JP2014531470A - アミノピリジンを使用する脳卒中関連性の感覚運動障害を処置する方法 - Google Patents

アミノピリジンを使用する脳卒中関連性の感覚運動障害を処置する方法 Download PDF

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Abstract

本明細書では、脳卒中関連性障害の患者、特に、脳卒中関連性の感覚運動障害患者における、アミノピリジンの治療的使用に関連する方法、及び組成物が開示される。【選択図】図1

Description

本発明は、脳卒中に関連する障害、特に感覚運動障害の処置に関する。
中枢神経系(CNS)損傷は、深刻な健康問題である。CNS損傷は一般に、対象にある程度の恒久的な機能障害を残して完全には治癒しない。残された機能障害は、運動、感覚、認知、情緒及び自律神経の異常を含む可能性がある。
CNS損傷の重要なカテゴリーは、脳卒中による脳損傷を含む。脳卒中は、西洋社会において、3番目の主要な死因であり、且つ、障害の主原因である。したがって、脳卒中は大きな社会経済的な負荷となる。脳卒中の病因論は、虚血(大部分の脳卒中の症例)又は出血のどちらかとすることができる。虚血性脳卒中は、身体のどこにでも形成して、血流によって脳に移動する血餅による(塞栓性脳卒中)か、又は脳の動脈内部に形成する血餅により(血栓性脳卒中)、引き起こされ得る。グルコース及び酸素の不足により即時に梗塞中心部において多量の細胞死が起こった後、グルタミン興奮毒性、アポトーシス機構、及びフリーラジカル生成などの二次的機構により、梗塞領域が数日間で拡大する。神経損傷(例えば、虚血事象)後、動物及びヒトは、いかなる治療的介入なしに、数日、数週間及び数カ月をかけて、機能を回復することができる。しかし、この回復は、わずか一部に過ぎず、動物及びヒトは、運動、感覚及び認知障害を含み得る、長期的又は恒久的な障害を患うことが多い。脳卒中による運動、感覚及び認知障害は、日常生活動作及びクオリティオブライフに深刻な影響を及ぼす恐れがある。脳卒中からの生存者には、恒久的な神経障害が残ることが多く、脳卒中生存者の15〜30%は、恒久的な障害を患うと見積もられている(Rogerら、Circulation 2012年、125巻、22-e220)。
個体が脳卒中を患う可能性を増大させる危険因子は、周知である。これらには、以下に限定されないが、変えることができない危険因子である高齢、遺伝、人種、性別、脳卒中又は心臓発作の過去の既往歴と、変えることができる、処置することができる又は管理することができる危険因子である高血圧、喫煙、糖尿病、頚動脈又は他の動脈疾患、心房細動、他の心臓病、鎌状赤血球症、高血中コレステロール、貧しい食事並びに運動不足及び肥満とが含まれる。
現在まで、虚血性脳卒中の直接的な薬物療法は、脳卒中後の急性期に投与される薬物に制限されている。急性期は損傷(例えば、脳卒中)の発生時からおよそ損傷後6時間の範囲である。出血性脳卒中向けの薬物療法は現在、存在しない。
米国において、組織プラスミノーゲン活性化因子(「tPA」)、及び急性使用に適したある種の機械的な血餅回収装置(Eesaら、2011年、Expert Rev Neurother.11巻(8号)、1125〜1139頁を参照されたい)以外に、脳卒中の処置に対して承認された治療法は現在、存在していない。患者は、利用可能な処置の後、およそ60日かけて、よく見積もったとしていくらか内因的に改善し得る、次いで最大1年以上かけて非常にわずかに内因的に改善し得る、あるレベルの機能障害を伴ったままであることが多い。この回復は、単に理学療法によってしか向上しないことがある。不運にも、患者の多くは、改善の望みがほとんどないまま、恒久的な障害が残る。
急性の脳卒中の処置は、一刻を争う血栓溶解剤(具体的にはtPA)の使用による、閉塞した血管における血流の回復によって行われる。tPAは、脳に血液を供給する動脈中の血餅を破壊し、脳への血流及び酸素供給の再開を促進する。しかし、脳卒中患者のごく一部が、tPA治療の成功を享受するに過ぎない。tPAは、現在、FDAによって、脳卒中症状の発症の3時間以内の使用を承認されているに過ぎず、脳卒中を有する個体の約3パーセントにしか投与されない。多くの患者はtPA治療に対する候補ではなく、tPAに間に合って病院に到着することがないか、又はtPAにより処置することができない時間を経過した多発性小梗塞を有している。さらに、tPAによる処置で成功を収めた患者でさえ、脳にある程度の細胞損傷を有することが多い。
tPAは、プラスミノーゲンをプラスミンに変換するセリンプロテアーゼである。プラスミンは、次に、脳内の血管を閉塞して脳卒中を引き起こす血餅の成分である、フィブリンを破壊する。tPAは閉塞後最初の3時間以内に投与されることが理想的であるが、一部の臨床医により、閉塞後6時間と遅くに投与されることがある。不運なことに、脳卒中を経験した患者の大部分は、この処置を検討する時間内に病院に到着しない。効力のある一時的時間枠内に病院に到着する患者に対して、血流の閉塞を破壊し、脳へ酸素供給を再開し、さらに脳構造の損失程度を制限するために、tPAが投与される。しかし、tPAの使用を制限する重要な禁忌がいくつか存在する。3時間後にtPAを投与された患者は、tPAの効果が低下していく間に、深刻な出血が起こる危険性が増大する。こうした理由から、何らかの治療効果を実現するために、tPAの急性期中の投与は制限されている。
現在のところ、脳卒中処置のためにFDAによって承認された薬物は他にはない。血餅を破壊し且つ血流を再開するための可能性ある手段として、動脈に送達されるプロウロキナーゼなどの、実験的な現在の治療法が検討中である。しかし、科学文献には、脳卒中の実験動物モデルにおいて、脳質(brain matter)の保護及び機能回復に有益であることが証明された作用剤が記載されている。これらの作用剤の大部分は、急性の細胞死、炎症及びアポトーシスの低減に着目したものであり、したがって、虚血事象後、数時間以内(一部は最大24時間まで)に送達されなければならない。
アスピリン(ASA)も、個体が脳卒中症状を患う場合、一部の組織によって推奨されている。脳卒中の可能性を低減する一助とするため、他の抗血小板治療法が使用されることもある。
これまで、脳卒中に対する処置は迅速さが要求されると一般に認識されている(Abeら、2008年、J Cereb Blood Flow Metab.7月23日、Epub ahead of print、Sunら、2008年、Stroke、7月10日、Epub ahead of print;Dohareら、2008年、Behav Brain Res.193巻(2号)、289〜97頁;Belayevら、2001年、Stroke 32巻(2号)、553〜60頁)。わずかの例外、例えば、グリア成長因子2(GGF2)を除き(Iaciら、2010年、Neuropharmacology59巻、640〜649頁を参照されたい)、作用剤は、いくつかの実験動物モデルにおいて、数時間のタイムラグ後、長くても脳卒中の約1日後に投与した場合でも、脳卒中後の脳の損傷を限定的にする、機能を回復する、又は回復を増強することを示さない。
急性の閉塞後、循環が回復しない場合、数時間以内に死亡することになる半影領域によって取り囲まれている脳質の破壊された局所領域が存在することが多い。この半影領域が死亡する時間は、実験モデルでは、NMDAアンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、ラジカルスカベンジャー及びラジカル捕捉剤、抗アポトーシス剤、カスパーゼ阻害剤、parp阻害剤などの神経保護剤により、数時間延長することができる。しかし、24〜48時間後、壊死から細胞を保護する望みはほとんどなく、また、アポトーシス死が数日間続いている間、抗アポトーシス療法に対する治療的時間枠は、急性的な保護療法ほど拡大しないことが判明している(Schulzら、1998年、Cell Death Differ.5巻(10号)、847〜57頁;Komjatiら、2004年、Int J Mol Med.13巻(3号)、373〜82頁)。
脳卒中を生き延びた個体における恒久的な感覚運動障害は、通常、理学療法によるリハビリテーションによって部分的に対処されるに過ぎない。これにもかかわらず、こうした患者における恒久的な機能障害を処置するための、薬理学的介入の可能性にはほとんど関心が持たれていない。これは、脳卒中の結果、失われた神経細胞及び神経回路を置きかえることはほとんどできないという確信が一般に持たれていることに起因している可能性がある。
カリウムチャネル遮断薬
ある種のアミノピリジンの例示的な特性は、これらがカリウムチャネル遮断薬であるということである。4-アミノピリジン(4-AP)は、こうしたカリウムチャネル遮断特性を有するアミノピリジンの一例である。通常、1マイクロM(94ng/mL-1)未満の臨床試験において得られる4-APの血漿中濃度では、4-APのカリウムチャネル遮断活性は、ある種のタイプのこうしたチャネルに選択的であるように見える。興味深いことは、高濃度(ミリモル濃度など)では、4-APはカリウムチャネルの広域スペクトル遮断薬である。4-APの臨床神経学的効果は、カリウムチャネル遮断の分子機構と一致する。
4-アミノピリジン(ダルファムプリジン、ファムプリジン)の研究は、制御放出性製剤又は徐放性製剤に加えて、静脈(i.v.)投与及び即時放出性(IR)経口カプセル製剤を使用して行われてきた。IRカプセル剤を投与すると、血漿中の4-アミノピリジンの急速、且つ短期間継続性のピークをもたらした。初期の薬物動態研究は、ゼラチンをベースとするカプセル剤又は経口液剤中の4-アミノピリジン粉末からなる、経口投与用の即時放出性(IR)製剤を用いて行われた。投与により、良好な耐容性を示さない、4-アミノピリジン血漿中レベルが急速に変化した。徐放性マトリックス錠剤(ファムプリジン-SR、又はAMPYRA(登録商標)(Acorda Therapeutics社、Hawthorne、NY)として公知)が、次に開発された。徐放性マトリックス錠剤は、1日2回の投与について、安定性の改善及び適切な薬物動態プロファイルを示した。4-アミノピリジンの徐放性組成物、及びこうした組成物の関連使用が、例えば、米国特許第5,370,879号、米国特許第5,540,938号、米国特許第8,007,826号、及び米国特許出願公開第2005-0228030号に記載されている。例えば、適切な製剤、製造方法、除放性アミノピリジン組成物の薬物動態特性、及び様々な神経障害を処置する方法が、2011年8月30日に発行された「Sustained Release Aminopyridine Composition」と題する米国特許第8,007,826号、及び2005年10月13日に公開された「Methods of Using Sustained Release Aminopyridine Compositions」と題する米国特許出願公開第2005-0228030号において、さらに記載されており、これらの各々の全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
化合物4-アミノピリジンは、MS患者の処置として、米国食品医薬品局により承認されたカリウム(K+)チャネル遮断薬である。図1に説明される通り、ダルファムプリジンは、化学的に4-アミノピリジン(4AP)という米国医薬品一般名(USAN)であり、これは、分子式C5H6N2及び分子量94.1を有する。この化合物の以前のUSAN名は、ファムプリジン(これは、国際一般名のままである)であった。用語「ダルファムプリジン」、「ファムプリジン」及び「4-アミノピリジン」は、本明細書全体を通して使用され、活性な医薬物質のことを指すものとする。
国際公開第89/09600号は、「post-stroke or post-toxic syndromes affecting memory or cognition」を含む、ある種の疾患を処置するための、カリウムチャネル遮断薬とコリン又はコリン源との組合せ使用を公開している(6頁を参照されたい)。
当分野において、脳卒中、例えば感覚運動障害によって誘発される障害を効果的に処置する必要性が、長期間にわたり満たされていない。特に、急性損傷後に、数時間、数日間又は数週間を超えて遅延した非急性状況において、こうした処置が必要である。急性期間外での処置に加えて、感覚、運動、認知、情緒又は自律神経の機能を改善することになる、慢性期にもたらすことができる何らかの治療法に関する、満たされていない医療ニーズが存在する。
本明細書では、治療有効量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の投与による、脳卒中患者を処置する方法が提供される。ある種の実施形態では、本明細書では、脳卒中を患った患者における、脳卒中関連障害の処置が開示される。特に、本明細書では、脳卒中に関連する又はそれにより誘発される1つ以上の感覚運動障害の改善を引き起こす処置が開示される。特に、こうした処置におけるアミノピリジンの使用が開示される。一実施形態では、1つ以上のアミノピリジンが、本明細書に開示される方法において使用される。一実施形態では、アミノピリジンはモノ-又はジ-アミノピリジンである。一部の実施形態では、モノ-アミノピリジンは、3-アミノピリジン又は4-アミノピリジンである。一実施形態では、ジ-アミノピリジンは、3,4-ジアミノピリジンである。
ある種の実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される患者は、哺乳動物である。好ましい実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される患者は、ヒトである。ある種の実施形態では、本発明により処置される脳卒中は虚血性脳卒中である。本発明により処置することができる虚血性脳卒中のサブタイプには、非限定的に、大血管アテローム性動脈硬化症(塞栓症/血栓症)、心塞栓症(心原性脳塞栓症)、小血管閉塞症(ラクナ脳卒中)、及び他の病因が解明済み又は未解明の脳卒中が含まれる。ある種の実施形態では、本発明により処置される脳卒中は、非アテローム硬化性血管障害、過剰凝固状態、又は血液障害を伴う。別の実施形態では、本発明により処置される脳卒中は、出血性脳卒中である。本発明により処置することができる出血性脳卒中のサブタイプには、非限定的に、クモ膜下出血及び脳内出血が含まれる。
一部の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、徐放性組成物中で投与される。別の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、即時放出性組成物中で投与される。ある種の実施形態では、本発明による方法は、1日1回、1日2回又は1日3回、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。特定の実施形態では、アミノピリジン(例えば、4-AP)又は薬学的に許容されるその塩は徐放性組成物中に存在し、且つ1日1回又は1日2回で、好ましくは経口投与される。別の特定の実施形態では、アミノピリジン(例えば、4-AP)又は薬学的に許容されるその塩は即時放出性組成物中に存在し、且つ1日3回以上で、好ましくは経口投与される。
特定の実施形態では、薬学的に許容される塩ではなく、アミノピリジン自体が、本明細書に記載されているいずれかの方法で使用される。
ある種の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩が、患者に経口、静脈、筋肉又は皮下に投与される。一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、患者に経口投与される。アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩が経口投与される実施形態のいくつかでは、錠剤、丸剤又はカプセル剤の形態で製剤化される。一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、患者に静脈投与される。
特定の実施形態では、徐放性組成物中のアミノピリジン又は薬学的に許容される塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩が、b.i.d(すなわち1日2回)で患者に経口投与される。ある種の実施形態では、1日2回の投与は、12時間毎に、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の投与を含む。特定の実施形態では、徐放性組成物中のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、ヒトにおいて約2時間〜約6時間のTmaxを実現する。別の特定の実施形態では、徐放性組成物中のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩が、1日1回、患者に経口投与される。
ある種の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、約4mg〜約17.5mgの間、又は4mg〜17.5mgの範囲の量(例えば、約4、5、6、7、7.5、8、9、10、11、12、12.5、13、14、15、16、17、又は17.5mg)で投与され、特定の実施形態では、好ましくは徐放性組成物で1日1回又は1日2回である。ある種の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、約8mg〜約30mgの間、又は8mg〜30mgの範囲の量(例えば、約8、9、10、11、12、12.5、13、14、15、16、17、17.5、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30mg)で投与され、特定の実施形態では、好ましくは徐放性組成物で1日1回又は1日2回である。一部の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、4mg〜40mgの範囲の量で投与される。一部の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、好ましくは徐放性組成物中、約5mg〜15mg、5mg〜10mg、5mg〜7.5mg、又は7.5mg〜10mgの間の量で、1日2回投与されるか、又は、好ましくは徐放性組成物中、約5mg〜15mg、5mg〜10mg、5mg〜7.5mg、又は7.5mg〜10mgの間の量で、1日2回投与される。一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、好ましくは徐放性組成物中、5mgの用量で、1日2回投与される。別の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、好ましくは徐放性組成物中、10mgの用量で、1日2回投与される。別の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、好ましくは徐放性組成物中、10mgの用量で、1日1回投与される。これらの実施形態の一部では、アミノピリジンは4-アミノピリジンである。他の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、約8mg〜30mg、8mg〜20mg、10mg〜15mg、又は10mg〜20mgの間で、1日1回(例えば、徐放性組成物中)投与される。
本出願において記載されている投与量及び投与レジメンのいずれもが、本発明の方法において使用される、治療有効量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩として働くことができる。
一部の実施形態では、本発明の方法は、脳卒中後の早期慢性期の間及び/又は安定慢性期の間に、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。他の実施形態では、本発明の方法は、脳卒中後の急性期の間に、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。ある種の実施形態では、処置は急性期の間に開始され、且つ脳卒中後の早期慢性期及び/又は安定慢性期の間、継続される。一部の実施形態では、処置は早期慢性期の間に開始され、且つ安定慢性期の間、継続される。一実施形態では、処置は安定慢性期の間に開始される。特定の実施形態では、処置は、患者において、感覚運動機能の自発的回復が予期されるか又は観察される、脳卒中後の期間に開始される。他の特定の実施形態では、処置は、患者において、感覚運動機能の測定可能な自発的回復又は改善がほとんど若しくは全く予期されないか又は観察されない、脳卒中後の期間に開始される。一部の実施形態では、患者において感覚運動機能の自発的回復は予期又は観察されるが、こうした期間を超える任意の期間続く(例えば、こうした期間を超えて6カ月、1年、5年、10年、20年続くか、又は処置される患者の終生続く)、脳卒中後の期間に開始される。
ある種の実施形態では、本発明による処置は、脳卒中後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27若しくは28日、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11若しくは12週、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12カ月の時点、又はその後に開始する。ある種の実施形態では、本発明による処置は、処置の開始から、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11若しくは12週間、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11若しくは12カ月間、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10年間を超えて継続される。一部の実施形態では、本発明による処置は、脳卒中後のいつでも開始される。
一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11又は12カ月で開始される。一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から4、5、6、7、8、9、10、11又は12カ月超で開始される。一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から少なくとも8週間で開始される。一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から少なくとも4週間で開始される。別の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から少なくとも1週間で開始される。さらに別の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から2〜7日の間に開始される。一部の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から少なくとも1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週又は8週で開始される。一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から少なくとも4カ月で開始される。一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から少なくとも6カ月で開始される。一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から少なくとも8カ月で開始される。一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から少なくとも12カ月で開始される。一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から少なくとも4カ月超で開始される。一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から少なくとも6カ月超で開始される。
特定の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から少なくとも3、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は48時間で開始される。一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から少なくとも6時間で開始される。一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から少なくとも12時間で開始される。別の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から少なくとも24時間で開始される。別の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から少なくとも48時間で開始される。一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から6時間超の時点で開始される。別の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から24時間超の時点で開始される。
別の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、脳卒中直後に、又は患者が脳卒中を患った時から1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、20時間、24時間、36時間若しくは48時間以内に開始される。特定の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、好ましくは治療有効量のアミノピリジン又は塩を投与するステップは、患者が脳卒中を患った時から1日又は2日以内に開始される。ある種の実施形態では、本発明による処置は、脳卒中直後に、又は脳卒中後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、36若しくは48時間以内に開始され、且つ処置の開始から少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11若しくは12週間、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11若しくは12ヶ月、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10年間続けられる。
ある種の実施形態では、本明細書では、脳卒中患者における1つ以上の感覚運動障害を処置する方法が提供される。ある種の実施形態では、本明細書では、脳卒中患者における1つ以上の運動障害又は感覚障害を処置する方法が提供される。本明細書に記載されている方法により処置される感覚運動障害には、非限定的に、以下が含まれる:運動失調、全身制御障害、協調又はバランス障害、身体感覚の障害、持久力障害、手の機能の障害、細かな手の協調の喪失又は障害、反射亢進、握力の障害、手の力の障害、手先の器用さの障害、筋力低下、筋緊張障害、運動範囲障害、痙直、力の障害/衰弱、振戦、四肢機能の障害、上肢機能障害、下肢機能障害、下肢筋力の障害、歩行障害(例えば、歩行速度低下又は異常歩行)、発話障害(例えば、構音障害)、顎機能の障害、咀嚼の障害、及び顎関節の障害。
一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、歩行速度低下などの歩行障害である。一実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される感覚運動障害は、固有受容性感覚の障害である。他の実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、全身制御又は全身感覚の障害である。別の実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、四肢機能の障害(例えば、下肢機能の障害、下肢筋力の障害、又は上肢機能の障害)である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、下肢機能の障害及び/又は下肢筋力の障害である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、上肢機能の障害である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、上肢痙直の障害である。さらに別の実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、手の機能の障害、細かな手の協調の障害、又は握力の障害である。別の実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、手の力の障害である。別の実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、手先の器用さの障害である。特定の実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、口腔運動機能の障害である。特定の実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、発話障害(例えば、構音障害、失行、又は発声障害)である。特定の実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、咀嚼及び/又は嚥下の障害(例えば、嚥下障害)である。特定の実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、顔面神経麻痺である。特定の実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、四肢麻痺である。特定の実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、手の麻痺である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、バランス障害である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、感覚障害である。一部の実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、視覚機能の感覚障害及び/又は眼球運動障害などの視覚障害である。
特定の実施形態では、本発明による処置は、1種以上の脳卒中関連性の感覚運動障害の症状の処置(例えば、症状の改善、寛解、重症度の低減、又は持続期間の低減)に有効である。一部の実施形態では、本発明による処置は、1種以上の脳卒中関運動障害の症状の処置(例えば、症状の改善、寛解、重症度の低減、又は持続期間の低減)に有効である。一部の実施形態では、本発明による処置は、1種以上の脳卒中関感覚障害の症状の処置(例えば、症状の改善、寛解、重症度の低減、又は持続期間の低減)に有効である。一部の実施形態では、本発明による処置は、脳卒中により障害を受ける、1種以上の運動、感覚、又は感覚運動機能を回復する。ある種の実施形態では、アミノピリジンの反復投与後(又はその前後)の、前記運動障害、感覚障害又は感覚運動障害のレベルを評価する方法がさらに提供される。こうした方法は、本明細書に記載されているか、又は当分野で公知の、運動機能、感覚機能又は感覚運動機能を見積もる任意の方法となり得る。
