JPH08504772A - 神経学的症状の治療における4−アミノピリジンの使用 - Google Patents

神経学的症状の治療における4−アミノピリジンの使用

Info

Publication number
JPH08504772A
JPH08504772A JP6514637A JP51463794A JPH08504772A JP H08504772 A JPH08504772 A JP H08504772A JP 6514637 A JP6514637 A JP 6514637A JP 51463794 A JP51463794 A JP 51463794A JP H08504772 A JPH08504772 A JP H08504772A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aminopyridine
drug
patients
spinal cord
subjects
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6514637A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3474569B2 (ja
Inventor
アール. ハンスボート,ロバート
アール. ブライト,アンドリュー
Original Assignee
カナディアン スパイナル リサーチ オーガニゼイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カナディアン スパイナル リサーチ オーガニゼイション filed Critical カナディアン スパイナル リサーチ オーガニゼイション
Publication of JPH08504772A publication Critical patent/JPH08504772A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3474569B2 publication Critical patent/JP3474569B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/44Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P21/00Drugs for disorders of the muscular or neuromuscular system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/04Centrally acting analgesics, e.g. opioids

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 神経学的状態を処理するためへの4−アミノピリジンの使用が記載されている。特に、本発明は、脊髄損傷の個人を処理するためへの4−アミノピリジンの使用に関する。4−アミノピリジンは、約18〜約30mgの用量で静脈内投与される場合、脊髄損傷の個人の痛痛及び痙性を減じることができることが見出された。その結果は、それらの問題の高い発生率及び脊髄損傷の個人における中心的な苦痛の処置しにくい性質のためにひじょうに有意である。4−アミノピリジンはまた、知覚能力及び運動神経の制御を高めることにも有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 神経学的症状の治療における4−アミノピリジンの使用産業上の利用分野 本発明は神経学的疾患の治療における4−アミノピリジン(4−AP)の使用に 関する。特に本発明は、運動制御及び知覚能力を増大し、慢性疼痛及び痙性を低 減するための脊髄損傷個体における4−アミノピリジンの使用に関する。発明の背景 脊髄への外傷性損傷に起因する神経学的欠損は、普通は直接損傷部位の上及び 下の脳脊髄幹の領域の間の相互作用を媒介する白質経路の軸索の離断の結果であ ると伝統的にみなされている。脊髄損傷の臨床病理学的研究は、白質の広範な損 傷が存在することを確証するが、しかし大半の重症損傷は通常は中心灰白質内で 生じる(Kakulas and Bedbrook,1969;Jellinger,1976;Kakulas,1984)。脊 髄の完全離断は相対的にまれであるが、しかし死後検査が実行される少数の症例 においてさえ、軸索存続の程度は通常は確定されない。しかしながら、あらゆる 存続経路の伝導不全が知覚及び運動機能の喪失に関与し得るため、病変の完全性 は重要な論点である。動物における実験的研究(例えばEidelberg et al.,1977 ;Eidelberget al.,l981a;Bidelberg et at.,1981b;Blight,1983a;Blight and DeCrescito,1986;Bresnahan et al.,1987;Noble and Wrathall,1989 ;Blight,1991)、及び非常に少数の臨床観察(Noordenbos and Wall,1976) は、複合的神経学的機能が低比率の存続軸索経路により媒介され得ることを示し た。 単離脊髄からの電気生理学的記録は、鈍性挫傷損傷後の存続脊髄軸索における 活動電位伝導の慢性不全を示した(Blight,1983b)。この伝導遮断のいくつか は薬剤4−アミノピリジン(4−AP)を用いて単一神経繊維のレベルで克服し得 る(Blight,1989)。実験的又は自然発生脊髄損傷を有する動物におけるこの化 合物の静脈内注入は、電気生理学的(Blight and Gruner,1987)及び行動的(B light et al.,1991)機能の有意の改良を生じる。脊髄損傷患者における初期の 研究は、Keith Hayes博士によって計画され、大抵電気生理学的レベルでの適度 の治療利益に対する可能性を示し、重篤な副作用は認められなかった(Hayes et al.,1991及び公告のために提出)。発明の要約 本発明にしたがって、慢性脊髄損傷患者における4−APの潜在的機能的利点を 調べるために臨床試験を計画した。患者の期待について考え得る効果を考慮し、 観察の偏りを最小限にするために、プラシーボ対照二重盲検交差法を用いた。伝 導不全を治療するための本アプローチは脊髄に対する損傷の重症度及び分布の差 に伴ってその有効性が変わるという予測に基づいて、広範な損傷の型を調べた。 試験結果は、4−アミノピリジンが脊髄損傷個体における運動制御及び知覚能 力の増大に有用であることを立証した。意外にも、4−アミノピリジンがある種 の個体においては慢性疼痛及び痙性を低減することも示された。後者の作用は、 4−アミノピリジンの公知の特性に基づいては予測されなかった。 したがって、本発明は神経系に影響を及ぼす症状の治療における4−アミノピ リジンの使用を提供する。 