JPH10505356A - ヒトへの投与のための組成物および方法、抗原特異的免疫応答のダウンレギュレーションを行うことが可能なペプチド - Google Patents
ヒトへの投与のための組成物および方法、抗原特異的免疫応答のダウンレギュレーションを行うことが可能なペプチドInfo
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- JPH10505356A JPH10505356A JP8509447A JP50944796A JPH10505356A JP H10505356 A JPH10505356 A JP H10505356A JP 8509447 A JP8509447 A JP 8509447A JP 50944796 A JP50944796 A JP 50944796A JP H10505356 A JPH10505356 A JP H10505356A
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、例えば蛋白質抗原のような抗原に対するヒトによる抗原特異的免疫応答に関連するヒトの疾患症状(すなわち、アレルギーおよび自己免疫性疾患)を治療するための治療用組成物および方法を提供する。本発明の治療用組成物は、ヒトの治療法に適する再生産可能な調製物である。本発明の組成物は、特定されたアミノ酸残基配列を有する少なくとも一つの単離されたペプチドを含み、かつその組成物は、ある悪玉抗原に対する抗原特異的免疫応答のダウンレギュレーションをその抗原特異的免疫応答を受けやすいヒト集団において行うことが可能である。本発明の組成物および方法を用いてヒトにおける蛋白質アレルゲンに対する感受性の治療を行うことがあるか、あるいは更に例えば、リューマチ性関節炎、糖尿病、重症筋無力症、グレーブス病、グッドパスチャー症候群、甲状腺炎、および多発性硬化症のような自己免疫性疾患を治療することもある。
Description
【発明の詳細な説明】
ヒトへの投与のための組成物および方法、抗原特異的免疫応答のダウンレギュレ
ーションを行うことが可能なペプチド発明の背景
ヒトの有史以来、アレルギーはヒトという存在にとっての悩みの種である。ア
レルギーに苦しむ人々は持続的もしくは反復性の副鼻腔炎、鼻炎、痒みを伴う涙
眼、鼻、および口腔の症状、ならびに入院の必要性を伴うほど重症になることが
あるアレルギー性喘息に悩まされる。最も危険なヒトアレルギー応答はアナフィ
ラキシーであり、これは医療介助がなければ死を招くであろう。
さほど重篤ではない多くの症状を緩和させるための化学療法が既に開発されて
おり、それらは例えば、抗−ヒスタミン剤の経口投与、喘息用の吸引器、および
医療介助が施され得るまでにアナフィラキシーショックを抑制させるためのアド
レナリンを含む簡易注射用キットなどである。しかしながらこれらの化学療法は
ヒスタミンの放出により生じる症状、すなわち悪玉アレルゲンが体内に侵入する
際に開始するヒトの免疫応答の最終結果を単に遮蔽する程度に過ぎない。それに
加え、より強力な抗−ヒスタミン剤の多くのものは、例えば粘膜の過乾燥もしく
は眠気などの所望されない副作用を有する。
過去数十年にわたりヒトの脱感作に関与する治療法が開発されてきた。脱感作
療法は悪玉アレルゲンの粗精製アレルゲン抽出物の増加用量での反復注射を必要
とする。アレルゲン抽出物での治療は、アレルゲン関連
性の症状の緩和に関しては診療所では幾分かは有効であることが証明されており
、かつ今日のアレルギー診療所において最も広く用いられる一般的療法であるも
のの、脱感作のメカニズムは依然として不明確なままである。それに加え、脱感
作療法は細心の注意を払いながら実施される必要があり、それはその副作用が有
意であるか、もしくは致死的である(例えば、アナフィラキシー)ことさえある
ためである。従って患者は、粗精製抽出物の増加用量の複数回注射を受け、かつ
注射が施される度に一時間もしくは数時間の間医学的観察下に置かれる必要があ
る。更には、アレルギー患者は維持量に達するまでは治療を受ける必要があるこ
とがよくあり、この維持量到達には通常、6〜12カ月の間一週間に一度、そし
てその後には4〜6カ月の間隔を開けての治療用注射が必要とされる。
脱感作免疫療法を一層効果的かつ安全にする目的で数々の研究者らは、免疫療
法中に生じる免疫学的現象を生じさせることを目的として(すなわち、遮蔽用I
gG抗体を増加させるか、もしくはアレルゲン特異的IgE抗体の数を減少させ
る)改変させたアレルゲンを開発することを試みてきた。このような改変には:
尿素で変性させたアレルゲン(Ishizaka et al.、E.J.Im
munol. 114:100−115(1975));アレルゲンのホルマリ
ン処理により作製されるアレルゴイド(Norman et al.、J.Al
lergy Clin Immunol. 70:248−260(1982)
);例えばD−グルタミン酸−D−リシンのような寛容原に結合したアレルゲン
(Katz D.、Immunology、41:1−24(1980));も
しくは、ポリエチレングリコール(Sehon et
al.、J.Allergy Clin Immunol、64:242−25
0(1979));ならびにグルタルアルデヒドで重合させたアレルゲン(Me
tzger et al.、N.Engl.J.Med. 295:1160−
1164(1976))、の調製および検査を含む。
Michaelら(米国特許第4,338,297号)は、花粉抗原の蛋白質
分解酵素消化により調製され、かつ抗−花粉抗体との反応により精製された、脱
感作における治療剤としての使用が可能と思われるポリペプチド活性性花粉免疫
抑制剤を開示している。後に同一グループが、蛋白質抗原(例えば、ウシ血清お
よびミツバチ毒ホスホリパーゼA2)に対するマウスでの免疫応答を、酵素消化
により取得された断片での処理により抑制することが可能であることを示す実験
を公表し(Michael et al.、J.Clin.Immunol.
75:200(要約)(1985)、およびFerguson et al.、
Cell Immunol.78:1−12(1983))、そしてそれに加え
、ペプシン消化による短茎ブタクサ花粉のアレルゲン性蛋白質の断片化、および
、あるブタクサ調製物での腹膜内免疫化の前もしくは後のいずれかでの5〜15
kDの分子量範囲の消化産物の投与により免疫応答の抑制がもたらされることも
見いだした(Michael et al.、Clin.Exp.Allerg
y、20:669−674(1990))。Michaelらによると、そのブ
タクサ調製物に対する免疫応答の抑制はT細胞に関わっていること、およびペプ
シン消化の断片は免疫抑制を調節するT細胞を刺激化することが可能であること
が考えられるとのことであった。
それに加え、その同一グループの研究者らは短茎ブタクサのペプシン断片を含
む組成物をヒトにおける臨床効果について検査した(Litwin et al
.、Clin.Exp.Allergy 21:457−465(1991))
。この研究では三群のブタクサ花粉症患者に流行期前免疫療法を施した。ある群
にはPool2と表示される、ブタクサ抗原(Amb a I)についての濃縮
を予め行ってある通常のブタクサ調製物を投与した。Pool2中の蛋白質は約
26%のAmb a Iを含んでいた。Pool2を酵素的に消化させ、そして
10kDもしくはそれを下回る範囲の蛋白質を含む分画をペプシン断片組成物と
して用い、そしてそれをfSRWと表示した。第三のグループには偽薬を投与し
た。Pool2もしくはfSRWのいずれかを投与した群は偽薬処理を施した群
と比較して有意に減少した症状−投与評定値を示したことがこの結果により示さ
れた一方で、fSRW処理とPool2処理との間の違いは有意ではなかった。
従ってfSRWペプシン消化組成物は、個体が感受性を示すアレルゲンの粗精製
抽出物を含む通常の免疫療法用組成物に勝る有意な効果もしくは簡便さを提供す
るというその目標を完全には達成してはおらず、かつこれまでには未だ米国内で
は使用が認可されておらず、すなわちそのようなペプシン組成物は現在でも米国
における臨床研究の課題である。
それに加え、例えばLitwinらにより記載される蛋白質アレルゲンのペプ
シン断片を含む組成物の使用は重大な欠点を有している。例えば、fSRWペプ
チド組成物を産生させる目的で消化させた蛋白質抽出物(Pool2)は所望さ
れるAmb a I蛋白質に関して僅か26%にまで濃縮されたに過ぎず、かつ
いずれかの数の他の蛋白質および混
入物がそのPool2組成物内に存在するように思われ、そして同じ事情がfS
RW消化物についても生じていた。Litwinらによると、fSRW中の正確
なAmb a I含有量を決定することは不可能であり、それはfSRWの構成
成分は溶液中の状態に留まっていなかったためである。従ってfSRWは治療を
受ける患者に有害な影響を及ぼすこともある、所望されない蛋白質を含み、そし
てそのため通常の粗精製抽出物の使用に勝る利点を提供することは全くなく、か
つそれに加え古典的免疫療法に関連するものと同一の欠点の内の多くのものを有
することがある。それに加え、粗精製蛋白質の酵素消化によっては毎回同一のペ
プチド組成を首尾一貫して産生しはしない。従って、酵素的に消化させた蛋白質
の組成物を用いて、Litwinらにより記載されるfSRWのものに類似する
、世界中の大半の規定代理店が必要とする、ヒトの治療のための薬物としての使
用のための、一貫し、厳密に特定され、高度に精製されたペプチド組成物を産生
するのはほぼ不可能のように思われる。
更に、アレルギーに類似する、例えばI型糖尿病、多発性硬化症、およびリュ
ーマチ性関節炎のような自己免疫性疾患も一般的には、ある抗原に対する抗原特
異的T細胞媒介性応答の結果として受け入れられており、その抗原は自己免疫性
疾患の場合にはその身体自体の組織である。従って、アレルギーを治療するため
のものに概念的には類似する自己免疫性疾患を治療するためのアプローチが適切
であろうと考えられる。例えば、国際公開第88/10120号、国際公開第9
1/08760号、国際公開第92/06704号、国際公開第93/2122
2号、および国際公開第94/07520号は完全な自己抗原もしくはそれらの
断
片の経口もしくは経腸投与を開示しており、それらの自己抗原は例えばミエリン
塩基性蛋白質(MBP、多発性硬化症における仮想的自己抗原)、糖尿病の治療
用のインシュリン、もしくはリューマチ性関節炎の治療用のコラーゲンである。
先に記載される論拠の多くについては自己抗原の経口、経腸、もしくはエアロゾ
ルとしての投与の臨床的適用性に対して限界が存在し、それは例えば、一旦胃に
取り込まれてしまった場合には胃内での後続の酵素分解のため治療用組成物の活
性成分の特徴決定が不可能になってしまうことなどである。従って、予測可能か