実施形態の一部では、本明細書に記載されている方法において使用される治療有効量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、ヒトにおいて、少なくとも約11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20ng/mlのCminss又は平均Cminssが得られるような量である。一実施形態では、治療有効量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、ヒトにおいて、約12ng/ml〜20ng/mlのCminss又は平均Cminssが得られるような量である。これらの実施形態の一部では、アミノピリジンは4-アミノピリジンである。
特定の実施形態では、本出願に記載されている任意の方法、投与用量及び投与レジメンが使用され、脳卒中後の永続性の運動障害を有する患者が処置され得る。
3.1 用語
本明細書及び特許請求の範囲の明確且つ一貫性のある理解を提示するため、以下の定義を提供する。
本明細書で使用する場合、用語「約」は、指定した値に、その指定した値の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15%をプラス又はマイナスしたものを含む。一実施形態では「約」とは、指定された値の98〜102%を意味する。一実施形態では「約」とは、指定された値の95〜105%を意味する。しかし、特に、「約」という特定のng/ml値には、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、又は0.1ng/mlをプラス又はマイナスしたものが含まれる。用語「約」の意味は、それが出現する文脈に明確に依存することになる。
本明細書で使用する場合、液体と記載されていないか、又は文脈が特に示さない場合、Cminss、Cmaxss、Cavssの値は、一般に血漿に関する。
障害に関する用語「改善」とは、治療的方向にパラメータが変化することを指す。本明細書で使用する場合、「改善」は、別の面で悪化するか、又は非治療的方向に向かうと思われるパラメータの安定化も含む。
「薬学的に許容される」とは、担体、希釈剤、又は賦形剤は、製剤の他の成分と適合しなければならず、ヒト又は動物への投与について、(場合によって)米国食品医薬品局又は欧州医薬品庁などの規制機関によって禁止されていないことを意味する。
本明細書で使用される、アミノピリジンに関連する「薬学的に許容される塩(複数可)」という用語は、無機酸若しくは無機塩基、又は有機酸若しくは有機塩基を含む、薬学的に許容される無毒性の酸又は塩基から調製される塩を指す。一実施形態では、薬学的に許容される塩は、無機酸又は有機酸とすることができる、薬学的に許容される無毒性の酸から調製される。一実施形態では、無毒性の酸には、以下に限定されないが、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロン酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸及びp-トルエンスルホン酸などの無機酸及び有機酸が含まれる。一実施形態では、無毒性の酸は塩酸である。適切な薬学的に許容される塩は、当業者に明らかであり、これには、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、S.M.Bargeら、「Pharmaceutical Salts」、1977年、J.Pharm.Sci.66巻1〜19頁に記載されているものが含まれる。
本明細書で使用する場合、用語「定常状態」は、経時的に変動していない1つ以上の特性を有する系を示すか、又は「定常状態」は経時的に限られた範囲内で変動している1つ以上の特性を有する系を示す。通常、定常状態は、動的平衡よりも一般的な状況である。系が定常状態にある場合、現在観察されるその系の挙動が、将来に一般に継続することになる。多くの系では、定常状態は、系が始まるか又は開始した後、ある時間が経過するまで達成されない。この初期状況は、一過性状態、用量調節期間、始動期間又は準備期間として特定される。
本明細書で使用する場合、「脳卒中」は、「脳の発作」と呼ぶこともできる。脳卒中は、脳の領域への血流が妨害される場合に起こり、こうして、脳細胞への酸素及び栄養の供給が断ち切られ、細胞の一部に死がもたらされる。脳卒中には、主に2つのタイプ、虚血性及び出血性が存在する。虚血性脳卒中は、脳へ血流が遮断されることに起因し(虚血)、血餅が血管を遮断することにより引き起こされることがほぼ通常であるのに対し、出血性脳卒中は、破裂した血管の出血(bleeding)(出血(hemorrhage))に起因する。
他の用語及び/又は略語は、以下に提示される。
Figure 2014531470
4-アミノピリジンに関する情報を示す図である。 投与予定表及び行動試験を示す概略図である。 前肢配置試験の結果を示す図である。X軸は脳卒中事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表す。Y軸は行動得点(0〜12、0は正常機能であり、12は最大障害である)を表す。グラフは、実施例に記載する通り、D-1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60での各試験群(すなわち、1〜3群)における動物の平均行動得点を示している(「D」=日)。 後肢配置試験の結果を示す図である。X軸は脳卒中事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表す。Y軸は行動得点(0〜6、0は正常機能であり、6は最大障害である)を表す。図4Aは、実施例に記載する通り、D-1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60での各試験群(すなわち、1〜3群)における動物の平均行動得点を示している。 後肢配置試験の結果を示す図である。X軸は脳卒中事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表す。Y軸は行動得点(0〜6、0は正常機能であり、6は最大障害である)を表す。図4Bは、実施例に記載する通り、D-1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60での群1における動物の平均行動得点を示している。 後肢配置試験の結果を示す図である。X軸は脳卒中事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表す。Y軸は行動得点(0〜6、0は正常機能であり、6は最大障害である)を表す。図4Cは、実施例に記載する通り、D-1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60での群2における動物の平均行動得点を示している。 後肢配置試験の結果を示す図である。X軸は脳卒中事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表す。Y軸は行動得点(0〜6、0は正常機能であり、6は最大障害である)を表す。図4Dは、実施例に記載する通り、D-1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60での群3における動物の平均行動得点を示している。 体揺れ試験(body swing test)の結果を示す図である。X軸は脳卒中事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表す。Y軸は行動得点を表す。グラフは、実施例に記載する通り、D-1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60での各試験群(すなわち、1〜3群)における動物の平均行動得点を示している。 脳卒中事象(すなわち、MCAO)後の日(すなわち、D-1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60)の各試験群(すなわち、1〜3群)の動物の平均体重(g)を示す図である。 シリンダー試験の結果を示す図である。X軸は脳卒中事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表す。Y軸は行動得点を表す。グラフは、実施例に記載する、-1日目(手術前)、7日目、21日目、30日目、32日目、44日目、46日目、58日目、60日目の各試験群(すなわち、1〜3群)の動物の平均行動得点を示している。 シリンダー試験を行わせた動物の総運動得点の結果を示す図である。X軸は脳卒中事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表す。Y軸は行動得点を表す。グラフは、-1日目(手術前)、7日目、21日目、30日目、32日目、44日目、46日目、58日目、60日目の各試験群(すなわち、1〜3群)の動物の平均行動得点を示している。 MCAO後の群1、群2、及び群3における動物の平均梗塞体積(%)を示す図である。 実施例16に記載する臨床プロトコルの試験計画を示す図である。 前肢配置試験の結果を示す図である。X軸は脳卒中事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表す。Y軸は行動得点(0〜12、0は正常機能であり、12は最大障害である)を表す。グラフは、実施例17に記載されている、各試験群(すなわち、ビヒクル及び4-AP)における動物の平均行動得点を示す(「D」=日)。データは平均値±SEMとして表される。*=p<0.05、†=p<0.001、‡=p<0.0001。 後肢配置試験の結果を示す図である。X軸は脳卒中事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表す。Y軸は行動得点(0〜6、0は正常機能であり、6は最大障害である)を表す。グラフは、実施例17に記載されている、各試験群(すなわち、ビヒクル及び4-AP)における動物の平均行動得点を示す(「D」=日)。データは平均値±SEMとして表される。*=p<0.05、†=p<0.001、‡=p<0.0001。 体揺れ試験の結果を示す図である。X軸は脳卒中事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表す。Y軸は行動得点を表す。グラフは、実施例17に記載されている、各試験群(すなわち、ビヒクル及び4-AP)における動物の平均行動得点を示す(「D」=日)。データは平均値±SEMとして表される。*=p<0.05、†=p<0.001、‡=p<0.0001。
脳卒中の後遺症として、個体は神経損傷を受け、その結果、ある程度の運動、感覚又は感覚運動障害が残ることが多い。実験的治療は、虚血中及びその直後に、死からニューロンを保護することに集中してきた。脳卒中、TIA、又は多発性梗塞症候群後のヒトにおいて、機能を回復させる時間的に制約のあるtPA投与以外に、FDAに承認された薬物は存在しない。
本発明は、脳卒中を患った患者の処置、及び一部の実施形態では、脳卒中により神経損傷を患っている患者の処置を提供する。特に、本発明は、脳卒中後の、運動、感覚又は感覚運動障害がある程度残った患者の処置を提供する。この障害は、非常に軽度から、重症で機能を失うほどまでの範囲となり得る。こうした障害は、虚血事象に起因する、又は虚血エピソード後の炎症及び免疫応答に起因する、ニューロン及びミエリンの損失によるものとなり得る。こうした障害は、脳卒中の結果、感覚運動機能を調節する脳の領域(例えば、皮質、皮質下又は非皮質)のニューロン又はミエリンの損失又は損傷となり得る。例えば、こうした障害は、運動皮質、感覚皮質若しくは体性感覚皮質中のニューロン若しくはミエリンの損失若しくは損傷となり得るか、又は感覚運動皮質若しくは感覚運動機能をつかさどる皮質領域におけるニューロン若しくはミエリンの損失若しくは損傷となり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される患者は、虚血性脳卒中を有する。一実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される患者は、中大脳動脈脳卒中(中大脳動脈の閉塞によるものなど)を有する。他の実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される患者は、出血性脳卒中を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される患者は、脳卒中(出血性脳卒中又は虚血性脳卒中、例えば、中大脳動脈脳卒中など)により、永続性又は慢性の感覚運動障害を有する。一実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される患者は、多発性硬化症を有していない。
本明細書では、特に感覚運動機能を調節する脳の領域(例えば、皮質、皮質下又は非皮質)における脳卒中関連性のニューロンの損失又は損傷を処置するための、アミノピリジン(例えば、4-AP、又は3,4-DAP)又は薬学的に許容されるその塩の使用が開示される。特に、本明細書では、4-AP及び他のアミノピリジン、又は薬学的に許容されるその塩は、脳卒中事象後の感覚運動機能の損失の回復に有用であることが開示される。本明細書で説明される通り、好ましい実施形態では、アミノピリジン(例えば、4-AP)又は薬学的に許容されるその塩は、脳卒中事象に伴う、又はその後の感覚運動機能の損失を実際に示す個体に投与される。ある種の実施形態では、本明細書では、神経機能の脳卒中関連性障害を処置するための、アミノピリジン(例えば、4-AP又は3,4-DAP)又は薬学的に許容されるその塩の使用が記載される。これらの実施形態の一部では、有効量のアミノピリジンによる患者の処置によって、脳卒中により障害を受けた神経機能が回復するか、又は改善される。
特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置されている障害は、記憶又は認知に影響を及ぼさない。他の特定の実施形態では、本発明により患者に投与されるアミノピリジンを含む組成物は、コリン、コリン源、アセチルコリン前駆体又はコリン前駆体を含有していない。
本発明の方法により処置される患者又は対象には、以下に限定されないが、ヒト、及び野生動物、家畜及び農場動物などの非ヒト脊椎動物が含まれる。ある種の実施形態では、本発明により処置される患者は、哺乳動物、例えばヒト、ウシ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ウマ又はブタである。好ましい実施形態では、患者はヒトである。
本明細書で説明される通り、本発明者らは、アミノピリジン、具体的には4-アミノピリジンは、ヒトの虚血性脳卒中に対するモデルであるラットにおいて、中大脳動脈閉塞後に神経機能を回復するのに有効であることを実証する。実施例2及び実施例17に記載されている本試験は、内因的な回復が安定化した時点における、感覚運動機能に対する4-アミノピリジンの効果を評価するために、脳卒中の恒久的な中大脳動脈閉塞(MCAO)モデルであるラットを使用した。本明細書に記載されている通り、本発明者らは、4-アミノピリジンが虚血事象後の感覚運動障害の処置に有効であるという、驚くべき発見をした。本発明者らにより得られ、本明細書に記載されているデータは、投与が虚血性事象後の慢性期中に開始される場合(例えば、虚血事象後、4週又は8週)でさえも、有効であることを示している。したがって、ある種の実施形態では、本明細書には、アミノピリジン、例えば、4-アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を使用し、患者における脳卒中関連性の感覚運動障害を処置する方法が記載される。特定の実施形態では、本処置は、脳卒中後の早期慢性期及び/又は永続性慢性期の間である。一部の実施形態では、本明細書には、脳卒中後、1、2、3、4、5、6、7、8週、1、2、3、4、5、6カ月、又は1、2、3、4、5、10、15、20年時、若しくはそれらの後、又は任意の時における、本明細書に開示されている方法による患者の処置が記載される。他の実施形態では、本明細書には、脳卒中後、1、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20若しくは22時間、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10日以内、又はそれらの後における、本明細書に開示されている方法による患者の処置が記載される。
1 アミノピリジン及びアミノピリジンを含む組成物
アミノピリジンの構造は当分野で周知である。米国特許第5,952,357号に示されている通り、モノ又はジアミノピリジンは以下の構造を有する
Figure 2014531470
(式中、xは1又は2である)。
xが1である上の構造式を有するアミノピリジンは、例えば2-アミノピリジン、3-アミノピリジン及び4-アミノピリジンである。xが2である上の構造式を有するアミノピリジン化合物は、例えば2,3-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,6-ジアミノピリジン、3,4-ジアミノピリジン、4,5-ジアミノピリジン及び4,6-ジアミノピリジンである。
一実施形態では、アミノピリジンはモノ-又はジ-アミノピリジンである。一実施形態では、モノ-アミノピリジンは、3-アミノピリジン又は4-アミノピリジンである。一実施形態では、ジ-アミノピリジンは、3,4-ジアミノピリジンである。
認識される通り、本明細書において議論される処置方法のいずれか又はすべてにおいて、アミノピリジンの薬学的に許容される塩が、アミノピリジンの代わり又はこれに加えて使用されてもよい。したがって、特定の実施形態では、アミノピリジンの薬学的に許容される塩(すなわち、上で挙げたアミノピリジン化合物のいずれかの任意の薬学的に許容される塩)は、脳卒中関連性の障害、例えば、本明細書で提示される感覚運動障害を処置する方法に使用される。これらの塩は、例えば、本化合物の最終単離及び精製中にインサイチュ(in situ)で調製することができ、又は、その遊離塩基の形態にある精製化合物と適切な有機酸若しくは無機酸とを別途反応させ、こうして形成した塩を単離することにより調製することができる。一部の実施形態では、モノ-又はジ-アミノピリジンの塩が、本発明の方法に使用される。別の実施形態では、3-アミノピリジン又は4-アミノピリジンの塩が使用される。さらに別の実施形態では、3,4-ジアミノピリジンの塩が使用される。一部の実施形態では、アミノピリジンの薬学的に許容される塩は、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロン酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸又はp-トルエンスルホン酸を用いて調製される。一実施形態では、本明細書で使用するアミノピリジンの1当量が、1当量未満の酸と、又は1当量以上の酸により、酸塩を形成することができる。一実施形態では、本明細書で使用するアミノピリジンは、二塩酸塩を形成することができる、一実施形態では、本明細書で使用するアミノピリジンは、リン酸塩を形成することができる。本明細書に記載されている方法に用いることができる薬学的に許容される塩のさらなる説明については、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、S.M.Bargeら、「Pharmaceutical Salts」、1977年、J.Pharm.Sci.66巻、1〜19頁を参照されたい。
好ましい実施形態では、薬学的に許容される塩ではなく、アミノピリジン自体が、本明細書に記載されている脳卒中関連障害を処置するいずれかの方法で使用される。
本発明による使用のための好ましいアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、カリウムチャネルを特異的に阻害する化合物である。こうした化合物は、好ましくは、4-アミノピリジン又は3,4-ジアミノピリジンの阻害プロファイルと類似の、他の組織に比べて、ニューロンのカリウムチャネルを選択的に阻害するプロファイル若しくはパターンを示すか、又は3,4-ジアミノピリジン及び4-アミノピリジンのプロファイルに共通する阻害プロファイルと類似の、他の組織に比べて、ニューロンのカリウムチャネルを選択的に阻害するプロファイルを示す。好ましいアミノピリジンには、非限定的に、4-アミノピリジン及び3,4-ジアミノピリジンが含まれる。
本発明による使用のためのアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、徐放性又は即時放出性組成物とすることができる。ある種の実施形態では、本発明による使用のためのアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、経口、皮下、筋肉又は静脈投与向けに製剤化される。
特定の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の徐放性組成物により、治療上有益な血中レベルが、少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30時間、若しくは18時間超、又は24時間超、或いは30時間超の期間にわたり維持されるような持続的な速度で、投与製剤からアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩が放出される。好ましくは、本発明の実施形態による経口投与製剤中のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の量は、医薬組成物をt.i.d.、b.i.d.又はq.dで投与することにより、治療上有用な血漿中濃度又はCNS濃度が確立される。文脈が特に明白に示さない限り、用語「徐放性」及び「持続放出性」とは、一般に同意語である。
ある種の実施形態では、治療有効量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、4mg〜17.5mgの間(例えば、4、5、6、7、7.5、8、9、10、11、12、12.5、13、14、15、16、17又は17.5mg)、又は4mg〜40mgの範囲であり、特定の実施形態では、好ましくは徐放性組成物で1日1回又は1日2回で投与される。特定の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、徐放性組成物で投与される。他の特定の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、即時放出性組成物で投与される。ある種の実施形態では、治療有効量の4-アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、約4mg〜約17.5mgの間(例えば、4、5、6、7、7.5、8、9、10、11、12、12.5、13、14、15、16、17、又は17.5mg)、又は4mg〜40mgの範囲であり、特定の実施形態では、好ましくは徐放性組成物で1日1回又は1日2回で投与される。一実施形態では、1日2回の投与は、12時間毎に、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。
ある種の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、約4mg〜約17.5mgの間(例えば、4、5、6、7、7.5、8、9、10、11、12、12.5、13、14、15、16、17、又は17.5mg)、若しくは4mg〜17.5mg 、又は4mg〜40mgの量の範囲で、好ましくは徐放性組成物で1日1回又は1日2回投与される。特定の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、徐放性組成物で投与される。他の特定の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、即時放出性組成物で投与される。ある種の実施形態では、4-アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、4mg〜17.5mgの間(例えば、4、5、6、7、7.5、8、9、10、11、12、12.5、13、14、15、16、17、又は17.5mg)、若しくは4mg〜17.5mg、又は4mg〜40mgの範囲で、好ましくは徐放性組成物で1日1回又は1日2回投与される。一実施形態では、1日2回の投与は、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の12時間毎の投与である。
本明細書に記載されているあらゆる処置法の特定の実施形態では、アミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)は、4mg〜17.5mgの範囲の量(例えば、4、5、6、7、7.5、8、9、10、11、12、12.5、13、14、15、16、17又は17.5mg)で、徐放性組成物で1日2回、投与されるか、又は8mg〜40mgの範囲の量(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40mg)で、徐放性組成物で1日1回投与される。
一実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン(3,4-ジアミノピリジン、4-アミノピリジンなどの)又は薬学的に許容されるその塩が、1日2回の徐放性組成物中に10ミリグラム存在している、本発明による方法が提供される。
別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩が、1日2回の徐放性組成物中に5ミリグラム存在している、方法が提供される。別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩が、1日2回の徐放性組成物中に7.5ミリグラム存在している、方法が提供される。別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩が、1日2回の徐放性組成物中に10ミリグラム存在している、方法が提供される。別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩が、1日2回の徐放性組成物中に12.5ミリグラム存在している、方法が提供される。別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩が、1日2回の徐放性組成物中に15ミリグラム存在している、方法が提供される。別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩が、1日2回の徐放性組成物中に17.5ミリグラム存在している、方法が提供される。
一部の実施形態では、治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩が、1日1回の徐放性組成物中に20ミリグラム存在している、方法が提供される。別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩が、1日1回の徐放性組成物中に8、10、11、12、12.5、13、14、15、16、17、17.5、18、19、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27.5、30又は35ミリグラム存在している、方法が提供される。
別の実施形態では、本発明による方法は、徐放性組成物中、1日の総量が8、10、11、12、12.5、13、14、15、16、17、17.5、18、19、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27.5、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40ミリグラムでの、治療有効量の4-アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の投与を含む。例示的な実施形態は、徐放性組成物中の15ミリグラムは朝に投与され、徐放性組成物中の10ミリグラムは晩に投与される、1日2回投与を含む。例示的な実施形態は、徐放性組成物中の12.5ミリグラムは朝に投与され、徐放性組成物中の7.5ミリグラムは晩に投与される、1日2回投与を含む。別の例示的な実施形態は、1日1回の組成物中、1日の総量の投与を含む。
さらに別の実施形態では、本発明による方法は、即時放出性組成物中、1日の総量が8、10、11、12、12.5、13、14、15、16、17、17.5、18、19、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27.5、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又40ミリグラムでの、治療有効量の4-アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の投与を含む。一部の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を含む即時放出性組成物は、1日3回、又は1日4回以上投与される(例えば、1日4、5又は6回)。
ある種の実施形態では、アミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩は、様々な力価、例えば4〜40mgで徐放性(SR)又は持続放出性(ER)マトリックス錠剤として製剤化され、この場合、5〜17.5、7.5〜17.5、10〜17.5、12.5〜17.5、15〜17.5が現在のところ好ましい。4-アミノピリジン-SRの一実施形態は、b.i.d投与にとって好ましい10mgであり、他の投与レジメンは、本発明の範囲内にある。したがって、持続性放出製剤中の別の量の活性成分も本発明の範囲内に包含される。
さらに別の実施形態では、本明細書に記載されている方法で使用される徐放性製剤は、4-アミノピリジン-SR、又はAMPYRA(登録商標)(Acorda Therapeutics社、Hawthorne、NY)、或いは米国特許第5,370,879号、米国特許第5,540,938号、米国特許第8,007,826号、又は米国特許出願公開第2005-0228030号に記載されている4-アミノピリジン向け徐放性組成物であり、それらの各々の全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
ある種の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩が、錠剤、チュアブル錠、丸剤、カプセル剤、マイクロカプセル剤、溶剤、懸濁剤、非経口用溶剤、ロゼンジ剤、散剤、顆粒剤、トローチ剤、シロップ剤、坐剤、注射剤又はブリスターパックなどの医薬組成物中に存在してもよい。組成物を、1日用量、半日用量又は1日用量の便利な画分を投与単位で含有するよう製剤化することができ、この投与単位は、単一錠剤若しくはカプセル剤、又は便利な容量の液体とすることができる。一実施形態では、溶剤は、塩酸塩などの水溶性塩から調製される。一般に、組成物はすべて、製薬化学において公知の方法によって調製される。カプセル剤は、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩と、適切な担体又は希釈剤とを混合し、カプセルに適切な量のこの混合物を充填することにより調製することができる。通常の担体及び希釈剤には、以下に限定されないが、多くの様々な種類のデンプン、粉末セルロース(とりわけ結晶及び微結晶セルロース)、糖(フルクトース、マンニトール及びスクロースなど)、穀粉及び類似の食用粉末などの不活性粉末状物質が含まれる。
