JP2018127497A - アミノピリジンを使用した、ある種の卒中に関連した感覚運動障害を治療するための方法 - Google Patents

アミノピリジンを使用した、ある種の卒中に関連した感覚運動障害を治療するための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】卒中を患っている患者を治療するための方法を提供すること。
【解決手段】卒中に関連した障害を有している患者、具体的には、ある種の卒中の結果として生じる感覚運動障害を有している患者における、アミノピリジンの治療学的な使用に関連した、方法および組成物が、本明細書に開示される。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
〔優先権の利益〕
この出願は、2013年4月15日に出願された米国仮出願第61/812,239号、2013年4月26日に出願された米国仮出願第61/816,551号、および2013年4月26日に出願された米国仮出願第61/816,592号の利益を主張し、それぞれが、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
〔1.技術分野〕
本発明は、ある種の卒中に関連した障害(具体的には、感覚運動障害)の治療に関する。
〔2.背景技術〕
中枢神経系(CNS)の損傷は、深刻な健康上の問題である。CNSの損傷は、通常、ある程度の永続的な機能障害を対象に残したまま、不完全に治癒する。残された機能障害は、運動異常、感覚異常、認知異常、情緒異常および自律神経系の異常を含み得る。
CNSの損傷の主要なカテゴリーは、卒中の結果生じる脳の損傷を構成する。卒中は、第3位の死亡原因であり、且つ西欧諸国における身体障害の主たる原因である。卒中は、それ故に、多大な社会経済的負担を与える。卒中の原因は、虚血性または出血性であり得る。虚血性は、卒中の大多数における原因である。虚血性卒中は、身体のどこか別の場所に生じ、且つ血流を介して脳へと移動する血塊に起因し得る(塞栓性卒中)か、または脳の動脈の内部に生じる血栓に起因し得る(血栓性卒中)。グルコースおよび酸素の欠乏による即時の梗塞の中心における広範な細胞死の後に、グルタミン酸興奮毒性、アポトーシス機序、およびフリーラジカルの発生等の二次的なメカニズムのせいで、当該梗塞領域は、数日間拡大する。神経の損傷(例えば、虚血性の事象)に続いて、動物および人間は、数日間、数週間および数ヶ月間にわたって、任意の治療的介入なしに、機能を回復し得る。大抵は、しかしながら、この回復は、ほんの一部であり、そして動物および人間は、長期間のまたは永続的な身体障害(運動障害、感覚障害および認知障害を含み得る。)を患う。卒中による当該運動障害、感覚障害および認知障害は、日常生活動作(activities of daily living)および生活の質に重大な影響を与え得る。卒中の生存者は、多くの場合、永続的な神経学的欠損が残されており、卒中の生存者の推定15〜30%が、永続的に障害を有している(Roger et al., Circulation 2012; 125:22-e220)。
個体が卒中を有する可能性を増加させる危険因子は、周知である。これらは、制限されないが、変更することができない危険因子:高齢、遺伝、人種、性別、卒中の前歴もしくは心発作、並びに、変更する、治療するまたは制御することができる危険因子:高血圧、喫煙、糖尿病(diabetes mellitus)、頸動脈および他の動脈の疾患、心房細動、他の心疾患、鎌状赤血球病、高血中コレステロール、貧しい食生活および運動不足および肥満を包含している。
今まで、虚血性の卒中の直接の薬物療法は、卒中後の急性期に投与される薬剤に限定されている。当該急性期は、損傷(例えば、卒中)の発現時から損傷後およそ6時間の範囲である。出血性の卒中のための薬物療法は、現在、存在しない。
組織プラスミノーゲン活性化因子(「tPA」)および緊急使用に適した特定の機械的な血塊回収装置(Eesa et al., 2011, Expert Rev Neurother. 11(8):1125-1139を参照のこと)以外に、現在、卒中の治療のための米国において認可された治療法は存在しない。利用できる治療の後に、患者は、多くの場合に、あるレベルの機能障害が残る。当該機能障害は、せいぜい、約60日間にわたって若干内因的に改善し、そしてその後、1年までまたはそれより長い期間にわたって極めてわずかに改善するかもしれない。この回復は、理学療法によって増強され得る。残念なことに、多くの患者は、改善の望みがほとんどなく、永続的な身体障害が残る。
急性卒中の治療は、血栓溶解薬(具体的には、tPA)の時間依存的な使用を介して、閉塞した血管における血流を回復することによって達成される。tPAは、脳に血液を供給している動脈における血栓を崩壊させて、脳への血流および酸素化(oxygenation)の回復を促進する。しかしながら、卒中患者の少ない割合のみが、成功したtPA療法を受ける:tPAは、現在、卒中症状の発現の3時間以内の使用に関してFDA認可されているのみである。卒中を有している個体の約3パーセントに対して与えられるのみである。多くの患者は、tPA療法のための候補ではなく、tPAのための時間内に病院に到着しないか、または長期にわたり複数の小さい梗塞を有しており、tPAを用いて治療され得ない。さらに、tPAを用いてうまく治療されるこれらの患者でさえ、多くの場合、脳に対するある程度の細胞の損傷を有している。
tPAは、プラスミノーゲンをプラスミンに変換するセリンプロテアーゼである。プラスミンは、その後、フィブリンを破壊する。当該フィブリンは、脳における血管を閉塞させ、且つ卒中の原因である血塊の成分である。理想的には、tPAは、閉塞後の最初の3時間以内に投与されるが、閉塞後遅くとも6時間に、一部の臨床医によって投与されてもよい。残念なことに、卒中を経験する患者の大部分は、この治療のために考慮される時間内に、病院に到着することができない。有効な時間枠内に病院に到着するこれらの患者のために、tPAは、血流の閉塞を回復させ、脳の酸素化を回復させ、そして失われる脳構造の範囲を制限するために投与される。しかしながら、tPAの使用を制限するいくつかの重要な禁忌がある。3時間後にtPAを受ける患者は、tPAの有効性が低下する一方で、深刻な出血の危険性が増加する。そのような理由から、任意の治療学的な有効性を達成するために、tPAは、急性期の間に投与するように制限される。
今まで、卒中の治療に関して、他の薬剤は、FDAによって認可されていない。動脈血によって送達されるプロウロキナーゼのような現在の実験的な治療は、血塊を崩壊させ且つ血流を回復させるための可能性のある手段として開発中である。科学論文は、しかしながら、卒中の実験動物モデルにおいて、脳成分(brain matter)を保護し且つ機能を回復させるために有益であると証明された薬剤を記載している。これらの薬剤のほとんどは、急激な細胞死、炎症およびアポトーシスを軽減することに焦点をあわせている。そして、それ故に、虚血性の事象後の数時間内(24時間までの数時間)に送達されるべきである。
アスピリン(ASA)はまた、個体が卒中症状を患っているときに、いくつかの機関によって推奨される。いくつかの他の抗血小板療法は、卒中の可能性を軽減することを助けるために使用される。
従来、卒中のための治療が強く要求されることが、一般に認められている(Abe et al., 2008, J Cereb Blood Flow Metab. Jul 23, Epub ahead of print, Sun et al., 2008, Stroke Jul 10, Epub ahead of print; Dohare et al., 2008, Behav Brain Res. 193(2):289-97; Belayev et al., 2001, Stroke 32(2):553-60)。ほとんど例外なく、例えば、グリア成長因子2(GGF2)(Iaci et al., 2010, Neuropharmacology 59:640-649を参照)を除いて、薬剤は、数時間(最大限でも、いくつかの実験動物モデルにおいて、卒中後約1日)のラグタイム後に投与されたときに、脳に対する損傷を制限する、機能を回復させるまたは卒中後の回復を亢進することを示さない。
急性の閉塞の後に、多くの場合に、ペナンブラ領域(penumbral area)によって囲まれた破壊された脳成分の局所的な領域が多くの場合に存在する。当該領域は、血液の循環が回復されない場合には数時間以内に死滅する。神経保護剤(例えば、NMDAアンタゴニスト、カルシウムチャネルブロッカー、ラジカル捕捉剤、ラジカル捕獲剤、抗アポトーシス性カスパーゼ阻害剤、parp阻害剤等)を用いた実験モデルにおいて、このペナンブラ領域が死滅するまでの時間は、数時間まで延長され得る。24〜48時間後には、しかしながら、壊死性の死滅から細胞を保護するための望みはほとんどない。一方で、アポトーシス性の死滅は数日間続くが、抗アポトーシス療法のための治療学的時間枠(therapeutic window)が、緊急の保護的療法よりも十分に幅があることは証明されていない(Schulz et al., 1998, Cell Death Differ. 5(10):847-57; Komjati et al., 2004, Int J Mol Med. 13(3):373-82)。
卒中の生存者個人における永続的な感覚運動障害は、通常、理学療法を用いたリハビリテーションによって、部分的にのみ取り組まれる。これにもかかわらず、そのような患者における永続的な機能的欠損を治療するための薬理学的な介入の可能性はほとんど注目されていなかった。これは、卒中の結果として失われた神経細胞および神経回路を置換し得ないという一般的に固定された考えのためである。
(カリウムチャネルブロッカー)
特定のアミノピリジンの例示的な特性は、カリウムチャネルブロッカーであることである。4−アミノピリジン(4−AP)は、そのような、カリウムチャネル遮断特性を有しているアミノピリジンの一例である。臨床研究において得られた4−AP血漿濃度(通常、<1マイクロM(94ng/mL−1)である。)において、4−APのカリウムチャネル遮断活性は、ある種類のこれらのチャネルに関して選択的であるように見える。興味深いことに、高濃度(ミリモル濃度のような)において、4−APは、カリウムチャネルの広域スペクトラムのブロッカーである。4−APの臨床的な神経学的効果は、カリウムチャネル遮断の分子メカニズムと一致する。
4−アミノピリジン(ダルファムプリジン、ファムプリジン)の研究は、制御放出性または徐放性の製剤に加えて、静脈内(i.v.)投与および即時放出性(IR)の経口カプセル製剤を用いて実施されてきた。IRカプセルの投与は、血漿における4−アミノピリジンの急速且つ短期間のピークをもたらした。初期の薬物動態研究は、経口投与のための即時放出性(IR)製剤を用いて実施された。この経口投与のための即時放出性(IR)製剤は、ゼラチンに基づくカプセルにおける4−アミノピリジン粉末または経口溶液からなる。この投与は、十分に許容されない4−アミノピリジンの血漿レベルの急速な変化をもたらした。徐放性マトリックスタブレット(ファムプリジン−SRまたはAMPYRA(登録商標),Acorda Therapeutics, Hawthorne, NYとして知られる。)は、その後開発された。当該徐放性マトリックスタブレットは、改善された安定性および1日2回投与のための適切な薬物動態プロファイルを示した。4−アミノピリジンの徐放性組成物およびそのような組成物の関連する使用は、例えば、米国特許第5,370,879号、米国特許第5,540,938号;米国特許第8,007,826号;および米国特許公開US2005−0228030において説明される。例えば、徐放性のアミノピリジン組成物の、適切な製剤、製造方法、薬物動態特性、および種々の神経障害を治療する方法は、2011年8月30日に発行された、「徐放性アミノピリジン組成物」と題された米国特許第8,007,826号;および2005年10月13日に公開された、「徐放性アミノピリジン組成物の使用方法」と題された米国特許公開第2005−0228030号においてさらに記載され、それぞれの内容が、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
上記化合物4−アミノピリジンは、MSを有している患者のための処置として米国食品医薬品局によって認可された、カリウム(K+)チャネルブロッカーである。図1において説明したように、ダルファムプリジンは、化学物質4−アミノピリジン(4AP)のための米国一般名(United States Adopted Name(USAN))であり、Cの分子式および94.1の分子量を有し;この化合物に関する以前のUSAN名称は、ファムプリジンであった(これは、国際一般名のままである。)。上記用語「ダルファムプリジン」、「ファムプリジン」および「4−アミノピリジン」は、活性を有する製剤原料を参照するために、この明細書の全体にわたって使用されるであろう。
国際公開WO89/09600は、「記憶もしくは認知に影響を与える、卒中後または中毒症候群後」を含む特定の疾患を治療するために、カリウムチャネルブロッカーおよびコリンまたはコリン源の組合せを使用することを開示している(6頁を参照のこと)。
卒中によって誘発された障害(例えば、感覚運動障害)を効果的に治療するための、当該分野における長期にわたる満たされていないニーズがある。具体的には、遅延した緊急ではない状況における治療に関するニーズがある。当該遅延した緊急ではない状況とは、急性の損傷後、数時間、数日または数週間が経過した状況である。急性期以外の治療に加えて、感覚機能、運動機能、認知機能、情緒機能または自律神経系の機能を改善する、慢性期に実施され得る任意の療法に関する、重要な満たされていない医療ニーズがある。
〔3.発明の概要〕
アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量を投与することによって、卒中を患っている患者を治療するための方法を、ここに提供する。ある実施形態において、卒中患者における卒中に関連した障害の治療をここに提供し、当該卒中は、内頚動脈の卒中、前大脳動脈の卒中、後大脳動脈の卒中、椎骨動脈の卒中、または脳底動脈の卒中である。一実施形態において、脳底動脈の卒中患者における卒中に関連した障害の治療をここに開示する。一実施形態において、椎骨動脈の卒中患者における卒中に関連した障害の治療をここに開示する。一実施形態において、内頚動脈の卒中患者における卒中に関連した障害の治療をここに開示する。一実施形態において、後大脳動脈の卒中患者における卒中に関連した障害の治療をここに開示する。一実施形態において、前大脳動脈の卒中患者における卒中に関連した障害の治療をここに開示する。特に、卒中に関連した、または卒中により引き起こされる、1以上の感覚運動障害の改善をもたらす治療をここに開示する。特に、そのような治療におけるアミノピリジンの使用を開示する。一実施形態において、1以上のアミノピリジンを、ここに記載した方法において使用する。一実施形態において、アミノピリジンは、モノアミノピリジンまたはジアミノピリジンである。いくつかの実施形態において、モノアミノピリジンは、3−アミノピリジンまたは4−アミノピリジンである。一実施形態において、ジアミノピリジンは、3,4−ジアミノピリジンである。
ある実施形態において、ここに記載した方法により治療する患者は、哺乳動物である。好ましい実施形態において、ここに記載した方法により治療する患者は、ヒトである。ある実施形態において、本発明により治療する卒中は、虚血性卒中である。本発明により治療可能な虚血性卒中の型には、大動脈アテローム性動脈硬化(塞栓/血栓症)、心臓塞栓(心臓塞栓卒中)、小管閉塞(腺窩性消小梗塞)が含まれ、他の確立されたまたは確立されていない病因も同様に含まれるが、これに限定されない。ある実施形態において、本発明により治療する卒中は、非アテローム硬化症脈管傷害、凝固性亢進状態に関連する。他の実施形態において、本発明により治療する卒中は、出血性の卒中である。本発明により治療可能な出血性の卒中の型には、クモ膜下出血および脳内出血が含まれるが、これに限定されない。
いくつかの実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、徐放性組成物の形態で投与される。他の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、即時放出性組成物の形態で投与される。ある実施形態において、本発明による方法は、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を1日1回、1日2回または1日3回投与することを含む。特定の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−AP)またはその薬学的に許容され得る塩は、徐放性組成物の形態であり、1日に1回または2回、好ましくは経口で投与する。他の特定の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−AP)またはその薬学的に許容され得る塩は、即時放出性組成物の形態であり、1日3回またはそれよりも多く、好ましくは経口で投与する。
特定の実施形態において、その薬学的に許容され得る塩ではなく、アミノピリジンそれ自体を、ここに記載した方法の何れかにおいて使用する。
ある実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、好ましくは治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩であり、患者に対して、経口で、静脈内に、筋肉内に、または皮下に投与する。一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、患者に対して、経口投与する。アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩が経口投与される実施形態のいくつかにおいて、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、タブレット、ピルまたはカプセルの形態に調合されている。一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、患者に対して、静脈内に投与する。
特定の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩であり、徐放性組成物の形態であり、b.i.d.(すなわち、1日2回)で患者に対して経口投与する。ある実施形態において、1日2回の投与は、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の12時間毎の投与を含む。特定の実施形態において、徐放性組成物の形態のアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、ヒトにおいて、約2時間から約6時間のTmaxを提供する。他の特定の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩であり、徐放性組成物の形態であり、患者に対して1日1回経口投与する。
ある実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、約4mg〜約17.5mgの間の範囲の量で、または4mg〜17.5mg(例えば、およそ、4mg、5mg、6mg、7mg、7.5mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、12.5mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mgまたは17.5mg)の範囲の量で投与し、特定の実施形態においては、好ましくは徐放性組成物の形態で、1日に1回または2回投与する。ある実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、約8mg〜約30mgの間の範囲の量、または8mg〜30mg(例えば、およそ、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、12.5mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、17.5mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、または30mg)の範囲の量で投与し、特定の実施形態においては、好ましくは徐放性組成物の形態で、1日に1回または2回投与する。いくつかの実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、4mg〜40mgの範囲の量で投与する。いくつかの実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、好ましくは徐放性組成物の形態で、約5mg〜15mgの間、5mg〜10mgの間、5mg〜7.5mgの間、または7.5mg〜10mgと間の量、または、約5mg〜15mg、5mg〜10mg、5mg〜7.5mgもしくは7.5mg〜10mgの量で、1日2回投与する。一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、好ましくは徐放性組成物の形態で、5mgの投与量で、1日2回投与する。他の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、好ましくは徐放性組成物の形態で、10mgの投与量で、1日2回投与する。他の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、好ましくは徐放性組成物の形態で、10mgの投与量で、1日1回投与する。これらの実施形態のいくつかにおいて、アミノピリジンは4−アミノピリジンである。約8mg〜30mgの間、8mg〜20mgの間、10mg〜15mgの間、または10mg〜20mgの間の量で、1日1回(例えば、徐放性組成物の形態で)投与する。
本出願において記載した投与量および投与計画は、本発明の方法において使用するアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量として供給し得る。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、卒中後の初期の慢性期および/または安定した慢性期の間に、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む。他の実施形態において、本発明の方法は、卒中後の急性期の間に、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む。ある実施形態において、治療を急性期の間に開始し、卒中後の初期の慢性期および/または安定した慢性期の間継続する。いくつかの実施形態において、治療を初期の慢性期の間に開始し、安定した慢性期の間継続する。一実施形態において、安定した慢性期の間に治療を開始する。特定の実施形態において、患者において、感覚運動機能の自然治癒が期待または観察される場合、卒中後に治療を開始する。他の特定の実施形態において、患者において、感覚運動機能の測定できる自然治癒または改善が、ほとんどまたは全く期待または観察されない場合、卒中後に治療を開始する。いくつかの実施形態において、患者において、感覚運動機能の自然治癒が期待または観察される場合、卒中後に治療を開始するが、そのような期間を過ぎた任意の期間継続する(例えば、そのような期間を過ぎて6ヶ月間、1年間、5年間、10年間、20年間継続するか、または治療を受ける患者の生涯にわたって継続する)。
ある実施形態において、本発明による治療を、下記の時点またはその経過後に開始する:卒中後、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日もしくは28日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間もしくは12週間、または、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月。ある実施形態において、本発明による治療を、治療を開始してから1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間もしくは12週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間もしくは12ヶ月、または、1年間、2年間、3年間、4年間、5年間、6年間、7年間、8年間、9年間、もしくは10年間よりも長く、継続する。いくつかの実施形態において、本発明による治療を、卒中後の任意の時点で始める。
一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから、少なくとも、4ヶ月後、5ヶ月後、6ヶ月後、7ヶ月後、8ヶ月後、9ヶ月後、10ヶ月後、11ヶ月後または12ヶ月後に開始する。一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月または12ヶ月よりも後に開始する。一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから少なくとも8週間後に開始する。一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから少なくとも4週間後に開始する。もう一つの実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから少なくとも1週間後に開始する。さらにもう一つの実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから2日後〜7日後の間に開始する。いくつかの実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから少なくとも、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、7週間後、または8週間後に開始する。一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから少なくとも4ヶ月後に開始する。一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから少なくとも6ヶ月後に開始する。一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから少なくとも8ヶ月後に開始する。一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから少なくとも12ヶ月後に開始する。一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから4ヶ月よりも後に開始する。一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから6ヶ月よりも後に開始する。
特定の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから少なくとも、3時間後、6時間後、7時間後、8時間後、9時間後、10時間後、11時間後、12時間後、13時間後、14時間後、15時間後、16時間後、17時間後、18時間後、19時間後、20時間後、21時間後、22時間後、23時間後、24時間後または48時間後に開始する。一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから少なくとも6時間後に開始する。一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから少なくとも12時間後に開始する。もう一つの実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから少なくとも24時間後に開始する。もう一つの実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから少なくとも48時間後に開始する。一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから6時間よりも後に開始する。他の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから24時間よりも後に開始する。
もう一つの実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、卒中直後、または、患者が卒中にかかったときから1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、20時間、24時間、36時間、もしくは48時間以内に開始する。特定の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩、好ましくは、治療学的に有効な量のアミノピリジンまたはその塩を投与する工程を、患者が卒中にかかったときから1日以内または2日以内に開始する。ある実施形態において、本発明による治療を、卒中直後、または、卒中後の1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、36時間もしくは48時間以内に開始し、治療開始から、少なくとも、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間もしくは12週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間もしくは12ヶ月、または、1年間、2年間、3年間、4年間、5年間、6年間、7年間、8年間、9年間もしくは10年間継続する。