つ再生産能な治療効果をこれらの方法を用いて達成するのは困難なことかもしれ
ず、またその治療薬の身体による更に進んだプロセシングの結果としての不利な
副作用についての可能性を予想することができないかもしれないということは言
うまでもない。
本発明は先に記載される欠点を克服し、そしてアレルギーおよび、ある蛋白質
抗原に対するヒトによる免疫応答に関連する他の疾患(すなわち、自己免疫性疾
患)を治療するための、その蛋白質抗原の少なくとも一つのT細胞エピトープを
含む特定されたアミノ酸残基配列を有する少なくとも一つのペプチドを含む、厳
密に特定され、高度に精製された非免疫原的形態で投与される調製物を用いる方
法を提供する。本発明に従うと、ヒトを治療する組成物および方法は予め診療所
で検査されており、かつ予め良く効くことが示されていることが好ましい。これ
らの臨床試験の成功結果により、絶えずアレルギー免疫療法の特質が変化させら
れることが予期されると同時に、自己免疫性疾および免疫応答に関与するヒトの
疾患症状に関連する他の領域の治療の過程の変化も予期される。発明の要約
:
本発明は、ある抗原(例えば、ある蛋白質抗原)に対するヒトによる抗原特異
的免疫応答に関連するヒトの疾患症状(すなわち、アレルギーおよび自己免疫性
疾患)を治療するための治療用組成物および方法を提供する。本発明の治療用組
成物は厳密に特定され、高度に精製された再生産可能な調製物であり、かつヒト
の治療に適する。本発明の好ましい組成物は、少なくとも一つの単離され、精製
され、他のポリペプチドもしくは混入物を全く含まないペプチドを含み、このペ
プチドは目的の抗原の少なくとも一つのT細胞エピトープを含む特定されたアミ
ノ酸残基配列を有する。本発明の治療用組成物は、目的の抗原に対する抗原特異
的免疫応答のダウンレギュレーションを、その抗原特異的免疫応答を受けやすい
ヒト集団において行うことができ、その結果疾患症状が減少するかもしくは除去
される、および/または疾患症状の開始もしくは進行が予防もしくは減速される
。
本発明の組成物および方法を用いてヒトにおける蛋白質アレルゲンに対する感
受性(例えば、ブタクサ、草、樹木、室内塵(ダニ)(埃)、ネコ、イヌ、およ
び他の動物、ならびにいずれかの他の風媒性もしくは接触性アレルゲンに対する
アレルギー)を治療することがある。更に本発明の組成物および方法を用いて、
例えば、リューマチ性関節炎、糖尿病、重症筋無力症、グレーブス病、グッドパ
スチャー症候群、乾癬、甲状腺炎、および多発性硬化症のような自己免疫性疾患
を治療することもある。図面の簡単な説明
図1は、処置後1週間目および6週間目のネコのいる部屋での症状の悪化(鼻
、肺、および総合的アレルギー)のグラフ表示であり、6週間
目での総合的アレルギー症状については偽薬(PBO)に対する一対比較を行っ
ており、総合的アレルギー症状については1週間目および6週間目における用量
反応についての傾向分析検査が示されている(星印の付けられたデータを参照さ
れたい)。発明の詳細な記述
本発明および本明細書に引用される科学的刊行物により、当業者にとって利用
可能な知識が確立される。本明細書に引用される係争決着済み米国特許、PCT
による国際公開、および他の刊行物は、引用により本明細書に取り込まれる。
本明細書は、ある抗原に対するヒトによる免疫応答に関わるヒトにおける疾患
症状を治療するための治療用組成物および方法を提供する。本発明の治療用組成
物は、少なくとも一つの単離され、精製され、かつ他の全ての蛋白質もしくは混
入物を含まず、そしてその抗原の少なくとも一つのT細胞エピトープを含む特定
されたアミノ酸残基配列を有するペプチドを含む。本明細書に用いられる場合に
は用語「単離された」は、他の全てのポリペプチド、混入物、出発試薬、もしく
は他の物質を含まず、そしていずれかの他の分子と複合体形成を行っていないペ
プチドを意味する。本発明の一つもしくは複数の組成物は、非免疫原性形態で、
ある治療法で、ある患者に投与される場合には、抗原特異的免疫応答のダウンレ
ギュレーションを、その抗原特異的免疫応答を受けやすいヒト集団において行う
ことが可能である。
本発明の組成物および方法を、ヒトにおける抗原(例えば、蛋白質アレルゲン
)に関わる疾患症状(すなわち、ブタクサ、草、樹木、室内塵(ダニ)(埃)、
ネコ、イヌ、および他の動物、ならびに他の風媒性も
しくは接触性アレルゲンに対するアレルギー)を治療するのに用いることがある
。実施例に記載されるヒト臨床検査では、ネコに対するヒトアレルギーの治療に
おける本発明の組成物および方法の成功的使用法が論議される。本発明は更に、
例えば、リューマチ性関節炎、糖尿病、重症筋無力症、グレーブス病、グッドパ
スチャー症候群、乾癬、甲状腺炎、および多発性硬化症(これらの場合、その疾
患の原因となる抗原は蛋白質自己抗原である)のような自己免疫性疾患を治療す
るのに用いられることがある。
本発明に従うと、「ペプチド」は好ましくは約50を越えないアミノ酸残基を
含み、かつ少なくとも長さが約7のアミノ酸残基を含み、そして好ましくは長さ
が少なくとも約12〜40のアミノ酸残基であり、そして一層好ましくは長さが
約13〜30のアミノ酸残基を含む特定されたアミノ酸残基配列を意味し、そし
て蛋白質抗原から取得される場合には、ペプチドはその完全な蛋白質抗原のアミ
ノ酸よりも少ないアミノ酸を、かつ好ましくは完全な蛋白質抗原のアミノ酸残基
の内の約75%を上回らないアミノ酸残基を含む。本発明に従って用いられるペ
プチドは、ある抗原の少なくとも一つのT細胞エピトープを含む。T細胞エピト
ープはT細胞レセプターによる認識の基本因子すなわち最少単位であり、この場
合このエピトープはレセプター認識にとって必須なアミノ酸を含む。T細胞エピ
トープは、例えば蛋白質アレルゲンのような抗原(これはアレルギーの臨床症状
の原因である)に対する免疫応答の開始および永続化に関与していると考えられ
る。これらのT細胞エピトープは、抗原呈示細胞の表面上の適切なHLA分子へ
結合すること、および関連するT細胞亜集団を刺激化することによりTヘルパー
細胞のレベルで初期
免疫応答現象の引き金を引くと考えられている。これらの現象によりT細胞増殖
、リンホカイン分泌、局所的炎症反応、患部への追加的免疫細胞の動員、および
抗体産生をもたらすB細胞カスケードの活性化が生じる。これらの抗体の内の一
つのイソタイプであるIgEはアレルギー症状の進展にとって根本的に重要であ
り、かつその産生は分泌されるリンホカインの性質によりTヘルパー細胞のレベ
ルで一連のカスケード現象の初期に影響を受ける。自己免疫性疾患の場合には、
産生された抗体は自己免疫性疾患の臨床症状をもたらす自己抗原に対する自己抗
体、すなわち多発性硬化症における仮想的自己抗原であるミエリン塩基性蛋白質
に対する自己抗体である。
本発明に従う治療用/予防用療法(これは、悪玉抗原により生じる疾患症状の
開始の予防もしくは遅延をもたらすか、あるいは悪玉抗原により生じる症状の減
少、改善、もしくは軽減をもたらし、すなわち抗原特異的免疫応答のダウンレギ
ュレーションをもたらす)は、治療が施されている疾患症状の原因である蛋白質
抗原(もしくは免疫学的に交差反応性を示す蛋白質抗原に由来するペプチド)に
由来することがある少なくとも一つの単離されたペプチドを含む本発明の治療用
組成物の非免疫学的形態(例えば、アジュバントを含まない)での投与を含む。
いずれかの理論に制約されることを意図する訳ではないが、本発明の治療用組成
物の投与は:a)適切なT細胞亜集団のT細胞不応答性を生じ、その結果、それ
らの細胞は悪玉抗原に対して不応答性となり、かつその悪玉蛋白質抗原に露出さ
れる際には免疫応答の刺激化に関与しなくなるか;b)天然に存在する悪玉抗原
への露出と比較した際にはリンホカイン分泌状況を改変させるか(例えば、IL
−4の減少および/またはIL−2の
増加をもたらす);c)悪玉抗原に対する応答に通常は関与するT細胞亜集団を
通常の露出部位(例えば、アレルギーについては鼻粘膜、皮膚、および肺)から
その組成物の投与の部位の方向に引き離させるか(このT細胞亜集団の再分配は
、悪玉抗原への通常の露出部位で通常の免疫応答を刺激化させる個体の免疫系の
能力を改善もしくは減少させることがあり、このことによりアレルギー症状の軽
減がもたらされる);あるいはd)Tサプレッサー細胞の誘導をもたらす、とい
うことがある。
いずれかの理論に制約されることを意図する訳ではないが、「第二シグナル」
として時として引用される適切な同時刺激化シグナルを提供しないことの結果と
して抗原特異的免疫応答のダウンレギュレーショが誘導されるものと考えられる
。簡潔に述べると、T細胞の刺激化には2種類のシグナルが必要とされ、第一の
ものは抗原呈示細胞(APC)上での適切なMHCに関連するプロセシングを受
けた抗原のT細胞レセプターを介するT細胞による認識であり、そして第二の種
類のシグナルは、所定のコンピテントAPCにより提供されることがある同時シ
グナル(一つもしくは複数)または「第二シグナル」として引用される。本発明
の組成物が非免疫原的形態で投与される場合には(例えば、アジュバントを含ま
ない状態)、第二シグナルもしくは同時刺激化シグナルを産生することが可能な
コンピテントAPCは適切なT細胞の刺激化には関与しておらず、そのためT細
胞不応答性かもしくはT細胞応答性の減少がもたらされると考えられる。それに
加え、例えば「第二シグナル」のような同時刺激化シグナルの輸送を遮断するこ
とが可能な多数の抗体もしくは他の試薬が存在し、これらには、B7(B7−1
、B7−2、およびBB−1を初めとするもの)、CD28、CTLA4、CD
40、CD
40L、CD54、およびCD11a/18が含まれるが、これらには限定され
ない(Jenkins and Johnson、Current Opini on in Immunology
、5:361−367(1993)、および
Clark and Ledbetter、Nature、367:425−4
28(1994))。従って本発明に従うと、ある組成物は先に論議される非免
疫原的形態で、同時刺激化シグナルを遮断することが可能な試薬と組み合わせて
投与されることがあり、その結果T細胞不応答性のレベルが亢進される。
本発明の組成物および方法は、いずれかの数の蛋白質アレルゲンに対するアレ
ルギーについてヒトを治療するのに有用であり、そのような蛋白質アレルゲンは
例えば:デルマトファゴイデス(Dermatophagoides)属の蛋白
質アレルゲン;フェリス(Felis)属の蛋白質アレルゲン;アムブロシア(Ambrosia
)属の蛋白質アレルゲン;ロリウム(Lolium)属の蛋白
質アレルゲン;クリプトメリア(Cryptomeria)属の蛋白質アレルゲ
ン;アルテルナリア(Alternaria)属の蛋白質アレルゲン;アルデル
(Alder)属の蛋白質アレルゲン;ベトゥラ(Betula)属の蛋白質ア