本発明はさらに、特に脊髄損傷個体における疼痛を低減するための4−アミノ ピリジンの使用を提供する。 本発明はさらに、特に脊髄損傷個体における痙性を低減するための4−アミノ ピリジンの使用を提供する。 本発明はさらに、活性成分4−アミノピリジンを、特に疼痛又は痙性を低減す るために脊髄損傷個体を治療するためのその使用のための使用説明書とともに含 入する市販パッケージを提供する。図面の説明 図1は、全投与量の昇幕の順における全被験者の4−APの血漿レベルの変化の 時間経過を説明するグラフを示す。殆どの被験者が、おそらく腸−全身性再循環 を示すものと思われる測定薬剤レベルのある程度の振幅を示した。4−AP注入時 間は黒棒で示す。 図2は、投与した4−アミノピリジンの全投与量(mg/kg)と測定された最大 血漿レベルとの相関を示す点図表である。観察された関係(最小平方回帰)は、 約2時間に亘って注入された各mg/kgに関しては、達成された最大血漿レベルは 約0.27mg/lであった。 図3は、4−APの二次非盲検投与後の2名の被験者(EB,GCh)で記録された 4−APの血漿レベルのグラフである。血漿レベルは両患者において48時間までは 検出限界(c.3ng/ml)以下であった。 図4は、二次試験のために戻った2名の被験者(GCh及びEB)における針刺し 知覚に関する神経学的スコアの一連の変化を説明するためのヒストグラムを示す 。C5及びS1の間の試験皮膚知覚帯に関して、左及び右側の平均スコアを示す。両 被験者の知覚スコアの最大改良は、薬剤注入後24時間目に得られた。72時間目に 試験した患者は、完全に注入前状態に戻っていた。 図5は、4−APの二次注入のために戻った被験者の一人(EB)の身体の両側の 試験筋肉における運動スコアにの一連の変化を説明するためのヒストグラムを示 す。知覚検査(図4)において、スコア の増加は注入後24時間持続したので、最大改良は、この症例においては既に2時 間目に存在していたと思われる。好ましい態様の詳細な説明 4−アミノピリジン(4−AP)の調製 本薬剤は、Regis Chemical Company(Morton Grove,Illinois)から精製粉末 形態で入手して、St.Joseph's Hospitalの薬局で0.9%食塩水ビヒクル(Uges a nd Huizinga,1981)を用いて注射液として調製した。薬局は、発熱性を試験し 、異なる患者に薬剤及びビヒクルを投与する順序を無作為化し、そして試験経過 中の用量の増大規模を提示することにも責任を負っていた。最初の2名の患者の ための4−APは3mg/lの濃度で調製し、次の被験者に関しては濃度を4及び5 mg/lに増大した(表1参照)。薬剤はさらに供給前にデキストロース食塩水中 で50倍に希釈し、蠕動式注入ポンプで制御して150 ml/時の速度で連続静脈内注 入液の形態で投与した。したがって、薬剤の供給速度は最初の2名の患者の9mg /時から最後の4名の15mg/時に増大した。意図された全用量は18〜30mgの範囲 であった。ビヒクル対照は薬剤溶液と見分けがつかぬようにして、同一方法で供 給した。 被験者 試験に登録された8名の患者は、四肢麻痺、四肢不全麻痺、対麻痺及び不全対 麻痺の症例を含む一連の脊髄損傷を提示するために選択された。患者の選択にお ける主な排除判定基準を以下に示す:精神性不全の証拠;感染性疾患;頭部損傷 又は脳損傷の既往症;癲癇発作又は発作域値低下の病歴;心臓血管、代謝、腎臓 又は呼吸異常;ピリジン含有化合物に対する公知のアレルギー;及び妊娠。男性 5名、女性3名で、年齢18〜65歳の範囲の患者が含まれた。全員が 損傷時から1.5〜10年を経た慢性症例であった。7名が外傷性損傷で、1名は起 点不明の横断脊髄炎であった。患者の病歴及び関連薬剤用量を表1に示す。 2名の被験者(HT,GCh)以外はすべて、疼痛及び/又は痙性のために投薬中 であった。これらの患者は、実験的治療及び評価の期間中はあらゆる定期的投薬 を中止して、試験開始前に好適な除去期間を持つ必要があった。試験はInstitut ional Committee on the Use of Human Subjects and the Health Protection B oard of Canadaにより承認された。被験者は全員が実験的試験の潜在的危険性に ついて知らされ、各々インフォームドコンセントを提出した。 プロトコール 実験計画は、2週間の間隔を置いて異なる時機に各患者に薬剤及びビヒクル対 照を投与する二重盲検プラシーボ対照交差試験であった。供給順序は無作為化さ れた。無作為化暗号は薬局職員が別々に保有し、表作成及びデータの分析後まで は研究者には明らかにされなかった。 各試験のスケジュールは同一であった。患者は前日に病院に入院し、早期、神 経学的試験及び電気診断評価による査定を受けた。次いで保圧静脈カテーテルに よる薬剤又はプラシーボの投与を開始し、4−AP溶液の1mlアリコートの供給に 基づいて20分系列で配列して約2時間継続した。この間、脳波検査により高頻度 に患者をモニタリングした。血液及び尿の標本は別の静脈内カテーテル及び尿カ テーテルからそれぞれ採取した。血液は薬剤供給開始から5時間までに時々採取 し、尿は注入前及び注入開始後1及び2時間目に採取した。同一検査人が薬剤供 給期間終了時に完全神経学的検査により患者を再評価した。次いで電気診断試験 で彼らを再検査した。有意の試験疲労を生じることなくあらゆる初期変化を確認 する試みで、薬 剤供給中にさらに限定された神経学的試験を時々実施した。電気診断試験は、薬 剤供給停止後2時間目に反復した。治療の明白な効果を示す患者は一夜病院に残 留し、翌日検査された。その後の患者との接触は、彼らの治療に関連した長期変 化に関しては電話インタビューによるかあるいはその通信の結果としてであった 。 薬剤のより長期の効果を報告した2名の患者は、3〜4日間毎日行われる神経 学的検査を含む二次非盲検試験のために4か月後に病院に戻った。4−APの測定 のために、血漿標本もこれら2名の患者から毎日採取した。 電気診断試験 4−AP又はプラシーボの注入直前及び直後、並びに注入終了後約2時間目に、 一組の標準電気診断試験を用いて患者を評価した:腓骨、後脛骨及び腓腹神経に おける伝導、静止及び最大随意収縮中の前脛骨及び腓腹筋の筋電図、並びに体性 知覚喚起電位。注入中に時々、脳波計でまた患者をモニタリングして、発作活動 の可能性の証拠を捜した。 神経学的評価 American Spinal Injury Association(ASIA)Standards for Neurological C lassification of Spinal Injury Patients(1990年改訂)の修正方式を用いて 患者を評価した。