有し、ここに、ヌクレオチド配列5'-CGGGGATCC-3'(配列 番号:53)(CP−53の塩基1〜9)は、クローニング目的のために加えら れたBamHI制限部位を表し、残りのCP−53のオリゴヌクレオチド配列は 、図4のヌクレオチド1572〜1589に対応するコード鎖配列に相補的であ る。CP−52及びCP−53を用いる二本鎖杉花粉cDNAでのPCR反応は 、EtBΓ染色したアガロースミニゲル上で約1.55kbのバンドを生じ、J C145と呼ばれた。増幅されたDNAを、逐次的なクロロホルム、フェノール 及びクロロホルム抽出と、その後の−20℃での0.5容の7.5酢酸アンモニ ウム及び1.5容のイソプロパノールでの沈澱により回収した。沈澱及び70% エタノールでの洗浄の後に、DNAを、15μlの反応にて、EcoRIとBa mHIで同時に消化し、調製用1%SeaPlaque低融点ゲル(FMC)中で電気泳動し た。適当な寸法のDNAバンドをEtBr染色により可視化し、取り出し、市販 の配列決定用キット(オハイオ、Cleveland在、U.S.Biochemicals)を用いるジデオ キシチェーンターミネーション法(Sanger等(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.USA74 :5463-5476)によるジデオキシDNA配列決定のために適当に消化したpUC1 9中に繋いだ。 クローンpUC19JC145a及びpUC19JC 145bを、M13順方向及び逆向プライマー(マサチューセッツ、Beverly在、N.E.Bio labs)及び内部配列決定用プライマーCP−41、CP−42、CP−44、C P−46及びCP−51を用いて、完全に配列決定した。クローンpUC19J C145a及びpUC19JC145bのヌクレオチド及び演繹されたアミノ酸 配列は、図4のCryjII配列と同一であったが、次の点を除く。クローンpUC1 9JC145aは、前に知られたCryjII配列との単一のヌクレオチドの違いを含 むことが見出された。それは、図4のヌクレオチド位置1234に、以前に記載 されたTではなくCを有する。このヌクレオチド変化は、CryjII蛋白質のアミノ 酸398に、IleからThrへの予想されるアミノ酸変化を生じる。クローン pUC19JC145bは、図4のヌクレオチド位置1088に、以前に記載さ れたAではなくGを有し、ヌクレオチド1339にGの代りにAを有する。10 88におけるヌクレオチド変化はサイレントであり、予想されるアミノ酸変化を 生じない。位置1339でのヌクレオチド変化は、CryjII蛋白質のアミノ酸43 3におけるSerからAsnへの予想されるアミノ酸変化を生じる。これらの多 形の何れも、未だ、独立に誘導されたPCRクローン又は直接アミノ酸配列決定 によって確認されておらず、Taqポリメラーセの本来のエラー率によるもので あろう(約2×10-4、Saiki等(1988)Science 239:487-491)。しかしながら 、かかるヌクレ オチド及びアミノ酸の一次配列における多形は、予想されるものである。 CryjIIの発現を以下のように行なった。10gのpUC19JC145bをE coRI及びBamHIで同時に消化した。CryjIIをコードするヌクレオチド挿 入物(図4のヌクレオチド42〜1589に及ぶ)を、この消化の1%SeaPlaqu e 低融点アガロースゲル中での電気泳動により単離した。次いで、この挿入物 を、ユニークなEcoRIエンドヌクレアーゼ制限部位が後に続くATG開始コ ドンの直3’側の6ヒスチジン(His6)をコードする配列を含むように改変 した適当に消化した発現ベクターpET−11d(ウィスコンシン、Madison在、Noagen ;Jameel等(1990)J.Virol.64:3963-3966)中にライゲーションした。隣接す るClaI及びHindIIIエンドヌクレアーセ制限部位と共にベクター中の 第2のEcoRIエンドヌクレアーセ制限部位を、予めEcoRI及びHind III消化、鈍端化及びライゲーションにより除去した。このヒスチジン(Hi s6)の配列は、組換え蛋白質(CryjI)のNi2+キレーティングカラムにおけ るアフィニティー精製のために加えられた(Hochuli等(1987)J.Chromatog.411 :177-184;Hochuli等(1988)Bio/Tech.6:1321-1325)。組換えクローンを用いて 大腸菌株BL21−DE3をトランスフォームしたが、該株は、T7ポリメラー ゼをコードする遺伝子に先行するイソプロピルーβ−D−チオガラクト ピラノシド(IPTG)誘導可能なプロモーターを有するプラスミッドを有する 。IPTGでの誘導は、pET−11dにおける組換え蛋白質の発現に必要な高 レベルのT7ポリメラーセ発現へと導く。クローンpET−11dΔHRhis 6JC145b.aは、発現のための正しいリーディングフレーム中のCryjIIク ローンであることが、CP−39を用いるジデオキシ配列決定(Sanger等、前出 )により確認された。 組換え蛋白質の発現を、初期小規模培養で試験した。クローンpET−11d ΔHRhis6JC145b.aの一晩培養を用いて、アンピシリンを含む50 mlの培地(Brain Heart Infusion Media,Difco)に接種し、A600=1.0ま で成育させ、次いで、IPTG(終濃度1mM)で2時間誘導した。この細菌の 1mlのアリコートを誘導の前後で採取して、遠心分離によりペレット化し、そ のペレットを50mM トリスHCl(pH6.8)2mM EDTA、1% SDS、β−メルカプトエタノール、10% グリセロール、0.25% ブロ モフェノールブルー中で5分間煮沸することにより粗細胞溶解物を調製した(St udier等、(1990)Methods in Enzymology 185:60-89)。