レルゲン;クゥェルクス(Quercus)属の蛋白質アレルゲン;オレア(O lea
)属の蛋白質アレルゲン;アルテミシア(Altemisia)属の蛋白
質アレルゲン;プランタゴ(Plantago)属の蛋白質アレルゲン;パリエ
タリア(Parietaria)属の蛋白質アレルゲン;カニネ(Canine
)属の蛋白質アレルゲン;ブラッテッラ(Blattella)属の蛋白質アレ
ルゲン;アピス(Apis)属の蛋白質アレルゲン;クプレスス(Cpress us
)属の蛋白質ア
レルゲン;ジュニペルス(Juniperus)属の蛋白質アレルゲン;チュー
ヤ(Thuya)属の蛋白質アレルゲン;カマエキパリス(Camaecypa ris
)属の蛋白質アレルゲン;ペリプラネタ(Periplaneta)属の
蛋白質アレルゲン;アグロピロン(Agropyron)属の蛋白質アレルゲン
;セカレ(Secale)属の蛋白質アレルゲン;トリティクム(Tritic um
)属の蛋白質アレルゲン;ダクティリス(Dactylis)属の蛋白質ア
レルゲン;フェストゥカ(Festuca)属の蛋白質アレルゲン;ポア(Po a
)属の蛋白質アレルゲン;アベナ(Avena)属の蛋白質アレルゲン;ホル
クス(Holcus)属の蛋白質アレルゲン;アントキサンスム(Anthox anthum
)属の蛋白質アレルゲン;アルレナテルム(Arrhenathe rum
)属の蛋白質アレルゲン;アグロスティス(Agrostis)属の蛋白
質アレルゲン;フレウム(Phleum)属の蛋白質アレルゲン;ファラリス(Phalaris
)属の蛋白質アレルゲン;パスパルム(Paspalum)属
の蛋白質アレルゲン;およびソルグム(Sorghum)属の蛋白質アレルゲン
である。
先に同定される属の内の幾つかのものに由来する様々な既知の蛋白質アレルゲ
ンの例には:デルマトファゴイデス(Dermatophagoides)(プ
テロニッシヌス(pteronyssinus)もしくはファリナエ(fari nae
))Der p I;Der p II;Der p III;Der p
VII;Der f I;Der f II;Der f III;Der
f VII;フェリス(Felis)(ドメスティクス(domesticu s
))Fel d I;アムブロシア(Ambrosia)(アルテミイスフォ
リア(ar temiisfolia
)Amb a I.1;Amb a I.2;Amb a
I.3;Amb a I.4;Amb a II;ロリウム(Lolliu m
)(ペレンネ(perenne))Lol p I;Lol p II;Lo l
p III;Lol p IV;Lol p IX(Lol p Vもしく
はLol p Ib);クリプトメリア(Cryptomeria)(ジャポニ
カ(japonica)Cry j I;Cry j II;Can f I;Can
f II;ジュニペルス(Juniperus)(サビノイデス(sa binoides
)もしくはビルギニアナ(virginiana))Jun s
I;Jun v I;ダクティリス(Dactylis)(グロメラタ(g lomerata
))Dac g I;ポア(Poa)(プレテンシス(pre tensis
))Poa p I;Phl p I;およびソルグム(Sorg hum
)(ハレペンシス(halepensis))Sor h Iが含まれる
。
少なくとも一つのT細胞エピトープを含む特定されたアミノ酸残基配列を有し
、かつT細胞不応答性かもしくは減少したT細胞の応答性を誘導するペプチドが
既に、先に名称を列挙した蛋白質アレルゲンの内の多くについてその同定および
単離がなされており、そして本発明の組成物および方法に有用である。例えば、Der
p I;Der p II、Der f I;およびDer f II
に由来するT細胞エピトープを含むペプチドが米国特許出願第08/227,7
72号および米国出願特許第07/963,381号に開示されており(両特許
とも引用により本明細書に取り込まれる)、かつ国際公開第93/08279号
に公開されている。Fel d Iに由来するT細胞エピトープを含むペ
プチドが米国特許出願第07/662,276号、第07/884,718号、
および第08/006,116号に開示されており、これらの特許全ては引用に
より本明細書に取り込まれる。Amb a I.1;Amb a I.2;Am b
a I.3;Amb a I.4;およびAmb a IIに由来するT細
胞エピトープを含むペプチドが米国特許出願第07/866,679号および国
際公開第93/21321号に開示されており、これらは引用により本明細書に
取り込まれる。Lol p II、Dac g I、Poa p I、およびP hl
p Iに由来するT細胞エピトープを含むペプチドが米国特許出願第08
/031,001号に開示されており、かつLol p IX(Lol p V
もしくはLol p Ib)に由来するT細胞エピトープを含むペプチドが国際
公開第94/04564号および第08/106,016号に開示されており、
これらは引用により本明細書に取り込まれる。Cry j IおよびCry j
II、ならびにJun s IおよびJun v Iに由来するT細胞エピト
ープを含むペプチドが米国特許出願第08/226,248号に開示されており
、この特許は引用により本明細書に取り込まれる。Can f IおよびCan
f IIに由来するT細胞エピトープを含むペプチドが米国特許出願第08/
156,549号に開示されており、この特許は引用により本明細書に取り込ま
れる。Sol h Iに由来するT細胞エピトープを含むペプチドがオーストラ
リア特許出願第93/00559号に開示されている。
例えば糖尿病、リューマチ性関節炎、および多発性硬化症のような自己免疫性
疾患では、数々の抗原(すなわち、自己抗原)が自己免疫性疾患における疾患症
状を生じることが既に見いだされている(すなわち、
自己抗原であって、一例は:インシュリン;ミエリン塩基性蛋白質;rh因子;
アセチルコリンレセプター;甲状腺細胞レセプター;基底膜蛋白質;甲状腺蛋白
質;ICA−69(PM−1);グルタミン酸デカルボキシラーゼ(64Kもし
くは65K);プロテオリピド蛋白質(PLP);ミエリン会合性糖蛋白質(M
AG)、コラーゲン(タイプII)、熱ショック蛋白質、およびカルボキシペプ
チダーゼHである)。例えば、ミエリン稀突起膠細胞蛋白質MOG(多発性硬化
症に関与する自己抗原の内の一つであると考えられている蛋白質)に由来するT
細胞エピトープを含むことがあるペプチドが米国特許第08/116,824号
に開示されており、この特許は引用により本明細書に取り込まれる。MBP(ミ
エリン塩基性蛋白質)(多発性硬化症における自己抗原と考えられている蛋白質
)への抗原特異的応答のダウンレギュレーションを行うことが可能であると考え
られるペプチドが既に国際公開第93/21222号、欧州特許第0 304
279号、国際公開第91/15225号、Otaら、Letters to
Nature、346:183−187(1990)、Wucherpfenn
ingら、J.Exp.Med.、170:279−290(1994)におい
て同定されている。可溶性タイプIIコラーゲン(リューマチ性関節炎における
自己抗体と考えられている蛋白質抗原)への抗原特異的応答のダウンレギュレー
ションを行うことが可能であると考えられるペプチドが既に国際公開第94/0
7520号において同定されている。国際公開第92/06704号は、I型糖
尿病に有効であり、かつその疾患の治療および予防法であるインシュリンのペプ
チドの同定のための方法を開示している。
それに加え、特定されたアミノ酸配列を有し、かつT細胞エピトープ
を含むペプチドがいずれかの蛋白質抗原もしくは自己抗原について同定されるか
もしれない。ある方法には、蛋白質抗原を非重複性もしくは重複性の所望される
長さのペプチドに分割し、そしてそれらのペプチドの合成、精製、および検査を
行うことで、そのペプチドが少なくとも一つのT細胞エピトープを含むかどうか
をいずれかの数のアッセイ(すなわち、T細胞増殖アッセイ、リンホカイン分泌
アッセイ、およびT細胞不応答性調査)を用いることで決定することが含まれる
。他の方法では、T細胞エピトープを含んでいそうなペプチドを予測するために
アルゴリズムを用い、そしてその後にはそのアルゴリズムにより予測されたペプ
チドの合成、精製、およびT細胞アッセイにおける検査を実施して、そのように
予測されたペプチドがT細胞増殖もしくはリンホカイン分泌、あるいはT細胞不
応答性をもたらし、そしてそのためT細胞エピトープを含んでいそうかどうかを
決定する。先に引用される文献の内の多くに論議されているように、ヒトT細胞
刺激化活性は、予め決定されている蛋白質抗原(すなわち、アレルゲンもしくは
自己抗原)に対して感受性を示す個体から取得されるT細胞を、その抗原に由来
するペプチドと共に培養し、そして例えばトリチウム化させたチミジンの細胞性
取り込みなどにより測定した際にそのペプチドに応答してT細胞増殖が生じるか
どうかを決定することにより検査することができる。ペプチドに対するT細胞に
よる応答についての刺激化指数を、対照CPMにより割り算される、あるペプチ
ドに対する応答の分当たりの最大計測値(CPM)として算出することができる
。バックグラウンドレベルの2倍に等しいかもしくはそれを上回るT細胞刺激化
係数(S.I.)を「陽性」とみなす。陽性結果を用いて、検査されたペプチド
群についての各ペプチドの
ための平均刺激化指数を算出する。本発明に従う好ましいペプチドは少なくとも
一つのT細胞エピトープ、および好ましくは少なくとも2つもしくはそれを上回
るT細胞エピトープを含み、そして2.0を上回るかもしくはそれに等しい平均
T細胞刺激化指数を有する。2.0を上回るかもしくはそれに等しいT細胞刺激
化指数を有するペプチドが治療剤として有用と見なされる。好ましいペプチドは
少なくとも2.5、より好ましくは少なくとも3.5、更に一層好ましくは少な
くとも4.0、そして最も好ましくは少なくとも5.0の平均T細胞刺激化指数
を有する。
それに加え好ましいペプチドは、少なくとも約100、より好ましくは少なく
とも150、更に一層好ましくは少なくとも約200、そして最も好ましくは少
なくとも約250の陽性指数(P.I.)を有する。あるペプチドについての陽
性指数は、平均T細胞刺激化指数を、検査される抗原に対して感受性を示す検査
される個体集団(例えば、好ましくは少なくとも9人の個体、より好ましくは少
なくとも16人もしくはそれを上回る人数の個体、更に好ましく少なくとも20
人もしくはそれを上回る人数の個体、あるいは更に一層好ましくは少なくとも3
0人もしくはそれを上回る人数の個体)(これらの個体はそのペプチドに応答す
るT細胞を有する)の内の個体のパーセンテージで掛け算することにより決定さ
れる。従って、この陽性指数は、あるペプチドに対するT細胞応答の強度(S.