ある実施形態において、卒中を患っている患者における1以上の感覚運動障害を治療する方法をここに提供する。ある実施形態において、卒中を患っている患者における1以上の運動障害または間隔障害を治療する方法をここに提供する。ここに記載された本発明により治療する感覚運動障害には、運動失調、全身制御障害、調整もしくはバランスの障害、身体の感覚における障害、持久力障害、手の機能における障害、繊細な手の調整の欠如もしくは障害、反射亢進、握力における障害、手の力における障害、手先の器用さにおける障害、筋力低下、筋緊張の障害、動作範囲の障害、痙縮、力の障害/低下、震え、四肢の機能における障害、上肢機能障害、下肢機能障害、下肢筋力における障害、歩行障害(例えば、歩行速度の低下もしくは異常歩行)、言語障害(例えば、構音障害)、顎の機能における障害、咀嚼における障害、および顎関節における障害が含まれるが、これに限定されない。
一実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、歩行速度の低下のような歩行における障害である。一実施形態において、ここに記載した方法により治療する感覚運動障害は、自己受容における障害である。他の実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、全身制御または体の感覚における障害である。もう一つの実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、四肢の機能における障害(例えば、下肢機能における障害、下肢筋力における障害、または上肢機能における障害)である。一実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、下肢機能および/または下肢筋力における障害である。一実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、上肢機能における障害である。一実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、上肢痙縮における障害である。さらにもう一つの実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、手の機能における障害、繊細な手の調整における障害、または握力における障害である。もう一つの実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、手の力における障害である。もう一つの実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、手先の器用さにおける障害である。特定の実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、口腔運動機能における障害である。特定の実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、言語障害(例えば、構音障害、行動不能症、または発音障害)である。特定の実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、咀嚼および/または嚥下における障害(例えば、嚥下障害)である。特定の実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、顔面神経麻痺である。特定の実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、四肢麻痺である。特定の実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、手の麻痺である。一実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、バランスにおける障害である。一実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、感覚における障害である。いくつかの実施形態において、本発明により治療する感覚運動障害は、視覚機能の感覚および/または眼球運動の障害のような、視覚障害である。
特定の実施形態において、本発明による治療は、1以上の卒中に関連した感覚運動障害の症状の治療(例えば、症状の改善(improve)、症状の軽減(ameliorate)、症状の深刻さの軽減、または症状の持続期間の低減)に有効である。いくつかの実施形態において、本発明による治療は、1以上の卒中に関連した運動障害の症状の治療(例えば、症状の改善、症状の軽減、症状の深刻さの軽減、または症状の持続期間の低減)に有効である。いくつかの実施形態において、本発明による治療は、1以上の卒中に関連した感覚障害の症状の治療(例えば、症状の改善、症状の軽減、症状の深刻さの軽減、または症状の持続期間の低減)に有効である。いくつかの実施形態において、本発明による治療は、卒中に起因して損なわれた、1以上の運動機能、感覚機能、または感覚運動機能を回復させる。ある実施形態において、アミノピリジンの反復投与後(または、前後)の上記運動障害、感覚障害または感覚運動障害のレベルを評価する方法をさらに提供する。そのような方法は、ここに記載したまたは当該技術分野において公知の、運動機能、感覚機能または感覚運動機能を評価する方法であり得る。
実施形態のいくつかにおいて、ここに記載した方法において使用するアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量は、少なくともおよそ、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mLまたは20ng/mLのCminssまたは平均Cminssがヒトにおいて得られるような量である。一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量は、約12ng/mL〜20ng/mLの範囲におけるCminssまたは平均Cminssがヒトにおいて得られるような量である。これらの実施形態のいくつかにおいて、アミノピリジンは4−アミノピリジンである。
特定の実施形態において、本願において記載した方法、投与量、投与計画のいずれかは、卒中後の安定した運動欠損を有する患者を治療するために用いることができる。
(3.1 用語)
本明細書および請求項の明確で矛盾のない理解を提供する目的で、下記の定義を提供する。
本明細書中で使用される場合、用語「約」は、特定の値に、当該特定の値の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、または15%をプラスまたはマイナスしたものを含む。一実施形態において、「約」は、特定の値の98〜102%を意味する。一実施形態において、「約」は、特定の値の95%〜105%を意味する。具体的には、しかしながら、特定のng/mLの「約」の値は、0.6ng/mL、0.5ng/mL、0.4ng/mL、0.3ng/mL、0.2ng/mLまたは0.1ng/mLをプラスまたはマイナスした値を含む。用語「約」の意味は、それが表現されている文脈により明確になるだろう。
本明細書中で使用される場合、流体について他に記載されていないか、または文脈で他に示されていない場合、Cminss、Cmaxss、Cavssの値は、一般に血漿に関する。
障害に対する用語「改善」は、治療学的方向におけるパラメーターの変化を意味している。本明細書中で使用される場合、「改善」は、他に、非治療的な方向に悪化または移動するパラメーターの安定化も含む。
「薬学的に許容され得る」によって、担体、希釈剤または賦形剤は、組成物の他の成分と適合すべきであり、且つ食品医薬品局または欧州医薬品庁のような監督官庁により、ヒトまたは動物への投与が禁止されていないことを意味している。
アミノピリジンに関して、用語「薬学的に許容され得る塩」は、本明細書中で使用される場合、無機酸もしくは無機塩基、または有機酸もしくは有機塩基を含む、薬学的に許容され得る毒性のない酸または塩基から調製された塩に関する。一実施形態において、薬学的に許容され得る塩は、無機酸または有機酸であり得る、薬学的に許容され得る毒性のない酸から調製される。一実施形態において、毒性のない酸には、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、蟻酸、フマル酸、フロン酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸、およびp−トルエンスルホン酸のような無機酸および有機酸が含まれるが、これに限定されない。一実施形態において、毒性のない酸は塩酸である。適切な薬学的に許容され得る塩は、当業者に明白であり、そして、その全体が参照によりここに組み込まれたS.M. Barge et al., “Pharmaceutical Salts,” 1977, J. Pharm. Sci. 66:1-19に記載されたものを含む。
本明細書中で使用される場合、用語「定常状態」は、長期にわたって変化しない1以上の特性を有する系、または長期にわたって限定された範囲内で変化する1以上の特性を有する系を示している。典型的には、定常状態は、動的平衡よりもより一般的な状態である。系が定常状態である場合、その結果、その系の最近観察された行動は、一般に、未来まで継続するであろう。多くの系において、系が始動または開始した後しばらく経過するまで定常状態には達しない。この初期状態は、多くの場合、過渡状態、タイトレーション期間、始動期間または準備期間として特定される。
本明細書中で使用される場合、「卒中」は「脳発作」とも称され得る。卒中は、脳領域への血流が遮られたときに起こり、これにより脳細胞への酸素および栄養の供給が遮断されて細胞の一部が死滅する。卒中には、虚血性および出血性の2つの主要なタイプが存在する。虚血性の卒中は、脳への血流の遮断(虚血)により起こり、たいてい血栓による遮断が原因であるが、一方、出血性の卒中は、破裂した血管からの出血(出血性)により起こる。
他の用語および/または略語を以下に示す:
Figure 2018127497
Figure 2018127497

〔4.図面の簡単な説明〕
図1は、4−アミノピリジンに関する情報を示す。
図2は、投与および行動試験のタイムテーブルの概略を示す。
図3は、前肢プレーシングテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している(0〜12で表し、0は機能が正常であり、12は障害が最大である)。グラフは、実施例に記載したD−1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60(「D」は日を意味する)の各テストグループ(すなわち、グループ1〜3)における動物の平均行動スコアを示す。
図4A〜図4Dは、後肢プレーシングテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している(0〜6で表し、0は機能が正常であり、6は障害が最大である)。図4Aは、実施例に記載したD−1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60における各テストグループ(すなわち、グループ1〜3)の動物の平均行動スコアを示す。図4Bは、実施例に記載したD−1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60(「D」は日を意味する)におけるグループ1の動物の平均行動スコアを示す。図4Cは、実施例に記載したD−1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60におけるグループ2の動物の平均行動スコアを示す。図4Dは、実施例に記載したD−1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60におけるグループ3の動物の平均行動スコアを示す。
図5は、ボディスイングテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している。グラフは、実施例に記載したD−1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60における各テストグループ(すなわち、グループ1〜3)の動物の平均行動スコアを示す。
図6は、卒中の事象(すなわち、MCAO)から数日後(すなわち、D−1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60)の各テストグループ(すなわち、グループ1〜3)における動物の平均体重を示す。
図7は、シリンダーテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している。グラフは、実施例に記載したD−1(処置前)、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60における各テストグループ(すなわち、グループ1〜3)の動物の平均行動スコアを示す。
図8は、シリンダーテストの対象となった動物の動作の総スコアを示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している。グラフは、−1日(処置前)、7日、21日、30日、32日、44日、46日、58日、60日における各テストグループ(すなわち、グループ1〜3)の動物の平均行動スコアを示す。
図9は、MCAO後のグループ1、2および3における動物の平均梗塞体積(%)を示す。
図10は、実施例16に示す臨床試験計画書の研究デザインを示す。
図11は、前肢プレーシングテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している(0〜12で表わし、0は機能が正常であり、12は障害が最大である)。グラフは、実施例17に記載した各テストグループ(すなわち、ビヒクルおよび4−AP)における動物の平均行動スコアを示す(「D」は日を意味する)。データを平均±SEMで表す。*=p<0.05;†=p<0.001;‡=p<0.0001。
図12は、後肢プレーシングテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している(0〜6で表し、0は機能が正常であり、6は障害が最大である)。グラフは、実施例17に記載した各テストグループ(すなわち、ビヒクルおよび4−AP)における動物の平均行動スコアを示す(「D」は日を意味する)。データを平均±SEMで表す。*=p<0.05;†=p<0.001;‡=p<0.0001。
図13は、ボディスイングテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している。グラフは、実施例17に記載した各テストグループ(すなわち、ビヒクルおよび4−AP)における動物の平均行動スコアを示す(「D」は日を意味する)。データを平均±SEMで表す。*=p<0.05;†=p<0.001;‡=p<0.0001。
図14:脳底卒中 − A期間における相互主観的な歩行速度(ft/秒)の平均変化。図14は、最初の2週間の間の、プラセボ(Pbo、n=9)またはダルファムプリジンの持続放出性タブレット(DER、n=6)にランダム化された脳底動脈の卒中の患者における、ft/secで示すベースライン歩行速度の平均(分布)変化を示す。平均および範囲シフトにおいて見られるように、Pbo患者と比較してDER患者は、強いポジティブな変化があった。
図15:脳底卒中 − A〜B期間における相互主観的な歩行速度(ft/秒)の平均変化。図15は、最初の2週間の治療期間の一連のプラセボ(Pbo、n=9)後に、2回目の2週間の治療期間のダルファムプリジンの持続放出性タブレット(DER、n=8)にランダム化された、脳底動脈の卒中の患者における、ft/secで示すベースライン歩行速度の平均(分布)変化を示す。平均および範囲シフトにおいて見られるように、Pbo期間と比較してDER期間は、強いポジティブな変化があった。
図16:全体的な歩行速度の結果。X軸は、プラセボを服用した患者(「PBO」)対ダルファムプリジン−ERを服用した患者(「D−ER」)を表している。Y軸は、LS平均±SEで表されたCFB(ベースラインからの変化)歩行速度(ft/秒)の全体的な結果を表している。注記:母数効果(fixed effect)としての順序、期間、来院(visit)および治療と、変量効果としての対象とを備えた、混合型統計モデルからのp値。
図17:期間1の間の平均歩行速度%の変化。X軸は、ベースラインから上昇した歩行速度の平均比率を表す。Y軸は、ベースラインから上昇した特定の平均比率を示した患者の比率を表す。
図18:機能的自立度評価(Functional Independence Measure)(「FIM」)。X軸は、プラセボ(「PBO」)およびダルファムプリジン−ER(「D−ER」)の投与の順序、または実験期間を表す。Y軸は、平均±SEMで表されたCFB FIMを表す。CFBは、最後の投与後の来院時のベースラインからの変化を示す。
図19:機能的自立度評価(「FIM」)。X軸は、実験期間を表す。Y軸は、平均±SEで表されたCFB FIMを表す。混合モデルからのP値:p=0.059、CFBは、最後の投与後の来院時のベースラインからの変化を示す。
〔5.詳細な説明〕
卒中の後遺症として、個体は神経損傷を被り、そして、その結果として、多くの場合に、多少の運動障害、感覚障害または感覚運動障害が残る。実験的な治療は、虚血の間およびその直後に、死滅から神経を保護することに集中している。時間に制約されたtPA投与以外に、卒中、TIAまたは多発性梗塞症候群の後のヒトにおける機能を回復させる、FDAから承認された薬剤は存在しない。
本発明は、卒中を患っている患者の治療法、およびいくつかの実施形態において、卒中に起因する神経損傷を被った患者の治療法を提供する。特に、本発明は、卒中後に、多少の運動障害、感覚障害または感覚運動障害が残った患者の治療法を提供する。この障害は、極めて軽いものから深刻且つ社会生活が不自由な程度までを範囲に含み得る。そのような障害は、虚血発生または虚血発生後の炎症および免疫反応からの、ニューロンおよびミエリンの損失に起因し得る。そのような障害は、卒中の結果、感覚運動機能を調節する脳の領域(例えば、皮質、皮質下、または非皮質)におけるニューロンまたはミエリンの損失または損傷に起因し得る。例えば、そのような障害は、運動皮質、感覚皮質もしくは感覚運動皮質におけるニューロンもしくはミエリンの損失もしくは損傷、または、感覚運動皮質もしくは感覚運動機能を担う皮質の領域におけるニューロンもしくはミエリンの欠失もしくは損傷のためであり得る。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法により治療する患者は、虚血性卒中を患っている。他の実施形態において、ここに記載した方法により治療する患者は、出血性卒中を患っている。
好ましくは、ここに記載した方法により治療する卒中の型は、脳底動脈の卒中、椎骨動脈の卒中、後大脳動脈の卒中、前大脳動脈の卒中、または内頚動脈の卒中である。前述した卒中の型は、単独で治療可能であり、または、2つ以上の型の卒中を組み合わせて治療可能であり、さらに、前述した卒中の型を、中大脳動脈の卒中と組み合わせて治療可能である。特定の実施形態において、ここに記載した方法により治療する卒中は、後部の血液循環、椎骨動脈、脳底動脈、椎骨脳底動脈、または脳底動脈の先端において生じる卒中のような、椎骨脳底系において生じる卒中である。一実施形態において、ここに記載した方法により治療する卒中は、脳底動脈の卒中(脳底動脈の虚血または出血に起因した卒中のような)である。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法により治療する脳底動脈の卒中は、虚血性卒中(脳底動脈閉塞のような)である。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法により治療する脳底動脈の卒中は、出血性卒中である。一実施形態において、ここに記載した方法により治療する卒中は、椎骨動脈の卒中(椎骨動脈の虚血または出血に起因した卒中のような)である。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法により治療する卒中は、椎骨脳底動脈の卒中(ここで椎骨脳底卒中とも称する、これらの動脈の虚血または出血に起因した卒中のような)である。一実施形態において、ここに記載した方法により治療する卒中は、後大脳動脈の卒中(後大脳動脈の虚血または出血に起因した卒中のような)である。一実施形態において、ここに記載した方法により治療する卒中は、前大脳動脈の卒中(前大脳動脈の虚血または出血に起因した卒中のような)である。一実施形態において、ここに記載した方法により治療する卒中は、内頚動脈の卒中(内頚動脈の虚血または出血に起因した卒中のような)である。他の実施形態において、ここに記載した方法により治療する患者は、中大脳動脈の卒中(中大脳動脈閉塞に起因するような)を患っている。
いくつかの実施形態において、ここに記載した方法により治療する患者は、卒中(例えば、脳底動脈の卒中、椎骨動脈の卒中、椎骨脳底動脈の卒中、後大脳動脈の卒中、前大脳動脈の卒中、または内頚動脈の卒中のような、出血性卒中または虚血性卒中のような)に起因する、安定または慢性の感覚運動障害を有する。
一実施形態において、ここに記載した方法により治療する患者は、多発性硬化症を患っていない。
アミノピリジン(例えば、4−APまたは3,4−DAP)またはその薬学的に許容され得る塩の、特に、感覚運動機能を調節する脳の領域(例えば、皮質、皮質下または非皮質)における、卒中に関連するニューロンの欠損または損傷を治療するための使用を、ここに開示する。具体的には、4−APおよび他のアミノピリジン、またはその薬学的に許容され得る塩が、卒中の事象後の感覚運動機能の損失の回復に有用であることを、ここに開示する。本明細書中に説明したように、好ましい実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−AP)またはその薬学的に許容され得る塩を、卒中の事象に関連するまたは卒中の事象後の感覚運動機能の実証された欠失を有する個体に投与する。ある実施形態において、卒中に関連する神経機能障害を治療するための、アミノピリジン(例えば、4−APまたは3,4−DAP)またはその薬学的に許容され得る塩の使用をここに記載する。これらの実施形態のいくつかにおいて、有効量のアミノピリジンを用いた患者の治療は、卒中により損傷を受けた神経機能を回復または改善する。これらの実施形態のいくつかにおいて、ここに記載した方法により治療する、卒中に関連するニューロンの欠損または損傷は、脳底動脈、椎骨動脈、椎骨脳底動脈、後大脳動脈、前大脳動脈、または内頚動脈における卒中に起因して生じる。これらの実施形態のいくつかにおいて、ここに記載した方法により治療する感覚運動障害は、脳底動脈、椎骨動脈、椎骨脳底動脈、後大脳動脈、前大脳動脈、または内頚動脈における卒中の結果として生じる。
特定の実施形態において、ここに記載した方法により治療する障害は、記憶または認知に影響しない。他の特定の実施形態において、本発明において患者に投与するアミノピリジンを含む組成物は、コリン、コリン源、アセチルコリン前駆体、またはコリン前駆体を含まない。
本発明の方法により治療する患者または対象には、ヒト、並びに野生動物、家畜(domestic animals)および家畜(farm animals)のような非ヒト脊椎動物が含まれるが、これに限定されない。ある実施形態において、本発明により治療する患者は、ヒト、ウシ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ウマまたはブタのような哺乳動物である。好ましい実施形態において、患者はヒトである。
実施例18に記載した実験結果は、ダルファムプリジン−ERの10mgタブレット(すなわち、10mgの4−アミノピリジンの徐放性組成物)の、1日2回、約12時間空けた投与が、卒中後の欠損を伴うヒトの歩行の改善を示す。卒中後の欠損は、卒中を患っているヒトに残る、歩行、運動機能および感覚機能、並びに手先の器用さの障害のような、慢性的な神経欠損をいう。具体的には、データのトップライン分析により、ダルファムプリジン−ERが、虚血性卒中の結果として生じる運動性障害を伴う人々の歩行を改善することが見出された。さらに、この実験において、ダルファムプリジン−ER治療が、機能的自立度評価(FIM)のスケールにおいて、プラセボ治療と比較して、ポジティブな変化に結びつくことを見出した。
したがって、ある実施形態において、例えば、4−アミノピリジンのようなアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を用いて、患者における卒中に関連する感覚運動障害を治療する方法をここに記載し、このような卒中は、脳底動脈の卒中、椎骨動脈の卒中、椎骨脳底動脈の卒中、後大脳動脈の卒中、前大脳動脈の卒中、または内頚動脈の卒中である。特定の実施形態において、卒中は脳底動脈の卒中である。特定の実施形態において、治療は、卒中後の初期の慢性期および/または安定した慢性期の間である。いくつかの実施形態において、下記の時点またはその経過後における、本発明の方法による患者の治療をここに記載する:卒中後、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、もしくは1年、2年、3年、4年、5年、10年、15年、20年、あるいは任意の時期。
特定の実施形態において、ここに記載した方法により治療する患者は、卒中(虚血性卒中のような)の結果として生じる運動障害または運動性障害のような、感覚運動障害を有する。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法は、患者における卒中に関連した感覚運動障害の治療のための方法である。特定の実施形態において、ここに記載した方法は、患者における卒中に関連した運動性障害を治療するための方法である。特定の実施形態において、ここに記載した方法は、患者における卒中に関連した歩行障害(例えば、歩行速度における障害)を治療するための方法である。一実施形態において、ここに記載した方法は、T25FWにより測定した患者の歩行速度における、卒中に関連した障害を治療するための方法である。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法は、患者の歩行速度における、卒中に関連した障害の治療に効果的である(治療前後の障害をT25FWにより評価する)。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法は、卒中を患っている患者の歩行速度を、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%まで改善する(例えば、治療前後の障害をT25FWにより評価する)。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法は、患者の日常業務または日常生活動作を行う能力における、卒中に関連した障害(例えば、入浴、摂食、身繕い、または自力歩行)を治療するための方法である。一実施形態において、ここに記載した方法は、機能的自立度評価(FIM)により測定した、患者の日常業務または日常生活動作を行う能力における、卒中に関連した障害を治療するための方法である。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法は、患者の日常業務を行う能力における卒中に関連した障害に効果的である(例えば、治療前後の障害をFIMにより評価する)。特定の実施形態において、ここに記載した方法は、患者における、入浴、摂食、自力歩行および/または身繕い行動の実行の能力における、卒中に関連した障害に効果的である(例えば、治療前後の障害をFIMにより評価する)。
他の実施形態において、下記の期間内またはその経過後における、ここに記載した方法による患者の治療をここに記載する:卒中後、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間もしくは22時間、または1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日もしくは10日。