組換え蛋白質発現を、 Sambrook等、前出の方法に従って、クーマシーブルー染色した12%SDS−P AGEゲル上で試験した(ゲルには、25μlの粗溶解物を載せた)。陰性対照 は、誘導してないCryjIIのプラスミッドを含有す る細菌からの粗溶解物からなった。His6リーダーを有する組換えCryjIIにつ いて予想されるサイズの58Kdの範囲には、何れの組換え大腸菌蛋白質の産生 の著しい増加はなかった。 次いで、このpET−11dΔHRhis6JC145b.aクローンを何れ かの組換え蛋白質が発現されたか否かを調べるために大規模に成育させた。組換 えプラスミッドを含む培養細菌2mlを8時間成育させ、次いで、3μlを、2 00μg/mlのアンピシリンを含むLB培地(メリーランド、Gaithersburg在、Gibc o-BRL)中の1.5%アガロースを含む6個の各ペトリ皿(100×15mm) 上に線状にこすり付け、集密になるまで一晩成育させ、次いで、掻き取ってアン ピシリン(200μg/ml)を含む6Lの液体培地(Brain Heart Infusion培 地、Difco)に加えた。この培養を、吸光度A600が1.0になるまで成育させ、 IPTGを加え(終濃度1mM)、更に2時間成育させた。 細菌を遠心分離(7,930×g、10分間)により回収して、50mlの6 M グアニジン−HCl、0.1M Na2HPO4(pH8.0)中で激しく震 盪しながら1時間溶解させた。不溶性物質を遠心分離(11,000×g、10 分間、4℃)により除去した。溶解物のpHを8.0に調節し、6M グアニジ ンHCl、100mM Na2HPO4(pH8.0)で平衡化した50mlのニ ッケルNTAアガロースカラム (Qiagen)に加えた。そのカラムを、6M グアニジンHCl、100mM N a2HPO4、10mM トリス−HCl(pH8.0)で、次いで、8M 尿素 、100mM Na2HPO4(pH8.0)で、最後に8M 尿素、100mM 酢酸ナトリウム、10mM卜リス−HCl(pH6.3)で、逐次的に洗った 。カラムを、各緩衝液で、通過した流れのA208が0.05以下になるまで洗っ た。 組換え蛋白質CryjIは、8M 尿素、100mM酢酸ナトリウム、10mM トリス−HCl(pH4.5)で溶出され、10mlのアリコートで採集した。 各画分の蛋白質濃度を、A280の吸収により測定して、ピーク画分をプールした 。採集した組換え蛋白質のアリコートを、Sambrook等、前出の方法に従って、S DS−PAGEで分析した。 この6Lの調製物、JCIIpET−1は、1.5mgの組換えCryjIIを産生 したが、それは、SDS−PAGEにおいて24kDa及び58kDaの2本の 主要バンドに分離された。この58kDaのバンドは、組換えCryjIIを表すが、 濃度測定(Shimazu Flying Spot Scanner、マサチューセッツ、Braintree在、Shimazu Sc ientific Instruments)により測定したところ全蛋白質の約9〜10%であった 。24kDaのバンドは、全蛋白質の約90%を説明し、組換えCryjIIの分解生 成物又は大腸菌夾雑物を表すのであろう。 他のCryjII発現用構築物を、pUC19JC140iiidCryjII挿入物の適 当に消化したpET11dΔHR(6ヒスチジンリーダーを有する)中へのライ ゲーションにより作成した。このベクターを、挿入物がEcoRI部位(5’p ET11dΔHR挿入物接続)及びAsp718部位(挿入物の3’末端)を与 える他のpET11dΔHR構築物から誘導した。この構築物をこれらの2種の 酵素で消化し、上記の低融点ミニゲルにて電気泳動し、そしてベクターを低融点 アガロース中のバンドとして回収した。pUC19JC140iiid構築物を EcoRI及びAsp718で消化してCryjII挿入物を放出させた(それを、低 融点ミニゲルにて単離し、上記のように調製したEcoRI/Asp718消化 したpET11dΔHRベクター中にライゲーションした)。5つのクローンが 、挿入物/ベクター5’接続部に正しいヌクレオチド配列を含むことが、CP− 39を用いるジデオキシ配列決定(上記)により見出された。この新しい構築物 は、発現させたときに、図4及び5に示すように、CryjIIのアミノ酸46で始ま る。この組換え蛋白質は、rCryjIIΔ46と呼ばれる。50mlの小規模発現試 験(上記のように実施)は、pET11dΔHRJC140iiid2と呼ばれ るこの構築物からのrCryjIIΔ46の発現レベルがpET11dΔHRJC14 5b2からの初期発現レベルよりずっと高いことを示した。9Lの調製物(JC IIpET−3)を上 記のように処理し、200mgのrCryjIIΔ46を純度80%(クーマシーブル ー染色した12%SDS−PAGEゲルの濃度測定による測定)で産出した。実施例5 杉花粉起源のRNAのノーザンブロット分析 Arnold Arboretumの木及びプールした日本からの木の両方からの杉花粉から分 離したRNAに関してノーザンブロット分析を行った。本質的に上記のSambrook の方法を用いて、Arnold Arboretum(マサチューセッツ、Boston)で採集した杉花粉か ら単離したRNA10μg及び日本の木から採集した杉花粉から単離したRNA 15μgを、ホルムアルデヒド38%及び1X MOPS(20X=0.4M MOPS、0.02M EDTA、0.1M NaOAc、pH7.0)溶液を 含有する1.2%アガロースゲル上で泳動した。RNA試料(初めに酢酸ナトリ ウム1/10容積、エタノール2容積で沈殿させて容積を減少させ、dH2O 5.5μlに再懸濁させた)を、最終濃度ホルムアルデヒド15.5%、ホルム アミド42%、及び1.3X MOPS溶液を有するローディング色素を含有す るホルムアルデヒド/ホルムアミド緩衝液10μlにより泳動した。