I.)、および検査される抗原に対して感受性を示す個体集団におけるペプチド
に対するT細胞応答の頻度の両方を表す。
これまで成功を収めながら用いられてきたT細胞刺激化活性を有するペプチド
を予測するための一つのアルゴリズムがRothbard、1st Forum
in Virology、Annals of t
he Pasteur Institute、pp 518−526(Dece
mber、1986)、RothbardおよびTaylor、Embo、7:
93−100(1988)、ならびに欧州特許第0 304 279号に報告さ
れている。これらの文献は一般的なT細胞パターン(アルゴリズム)、その統計
学的有意性、および既知のエピトープとの関連性に加え、様々な蛋白質抗原およ
び自己抗原のこれまでには未同定であったT細胞エピトープの予測における使用
に成功していることも報告している。先に記載された文献にも詳細に報告されて
いる、クラスII MHCに結合することが知られているペプチドについての一
般的パターンは、荷電アミノ酸残基もしくはグリシンの後に2つの疎水性残基が
連なって構築される直線パターンを含むように思われる。あるペプチドがその一
般的パターンに適合するかどうかを決定した後には、そのペプチドをT細胞反応
性について検査することができる。これまでには未同定である蛋白質のT細胞エ
ピトープを予測するのにこれまでに用いられてきている他のアルゴリズムは、M
argalitら、J.Immunol.、138:2213−2229(19
87)により報告されたアルゴリズムを含み、このアルゴリズムは両親媒性のヘ
リックスモデルに基づいている。
それに加え、「潜在エピトープ」を含むペプチドが本発明の方法に従って決定
されることがあり、そして更にそれらは有用である。潜在エピトープは、天然の
蛋白質抗原のプロセシングおよび適切なMHC分子に対する呈示に起因して通常
は免疫系にはさらされない、ある蛋白質抗原もしくは蛋白質自己抗原内の決定基
(複数)である。しかしながら潜在エピトープを含むペプチドはT細胞を不応答
性にさせることができ、そし
て被検体にそのペプチドが投与される場合には、その被検体から取得されるT細
胞は、そのペプチドが取得されてきたペプチドもしくは蛋白質抗原に応答してイ
ンビトロで増殖するであろう。ある蛋白質抗原もしくは自己抗原に由来する少な
くとも一つの潜在エピトープを含むペプチドは、本明細書では「潜在ペプチド」
として引用される。潜在エピトープの存在を確認するためには、当該技術分野で
は既知であり、かつ先に記載されるT細胞増殖アッセイが用いられることがある
。このアッセイでは、抗原刺激を受けたT細胞を各ペプチドの存在下で個別にイ
ンビトロで培養させてペプチド反応性T細胞株を樹立する。あるペプチドは、T
細胞株が所定のペプチドに関して確立され、かつT細胞がそのペプチドおよびそ
のペプチドを取得してきた蛋白質抗原での攻撃誘発の際に増殖することが可能で
ある場合には、それは少なくとも一つの潜在エピトープを含むと見なされる。
本発明に従う使用のための先に記載されるペプチドの内のいずれかのものの構
造を、例えば可溶性を増加させる(特にその組成物が注射される予定である場合
には望ましい)、治療的もしくは予防的効果あるいは安定性(例えば、エックス
ビボでの貯蔵安定性、およびインビボでの蛋白質分解に対する耐性)を増大させ
るといった目的のために改変させることも可能である。もともと取得されてくる
天然の蛋白質配列と比較した場合に、あるいは免疫原性を改変させる目的で例え
ばアミノ酸置換、欠失、もしくは添加などにより改変する予定のペプチドまたは
同一目的のために、ある構成成分が予め添加されているペプチドと比較した場合
には、アミノ酸配列が既に変化させられている改変ペプチドを産生することがで
きる。例えば国際公開第94/06828号は、本質的には全
てのアミノ酸残基が保存的アミノ酸、天然には見いだされないアミノ酸、もしく
はアラニンで置換されていることがある置換ペプチドを開示しており、そしてそ
の置換ペプチドは依然として抗原特異的免疫応答のダウンレギュレーションを行
うことが可能である。それに加え、先に引用される文献の内の多くは、T細胞不
応答性を誘導することが既に示されている特定されたアミノ酸組成物でのペプチ
ドの様々な改変法を開示している。
更に、本発明の方法に従って用いられるペプチドは既知の抗原蛋白質に由来す
る必要はない。特定されたアミノ酸残基配列を含むか、あるいは抗原もしくは自
己抗原に対する抗原特異的免疫応答のダウンレギュレーションを行うことができ
るいずれかのペプチドが本発明の方法に従って用いられることがある。例えば、
既知の蛋白質抗原配列に基づかない、ある特定されたアミノ酸配列を含むものの
、依然として抗原特異的免疫応答のダウンレギュレーションを行うことが可能で
あるペプチドが合成されることがあり、例えばそのペプチドはその蛋白質抗原の
T細胞エピトープを擬態し、かつその蛋白質抗原に対する免疫応答のダウンレギ
ュレーションを行うか、あるいは他の理由のため免疫応答のダウンレギュレーシ
ョンを行うものであり、その例は、バイスタンダー抗原に由来するペプチドであ
る。いずれかの理論に限定されずに考えると、バイスタンダー抗原もやはり組織
特異的であり(ただし、免疫攻撃もしくは自己免疫攻撃の標的ではない)、この
バイスタンダー抗原が免疫攻撃の部位でサプレッサーT細胞を除去する能力を保
持し、そしてこの能力により次にはその免疫攻撃の局在地(例えば、自己免疫性
疾患の場合には冒された「自己」組織であるか、あるいはアレルギーの場合には
鼻、粘膜、
および肺である)における免疫応答のダウンレギュレーションがもたらされるこ
とがあるものと考えられる。バイスタンダー抗原には、それ自体が免疫攻撃の標
的ではなく、かつ免疫攻撃の部位での抑制性活性を有する抗原の部分(複数)が
含まれるが、これらには限定されない。
それに加え、抗原もしくは自己抗原に対する抗原特異的免疫応答のダウンレギ
ュレーションを行うことが可能なペプチドを擬態するいずれかの化合物が本発明
に従って用いられることがある。このような化合物は全体がペプチド結合によっ
て連結されるサブユニットで構成されておらず、その代わり他の結合(例えば、
チオエステル結合)により連結されていることがあるが、ただしこの場合では、
この非ペプチド化合物は、症状の有効な治療的/予防的療法により示されるのと
同様に、目的の抗原に対する抗原特異的免疫応答のダウンレギュレーションを行
うことが可能であるペプチドを擬態する。
それに加え、悪玉蛋白質抗原の十分なパーセンテージのT細胞エピトープを含
む(例えば、少なくとも約10%、およびより好ましくは約20%、一層好まし
くは約30%、更に好ましくは約40%、そして更に一層好ましくは約60%も
しくはそれを上回るパーセンテージである、目的の悪玉抗原に対するT細胞反応
性)ことが好ましい本発明に従って投与されるペプチド組成物が組成物中に含ま
れ、その結果、本発明に従う、ある特別な蛋白質抗原に対して感受性を示す個体
にこの組成物を投与するという治療法により、その蛋白質抗原に対してその個体
のT細胞は不応答性が付与されるようになる。あるペプチド(候補ペプチド)も
しくは候補ペプチドの組み合わせ物が目的の蛋白質抗原の十分なパーセンテージ
のT細胞エピトープを含んでいて、その蛋白質抗原に対して感
受性を示す個体集団の実質的パーセンテージにおいてT細胞不応答性を誘導しそ
うであるかどうかを決定するためにはアルゴリズムを用いることができる。その
ようなアルゴリズムの一つのものに従い、インビトロT細胞増殖アッセイにおけ
るペプチド(複数)についてのヒトT細胞刺激化指数(先に論議される)が、目
的の蛋白質抗原に対して感受性を示す個体集団における、検査を施した各個体に
ついて算出される。インビトロT細胞増殖アッセイで生き残るペプチドは重複性
ペプチド(約5〜15のアミノ酸残基の間による重複)であり、これらはその候
補ペプチド(複数)によっては含まれない残りの蛋白質を含み、そしてこの生き
残りペプチドは少なくとも12アミノ酸分の長さを有し、かつ好ましくは30を
上回らないアミノ酸残基の長さ、そして一層好ましくは25を上回らないアミノ
酸残基の長さである。検査を施した個体集団中の各個体から取得されるT細胞を
用いるインビトロT細胞増殖アッセイにおいて産生される一連のペプチドの内の
このような生き残りペプチドの各々についてのヒトT細胞刺激化指数が算出され
、これらを加算する。各個体については、その候補ペプチド(複数)についての
ヒトT細胞刺激化指数を、検査を施した一連のペプチドの内の生き残りペプチド
のヒトT細胞刺激化指数の合計値で割り算してパーセント率を決定する。このパ
ーセント率を、目的の蛋白質抗原に対して感受性を示す少なくとも20人および
好ましくは少なくとも30人の個体について取得し、そして平均パーセント率を
決定する。候補ペプチド(複数)についての約10%、好ましくは約20%、よ
り好ましくは約30%、および更に一層好ましくは約50%もしくはそれを上回
る値の平均パーセント率と共に、少なくとも約60%、好ましくは約75%、そ
して一層好ましくは約90%
のパーセント陽性率(その候補ペプチドもしくは候補ペプチドの組み合わせ物に
応答する陽性T細胞応答のパーセンテージ(2.0を上回るかもしくはそれに等
しいS.I.)として特定される)が示される場合には、選択されたそれらの候
補ペプチド(複数)が、目的の蛋白質抗原に対して感受性を示す実質的パーセン
テージの個体集団中においてT細胞不応答性を誘導するに十分なパーセンテージ
のT細胞エピトープを含んでいそうであることが示される。
本発明に従うアレルギーの治療のためには、一緒に組み合わせて用いられるペ
プチドが免疫グロブリンE(IgE)には結合しないか、もしくはそのペプチド
を取得してきた蛋白質アレルゲンがIgEに結合するのと比較すると実質的には
低い程度で(すなわち、少なくとも100倍低下した結合、および一層好ましく
は少なくとも1000倍低下した結合)IgEに結合することが好ましい。標準
的免疫療法の主要合併症はIgE−媒介性応答であり、その一例がアナフィラキ
シーである。免疫グロブリンEはアナフィラキシー反応の媒介物であり、これは
肥満細胞もしくは好塩基球上のIgEに対する抗原の結合もしくは交差連結、お
よびアレルギー(「アトピー性」)患者においては媒介物(例えば、ヒスタミン
、セロトニン、好酸球走化性因子)の放出によりもたらされる。従って、そのア
レルゲンに対して感受性を示し、かつ治療を受けている個体集団の内の実質的パ
ーセンテージにおけるアナフィラキシーを、所定のアレルゲンに対して感受性を
示す実質的パーセンテージ(例えば、少なくとも約75%)の個体集団ではIg
Eに結合しない一つもしくは複数のペプチドを免疫療法において使用することに
より回避することができそうであるか、あるいはそのペプチドがIgEに結合す
る場合でも、
そのような結合は肥満細胞もしくは好塩基球からの媒介物の放出をもたらするこ
とはない。アナフィラキシーの危険性はIgE結合の低下を示す一つもしくは複
数のペプチドの免疫療法における使用により減少させることができる。それに加
え、最少IgE刺激化活性を示すペプチドが治療的有効性には所望される。最少
IgE刺激化活性は、天然の蛋白質アレルゲン(例えば、Der p I)によ
り刺激化されるIgE産生および/またはIL−4産生の量を下回るIgE産生
を意味する。あるペプチドがIgEに結合する場合には、そのような結合が肥満
細胞もしくは好塩基球からの媒介物(例えば、ヒスタミン)の放出をもたらさな
いことが所望される。IgEと結合するペプチドが媒介物の放出をもたらすかど
うかを決定するためには、ヒスタミン放出アッセイを、例えば、Amac,In
c.(Westbrook、ME)から取得される標準試薬およびプロトコール
を用いて実施することができる。簡潔に記載すると、検査予定のペプチドの緩衝
溶液を、アレルギー性被検体からのヘパリン処理を施した等量の全血液と合わせ
る。混合およびインキュベーションの後、この細胞をペレット化させ、そして上
清の処理を伴い、そして放射性免疫アッセイを用いて分析して、放出されたヒス