修正は主として、運動範囲を拘束する静脈内カテーテル、電極 及び尿道カテーテルを装着してペッドに横になっている患者で実行し得るように 検査を簡素化するために必要であった。薬剤供給日後に実施される検査は、外来 患者ベースでなされ、被験者は部分的着衣で、皮膚知覚帯の評価は時々不完全で あった。検査の各部分は後日の再検討のためにビデオテープに収録され、身体の 両側で繰り返し行なった。 運動能力の等級分けは、可能ならどこでも、ASIA 0〜5点スケ ールで実施した: 0 − なし(全麻痺) 1 − 痕跡程度(関節周囲の動きが殆ど又はまったく認められない触知可能 又は可視的収縮) 2 − 不十分(重力をなくす(該当する場合)と、正常範囲の運動の多く又 はすべてを通じて活発な動き) 3 − かなり十分な(重力に対する十分範囲の運動を通じて活発な動き) 4 − 良好(抵抗に対して活発な動き) 5 − 正常。 検査した筋肉を以下に挙げる:三角筋、二頭筋、三頭筋、手根伸筋、手根屈筋、 指の屈筋及び伸筋(連合)、臀部屈筋(腸腰筋)、臀部伸筋、四頭筋、ハムスト リング筋、足首背側屈筋(前脛骨筋)及び足底屈筋(腓腹筋、ヒラメ筋)、並び に足指伸筋(長母指伸筋)。全運動試験に関する総可能スコアは130であった。 知覚能力は類似の0〜4点スコアで等級分けした: 0 − なし(刺激を検出する能力なし) 1 − 痕跡程度(刺激を検出する不統一で変わりやすい能力。質の分解能は 殆ど又はまったくなし) 2 − 軽度(剌激を検出できるが、しかし非常に弱いかあるいは等価の影響 を受けない領域と比較して質を変える) 3 − 中等度(実際に十分な質で刺激を検出できるが、しかし強度は弱い) 4 − 知覚の質及び強度とも正常。 試験した知覚の種類は、軽い接触、針刺し、振動、関節位置及び温度であった。 接触及び針剌しに関して調べた皮膚知覚帯を以下に挙げる:C5,6,7,8,T1 ,T7〜9,L1,2,3,4,5及びSl。 各種類に関する総可能スコアは96であった。振動知覚は、通常、肩、肘、膝及び 課で両側を試験した。温度知覚は、被験者の目を閉じさせて、遠隔から冷風を送 るか又は手及び足の背側に非常に近づいて温風を吹き込んで試験した。関節位置 知覚は、被験者の目を閉じさせて、母指及び足の親指の屈伸運動を強いて調べた 。全知覚検査に関する総可能スコアは256点であった。 分節性反射(二頭筋、三頭筋、膝及び踝反射)を反射ハンマーを用いて慣用的 方法で評価し、0〜4点スケールで採点した: 0 − 検出可能な反応は認められず 1 − 弱い反応 2 − 正常の振幅の活発な反応 3 − 異常に大きな振幅反応 4 − 多少のクローヌスを伴う大きな振幅反応 全試験筋肉の反射充進及びクローヌス患者における総可能スコアは32であった。 血漿及び尿中の4−APの測定 血液標本は、薬剤が供給されるのと反対の腕に入れた保圧静脈カテーテルから 採取した。10又は11のこのような標本を薬剤供給開始後5時間までに時々採取し た(図1参照)。尿標本は、薬剤注入開始後1及び2時間目に患者の尿カテーテ ルバッグから回収した。 血漿及び尿標本は、カラム液体クロマトグラフィーで4−APレベルが分析され るまで、他所に詳述した技法(Kostka et al,1992)に従って−80℃で保存した 。手短に言えば、血漿及び尿標本を液体一液体抽出前にSchotten-Baumann反応に よりベンゾイル化して4−APをN−ベンゾイル−4−AP(Bz4−AP)に変換した 。プロピオニルプロカインアミド(PPA)は、内部基準として選択された。これら の抽出物を、12%アセトニトリル及び過塩素酸でpH3に調整した2 g/Lテトラメチルアンモニウムベルクロレートを含有する可動相を用いて15cm ×4.6mm超球オクチルカラム上でクロマトグラフィーに付した。Bz4−APの抽出 回収率は80〜85%であった。 結果 試験は、2〜3の例外を除いて、確立されたプロトコールに従って実施した。 一患者(AW)には、計画された30mgの総用量よりむしろ25mg4−APのみを投与した 。注入側の腕の不快感、並びに有意程度の動揺及び不安の併発を患者が訴えたた めに、この場合は注入を一時中止した。この症例ではそれ以上の合併症はなく、 注入中止後1時間足らずで患者はより快適な状態に戻った。3mgの6回投与で計 18mgの4−APを摂取する予定であったある患者(LJ)は、試験初日に間に合わず、 用量が5mgに上げられるまで試験を受けなかった。薬局はより少量の注射用物質 を調製したため、この被験者は5mgの5回投与だけを受けることができた。ある 患者(RB)は、かれの通常疼痛薬(パーコセット−オキシコドンPercocet-oxycodo neHCI,アセトアミノフェン)の一時中止を維持できず、試験当日に再使用し始 めた。 一次試験では3名の患者にはプラシーボを、5名には4−APを投与した(表1 )。薬局は、利用できるようになる最終情報である血液及び尿標本の化学分析を 含む全データの評価が終わるまで研究者に注入の薬物又はプラシーボ状態に関す る情報を公表しなかった。 4−APの血漿レベル 各被験者における4−APの血漿レベルの変化の時間経過を図1に示す。殆どの 被験者が測定薬剤レベルの変動を示した。循環のピークレベルは注入期間終了の 少し前又は後に生じた。記録されたピーク血漿レベルは、患者に投与した用量( mg/kg/時)と有意に相関した(図2)。全被験者が、薬剤注入終了後2〜3時 間日に4−AP の有意の血漿レベルを示し、この時点で最終血液標本を採取したが、薬剤排出の 有望な時間経過をこのデータから外挿することはできなかった。血液標本は、4 −APの二次非盲検投与のために戻ってきた2名の被験者から3日間毎日採取した 。注入当日及び注入翌日に記録された血漿レベルを図3に示す。4−AP濃度は、 投与2口後に採取した標本で検出されたレベル(c.3ng/ml)より低かった。 これら2名の患者の血漿薬剤濃度の低下率は、注入後2日目までの循環中のピー クレベルの1%未満であることを示す。 負の副作用 最も高頻度に検出された薬剤副作用は、薬剤が注入される腕の不快であった。 不快の強度は患者によって、ただ静脈内カテーテルで普通に経験する程(採血の ための反対側の腕に認められるものと比較して)からある患者での薬剤供給の一 次中止を要するに十分に強いずきずきした及び焼けるような疼痛まで変わる。3 名の被験者(HT,GCu,GCh)は腕の異常な知覚又はあらゆる他の負の副作用を報 告した。2名の患者(RB,AW)は重症の腕の焼けるような痛みとずきずきした痛 みを報告したが、これら2名は不安が増大し、注入期間の終了近くに、発刊及び 震えが短時間に交互に生じた。これら2名の患者はともに気まぐれな人格が特色 で、一方の患者(RB)は試験前に有意の汎化不安が目立った。他方の被験者(AW)は 薬剤試験の注入段階を完了し得なかった唯一の人であったが、短気になり、プラ シーボ試験の電気診断段階を完了するのを拒否した。2名の被験者(LJ,BB)は 、注入期間終了近くに軽度の頭痛感を報告した。