JP3983246B2 - マラセチア由来の抗原性蛋白質 - Google Patents

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Description

本発明は、マラセチア菌を原因菌とするアレルギー疾患及び感染症の診断、治療、予防に利用可能な、マラセチア菌より単離精製された新規な抗原性蛋白質、その抗原性断片、該抗原性蛋白質又は抗原性断片に対する抗体等に関する。
さらに、本発明は、組換えマラセチア抗原性蛋白質、該抗原性蛋白質をコードする遺伝子、さらにその蛋白質のエピトープ等に関する。
アレルギー疾患の多くは、その疾患の原因抗原に感作されることにより、血清および組織で抗原(アレルゲン)に特異的なIgE抗体(レアギン抗体)が産生され、再びその抗原に暴露されることにより、肥満細胞又は好塩基球と結合したIgEと特異的なアレルゲンが組み合わさると、IgEが細胞表面上で架橋し、IgE−抗原相互作用の生理学的効果を生ずる。これらの生理学的効果としては、ヒスタミン、セロトニン、ヘパリン、好酸球遊走因子又は各種ロイコトリエン等の放出が挙げられる。そして、それにより長期間の気管支平滑筋の収縮を起こす。放出されたこれらの物質は、ケミカルメディエーターであり、IgEと特定のアレルゲンの組み合わせにより起こるアレルギー症状を惹起する。アレルゲンの効果はそれらを通じて現れる。これらの効果は抗原が体内に入る経路及び肥満細胞又は好塩基球上にIgEが沈着するパターンに依存して全身的又は局所的に起こり得る。局所的症状は一般にアレルゲンが体内に入った位置の上皮表面に起こる。全身的効果は、血管内の抗原へのIgE−好塩基球応答の結果であり、アナフィラキシーショックがその典型である。これらの一連の反応において重要な働きをしているのが、ヘルパーT(Th)細胞である。抗原刺激により活性化されたTh細胞の産生する種々のサイトカインのうち、IL4はIgE産生を促進する。
ヒトにアレルギー症状を惹起させる物質は多岐にわたっており、これまでアレルゲンは、花粉あるいは室内塵に代表される多くの物質の集合体として扱われていた。近年になって、分離精製技術及びアレルゲン活性評価法が進展した結果、アレルゲンは単独あるいは数種の主要な物質がその本体であることが明らかとなった。特に、スギ花粉、ダニ、ネコアレルゲン等において急速な進歩を遂げ、スギ花粉よりCry j 1、Cry j 2、ダニよりDer f 1, Der f 2, Der f 3、ネコよりFel d 1といった主要アレルゲンが単離されている。更に、それらのアレルゲン蛋白質をコードする遺伝子も単離され、遺伝子工学的手法により純粋なアレルゲン蛋白質を大量に調製することが可能になっている。
アレルギー疾患の診断においては、まず原因となっている抗原を同定する必要があり、そのためにまず100 種を超える市販の抗原エキス、時には自製のものについて、疑わしい抗原エキスを用いて皮内テストにより試験を行っている。原因抗原としての可能性の高い抗原が見つかると、RAST法等による血清中のIgE抗体価の測定、誘発テスト、又は全血やリンパ球を用いたヒスタミン遊離試験により抗原を特定することができる。しかし、これらの抗原エキスには明確な力価が規定されていないため、使用の際にはアナフィラキシー誘発の危険性を伴うため注意が必要である。アレルギー疾患の治療法としては、抗ヒスタミン薬、ステロイド性抗炎症薬、メディエーター遊離抑制薬などが使用されているが、診断により特定された抗原を用いた減感作療法が優れた治療法である。しかし、現在の減感作療法は抗原液を週1〜2回、小量ずつ皮内に投与し3〜4ケ月かけて増量し、維持量に上げ、更に1〜3年投与し続ける必要がある。増量が容易であれば、優れた治療効果をより容易に得られることが期待できる。しかし、前記のように使用する抗原の力価がはっきりしないため、更にその抗原が多くの不純物を伴っているため、重篤な副作用が起こることがあり、使用に大きな制限がある。
マラセチア(Malassezia、以下、M.と略す)属に属する菌としては、M. furfur (Pityrosporum ovale やPityrosporum orbiculare とも呼ばれている ), M. pachydermatis, M. sympodialis等が知られている。マラセチアは各種動物やヒトの体表に常在しているといわれており、その病原性及びアレルギー疾患における役割については、古くから研究されてきた。病原性については、皮膚炎、癜風、毛包炎、フケなどの原因菌として疑われている。また、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患との関連も疑われており、原因菌として関わっている可能性が高い。
現在、マラセチア由来の抗原エキスが市販されているが、これらはM. furfur (以下、M.ファーファと記す)の培養物より得られた未精製または部分精製物であり、当然、蛋白質、糖、脂質を始めとする複雑な混合物であると考えられる。
従来、このようにして得られた抗原エキス中に含有されるマラセチア由来のアレルゲン性蛋白質としては、マラセチア菌由来の粗抽出物をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)により分離後、アレルギー患者の血清中IgE抗体を用いたイムノブロッティングにより検出される、87, 76, 67, 45, 37, 28, 25, 14, 13 kDa等の多くのIgE結合性蛋白質がアレルゲン性物質として報告されている(非特許文献1〜3)。このようにマラセチア菌の生産する蛋白質は、非常に多岐にわたるため、SDS-PAGEによる分離だけでは不十分であり、従来報告されているSDS-PAGEにおける単一の蛋白バンドが、均一の蛋白質であるとは到底考えられない。すなわち、SDS-PAGE上、同一の蛋白バンドを示す蛋白質は通常複数個存在するため、IgE結合性蛋白質が単一の蛋白バンドを示したとしても、そのバンド中に含まれる他の多くの蛋白質と分離する必要があり、そのためには他の効果的な分離方法を組み合わせる必要がある。更に、診断、治療の目的で利用されるためには、抗原性蛋白質を単離し、複数の患者血清を用いて、抗原性を明らかにすること、主要アレルゲンであることを明らかにすること、さらに蛋白化学的に品質を明確にした抗原性蛋白質を供給するための製造法を確立する必要がある。そのため、各種クロマトグラフィーによる分離、抗原活性の測定を繰り返し、均一かつ単一の抗原性蛋白質を単離する必要があり、最終的に得られた蛋白質については、SDS-PAGEの単一性のほかに、イオン交換クロマトグラフィーによる単一性、等電点電気泳動的な単一性を確認する必要がある。
しかしながら、前記各種の報告によればそれらのSDS−PAGE上で観察される物質は、まるで各々単一のIgE結合性蛋白質であるかのように扱われている。しかし、実際にはそれらの単離精製には誰も成功しておらず、そのバンドがいかに相互に無関係の、また多くの蛋白質の混合物であるかについては、全く考察されていない。従って、当然、その複雑な混合物の中からIgE結合性蛋白質を単離し、さらに単離された蛋白質としてアレルギー患者血清を用いて抗原性の確認を行おうとした例は全くない。さらに、その蛋白化学的性質、アミノ酸配列に関しては全く報告されていない。そのため、上記の報告に見られるIgE結合性蛋白質相互の異同、関連性(一方が他方のプロテアーゼによる分解物である等)等については全く不明である。
このように、マラセチア菌は、アトピー性皮膚炎を始めとするアレルギー性疾患の原因真菌として注目されているにも関わらず、それらの複雑な蛋白質混合物である粗抽出物からIgE結合性蛋白質の単離精製には誰も成功していない。もちろん、単離された蛋白質としてアレルギー患者血清を用いた抗原性の確認は行われていない。さらに、その蛋白化学的性質、アミノ酸配列に関しては全く報告されていない。また、その蛋白質をコードする遺伝子の単離の報告例もない。
Siv Johansson ら, Acta Derm Venereol, 71巻, 11-16 頁, 1991年 E. Jensen-Jarolim ら, J. Allergy Clin Immunol, 89 巻, 44-51 頁, 1992年 Zargari ら, Allergy, 49 巻, 50-56 頁, 1994年
原因菌の可能性を診断するためには、微生物学的培養試験の他、上記のようなマラセチア菌体抽出物である粗抗原を用いた皮膚試験、誘発試験、RAST法やヒスタミン遊離測定などによる各種IgE抗体の定量試験、等により診断が行われている。しかし、この粗抗原は多種類の不純物を含んでいるため、正確な診断ができない。また、皮膚試験、誘発試験に用いる際、副作用等が生ずる危険性がある。さらに、アレルギー疾患の有用な治療法である減感作療法に使用するためには、アナフィラキシー誘発の危険性を伴うため、この粗抗原の投与量が極度に制限され、治療効果を期待できず、また、感染防御のためにワクチンとして利用することも難しい。現在までのところ、このマラセチア由来の精製された、純粋な抗原の単離に成功した例はなく、マラセチア菌による感染やアレルギー疾患の診断、治療に非常に大きな困難が生じている。
従って、かかる現状を考慮し、本発明は次の目的を達成するものである。
(1)本発明の第1の目的は、マラセチア属の真菌由来の実質的に純粋な、単離された抗原性蛋白質、すなわち精製されたマラセチアアレルゲン、好ましくはマラセチアアレルギー患者に対する主要アレルゲンを提供し、それらの蛋白化学的な性質を明らかにすることにある。さらに、該抗原性蛋白質と免疫学的に同等の性質を有する機能的同等の抗原性蛋白質をも提供することにある。
(2)本発明の第2の目的は、これらの精製された抗原性蛋白質に含まれる抗原エピトープを有する抗原性断片を提供することにある。
(3)本発明の第3の目的は、前記の抗原性蛋白質又は抗原性断片に対する抗体又は抗体断片を提供することにある。
(4)本発明の第4の目的は、前記の抗原性蛋白質又は抗原性断片を有効成分とする、マラセチアを原因菌とするアレルギー疾患等の疾病の診断薬を提供することにある。
(5)本発明の第5の目的は、前記の抗原性蛋白質又は抗原性断片を有効成分とする、マラセチアを原因菌とするアレルギー疾患等の疾病の治療薬を提供することにある。
(6)本発明の第6の目的は、マラセチアアレルゲンの免疫学的定量方法を提供することにある。
(7)本発明の第7の目的は、前記(1)の精製抗原性蛋白質と同等の免疫学的性質を有する新規な組換えマラセチア抗原性蛋白質を提供することにある。
(8)本発明の第8の目的は、新規な組換えマラセチア抗原性蛋白質をコードするポリヌクレオチドを提供することにある。
(9)本発明の第9の目的は、組換えマラセチア抗原性蛋白質に含まれる抗原エピトープを有する抗原性断片を提供することにある。
(10)本発明の第10の目的は、前記組換えマラセチア抗原性蛋白質又は抗原性断片に特異的に結合する抗体又は抗体断片を提供することにある。
(11)本発明の第11の目的は、前記ポリヌクレオチドとハイブリダイズする合成オリゴヌクレオチドプローブ又は合成オリゴヌクレオチドプライマーを提供することにある。
(12)本発明の第12の目的は、前記組換えマラセチア抗原性蛋白質又は抗原性断片を有効成分とするマラセチアアレルギー疾患又はマラセチア感染症の診断薬を提供することにある。
(13)本発明の第13の目的は、前記組換えマラセチア抗原性蛋白質又は抗原性断片を有効成分とするマラセチアアレルギー疾患又はマラセチア感染症の治療薬を提供することにある。
本発明者らは、アレルギー患者の診断、治療に有用なマラセチアアレルゲンの単離を目的として、マラセチア属に属する一菌株であるM.ファーファTIMM2782の菌体内の成分に着目し、菌体抽出物である粗抗原を用いた皮膚テスト陽性で、RAST陽性の患者血清を用いて探索した結果、MF−1〜13と命名した13種の抗原性蛋白質の単離に成功すると共に、これらの抗原性蛋白質のいくつかについては部分アミノ酸配列の決定にも成功した。そして、単離されたマラセチア抗原性蛋白質の部分アミノ酸配列の情報をもとに合成したプライマーとなるポリヌクレオチドを用いて、M.ファーファ細胞のmRNA由来のcDNAを材料としてポリメラーゼ・チェイン・リアクション(PCR)を行い、目的とするマラセチア抗原性蛋白質をコードする遺伝子の一部を得た。次に、このPCR断片の全部または一部をプローブとして用い、M.ファーファ細胞のcDNAライブラリーより目的とする遺伝子を単離した。また、MF−1のアミノ酸配列を基にオーバーラッピングペプチドを合成し、これを用いて患者血清のIgE抗体に対するエピトープの検索、MF−1モノクローナル抗体に対するエピトープの検索を行い、T細胞エピトープ及びB細胞エピトープを見出すことができることを明らかにし、本発明を完成した。
即ち、本発明の1の態様は、アレルギー疾患患者由来のIgE抗体に対して結合能を有することを特徴とする、マラセチア属の真菌由来の単離された抗原性蛋白質であって、配列表の配列番号:9に記載のアミノ酸配列、又は該アミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入又は置換の少なくとも1つを生じさせた配列からなる抗原性蛋白質に関する。
本発明の他の態様は、配列表の配列番号:9に記載のアミノ酸配列、又は該アミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入又は置換の少なくとも1つを生じさせた配列からなる、マラセチアアレルギー疾患患者由来のIgE抗体に対して結合能を有する抗原性蛋白質をコードする単離されたポリヌクレオチドに関する。
本発明の他の態様は、配列表の配列番号:2に記載の塩基配列からなる前記ポリヌクレオチドに関する。
本発明の他の態様は、前記ポリヌクレオチドに0.5%SDS、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%フィコール400、0.01%変性サケ精子DNAを含む6×SSC中、50℃で12〜20時間インキュベートした後、0.5%SDSを含む0.1×SSC中、50℃で洗浄する条件においてハイブリダイズ可能であり、かつマラセチアアレルギー疾患患者由来のIgE抗体に対して結合能を有する抗原性蛋白質をコードすることを特徴とするポリヌクレオチドに関する。
本発明の他の態様は、前記ポリヌクレオチドを含む発現ベクターを導入した細胞で発現された抗原性蛋白質を単離する工程を包含する、マラセチアアレルギー疾患患者由来のIgE抗体に対して結合能を有する抗原性蛋白質の製造方法に関する。
本発明の他の態様は、前記抗原性蛋白質に対するモノクローナル抗体に関する。
本発明の他の態様は、前記抗原性蛋白質を有効成分とすることを特徴とするマラセチアアレルギー疾患又はマラセチア感染症の診断薬に関する。
本発明の他の態様は、前記抗原性蛋白質をマラセチアアレルゲンの標準品とし、該抗原性蛋白質に対する抗体を用いてマラセチアアレルゲンの免疫学的定量を行うことを特徴とする、マラセチアアレルゲンの定量方法に関する。
本発明により、単離されたマラセチア由来の高純度の精製抗原性蛋白質、これらに由来する抗原性断片、およびこれらの抗原性蛋白質又は抗原性断片に対する特異的抗体を提供することができる。また、これらの抗原性蛋白質、抗原性断片を有効成分とするマラセチアアレルギー疾患の診断薬、治療薬、予防薬を提供することができる。
さらに、本発明により、新規な組換えマラセチア抗原性蛋白質及びそれをコードする遺伝子、並びに該蛋白質のエピトープなどが提供される。
以下に本発明について詳細に説明する。
(1)本発明の精製抗原性蛋白質及びそれに機能的同等の抗原性蛋白質
本発明の抗原性蛋白質は、アレルギー疾患患者由来のIgE抗体に対して結合能を有することを特徴とする、マラセチア属の真菌由来の実質的に純粋な、単離された抗原性蛋白質(以下、単に「マラセチア由来の単離された精製抗原性蛋白質」、あるいは単に「精製抗原性蛋白質」と略す場合がある。)である。ここで「実質的に純粋な、単離された」とは、蛋白質として実質的に均一であり、他の不純な蛋白質を実質的に含まず、SDS−PAGEにおいても等電点電気泳動においても単一な物質として認識される単離された蛋白質であることをいう。
また、本発明の精製抗原性蛋白質は、マラセチア粗抗原に対して皮膚反応陽性のアレルギー疾患患者が反応する、マラセチア由来の主要アレルゲンであることを特徴とする蛋白質である。
また、本発明の精製抗原性蛋白質は、マラセチア属の真菌細胞内に存在する抗原性蛋白質である。
また、本発明の精製抗原性蛋白質は、アレルギー疾患患者由来のIgE抗体、特にマラセチアアレルギー疾患患者由来のIgE抗体に認識されるエピトープを有することを特徴とする蛋白質である。
また本発明の精製抗原性蛋白質を得るのに用いられる菌株としてはマラセチア属に属する菌株であればいかなる菌株でもよく、その具体例としては、例えばM.furfur(マラセチア ファーファ)TIMM2782株が挙げられる。該菌株はMalassezia furfur TIMM2782と表示され、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所〔あて名;日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号(郵便番号305)〕にFERM BP−5611(原寄託日;平成7年9月12日、国際寄託への移管請求日;平成8年7月29日)として寄託されている。
本明細書でいうマラセチア由来の主要アレルゲンとは、マラセチアアレルギー患者(市販のマラセチア粗抗原である抗原エキスに対して皮膚反応陽性のアレルギー疾患患者)の50%以上に反応する、IgE抗体に認識される精製抗原性蛋白質である。
本明細書でいうアレルギー疾患患者由来のIgE抗体に対する結合能は、 125I標識抗IgE血清を用いたRAST法、酵素標識抗IgE血清を用いたDirect−RAST RIA法やELISA法により測定して、標準血清との比較等により有意な結合が得られることをいう。
本発明のマラセチア由来の単離された精製抗原性蛋白質は、分子量が10000〜100000(SDS−PAGE、還元条件下または非還元条件下)で、等電点(未変性下または8M尿素変性下)が4〜10のものであり、マラセチア属の真菌細胞内に存在するものである。具体的には、以下のMF−1、MF−2、MF−3、MF−4、MF−5、MF−6、MF−7、MF−8、MF−9、MF−10、MF−11、MF−12、MF−13等が挙げられる。以下、これらについての分子量、等電点、部分アミノ酸配列について述べる。
(I) MF−1は、SDS−PAGEにより、還元条件下で約21kDa、非還元条件下で約40kDaの分子量を示し、未変性下の等電点は約4.8および8M尿素変性下の等電点は約5.3であり、配列表の配列番号:45で示されるアミノ酸配列を含んでいる。
(II) MF −2は、SDS−PAGEにより、還元条件下で約20kDa、非還元条件下で約40kDaの分子量を示し、未変性下の等電点は約4.8および8M尿素変性下の等電点は約5.8であり、配列番号:46、配列番号:47、および配列番号:48で示されるアミノ酸配列を含んでおり、N末端はブロックされている。
(III) MF−3は、SDS−PAGEにより、還元条件下で約27kDa、非還元条件下でも約27kDaの分子量を示し、未変性下の等電点は約5.2および8M尿素変性下の等電点は約6.5であり、配列番号:49、配列番号:50、および配列番号:51で示されるアミノ酸配列を含んでおり、N末端はブロックされている。
(IV) MF −4は、SDS−PAGEにより、還元条件下で約26kDa、非還元条件下でも約26kDaの分子量を示し、未変性下の等電点は約5.2および8M尿素変性下の等電点は約6.3であり、配列番号:52で示されるアミノ酸配列を含んでいる。
(v) MF−5は、SDS−PAGEにより、還元条件下で約66kDaの分子量を示し、8M尿素変性下の等電点は約6.1であり、配列番号:53で示されるアミノ酸配列を含んでいる。
(VI)MF−6は、SDS−PAGEにより、還元条件下で約43kDaの分子量を示し、8M尿素変性下の等電点は約6.2であり、配列番号:54で示されるアミノ酸配列を含んでいる。
(VII)MF −7は、SDS−PAGEにより、還元条件下で約15kDaの分子量を示し、8M尿素変性下の等電点は約6.0であり、配列番号:55で示されるアミノ酸配列を含んでいる。
(VIII)MF−8は、SDS−PAGEにより、還元条件下で約30kDaの分子量を示し、8M尿素変性下の等電点は約5.4であり、N末端がブロックされている。
(IX) MF −9は、SDS−PAGEにより、還元条件下で約40kDaの分子量を示し、8M尿素変性下の等電点は約5.3である。
(X)MF−10は、SDS−PAGEにより、還元条件下で約44kDaの分子量を示し、8M尿素変性下の等電点は約6.2であり、配列番号:56で示されるアミノ酸配列を含んでいる。
(XI)MF−11は、SDS−PAGEにより、還元条件下で約45kDaの分子量を示し、8M尿素変性下の等電点は約6.4であり、N末端がブロックされている。
(XII)MF−12は、SDS−PAGEにより、還元条件下で約100kDaの分子量を示し、8M尿素変性下の等電点は約5.0である。
(XIII)MF−13は、SDS−PAGEにより、還元条件下で約16kDaの分子量を示し、未変性下の等電点は約8.1であり、配列番号:57で示されるアミノ酸配列を含んでいる。
本発明のマラセチア由来の単離された精製抗原性蛋白質としては、マラセチア由来のヒトを始めとする哺乳類の抗原として認識される蛋白質であればよく、上記に例示した13種類の精製抗原性蛋白質に制限されるものではない。
更に、これらの精製抗原性蛋白質を用いた診断は、従来のマラセチア粗抗原である抗原エキスを用いた皮膚試験やRAST法による診断の結果と相関している。即ち、粗抗原を用いた皮膚試験で陽性の患者の多くがマラセチア粗抗原に対するIgE抗体価陽性である。そして、これらの粗抗原に対するIgE抗体価陽性の患者の50%以上が、上記の単離精製された本発明の精製抗原性蛋白質に対して高いIgE抗体価を有している(後述の実施例における表2及び表3を参照)。
また、本発明の精製抗原性蛋白質は、マラセチアアレルギー患者に投与した場合、投与された患者のマラセチア菌に対するアレルギー応答を軽減させることができるものである。
さらに、本発明においては、前記のような精製抗原性蛋白質と免疫学的に同等の性質を有する機能的同等の抗原性蛋白質をも提供する。例えば、上記13種類の精製抗原性蛋白質と免疫学的に同等の性質を有する機能的同等物として、例えば、各種M. furfur 、更にM. furfur 以外のマラセチア属真菌の機能的同等物も本発明に含まれる。即ち、MF−2は、ペルオキシゾーム膜蛋白質であるPMP-20〔L.ガラード(L.Garrard )ら、ジャーナル バイオロジカル ケミストリー(J. Biol. Chem.)第 23 巻、第13929-13937 頁(1989年)〕とホモロジーがあり、同様の免疫学的性質を有するマラセチア由来の蛋白質は本発明に含まれる。また、MF−3及びMF−4は異なる蛋白質であるが、いずれも鉄/マンガン−スーパーオキシドジスムターゼとホモロジーがあり〔T.マツモト(T. Matsumoto)ら、バイオケミストリー(Biochemistry)、第30巻、第3210-3216 頁(1991);M.L.ルドウィッグ(M. L. Ludwig)ら、ジャーナル オブ モレキュラー バイオロジー(J. Mol. Biol.)、第219 巻、第335-358 頁(1991)〕、またMF−5はジヒドロリポアミドデヒドロゲナーゼ(DLDH)、MF−6はマレートデヒドロゲナーゼ(MDH)、MF−13はシクロフィリンとそれぞれホモロジーがあり、同様の免疫学的性質を有するマラセチア由来の蛋白質も本発明に含まれる。
なお、安定性の強化及び/又は所望の反応性の強化、すなわち診断目的からすれば、抗原と抗体の特異的結合を強化し、治療目的からすればアレルギー反応を減弱化または酵素活性を消失させるために、本発明の精製抗原性蛋白質を改変し、誘導体化したり、ポリエチレングリコール(PEG)法〔ヴィー(Wie )ら, インターナショナルアーカイブス オブ アレルギー アンド アプライド イムノロジー(Int. Arch. Allergy Appl. Immunol.,第64巻, 第84−99頁(1981)〕を用いてPEGと結合させることができる。蛋白質の改変には、ピリジルエチル化、還元、アルキル化、アシル化、適当な担体への化学的カップリング、温和なホルマリン処理、又は塩酸グアニジン処理も含まれる。
(2)本発明の抗原性断片
本発明の抗原性断片は、前記の精製抗原性蛋白質に含まれる抗原エピトープを有することを特徴とする精製抗原性蛋白質由来の抗原性断片である。例えば、MF−1、MF−2、MF−3、MF−4、MF−5、MF−6、MF−7、MF−8、MF−9、MF−10、MF−11、MF−12、MF−13等に含まれる抗原エピトープを少なくとも1個含む精製抗原性蛋白質由来の抗原性断片が例示される。なかでも、少なくとも1個のT細胞エピトープ又はB細胞エピトープを含むものが好適なものとして挙げられる。本発明の抗原性断片に、哺乳類、特にヒトにおける免疫応答、例えば最小量のIgEの刺激、IgEの結合、IgG及びIgM抗体の生産の誘起、又は増殖などのT細胞応答及び/又はリンホカイン分泌及び/又はT細胞アナージー誘導などを引き起こす、マラセチア由来の精製抗原性蛋白質の断片が含まれる。
本発明の抗原性断片を治療目的で用いる場合には、T細胞応答性活性化作用が小さいか、又はT細胞アナージー作用を誘起するものが望ましい。また、本発明の抗原性断片は、マラセチア菌に特異的なIgE抗体に対して実質的に結合能を有しないか、IgE抗体への結合が起こる場合でも、肥満細胞又は好塩基球からヒスタミン等のメディエーターを遊離しないような程度の結合能であるのが好ましい。即ち、IgE抗体への結合が起こる場合でも、該抗原性断片は、マラセチア由来の精製抗原性蛋白質より実質的に低い程度でIgE抗体に結合するものが好ましい。このように本発明の抗原性断片は、治療目的で用いる場合には、精製抗原性蛋白質より少ないIgE賦活活性を有するものが好ましい。従って、マラセチアアレルギー患者に投与した場合、投与された患者のマラセチア菌に対するアレルギー応答を軽減させることができるものである。
本発明の抗原性断片の抗原性は、ヒトのボランティアへの皮膚試験、皮内試験の他、RAST、ELISA、又はヒスタミン遊離などの試験管内試験においても評価することができる。
エピトープとは、レセプター、特に抗体(免疫グロブリン)、組織適合性抗原及びT細胞レセプターにより認識される基本的要素又は最小単位であり、エピトープはレセプター認識に必須のアミノ酸配列を含む。エピトープのアミノ酸配列を模してあり、マラセチアアレルゲンに対するアレルギー応答を下げることができるアミノ酸配列もエピトープとして用いることができる。現在利用できる蛋白質の構造に関する情報を用い、マラセチアアレルギー患者に十分な量で投与すると、マラセチア菌に対する患者のアレルギー応答を変えるであろうマラセチアアレルゲンペプチドを設計することができる。また、マラセチアアレルゲンの患者にアレルギー反応を誘起する作用を阻害することができる試薬又は薬剤を設計することもできる。そのような薬剤は、例えばマラセチアアレルゲンに対するIgE抗体に結合し、それによりIgE−アレルゲン結合及びその後の肥満細胞からの脱顆粒を妨げるように設計することができる。
また、T細胞エピトープを含むペプチドの選択は、マラセチアアレルゲンに対して感受性の個体(IgE仲介免疫応答を有する個体)から得られたT細胞を含むリンパ球をアレルゲン由来のペプチドと共に培養し、例えばトリチウム化チミジンの細胞への取り込み促進作用を測定し、ペプチドに応答してT細胞の増殖が起こるかどうかを決定することによって、ヒトT細胞の刺激活性(幼若化活性)を測定することができる。B細胞エピトープを含むペプチドの選択は、マラセチアアレルゲンに対して感受性の個体から得られた血清を用いて、アレルゲン由来のペプチドと反応させ、結合したIgE量を測定することにより、IgE結合ペプチドを選択することができる。
本発明の抗原性断片の範囲内には、マラセチアアレルゲンを始めとするマラセチア由来の精製抗原性蛋白質の断片と免疫学的に関連する、例えばその断片に対する特異的な抗体や特異的なT細胞に認識される、交差反応性を有するペプチドも含まれる。
本発明の抗原性断片を調製するには、単離された精製抗原性蛋白質を原料として、リジルエンドペプチダーゼ、トリプシン等のプロテアーゼによる酵素消化、臭化シアン等による化学的処理による切断後、目的の抗原性を有する断片を蛋白質の精製において既知の方法により単離精製することにより得ることができる。また、マラセチア由来の抗原性蛋白質をコードする遺伝子の一部を用いて、目的の抗原性断片を発現、調製することもできる。更に、抗原性断片の化学構造に関する情報を基に、ペプチド合成技術を利用して化学合成による製造も可能である。
また、遺伝子工学的手法、化学合成的手法を用いることにより、アミノ酸の置換、挿入及び欠失も可能である。例えば、安定性の強化及び/又は所望の反応性の強化のために、本発明の抗原性断片を改変し、誘導体化したり、少なくとも1個のアミノ酸を欠失、挿入、置換、付加させることもできる。更にD-アミノ酸、非天然アミノ酸、又は非天然アミノ酸類似体に置換したり又はこれらを付加して本発明の範囲内の改変蛋白質又はペプチドを製造することができる。更に、本発明の抗原性断片をポリエチレングリコールと結合させ、化学的に修飾することができる。該抗原性断片の改変には、還元、アルキル化、アシル化、又は適した担体への化学的カップリングも含まれる。
このようにして得られた抗原性断片について免疫応答活性(T細胞応答性活性化作用、T細胞アナージー作用、抗体との結合作用等)を測定することにより、抗原性断片を決定、単離することができる。
次に、本発明の精製抗原性蛋白質の製造法について述べる。従来使用されていた粗抗原は、培養物の培養ろ液の凍結乾燥物であったり、又は、培養菌体を適当な方法で破砕し、抽出物を得、これを硫安沈殿、凍結乾燥するといった、極めて限られた方法で精製されたものであった。本発明者らも、これらの粗抗原を原料として蛋白質の精製法として一般的に用いられている方法、例えばゲル濾過、イオン交換等のクロマトグラフィーによる精製を試みたが、これらの手法のみでは単一の純粋な抗原性蛋白質の単離に成功しなかった。
本発明のマラセチア由来の単離された精製抗原性蛋白質は、マラセチア菌体より調製した粗抗原を原料として、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、キレート樹脂クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等を用いた効果的な分離方法を組み合わせて分画した後、各画分について患者血清IgE抗体との結合をRAST法やイムノブロッティング等で測定することにより、アレルギー患者血清中のIgE抗体と結合する蛋白質を探索する、又は患者のリンパ球を用いて免疫応答活性(T細胞応答性活性化作用、T細胞アナージー作用等)を誘起する蛋白質を種々の方法で探索することにより単離することができる。
即ち、まず、M. furfur 等のマラセチア属菌をディクソン(Dixon )培地等のオリーブオイル又はツィーン40、60を添加した、マラセチア菌の生育に適した栄養分を含む培地を用い、適当な温度、通気等の条件下で培養し、得られた菌体を適当な方法で破砕し、抽出物を得る。この抽出物よりイオン交換クロマトグラフィー、キレート樹脂クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィーを含む分離手段を用いて抗原性蛋白質を精製することができる。即ち、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、キレート樹脂クロマトグラフィー、電気泳動、もしくはマラセチア由来の抗原性蛋白質又はその抗原性断片に特異的な抗体を結合させた樹脂を用いたアフィニティークロマトグラフィー等の、ペプチド及び蛋白質の精製に関して既知の方法を各種組み合わせることにより高純度な蛋白質として単離することができる。培養ろ液中に含まれる抗原性蛋白質も同様の方法により単離することができる。
具体的には、実施例で示すように、分子量的に分離不可能な蛋白質を、等電点の違いを利用したイオン交換クロマトグラフィーや疎水性の違いを利用した疎水クロマトグラフィー、金属とのキレート能の違いを利用したキレート樹脂クロマトグラフィー、および分子量の違いを利用したゲル濾過クロマトグラフィー等を組合せることにより、よく似た多数の蛋白質の集合を相互に分離することができる。これらのことは、従来のSDS−PAGEのイムノブロッティングによる分子量的な抗原性蛋白質に関する知見からは予想されなかったことであり、例えば、MF−1とMF−2は分子量的にはほとんど同じであり、従来のSDS−PAGEでは分離不可能なものである。また、MF−3とMF−4も分子量的には分離することが不可能である。
更に各種分離手段の組み合わせについて具体例を述べれば、下記の工程が例示される。
工程a:マラセチア菌の培養菌体破砕抽出液を遠心分離にかけその上清を凍結乾燥した後、陰イオン交換クロマトグラフィー(例えば、DEAE−セルロースカラムクロマトグラフィー;和光純薬工業株式会社製)にかけ0.1MのNaClによる溶出画分を取得する工程、
工程b:工程aで得られる溶出画分を限外ろ過膜(MW 10,000)で濃縮した後、ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファクリルS-200HR カラムクロマトグラフィー;ファルマシア社製)にかけ分子量3〜5万の溶出画分を取得する工程、
工程c:工程bで得られる溶出画分を限外ろ過膜(MW 10,000)で濃縮した後、ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファデックスG−75スーパーファインカラムクロマトグラフィー;ファルマシア社製)にかけ分子量約4万に溶出される画分を取得する工程、
工程d:工程cで得られる溶出画分を亜鉛キレーティングクロマトグラフィー(例えば、亜鉛キレーティングセファロースファーストフローカラムクロマトグラフィー;ファルマシア社製)にかけ、素通り画分をさらに銅キレートクロマトグラフィーにかけて素通り画分又はpH約4で溶出される画分を取得する工程、
工程e:工程dで得られる素通り画分又はpH約4で溶出される画分を濃縮後、ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファデックスG-75スーパーファインカラムクロマトグラフィー;ファルマシア社製)で精製し分子量約4万の溶出画分を取得する工程、および
工程f:工程eで得られる溶出画分をさらに Mono Q イオン交換クロマトグラフィーにかけて精製する工程。
あるいは、下記の工程も一例として挙げることができる。
工程a:マラセチア菌の培養菌体破砕抽出液を遠心分離にかけその上清を凍結乾燥した後、陰イオン交換クロマトグラフィー(例えば、DEAE−セルロースカラムクロマトグラフィー)にかけ0.1MのNaClによる溶出画分を取得する工程、
工程b:工程aで得られる溶出画分を限外ろ過膜(MW 10,000)で濃縮した後、ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファクリルS-200HR カラムクロマトグラフィー)にかけ分子量3〜5万の溶出画分を取得する工程、
工程c:工程bで得られる溶出画分を限外ろ過膜(MW 10,000)で濃縮した後、ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファデックスG−75スーパーファインカラムクロマトグラフィー)にかけ分子量約4万に溶出される画分を取得する工程、
工程d:工程cで得られる溶出画分を亜鉛キレーティングクロマトグラフィー(例えば、亜鉛キレーティングセファロースファーストフローカラムクロマトグラフィー)にかけ、pH約5で溶出される画分を取得する工程、および
工程g:工程dで得られる溶出画分を濃縮後、ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファデックスG-75スーパーファインカラムクロマトグラフィー)で精製する工程。
次に、本発明の精製抗原性蛋白質(MF−1、MF−2、MF−3、MF−4、およびMF−13)の製造方法の例についてより詳細に説明する。しかし、以下の工程は、単なる例示であってこれに限定されるものではない。
1.MF−1の製造例について
M.furfur(マラセチア ファーファ)TIMM2782の培養菌体破砕抽出液を遠心分離にかけその上清を凍結乾燥した後、陰イオン交換クロマトグラフィー(例えば、DEAE−セルロースカラムクロマトグラフィー)にかけ0.1MのNaClによる溶出画分を取得し、限外ろ過膜(MW 10,000)で濃縮した後、ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファクリルS-200HR カラムクロマトグラフィー)にかけ分子量3 〜5 万の溶出画分を取得し、得られる溶出画分を限外ろ過膜(MW 10,000)で濃縮した後、ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファデックスG−75スーパーファインカラムクロマトグラフィー)にかけ分子量約4万に溶出される画分を取得し、ついで亜鉛キレーティングクロマトグラフィー(例えば、亜鉛キレーティングセファロースファーストフローカラムクロマトグラフィー)にかけ素通り画分を銅キレートクロマトグラフィーにかけpH約4で溶出される画分を取得し、濃縮後ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファデックスG-75スーパーファインカラムクロマトグラフィー)で精製し分子量約4万の溶出画分を取得して得られる。
2.MF−2の製造例について
M.furfur(マラセチア ファーファ)TIMM2782の培養菌体破砕抽出液を遠心分離にかけその上清を凍結乾燥した後、陰イオン交換クロマトグラフィー(例えば、DEAE−セルロースカラムクロマトグラフィー)にかけ0.1MのNaClによる溶出画分を取得し、限外ろ過膜(MW 10,000)で濃縮した後、ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファクリルS-200HR カラムクロマトグラフィー)にかけ分子量3 〜5 万の溶出画分を取得し、得られる溶出画分を限外ろ過膜(MW 10,000)で濃縮した後、ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファデックスG−75スーパーファインカラムクロマトグラフィー)にかけ分子量約4万に溶出される画分を取得し、ついで亜鉛キレーティングクロマトグラフィー(例えば、亜鉛キレーティングセファロースファーストフローカラムクロマトグラフィー)にかけ、pH約5で溶出される画分を取得し、濃縮後ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファデックスG-75スーパーファインカラムクロマトグラフィー)で精製して得られる。
3.MF−3の製造例について
M.furfur(マラセチア ファーファ)TIMM2782の培養菌体破砕抽出液を遠心分離にかけその上清を凍結乾燥した後、陰イオン交換クロマトグラフィー(例えば、DEAE−セルロースカラムクロマトグラフィー)にかけ0.1MのNaClによる溶出画分を取得し、限外ろ過膜(MW 10,000)で濃縮した後、ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファクリルS-200HR カラムクロマトグラフィー)にかけ分子量3 〜5 万の溶出画分を取得し、得られる溶出画分を限外ろ過膜(MW 10,000)で濃縮した後、ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファデックスG−75スーパーファインカラムクロマトグラフィー)にかけ分子量約4万に溶出される画分を取得し、ついで亜鉛キレーティングクロマトグラフィー(例えば、亜鉛キレーティングセファロースファーストフローカラムクロマトグラフィー)にかけ素通り画分を取得し、銅キレートクロマトグラフィーにかけ、素通り画分を濃縮した後ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファデックスG-75スーパーファインカラムクロマトグラフィー)で精製し分子量約4万の溶出画分を取得し、さらにMono Q陰イオン交換クロマトグラフィーで精製して得られる。
4.MF−4の製造例について
M.furfur(マラセチア ファーファ)TIMM2782の培養菌体破砕抽出液を遠心分離にかけその上清を凍結乾燥した後、陰イオン交換クロマトグラフィー(例えば、DEAE−セルロースカラムクロマトグラフィー)にかけ0.1MのNaClによる溶出画分を取得し、限外ろ過膜(MW 10,000)で濃縮した後、ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファクリルS-200HR カラムクロマトグラフィー)にかけ分子量3 〜5 万の溶出画分を取得し、得られる溶出画分を限外ろ過膜(MW 10,000)で濃縮した後、ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファデックスG−75スーパーファインカラムクロマトグラフィー)にかけ分子量約4万に溶出される画分を取得し、ついで亜鉛キレーティングクロマトグラフィー(例えば、亜鉛キレーティングセファロースファーストフローカラムクロマトグラフィー)にかけ素通り画分を取得し、銅キレートクロマトグラフィーにかけ、素通り画分を濃縮した後ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、セファデックスG-75スーパーファインカラムクロマトグラフィー)で精製し分子量約4万の溶出画分を取得し、さらにMono Q陰イオン交換クロマトグラフィーで精製して得られる。
5.MF−13の製造例について
M. furfur(マラセチア ファーファ)TIMM2782の培養菌体破砕抽出液を遠心分離にかけその上清を凍結乾燥した後、陰イオン交換クロマトグラフィー(例えば、DEAE−セルロースカラムクロマトグラフィー)にかけ非吸着画分を集め、ゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、スーパーデックス75pg)にかけ、分子量2万以下の溶出画分を取得し、得られる画分をSP陽イオン交換クロマトグラフィーにかけ、0.2MのNaClで溶出画分を取得し、さらにゲルろ過クロマトグラフィー(例えば、スーパーデックス75pg)で精製して得られる。
また、本発明のマラセチア由来の抗原性蛋白質は、前記のアミノ酸配列の情報をもとに、PCR等により該蛋白質をコードする遺伝子を単離し、これらを利用して遺伝子工学的手法により大腸菌、酵母、カビ、哺乳類細胞等において発現されるようにベクターに組み込み、組換え蛋白質として調製することもできる。
(3)本発明の精製抗原性蛋白質又はその抗原性断片に対する抗体又は抗体断片
マラセチア由来の単離された精製抗原性蛋白質又はその抗原性断片に対する本発明の抗体は、本発明のマラセチア由来の精製抗原性蛋白質、該蛋白質の酵素的又は化学的方法による処理により得られる抗原性断片、又は化学合成的に得られる抗原性ペプチドを抗原として使用することにより調製することができる。抗体の作製は常法により行うことができるが、例えば上記の蛋白質又はその断片をアジュバントと共にウサギ等の動物に免疫することによって、抗血清として得ることができる。また、モノクローナル抗体は、抗原を免疫して得られた抗体産生B細胞とミエローマ細胞を融合し、目的の抗体を産生するハイブリドーマを選択し、この細胞を培養することによって調製することができる。これらの抗体は、後述のように、抗原性蛋白質の製造やマラセチアアレルゲン抗原エキスの力価測定等において使用することができる。前記のハイブリドーマとして、抗原性蛋白質MF−1に対するM−40モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは5B4、抗原性蛋白質MF−2に対するM−3モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは8G11、また抗原性蛋白質MF−3に対するM−1モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは10C1とそれぞれ命名、表示され、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所〔あて名;日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号(郵便番号305)〕にそれぞれFERM BP−5608、FERM BP−5609、FERM BP−5610(原寄託日;平成7年9月12日、国際寄託への移管請求日;平成8年7月29日)として寄託されている。