タミン量を決定する。
他の全てのポリペプチドおよび混入物を含まず、少なくとも一つのT細胞エピ
トープを含む特定されたアミノ酸残基配列を有し、本発明の治療用組成物におい
て用いられる高度に精製されたペプチドは、標準的技術を用いる化学合成法によ
り合成的に産生されることがある。当該技術分野では化学的にペプチドを合成す
る様々な方法が知られており、それは例えば、市販品として入手可能なペプチド
合成機で既に全自動的もし
くは半自動的に実施されている固相合成などである。合成法により産生されたペ
プチドを、その後には均一になるまで精製し(すなわち、少なくとも90%、よ
り好ましくは少なくとも95%、および更に一層好ましくは少なくとも97%の
純度)、蛋白質精製について刊行物において知られるいずれかの数の技術を用い
ることで他の全てのポリペプチドおよび混入物を含まない状態にすることがある
。
高度に精製された均一ペプチド組成物を産生するための一つの方法に従うと、
合成的化学法により産生されるペプチド(「固相合成法」ではポリマー製支持体
に連結させてあるか、もしくは「溶液合成法」では通常の均一系化学反応により
生じるかのいずれかである)を調製用逆相クロマトグラフィーにより精製するこ
とがある。この方法では「粗生成」形態をとる合成的に製造されたペプチドを適
切な溶媒(典型的には水性緩衝液である)中に溶解させ、そして分離用カラム(
典型的には、逆相用シリカを基にする媒質であるが、それに加え、ポリマーもし
くは炭素を基にする媒質が用いられることがある)にかける。ペプチドは、水性
緩衝液(典型的にはTFA、リン酸トリエチルアミン、酢酸塩、もしくは類似緩
衝液)中の有機構成成分(典型的にはアセトニトリルもしくはメタノール)の増
加濃度により、そのカラムから溶出される。溶出液の各分画が回収され、そして
適切な分析方法(典型的には、逆相HPLCもしくはCZEクロマトグラフィー
)により分析されるであろう。必要とされる均一性を有する分画を合わせる。存
在する対イオンは最適な塩中での追加的逆相クロマトグラフィーによるか、もし
くはイオン交換樹脂中で交換されることがある。その後にこのペプチドをその酢
酸塩もしくは他の適切な塩として単離することができる。その後にこのペプチド
を濾過し、そして水分を除去して(典型的には、凍結乾燥による)、少なくとも
90%、より好ましくは少なくとも95%、そして更に一層好ましくは少なくと
も97%の必要とされるペプチド構成成分を含む均一なペプチド組成物が取得さ
れる。場合によっては、あるいは先に記載される逆相HPLCとの組み合わせの
際には、精製は親和性クロマトグラフィー、イオン交換、分子ふるい、向流式も
しくは通常の相分離系、あるいはそれらの方法の組み合わせにより達成されるこ
とがある。限外濾過、ロータリーエバポレーション、沈降法、透析法、もしくは
他の類似技術を用いてペプチドを追加的に濃縮させることもある。
高度に精製された均一なペプチド組成物は、その後には以下に示すいずれかの
技術もしくはそれらの組み合わせにより特徴決定され、それらの技術とは:a)
ペプチドの同一性を検査するために分子量を決定するための質量分光法;b)ア
ミノ酸組成を介してペプチドの同一性を検査するためのアミノ酸分析法;c)特
定されたアミノ酸残基配列を確認するためのアミノ酸配列決定法(自動蛋白質配
列決定機を用いるか、もしくは手動で実施される);d)ペプチドの同一性およ
び純度を検査するため(すなわち、ペプチドの不純度を同定する)に用いられる
HPLC(所望される場合には複数系);e)そのペプチド組成物の水の濃度を
決定するための含水量決定;f)そのペプチド組成物中の塩の存在を決定するた
めのイオン含有量決定;ならびにg)残存性有機試薬、出発物質、および/また
は有機性混入物の存在を検査するための残存性有機性物質決定、である。
最高で約45の長さのアミノ酸残基、およびより好ましくは最高で約30の長
さのアミノ酸残基を含む本発明の合成的に産生されたペプチド
が特に所望され、それは長さが長くなるに連れてペプチド合成が困難になること
があるためである。より長さのあるペプチドは以下に記載される組換えDNA技
術により産生されることがある。
本発明の方法に有用なペプチドは更に、そのようなペプチドをコードする核酸
配列で形質転換させた宿主細胞内での組換えDNA技術を用いて産生されること
もある。組換え技術により産生される場合には、所望されるペプチドをコードす
る核酸で形質転換させた宿主細胞をその細胞に適する培地中で培養し、そして単
離されたペプチドを細胞培養培地、宿主細胞、もしくはその両者から、ペプチド
および蛋白質を精製するために当該技術分野において知られる技術を用いて精製
することができ、そのような技術とは、イオン交換クロマトグラフィー、限外濾
過、電気泳動、もしくは所望されるペプチドに特異的な抗体を用いる免疫精製法
を初めとする技術である。組換え的に産生されるペプチドを単離し、そして均一
になるまで精製し、合成的に産生されるペプチドについて先に記載される方法に
従い、細胞性物質、他のポリペプチド、もしくは培養用の培地を含まない状態に
することがある。
所定の限定された状況下では、ペプチドは、高度に精製された全長蛋白質もし
くは天然の蛋白質の化学的もしくは酵素的開裂により産生されることがあり、こ
れらの蛋白質の内の化学的消化もしくは酵素的消化の部位は予め決定されており
、かつ得られる消化物は再生産可能である。特定されたアミノ酸配列を有するペ
プチドを、高度に精製および単離された合成的もしくは組換え的に産生されたペ
プチドについて先に記載される方法の内のいずれかのものにより、高度に精製お
よび単離させ、かつ酵素的もしくは化学的消化物中に存在する他のいずれかのポ
リペプチ
ドもしくは混入物を含まないようにすることができる。
先に論議された高度に精製かつ単離されたペプチドは、ヒトの治療法に適する
本発明の治療用組成物に製剤されることがある。本発明の治療用組成物が注射に
より投与される予定である場合には(すなわち、皮下注射)、その高度に精製さ
れたペプチドが薬剤学的に許容されるpH(すなわち、約4〜9のpH範囲)で
、ある水溶液中に可溶性であり、その結果その組成物が液体となり、かつ注射針
通過が容易となることが好ましい。この組成物は更に、薬剤学的に許容される担
体を含むことが好ましい。本明細書で用いられる場合には「薬剤学的に許容され
る担体」には、いずれかおよび全ての賦形剤、溶媒、分散用媒質、コーティング
剤、殺菌剤および殺真菌剤、解毒剤(toxicity agents)、緩衝
剤、吸収遅延剤もしくは冗進剤、界面活性剤およびミセル形成剤、脂質、リポソ
ーム、および脂質複合体形成剤、ならびに安定剤などが含まれる。薬剤学的活性
物質のためのそのような媒質および試薬の使用は当該技術分野において知られて
いる。活性化合物とは非適合性であるいずれかの通常の媒質もしくは試薬の範疇
のものは例外として、治療用組成物におけるこれらの使用が予期される。補助活
性化合物を、その組成物内に取り込ませることもできる。
注入使用に適する本発明の治療用組成物は、必要量の活性化合物(すなわち、
先に記載される一つもしくは複数の高度に精製かつ単離されたペプチド)を先に
もしくは後に列挙される処方成分の内の一つもしくはそれらの組み合わせ物と共
に適切な賦形剤中に取り込ませ、そして必要に応じて滅菌濾過することにより調
製される滅菌水溶液であることが好ましい。好ましい薬剤学的に許容される担体
には少なくとも一つの賦形
剤が含まれ、その賦形剤とは例えば、滅菌水、リン酸ナトリウム、マニトール、
ソルビトール、もしくは塩化ナトリウム、あるいはいずれかのそれらの組み合わ
せ物である。適切であることがある他の薬剤学的に許容される担体には、例えば
、水、エタノール、ポリオール(一例では、グリセロール、プロピレングリコー
ル、および液状ポリエチレングリコールなど)、適切なそれらの混合物を含む溶
媒もしくは分散培地、ならびに植物油が含まれる。適切な流動性は、例えば、コ
ーティング剤(例えばレシチン)の使用により、分散剤の場合には必要とされる
粒子サイズの維持により、そして界面活性剤の使用により維持することができる
。微生物の活動の予防は様々な殺菌剤および殺真菌剤により達成することができ
、それらの試薬の例は、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビ
ン酸、およびチルメロソールなどである。注射用組成物の持続性吸収は、その組
成物中に、吸収を遅延させる試薬、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよ
びゼラチンを含ませることにより成し遂げることができる。
本発明の治療用組成物は、滅菌され、製造、貯蔵、流通、および使用の条件下
で安定であるべきであり、かつ例えば細菌および真菌類のような微生物の混入性
活性に対して保護されているべきである。その組成物の完全性を維持する目的(
すなわち、混入からの保護、持続的貯蔵耐性など)での本発明の治療用組成物を
製造するための好ましい方法は、ペプチドおよび薬剤学的に許容される担体(複
数)の製剤を調製することであり、その結果その組成物が、使用直前に例えば滅
菌水のような薬剤学的に許容される担体内で再構成される凍結乾燥粉末の形態を
とることがある。滅菌された注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合には、好
ましい調製方法は、真空乾燥、フリーズドライ、もしくはスピンドライであり、
これらの方法により、活性処方成分およびいずれかの追加的な所望される処方成
分の粉末が、予め滅菌濾過されたそれらの溶液から取得される。本発明の治療用
組成物の具体的な製剤が、これ以降および実施例に記載される。
多くの事例において本発明の治療用組成物は一つを上回る単離されたペプチド
を含む。ヒトへの薬剤投与に適するマルチペプチド(multipeputid
e)製剤を含む治療用組成物が数々の活性ペプチドの投与にとって所望されるこ
とがある。このマルチペプチド製剤は、特定されたアミノ酸配列を有する少なく
とも2つもしくはそれを上回る数の単離されたペプチドを含み、抗原特異的免疫
応答のダウンレギュレーションを行うことが可能である。マルチペプチド製剤を
調製する際の具体的要件には、生理学的に許容されるpHでの水溶液中での製剤
の際には全てのペプチドの可溶性および安定性を維持することが含まれる。この
ためには、そのマルチペプチド製剤中の全てのペプチドに適合する一つもしくは
複数の薬剤学的に許容される溶媒および賦形剤を選択することが必要とされる。
例えば、適切な賦形剤には、滅菌水、リン酸ナトリウム、マニトール、もしくは
リン酸ナトリウムとマニトールの両方が含まれる。マルチペプチド製剤における
追加的要件は、必要に応じてそれらのペプチドの二量体形成を阻止することであ
る。二量体形成を阻止する試薬がマルチペプチド製剤中に含まれることがあり、
それらは例えば、EDTAか二量体形成を阻止することが当該技術分野で知られ
ている他の物質、あるいは方法であることもある。以下に記載されるものは、ネ
コに対するアレルギーの治療のための治療剤としてのフェーズ II(Phas
e II)ヒト臨床試験に用いられるマルチペプチド製剤の例である。2つの活
性ペプチド、ペプチドX(配列番号1)およびペプチドY(配列番号2)(各ペ
プチドは特定されたアミノ酸残基組成を有し、かつ蛋白質アレルゲンFel d
Iに由来する)を、本発明に従うネコに対するヒトアレルギーを治療するため
のマルチペプチド製剤における使用について先に記載される要領で化学合成を介
して合成し、そして均一になるまで精製した。この態様のためには、ペプチドX
(配列番号1)およびペプチドY(配列番号2)は凍結乾燥粉末形態をとってお
り、この粉末を使用前に滅菌水中で再構築した。ペプチドX(配列番号1)およ
びペプチドY(配列番号2)を既知の技術を用いて製造中に合わせてバイアルを
作製するが、そのバイアルは滅菌され、発熱性物質非含有性の凍結乾燥粉末を含
み、その粉末は以下の組成を有する:
活性成分: 0.75mgのペプチドX(配列番号1)および0.