特定の実施形態において、ここに記載した方法は、患者における脳底および/または椎骨動脈の卒中に関連した感覚運動障害の治療のための方法である。特定の実施形態において、ここに記載した方法は、患者における脳底および/または椎骨動脈の卒中に関連した運動性障害の治療のための方法である。特定の実施形態において、ここに記載した方法は、患者における脳底および/または椎骨動脈の卒中に関連した歩行障害(例えば、歩行速度における障害)の治療のための方法である。一実施形態において、ここに記載した方法は、患者における脳底および/または椎骨動脈の卒中に関連した障害の、T25FWにより測定した歩行速度に関する障害の治療のための方法である。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法は、患者における脳底および/または椎骨動脈の卒中に関連した歩行速度の障害の治療に効果的である(例えば、治療前後の障害をT25FWにより評価する)。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法は、脳底および/または椎骨動脈の卒中を患っている患者の歩行速度を、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%または少なくとも50%まで上昇させる(例えば、治療前後の障害をT25FWにより評価する)。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法は、患者における、脳底および/または椎骨動脈の卒中に関連した、日常業務または日常生活動作を行う能力における障害(例えば、入浴、摂食、身繕い、または自力歩行における障害)を治療するための方法である。一実施形態において、ここに記載した方法は、機能的自立度評価(FIM)により測定した、患者における日常業務または日常生活動作を行う能力における、脳底および/または椎骨動脈の卒中に関連した障害を治療するための方法である。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法は、患者における日常業務を行う能力における、脳底および/または椎骨動脈の卒中に関連した障害の治療に効果的である(例えば、治療前後の障害をFIMにより評価する)。特定の実施形態において、ここに記載した方法は、患者における、入浴、摂食、自力歩行、および/または身繕い行動の実行の能力における、脳底および/または椎骨動脈の卒中に関連した障害の治療に効果的である(例えば、治療前後のそのような障害をFIMにより評価する。)。
特定の実施形態において、ここに記載した方法により治療する患者は、脳底および/または椎骨動脈の卒中を患っている。脳底および/または椎骨動脈の卒中の症状は、当該技術分野において公知である。脳底および/または椎骨動脈の卒中の症状には、感覚運動機能障害、調整障害、バランス障害、および視覚障害が含まれるがこれに限定されない。脳底動脈の卒中の初期症状には、運動障害、言語障害、頭痛、吐気および/または嘔吐、めまい、視覚障害、意識の変性、おぼつかない足取り、運動失調、精神的変化、発作の発生、および感覚障害も含まれる。脳底動脈の卒中の他の症状には、口、頬、もしくは歯茎のひりひりした痛みもしくはしびれ感、嚥下の困難性、並びに腕および足の脱力が含まれる。特定の実施形態において、ここに記載した方法により治療する患者は、ここに記載したまたは当該技術分野において公知の、脳底および/または椎骨動脈の卒中の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の症状を表す。いくつかの実施形態において、脳底動脈の卒中は、認知または言語に影響しない。
もう一つの実施形態において、ここに記載した方法により治療する患者は、後大脳動脈の卒中を患っている(例えば、後大脳動脈の卒中の症状を表す、または後大脳動脈の卒中と診断されている。)。さらにもう一つの実施形態において、ここに記載した方法により治療する患者は、前大脳動脈の卒中を患っている(例えば、前大脳動脈の卒中の症状を表す、または前大脳動脈の卒中と診断されている。)。さらにもう一つの実施形態において、ここに記載した方法により治療する患者は、内頚動脈の卒中を患っている(例えば、内頚動脈の卒中の症状を表す、または内頚動脈の卒中と診断されている。)。
いくつかの実施形態において、ここに記載した方法により治療する患者は、卒中(脳底動脈の卒中、椎骨動脈の卒中、椎骨脳底動脈の卒中、後大脳動脈の卒中、前大脳動脈の卒中、または内頚動脈の卒中のような)の結果として生じる運動性障害を有する。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法により治療する患者は、卒中(脳底動脈の卒中、椎骨動脈の卒中、椎骨脳底動脈の卒中、後大脳動脈の卒中、前大脳動脈の卒中、または内頚動脈の卒中のような)の結果として生じる運動障害を有する。
(5.1 アミノピリジン、およびアミノピリジンを含む組成物)
アミノピリジンの構造は、当該技術分野において公知である。米国特許第5,952,357号に示されているように、モノアミノピリジンまたはジアミノピリジンは、下記構造を有している:
Figure 2018127497
ここで、xは1または2である。
xが1である上記構造式のアミノピリジンは、例えば、2−アミノピリジン、3−アミノピリジンおよび4−アミノピリジンである。xが2である上記構造式のアミノピリジン化合物は、例えば、2,3−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、および3,5−ジアミノピリジンである。
一実施形態において、アミノピリジンは、モノアミノピリジンまたはジアミノピリジンである。一実施形態において、モノアミノピリジンは、3−アミノピリジンまたは4−アミノピリジンである。一実施形態において、ジアミノピリジンは、3,4−アミノピリジンである。
当然のことながら、アミノピリジンの薬学的に許容され得る塩を、ここで議論した治療方法のいずれかまたは全てにおいて、アミノピリジンの代わりにまたはアミノピリジンに加えて使用し得る。それゆえに、特定の実施形態において、アミノピリジンの薬学的に許容され得る塩(すなわち、上記列挙したアミノピリジン化合物のいずれかの、いずれかの薬学的に許容され得る塩)を、ここに提供された、例えば感覚運動障害のような卒中に関連した障害の治療方法に用いる。これらの塩は、例えば、化合物の最終的な単離および精製の間に、in situで調製され得るか、または、その遊離塩基の形態における精製した化合物を、適切な有機酸もしくは無機酸と反応させ且つこれによって形成された塩を単離することによって調製され得る。いくつかの実施形態において、モノアミノピリジンまたはジアミノピリジンの塩を、本発明の方法において使用する。もう一つの実施形態において、3−アミノピリジンまたは4−アミノピリジンの塩を使用する。さらにもう一つの実施形態において、3,4−ジアミノピリジンの塩を使用する。いくつかの実施形態において、アミノピリジンの薬学的に許容され得る塩を、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、蟻酸、フマル酸、フロン酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸、またはp−トルエンスルホン酸を用いて調製する。一実施形態において、アミノピリジンの1当量は、本明細書中で使用される場合、1当量より少ないまたは1当量以上の酸と、酸性塩を形成してもよい。一実施形態において、アミノピリジンは、本明細書中で使用される場合、二塩酸塩(dihydrochloride salt)を形成してもよい。一実施形態において、アミノピリジンは、本明細書中で使用される場合、リン酸塩を形成してもよい。ここに記載した方法において使用可能な薬学的に許容され得る塩のさらなる説明のために、例えば、S.M. Barge et al., “Pharmaceutical Salts,” 1977, J. Pharm. Sci. 66:1-19を参照のこと。当該文献は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
好ましい実施形態において、その薬学的に許容され得る塩ではなく、アミノピリジン自体が、ここに記載した卒中に関連した障害の治療方法のいずれかに使用される。
本発明により使用するための好ましいアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、カリウムチャネルを特異的に阻害する化合物である。そのような化合物は、4−アミノピリジンもしくは3,4−ジアミノピリジンの阻害プロファイルと類似した、他の組織と比較してニューロンのカリウムチャネルを選択的に阻害するプロファイルもしくはパターンを好ましく示すか、または、3,4−ジアミノピリジンおよび4−アミノピリジンの阻害プロファイルと共通する阻害プロファイルに類似した、他の組織と比較してニューロンのカリウムチャネルを選択的に阻害するプロファイルを示す。好ましいアミノピリジンには、4−アミノピリジンおよび3,4−ジアミノピリジンが含まれるが、これに限定されない。
本発明により使用するためのアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、徐放性組成物または即時放出性組成物になり得る。ある実施形態において、本発明により使用するためのアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、経口投与、皮下投与、筋肉内投与または静脈内投与のために調合されている。
特定の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の徐放性組成物は、治療学的に有効な血中レベルが、少なくともおよそ、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間、28時間、29時間、30時間の期間にわたって、または、18時間より長く、24時間より長く、もしくは30時間より長く維持されるような持続速度で、製剤(dosage formulation)からアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を放出する。好ましくは、本発明の実施形態による経口投与製剤(oral dosage formulation)におけるアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の量は、薬学的組成物のt.i.d.投与、b.i.d.投与またはq.d.投与によって、治療学的に有用な血漿濃度またはCNS濃度を確立する。用語「徐放性」および「持続放出性」は、他に明確に示さない限り、一般に、同義である。
特定の実施形態において、ここに提供する方法において投与されるアミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)の塩の量は、その塩に相当する遊離塩基が、アミノピリジンに関して本明細書中に記載した投与量と同量になるような量である。
ある実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量は、4mg〜17.5mgの間(例えば、4mg、4.5mg、5mg、5.5mg、6mg、6.5mg、7mg、7.5mg、8mg、8.5mg、9mg、9.5mg、10mg、10.5mg、11mg、11.5mg、12mg、12.5mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、または17.5mg)、または、4mg〜40mgまでの範囲であり、そして、特定の実施形態において、それを、1日1回または1日2回、好ましくは徐放性組成物の形態で投与する。特定の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、徐放性組成物の形態で投与する。他の特定の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、即時放出性組成物中で投与する。ある実施形態において、4−アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量は、4mg〜17.5mgの間(例えば、4mg、4.5mg、5mg、5.5mg、6mg、6.5mg、7mg、7.5mg、8mg、8.5mg、9mg、9.5mg、10mg、10.5mg、11mg、11.5mg、12mg、12.5mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、または17.5mg)、または、4mg〜40mgまでの範囲であり、そして、特定の実施形態において、1日1回または1日2回、好ましくは徐放性組成物の形態で投与する。一実施形態において、1日2回の投与は、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の12時間毎の投与である。
ある実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、4mg〜17.5mgの間の範囲の量(例えば、4mg、4.5mg、5mg、5.5mg、6mg、6.5mg、7mg、7.5mg、8mg、8.5mg、9mg、9.5mg、10mg、10.5mg、11mg、11.5mg、12mg、12.5mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mgまたは17.5mg)、または4mg〜17.5mgまでの範囲の量、または4mgから40mgまでの範囲の量で、1日1回または1日2回、好ましくは徐放性組成物の形態で投与する。特定の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、徐放性組成物の形態で投与する。他の特定の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、即時放出性組成物中で投与する。ある実施形態において、4−アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の量を、4mg〜17.5mgの間の範囲(例えば、4mg、4.5mg、5mg、5.5mg、6mg、6.5mg、7mg、7.5mg、8mg、8.5mg、9mg、9.5mg、10mg、10.5mg、11mg、11.5mg、12mg、12.5mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、または17.5mg)、または、4mg〜17.5mgまでの範囲、または、4mg〜40mgまでの範囲で、1日1回または1日2回、好ましくは徐放性組成物の形態で投与する。一実施形態において、1日2回の投与は、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の12時間毎の投与である。
本明細書に記載されている治療方法のいずれかの特定の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)を、4mg〜17.5mgまでの範囲の量(例えば、4mg、4.5mg、5mg、5.5mg、6mg、6.5mg、7mg、7.5mg、8mg、8.5mg、9mg、9.5mg、10mg、10.5mg、11mg、11.5mg、12mg、12.5mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、または17.5mg)で、1日2回、徐放性組成物の形態で投与するか、または、8mg〜40mgまでの範囲の量(例えば、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、または40mg)で、1日1回、徐放性組成物の形態で投与する。
一実施形態において、本発明による方法が提供され、ここで、上記のアミノピリジン(3,4−ジアミノピリジン、4−アミノピリジンなど)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量は、1日2回の徐放性組成物の形態において、10ミリグラムである。
別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量は、1日2回の徐放性組成物の形態において、5ミリグラムである方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量は、1日2回の徐放性組成物の形態において、5.5ミリグラムである方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量は、1日2回の徐放性組成物の形態において、6ミリグラムである方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量は、1日2回の徐放性組成物の形態において、6.5ミリグラムである方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量は、1日2回の徐放性組成物の形態において、7ミリグラムである方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量は、1日2回の徐放性組成物の形態において、7.5ミリグラムである方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量は、1日2回の徐放性組成物の形態において、8ミリグラムである方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量は、1日2回の徐放性組成物の形態において、8.5ミリグラムである方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量は、1日2回の徐放性組成物の形態において、9ミリグラムである方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量は、1日2回の徐放性組成物の形態において、9.5ミリグラムである方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量は、1日2回の徐放性組成物の形態において、10ミリグラムである方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量は、1日2回の徐放性組成物の形態において、12.5ミリグラムである方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量は、1日2回の徐放性組成物の形態において、15ミリグラムである方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量は、1日2回の徐放性組成物の形態において、17.5ミリグラムである方法が提供される。
別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、5ミリグラムの量で、1日2回、徐放性組成物の形態で投与する方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、5.5ミリグラムの量で、1日2回、徐放性組成物の形態で投与する方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、6ミリグラムの量で、1日2回、徐放性組成物の形態で投与する方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、6.5ミリグラムの量で、1日2回、徐放性組成物の形態で投与する方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、7ミリグラムの量で、1日2回、徐放性組成物の形態で投与する方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、7.5ミリグラムの量で、1日2回、徐放性組成物の形態で投与する方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、8ミリグラムの量で、1日2回、徐放性組成物の形態で投与する方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、8.5ミリグラムの量で、1日2回、徐放性組成物の形態で投与する方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、9ミリグラムの量で、1日2回、徐放性組成物の形態で投与する方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、9.5ミリグラムの量で、1日2回、徐放性組成物の形態で投与する方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、10ミリグラムの量で、1日2回、徐放性組成物の形態で投与する方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、12.5ミリグラムの量で、1日2回、徐放性組成物の形態で投与する方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、15ミリグラムの量で、1日2回、徐放性組成物の形態で投与する方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、17.5ミリグラムの量で、1日2回、徐放性組成物の形態で投与する方法が提供される。
いくつかの実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量は、1日1回の徐放性組成物の形態において、20ミリグラムである方法が提供される。別の実施形態において、上記のアミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量は、1日1回の徐放性組成物の形態において、8ミリグラム、10ミリグラム、11ミリグラム、12ミリグラム、12.5ミリグラム、13ミリグラム、14ミリグラム、15ミリグラム、16ミリグラム、17ミリグラム、17.5ミリグラム、18ミリグラム、19ミリグラム、20ミリグラム、20.5ミリグラム、21ミリグラム、21.5ミリグラム、22ミリグラム、22.5ミリグラム、23ミリグラム、23.5ミリグラム、24ミリグラム、24.5ミリグラム、25ミリグラム、25.5ミリグラム、26ミリグラム、26.5ミリグラム、27.5ミリグラム、30ミリグラム、または35ミリグラムである方法が提供される。
別の実施形態において、本発明による方法は、徐放性組成物中における、8ミリグラム、8.5ミリグラム、9ミリグラム、9.5ミリグラム、10ミリグラム、10.5ミリグラム、11ミリグラム、11.5ミリグラム、12ミリグラム、12.5ミリグラム、13ミリグラム、13.5ミリグラム、14ミリグラム、14.5ミリグラム、15ミリグラム、15.5ミリグラム、16ミリグラム、16.5ミリグラム、17ミリグラム、17.5ミリグラム、18ミリグラム、18.5ミリグラム、19ミリグラム、19.5ミリグラム、20ミリグラム、20.5ミリグラム、21ミリグラム、21.5ミリグラム、22ミリグラム、22.5ミリグラム、23ミリグラム、23.5ミリグラム、24ミリグラム、24.5ミリグラム、25ミリグラム、25.5ミリグラム、26ミリグラム、26.5ミリグラム、27.5ミリグラム、28ミリグラム、29ミリグラム、30ミリグラム、31ミリグラム、32ミリグラム、33ミリグラム、34ミリグラム、35ミリグラム、36ミリグラム、37ミリグラム、38ミリグラム、39ミリグラムまたは40ミリグラムの1日当たりの合計量における、4−アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量の投与を包含する。例示的な実施形態は、1日2回の投与を包含し、ここで、徐放性組成物中の15ミリグラムを、朝に投与し、且つ徐放性組成物中の10ミリグラムを、夕方に投与する。例示的な実施形態は、1日2回の投与を包含し、ここで、徐放性組成物中の12.5ミリグラムを、朝に投与し、且つ徐放性組成物中の7.5ミリグラムを、夕方に投与する。別の例示的な実施形態は、1日1回の組成物の、1日当たりの合計量の投与を包含する。
さらに別の実施形態において、本発明による方法は、即時放出性組成物中における、8ミリグラム、8.5ミリグラム、9ミリグラム、9.5ミリグラム、10ミリグラム、10.5ミリグラム、11ミリグラム、11.5ミリグラム、12ミリグラム、12.5ミリグラム、13ミリグラム、13.5ミリグラム、14ミリグラム、14.5ミリグラム、15ミリグラム、15.5ミリグラム、16ミリグラム、16.5ミリグラム、17ミリグラム、17.5ミリグラム、18ミリグラム、18.5ミリグラム、19ミリグラム、19.5ミリグラム、20ミリグラム、20.5ミリグラム、21ミリグラム、21.5ミリグラム、22ミリグラム、22.5ミリグラム、23ミリグラム、23.5ミリグラム、24ミリグラム、24.5ミリグラム、25ミリグラム、25.5ミリグラム、26ミリグラム、26.5ミリグラム、27.5ミリグラム、28ミリグラム、29ミリグラム、30ミリグラム、31ミリグラム、32ミリグラム、33ミリグラム、34ミリグラム、35ミリグラム、36ミリグラム、37ミリグラム、38ミリグラム、39ミリグラムまたは40ミリグラムの1日当たりの合計量における、4−アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量の投与を包含する。いくつかの実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む即時放出性組成物を、1日3回以上(例えば、1日当たり4回、5回または6回)、投与する。
ある実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、例えば、4mg〜40mgまでの種々の濃度の、徐放性(SR)マトリックスタブレットまたは持続放出性(ER)マトリックスタブレットとして調合する。ここで、4mg〜40mgの濃度は、5〜、6〜、7〜、7.5〜、8〜、9〜、10〜、12.5〜、15〜、および17.5であることが本実施形態では好ましい。4−アミノピリジン−SRの一実施形態は、10mgであり、これは、b.i.d投与のために好ましい。他の投薬計画は、本発明の範囲内であり、従って、徐放性組成物中における有効成分の他の量も、本発明の範囲内である。
さらに他の実施形態において、本明細書に記載されている方法で使用される徐放性組成物は、4−アミノピリジン−SR、またはAMPYRA(登録商標)(Acorda Therapeutics, Hawthorne, NY)、または米国特許第5,370,879号、米国特許第5,540,938号、米国特許第8,007,826号または米国特許公開US2005−0228030(これら各々の内容は、全文が参照により本明細書に組み込まれる。)に記載された4−アミノピリジンのための徐放性組成物である。
ある実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、タブレット、チュアブル錠、ピル、カプセル、マイクロカプセル、溶液、懸濁液、非経口液、ロゼンジ(lozenge)、粉末、顆粒、トローチ、シロップ、坐剤、注射剤またはブリスターパックなどの薬学的組成物中に存在してもよい。用量単位中に、1日用量、半日用量、または1日用量の使用し易い画分を含有するように、組成物を調合し得る。当該用量単位は、単一のタブレット、またはカプセル、または使用し易い量の液剤であってもよい。一実施形態において、溶液を、塩酸塩などの水溶性の塩から調製する。通常、全ての組成物を、薬化学において公知の方法に従って調製する。アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩と、好適な担体または希釈剤とを混合し、カプセル中に適切な量の当該混合物を充填することにより、カプセルを調合し得る。通常の担体および希釈剤は、多くの異なる種類のデンプンなどの不活性な粉末化された物質、粉末化されたセルロース、特に、結晶性セルロースおよび微晶性セルロース、糖類(例えば、フルクトース、マンニトールおよびスクロースなど)、穀粉並びに同様の食用粉末を含むが、これらに限定されない。
従来の有機添加剤または無機添加剤を使用し、一般的に用いられる方法によって、好適な組成物を調製し得る。当該有機添加剤または無機添加剤は、賦形剤(例えば、スクロース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウム、または炭酸カルシウム)、結合剤(例えば、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアガム、ポリエチレングリコール、スクロース、またはデンプン)、崩壊剤(例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、重炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、またはクエン酸カルシウム)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、またはラウリル硫酸ナトリウム)、香味剤(例えば、クエン酸、メントール、グリシン、またはオレンジ粉末)、保存剤(例えば、安息香酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン、またはプロピルパラベン)、安定剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、または酢酸)、懸濁剤(例えば、メチルセルロース、ポリビニルピロリクロン、またはステアリン酸アルミニウム)、分散剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、希釈剤(例えば、水)、およびベースワックス(base wax)(例えば、カカオバター、白色ワセリン、またはポリエチレングリコール)の1つ以上などである。いくつかの実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の好適な組成物を、下記の添加剤の1つ以上、2つ以上、3つ以上または全てを用いて、調製し得る:コロイド状二酸化ケイ素、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、微晶性セルロース、ポリエチレングリコール、および二酸化チタン。