適切な製剤は、以下などの従来の有機又は無機添加剤を1種以上用いて、一般に使用される方法により調製することができる:賦形剤(例えば、スクロース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウム、又は炭酸カルシウム)、結合剤(例えば、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアガム、ポリエチレングリコール、スクロース、又はデンプン)、崩壊剤(例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、又はクエン酸カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、又はラウリル硫酸ナトリウム)、着香剤(例えば、クエン酸、メントール、グリシン、又はオレンジ粉末)、保存剤(例えば、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラベン、又はプロピルパラベン)、安定剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、又は酢酸)、懸濁剤(例えば、メチルセルロース、ポリビニルピロリクロン(pyrroliclone)、又はステアリン酸アルミニウム)、分散剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、希釈剤(例えば、水)、及びベースワックス(例えば、カカオ脂、白色ワセリン、又はポリエチレングリコール)。一部の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の適切な製剤は、以下の添加剤の1つ、2つ、3つ若しくはそれ以上、又はすべてを用いて調製することができる:コロイド状二酸化ケイ素、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール及び二酸化チタン。
一実施形態では、本発明の方法において使用されるアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、錠剤として製剤化される。錠剤は、直接打錠法により、湿式造粒法により、又は乾式造粒法により調製することができる。ある種の実施形態では、それらの製剤は、希釈剤、結合剤、滑沢剤及び崩壊剤、並びに本化合物を取り込んでいる。通常の希釈剤には、例えば、様々な種類のデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸又は硫酸カルシウム、無機塩(塩化ナトリウムなど)、及び粉糖が含まれる。粉末セルロース誘導体も有用である。一実施形態では、医薬組成物は、ラクトースを含まない。通常の錠剤結合剤は、デンプン、ゼラチン、及び糖(ラクトース、フルクトース、グルコースなど)などの物質である。アカシア、アルギネート、メチルセルロース、ポリビニルピロリジンなどを含む、天然及び合成ガムも都合がよい。ポリエチレングリコール、エチルセルロース、及びワックスも結合剤として働き得る。ある種の実施形態では、以下の賦形剤が錠剤中に含まれ得る。ヒドロキシプロピルメチルセルロース、USP;微結晶セルロース、USP;コロイド状二酸化ケイ素、NF;ステアリン酸マグネシウム、USP;及び/又はOpadryホワイト。
本明細書に記載されている方法において使用される医薬組成物は、例えば、それらの各々の内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2005年12月15日に公開された米国特許出願公開第2005/0276851号及び2005年10月13日に公開された米国特許出願公開第2005/0228030号に記載されているものとすることができる。本発明によるアミノピリジンは、非溶媒和物、及び水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態で存在することができる。一般に、本発明のために、溶媒和形態は、非溶媒和形態と等価物であると見なされる。
別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン、例えば、4-アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩が、少なくとも以下又は以下より高いCminssを実現する本発明による方法が記載される: 5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20ng/ml。別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩が、少なくとも以下又は以下より高い平均Cminssを実現する方法が記載される:5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20ng/ml。一部の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩が、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20ng/mlの平均下限値から20、21、22、23、24、25、26又は27ng/mlまでの平均上限値を含む、約20ng/mlの平均Cminssを実現する方法が記載される。一実施形態では、ある量の薬物が個々の患者に与えられ(例えば、1用量の量)、この場合、その用量の量は、基準又は参照母集団に投与した場合、少なくとも以下又は以下より高い平均Cminssを得る量に相当する:10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20ng/ml。参照母集団中の液体中又は組織中レベル(例えば、Cminss、Cmaxss、Cavss)は、標準値と呼ぶことができる。別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩が、約5〜25ng/ml、10〜18ng/ml、13〜15ng/ml、又は15〜30ng/mlの範囲のCminssを実現する方法が記載される。別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩が、約20ng/mlのCminssを実現する方法が記載される。別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩が、約20ng/mlのCminssを実現する方法が記載される。ある種の実施形態では、約20ng/mlのCminssは、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20ng/mlの下限値から20、21、22、23、24、25、26又は27ng/mlまでの上限値を含む。
代替実施形態では、患者において、脳卒中関連性の運動、感覚又は感覚運動障害を処置する方法であって、治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩を、5〜25ng/ml、10〜20ng/ml、15〜30ng/ml、又は12〜20ng/mlの範囲のCminssが得られるように前記患者に投与するステップを含む方法が提供される。別の実施形態では、患者において、脳卒中関連性の運動、感覚又は感覚運動障害を処置する方法は、治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩を、少なくとも12ng/ml〜15ng/mlの範囲のCminssが得られるように前記患者に投与するステップを含む。別の実施形態では、患者において、脳卒中関連性の運動、感覚又は感覚運動障害を処置する方法は、治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩を、少なくとも13ng/ml〜15ng/mlの範囲のCminssが得られるように前記患者に投与するステップを含む。一実施形態では、ある量の薬物が個々の患者に与えられ(例えば、1用量の量)、この場合、その用量の量は、基準又は参照母集団に投与した場合、少なくとも以下又は以下より高い平均Cminssを得る量に相当する: 5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20ng/ml。参照母集団中における血漿中レベル(例えば、Cminss、Cmaxss、Cavss)は、基準値と呼ぶことができる。一実施形態では、本発明による方法は、治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩を、少なくとも11又は12ng/mlのCminssが得られるように、患者に投与するステップを含む。
ある種の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、患者において、約2時間〜約6時間のTmaxを実現する、本発明による方法が提供される。これらの実施形態の一部では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、徐放性組成物(例えば、1日1回、1日2回、又は1日3回)で投与される。これらの実施形態の1つでは、アミノピリジンは4-アミノピリジンである。4-アミノピリジンの治療有効量は、本明細書に開示されている任意の量とすることができる。一実施形態では、患者はヒトである。一部の実施形態では、徐放性組成物で1日1回、1日2回又は1日3回投与される治療有効量の4-アミノピリジンは、約2時間〜約6時間のTmaxを実現する。
別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン、例えば、4-アミノピリジン、又は薬学的に許容されるその塩が、以下の値又は以下より低い値のCmaxssを実現する、本発明による方法が提供される:60、59、58、57、56、55、54、53、52、51、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21又は20ng/ml。別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩が、以下の値又は以下より低い値の平均Cmaxssを実現する方法が提供される:50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21又は20ng/ml。一実施形態では、ある量の薬物が、個々の患者に与えられ(例えば、1用量の量)、この場合、その用量の量は、基準又は参照母集団に投与した場合、以下の値又は以下より低い値平均Cmaxssが得られる量に相当する: 50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21又は20ng/ml。参照母集団中の液体中又は組織中レベル(例えば、Cminss、Cmaxss、Cavss)は、標準値と呼ぶことができる。別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩が、約15〜30ng/ml、25〜35ng/ml、25〜40ng/ml、又は35〜55ng/mlの範囲のCmaxssを実現する方法が提供される。別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩が、約30ng/mlのCmaxssを実現する方法が提供される。別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩が、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ng/mlの下限値から25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59又は60ng/mlまでの上限値を含む範囲のCmaxssを実現する方法が提供される。
別の実施形態では、前記治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩が、以下又は以下より低い平均Cmaxssを実現する方法が記載される:50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21又は20ng/ml。一実施形態では、ある量の薬物が個々の患者に与えられ(例えば、1用量の量)、この場合、その用量の量は、基準又は参照母集団に投与した場合、以下又は以下より低い値の平均Cmaxssを得る量に相当する50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21又は20ng/ml。参照母集団中における血漿中レベル(例えば、Cminss、Cmaxss、Cavss)は、基準値と呼ぶことができる。
別の実施形態では、本明細書に実質的に記載されている組成物の単位用量が使用される。
アミノピリジン、薬学的に許容されるその塩、又は対象に投与されるアミノピリジンを含む組成物の実際の投与量は、対象の年齢、性別、体重、状態の重症度、処置される疾患の種類、過去の又は同時に行われている治療介入、特発性疾患などの身体的且つ生理的要因、及び投与経路によって決定することができる。これらの要因は、当業者によって容易に決定される。投与の責任を負う専門医が、通常、個々の対象について、組成物中の活性成分(複数可)の濃度、及び適切な用量(複数可)を決定することになる。投与量は、あらゆる合併症の事象、又は患者の状態の変化において、個々の専門医により調節することができる。
投与及び投与量の均一性を容易にするため、単位剤形の非経口用組成物を製剤化するのが、とりわけ有利である。本明細書で使用される単位剤形は、処置される対象にとって単一の用量として適した物理的に個別の単位を指す。各単位は、必要な医薬品担体を付随して、所望の治療効果を生じさせるように計算された所定量の治療用化合物を含有する。本発明の単位剤形に関する規格は、(a)治療用化合物特有の特徴及び実現すべき具体的な治療効果、及び(b)患者において選択される状態の処置向けの、こうした治療用化合物を配合する当技術における固有の限界によって規定され、且つ直接依存する。単位剤形は、錠剤又はブリスターパックとすることができる。ある種の投与プロトコルでは、患者は1度に、単一単位用量より多く利用してもよい(例えば、ブリスターパックの個別のブリスターに含有されている2個の錠剤を消費してもよい)。
光学異性体-ジアステレオマー-幾何異性体-互変異性体:本明細書に記載されている化合物は不斉中心を含有することがあり、したがって鏡像異性体として存在することがある。本発明による化合物が2種以上の不斉中心を有する場合、それらはさらにジアステレオマーとして存在することができる。本発明は、実質的に純粋な分割された鏡像異性体、そのラセミ体混合物、及びジアステレオマー混合物として、こうした可能な立体異性体をすべて含む。式は、ある位置における明確な立体化学なしで示されている。本発明は、こうした式、及び薬学的に許容されるその塩の立体異性体をすべて含んでいる。鏡像異性体の一組のジアステレオ異性体は、例えば、適切な溶媒からの分別結晶化により分離することができ、また、こうして得られた一組の鏡像異性体は、従来の手段によって、例えば、分割剤として光学活性な酸若しくは塩基の使用によるか、又はキラルHPLCカラム上で、個々の立体異性体に分離することがでる。さらに、一般式の化合物のいかなる鏡像異性体又はジアステレオマーも、光学的に純粋な出発原料又は立体配置が公知の試薬を使用する、立体特異的な合成によって得ることができる。
本発明のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、患者において、脳卒中に伴う障害を処置するのに十分に治療上有効な投与量で投与される。ある種の実施形態では、本処置により、患者における障害の症状の量が、未処置対象と比較して、少なくとも約10%、より好ましくは20%、より好ましくは少なくとも約40%、さらにより好ましくは少なくとも約60%、さらにより好ましくは少なくとも約80%低減される。このような変化率の定量化は、好ましくは、T25FWなどの連続線形スケールにおける結果の尺度をもたらす、感覚運動機能の評価に適用される。感覚運動機能の他の試験は、変化率として表すことはないが、適切な統計比較による有意な変化をもたらすことが予測されると思われる。このような試験には、特定の技能を行う能力に、値を割り当てる半定量的手段が含まれる。一部の実施形態では、本発明による処置は、対照と比較して、脳卒中関連性の感覚運動障害に統計学的に有意な改善をもたらす(例えば、特定の仕事又は技能を行う患者の能力により測定される通り)。こうした対照は、処置の開始前の、評価される仕事又は技能を行う患者の能力とすることができる。
2 感覚運動障害、及び本発明によるアミノピリジン投与の転帰
本発明は、哺乳動物における脳卒中誘発性の神経損傷を処置する方法、特に、脳卒中関連性の感覚運動障害を処置する方法を提供する。一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される患者は、1つ以上の感覚運動障を有する(例えば、感覚運動障害の1つ以上の症状と診断されるか、又はそれを示す)。ある種の実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される患者は、皮質領域、又は感覚運動機能をつかさどる若しくは感覚運動機能に関与する脳の他の領域において、ニューロンの損傷(例えば、ニューロンの損失又は脱ミエリン)により障害を有する。本発明の好ましい実施形態は、脳卒中に起因する感覚運動機能の障害を処置するための、4-アミノピリジンを使用する方法に関する。こうした処置は、本出願において記載されている任意の用量を投与することによる、及び投与レジメンによるものとすることができる。
本発明により処置される感覚運動障害又は感覚運動機能の障害には、非限定的に、運動失調、全身制御障害、協調若しくはバランス障害、身体感覚の障害、固有受容感覚の障害、歩行障害(impairment in gait)、反射障害、器用さの障害、持久力障害、手の機能の障害、細かな手の協調の喪失若しくは障害、反射亢進、手の力の障害、手先の器用さの障害、握力の障害、筋力低下、筋緊張障害、運動範囲障害、痙直、力の障害/衰弱、振戦、四肢機能の障害、上肢機能障害、下肢機能障害、下肢筋力の障害、歩行障害(walking impairment)(例えば、歩行速度低下)、発話障害(例えば、構音障害)、顎機能の障害、咀嚼の障害、又は顎関節の障害が含まれる。一実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される感覚運動障害は、固有受容性感覚の障害である。一実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される感覚運動障害は、口腔運動機能の障害である。特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される感覚運動障害は、発話障害(例えば、構音障害、失行又は発声障害)、又は咀嚼及び/若しくは嚥下の障害(例えば、嚥下障害)である。一実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される感覚運動障害は、視覚機能の感覚障害及び/又は眼球運動障害などの視覚障害である。他の特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される感覚運動障害は、歩行速度の障害、手先の器用さの障害、手の力の障害、又は上肢痙直である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される感覚運動障害は、フーゲルマイヤーアセスメント(Fugl-Meyer Assessment)を使用して測定される運動機能及び/又は感覚機能の障害である。特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される感覚運動障害は、運動機能障害、バランス障害、感覚障害又は関節機能障害である。特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される感覚運動障害は、顔面神経麻痺、四肢麻痺又は手の麻痺である。
ある種の実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害には、以下に限定されないが、歩行障害、四肢機能の障害、下肢機能の障害、下肢筋力の障害、筋緊張の障害、痙直、上肢機能の障害、手の機能の障害、細かな手の協調の障害、握力の障害、バランス又は協調の障害、全身制御の障害、顎機能の障害、咀嚼の障害、又は顎関節の障害が含まれる。
一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、下肢機能及び/又は下肢筋力の障害である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、下肢運動機能の障害である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、歩行障害(歩行速度低下など)である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、上肢運動機能(例えば、上肢運動機能)の障害である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、四肢麻痺である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、筋緊張の障害又は痙直(例えば、上肢痙直)である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、バランス又は協調の障害である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、感覚障害である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、口腔運動機能の障害である。特定の実施形態では、口腔運動機能の障害は、唇及び/又は舌の筋力障害(構音障害におけるものなど)である。別の特定の実施形態では、口腔運動機能の障害は、唇及び/又は舌(失行におけるものなど)の筋力の協調障害である。さらに別の特定の実施形態では、口腔運動機能の障害は、呼吸に関与する筋力の障害である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、発話障害(例えば、構音障害、失行、発声障害)である。一部の実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、顔、舌及び/又は舌咽頭筋の感覚運動混乱(sensorimotor disturbance)である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、咀嚼及び/又は嚥下の障害(例えば、嚥下障害)である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、顎機能又は顎関節の障害である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、顔面神経麻痺である。一実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、手の機能の障害、手の協調の障害(例えば、細かな手の協調の障害)、握力の障害、手先の器用さの障害、又は手の麻痺である。一部の実施形態では、本発明により処置される感覚運動障害は、視覚障害又は視覚混乱である。本明細書に記載されている方法により処置される視力障害は、視覚機能の感覚障害及び/又は眼球運動障害とすることができる。一実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される視覚障害は、視覚機能の感覚障害である。一実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される視覚障害は、視覚機能の眼球運動障害である。
一実施形態では、アミノピリジン投与は、1つ以上の感覚運動機能を回復する。これは、例えば歩行能力、バランス、立つ能力、手の力、器用さ、反射、当分野で認定されているクオリティオブライフの尺度に対する回答における改善、又は本明細書に記載されている若しくは当分野で公知の任意の他の感覚運動機能の改善として、明白であるか又は測定される。
ある種の実施形態では、ある量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の投与により患者を処置するステップは、脳卒中関連性の感覚運動障害を寛解するか又は予防するのに有効である。一実施形態では、ある量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の投与により患者を処置するステップは、感覚運動障害の症状の発症を予防するのに有効である。他の実施形態では、ある量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の投与により患者を処置するステップは、脳卒中関連性の感覚運動障害の症状を緩和(例えば、重傷度の低下)するのに有効である。さらに他の実施形態では、ある量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の投与により患者を処置するステップは、脳卒中関連性の感覚運動障害の持続期間を短縮するのに有効である。特定の実施形態では、ある量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の投与により患者を処置するステップは、脳卒中関連性の感覚運動障害をなくすのに有効である、且つ/又は脳卒中によって障害を受けた感覚運動機能を取り戻すのに有効である。ある種の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップは、脳卒中によって障害を受けた感覚運動機能を回復するのに有効である。これらの実施形態の一部では、脳卒中は虚血性脳卒中である。一実施形態では、脳卒中は、中大脳動脈脳卒中(中大脳動脈閉塞によるなど)である。別の実施形態では、脳卒中は出血性脳卒中である。
別の実施形態では、患者において、脳卒中の結果、障害を受けた感覚運動機能の改善を維持する方法であって、4-アミノピリジンの投与中に前記患者のこうした障害を受けた感覚運動機能の改善を先に達成した後に、治療有効量のアミノピリジン(3,4-ジアミノピリジン、4-アミノピリジンなど)又は薬学的に許容されるその塩を前記患者に投与するステップを含む、方法が提供される。
一実施形態では、感覚運動機能の脳卒中関連性障害を有する患者における、こうした機能の改善(複数可)を維持する方法は、治療有効量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を前記患者に長期間にわたり投与するステップを含む。別の実施形態では、脳卒中関連性の感覚運動障害を有する患者における改善の持続を達成する方法は、治療有効量のアミノピリジン(3,4-ジアミノピリジン、4-アミノピリジンなど)又は薬学的に許容されるその塩を前記患者に長期間にわたり投与し続けるステップを含む。
特定の実施形態では、脳卒中関連性の感覚運動障害を経験した患者間での改善(複数可)は、少なくとも以下又は以下を超える期間にわたって起こる:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21日;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21若しくは22週間、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17若しくは18カ月、又は1、2、3、4、5、6若しくは5年超の治療。
感覚運動機能の障害、及び感覚運動機能の改善を含め、感覚運動機能は、当分野で公知のいかなる方法を使用しても評価することができる。例えば、評価試験は、以下に限定されないが、25フィート歩行時間(T25FW)、2分歩行、6分歩行(6MW)、ボックスアンドブロック(Box&Block)試験、6スポットステップ試験(six Spot Step Test)、下肢機能に関する徒手筋力試験、LEMMT、アシュワース(Ashworth)得点、アシュワーススケール変法、握力試験、9穴ペグ試験(9-hole peg test)、細かい指運動、上肢機能に関する迅速な指の交代、感覚機能を得点化する機能システム、並びに運動失調に関する指鼻及び踵膝試験を含むことができる。特に、T25Wは歩行を測定するために用いることができ、LEMMTは下肢筋力を測定するために用いることができ、アシュワーススケール変法は痙直を測定するために用いることができる。当分野で認定されている上肢機能評価には、非限定的に、動作自己評定尺度手段(performance scale-self-report measures)、手持ち筋力測定、及び上肢指数(Upper Extremity Index)(UEI)が含まれる。感覚運動機能を測定するために用いることができる他の評価試験には、以下に限定されないが、バーグ(Berg)バランススケール(BBS)、Kela協調性試験、姿勢安定性試験、10m歩行時間試験(Timed 10-meter Gait Test)、ショルダータグ試験(Shoulder Tug Test)、握力、膝伸筋の最大等尺性筋力、筋持久力試験、受動的下肢伸展挙上、TEMPA(高齢者向け上肢動作試験)、ジェブセン-テーラー(Jebsen-Taylor)手機能試験、腕、肩及び手の障害(DASH)質問表、並びに手指使用能測定法-36(MAM-36)が含まれる。感覚運動の機能を測定するために使用することができる別の評価は、フーゲルマイヤーアセスメントである。一部の実施形態では、フーゲルマイヤーアセスメントは、運動機能(例えば、下肢運動機能及び/若しくは上肢運動機能)、バランス、感覚機能並びに/又は関節機能を測定するために使用することができる。特定の実施形態では、フーゲルマイヤーアセスメントは、下肢運動機能、上肢運動機能及び/又は感覚を測定するために使用される。こうした評価は、本明細書に開示されている方法により、患者にアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を投与する前後に行うことができる。例えば、こうした機能の脳卒中関連性障害を患う患者の感覚運動機能は、アミノピリジンを投与する前、及び/又はアミノピリジンを投与した後、例えば本明細書に記載されている方法による処置の開始から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10日、1、2、3、4、5、6、7、8週、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10カ月、若しくは1、2、3、4、5年の時点又はその後に評価することができる。