75mgのペプチドY(配列番号4)
不活性成分: 0.05Mのリン酸ナトリウム、pH6.2
5% w/v マニトール(米国薬局方)
賦形剤: 注入用滅菌水(米国薬局方)(初期再構成用)
注入用0.9%塩化ナトリウム(初期再構成以降の稀
釈用)
本マルチペプチド製剤の調製には、注入用滅菌水でのバイアルの再構成が必要と
される。他の態様ではマルチペプチド製剤は更に、3(実施例2を参照されたい
)、4、5、もしくはそれを上回る数の追加的ペプチド(ヒト用の治療法に適す
るもの)を含むことがある。
ある個体への先に記載される治療用組成物の非免疫原性形態での投与
は、その個体の抗原特異的免疫応答のダウンレギュレーションをもたらす(すな
わち、悪玉抗原により生じる抗原特異的免疫応答の疾患症状を減少させる)のに
有効な用量および期間で、既知の方法を用いて実施することができる。ヒトにお
ける疾患症状に関連する抗原に対する抗原特異的免疫応答のダウンレギュレーシ
ョンは可能な限りはいつでも、治療が施されている疾患症状に依存して臨床的に
決定されることがあるか、あるいは主観的に決定されることがある(すなわち、
その患者は、治療が施されている疾患症状に関連する症状の内の幾つかもしくは
全てがあたかも軽減されたかのように感じる)。
本発明の治療用組成物の有効量は例えば、その抗原に対する個体の感受性の程
度、その個体の年齢、性別、および体重、ならびにその個体において抗原特異的
免疫応答のダウンレギュレーションを行うペプチドの能力のような因子に従って
変化するであろう。本発明の治療用組成物は非免疫原性形態で、通常の様式(例
えば、注射(皮下注射、静脈内注射など)、経口投与、舌下投与、吸入投与、経
皮塗布、直腸内適用、あるいは治療剤の投与について当該技術分野において知ら
れる他の投与経路)で投与されることがある。ある個体に本発明の一つもしくは
複数の治療用組成物の治療学的有効量を同時もしくは順次投与することが所望さ
れることがある。同時もしくは順次の投与のためのこのような各組成物は、一つ
のペプチドのみを含むことがあるか、あるいは先に記載されるマルチペプチド製
剤を含むことがある。
本発明の一つもしくは複数の治療用組成物の皮下投与のためには、用量単位当
たり、好ましくは約1μg〜3mg、および更に好ましくは約20μg〜1.5
mg、そして更に一層好ましくは約50μg〜750
μgの各活性構成成分(ペプチド)が投与されることがある。投与の簡便さおよ
び投与剤の均一性のために、単一用量形態をとる非経口投与用組成物を製剤する
ことが特に有利である。本明細書に用いられる単位用量形態は、治療予定のヒト
被検体用のユニタリー用量に適する物理学的に分離した単位を意味し;各単位は
、所望される薬剤学的担体と組み合わせた際に、所望される治療効果を生じると
算出された活性化合物の予め決定された量を含む。本発明の新規の用量単位形態
についての詳細は、(a)活性化合物の独特な性質および達成予定の特別な治療
効果、ならびに(b)ヒト被検体の治療のためのそのような活性化合物を合成す
る当該技術に内在する制約により詳細に拘束され、かつ直接依存する。
投与療法は至適治療応答を提供するように調製されることがある。例えば、複
数の分割量が、数日、数週間、数カ月、もしくは数年の期間にわたって投与され
ることがあるか、あるいはその用量を、その治療状況の緊迫性により必要とされ
る際には各後続注射毎に一定の割合で増加もしくは減少させることがある。ある
好ましい治療法では、治療用組成物の皮下注射は3〜6カ月の間、一週間に一回
投与される。用量は各注射について一定量に保たれることがあるか、あるいは各
後続注射毎に増加もしくは減少させることがある。ブースター注射が、初回治療
の後約三カ月から約一年間での間隔を開けて投与されることがあり、そして単回
注射のみを必要とすることがあるか、あるいは初回治療のものに類似する別の一
連の注射を必要とすることもある。
本発明の組成物を非経口投与以外の投与法(すなわち、経口投与)により投与
するためには、その組成物の不活化を阻止するかもしくは吸収および生物利用率
を亢進させるための物質でその組成物をコートするか、
もしくはそのような物質と共にその組成物を同時投与することが必要であること
がある。例えば、あるペプチド製剤が、酵素インヒビターと共にか、もしくはリ
ポソーム中で同時投与されることがある。酵素インヒビターには、脾臓トリプシ
ンインヒビター、ジイソプロピルフルオロリン酸塩(DEP)、およびトラシロ
ールが含まれる。リポソームには、水中油中水型のCGF乳液ならびに通常のリ
ポソームが含まれる(Strejan et al.、(1984) J.Ne uroimmunol.
、7:27)。あるペプチドが適切な方法で保護されて
いる場合には、そのペプチドは、例えば不活性賦形剤もしくは同化性の食用担体
と共に経口投与されることがある。ペプチドおよび他の成分も、硬カプセルもし
くは軟カプセル内に封入されるか、錠剤に圧縮されるか、あるいは個体の食事内
に直接混ぜあわされることがある。経口治療投与については、活性化合物は賦形
剤と混合させられ、かつ消化可能な錠剤、バッカル錠剤、トローチ剤、カプセル
剤、エレキシル剤、水剤、ゲル剤、懸濁剤、シロップ剤、およびウエハース剤な
どの形態で用いられることがある。このような組成物および調製物は少なくとも
1重量%の活性化合物を含むべきである。組成物および調製物のパーセンテージ
は当然のことながら変化することがあり、かつその単位の重量の約5%と80%
との間であると都合がよいことがある。そのような治療学的に有用な組成物中の
活性化合物の量は、適切な用量が取得されるであろうものとなる。それに加え、
活性化合物を徐放性放出もしくは定量放出(定常状態かもしくは拍動性の放出)
調製物および製剤内に取り込ませることがある。
本発明は以下の非限定的実施例により詳細に説明される。実施例1:
ネコに対するアレルギーの治療のためのヒト被検体に対す
るペプチドの投与 A
. フェーズ I(Phase I)製剤の組成
フェーズ I(Phase I)臨床試験用の薬品製造物は2つのフリーズド
ライペプチド製剤、つまりペプチドX(配列番号1)およびペプチドY(配列番
号2)で構成されていた。ペプチドX(配列番号1)およびペプチドY(配列番
号2)は個別に製造され、かつ2本の個別の発熱物質非含有性バイアル内に梱包
されていた。
ペプチドX(配列番号1)
活性成分: 1.5mg/バイアル
不活性成分: 0.1M リン酸ナトリウム、pH5.7
5% w/v マニトール(米国薬局方)
稀釈剤: 注入用滅菌水(米国薬局方)
ペプチドY(配列番号2)
活性成分: 1.5mg/バイアル
不活性成分: 0.1M リン酸ナトリウム、pH5.7
5% w/v マニトール(米国薬局方)
稀釈剤: 注入用滅菌水(米国薬局方)
この調査では、薬品製造物は、滅菌され、発熱物質非含有性の凍結乾燥粉末と
しての2本の個別のバイアルとして供給され、それそれのバイアルには賦形剤と
してのリン酸ナトリウムおよびマニトール、ならびに活性構成成分であるペプチ
ドX(配列番号1)もしくはペプチドY(配列番号2)が含まれる。
これらの調査における薬品製造物の調製には注入用滅菌水でのバイアルの再構
成が必要とされる。7.5もしくは75μg/mLの用量滴定
濃度の低目の用量を供給するためには再構成されたバイアルの稀釈が必要とされ
、かつ更にそれは滅菌された0.9%の注入用塩化ナトリウムを用いて達成され
た。所望される場合には、これらのバイアルを、稀釈の必要性を伴うことなく、
単にペプチド当たり7.5もしくは75μgを含むように予め調製しておくこと
ができた。
凍結乾燥させた薬品製造物は−20℃下もしくはそれ以下の温度で保存し、そ
してその薬品製造物を再構築直後に投与した。これらの保存条件および使用条件
は限定的なものではない。B
. フェーズ II(Phase II)製剤の組成
フェーズ II(Phase II)臨床検査用には750μg/mlの各ペ
プチド最終濃度を含む単一製剤を開発した。ペプチドX(配列番号1)およびペ
プチドY(配列番号2)を充填仕上げ過程中に合わせて、滅菌され、発熱性物質
非含有性の凍結乾燥粉末を含む一本のバイアルを作製した。
活性成分: 0.75mg ペプチドX(配列番号1)および0.