(4)本発明の精製抗原性蛋白質又はその抗原性断片を有効成分とする診断薬
本発明は、マラセチア由来の単離された精製抗原性蛋白質又はそれに由来する少なくとも1個の抗原エピトープを有する抗原性断片を用いる、マラセチア菌を原因菌としたアレルギー性疾患又は感染症の診断薬を提供する。
ここで述べるマラセチア菌によるアレルギー疾患とは、アトピー性気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎等、マラセチア菌が原因となるあらゆるアレルギー性疾患を言う。また、マラセチア菌による感染症とは、癜風、マラセチア毛包炎、フケ等のマラセチア菌が原因となるあらゆる感染症をいう。
本発明のアレルギー疾患診断薬は、マラセチア菌によるアレルギー疾患に対する皮内反応診断試薬及びアレルギー診断用滴定試薬として用いられる。皮内反応診断試薬として用いる場合は、本発明の単離された精製抗原性蛋白質又は本発明の抗原性断片をフェノールを含む生理食塩水で溶解し、希釈し常法に従って用いられる。
また、アレルギー診断用滴定試薬として用いる場合も同様に常法により調製されるが、例えば本発明の単離された精製抗原性蛋白質又は本発明の抗原性断片をハンクス緩衝液で適当に溶解し、希釈してヒスタミン遊離滴定用試薬として用いる。使用方法は、通常、以下の操作手順による、即ち、アレルギー疾患患者の血液及びこの血液から遠心分離により得られた血球画分を緩衝液に懸濁した血球浮遊液の一定量に対し、該精製抗原性蛋白質の溶液を滴定試薬として滴定し、アレルゲン刺激により好塩基球から遊離するヒスタミン量をHPLCを用いて測定する。
本発明の単離された精製抗原性蛋白質又は本発明の抗原性断片は、マラセチアアレルギー疾患の検出及び診断に用いることもできる。例えば、これはマラセチア菌に対する感受性を評価しなければならない患者から得た血液又は血液成分を、本発明の単離された精製抗原性蛋白質等と適当な条件下でインキュベートし、精製抗原性蛋白質と血液中の成分(例えば抗体、T細胞、B細胞)との結合の程度を決定することにより診断を行うことができる。
(5)本発明の精製抗原性蛋白質又はその抗原性断片を有効成分とする治療薬
本発明は、マラセチア由来の単離された精製抗原性蛋白質又は少なくとも1個の抗原エピトープを有する抗原性断片を有効成分とする、マラセチア菌を原因菌としたアレルギー性疾患の治療薬を提供する。
本発明のアレルギー疾患治療剤は、通常の投与経路例えば経口、皮内、皮下、筋肉内、腹腔内等の投与経路により行うことができる。更に、例えば、トローチ、舌下剤、点眼剤、鼻腔内噴霧剤、パップ剤、クリーム剤、ローション剤等の経皮、経粘膜薬として使用することができる。本発明のアレルギー疾患治療剤の投与量及び投与回数は、投与経路、症状などに応じて成人1回あたり約20mg以下の範囲となるように適宜選択し、毎週1回程度投与される。また、本発明のアレルギー疾患治療剤は、マラセチア菌によるアレルギー疾患に対する治療剤のみならず予防剤としても有用である。アナフィラキシー誘発作用は少ないか又はなく、人体に対して安全に用いることができるからである。
本発明のマラセチアアレルギー疾患治療剤は、前記の精製された抗原性蛋白質、その抗原性断片を有効成分とするものであり、各種のマラセチア菌によるアレルギー疾患の治療剤および予防剤として用いられる。
本発明のアレルギー疾患治療剤の調製方法は、特に制限はない。例えば、本発明の精製抗原性蛋白質またはエピトープを有する抗原性断片を乾燥して粉末状とし、マラセチア菌によるアレルギー疾患に対する減感作治療剤として用いることができる。その場合、そのままで、または必要に応じて一般的に用いられるアジュバントや各種の添加剤、例えば安定剤、賦形剤、溶解補助剤、乳濁化剤、緩衝剤、無痛化剤、保存剤、着色剤等を常法により添加した配合剤として用いることができる。例えば、粉末状の精製された抗原性蛋白質をフェノールを添加した生理食塩水に溶解し、減感作治療用抗原の原液として用いる。
減感作治療剤として用いるためには、エピトープを有し、かつマラセチア菌に特異的なIgEに結合しないかまたは結合しても肥満細胞もしくは好塩基球からヒスタミンを放出させないものが特に有利である。
(6)マラセチアアレルゲンの定量方法
本発明はマラセチアアレルゲンの定量方法をも提供する。マラセチア由来の精製抗原性蛋白質に対する抗体は、マラセチア菌を原因菌としたアレルギー性疾患又は感染症の診断に使用されるマラセチアアレルゲンの免疫学的定量に用いることができる。
本発明の単離された精製抗原性蛋白質あるいは後述の組換え抗原性蛋白質をマラセチアアレルゲンの標準品として、それに対する抗体を用いた、ELISA等の定量方法を確立することが容易である。マラセチア抗原エキスとしては、前記のように市販のものがいくつかある、また、マラセチア菌がヒトの頭皮を始めとする皮膚の常在菌であることから、市販のハウスダスト中にもマラセチアアレルゲンが含有されていると考えられる。これらの市販の抗原エキスについてマラセチアアレルゲンの含量を明らかにすることは、診断、治療上非常に有用である。
(7)本発明の組換えマラセチア抗原性蛋白質
本発明は、アレルギー疾患患者由来のIgE抗体に対する結合能を有するマラセチア由来の純粋な単離された前記(1)の精製抗原性蛋白質と同等の免疫学的性質を有する組換えマラセチア抗原性蛋白質(以下、単に「組換え抗原性蛋白質」と略す場合がある)を提供する。これは例えば、配列番号:8〜14のアミノ酸配列を有するrMF−1〜7(ここで、rMF−1〜7という表示は、MF−1〜7を遺伝子組換え手法により得たものを意味する。)からなるペプチド群、及び該ペプチドの機能的同等物が挙げられる。即ち、配列番号:8〜14のいずれかに記載のアミノ酸配列の全部又は一部からなるペプチド、又は該ペプチドを含むペプチドであって、rMF−1〜7に対応するMF−1〜7のそれぞれが有する免疫学的性質と同等の免疫学的性質を有するもの、さらに配列番号:8〜14のいずれかに記載のアミノ酸配列、又はその一部からなるアミノ酸配列において、1又は2以上のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入又は置換の少なくとも1つを生じさせ、かつ、rMF−1〜7に対応するMF−1〜7のそれぞれが有する免疫学的性質と同等の免疫学的性質を有するものが本発明に含まれる。
例えば、rMF−1を例にすると、MF−1と同等の免疫学的性質を有する抗原性蛋白質であって、配列表の配列番号:8に記載のアミノ酸配列の全部又は一部からなるペプチド、又は該ペプチドを含む組換えマラセチア抗原性蛋白質がrMF−1に含まれる。さらに、配列表の配列番号:8に記載のアミノ酸配列、又はその一部からなるアミノ酸配列において、1又は2以上のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入又は置換の少なくとも1つを生じさせ、かつMF−1と同等の免疫学的性質を有する組換えマラセチア抗原性蛋白質もrMF−1に含まれる。rMF−2〜7についても同様である。
ここで、免疫学的性質が同等であるとは、同等のマラセチアアレルゲン活性を有することであり、マラセチアアレルゲン活性とは、アレルギー疾患患者由来のIgE抗体、特にマラセチアアレルギー疾患患者由来のIgE抗体との結合活性をいう。
本発明の組換えマラセチア抗原性蛋白質は、後述の本発明の遺伝子を利用して遺伝子工学的手法により大腸菌などの細菌、出芽酵母などの酵母、麹菌などのカビ、昆虫細胞又は哺乳類細胞等で発現されるように適宜ベクターを選択し、発現ベクターを作製して該細胞に導入し、組換え蛋白質として得られる。従って、本質的にマラセチア由来の他の蛋白質を含まないものである。
本発明の組換え抗原性蛋白質の機能的同等物は、本発明の組換え抗原性蛋白質をコードするDNAの特定部位の突然変異誘発を用い、既知の方法により組換え抗原性蛋白質の構造を改変することができる。例えば、後述のポリヌクレオチド上の1又は2以上の塩基の置換、挿入、欠失又は付加によってアミノ酸残基の置換、挿入、欠失又は付加を起こすことができる。さらに、生物活性を保持したままの変異体を選択することも可能である。
該変異体の作製方法としては、ギャップド・デュプレックス法〔ヌクレイック アシッズ リサーチ(Nucleic Acids Research)第12巻, 第24号, 第9441〜9456頁(1984)〕、デレーション法〔ジーン(Gene)第33巻, 第103 〜119 頁(1985)〕、PCR法〔ジーン(Gene)第102 巻, 第67-70 頁(1991)〕、ウラシルDNA法〔メソッズ イン エンザイモロジー(Methods in Enzymology ), 第154 巻, 第367 〜382 頁(1987), プロシーディングス オブ ザ ナショナル アカデミー オブ サイエンシーズ オブ ザ USA(Proc Natl Acad Sci USA), 第79巻, 第7258 〜7262頁(1982)〕やカセット変異法(ジーン(Gene), 第34巻, 第315 〜323 頁(1985)〕等が知られている。
本発明の組換え抗原性蛋白質の精製を容易にしたり、溶解度を向上させるために、ペプチド鎖にタグ基を付加することができる。タグ基の例としてはポリヒスチジン等が挙げられ、金属アフィニティクロマトグラフィーで精製することができる。さらに必要ならタグ基と目的のペプチドの間にエンドプロテアーゼ特異的な認識部位を導入して該プロテアーゼで処理することにより、無関係な配列を含まないペプチドの単離を容易にすることができる。
ペプチド抗原に対する患者の脱感作に成功するためには、ペプチドへの官能基の付加又はペプチド中に疎水性T細胞エピトープ、疎水性エピトープもしくは疎水性領域を含有しないことにより、ペプチドの溶解度を上げることが必要である。また、ペプチド抗原内のT細胞エピトープの適した抗原プロセシングを助けるために、それぞれ少なくとも1個のT細胞エピトープを含む領域間にエンドプロテアーゼ認識部位を、前述の組換え又は合成により作製することができる。例えば、LysLys又はArgArgなどの帯電アミノ酸対をペプチド内の領域間に導入することができ、得られるペプチドはカテプシン及び/又は他のトリプシン様酵素による切断に感受性となり、1又は2個以上のT細胞エピトープを含むペプチド断片を生成することができる。さらにそのような帯電アミノ酸残基はペプチドの溶解度を向上させることも可能である。
(8)本発明の組換えマラセチア抗原性蛋白質をコードするポリヌクレオチド
本発明は、組換えマラセチア抗原性蛋白質をコードするポリヌクレオチド又はその抗原性断片をコードするポリヌクレオチドを提供する。これは、配列表の配列番号:1〜7に記載の塩基配列の全部又は一部からなるポリヌクレオチド、又は該ポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであって、rMF−1〜7又はそれらと同等の免疫学的性質を有する抗原性蛋白質をそれぞれコードするポリヌクレオチドが挙げられる。また、配列表の配列番号:1〜7に記載の塩基配列、又はその一部からなる塩基配列において、1又は2以上の塩基の欠失、付加、挿入又は置換の少なくとも1つを生じさせ、かつ、rMF−1〜7と同等の免疫学的性質を有する抗原性蛋白質をコードするポリヌクレオチドが挙げられる。さらにこれらのポリヌクレオチドにハイブリダイズ可能な、マラセチアアレルゲン活性を有する抗原性蛋白質をコードするポリヌクレオチドが挙げられる。
例えば、rMF−1を例にすると、配列表の配列番号:1に記載の塩基配列の全部、又は一部からなるポリヌクレオチド、又は該ポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであって、rMF−1又はそれと同等の免疫学的性質を有する抗原性蛋白質をコードするポリヌクレオチドが本発明に含まれる。また、配列表の配列番号:1に記載の塩基配列、又はその一部からなる塩基配列において、1又は2以上の塩基の欠失、付加、挿入又は置換の少なくとも1つを生じさせている、rMF−1と同等の免疫学的性質を有する抗原性蛋白質をコードするポリヌクレオチドが本発明に含まれる。さらに、これらのポリヌクレオチドにハイブリダイズ可能なマラセチアアレルゲン活性を有する抗原性蛋白質をコードするポリヌクレオチドが含まれる。rMF−2〜7をコードするポリヌクレオチドについても同様である。
組換えマラセチア抗原性蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、以下の方法により、取得可能である。通常の各種のクロマトグラフィーを組み合わせることにより精製されたマラセチア抗原性蛋白質、又は一次元電気泳動もしくは二次元電気泳動により精製されたマラセチア抗原性蛋白質よりN末端アミノ酸配列又は内部アミノ酸配列を決定することが可能である。これらアミノ酸配列をコード可能なオリゴヌクレオチドを合成、精製する。通常、1種のアミノ酸は複数のコドンによりコードされているため、このオリゴヌクレオチドはこれら全てのコドンを考慮に入れて合成された混合物である。このオリゴヌクレオチドとオリゴ(dT)をプライマーとして用い、マラセチア菌より抽出、精製された全RNAより合成されたcDNA又は抽出、精製されたゲノムDNAを鋳型としてPCRを行えば、本発明のマラセチア抗原性蛋白質をコードするポリヌクレオチドが得られる。PCRに用いるプライマーは、抗原性蛋白質の二箇所のアミノ酸配列に対応するオリゴヌクレオチドを用いても良く、また1回のPCRでcDNAが増幅しないときは、さらにPCRを繰り返しても良い。
このPCR反応により得られたcDNA断片をDNAハイブリダイゼーションのためのプローブとして用いて、マラセチア菌のポリ(A)+ RNA又はゲノムDNAより作製されたcDNAライブラリー又はゲノムDNAライブラリーをスクリーニングすることにより、容易に全配列を含むポリヌクレオチド又はハイブリダイズ可能な抗原性蛋白質をコードするポリヌクレオチドを得ることが可能である。ライブラリー作製に用いられるベクターは、ファージ由来でもプラスミド由来でもどちらでも良い。
別の方法として、マラセチア菌より精製されたポリ(A)+ RNAよりcDNA発現ライブラリーを作製し、このライブラリーより産生された蛋白質に対してアレルギー疾患患者由来のIgE抗体と結合するクローンをスクリーニングすれば、マラセチアアレルゲン活性を有するマラセチア抗原性蛋白質をコードするcDNAクローンが得られる。このcDNAクローンより発現する蛋白質は、マラセチア抗原性蛋白質である。
後述のマラセチア由来のエピトープをコードする遺伝子も本発明の発明の範囲内であり、マラセチアアレルゲンの全アミノ酸配列をコードする塩基配列より塩基の数が少ない配列を言う。一般に、エピトープをコードする塩基配列は成熟蛋白質をコードする塩基配列から選ばれるが、ある場合には本発明のリーダー配列部分を含むように選ぶのが望ましい。本発明の遺伝子は、制限エンドヌクレアーゼ認識部位を含むリンカー配列及び/又は、所望の遺伝子のクローニング、発現あるいは精製に有用な配列も含むことができる。即ち、具体的には少なくとも1つのB細胞エピトープをコードし、かつ配列番号:1〜7の塩基配列の一部を有するポリヌクレオチド、又は化学的、物理的方法により一部を改変させたポリヌクレオチドも本発明に含まれる。例えば、本発明に使用した以外のM.ファーファおよびそれ以外のマラセチア属の真菌、例えば M.pachydermatis, M.sympodialis の有する、対応するポリヌクレオチドも本発明に含まれる。すなわち、M.ファーファはその生理学的性質から5群に分類可能であり(医真菌誌、内田勝久)、それぞれが対応する遺伝子を有していると思われ、これらも本発明に含まれる。
さらに、本発明には配列番号:1〜7の塩基配列又は少なくとも1つのB細胞エピトープをコードする塩基配列を有するポリヌクレオチドとハイブリダイズ可能なポリヌクレオチドも本発明に含まれる。本発明において、ハイブリダイズ可能とは、次のような条件でハイブリダイズできることをいう。すなわち、DNAを固定したメンブレンを0.5%SDS、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%フィコール400、0.01%変性サケ精子DNAを含む6×SSC(1×SSCは0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナトリウム、pH7.0を示す)中で、50℃にて12〜20時間、プローブとともにインキュベートする。インキュベーション終了後、0.5%SDSを含む2×SSC中、37℃での洗浄から始めて、SSC濃度は0.1倍までの範囲で、また、温度は50℃までの範囲で変化させ、固定されたDNA由来のシグナルがバックグラウンドと区別できるようになるまでメンブレンを洗浄したうえ、プローブの検出を行う。また、こうして得られた新たなDNAについて、そこにコードされているタンパクの有する活性を上記同様の方法によって調べることにより、得られたDNAが目的とするものであるかどうかを確認することができる。
本発明の遺伝子とハイブリダイズ可能なポリヌクレオチドとしては、例えば、本発明で使用したM.ファーファTIMM2782菌は配列番号:5のMF−5遺伝子を有すると共に、この塩基配列と90%以上のホモロジーを有する、図17に示した推定塩基配列を有する遺伝子をも有している。両遺伝子のコードする蛋白質は既知の蛋白質の中でジヒドロリポアミドデヒドロゲナーゼ(DLDH)とホモロジーを有する。また、本菌は配列番号:6のMF−6遺伝子を有すると共に、この塩基配列と90%以上のホモロジーを有する、図18に示した推定塩基配列をも有する遺伝子も有している。両遺伝子のコードする蛋白質は既知の蛋白質の中でマレートデヒドロゲナーゼ(MDH)とホモロジーを有する。さらに、本発明のMF−1遺伝子(配列番号:1)とMF−2遺伝子(配列番号:2)も塩基配列で60%以上のホモロジーを有し(図19)、ハイブリダイズ可能である。両遺伝子のコードする蛋白質は Candida boidinii 由来のペルオキシゾーム膜蛋白質(PMP−20)とホモロジーがある。また、本発明のMF−3遺伝子(配列番号:3)とMF−4遺伝子(配列番号:4)も塩基配列上60%以上のホモロジーを有し(図20)、相互にハイブリダイズ可能である。両遺伝子のコードする蛋白質はスーパーオキシドデスムターゼとホモロジーがあり、実際その酵素活性を有している。従って、アレルギーの原因となっている他の真菌の有する、本発明の塩基配列とハイブリダイズ可能な、組換え抗原性蛋白質をコードする遺伝子も本発明に含まれる。
本発明の遺伝子は特に限定されないが、DNA又はRNAであり、天然又は合成どちらでも構わない。本発明の遺伝子を発現させるために適したプロモーター、エンハンサー及び他の発現調節要素を含む発現ベクターは、例えば、1989年コールドスプリングハーバーラボラトリー発行、J.サンブルック(J.Sambrook)ほか著、モレキュラー クローニング ア ラボラトリー マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory manual)第2版に記載されているものを利用することができる。哺乳類、酵母、カビ、又は昆虫細胞で発現された組換え体は、グリコシル化及び適したジスルフィド結合等の修飾を受けることができる。酵母細胞での発現に適したベクターとしては、pYES2,YepSec等が挙げられ、入手可能である。昆虫細胞では、バキュロウイルスベクターが商業的に入手でき(ファルミンゲン社製、サン ディエゴ、CA)、哺乳類の細胞ではpMSGベクターが入手可能である(ファルマシア社製)。
大腸菌における発現の場合、pTV118ベクター等を使用すればよい。また、pMAL、pSEM、pGEXを用いると、それぞれマルトース結合蛋白質、β−ガラクトシダーゼ、グルタチオンS−トランスフェラーゼとの融合蛋白質として発現させることができる。融合蛋白質として発現させる場合、キャリヤー蛋白質とマラセチア由来の抗原性蛋白質又はその断片の間の融合連結部位に酵素認識部位を導入するのが特に有利である。融合蛋白質として単離精製後、酵素認識部位での切断、続いて従来の方法を用いた生化学的精製手段により、抗原性蛋白質又はその断片のみを回収することができる。酵素認識部位には血液凝固因子Xaまたはトロンビンの認識部位が含まれ、これらの酵素は市販のものが利用できる。さらに、IPTG又は温度等による発現誘導可能なベクターも利用できる。
発現ベクターの宿主細胞への導入方法は、リン酸カルシウム又は塩化カルシウム共沈法、DEAE−デキストラン法、又はエレクトロポレーション法などの従来法を用いて行う。
(9)本発明の抗原性断片
本発明は、少なくとも1つの抗原エピトープを含む抗原性断片を提供し、これにはその機能的に同等な誘導体も本発明に含まれる。具体的には、配列表の配列番号:8〜14のいずれかに記載のアミノ酸配列よりなる組換えマラセチア抗原性蛋白質に含まれる抗原エピトープを含む抗原性断片である。本発明の抗原性断片は、マラセチア菌に特異的なIgE抗体に対して結合能を有しないか、IgE抗体への結合が起こる場合でも、そのような結合は肥満細胞又は好塩基球からヒスタミンを放出させない程度であることを特徴とする。また、本発明の抗原性断片は、マラセチア由来の抗原性蛋白質より実質的に低い程度でIgE抗体に結合することを特徴とする。また、本発明の抗原性断片は、抗原性蛋白質より少ないIgE賦活活性を有することを特徴とする。
本発明の抗原性断片は、例えば、少なくとも1個のT細胞エピトープを含む抗原性断片が挙げられる。あるいは、少なくとも1つのB細胞エピトープを含む抗原性断片が挙げられ、例えば、該B細胞エピトープが配列表の配列番号:42〜44のいずれかに記載のアミノ酸配列から選ばれるものが挙げられる。これらの抗原性断片はペプチド合成技術を利用して化学的に合成することもできるし、遺伝子の一部を用いて形質転換された宿主細胞中で目的のエピトープが発現された組換えマラセチアアレルゲンとしても得ることができる。例えば、抗原性蛋白質を重複のない所望の長さの断片に任意に分けたり、好ましくは所望の長さの重複したペプチド断片に分け、調製する。それらのペプチド断片を抗体との結合作用を測定したり、免疫応答活性を測定する(T細胞応答性活性化作用、T細胞アナージー作用等)ことにより、抗原性を決定する。
(10)本発明の組換えマラセチア抗原性蛋白質又はその抗原性断片に対する抗体又は抗体断片
本発明は、前記組換えマラセチア抗原性蛋白質又はその抗原性断片に特異的に結合する抗体又は抗体断片を提供する。本発明の抗体は常法により得ることができ、ポリクローナル抗体でも、モノクローナル抗体のいずれでもよい。抗体断片は前記組換えマラセチア抗原性蛋白質又は抗原性断片に特異的に結合するものであれば特に限定されない。
(11)本発明の合成オリゴヌクレオチドプローブ又は合成オリゴヌクレオチドプライマー
本発明は、本発明のポリヌクレオチドとハイブリダイズする合成オリゴヌクレオチドプローブ、合成オリゴヌクレオチドプライマーを提供する。例えば、本発明は、配列番号:1〜7の塩基配列の全部または一部を含有するプローブ又はプライマーを含む。このプローブを用いたハイブリダイゼーション法により、同等の機能を有する蛋白質をコードする遺伝子を単離することができる。このプローブは、例えば前記遺伝子または遺伝子断片を適当なベクターに挿入し、大腸菌に導入して複製させた後、菌体破砕液からフェノール等により抽出する。そして、該挿入部位を認識する制限酵素で切断して電気泳動を行った後、ゲルより切り出して調製する。また、プローブは、配列番号:1〜7の塩基配列に基づき、DNA合成機による化学合成やPCRによる遺伝子増幅技術によっても調製できる。該プローブは使用時の検出感度を上げるために放射性同位体や蛍光で標識することもできる。
(12)本発明の組換えマラセチア抗原性蛋白質又は抗原性断片を有効成分とする診断薬
本発明は、本発明の組換えマラセチア抗原性蛋白質又は抗原性断片を有効成分とするマラセチアアレルギー疾患又はマラセチア感染症の診断薬を提供する。ここで述べるマラセチアアレルギー疾患とは、アトピー性気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎等、マラセチア菌が原因となるあらゆるアレルギー性疾患を言う。また、マラセチア感染症とは、癜風、マラセチア毛包炎、フケ等のマラセチア菌が原因となるあらゆる感染症をいう。
本発明のアレルギー疾患診断薬は、マラセチア菌によるアレルギー疾患に対する皮内反応診断試薬及びアレルギー診断用滴定試薬として用いられる。皮内反応診断試薬として用いる場合は、本発明の組換え抗原性蛋白質又は本発明の抗原性断片をフェノールを含む生理食塩水で溶解し、希釈し常法に従って用いられる。
また、アレルギー診断用滴定試薬として用いる場合も同様に常法により調製されるが、例えば本発明の組換え抗原性蛋白質又は本発明の抗原性断片をハンクス緩衝液で適当に溶解し、希釈してヒスタミン遊離滴定用試薬として用いる。使用方法は、通常、以下の操作手順による、即ち、アレルギー疾患患者の血液及びこの血液から遠心分離により得られた血球画分を緩衝液に懸濁した血球浮遊液の一定量に対し、該組換え抗原性蛋白質の溶液を滴定試薬として滴定し、アレルゲン刺激により好塩基球から遊離するヒスタミン量をHPLCを用いて測定する。
本発明の組換え抗原性蛋白質又は本発明の抗原性断片は、マラセチアアレルギー疾患の検出及び診断に用いることもできる。例えば、これはマラセチア菌に対する感受性を評価しなければならない患者から得た血液又は血液成分を、本発明の組換え抗原性蛋白質等と適当な条件下でインキュベートし、組換え抗原性蛋白質と血液中の成分(例えば抗体、T細胞、B細胞)との結合の程度を決定することにより診断を行うことができる。
(13)本発明の組換えマラセチア抗原性蛋白質又は抗原性断片を有効成分とする治療薬
本発明は、本発明の組換えマラセチア抗原性蛋白質又は抗原性断片を有効成分とするマラセチアアレルギー疾患又はマラセチア感染症の治療薬を提供する。マラセチア由来の抗原性断片を治療目的で用いる場合、本来のマラセチアアレルゲンとIgEが結合する場合より実質的に低い濃度で、そのようなIgEと結合し、その際、肥満細胞又は好塩基球からメディエーターを遊離しない抗原性断片が好ましい。T細胞応答性活性化作用を有すること、及び/又はT細胞アナージー作用を誘起することができるものがさらに好ましい。組換えマラセチア抗原性蛋白質又はその抗原性断片は、実験動物、ヒトのボランティアへの皮膚試験、皮内試験の他、RAST、ELISA、又はヒスタミン遊離などの試験管内試験において評価することができる。
本発明の組換え抗原性蛋白質並びにその遺伝子は、マラセチアアレルギー疾患治療剤として利用可能である。該治療剤は、前記の組換えマラセチア抗原性蛋白質、その抗原性断片、あるいはエピトープを有するペプチドを有効成分とするものであり、各種のマラセチア菌によるアレルギー疾患の治療剤として用いられる。さらに、前記の遺伝子も治療剤として利用することができ、その際、哺乳類で発現可能なベクターに挿入し、裸のDNA分子として、または適当なウイルスベクターに組み込んでウイルス粒子として投与すればよい。この投与により、トレランスを誘導し、疾患を治療することが可能である。
本発明のアレルギー疾患治療剤の調製方法は、特に制限されないが、例えば、前記の方法により調製された組換えマラセチア抗原性蛋白質、その抗原性断片、もしくはエピトープを有するペプチド、または該遺伝子をベクターに組み込んだDNA分子を乾燥して粉末状で採取し、マラセチア菌によるアレルギー疾患に対する減感作治療剤として用いられる。本発明のアレルギー疾患治療剤は、減感作治療剤として用いられる場合、そのままで、または必要に応じて一般的に用いられるアジュバントや各種の添加剤、例えば安定剤、賦形剤、溶解補助剤、乳濁化剤、緩衝剤、無痛化剤、保存剤、着色剤等を常法により添加した配合剤として用いることができる。例えば、粉末状の精製された組換えマラセチア抗原性蛋白質をフェノールを添加した生理食塩水に溶解し、減感作治療用抗原の原液として用いる。
本発明のアレルギー疾患治療剤は、通常の投与経路例えば経口、皮内、皮下、筋肉内、腹腔内等の投与経路により行うことができる。更に、例えば、トローチ、舌下剤、点眼剤、鼻腔内噴霧剤、パップ剤、クリーム剤、ローション剤等の経皮、経粘膜薬として使用することができる。本発明のアレルギー疾患治療剤の投与量及び投与回数は、投与経路、症状などに応じて成人1回あたり約20mg以下の範囲となるように適宜選択し、毎週1回程度投与される。また、本発明のアレルギー疾患治療剤は、マラセチアアレルギー疾患に対する治療剤のみならず予防剤としても有用である。アナフィラキシー誘発作用は少ないか又はなく、人体に対して安全に用いることができるからである。
本発明のマラセチアアレルギー疾患治療剤は、前記の組換え抗原性蛋白質、その抗原性断片等を有効成分とするものであり、各種のマラセチアアレルギー疾患の治療剤および予防剤として用いられる。減感作治療剤として用いるためには、エピトープを有し、かつマラセチア菌に特異的なIgEに結合しないかまたは結合しても肥満細胞もしくは好塩基球からヒスタミンを放出させないものが特に有利である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定されるものではない。
実施例1
マラセチア由来の抗原性蛋白質の単離及びその物理化学的性質
1−1)マラセチア部分精製粗抗原2782の調製
M. furfur TIMM2782株(FERM BP−5611)をディクソン培地(バクトマルトエキストラクトブロス6.0%、バクトオックスゴール 2.0% 、ツィーン40 1.0% 、グリセロールα−モノオレイン酸 0.25%)150mlを入れた500ml容三角フラスコ50本中で27℃、5 日間振とう培養して得た培養物から、遠心分離によって集めた菌体をリン酸緩衝食塩水(PBS)で5回洗浄した後、菌体湿重量の2倍量のPBSに浮遊させ、等量の0.5mm径のガラスビーズを加え、MSKセルホモゲナイザー(B.ブラウン社製)により菌体を破砕抽出した。得られた菌体破砕抽出液を遠心分離(18,000 rpm, 30 min)にかけ、上清を得た。この上清を精製水に対して透析、0.45μm のメンブレンフィルターでろ過滅菌後、凍結乾燥することによりマラセチア粗抗原2782約 900mgを得た。
前記マラセチア粗抗原2782約800 mgを0.05M トリス塩酸緩衝液(pH 8.0)に溶解して、硫安塩析を行った。硫安50%から90%飽和で沈殿する画分を遠心で集め、0.05M トリス塩酸緩衝液(pH 8.0)に溶解し、続いて同緩衝液に透析し、マラセチア部分精製粗抗原2782とした。
1−2)マラセチア由来の抗原性蛋白質の探索
マラセチア部分精製粗抗原2782を凍結乾燥後、4mg/mlとなるように2M硫酸アンモニウムを含有する0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH 7.0)で溶解後、そのうち100μlを2M硫酸アンモニウムを含有する同緩衝液(pH 7.0)で予め平衡化した Phenyl Superose PC1.6/5(カラム容積0.1 ml、ファルマシア社製)にかけ、0.1 M同緩衝液で硫酸アンモニウム2Mから0Mまでの直線的グラジエント溶出を行った。得られた抗原性蛋白質含有画分をビストリス緩衝液(pH 6.5)に対して透析した後、MonoQ PC 1.6/5(カラム容積0.1 ml、ファルマシア社製)にかけ、同緩衝液で食塩0 M から0.3 M までの直線的グラジエント溶出を行った(図1、流速:100 μl /分、検出:280 nm)。50μl ずつ26本に分画後、分画1〜20について患者血清を用いたDirect RAST(EIA)法によるIgE抗体結合性を調べた。
即ち、各分画を0.01% ツィーン20入り0.1 M ほう酸緩衝液(pH8.0 )で10、100 、1000倍希釈し、その45μl を臭化シアンで活性化したペーパーディスクにカップリングし、ついでエタノールアミンでブロッキングした。その後、各ディスクに5倍希釈したプール血清(RAST法で高値を示した患者血清10名分をまとめたもの)50μl ずつを加えて、その後、希釈したβ−ガラクトシダーゼ標識ヤギ抗ヒトIgE抗血清を反応させ、酵素基質を加え、415nm の吸光度を測定した。その結果を図2に示した。図2より複数のアレルゲン蛋白質が存在することが明らかであるが、例えばフラクション6及びフラクション12、13付近に患者IgEと結合する蛋白質が存在する。
また、各分画をSDS−PAGE後、クーマシーブリリアントブルー(CBB)染色により蛋白質の検出(図3)を行うと共に、代表的画分について下記のようにイムノブロッティングを行った。
即ち、それぞれの画分をSDS−PAGE後、ニトロセルロース膜へトランスファーし、3%ウシ血清アルブミン(BSA)でブロッキングし、そして患者プール血清で処理した。その後、希釈したアルカリフォスファターゼ標識ヤギ抗ヒトIgE抗血清を反応させ、酵素基質を加え、アレルゲン蛋白質を検出した。その結果、図4のように、複数のアレルゲン蛋白質の存在が明らかとなった。例えば、フラクション12に、SDS−PAGE上の20 kDa付近に検出される蛋白質(アレルゲンMF−1として単離した)等がアレルゲン蛋白質として含まれていることが明らかである。フラクション6には、フラクション12の20 kDaとほぼ同じ分子量のアレルゲン蛋白質(アレルゲンMF−2として単離した)および80 kDa付近に検出される蛋白質等が含まれていることが明らかである。
1−3)精製抗原性蛋白質MF−1、MF−2、MF−3、MF−4及びMF−13の単離
前記のマラセチア部分精製粗抗原2782の凍結乾燥物0.25mgをビストリス緩衝液(pH 6.5)溶液1mlに溶解後、1−2)に示したMono Qによるクロマトグラフィーと同様の方法で、Mono Q HR 5/5 (カラム容積1ml、ファルマシア社製)にかけ、ピーク1(図1のフラクション 5, 6 対応分画) 、ピーク2(図1のフラクション10, 11, 12対応分画) 、ピーク3(図1のフラクション15, 16対応分画) 、ピーク4(図1のフラクション18, 19, 20対応分画)を集めた。それぞれのピークについて、ゲルろ過、疎水クロマトグラフィー、最後にMono Qによるイオン交換クロマトグラフィーを行い、ピーク1よりMF−2、ピーク2よりMF−1、ピーク3よりMF−3、ピーク4よりMF−4と命名した、純粋な抗原性蛋白質を単離した。また、マラセチア部分精製抗原2782のMono Q非吸着画分を疎水クロマトグラフィーにかけ、MF−13と命名した純粋な抗原性蛋白質を単離した。単離された5種類の蛋白質については、上記の患者プール血清を用いたEIA 法によるIgE抗体結合性を調べることにより、マラセチアアレルゲン蛋白質であることを確認した。
精製方法について詳しく説明すると、Mono Qにより分離されたピーク1〜4をそれぞれ4M 硫酸アンモニウムを含有する0.1 M リン酸カリウム緩衝液(pH7.0 )で2倍に希釈後、 2M 硫酸アンモニウムを含有する0.1 M リン酸カリウム緩衝液(pH7.0 )で予め平衡化した Phenyl Superose PC1.6/5 (カラム容積 0.1ml、ファルマシア社製)にかけ、0.1 M 同緩衝液で硫酸アンモニウム2M から0M までの直線的グラジエント溶出を行った。得られた抗原性蛋白質含有画分を限外濾過膜(MW 10,000 )で濃縮後、セファデックスG-75スーパーファインカラム(1.5 x 100 cm)によるゲルろ過クロマトグラフィーを行い、分子量4万付近に溶出される画分を得た。さらに、得られたゲルろ過物を再度Mono Q PC 1.6/5 によるイオン交換クロマトグラフィーを行い、前記と同様の溶出を行い、抗原性蛋白質を単離した。即ち、ピーク2よりMF−1(図5)、ピーク1よりMF−2を(図6)、ピーク3よりMF−3を(図7)、ピーク4よりMF−4を(図8)単離した。また、Mono Q非吸着画分を上記と同じ Phenyl Superose PC1.6/5 (カラム容積 0.1ml、ファルマシア社製)にかけ、0.1 M 同緩衝液で硫酸アンモニウム2M から0M までの直線的グラジエント溶出(図24)を行い、MF−13と命名した、純粋な抗原性蛋白質を単離した。
1−4)二次元電気泳動によるMF−1〜4の同定及び精製抗原性蛋白質MF−5〜12の単離
さらに前記のマラセチア部分精製粗抗原2782の150μgを8M尿素、0.5%NP−40、2%β−メルカプトエタノール、0.8%Pharmalyte(ファルマシア製)、0.01%ブロモフェノールブルーを含む溶液に溶解した。一次元目の等電点電気泳動は、Immobiline DryStrip ゲル(pH4〜7、ファルマシア製)を用いて常法により行った。二次元目のSDS−PAGEは、ExelGel SDS-Homogeneous(12.5%、ファルマシア社製)を用いて行った後、CBB染色により蛋白質の検出(図9)を行うと共に、PVDF膜(ミリポア社製)に転写後、皮膚テストにおいて粗抗原に対して陽性で、RAST法で高値を示したアレルギー患者血清(IgE抗体)および健常者血清(IgE抗体)を用いてイムノブロットを行い、陽性スポットを検出した(図10)。陽性スポットのうち、陽性率が高いと判断された分子量約21kDaで等電点約5.3、分子量約20kDaで等電点約5.8、分子量約27kDaで等電点約6.5、分子量約26kDaで等電点約6.3のスポットについて、N末端配列の結果などをもとに、各々MF−1、MF−2、MF−3、およびMF−4であると同定した。また、新たに分子量約66kDa、等電点約6.1(MF−5と命名)、及び分子量約43kDa、等電点約6.2(MF−6と命名)、分子量約15kDa、等電点約6.0(MF−7と命名)、分子量約30kDa、等電点約5.4(MF−8と命名)、分子量約40kDa、等電点約5.3(MF−9と命名)、分子量約44kDa、等電点約6.2(MF−10と命名)、分子量約45kDa、等電点約6.4(MF−11と命名)、分子量約100kDa、等電点約5.0(MF−12と命名)の蛋白質がアレルギー患者IgE抗体に結合する蛋白質であることを見出し、これらの蛋白質をゲルより抽出し、単離した。
1−5)精製抗原性蛋白質MF−1、MF−2、MF−3、MF−4、MF−5、MF−6、MF−7 、MF−8 、MF−9 、MF−10、MF−11、MF−12、MF−13の物理化学的性質
単離したMF−1、MF−2、MF−3、MF−4、MF−13はSDS-PAGEで単一のバンドを示した(図11)。MF−1〜MF−13のSDS-PAGE、等電点電気泳動による分析の結果を表1に示した。MF−1〜4の未変性下での等電点電気泳動は、IsoGel Plate pH3〜10(FMC社製)を用いて常法により行った。MF−5〜12のSDS−PAGE、等電点電気泳動による分析結果は図9の二次元電気泳動の結果より算出した。
Figure 0003983246
1−6)精製抗原性蛋白質MF−1、MF−2、MF−3、MF−4、MF−13の大量調製
上記のマラセチア部分精製粗抗原2782の0.05M トリス塩酸緩衝液(pH 8.0)溶液を予め同緩衝液で平衡化しておいたDEAE−セルロースカラムに吸着させた。同緩衝液で洗浄後、0.1M、0.2M、0.5Mの食塩を含む同緩衝液で段階的に溶出させた。0.1M食塩入り緩衝液溶出画分を限外濾過膜(MW 10,000 )で濃縮後、セファクリルS-200HR カラムクロマトグラフィー(1.5 x 90cm)にかけた。見掛け上の分子量3〜5万の溶出画分を集め、限外濾過膜(MW 10,000 )で濃縮後、セファデックスG-75スーパーファインカラム(1.5 x 100 cm)でクロマトグラフィーを行い、分子量約4万に溶出される画分F2を得た。このF2画分を0.5M食塩入り0.05M トリス塩酸緩衝液(pH 8.0)に対して透析後、予め亜鉛イオンをキレートさせ、同緩衝液で平衡化したキレーティングセファロースファーストカラム(1 x 15 cm )クロマトグラフィーにかけた。同緩衝液で洗浄後、緩衝液のpHを7.0 、6.0 、5.0 、4.0 と低下させて溶出した。pH 5.0の緩衝液で溶出される画分を集め濃縮後、セファデックスG-75スーパーファインカラム(1.5 x 100 cm)クロマトグラフィーで更に精製することにより、MF−2を単離した。
亜鉛キレートクロマトグラフィーにおける素通り画分は、次に銅キレートクロマトグラフィーで精製した。即ち、予め銅イオンをキレートさせ、0.5M食塩入り0.05M トリス塩酸緩衝液(pH 8.0)で平衡化したキレーティングセファロースファーストカラム(1 x 15 cm )クロマトグラフィーを行った。同緩衝液で洗浄後、緩衝液のpHを7.0 、6.0 、5.0 、4.0 と低下させて溶出した。pH 4.0溶出画分を限外濾過膜(MW 10,000 )で濃縮後、前記セファデックスG-75スーパーファインカラムクロマトグラフィーで更に精製し、分子量約4万の溶出画分MF−1を得た。また、素通り画分は限外濾過膜(MW 10,000 )で濃縮後、前記セファデックスG-75スーパーファインカラムクロマトグラフィーで精製し、分子量約4万の溶出画分を取得後、更にMono Q陰イオン交換カラムクロマトグラフィーにより精製し、MF−3及びMF−4を単離した。
上記のマラセチア部分精製抗原2782DEAE−セルロースカラム非吸着画分の一部を0.05M NH4HCO3 で平衡化したHiLoad 16/60 Superdex 75pg(ファルマシア社製)にかけ、分子量2万以下の画分を集めた。得られた画分を0.05M 酢酸緩衝液(pH5) で平衡化したHiTrap SP に吸着させ、0.2M NaCl を加えた同緩衝液で溶出させた。溶出画分を0.05M NH4HCO3 で平衡化したHiLoad 16/60 Superdex 75pgにかけ、MF−13を単離した。
最終的に、約 0.5gのマラセチア部分精製粗抗原2782を出発材料として用い、MF−1、MF−2、MF−3、MF−4、MF−13を各々10mg、2mg、3mg、2mg、2mgずつ得た。このように大量調製された抗原性蛋白質は、SDS電気泳動、等電点電気泳動、N末端アミノ酸配列分析において、前記1−4)及び実施例10で述べた結果と同様であった。
実施例2
モノクローナル抗体の作製
2−1)マウスの免疫、細胞融合及びハイブリドーマのクローニング
実施例1のようにして得られた、精製抗原性蛋白質MF−1、MF−2及びMF−3を、それぞれ10μg ずつフロイント完全アジュバントに懸濁させ、5週令の雄のBALB/cマウスの腹腔内に投与した。4週後に、フロイント完全アジュバントに懸濁させたアレルゲン20μg で腹腔内に追加免疫後、更にその4週後に生理食塩水に溶解した同じアレルゲン20μg を静脈内に投与した。
最終免疫から3日後に脾臓細胞を取り出し、4:1の割合でミエローマ細胞(P3X63-Ag8.653 )と混合し、43% ポリエチレングリコール2000を加えて細胞融合を実施した。これを96穴マイクロプレートのウェルに脾臓細胞2x 105 個/ウェルの割合でまき込み、HAT 培地中でハイブリドーマを選択的に増殖させた。培養上清を用いて目的の抗体産生の有無をELISA により測定し、抗体産生細胞を選択した。その結果、精製抗原性蛋白質MF−1に対するM−40モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマのクローンとして5B4株(FERM BP−5608)を取得した。精製抗原性蛋白質MF−2に対するM−3モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマのクローンとして8G11株(FERM BP−5609)を取得した。精製抗原性蛋白質MF−3に対するM−1モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマのクローンとして10C1株(FERM BP−5610)を取得した。
2−2)腹水の調製及びモノクローナル抗体の精製
予めプリスタンで前処理したヌードマウスの腹腔内に107 個のハイブリドーマを注射して増殖させ、1〜2週後に腹水を採取した。得られた腹水からプロテインAカラムのキット(アマーシャム社製)によりモノクローナル抗体を精製した。MF−1に対するM−40モノクローナル抗体、MF−2に対するM−3モノクローナル抗体、MF−3に対するM−1モノクローナル抗体を得た。これらのモノクローナル抗体のアイソタイプは、すべてIgG1であった。
2−3)モノクローナル抗体の固定化カラムの調製及び同カラムを用いた抗原性蛋白質MF−3の精製
上記のM−1モノクローナル抗体15mgをカップリング緩衝液(0.1M NaHCO3, 0.5 M NaCl, pH 8.3 )で透析後、1gの臭化シアン活性化セファロース4B(ファルマシア社製)に常法に従ってカップリングさせ、抗体の固定化樹脂を調製した。
得られた樹脂を5mlの小カラムに移し、マラセチア部分精製粗抗原2782を40mgとり、これを0.05M トリス塩酸緩衝液(pH 8.0)に溶解後、カラムにかけた。0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH 8.0)で充分に洗浄後、抗体に結合した抗原性蛋白質を0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH 2.5 )で溶出した。溶出液は直ちに1M トリス塩酸緩衝液(pH 8.0)を加えて中性に戻した後、限外ろ過膜(MW 10,000)で濃縮後、上記と同様にセファデックスG-75スーパーファインカラム(1.5 x 100 cm)によるゲルろ過クロマトグラフィーを行い、純度の高いMF−3を約300 μg 単離した。