一実施形態において、本発明の方法において使用されるアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、タブレットとして調合する。タブレットを、直接圧縮、湿式造粒法または乾式造粒法によって調製し得る。ある実施形態において、これらの組成物は、化合物に加えて、希釈剤、結合剤、潤滑剤、および崩壊剤を含む。典型的な希釈剤は、例えば、種々のタイプのデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウムまたは硫酸カルシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩および粉末化された糖を含む。粉末化されたセルロース誘導体も有用である。一実施形態において、薬学的組成物は、ラクトースを含まない。典型的なタブレットの結合剤は、デンプン、ゼラチン、および糖類(例えば、ラクトース、フルクトース、グルコースなど)などの物質である。また、天然ガムおよび合成ガムも便利である。当該天然ガムおよび合成ガムは、アラビアガム、アルギン酸塩、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどを含む。また、ポリエチレングリコール、エチルセルロースおよびワックスも、結合剤として働き得る。ある実施形態において、下記の賦形剤を、タブレット中に含み得る:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、USP;微晶性セルロース、USP;コロイド状二酸化ケイ素、NF;ステアリン酸マグネシウム、USP;および/またはオパドライホワイト(Opadry White)。
本明細書に記載されている方法で使用される薬学的組成物は、例えば、2005年12月15日に公開された米国特許出願公開第2005/0276851号と2005年10月13日に公開された米国特許出願公開第2005/0228030号とに記載されているものであり得る。これら各々の内容は、全文が参照により本明細書に組み込まれている。本発明に係るアミノピリジンは、水、エタノールなどの薬学的に許容され得る溶媒を伴った溶媒和形態と同様に、非溶媒和形態で存在する。通常、溶媒和形態は、本発明の目的の非溶媒和形態に相当すると考えられる。
別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量が、少なくとも下記のCminssまたは下記よりも高いCminssに達する、本発明による方法が説明される:5ng/ml、6ng/ml、7ng/ml、8ng/ml、9ng/ml、10ng/ml、11ng/ml、12ng/ml、13ng/ml、14ng/ml、15ng/ml、16ng/ml、17ng/ml、18ng/ml、19ng/mlもしくは20ng/ml。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量が、少なくとも下記の平均Cminssまたは下記よりも高い平均Cminssに達する、本発明による方法が説明される:5ng/ml、6ng/ml、7ng/ml、8ng/ml、9ng/ml、10ng/ml、11ng/ml、12ng/ml、13ng/ml、14ng/ml、15ng/ml、16ng/ml、17ng/ml、18ng/ml、19ng/mlもしくは20ng/ml。いくつかの実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量が、約20ng/mlの平均Cminssに達する方法が表され、当該平均Cminssは、11ng/ml、12ng/ml、13ng/ml、14ng/ml、15ng/ml、16ng/ml、17ng/ml、18ng/ml、19ng/mlまたは20ng/mlからの平均下限値と、20ng/ml、21ng/ml、22ng/ml、23ng/ml、24ng/ml、25ng/ml、26ng/mlまたは27ng/mlの平均上限値とを含む。一実施形態において、ある量の薬剤が、個々の患者に与えられる(例えば、ドーズ量)。ここで、このドーズ量は、標準集団または参照集団に投与されたときに、少なくとも下記の平均Cminssまたは下記よりも多い平均Cminssが得られる投与量と一致している:10ng/ml、11ng/ml、12ng/ml、13ng/ml、14ng/ml、15ng/ml、16ng/ml、17ng/ml、18ng/ml、19ng/mlもしくは20ng/ml。参照集団における流体レベルまたは組織レベル(例えば、Cminss、Cmaxss、Cavss)を、基準値として参照し得る。別の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量が、約5ng/ml〜25ng/mlまでの範囲のCminss、約10ng/ml〜18ng/mlまでの範囲のCminss、約13ng/ml〜15ng/mlまでの範囲のCminss、または約15ng/mlから30ng/mlまでの範囲のCminss、に達する方法が説明される。別の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量が、約20ng/mlのCminssに達する方法が説明される。別の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量が、約20ng/mlのCminssに達する方法が表され、ある実施形態において、約20ng/mlのCminssは、11ng/ml、12ng/ml、13ng/ml、14ng/ml、15ng/ml、16ng/ml、17ng/ml、18ng/ml、19ng/mlまたは20ng/mlからの下限値と、20ng/ml、21ng/ml、22ng/ml、23ng/ml、24ng/ml、25ng/ml、26ng/mlまたは27ng/mlの上限値とを含む。
別の実施形態において、患者における卒中に関連した運動障害、感覚障害または感覚運動障害を治療する方法が提供される。当該方法は、5ng/ml〜25ng/mlまでの範囲のCminss、10ng/ml〜20ng/mlまでの範囲のCminss、15ng/ml〜30ng/mlまでの範囲のCminss、または12ng/ml〜20ng/mlまでの範囲のCminssが得られるように、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量を、上記患者に投与することを包含する。別の実施形態において、患者における卒中に関連した運動障害、感覚障害または感覚運動障害を治療するための方法は、少なくとも12ng/ml〜15ng/mlまでの範囲のCminssが得られるように、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量を上記の患者に投与することを包含する。別の実施形態において、患者における卒中に関連した運動障害、感覚障害または感覚運動障害を治療するための方法は、少なくとも13ng/ml〜15ng/mlまでの範囲のCminssが得られるように、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量を上記の患者に投与することを包含する。一実施形態において、ある量の薬剤が、個々の患者に与えられる(例えば、ドーズ量)。ここで、このドーズ量は、標準集団または参照集団に投与されたときに、少なくとも下記の平均Cminssまたは下記よりも多い平均Cminssが得られる投与量と一致している:5ng/ml、6ng/ml、7ng/ml、8ng/ml、9ng/ml、10ng/ml、11ng/ml、12ng/ml、13ng/ml、14ng/ml、15ng/ml、16ng/ml、17ng/ml、18ng/ml、19ng/mlもしくは20ng/ml。ここで、参照集団における血漿レベル(例えば、Cminss、Cmaxss、Cavss)を、基準値として参照し得る。一実施形態において、本発明による方法は、少なくとも11ng/mlまたは12ng/mlのCminssが得られるように、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量を患者に投与することを包含する。
ある実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量が、患者において、約2時間〜約6時間までのTmaxに達する、本発明による方法が提供される。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、徐放性組成物の形態で投与する(例えば、1日1回、1日2回または1日3回)。これらの実施形態のうちの1つにおいて、アミノピリジンは、4−アミノピリジンである。4−アミノピリジンの治療学的に有効な量は、本明細書に開示されている任意の量であり得る。一実施形態において、患者はヒトである。いくつかの実施形態において、徐放性組成物の形態で、1日1回、1日2回または1日3回投与される4−アミノピリジンの治療学的に有効な量は、ヒトにおいて、約2時間〜約6時間までのTmaxに達する。
別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量が、下記のCmaxssまたは下記の値よりも小さいCmaxssに達する、本発明による方法が提供される:60ng/ml、59ng/ml、58ng/ml、57ng/ml、56ng/ml、55ng/ml、54ng/ml、53ng/ml、52ng/ml、51ng/ml、50ng/ml、49ng/ml、48ng/ml、47ng/ml、46ng/ml、45ng/ml、44ng/ml、43ng/ml、42ng/ml、41ng/ml、40ng/ml、39ng/ml、38ng/ml、37ng/ml、36ng/ml、35ng/ml、34ng/ml、33ng/ml、32ng/ml、31ng/ml、30ng/ml、29ng/ml、28ng/ml、27ng/ml、26ng/ml、25ng/ml、24ng/ml、23ng/ml、22ng/ml、21ng/mlまたは20ng/ml。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量が、下記の平均Cmaxssまたは下記の値よりも小さい平均Cmaxssに達する方法が提供される:50ng/ml、49ng/ml、48ng/ml、47ng/ml、46ng/ml、45ng/ml、44ng/ml、43ng/ml、42ng/ml、41ng/ml、40ng/ml、39ng/ml、38ng/ml、37ng/ml、36ng/ml、35ng/ml、34ng/ml、33ng/ml、32ng/ml、31ng/ml、30ng/ml、29ng/ml、28ng/ml、27ng/ml、26ng/ml、25ng/ml、24ng/ml、23ng/ml、22ng/ml、21ng/mlまたは20ng/ml。一実施形態において、ある量の薬剤が、個々の患者に与えられる(例えば、ドーズ量)。ここで、このドーズ量は、標準集団または参照集団に投与されたときに、下記の平均Cmaxssまたは下記の値よりも小さい平均Cmaxssが得られる投与量と一致している:50ng/ml、49ng/ml、48ng/ml、47ng/ml、46ng/ml、45ng/ml、44ng/ml、43ng/ml、42ng/ml、41ng/ml、40ng/ml、39ng/ml、38ng/ml、37ng/ml、36ng/ml、35ng/ml、34ng/ml、33ng/ml、32ng/ml、31ng/ml、30ng/ml、29ng/ml、28ng/ml、27ng/ml、26ng/ml、25ng/ml、24ng/ml、23ng/ml、22ng/ml、21ng/mlまたは20ng/ml。参照集団における流体レベルまたは組織レベル(例えば、Cminss、Cmaxss、Cavss)を、基準値として参照し得る。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量が、約15ng/ml〜約30ng/mlまでの範囲のCmaxss、約25ng/ml〜約35ng/mlまでの範囲のCmaxss、約25ng/ml〜約40ng/mlまでの範囲のCmaxss、または約35ng/ml〜約55ng/mlまでの範囲のCmaxssに達する方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量が、約30ng/mlのCmaxssに達する方法が提供される。別の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の上記の治療学的に有効な量が、15、16ng/ml、17ng/ml、18ng/ml、19ng/ml、20ng/ml、21ng/ml、22ng/ml、23ng/ml、24ng/ml、25ng/ml、26ng/ml、27ng/ml、28ng/ml、29ng/mlまたは30ng/mlからの下限値と、25ng/ml、26ng/ml、27ng/ml、28ng/ml、29ng/ml、30ng/ml、31ng/ml、32ng/ml、33ng/ml、34ng/ml、35ng/ml、36ng/ml、37ng/ml、38ng/ml、39ng/ml、40ng/ml、41ng/ml、42ng/ml、43ng/ml、44ng/ml、45ng/ml、46ng/ml、47ng/ml、48ng/ml、49ng/ml、50ng/ml、51ng/ml、52ng/ml、53ng/ml、54ng/ml、55ng/ml、56ng/ml、57ng/ml、58ng/ml、59ng/mlまたは60ng/mlの上限値とを含む範囲のCmaxssに達する方法が提供される。
別の実施形態において、上記のアミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量が、50ng/ml、49ng/ml、48ng/ml、47ng/ml、46ng/ml、45ng/ml、44ng/ml、43ng/ml、42ng/ml、41ng/ml、40ng/ml、39ng/ml、38ng/ml、37ng/ml、36ng/ml、35ng/ml、34ng/ml、33ng/ml、32ng/ml、31ng/ml、30ng/ml、29ng/ml、28ng/ml、27ng/ml、26ng/ml、25ng/ml、24ng/ml、23ng/ml、22ng/ml、21ng/mlまたは20ng/ml以下の平均Cmaxssに達する方法が説明される。一実施形態において、ある量の薬剤が、個々の患者に与えられる(例えば、ドーズ量)。ここで、このドーズ量は、標準集団または参照集団に投与されたときに、50ng/ml、49ng/ml、48ng/ml、47ng/ml、46ng/ml、45ng/ml、44ng/ml、43ng/ml、42ng/ml、41ng/ml、40ng/ml、39ng/ml、38ng/ml、37ng/ml、36ng/ml、35ng/ml、34ng/ml、33ng/ml、32ng/ml、31ng/ml、30ng/ml、29ng/ml、28ng/ml、27ng/ml、26ng/ml、25ng/ml、24ng/ml、23ng/ml、22ng/ml、21ng/mlまたは20ng/ml以下の平均Cmaxssが得られる投与量と一致している:参照集団における血漿レベル(例えば、Cminss、Cmaxss、Cavss)を、基準値として参照し得る。
別の実施形態において、本明細書に実質的に記載されているような組成物の単位用量が使用される。
対象に投与される、アミノピリジンの実際の投与量、その薬学的に許容され得る塩の実際の投与量、またはアミノピリジンを含む組成物の実際の投与量を、年齢、性別、体重、状態の重症度、治療される疾患のタイプ、以前の治療的介入または併用した治療的介入、対象の特発性疾患などの身体要因および生理的要因、および投与経路によって決定してもよい。これらの要因は、当業者によって容易に決定される。投与を担当する実施者は、組成物中の有効成分の濃度と、個々の対象に適切な投与量とを、通常通り決定するであろう。患者の状態における任意の併発症または変化がある場合、投与量は、個々の実施者によって調整されてもよい。
投与の容易化、および投与量の均一性のための用量単位形態における非経口組成物を調合することは、特に有益である。本明細書で用いられている用量単位形態とは、治療を受ける対象のための単位用量として適している物理的に分離した単位をいい、各々のユニットは、必要な薬学的担体と共同して所望の治療効果を生み出すように計算された所定の量の治療学的化合物を含有している。本発明の用量単位形態の仕様は、(a)治療学的化合物の特有の特徴および達成される特定の治療効果、並びに(b)患者における選択された状態を治療するための上記の治療学的化合物を調合する技術における固有の限定によって、かつ、これらに依存して規定される。単位用量形態は、タブレットまたはブリスターパックであり得る。ある投与プロトコルにおいて、患者は、一度に、単一の単位用量より多く使用してもよい。例えば、患者は、ブリスターパックの別々のブリスターに含まれている2つのタブレットを消費してもよい。
光学的異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体:本明細書に記載されている化合物は、不斉中心を含んでもよく、そして、それ故に、鏡像異性体として存在してもよい。本発明による化合物が2つ以上の不斉中心を所有している場合、これらは、さらに、ジアステレオマーとして存在してもよい。本発明は、実質的に純粋に分離された鏡像異性体、それらのラセミ混合物、およびジアステレオマー混合物として、そのような可能な立体異性体すべてを含む。上記式は、特定の位置の限定的な立体化学なしで示されている。本発明は、そのような式のすべての立体異性体と、それらの薬学的に許容され得る塩とを含む。鏡像異性体のジアステレオ異性体の対を、例えば、好適な溶媒からの分別結晶化によって分離してもよく、そして、そのように得られた鏡像異性体の対を、従来の方法によって(例えば、分離剤としての光学活性酸または光学活性塩基の使用によって、またはキラルHPLCカラム(chiral HPLC column)上で)、個々の立体異性体に分離してもよい。さらに、上記一般式の化合物の任意の鏡像異性体またはジアステレオマーを、光学的に純粋な出発材料または既知の配置の試薬を用いた立体特異的合成によって得てもよい。
本発明のアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、患者における卒中に関連した障害を治療するのに十分な治療学的に有効な投与量にて投与する。ある実施形態において、上記治療は、患者における障害の症状の量を、未治療の対象と比較して、少なくとも約10%まで、より好ましくは、少なくとも約20%まで、より好ましくは、少なくとも約30%まで、より好ましくは、少なくとも約40%まで、より好ましくは、少なくとも約50%まで、さらにより好ましくは、少なくとも約60%まで、さらにより好ましくは、少なくとも約80%まで、低減する。上記の変化率の定量化は、感覚運動機能のアッセイに好ましく適用され、T25FWなどの、連続的なリニアスケール(continuous linear scale)における結果の測定を提供する。感覚運動機能の他のテストは、変化率として表現されないが、適切な統計比較を伴う有意な変化を生じると予想されるだろう。そのようなテストは、特定の技能を実行する能力に対する値を割り当てる半定量的測定を含む。いくつかの実施形態において、本発明による治療は、コントロールと比較して、卒中に関連した感覚運動障害において、統計学的に有意な改善(例えば、特定の作業または技能を実行するための患者の能力によって測定されるような)をもたらす。そのようなコントロールは、治療の開始前に評価された作業または技能を実行するための患者の能力であり得る。
(5.2 感覚運動障害および本発明によるアミノピリジン投与の結果)
本発明は、哺乳動物において、卒中によって誘発される神経の損傷を治療するための方法、具体的には、卒中に関連した感覚運動障害を治療する方法を提示する。この発明の特定の好ましい実施形態において、本明細書中に記載した上記方法によって治療される卒中のタイプは、脳底動脈の卒中、椎骨動脈の卒中、後大脳動脈の卒中、前大脳動脈の卒中または内頸動脈の卒中である。特定の実施形態において、本明細書中に記載した方法によって治療される上記卒中は、後部の血液循環、椎骨−脳底動脈系、脳底動脈、脳底動脈の先端および/または椎骨動脈の卒中である。一実施形態において、本明細書中に記載した方法によって治療される上記卒中は、脳底動脈の卒中(例えば、脳底動脈閉塞)である。一実施形態において、本明細書中に記載した方法によって治療される上記卒中は、椎骨動脈の卒中である。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載した方法によって治療される上記患者は、1以上の感覚運動障害を有している(例えば、感覚運動障害であると診断されているか、または感覚運動障害の1以上の症状を示している)。この発明の特定の好ましい実施形態において、本明細書中に記載した方法によって治療される上記患者は、脳底動脈の卒中、椎骨動脈の卒中、後大脳動脈の卒中、前大脳動脈の卒中または内頸動脈の卒中に起因する1以上の感覚運動障害(例えば、運動性障害のような)を有している。一実施形態において、本明細書中に記載した方法によって治療される上記患者は、脳底動脈の卒中に起因する1以上の感覚運動障害(例えば、運動性障害のような)を有している。一実施形態において、本明細書中に記載した方法によって治療される上記患者は、椎骨動脈の卒中に起因する1以上の感覚運動障害(例えば、運動性障害のような)を有している。一実施形態において、本明細書中に記載した方法によって治療される上記患者は、椎骨脳底動脈の卒中に起因する1以上の感覚運動障害(例えば、運動性障害のような)を有している。一実施形態において、本明細書中に記載した方法によって治療される上記患者は、後大脳動脈の卒中に起因する1以上の感覚運動障害(例えば、運動性障害のような)を有している。一実施形態において、本明細書中に記載した方法によって治療される上記患者は、前大脳動脈の卒中に起因する1以上の感覚運動障害(例えば、運動性障害のような)を有している。一実施形態において、本明細書中に記載した方法によって治療される上記患者は、内頸動脈の卒中に起因する1以上の感覚運動障害(例えば、運動性障害のような)を有している。ある実施形態において、本明細書中に記載した方法によって治療される上記患者は、感覚運動機能に関与するまたは感覚運動機能と関連する、脳の皮質の領域または他の領域における神経損傷(例えば、ニューロンの欠損または脱髄)に起因する障害を有している。本発明の好ましい実施形態は、卒中の結果生じる感覚運動機能の障害を治療するための4−アミノピリジンの使用方法に関連する。そのような治療は、この出願に記載した用量および投与計画のいずれかを投与する工程によるものであり得る。
本発明によって治療される感覚運動障害または感覚運動機能の障害は、限定されないが、下記を含む:運動失調、全身の制御障害、調整もしくはバランスの障害、身体の感覚における障害、固有受容性における障害、歩行における障害、反射神経における障害、器用さにおける障害、持久力障害、手の機能における障害、繊細な手の調整の欠如または障害、反射亢進、手の力における障害、手先の器用さにおける障害、握力における障害、筋力低下、筋緊張の障害、動作範囲の障害、痙縮、力の障害/低下、震え、四肢の機能における障害、上肢の機能障害、下肢の機能障害、下肢の筋力における障害、歩行障害(例えば、歩行速度の低下)、言語障害(例えば、構音障害)、顎の機能における障害、咀嚼における障害、または顎関節における障害。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載した方法により治療される感覚運動障害は、運動性障害である。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載した方法により治療される上記感覚運動障害は、運動障害である。一実施形態において、本明細書中に記載した方法により治療される上記感覚運動障害は、固有受容性における障害である。一実施形態において、本明細書中に記載した方法により治療される上記感覚運動障害は、口腔運動機能における障害である。特定の実施形態において、本明細書中に記載した方法により治療される上記感覚運動障害は、言語障害(例えば、構音障害、失行、もしくは発声困難)、または咀嚼および/または嚥下における障害(例えば、嚥下障害)である。一実施形態において、本明細書中に記載した方法により治療される上記感覚運動障害は、視覚機能の感覚および/または眼球運動の障害のような、視覚障害である。他の特定の実施形態において、本明細書中に記載した方法により治療される上記感覚運動障害は、歩行速度における障害、手先の器用さにおける障害、手の力における障害、または上肢の痙縮である。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載した方法により治療される上記感覚運動障害は、フーゲルメイヤー評価を用いて測定されるような運動機能および/または感覚機能における障害である。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載した方法により治療される上記感覚運動障害は、機能的自立度評価(FIM)により評価される身体のパラメーターによって測定されるような、日常業務(例えば、摂食、身繕い、入浴、上半身の更衣、下半身の更衣、用便動作、ベッドから椅子への移動、トイレへの移動、シャワーへの移動、移動運動(自立歩行能力または車椅子レベルなどの歩行)および/または階段を昇ること)を行う能力における障害である。特定の実施形態において、本明細書中に記載した方法により治療される上記感覚運動障害は、運動機能における障害、バランスにおける障害、感覚における障害、または関節機能における障害である。特定の実施形態において、本明細書中に記載した方法により治療される上記感覚運動障害は、顔面神経麻痺、四肢麻痺または手の麻痺である。
ある実施形態において、本発明により治療される上記感覚運動障害は、限定されないが、歩行における障害、四肢の機能における障害、下肢機能における障害、下肢の筋力における障害、筋緊張における障害、痙縮、上肢機能における障害、手の機能における障害、繊細な手の調整における障害、握力における障害、バランスもしくは調整における障害、全身制御における障害、顎の機能における障害、咀嚼における障害、または顎関節における障害である。
一実施形態において、本発明により治療される上記感覚運動障害は、下肢機能および/または下肢の筋力における障害である。一実施形態において、本発明により治療される上記感覚運動障害は、下肢の運動機能における障害である。一実施形態において、本発明により治療される感覚運動障害は、歩行における障害(例えば、歩行速度の低下)である。一実施形態において、本発明により治療される上記感覚運動障害は、上肢の機能(例えば、上肢の運動機能)における障害である。一実施形態において、本発明により治療される上記感覚運動障害は、四肢の麻痺である。一実施形態において、本発明により治療される上記感覚運動障害は、筋緊張または痙縮における障害(例えば、上肢の痙縮)である。一実施形態において、本発明により治療される上記感覚運動障害は、バランスまたは調整における障害である。一実施形態において、本発明により治療される上記感覚運動障害は、感覚における障害である。一実施形態において、本発明により治療される上記感覚運動障害は、口腔運動機能における障害である。特定の実施形態において、口腔運動機能における障害は、唇および/または舌の筋力における障害(例えば、構音障害)である。他の特定の実施形態において、口腔運動機能における障害は、唇および/または舌の筋肉の調整における障害(例えば、失行)である。さらに他の特定の実施形態において、口腔運動機能における障害は、呼吸に関与する筋肉力における障害である。一実施形態において、本発明により治療される感覚運動障害は、言語障害(例えば、構音障害、失行、発声困難)である。いくつかの実施形態において、本発明により治療される上記感覚運動障害は、顔面、舌および/または舌咽頭筋の感覚運動の障害である。一実施形態において、本発明により治療される上記感覚運動障害は、咀嚼および/または嚥下における障害(例えば、嚥下障害)である。一実施形態において、本発明により治療される上記感覚運動障害は、顎の機能または顎関節における障害である。一実施形態において、本発明により治療される上記感覚運動障害は、顔面神経麻痺である。一実施形態において、本発明により治療される上記感覚運動障害は、手の機能における障害、手の調整における障害(例えば、繊細な手の調整における障害)、握力における障害、手先の器用さにおける障害、手の麻痺である。いくつかの実施形態において、本発明により治療される上記感覚運動障害は、視覚の障害(impairment)または障害(disturbance)である。本明細書中に記載した方法により治療される上記視覚障害は、視覚機能の感覚および/または眼球運動の障害であり得る。一実施形態において、本明細書中に記載した方法により治療される上記視覚障害は、視覚機能の感覚障害である。一実施形態において、本明細書中に記載した方法により治療される上記視覚障害は、視覚機能の眼球運動障害である。