特定の実施形態では、脳卒中関連性の感覚運動障害の治療転帰は、以下の時点のいずれか1点、2点、3点、4点、5点若しくはそれ以上、又はその各々で、及び/或いは以下の時点のいずれか1点より後の時点で、評価及び検知される:アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩による処置の開始後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21日;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24週、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60及び66カ月、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6及び6.5年。
3 アミノピリジンの投与形式
一部の実施形態では、本発明による方法は、1日1回、1日2回又は1日3回、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。ある種の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、経口投与される。他の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、静脈投与される。さらに他の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、例えば、筋肉又は皮下に投与される。
ある種の実施形態では、本発明の方法は、脳卒中後の急性期の間に、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。脳卒中後の急性期は、脳卒中後の脳組織への進行性損傷(例えば、虚血性病変の拡大)を特徴とする。例えば、急性期の間、脳組織への進行性損傷は、脳卒中により最初の損傷が起こった中心領域周辺の半影領域に起こり得る。こうした損傷は、例えば、酸素欠乏による細胞死を含み得る。通常、急性期は、脳卒中の発生時から脳卒中後およそ6時間続く。一部の実施形態では、本発明による処置は、脳組織への損傷が進行中にある脳卒中後の期間中に、患者へアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。一実施形態では、こうした処置は、虚血性病変が依然として拡大している脳卒中後期間である。例えば、患者は、脳卒中後1、2、3、4、5又は6時間以内の急性期の間に、本発明により処置され得る。
一部の実施形態では、本発明の方法は、脳卒中後の早期慢性期の間に、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。脳卒中後の急性期に続き、神経機能の自発的な回復期、すなわち、早期慢性期が存在し、この期間は、げっ歯類では数週間(例えば、最大4、5又は6週間)、ヒトでは数カ月(例えば、最大、4、5、6、7、8、10、11又は12カ月)続き得る。早期慢性期は、脳卒中により障害を受けた神経機能、特に感覚運動機能の進行性の持続的な内因性回復を特徴とする。一部の実施形態では、本発明による処置は、神経機能、例えば感覚運動機能の自発的又は内因性回復が観察される脳卒中後期間に、患者にアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。例えば、ヒト患者は、脳卒中後、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24時間、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10日、1、2、3、4、5、6週、又は1、2、3若しくは4カ月の時点、又はその後、及び、脳卒中後、4、5、6、7、8、9、10、11、12カ月若しくは1年前の早期慢性期の間に、本発明により処置することができる。
他の実施形態では、本発明の方法は、脳卒中後の安定慢性期の間に、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。脳卒中後の安定慢性期は、脳卒中により障害を受けた神経機能(特に、感覚運動機能)の、測定可能な自発的又は内因性の改善がほとんどないか、全くないことを特徴とする。通常、げっ歯類では、安定慢性期は、脳卒中後の4〜6週間後に到達する。また、ヒトの種では、脳卒中後4〜8カ月後(及び、時として1年後)に到達する。この安定慢性期は、永続性の一生の障害、特に永続性の一生の感覚運動障害として現れ、処置しない場合、この障害は測定可能な程改善しない。ある種の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、脳卒中後の安定慢性期に投与される場合、患者における脳卒中関連性の感覚運動障害を改善するのに有効である。一部の実施形態では、本発明による処置は、神経機能、例えば感覚運動機能の測定可能な自発的又は内因性の改善がほとんど観察されないか又は全く観察されない脳卒中後期間に、患者にアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。例えば、ヒト患者は、脳卒中後、4、5、6、7、8、9、10、11、12カ月、1、2、3、4、5、7、10、12、15、20年、若しくは任意の時点、又はその後の安定な慢性期に処置することができる。
本発明の一実施形態では、処置は、脳卒中後の急性期後に開始される。本発明の一実施形態では、処置は、脳卒中後の急性期に開始され、その後も依然として継続される。一実施形態では、処置は、脳卒中後の早期慢性期後に開始される。別の実施形態では、処置は、脳卒中後の早期慢性期に開始され、その後も依然として継続される。さらに別の実施形態では、処置は、脳卒中後の安定慢性期に開始される。
アミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩の治療有益性は、哺乳動物に治療有効量を投与することにより実現することができる。ある種の実施形態では、処置は、脳卒中後、1時間、2時間、6時間、8時間、12時間、24時間、30時間、36時間、42時間、2日、3日、4日、5日、1週、2週、3週、4週若しくはそれ以降の前、その時点、又はその後に行われる。ある種の実施形態では、処置は、脳卒中後、3時間、6時間、8時間、12時間、24時間、30時間、36時間、42時間、2日、3日、4日、5日、1週、2週、3週、4週、8週、若しくはそれ以降の時点、又はその後に行われる。一実施形態では、処置は、脳卒中後、6時間の時点又はその後に行われる。一実施形態では、処置は、脳卒中の24時間の時点、又はその後に行われる。一実施形態では、処置は、脳卒中後、7日(1週間)の時点又はその後に行われる。一実施形態では、処置は、脳卒中後、14日(2週間)の時点又はその後に行われる。一実施形態では、処置は、脳卒中後、1カ月の時点又はその後に行われる。一実施形態では、処置は、脳卒中後、4カ月の時点又はその後に行われる。一実施形態では、処置は、脳卒中後、6カ月の時点又はその後に行われる。一実施形態では、処置は、脳卒後、8カ月の時点又はその後に行われる。一実施形態では、処置は、脳卒中後、12カ月の時点又はその後に行われる。特定の実施形態では、本発明の方法は、哺乳動物にアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップであって、該ステップは、虚血事象後の少なくとも2、3、4、7又は10日に、哺乳動物における虚血事象後の早期慢性期及び/又は安定慢性期に感覚運動機能の改善を促進するのに十分な治療有効量で行われる、ステップを含む。ある種の実施形態では、本発明による処置は、脳卒中後の任意の時点に行われる。特定の実施形態では、本発明の方法は、哺乳動物にアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップであって、該ステップが脳卒中後の任意の時点に、感覚運動機能の改善を促進するのに十分な量で行われる、ステップを含む。
ある種の実施形態では、本発明は、哺乳動物へのアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩の投与であって、脳卒中後、1、2若しくは3日目、及び以下を含め最大で4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日目;脳卒中後、1週目若しくはそれ以降、脳卒中後、2週目若しくはそれ以降、脳卒中後、3週目若しくはそれ以降、脳卒中後、4週目若しくはそれ以降;脳卒中後、1カ月目若しくはそれ以降、脳卒中後、2カ月目若しくはそれ以降、脳卒中後、3カ月目若しくはそれ以降、脳卒中後、4カ月目若しくはそれ以降、脳卒中後、5カ月目若しくはそれ以降、脳卒中後、6カ月目若しくはそれ以降に開始する、投与を含む。ある種の実施形態では、アミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩は、脳卒中後、1、2、3、4、5、6、7若しくは8週目又はその後に、患者に投与される。
本発明の別の態様によれば、哺乳動物における虚血事象後の急性期外の期間に、神経機能、例えば感覚運動機能の改善を促進する方法が提供される。特定の実施形態では、本発明による処置は、急性期内に開始され得るが、急性期を超えて、少なくとも1、2、3、4、5、6又は6超の処置を含む。
ある種の実施形態では、投与ステップは、以下の期間以内に開始される。脳卒中後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23若しくは24時間;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20若しくは21日;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23若しくは24週;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60若しくは66カ月;0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、7、8、9、10、12、15、20、25若しくは30年、又はそれ以降である。別の実施形態では、投与ステップは、以下の期間後に開始される:脳卒中後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23若しくは24時間;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20若しくは21日;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23若しくは24週;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60若しくは66カ月;0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、7、8、9、10、12、15、20、25若しくは30年、又はそれ以降。
本発明の一部の実施形態では、患者における脳卒中関連性の感覚運動障害を処置する方法は、治療有効量のアミノピリジン(3,4-ジアミノピリジン、4-アミノピリジンなど)又は薬学的に許容されるその塩を、ある期間、前記患者に投与するステップを含む。ある種の実施形態では、投与ステップは、以下の期間内に開始される:脳卒中事象後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23若しくは24時間;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20若しくは21日;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23若しくは24週;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60若しくは66カ月;0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、7、8、9、10、12、15、20、25若しくは30年、又はそれ以降。前記のさらなる実施形態では、投与ステップは、少なくとも以下又はそれより長い期間継続される:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21日間;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24週間;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60又は66カ月;0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、7、8、9、10、12、15、20、25、30又は35年。
一部の実施形態では、処置レジメン(具体的な投与量及び投与頻度のことであり、本明細書に記載されている任意のものから選択することができる)は、例えば、少なくとも4日間、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1カ月間、少なくとも2カ月間、少なくとも3カ月間、少なくとも4カ月間、又は少なくとも6カ月間の期間を超えて変わらない。
特定の実施形態では、本発明は、患者において、短期間、初期又は非慢性期に、脳卒中関連性の感覚運動障害を効果的に処置する方法であって、治療有効量のアミノピリジン(3,4-ジアミノピリジン、4-アミノピリジンなど)又は薬学的に許容されるその塩を前記患者に投与するステップを含む方法を含む。本明細書で提供されるある種の実施形態では、患者は、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩により、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15日間;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15週間;1、2、3又は4カ月間の期間、処置される。こうした期間を超えて継続することが可能であり、またやはり本発明の範囲内であることが理解される。
別の実施形態では、本発明は、患者において、早期慢性期及び/又は安定慢性期にわたり、脳卒中関連性の感覚運動障害を効果的に処置する方法であって、治療有効量のアミノピリジン(3,4-ジアミノピリジン、4-アミノピリジンなど)又は薬学的に許容されるその塩を、長期間、前記患者に投与するステップを含む方法を含む。別の実施形態では、本発明は、脳卒中関連性の感覚運動障害を恒久的に処置する方法であって、治療有効量のアミノピリジン(3,4-ジアミノピリジン、4-アミノピリジンなど)又は薬学的に許容されるその塩を、長期間、前記患者に投与するステップを含む方法を含む。一部の実施形態では、長期間とは、少なくとも以下又は以下を超える:10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21若しくは22週間;3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17若しくは18カ月間;又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10年間若しくは10年間超。
ある種の実施形態では、治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩は、脳卒中後の急性期の間に、静脈投与される。一部の実施形態では、アミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩は、脳卒中後、1、2、3、4、5、6、7日以内、又は1、2、3、4、8週以内に、静脈投与される。静脈投与は、1日1回、1日2回、1日3回、2日に1回、3日毎に1回、又は1週間に1回行うことができる。一実施形態では、患者は、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を、1回の静脈投与により処置される。
別の実施形態では、治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩は、脳卒中後の急性期、早期慢性期及び/又は安定慢性期に経口投与される。特定の実施形態では、治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩は、脳卒中後の早期慢性期及び/又は安定慢性期に経口投与される。経口投与は、即時放出性組成物又は徐放性組成物のいずれかで、1日1回、1日2回、1日3回、又は1日4回以上行うことができる。
アミノピリジン化合物の投与は、本明細書に記載されている様々な技法により実施することができる。本発明によるアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の投与は、例えば、該化合物を標的組織中若しくはその上に投与することにより、該化合物を患者に全身供給することにより、例えば、静脈注射(例えば、非経口)又は経口投与(例えば、経腸)又は局所投与(例えば、経皮、経皮下、パッチ剤、坐剤)又は吸入(例えば、口腔粘膜)により、行うことができ、これにより該化合物が標的組織に到達する。患者へのアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の投与は、患者自身によって又は医療専門家などの介護人によって行うことができ、栄養摂取行為又は患者などへの施用を含んでおり、該化合物はその効果を働かせることができる。
一実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、局所的に、すなわち、非全身的な経路による直接投与により、疾病、障害又は知覚疼痛の部位近傍又はその中に投与される。
ある種の実施形態では、患者は、アミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩によって、脳卒中後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、20、22時間以内に開始されるか、又は1、2、3、4、5、6若しくは7日目に開始され、1用量あたり0.01〜1.0mg/kgの用量で、1日1回、1日2回、1日おき、又は1週間に1回、1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10日間超、1、2、3、4、5、6、7若しくは8週間超、又は1、2、3、4、5カ月間超(又は、1日〜5日間、2日〜10日間、10日〜1カ月間、10日〜6カ月間、又は10日〜1年間)で、静脈内に処置される。
或いは、患者は、アミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)又は薬学的に許容されるその塩によって、脳卒中後、1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目若しくは7日目(又は、1、2、3、4、5、6若しくは7日後)に開始する、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週若しくは8週目若しくはその後に開始される、或いは1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、6カ月、8カ月、10カ月若しくは12カ月目又はその後に開始され、4mg〜17.5mgの間の量(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16又は17mg)で、1日1回又は1日2回、5、10、15、20日間超、1、2、3、4、5、6、7、8週間超、1、2、3、4、5、6、9カ月間超、又は1、2、3、4、5、10、15、20年間超(又は10日〜3カ月間、10日〜6カ月間、10日〜1年間、3カ月から1年間、6カ月〜1年間、6カ月〜5年間、又は1年〜50年間)で、経口的に処置される。一部の実施形態では、患者は、脳卒中後、4週目(又は脳卒中後4週間後)に開始され、5mg、7.5mg、10mg又は12.5mgの4-アミノピリジンで1日2回処置される。別の実施形態では、患者は、脳卒中後、4カ月目(又は脳卒中後4カ月後)に開始され、5mg、7.5mg、10mg又は12.5mgの4-アミノピリジンで1日2回処置される。さらに別の実施形態では、患者は、脳卒中後、4、5、6、7、8週目若しくはその後、又は3、4、5、6、7若しくは8カ月目若しくはその後に開始され、8mg、10mg、12mg、12.5mg、15mg、20mg又は25mgの4-アミノピリジンで1日1回処置される。
4 併用処置
本発明の組成物及び方法は、いくつかの治療的又は予防的な施用に照らして使用することができる。アミノピリジンによる処置の有効性を向上させるため、又は別の治療法(第2の治療法)の保護を増大させるため、これらの組成物及び方法と、疾患及び病態(例えば脳卒中に伴う感覚運動障害など)の処置に有効な他の作用剤及び方法とを組み合わせることが望ましいことがある。
したがって、特定の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩と、脳卒中関連性障害(例えば、感覚運動障害)の処置のための、1つ以上の他の作用剤及び/又は理学療法若しくは作業療法とを組み合わせることができる。一部の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、患者に、1種以上の追加的な薬物又は治療法と、同時又は逐次に投与される。例えば、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、脳卒中関連性障害に有効な別の薬物の投与と同時、その前又はその後に、患者に投与することができる。他のこうした薬物は、例えば、ドネペジル、リバスチグミン若しくはガランタミンなどの抗コリンエステラーゼ阻害剤、又はインターフェロンなどの免疫調節剤とすることができる。特定の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩と、1、2又はそれ以上の追加的な薬物(複数可)との組合せは、固定用量の組合せである。例えば、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩、及び1種以上の追加的な薬物(複数可)(上記の別のこうした薬物の任意のものなど)は、丸剤、錠剤又はカプセル剤などの1つの組成物中に製剤化することができる。他の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、脳卒中を患っている患者に、理学療法、作業療法又は言語療法などを伴って(例えば、同時に、その前又は後に)、投与される。一部の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、固定具、立位保持用装具若しくは他の矯正用装具(回転歩行器など)、又はコミュニケーション補助具(音声合成装置が取り付けられたコンピュータなど)を使用している患者に投与される。特定の実施形態では、アミノピリジン(又は、その塩)及び他の薬物又は治療法は、同じ往診時、或いは互いに1、2、3、4、5、6若しくは12時間以内又は1、2、3、4、5、6若しくは7日以内に投与される。
様々な組合せが使用され得る。例えば、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を「A」とし、二次治療法(例えば、ドネペジル、リバスチグミン及びガランタミンなどのコリンエステラーゼ阻害剤、並びにインターフェロンなど免疫調節剤)を「B」とし、以下の非限定的な組合せサイクルが含まれる:
A/B/A B/A/B B/B/A A/A/B A/B/B B/A/A A/B/B/B B/A/B/B
B/B/B/A B/B/A/B A/A/B/B A/B/A/B A/B/B/A B/B/A/A
B/A/B/A B/A/A/B A/A/A/B B/A/A/A A/B/A/A A/A/B/A。
本発明の組成物の対象への投与は、本明細書に記載されている投与に関する一般的なプロトコルに従うことになり、また特定の第2の治療法の実施に関する一般的なプロトコルも、処置の毒性(もしあれば)を考慮に入れて、後に続くことになる。必要な場合、処置サイクルが繰り返されることも予期される。様々な標準的治療法が、記載された治療法と組み合わせてして適用されることも考えられる。
一部の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、作業療法又は理学療法と同時に患者に投与される。別の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、患者が脳卒中後、作業療法又は理学療法を受けた後に、患者に投与される。別の実施形態では、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩は、作業療法又は理学療法なしに、患者に投与される。一実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される患者は、作業療法又は理学療法を同時に受けない。さらに別の実施形態では、本明細書に記載されている方法により処置される患者は、脳卒中後、作業療法又は理学療法を受けない。ある種の実施形態では、本発明による処置(作業療法又は理学療法を利用するか又は利用しないかのどちらか)は、単独の作業療法又は理学療法よりも有効である。
5 キット
キットは、本発明の例示的な実施形態を含む。本キットは、1つ以上の内部入れ物/容器、器具、及び/又は指示書を収容するよう構成されている外部入れ物又は容器を含むことができる。本発明による器具は、パッチ、吸入装置、液体容器カップ、注射器又は針などの薬物を投与するための物品(複数可)を含むことができる。アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を含有する組成物は、本発明の入れ物内に含ませることができる。本発明の入れ物は、多回投与に有用となるようにアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を十分な量を含有しているか、又は単位用量形態若しくは単1用量形態とすることができる。ある種の実施形態では、キットは、錠剤、丸剤、ブリスターパック又はカプセル剤の形態の、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を含有する組成物を含む。
本発明のキットは、一般に本発明により投与するための指示書を含む。この指示書は、以下の1つ以上の処置を含むことができる:運動失調、全身制御障害、協調若しくはバランス障害、身体感覚の障害、持久力障害、手の機能の障害、細かな手の協調の喪失若しくは障害、反射亢進、握力の障害、手の力の障害、筋力低下、筋緊張障害、運動範囲障害、痙直、力の障害/衰弱、振戦、四肢機能の障害、上肢機能障害、下肢機能障害、下肢筋力の障害、歩行障害(例えば、歩行速度低下)、構音障害、顎機能の障害、咀嚼の障害、又は顎関節の障害。本明細書で説明されるか又は支持される任意の投与形式は、本指示書の一部を構成することができる。
一実施形態では、本指示書には、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を1日2回服用するよう指示されている。一実施形態では、本指示書には、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を1日1回服用するよう指示されている。一実施形態では、本指示書には、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を含有している組成物は、脳卒中後の急性期の間に、1回以上服用するよう指示されている。一実施形態では、本指示書には、本組成物は、脳卒中後の早期慢性期及び/又は安定慢性期の間に、1回以上服用するよう指示されている。
本指示書は、本発明の任意の容器/入れ物に添付され得る。一実施形態では、本指示書には、アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を、本発明による治療域を達成するように又は達成するために、服用するよう指示されている。本指示書は、本発明の任意の容器/入れ物に添付されてもよく、又は本発明の容器内若しくは入れ物内で個別の紙であってもよい。或いは、本指示書は、本発明の入れ物に印刷されてもよく、圧印加工されてもよく、又は一構成要素として形成されてもよい。或いは、本指示書は、本発明のキットの入れ物又は容器内に同封される物質上に印刷することができる。一実施形態では、キットは、箱などの外部入れ物を有しており、この箱の内部に、ビンなどの容器が存在している。また、指示書は、外部入れ物及び/又はビンの上及び/又はそれらの内部に提供される。キットはまた、キット構成要素の使用、及びキットには含まれない他の任意の試薬の使用に関する指示書も含み得る。こうした試薬は、本発明のキットの実施形態と考えられる。本発明によれば、キットは、上で特定した具体的な物品には限定されず、求められる処置に直接的又は間接的に使用される任意の試薬を含む得る。
6 追加の実施形態:
本発明の実施形態は、患者において、慢性期又は長期間若しくは又は延長期間若しくは延々と続く期間若しくは持続的な期間にわたり、脳卒中関連性の感覚運動障害を効果的に処置する方法を含む。これはまた「恒久的な」処置、又は「恒久的な」処置方法とも呼ばれる。これはまた「持続的な」処置、又は「持続的な」処置方法とも呼ばれる。本発明の別の実施形態は、患者における、脳卒中関連性の感覚運動障害の改善を維持する方法であって、アミノピリジンの連続投与又は継続投与又は過去の投与の間に前記患者における脳卒中関連性の感覚運動障害の改善を以前に実現した後に、治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)を前記患者に投与するステップを含む方法を対象とする。こうした方法はいずれも、治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)を、長期間、延長期間、延々と続く期間、持続期間、又は慢性期間(本明細書で使用する場合、文脈が特に明確に示さない限り、長期間、延長期間、延々と続く期間、持続的な期間、及び慢性期間は同意語である)、投与するステップを含む。ある種の実施形態では、長期間、延長期間、延々と続く期間、慢性期間、又は持続的な期間は、少なくとも以下又は以下よりも長い:8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21若しくは22週間;3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17若しくは18カ月;又は1、2、3、4、5、6年若しくは5年超。ある種の実施形態では、長期間、延長期間、延々と続く期間、慢性期間、又は持続的な期間は、患者の寿命に関する。これらの方法はまた、本発明による治療のレベルで、若しくはそのレベルまで(Cminss又は平均Cminssなど)、又はその範囲(Cminss範囲、又はCminssの平均値の参照範囲)でアミノピリジンを投与するステップも含むことができる。
一実施形態では、ある量の薬物が個々の患者に与えられ(例えば、1用量の量)、この場合、その用量の量は、基準又は参照母集団に投与した場合、少なくとも以下又は以下より高い平均Cminssを得る量に相当する:6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20ng/ml。
ある種の実施形態では、治療有効量の4-アミノピリジンは、1日2回投与される徐放性組成物中の10ミリグラムである。投与方法は、本発明による治療のレベルで、若しくはそのレベルまで(Cminssなど)、又はその範囲(Cminss範囲など)で4-アミノピリジンを投与するステップも含むことができる。