試料を10 ×SSC(20X=3M NaCl、0.3Mクエン酸ナトリウム)におけるキ ャピラリートランスファーによりGenescreen Plus(NEN R esearch Products、マサ チューセッツ、ボストン)に移した後に、膜を80℃で2時間ベークし、3分間 紫外線照射した。膜のプレハイブリダイゼーションは、4mLの0.5M Na PO4(pH7.2)、1mM EDTA、1% BSA、及び7%SDS中6 0℃において1時間であった。アンチセンスプローブを非対称性PCRにより低 メルトアガロース(上記)においてJC145の増幅で合成した。この場合、2 μlのDNAを2μlのdNTPミックス(0.167mM dATP、0.1 67mM dTTP、0.167mM dGTP及び0.033mM dCTP )、2μlの10×PCR緩衝液、10μlの32P−dCTP(100μCi; Amersham、イリノイ、アーリントンハイツ)、1μl(100pモル) のアンチセンスプライマーCP−17、0.5μlのTaqポリメラーゼ、及び dH2Oにより増幅して20μlにする。10×PCR緩衝液、dNTP及びT aqポリメラーセはPerkin Elmer Cetus(コネチカット、ノ アウオーク)からのものであった。増幅は94℃において45秒間30回数変性 し、プライマーを60℃において45秒間テンプレートにアニールしかつ72℃ において1分間鎖延長することからなるものであった。反応を、TE100μl を加えることによって停止させ、プローブを3ccのG−50スピンカラム(T Eで平衡にしたグラスウールを詰めた3ccのシリンジ中の2mlのG−50 Sephadex[Pharmacia、スエーデン、アップサラ])で回収し 、1500 TriCarb Liquid Scintillation C ounter(Packerd、イリノイ、ダウナースグロウブ)でカウントし た。プローブをプレハイブリダイジング緩衝液に106cpm/mlで加え、プ レハイブリダイゼーションを60℃において16時間行った。ブロットを高緊縮 条件:3×65℃における0.2×SSC/1%SDSによる15分、において 行い、次いでプラスチックラップにラップして−80℃のフィルムに暴露した。 このノーザンブロット分析の7時間暴露は、Arboretumの木から採集したRNA 及び日本からのプールした木から採集したRNAの両方についておよそ1.7k bにおいて単一の厚いバンドを示した。このメッセージはcDNAのPCR分析 によって予測される通りのCryjIIについて予期されるサイズである。実施例6 CryjI、CryjII及び組換えCryjIIに対するIgEの直接結合アッセイ コーニングアッセイプレート(#25882−96)を、4℃で一晩、CryjI 若しくはCryjIIlで(2μg/mL)又は組換えCryjII調製物(10μg/mL )(約20%の純度)で、5μLにてコート。被覆抗原を除去し、ウェルを05 %セラチン、PVP(ポリビニルピロリドン)(1g/mLPBS)で、 室温で2時間ブロックした(200μlウェル)。抗CryjIモノクローナル抗体 4B11を、PBS−Tween20で、1:1000稀釈で開して、逐次稀釈した。 ヒト血漿を、PBS−Tweenにて、1:2稀釈で開始して、逐次稀釈した。この ために、IgE結合分析について選択した杉花粉アレルギーの徴候を示す患者か らの23試料をセットした。第1の抗体のインキュベーションを4℃で一晩行な った。PBS−Tweenでの3回の洗浄の後に、第2抗体を加え(ヤギ抗マウスI g又はヤギ抗ヒトIgE、両者とも1:2000)そして2時間室温でインキュ ベート(100μl/ウェル)。この溶液を取り出し、1:10,000まで稀 釈したストレプトアビジン−HRPOを100μL/ウェルで加えた。2〜5分 間発色させた。反応を、100μL/ウェルの1M リン酸の添加により停止さ せた。プレートを450nmフィルターを有する Microplate IL310Autoreader (バーモント、Vinooski在、Biotek Instruments社)にて読んだ。2重のウェルの吸 光度レベルを平均した。ELISAアッセイのグラフ化した結果(稀釈の対数対 吸光度)を図7〜15に示す。これらの結果の要約を図16に与える。血漿の第 2稀釈(1:6)でバックグラウンドの2倍以上の読みであるものを陽性の結合 結果(プラス符号で示す)とした。 図7において、モノクローナル抗体4B11及び7人の患者(バッチ1)の血 漿IgEの結合応答を、被覆抗 原としての精製CryjIに対して示す。精製CryjIに対して高めたモノクローナル抗 体は、全稀釈系列に対して結合の飽和レベルを示している。個々の患者の試料は 、CryjI調製物に対するIgE結合の変わり易い応答を示す。1人の患者(10 34番)は、この蛋白質調製物に対する検出可能な結合を有しない。すべての患 者の試料は、杉花粉アレルギーの徴候を訴えた個人から得た。そして、それらの MAST評点の結果を図16に示す。図8は、図7と同じ抗体セットの天然の精 製CryjIIに対する結合を表すグラフである。抗CryjIモノクローナル抗体4B1 1は、この調製物において陰性である(2つのアレルゲン抗原の間の交差反応性 の欠如を示す)。一般に、この杉花粉のアレルゲン性成分に対する一層低い全体 的応答があり、減少した結合を示す一層多くの患者の試料を伴う。しかしながら 、1034番の患者はCryjIにおいて陰性であり、CryjIIに対する非常に強い反 応性を示す。組換えCryjII(rCryjII)を用いる最後の抗原セットにおいて(図 9)、モノクローナル抗体4B11の反応性は陰性であり、生化学的に精製した CryjIIと比較して、ヒトIgE試料の結合に更なる減少がある。1143番及び 1146番の患者2人は、生化学的に精製した型に対して最強反応した患者(1 034番)が陰性であるにもかかわらず、組換え型のCryjIIに対するIgE結合 について明確に陽性である。図10〜15は、同じ抗原セットの適用を、次の1 6人の患者(患者バッ チ2及び患者バッチ3と呼ぶ)の直接結合分析について表している。 