一実施形態において、アミノピリジン投与は、一つ以上の感覚運動機能を回復させる。これは、例えば、歩行能力、バランス、起立能力、手の力、巧緻性、反射、もしくは当技術分野で認められている生活の質の評価に対する回答における向上として、または本明細書に記載されているもしくは当技術分野において公知の任意の他の感覚運動機能における向上として明白であるか、評価される。
ある実施形態において、ある量のアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を投与することによって患者を処置することは、卒中に関連した感覚機能障害を改善または予防するのに有効である。一実施形態において、ある量のアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を投与することによって患者を治療することは、感覚機能障害の症候の発症を予防するのに有効である。他の実施形態において、ある量のアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を投与することによって患者に治療することは、卒中に関連した感覚機能障害の症候を緩和(例えば、重症度の低減)するのに有効である。さらに他の実施形態において、ある量のアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を投与することによって患者を治療することは、卒中に関連した感覚機能障害の持続期間を減少させるのに有効である。特定の実施形態において、ある量のアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を投与することによって患者を治療することは、卒中に関連した感覚機能障害を取り除くおよび/または卒中によって損なわれた感覚運動機能を回復するのに有効である。ある実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を投与することは、卒中によって損なわれた感覚運動機能を修復するのに有効である。これらの実施形態のいくつかにおいて、卒中は虚血性卒中である。一実施形態において、上記卒中は、中大脳動脈の卒中である(例えば、中大脳動脈の閉塞による)。別の実施形態において、上記卒中は出血性卒中である。
別の実施形態において、患者における感覚運動機能の向上を維持するための方法が提供され、ここで、そのような機能は、卒中の結果として損なわれており、上記方法は、4−アミノピリジンの投与の間に患者における当該損なわれた感覚運動機能の向上をあらかじめ達成した後で、上記患者に、アミノピリジン(3,4−ジアミノピリジン、4−アミノピリジンなど)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量を投与することを包含している。
一実施形態において、感覚運動機能の卒中に関連した障害を有する患者における感覚運動機能における改善を維持する方法は、延長された期間にわたって上記患者にアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量を投与することを包含している。別の実施形態において、卒中に関連した感覚運動障害を有する患者における持続した改善を達成するための方法は、延長された期間にわたって上記患者へのアミノピリジン(3,4−ジアミノピリジン、4−アミノピリジン等)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量の投与を継続することを包含している。
特定の実施形態において、卒中に関連した感覚運動障害を経験している患者間の改善は、少なくとも下記の期間または下記よりも長い期間にわたって生じる:治療の、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間もしくは22週間;3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、13ヶ月間、14ヶ月間、15ヶ月間、16ヶ月間、17ヶ月間もしくは18ヶ月間;または1年間、2年間、3年間、4年間、5年間、6年間または5年間を超える。
感覚運動機能の障害および感覚機能における向上を包含している感覚運動機能は、当技術分野において公知の任意の方法を用いて評価され得る。例えば、評価試験としては、制限されることはないが、25フィート歩行時間(T25FW)、2分間歩行、6分間歩行(6MW)、ボックスアンドブロックテスト、6点スポットステップテスト、下肢機能についての徒手筋力テスト、LEMMT、アッシュワース(Ashworth)スコア、改変アッシュワーススケール、握力試験、9ホールペグテスト、繊細な指の動き、上肢機能についての指の迅速な交互入替え(rapid alternating fingers for upper extremity function)、感覚機能についての機能的システムスコアリング、並びに運動失調症についての、指鼻試験(finger-to-nose)および踵脛試験(heel-to-shin)が挙げられる。具体的には、T25Wは、歩行を測定するために使用され得る。LEMMTは、下肢の筋力を測定するために使用され得る。改変アッシュワーススケーは、痙縮を測定するために使用され得る。当技術分野で認められた上肢の機能評価としては、制限されることはないが、パフォーマンススケール自己報告評価、手持ち式握力計および上肢指数(UEI)が挙げられる。感覚運動機能を測定するために使用され得る他の評価試験としては、制限されることはないが、バーグバランススケール(Berg Balance Scale)(BBS)、ケラ協調運動試験(Kela Coordination Test)、姿勢安定性試験、10メートル歩行時間試験、肩引っ張り試験、握力、膝伸筋の最大等尺性筋力、筋持久力試験、受動的直線脚試験(passive straightleg raise)、TEMPA(高齢者のための上肢のパフォーマンス試験)、ジェブセン−テイラー(Jebsen-Taylor)手機能試験、腕、肩および手の障害(DASH)の質問表、
並びに手指操作能力測定−36(Manual Ability Measure-36)(MAM−36)が挙げられる。感覚運動機能を測定するために用いられ得る別の評価試験は、フーゲルメイヤー評価試験である。いくつかの実施形態において、フーゲルメイヤー評価試験は、運動機能(例えば、下肢の運動機能および/または上肢の運動機能)、バランス、感覚および/または関節機能を評価するために用いられ得る。特定の実施形態において、フーゲルメイヤー評価試験は、下肢の運動機能、上肢の運動機能および/または感覚を評価するために用いられる。患者の感覚運動機能、障害、機能的自立度および/または患者の日常業務を行う能力または日常生活動作を評価するために用いられ得る別の評価試験は、機能的自立度評価(FIM)である。FIMは、身体的領域のパラメーター並びに認知領域のパラメーターを評価する。一実施形態において、FIMは、感覚運動機能に関与するパラメーター等の身体的領域のパラメーター(例えば、摂食、身繕い、入浴、上半身の更衣、下半身の更衣、用便動作、ベッドから椅子への移動、トイレへの移動、シャワーへの移動、移動運動(自立歩行能力または車椅子レベルなどの歩行)、および階段を昇る能力)を評価するために用いられ得る。感覚運動機能における障害に起因する感覚運動の機能および/または障害を評価するために用いられ得る別の評価試験は、障害評価スケール(DAS)である。感覚運動機能を評価するために用いられ得る別の評価試験としては、対象全般印象(SGI)および臨床全般印象(CGI)が挙げられる。このような評価は、本明細書に開示の方法による患者へのアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の投与前後に行われ得る。例えば、本明細書に記載されている方法による治療の開始のときから、下記の時点またはその経過後に行われ得る:例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間;1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月;または、1年、2年、3年、4年、5年。特定の実施形態において、ボックスアンドブロックテストが、手先の器用さの感覚運動機能を評価するために用いられ得る。
ある実施形態において、本発明による治療は、患者における卒中に関連した(例えば脳底動脈の卒中に関連した)感覚運動障害を、コントロール(例えば、治療前の患者、未治療の対象またはプラセボで治療した対象における上記障害のレベル)と比較して、少なくとも約10%まで、少なくとも約20%まで、少なくとも約30%まで、少なくとも約40%までまたは少なくとも約50%まで軽減する。いくつかの実施形態において、本発明による治療は、患者における卒中に関連した(例えば、脳底動脈の卒中に関連した)運動性における障害を、コントロール(例えば、治療前の患者の運動性、未治療の対象またはプラセボで治療した対象における運動性)と比較して、少なくとも約10%まで、少なくとも約20%まで、少なくとも約30%まで、少なくとも約40%までまたは少なくとも約50%までに改善する。特定の実施形態において、本発明による治療は、患者における卒中に関連した(例えば、脳底動脈の卒中に関連した)歩行における障害を、コントロール(例えば、治療前の患者の歩行能力、未治療の対象またはプラセボで治療した対象における歩行能力)と比較して、少なくとも約10%まで、少なくとも約20%まで、少なくとも約30%まで、少なくとも約40%までまたは少なくとも約50%までに改善する。特定の実施形態において、本発明による治療は、患者における卒中に関連した(例えば、脳底動脈の卒中に関連した)歩行速度の低下を、コントロール(例えば、治療前の患者の歩行速度、未治療の対象またはプラセボで治療した対象における歩行速度)と比較して、少なくとも約10%まで、少なくとも約20%まで、少なくとも約30%まで、少なくとも約40%までまたは少なくとも約50%まで低減し、例えば、T25Wによって測定される。いくつかの実施形態において、本発明による治療は、コントロール(治療前の患者、未処理の対象またはプラセボを用いて治療した対象の、機能的自立度または日常業務を行うための能力)と比較して、機能的自立度または日常業務もしくは日常生活動作を行う患者の能力における、卒中に関連した(例えば、脳底動脈卒中に関連した)障害における改善(例えば、統計学的に優位な改善)をもたらし、例えば、FIMによって測定される。
特定の実施形態において、卒中に関連した感覚運動障害における治療学的転帰は、下記の時点のうちの任意の1点、2点、3点、4点、5点以上もしくは各時点において、および/または下記の時点のうちの任意の1点よりも遅い時点において、評価且つ検出される:アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を用いた治療の開始後、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間もしくは24週間;2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、54ヶ月、60ヶ月、および66ヶ月;0.5年、1年、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年および6.5年。
(5.3 アミノピリジンの投与の様式)
いくつかの実施形態において、本発明による方法は、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、1日1回、1日2回または1日3回投与することを包含している。ある実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、経口で投与される。別の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、静脈内に投与される。さらに別の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、例えば、筋肉内または皮下に投与される。
ある実施形態において、本発明の方法は、卒中後の急性期の間に、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を投与することを包含している。上記卒中後の急性期は、卒中後の脳組織の進行性の損傷(例えば、虚血性の病変の拡大)によって特徴づけられる。例えば、急性期の間に、脳組織への進行性の損傷が、卒中に起因した最初の傷害が生じたコア領域を囲むペナンブラ領域において生じる。当該損傷は、例えば、酸素の欠乏による細胞死を包含し得る。通常、急性期は、卒中の発症時から、卒中後およそ6時間まで続く。いくつかの実施形態において、本発明による治療は、脳組織への損傷が進行している卒中後の期間に、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を患者に投与することを包含している。一実施形態において、当該治療は、虚血性の病変がまだ拡大している卒中後の期間中である。例えば、患者は、卒中後の1時間、2時間、3時間、4時間、5時間または6時間以内の急性期の間に、本発明によって治療される。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、卒中後の初期の慢性期の間に、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を投与することを包含している。卒中後の急性期の後に、神経機能の自発的な回復期間(すなわち、初期の慢性期)があり、当該期間は、げっ歯類の種においては、数週間(例えば、4週間、5週間または6週間まで)および、ヒトにおいては、数ヶ月間(例えば、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間または12ヶ月間まで)継続し得る。初期の慢性期は、卒中によって損傷した神経機能(具体的には、感覚運動機能)の、進行性の、持続的な内因性の回復によって特徴づけられる。いくつかの実施形態において、本発明による治療は、神経機能(例えば、感覚運動機能)の自発的なまたは内因性の回復が観察される卒中後の期間に、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を患者に投与することを包含している。例えば、ヒトの患者は、下記の時点またはその経過後であり、且つ卒中後、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月もしくは1年以前に、初期の慢性期の間に、本発明によって治療され得る:卒中後、6時間、8時間、10時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、22時間、24時間;1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間または1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月もしくは4ヶ月。
別の実施形態において、本発明の方法は、卒中後の安定的な慢性期の間に、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を投与することを包含している。当該卒中後の安定的な慢性期は、卒中によって損傷した神経機能(特に、感覚運動機能)の自発的なまたは内因性の改善がほとんど存在しないまたは測定できないことによって特徴付けられる。通常、当該安定的な慢性期は、げっ歯類の種においては、卒中の4〜6週間後に到達し、ヒトの種においては、卒中の4〜8ヶ月後(さらに、ときには1年後)に到達する。安定的な慢性期は、多くの場合に、安定的な生涯にわたる障害(特に、安定的な生涯にわたる感覚運動障害)として現れ、治療を行わない場合において測定可能に改善しない。ある実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、卒中後の安定的な慢性期の間に投与される場合に、患者において卒中に関連した感覚運動障害を改善するのに有効である。いくつかの実施形態において、本発明による治療は、神経機能(例えば、感覚運動機能)の、自発的または内因性の測定可能な改善がほとんど観察されないまたは全く観察されない卒中後の期間に、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を患者に投与することを包含している。例えば、ヒトの患者は、下記の時点またはその経過後に、安定的な慢性期の間に、本発明によって治療され得る:卒中後、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月;1年、2年、3年、4年、5年、7年、10年、12年、15年、20年、または任意の時期。
本発明の一実施形態において、治療は、卒中後の急性期以降に開始される。本発明の一実施形態において、治療は、卒中後の急性期の間に開始され、卒中後の急性期以降も継続する。一実施形態において、治療は、卒中後の初期の慢性期以降に開始される。別の実施形態において、治療は、卒中後の初期の慢性期の間に開始され、初期の慢性期以降も継続する。さらに別の実施形態において、治療は、卒中後の安定的な慢性期の間に開始される。
アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的な利益は、治療学的に有効な量を哺乳動物に投与することによって達成され得る。ある実施形態において、治療は、下記の時点よりも前、その時点またはその経過後に行われる:卒中後、1時間目、2時間目、6時間目、8時間目、12時間目、24時間目、30時間目、36時間目、42時間目、2日目、3日目、4日目、5日目、1週間目、2週間目、3週間目、4週間目以降。一実施形態において、治療は、卒中後6時間目において、またはその経過後に行われる。一実施形態において、治療は、卒中後24時間目において、またはその経過後に行われる。一実施形態において、治療は、卒中後7日目(1週間)において、またはその経過後に行われる。一実施形態において、治療は、卒中後14日目(2週間)において、またはその経過後に行われる。一実施形態において、治療は、卒中後1ヶ月目において、またはその経過後に行われる。一実施形態において、治療は、卒中後4ヶ月目において、またはその経過後に行われる。一実施形態において、治療は、卒中後6ヶ月目において、またはその経過後に行われる。一実施形態において、治療は、卒中後8ヶ月目において、またはその経過後に行われる。一実施形態において、治療は、卒中後12ヶ月目において、またはその経過後に行われる。特定の実施形態において、本発明の方法は、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、哺乳動物に投与することを包含しており、ここで、当該投与は、虚血性の事象の、少なくとも、2日後、3日後、4日後、7日後または10日後に、哺乳動物における虚血性の事象後の初期の慢性期および/または安定的な慢性期の間に、感覚運動機能における改善を促進するために十分な治療学的に有効な量において行われる。ある実施形態において、本発明による治療は、卒中後の任意の時期に行われる。特定の実施形態において、本発明の方法は、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、哺乳動物に投与することを包含しており、ここで、当該投与は、卒中後の任意の時期に、感覚運動機能における改善を促進するために十分な量において行われる。
ある実施形態において、本発明は、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を、哺乳動物に、卒中後の1日目、2日目もしくは3日目から開始して、且つ卒中後の4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目もしくは14日目まで投与すること;または、下記の時点から投与することを包含している:卒中後1週間以上;卒中後2週間以上;卒中後3週間以上;卒中後4週間以上;卒中後1ヶ月以上;卒中後1ヶ月以上;卒中後2ヶ月以上;卒中後3ヶ月以上;卒中後4ヶ月以上;卒中後5ヶ月以上;卒中後6ヶ月以上。ある実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩は、下記の時点またはその経過後に投与される;卒中後、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間または8週間。
本発明の別の局面によると、哺乳動物において、虚血性の事象の後の急性期以外の期間の間に、神経機能(例えば、感覚運動機能)における改善を促進させる方法が提示される。特定の実施形態において、本発明による治療は、急性期中に開始することができるが、急性期経過後の、少なくとも、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたは6つ以上の治療を包含する。
ある実施形態において、上記投与の工程は、下記の期間以内に開始する:卒中後、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間もしくは24時間;1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日もしくは21日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間もしくは24週間;1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、54ヶ月、60ヶ月もしくは66ヶ月;0.5年、1年、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年、7年、8年、9年、10年、12年、15年、20年、25年もしくは30年間、またはそれよりも後。別の実施形態において、上記投与工程は、下記の時点を経過した後に開始する:卒中後、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間もしくは24時間;1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日もしくは21日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間もしくは24週間;1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、54ヶ月、60ヶ月もしくは66ヶ月;0.5年、1年、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年、7年、8年、9年、10年、12年、15年、20年、25年もしくは30年、またはそれよりも後。
本発明のいくつかの実施形態において、患者における卒中に関連した感覚運動障害の治療方法は、ある期間の間、アミノピリジン(3,4−ジアミノピリジン、4−アミノピリジン等)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量を、上記患者に投与することを包含している。ある実施形態において、上記投与工程は、下記の期間以内に開始する:卒中の事象後、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間もしくは24時間;1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日もしくは21日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間もしくは24週;2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、54ヶ月、60ヶ月もしくは66ヶ月;0.5年、1年、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年、7年、8年、9年、10年、12年、15年、20年、25年もしくは30年、またはそれよりも後。前述のさらなる実施形態において、上記投与工程は、少なくとも下記の期間または下記よりも長い期間の間継続する:少なくとも、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間もしくは24週間;2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、13ヶ月間、14ヶ月間、15ヶ月間、16ヶ月間、17ヶ月間、18ヶ月間、19ヶ月間、20ヶ月間、21ヶ月間、22ヶ月間、23ヶ月間、24ヶ月間、25ヶ月間、26ヶ月間、27ヶ月間、28ヶ月間、29ヶ月間、30ヶ月間、31ヶ月間、32ヶ月間、33ヶ月間、34ヶ月間、35ヶ月間、36ヶ月間、42ヶ月間、48ヶ月間、54ヶ月間、60ヶ月間もしくは66ヶ月;0.5年間、1年間、1.5年間、2年間、2.5年間、3年間、3.5年間、4年間、4.5年間、5年間、5.5年間、6年間、7年間、8年間、9年間、10年間、12年間、15年間、20年間、25年間、30年間もしくは35年間、またはそれより長く。
いくつかの実施形態において、治療計画(特定の用量および投与の頻度は、本明細書中に記載したいずれかから選択され得る。)は、例えば、少なくとも4日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、または少なくとも6ヶ月の期間にわたって不変である。
特定の実施形態において、本発明は、短期間の、初期の、または非慢性の段階に、患者において、卒中に関連した感覚運動障害を効果的に治療する方法を含み、アミノピリジン(3,4−ジアミノピリジン、4−アミノピリジン等のような)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量を、上記患者に投与する工程を包含している。本明細書において提供されたある実施形態において、上記患者は、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を用いて、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間;1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、または4ヶ月の期間の間、治療される。そのような期間を過ぎて継続することができ、そして本発明の範囲内であることが理解される。
他の実施形態において、本発明は、初期の慢性期および/または安定的な慢性期に、患者において、卒中に関連した感覚運動障害を効果的に治療する方法を含み、アミノピリジン(3,4−ジアミノピリジン、4−アミノピリジン等のような)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量を、上記患者に長期間投与する工程を包含している。他の実施形態において、本発明は、卒中に関連した感覚運動障害を永続的に治療する方法を含み、アミノピリジン(3,4−ジアミノピリジン、4−アミノピリジン等のような)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量を、上記患者に長期間投与する工程を包含している。いくつかの実施形態において、上記長期間は、少なくとも下記の期間であるか、または下記の期間より長い:10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間もしくは22週間;3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、もしくは18ヶ月;または1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、もしくは10年以上。
ある実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量が、卒中後の急性期の間、静脈内に投与される。いくつかの実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量が、卒中後、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、または1週間、2週間、3週間、4週間、8週間以内に、静脈内に投与される。静脈内投与は、1日1回、1日2回、1日3回、2日に1回、3日に1回、または1週間に1回行われ得る。一実施形態において、上記患者は、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の単回の静脈内投与によって治療される。
他の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量が、卒中後の急性期、初期の慢性期および/または安定的な慢性期の間、経口投与される。特定の実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量が、卒中後の初期の慢性期および/または安定的な慢性期の間のみ、経口投与される。経口投与は、即時放出性組成物または徐放性組成物のいずれかにおいて、1日1回、1日2回、1日3回、または1日に3回よりも多く行われる。