本発明の別の実施形態は、感覚運動機能の改善、例えば、全身調節、協調、バランス、身体感覚、持続力、手の機能、細かな手の協調、握力、筋緊張、可動域、強さ、四肢機能、上肢機能、下肢機能、下肢筋力、歩行(例えば、歩行速度)、構音障害、顎機能、咀嚼、又は顎関節を、これらの感覚運動機能の1つの脳卒中関連性障害を有する患者において維持する方法であって、治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)を、前記患者に、長期間にわたり投与するステップを含む方法を対象とする。ある種の実施形態では、長期間、延長期間、延々と続く期間、持続的な期間、又は慢性期間は、少なくとも以下又は以下よりも長い:8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21若しくは22週間;3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17若しくは18カ月間;又は1、2、3、4、5、6年若しくは5年超。ある種の実施形態では、長期間、延長期間、延々と続く期間、慢性期間、又は持続的な期間は、患者の寿命に関する。この維持は、参照又は基準母集団と比較して、本質的に一定の改善率がある点で相対的に一貫性のあるものとすることができるか、又はこの維持は、参照若しくは基準母集団と比較して、改善率が変動する点で、相対的に変動し得る。この維持が相対的に変動する場合、この維持には、対象患者が参照又は基準母集団と比較して、よくないことがある期間も含むことができる。
本発明のさらなる実施形態は、脳卒中により誘発されるか又は脳卒中に関連するいずれか1つ以上の感覚運動障害などの、いずれか1つ以上の脳卒中の徴候又は症状の持続的な又は比較的持続的な改善を実現する方法であって、治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)を長期間にわたり前記患者に継続投与するステップを含む方法を対象とする。対照又は標準の量又は値に関すると、脳卒中後の患者の感覚運動機能の進行性退行が時としてあること、及び、脳卒中関連性の感覚運動病変の内在的な進行に伴う機能の退行に関すると、向上又は相対的な向上も適度に考慮し得ることが理解される。ある種の実施形態では、改善の持続は、長期間(少なくとも以下又は以下より長い:8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21若しくは22週間;3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17若しくは18カ月;又は1、2、3、4、5、6年若しくは5年超など)、起こる。ある種の実施形態では、長期間は、患者の寿命に関する。ある種の実施形態では、治療有効量の4-アミノピリジンは、徐放性組成物中の10ミリグラムである。ある種の実施形態では、徐放性組成物は、1日2回、投与することができる。ある種の実施形態では、徐放性組成物は、1日1回、投与してもよい。これらの方法は、本発明による治療レベル若しくはそのレベルまで(Cminssなど)、又はその範囲(Cminss範囲など)で、アミノピリジンを投与するステップも含むことができる。この改善の持続は、参照又は基準母集団と比較して、改善率が継続的に向上する点で相対的に向上し得るか、又はこの改善は参照群よりもよくなる傾向となるように、参照又は基準母集団と比較して、改善率が変動する点で相対的に変動し得る。この改善が相対的に変動する場合、この改善には、対象患者が参照又は基準母集団と比較して、よくないことがある期間も含むことができる。
ある種の実施形態では、治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)は、安定した又は一定の又は一貫した又は不変の又は振れのない又は変更のない投与レジメンであって、一定のパターン(例えば、1日の特定の時間に、あるミリグラム量又は特定のミリグラム量で、例えば、朝は高用量であり、晩は低用量とするか、又はその反対とすることができる)で、且つ一定のスケジュール(例えば、1日2回)で投与される治療有効量のアミノピリジンを含む投与レジメンであり、安定した又は一定の又は一貫した又は不変又は振れのない投与レジメンの間は、投与量又はスケジュールの変更は行われない。本明細書で使用する場合、用語「安定した」又は「一定の」又は「一貫した」又は「不変の」又は「振れのない」又は「変更のない」は、文脈が特に明確に示さない限り、同義語である。例えば、別の点で、安定した、一定した、一貫した、不変の、振れのない、又は変更のない、処置の過程からの一時的な患者のノンコンプライアンス又は逸脱は、こうした処置の定義の範囲内にあると理解すべきである。ある種の実施形態では、アミノピリジンの用量(例えば、ミリグラム量)の用量調節(増加又は減少のどちらか)は、安定した投与レジメンの全体の間では行われない。
本発明の実施形態はまた、患者における脳卒中関連性の感覚運動障害を処置するか又は寛解させる方法であって、定常状態において少なくとも5ng/ml〜20ng/ml、10ng/ml〜20ng/ml、若しくは12ng/ml〜20ng/mlの範囲の最小濃度(Cminss)が得られるか、又は20ng/mlの範囲のCminssが得られるような4-アミノピリジンの量又は範囲を、前記患者に投与するステップを含む方法も対象としている。本発明の実施形態はまた、患者における脳卒中関連性の感覚運動障害を処置するか又は寛解させる方法であって、定常状態において少なくとも7ng/ml〜20ng/ml、若しくは12ng/ml〜20ng/mlの範囲の平均最小濃度(平均Cminss)が得られるか、又は20ng/mlの範囲の平均Cminssが得られるような4-アミノピリジンの量又は範囲を、前記患者に投与するステップを含む方法も対象としている。ある種の実施形態では、20ng/mlの範囲のCminssは、約20ng/mlのCminssを実現する。他の実施形態では、約20ng/mlのCminssが得られる。ある種の実施形態では、20ng/mlの範囲のCminssは、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20ng/mlの下限値から20、21、22、23、24、25、26又は27ng/mlまでの上限値を含む。ある種の実施形態では、少なくとも12ng/ml〜15ng/mlの範囲のCminssが得られる。ある種の実施形態では、少なくとも13ng/ml〜15ng/mlの範囲のCminssが得られる。ある種の実施形態では、少なくとも15ng/ml〜25ng/mlの範囲のCminssが得られる。ある種の実施形態では、少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25ng/ml又はそれより高いCminssが得られる。他の実施形態では、約20ng/mlの平均Cminssが得られる。ある種の実施形態では、20ng/mlの範囲の平均Cminssは、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20ng/mlの平均下限値から20、21、22、23、24、25、26又は27ng/mlまでの平均上限値を含む。ある種の実施形態では、少なくとも12ng/ml〜15ng/mlの範囲の平均Cminssが得られる。ある種の実施形態では、少なくとも13ng/ml〜15ng/mlの範囲の平均Cminssが得られる。ある種の実施形態では、少なくとも15ng/ml〜25ng/mlの範囲の平均Cminssが得られる。ある種の実施形態では、少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25ng/ml又はそれより高い平均Cminssが得られる。
或いは、本発明による方法(例えば、患者における、脳卒中関連性の感覚運動障害を処置するための、又は脳卒中関連性の感覚運動障害の症状を改善する方法、又は脳卒中関連性の感覚運動障害を有する患者において治療上有効なレベルのアミノピリジンを得る方法)は、5〜12ng/mlの範囲のCminssが得られるよう、前記患者にアミノピリジン(例えば、4-アミノピリジン)を投与するステップを含む;10〜20ng/mlの範囲のCminssが得られるよう投与するステップを含む。15〜25ng/mlの範囲のCminssが得られるよう投与するステップを含む。15〜30ng/mlの範囲のCminssが得られるよう投与するステップを含む。17〜23ng/mlの範囲のCminssが得られるよう投与するステップを含む。18〜22ng/mlの範囲のCminssが得られるよう投与するステップを含む。又は、19〜21ng/mlの範囲のCminssが得られるように投与するステップを含む。特定の実施形態では、Cminssは、下限値が、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20ng/mlの群から選択され、且つ上限値が20、21、22、23、24、25、26又は27ng/mlの群から選択される範囲にあり、このことは、任意の特定の組合せ、例えば非限定的に、16〜23ng/ml、12〜24ng/ml、13〜27ng/mlなどの範囲が考えられることを示していると理解される。
ある種の実施形態では、治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-AP)が、長期間、Cminss又は平均Cminss(又は、それらの個々の範囲)が得られるよう投与され、その期間は、少なくとも以下又は以下より長い:8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21若しくは22週間、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17若しくは18カ月間、又は1、2、3、4、5、6年若しくは5年超。ある種の実施形態では、長期間は患者の寿命に関する。
本発明のさらなる実施形態は、脳卒中関連性の感覚運動障害又はその症状を処置する方法であって、平均血漿中濃度が約13ng/ml〜約15ng/ml得られるよう、且つ平均最高血漿中濃度が約15ng/ml以下となる治療有効量の4-アミノピリジンを前記患者に投与するステップを含む方法である。
ある種の実施形態では、本明細書には、脳卒中関連性の感覚運動障害又はその症状を処置する方法であって、定常状態における平均血漿中濃度(Cavss)が約15ng/ml〜約27ng/ml得られるよう、治療有効量の4-アミノピリジンを前記患者に投与するステップを含む方法が記載される。一部の実施形態では、本明細書には、脳卒中関連性の感覚運動障害又はその症状を処置する方法であって、定常状態における平均血漿中濃度(Cavss)が約20ng/ml〜約40ng/ml得られるよう、治療有効量の4-アミノピリジンを前記患者に投与するステップを含む方法が記載される。一実施形態では、本明細書には、脳卒中関連性の感覚運動障害又はその症状を処置する方法であって、定常状態における平均血漿中濃度(Cavss)が約10ng/ml〜約20ng/ml得られるよう、治療有効量の4-アミノピリジンを前記患者に投与するステップを含む方法が記載される。別の実施形態では、本明細書には、脳卒中関連性の感覚運動障害又はその症状を処置する方法であって、定常状態における平均血漿中濃度(Cavss)が約5ng/ml〜約15ng/ml得られるよう、治療有効量の4-アミノピリジンを前記患者に投与するステップを含む方法が記載される。
本発明の方法のある種の実施形態では、患者は、本明細書に記載されている方法により特定されて処置され、患者は、脳卒中関連性の感覚運動障害を有しているか又は有していることが疑われている、及び多発性硬化症を有していないか又は有している疑いが持たれていない。
ある種の実施形態では、脳卒中関連性の感覚運動障害の改善は、少なくとも約(又は超)4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20%となり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約(又は超)20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30%となり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約20%となり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約25%となり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約(又は超)30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40%となり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約40%となり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約45%となり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約(又は超)40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50%となり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約50%となり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約55%又はそれより高くなり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約60%となり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約65%又はそれより高くなり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約70%又はそれより高くなり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約75%又はそれより高くなり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約80%又はそれより高くなり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約85%又はそれより高くなり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約90%又はそれより高くなり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約95%又はそれより高くなり得る。ある種の実施形態では、その改善は、少なくとも約100%となり得る。ある種の実施形態では、その改善は、約100%超となり得る。ある種の実施形態では、その改善は、約150%超となり得る。ある種の実施形態では、その改善は、約200%超となり得る。ある種の実施形態では、その改善は、約250%超となり得る。ある種の実施形態では、その改善は、約300%超となり得る。ある種の実施形態では、その改善は、4〜100%、4〜20%、5〜20%、6〜20%、7〜20%、8〜20%、9〜20%、10〜20%、10〜30%、10〜60%、20〜30%、20〜40%、20〜50%、20〜60%、20〜100%、30〜100%、50〜100%、30〜150%、50〜150%、100〜150%、100〜200%、50〜250%、100〜250%又は100〜300%となり得る。このような変化率の定量化は、好ましくはT25FWなどの連続線形スケールにおける結果の尺度をもたらす、感覚運動機能の評価に適用される。
本発明の実施形態は、患者の脳卒中関連性の感覚運動障害を単調に改善する方法であって、長期間、前記患者に治療有効量のアミノピリジン(例えば、4-AP)を投与するステップを含む方法も対象としている。ある種の実施形態では、その長期間とは、少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21若しくは22週間;3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17若しくは18カ月;又は1、2、3、4、5、6年若しくは5年超である。ある種の実施形態では、長期間は、患者の寿命に関する。本明細書で使用する場合、パラメータの単調な増加とは、ベースライン(すなわち、アミノピリジンによる処置前)から何ら低下することのない、一貫した増加のことである。
クオリティオブライフ又は日常生活動作として公知の様々なパラメータは、当分野で公知である。これらのパラメータは、本発明による処置期間後の、脳卒中を患った患者の状態(例えば、感覚運動機能)の改善を評価するために測定することができる。これらには、例えば、以下の日常生活に関する障害の影響が含まれる。
・自宅の部屋間の移動
・トイレに行く
・シャワー
・子供の面倒を見る
・道を安全に横断する
・雇用状態にある
・食料品店に買い物に行く
・食事を調理する
・階段を上る
・運動
・社会活動への参加
一部の実施形態では、本発明による方法により、対象は、上記のいずれかを成し遂げることが可能になり、以前にはこうした活動(複数可)を成し遂げることができなかった。特定の実施形態では、本発明による方法により、対象は上記のいずれかをよりよく成し遂げることが可能になり、以前にはこうした活動(複数可)を成し遂げるのに能力の限界があった。
ある種の実施形態では、本発明による方法により、脳卒中関連性の感覚運動障害の症状、パラメータ、特徴、値、所見、又は徴候の改善を維持することが可能になり、この場合、こうした症状、パラメータ、特徴、値、所見、又は徴候は、アミノピリジンによって、治療有効量のアミノピリジンの前記患者への投与(こうした症状、パラメータ、特徴、値、所見又は徴候の改善が、以前に実現した後)によって、以前に効果的に対処されたものである。以前の効力のある期間は、10、11、12、13、14、15、16、17又は18週間、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13カ月、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10年又は10年超となり得る。
[実施例1]
げっ歯類脳卒中モデル
雄のラット(約300〜400g、Sprague-Dawley社)に、脳に虚血性損傷を引き起こすよう手術を施した。動物は、虚血性損傷後、1日目、10日目、4週目の開始で、単回投与、又は2週間毎日投与で、4-AP(0.1、0.3及び1mg/kg)を経口投与した。投与(単回処置)又は最後の投与(多回処置)後、4時間時[Cmax(約3時間時)1時間後に等しい]における前肢配置、後肢配置、体揺れ、シリンダー試験、及びボックス作業の試験を行うことにより神経的行動を評価した。神経機能は、休薬期間後にも評価する。さらに、ビヒクル又は4-AP投与後、複数の時間点で少量の血液試料(100μL)を外側尾部静脈から採り、HPLC-MS/MS法を使用して、4-APの血漿中濃度を確定する。この血液採取により、動物の神経改善を評価する時点の血漿暴露の測定を行うことが可能になる。
脳梗塞体積の測定のため、動物は、実験の終わりにペントバルビタールにより深く麻酔をかけ、PBS及びパラホルムアルデヒドにより経心的に灌流し、ニューロンの損傷の程度をH&E染色及びルクソールファスト青染色(Luxol fast blue staining)によりそれぞれ評価する。
表1は、治療群及びエンドポイントのまとめを示している。
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検討の完了に際して、脳梗塞後の神経機能を、神経機能改善、相対的な梗塞の低下、相対的なミエリン形成、及び/又は軸索の生存に関して評価する(表1に記載される通り)。
[実施例2]
4-APの経口投与の効果:ラットにおけるMCA閉塞(MCAO)後の機能回復、盲検のビヒクル対照二重クロスオーバー試験
4-APを、虚血事象から離れた時に安定した運動障害を有するラットにおいて、虚血性脳卒中後の機能的感覚運動改善を促進するその能力について評価した。動物モデルはヒト虚血性脳卒中の状態を模擬するものであり、皮質脊髄路(白質)を含む大脳皮質及び線条体の広範囲な梗塞をもたらす中大脳動脈閉塞術(MCAO)により作製する。
特に、以下に示す実験に利用したスプラーグドーリーラットのMCAOモデルは、ヒト虚血性脳卒中の状態を模擬するものである。このモデルでは、Tamuraら(脳と神経、1986年、38巻、747〜51頁)の方法の修正したものを使用して、右中大脳動脈(MCA)近位部の恒久的閉塞により、焦点性脳梗塞を作製した。手短に言えば、側頭筋を二分し、目と外耳道間の中間部に作製した切開により折り返した。頬骨弓の除去はせず、且つ顔面神経の横切開はしないで、MCA近位部に側頭下頭蓋骨切除を施した。次に、マイクロバイポーラ凝固により嗅索のちょうど近位部から下大脳静脈まで閉塞し、横切開した。
この実施例において記載されるMCAOモデルは、脳卒中後の神経回復の典型的なヒトパターンと多くの点で対応する回復パターンをもたらす。MCAO後、特定の触覚試験、固有受容試験、及び感覚試験(前肢配置及び後肢配置並びに体揺れ対称)により測定される通り、手術後1日目の感覚運動機能は、即時に且つ完全に損失する。最初の数週にわたり、相対的に迅速な部分的な回復期間が続く。記載されるMCAOモデルにおいて、この回復はMCAO後、4週までにプラトーとなり始め、この時点では、依然として感覚運動の機能に測定可能な障害が存在している。類似しているが、より遅い回復パターンが、ヒトにおいて脳卒中後の最初の数カ月にわたり起こる(Cramer、Ann Neurol 2008年、63巻、272〜87頁を参照されたい)。
実験設計
この実験では、スプラーグドーリーラットに麻酔をかけ、中大脳動脈閉塞(MCAO)をもたらす手術を施し、4-アミノピリジンを使用して及び使用しないで処置し、行動評価を以下に記載する通り行った。処置は脳卒中後に4週目に始めた。
動物:45匹の雄スプラーグドーリーラット、300〜400g(Charles River Laboratories社から得て、250〜275gで手術の7〜10日前に到着した)を用いた。動物を無作為に治療群に割り当てた。
命名法:試験の日数についての命名法は以下の通りとする:0日目はMCAOの当日とし、続く日に連続番号をつける(1日目、2日目、3日目等);-1日目はMCAOの前日を表す。
群分け詳細:この試験のいくつかの手順に必要な時間の量により、3種の処置群(下に列挙した通り)を8種の作業群(スケジュールに記載した通りである。以下を参照されたい)に分けることが必要であった。1日当たり6匹の動物が脳卒中手術を受けた。動物が試験の8日の手術期間中に死亡した場合、これを予備に交換した。死亡しなかった場合には、動物を交換しなかった。大半の動物の死亡(全体で5%未満)は手術直後から7日目の期間に起こった。
麻酔:N2O:O2(2:1)中、1〜3%イソフルラン。麻酔はN2O:O2(2:1)中、2〜3%イソフルランを有する導入チャンバで誘発し、マスクを通して1〜1.5%イソフルランに維持した。十分な深さの麻酔は、後肢のつねりに対する引っ込みの欠如及び瞬目反射の喪失により評価した。いったん麻酔がかかると、動物は、セファゾリンナトリウム(40mg/kg、腹腔内)及びブプレノルフィン(0.1mg/kg、皮下)を受けた。セファゾリンはこの手順のための予防的抗生物質として用いた(無視し得る感染率を保証するので)。動物用眼軟膏剤、Lacrilubeを目に塗布した。
手術手順:中大脳動脈閉塞術(MCAO)により、脳(大脳皮質)の表面の右側に小さな焦点性脳卒中(梗塞)を作成した。頭の右側を電気バリカンにより剪毛した(目と耳との間およそ3×5cmの区画)。この領域をseptisolで慎重に洗浄した。無菌技法を用いて、目と鼓膜管との中間で切開した。側頭筋を単離し、二分して折り返した。骨の小窓をドリル及び骨鉗子により除去して(側頭下頭蓋骨切除)、中大脳動脈(MCA)を露出した。手術後に動物が咀嚼する能力を損なう頬骨弓の除去も顔面神経の横切開もしないように注意した。解剖顕微鏡を用いて、硬膜を切開し、マイクロ二極式電気焼灼を用いて、MCAを嗅索のちょうど近位部から下大脳静脈まで電気凝固させた(この静脈を破裂させないよう注意した)。次いで、MCAを横切開した。次いで、側頭筋を整復し、縫合糸を用いて切開を皮下で閉じた。皮膚切開を外科用ステープルで閉じた(2〜3個要した)。この手順全体を通し、直腸検温器に連結した自己制御式加熱パッドを用いて、体温を37.0±1℃に維持した。
手術後の監視:手術後、動物が麻酔から覚めるまで、加熱パッドに置いたままにした。次いで、動物を清潔なホームケージに戻した。MCAO手術当日(0日目)は頻繁に、またその後は少なくとも1日1回動物を観察した。
取り扱い、手術及び注射の予定計画:激しい攻撃が示される、又はケージメイト(複数可)の死亡がない限り、手術の前後で1ケージあたり2〜3匹の動物を収容した。動物を手術前7日間取り扱った。セファゾリンナトリウム腹腔内(40mg/kg)を手術の直前に投与した。ブプレノルフィン皮下(0.1mg/kg)を手術の直前に投与した。
投与及び処置:表2A、2B、3及び図2に示す投与スケジュールに従ってラットを処置し、各期は2週間の期間とした。4-APの溶液をこの実験に用いた。投与は、虚血事象の4週間後に開始した。注射用水(WFI、Cellgro社)に4-アミノピリジンを溶解し、無菌ろ過した。経胃強制給餌により、最終濃度0.315mg/mL又は1.0mg/mLの4-アミノピリジンを2mL/kgで送達し、最終投与量はそれぞれ0.63mg/kg及び2mg/kgになった。ビヒクル対照処置は、経胃強制給餌により2mL/kgで送達したWFIとした。この試験は、3つの処置期(1〜3)に分け、動物の無作為化コホートの各々は、各処置期中に、異なるレベルの用量を受けた。MCAO後30日目(30日目、第1期の開始)に開始し、動物は5回の用量の合計について、およそ12時間離して、溶液(2mL/kg)の強制投与を受けた。同じスケジュールを、試験の第2期及び第3期に関して、44日目及び58日目にそれぞれ異なる処置により繰り返した。両期間の間の10日間、動物に処置を行わなかった(ウォッシュアウト期間)。
Figure 2014531470
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処置群: MCAO手術の4週間後に投与を開始した。この4週間中、以下に定義する毎週の行動評価を行った。2種の用量レベルの4-APとビヒクル対照を評価し、処置を虚血事象の4週間後に開始した。全投与は経胃強制給餌を介し、容積は2mL/kgを超えないようにした。動物に最初の用量を与え、投与の60分後に始めて行動評価を行った。次いで、動物にその日は適切な時間に第2の用量を与え、その後はさらに2日間b.i.d(好ましくは12時間毎)で与えた(計3日の投与、計5用量)。第5の用量の1時間後、動物に以下に定義する行動評価をした。最終行動評価後、10日間又は11日間休薬して行動を再評価し、次いで、動物に表2A、2B、及び3に記載するクロスオーバー処置(表2Bの第2期)を再度行わせ、引き続いて同じ行動試験及び投与レジメンを行った。このクロスオーバーをもう1回、同様に繰り返した(表2Bの第3期)(図2を参照されたい)。
行動試験の詳細:行動評価は、処置割当を知らされていない評価者により行われた。感覚運動機能の盲検評価は、MCAO手術の直前、MCAO手術の24時間後、及びその後は投与第1期まで毎週、四肢配置試験及び体揺れ行動試験を使用して行った。上記の通り、行動評価は投与時間により正確に時間を決めた。動物は各期の第1及び第5の用量(すなわち、第1期の30日目及び32日目、第2期の44日目及び46日目、及び第3期の58日目及び60日目)の1時間後に試験した。動物は、ウォッシュアウト期間中の42日目及び56日目も試験した。動物に最初の用量を与え、行動評価を60分後から開始し、投与の90分後に血液を採集した。次いで、動物にその日は適切な時間に第2の用量を与え、その後はさらに2日間b.i.d(好ましくは12時間毎)で与えた(計3日の投与、計5用量)。第5の用量の1時間後、動物に行動試験を行った。最終行動評価後、10日間又は11日間休薬し、行動を再評価し、次いで、動物に表2A、2B、3、及び図2に記載されるクロスオーバー処置を再度行い、引き続いて同じ行動試験及び投与レジメンを行った。
四肢配置:-1日目(手術前)、1日目、7日目、14日目、21日目、28日目、30日、32日目、42日目、44日目、46日目、56日目、58日目、60日目に評価した。四肢配置試験を前肢及び後肢試験に分けた。前肢配置試験については、試験者がラットをテーブル面の近くに保ち、ラットが触毛、視覚、触覚又は固有受容刺激に応答してテーブル面上に前肢をのせる能力を評価した。同様に、後肢配置試験については、試験者が、ラットが触覚及び固有受容刺激に応答してテーブル面上に後肢をのせる能力を評価した。一緒に、これらの試験を、感覚運動系の機能及び回復に反映させる(De Ryckら、Brain Res 1992年、573巻、44〜60頁)。各様式の感覚入力について別々のサブ得点を得て、これを合計して総得点を得た(前肢配置試験について:0=正常、12=障害最大、後肢配置試験について:0=正常;6=障害最大)。得点を0.5ポイント増分で示した(以下を参照されたい)。通常、脳卒中後の最初の1カ月間に四肢配置行動にゆっくりとした着実な回復がある。
前肢配置試験(0〜12):
触毛配置(0〜2);
視覚配置(前方(0〜2)、横(0〜2))
触覚性踏み直し(背部(0〜2)、側部(0〜2))
固有受容配置(0〜2)
後肢配置試験(0〜6):
触覚性踏み直し(背部(0〜2)、側部(0〜2))
固有受容配置(0〜2)
各サブセットに関して、動物を以下の通り得点化する。
0.0=瞬時に反応
0.5=2秒以内に反応
1.0=2〜3秒以内に反応
1.5=3秒超で反応
2.0=反応なし
体揺れ:-1日目(手術前)、1日目、7日目、14日目、21日目、28日目、30日目、32日目、42日目、44日目、46日目、56日目、58日目、60日目に評価した。体揺れは、尾で吊した際の、一方又は他方への頭部の動きを数えることにより評価した。この試験については、ラットをその尾の付け根からおよそ1インチでつかんだ。次いで、これをテーブルの表面より1インチ上に上げた。ラットを垂直軸に保ち、左側又は右側まで10°以下として規定した。ラットが頭部を垂直軸から両側に動かすたびに揺れを記録した。別の揺れを試みる前に、ラットは数えるべき次の揺れのために垂直位置に戻らなければならなかった。計30の揺れを数えた。試験は、線条体の機能の対称性を反映しており(Borlonganら、J.Neurosci 1995年、15巻、5372〜8頁)、正常なラットは通常、両側に同数の揺れがある。焦点性虚血後、ラットは対側(この場合、左側)に揺れる傾向がある。体揺れ得点を、全揺れに対する右方向の割合として表した。脳卒中後の最初の1カ月間に体揺れ得点の自発性の部分的回復(50%に向かう)が存在する。この体揺れ試験は、四肢配置試験と同時に実施した。
シリンダー試験:評価を-1日目(手術前)、7日目、21日目、30日目、32日目、44日目、46日目、58日目、60日目に行った。この試験は、四肢使用の非対称性を評価した。ラットを3〜6分間透明なシリンダー(直径20cm及び高さ30cm)に入れた。動物がカメラに背を向けた場合に前肢運動を測定するためにシリンダーの後ろに鏡を置いた。動物により示される前肢使用の非対称性の程度を、完全に後肢で立っている間に左又は右前肢が壁に接触する回数を数えることにより決定した。完全に後肢で立っている間に壁に接触している間の左と右の前肢両方の同時使用も得点化した。総数20回の前肢配置を試行中に数えた。データは、壁運動に関する四肢使用観察の総数に対する、非障害性及び又は障害性の前肢の使用割合に関して表した。