図16に示した表には、出荷前に血漿試料について市販のキットを用いて日本 で実施したMAST評点及び上で概説した直接ELISAの結果を要約してある 。2人の患者は、MASTアッセイにより陰性であったが、これらの患者の1人 (1143番)は、すべてのELISA抗原について陽性であった。各抗原につ いての陽性応答の数を示し、これは、種々のアレルゲン調製物の測定の相対的ア レルゲン性を表す。これらの結果は、CryjIIが、ヒトアレルギー患者のIgE反 応性により規定して、アレルゲンであること及びCryjIには反応性でないがCryjI Iに反応性の何人かの患者がいることを示す。この患者の集団における応答の頻 度は、CryjIに対するよりCryjIIに対して一層低い。実施例7 CryjII及びCryjIIペプチドを用いた杉花粉アレルギー患者のT細胞の研究 CryjIIペプチドの合成 杉花粉CryjIの重複するペプチドを、標準的Fmoc/tBoc合成化学を用 いて合成し、逆相HPLCにより精製した。図13は、これらの研究で用いたCr yjIペプチドを示す。ペプチドの名称は、一貫している。杉花粉抗原ペプチドに対するT細胞応答 末梢血液単核細胞(PBMC)を、季節性鼻炎の臨床症状を示し且つ杉花粉に 対するMAST及び/又は皮膚試験陽性の杉花粉アレルギー患者からの60ml のヘパリン化した血液のリンパ球分離培地(LSM)遠心分離によって精製した 。長期T細胞系統を、完全培地(熱で不活性化した5%ヒトAB血清を補ったR PMI−1640、2mM L−グルタミン、100U/mlペニシリン/スト レプトマイシン、5×10-5M2−メルカプトエタノール及び10mM HEP ES)のバルク培養における2×106PBL/mlの、保湿した5%CO2イン キュベエター内での、20μg/mlの部分精製した天然CryjI(75%の純度 で、図2の3本のバンドと類似した3本のバンドを含む)での37℃で7日間の 刺激によって樹立し、CryjI反応性T細胞を選択した。この量のプライミング抗 原は、殆どの杉花粉アレルギー患者からのT細胞の活性化に最適であることが測 定された。生存細胞をLSM遠心分離により精製し、5単位/mlの組換えヒト IL−2及び5単位/mlの組換えヒトIL−4を補った完全培地中で、細胞が もはやリンホカインに応答せず且つ「休止した」と考えられるまで最長で3週間 培養した。次いで、T細胞の、選択したペプチド、組換えCryjI(rCryjI)、精 製した天然CryjI又は組換えAmb a I.1(rAmb aI.1)に対して増殖する能力 を評価した。アッセイのために、2×104の休止細胞を、2×104のエプスタ イーバール ウイルス(EBV)トランスフォームした自家B細胞(後述のようにして調製し た)(25,000RADでガンマー照射したもの)の存在下で、丸底96ウェ ルプレートの2若しくは3ウェル中の200μlの容積の完全培地中で、2〜5 0pg/mlのrCryjII、精製した天然CryjIIペプチドCryjIIA及びCryjIIB(天 然のCryjIの)で2〜4日間再刺激した。次いで、各ウェルに、1μCiのトリ チウム化チミジンを16〜20時間加えた。取り込まれたカウントをガラス繊維 フィルターマット上に集め、液体シンチレーション計数処理した。図12は、組 換えCryjI、精製した天然CryjI及び組換えAmb a I.1並びに上記のようにして 合成した幾つかの抗原性ペプチドを用いるアッセイにおいて抗原量を変えること の効果を示している。幾つかのペプチドは、これらのアッセイにおいて、高濃度 では阻害的であることが見出された。滴定を用いて、これらのペプチドのT細胞 アッセイにおける投与量を最適化した。各ペプチドの滴定における最大応答を、 刺激インデックス(S.I.)として表す。このS.I.は、ペプチドへの応答 において細胞により取り込まれたカウント/分(CPM)を、培地のみの中で細 胞により取り込まれたCPMで除したものである。バックグラウンドの2倍以上 のS.I.値は、「陽性」と考えられ、そのペプチドがT細胞エピトープを含む ことを示す。これらの陽性結果は、試験した患者の群の各ペプチドの平均剌激イ ンデッ クスの計算において使用した。図12に示したこれらの結果は、999番の患者 が、組換えCryjI及び精製した天然CryjI並びにペプチドCJ1−2、3、20及 び22に対してよく応答するが組換えAmb a I.1には応答しないことを示して いる。これは、CryjIT細胞エピトープがこの特定のアレルギー患者からのT細 胞により認識されること、並びにrCryjI並びにペプチドCJ1−2、3、20及 び22がかかるT細胞エピトープを含むことを示す。更に、これらのエピトープ は、しばしば、隣接する重複するペプチドで検出されず、従って、恐らく、反応 性ペプチドの重複しない中央の残基に及ぶ。対照抗原でプライムされたT細胞又 は他の抗原に対してCryjIプライムされたT細胞を用いるT細胞アッセイにおい て、有意の交差反応性は見出されなかった。抗原提示細胞としての利用のための(EBV)トランスフォームしたB細胞の調 自家EBVトランスフォームした細胞系統を、25,000ラドでガンマー照 射して、第2増殖アッセイ及び第2バルク刺激において抗原提示細胞として用い た。これらの細胞系統を、免疫蛍光フローサイトメトリー分析においても対照と して用いた。これらのEBVトランスフォームした細胞系統を、5×106PB Lを1mlのB−59/8マーモセット細胞系統(ATCC CRL1612、 メリーランド、Rockville在、American Type Culture Collection)調整培地と 共に、1μg/mlの フォルボール12−ミリステート13−アセテート(PMA)の存在下で、37 ℃で60分間、12×75mmポリエチレン製丸底Falconスナップキャップチュ ーブ(ニュージャージー、Lincoln Park在、Becton Dickinson Labware)中でインキュベ ートすることにより作成した。