2名(AW,EB)は、損傷のレベ ルより低い皮膚の領域の、注入後夜間1〜2時間継続する焼けるような疼痛知覚 の遅延を報告した。薬剤のその他の明らかな副作用は、試験経過中には検出され なかった。悪指標は脳波記録でも生命徴候のルーチンのモニタリングでも検出 されなかった。 電気生理学的作用 6名の被験者は、薬剤注入前又は後に後腓骨神経刺激に対して検出可能な体性 知覚喚起電位を示さなかった。残り2名の被験者(AW,GCh)は、小振幅の、しか し反復性の体性知覚喚起電位を示した。これらは、4−AP又はプラシーボ注入後 に形態又は振幅で有意に変化しなかった。末梢神経伝達に及ぼす一貫した作用は 検出されなかった。筋電図データは筋収縮の強度で観察された変化と一致したが 、しかし収集された標本数が余りにも限定されていて記録の基礎的変動性が確信 できなかった。 神経学的作用 どの被験者も、食塩水ビヒクル注射後にいかなる有益な変化も報告しなかった 。3名の被験者(RB,SC,HT)はさらに、4−AP注入後の彼らの症状に何の改善 も認めなかった。これらは最も重症の損傷患者の3名で、2名はフランクル等級 A−病変レベルを下回る運動又は知覚機能なしと診断され、そして2名のうちの 1名はフランクル等級Bと診断された。残りの5名は、“不完全”損傷の範囲を 有し、運動及び/又は知覚作用を示し、このうちのいくつかは注入当日に予定神 経学的検査で検出された。後者の作用は、患者自身によって報告され、時間経過 のより詳細な検査を促した。 2時間目の神経学的検査における変化 神経学的スコアのいくつかの変化が、ビヒクル及び薬剤注入開始の2時間後に 患者に認められた。注入前及び注入後検査における点差の総数を表2に示す。被 験者がスコア範疇の間に入ると検査者が感じた場合には、検査者は半分の点スコ アを割り当てたが、注入前及び注入後スコア間の半点差はこの分析では無視した 。この作表から省いたものは振動知覚に関するスコアであるが、これは表3に別 に示す。スコアにおける最も目立った変化は、明らかに4−AP投与後のものであ り、これらの変化のいくつかを以下で個々に検査する。殆どすべての場合に、種 々の種類の評価は4−AP投与後に同様の又はより高いスコアを示したが、一方は プラシーボ試験では同一のままであるか又は減少する傾向にあった(表2)。こ の傾向の例外は振動知覚に認められ、この場合3名の被験者のスコアは4−AP注 入後に実質的に減少した(表3)。 表2から得られる運動及び知覚スコアの全体的変化を、Wilcoxonマッチドベア 検定を用いてプラシーボ及び4−AP試験間で比較した。知覚スコアの変化は4− AP後に有意に大きく(p=0.03)、運動スコアの変化はそうではなかった(p= 0.08)。この少数の例が示されている。 プラシーボ投与後の相対的少変動と比較して、4−AP注入直後の深在腱反射の 振幅の増大に対する顕著な傾向が認められた(表4)。反射スコアの増大は主と して腕で生じたが、これはおそらく薬剤投与前に下肢スコアが既に4の最大値に あったためであると思われる。長い間隔をおいて検査した2名の患者(EB,GCh )は、注入後24及び48時間目に深在腱反射のわずかな低下を示したが、これは彼 らの痙性の低下と一致した。薬剤投与後24時間目に検査した他の2名(AW,LJ) も、運動及び知覚機能に及ぼす作用を保持したにもかかわらず、その時点で反射 反応の低下を示した。 神経学的検査における後期変化 薬剤投与後24時間目の神経学的検査は原プロトコールにおける要件ではなかっ たが、5名の患者が投与当日に病院を去った。4−AP投与の翌日に検査した3名 の被験者(LJ,AW,GCh)は、1名(LJ)における2時間目には認められなかっ た病変の下の針刺し知覚及び関節位置知覚の目立った改善を含む神経学的機能の 持続的改善を示 した。これらの所見は、機能の持続性又は遅延性変化についての他の患者からの 報告とともに、2名の被験者における4−APの作用の二次評価へと導いて、神経 学的変化が大々的に消滅するまで毎日再検査が行われた(以下参照)。 被験者に報告された遅延性変化 初期試験は、4−APの発表済薬物動態及び本薬物を用いた他の臨床経験の報告 に基づいて、薬剤注入の翌日までに逆転され得る作用を検査するよう意図された 。しかしながら、余り完全でない損傷を有する5名の患者は全員が、4−APを投 与された翌日中に何らかの遅延又は延長作用を報告した。これらの報告は十分に 複雑であったために、個別に考えた。 被験者 LJ この患者は、注入中及び直後に知覚増大、左腕の疼痛、並びに多少の吐気及び 軽度の頭痛を報告した。翌日、彼は1本の母指及び人差し指が少しだけ大きく動 くように感じた。彼はさらに、損傷レベルより下により多くの知覚を認め、これ は神経学的検査で確証された。彼が臀部に感じた通常の焼けるような痛みは存在 しなかったが、しかし下肢がまだ多少焼けつくようで、試験前と比較して増大し ていた。その後の医学的観察は、尿道感染の発生によりさらに悪化した。 被験者 EB 本被験者は、一次注入(プラシーボ)の作用をまったく報告しなかった。二次 注入後、被験者は、試験完了直後の帰宅を選択した。彼女は、彼女の下肢筋肉痙 攣が試験当日非常に重症であったので彼女の運動遂行能力を評価するのは難しい と感じた。薬剤供給の翌日、“損傷レベルの下の知覚が殆ど正常な両側の知覚に 顕著に戻った”ことが認められた。注入後3日間、痙性の顕著な低下も認められ た。 彼女は、4日目にバクロフェンに関する彼女の普通の要件のために戻っただけで あった。痙性のこの低下は、左腕及び足の運動力を増大させることにより達成し た。普通は2〜3のかすかな動きしかできない左手の指が、通常は急速に疲労す るのに対比して、20〜30回前後に動いた。同様の改善は右踝の動きに認められた 。考えられる副作用としては、2日間の“首から背中にかけての皮膚下の温感” 及び便秘。この患者は、二次非盲検試験の長期作用のより詳細な評価のために戻 った。 被験者 GCh この患者は、4−AP注入経過中に病変下の知覚の顕著な改善を示した。彼は、 負の副作用をまったく蒙っていず、彼の足は“より正常”に感じられると報告し た。彼の足は通常彼には冷たく感じられ、踝下及び足には連続性疼痛があった。 薬剤注入後少なくとも2日間は足の疼痛は認められなかったが、それは踝下には ある程度残存し、足は“内部的に”そして触っても暖かく感じた。注入後3日目 までに、彼は通常状態に戻った。この患者における運動力の増大は、それ自体主 としてより大きな持久力に現れた。通常、彼はつま先の反復運動を行うのが困難 であったが、しかし4−AP注入当日に、彼は通常の疲労を感じないでそれらを何 回も前後に動かすことができた。この運動能力増大も、痙性の低減に関連してい た。 彼は、4−APの二次非盲検試験のために戻って来て、事実上同一の効果を経験 し、損傷レベル下の知覚及び運動持久力の増大、慢性疼痛の低減、並びに痙性の 顕著な低減を生じた。