実施例3
精製抗原性蛋白質の診断への応用
3−1)RAST法による特異的IgE抗体の測定方法
臭化シアンによるペーパーディスクの活性化、及び精製アレルゲンのペーパーディスクへのカップリングは宮本らの方法(アレルギー、22巻、584−594頁、1973年)に準じて行った。ポリスチレンチューブにアレルゲンをカップリングさせたペーパーディスク1枚と患者血清50μl を加えて、室温で3時間インキュベートした。0.2%のツィーン20を含む生理食塩水でペーパーディスクを3回洗浄後、ファルマシア製RAST-RIAキットの 125I標識抗ヒトIgE抗体50μl を加えて室温で一晩インキュベートした。再度3回洗浄後、ガンマカウンターで放射能を測定した。同時に測定したキットのリファレンス試薬で作成した標準曲線からIgE抗体価を算出した。標準曲線の上限(>17.5 PRU/ml )より高い値が得られた検体は、ウマ血清で10倍、又は100 倍に希釈してから再測定を行い、抗体価を算出した。
3−2)精製抗原性蛋白質MF−1、MF−2、MF−4、MF−13による診断
アトピー性皮膚炎(Atopic Dermatitis:以下ADと略す。)、アレルギー性喘息(Bronchial Asthma:以下BAと略す。)及び両方の合併(AD+BA)の患者に対して、マラセチア粗抗原による皮膚試験を実施したところ、AD患者が57名中43名(75%)、BA患者が919名中108名(12%)、AD+BA患者が102名中47名が陽性であり、AD患者で非常に高い陽性率を示した。また、皮膚テスト陽性のAD、BA、及びAD+BA患者中、各々100%、59%、及び85%の患者がRAST法によるIgE抗体測定において陽性であった。
マラセチア粗抗原を用いた皮膚試験で陽性、更にRAST陽性(スコア1以上)の患者76例(AD:30名,BA:20名,AD+BA:26名)を対象にして、3種類の精製抗原性蛋白質MF−1、MF−2、MF−4に対するIgE抗体価をRAST法(RIA法) で測定した。皮膚試験陰性者(健常人)12名についても同様に抗原性蛋白質に対するIgE抗体価を測定した。その結果、表2に示すように非常に高率に患者血清中に抗原性蛋白質に対するIgE抗体が存在することが明確になった。特に、MF−1、MF−2に対する陽性率が高かった。更に、驚くべきことにIgE抗体価が非常に高く(表3)、特にADの患者ではMF−1、MF−2に対して平均100 PRU、最高1000PRUを超える患者もあった。また、マラセチア粗抗原に対するRAST陽性の患者全員の血清中に精製抗原性蛋白質MF−1、MF−2、MF−4のいずれかに対するIgE抗体が存在していた。
また、マラセチア粗抗原を用いた皮膚試験で陽性、更にRAST陽性のAD患者11例について、MF−13に対するIgE抗体価をRAST法で測定した。その結果、11名中9人がRAST陽性であった。
Figure 0003983246
Figure 0003983246
3−3)精製抗原性蛋白質MF−1、MF−2、MF−3、MF−4の免疫学的性質
患者プール血清を用いたRASTcross-inhibitionテストで、3種の精製抗原性蛋白質(MF−1、MF−2、MF−4)の交差反応性を見たところ(表4)、互いに交差しなかった。即ち、それぞれに対して特異的IgE抗体が患者血清中に存在することが明らかとなった。
Figure 0003983246
次に、精製抗原性蛋白質MF−1、MF−2、MF−4を段階的に希釈し、抗原としての強さをDirect RAST EIA 法により測定した。すなわち、精製抗原性蛋白質MF−1、MF−2、MF−4の希釈液を臭化シアンで活性化したペーパーディスクにカップリングし、ついでエタノールアミンでブロッキングした。その後、各ディスクに5倍希釈したプール血清50μlずつを加えて、その後、希釈したβ−ガラクトシダーゼ標識ヤギ抗ヒトIgE抗血清を反応させ、酵素基質を加え、415nmの吸光度を測定した。その結果を図12に示したが、MF−1が最も低濃度で患者血清IgEに結合することが明らかとなった。
また、精製抗原性蛋白質MF−3を段階的に希釈し、抗原としての強さをELISA 法により測定した。すなわち、精製抗原性蛋白質MF−3の希釈液をマイクロプレートにコーティングした後、0.01%ツィーン20を含む生理食塩水で洗浄し、3%BSAを含むPBSでブロッキングし、0.01%ツィーン20を含む生理食塩水で洗浄した後、プール血清を加えた。37℃、2時間放置後、二次抗体であるペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ヒトIgE抗血清を加え、次に基質溶液を加え、発色後、450nmの吸光度を測定した。その結果を図13に示した。
実施例4
精製抗原性蛋白質MF−2のシステイン残基のピリジルエチル化物の調製
精製抗原性蛋白質MF−2(0.04mg)をホウ酸緩衝食塩水(pH 8.0)200 μl に溶解し、これに800 μl の5M塩酸グアニジン、1 μl の4−ビニルピリジン、2μl のトリブチルホスフィンを加えた。窒素ガス置換後、37℃で一晩反応、そしてHPLC(カラム:μ-Bondasphere C4-300 、2×150mm 、ウォーターズ(Waters) 社製;溶媒:0.05% TFA /水で15分洗浄、60分後0.05% TFA/アセトニトリル80%となるように直線的グラジエント溶出;流速:220 μl /分;検出:220nm ;カラム温度:40℃、図14)により単離精製した。得られたものは、非還元条件(メルカプトエタノール非存在)下でのSDS電気泳動において20kDa付近に泳動されること、また、リジルエンドペプチダーゼ消化後得られたペプチド断片(図15)のうち、配列番号47及び48のN末端アミノ酸配列を有するペプチド断片(各々28.20、31.15に溶出)がピリジルエチルシステイン基を有することから、MF−2のピリジルエチル化物であることが明らかとなった。得られたMF−2のピリジルエチル化物は、MF−2と同様にマラセチアアレルギー患者血清IgEへ結合することが、SDS電気泳動後のイムノブロッティングにより確認された。
実施例5
精製抗原性蛋白質MF−3由来の抗原性断片ペプチドの単離
精製抗原性蛋白質MF−3(0.04 mg )をホウ酸緩衝食塩水(pH 8.0)100 μl に溶解し、これに900 μl の5M塩酸グアニジン、1 μl の4−ビニルピリジン、2μl のトリブチルホスフィンを加えた。窒素ガス置換後、37℃で一晩反応、そしてHPLC(カラム:μ-Bondasphere C4-300 、2×150mm 、ウォーターズ(Waters)社製;溶媒:0.05% TFA /水で15分洗浄、60分後0.05% TFA/アセトニトリル80%となるように直線的グラジエント溶出)により単離精製した。得られた精製抗原性蛋白質MF−3の塩酸グアニジン処理体に50mM N−エチルモルフィン−酢酸(pH 9.0)100 μl 、リジルエンドペプチダーゼ(Achromobacter protease I、和光純薬社製)を加え、37℃で一晩反応後、HPLC(カラム:μ-Bondasphere C18-300、2×150mm 、ウォーターズ(Waters)社製;溶媒:0.05% TFA/水から0.05% TFA/アセトニトリル60%までの直線的グラジエント溶出;流速:200 μl /分;検出:214nm ;カラム温度:40℃;図16)にかけた。各ペプチド断片を分取、凍結乾燥後、各ペプチド断片についてマラセチアアレルギー患者血清IgEに対する結合性を下記のようにELISA法により測定した。
即ち、各ペプチド断片(各約10〜100pmol)をペプチドコーティングキット(宝酒造製)を用いて、マイクロプレートにコーティング後、0.01% ツィーン20を含む生理食塩水で洗浄し、3%BSAでブロッキングし、そして患者血清で処理した。その後、希釈したペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ヒトIgE抗血清を反応させ、酵素基質を加え、一定時間後吸光度を測定し、抗原性断片を検出した。その結果、20.02 、21.41 、24.07 分付近に溶出されるピークに患者血清IgEと結合する抗原性断片が存在すると思われた。これらのうち、21.41 分のピークはHHQTYVNNLNAAXK(配列番号:58、Xは未決定のアミノ酸である)からなるアミノ酸配列を有するペプチドが含まれていた。
実施例6
リンパ球幼若化試験
被験者[アレルギー患者8名(表5中No. 1〜8)、健常人2名(表5中No. 9、10)]より静脈血をヘパリン採血し、フィコール比重遠心法でリンパ球を分離した。細胞数が5×105 /mlになるように10%FCS添加RPMI1640培地で調製後、0.2ml ずつ96ウェルマイクロプレートに分注し、上記のマラセチア部分精製粗抗原2782を10、100 μg/mlとなるように、精製抗原性蛋白質(MF−1、MF−2、MF−4)を1、10μg/mlとなるように添加し、5%CO2 、37℃で高湿度条件下に5日間培養した。4日目に、0.5 μCiのトリチウム化(3H) −チミジンを加えた。培養終了後、リンパ球を集め、液体シンチレーションカウンターで 3H−チミジン取り込み量を測定した。実験は3連で行い、その平均値を用い、抗原非添加群と添加群の 3H-チミジン取り込み量の比をSI(stimulation index )として表わした。結果を表5に示した。表5より明らかなように、患者No. 4由来のリンパ球は、精製抗原性蛋白質MF−1、MF−2に反応して増殖している。また、患者No. 1、No. 6由来のリンパ球は特にMF−2に反応して増殖している。
Figure 0003983246
実施例7
マラセチアアレルギー皮内反応診断試薬および診断用滴定試薬の調製
精製されたアレルゲン活性成分を乾燥して粉末状で採取して、マラセチアアレルギー疾患に対する皮内反応診断試薬及びマラセチアアレルギー診断用滴定試薬として用いる。皮内反応診断試薬には0.5 %フェノールを添加した0.9 %生理食塩水を溶媒とし、アレルゲン活性成分の20万倍希釈液を調製して用いる。また、マラセチアアレルギー診断用滴定試薬には、アレルゲン活性成分を1mg/mlの濃度でハンクス緩衝液に溶解し、これをヒスタミン遊離滴定用試薬の原液としてその希釈液を用いる。
実施例8
減感作治療用抗原製剤の調製
精製されたアレルゲン活性成分を乾燥して粉末状で採取して、マラセチアアレルギー疾患に対する減感作治療剤として用いる。アレルゲン活性成分を1mg/mlの濃度で0.5 %フェノールを添加した0.9 %生理食塩水に溶解し、減感作治療用抗原の原液とする。
実施例9
室内塵中の精製抗原性蛋白質MF-1の定量とマラセチアの培養
気管支喘息患者住居の室内や寝具などから掃除機により塵を一定条件で採集した。MF−1の定量は、ウサギポリクローナル抗体と実施例2−2)で得られたマウスモノクローナル抗体(M−40)を用いるサンドイッチELISA法で行い、塵は1:10(w/v)で抽出した上清をMF−1定量のための試料とした。マラセチアの培養のためには、塵を滅菌水で1:10(w/v)となるように混濁し、平板培地上にまいた。また、寝具表面に滅菌テープを一度貼り、剥がして平板培地上に置いた。培地はPDA、M40YA、ディクソン寒天培地を用いて、25℃で1週間培養後コロニー数を算定した。
サンドイッチELISA法により、1ng/g塵以上のMF−1の定量が可能であり、寝具由来の塵24検体中16検体に87.1〜1.1ng/g塵のMF−1が検出された。テープ法による寝具表面のマラセチアの培養成績は、24検体中10検体が陽性であった。なお、24検体中、サンドイッチELISA法によるMF−1の検出結果と培養成績の結果が一致していた検体は、陽性8検体、陰性6検体の合計14検体(58%)であった。
実施例10
精製抗原性蛋白質MF−1、MF−2、MF−3、MF−4、MF−5、MF−6、MF−7、MF−10、MF−13の部分アミノ酸配列の決定
N末端アミノ酸配列分析を常法により行った。その結果、MF−1は
Pro Gly Asp Pro Thr Ala Thr Ala Lys Gly Asn Glu Ile Pro Asp Thr Leu Met Gly Tyr Ile Pro Trp Thr Pro Glu Leu Asp(配列番号:45)
のアミノ酸配列を有することが明らかとなった。
MF−2については、N末端がブロックされていたため、ピリジルエチル化後、リジルエンドペプチダーゼで消化し、得られたペプチド断片をC18 逆相HPLCにより分析した。得られた種々のピークを分取し、いくつかについてアミノ酸配列決定を行い、27.07 、28.20 、31.15 分に溶出された3種類のペプチド断片のN末端アミノ酸配列をそれぞれ、
Val Glu Tyr Phe Gly Ile Asp Glu Gly Glu Pro Lys(配列番号:46)
Asp Asn Leu Thr Phe Ala Gln Asp Val Asn Cys Glu Phe(配列番号:47)、
Val Val Ile Val Ala Val Pro Gly Xaa Phe Thr Pro Thr Cys Thr Ala Asn His Val Pro Xaa Tyr Xaa Glu(配列番号:48)(Xaa は未決定のアミノ酸である)、
と決定した。
MF−3についても、N末端がブロックされていたため、ピリジルエチル化後、リジルエンドペプチダーゼで消化し、得られたペプチド断片をC18 逆相HPLCにより分析した。得られた種々のピークを分取し、いくつかについてアミノ酸配列決定を行い、35.68 、36.68 、29.15 分に溶出された3種類のペプチド断片のN末端アミノ酸配列をそれぞれ
Asp Gln Asp Pro Leu Thr Thr His His Pro Val Ile Gly Trp Asp Xaa Xaa Glu His Ala(配列番号:49)(Xaa は未決定のアミノ酸である)、
Ala Trp Trp Asn Val Val Asn Trp Ala Glu Ala Glu Lys(配列番号:50)、
Phe Xaa Gly Gly Gly His Ile Asn Xaa Ser Leu Phe(配列番号:51)(Xaa は未決定のアミノ酸である)、
と決定した。
また、MF−4は、N末端アミノ酸配列分析の結果、
Lys Tyr Thr Leu Pro Pro Leu Pro Tyr Asp Tyr Gly Ala Leu Glu Pro Ala Ile Ser Gly Glu Ile Met Glu Thr His Tyr Glu Lys His(配列番号:52)
のアミノ酸配列を有することが明らかとなった。
また、MF−5は、N末端アミノ酸配列分析の結果、
Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Glu Pro Tyr Asp Val Ile Val Ile Gly Gly Gly Pro Gly Gly Tyr Val Ala Xaa Xaa Lys Xaa Xaa Gln (配列番号:53)(Xaa は未決定のアミノ酸である)
のアミノ酸配列を有することが明らかとなった。
また、MF−6は、N末端アミノ酸配列分析の結果、
Arg Lys Val Ala Val Leu Gly Ala Ser Gly Gly Ile Gly Gln Pro Leu Ser Leu Leu Met Lys Leu Asn Pro Lys Val Thr Glu Leu Arg (配列番号:54)
のアミノ酸配列を有することが明らかとなった。
また、MF−7は、N末端アミノ酸配列分析の結果、
Gly Asn Asn Gly Leu Ser Glu Val Val Tyr Lys Pro Asp Xaa Gln Xaa Thr Xaa Glu Phe Xaa Val Ile (配列番号:55)(Xaa は未決定のアミノ酸である)
のアミノ酸配列を有することが明らかとなった。
また、MF−10は、N末端アミノ酸配列分析の結果、
Val Asp Gln Xaa Tyr Phe Gly Leu Xaa (配列番号:56)(Xaa は未決定のアミノ酸である)
のアミノ酸配列を有することが明らかとなった。
また、MF−13は、N末端アミノ酸配列分析の結果、
Ser Asn Val Phe Phe Asp Ile Thr Lys Asn Gly Ser Pro Leu Gly Thr Ile Lys Phe Lys Leu Phe Asp Asp Val(配列番号:57)
のアミノ酸配列を有することが明らかとなった。
その他の抗原性蛋白質はN末端ブロック等のために解析できなかった。
既知蛋白質とのホモロジー検索の結果、MF−2は、配列番号:48の部分アミノ酸配列がカンジダ・ボイジニ(Candida boidinii)由来のペルオキシゾーム膜蛋白質(PMP−20)と、MF−3は上記の部分アミノ酸配列が鉄/マンガン−スーパーオキシドジスムターゼとホモロジーのある蛋白質であることが明らかとなった。また、MF−4は、上記のN末端アミノ酸配列が、MF−3と同じく鉄/マンガン−スーパーオキシドジスムターゼとホモロジーのある蛋白質であることが明らかとなった。また、MF−5は上記のN末端アミノ酸配列からデヒドロリポアミドデヒドロゲナーゼとホモロジーのある蛋白質であることが明らかとなった。また、MF−6は上記のN末端アミノ酸配列からマレートデヒドロゲナーゼとホモロジーのある蛋白質であることが明らかとなった。また、MF−7、MF−10についてはそれらのN末端アミノ酸配列からは既知の蛋白質とのホモロジーは見出せなかった。またMF−13は上記のN末端アミノ酸配列からシクロフィリンとホモロジーのある蛋白質であることが明らかとなった。
実施例11
M.ファーファ由来の抗原性蛋白質MF−1遺伝子のクローニング
11−a)M.ファーファからの全RNAの精製
M.ファーファTIMM2782株の菌体より全RNAを得るため、該菌株を300mlのYNB培地(0.67%バクトイーストナイトロゲンベース、0.5%バクトカシトン、0.1%ツィーン60、2.0%グルコース、5%MEM−ビタミン液)で72時間培養後、3000rpmで15分間の遠心分離により集菌し、菌体を液体窒素により急速凍結した。乳鉢により凍結菌体を粉末状に破砕した後、RNAエクストラクションキット(ファルマシア社製)により1.3mgの全RNAを回収、精製した。
11−b)MF−1遺伝子のRT−PCRによる増幅
実施例10に記載のMF−1蛋白質のN末端からのアミノ酸配列より推定されるオリゴヌクレオチドMF1F1とMF1F2を合成、精製しPCRのプライマーとした。MF1F1とMF1F2の塩基配列は、それぞれ配列表の配列番号:15と16に示す。実施例11−a)で精製された全RNA1μgを用いて、RNA PCR キットVer.2(宝酒造社製)を使用し、RT−PCR法によりMF−1cDNAを増幅した。具体的には、オリゴ(dT)20−M4アダプタープライマーを用いて、1μgの全RNAからAMV逆転写酵素の反応(42℃、60分間)によりcDNAを合成した。このcDNAを鋳型とし、MF1F1とキットに含まれているM13M4プライマーを用いて、94℃で1分、55℃で2分、72℃で1.5分の温度シフトを40サイクル繰り返し、PCR反応を行った。さらに、このPCR反応液を鋳型として、2回目のPCR反応(nested PCR反応)を行った。この反応では、MF1F2とM13M4プライマーを使用した。PCRの結果、約570bpの長さのcDNA断片が増幅した。このcDNAをpUC118ベクター(宝酒造社製)にクローニングした後、塩基配列を決定した。その塩基配列を配列表の配列番号:17に示す。配列番号:17より予想されるアミノ酸配列は、MF−1蛋白質より決定したアミノ酸配列と一致したことから、このcDNA断片はMF−1遺伝子であることが明らかとなった。
11−c)M.ファーファのcDNAライブラリーの作製
オリゴテックス−dT30<スーパー>(宝酒造社製)を用いて、実施例11−a)の全RNA1mgから20μgのポリ(A)+ RNAを精製した。該ポリ(A)+ RNA5μgを用いて、cDNA合成キット(宝酒造社製)によりcDNAを合成した。合成されたcDNAとラムダファージベクターλSHloxTM(ノヴァジェン社製)と連結した後、ファージメーカーシステムとファージパックエクストラクト(ノヴァジェン社製)によりインビトロパッケージングを行い、cDNAライブラリーを構築した。
11−d)MF−1cDNAのクローニング
実施例11−c)で得られたcDNAライブラリーを宿主大腸菌ER1647株に感染させ、トップアガロース(0.7%バクトアガーを含むLB培地)と混合後、LBプレート上に重層し、37℃で一晩培養することによりプラークを形成させた。生じたプラークをナイロンメンブレン(Hybond−N、アマシャム社製)へ移し、プラークハイブリダイゼーションを行った。実施例11−b)で得られたMF−1の約570bpのcDNA断片を、ランダムプライマーDNAラベリングキット(宝酒造社製)を用いて[ α−32P] dCTPで標識し、ハイブリダイゼーションのプローブとして使用した。1.6×105 個のプラークをスクリーニングした後、陽性のクローンの中からシグナルの強い10個のクローンについて、さらに解析した。すなわち、大腸菌内でのオートマチックサブクローニングにより、これらのファージからMF−1cDNAを含む領域を自動的にサブクローニングされたプラスミドを有する大腸菌を得た。これらの大腸菌からプラスミドを精製し、最長の600bpのcDNAを含むpMF1−7を選んだ。該cDNAをpUC118ベクター(宝酒造社製)へサブクローニングし、塩基配列を決定した。その塩基配列は配列表の配列番号:1に示す通りであり、MF−1遺伝子は、配列表の配列番号:8に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしている。
11−e)M.ファーファからのゲノムDNAの精製
M.ファーファTIMM2782株の菌体よりゲノムDNAを得るため、該菌株を200mlのYNB培地で72時間培養後、3000rpmで15分間の遠心分離により集菌し、洗浄液(0.9%NaCl、0.05%ツィーン80)で5回、PKバッファー(0.15M NaCl、0.1M Tris−HCl(pH7.5)、10mM EDTA)で3回洗浄した。菌体を8mlのPKバッファーに懸濁した後、等容量のガラスビーズ(径425〜600μm、シグマ社製)を加え、ミニービードビーダー(バイオスペス プロダクツ社製)により菌体を破砕した。菌破砕液にプロテアーゼKとSDSをそれぞれ終濃度0.15mg/ml、1%(w/v)となるように加え、ゆっくりと攪拌しながら50℃で3時間処理した。該破砕液をフェノール抽出、フェノール/クロロホルム抽出、及びクロロホルム抽出(各1回)し、エタノール沈殿を行って核酸を精製した。10000rpmで15分間の遠心分離により得られた核酸をTEバッファー(10mM Tris−HCl、1mM EDTA)に溶解した後、RNアーゼAを終濃度40μg/mlとなるように加え、37℃で40分間処理した。該溶液をフェノール抽出、フェノール/クロロホルム抽出及びクロロホルム抽出(各1回)し、エタノール沈殿によりDNAを回収、精製した。
11−f)MF−1ゲノムDNAのクローニング
実施例11−e)で得られたゲノムDNAをBamHI又はPstIにより完全切断した後、それぞれの断片をpUC118ベクターにクローニングし、2種類のゲノムDNAライブラリーを作製した。実施例11−d)で得られたMF−1のcDNAをプローブとして用いて、該ライブラリーからMF−1ゲノムDNAをコロニーハイブリダイゼーションによりスクリーニングした。BamHI断片を含むライブラリーより8.5kbp、PstI断片を含むライブラリーより4.9kbpのDNAを含むクローンが得られた。4.9kbpのPstI断片について、cDNAの塩基配列をもとにして、塩基配列を決定した。MF−1遺伝子を含むゲノムDNAの塩基配列は、配列表の配列番号:18に示す。この塩基配列よりMF−1遺伝子は、配列表の配列番号:19に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしている。
さらに、ゲノムDNAには37bpと39bpのイントロンが2ヶ所存在していることが明らかになった。ゲノムDNAとcDNAの関係を図23に示す。
実施例12
M.ファーファ由来の抗原性蛋白質MF−2遺伝子のクローニング
12−a)MF−2遺伝子のRT−PCRによる増幅
実施例10に記載のMF−2蛋白質の内部アミノ酸配列より推定されるオリゴヌクレオチドMF2F1を合成、精製しPCRのプライマーとした。MF2F1の塩基配列は、配列表の配列番号:20に示す。実施例11−b)に記載の方法に従って、RT−PCRを行い、MF−2cDNA断片を増幅した。PCR反応にはMF2F1とM13M4プライマーを用いた。1回目のPCR反応の結果、約280bpの長さのcDNA断片が増幅した。増幅したcDNA断片の塩基配列を配列表の配列番号:21に示す。配列番号:21より予想されるアミノ酸配列は、MF−2蛋白質より決定したアミノ酸配列と一致したことから、このcDNA断片はMF−2遺伝子であることが明らかとなった。
12−b)MF−2cDNAのクローニング
実施例11−d)に記載の方法により、実施例12−a)で得られた配列番号:21で表わされる約280bpのMF−2cDNA断片をプローブとして、プラークハイブリダイゼーションを行った。陽性のクローンの中からシグナルの強い10個のクローンについて、さらに解析した。すなわち、大腸菌内でのオートマチックサブクローニングにより、これらのファージからMF−2cDNAを含む領域を自動的にサブクローニングされたプラスミドを有する大腸菌を得た。これらの大腸菌からプラスミドを精製し、最長の550bpのcDNAを含むpMF2−2を選んだ。該cDNAをpUC118ベクターへサブクローニングし、塩基配列を決定した。その塩基配列は配列表の配列番号:2に示す通りであり、MF−2遺伝子は配列表の配列番号:9に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしている。
実施例13
M.ファーファ由来の抗原性蛋白質MF−3遺伝子のクローニング
13−a)MF−3遺伝子のRT−PCRによる増幅
実施例10に記載のMF−3蛋白質の内部アミノ酸配列より推定されるオリゴヌクレオチドMF3F1、MF3F2、MF3R3を合成、精製しPCRのプライマーとした。MF3F1、MF3F2、MF3R3の塩基配列は、それぞれ配列表の配列番号:22〜24に示す。実施例11−b)に記載の方法に従って、RT−PCRを行い、MF−3cDNA断片を増幅した。1回目のPCR反応にはMF3F1とM13M4プライマーを用い、2回目のPCR反応にはMF3F1とMF3R3の組み合わせとMF3F2とM13M4プライマーの組み合わせを用いた。PCR反応の結果、MF3F1とMF3R3の組み合わせでは約380bp、MF3F2とM13M4プライマーの組み合わせでは約280bpの長さのcDNA断片が増幅した。増幅したcDNA断片の塩基配列をそれぞれ配列表の配列番号:25と26に示す。配列番号:25と26より予想されるアミノ酸配列は、MF−3蛋白質より決定したアミノ酸配列と一致したことから、これらのcDNA断片はMF−3遺伝子であることが明らかとなった。
13−b)MF−3cDNAのクローニング
実施例11−d)に記載の方法により、実施例13−a)で得られた配列表の配列番号:25で表わされる約380bpのMF−3cDNA断片をプローブとして、プラークハイブリダイゼーションを行った。陽性のクローンの中からシグナルの強い6個のクローンについて、さらに解析した。すなわち、大腸菌内でのオートマチックサブクローニングにより、これらのファージからMF−3cDNAを含む領域を自動的にサブクローニングされたプラスミドを有する大腸菌を得た。これらの大腸菌からプラスミドを精製し、最長の約750bpのcDNAを含むpMF3−1を選び、該cDNAの塩基配列を決定した。その塩基配列は配列表の配列番号:3に示す通りであり、MF−3遺伝子は配列表の配列番号:10に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしている。
実施例14
M.ファーファ由来の抗原性蛋白質MF−4遺伝子のクローニング
14−a)MF−4遺伝子のRT−PCRによる増幅
実施例10に記載のMF−4蛋白質のN末端アミノ酸配列より推定されるオリゴヌクレオチドMF4F1とMF4F2を合成、精製しPCRのプライマーとした。MF4F1とMF4F2の塩基配列は、それぞれ配列表の配列番号:27と28に示す。実施例11−b)に記載の方法に従って、RT−PCRを行い、MF−4cDNA断片を増幅した。1回目のPCR反応にはMF4F1とM13M4プライマーを用い、2回目のPCR反応にはMF4F2とM13M4プライマーを用いた。PCR反応の結果、約700bpの長さのcDNA断片が増幅した。増幅したcDNA断片の塩基配列を配列表の配列番号:29に示す。配列番号:29より予想されるアミノ酸配列は、MF−4蛋白質より決定したアミノ酸配列と一致したことから、このcDNA断片はMF−4遺伝子であることが明らかとなった。
14−b)MF−4cDNAのクローニング
実施例11−d)に記載の方法により、実施例14−a)で得られた配列表の配列番号:29で表わされる約700bpのMF−4cDNA断片をプローブとして、プラークハイブリダイゼーションを行った。陽性のクローンの中からシグナルの強い4個のクローンについて、さらに解析した。すなわち、大腸菌内でのオートマチックサブクローニングにより、これらのファージからMF−4cDNAを含む領域を自動的にサブクローニングされたプラスミドを有する大腸菌を得た。これらの大腸菌からプラスミドを精製し、最長の約820bpのcDNAを含むpMF4−4を選び、該cDNAの塩基配列を決定した。その塩基配列は配列表の配列番号:4に示す通りであり、MF−4遺伝子は配列表の配列番号:11に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしている。
実施例15
M.ファーファ由来の抗原性蛋白質MF−5遺伝子のクローニング
15−a)MF−5遺伝子のRT−PCRによる増幅
実施例10に記載のMF−5蛋白質のN末端アミノ酸配列より、この蛋白質はDLDHとホモロジーがあるものと考えられたため、該アミノ酸配列と他生物のDLDHアミノ酸配列を基にアミノ酸配列GYVAAIKAをコードするオリゴヌクレオチド混合物MF5F1と、他生物間のDLDHアミノ酸配列を比較しホモロジーの高い領域(アミノ酸配列MLAHKAEE)に対応するオリゴヌクレオチドMF5R2を合成、精製しPCRのプライマーとした。MF5F1とMF5R2の塩基配列は、それぞれ配列表の配列番号:30と31に示す。実施例11−b)に記載の方法に従って、RT−PCRを行い、MF−5cDNA断片を増幅した。1回目のPCR反応にはMF5F1とM13M4プライマーを用い、2回目のPCR反応にはMF5F1とMF5R2を用いた。PCR反応の結果、約900bpの長さのcDNA断片が増幅した。増幅したcDNA断片の塩基配列を配列表の配列番号:32に示す。配列番号:32より予想されるアミノ酸配列は、MF−5蛋白質より決定したアミノ酸配列と一致したことから、このcDNA断片はMF−5遺伝子であることが明らかとなった。
15−b)MF−5cDNAのクローニング
実施例11−d)に記載の方法により、実施例15−a)で得られた配列表の配列番号:32で表わされる約900bpのMF−5cDNA断片をプローブとして、プラークハイブリダイゼーションを行った。陽性のクローンの中からシグナルの強い12個のクローンについて、さらに解析した。すなわち、大腸菌内でのオートマチックサブクローニングにより、これらのファージからMF−5cDNAを含む領域を自動的にサブクローニングされたプラスミドを有する大腸菌を得た。これらの大腸菌からプラスミドを精製し、最長の約1.6kbpのcDNAを含むpMF5−6とpMF5−7を選び、該cDNAの塩基配列を決定した。その塩基配列は配列表の配列番号:5と33に示す通りであり、MF−5遺伝子は配列表の配列番号:12と34に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしている。これら2種類の遺伝子は、塩基配列で92%、コードするアミノ酸配列で96%のホモロジーを有し、実施例10に記載のMF−5蛋白質より決定したアミノ酸配列とほぼ一致したため、両方ともMF−5遺伝子であることが明らかとなった。
実施例16
M.ファーファ由来の抗原性蛋白質MF−6遺伝子のクローニング
16−a)MF−6遺伝子のRT−PCRによる増幅
実施例10に記載のMF−6蛋白質のN末端アミノ酸配列から推定されるオリゴヌクレオチド混合物MF6F1とMF6F2を合成、精製しPCRのプライマーとした。MF6F1とMF6F2の塩基配列は、それぞれ配列表の配列番号:35と36に示す。実施例11−b)に記載の方法に従って、RT−PCRを行い、MF−6cDNA断片を増幅した。1回目のPCR反応にはMF6F1とM13M4プライマーを用い、2回目のPCR反応にはMF6F2とM13M4プライマーを用いた。PCR反応の結果、約1.0kbpの長さのcDNA断片が増幅した。増幅したcDNA断片をpUC118ベクターへクローニングした結果、制限酵素切断パターンが違う2種類のcDNAが検出された。これらのcDNA断片の塩基配列は配列表の配列番号:37と38に示す通りであり、塩基配列で90%、塩基配列より予想されるアミノ酸配列で94%のホモロジーを有するが、異なる遺伝子であった。配列番号:37と38より予想されるアミノ酸配列は、実施例10に記載のMF−6蛋白質より決定したアミノ酸配列とほぼ一致したことから、これらのcDNA断片はMF−6遺伝子であることが明らかとなった。
16−b)MF−6cDNAのクローニング
実施例11−d)に記載の方法により、実施例16−a)で得られた配列表の配列番号:37及び38で表わされる約1.0kbpのMF−6cDNA断片をプローブとして、プラークハイブリダイゼーションを行った。陽性のクローンの中からシグナルの強い10個のクローンについて、さらに解析した。すなわち、大腸菌内でのオートマチックサブクローニングにより、これらのファージからMF−6cDNAを含む領域を自動的にサブクローニングされたプラスミドを有する大腸菌を得た。これらの大腸菌からプラスミドを精製し、最長の約1.2kbpのcDNAを含むpMF6−13を選び、該cDNAの塩基配列を決定した。その塩基配列は配列表の配列番号:6に示す通りであり、MF−6遺伝子は配列表の配列番号:13に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしている。この遺伝子は、N末端のアミノ酸配列のコード領域を欠いているが、実施例16−a)で得られたMF−6のcDNA断片とほぼ一致したため、MF−6遺伝子であることが明らかとなった。
実施例17
M.ファーファ由来の抗原性蛋白質MF−7遺伝子のクローニング
17−a)MF−7遺伝子のRT−PCRによる増幅
実施例10に記載のMF−7蛋白質のN末端アミノ酸配列から推定されるオリゴヌクレオチド混合物MF7F1とMF7F2を合成、精製しPCRのプライマーとした。MF7F1とMF7F2の塩基配列は、それぞれ配列表の配列番号:39と40に示す。実施例11−b)に記載の方法に従って、RT−PCRを行い、MF−7cDNA断片を増幅した。1回目のPCR反応にはMF7F1とM13M4プライマーを用い、2回目のPCR反応にはMF7F2とM13M4プライマーを用いた。PCR反応の結果、約0.4kbpの長さのcDNA断片が増幅した。増幅したcDNA断片をpUC118ベクターへクローニングした。このcDNA断片の塩基配列は配列表の配列番号:41に示す通りである。配列番号:41より予想されるアミノ酸配列は、実施例10に記載のMF−7蛋白質より決定したアミノ酸配列とほぼ一致したことから、これらのcDNA断片はMF−7遺伝子であることが明らかとなった。
17−b)MF−7cDNAのクローニング
実施例11−d)に記載の方法により、実施例17−a)で得られた配列表の配列番号:41で表わされる約0.4kbpのMF−7cDNA断片をプローブとして、プラークハイブリダイゼーションを行った。陽性のクローンの中からシグナルの強い5個のクローンについて、さらに解析した。すなわち、大腸菌内でのオートマチックサブクローニングにより、これらのファージからMF−7cDNAを含む領域を自動的にサブクローニングされたプラスミドを有する大腸菌を得た。これらの大腸菌からプラスミドを精製し、最長の約0.4kbpのcDNAを含むpMF7−1を選び、該cDNAの塩基配列を決定した。その塩基配列は配列表の配列番号:7に示す通りであり、MF−7遺伝子は配列表の配列番号:14に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしている。
実施例18
MF−1オーバーラップペプチドの合成及び抗体結合部位の推定
18−a)MF−1オーバーラップペプチドの合成
ペプチド合成機(PSSM−8、(株)島津製作所製)を用いて、MF−1オーバーラップペプチドを合成した。各ペプチドのアミノ酸配列は配列番号:8に示すMF−1の配列に基づき、全配列を33種類のペプチドで網羅した(図21)。各ペプチドは15残基(一部16または17残基)のアミノ酸からなり、アミノ酸10残基ずつをオーバーラップしている。
各ペプチドのC末端アミノ酸のFmoc体があらかじめ結合(0.2〜0.5mmol/g樹脂)した樹脂(50mg)をまず、30%ピペリジン/DMF(0.5ml)で処理してFmoc基を除去した。DMF(0.6ml×5回)で樹脂を洗浄後、PyBOP及びHOBtで活性化した目的のアミノ酸のFmoc体(C末端アミノ酸の量に対して10倍過剰量を含むDMF溶液として用いた)及びN−メチルモルホリン/DMF溶液を加え、室温で30分間反応させた。DMF(0.6ml×5回)で樹脂を洗浄した。この一連の操作を、目的とする配列を有するペプチドが得られるまで繰り返した。
次に、この樹脂にTFAを主成分とする混合溶液(94%TFA、5%アニソール、1%エタンジチオール(EDT))(0.7ml)を加えて室温で2時間放置した(尚、トリプトファン含有ペプチドに対しては、TFA(94%)、アニソール(3%)、EDT(3%)、2−メチルインドール(5mg)を、アルギニン含有ペプチドに対しては、TFA(82%)、H2 O(5%)、チオアニソール(5%)、EDT(3%)、エチルメチルスルフィド(2%)、フェノール(3%)の混合溶液を用い、アルギニン含有ペプチドの場合は室温で8時間放置した)。樹脂を濾去し、濾液にエチルエーテル(14ml)を加えて結晶化した。析出した結晶を遠心分離(3000rpm、10分)で回収し、エチルエーテルで洗浄後、再び遠心分離して上清を除き、結晶を減圧乾燥した。得られた結晶は逆相HPLCで純度を検定した。さらに、必要に応じて、LC−MSで分子量を確認し、逆相HPLCで精製した。
18−b)ヒト血清中のIgE抗体に対する結合ペプチドの同定
ペプチドコーティングキット(宝酒造社製)を用いて、96ウェルマイクロプレートに図21のペプチドを1μg/ウェルとなるようにコーティングした。各ウェルにM.ファーファRAST陽性の患者血清13人分、及びプール血清1、計14種の血清の2倍希釈液を加え、マニュアルに従い反応させた後、β−ガラクトシダーゼ標識抗IgE抗体、続いて酵素基質を加え、415nmの吸光度を測定した。33個のペプチドに対する健常者由来の血清における吸光度が平均20であった。この2倍の40以上の吸光度を示したものを陽性とし、さらに、40以上を4段階に分け図22に結果を示した。M.ファーファRAST陽性の患者血清は、4〜5種類のペプチド断片に対して強く反応した。
18−c)MF−1に対するマウスモノクローナル抗体のエピトープの推定
実施例18−b)に記載の図21のペプチドをコーティングしたマイクロプレートに、MF−1に対する3種類のモノクローナル抗体である、M−40、MmAb37およびMAb51を加え反応させた後、ペルオキシダーゼ標識抗IgG抗体、続いて酵素基質を加え、450nmの吸光度を測定した。M−40およびMmAb37は、ペプチド5に反応し、MAb51はペプチド25、26に反応した。図22の結果を合わせて考えると、これらのペプチドにはB細胞エピトープが含まれていることが明らかとなった。
実施例19
組換えマラセチア抗原性蛋白質の診断への応用
19−a)RAST法による特異的IgE抗体の測定方法
臭化シアンによるペーパーディスクの活性化、及び組換えマラセチア抗原性蛋白質のペーパーディスクへのカップリングは宮本らの方法(アレルギー、22巻、584−594頁、1973年)に準じて行った。ポリスチレンチューブに該抗原性蛋白質をカップリングさせたペーパーディスク1枚と患者血清50μl を加えて、室温で3時間インキュベートした。0.2%のツィーン20を含む生理食塩水でペーパーディスクを3回洗浄後、ファルマシア製RAST-RIAキットの 125I標識抗ヒトIgE抗体50μl を加えて室温で一晩インキュベートした。再度3回洗浄後、ガンマカウンターで放射能を測定した。同時に測定したキットのリファレンス試薬で作成した標準曲線からIgE抗体価を算出した。標準曲線の上限(>17.5 PRU/ml )より高い値が得られた検体は、ウマ血清で10倍、又は100 倍に希釈してから再測定を行い、抗体価を算出した。
19−b)組換えマラセチア抗原性蛋白質rMF−1、rMF−2、rMF−4による診断
アトピー性皮膚炎(Atopic Dermatitis:以下ADと略す。)、アレルギー性喘息(Bronchial Asthma:以下BAと略す。)及び両方の合併(AD+BA)の患者に対して、該抗原性蛋白質による皮膚試験を実施したところ、AD患者が57名中43名(75%)、BA患者が919名中108名(12%)、AD+BA患者が102名中47名が陽性であり、AD患者で非常に高い陽性率を示した。また、皮膚テスト陽性のAD、BA、及びAD+BA患者中、各々100%、59%、及び85%の患者がRAST法によるIgE抗体測定において陽性であった。
該抗原性蛋白質を用いた皮膚試験で陽性、更にRAST陽性(スコア1以上)の患者76例(AD:30名,BA:20名,AD+BA:26名)を対象にして、3種類の組換え抗原性蛋白質rMF−1、rMF−2、rMF−4に対するIgE抗体価をRAST法(RIA法) で測定した。皮膚試験陰性者(健常人)12名についても同様に該抗原性蛋白質に対するIgE抗体価を測定した。その結果、非常に高率に患者血清中に抗原性蛋白質に対するIgE抗体が存在することが明確になった。特に、rMF−1、rMF−2に対する陽性率が高かった。更に、驚くべきことにIgE抗体価が非常に高く、特にADの患者ではrMF−1、rMF−2に対して平均100 PRU、最高1000PRUを超える患者もあった。また、マラセチア抗原に対するRAST陽性の患者全員の血清中に組換え抗原性蛋白質rMF−1、rMF−2、rMF−4のいずれかに対するIgE抗体が存在していた。
配列表
配列番号:1
配列の長さ:618
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
GCCTGGTGAT CCTACTGCTA CTGCCAAGGG TAACGAGATC CCCGACACCC TCATGGGCTA 60
CATCCCCTGG ACCCCGGAGC TCGACTCGGG TGAGGTGTGT GGTATCCCCA CCACCTTCAA 120
GACCCGCGAC GAGTGGAAGG GCAAGAAGGT TGTGATTGTC TCGATCCCGG GTGCCTACAC 180
CCCCATCTGC CACCAGCAGC ACATCCCCCC GCTTGTGAAG CGTGTGGATG AGCTCAAGGC 240
CAAGGGTGTC GACGCCGTGT ACGTCATTGC GTCGAACGAC CCCTTCGTCA TGGCTGCCTG 300
GGGCAACTTC AACAACGCCA AGGACAAGGT CGTCTTTGCC ACCGACATTG ACCTGGCCTT 360
CTCCAAGGCT CTCGGCGCGA CGATCGACCT GAGCGCCAAG CACTTTGGTG AGCGCACGGC 420
CCGCTACGCT CTGATCATTG ACGACAACAA GATTGTCGAC TTTGCTTCGG ACGAGGGCGA 480
CACTGGCAAG CTCCAGAACG CGTCGATCGA CACGATCCTC ACCAAGGTCT AAAATGGCGC 540
ATGTGCGTTG TGTGACCACT ACCTAAAGGG TCCGTAGAGT TCCAAGTCAA GTCGTATATT 600
TTTTTTTTAA AAAAAAAA 618