血液採取:薬物使用時の行動評価の完了後(30日目、32日目、44日目、46日目、58日目及び60日目)、その時間における4-APの血漿中レベルを評価するため、投与の正確に90分後、およそ300マイクロリットルの血液試料を採取した。血液は、各動物の伏在静脈から採集した。血液をK3 EDTA管に集めて、摂氏4度、10,000rpmで10分間遠心分離にかけた。血漿を得て凍結し、-80Cで保管した。4-APレベルについて、試料を解析した。4-AP濃度は、陽イオンエレクトロスプレイモードで、タンデム質量スペクトル検出法による、バリデーション済み液体クロマトグラフィーを使用して測定した。
安楽死及び死後処理:梗塞体積の解析。63日目に、最後の行動評価の後、ラットをケタミン/キシラジン(100mg/kgのケタミン、10mg/kgのキシラジン、i.p.)で深く麻酔をかけ、通常の生理食塩水(ヘパリン2単位/mlによる)、後に4%のパラホルムアルデヒド又はホルマリンによって経心的に灌流した。脳は、組織学的評価を行うために採集して処理した。1群あたり10個の脳のサブセットを、梗塞体積測定用に処理(H&E着色)した。
梗塞測定:脳をパラフィンに包埋し、ミクロトームを使用して厚さ5ミクロンの冠状切片にカットした。切片は、標準法を使用して、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)により染色した。各脳からの7つの冠状切片(前頂とそれぞれ比較すると、+4.7、+2.7、+0.7、-1.3、-3.3、-5.3及び-7.3)をデジタルカメラによって撮影し、各スライス上の梗塞領域を、脳浮腫を修正するために、「間接法」(無傷の対側[左]脳半球の面積-同側[右]脳半球の無傷領域の面積)を使用するNIH画像により決定した。次に、梗塞面積を切片間で足し合わせてスライスの厚み(切片間距離)を乗算し、総梗塞体積を得て、この体積を無傷の対側脳半球の比率として表した。
規制コンプライアンス:この試験は、非GLP環境で、AAALAC認定施設において、且つ標準的優良科学的原理及び実践に従って行った。
品質保証(QA):試験の進行中、収集データは、そのデータ一式の収集に関与していない実験室の第2の科学者により検証された。この検証は、生データ内に文書化し、この試験のデータパッケージと共に保存した。試験の完了時に、データパッケージ全体(全生データ、測定値、ノート及び計算)を、最終報告に対して検証及び確認した。
統計的手法
統計的手法:各期における各処置群について、ベースライン行動値からの変化を算出した。ベースラインは、動物が投与期を始める前の処置を受けていない間に測定される行動値として定義される(第1期、第2期及び第3期について、それぞれ28日目、42日目及び56日目)。各投与期全体に関する平均行動パラメータデータに、分散分析(ANOVA)を施した。データはまた、平均法からの最小二乗法の差異を使用する各一対の処置間のSAS一対比較を使用し、共変数として、用量を検討する混合モデル分析、シークエンス、持ち越し効果、及び実験の期に付した。p<0.005値は、統計的に有意であると見なした。
各期内において、ベースラインは、その期の1日目の測定値として定義し、その日は、28日目、42日目、及び56日目である。ベースラインからの変化は、別の日の測定値とベースラインとの差とした。各対象に対するベースラインからの平均変化は、各期(例えば、相1では、30日目及び32日目)内のベースラインからの2つの変化を合計して、2で割ることにより算出した。
記述統計(平均及び標準偏差)は、様々な行動エンドポイント用のexcelシートで示した。ベースラインからの変化を、その期内のどの日に測定を行ったかにかかわらず、処置群(N=15)あたり様々な期で算出した。期内において、唯一の共変量としての処置による一元配置ANOVAを使用して、様々な処置下での平均値を比較した。帰無仮説は、様々な処置下では平均値はすべて同じである、というものであった。p値<0.01-(体揺れ用)及び<0.0001(後肢及び前肢用)により、統計的有意性が強く実証された。帰無仮説は99%の信頼性レベルで却下され、こうして、3種の用量レベルは、試験した筋機能に対して有意性のある異なる処置効果を示すと結論づけられた。
2式の混合モデルを使用して、転帰に対する他の影響をさらに検討した。第1の一式の混合モデルでは、転帰変数は、期内の2つのベースライン測定値後からの平均変化とした。固定効果は、以下の共変数を含んだ:「dose」、「seq」、「co」及び「phase」。「dose」は、3つの処置を指し、「seq」は、各群に割り当てられた処置シークエンスを指した(すなわち、「高-低-ビヒクル」)。「co」は、前の期に由来する用量として定義される「持ち越し効果」であり、第1期に対する「持ち越し効果」は0に設定した。唯一無作為効果であるidが存在し、これは、シークエンスにネストした対象idとした。第2の一式の混合モデルでは、転帰変数は、期内のベースラインからの生の変化(2つのベースライン測定値後の平均値はとらない)とした。固定効果として日をモデルに加え、こうして固定効果には、共変数「dose」、「seq」、「co」、「phase」及び「day」が含まれた。「day」は、測定が行われた日とし、期内でネストした。固定効果の残りは、先の混合モデル中のものと同じである。唯一無作為効果であるidが存在し、これは、シークエンスにネストした対象idとした。混合モデルの両方において、提示されるSASから、2つの部分の出力が存在した。第1の部分は、「固定効果のタイプ3試験」である。統計の有意性を示すp-値(0.05以下)により、効果が転帰をはっきりと予測していると結論づけることができる。第2の部分は、「最小二乗法の差」であり、この場合、一対比較を各一対の処置間、すなわち、高値対低値間で行った。p-値が0.05以下であれば、異なる処置下で転帰に統計的有意差があると断言する。
前肢機能に関すると、第1のモデルにより、期、用量、及び持ち越し効果は重要な効果であるが、シークエンスはそうではないことが実証された。高用量により、低用量(p=0.0334)及びビヒクル(p=0.001)と比較して、前肢機能がかなり改善された;一方、低用量は、0.05レベルにおいて、ビヒクルと比較して、統計的に有意性のある改善を示さなかった。第2の混合モデルでは、日は別の重要な効果であることが示され、また3つの処置はすべて、p<0.0001と、お互いに有意な差を示した(すなわち、高用量対低用量、高用量対ビヒクル、低用量対ビヒクル)。全体として、前肢機能に関すると、両方のモデルにより、期、用量、及び持ち越し効果は重要な効果であるが、シークエンスはそうではないことが実証された。両方のモデルにより、高用量は、低用量及びビヒクルと比較して、前肢機能が著しく改善されることが実証された。第2の混合モデルは、p値がより小さいことに基づくと、処置効果を検知するのにより感度が高いように思われた。
同一解析手順を、前肢、後肢、及び体揺れを含めた、各転帰測定値に適用した。
後肢機能に関すると、第1のモデルにより、期及び用量は重要な効果であるが、シークエンス又は持ち越し効果は重要ではないことが実証された。高用量により、ビヒクル(p<0.0001)と比較して、後肢機能が著しく改善され、また低用量により、同じくビヒクル(p=0.0027)と比較して、後肢機能が著しく改善された一方、高用量は、低用量と比較しても、レベル0.05という統計的な有意性を示さなかった。第2の混合モデルでは、シークエンス以外の効果はすべて重要な効果を示し、3つの処置すべてが、P<0.0001と、互いに有意性のある差異を示した(すなわち、高用量対低用量、高用量対ビヒクル、低用量対ビヒクル)。全体として、後肢機能に関すると、両方のモデルにより、期及び用量が重要な効果であることが実証された。両方のモデルにより、高用量及び低用量は、ビヒクルと比較して、後肢機能を著しく改善することが実証された。第2の混合モデルは、p値がより小さいことに基づくと、処置効果を検知するのにより感度が高いように思われた。
体揺れ機能に関すると、第1のモデルにより、用量だけが重要な効果であることが実証された。高用量により、ビヒクル(p<0.0131)と比較して、体揺れ機能が著しく改善され、また低用量により、同じくビヒクル(p=0.033)と比較して、体揺れ機能が著しく改善された一方、高用量は、低用量と比較しても、レベル0.05という統計的な有意性を示さなかった。第2の混合モデルでは、期は別の重要な効果として示された。高用量により、低用量(p=0.006)及びビヒクル(p<0.0001)と比較して、体揺れ肢機能がかなり改善された;一方、低用量は、0.05レベルにおいて、ビヒクルと比較して、統計的に有意性のある改善を示さなかった。全体として、体揺れ機能に関すると、両方のモデルにより、用量が重要な効果であることが示された。
この混合モデルは、ベースライン=dose seq co phase dayからの変化であり、idは、無作為効果としてseqにネストする。ベースラインは、各期について、それぞれ28日目、46日目及び56日目として定義される。用量は3種の固定レベル、すなわち高用量、低用量、及びビヒクルを有する;seq(シークエンス)は、3つの異なる投与量シークエンス、すなわち「hlv」、「lvh」及び「vhl」として3つの固定値を有する;co(持ち越し効果)は、前の期由来の用量として定義され、この場合、第1期に対する持ち越し効果は0と設定する。idは、データからのラットidである。*は、α=0.05を基準とする両側検定基準に基づいた統計的有意性を意味する。
結果
表3は、処置群間の動物の分布を示している。表4〜6は、群1〜3の各々についての前肢配置試験の総得点を示している。表7〜9は、群1〜3の各々についての後肢配置試験の総得点を示している。表10〜12は、群1〜3の各々についての体揺れ試験の総得点を示している。図13〜15は、群1〜3の各々で試験した時点の動物の体重を示している。表16〜18は、群1〜3の各々についてのシリンダー試験の総得点(全非対称性の%)を示している。表19〜21は、群1〜3の各々についてのシリンダー試験の全運動得点を示している。
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MCAOは、感覚運動機能の実質的な急性損失をもたらし、これは部分的に回復し、4週間の処置前期間の最後までにすべての動物で安定障害のプラトーに達している。
群はすべて(1〜3)、手術直前(-1日目)の正常得点0を有するMCAO誘発性虚血に対する典型的な回復応答と、その後に、閉塞後24時間以内(1日目)に機能の完全な喪失(得点は、前肢12、後肢6)を実証した。次の4週間の未処置期に、前肢及び後肢の得点は、約5.5及び3にそれぞれ改善し、回復のプラトーレベルに達した(図3及び図4)。体揺れ試験では、右側に揺れる動物は、手術後5パーセント未満を示し、4週間の未処置期間の終わりまでに、右側への揺れは約25パーセントに回復した(図5)。重要でないが、ベースラインの行動測定値は、第1期と第2期の間、及び第2期と第3期の間の薬物未処置期間に、処置前レベルと比較して、わずかに改善した。これは、遅い継続的な内因性の回復、繰り返し行動評価の訓練効果、及び恐らくは処置の持ち越し効果による可能性がある。
すべての動物は、検討の終了までに各処置を受けた。1日2回(本試験、及び実施例17に示した試験)、4-APをラットに投与した。動物において、半減期が1〜1.5時間と(Hayesら、J. Clin. Pharmacol.2003年、43巻、379〜85頁)、このレジメンは本化合物の長期的な血漿中レベルを持続しなかったが、毎日の繰り返し暴露を可能にした。行動評価は投与後1時間時に行って評価時間中の適切な暴露を確実なものとし、各投与期に対する3日の間隔は、行動評価を行う前の経口強制給餌のストレスに動物が適応する手助けとなり得る。血液を30分後に抜き取り、行動評価(表22)の完了時に、動物中のダルファムプリジンの用量関連レベルを確認した。ここで使用される用量又は得られた血漿中濃度と、薬物の徐放性製剤により処理された患者で期待されると思われるものとを同等と見なすことは不可能であり、薬物動態は非常に異なることが留意される。脳脊髄液中で測定されるピーク濃度は、血液中のそれと比較すると遅延もあり、これは、ヒト対象では、約1時間である(Donovanら、Spinal Cord 2000年、38巻、7〜15頁)。したがって、所与の血漿中レベルに対する、中枢神経系中で達成される4-APの濃度は、長期間維持される類似の濃度と比べて、強制餌食後の過渡血漿中ピークに対するものよりもずっと低い可能性が高い。
前肢配置試験は、処置の前肢機能への効果を示している。図3は、虚血性脳損傷4週間後の低用量又は高用量4-アミノピリジンのいずれかによる処置が、ラットの前肢機能を改善するのに有効であることを示している。図3は、その効果が用量応答性であることも示している。この効果は、休薬すると減少するので可逆性でもある。
後肢配置試験は、処置の後肢機能への効果を示している。図4A〜Dは、虚血性脳損傷4週間後の低用量又は高用量4-アミノピリジンのいずれかによる処置が、ラットの後肢機能を改善するのに有効であることを示している。図4A〜Dは、効果が可逆性であることも示している。特に、より高い用量による処置は、より低い用量又はビヒクル対照による処置に比較して、行動得点の改善をもたらすので、この効果は用量応答性である。
体揺れ試験は、処置の全身制御への効果を示している。図5は、低用量又は高用量4-アミノピリジンのいずれかによる処置が、ラットの全揺れに対する右方の比率を改善するのに有効であり、したがって、虚血性脳卒中の症状の1つを改善するのに有効であることを示している。したがって、図5は、4-アミノピリジンがラットの全身制御を改善するのに有効であることを示している。図5は、この効果が可逆性且つ用量依存性であることも実証している。
第1の投与期中2mg/kgの4-アミノピリジンを投与された群1の動物(図3〜5)は、処置前のベースライン得点と比較して、前肢、後肢及び体揺れに顕著な改善があることを示した(28日目対32日目;p値<0.05)。投与第1期と投与第2期の間(ウォッシュアウト期間、33〜42日目)、前肢配置に対する効果は、ベースライン近くまで戻った。第2の投与期中、群1の動物は、0.63mg/kgの4-アミノピリジンの投与を受けた。投与直前のウォッシュアウト中の得点と比較すると、行動得点はすべて顕著に改善したが(42日目対46日目、p's<0.05)、より高い用量の第1の期間と同程度の改善は達成しなかった。第2と第3の期の間におけるウォッシュアウト(47〜56日目)中、行動得点は、ベースライン得点と類似したレベルまで低下した(56日目)。この群の動物は、第3の投与期中にビヒクルの投与を受け、投与直前(56日目)の日と比較すると、行動得点に変化は見られなかった。
第1の投与期中0.63mg/kgの4-アミノピリジンを投与された群2の動物(図3〜5)は、処置前のベースライン得点と比較して、すべての測定において行動得点の顕著な改善があることを示した(28日目対32日目;p値<0.05)。投与第1期と投与第2期の間に、動物は薬物処置を受けなかったが、行動に対する効果は、投与期の前と類似したレベルまで低下した(42日目)。投与第2期の間、この群の動物は、ビヒクルの投与を受け、行動試験得点に変化がないことが実証された。それらは、第2期と第3期のウォッシュアウト中(47〜56日目)、ベースラインレベルの機能のままであった。この群の動物は、投与第3期の間、2mg/kgの4-アミノピリジンの投与を受け、行動試験得点はすべて、期前のベースライン得点と比較して、顕著に改善された(56日目対60日目、p値<0.05)。
群3の動物(図3〜5)は、異なる処置期間の群1及び群2において観察されたものと類似した結果を有していた。これらの動物は、第1期の間に、ビヒクル投与を受けた。第1期と第2期の間のウォッシュアウトを通して、いかなる行動得点に変化はなく、動物はこの機能レベルに留まった。第2期の間に2mg/kg、及び第3期の間に0.63mg/kgの4-アミノピリジンで処置することにより、各期直前の薬物未処置の評価と比較して、前肢配置に顕著な改善が生じた(それぞれ、42日目対46日目、及び56日目対60日目、p値<0.05)。体揺れは、第2期における高用量処置の間に改善したが(42日目対46日目、p<0.05)、第3の処置期間の低用量処置に変化はなかった。第2期と第3期の間のウォッシュアウト中、ベースライン行動に戻った(56日目)。
まとめると、すべての動物が、処置を受けた順番に関わらず、それぞれの処置に対して類似の応答をした。すべての場合において、任意の投与期間の最も高い用量が、ビヒクル及び低用量と比較して、顕著な改善(p値<0.05)をもたらし、低用量のものは、使用した統計的モデルに応じて、ビヒクルと比べ統計的に良好であるか、又は有意性のある方向に傾いた(ANOVA、又は混合モデル分析、上記統計的手法を参照されたい)。
処置に先だって、毎週評価することに加えて、任意の所与の投与期間(第1の用量及び第5の用量後)に2回評価を行った。これらの得点間のわずかな改善には、特筆すべきものがあった(例えば、動物がビヒクル処置を受けた30日目と32日目の間の群3である)。これは、経口強制給餌のストレスへの順化による可能性があるか、又は恐らくはこれらの動物が試験に慣れてそれを予測するので、学習応答を示している。この効果は、動物が3日間の各投与期間の中に、ちょうど1回だけ試験を受けた実施例17において示される試験では観察されなかった。ベースラインは依然としてわずかに改善しており、且つすべての考えられる投与シークエンスを試験しなかったので、4-APへの前の暴露により、その後の期において4-APを投与した場合に、動物が多少なりとも応答しやすくなるかどうかを決定するのは不可能であった。この潜在的な持ち越し効果を投与順の多様性から排除するため、実施例17で示した試験を、ウォッシュアウト期間のない漸増法として計画した。
シリンダー試験は、身体対称性及び協調などの全身制御の側面に対する、処置の効果を示している。図7は、ラットにおける四肢の全部使用に対する障害性前肢の使用率が増加していることが示されていることにより、4-アミノピリジンによる処置が脳卒中の結果として生じる四肢使用の非対称性を改善するのに有効であることを示している。したがって、図7は、4-アミノピリジンがラットの身体対称性及び協調を改善するのに有効であることを示している。図7は、この効果が可逆性且つ用量依存性であることも示している。
図9は、群1〜3の間で、梗塞体積の差異は観察されなかったことを示している。特に、平均梗塞体積(対側性脳半球の%)は、いずれの群間でも差異はなかった。群1の平均梗塞体積(%)は45.0(±1.8)であり、群2のそれは41.4(±2.3)であり、また、群3のそれは39.0(±3.3)であった。
4-アミノピリジン血漿中レベル:動物がビヒクル処置を受けていた場合に抜き取られた血液試料は、本方法の定量化の下限値未満の4-アミノピリジンのレベルを有した。動物が4-アミノピリジンの投与を受けている場合に抜き取られた試料により、行動試験時における暴露は、用量レベルと適切に関連していることが裏付けられた。4-アミノピリジンの血漿中レベルは表22に示されている。
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データは、各個別の処置期中及び全体で、4-アミノピリジン処置が、前肢、後肢及び体揺れ機能に有意な改善をもたらしたことを示している。さらに、本発明者らにより利用されたいくつかのクロスオーバー統計モデルにより、高用量は、常に、ビヒクル対照と低用量の両方よりも有意に優れている(四肢配置試験についてはp<0.0001、及び体揺れについてはp<0.001)ことが実証された。低用量は、ビヒクル対照と比較して、改善に対する強い傾向があるか、又は有意性に達することを示した。さらに、投与期間内の第2評価期間の得点は、第1の薬物処置時の評価よりも有意に優れていた。こうして、本実施例により、動物において4-APが検出可能な血漿中レベルにある時間中、前肢及び後肢の感覚運動機能の、重要な可逆的且つ用量依存的な改善が実証された。体揺れ試験のデータもまた、体位機能の回復に対して用量依存的効果を示している。これは、線条体の管に対する効果、又は恐らく皮質下の白質領域に対する効果の証拠となり得る。さらに、この実施例は、各期における、各群内及び群間の4-APによる処置に対する、明確な用量依存的応答となることが実証される。
さらに、図3〜8の結果は、4-アミノピリジンによる継続処置が、感覚運動行動の転帰にさらなる改善が生じ得ることを示している。特に、多回用量の4-アミノピリジンの投与後の行動得点は、平均して、単回用量の4-アミノピリジン後の行動得点に比較して、改善されている。
これらの結果は、4-アミノピリジンによる処置が、感覚運動機能の脳卒中関連性障害を患っている哺乳動物における、こうした機能を改善に有効であることを示している。これらの結果はまた、脳卒中事象後の安定運動障害がある慢性期間に処置を開始すると、脳卒中関連性の運動感覚障害が改善することも実証している。このデータに基づくと、4-アミノピリジンは脳卒中後の慢性感覚運動障害を有意に改善すると結論づけることができる。
[実施例3]
虚血性脳卒中の処置
患者は医療施設に虚血性脳卒中の徴候及び症状を示す。患者はtPA又は他の治療により血管が再生され、血流を回復する。血流は回復されるが、あるレベルの脳損傷は起こる。脳卒中の3日後、患者に神経学的な評価がなされ、測定可能な感覚運動障害が示される。2日目の後及び3日目の後の4日目から、この患者は、1用量あたり0.01〜1.0mg/kgの間の用量の4-アミノピリジンにより、経静脈で10日間から3カ月間、処置される。処置中及び処置後、感覚運動機能を評価する。
[実施例4]
脳卒中の処置、及びその結果生じた右手の麻痺
ある患者は、右手の麻痺で救急科に来る。評価及び画像化後、この患者は虚血性脳卒中を患っていると診断される。この患者は承認された方法に従いtPAを受け、血流は血栓症により回復する。しかし、tPA処置の1週間後、この患者は、手の運動作業の標準的な神経学的尺度によって測定される、右手の麻痺が残った。この患者は、4-アミノピリジン(0.01〜1.0mg/kg、IV)により、脳卒中事象後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20若しくは21日目;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23若しくは24週目;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60若しくは66カ月目;0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6若しくは6.5年目又はそれより後に、1週あたり1回で4週間、処置を受け始める。手の機能の改善は、神経学者又は他の医師によって、動力計及び他の強度試験を含めた神経学的試験により定期的に測定される。処置中及び処置後、右手の感覚運動機能を評価する。
[実施例5]
虚血性脳卒中の処置
患者は虚血性脳卒中の徴候及び症状で医療施設に来る。患者らは、左半身の麻痺があることが分かる。患者は血管再生治療に間に合わず到着する。臨床評価をすると、ある脳損傷が起こっていることが分かる。脳卒中の3日後、患者は神経学的な評価を受け、測定可能な感覚運動障害を示す。この患者は、1用量あたり0.01〜1.0mg/kgの間の用量で4-アミノピリジンを経静脈で、脳卒中事象後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は21日目;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24週目;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60、又は66カ月目;0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6又は6.5年目又はそれより後に、4週間毎日の処置を受け始める;その後、患者らは6カ月間、毎週投与を受ける。患者らは、理学療法も受ける。処置中(例えば、2週間後)、及び処置後、左半身の感覚運動機能を評価する。
[実施例6]
虚血性脳卒中の処置
患者は、左手の麻痺で救急科に来る。患者は、「1週間以上前」に手の問題が始まっていたと報告する。評価及び画像化後、この患者は虚血性脳卒中を患っていると診断される。患者はtPA投与を受けない。神経学的な試験に際して、この患者には、手の運動作業の標準的な神経学的尺度によって測定される左手の麻痺が残っていることが分かる;この患者は知覚障害も有している。患者は、理学療法又は作業療法に参加することを拒否する。この患者は、4-アミノピリジン(0.01〜1.0mg/kg、IV)を、脳卒中事象後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は21日目;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24週目;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60、又は66カ月目;0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6又は6.5年目又はそれより後に、1週あたり1回で12週間の処置を受け始める。手の機能の改善は、神経学者又は他の医師によって、動力計及び他の強度試験を含めた神経学的試験により定期的に測定される。処置中(例えば、2週後)、及び処置後、左手の感覚運動機能を評価する。
[実施例7]
出血性脳卒中の処置
患者は虚血性脳卒中又は脳出血に一致する徴候及び症状で医療施設に来る。患者は安定している。神経学的評価をすると、あるレベルの脳損傷が起こっていることが分かる。脳卒中の1週間後、患者は再度神経学的な評価を受け、測定可能な感覚運動障害を示す。この患者は、0.01〜1.0mg/kgの間の用量の4-アミノピリジンを経静脈で、脳卒中事象後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は21日目;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24週目;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60、又は66カ月目;0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6又は6.5年目又はそれより後に、毎日、10日間の処置を受け始め、その後、この用量を毎週2カ月間投与し、この時点ですべての処置を停止する。感覚運動機能を評価する(例えば、脳卒中後及び/又は治療の開始から、1、2、3、4、5、6週、及び/又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11若しくは12カ月後)。
[実施例8]
慢性期における処置を含む、脳卒中関連性損傷の4-アミノピリジン処置
包括的な試験に関しては、選択基準には、神経損傷の臨床的確証がある成人の男性及び女性である。
調査すべき適応症:
血栓溶解剤による虚血性脳卒中
血栓溶解剤によらない虚血性脳卒中
出血性脳卒中
調査すべき用量範囲:
1用量あたり0.001mg/kg〜10.0mg/kg
調査すべき用量頻度:
毎日
隔日
4日目おき
1週あたり1回
1週おきに1回
1カ月に1回
混合周期レジメン:
-1週間又は2週間毎日、次に、検討の残りは毎週、隔週、又は毎月
-1週間又は2週間隔日、次に、その後は毎週、隔週、又はその後毎月
調査すべき処置の開始:
脳卒中事象後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は21日目;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24週目;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60、又は66カ月目;0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6又は6.5年目又はそれより後
調査すべき処置期間:
1、2、4、10、30週間の処置
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12カ月間の処置
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10年間の処置
調査すべき機能:
手の運動機能
顔の運動機能
生存
仕事に戻る時期
回復は標準的な神経学的尺度によって測定される。
結果:上に記載されている処置に際して、感覚運動機能は、4-アミノピリジンによる処置を受けた患者、及び当分野で公知の方法を使用するプラセボにより処置を受けた患者で評価し、試験結果を比較する。
代替実施形態では、上記パラメータのすべてよりも少ない組合せを調査する。
[実施例9]
片方の手の衰弱及び/又は麻痺(血栓溶解のない)のある虚血性脳卒中の4-アミノピリジン処置
選択基準は次のものを含む:意識消失、見当識障害、言語障害、顔面又は四肢麻痺に基づく脳卒中の確証のある成人の男性及び女性。虚血性脳卒中は、放射線画像により確認した。
患者は、片方に衰弱及び/又は麻痺があり、tPA(又は、他の血栓溶解剤)の候補とはならないか、又は何らかの理由から、tPA投与を以前に受けなかったものが選択される。同意書は患者からか、又は患者の代わりにサインする権限を有している誰かから得る。
患者は、脳卒中事象後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は21日目;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24週目;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60、又は66カ月目;0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6又は6.5年目又はそれより後に、早ければ病院又は医師のオフィスを含む医療施設に来院して、診断、画像が得られた時点で、登録され、4-アミノピリジン又はプラセボの投与を受けるように無作為化される。
この試行に関すると、処置は損傷後、1時間から7日の間に開始される。処置は、1週間隔日の投与により3カ月間継続され、次に、処置期間の残りは毎週である。患者は、静脈、筋肉又は皮下に、kgあたり0.0001〜1.0mg投与される。
回復は、試験期間中、隔週毎に、手の感覚運動作業の標準的な神経学的尺度によって測定する。
結果:上に記載されている処置に際して、手の機能は、4-アミノピリジンにより処置を受けた患者、及び当分野で公知の方法を使用するプラセボにより処置を受けた患者で評価し、試験結果を比較する。
[実施例10]
血栓溶解剤を使用しない、片側の顔面神経麻痺を有する脳卒中の4-アミノピリジン処置
患者は、片側の顔面神経麻痺を有する、血栓溶解剤を投与されなかった又は投与することができないものが選択される。機能は、3カ月の投与期間中隔週で、当分野で公知の方法により評価する。同意書は、患者から又は患者の代わりにサインする権限を有している誰かから得る。