足の筋肉痙攣は、二次注入前には非常に重症であった。注 入後そしてその後24時間以上もの間、痙性は、患者が車椅子を移動させるのに困 難を感じるほど非常に顕著に減少したが、これは彼の足が慣れた方法で彼を支え るよう作用しなかったためであった。 被験者 AW この患者は、8mgという少量の4−APを注入後に下肢の強度増大を示した。さ らに彼は、呼吸の顕著な改善を認め、横隔膜呼吸よりむしろ胸部拡張を用いるこ とができた。21mg注入後、彼の腕は非常に痛むようになり、彼は不安になり、次 いで怒って、発刊と震えの交互発作を示し始めた。薬剤注入を停止すると、被験 者は約10分でより快適な状態に戻った。彼は足の知覚及び強度がより大きくなっ たのに気づいたが、しかしこれは注入の早期部分中より低いと思われた。注入後 のモニタリングで彼は足の強度及び知覚の改善を示し、より迅速且つ容易に彼の 車椅子から立つことができ、薬剤の全体的作用について非常に確信していた。彼 は、2週間後に二次投与のために戻ってきた時に、呼吸改善を含む運動及び知覚 効果は約2日間残存し、その後次第に衰えたと報告した。 被験者 GCu この被験者は、最低重症度の損傷であった。彼は注入当日に彼の状態のいかな る変化も認めなかったが、しかしその後、薬剤注入の翌日に彼の腕及び右足がよ り強く、“おそらく約25%”強くなり、彼は農場の仕事をより効果的に処理でき た、と報告した。彼はさらに、彼の手の通常のひりひりする知覚異常の有意の低 減を感じた。 二次非盲検投与 長期評価のために4か月後に戻ってきた2名の患者(GCh,EB)は、4−APの 初期盲検投与で認められたものと同様の効果及び副作用を示した。この場合、作 用逆転の時間経過をより厳密に検査できた。両患者の神経学的状態における最も 顕著な且つ一般的な変化は、損傷レベル下の針刺し知覚の分布であった。損傷レ ベル下の針剌し知覚に対する反応の顕著な増大を図4にグラフで示す。知覚の改 善は両症例において注入後24時間でピークに達すると考えられ、48時間 で依然として検出可能であった。その72時間目に検査したある被験者において、 作用はその時点までに完全に逆転すると思われた。注入後2時間目に検査した場 合、最も遠位の皮膚知覚帯における反応の初期抑制を含む作用開始の近位遠位遅 延の何らかの指標が認められた。 運動能力の検査は、4−AP投与前の痙性の変動により、そして時折の運動制御 及び運動力に及ぼす薬剤の相反する作用により、複雑にされた。足筋肉の痙性低 減は、特に腰及び膝の動きにおける運動力を何倍も低下させるが、この場合は患 者はしばしば動きを助けるために筋肉のバックグラウンド剛性を用いることがで きる。利用可能なデータは、知覚評価で認められたのと同様の運動系に及ぼす作 用の長期時間経過を指し示す。しかしながら、運動機能に及ぼすピーク作用が2 時間目の一次検査により達成されるという何らかの指標が認められた。 考察 本試験は、慢性脊髄損傷患者に投与する中等度用量の4−APが、“不完全”損 傷患者の有意比率(5又は6)での一連の有益な作用を伴うことを示した。従来 の試験より顕著な神経学的作用が、この群の患者に認められた。 神経学的作用の妥当性は、いくつかの因子により支持される。まず、試験は二 重盲検であって、何名かの被験者及び研究者は副作用の存在により活性薬剤試験 で効果的に非盲検化されたがしかし、副作用の出現と明らかな利点との間に関係 は認められなかった。最も広範且つ最強の作用は副作用を伴わない患者で得られ 、副作用を有する2名の被験者においては利点は検出されなかった。患者が報告 した作用は、常にできると期待させられたものであった。それらのあるものは、 特に疼痛及び痙性の低減は研究者にとって意外であっ た。これらは互いに無関係に患者が別々に報告したものであった。 これらの変化の統計的評価は、少数の症例により、広範囲の損傷強度により、 そして神経学的分析に用いられる普通のスコアリングにより困難になる。これら の限度を、薬剤作用の可逆性、二度目に検査される2名の患者におけるその反復 性、及び被験者間で共有される作用の特性に対して計量する必要がある。薬剤か ら得られる利益は、損傷の重症度に関係があると思われ、最大の効果は中等度に 重症の四肢麻痺に認められる(フランクル等級C)。神経学的に“完全”な脊髄 病変を有する2名の患者は、有益な作用をまったく示さなかった。数名の被験者 におけるプラシーボ投与に派生する神経学的スコアの小変化(表2,3)は、3 つの主要因子の結果であると思われる;1)反復試験、及び試験それ自体に必要 な長期不動性により誘発される疲労;2)スコア評価の反復性における限度;3 )試験される皮膚知覚帯内の“不統一な”感受性領域の存在を含む被験者の神経 学的機能における実際の変動。最初のこれらの因子は最も有力であると思われ、 おそらくプラシーボ投与後の負の変化の優勢を説明する。4−AP投与後のより少 数の負の変化は、スコアのより多数の正の改善に加えて考慮されるべきである。 4−AP投与が振動知覚に及ぼす何らかの負の作用を有する(表3)という観察 は、興味がある。標本サイズは小さいが、しかし振動知覚におけるこの低減が実 際に4−APの作用であるという可能性は、2名の被験者(EB,GCh)が薬剤の反 復非盲検注射での振動スコアの何らかの低減を示したという観察により支持され た。カリウムチャンネルの遮断は、高周波数低振幅刺激に関連した信号の伝達に 選択的に作用し得る可能性があると思われる。 脊髄損傷における神経学的作用 この群の脊髄損傷患者における4−APの投与に伴う神経学的変化 のいくつかは、運動強度の選択的増大及び相対的に迅速な開始を伴う知覚欠損の 回復を含めて、多発性硬化疾患者で過去に観察されたものと同様である(Stefos ki et al.,1987;Davis et al.,1990;Stefoski et al.,1991)が、しかし変 化の継続期間は、48時間にも及ぶ機能改善被験者数名を含めて、驚くほど長かっ た。このような変化は、不完全脊髄損傷の6症例中5例に種々の程度に生じた。 利点は患者自身に十分に明らかで、4名の患者は定期的に薬剤を摂取したいとい う強い希望を表した。 完全及び不完全症例でともに観察された最も興味ある作用のいくつかの例とし ては、痙性及び慢性疼痛における長期存続低減、並びに下肢の皮膚温度に関連し た知覚不全が挙げられる。これらの結果は、多数の因子により支持される; a )被験者はこのような長期作用を期待させられなかったが、しかしすべての可能 性のある利益が高だか2〜3時間存続すると明確に告げられた; b)患者は別 々に、彼らも研究者も予期しなかった(そして実際に、4−APは痙性及び感覚異 常を悪化させるおそれがあるという予測を裏切った)同様の組み合わせの変化を 報告した; c)これらの変化は薬剤投与後にだけ報告され、プラシーボ投与後 には報告されなかった; d)このような変化により、ある症例では鎮痛薬の、 そして少なくとも2症例において鎮痙薬の使用が大いに低減された; e)効果 は、2名の被験者における4か月後の薬剤の二次投与で再現された。 