75mg ペプチドY(配列番号4)
不活性成分: 0.05M リン酸ナトリウム、pH6.2
5% w/v マニトール(米国薬局方)
稀釈剤: 注入用滅菌水(米国薬局方)(初回再構成用)
0.9%の注入用塩化ナトリウム(初回再構成以降の
稀釈用)
フリーズドライ薬品製造物を注入用滅菌水で750μg/mlの濃度に再構築
させた。低目の用量にさせるための再構築バイアルの稀釈は(例えば7.5もし
くは75μg/mLの濃度を達成させるため)注入用の
滅菌された0.9%塩化ナトリウムを用いて達成した。被検体には臨床用プロト
コール内に含まれる投与指示書に従って医薬品を投与した。
この薬品製造物は再構築直後に投与した。
凍結乾燥させた薬品製造物を−20℃下かもしくはそれ以下の温度に保存した
が、これは制約ではない。D
. ヒトでのフェーズ I(Phase I)およびフェーズ II
(Phase II)臨床検査
ペプチドXおよびY(配列番号1および2)のフェーズ I(Phase I
)およびフェーズ II(Phese II)検査は、ヒトのネコアレルギー被
検体において既に実施されている。プロトコール P92−01:ペプチドXおよびYの安全性および活性のフェー ズ I(Phase I)臨床検査
このフェーズ I(Phase I)オープンラベル、は用量増加式安全性検
査であって、ペプチドX(配列番号1)およびペプチドY(配列番号2)の投与
の安全性を決定する目的で実施された。この組成物の抗原性に加え、皮膚検査で
の感受性を変化させるという点でのそれぞれのペプチドの活性も評定した。
2つの研究所、すなわちJohnes Hopkins Asthma an
d Allergy Center、Baltimore、Maryland、
およびNew England Medical Center、Boston
、Massachusetts、にはこの検査における総勢19人のネコアレル
ギー個体が登記されていた。ペプチドX(配列番号1)およびペプチドY(配列
番号2)を個別に投与したが、ただしその投与に付随して、5週間の期間にわた
り7.5μl〜1
500μlの範囲の増加用量での皮下投与を実施した。
安全性は、臨床検査用パラメーター、物理学的検査、抗体検査、および有害効
果の評定により評価した。活性は、皮膚検査の分析により評価した。親和性精製
した天然のFel d Iおよび先のペプチド(2つ)の両者を用いる皮刺テス
トおよび皮内反応皮膚検査を、治療期間の一週間前、ならびに2週間および6週
間後に実施した。16人の患者を検査期間中ペプチドXおよびYで治療した。こ
れらのペプチドは最高1500μgの用量でも良好な耐性が示された。重篤な有
害効果は全く存在せず、かつ更に進んだ臨床開発を正当化するためのこれらのペ
プチドの安全性が確認された。検査に伴い記録された有害な現象は公開商標アレ
ルギー検査において観察される典型的なものであった。この検査では患者は全て
ネコアレルギー個体であり、かつ通常の免疫療法を用いて一層高い桁の耐性用量
を達成することができる。
一人の患者は検査を中止したが、それは第1週目のネコ抽出物Iおよびペプチ
ドでの皮膚検査後の喘息発作、ならびに第2週目の7.5μgの各ペプチドの投
与の後に生じた第二回目の喘息発作が原因であった。これらのペプチドでの治療
と、この患者における喘息発症との間に直接的関連性が存在するかどうかは明ら
かではない。この研究は近年の最もひどい花粉シーズンの内の一シーズン中に実
施され、かつこの患者はこの検査に登録した多くの患者同様、季節性アレルギー
を有していたことは記載に値する。
抗体検査により、評価可能な全患者はFel d Iに対するIgGおよびI
gE抗体を有していたことが明らかにされた。2人の患者を例外とする全患者で
は抗体濃度は検査期間中変化しなかった。2人の患者
は第8週および第12週目にペプチドX(配列番号1)および/またはペプチド
Y(配列番号2)に対するIgE抗体を示したが、それらの抗体は第1週目には
存在しなかった。これらの患者の内の一人は第8週目にペプチドX(配列番号1
)に対する実質的皮膚検査反応を示したが、この反応は第12周目には存在しな
くなった。これらのペプチドに対する露出以前に、5人の患者がペプチドX(配
列番号1)に対する内因性IgG抗体を有しており、そして3人の患者がペプチ
ドY(配列番号2)に対するIgG抗体を有していた。ペプチドX(配列番号1
)および/またはペプチドY(配列番号2)に対して予め存在する抗−ペプチド
IgG抗体を全く有さない4人の患者は、治療中もしくは治療後にそのような抗
体を増加濃度で呈した。二人の患者は検査期間中に治療用ペプチドに対して陽性
の即時皮膚検査反応を呈したが、臨床的相互関係は見いだされていない。別の患
者は第8週目にペプチドY(配列番号2)を用いる皮膚検査に対して遅延性局所
反応を示したが、これはペプチドY(配列番号2)の皮内用量に関連していた。
ネコアレルゲンに対する皮膚検査の結果により、それぞれ第8週後および第1
2週後の刺皮テストにより2倍もしくは3倍希率でFel d Iを含むネコ抽
出物に対する反応性の統計学的に有意な減少が示された。皮内法によっては反応
性における統計学的に有意な差異は全く検出されなかった。第8週目の結果をベ
ースライン(第1週目)と比較した際に、Johns Hopkins実験施設
では6時間目および24時間目にFel d Iに対する後期反応性の統計学的
に有意な減少(ΣE)が存在した。第12週目の結果をベースラインと比較した
際には、この減少は有意ではなくなっていた。
この検査は安全性を評価するために設計されたが、この皮膚検査結果により、
このペプチドがFel d Iに対する脱感作を生じることがあることが示唆さ
れた。プロトコール P92−02: ネコ室内攻撃誘発モデルを用いるペプチドXお よびペプチドYの安全性および活性のフェーズ II(Phase II)臨床 検査
このフェーズ II安全性および効率検査は、ペプチド当たり7.5μg、7
5μg、もしくは750μgの週単位用量を4回皮下的に投与したペプチドXお
よびYの二重盲検偽薬対照検査であった。自然露出に対する患者の感受性を、布
張り製の家具と2匹のネコとを含む小部屋内での60分の期間中の症状評定値お
よび呼吸器機能の測定により評価した。ネコのいるこの部屋による攻撃誘発を、
処理前、ならびに処理後1週間目および6週間目に施した。ネコのいる部屋では
患者の鼻、目、および肺の症状を5分毎に5段階の評定値で等級付した。呼吸器
機能は15分毎に検査した。検査中に評価を行った追加的パラメーターは、ネコ
抽出物ならびにペプチドXおよびYに対する皮膚検査感受性、Fel d Iな
らびに構成成分であるペプチドXおよびYに対する特異的IgEおよびIgG、
それに加えネコ抗原および選択されたペプチドに対するT細胞応答性であった。
95人の患者が2つの研究所、すなわちJohnes Hopkins As
thma and Allergy Center、Baltimore、Ma
ryland、およびNew England Medical Center
、Boston、Massachusetts、に登録されていた。91人の患
者が検査を完結した。4人が検査中
止となったが、その内の二人は治療に関連する一過性アレルギー症状のため、そ
して後の二人はスケジュール調整不能のためであった。
この治療法は一般的には良好な耐性を示した。この検査に関する初期有効性デ
ータの分析により、治療後1週間目および6週間目でのネコの部屋への露出によ
り誘導される(図1)有意な用量応答関係(この関係は、アレルギー症状(鼻、
肺、および総合的アレルギー)の対照については統計学的に有意と見なされた)
が示された。75μgおよび750μgでの鼻および総合的アレルギー症状につ
いての偽薬に対する統計学的に有意な一対比較は6週目に検出された(図1を参
照されたい)。7.5μgの用量は偽薬と識別することができなかった。患者は
薬剤の前処置を検査するための刺皮テストでは陰性を示したが、13人の患者は
治療用ペプチドに対して陽性の刺皮テストおよび/または皮内皮膚反射検査結果
を示した。二人の患者は治療用ペプチドに対して有意な力価のIgEを呈し、か
つ薬剤処理後の状況を検査するための皮膚検査では陽性を示した。ペプチドに対
して皮膚検査で陽性を示した5人の患者のみがペプチドに対する測定可能なIg
Eを有していた。一部の患者(偽薬:57.7%;7.5μg:60.9%;7
5μg:63.6%;750μg:83.3%)が、この検査中、例えば鼻漏、
鼻充血、痒み、胸部圧迫感、および/または喘鳴のようなネコアレルギー症状を
報告してきた。この検査薬物は天然のネコ露出を連想させる幾つかの緩和な一過
性症状を誘発するようである。この現象は用量相関的であった(偽薬:11.5
〜19.2%;7.5μg:21.7〜26.1%;75μg:31.8〜45
.5%;および750μg50.0〜62.5%)。このような症状は一般的に
は緩和であり、限定された経過をたどり、かつ
治療を全く必要としないか、あるいはベータアゴニストおよび/または抗−ヒス
タミン剤で抑制させた。一人の患者をアドレナリンで治療し、そして6人の患者
が最大呼気流量の低下を伴う喘息症状を示した。全症例は容易に改善された。こ
の治療は検査期間中にアレルギーを発症させる抗体応答は変化させず、偽薬と比
較しても皮膚検査の反応性に影響を及ぼすことはなかったが、ただし検査患者の
80%における総合的アレルギー評定値の改善に関連していた。この治療効果を
より詳細に特徴付けるための追加的研究が現在進行中である。実施例2
ブタクサに対するアレルギーの治療のためのヒトへのペプチ
ドの投与 A
. フェーズ I(Phase I)製剤
フェーズ I(Phase I)臨床検査用の薬品製造物はAmb a Iの
3つのフリーズドライペプチドを含むマルチペプチド製剤であり、各アミノ酸残
基配列はブタクサ蛋白質アレルゲンAmb a I.1の少なくとも一つのT細
胞エピトープを含む(国際公開第93/21321号を参照されたい(これは引用
により本明細書に取り込まれる))。各ペプチドは先に記載される方法に従って均
一になるまで(少なくとも97%の純度)精製した。このマルチペプチド製剤は
本明細書に記載される方法に従って調製した。このフェーズ I(Phase
I)臨床検査に用いられるマルチペプチド製剤は、単一バイアルに含まれる各ペ
プチドのフリーズドライ粉末ケークの形態をとっていた。この製剤は注入用滅菌
水で使用直前に再構築し、そして通常の食塩水(0.9%)を初期再構築後のい
ずれかの稀釈用に用いた。B
. ヒトのフェーズ I(Phase I)臨床検査
予備的データにより、全用量が耐性を示し、そしてこのマルチペプチド製剤は
安全でありそうであることが示された。更に進んだ分析およびフェーズ II(
Phase II)臨床検査については米国およびカナダで係争中である。
等価物
当業者は本明細書に記載される特別な方法に対する無数の等価物を認識するで
あろうし、あるいは日常的に行われる実験程度のものを用いてそれらを突き止め
ることができるであろう。そのような等価物は本発明の範囲内に含まれ、かつ以
下の請求の範囲により包含されるものと見なされる。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G