配列番号:2
配列の長さ:551
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
CGGAAATTGG CTCGACGATC CCCAACGCTA CGTTTGCATA CGTGCCGTAC AGCCCCGAGC 60
TCGAGGACCA CAAAGTGTGT GGCATGCCGA CGAGCTTCCA GAGCCACGAG CGCTGGAAGG 120
GCAAGAAGGT GGTGATTGTC GCGGTGCCCG GTGCGTTCAC GCCGACGTGC ACCGCGAACC 180
ATGTGCCGCC GTACGTGGAA AAGATCCAGG AGCTCAAGAG CAAGGGCGTC GACGAGGTCG 240
TGGTGATCTC GGCGAACGAC CCGTTCGTGC TGAGCGCATG GGGCATCACC GAGCACGCCA 300
AGGACAACCT GACGTTTGCG CAGGACGTCA ACTGCGAGTT CTCCAAGCAC TTTAACGCGA 360
CGCTGGACCT GTCGTCGAAG GGCATGGGCC TGCGCACCGC GCGCTACGCG CTGATCGCGA 420
ACGACCTCAA GGTCGAGTAC TTTGGCATCG ACGAGGGCGA GCCGAAGCAG TCGTCGGCCG 480
CGACGGTGCT GAGCAAGCTG TAGTGCCGTT CTACTTAGTC AAACAATCGG GTATAGTCGC 540
GTAAAAAAAA A 551