作用の長期継続に関しては2つの説明が考えられる:これらの脊髄損傷被験者 においては薬剤の排出が正常有志及び多発性硬化症患者で観察されたものよりも 遅延された(Uges et al.,1982;Evenhuis et al.,1981;Stefoski et al.,1 991)か、又は薬剤が痙性及び異常疼痛知覚の長期低減を引き起こす神経系の 変化を引き出した。第一の可能性は、脊髄損傷患者における薬剤の清掃率 低下という従来の観察(Segal et al.,1991)により強化され、薬剤の長期作用 を示す2名の被験者において注入時から3〜4日間4−APの血漿レベルを調べる ことにより試験した。注入翌日に血漿中の薬剤の検出可能レベルが認められたが 、しかし排出の時間経過は明らかに検査で観察され、患者に報告された神経学的 作用の延長と相関しなかった。これは、4−APが実際に、1〜2日間自立する神 経系の変化を起こすことを示す。 疼痛及び痙性 慢性疼痛及び痙性に及ぼす作用機序は評価が難しいが、しかし重要であること は決定的で、これらの問題はしばしば提示され、脊髄損傷の状況における中心疼 痛の取り扱いにくい性質が示されている(Beric et al.,1988;Tasker,1990) 。脊髄損傷における慢性疼痛の解剖学的基質及び生理学的機序は十分にはわかっ ていない(Beric,1990;Kakulas et al.,1990;Xu et al.,1992)。関与する 細胞機序の一つは、損傷及び髄鞘脱落神経繊維が自発的に活発になる傾向がある というものである(0choa,1982;Smith and McDonald,1982)。4−APによる カリウムチャンネルの遮断は、このような自発的活性を生成又は増強する、そし て損傷神経繊維の電気的刺激に対する“パースト”(多発性活動電位)反応を引 き出す傾向がある(Waxman et al.,1985;Targ and Kocsis,1986;Kocsis et al.,1986;Blight,1989)。したがって、4−APは慢性疼痛及び感覚異常の強 度及び頻度を増大し得ると予測される。 同様に、相対的に高濃度の4−APは脊髄におけるシナプス伝達を増強すること が知られているため(Lemeignan,1972;Jankowska et al.,1977;Jankowska e t al.,1982)、痙性は、神経系の全体的興奮性とともに増大される可能性があ る。事実、本薬剤の適用は、いくつかの症例では慢性疼痛及び痙性の軽減に関連 しており、そこ でカリウムチャンネル遮断のその他のより特異的効果は、興奮性の増大汎化を支 配し得る。さらに、深層腱反射振幅の変化から、シナプス伝達の増強汎化は、知 覚及び運動機能の特異的変化よりも薬剤投与当日により広く行われ、より迅速に 衰える。 病変レベル下の慢性疼痛性知覚不全に罹患した3名の被験者(GCh,GCu,LJ) は、主に四肢の近位で、4−AP注入後にかなりの軽減を報告した。一側の肩の持 続性の痒みの形態の知覚不全を経験したある被験者(EB)は、薬剤投与後にこの 症状に何の変化も認められないと報告した。 要約 上記の結果は、4−アミノピリジンが脊髄損傷個体における運動制御及び知覚 能力を増大し、慢性疼痛及び痙性を低減することを示す。後者2つの作用は、従 来報告されていない。試験は脊髄損傷個体に限られているけれども、4−アミノ ピリジンは、神経系に影響を及ぼす他の症状を治療するのに、特にこのような症 状における疼痛及び痙性を低減するのにも有用である。 4−アミノピリジンは本試験では静脈内投与したが、しかし経口投与も有用で あり、注入部位周囲の腕の疼痛が認められた本試験での副作用を除去し得ると予 測される。 参考文献
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CZ, FI,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,LV,M G,MN,MW,NO,NZ,PL,RO,RU,SD ,SK,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ブライト,アンドリュー アール. アメリカ合衆国,ノースカロライナ 27599―7060,チャペル ヒル,ディビジ ョン オブ ニューロサージェリー(シー ビー 7060),ユニバーシティ オブ ノ ースカロライナ内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.神経系に影響を及ぼす状態の処理への4−アミノピリジンの使用。 2.神経学的状態が脊髄損傷である、神経学的状態の処理への4−アミノピリ ジンの使用。 3.疼痛を減じるためへの4−アミノピリジンの使用。 4.脊髄損傷の個人の疼痛を減じる請求の範囲第3項記載の使用。 5.痙性を減じるためへの4−アミノピリジンの使用。 6.脊髄損傷の個人の痙性を減じる請求の範囲第5項記載の使用。 7.前記4−アミノピリジンが約15〜約30mgの用量で使用される請求の範囲第 1〜6のいづれか1項記載の使用。 8.前記アミノピリジンが静脈内に投与される請求の範囲第7項記載の使用。 9.活性成分として4−アミノピリジンを、脊髄損傷の個人を処理するために その使用のための教授と共に含む商業用パッケージ。 10.活性成分として4−アミノピリジンを、痙性を処理するためにその使用の ための教授と共に含む商業用パッケージ。 11.活性成分として4−アミノピリジンを、疼痛を処理するためにその使用の ための教授と共に含む商業用パッケージ。 12.前記4−アミノピリジンが約15〜約30mgで存在する請求の範囲第9〜11の いづれか1項記載の商業用パッケージ。
JP51463794A 1992-12-18 1993-12-20 神経学的症状の治療における4−アミノピリジンの使用 Expired - Lifetime JP3474569B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CA2,085,785 1992-12-18
CA002085785A CA2085785C (en) 1992-12-18 1992-12-18 The use of 4-aminopyridine in the treatment of a neurological condition
PCT/CA1993/000554 WO1994014439A1 (en) 1992-12-18 1993-12-20 The use of 4-aminopyridine in the treatment of a neurological condition