アミノピリジン化合物の投与は、本明細書中に記載したような種々の手法によって達成され得る。本発明に従ったアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の投与は、例えば、上記化合物を標的組織内にまたは標的組織上に投与すること;例えば、静脈内注射(例えば、非経口)もしくは経口投与(例えば、経腸的)または局所投与(例えば、経皮的(transdermal)、経皮的(transcutaneous)、パッチ式、坐剤)もしくは吸入(例えば、経粘膜的)によって、患者に対して、上記化合物を、全身に提供し、これによって当該化合物を標的組織に到達させることによって、実行され得る。上記アミノピリジンまたは上記その薬学的に許容され得る塩の患者への投与は、患者自身または介護人(例えば、医療専門家)によって行われ得、上記化合物がその作用を発揮し得る場所において、患者による摂取または患者への適用等の行為を含む。
一実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、局所的に(すなわち、苦痛、疾患もしくは知覚される痛みの部位の周辺において、または苦痛、疾患もしくは知覚される痛みの部位の周辺内に、非全身性の経路によって直接投与することによって)投与される。
ある実施形態において、患者は、卒中後、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、22時間以内に、または卒中後、1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目もしくは7日目に、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を用いて、1回の投与あたり0.01〜1.0mg/kgの間の用量にて、1日1回、1日2回、1日おきに、または1週間に1回で、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日もしくは10日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間もしくは8週間、または1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月よりも長い期間の間(または、1日〜5日の間、2日〜10日の間、10日〜1ヶ月の間、10日〜6ヶ月の間、または10日〜1年の間)、静脈注射によって治療される。
または、患者は、卒中後の、1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目もしくは7日目に(または1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後もしくは7日後に)、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間もしくは8週間に(または1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、7週間後もしくは8週間後に)、あるいは1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、8ヶ月、10ヶ月もしくは12ヶ月に(または1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後、4ヶ月後、6ヶ月後、8ヶ月後、10ヶ月後もしくは12ヶ月後に)、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)またはその薬学的に許容され得る塩を用いて、4mg〜17.5mgの間の量(例えば、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mgまたは17mg)を、1日1回または1日2回で、5日間、10日間、15日間、20日間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、9ヶ月間、または1年間、2年間、3年間、4年間、5年間、10年間、15年間、20年間よりも長い期間の間(または、10日〜3ヶ月の間、10日〜6ヶ月の間、10日〜1年の間、3ヶ月〜1年の間、6ヶ月〜1年の間、6ヶ月〜5年の間、または1年〜50年の間)、経口的に治療される。いくつかの実施形態において、患者は、卒中後の4週間目に(または卒中後の4週間後に)、5mg、7.5mg、10mgまたは12.5mgの4−アミノピリジンを1日2回にて、治療される。他の実施形態において、患者は、卒中後の4ヶ月目に(または卒中後の4ヶ月後に)、5mg、7.5mg、10mgまたは12.5mgの4−アミノピリジンを1日2回にて、治療される。さらに他の実施形態において、患者は、下記の時点またはその経過後に、4−アミノピリジンの8mg、10mg、12mg、12.5mg、15mg、20mgまたは25mgを1日1回にて、治療される:卒中後、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、または8ヶ月。
(5.4 併用療法)
本発明の組成物および方法は、多数の治療的または予防的な用途の状況において使用されてもよい。上記アミノピリジンを用いた治療の有効性を高めるために、または他の療法(第2の療法)の保護を増加させるために、これらの組成物および方法は、卒中に関連した疾患および病態(例えば、感覚運動障害等)の治療において有効な、他の薬剤および方法と組み合わせることが望ましい。
それゆえ、特定の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を、卒中に関連した障害(例えば、感覚運動障害)の治療のための1以上の他の薬剤および/または理学療法もしくは作業療法と組合せることができる。いくつかの実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、1以上の追加の薬剤または療法と併用してまたは連続して、患者に投与される。例えば、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、卒中に関連した障害に有効な他の薬剤の投与と同時にまたはその前後に、患者に投与され得る。そのような他の薬剤は、例えば、コリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジル、リバスティグミン、もしくはガランタミンのような)、または免疫賦活剤(例えば、インターフェロンのような)であり得る。特定の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩と、1または2以上の追加の薬剤との組合せは、固定された用量の組合せである。例えば、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩および1以上の追加の薬剤(上述したこれらの他の薬剤のいずれかのような)は、1つの組成物(例えば、ピル、タブレット、またはカプセルのような)において調合され得る。他の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、理学療法、作業療法、または言語療法等と併用して(例えば、同時に、またはその前後に)、卒中を患っている患者に対して投与される。いくつかの実施形態において、ブレイス、スタンディングフレームもしくは他の矯正装置(例えば、回転式歩行器のような)、またはコミュニケーション補助具(例えば、付属した音声合成装置を備えたコンピュータのような)を使用している患者に対して、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩が投与される。特定の実施形態において、上記アミノピリジン(またはその塩)および他の薬剤または療法は、同一の診察(doctor’s visit)において、互いの1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間もしくは12時間以内、または1日、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日以内に投与される。
種々の組合せが採用されてもよい;例えば、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩が「A」であり、且つ上記第2の療法(例えば、コリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジル、リバスティグミン、およびガランタミンのような)および免疫賦活剤(例えば、インターフェロンのような)等)が「B」であるとすると、限定されない組合せサイクルは、以下を包含している:A/B/A、B/A/B、B/B/A、A/A/B、A/B/B、B/A/A、A/B/B/B、B/A/B/B、B/B/B/A、B/B/A/B、A/A/B/B、A/B/A/B、A/B/B/A、B/B/A/A、B/A/B/A、B/A/A/B、A/A/A/B、B/A/A/A、A/B/A/A、A/A/B/A。
対象に対する本発明の組成物の投与は、本明細書中に記載した投与のための一般的なプロトコルに従うであろう。そして、特定の第2の療法のための投与の一般的なプロトコルもまた、もしある場合は、治療の毒性を考慮して、後に続くであろう。治療サイクルは、必要に応じて繰り返されることが期待される。また、種々の標準的な療法は、記載した療法との組合せにおいて適用されてもよいことが意図される。
いくつかの実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、作業療法または理学療法と併用して、患者に投与される。他の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、患者が卒中後の作業療法または理学療法を受けた後で、当該患者に対して投与される。他の実施形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩は、作業療法または理学療法を行うことなく患者に投与される。一実施形態において、本明細書中に記載した方法により治療された患者は、作業療法または理学療法を併用して受けない。さらに他の実施形態において、本明細書中に記載した方法により治療された患者は、卒中後の作業療法または理学療法を受けていない。ある実施形態において、本発明による治療(作業療法または理学療法の使用を伴うまたは作業療法または理学療法の使用を伴わない)は、作業療法または理学療法のみよりもより有効である。
(5.5 キット)
キットは、本発明の例示的な実施形態を包含している。当該キットは、1以上の内側のレセプタクル/コンテナ、器具および/または取扱説明書を受け入れるために構成された、外側のレセプタクルまたはコンテナを含み得る。本発明による器具は、上記薬剤を投与するためのアイテム(例えば、パッチ、吸入器具、流体コンテナキャップ、シリンジまたは注射針等)を含み得る。アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を含有している組成物は、本発明のレセプタクル内に含まれ得る。本発明のレセプタクルは、複数回投与に有用な、十分な量のアミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を含有し得るか、または単位用量または単回投与の形態であってもよい。ある実施形態において、キットは、タブレット、ピル、ブリスターパック、またはカプセルの形態において、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を含有している組成物を含んでいる。
本発明のキットは、通常、本発明による投与に関する取扱説明書を含んでいる。当該取扱説明書は、下記の1以上を治療することを包含している:運動失調、全身の制御障害、調整もしくはバランスの障害、身体の感覚における障害、持久力障害、手の機能における障害、繊細な手の調整の欠如もしくは障害、反射亢進、握力における障害、筋力低下、筋緊張の障害、動作範囲の障害、痙縮、力の障害/低下、震え、四肢の機能における障害、上肢の機能障害、下肢の機能障害、下肢の筋力における障害、歩行障害(例えば、歩行速度の低下)、構音障害、顎の機能における障害、咀嚼における障害、または顎関節における障害。本明細書中で説明または立証した投与の任意の態様は、上記取扱説明書のいくつかの部分を構成し得る。
一実施形態において、上記取扱説明書は、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩が、1日2回服用されるべきであることを指示している。一実施形態において、上記取扱説明書は、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩が、1日1回服用されるべきことを指示している。一実施形態において、上記取扱説明書は、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を含有している組成物が、卒中後の急性期の間に、1回以上服用されるべきであることを指示している。一実施形態において、上記取扱説明書は、上記組成物が、卒中後の初期の慢性期および/または安定的な慢性期の間に、1回以上服用されるべきであることを指示している。
上記取扱説明書は、本発明の任意のコンテナ/レセプタクルに添付されてもよい。一実施形態において、上記取扱説明書は、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩が、本発明による治療学的な範囲を達成するようにまたは本発明による治療学的な範囲を達成するために、服用されるべきであることを指示している。上記取扱説明書は、本発明の任意のコンテナ/レセプタクルに添付されてもよく、または本発明のコンテナもしくはレセプタクル内の独立した書面であってもよい。また、上記取扱説明書は、本発明のレセプタクルの構成材上に印刷されるか、当該構成材に型押しされるか、または当該構成材として形成され得る。また、上記取扱説明書は、本発明のキットのレセプタクルまたはコンテナ内に内封される構成要素上に印刷され得る。一実施形態において、キットは、外側のレセプタクル(例えば、箱)を有し、その中には、コンテナ(例えば、ビン)があり;そして取扱説明書は、上記外側のレセプタクルおよび/または上記ビン上または内部に備えられる。キットはまた、キットの構成要素を使用するための取扱説明書と、キットに含まれていない任意の他の薬剤の使用するための取扱説明書とを含み得る;これは、そのような薬剤が本発明のキットの態様であることを意図している。本発明に従って、キットは、上記で特定した特定のアイテムに限定されず、且つ求められた治療において直接的または間接的に使用される任意の薬剤を含んでいてもよい。
(5.6 追加の実施形態)
本発明の実施形態は、慢性期、または延長された、長期に及ぶ、長引くもしくは持続した期間にわたって、患者において、卒中に関連した感覚運動障害を効果的に治療する方法を含んでいる;これは、「永続的な」治療または「永続的な」治療方法ともいわれる;これは、「持続的な」治療または「持続的な」治療方法ともいわれる。本発明の他の実施形態は、患者における卒中に関連した感覚運動障害の改善を維持する方法を対象とし、アミノピリジンの連続投与または継続投与または事前投与の間に上記患者における卒中に関連した感覚運動障害の改善を予め達成した後に、上記患者に、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)の治療学的に有効な量を投与する工程を包含している。そのような方法のいずれかは、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)の治療学的に有効な量を、延長された、長期に及ぶ、長引く、持続したまたは慢性的な期間の間に、上記患者に投与する工程を包含している(本明細書中で使用される場合、文脈が明らかに他を示していない限りは、延長された、長期に及ぶ、長引く、持続したおよび慢性的は、同義である。)。ある実施形態において、上記延長された、長期に及ぶ、長引く、慢性的なまたは持続した期間は、少なくとも下記の期間であるか、または下記の期間よりも長い:8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間もしくは22週間;3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、もしくは18ヶ月;または1年、2年、3年、4年、5年、6年、もしくは5年を上回る。ある実施形態において、上記延長された、長期に及ぶ、長引く、慢性的なまたは持続した期間は、上記患者の生涯にわたる。これらの方法はまた、本発明による治療学的なレベル(例えば、Cminssもしくは平均Cminss)もしくは範囲(例えば、Cminssの範囲または平均Cminss値の参照範囲)にて、または本発明による治療学的なレベル(例えば、Cminssもしくは平均Cminss)もしくは範囲(例えば、Cminssの範囲または平均Cminss値の参照範囲)まで、アミノピリジンを投与する工程を包含し得る。
一実施形態において、ある量の薬剤が、個々の患者に与えられる(例えば、ドーズ量)。ここで、このドーズ量は、標準集団または参照集団に投与されたときに、少なくとも下記の平均Cminssまたは下記よりも多い平均Cminssが得られる投与量と一致している:6ng/ml、7ng/ml、8ng/ml、9ng/ml、10ng/ml、11ng/ml、12ng/ml、13ng/ml、14ng/ml、15ng/ml、16ng/ml、17ng/ml、18ng/ml、19ng/mlまたは20ng/ml。
ある実施形態において、4−アミノピリジンの上記治療学的に有効な量は、1日2回投与される徐放性組成物において、10ミリグラムである。投与の方法はまた、本発明による治療学的なレベル(例えば、Cminss)もしくは範囲(例えば、Cminssの範囲)にて、または本発明による治療学的なレベル(例えば、Cminss)もしくは範囲(例えば、Cminssの範囲)まで、4−アミノピリジンを投与する工程を包含し得る。
本発明の他の実施形態は、改善された感覚運動機能(例えば、全身の制御、調整、バランス、身体の感覚、持久力、手の機能、繊細な手の調整、握力、筋緊張、動作の範囲、強度、四肢の機能、上肢の機能、下肢の機能、下肢の筋力、歩行(例えば、歩行速度)、構音障害、顎の機能、咀嚼、または顎関節)を、これらの感覚運動の機能の内の1つの卒中に関連した障害を有している患者において維持する方法を対象とし、上記患者に、長期間にわたって、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)の治療学的に有効な量を投与する工程を包含している。ある実施形態において、上記延長された、長期に及ぶ、長引く、持続したまたは慢性的な期間は、少なくとも下記の期間であるか、または下記の期間より長い:8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間もしくは22週間;3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、もしくは18ヶ月;または1年、2年、3年、4年、5年、6年、もしくは5年を上回る。ある実施形態において、上記延長された、長期に及ぶ、長引く、慢性的なまたは持続した期間は、上記患者の生涯にわたる。この維持は、参照集団または標準集団と比較して本質的に改善率が一定であることにおいて、比較的一貫し得る。または、この維持は、参照集団または標準集団と比較して改善率が変動することにおいて、比較的多様であり得る;上記維持が比較的多様であるとき、参照集団または標準集団と比較して対象患者が悪化しているかもしれない期間を包含し得る。
本発明のさらなる実施形態は、任意の1以上の卒中の徴候もしくは症状(例えば、卒中によって誘発されるか、または卒中に関連した、任意の1以上の感覚運動障害のような)における持続的なまたは比較的持続的な改善を達成する方法を対象とし、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)の治療学的に有効な量を、長期間にわたって、上記患者に継続的に投与する工程を包含している。コントロールの量もしくは値または標準的な量もしくは値に関して、卒中後の患者における感覚運動機能の進行性の衰えが時にはあること、および増加または相対的増加が、卒中に関連した感覚運動の病状の固有の進行に付随する機能における衰えに関して、適切に考慮され得ることが理解される。ある実施形態において、上記持続的な改善は、延長された期間(例えば、少なくとも下記の期間または下記の期間より長い:8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間もしくは22週間;3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、もしくは18ヶ月;または1年、2年、3年、4年、5年、6年もしくは5年を上回る)の間起こる。ある実施形態において、上記延長された期間は、上記患者の生涯にわたる。ある実施形態において、4−アミノピリジンの上記治療学的に有効な量は、徐放性組成物において、10ミリグラムである。ある実施形態において、上記徐放性組成物は、1日2回投与され得る。ある実施形態において、上記徐放性組成物は、1日1回投与され得る。これらの方法はまた、本発明による治療学的なレベル(例えば、Cminss)もしくは範囲(例えば、Cminss範囲)にて、または、本発明による治療学的なレベル(例えば、Cminss)もしくは範囲(例えば、Cminss範囲)まで、アミノピリジンを投与する工程を包含し得る。この持続的な改善は、参照集団または標準集団と比較して改善率が漸進的に増加することにおいて、比較的増大し得る。またはこの改善は、参照グループよりも向上する傾向があるように、参照集団または標準集団と比較して改善率が変動することにおいて、比較的多様であり得る;上記改善が比較的多様であるとき、参照集団または標準集団と比較して対象患者が悪化しているかもしれない期間を包含し得る。
ある実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)の上記治療学的に有効な量は、一定のパターン(例えば、一日の特定の時間に、ミリグラム量または特定のミリグラム量、例えば、朝により高い用量であり且つ晩により低い用量であってもよく、逆もまた同様である。)にて、且つ一定のスケジュール(例えば、1日2回)で投与されるアミノピリジンの治療学的に有効な量を含んでいる、安定な、一定の、一貫した、不変の、揺らぐことのない、または変更のない投与計画である。ここで、上記安定な、一定の、一貫した、不変の、または揺らぐことのない投与計画の間に、ドーズ量もしくはスケジュールの変化は起こらない。本明細書中で使用される場合、用語「安定な」または「一定の」または「一貫した」または「不変の」または「揺らぐことのない」または「変更のない」は、文脈が明らかに他を示していない限りは、同義である。例えば、時々の患者の服薬不履行、または、そうでなければ、安定な、一定の、一貫した、不変の、揺らぐことのない、もしくは変更のない治療の過程からの逸脱は、上記の治療の定義の範囲内であることが理解されるべきである。ある実施形態において、アミノピリジンの用量(例えば、ミリグラム量)のタイトレーション(増加させるかまたは減少させるか)は、安定的な投与計画の全体にわたって行われない。
本発明の実施形態はまた、患者における卒中に関連した感覚運動障害を治療または軽減する方法を対象とし、少なくとも、5ng/ml〜20ng/ml、10ng/ml〜20ng/ml、または12ng/ml〜20ng/mlの範囲において定常状態における最小濃度(Cminss)が得られるように、または20ng/mlの範囲においてCminssが得られるように、上記患者にある量またはある範囲の4−アミノピリジンを投与する工程を包含している。本発明の実施形態はまた、患者における卒中に関連した感覚運動障害を治療または軽減する方法を対象とし、少なくとも、7ng/ml〜20ng/ml、または12ng/ml〜20ng/mlの範囲において定常状態における平均最小濃度(平均Cminss)が得られるように、または20ng/mlの範囲において平均Cminssが得られるように、上記患者にある量またはある範囲の4−アミノピリジンを投与する工程を包含している。ある実施形態において、20ng/mlの範囲におけるCminssは、約20ng/mlのCminssを達成する。他の実施形態において、約20ng/mlのCminssが得られる;ある実施形態において、20ng/mlの範囲におけるCminssは、11ng/ml、12ng/ml、13ng/ml、14ng/ml、15ng/ml、16ng/ml、17ng/ml、18ng/ml、19ng/mlもしくは20ng/mlの下限値、および20ng/ml、21ng/ml、22ng/ml、23ng/ml、24ng/ml、25ng/ml、26ng/ml、もしくは27ng/mlの上限値を含んでいる。ある実施形態において、少なくとも12ng/ml〜15ng/mlの範囲におけるCminssが得られる。ある実施形態において、少なくとも13ng/ml〜15ng/mlの範囲におけるCminssが得られる。ある実施形態において、少なくとも15ng/ml〜25ng/mlの範囲におけるCminssが得られる。ある実施形態において、少なくとも下記のCminssまたは下記よりも多いCminssが得られる:11ng/ml、12ng/ml、13ng/ml、14ng/ml、15ng/ml、16ng/ml、17ng/ml、18ng/ml、19ng/ml、20ng/ml、21ng/ml、22ng/ml、23ng/ml、24ng/ml、または25ng/ml。他の実施形態において、約20ng/mlの平均Cminssが得られる;ある実施形態において、20ng/mlの範囲における平均Cminssは、11ng/ml、12ng/ml、13ng/ml、14ng/ml、15ng/ml、16ng/ml、17ng/ml、18ng/ml、19ng/ml、または20ng/mlの平均下限値、および20ng/ml、21ng/ml、22ng/ml、23ng/ml、24ng/ml、25ng/ml、26ng/ml、または27ng/mlの平均上限値を含んでいる。ある実施形態において、少なくとも12ng/ml〜15ng/mlの範囲における平均Cminssが得られる。ある実施形態において、少なくとも13ng/ml〜15ng/mlの範囲における平均Cminssが得られる。ある実施形態において、少なくとも15ng/ml〜25ng/mlの範囲における平均Cminssが得られる。ある実施形態において、少なくとも下記の平均Cminssまたは下記よりも多い平均Cminssが得られる:11ng/ml、12ng/ml、13ng/ml、14ng/ml、15ng/ml、16ng/ml、17ng/ml、18ng/ml、19ng/ml、20ng/ml、21ng/ml、22ng/ml、23ng/ml、24ng/ml、または25ng/ml。
また、本発明による方法(例えば、卒中に関連した感覚運動障害を治療する方法、または患者における卒中に関連した感覚運動障害の症状を改善する方法、または卒中に関連した感覚運動障害を有している患者において、アミノピリジンの治療学的に有効なレベルを得る方法)は、5〜12ng/mlの範囲においてCminssが得られるか;10〜20ng/mlの範囲においてCminssが得られるか;15〜25ng/mlの範囲においてCminssが得られるか;15〜30ng/mlの範囲においてCminssが得られるか;17〜23ng/mlの範囲においてCminssが得られるか;18〜22ng/mlの範囲においてCminssが得られるか;または19〜21ng/mlの範囲においてCminssが得られるように、上記患者に、アミノピリジン(例えば、4−アミノピリジン)を投与する工程を包含している。特定の実施形態において、上記Cminssは、下限値が、5ng/ml、6ng/ml、7ng/ml、8ng/ml、9ng/ml、10ng/ml、11ng/ml、12ng/ml、13ng/ml、14ng/ml、15ng/ml、16ng/ml、17ng/ml、18ng/ml、19ng/ml、または20ng/mlの群から選択され、且つ上限値が、20ng/ml、21ng/ml、22ng/ml、23ng/ml、24ng/ml、25ng/ml、26ng/mlまたは27ng/mlの群から選択される範囲にある。これは、任意の特定の組合せが意図されることを示していることが理解される(例えば、限定されない、16〜23ng/ml、12〜24ng/ml、13〜27ng/ml等の範囲)。
ある実施形態において、アミノピリジン(例えば、4−AP)の上記治療学的に有効な量が、延長された期間の間に、Cminssもしくは平均Cminss(またはこれらのそれぞれの範囲)を得るために投与される。当該延長された期間は、少なくとも下記の期間であるか、または下記の期間よりも長い:8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間もしくは22週間;3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、もしくは18ヶ月;または1年、2年、3年、4年、5年、6年、もしくは5年を上回る。ある実施形態において、上記延長された期間は、患者の生涯にわたる。
本発明のさらなる実施形態は、卒中に関連した感覚運動障害またはその症状を治療する方法であり、約13ng/ml〜約15ng/mlの平均血漿濃度が得られ、且つ平均最大血漿濃度が約15ng/ml以下となるように、4−アミノピリジンの治療学的に有効な量を、上記患者に投与する工程を包含している。