配列番号:3
配列の長さ:728
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
GGGAACGTCA TGACTGAGTA CACTCTCCCT CCTCTGCCCT ACGCCTACGA TGCGCTGGAG 60
CCGTTTATCT CTAAGGAGAT CATGACGGTC CACCACGACA AGCACCACCA GACCTACGTG 120
AACAACCTCA ACGCCGCCGA GAAGGCGTAC GCTGAGGCGA CGGCCGCGAA CGACGTGCTT 180
AAGCAGATCC AGCTGCAGAG TGCGATCAAG TTCAACGGCG GTGGCCACAT CAACCACTCG 240
CTGTTCTGGA AGAACCTGGC CCCCCAGAGC GAGGGTGGTG GCCAACTGAA CGATGGCCCT 300
CTCAAGCAGG CCATCGAGCA GGAGTTCGGC GACTTTGAGA AGTTCAAGAC GACCTTCAAC 360
ACGAAGGCGG CCGGCATCCA GGGTTCGGGC TGGCTGTGGC TCGGTGTTGC CCCGACGGGC 420
AACCTCGACC TGGTCGTTGC CAAGGACCAG GACCCGCTCA CGACGCACCA CCCCGTCATT 480
GGCTGGGATG GCTGGGAGCA CGCCTGGTAC CTGCAGTACA AGAACGACAA GGCTTCCTAC 540
CTTAAGGCCT GGTGGAACGT GGTGAACTGG GCCGAGGCCG AGAAGCGCTT CCTCGAGGGT 600
AAGAAGAAGG CCCAGCTGTA ATGGCACGTT TGTAGATGAT GAACGACACA CGATTTTAGG 660
TCGCACGGCC GAGGCTACTA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA 720
AAAAAAAA 728