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08504772A true JPH08504772A (ja) 1996-05-21
JP3474569B2 JP3474569B2 (ja) 2003-12-08

Family

ID=4150879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51463794A Expired - Lifetime JP3474569B2 (ja) 1992-12-18 1993-12-20 神経学的症状の治療における4−アミノピリジンの使用

Country Status (19)

Country Link
US (1) US5545648A (ja)
EP (1) EP0626848B1 (ja)
JP (1) JP3474569B2 (ja)
KR (1) KR100301415B1 (ja)
AT (1) ATE241981T1 (ja)
AU (1) AU676251B2 (ja)
BG (1) BG62272B1 (ja)
BR (1) BR9305909A (ja)
CA (1) CA2085785C (ja)
CZ (1) CZ284441B6 (ja)
DE (1) DE69333014T2 (ja)
ES (1) ES2199957T3 (ja)
FI (1) FI943765A (ja)
HU (1) HU219583B (ja)
NO (2) NO308644B1 (ja)
NZ (1) NZ258844A (ja)
RU (1) RU2160590C2 (ja)
SK (1) SK280922B6 (ja)
WO (1) WO1994014439A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004262814A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Pfizer Japan Inc 脊髄損傷患者における疼痛又は痙性軽減用医薬組成物
JP2006515585A (ja) * 2002-12-06 2006-06-01 パーデュー・リサーチ・ファウンデーション 損傷した哺乳類神経組織を治療するためのピリジン類
JP2014531470A (ja) * 2011-10-04 2014-11-27 アコーダ セラピューティクス,インコーポレーテッド アミノピリジンを使用する脳卒中関連性の感覚運動障害を処置する方法

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5792743A (en) * 1995-04-19 1998-08-11 Acorda Therapeutics Method for promoting neural growth comprising administering a soluble neural cell adhesion molecule
JPH09315972A (ja) * 1996-03-22 1997-12-09 Chugai Pharmaceut Co Ltd 脊髄損傷治療剤
WO1999004705A1 (en) 1997-07-25 1999-02-04 Tsui Ban C H Devices, systems and methods for determining proper placement of epidural catheters
US7582680B1 (en) 1998-11-12 2009-09-01 Purdue Research Foundation Methods and compositions for treating mammalian spinal cord injuries
WO2000047210A1 (en) * 1999-02-09 2000-08-17 Uab Research Foundation Use of 4-amino pyridine for treatment of peripheral neuropathies
NO324322B1 (no) 2001-02-26 2007-09-24 Dynea Oy Anvendelse av herder samt fremgangsmate ved liming
CA2445612C (en) 2001-04-24 2011-10-25 Purdue Research Foundation Methods and compositions for treating mammalian nerve tissue injuries
US20040047843A1 (en) * 2002-02-12 2004-03-11 Uab Research Foundation Method for spinal cord reconnection
US8729107B2 (en) * 2002-12-06 2014-05-20 Purdue Research Foundation Pyridines for treating injured mammalian nerve tissue
US20050192321A1 (en) * 2003-09-15 2005-09-01 Meythaler Jay M. Treatment of neuropathy with rapid release aminopyridine
US8007826B2 (en) * 2003-12-11 2011-08-30 Acorda Therapeutics, Inc. Sustained release aminopyridine composition
US8354437B2 (en) 2004-04-09 2013-01-15 Acorda Therapeutics, Inc. Method of using sustained release aminopyridine compositions
US20130030025A1 (en) * 2011-01-28 2013-01-31 Wessel Thomas C Use of potassium channel blockers to treat cerebral palsy
US8924325B1 (en) * 2011-02-08 2014-12-30 Lockheed Martin Corporation Computerized target hostility determination and countermeasure