患者は、登録され、4-アミノピリジン又はプラセボの投与を受けるように無作為化される。脳卒中事象後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は21日目;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24週目;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60、又は66カ月目;0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6又は6.5年目又はそれより後に処置を開始する。処置は、1週間隔日の投与により3カ月間継続され、次に、処置期間の残りは毎週である。患者は、静脈、筋肉又は皮下に、kgあたり0.0001〜1.0mg投与される。
結果:上に記載されている処置に際して、顔面の運動は、4-アミノピリジンにより処置を受けた患者、及びプラセボにより処置を受けた患者で評価する;試験結果を比較する。
[実施例11]
虚血性脳卒中の4-アミノピリジン処置(血栓溶解使用)
選択基準は次のものを含む:意識消失、見当識障害、言語障害、顔面又は四肢麻痺に基づく脳卒中の確証のある成人の男性及び女性。虚血性脳卒中は、放射線画像により確認した。
患者は、片方に衰弱及び/又は麻痺があり、tPA又は他の血栓溶解剤により処置を受けたものが選択される。同意書は、患者から又は患者の代わりにサインする権限を有している誰かから得る。
患者は、早ければ医療施設に来院して、診断及び画像が終了した時点で、登録され、4-アミノピリジン又はプラセボの開始を受けるように無作為化される。
脳卒中事象後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は21日目;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24週目;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60、又は66カ月目;0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6又は6.5年目又はそれより後に処置を開始する。処置は、1週間隔日の投与により3カ月間継続され、次に、処置期間の残りは毎週である。患者は、静脈、筋肉又は皮下に、kgあたり0.0001〜1.0mg投与される。
回復は、試験期間の隔週毎に、手の感覚運動作業の標準的な神経学的尺度によって測定する。
結果:上に記載される処置に際して、4-アミノピリジンにより処置を受ける患者の手の機能を、当分野で公知の方法により測定し、プラセボにより処置を受けた患者のそれと比較する。
[実施例12]
血栓溶解剤の使用しない、構音障害を有する脳卒中の4-アミノピリジン処置
患者は、構音障害を有する、血栓溶解剤を投与されなかった又は投与することができないものが選択される。機能は、3カ月の投与期間中隔週で、当分野で公知の方法により評価する。同意書は、患者から又は患者の代わりにサインする権限を有している誰かから得る。
患者は、登録され、4-アミノピリジン又はプラセボの投与を受けるように無作為化される。脳卒中事象後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は21日目;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24週目;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60、又は66カ月目;0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6又は6.5年目又はそれより後に処置を開始する。処置は、1週間隔日の投与により3カ月間継続され、次に、処置期間の残りは毎週である。患者は、静脈、筋肉又は皮下に、kgあたり0.0001〜1.0mg投与される。
結果:上に記載される処置に際して、4-アミノピリジンにより処置を受けた患者の構音障害による発話障害を、当分野で公知の方法を使用して測定し、プラセボにより処置を受けた患者のそれと比較する。
[実施例13]
構音障害を有する患者の4-アミノピリジン処置(血栓溶解剤使用)
選択基準は次のものを含む:意識消失、見当識障害、言語障害、顔面又は四肢麻痺に基づく脳卒中の確証のある成人の男性及び女性。虚血性脳卒中は、放射線画像により確認した。患者は、構音障害を有し、且つ血栓溶解剤を投与されたものが選択される。
脳卒中事象後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は21日目;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24週目;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60、又は66カ月目;0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6又は6.5年目又はそれより後に処置を開始する。処置は、1週間隔日の投与により3カ月間継続され、次に、処置期間の残りは毎週である。患者は、静脈、筋肉又は皮下に、kgあたり0.0001〜1.0mg投与される。
機能は、3カ月の投与期間中隔週で、当分野で公知の方法により評価する。
結果:上に記載されている処置に際して、構音障害による発話障害は、4-アミノピリジンにより処置を受けた患者で評価し、プラセボにより処置を受けた患者で評価して比較する。
[実施例14]
出血性脳卒中を有する患者の4-アミノピリジン処置
選択基準は次のものを含む:意識消失、見当識障害、言語障害、顔面又は四肢麻痺に基づく脳卒中の確証のある成人の男性及び女性。出血性脳卒中は、放射線画像により確認した。同意書は、患者から又は患者の代わりにサインする権限を有している誰かから得る。
患者は片側に衰弱を有するものが選択される。
患者は、早ければ病院又は医師のオフィスを含む医療施設に来院して、診断、画像及び同意書が得られた時点で、登録され、4-アミノピリジン又はプラセボ開始を受けるように無作為化される。
脳卒中事象後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は21日目;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24週目;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60、又は66カ月目;0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6又は6.5年目又はそれより後に処置を開始する。処置は、1週間隔日の投与により3カ月間継続され、次に、処置期間の残りは毎週である。患者は、静脈、筋肉又は皮下に、kgあたり0.0001〜1.0mg投与される。
回復は、検討期間の隔週毎に、手の感覚運動作業の標準的な神経学的尺度によって測定する。
結果:上に記載される処置に際して、4-アミノピリジンにより処置を受ける患者の手の機能を、当分野で公知の方法により測定し、プラセボにより処置を受ける患者のそれと比較する。
[実施例15]
出血性脳卒中を有する患者の4-アミノピリジン処置
ヒトにおいて、血栓性脳卒中後に、0.05及び0.1の用量レベルで4APを単回用量又は毎日多回用量で投与することが、機能転帰に及ぼす効果は、以下のプロトコルを使用して評価される。
目的:慢性虚血性脳卒中における、4APの経口又は静脈投与の有効性及び安全性を評価すること
設計:複数の機関、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、安全性及び有効性検討
選択基準:虚血性脳卒中、及び四肢の衰弱、並びに脳卒中前は完全な機能的自立性を有する患者。
除外基準:余命6カ月未満の重病、既知の重症の腎臓障害、アルコール若しくは違法医物の乱用又は依存性であることが現在分かっている患者。出血性脳卒中の患者は除外する。
患者の参加:患者は、脳卒中事象後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は21日目;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24週目;2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、42、48、54、60、又は66カ月目;0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6又は6.5年目又はそれより後に開始して、4AP若しくはプラセボの単回用量、又は4AP若しくはプラセボの2週間毎日の用量を受けるように無作為化される。感覚運動機能の転帰を評価する頃に、血漿中薬物濃度を測定するため、4AP処置後、複数の時間点で血液を採集する。
一次転帰:処置の2日後(単回投与)又は2週間後(多回投与)の総合的な回復及び感覚運動機能の回復を、修正ランキン(Rankin)スケール及びNIHスケールにより測定する。
4-APによる処置に際して、単回投与又は多回投与後の、脳卒中患者における感覚運動機能を測定し、ベースライン機能及びプラセボ処置と比較する。
[実施例16]
虚血性脳卒中後に慢性障害を有する対象のダルファムプリジン10mgの徐放性錠剤の試験
1 略語のリスト
この試験プロトコルに、以下の略語及び専門用語を用いる。
Figure 2014531470
2 試験目的
以下の臨床機能に関して、約12時間離して、毎日2回投与するダルファムプリジン-ER 10mg(すなわち、10mgの4-アミノピリジンの徐放性製剤)の効果を検討する。
・25フィート歩行時間試験(T25FW)により測定される歩行速度
・ボックスアンドブロック試験により測定される手先の器用さ
・グリップ試験及びピンチ試験により測定される手の力
・フーゲルマイヤーアセスメント(FMA)により測定される運動及び感覚機能
・場合により、生活障害評価スケール(DAS)により測定される上肢痙直
・機能的自立度評価表(FIM)スケールによって日常生活動作(ADL)を行うのに必要な介助
・対象全般印象度(SGI)スケール
・臨床全般印象度(CGI)スケール
・場合により、ベックうつ病項目(BDI)により測定されるうつ病(重度うつ病は除外する)
3 検討計画
これは、虚血性脳卒中後の安定慢性感覚運動障害を有する対象において、およそ12時間離して1日2回服用される10mgダルファムプリジン-ERの試験である。本試験は、二重盲検の、プラセボを対照とする、2期クロスオーバー試験として設計する。計画された66人の対象により、複数部位で行われることになる。8週間の試験期間には、2週間のスクリーニング期間、第1期における2週間の処置、1週間のウォッシュアウト期、第2期における2週間の処置、及び処置後の1週間のフォローアップ電話が含まれる。有害事象は、本試験期間を通して、監視されることになる。さらに、ベースラインからの可能性ある変化を評価するために、各試験期間中に簡単な身体検査及びバイタルサイン測定が行われることになる。以下に記載されている、一連の機能的及び主観的臨床評価も行われることになる。
対象のインフォームドコンセントを得た後、スクリーニング来院時(来院1)に、過去の脳画像に由来する医療歴の吟味、クレアチニンクリアランスの評価を含むSMA-12化学試験、尿検査、及び出産可能性のある女性に対する尿妊娠検査(UPT)により、適格性が決定されることになる。ベックうつ病項目(BDI)は、重度うつ病を除外するために行われることになる。さらに、スクリーニングでは、歩行速度(T25FW)、手先の器用さ(ボックスアンドブロックテスト)、手の力(グリップアンドピンチ試験)、上肢及び下肢の運動機能(FMA)、上肢運動痙直(DAS)、及び日常生活動作(FIM)を行うのに必要な介助の測定が行われることになる。このスクリーニング期間(-14日目から-1日目)は、来院2で完了することになり、適任とされた対象に関して、期間1の開始と記す。
来院2(1日目)では、対象は2種の盲検処置シークエンス(プラセボ、その後にダルファムプリジン-ER(シークエンスA)、又はダルファムプリジン-ER、その後にプラセボ(シークエンスB))の一方に2:1の比で無作為化されることになる。前の来院で行われた同じ臨床評価が行われことになる。対象は、割り当てられた検討処置の1週間の支給分と共に、自宅に帰される。対象は、その日の晩に最初の用量を、且つ次回の来院の朝まで、およそ12時間毎に1用量服用するよう、指示されることになる。対象は、この期間、1週間の間隔で1回、さらに2回の来院をすることになる:来院3(8日目)及び来院4(15日目)。これらの各来院時に、一連の類似の臨床評価が行われることになり、対象全般印象度(SGI)及び臨床全般印象度(CGI)が追加される。各来院時における、評価の詳細なスケジュールについては、表23を参照されたい。治験薬の新しい支給分は、来院3の時の試験手順の完了時に、配られることになる。
第1期の終了である、来院4で試験手順の完了時に、1週間のウォッシュアウト期が始まることになり、この期間すべての対象がプラセボを服用することになる。対象は、単一盲検プラセボの支給分と共に自宅に帰され、その日の晩に最初の用量を、且つ次回の来院の朝まで、およそ12時間毎に1用量服用するよう、指示されることになる。
来院5(22日目)は、両方の群に関して、本試験の第2期の開始を記す。この来院中に、対象は、新しい臨床評価一式を持たされ、その後、患者らは、各群あたり確定されているシークエンスに従い、クロスオーバー処置が開始されることになる。この期間中、2回の追加来院を1週間毎に行うことになる:来院6(29日目)及び7(36日目)。治験薬は、第2期の終わりである来院7を除き、各来院時に試験手順の完了時に分配されることになる。服用指示は前の来院時と同じになる。
有害事象を評価するために、フォローアップ電話来院、来院8(43日目)が、1週間後に行われることになる。試験の参加は、フォローアップ電話の後に完了することになる。
対象は、ダルファムプリジン-ERのおおよその最高血漿中濃度に対応させるため、処置評価来院の期間中(来院、3、4、6及び7)、予定される試験評価の開始の2時間前に朝の用量の治験薬を服用することを目標とする投与スケジュールを持つよう指示される。
処置コンプライアンスを監視するために、スクリーニング来院後、すべての診療所への来院時に、血漿中試験薬物濃度を測定するために血液試料が採られる。
本試験設計を、図10に図表で示す。試験手順の来院時スケジュールを表23に示しており、それらの手順の説明は以下に見いだすことができる。
Figure 2014531470
4 対象の選択及び中止
(a)組み入れ基準
以下の基準をすべて満たせば、対象は本試験に組み入れることができる:
1.事前の補完的画像所見(MRI/CTスキャン)により評価者によって確認される、虚血性脳卒中による安定な感覚運動障害歴がある。
2.脳卒中後≧6カ月である。
3.18〜85歳(85歳を含む)の男性又は女性。
4.18.0〜35kg/m2(35kg/m2を含む)の間の範囲の肥満度指数(BMI)がある。
5.アムピラ、ダルファムプリジン、ファムプリジン又は4-アミノピリジン(4AP)の使用歴がない。
6.必要なスクリーニング来院及び他の毎回の来院時に、T25FWを完了するのに十分な歩行能力がある。
7.下肢の運動フーゲルマイヤー得点が27以下である。
8.必要なすべての試験手順を行う能力がある。
9.評価者によって決定されるインフォームドコンセントを提示できる適切な認知能力を有する。
10.スクリーニング来院の4週間以内に、安定な併用医薬治療レジメンがある。
(b)除外基準
以下の除外基準のいずれかを満たす対象は、試験の参加に適格ではない。
1.外科的に不妊でないか、閉経後2年未満であるか、又は有効な避妊方法を用いていない出産可能な性的に活動的な女性。
2.妊婦又は授乳中である。
3.単純な熱性痙攣を除く痙攣歴がある。
4.コッククロフト-ゴールト(Cockcroft-Gault)式を用いて計算されたクレアチニンクリアランス≦50mL/分により定義される中度又は重度の腎障害がある。
5.スクリーニング来院時又はスクリーニング来院前4週間以内の活性な尿路感染症(UTI)の確証がある。
6.スクリーニング来院前4週間以内に、処方箋医薬レジメン又は治療の開始、及び/又は併用医薬レジメン又は併用療法の、試験の過程での変更があることが予期される。
7.スクリーニング来院前4週間以内にバクロフェン又はチザニジンを開始する、又はスクリーニング来院4週間以内に投薬レジメンに何らかの変更がある。
8.スクリーニング来院前3カ月以内にセロトニン取込み阻害剤(SSRI)を開始する、又はスクリーニング来院3カ月以内に投薬レジメンに何らかの変更がある。
9.スクリーニング来院前2カ月以内にボツリヌス毒素を使用する
10.過去1年以内に薬物又はアルコール乱用歴がある。
11.過去6カ月以内に四肢のいずれかに外科手技を受けた
12.対象が、評価者の判断において、臨床的に有意であり、且つ対象が試験を安全に完了する能力に影響を及ぼす可能性がある、臨床検査値異常を有する。
13.評価者によって考慮される、不安定狭心症、未制御高血圧症、又は他の任意の深刻な心臓血管の異常がある。
14.ベックうつ病項目(BDI)で30以上の得点によって示される重度うつ病
15.評価者の判断による、試験の実施又は試験結果の解釈の妨害になると考えられる、他の任意の医療的状態
16.スクリーニング来院前4週間以内の介入治験に参加する。
17.多発性硬化症と診断される。
(c)中止基準
任意である中止基準には、1つ以上の以下の理由が含まれる:
・対象が有害事象(発作など)を受ける
・妊娠
・対象がプロトコルを遵守しない
・対象がフォローアップを受けない
・対象がアルコール若しくは薬物を乱用しているか、又はもはや別の適格基準を満たさない。
5 対象の処置
(a)行うべき処置
各対象は、28用量の(A)ダルファムプリジン-ER 10mg及び42用量の(B)プラセボ(プラセボウォッシュアウト期間中の14用量を含む)を受ける。錠剤は水と共に自宅で服用する。処置の順序は以下の節(b)で記載する通り決定する。
評価の完了後、治験薬は、来院2、3、4、5及び6に対象に分配される。対象は、来院の晩に1番目の用量を、次の用量をおよそ12時間後の翌朝に服用を指示される。対象は、可能な限り一貫した時間で12時間毎に服用し続けるよう指示される。対象には、服用を忘れた用量を埋め合わせてはならないことを伝える。
各分配支給量からの最後の用量は、次回の予定される来院当日の朝に服用される。対象は、処置評価の来院の期間中(来院、3、4、6及び7)、予定される試験評価の開始の2時間前に朝の用量の治験薬を服用することを目標とする投与スケジュールを持つよう指示される。
(b)対象を処置群に割り当てる方法
対象を来院1で、試験の開始前に作成した無作為化により、2:1の比で、2種の盲検処置シークエンス(A又はB)の一方に無作為化する。
A:プラセボ、その後ダルファムプリジン-ER
B:ダルファムプリジン-ER、次にプラセボ
(c)盲検化
薬物投与を二重盲検とし、処置シークエンスが対象にも試験施設員にも知らされていないことを意味する。
ウォッシュアウト期間は、一重盲検とし、試験施設員はプラセボがこの期間中に投与されていることを知っているが、対象は知らないことを意味する。
(d)処置コンプライアンス
対象は、処方されたすべての用量を服用するよう奨励される。処置コンプライアンスは、返却される瓶の錠剤の残り数により、及び各期間の血漿中ダルファムプリジン濃度を決定するために血液試料を得ることにより監視する。コンプライアンス不遵守に関するいかなる理由も文書化する。
(e)過去の及び併用の薬物
安定した症状を維持するために、試験の継続期間、及び試験前のある期間も、以下の薬物を排除する:
・スクリーニング来院前4週間未満に開始されるか又は投与変更されたバクロフェン又はチアザニジン
・スクリーニング来院前3カ月未満に開始されるか又は投与変更されたSSRI
・スクリーニング来院前2カ月未満に投与されるボツリヌス毒素
・スクリーニング来院前4週間未満に開始されるか又は変更された他の処方箋薬(又は治療法)
対象の安全に必要な場合を除いて、試験中に併用処置に変更は行わない。
6 治験薬の説明
活性剤:市販薬を用いる。:AMPYRA(ダルファムプリジン)持続放出性錠剤は、ダルファムプリジン10mgを含む、片面に「A10」と刻印された平らな端を有する、白色からオフホワイトの、両凸の卵型のフィルムコーティングされた割線のない錠剤である。不活性成分は、コロイド状二酸化ケイ素、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール及び二酸化チタンからなる。
プラセボ:プラセボ錠剤は、外観はAMPYRA錠剤と同一とし、同一の不活性成分を含有する。
7 試験手順
以下の節は、この試験で得られることになるベースライン及び臨床機能測定値を記載する。試験来院による手順の詳細なスケジュールは、以下に提示されており、また表23に要約している。
任意の試験手順に従事する前に、対象は同意書を用意しなければならない。
(a)血漿中ダルファムプリジン濃度
すべての機能臨床評価を行った後に、血漿中ダルファムプリジン濃度を決定するための血液試料を得る。これらの測定の目的は、処置コンプライアンスの評価のためである。7mLという最小限の全血を、適切にラベル付きヘパリン管に採集し、遠心分離するまで冷たく(すなわち、湿った氷上に)保つ。採集直後にこの管を低速で遠心分離し、およそ3mLの血漿を各試料からラベル付き管に移す。中央研究所への出荷が必要となるまで、この血漿を-20℃で保管する。その際、凍結血漿試料を一緒に採集し、運送業者により指定の中央研究所まで一晩、ドライアイス上の断熱容器内で送る。
(b)臨床評価
25フィート歩行時間(T25FW)
T25FW試験は、歩行機能の定量的測定である。対象に、はっきり目印をつけた障害物のない25フィートのコースの一端から他端まで可能な限り速く歩くよう指示する。T25FWは、National Multiple Sclerosis Societyにより出版されているAdministration and Scoring Manual(Fischer Jら、National Multiple Sclerosis Society.2001年、1〜410頁)に提示されている詳細な指示に従って行う。対象は、靴の先端を目印のついたスタートラインにのせて立ち、対象の足のいずれかの部分が線を通過した時に、計時を開始する。対象の足のいずれかの部分が印のついたフィニッシュラインを通過した時に計時を終了する。この試験のために用意するストップウォッチを用いて、時間を秒で記録し、10分の1秒まで四捨五入する。対象を後ろに同じ距離を歩かせることにより、2回の試行の間に最大5分の休憩時間を許し、この課題を再度行う。必要であれば、対象は適当な補助具を使用してもよい。対象に、各来院の間に動作得点を不当に改善するためのリハーサル又は練習手段なしで、正常な活動を維持するよう指示しなければならない。各評価においてT25FWのため、同じ試験室及び同じ指定地域を使用するあらゆる努力がなされることになる。外部からの注意のそがれる可能性のあるものは、可能な限り最小限に保たれる。
歩行速度についての基準データが入手可能である(Bohannon R、Age and Ageing 26巻、1997年、15〜19頁)。速度歩くための標準のデータは利用可能である。18歳以上且つ20歳未満の対象については、20代年齢群に関する基準データを用いる。
ボックスアンドブロックテスト
ボックスアンドブロックテスト(Mathiowetz Vら、Am J Occup Ther. 1985年、36巻(6号):386〜391頁)を、手先の器用さの有効且つ信頼できる尺度として用いた。対象は、箱の片側から1度に1個ずつブロックを素早く取り上げて、各ブロックを仕切りの上を通って箱の反対側まで運び、これを落とし入れるよう指示される。この試験は、本来、脳性麻痺を有する成人の手先全体の器用さを評価するために開発されたものである。正常な成人についてのデータが入手可能である(Bohannon R、Age and Ageing 1997年、26巻、15〜19頁)。18歳以上且つ20歳未満の対象については、20〜24歳の群についての基準データを用いる。
ボックスアンドブロック試験は、疲労の影響を最小化するためにピンチアンドグリップ試験の前に一貫して行う。利き手と利き手でない方の両方を、利き手から始めて試験する。
グリップアンドピンチ試験による手の力
作業療法プログラム、疾患若しくは損傷の過程から生じ得る変化を検出するため、又は患者の力と一般母集団の関係を示すために、手の力の問題を特定するための、単純で、有効且つ信頼できる手段として、グリップ試験(Mathiowetz Vら、Arch Phys Med Rehabil 1985年、66巻、69〜72頁)を用いる。手の力は握力計を用いて測定する。
作業療法プログラム、疾患若しくは損傷の過程から生じ得る変化を検出するため、又は患者の力と一般母集団の関係を示すために、ピンチ力の問題を特定するための、単純で、有効且つ信頼できる手段として、ピンチ試験(Mathiowetz Vら、Arch Phys Med Rehabil 1985年、66巻、69〜72頁)を用いる。ピンチ試験は、3つの構成要素、すなわち指先つまみ、鍵つまみ及び手掌つまみを有する。ピンチ力はピンチゲージを用いて測定する。
測定を行うごとに、各手の、グリップ試験、指先つまみ、鍵つまみ及び手のひら試験について、3回の試行をする。
成人のグリップアンドピンチ試験に関する基準データが入手可能である(Mathiowetz Vら、Arch Phys Med Rehabil 1985年、69〜72頁を参照されたい)。18歳以上且つ20歳未満の対象については、20〜24歳の群についての基準データを用いる。
フーゲル-マイヤーアセスメント(FMA)
FMAは、脳卒中後の麻痺を有する患者における、運動機能、バランス、感覚、及び関節機能を評価するために設計された、作業に基づく障害評価である(Fugl-Meyer ARら、Scand J Rehabil Med.1975年、7巻(1号)、13〜31頁)。この試験のため、上肢(UE)運動機能、下肢(LE)運動機能、及び感覚の領域が評価されることになる(表24を参照されたい)。
Figure 2014531470
Figure 2014531470
項目は、重度を3点の尺度で評価する。総得点は、各領域について個別に決定することができ、総UE及びLE得点は、全運動得点を足し合わせることができる。
生活障害評価スケール(DAS)
場合により、DASが行われる。
DASは、脳卒中後の、上肢痙直を有する患者において一般的に影響する4つの機能領域の障害を評価するために開発されたものである:個人衛生、着衣、疼痛及び肢位。臨床医は、「障害なし」から「重度障害」までの範囲の4点の尺度を使用する、これらの領域の各々における、対象の障害レベルを評価する。4つの機能領域の評価は、以下のガイドラインに従って行われる(Brashear A,ら、Arch Phys Med Rehabil. 2002年、83巻(10号)、1349〜54年)。
衛生:評価者は、ふやけ、潰瘍、及び/又は手のひらの感染の程度を評価する;手のひら及び手の清潔さ;清潔にする容易さ;爪切りの容易さ;患者の日常生活における衛生関連性の障害により引き起こされる妨害の程度。
着衣:評価者は、患者が衣服(例えば、シャツ、上衣、手袋)を身につける困難さ又は容易さ、及び患者の日常生活における着衣関連性の障害により引き起こされる妨害の程度を評価する。
肢位:評価者は、上肢の異常位置の量を評価する。
疼痛:評価者は、上肢痙直と関係する疼痛又は不快感の強さを評価する。
4つの機能範囲の各々は、以下の尺度を使用して評価する:0=障害はない;1=軽度の障害(目立つが、正常な活動を著しく妨害しない);2=中度の障害(通常の活動には、多くの努力及び/又は介助が必要である);3=重度の障害(通常の活動は限定的)。
機能的自立度評価表(FIM)
FIM尺度は、日常生活動作(ADL)を行うために、個人がそれだけ多くの介助を必要とするかを測定する、幅広く利用されている障害の評価である。この尺度は、18項目からなる:13項目が身体の領域であり、5項目が認知の範囲である。評定は臨床医の直接観察に基づいており、7点の尺度で得点化される各項目は、「全介助」から「完全自立」までの範囲に及ぶ。評価される規模は、以下の通りである:食事、整容、風呂、上半身の着衣、下半身の着衣、トイレ動作、排尿管理、排便管理、寝具から椅子への移動、トイレへの移動、シャワーへの移動、運動(歩行レベル又は車椅子レベル)、階段、認知理解、表出、社会的交流、問題解決、記憶である。得点基準は、以下の通りである(Rehabilitation Measures Databaseウェブページを参照されたい):
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対象の全般印象度(SGI)
SGIは、「ひどい」から「大いに喜んでいる」に及ぶ7ポイント尺度を用いて、前週中の対象の身体健康に対する治験薬の効果を評価するよう対象に求める、一般的に用いられている処置応答の尺度である。
対象には、以下の記述を記入する書式が与えられる:「我々は、あなたの身体健康に関する試験薬物の効果についてあなたがどう感じているのか知りたい。あなたは過去7日間にわたる試験薬物の効果についてどのように感じていますか?」。対象は、返答用に以下の選択枝が与えられる:「ひどい」、「不幸である」、「不満である」、「はっきりしない/入り混じる」、「ほとんど満足している」、「満足している」及び「大いに喜んでいる」。対象に自身の言葉で、示した回答を説明するよう求める。
臨床医の全般印象度(CGI)
CGIは、ベースラインでの対象の状態と比較して(且つ、前回の来院と比較するのではなく)、治験薬による処置後の対象の神経状態及び全身健康状態の変化の全体的印象を提供するよう臨床医に求める、一般的に用いられている処置応答の尺度である。CGIは、「大いに改善した」から「大変悪い」に及ぶ7点の尺度に従って評価する。
臨床医に、以下の記述を記入する書式を与える:「全体的に、対象の症状及び他の神経機能を考慮して、あなたはスクリーニング来院に対して、今日の対象の神経状態をどのように評価しますか?他の因子に関しては除いて、神経学的変化のみを検討してください」。臨床医に回答に以下の選択枝を与える:「大いに改善した」、「かなり改善した」、「いくぶん改善した」、「変化なし」、「いくぶん悪い」、「かなり悪い」及び「大変悪い」。臨床医に、可能であれば変化の何らかの指標を説明するよう求める。
ベックうつ病項目(BDI)
BDI(表25を参照されたい)は、うつ症状の重症度を測定する、広く使用されている自己評定うつ質問表である。21項目の各々は、最小から重度の範囲の4点の尺度で評価される。スクリーニングにおいて得点30以上によって示される重度うつを有する対象は、本試験の参加から除外されることになる。BDIもまた、臨床評価の1つとして、他の来院でも行われることになる。
Figure 2014531470
Figure 2014531470
(c)試験シークエンス
以下の節は、本試験中の各来院時に行うべき評価を記載する。
来院1、-14日目〜-1日目(スクリーニング来院)
以下の手順が行われた後、評価者は本試験の適格性を評価することになる。これらの手順は、無作為化来院前14日以内に完了することになる。手順は、以下に概説する順番で行われる。
・署名済みインフォームドコンセントを得る。
・人口学的情報を含む全病歴。
・以前及び併用の薬物の吟味。
・対象がBDIを終了する。
・全身体検査を終了する。
・身長及び体重を含めた、決まった手順の座位のバイタルサイン測定を行う。
・BMIを計算する。
・T25FWを行う。
・ボックスアンドブロック(利き手及び利き手でない手、最初に利き手)を行う。
・グリップ試験、指先つまみ、鍵つまみ及び手掌つまみ試験を行う。これらの試験を各手について3回行う。
・FMA、DAS、及びFIMを行う。
・実験室評価用の血液及び尿試料を採取する(SMA-12、計算したクレアチニンクリアランス、尿検査、及び出産能力を有する女性に関する尿妊娠検査)。