ある実施形態において、卒中に関連した感覚運動障害またはその症状を治療する方法が本明細書中に記載され、約15ng/ml〜約27ng/mlの定常状態における平均血漿濃度(Cavss)が得られるように、4−アミノピリジンの治療学的に有効な量を、上記患者に投与する工程を包含している。いくつかの実施形態において、卒中に関連した感覚運動障害またはその症状を治療する方法が本明細書中に記載され、約20ng/ml〜約40ng/mlの定常状態における平均血漿濃度(Cavss)が得られるように、4−アミノピリジンの治療学的に有効な量を、上記患者に投与する工程を包含している。一実施形態において、卒中に関連した感覚運動障害またはその症状を治療する方法が本明細書中に記載され、約10ng/ml〜約20ng/mlの定常状態における平均血漿濃度(Cavss)が得られるように、4−アミノピリジンの治療学的に有効な量を、上記患者に投与する工程を包含している。他の実施形態において、卒中に関連した感覚運動障害またはその症状を治療する方法が本明細書中に記載され、約5ng/ml〜約15ng/mlの定常状態における平均血漿濃度(Cavss)が得られるように、4−アミノピリジンの治療学的に有効な量を、上記患者に投与する工程を包含している。
本発明の方法のある実施形態において、患者は識別され、且つ本明細書中に記載した上記方法に従って治療される。当該患者は、卒中に関連した感覚運動障害を有しているか、または有していることが疑われ、且つ多発性硬化症を有していないか、または有していることが疑われない。
ある実施形態において、卒中に関連した感覚運動障害における上記改善は、少なくとも下記の割合であり得るか、または下記の割合を上回り得る:およそ、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも下記の割合であり得るか、または下記の割合を上回り得る:およそ、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%または30%。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも約20%であり得る。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも約25%であり得る。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも下記の割合であり得るか、または下記の割合を上回り得る:およそ、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%または40%。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも約40%であり得る。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも約45%であり得る。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも下記の割合であり得るか、または下記の割合を上回り得る:およそ、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%または50%。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも約50%であり得る。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも約55%であり得るか、またはこれを上回り得る。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも約60%であり得る。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも約65%であり得るか、またはこれを上回り得る。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも約70%であり得るか、またはこれを上回り得る。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも約75%であり得るか、またはこれを上回り得る。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも約80%であり得るか、またはこれを上回り得る。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも約85%であり得るか、またはこれを上回り得る。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも約90%であり得るか、またはこれを上回り得る。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも約95%であり得るか、またはこれを上回り得る。ある実施形態において、上記改善は、少なくとも約100%であり得る。特定の実施形態において、上記改善は、約100%を上回り得る。ある実施形態において、上記改善は、約150%を上回り得る。ある実施形態において、上記改善は、約200%を上回り得る。ある実施形態において、上記改善は、約250%を上回り得る。ある実施形態において、上記改善は、約300%を上回り得る。ある実施形態において、上記改善は、4〜100%、4〜20%、5〜20%、6〜20%、7〜20%、8〜20%、9〜20%、10〜20%、10〜30%、10〜60%、20〜30%、20〜40%、20〜50%、20〜60%、20〜100%、30〜100%、50〜100%、30〜150%、50〜150%、100〜150%、100〜200%、50〜250%、100〜250%または100〜300%であり得る。そのような変化率の定量化は、感覚運動機能のアッセイに好ましく適用され、連続的なリニアスケール(例えば、T25FW等)における結果の測定を提供する。
本発明の実施形態はまた、患者における卒中に関連した感覚運動障害を、単調に改善する方法を対象とし、延長された期間にわたって、上記患者にアミノピリジン(例えば、4−AP)の治療学的に有効な量を投与する工程を包含している。ある実施形態において、当該延長された期間は、少なくとも下記の期間である:8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間もしくは22週間;3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、もしくは18ヶ月;または1年、2年、3年、4年、5年、6年、もしくは5年間を上回る。ある実施形態において、上記延長された期間は、上記患者の生涯にわたる。本明細書中で使用される場合、パラメーターにおける単調増加は、ベースライン(すなわち、アミノピリジンを用いた治療の前)から少しも減少することない、一貫した増加である。
生活の質または日常生活動作として知られる種々のパラメーターが、当該分野において知られている。これらのパラメーターは、本発明による治療の期間後に、卒中を患っている患者における状態(例えば、感覚運動機能)の改善を評価するために測定され得る。これらは、例えば、下記の日常生活における障害の影響を包含している:
・自宅における部屋間をナビゲートする
・浴室に行く
・シャワーを浴びる
・子供の世話をする
・通りを安全に横断する
・雇用されたままである
・日用品の買い物をする
・食事を作る
・階段を上る
・運動する
・社会活動に参加する。
いくつかの実施形態において、本発明による方法は、対象が、以前にやり遂げることができなかった上述の活動のいずれかを達成することを可能にする。特定の実施形態において、本発明による方法は、対象が、以前にやり遂げる能力が制限されていた上述の活動のいずれかを達成することを可能にする。
ある実施形態において、本発明による方法は、卒中に関連した感覚運動障害の症状、パラメーター、特性、数値、所見または徴候の改善を、(そのような症状、パラメーター、特性、数値、所見または徴候の改善が予め達成された後に)維持することを可能にする。ここでは、そのような症状、パラメーター、特性、数値、所見または徴候が、上記患者に、アミノピリジンの治療学的に有効な量を投与することによって、アミノピリジンによって、予め効果的に処置されている。有効性の前期は、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間または18週間;3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月または13ヶ月;1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年以上であり得る。
〔6. 実施例〕
(6.1 実施例1:げっ歯類卒中モデル)
雄のラット(約300〜400g、Sprague-Dawley)は、脳の虚血性の損傷を誘発するために外科手術を受ける。動物は、4−AP(0.1mg/kg、0.3mg/kgおよび1mg/kg)を、単回投与または2週間にわたって毎日投与するために、経口投与され、投与は、虚血性の損傷後1日、10日および4週間にて、開始する。神経学的行動は、投与後(単回治療の場合)または最終投与後(複数回治療の場合)の4時間[Cmax(〜3時間)後の1時間に相当]に、前肢プレーシングのテスト、後肢プレーシングのテスト、ボディスイングのテスト、シリンダーテストおよびアクティビティボックスのテストを実行することによって評価される。神経機能はまた、退薬の期間後にも評価される。さらに、HPLC−MS/MS法を用いて4−APの血漿濃度を立証するために、少量の血液試料(100μL)が、ビヒクルまたは4−AP投与後の複数回のタイムポイントにおいて、外側尾静脈から採取される。この血液採取により、動物が神経の改善を評価される前後の血漿の曝露量を決定することが可能となる。
実験の終わりに、動物は、ペントバルビタールを用いて十分に麻酔され、そして、脳梗塞体積の測定のために、PBSおよびパラホルムアルデヒドを用いて経心腔的にかん流される。そして、神経損傷の程度は、H&E染色およびルクソールファストブルー染色を用いて、それぞれ評価される。
表1は、治療グループおよび評価項目の概要を示す。
Figure 2018127497
研究の終了後に、脳梗塞後の神経機能は、神経機能の改善、相対的な梗塞減少、相対的な髄鞘形成および/または軸索の生存に関して分析される(表1に記載したとおり)。
(6.2 実施例2:4−APの経口投与の効果:ラットにおけるMCA閉塞(MCAO)後の機能回復。盲検の、ビヒクルコントロールされたダブルクロスオーバー研究)
4−APは、虚血発生から経過した時点において、安定な運動欠損を有しているラットにおける虚血性卒中の後の機能的な感覚運動の改善を促進する能力が評価された。当該動物モデルは、ヒトの虚血性卒中における状態を模倣しており、中大脳動脈閉塞(MCAO)によって作り出される。当該中大脳動脈閉塞は、皮質の脊髄路(白質)を含む、大脳皮質および線条体における広範囲に及ぶ梗塞をもたらす。
具体的には、下記に提示した実験において使用されたSprague DawleyラットにおけるMCAOモデルは、ヒトの虚血性卒中における状態を模倣する。このモデルにおいて、局所性の脳梗塞は、Tamura et al.(No To Shinkei 1986; 38:747-51)の改変法を用いて、近位右側中大脳動脈(MCA)の永続的な閉塞によって作り出した。簡単には、側頭筋を両断し、且つ目と外耳道との間の中間に設けた切断を介して反転した。近位MCAは、頬骨弓を除去せず且つ顔面神経を切断しない側頭下頭蓋骨切除術を介して露出させられた。上記動脈は、その後、マイクロバイポーラ凝固によって、嗅索の直近位から下大脳静脈までが閉塞され、且つ切断された。
この実施例に記載したMCAOモデルは、多くの点で、ヒトの卒中後の神経の回復の典型的なパターンに匹敵する回復パターンをもたらす。特定の触覚、固有受容および感覚のテスト(前肢および後肢プレーシング並びにボディスイングの対称性)を用いて測定されるような感覚運動の機能は、MCAO後に、外科手術後1日目に、直ちに且つ完全に失われる。最初の数週間にわたる比較的急速な部分的な回復期間が後に続く。記載したMCAOモデルにおいて、上記回復は、MCAO後の4週間までに停滞期が開始する。この時点で、感覚運動機能における測定可能な欠失がまだ存在している。卒中後の最初の数ヶ月間にわたって、類似した、しかし、よりゆっくりとした回復パターンが、ヒトにおいて起こる(Cramer, Ann Neurol 2008; 63:272-87を参照のこと。)。
(実験設計)
実験においては、Sprague Dawleyラットを麻酔し、外科手術により中大脳動脈閉塞(MCAO)にし、4−アミノピリジン有りおよび無しで治療し、後述のようにして行動を評価した。卒中の4週間後に治療を開始した。
動物:45匹の雄のSprague Dawleyラット、300〜400g(Charles River Laboratoriesから入手し、外科手術の7〜10日前に250〜275gで到着した。)を用いた。動物は、ランダムに治療グループに割り当てられた。
命名法:研究の日数の命名法は以下の通りである:0日目とは、MCAOの日であり、それに続く各日数は、連続的に番号付けされる(1日目、2日目、3日目など);−1日目とは、MCAOの前日を表す。
グループ分けの詳細:(後述のように)3つの治療グループを解体して、(後述のスケジュールに記載したような)8つのワーキンググループにすることを必要とするこの研究におけるいくつかの手順のために、時間が必要であった。1日につき6匹の動物が、卒中の手術を受けた。もし本研究の8日間の外科手術期間中に動物が死んだ場合は、予備と置き換えた。死ななかった場合は、動物は置き換えなかった。ほとんどの動物の死(全部で5%未満)は、外科手術直後〜7日間の期間に起きた。
麻酔:NO:O(2:1)中、1〜3%のイソフルラン。NO:O(2:1)中、2〜3%のイソフルランで導入室にて麻酔を導入し、顔面マスクによって1〜1.5%のイソフルランで維持した。後肢をつまんでも引っ込めないこと、および、まばたき反射がないことによって、麻酔の十分な深さを評価した。一旦麻酔をすると、動物にセファゾリンナトリウム(40mg/kg,i.p.)とブプレノルフィン(0.1mg/kg,s.c.)とを投与した。セファゾリンは、この手順に対する予防的な抗生物質として使用した(なぜなら、セファゾリンは、感染速度を確実に、無視できる程度にできるからである)。目には、動物用の眼軟膏であるLacrilubeが適用された。
手術手順:中大脳動脈閉塞(MCAO)によって、脳(大脳皮質)の表面の右側に小さな局所的な卒中(梗塞)を形成した。電気バリカンで頭の右側を剃った(目と耳の間の約3×5cmの区域)。その領域をセプチゾル(septisol)で注意深く清掃した。無菌技術を用いて、目と鼓膜管との間の中間にて切開した。側頭筋を分離し、二等分し、反転させた。ドリルと骨鉗子にて骨の小さな窓を切除し(側頭骨切除開頭術)、中大脳動脈(MCA)を露出させた。外科手術後の動物の噛む能力を損なう、頬骨弓を切除しないように、または顔面神経を横に切開しないように注意した。解剖顕微鏡を用いて、硬膜を切開し、マイクロバイポーラ電気焼灼を用いて、嗅索の直近位から下大脳静脈まで、(この静脈を破裂させないように注意しながら)MCAを電気凝固した。次いで、MCAを横に切断した。次いで、側頭筋を正常位置に戻し、縫合糸を用いて皮下で切開を閉じた。皮膚の切開は外科用の留め金で閉じた(2〜3個要した)。手順の間ずっと、直腸温度計に接続された自己制御加熱パッドを用いて、体温を37.0℃±1℃に保った。
手術後のモニタリング:外科手術に続いて、麻酔から覚めるまで、動物を加熱パッド上に置いておいた。その後、動物を清潔なケージに戻した。MCAO手術の日(0日目)には頻繁に動物を観察し、また、その後、少なくとも1日1回観察した。
取扱い、手術および注射のタイムテーブル:深刻な攻撃性を示さないか、またはケージ内の他の動物が死亡しない限り、外科手術の前後において、1ケージあたり2〜3匹の動物を収容した。動物を、外科手術の前に7日間取り扱かった。外科手術の直前に、セファゾリンナトリウムi.p.(40mg/kg)を投与した。外科手術の直前に、ブプレノルフィンs.c.(0.1mg/kg)を投与した。
投与および治療:表2A、表2B、表3および図2に示す投与スケジュールに沿ってラットを治療し、各フェーズの期間は2週間であった。この実験においては、4−AP溶液を用いた。虚血性事象の4週間後に投与を開始した。4−アミノピリジンを注射用蒸留水(WFI、Cellgro)に溶解させ、無菌濾過した。最終濃度0.315mg/mLまたは1.0mg/mLの4−アミノピリジンを、胃管栄養法により2mL/kgで送り込み、その結果、最終投与量はそれぞれ0.63mg/kgおよび2mg/kgとなった。ビヒクルコントロール治療(Vehicle control treatment)は、胃管栄養法により2mL/kgで送り込まれたWFIであった。この研究を3つの治療フェーズ(1〜3)に分け、ランダム化した動物の各コホートは、各治療フェーズ中に、異なる用量を受けた。MCAOの30日後に開始し(30日目、フェーズ1の開始)、動物は、胃管栄養法で、断続的に約12時間、溶液(2mL/kg)の投与を受け、全部で5回の投与を受けた。この研究のフェーズ2およびフェーズ3では、それぞれ44日目と58日目に、異なる治療にて同じスケジュールを繰り返した。フェーズとフェーズとの間の10日間(ウォッシュアウト期間)には、動物を治療しなかった。
Figure 2018127497
治療グループ:MCAO手術の4週間後に投与を開始した。この4週間に、後述のようにして、週に一度の行動評価を実施した。虚血性事象の4週間後に治療を開始して、4−APの2つの用量レベル、およびビヒクルコントロールを評価した。すべての投与は胃管栄養法で行い、体積は2mL/kgを超えないようにした。動物は1回目の投与を受け、投与の60分後に行動評価が開始された。その後、動物は、その日の適切な時刻に2回目の投与を受け、その後さらに2日間、(好ましくは12時間ごとに)b.i.d.で投与を受けた(投与は全部で3日間で、全部で5回の投与)。5回目の投与の1時間後に、後述のようにして動物の行動を評価した。最後の行動評価の後に、10日間または11日間、薬の投与をやめ、行動評価を再度行い、その後、表2A、表2Bおよび表3に記載のように、動物にクロスオーバー治療(表2Bのフェーズ2)を再挑戦させ、その後、同じ行動試験および投与計画を行った。同様にして、クロスオーバー治療(表2Bのフェーズ3)をもう1回繰り返した(図2参照)。
行動試験の詳細:行動評価は、治療割り当てを知らされていない評価者によって行われた。感覚運動機能の盲検評価は、四肢プレーシング(limb placing)およびボディスイング行動試験を用いて、MCAO手術の直前、MCAO外科手術の24時間後、およびその後、投与の第1フェーズまで週に一回行った。前述の通り、行動評価の時刻は、投与時期にて正確に決められた。各フェーズの1回目および5回目の投与の1時間後に、動物を試験した(すなわち、第1フェーズの30日目および32日目、第2フェーズの44日目および46日目、並びに第3フェーズの58日目および60日目);42日目および56日目のウォッシュアウト期間中にも動物を試験した。動物に1回目の投与を行い、投与の60分後に行動評価を開始し、投与の90分後に血液を集めた。その後、動物は、その日の適切な時刻に2回目の投与を受け、その後さらに2日間、(好ましくは12時間ごとに)b.i.d.で投与を受けた(投与は全部で3日間で、全部で5回の投与)。5回目の投与の1時間後に、動物の行動を試験した。最後の行動評価の後に、10日間または11日間、薬の投与をやめ、行動評価を再度行い、その後、表2A、表2B、表3および図2に記載のように、動物にクロスオーバー治療を再挑戦させ、その後、同じ行動試験および投与計画を行った。
四肢プレーシング:−1日目(処置前)、1日目、7日目、14日目、21日目、28日目、30日目、32日目、42日目、44日目、46日目、56日目、58日目、60日目に評価した。四肢プレーシングテストは、前肢テストと後肢テストに分けられた。前肢テストとして、試験員は、テーブルトップの近くにラットを保持し、ひげ、視覚、触覚、または固有受容の刺激に応じてテーブルトップ上に前肢を置くラットの能力をスコア付けした。同様に、後肢テストとして、試験員は、テーブルトップの近くにラットを保持し、触覚または固有受容の刺激に応じてテーブルトップ上に後肢を置くラットの能力を評価した。一緒に、これらのテストは、感覚運動系の機能と回復を反映する(De Ryck et al., Brain Res 1992; 573:44-60)。個々のサブスコアは、感覚入力の各モードに関して得られ、加算されてトータルスコアが得られた(前肢プレーシングテストに関して:0=正常、12=最大の障害;後肢プレーシングテストに関して:0=正常、6=最大の障害)。スコアは半ポイントずつ増加する(以下を参照)。典型的には、卒中後の最初の1ヶ月の間に、四肢プレーシング行動の緩慢且つ確実な回復が見られる:
前肢プレーシングテスト(0〜12):
ひげによるプレーシング(0〜2);
視覚によるプレーシング(前方(0〜2)、側方(0〜2))
触覚によるプレーシング(背面(0〜2)、側面(0〜2))
固有受容によるプレーシング(0〜2)、
前肢プレーシングテスト(0〜6):
ひげによるプレーシング(0〜2)
触覚によるプレーシング(背面(0〜2)、側面(0〜2))
固有受容によるプレーシング(0〜2)、
各サブテストに関して、動物は以下のようにスコア付けされる:
0.0=即時に反応
0.5=2秒以内に反応
1.0=2〜3秒で反応
1.5=3秒を過ぎてから反応
2.0=無反応。
ボディスイング:−1日目(処置前)、1日目、7日目、14日目、21日目、28日目、30日目、32日目、42日目、44日目、46日目、56日目、58日目、60日目に評価した。ボディスイングは、尻尾で吊り下げられたときの片側または他の側への頭の動きをカウントすることによって評価された。このテストのために、ラットを、尻尾の根元から約1インチのところで保持した。その後、ラットを、テーブルの表面の上方1インチのところまで持ち上げた。ラットは、左右どちらの側にもわずか10°として規定された垂直軸上で保持された。ラットが垂直軸からどちらかの側へ頭を動かしたときにはいつもスイングを記録した。別のスイングを試みる前に、ラットは、カウントされるべき次のスイングのために、垂直位置に戻らねばならなかった。全部で30回のスイングがカウントされた。このテストは、線条体機能の対称性を反映し(Borlongan et al., J. Neurosci 1995; 15:5372-8)、正常なラットは、典型的には、どちらの側にも同じ回数だけスイングする。局所的な虚血の後には、ラットは、対側性の側(この場合は左側)にスイングする傾向がある。全部のスイングのうちで右に向かうスイングの割合としてボディスイングスコアを表現した。卒中後の最初の1ヶ月の間に、ボディスイングスコアは自発的かつ部分的に回復する(50%近く)。ボディスイングテストは、四肢プレーシングテストと同じ時期に行った。
シリンダーテスト:−1日目(処置前)、7日目、21日目、30日目、32日目、44日目、46日目、58日目、60日目に評価した。このテストは、四肢使用の非対称性を評価した。ラットを透明なシリンダー(直径20cm、高さ30cm)に3〜6分間置いた。シリンダーの前に鏡を置いて、動物がカメラと反対の向きを向いたときの前肢の動きを決定した。動物が示した、四肢使用の非対称性の程度は、十分に後ろを向いている間に(during a full rear)、右または左の前肢が壁に接触した回数をカウントすることによって決定された。十分に後ろを向いている間に壁に接触しているときに、左右両方の前肢の同時使用もスコア化された。テスト中に、全部で20回の前肢プレーシングがカウントされた。データは、壁の動きに対する四肢使用観察の総数に対する、障害のないおよび/または障害のある前肢の使用割合で表現された。
血液のサンプリング:薬剤を使用している場合の行動評価(30日目、32日目、44日目、46日目、58日目、60日目)が終了してから、投与のちょうど90分後に、約300マイクロリットルの血液サンプルを採取し、そのときの4−AP血漿レベルを評価した。各動物の伏在静脈から血液を集めた。血液は、K3 EDTA管に集められ、4℃で10分間、10,000rpmで遠心分離された。血漿を得て、凍らせ、約−80℃で保存した。サンプルの4−APレベルを分析した。陽性電気スプレーモードにおいてタンデム質量分光検出方法を用いた、有効な液体クロマトグラフィーを用いて、4−APの濃度を決定した。
安楽死および死後処理:梗塞体積の分析。最後の行動評価の後に、ケタミン/キシラジン(100mg/kgケタミン、10mg/kgキシラジン、i.p.)でラットを深く麻酔し、正常生理食塩水(およびヘパリン2単位/ml)で、その後、63日目に4%パラホルムアルデヒドまたはホルマリンによって、経心腔的にかん流させた。脳を採取し、組織学的評価のために処理した。梗塞体積測定のために、1グループあたり10個の脳のサブセットを処理した(H&E染色)。
梗塞測定:脳をパラフィンの中にはめ込み、マイクロトームを用いて5ミクロンの厚さの冠状断面を切った。標準的な方法を用いて、ヘマトキリシンおよびエオシン(H&E)でその部位を染色した。デジタルカメラによって、各脳からの7つの冠状断面(それぞれブレグマと比較して、+4.7,+2.7,+0.7,−1.3,−3.3,−5.3および−7.3)の写真を撮り、脳浮腫分を補正するために、「間接法」(無傷の反対側(左)の脳半球の面積 − 同側(右)の脳半球の無傷の領域の面積)を用いて、NIHイメージ(Image J)によって各スライスの梗塞の面積を決定した。その後、スライス間で梗塞の面積を足し合わせ、スライスの厚さ(部位間の距離)を乗算し、全梗塞体積を得た。全梗塞体積は、無傷の反対側の脳半球の体積の割合として表現された。
法規制の順守:この研究は、非GLP環境で、AAALAC認定設備にて、標準的な良好な科学的原理および実務に沿って行われた。
品質保証(QA):本研究の進行の間に、収集されたデータは、データセットの収集に関与していない研究所内の別の科学者によって検証された。この検証は、生データ内に記録され、この研究に関するデータパッケージを用いて維持された。本研究の終了時には、最終報告に備えて、全部のデータパッケージ(すべての生データ、測定値、ノート、計算)が検証されてチェックされた。
(統計的方法)
統計的方法:各フェーズにおいて、各治療グループについて、ベースラインの行動の数値からの変化を計算した。ベースラインは、投与フェーズ(フェーズ1、2、3に関して、それぞれ28日目、42日目、56日目)を開始する前の、動物が何も治療を受けていないときに測定した行動の数値として規定されている。各全体の投与フェーズに対する平均行動パラメーターデータを分散分析(Analysis of Variance)(ANOVA)にかけた。データはまた、平均方法からの最小二乗における差を用いた各治療ペア間のSASペアワイズ比較を用いて、共変量として、実験の用量、順序、キャリーオーバー効果およびフェーズを調査する混合モデル分析にも供した。p<0.005の値を、統計的に有意であるとみなした。
各フェーズにおいて、ベースラインは、そのフェーズの最初の日(28日目、42日目、56日目)の測定値として規定された。ベースラインからの変化は、ベースラインに対する、他の日の測定値からの差として取った。各対象に関するベースラインからの平均変化は、各フェーズ(例えばフェーズ1の30日目と32日目)内のベースライン値からの2つの変化を合計して2で割ることによって計算された。
記述統計学(平均と標準偏差)は、異なる行動評価項目に関するエクセルシートに表された。ベースラインからの変化は、フェーズ内のどの日に測定されたかに関係なく、治療グループ(N=15)ごとに、異なるフェーズで計算された。フェーズ内で、異なる治療の下での平均値を比較するために、唯一の共変量として、治療に関する一元配置ANOVAが用いられた。帰無仮説は、異なる治療の下で平均値が全部同じであるということであった。p値<0.01(ボディスイングに関して)およびp値<0.0001(前肢および後肢に関して)を用いて、統計学的な有意性が強く示された。帰無仮説は、99%の信頼性レベルで拒絶され、それゆえ、3つの投与レベルが、研究された筋肉機能について有意に異なる治療効果を示すと結論づけられた。
この結果について他の効果をさらに調査するために、2セットの混合モデルを用いた。混合モデルの第1セットでは、結果変数は、フェーズ内の2つのポストベースライン測定値からの平均変化であった。母数効果は、以下の共変量を含んだ:「用量(dose)」、「順序(seq)」、「キャリーオーバー効果(co)」および「フェーズ(phase)」。「用量」は、3つの治療をいい、「順序」は、各グループ(すなわち、「高用量−低用量−ビヒクル」)に割り当てられた治療の順序をいい、「キャリーオーバー効果」は、前のフェーズからの用量として規定されたキャリーオーバー効果であり、フェーズ1に対するキャリーオーバー効果は、0に設定された。唯一の変量効果であるidがあり、これは、順序においてネスト化された対象のidであった。混合モデルの第2セットでは、結果の変数は、結果変数は、フェーズ内のベースラインからの(2つのポストベースライン測定値からの平均をとらない)生の変化(raw change)であった。母数効果としての日(day)が、上記モデルに追加され、それによって、母数効果は、以下の共変量を含んだ:「用量」、「順序」、「キャリーオーバー効果」、「フェーズ」および「日」。「日」は、測定が行われた日であり、これは、フェーズ内でネスト化された。母数効果の残りは、以前の混合モデルのものと同じである。唯一の変量効果であるidがあり、これは、順序においてネスト化された対象のidであった。両方の混合モデルにおいて、提示されたSASからの結果のうち、2つの部分があった。第1の部分は、「母数効果のタイプ3テスト」である。統計学的に有意なp値(≦0.05)を用いて、この効果が、結果を有意に予測していると結論づけることができた。第2の部分は、「最小二乗平均の差」であり、ここでは、各治療ペア間で、ペアワイズ比較(すなわち「高用量」対「低用量」)が行われた。0.05以下のp値は、異なる治療の下での結果の差において、統計学的な有意性を主張している。