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4508715A (en) * 1981-07-01 1985-04-02 University Of Georgia Research Foundation, Inc. Antagonism of central nervous system drugs by the administration of 4-aminopyridine alone or in combination with other drugs
WO1989009600A1 (en) * 1988-04-08 1989-10-19 Massachusetts Institute Of Technology Method and composition for treating neurological disorders
IE82916B1 (en) * 1990-11-02 2003-06-11 Elan Corp Plc Formulations and their use in the treatment of neurological diseases

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006515585A (ja) * 2002-12-06 2006-06-01 パーデュー・リサーチ・ファウンデーション 損傷した哺乳類神経組織を治療するためのピリジン類
JP2004262814A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Pfizer Japan Inc 脊髄損傷患者における疼痛又は痙性軽減用医薬組成物
JP4533590B2 (ja) * 2003-02-28 2010-09-01 ファイザー株式会社 脊髄損傷患者における疼痛又は痙性軽減用医薬組成物
JP2014531470A (ja) * 2011-10-04 2014-11-27 アコーダ セラピューティクス,インコーポレーテッド アミノピリジンを使用する脳卒中関連性の感覚運動障害を処置する方法

Also Published As

Publication number Publication date
BR9305909A (pt) 1997-10-21
EP0626848B1 (en) 2003-06-04
AU5691194A (en) 1994-07-19
ES2199957T3 (es) 2004-03-01
HUT68171A (en) 1995-05-29
NO308644B1 (no) 2000-10-09
FI943765A (fi) 1994-10-14
US5545648A (en) 1996-08-13
ATE241981T1 (de) 2003-06-15
CA2085785C (en) 2005-03-15
DE69333014T2 (de) 2004-05-06
NZ258844A (en) 1997-04-24
NO943049L (no) 1994-10-17
NO2012003I2 (no) 2013-02-18
WO1994014439A1 (en) 1994-07-07
KR100301415B1 (ko) 2001-11-22
EP0626848A1 (en) 1994-12-07
NO943049D0 (no) 1994-08-17
HU9402647D0 (en) 1994-11-28
RU2160590C2 (ru) 2000-12-20
SK280922B6 (sk) 2000-09-12
CZ225494A3 (en) 1995-03-15
AU676251B2 (en) 1997-03-06
BG99047A (bg) 1995-06-30
RU94041207A (ru) 1996-06-20
BG62272B1 (bg) 1999-07-30
KR950700062A (ko) 1995-01-16
DE69333014D1 (de) 2003-07-10
SK96994A3 (en) 1995-04-12
CA2085785A1 (en) 1994-06-19
JP3474569B2 (ja) 2003-12-08
FI943765A0 (fi) 1994-08-16
HU219583B (hu) 2001-05-28
NO2012003I1 (no) 2012-02-13
CZ284441B6 (cs) 1998-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hansebout et al. 4-Aminopyridine in chronic spinal cord injury: a controlled, double-blind, crossover study in eight patients
Wallis et al. Generalized muscular stiffness, fasciculations, and myokymia of peripheral nerve origin
Taricco et al. Pharmacological interventions for spasticity following spinal cord injury: results of a Cochrane systematic review
JPH08504772A (ja) 神経学的症状の治療における4−アミノピリジンの使用
Hayes et al. Preclinical trial of 4-aminopyridine in patients with chronic spinal cord injury
Yelnik et al. Drug treatments for spasticity
Hugenholtz et al. Intrathecal baclofen for intractable spinal spasticity–a double-blind cross-over comparison with placebo in 6 patients
Donovan et al. Intravenous infusion of 4-AP in chronic spinal cord injured subjects
Kostadinova et al. 4-aminopyridine–the new old drug for the treatment of neurodegenerative diseases
KR20170120708A (ko) 탈수초를 갖는 환자에서 4-아미노피리딘을 사용한 지속적 치료
Watanabe et al. Diagnosis and rehabilitation strategies for patients with hysterical hemiparesis: a report of four cases
Horn et al. Chemoneurolysis with phenol and alcohol: A “dying art” that merits revival
Pillai et al. Motor evoked potentials in psychogenic paralysis
Tang et al. Modification of altered ankle motor control after stroke using focal application of Botulinum toxin type A
Dursun et al. The role of botulinum toxin a in the management of lower limb spasticity in patients with cerebral palsy
Ramakrishnan et al. Facial diplegia: a misleading GBS variant
Still A clinical study of auriculotherapy in canine thoracolumbar disc disease
Ren et al. Utilization of electromyography during selective obturator neurotomy to treat spastic cerebral palsy accompanied by scissors gait
Curtis et al. Efficacy of fascia iliaca nerve block in daily routine for children with femoral fractures in a pediatric emergency department
Lim et al. Improving Upper Limb Spasticity in Patients with Stroke by Electroacupuncture Therapy: a Pre-and Post-Treatment Study
Von Wild et al. Effect of pyritinol on EEG and SSEP in comatose patients in the acute phase of intensive care therapy
Rismayanti et al. Effectiveness of Trancutaneus Electrical Nerce Stimulation On Frozen Shoulder (TENS): Literatur Review
NAKAMURA et al. Arousal Response Induced by Postural Changes in Patients with Subacute Myelo-Optico-Neuropathy,“SMON”
Rogers A comparison of botox injections to selective dorsal rhizotomy in the treatment of spasticity
Rogers et al. Leprosy: Report on four cases

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100919

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120919

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130919

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term