B,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,LV
,MG,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,
RO,RU,SD,SE,SK,UA,US,UZ,V
N
(72)発明者 モービル, マルコム
アメリカ合衆国マサチユセツツ州01545シ
ユルーズベリイ・ウエストメインストリー
ト449
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. ある特定されるアミノ酸残基配列を有する少なくとも一つの単離された ペプチドを含む治療用組成物であって、前記組成物が、ある抗原特異的免疫応答 のダウンレギュレーションを、非免疫原性形態で投与する際には前記抗原特異的 免疫応答を受けやすいヒト集団において行うことが可能である上記治療用組成物 。 2. 前記少なくとも一つのペプチドが蛋白質抗原に由来し、そして前記抗原 特異的応答が前記抗原に対するものである、請求の範囲1の組成物。 3. 前記少なくとも一つのペプチドが少なくとも95%の純度にまで精製さ れる、請求の範囲1の組成物。 4. 少なくとも一つの単離かつ精製されたペプチドを含む治療用組成物であ って、前記少なくとも一つのペプチドが特定された長さ、特定されたアミノ酸残 基配列を有し、かつある蛋白質抗原の少なくとも一つのT細胞エピトープを含み 、前記組成物が前記蛋白質抗原に対する抗原特異的免疫応答のダウンレギュレー ションを、非免疫原性形態で投与する際には前記抗原特異的免疫応答を受けやす いヒト集団において行うことが可能である上記治療用組成物。 5. 前記少なくとも一つのペプチドが50アミノ酸残基を上回ることのない 特定された長さのものである、請求の範囲1もしくは4の組成物。 6. 前記少なくとも一つのペプチドが少なくとも約12のアミノ酸残基の長 さであり、そして約40を上回ることのないアミノ酸残基の長 さである、請求の範囲4の組成物。 7. 前記抗原が蛋白質アレルゲンである、請求の範囲4の組成物。 8. 前記蛋白質アレルゲンが:デルマトファゴイデス(Dermatoph agoides )属の蛋白質アレルゲン;フェリス(Felis)属の蛋白質ア レルゲン;アムブロシア(Ambrosia)属の蛋白質アレルゲン;ロリウム (Lolium)属の蛋白質アレルゲン;クリプトメリア(Cryptomer ia )属の蛋白質アレルゲン;アルテルナリア(Alternaria)属の蛋 白質アレルゲン;アルデル(Alder)属の蛋白質アレルゲン;ベトゥラ(B etula )属の蛋白質アレルゲン;クゥェルクス(Quercus)属の蛋白 質アレルゲン;オレア(Olea)属の蛋白質アレルゲン;アルテミシア(Al temisia )属の蛋白質アレルゲン;プランタゴ(Plantago)属の 蛋白質アレルゲン;パリエタリア(Parietaria)属の蛋白質アレルゲ ン;カニネ(Canine)属の蛋白質アレルゲン;ブラッテッラ(Blatt ella )属の蛋白質アレルゲン;アピス(Apis)属の蛋白質アレルゲン; クプレスス(Cpressus)属の蛋白質アレルゲン;ジュニペルス(Jun iperus )属の蛋白質アレルゲン;チューヤ(Thuya)属の蛋白質アレ ルゲン;カマエキパリス(Camaecyparis)属の蛋白質アレルゲン; ペリプラネタ(Periplaneta)属の蛋白質アレルゲン;アグロピロン (Agropyron)属の蛋白質アレルゲン;セカレ(Secale)属の蛋 白質アレルゲン;トリティクム(Triticum)属の蛋白質アレルゲン;ダ クティリス(Dactylis)属の蛋白質アレルゲン;フェストゥカ(Fes tuca )属の蛋白質アレルゲン;ポア (Poa)属の蛋白質アレルゲン;アベナ(Avena)属の蛋白質アレルゲン ;ホルクス(Holcus)属の蛋白質アレルゲン;アントキサンスム(Ant hoxanthum )属の蛋白質アレルゲン;アルレナテルム(Arrhena therum )属の蛋白質アレルゲン;アグロスティス(Agrostis)属 の蛋白質アレルゲン;フレウム(Phleum)属の蛋白質アレルゲン;ファラ リス(Phalaris)属の蛋白質アレルゲン;パスパルム(Paspalu m )属の蛋白質アレルゲン;およびソルグム(Sorghum)属の蛋白質アレ ルゲン、からなる群より選択される、請求の範囲7の組成物。 9. 蛋白質アレルゲンが:Der p I;Der p II;Der p III;Der p VII;Der f I;Der f II;Der f III;Der f VII;Fel d I;Amb a I.1;Am b a I.2;Amb a I.3;Amb a I.4;Amb a II ;Lol p I;Lol p II;Lol p III;Lol p IV ;Lol p IX(Lol p VもしくはLol p Ib);Cry j I;Cry j II;Can f I;Can f II;Jun s I ;Jun v I;Dac g I;Poa p I;Phl p I;およびSor h I、からなる群より選択される、請求の範囲8の組成物。 10. 前記蛋白質抗原が自己抗原である、請求の範囲4の組成物。 11. 前記自己抗原が:インシュリン;ミエリン塩基性蛋白質;ミエリン稀突 起膠細胞蛋白質;rh因子;アセチルコリンレセプター;甲状腺細胞レセプター ;基底膜蛋白質;甲状腺蛋白質;ICA−69(PM−1);グルタミン酸デカ ルボキシラーゼ(64Kおよび65K);プ ロテオリピド蛋白質(PLP);ミエリン会合性糖蛋白質(MAG);コラーゲ ン(タイプII);熱ショック蛋白質;およびカルボキシペプチダーゼH、から なる群より選択される、請求の範囲10の組成物。 12. 前記少なくとも一つのペプチドが前記蛋白質抗原に由来せず、前記ペプ チドが前記抗原のT細胞エピトープを擬態することが可能である、請求の範囲4 の組成物。 13. 前記少なくとも一つのペプチドが前記蛋白質抗原の潜在ペプチドである 、請求の範囲4の組成物。 14. 前記少なくとも一つのペプチドが、前記アレルゲンに対して感受性を示 すヒト集団から取得されるT細胞でのインビトロT細胞増殖アッセイで決定され る少なくとも約3.5の平均T細胞刺激化指数を有する、請求の範囲4の組成物 。 15. 前記少なくとも一つのペプチドが、前記アレルゲンに対して感受性を示 すヒト集団から取得されるT細胞でのインビトロT細胞増殖アッセイで決定され る少なくとも150の陽性指数を有する、請求の範囲14の組成物。 16. 前記少なくとも一つのペプチドが、前記蛋白質抗原の十分なパーセンテ ージのT細胞エピトープを含み、その結果前記組成物の投与の際にはその抗原に より引き起こされる疾患症状の進展もしくは進行が減少する、請求の範囲4の組 成物。 17. 前記少なくとも一つのペプチドが、前記蛋白質アレルゲンのT細胞エピ トープの内の少なくとも20%を含む、請求の範囲16の組成物。 18. 前記少なくとも一つのペプチドがIgEに結合しないか、ある いは、前記天然に存在する蛋白アレルゲンがIgEに結合するのと比較すると実 質的に低目の程度でIgEに結合する、請求の範囲7の組成物。 19. 前記少なくとも一つのペプチドが均一になるまで既に精製されている、 請求の範囲4の組成物。 20. 前記少なくとも一つのペプチドが少なくとも約95%の純度にまで予め 精製されている、請求の範囲19の組成物。 21. 前記少なくとも一つのペプチドが:化学合成、組換えDNA技術、精製 された全長蛋白質の化学的開裂、および精製された全長蛋白質の酵素的開裂、か らなる群より選択される方法に従って産生される、請求の範囲4の組成物。 22. 更に少なくとも一つの薬剤学的に許容される担体を含む、請求の範囲4 の治療用組成物。 23. 前記薬剤学的に許容される担体が、滅菌水、リン酸ナトリウム、マニト ール、ソルビトール、塩化ナトリウム、およびそれらのいずれかの組み合わせ物 からなる群より選択される、請求の範囲22の治療用組成物。 24. 前記組成物が生理学的に許容されるpHで水溶液に可溶性である、請求 の範囲1、4、16、もしくは22の組成物。 25. 前記少なくとも一つのペプチドが前記蛋白質抗原の十分なパーセンテー ジのT細胞エピトープを含み、その結果前記組成物の投与の際にはその抗原によ り引き起こされる疾患症状の進展もしくは進行がくい止められる請求の範囲1、 4、16、もしくは22の組成物。 26. 前記少なくとも一つのペプチドが用量単位当たり約1μg〜3.0mg のペプチドの用量範囲内に存在する、請求の範囲4の組成物。 27. 前記少なくとも一つのペプチドが用量単位当たり約20μg〜1.5m gのペプチドの用量範囲内に存在する、請求の範囲26の組成物。 28. 前記少なくとも一つのペプチドが用量単位当たり約50μg〜750μ のペプチドの用量範囲内に存在する、請求の範囲27の組成物。 29. 少なくとも2つのペプチドを含む、請求の範囲1、4、16、もしくは 22の組成物。 30. 請求の範囲4の少なくとも一つの治療用組成物を投与することを含む、 ある抗原に対して感受性を示すヒトを治療する方法。 31. 少なくとも2つの単離および精製されたペプチドを含む治療用組成物を 投与することを含む、ある抗原に対する感受性を示すヒトを治療する方法であっ て、各前記ペプチドが特定された長さ、特定されたアミノ酸残基配列を有し、か つ、ある蛋白質抗原の少なくとも一つのT細胞エピトープを含み、前記組成物が 前記蛋白質抗原に対する抗原特異的免疫応答のダウンレギュレーションを、非免 疫原性形態で投与する場合には前記抗原特異的免疫応答を受けやすいヒト集団に おいて行うことが可能であり、前記組成物が水溶液中で可溶性であり、かつ生理 学的に許容されるpHで安定である方法。 32. 少なくとも2つの請求の範囲4の組成物を同時もしくは順次投与するこ とを含む、ある抗原に対する感受性を示すヒトを治療する方法。 33. 少なくとも2つの請求の範囲31の組成物を同時もしくは順次投与する ことを含む、ある抗原に対する感受性を示すヒトを治療する方法。 34. 前記投与が前記組成物の経口投与を含む、請求の範囲30の方 法。 35. 前記投与が前記組成物の皮下注射を含む、請求の範囲30の方法。 36. 組成物の初期治療を施すことを更に含み、前記初期治療が少なくとも約 3週間、そして約6週間を上回らない期間の一週間に一度の組成物の後続注射を 含む、請求の範囲35の方法。 37. 前記組成物のブースター注射を前記初期治療の後少なくとも約3カ月の 間隔を置いて投与することを更に含む、請求の範囲36の方法。 38. 前記初期治療が各後続注射毎の用量の増加を含む、請求の範囲36の方 法。 39. 前記抗原が蛋白質アレルゲンもしくは自己抗原である、請求の範囲30 の方法。 40. 前記初期治療が各後続注射毎の用量の減少を含む、請求の範囲36の方 法。 41. 前記投与が前記組成物の舌下投与を含む、請求の範囲30の方法。 42. 前記投与が前記組成物の静脈内注射を含む、請求の範囲30の方法。 43. 請求の範囲1、16、22、もしくは26の少なくとも一つの治療用組 成物を投与することを含む、ある抗原に対して感受性を示すヒトを治療する方法 。
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