配列番号:4
配列の長さ:812
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
GATGTTCACG CTTGCTACGC GCCGCGCTGC TGCCGCCCCC CTCGCGAACG CCGCCCAGAT 60
GGGTGTGCGC ACCAAGTACA CGCTGCCGCC GCTGCCGTAC GACTACGGCG CGCTCGAGCC 120
GGCGATCTCG GGCGAGATCA TGGAGACGCA CTACGAGAAG CACCACCGCA CCTACGTCAA 180
CAACCTGAAC GCCGCGGAGG ACAAGCTGAT CGACGCGCTC CCGCAGCAGA GCCCGCTCGG 240
CGAGATTGCG CAGCTGAACG CGATCAAGTT CAACGGCGGT GGCCACATCA ACCACTCGCT 300
CTTCTGGAAG AACCTCGCGC CGACGAACAA GGGCGGCGGC GAGCTCGACT CGGGCGAGCT 360
GCGCTCCGCG ATCGACCGCG ACTTTGGCTC GGTCGACGCC ATGAAGGAGA AGTTCAACGC 420
GGCGCTCGCG GGCATCCAGG GCAGCGGCTG GGGCTGGCTC GGCCTGAACC CCACGACGCA 480
GAAGCTCGAC ATCATCACGA CCGCGAACCA GGACCCGCTC CTGTCGCACA AGCCGCTGAT 540
TGGCATCGAT GCGTGGGAGC ACGCGTTCTA CCTGCAGTAC AAGAACGTCA AGGCCGACTA 600
CTTCAAGGCG ATCTGGACCG TGATCAACTT TGAGGAGGCC GAGAAGCGTC TCAAGGAGGC 660
GCTCGCCAAG AACTAGACAC GTTCGGTTTT TTTTTTCTCC GTAGCTTCGC AATGACCTGC 720
CCACGCTAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA 780
AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AA 812

配列番号:5
配列の長さ:1607
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
GTTGAGCTCT GTGCTGAAGC GCTCGCCGCA GCTCTCTACT AAGGCTCTGA AGCAGCCGCT 60
TACGCTCCCG CGTCTGCTCC CCATTGGCGC TACGCCGCTG GCTCGTGGCT ACGCCTCGAG 120
CTCGGAGCCG TACGATGTCA TTGTGATCGG CGGTGGCCCC GGTGGCTACG TGGCCGCCAT 180
CAAGGCCGCA CAGGGTGGTC TGAAGACTGC GTGTGTTGAG AAGCGTGGTG CCCTTGGCGG 240
TACGTGCTTG AACGTGGGCT GTATCCCGTC CAAGTCGTTG CTCAACAACT CGCACATCTA 300
CCACCAGACG CAGCATGACC TCAAGAACCG CGGTATTGAC GTCGGCGACA TTAAGCTGAA 360
CCTGCCGCAG ATGCTCAAGG CGAAGGAGAG CTCGGTTACT GCACTCACCA AGGGTGTCGA 420
GGGTCTGTTC AAGAAGAACA AGGTCGACTA CATCAAGGGC ACTGCCAGCT TTGCCAGCCC 480
CACGACGGTG GACGTGAAGC TGAACGATGG TGGTGAGCAG CAGATCGAGG GCAAGAACAT 540
CATCATTGCA ACCGGCTCTG AGGTGACGCC CTTCCCGGGT GTTGAAATCG ACGAGGAGCA 600
GATCATCAGC TCGACGGGTG CGCTCTCGCT CAAGGAGGTG CCCGAGAAGA TGGTCGTGAT 660
CGGTGGTGGT GTGATCGGTC TTGAGCTTGG CAGCGTGTGG ACCCGTCTGG GTGCCAAGGT 720
GACCGTGGTC GAGTTCCAGG AGGCGATCGG TGGTCCCGGT CTGGACAGCG AGGTGAGCCA 780
ACAGTTCAAG AAGCTGCTCG AGAAGCAGGG CATCCACTTC AAGCTCGGCA CCAAGGTCAA 840
CGGCATTGAG AAGGAGAACG GCAAGGTGAC TGTCCGCACT GAGGGTAAGG ATGGCAAGGA 900
GCAGGACTAC GATGCCAATG TTGTGCTCGT GTCCATTGGC CGTCGCCCGG TGACCAAGGG 960
CCTCAACCTC GAGGCGATCG GGGTCGAGCT CGACAAGAAG GGCCGCGTGG TGGTGGACGA 1020
CGAGTTCAAC ACGACGTGCA AGGGTGTCAA GTGCATTGGT GACGCGACGT TCGGCCCCAT 1080
GCTTGCGCAC AAGGCCGAGG ACGAGGGTAT TGCCGTCGCC GAGATGCTTG CGACCGGTTA 1140
TGGCCACGTC AACTACGACG TGATCCCTGC GGTGATCTAC ACGCACCCTG AGATCGCGTG 1200
GGTCGGCAAG TCGGAGCAGG AGCTCAAGAA CGAGGGCGTC CAGTACAAGG TGGGCAAGTT 1260
CCCCTTCCTG GCCAACTCGC GTGCCAAGAC CAACGTCGAC ACCGACGGCT TCGTCAAGTT 1320
CCTCGTGGAG AAGGAGACCG ACAAGATTCT CGGCGTGTTC ATTATCGGCC CGAACGCTGG 1380
CGAGATGATC GCCGAGGCTG GCCTGGCTAT GGAGTACGGC GCGAGTGCTG AGGATGTTGC 1440
GCGCACCTGC CACGCGCACC CGACGCTCTC CGAGGCGTTC AAGGAGGGTG CGATGGCCGC 1500
CTACTCGAAG CCCATCCACT TTTGATTTCG TAGGCTACCC CCGATAGGCG CCCGATACGT 1560
TTTCTCTCCA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAA 1607

配列番号:6
配列の長さ:940
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
CGGATCTCTC GCACATCAAC ACCCCCGCGG TGACTTCGGG CTACGCCCAG GACGACCTCG 60
AGGGTGCCGT CGACGGTGCG GAGATTGTGC TGATCCCCGC CGGTATGCCG CGCAAGCCCG 120
GCATGACCCG TGACGACCTG TTCAACTCGA ACGCCTCGAT TGTCCGTGAC CTCGCCAAGG 180
TCGTGGCTAA GGTCGCCCCA AAGGCTTACA TCGGCGTCAT CTCGAACCCC GTCAACTCGA 240
CGGTGCCGAT CGTCGCTGAG GTGTTCAAGA AGGCCGGTGT GTACGACCCC AAGCGCCTCT 300
TCGGTGTGAC CACGCTCGAC ACCACGCGCG CGGCCACCTT CCTGTCGGGC ATTGCTGGCT 360
CGGACCCGCA GACCACCAAC GTCCCCGTCA TTGGTGGCCA CTCGGGTGTG ACCATTGTGC 420
CCCTGATCTC GCAGGCCGCC CAGGGTGACA AGGTGCAGGC TGGCGAGCAG TACGACAAGC 480
TTGTGCACCG CATCCAGTTC GGTGGTGACG AGGTCGTCAA GGCCAAGGAC GGTGCCGGCT 540
CGGCGACGCT CTCGATGGCC TACGCCGCCG CTGTCTTCAC CGAGGGCCTG CTCAAGGGTC 600
TCGACGGTGA GGCGGTGACG CAGTGCACCT TCGTCGAGAG CCCCCTGTTC AAGGACCAGG 660
TCGACTTCTT CGCCTCGCCC GTCGAGTTCG GCCCCGAGGG TGTGAAGAAC ATCCCTGCTC 720
TGCCGAAGCT CACCGCCGAG GAGCAGAAGC TGCTCGACGC CTGCCTGCCC GACCTTGCCA 780
AGAACATCAA GAAGGGCGTT GCGTGGGCCG CCGAGAACCC GTAAATGCGC AAAGCAATCT 840
TTTACGGAGC TTGCGCGAAG GAAAGGAAAT GTACGTTTCT ATAGAACGTA GATCTGTCCC 900
TTTCCACCTA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA 940

配列番号:7
配列の長さ:306
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
GAAGTGGTGT ACAAGCCGGA CTCGCAGTCC ACGGACGAGT TCATCGTCAT CGTCAACCCC 60
GACTCGTACC AGTCGTGGCG CTCGGGCAAC CGCACCATCC CGCTCGCGGA TGTCGTCGAC 120
TCCTTCCACA TCTACCACTC GGGCCAGGGC AGCCAGGGCA TCCTCGGCCA GGTGTCGAAG 180
CAGCAGCTCG ACTCCGTGTT CGGTACCGCG AAGGAGGACG AGGCGGTGAT CCTCATCCTC 240
GAGCGCGGCC ACCTCCAGCA CGGCAAAATG CGTGGCCACG ACAAGTCGGG CCGCAACAGC 300
TCGCGC 306