これらの細胞を、次いで、前述のようにRPMI −1640にて1.25×106細胞/mlに希釈した(但し、熱で不活性化し たウシ胎児血清10%を補い、200μlのアリコートを平底培養プレートにて 肉眼でコロニーが検出されるまで培養した)。次いで、それらを、細胞系統が樹 立されるまで、より大きいウェルに移した。 この発明が好適具体例に言及して記載されたにもかかわらず、他の具体例は、 同じ結果に到達することが出来る。本発明の変形及び改変は、当業者には自明で あり、すべてのかかる改変及び等価物は添付の請求の範囲に包含され且つ本発明 の真の精神及び範囲に従うものである。 配列表 (1)一般的情報: (i)出願人: (A)名称:IMMULOGIC PHARMACEUTICAL CORPORATION (B)通り:610 Lincoln Street (C)市:Waltham (D)州:マサチューセッツ (E)国:USA (F)郵便番号:02154 (G)電話:(617)466-6000 (H)テレファックス:(617)466-6040 (ii)発明の名称:杉花粉由来のアレルゲン性蛋白質及びペプチド (iii)配列の数:55 (iv)コンピューター読み取り可能形式: (A)媒体型:フロッピーディスク (B)コンピューター:IBM PC 互換機 (C)オペレーティングシステム:PC-DOS/MS-DOS (D)ソフトウェア:ASCII(TEXT) (v)現出願のデータ: (A)出願番号: (B)出願日: (vi)先願のデータ: (A)出願番号: (B)出願日: (viii)代理人の情報: (A)名称:Vanstone,Darlene (B)登録番号:35,729 (C)参照/ドケット番号:IPC-033PC (ix)電信用情報: (A)電話:(617)466-6000 (B)テレファックス:(617)466-6040 (2)配列番号1の情報: (i) 配列の特性: (A)長さ:1726塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (ix)配列の特徴: (A)特徴を表わす記号:CDS (B)存在位置:42..1586 (xi)配列(配列番号1): (2)配列番号2の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:514アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:蛋白質 (xi)配列(配列番号2): (2)配列番号3の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:45アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部 (xi)配列(配列番号3): (2)配列番号4の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:41アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部 (xi)配列(配列番号4) (2)配列番号5の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:36アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部 (xi)配列(配列番号5): (2)配列番号6の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:10アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部 (xi)配列(配列番号6): (2)配列番号7の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:1410塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号7) (2)配列番号8の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:1395塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号8): (2)配列番号9の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:1479塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号9): (2)配列番号10の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:35塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号10): (2)配列番号11の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:13塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号11): (2)配列番号12の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:18塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号12): (2)配列番号13の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:13塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号13): (2)配列番号14の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:6アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部 (xi)配列(配列番号14: (2)配列番号15の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:27塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号15): (2)配列番号16の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:7塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号16): (2)配列番号17の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:7アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部 (xi)配列(配列番号17): (2)配列番号18の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:27塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号18): (2)配列番号19の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:17塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号19): (2)配列番号20の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:6アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部 (xi)配列(配列番号20): (2)配列番号21の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:28塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号21): (2)配列番号22の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:8塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号22): (2)配列番号23の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:7アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部 (xi)配列(配列番号23): (2)配列番号24の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号24): (2)配列番号25の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:7アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部 (xi)配列(配列番号25): (2)配列番号26の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:28塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号26): (2)配列番号27の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:8塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号27): (2)配列番号28の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:7アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部 (xi)配列(配列番号28): (2)配列番号29の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:21塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号29): (2)配列番号30の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:29塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トボロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号30): (2)配列番号31の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:8塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号31): (2)配列番号32の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:19塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号32): (2)配列番号33の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号33): (2)配列番号34の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号34): (2)配列番号35の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号35): (2)配列番号36の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号36): (2)配列番号37の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号37): (2)配列番号38の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号38): (2)配列番号39の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号39): (2)配列番号40の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号40): (2)配列番号41の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号41): (2)配列番号42の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号42): (2)配列番号43の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号43): (2)配列番号44の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号44): (2)配列番号45の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号45): (2)配列番号46の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号46): (2)配列番号47の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号47) (2)配列番号48の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:9塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号48): (2)配列番号49の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:9塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号49): (2)配列番号50の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:27塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号50): (2)配列番号51の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:9塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号51): (2)配列番号52の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:27塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号52): (2)配列番号53の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:9塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列(配列番号53): (2)配列番号54の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:13アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部 (xi)配列(配列番号54): (2)配列番号55の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:14アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部 (xi)配列(配列番号55):
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07H 21/04 B 8615−4C C07K 14/415 8318−4H C12N 1/21 8828−4B C12P 21/02 C 9282−4B 21/08 9358−4B //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 ブラウアー,アンドルー ダブリュー. アメリカ合衆国 01970 マサチューセッ ツ,セイレム,ゲドニー コート 21 (72)発明者 ポロック,ジョーン アメリカ合衆国 02174 マサチューセッ ツ,アーリントン,ニューカム ストリー ト 51

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.杉花粉アレルゲンCryjII又はその少なくとも1つの抗原性断片をコードする ヌクレオチド配列を有する核酸、又は該ヌクレオチド配列の機能的等価物。 2.該ヌクレオチド配列が、本質的に図4のヌクレオチド配列(配列番号:1) のコード部分の少なくとも1断片からなる、請求の範囲第1項に記載の核酸。 3.該断片が、図4のヌクレオチド配列(配列番号:1)の塩基108〜158 6(配列番号:9)を含む、請求の範囲第1項に記載の核酸。 4.該ヌクレオチド配列が、本質的に図4のヌクレオチド配列(配列番号:1) からなる、請求の範囲第1項に記載の核酸。 5.該断片が、図4のヌクレオチド配列の塩基177〜1586(配列番号:7 )及び図4のヌクレオチド配列(配列番号:1)の塩基192〜1586(配列 番号:8)からなる群より選択する塩基を含む、請求の範囲第1項に記載の核酸 。 