・有害事象を吟味する。
・対象が適格である場合、対象を14日以内に試験センターに戻す計画を立てる。
来院2、1日目(無作為化来院、期間1の開始)
以下の評価及び手順を以下に概説する順で行う:
・簡単な身体検査を終了する
・座位のバイタルサインの測定を行う。
・T25FWを行う
・ボックスアンドブロック(利き手及び利き手でない手、最初に利き手)を行う
・グリップ試験、指先つまみ、鍵つまみ及び手掌つまみ試験を行う。これらの試験を各手について3回行う。
・FMA、DAS、及びFIMを行う。
・対象がSGIを終了する。
・血漿中ダルファムプリジン濃度用の血液試料を得る。
・出産可能な女性について尿妊娠検査を行う。
・有害事象及び併用薬物を吟味する。
・2種の処置シークエンスの一方に無作為化する。
・その晩に最初の用量を服用するという指示と共に、割り当てられた二重盲検の治験薬の1週間の支給分を分配する。投与レジメンに関する、対象へのさらなる指示は節6.16.5(a)を参照されたい。
・対象を自宅へ帰し、1週間後(±1日)に行われる次回の来院の日時を予定する。
来院3、8日目
以下の評価及び手順を以下に概説する順で行う:
・簡単な身体検査を終了する。
・座位のバイタルサイン測定を行う。
・対象がSGIを終了する。
・T25FWを行う。
・ボックスアンドブロック(利き手及び利き手でない手、最初に利き手)を行う
・グリップ試験、指先つまみ、鍵つまみ及び手掌つまみ試験を行う。これらの試験を各手について3回行う。
・FMA、DAS、及びFIMを行う。
・SGIを終了する。
・血漿中ダルファムプリジン濃度用の血液試料を得る。
・有害事象及び併用薬物を吟味する。
・最後の来院からの治験薬を回収し、薬物責任を果たす。
・その晩の、最後の用量のおよそ12時間後に用量を服用するという指示と共に、割り当てられた二重盲検の治験薬の新しい1週間の支給分を分配する。投与レジメンに関する、対象へのさらなる指示は節6.16.5(a)を参照されたい。
・対象を自宅に帰し、1週間後(±1日)に行われる次回の来院の日時を予定する。
来院4、15日目(期間1の終わり、ウォッシュアウトの開始)
以下の評価及び手順を以下に概説する順で行う:
・簡単な身体検査を終了する。
・座位のバイタルサイン測定を行う。
・対象がSGIを終了する。
・T25FWを行う。
・ボックスアンドブロック(利き手及び利き手でない手、最初に利き手)を行う
・グリップ試験、指先つまみ、鍵つまみ及び手掌つまみ試験を行う。これらの試験を各手について3回行う。
・FMA、DAS、及びFIMを行う。
・SGIを終了する
・対象がBDIを終了する
・血漿中ダルファムプリジン濃度、及びSMA-12用の血液試料を得る。
・有害事象及び併用薬物を吟味する
・最後の来院からの治験薬を回収し、薬物責任を果たす。
・その晩に最初の用量を服用するという指示と共に、二重盲検のプラセボの1週間の支給分を分配する。投与レジメンに関する、対象へのさらなる指示は節6.16.5(a)を参照されたい。
・対象を自宅に帰し、1週間後(±1日)に行われる次回の来院の日時を予定する。
来院5、22日目(ウォッシュアウトの終わり、期間2の開始)
以下の評価及び手順を以下に概説する順で行う:
・簡単な身体検査を終了する。
・座位のバイタルサイン測定を行う。
・対象がSGIを終了する。
・T25FWを行う。
・ボックスアンドブロック(利き手及び利き手でない手、最初に利き手)を行う
・グリップ試験、指先つまみ、鍵つまみ及び手掌つまみ試験を行う。これらの試験を各手について3回行う。
・FMA、DAS、及びFIMを行う。
・SGIを終了する
・対象がBDIを終了する
・血漿中ダルファムプリジン濃度用の血液試料を得る。
・有害事象及び併用薬物を吟味する
・最後の来院からの治験薬を回収し、薬物責任を果たす。
・その晩に最初の用量を服用するという指示と共に、クロスオーバー処置の1週間の支給分を分配する。投与レジメンに関する、対象へのさらなる指示は節6.16.5(a)を参照されたい。
・対象を自宅に帰し、1週間後(±1日)に行われる次回の来院の日時を予定する。
来院6、29日目
以下の評価及び手順を以下に概説する順で行う:
・簡単な身体検査を終了する。
・座位のバイタルサイン測定を行う。
・対象がSGIを終了する。
・T25FWを行う。
・ボックスアンドブロック(利き手及び利き手でない手、最初に利き手)を行う
・グリップ試験、指先つまみ、鍵つまみ及び手掌つまみ試験を行う。これらの試験を各手について3回行う。
・FMA、DAS、及びFIMを行う。
・CGIを終了する。血漿中ダルファムプリジン濃度用の血液試料を得る。
・有害事象及び併用薬物を吟味する。
・最後の来院からの治験薬を回収し、薬物責任を果たす。
・その晩の、最後の用量後およそ12時間に用量を服用するという指示と共に、クロスオーバー処置の新しい1週間分の供給を分配する。投与レジメンに関する、対象へのさらなる指示は節6.16.5(a)を参照されたい。
・対象を解放し、1週間後(±1日)に行われる次回の来院の日時を予定する。
来院7、36日目(期間2の終わり)
以下の評価及び手順を以下に概説する順で行う:
・簡単な身体検査を終了する。
・座位のバイタルサイン測定を行う。
・対象がSGIを終了する。
・T25FWを行う。
・ボックスアンドブロック(利き手及び利き手でない手、最初に利き手)を行う
・グリップ試験、指先つまみ、鍵つまみ及び手掌つまみ試験を行う。これらの試験を各手について3回行う。
・FMA、DAS、及びFIMを行う。
・SGIを終了する。
・対象がBDIを終了する。
・血漿中ダルファムプリジン濃度、及びSMA-12用の血液試料を得る。
・有害事象及び併用薬物を吟味する。
・最後の来院からの治験薬を回収し、薬物責任を果たす。分配すべき治験薬はない。
・対象を自宅に帰し、1週間後(±1日)に行う次回の来院、電話訪問の日時を予定する。
電話フォローアップ、43±1日目
施設は、任意の有害事象又は薬物の変更を検討するためにフォローアップの電話をかける。フォローアップの電話は週末/休日を占めるよう43日目の前又は後の最大2日までに行うことができる。
・最終的な状態評価
8 統計学
(a)検出力
66名の対象は2種の処置シークエンス(プラセボ、その後にダルファムプリジン-ER(シークエンスA)、又はダルファムプリジン-ER、その後にプラセボ(シークエンスB))の1つに2:1の比で無作為化されることになる。この試料サイズは、将来の試験設計の手助けとなる適切なプランニング見積もりを提供することになる。
(b)エンドポイント導出及びデータ取り扱い
解析用ベースラインは、二重盲検の医薬の最初の用量前の、取り損ねのない最後の評価として定義されることになる。
虚血性脳卒中以来の年齢及び時間が、インフォームドコンセントにおいて、日付に基づいて計算される:
年齢は、以下の通り計算されることになる:年齢=[インフォームドコンセントの日付-生年月日]/365.25、切り捨てて小さい方の整数にする。
虚血性脳卒中以来の日数は、以下の通り計算されることになる:日数=インフォームドコンセントの日付-脳卒中の日付。
ベースライン尺度の導出は、「変数導出及びデータ取り扱い」と題する節において、以下に概略される導出に従う。
(c)機能評価の解析
この節における適用可能な変数すべての導出に関する計算の詳細は、「変数導出及びデータ取り扱い」と題する節において、以下に見いだすことができる。
機能的な評価
この試験で調査される機能的な評価は以下の通りである:
・25フィート歩行時間試験(T25FW)により測定される歩行速度
・ボックスアンドブロック試験により測定される手先の器用さ
・グリップ試験及びピンチ試験により測定される手の力
・フーゲル-マイヤーアセスメント(FMA)及び個々の運動得点に関する全身運動機能の得点
-上肢機能
-下肢機能
・障害評価スケール(DAS)により測定される上肢痙直
・機能的自立度評価表(FIM)スケールによって日常生活動作(ADL)を行うのに必要な介助
・対象全般印象度(SGI)スケール
・臨床全般印象度(CGI)スケール
・ベックうつ病項目(BDI)によって測定されるうつ病
変数導出及びデータ取り扱い
解析用ベースラインは、二重盲検の医薬の最初の用量前の、取り損ねのない最後の評価として定義されることになる。
徒歩速度
各来院では、2回のT25FW試験の試行がある。個々の試行に対する歩行速度は、歩行を完了した時間(秒)の逆数を25(フィート)と掛け合わせることにより、導かれる(フィート/秒)。特定の試験来院に関する歩行速度は、その試験来院からの試行1及び試行2に関する歩行速度の平均値を計算することにより導き出されることになる。試行の一方を行い損ねた場合、その来院の歩行速度は、取り損ねなかった試行からの歩行速度とすることになる。
グリップアンドピンチテスト
各来院では、各グリップアンドピンチテストについて3回の試行がある。特定の試験来院に関する応答は、その具体的な試験に対する3回の試行の平均である。グリップテスト及びピンチテストは、利き手及び利き手でない手により、それぞれまとめられる。
ボックスアンドブロックテスト
ボックスアンドブロックテストに対する応答は、60秒で、仕切り間の他方に移動するブロックの数である。応答変数に必要な導出はない。ボックスアンドブロックテストは、利き手及び利き手でない手により、それぞれまとめられる。
フーゲル-マイヤーアセスメント(FMA)
FMAは、上肢及び下肢の運動並びに感覚障害の尺度であり、5つの領域において155項目からなる。サブ得点は、関連する個々の項目についての得点を合計することにより、各領域に関して決定することができる。総FMA得点は、個々の領域のサブ得点を総計することにより作製することができる。総FMA得点及び個々の領域のサブ得点は、個別にまとめられる。
生活障害評価スケール(DAS)
DASは、脳卒中後の、上肢痙直を有する患者において一般に影響する4つの機能領域の障害を評価するために使用される。4つの機能領域は、個別に解析される。応答変数に必要な導出はない。
機能的自立度評価表(FIM)
FIM尺度は、18項目からなる身体的障害及び認知障害の評価である。各来院について、FIMスケールに関する応答は、18項目に対する個々の応答の合計である。総得点は、18(最低の機能レベル)〜126(最高の機能レベル)まで変動し得る。
対象全般印象度(SGI)スケール
各来院に関して、SGIに関する応答は、前週中の対象の身体健康に対する、対象の治験薬の評価である。応答変数に必要な導出はない。
臨床全般印象度(CGI)スケール
各来院に関して、CGIに関する応答は、ベースラインと比較した、治験薬による処置後の、対象の神経状態及び一般的な健康状態の変化の、臨床医の総合的な印象である。応答変数に必要な導出はない。
ベックうつ病項目(BDI)
BDIは、うつ症状の重症度を測定する、自己評定うつ質問表である。各来院について、BDIに関する応答は、21項目からの個別の応答の合計である。総得点は0〜63まで変動し得る。
統計的手法
解析は、機能評価に対する、ダルファムプリジン-ERの効果を決定するために行われる。機能評価の各々に関すると、SGI及びCGIを除き、ベースラインからの対象間変化を各処置期間内で算出されることになる:
期間1:来院4の評価-来院2の評価
期間2:来院7の評価-来院5の評価
SGI及びCGIに関すると、来院4の評価及び来院7の評価が、その解析に使用されることになる。
いずれの機能評価に関しても、来院4の評価がない場合、来院3の評価を使用して帰属させることになる。来院7の評価がない場合、来院6の評価を使用して帰属させることになる。
SGI及びCGIを除くすべての臨床尺度に関すると、以下の2つのタイプの解析が行われることになる。最初のタイプは、シークエンスAに無作為化した44名の対象を使用する、期間1(プラセボ)対期間2(ダルファムプリジン-ER)に関する、ベースラインからの対象間変化の差異に基づくことになる。2種の処置の間のベースラインからの変化は、対応のあるt-検定を使用して比較する。2番目のタイプの解析は、期間1内だけのベースラインからの変化の処置群間の比較に基づくものである。2種の処置の間のベースラインからの変化は、2種の試料のt-検定tを使用して比較することになる。
SGI及びCGIに関すると、2つタイプの解析が同様に行われることになる。しかし、その解析は、来院4及び来院7におけるSGI及びCGIの結果を使用して行われ、ベースラインからの変化に基づくものではない。上に記載した統計的手法も、SGI及びCGIの解析に使用されることになる。
実施例16についての参照文献
Figure 2014531470
Figure 2014531470
Figure 2014531470
[実施例17]4-APの経口投与の効果:ラットにおけるMCA閉塞術(MCAO)後の機能回復、盲検のビヒクル対照用量増大試験
4-APを、虚血事象から離れた時に安定した運動障害を有するラットにおいて、虚血性脳卒中後の機能的感覚運動改善を促進するその能力について評価した。この実施例の中で使用される虚血性脳卒中の動物モデル、すなわちMCAOモデルは、実施例2において記載した動物モデルと同じである。
MCAOモデルにおいて、回復はMCAO後に4週までにプラトーになり始め、この時点では、依然として感覚運動の機能に測定可能な障害が存在する。しかし、MCAOの4週間後、遅い継続的な内因性の回復が依然として存在することがある。これらの理由のために、この実施例における処置は、動物が内因性の回復後により安定な感覚運動障害レベルに到達できるよう、最初の脳卒中事象からさらに一層離れた時点である、MCAO後56日目に開始した。
実験デザイン
この実験では、スプラーグドーリーラットに中大脳動脈閉塞(MCAO)をもたらす手術を施し、以下に記載したビヒクル(水)又はアミノピリジンにより処置し、以下に記載の行動評価を行う。
動物:30匹の雄スプラーグドーリーラット、300〜400g(Charles River Laboratories社から得た、250〜275gで手術の7〜10日前に到着した)を用いた。動物を無作為に治療群に割り当てた。
命名法:研究の日に関する命名法は、以下の通りである。0日目はMCAOの当日とし、続く日に連続番号をつける(1日目、2日目、3日目など);-1日目はMCAOの前日を表す。
群の詳細:この試験のいくつかの手順に必要な時間の量により、2つの処置群を4つの作業群に分ける必要があった。1日当たり6匹の動物が脳卒中手術を受けた。動物が試験の8日目の手術期間中に死亡した場合、これを予備に交換した。死亡しなかった場合には、動物は交換しなかった。大半の動物の死亡(全体で5%未満)は手術直後から7日目の期間に起こった。
麻酔:上の実施例2に記載される通り、麻酔を行った。
温度:37.0±1℃。
外科的処置:上の実施例2に記載される通り、外科的処置を行った。
手術後監視:上の実施例2に記載される通り、手術後監視を行った。
取り扱い、手術、及び注射予定表:取り扱い、手術、及び注射予定表は、上の実施例2に記載したものと同じである。
処置及び投与:ラットは、表26に示される処置スケジュールに従って処置した。投与を表27に示している。注射用水(WFI、Cellgro社)に4-アミノピリジンを溶解し、無菌ろ過した。0.25mg/mL、0.5mg/mL及び1.0mg/mLの4-アミノピリジン溶液を、最終用量をそれぞれ、0.5mg/kg、1mg/kg、又は2.0mg/kgとなるように、2mL/kgで経胃強制給餌により送達させた。ビヒクル対称処置は、経胃強制給餌により2mL/kgで送達したWFIとした。動物は、MCAO後の56日目から始めて、およそ12時間離して溶液(2mL/kg)の経胃強制給餌を受けた。ビヒクル対照群は、56〜65日目に、すべての用量について水により処置した。処置群に関すると、4-アミノピリジンを、0.5mg/kgで6用量を56〜59日目にかけて、次に、1.0mg/kgで6用量を59〜62日目にかけて、2.0mg/kgで6用量を62〜65日目にかけて送達した。66〜70日目の間、すべての群の動物を処置しなかった。p.o.=経口により
Figure 2014531470
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処置群:動物はMCAO手術を受け、56日間、回復させた。次に、動物は、それらのベースライン挙動に基づいて2つの群に無作為化した。MCAO後、56日目の晩に、b.i.dで経口による投与を開始した。投与期間中の行動試験は、投与の1時間後に開始した。血液は、行動試験直後の処置期直前及びその間に、伏在静脈から採集した(投与後90分)。全投与は経胃強制給餌を介し、容積は2mL/kgを超えないようにした。
血液採取:最初の用量直前の56日目に、次に、各用量レベルにおける6回目の用量後、正確に90分に、各動物の伏在静脈から300マイクロリットルの血液試料を採集した。血液は、上の実施例2に記載した通り、採集し、遠心分離にかけて分析した。
行動試験の詳細:行動評価は、処置割り当てを伏せられた評価者により行われた。感覚運動機能の盲検評価は、MCAO手術の直前、MCAO手術の24時間後、及びその後は投与第1期まで毎週、四肢配置試験及び体揺れ試験を使用して行った。上記のように、行動評価は投与時間により正確に時間を決めた。動物に最初の用量を与え、60分後から行動評価を行った。動物は、各用量レベルの6回目(59日目、62日目及び65日目)の1時間後、及び70日目のウォッシュアウト5日目の終わりに試験した。
四肢配置:-1日目(手術前)、1日目、7日目、14日目、21日目、28日目、35日目、42日目、49日目、56日目、59日目、62日目、65日目、70日目に評価した。四肢配置試験を、前肢及び後肢試験に分けた。前肢配置及び後肢配置の試験、及びこれらの試験の得点化は、上の実施例2に記載されている。
体揺れ:-1日目(手術前)、1日目、7日目、14日目、21日目、28日目、35日目、42日目、49日目、56日目、59日目、62日目、65日目、70日目に評価した。体揺れ試験及びこの試験の得点化は、実施例2に記載されている。
安楽死及び死後処理:MCAOの70日目後に、上の実施例2に記載した通りラットに麻酔をかけた。
梗塞測定:上の実施例2に記載される通り、梗塞測定を行った。
統計的手法:処置前のベースライン値(56日目)からの変化を、投与後に評価した各時間点における、各々の行動得点について計算した。平均行動パラメータデータに、分散分析を施した(ANOVA)。梗塞体積データは、ANOVAによって解析した。データをすべて、平均値±SEMとして表した。
規制コンプライアンス:本検討に関する規制コンプライアンスは、上の実施例2に記載されているものと同じとした。
品質保証(QA):本検討に関するQAは、上の実施例2に記載されているものと同じとした。
結果
動物の両方の群(ビヒクルと4-アミノピリジン処置群)は、手術直前(-1日目)の正常得点0を有するMCAO誘発性虚血に対して典型的な回復応答、その後に、閉塞後(1日目)24時間以内に機能の完全な喪失(得点は、前肢12、後肢6)を実証した。次の8週間の未処置期に、前肢及び後肢の得点は、約4.5及び2.5 (それぞれ)まで改善し、回復のプラトーレベルに達した(図11及び12を参照されたい)。特に、動物は、機能の完全喪失後に部分的に回復し、30日目頃にプラトーに達した。動物は、処置を開始した56日目を通して、このレベルの機能を維持した。
感覚運動機能は、前肢配置試験及び後肢配置試験、並びに体揺れ試験を使用して評価した。前肢配置試験は、処置の前肢機能に対する効果を示している(図11を参照されたい)。後肢配置試験は、処置の後肢機能効果を示している(図12を参照されたい)。体揺れ試験は、処置の全身制御に対する効果を示している(図13を参照されたい)。
ビヒクル群は、用量開始前の最後の評価と比較して、小さいが統計的に有意な変化を実証した。対照的に、0.5mg/kgの4-アミノピリジン(低用量)を投与された動物は、ビヒクルと比較して、前肢配置が顕著に改善(p<0.001)した(図11、59日目を参照されたい)。後肢配置は、低用量で改善したが、有意性には達しなかった(図12、59日目を参照されたい)。4-アミノピリジンの用量を1mg/kgに増加することにより、ビヒクルと比較して、前肢試験及び後肢試験の両方が、測定可能な程、改善した(それぞれ、p<0.001及びp<0.05、図11及び図12、62日目)。4-アミノピリジンの2mg/kgへの用量の最終的な漸増は、ビヒクル処置動物と比較して、前肢試験及び後肢試験の両方の有意な改善を伴った(それぞれ、p<0.0001及びp<0.001、図11及び図12の65日目)。処置を5日間中止した場合、改善は部分的に生の得点において低下したが、後肢の得点は、ビヒクル処置群よりも高いままであった(p<0.05、図12、70日目)。長期且つ一定量の用量期間には、ビヒクル処置群と比較して、完全にウォッシュアウトするのに追加の時間が必要となる可能性がある。しかし、4-アミノピリジンは短い血清中半減期であることを考慮すると、それは、比較的短期間に行われる繰り返し試験からの訓練効果であり得る可能性がより高いように思われる。処置期の全体の過程中で、ビヒクル処置された動物ではわずかな改善しか観察されなかったので、ビヒクル処置動物では、その障害は安定したままであった。
したがって、図11は、虚血性脳損傷8週間後の低用量、中用量又は高用量4-アミノピリジンのいずれかによる処置が、ラットの前肢機能を改善するのに有効であることを示している。図11は、効果が用量応答性であることも示している。この効果は、休薬すると減少するので可逆性でもある。図12は、虚血後損傷の8週間、低用量の4-アミノピリジンによる処置は、ラットにおける後肢機能を改善するのに有効となり得ること、及び虚血後脳損傷の8週間、中用量又は高用量の4-アミノピリジンによる処置は、ラットにおける後肢機能を改善するのに有効となり得ることを示している。さらに、図12は、より高用量による処置は、より低用量又はビヒクル対照による処置に比較して、行動得点の改善をもたらすので、この効果は用量応答性であることを示している。図12はまた、効果が少なくとも部分的に可逆性であることも示している。
体の揺れ動作は、評価時間ポイントにおいて広範囲にわたり特徴がない。56日目の処置前の得点と比較すると、薬物評価(59日目)の最初の体横揺れ動作において処置効果はあるように思われるが、処置開始前のビヒクルと4-アミノピリジンとの間に観察される体揺れ対称性の逸脱を踏まえると、全体として、データから結論を導き出すことはできない。この実施例において使用される動物の年齢及びサイズは、実施例2で提示された試験におけるものよりもかなり高く(大きく)、この特定の試験における動物の一般的な動機及び動作における役割を果たし得ることが留意される。
4-アミノピリジン血漿中レベル:動物がビヒクル処置を受けていた場合に抜き取られた血液試料は、4-アミノピリジンのレベルが、本方法の定量化の下限値未満を有していた。動物が4-アミノピリジンの投与を受けた場合に抜き取られた血液により、用量レベルと適切に関連する行動試験時に、暴露されていることが裏付けられた。4-アミノピリジンの血漿中レベルは表28に示されている。
Figure 2014531470
したがって、このデータにより、動物において4-APが検出可能な血漿中レベルにある時間中、前肢及び後肢の感覚運動機能の、顕著な可逆的且つ用量依存的な改善が示された。
表29は、ビヒクル(水)と4-アミノピリジンとの間で、梗塞体積の差異は観察されなかったことを示している。
Figure 2014531470
脳組織の梗塞体積の解析は、前臨床の脳卒中試験の典型的な転帰尺度として、本試験に含まれている。この試験内の任意の群間で、梗塞体積の差異は観察されず、また、梗塞体積も本実施例と実施例2の間で示された試験間で類似していた。
実施例2及び17についての参照文献
Figure 2014531470
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特許、特許出願、及び刊行物等の様々な参照文献を本明細書に引用し、その全体の開示を参照により本明細書に組み入れる。

Claims (35)

  1. 治療有効量のアミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を患者に投与するステップを含む、脳卒中を患っている患者の処置方法。
  2. 治療有効量のアミノピリジンを患者に投与するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 治療有効量のアミノピリジンの薬学的に許容される塩を患者に投与するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 患者における脳卒中関連性の感覚運動障害を処置する方法である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 患者がヒトである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. アミノピリジンが、モノアミノピリジン又はジアミノピリジンである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. アミノピリジンが4-アミノピリジンである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩が、徐放性組成物中にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩が、即時放出性組成物中にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  10. アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩が、患者に1日1回投与される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩が、患者に1日2回投与される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  12. アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩が、患者に1日3回以上投与される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  13. アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の治療有効量が、1日2回、4〜17.5mg、5〜15mg、5〜10mg、又は7.5〜10mgの範囲である、請求項11に記載の方法。
  14. アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の治療有効量が、1日2回、5mgである、請求項11に記載の方法。
  15. アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の治療有効量が、1日2回、10mgである、請求項11に記載の方法。
  16. アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩が経口投与される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩が、錠剤の形態で製剤化される、請求項16に記載の方法。
  18. 投与ステップが、患者が脳卒中を患った時から少なくとも4週で開始される、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 投与ステップが、患者が脳卒中を患った時から少なくとも1週で開始される、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  20. 投与ステップが、患者が脳卒中を患った時から2〜7日目の間に開始される、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  21. 投与ステップが、患者が脳卒中を患った時から少なくとも1週、少なくとも2週、少なくとも3週、少なくとも4週、少なくとも5週、少なくとも6週、少なくとも7週、又は少なくとも8週で開始される、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  22. 投与ステップが、患者が脳卒中を患った時から少なくとも1カ月、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも4カ月、少なくとも5カ月、少なくとも6カ月、少なくとも7カ月、少なくとも8カ月、少なくとも9カ月、少なくとも10カ月、少なくとも11カ月、又は少なくとも12カ月で開始される、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  23. 投与ステップが、患者が脳卒中を患った時から少なくとも4カ月で開始される、請求項22に記載の方法。
  24. 投与ステップが、患者が脳卒中を患った時から少なくとも6カ月で開始される、請求項22に記載の方法。
  25. 投与ステップが、患者が脳卒中を患った時から6時間以内又は2日以内に開始される、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  26. 脳卒中が虚血性脳卒中である、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 脳卒中関連性の感覚運動障害が、歩行障害、四肢機能の障害、下肢機能の障害、下肢筋力の障害、筋緊張の障害、上肢機能の障害、手の機能の障害、細かな手の協調の障害、握力の障害、バランス又は協調の障害、全身制御の障害、構音障害、顎機能の障害、咀嚼の障害、又は顎関節の障害である、請求項4から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 障害が、歩行障害である、請求項27に記載の方法。
  29. アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の治療有効量が、ヒトにおいて、少なくとも約11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20ng/mlのCminss又は平均Cminssが得られる量である、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の治療有効量が、ヒトにおいて、約12ng〜20ng/mlの範囲のCminss又は平均Cminssが得られる量である、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
  31. アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩を繰り返し投与するステップの後に、前記障害レベルを評価するステップをさらに含む、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記徐放性組成物が、ヒトにおいて約2時間〜約6時間のTmaxを実現する、請求項8に記載の方法。
  33. アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の治療有効量が、1日1回、8〜30mg、10〜30mg、10〜20mg、又は15〜20mgの範囲である、請求項10に記載の方法。
  34. アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の治療有効量が、1日1回、10mgである、請求項10に記載の方法。
  35. アミノピリジン又は薬学的に許容されるその塩の治療有効量が、1日1回、15mgである、請求項10に記載の方法。
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