配列番号:8
配列の長さ:176
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Pro Gly Asp Pro Thr Ala Thr Ala Lys Gly Asn Glu Ile Pro Asp
5 10 15
Thr Leu Met Gly Tyr Ile Pro Trp Thr Pro Glu Leu Asp Ser Gly
20 25 30
Glu Val Cys Gly Ile Pro Thr Thr Phe Lys Thr Arg Asp Glu Trp
35 40 45
Lys Gly Lys Lys Val Val Ile Val Ser Ile Pro Gly Ala Tyr Thr
50 55 60
Pro Ile Cys His Gln Gln His Ile Pro Pro Leu Val Lys Arg Val
65 70 75
Asp Glu Leu Lys Ala Lys Gly Val Asp Ala Val Tyr Val Ile Ala
80 85 90
Ser Asn Asp Pro Phe Val Met Ala Ala Trp Gly Asn Phe Asn Asn
95 100 105
Ala Lys Asp Lys Val Val Phe Ala Thr Asp Ile Asp Leu Ala Phe
110 115 120
Ser Lys Ala Leu Gly Ala Thr Ile Asp Leu Ser Ala Lys His Phe
125 130 135
Gly Glu Arg Thr Ala Arg Tyr Ala Leu Ile Ile Asp Asp Asn Lys
140 145 150
Ile Val Asp Phe Ala Ser Asp Glu Gly Asp Thr Gly Lys Leu Gln
155 160 165
Asn Ala Ser Ile Asp Thr Ile Leu Thr Lys Val
170 175

配列番号:9
配列の長さ:166
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Glu Ile Gly Ser Thr Ile Pro Asn Ala Thr Phe Ala Tyr Val Pro
5 10 15
Tyr Ser Pro Glu Leu Glu Asp His Lys Val Cys Gly Met Pro Thr
20 25 30
Ser Phe Gln Ser His Glu Arg Trp Lys Gly Lys Lys Val Val Ile
35 40 45
Val Ala Val Pro Gly Ala Phe Thr Pro Thr Cys Thr Ala Asn His
50 55 60
Val Pro Pro Tyr Val Glu Lys Ile Gln Glu Leu Lys Ser Lys Gly
65 70 75
Val Asp Glu Val Val Val Ile Ser Ala Asn Asp Pro Phe Val Leu
80 85 90
Ser Ala Trp Gly Ile Thr Glu His Ala Lys Asp Asn Leu Thr Phe
95 100 105
Ala Gln Asp Val Asn Cys Glu Phe Ser Lys His Phe Asn Ala Thr
110 115 120
Leu Asp Leu Ser Ser Lys Gly Met Gly Leu Arg Thr Ala Arg Tyr
125 130 135
Ala Leu Ile Ala Asn Asp Leu Lys Val Glu Tyr Phe Gly Ile Asp
140 145 150
Glu Gly Glu Pro Lys Gln Ser Ser Ala Ala Thr Val Leu Ser Lys
155 160 165
Leu

配列番号:10
配列の長さ:206
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Gly Asn Val Met Thr Glu Tyr Thr Leu Pro Pro Leu Pro Tyr Ala
5 10 15
Tyr Asp Ala Leu Glu Pro Phe Ile Ser Lys Glu Ile Met Thr Val
20 25 30
His His Asp Lys His His Gln Thr Tyr Val Asn Asn Leu Asn Ala
35 40 45
Ala Glu Lys Ala Tyr Ala Glu Ala Thr Ala Ala Asn Asp Val Leu
50 55 60
Lys Gln Ile Gln Leu Gln Ser Ala Ile Lys Phe Asn Gly Gly Gly
65 70 75
His Ile Asn His Ser Leu Phe Trp Lys Asn Leu Ala Pro Gln Ser
80 85 90
Glu Gly Gly Gly Gln Leu Asn Asp Gly Pro Leu Lys Gln Ala Ile
95 100 105
Glu Gln Glu Phe Gly Asp Phe Glu Lys Phe Lys Thr Thr Phe Asn
110 115 120
Thr Lys Ala Ala Gly Ile Gln Gly Ser Gly Trp Leu Trp Leu Gly
125 130 135
Val Ala Pro Thr Gly Asn Leu Asp Leu Val Val Ala Lys Asp Gln
140 145 150
Asp Pro Leu Thr Thr His His Pro Val Ile Gly Trp Asp Gly Trp
155 160 165
Glu His Ala Trp Tyr Leu Gln Tyr Lys Asn Asp Lys Ala Ser Tyr
170 175 180
Leu Lys Ala Trp Trp Asn Val Val Asn Trp Ala Glu Ala Glu Lys
185 190 195
Arg Phe Leu Glu Gly Lys Lys Lys Ala Gln Leu
200 205

配列番号:11
配列の長さ:224
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Met Phe Thr Leu Ala Thr Arg Arg Ala Ala Ala Ala Pro Leu Ala
5 10 15
Asn Ala Ala Gln Met Gly Val Arg Thr Lys Tyr Thr Leu Pro Pro
20 25 30
Leu Pro Tyr Asp Tyr Gly Ala Leu Glu Pro Ala Ile Ser Gly Glu
35 40 45
Ile Met Glu Thr His Tyr Glu Lys His His Arg Thr Tyr Val Asn
50 55 60
Asn Leu Asn Ala Ala Glu Asp Lys Leu Ile Asp Ala Leu Pro Gln
65 70 75
Gln Ser Pro Leu Gly Glu Ile Ala Gln Leu Asn Ala Ile Lys Phe
80 85 90
Asn Gly Gly Gly His Ile Asn His Ser Leu Phe Trp Lys Asn Leu
95 100 105
Ala Pro Thr Asn Lys Gly Gly Gly Glu Leu Asp Ser Gly Glu Leu
110 115 120
Arg Ser Ala Ile Asp Arg Asp Phe Gly Ser Val Asp Ala Met Lys
125 130 135
Glu Lys Phe Asn Ala Ala Leu Ala Gly Ile Gln Gly Ser Gly Trp
140 145 150
Gly Trp Leu Gly Leu Asn Pro Thr Thr Gln Lys Leu Asp Ile Ile
155 160 165
Thr Thr Ala Asn Gln Asp Pro Leu Leu Ser His Lys Pro Leu Ile
170 175 180
Gly Ile Asp Ala Trp Glu His Ala Phe Tyr Leu Gln Tyr Lys Asn
185 190 195
Val Lys Ala Asp Tyr Phe Lys Ala Ile Trp Thr Val Ile Asn Phe
200 205 210
Glu Glu Ala Glu Lys Arg Leu Lys Glu Ala Leu Ala Lys Asn
215 220

配列番号:12
配列の長さ:507
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Leu Ser Ser Val Leu Lys Arg Ser Pro Gln Leu Ser Thr Lys Ala
5 10 15
Leu Lys Gln Pro Leu Thr Leu Pro Arg Leu Leu Pro Ile Gly Ala
20 25 30
Thr Pro Leu Ala Arg Gly Tyr Ala Ser Ser Ser Glu Pro Tyr Asp
35 40 45
Val Ile Val Ile Gly Gly Gly Pro Gly Gly Tyr Val Ala Ala Ile
50 55 60
Lys Ala Ala Gln Gly Gly Leu Lys Thr Ala Cys Val Glu Lys Arg
65 70 75
Gly Ala Leu Gly Gly Thr Cys Leu Asn Val Gly Cys Ile Pro Ser
80 85 90
Lys Ser Leu Leu Asn Asn Ser His Ile Tyr His Gln Thr Gln His
95 100 105
Asp Leu Lys Asn Arg Gly Ile Asp Val Gly Asp Ile Lys Leu Asn
110 115 120
Leu Pro Gln Met Leu Lys Ala Lys Glu Ser Ser Val Thr Ala Leu
125 130 135
Thr Lys Gly Val Glu Gly Leu Phe Lys Lys Asn Lys Val Asp Tyr
140 145 150
Ile Lys Gly Thr Ala Ser Phe Ala Ser Pro Thr Thr Val Asp Val
155 160 165
Lys Leu Asn Asp Gly Gly Glu Gln Gln Ile Glu Gly Lys Asn Ile
170 175 180
Ile Ile Ala Thr Gly Ser Glu Val Thr Pro Phe Pro Gly Val Glu
185 190 195
Ile Asp Glu Glu Gln Ile Ile Ser Ser Thr Gly Ala Leu Ser Leu
200 205 210
Lys Glu Val Pro Glu Lys Met Val Val Ile Gly Gly Gly Val Ile
215 220 225
Gly Leu Glu Leu Gly Ser Val Trp Thr Arg Leu Gly Ala Lys Val
230 235 240
Thr Val Val Glu Phe Gln Glu Ala Ile Gly Gly Pro Gly Leu Asp
245 250 255
Ser Glu Val Ser Gln Gln Phe Lys Lys Leu Leu Glu Lys Gln Gly
260 265 270
Ile His Phe Lys Leu Gly Thr Lys Val Asn Gly Ile Glu Lys Glu
275 280 285
Asn Gly Lys Val Thr Val Arg Thr Glu Gly Lys Asp Gly Lys Glu
290 295 300
Gln Asp Tyr Asp Ala Asn Val Val Leu Val Ser Ile Gly Arg Arg
305 310 315
Pro Val Thr Lys Gly Leu Asn Leu Glu Ala Ile Gly Val Glu Leu
320 325 330
Asp Lys Lys Gly Arg Val Val Val Asp Asp Glu Phe Asn Thr Thr
335 340 345
Cys Lys Gly Val Lys Cys Ile Gly Asp Ala Thr Phe Gly Pro Met
350 355 360
Leu Ala His Lys Ala Glu Asp Glu Gly Ile Ala Val Ala Glu Met
365 370 375
Leu Ala Thr Gly Tyr Gly His Val Asn Tyr Asp Val Ile Pro Ala
380 385 390
Val Ile Tyr Thr His Pro Glu Ile Ala Trp Val Gly Lys Ser Glu
395 400 405
Gln Glu Leu Lys Asn Glu Gly Val Gln Tyr Lys Val Gly Lys Phe
410 415 420
Pro Phe Leu Ala Asn Ser Arg Ala Lys Thr Asn Val Asp Thr Asp
425 430 435
Gly Phe Val Lys Phe Leu Val Glu Lys Glu Thr Asp Lys Ile Leu
440 445 450
Gly Val Phe Ile Ile Gly Pro Asn Ala Gly Glu Met Ile Ala Glu
455 460 465
Ala Gly Leu Ala Met Glu Tyr Gly Ala Ser Ala Glu Asp Val Ala
470 475 480
Arg Thr Cys His Ala His Pro Thr Leu Ser Glu Ala Phe Lys Glu
485 490 495
Gly Ala Met Ala Ala Tyr Ser Lys Pro Ile His Phe
500 505

配列番号:13
配列の長さ:273
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Asp Leu Ser His Ile Asn Thr Pro Ala Val Thr Ser Gly Tyr Ala
5 10 15
Gln Asp Asp Leu Glu Gly Ala Val Asp Gly Ala Glu Ile Val Leu
20 25 30
Ile Pro Ala Gly Met Pro Arg Lys Pro Gly Met Thr Arg Asp Asp
35 40 45
Leu Phe Asn Ser Asn Ala Ser Ile Val Arg Asp Leu Ala Lys Val
50 55 60
Val Ala Lys Val Ala Pro Lys Ala Tyr Ile Gly Val Ile Ser Asn
65 70 75
Pro Val Asn Ser Thr Val Pro Ile Val Ala Glu Val Phe Lys Lys
80 85 90
Ala Gly Val Tyr Asp Pro Lys Arg Leu Phe Gly Val Thr Thr Leu
95 100 105
Asp Thr Thr Arg Ala Ala Thr Phe Leu Ser Gly Ile Ala Gly Ser
110 115 120
Asp Pro Gln Thr Thr Asn Val Pro Val Ile Gly Gly His Ser Gly
125 130 135
Val Thr Ile Val Pro Leu Ile Ser Gln Ala Ala Gln Gly Asp Lys
140 145 150
Val Gln Ala Gly Glu Gln Tyr Asp Lys Leu Val His Arg Ile Gln
155 160 165
Phe Gly Gly Asp Glu Val Val Lys Ala Lys Asp Gly Ala Gly Ser
170 175 180
Ala Thr Leu Ser Met Ala Tyr Ala Ala Ala Val Phe Thr Glu Gly
185 190 195
Leu Leu Lys Gly Leu Asp Gly Glu Ala Val Thr Gln Cys Thr Phe
200 205 210
Val Glu Ser Pro Leu Phe Lys Asp Gln Val Asp Phe Phe Ala Ser
215 220 225
Pro Val Glu Phe Gly Pro Glu Gly Val Lys Asn Ile Pro Ala Leu
230 235 240
Pro Lys Leu Thr Ala Glu Glu Gln Lys Leu Leu Asp Ala Cys Leu
245 250 255
Pro Asp Leu Ala Lys Asn Ile Lys Lys Gly Val Ala Trp Ala Ala
260 265 270
Glu Asn Pro

配列番号:14
配列の長さ:102
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Glu Val Val Tyr Lys Pro Asp Ser Gln Ser Thr Asp Glu Phe Ile
5 10 15
Val Ile Val Asn Pro Asp Ser Tyr Gln Ser Trp Arg Ser Gly Asn
20 25 30
Arg Thr Ile Pro Leu Ala Asp Val Val Asp Ser Phe His Ile Tyr
35 40 45
His Ser Gly Gln Gly Ser Gln Gly Ile Leu Gly Gln Val Ser Lys
50 55 60
Gln Gln Leu Asp Ser Val Phe Gly Thr Ala Lys Glu Asp Glu Ala
65 70 75
Val Ile Leu Ile Leu Glu Arg Gly His Leu Gln His Gly Lys Met
80 85 90
Arg Gly His Asp Lys Ser Gly Arg Asn Ser Ser Arg
95 100

配列番号:15
配列の長さ:23
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
CCNGGNGAYC CNACNGCNAC NGC 23

配列番号:16
配列の長さ:26
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
ACNYTNATGG GNTAYATHCC NTGGAC 26

配列番号:17
配列の長さ:599
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
ACACTGATGG GATACATTCC CTGGACCCCG GAGCTCGACT CGGGTGAGGT GTGTGGTATC 60
CCCCACCACC TTCCAAGACC CGCGACGAGT GGAAGGGCAA GAAGGTTGTG ATTGTCTCGA 120
TCCCGGGTGC CTACACCCCC ATCTGTCCAC CAGCAGAACA TCCCCCCGCT TTGTGAAGCG 180
TGTGGATGAG CTCAAGGCCA AGGGTGTCCC GACGCCGTGT ACGTCATTGC GTCGAACGAC 240
CCCTTCGTCA TGGCTGCCTG GGGCCAACTT CAACAACGCC AAGGACAAGG TCGTCTTTGG 300
CACCGACATT GACCTGGCCT TCTCCCAAGG CTCTCGGCGC GACGATCCGA CCTGAGCGCC 360
AAGCACTTTG GTGAGCGCAC GGCCCGCTAC GCTCTGATCA TTGACGACAA CAAGATTGTC 420
GACTTTGGTT CGGACGAGGG CGACACTGGC AAGCTCCAGA ACGCGTCGAT CGACACGATC 480
CTCACCAAGG TCTTAAAATT GGCGCATGTG CGTTGTGGTG ACCACTACCT AAAGGGTCCG 540
TAGAGTTCCA AGTCAAGTCG TATATTTTTA ATTTAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAA 599

配列番号:18
配列の長さ:991
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:Genomic DNA
配列:
AGACAGCAGG GACATGGTTT AGAAGCACAA TTCGCGGTAG CTGGCGCTGA AGCGATACTC 60
GCTGAGAAAT TCACTTTCCC CCCGCTGACG GCCAGACCCC CGAACTGTCC CGAATTACCA 120
AGCAAATGCA CGTGACGTTT GTGGAGGCTC GGGGATTATC AGGCCACGTA TCAGTGAGCC 180
GAGCACCGCG TGGCTTCGGC TGGCTGCATA TAAAGCCGGG TGGGCCGTGC TCACAGCTTC 240
ATCTTCCACG ACAATCATTA TGCCTGGTGT AGGTACCGCG AAGTGACACG CATGCTGACC 300
ATCAGGATCC TACTGCTACT GCCAAGGGTA ACGAGATCCC CGACACCCTC ATGGGCTACA 360
TCCCCTGGAC CCCGGAGCTC GACTCGGGTG AGGTGTGTGG TATCCCCACC ACCTTCAAGA 420
CCCGCGACGA GTGGAAGGGC AAGAAGGTTG TGATTGTCTC GATCCCGGGT GCCTACACCC 480
CCATCTGCCA CCAGCAGCAC ATCCCCCCGC TTGTGAAGCG TGTGGATGAG CTCAAGGCCA 540
AGGGTGTCGA CGCCGTGTAC GTCATTGCGT CGAACGACCC CTTCGTCATG GGTATGTACT 600
GCTCTGTCAT TTCTTTATGC TAACCGACAG CTGCCTGGGG CAACTTCAAC AACGCCAAGG 660
ACAAGGTCGT CTTTGCCACC GACATTGACC TGGCCTTCTC CAAGGCTCTC GGCGCGACGA 720
TCGACCTGAG CGCCAAGCAC TTTGGTGAGC GCACGGCCCG CTACGCTCTG ATCATTGACG 780
ACAACAAGAT TGTCGACTTT GCTTCGGACG AGGGCGACAC TGGCAAGCTC CAGAACGCGT 840
CGATCGACAC GATCCTCACC AAGGTCTAAA ATGGCGCATG TGCGTTGTGT GACCACTACC 900
TAAAGGGTCC GTAGAGTTCC AAGTCAAGTC GTATATTTTT TTTTTACAGG ATGGTGTGTA 960
CTGCCACCTG CCTTTGAGCA AGGCGTGCCA G 991

配列番号:19
配列の長さ:177
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Met Pro Gly Asp Pro Thr Ala Thr Ala Lys Gly Asn Glu Ile Pro
5 10 15
Asp Thr Leu Met Gly Tyr Ile Pro Trp Thr Pro Glu Leu Asp Ser
20 25 30
Gly Glu Val Cys Gly Ile Pro Thr Thr Phe Lys Thr Arg Asp Glu
35 40 45
Trp Lys Gly Lys Lys Val Val Ile Val Ser Ile Pro Gly Ala Tyr
50 55 60
Thr Pro Ile Cys His Gln Gln His Ile Pro Pro Leu Val Lys Arg
65 70 75
Val Asp Glu Leu Lys Ala Lys Gly Val Asp Ala Val Tyr Val Ile
80 85 90
Ala Ser Asn Asp Pro Phe Val Met Ala Ala Trp Gly Asn Phe Asn
95 100 105
Asn Ala Lys Asp Lys Val Val Phe Ala Thr Asp Ile Asp Leu Ala
110 115 120
Phe Ser Lys Ala Leu Gly Ala Thr Ile Asp Leu Ser Ala Lys His
125 130 135
Phe Gly Glu Arg Thr Ala Arg Tyr Ala Leu Ile Ile Asp Asp Asn
140 145 150
Lys Ile Val Asp Phe Ala Ser Asp Glu Gly Asp Thr Gly Lys Leu
155 160 165
Gln Asn Ala Ser Ile Asp Thr Ile Leu Thr Lys Val
170 175

配列番号:20
配列の長さ:25
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
ACNTTYGCNC ARGAYGTNAA YTGYG 25

配列番号:21
配列の長さ:261
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
ACCTTTGCAC AGGACGTCAA TTGCGAGTTC TCCAAGCACT TTAACGCGAC GCTGGACCTG 60
TCGTCGAAGG GCATGGGCCT GCGCACCGCG CGCTACGCGC TGATCGCGAA CGACCTCAAG 120
GTCGAGTACT TTGGCATCGA CGAGGGCGAG CCGAAGCAGT CGTCGGCCGC GACGGTGCTG 180
AGCAAGCTGT AGTGCCGTTC TACTTAGTCA AACAATCGGG TATAGTCGCG TTGGAAAAAA 240
AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA A 261

配列番号:22
配列の長さ:26
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
CARACNTAYG TNAAYAAYYT NAAYGC 26

配列番号:23
配列の長さ:25
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
ACNCAYCAYC CNGTNATHGG NTGGG 25

配列番号:24
配列の長さ:26
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
ATNACNGGRT GRTGNGTNGT NARNGG 26

配列番号:25
配列の長さ:371
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
CAGACCTATG TCAACAACCT GAACGCCGCC GAGAAGGCGT ACGCTGAGGC GACGGCCGCG 60
AACGACGTGC TTAAGCAGAT CCAGCTGCAG AGTGCGATCA AGTTCAACGG CGGTGGCCAC 120
ATCAACCACT CGCTGTTCTG GAAGAACCTG GCCCCCCAGA GCGAGGGTGG TGGCCAACTG 180
AACGATGGCC CTCTCAAGCA GGCCATCGAG CAGGAGTTCG GCGACTTTGA GAAATTCAAG 240
ACGACCTTCA ACACGAAGGC GGCCGGCATC CAGGGTTCGG GCTGGCTGTG GCTCGGTGTT 300
GCCCCGACGG GCAACCTCGA CCTGGTCGTT GCCAAGGACC AGGACCCGCT GACCACCCAT 360
CACCCCGTGA T 371

配列番号:26
配列の長さ:263
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
ACGCATCATC CCGTGATTGG CTGGGATGGC TGGGAGCACG CCTGGTACCT GCAGTACAAG 60
NACGACAAGG CTTCCTACCT TAAGGCCTGG TGGAACGTGG TGAACTGGGC CGAGGCCGAG 120
AAGCGCTTCC TCGAGGGTAA GAAGAAGGCC CAGCTGTAAT GGCACGTTTG TAGATGATGA 180
ACGACACACG ATTTTAGGTC GCCAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA 240
AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAA 263

配列番号:27
配列の長さ:26
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
CCNCCNYTNC CNTAYGAYTA YGGNGC 26

配列番号:28
配列の長さ:28
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
GARCCNGCNA THWSNGGNGA RATHATGG 28

配列番号:29
配列の長さ:630
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
GAACCTGCTT TCTGGGGGGA GATAATGGAG ACGCACTACG AGAAGCACCA CCGCACCTAC 60
GTCAACAACC TGAACGCCGC GGAGGACAAG CTGATCGACG CGCTCCCGCA GCAGAGCCCG 120
CTCGGCGAGA TTGCGCAGCT GAACGCGATC AANTTCATCG GCGGTGGCCA CATCAACCAC 180
TCGCTCTTCT GGAAGAACCT CGCGCCGACG AACAAGGGCG GCGGCGAGCT CGACTCGGGC 240
GAGCTGCGCT CCGCGATCGA CCGCGACTTT GGCTCGGTCG ACGCCATGAA GGAGAAGTTC 300
AACGCGGCGC TCGCGGGCAT CCAGGGTATC GGCTGGGGCT GGCTCGGCCT GAACCCCACG 360
ACGCAGAAGC TCGACATCAT CACGACCGCG AACCAGGACC CGCTCCTGTC GCACAAGCCG 420
CTGATTGGCA TCGATGCGTG GGAGCACGCG TACTACCTGC AGTACAAGAA CGTCAAGGCC 480
GACTACTTCA AGGCGATCTG GACCGTGATC AACTTTGAGG AGGCCGAGAA GCGTCTCA?G 540
GAGGCGCTCG CCAAGAACTA GACACGTTCG GTTTTTTTTT TATCACTAGC TTAGCAATGA 600
CCTGCCCACG CTAAAAAAAA AAAAAAAAAA 630

配列番号:30
配列の長さ:23
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列の特徴:3、9、12、15番目のNはイノシンを示す。
配列:
GGNTAYGTNG CNGCNATHAA RGC 23

配列番号:31
配列の長さ:23
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列の特徴:6、15、18番目のNはイノシンを示す。
配列:
TCYTCNGCYT TRTGNGCNAR CAT 23