6.杉花粉アレルゲンCryjII又はその少なくとも1つの抗原性断片をコードする ヌクレオチド配列、又は該ヌクレオチド配列の機能的等価物を含む発現ベクター 。 7.該ヌクレオチド配列が、本質的に図4のヌクレオチド配列(配列番号:1) のコード部分の少なくとも1断片からなる、請求の範囲第6項に記載の発現ベク ター。 8.該ヌクレオチド配列が、図4のヌクレオチド配列の塩基108〜1586( 配列番号:9)を含む、請求の範囲第6項に記載の発現ベクター。 9.請求の範囲第1項に記載の核酸によりコードされる蛋白質又はペプチドを発 現するようにトランスフォームされた宿主細胞。 10.請求の範囲第1項に記載の核酸でトランスフォームした宿主細胞において 産生された、単離されたCryjII蛋白質又はその少なくとも1つの抗原性断片。 11.杉花粉アレルゲンに特異的な免疫グロブリンEと結合しないか又は該免疫 グロブリンEとの結合が起きる場合でもかかる結合がマスト細胞若しくは好塩基 球からのヒスタミンの放出を生じない、請求の範囲第10項に記載の抗原性断片 。 12.天然の精製CryjII蛋白質が免疫グロブリンEに結合するよりも実質的に低 い程度で免疫グロブリンEに結合する、請求の範囲第10項に記載の抗原性断片 。 13.宿主細胞が大腸菌である、請求の範囲第10項に記載の単離したCryjII蛋 白質。 14.CryjII蛋白質又は少なくともその1断片の製造方法であって、下記の工程 : a.CryjII蛋白質又はその断片をコードするDNA配列でトランスフォームした 宿主細胞を適当な培地で培養してCryjII蛋白質又は少なくともその1断片を含む 細胞及び培地の混合物を生成し、そして b.前記の混合物を精製して実質的に純粋なCryjII蛋白質又は少なくともその1 断片を生成する ことを含む、上記の方法。 15.CryjIIの全部又は一部をコードするヌクレオチド配列含む核酸でトランス フォームした宿主細胞中で合成したCryjII蛋白質又はその少なくとも1断片を含 む蛋白質調製物。 16.前記のCryjIIの少なくとも1断片が抗原性断片である、請求の範囲第15 項に記載の蛋白質調製物。 17.化学的に合成したCryjII蛋白質又はその少なくとも1断片を含む蛋白質調 製物。 18.前記のCryjII蛋白質が図4に示すアミノ酸配列(配列番号:2)を含む、 請求の範囲第15項に記載の蛋白質調製物。 19.前記のCryjII蛋白質が図4に示すアミノ酸配列(配列番号:2)を含む、 請求の範囲第17項に記載の蛋白質調製物。 20.少なくとも1つのCryjIIのT細胞エピトープを含む単離したペプチド。 21.最小免疫グロブリンE刺激活性としての、請求の範囲第20項に記載の単 離したペプチド。 22.杉花粉アレルゲンに特異的な免疫グロブリンEに結合しないか又は該免疫 グロブリンへの結合が起きる場合でもかかる結合がマスト細胞若しくは好塩基球 からのヒスタミンの放出を生じない、請求の範囲第20項に記 載の単離したペプチド。 23.天然の精製CryjII蛋白質が免疫グロブリンEに結合するよりも実質的に低 い程度で免疫グロブリンEに結合する、請求の範囲第20項に記載の単離したペ プチド。 24.単離したCryjII蛋白質又はその抗原性断片であって、それを投与された杉 花粉に感受性の個人において、その個人の杉花粉アレルゲンに対するアレルギー 応答を調節する、上記の蛋白質又はその抗原性断片。 25.個人の杉花粉アレルゲンに対するB細胞応答、個人の杉花粉アレルゲンに 対するT細胞応答、又は個人の杉花粉アレルゲンに対するB細胞応答及びT細胞 応答の両方を調節する、請求の範囲第24項に記載の単離したCryjII蛋白質又は 抗原性断片。 26.杉花粉に感受性の個人に投与したときにその個人のCryjIIに対するアレル ギー応答を減じる修飾CryjII蛋白質又はその少なくとも1修飾断片。 27.単離したCryjII蛋白質又はその少なくとも1断片及び製薬上許容し得るキ ャリアー若しくは希釈剤を含む治療用組成物。 28.前記のCryjII蛋白質が図4に示したアミノ酸配列(配列番号:1)を含む 、請求の範囲第27項に記載の治療用組成物。 29.杉花粉アレルゲン、又は杉花粉アレルゲンと免疫学的に交差反応性のアレ ルゲンに感受性の個人におい て、その個人に治療上有効な量の請求の範囲第27項に記載の組成物を投与する ことを含む、当該抗原に対する感受性を治療する方法。 30.個人における杉花粉アレルゲンに対する感受性を検出する方法であって、 その個人から得た血液試料を、請求の範囲第1項に記載の核酸でトランスフォー ムした宿主細胞にて生成するか又は化学的に合成した単離したCryjII蛋白質又は その抗原性断片と、血液成分の蛋白質若しくはその断片との結合に適当な条件下 で合わせ、そしてかかる結合が起きる程度を測定することを含む、上記の方法。 31.結合が起きる程度を、T細胞機能、T細胞増殖、B細胞機能、蛋白質又は その断片の血液中に存在する抗体又はその断片に対する結合を評価することによ り測定する、請求の範囲第30項に記載の方法。 32.CryjII蛋白質又はその少なくとも1つの抗原性断片と特異的に反応性であ る、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体又はそれらの免疫学的に反応性の 断片。 33.ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定して 約40kDの分子量を有する、杉花粉から単離したCryjII蛋白質。 34.ATCC寄託番号69105を有する、CryjIIのcDNA挿入物を含むベ クターでトランスフォームした宿主細胞。 35.蛋白質アレルゲンCryjIIの少なくとも1つのエピ トープを有するポリペプチドをコードするDNAを含む、組換えDNA分子。
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