配列番号:32
配列の長さ:938
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
GGGTNCGTGG CGGCGATAAA GGCCGCGCAG GGTGGTCTGA AGACTGCATG TGTTGAGAAG 60
CGCGGTGCGC TTGGTGGTAC CTGCTTGAAC GTGGGCTGTA TCCCTTCCAA GTCGTTGGTG 120
AACAACTCGC ACATCTTCCA CCAGACGCAG CACGACCTCA AGAACCGCGG TATTGACGTC 180
AGCGAGGTCA AGTTGANCCT GCCGCAGATG CTCAAGGCGA AGGAGAGCTC GGTCACTGCG 240
CTCACCAAGG GTGTCGAGGG CCTGTTCAAG AAGAACAAGG TCGCCTACCT CAAGGGGACA 300
GACAGATTCG CGAGCCCTAC GACGGTGGAC GTGAAGCTGA GCGATGGCGG TGAACAGNAG 360
ATTGAGGGCA AGAACATTAT CATTGCGACT GGCTCTGAGG TGACGCCTTN CCCTGGTGTG 420
GAGATCGCCG AGGAGCAGAT TATCAGCTCG ACGGGTGCGC TCTCGCTCAA GGAGGTGCCT 480
NAGAAGATGG TCGTGATCGG TGGTGGTGTG ANCGCTCTTG AGCTCGNTAG CGTGTGGAGC 540
CGTCTGGNCC CCAAGGTGAC CGTGGNTGAG TTCCAGGACG CGATTGTTGC CCCCGGTCTG 600
GACAGCGAGG TGACCCAGCA GTTCAAGAAG CTGCTCGAGA AGCAGGGCAT CCAGTTCAAG 660
CTTGCCACTA AGGTGAACGG GATTGAGAAG CAGGATGCCA AAGTGATGGT CCGCACCGAG 720
GGCAAGGACG GCAAGGAGCA GGACNACGAC GCCAACGTTG TGCTCGTGTC CATCGGTCNC 780
CNCCCGGTGA CGAAGGGCTT GAACCTCGAG GCGATCGGCG TTGAGCTTGA TAAGAAGGCC 840
CGCGTGGTGG TGGACGATGA GTTCAACACG ACGTGCAAGG GTGTCAAGTG CATTGGTGAC 900
GCGACGTTCG GCCCTATGCT CGCCCACAAG GCCGAAGA 938

配列番号:33
配列の長さ:1600
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
GTTGAGCTCT GTGCTGAAGC GCTCGCCGCA GCTCTCTACT AAGGCTCTGA AGCAGCCGCT 60
TACGCTCCCG CGTCTGCTGC CCATTGGTGC TGCGCCGCTG GCTCGTGGCT ATGCCTCGAG 120
CTCGGAGCCA TACGATGTCA TTGTGATTGG TGGTGGCCCC GGTGGCTACG TGGCCGCGAT 180
CAAGGCCGCG CAGGGTGGTC TGAAGACTGC ATGTGTTGAG AAGCGCGGTG CGCTTGGTGG 240
TACCTGCTTG AACGTGGGCT GTATCCCTTC CAAGTCGTTG CTGAACAACT CGCACATCTT 300
CCACCAGACG CAGCACGACC TCAAGAACCG CGGTATTGAC GTCAGCGAGG TCAAGTTGAA 360
CCTGCCGCAG ATGCTCAAGG CGAAGGAGAG CTCGGTCACT GCGCTCACCA AGGGTGTCGA 420
GGGCCTGTTC AAGAAGAACA AGGTCGACTA CCTCAAGGGC ACAGCCAGCT TCGCGAGCCC 480
TACGACGGTG GACGTGAAGC TGAACGATGG CGGTGAACAG CAGATTGAGG GCAAGAACAT 540
TATCATTGCG ACTGGCTCTG AGGTGACGCC CTTCCCTGGT GTGGAGATCG ACGAGGAGCA 600
GATTATCAGC TCGACGGGTG CGCTCTCGCT CAAGGAGGTG CCTGAGAAGA TGGTCGTGAT 660
CGGTGGTGGT GTGATCGGTC TGGAGCTCGG TAGCGTGTGG AGCCGTCTGG GCGCCAAGGT 720
GACCGTGGTT GAGTTCCAGG ACGCGATTGG TGGCCCCGGT CTGGACAGCG AGGTGAGCCA 780
GCAGTTCAAG AAGCTGCTCG AGAAGCAGGG CATCCAGTTC AAGCTTGGCA CTAAGGTGAA 840
CGGGATTGAG AAGCAGGATG GCAAAGTGAT GGTCCGCACC GAGGGCAAAG ACGGCAAGGA 900
GCAGGACTAC GACGCCAACG TTGTGCTCGT GTCCATCGGT CGCCGCCCGG TGACGAAGGG 960
CTTGAACCTC GAGGCGATCG GCGTTGAGCT TGATAAGAAG GGCCGCGTGG TGGTGGACGA 1020
TGAGTTCAAC ACGACGTGCA AGGGTGTCAA GTGCATTGGT GACGCGACGT TCGGCCCTAT 1080
GCTTGCGCAC AAGGCCGAGG ACGAGGGTAT CGCCGTTGCT GAGATGCTCG CGACCGGCTA 1140
CGGCCACGTC AACTACGACG TGATCCCTGC GGTGATCTAC ACGCACCCCG AGATTGCGTG 1200
GGTCGGCAAG TCGGAGCAGG AGCTCAAGAA CGATGGCGTG CAGTACAAGG TGGGCAAGTT 1260
CCCCTTCCTG GCCAACTCGC GTGCTAAGAC CAACGTCGAC ACCGACGGTT TTGTCAAGTT 1320
CCTCGTGGAG AAGGACACCG ACAAGATTCT CGGCGTGTTC ATCATCGGTC CGAACGCCGG 1380
CGAGATGATT GCCGAGGCTG GCCTGGCTAT GGAGTACGGT GCGAGTGCAG AGGATGTCGC 1440
GCGCACCTGC CACGCGCACC CGACGCTCTC GGAGGCCTTC AAGGAGGGTG CGATGGCCGC 1500
CTACTCGAAG CCGATTCACT TTTGATTTCG TAGGTTTCCC CCGATAGGCG CCCGATACGT 1560
CTTCCTCAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA 1600

配列番号:34
配列の長さ:507
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Leu Ser Ser Val Leu Lys Arg Ser Pro Gln Leu Ser Thr Lys Ala
5 10 15
Leu Lys Gln Pro Leu Thr Leu Pro Arg Leu Leu Pro Ile Gly Ala
20 25 30
Ala Pro Leu Ala Arg Gly Tyr Ala Ser Ser Ser Glu Pro Tyr Asp
35 40 45
Val Ile Val Ile Gly Gly Gly Pro Gly Gly Tyr Val Ala Ala Ile
50 55 60
Lys Ala Ala Gln Gly Gly Leu Lys Thr Ala Cys Val Glu Lys Arg
65 70 75
Gly Ala Leu Gly Gly Thr Cys Leu Asn Val Gly Cys Ile Pro Ser
80 85 90
Lys Ser Leu Leu Asn Asn Ser His Ile Phe His Gln Thr Gln His
95 100 105
Asp Leu Lys Asn Arg Gly Ile Asp Val Ser Glu Val Lys Leu Asn
110 115 120
Leu Pro Gln Met Leu Lys Ala Lys Glu Ser Ser Val Thr Ala Leu
125 130 135
Thr Lys Gly Val Glu Gly Leu Phe Lys Lys Asn Lys Val Asp Tyr
140 145 150
Leu Lys Gly Thr Ala Ser Phe Ala Ser Pro Thr Thr Val Asp Val
155 160 165
Lys Leu Asn Asp Gly Gly Glu Gln Gln Ile Glu Gly Lys Asn Ile
170 175 180
Ile Ile Ala Thr Gly Ser Glu Val Thr Pro Phe Pro Gly Val Glu
185 190 195
Ile Asp Glu Glu Gln Ile Ile Ser Ser Thr Gly Ala Leu Ser Leu
200 205 210
Lys Glu Val Pro Glu Lys Met Val Val Ile Gly Gly Gly Val Ile
215 220 225
Gly Leu Glu Leu Gly Ser Val Trp Ser Arg Leu Gly Ala Lys Val
230 235 240
Thr Val Val Glu Phe Gln Asp Ala Ile Gly Gly Pro Gly Leu Asp
245 250 255
Ser Glu Val Ser Gln Gln Phe Lys Lys Leu Leu Glu Lys Gln Gly
260 265 270
Ile Gln Phe Lys Leu Gly Thr Lys Val Asn Gly Ile Glu Lys Gln
275 280 285
Asp Gly Lys Val Met Val Arg Thr Glu Gly Lys Asp Gly Lys Glu
290 295 300
Gln Asp Tyr Asp Ala Asn Val Val Leu Val Ser Ile Gly Arg Arg
305 310 315
Pro Val Thr Lys Gly Leu Asn Leu Glu Ala Ile Gly Val Glu Leu
320 325 330
Asp Lys Lys Gly Arg Val Val Val Asp Asp Glu Phe Asn Thr Thr
335 340 345
Cys Lys Gly Val Lys Cys Ile Gly Asp Ala Thr Phe Gly Pro Met
350 355 360
Leu Ala His Lys Ala Glu Asp Glu Gly Ile Ala Val Ala Glu Met
365 370 375
Leu Ala Thr Gly Tyr Gly His Val Asn Tyr Asp Val Ile Pro Ala
380 385 390
Val Ile Tyr Thr His Pro Glu Ile Ala Trp Val Gly Lys Ser Glu
395 400 405
Gln Glu Leu Lys Asn Asp Gly Val Gln Tyr Lys Val Gly Lys Phe
410 415 420
Pro Phe Leu Ala Asn Ser Arg Ala Lys Thr Asn Val Asp Thr Asp
425 430 435
Gly Phe Val Lys Phe Leu Val Glu Lys Asp Thr Asp Lys Ile Leu
440 445 450
Gly Val Phe Ile Ile Gly Pro Asn Ala Gly Glu Met Ile Ala Glu
455 460 465
Ala Gly Leu Ala Met Glu Tyr Gly Ala Ser Ala Glu Asp Val Ala
470 475 480
Arg Thr Cys His Ala His Pro Thr Leu Ser Glu Ala Phe Lys Glu
485 490 495
Gly Ala Met Ala Ala Tyr Ser Lys Pro Ile His Phe
500 505

配列番号:35
配列の長さ:26
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
AARGTNGCNG TNYTNGGNGC NWSNGG 26

配列番号:36
配列の長さ:26
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
YTNWSNYTNY TNATGAARYT NAAYCC 26

配列番号:37
配列の長さ:1009
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
TTCTCTCTGT TGATGAAGCT CAACCCCAAG GTCACCGAGC TGCGCCTGTA CGACATCCGT 60
CTTGCTCCGG GTGTTGCTGC GGACCTCTCG CACATCAACA CGCCTGCGGT GACCTCGGGC 120
TACGCCCAGG ACNATCTTGA GGGTGCCGTT GACGGCGCAA AGATTGTCCT GATCCCCGCC 180
GGTATGCCGC GCAAGCCCGG CATGACCCGT GACGATCTGT TCAACTCGAA CGCCTCGATC 240
GTCCGTGACC TCGCCAAGAC CGTGGCCAAG GTTGCCCCCA AGGCCTACAT TGGTATCATC 300
TCGAACCCCG TCAACTCGAC GGTGCCGATC GTCGCCGAGG TGTTCAAGAA GGCGGGTGTG 360
TACGACCCCA AGCGCCTCTT CGGTGTGACC ACGCTCGACA CCACGCGTGC GGCCACCTTC 420
CTGTCGGGCA TCACTGGCTC GGAACCGCAG ACCACCAATG TCCCGGTCAT TGGTGGTCAC 480
TCGGGTGTGA CCATCGTGCC TCTGGTCTCG CAGGCCCCCC AGGGTGACAA GGTGCAGGCC 540
GGCGAGCAGT ACGACAAGCT CGTCCACCGC ATTCAGTTCG GTGGTGACGA GGTCGTTAAG 600
GCCAAGGACG GTGCGGGTTC GGCGACGCTG TCGATGGCCT ACGCCGCCGC TGTCTTCACT 660
GAGGGCCTGC TCAAGGGTCT TGACGGTGAG GCGGTGACGC AGTGCACCTT CGTTGAGAGC 720
CCCCTGTTCA AGGACCAGGT TGACTTCTTC GCTTCGCCCG TCGAGTTCGG CCCCGAGGGC 780
GTGAAGAACA TCCCTGCCCT GCCCAAGCTC ACCGCTGAGG AGCAGAAGCT GNTNGACGCC 840
TGCCTGCCCG ACCTTGCCAA GAACATCAAG AAGGGTGTTG CGTGGGTTGC CGAGAACCCC 900
TAAATGCGCA GAACCAGCTT CCACGGAGCT TGCGCCAAGG AAAGGAAACG CACATTTNTA 960
TAGAGCGTAG CTTTGTCCCT TTCCATTTAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAA 1009

配列番号:38
配列の長さ:1008
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
CTAAGATTCT TGATGAAGCT GAACCCCAAG GTTACCGAGC TCCGCCTGTA CGACATCCGC 60
CTCGCTCCGG GTGTTGCTGC GGATCTCTCG CACATCAACA CCCCCGCGGT GACTTCGGGC 120
TACGCCCAGG ACGACCTCGA GGGTGCCGTC GACGGTGCGG AGATTGTGCT GATCCCCGCC 180
GGTATGCCGC GCAAGCCCGG CATGACCCGT GACGACCTGT TCAACTCGAA CGCCTCGATT 240
GTCCGTGACC TCGCCAAGGT CGTGGCTAAG GTCGCCCCAA AGGCTTACAT CGGCGTCATC 300
TCGAACCCCG TCAACTCGAC GGTGCCGATC GTCGCTGAGG TGTTAAAGAA GGCCGGTGTG 360
TACGACCCCA AGCGCCTCTT CGGTGTGACC ACGCTCGACA CCACGCGCGC GGCCACCTTC 420
CTGTCGGGCA TTGCTGGCTC GGAACCGCAG ACCACCAACG TCCCCGTCAT TGGTGGCCAC 480
TCGGGTGTGA CCATTGTGCC CCTGATCTCG CAGGCCGCCC AGGGTGACAA GGTGCAGGCT 540
GGCGAGCAGT ACGACAAGCT TGTGCACCGC ATCCAGTTCG GTGGTGACGA GGTCGTCAAG 600
GCCAAGGACG GTGCCGGTTC GGCGACGCTC TCGATGGCCT ACGCCGCCGC TGTTTTCACC 660
GAGGGCCTGC CCAAGGGTCT CGACGGTGAG GCGGTGACGC AGTGCACCTT CGTCGAGAGC 720
CCCCTGTTCA AGGACCAGGT CGANTTCTTC GCTTCGCCCG TCGAGTTCGG CCCCGAGGGT 780
GTGAAGAACA TCCCTGNTCT GCCGAAGCTC ACCGCCGAGG AGCAGAAGCT GNTNGACGCC 840
TGCCTGCCCG ACCTTGCCAA GAACATCAAG AAGGGCGTTG CGTGGGCCGC CGAGAACCCG 900
TAAATGCGCA AAGCAATNTT TTACGGAGCT TGCGCGAAGG AAAGGAAATG TACGTTTNTA 960
TAGAACGTAG ATCTGTCCCT TTCCACCTAA AAAAAAAAAA AAAAAAAA 1008

配列番号:39
配列の長さ:23
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列の特徴:3 、12、15、18番目のNはイノシンを示す。
配列:
GGNAAYAAYG GNYTNWSNGA RGT 23

配列番号:40
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列の特徴:6 、9 、18番目のNはイノシンを示す。
配列:
GARGTNGTNT AYAARCCNGA 20

配列番号:41
配列の長さ:427
配列の型:核酸
鎖の数:2本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列:
GAAGTGGTGT ACAAGCCGGA CTCGCAGTCC ACGGACGAGT TCATCGTCAT CGTCAACCCC 60
GACTCGTACC AGTCGTGGCG CTCGGGCAAC CGCACCATCC CGCTCGCGGA TGTCGTCGAC 120
TCCTTCCACA TCTACCACTC GGGCCAGGGC AGCCAGGGCA TCCTCGGCCA GGTGTCGAAG 180
CAGCAGCTCG ACTCCGTGTT CGGTACCGCG AAGGAGGACG AGGCGGTGAT CCTCATCCTC 240
GAGCGCGGCC ACCTCCAGCA CGGCAAAATG CGTGGCCACG ACAAGTCGGG CCGCAACAGC 300
TCGCGCTAAG CCATAGTGGT ACAGTAGGTA CCGGGCCCCC AAGGCCCGAT GCGGGCGCTG 360
CCGCCTGCTA TCCAACATGA TTGTACCTAC GTAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA 420
AAAAAAA 427

配列番号:42
配列の長さ:15
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Ile Pro Trp Thr Pro Glu Leu Asp Ser Gly Glu Val Cys Gly Ile
5 10 15

配列番号:43
配列の長さ:15
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Ser Lys Ala Leu Gly Ala Thr Ile Asp Leu Ser Ala Lys His Phe
5 10 15

配列番号:44
配列の長さ:15
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Ala Thr Ile Asp Leu Ser Ala Lys His Phe Gly Glu Arg Thr Ala
5 10 15

配列番号:45
配列の長さ:28
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Pro Gly Asp Pro Thr Ala Thr Ala Lys Gly Asn Glu Ile Pro Asp
5 10 15
Thr Leu Met Gly Tyr Ile Pro Trp Thr Pro Glu Leu Asp
20 25

配列番号:46
配列の長さ:12
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Val Glu Tyr Phe Gly Ile Asp Glu Gly Glu Pro Lys
5 10

配列番号:47
配列の長さ:13
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Asp Asn Leu Thr Phe Ala Gln Asp Val Asn Cys Glu Phe
5 10

配列番号:48
配列の長さ:24
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Val Val Ile Val Ala Val Pro Gly Xaa Phe Thr Pro Thr Cys Thr
5 10 15
Ala Asn His Val Pro Xaa Tyr Xaa Glu
20

配列番号:49
配列の長さ:20
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Asp Gln Asp Pro Leu Thr Thr His His Pro Val Ile Gly Trp Asp
5 10 15
Xaa Xaa Glu His Ala
20

配列番号:50
配列の長さ:13
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Ala Trp Trp Asn Val Val Asn Trp Ala Glu Ala Glu Lys
5 10

配列番号:51
配列の長さ:12
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Phe Xaa Gly Gly Gly His Ile Asn Xaa Ser Leu Phe
5 10

配列番号:52
配列の長さ:30
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Lys Tyr Thr Leu Pro Pro Leu Pro Tyr Asp Tyr Gly Ala Leu Glu
5 10 15
Pro Ala Ile Ser Gly Glu Ile Met Glu Thr His Tyr Glu Lys His
20 25 30

配列番号:53
配列の長さ:28
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Glu Pro Tyr Asp Val Ile Val Ile Gly Gly
5 10 15
Gly Pro Gly Gly Tyr Val Ala Xaa Xaa Lys Xaa Xaa Gln
20 25

配列番号:54
配列の長さ:30
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Arg Lys Val Ala Val Leu Gly Ala Ser Gly Gly Ile Gly Gln Pro
5 10 15
Leu Ser Leu Leu Met Lys Leu Asn Pro Lys Val Thr Glu Leu Arg
20 25 30

配列番号:55
配列の長さ:23
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Gly Asn Asn Gly Leu Ser Glu Val Val Tyr Lys Pro Asp Xaa Gln
5 10 15
Xaa Thr Xaa Glu Phe Xaa Val Ile
20

配列番号:56
配列の長さ:9
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Val Asp Gln Xaa Tyr Phe Gly Leu Xaa
5

配列番号:57
配列の長さ:25
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Ser Asn Val Phe Phe Asp Ile Thr Lys Asn Gly Ser Pro Leu Gly
5 10 15
Thr Ile Lys Phe Lys Leu Phe Asp Asp Val
20 25

配列番号:58
配列の長さ:14
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
His His Gln Thr Tyr Val Asn Asn Leu Asn Ala Ala Xaa Lys
5 10


図1は、マラセチア部分精製粗抗原2782のMono Qによるクロマトグラフィーの結果を示す図である。 図2は、マラセチア部分精製粗抗原2782のMono Q分画物について、患者血清中のIgE抗体との結合性を示す図である。 図3は、マラセチア部分精製粗抗原2782のMono Q分画物のSDS-PAGE後にCBB染色を行った電気泳動の図である。 図4は、マラセチア部分精製粗抗原2782のMono Q分画物のSDS-PAGE後にイムノブロッティングを行った電気泳動の図である。 図5は、Mono Q クロマトグラフィーによるMF−1のピークを示す図である。 図6は、Mono Q クロマトグラフィーによるMF−2のピークを示す図である。 図7は、Mono Q クロマトグラフィーによるMF−3のピークを示す図である。 図8は、Mono Q クロマトグラフィーによるMF−4のピークを示す図である。 図9は、マラセチア粗抗原2782の二次元電気泳動の図である。クーマシーブリリアントブルー染色により蛋白質の検出を行う。 図10は、マラセチア粗抗原2782の二次元電気泳動の図である。健常者IgE抗体(A)およびアレルギー患者IgE抗体(B)を用いてイムノブロット法によりスポットを検出する。 図11は、MF−1、MF−2、MF−3、MF−4及びMF−13のSDS-PAGE(還元条件下)による電気泳動の図である。 図12は、抗原性蛋白質MF−1、MF−2、MF−4のIgE結合性の濃度依存性を示す図である。 図13は、MF−3のIgE結合性の濃度依存性を示す図である。 図14は、MF−3のピリジルエチル化物のHPLCによる精製を示す図である。 図15は、MF−2(ピリジルエチル化物)のリジルエンドペプチダーゼ消化物のHPLC分析結果を示す図である。 図16は、MF−3(ピリジルエチル化物)のリジルエンドペプチダーゼ消化物のHPLC分析結果を示す図である。 図17は、2種類のMF−5cDNAのヌクレオチド配列の比較の図である。 図18は、2種類のMF−6PCR断片のヌクレオチド配列の比較の図である。 図19は、MF−1cDNAとMF−2cDNAのヌクレオチド配列の比較の図である。 図20は、MF−3cDNAとMF−4cDNAのヌクレオチド配列の比較の図である。 図21は、MF−1オーバーラッピングペプチドのアミノ酸配列である。 図22は、MF−1オーバーラッピングペプチドとM.ファーファRAST陽性患者血清の反応である。 図23は、MF−1cDNAとMF−1ゲノムDNAの比較の図である。 図24は、Phenyl SuperroseクロマトグラフィーによるMF−13のピークを示す図である。

Claims (8)

  1. マラセチアアレルギー疾患患者由来のIgE抗体に対して結合能を有することを特徴とする、マラセチア属の真菌由来の単離された抗原性蛋白質であって、配列表の配列番号:9に記載のアミノ酸配列、又は該アミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入又は置換の少なくとも1つを生じさせた配列からなる抗原性蛋白質
  2. 配列表の配列番号:9に記載のアミノ酸配列、又は該アミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入又は置換の少なくとも1つを生じさせた配列からなる、マラセチアアレルギー疾患患者由来のIgE抗体に対して結合能を有する抗原性蛋白質をコードする単離されたポリヌクレオチド。
  3. 配列表の配列番号:2に記載の塩基配列からなる請求項2記載のポリヌクレオチド。
  4. 請求項記載のポリヌクレオチドに0.5%SDS、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%フィコール400、0.01%変性サケ精子DNAを含む6×SSC中、50℃で12〜20時間インキュベートした後、0.5%SDSを含む0.1×SSC中、50℃で洗浄する条件においてハイブリダイズ可能であり、かつマラセチアアレルギー疾患患者由来のIgE抗体に対して結合能を有する抗原性蛋白質をコードすることを特徴とするポリヌクレオチド。
  5. 請求項2〜4いずれか記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクターを導入した細胞で発現された抗原性蛋白質を単離する工程を包含する、マラセチアアレルギー疾患患者由来のIgE抗体に対して結合能を有する抗原性蛋白質の製造方法。
  6. 請求項1記載の抗原性蛋白質に対するモノクローナル抗体。
  7. 請求項1記載の抗原性蛋白質を有効成分とすることを特徴とするマラセチアアレルギー疾患又はマラセチア感染症の診断薬。
  8. 請求項1記載の抗原性蛋白質をマラセチアアレルゲンの標準品とし、該抗原性蛋白質に対する抗体を用いてマラセチアアレルゲンの免疫学的定量を行うことを特徴とする、マラセチアアレルゲンの定量方法。
JP2004368355A 1995-12-12 2004-12-20 マラセチア由来の抗原性蛋白質 Expired - Lifetime JP3983246B2 (ja)

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