前肢機能について、第1のモデルは、フェーズ、用量およびキャリーオーバー効果は有意な効果であるが、順序は有意な効果ではないことを示した。高用量は、低用量(p=0.0334)およびビヒクル(p=0.001)と比較して、前肢機能を有意に改善した;一方、低用量は、レベル0.05において、ビヒクルと比べて統計学的に有意な改善を示さなかった。第2の混合モデルにおいて、日は、もう一つの有意な効果として示され、3つのすべての治療が、p<0.0001にて、互いに有意な差として示された(すなわち、「高用量」対「低用量」、「高用量」対「ビヒクル」および「低用量」対「ビヒクル」)。全体的にみて、前肢機能について、両方のモデルとも、フェーズ、用量およびキャリーオーバー効果は有意な効果であるが、順序は有意な効果でないことを示した。両方のモデルとも、高用量は、低用量およびビヒクルと比べて、前肢機能を有意に改善することを示した。第2の混合モデルは、より高感度であり、より小さいp値に基づく治療効果を検出できるように思われた。
同じ分析手法を、前肢、後肢およびボディスイングを含む各結果測定に適用した。
後肢機能について、第1のモデルは、フェーズおよび用量は有意な効果であるが、順序およびキャリーオーバー効果は有意な効果でないことを示した。高用量は、ビヒクルと比べて、後肢機能を有意に改善し(p<0.0001)、低用量は、ビヒクルと比べて、同様に後肢機能を有意に改善した(p=0.0027)。一方、高用量は、レベル0.05において、低用量と比べて統計学的な有意性を示さなかった。第2の混合モデルにおいて、順序以外の全ての効果は、有意な効果を示し、3つのすべての治療が、p<0.0001で、互いに有意な差として示された(すなわち、「高用量」対「低用量」、「高用量」対「ビヒクル」および「低用量」対「ビヒクル」)。全体的にみて、後肢機能について、両方のモデルとも、フェーズおよび用量は有意な効果であることを示した。両方のモデルはまた、高用量および低用量が、ビヒクルと比べて、後肢機能を有意に改善することを示した。第2の混合モデルは、より高感度であり、より小さいp値に基づく治療効果を検出できるように思われた。
ボディスイング機能については、第1のモデルは、用量のみが有意な効果であることを示した。高用量は、ビヒクルと比べて、ボディスイング機能を有意に改善し(p=0.0131)、低用量は、ビヒクルと比べて、同様にボディスイング機能を有意に改善し(p=0.033)た。一方、高用量は、レベル0.05において、低用量と比べて統計学的な有意性を示さなかった。第2の混合モデルにおいて、フェーズは、もう一つの有意な効果として示された。高用量は、低用量(p=0.006)およびビヒクル(p<0.0001)と比べて、ボディスイング機能を有意に改善した;一方、低用量は、レベル0.05において、ビヒクルと比べて統計学的に有意な改善を示さなかった。全体的にみて、ボディスイング機能について、両方のモデルとも、用量が有意な効果であることを示した。
混合モデルは、変量効果として順序においてにネスト化されたidに関して、ベースライン=「用量」「順序」「キャリーオーバー効果」「フェーズ」「日」からの変化である。ベースラインは、各フェーズの、それぞれ28日目、46日目および56日目として規定されている。用量は、3つの固定されたレベル、高用量、低用量およびビヒクルを有し;seq(順序)は、3つの異なる投与順序としての3つの固定値、すなわち「hlv」、「lvh」および「vhl」を有し;co(キャリーオーバー効果)は、前のフェーズからの投与量として規定され、ここでは、フェーズ1に関するキャリーオーバー効果は0に設定された。idは、データからのラットidである。*は、α=0.05に基づく両側検定に基づいて、統計学的に有意であることを示す。
(結果)
表3は、治療グループ間の動物の分配を示す。表4〜表6は、グループ1〜3のそれぞれについての前肢プレーシングテストの総合スコアを示す。表7〜9は、グループ1〜3のそれぞれについての後肢プレーシングテストの総合スコアを示す。表10〜表12は、グループ1〜3のそれぞれについてのボディスイングテストの総合スコアを示す。表13〜表15は、グループ1〜3のそれぞれにおいてテストされた時点での動物の体重を示す。表16〜表18は、グループ1〜3のそれぞれについてのシリンダーテストの総合スコア(全体の非対称性の%)を示す。表19〜表21は、グループ1〜3のそれぞれについてのシリンダーテストの総動作スコアを示す。
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MCAOは、感覚運動機能の実質的な急性の消失をもたらした、この機能は、治療期間前4週間の終わりまでに、すべての動物において、部分的に回復し、安定な欠損の停滞期に近づいた。
すべてのグループ(1〜3)は、MCAOで誘導された虚血に対する典型的な回復反応を示し、外科手術の直前(−1日目)は正常スコア0で、次いで閉塞後24時間以内(1日目)の機能の完全な消失(前肢:スコア12、後肢:スコア6)が続いた。次の4週間の未治療のフェーズの間に、前肢と後肢のスコアは、それぞれ約5.5および3に改善し、回復の停滞期レベルに近づいた(図3および図4)。ボディスイングテストでは、動物は、外科手術後の日に、5パーセントより多い右へのスイングを示し、4週間の未治療期間の終わりまでに、約25パーセントの右スイングにまで回復した(図5)。有意ではないが、ベースラインの行動の測定は、フェーズ1とフェーズ2との間およびフェーズ2とフェーズ3との間の薬剤を投与しない期間中に、治療前のレベルと比較して若干改善した。これは、緩慢で持続的な内因性の回復、反復された行動評価のトレーニング効果、および、おそらくは、治療のキャリーオーバー効果によるものでありうる。
すべての動物は、本研究の終わりまでに各治療を受けた。4−APは、ラットに1日2回投与された(本研究において、および実施例17に示した研究において)。1〜1.5時間の半減期(Hayes et al., J. Clin. Pharmacol. 2003; 43:379-85)のために、この計画は、この化合物の長時間の血漿レベルを維持しなかったが、動物における反復された毎日の曝露を可能にした。評価時期の間の適正な曝露を確実にするために、行動評価を投与の1時間後に実施した。そして、各投与フェーズのための3日間の間隔は、動物が、行動評価を行う前の経口管栄養法のストレスに適応させる助けとなりえた。行動評価の終了時の動物におけるダルファムプリジンの用量に関連するレベルを確認するために、血液を30分後に抜いた(表22)。ここで用いた用量または得られた血漿濃度を、薬物動態が非常に異なる徐放性製剤を用いて治療された患者において予測されるであろうものと同一視することはできない点に注意する。また、血液中で測定されるピーク濃度と比較して、脳脊髄液中で測定されるピーク濃度には遅延があり、この遅延はヒトの対象では約1時間である(Donovan et al., Spinal Cord 2000; 38:7-15)。それゆえ、所定の血漿レベル
について中枢神経系に到達した4−APの濃度は、管栄養法後の一時的な血漿ピークについては、より長期間維持される同様の濃度と比べて、はるかに少ない可能性がある。
前肢プレーシングテストは、前肢機能について治療の効果を示す。図3は、低用量または高用量の4−アミノピリジンのいずれでも、虚血性脳障害の4週間後の治療が、ラットの前肢機能を改善するのに効果的であることを示している。また、図3は、この効果が用量依存的であることを示している。また、この効果は、退薬ですぐに消えるので、可逆性である。
後肢プレーシングテストは、後肢機能について治療の効果を示す。図4A〜図4Dは、低用量または高用量の4−アミノピリジンのいずれでも、虚血性脳障害の4週間後の治療が、ラットの後肢機能を改善するのに効果的であることを示している。また、図4A〜図4Dは、この効果が可逆的であることを示している。特に、低用量またはビヒクルコントロールと比べて、高用量での治療は行動スコアの改善をもたらすので、この効果は用量依存的である。
ボディスイングテストは、全体的な身体制御における治療の効果を示す。図5は、低用量または高用量の4−アミノピリジンのいずれでも、治療が、ラットの全部のスイングに対する右スイングの割合を改善するのに効果的であり、それゆえ、虚血性卒中の症状の一つを改善するのに効果的であることを示している。それゆえ、図5は、4−アミノピリジンが、ラットの全体的な身体制御を改善するのに効果的であることを示している。また、図5は、この効果が可逆的で用量依存的であることを示している。
第1の投与フェーズ中に2mk/kgで4−アミノピリジンを受けたグループ1の動物(図3〜図5)は、治療前のベースラインスコアと比べて、前肢、後肢およびボディスイングのスコアが有意に改善した(28日目対32日目;p値<0.05)。投与フェーズ1および2の間(ウォッシュアウト期間、33日目〜42日目)に、四肢プレーシングにおける効果は、ベースラインレベルの近くにまで回復した。第2の投与フェーズ中に、グループ1の動物は、0.63mg/kgの4−アミノピリジンを受けた。投与の直前のウォッシュアウトの間のスコアと比べて、すべての行動スコアが有意に改善したが(42日目対46日目;p<0.05)、当該スコアは、第1の高用量フェーズと同程度の改善を達成しなかった。第2フェーズと第3フェーズとの間のウォッシュアウト期間中(47日目〜56日目)に、行動スコアは、ベースラインスコアと類似のレベルまで低下した(56日目)。このグループにおける動物は、第3の投与フェーズの間にビヒクルを受けており、投与の直前の日(56日目)と比べて、行動スコアに変化が見られなかった。
第1の投与フェーズ中に0.63mk/kgで4−アミノピリジンを受けたグループ2の動物(図3〜図5)は、治療前のベースラインスコアと比べて、行動のスコアが全測定において有意に改善した(28日目対32日目;p値<0.05)。フェーズ1とフェーズ2との間の薬剤を投与しない期間中に、行動における効果は、フェーズ投与前(42日目)と類似のレベルまで低下した。投与フェーズ2の間に、このグループの動物はビヒクルを受けており、行動テストのスコアに変化が見られなかった。当該スコアは、フェーズ2と3との間のウォッシュアウト期間中に、機能のベースラインレベルのままであった(47日目〜56日目)。投与フェーズ3中に、このグループの動物は、2mg/kgの4−アミノピリジンを受け、フェーズ前のベースラインスコアと比べて、すべての行動テストのスコアが有意に改善した(56日目対60日目;p値<0.05)。
グループ3の動物(図3〜図5)は、異なる治療フェーズ中にグループ1およびグループ2で見られた結果と類似の結果であった。これらの動物は、フェーズ1中にビヒクルを受けた。フェーズ1およびフェーズ2の間のウォッシュアウト期間を通じて、いずれの行動スコアにも変化が見られず、動物は、この機能レベルのままであった。フェーズ2中の2mk/kgの4−アミノピリジンでの治療およびフェーズ3中の0.63mk/kgの4−アミノピリジンでの治療は、各フェーズの直前の薬剤を投与しない期間の評価と比べて、四肢プレーシングで有意な改善を引き起こした(それぞれ、42日目対46日目および56日目対60日目、p値<0.05)。ボディスイングのスコアは、フェーズ2における高用量治療中に改善したが(42日目対46日目、p<0.05)、第3の治療フェーズ中の低用量治療では変化がなかった。フェーズ2とフェーズ3との間のウォッシュアウト期間中に、ベースラインの行動に戻った(56日目)。
まとめると、すべての動物は、治療順序に関係なく、各治療に対して同様に反応した。すべてのケースにおいて、いずれの投与フェーズ中でも、高用量では、ビヒクルおよび低用量と比べて、有意な改善をもたらし(p値<0.05)、低用量では、採用した統計学的モデル(ANOVAまたは混合モデル分析、上述の統計的方法を参照)に依存して、ビヒクルと比べて、統計学的により良好または有意性に向かう傾向があった。
治療前に毎週評価することに加えて、評価は、任意の所定の投与フェーズ中に2回行った(第1の投与および第5の投与の後)。これらのスコア間で若干の改善が見られた(例えば、グループ3の30日目と32日目との間で、動物がビヒクルでの治療を受けたとき)。これは、経口管栄養法のストレスに順応したことによるものであり得るか、または、おそらく、動物がテストに慣れて予測するようになることによる学習反応を示しているものであり得た。この効果は、実施例17で示した研究では観察されなかった(ビヒクルグループ参照、56日目以降)。実施例17では、3日間の投与期間のそれぞれにおいて、動物は1回だけ試験された。ベースラインは依然として若干の改善であり、且つすべての可能な投与順序が試みられたわけではないので、事前に4−APに曝露させることで、後半のフェーズで4−APを投与したときに、動物が、より強く反応し易くなるか、またはより弱く反応し易くなるかを決定することはできない。投与順序のバラツキに由来するこの潜在的なキャリーオーバー効果を排除するために、実施例17で示した研究は、ウォッシュアウト期間を設けない用量漸増研究として設計された。
シリンダーテストは、身体の対称性および調整などの全体的な身体制御の側面における治療の効果を示す。図7は、ラットにおける全ての四肢の使用と比較した障害のある前肢の使用の割合における増加を示すことによって、4−アミノピリジンを用いた治療が、卒中に起因する四肢の使用の非対称性を改善するのに効果的であることを示す。それゆえ、図7は、4−アミノピリジンがラットの身体の対称性および調整を改善するのに効果的であることを示す。また、図7は、この効果が可逆的であり、且つ用量依存的である事を示している。
図9は、グループ1〜3間で梗塞の体積に差が無かったことを示す。特に、平均梗塞体積(反対側の脳半球の%)は、いずれのグループ同士の間でも差が無かった。グループ1の平均梗塞体積(%)は45.0(±1.8)であり、グループ2の平均梗塞体積(%)は41.4(±2.3)であり、グループ3の平均梗塞体積(%)は39.0(±3.3)であった。
4−アミノピリジンの血漿レベル:動物がビヒクル治療を受けたときに取られた血液サンプルは、本方法のための定量の下限値を下回る4−アミノピリジンのレベルであった。動物が4−アミノピリジンを受けたときに取られたサンプルは、行動テスト時の曝露が用量レベルと適切に関連していること裏付けた。4−アミノピリジンの血漿レベルを、表22に示す。
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データは、各個別の治療フェーズおよび全体の期間中に、4−アミノピリジン治療が、前肢機能、後肢機能およびボディスイング機能における有意な改善をもたらしたことを示している。さらに、発明者によって用いられたいくつかのクロスオーバー統計学的モデルは、一貫した原理に基づき、高用量が、ビヒクルコントロールおよび低用量よりも有意に良好であることを示した(四肢プレーシングテストに関してp<0.0001、ボディスイングに関してp<0.001)。低用量は、ビヒクルコントロールと比べて、改善の方向への強い傾向を示すか、または有意な改善に到達したことを示した。さらに、投与フェーズ内で第2の評価をしているときのスコアは、第1の薬剤投与の場合の評価よりも有意に良好であった。それゆえ、この例は、動物における4−APの血漿レベルが検出可能である期間に、前肢および後肢の感覚運動機能において、有意に可逆的であり且つ用量依存的である改善を示している。また、ボディスイングテストのデータは、体位の機能の回復における用量依存的な効果を示している。これは、線条体における区域における効果の証拠となり得るか、または、おそらく、皮質下の白質領域における効果の証拠となりうる。さらに、この例は、各フェーズにおける各グループ内およびグループ間で、4−APを用いた治療に対する、明瞭で用量依存的な反応を示している。
さらに、図3〜図8の結果は、4−アミノピリジンを用いた継続的な治療が、感覚運動の行動の結果をさらに改善しうることを示している。特に、4−アミノピリジンの複数回投与の後の行動スコアは、4−アミノピリジンの単回投与の後の行動スコアに対して、平均して改善した。
これらの結果は、4−アミノピリジンを用いた治療が、このような機能の卒中に関連した障害を負った哺乳動物における感覚運動機能を改善するのに効果的であることを示している。また、これらの結果は、卒中の事象後の安定な運動欠損を伴う慢性期の間に治療が開始されたときに、卒中に関連した感覚運動障害における改善を示している。このデータに基づき、4−アミノピリジンは、卒中後の慢性の感覚運動の欠損を有意に改善すると結論づけることができる。
(6.3 実施例3:虚血性卒中の治療)
患者は、医療施設に、虚血性卒中の兆候および症状を提示する。患者は、血流回復のために、tPAまたは他の治療法を用いて血行が再建された。血流は回復したが、あるレベルの脳障害が発生していた。卒中の3日後、患者は、神経学的に評価を受け、測定可能な感覚運動障害を有していることが示される。4日目に開始し、2日目および3日目の後に、この患者は、1回の投与あたり0.01mg/kg〜1.0mg/kgの間の用量で、静脈注射で、10日〜3ヶ月の間、4−アミノピリジンを用いて治療を受ける。治療中および治療後に、感覚運動機能を評価する。
(6.4 実施例4:卒中およびその結果起こる右手の麻痺の治療)
患者は、救急診療部に、右手の麻痺を提示する。評価およびイメージングの後に、この患者が虚血性卒中を患っていると判断される。この患者は、承認された方法に従ってtPAを受け、血栓症を経て血流が回復する。しかしながら、tPA治療の1週間後、上記患者は、手の運動活性の標準的な神経学的測定によって測定されるような、右手の麻痺が残っていた。この患者は、下記の時期に、4週間の間、週に1回(0.01〜1.0mg/kg,IV)、4−アミノピリジンを用いて治療を開始する:卒中の事象後、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、もしくは21日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、もしくは24週間;2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、54ヶ月、60ヶ月、もしくは66ヶ月;または、0.5年、1年、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年、もしくは6.5年以上。神経学者または他の医師により、握力計および他の強度試験を含む標準的な神経学的試験を用いて、手の機能における改善を周期的に測定する。治療中および治療後に、右手における感覚運動機能を評価する。
(6.5 実施例5:虚血性卒中の治療)
患者は、医療施設に、虚血性卒中の兆候および症状を提示する。患者は左側の麻痺を有していることが見出される。この患者は、血行再建治療に間に合うように到着しなかった。臨床的な評価により、いくつかの脳障害が発生していることが見出される。卒中の3日後、この患者は、神経学的に評価を受け、測定可能な感覚運動障害を有していることが示される。この患者は、下記の時期に、1回の投与あたり0.01〜1.0mg/kgの間の用量にて、静脈注射で、毎日、4週間の間、4−アミノピリジンを用いて治療を開始する:卒中の事象後、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、もしくは21日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、もしくは24週間;2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、54ヶ月、60ヶ月、もしくは66ヶ月;または、0.5年、1年、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年、もしくは6.5年以上。その後、患者は、毎週の投与を6ヶ月間受ける。患者は、理学療法も受ける。治療中(例えば、2週間後)および治療後に、左側の感覚運動機能を評価する。
(6.6 実施例6:虚血性卒中の治療)
患者は、左手の麻痺を伴って救急診療部に訪れる。当該患者は、「一週間以上前」にその手の問題が始まったと報告する。評価およびイメージングの後に、患者は虚血性卒中に罹患していると判定される。患者はtPAを受けていない。神経学的診察に際し、患者は、手の運動活性の標準的な神経学的測定によって測定されるような、左手の後遺麻痺を有することが見出される;当該患者は、同時に感覚障害も有する。この患者は、理学療法または作業療法に参加することを拒否する。この患者は、下記の時期に、12週間の間、1週間に1度(0.01〜1.0mg/kg、IV)、4−アミノピリジンを用いて治療を開始する:卒中の事象後、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日または21日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間または24週間;2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、54ヶ月、60ヶ月または66ヶ月;0.5年、1年、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年または6.5年以上。神経学者または他の医師により、握力計および他の強度試験を含む標準的な神経学的試験を用いて、手の機能における改善を周期的に測定する。治療の間(例えば、2週間の治療の後)および治療の後、左手における感覚運動機能を評価する。
(6.7 実施例7:出血性の卒中の治療)
患者は、虚血性卒中または脳出血と一致する徴候および症候を伴って医療機関を訪れる。当該患者を安定させる。神経学的診察に際し、ある程度の脳損傷が生じたことが見出される。卒中の一週間後、この患者を再び神経学的に評価し、そして患者は測定可能な感覚運動性障害を有することが示される。この患者は、下記の時期に、0.01〜1.0mg/kgの用量にて、毎日、静脈内に10日間、4−アミノピリジンを用いて治療を開始し、その後、2ヶ月間(いずれかの時点で、任意で全ての治療を中断する。)は、毎週、この用量を投与する:卒中の事象後、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日または21日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間または24週間;2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、54ヶ月、60ヶ月または66ヶ月;0.5年、1年、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年または6.5年以上。感覚運動機能を評価する(例えば、卒中後および/または療法の開始から、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、および/または1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月もしくは12ヶ月間後)。
(6.8 実施例8:慢性期における治療を含む卒中に関連した傷害の4−アミノピリジン治療)
包括的な試験のために、組み入れ基準は下記を包含している:神経損傷の臨床的なエビデンスを有する、成人である男性および女性。
調査されるべき症状:
血栓溶解薬を伴う虚血性卒中
血栓溶解薬なしの虚血性卒中
出血性卒中。
調査されるべき用量範囲:
1回の投与あたり0.001mg/kg〜10.0mg/kg。
調査されるべき投与頻度:
毎日
隔日
4日毎
1週間に1回
1週間おきに1回
1ヶ月に1回。
混合型の周期的な投与計画:
− 1週間または2週間は毎日、そしてその後、研究の残りの期間については、週に1回、週に2回、または月に1回
− 1週間または2週間は隔日、そしてその後、週に1回、週に2回、または月に1回。
調査されるべき治療の開始:
卒中の事象後、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日または21日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間または24週間;2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、54ヶ月、60ヶ月または66ヶ月;0.5年、1年、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年または6.5年以上。
調査されるべき治療の継続期間:
1週間、2週間、4週間、10週間、30週間の、治療
1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間の、治療
1年間、2年間、3年間、4年間、5年間、6年間、7年間、8年間、9年間、10年間の、治療。
調査されるべき機能:
手の運動機能、
顔の運動機能、
残存(survival)
仕事に復帰するまでの時間。
回復は、標準的な神経学的測定によって測定する。
結果:上記されている治療に際し、4−アミノピリジンを用いて治療した患者および当技術分野で知られている方法論によるプラセボを用いて治療した患者において、感覚運動機能を評価し、試験の結果を比較する。
代替的な実施形態において、上記のパラメーターの全てよりも少ない組合せを調査する。
(6.9 実施例9:片手の脱力感および/または片手の麻痺を伴う虚血性卒中の4−アミノピリジン治療(血栓溶解薬なし))
組入れ基準は下記を包含している:成人である、男性および女性、意識消失、失見当識、言語障害、顔面または四肢の麻痺に基づいた卒中のエビデンス。虚血性卒中が放射線イメージングを用いて確認されている。
tPA(または他の血栓溶解薬)のための候補ではないか、または任意の理由のために予めtPAを受けていない、片手の脱力感および/または片手の麻痺を伴う者について、患者を選択する。患者および/または患者のために署名をする権限のある者から同意を得る。
患者は、下記の時期に4−アミノピリジンまたはプラセボを受けるために、登録およびランダム化され、患者が、医療機関(病院または医院を含む)を訪れ、診断、イメージングが得られ次第すぐに開始する:卒中の事象後、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日または21日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間または24週間;2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、54ヶ月、60ヶ月または66ヶ月;0.5年、1年、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年または6.5年以上。
この試行に関して、傷害後の1時間〜7日の間に、治療を開始する。1週間は隔日における投与、その後、治療期間の残りの期間は1週間に一回の投与によって、治療を3ヵ月間継続する。患者に、静脈内、筋肉内または皮下に、1kg当たり0.0001〜1.0mgを投与する。
回復は、研究の継続期間の間、隔週に、手の感覚運動活性の標準的な神経学的測定によって測定する。
結果:上記されている治療に際し、4−アミノピリジンを用いて治療した患者および当技術分野で知られている方法論によるプラセボを用いて治療した患者において、手の機能を評価し、試験の結果を比較する。
(6.10 実施例10:血栓溶解薬を用いない、片側の顔面麻痺を伴う卒中の4−アミノピリジン治療)
血栓溶解薬を受けなかったまたは受けられない、片側の顔面麻痺を有する者から患者を選択する。機能を、3カ月の投与期間の間、隔週において、当技術分野で知られている方法論によって評価する。患者および/または患者のために署名をする権限のある者から同意を得る。
患者は、4−アミノピリジンまたはプラセボを受けるために、登録およびランダム化される。治療は、下記の時期に開始される:卒中の事象後、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日または21日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間または24週間;2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、54ヶ月、60ヶ月または66ヶ月;0.5年、1年、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年または6.5年以上。1週間は隔日における投与、その後、治療期間の残りの期間は1週間に一回の投与によって、治療を3ヵ月間継続する。患者に、静脈内、筋肉内または皮下に、1kg当たり0.0001〜1.0mgを投与する。
結果:上記されている治療に際し、4−アミノピリジンを用いて治療した患者およびプラセボを用いて治療した患者において、顔面の動きを評価する;試験の結果を比較する。

(6.11 実施例11:虚血性卒中の4−アミノピリジン治療(血栓溶解薬を伴う))
組入れ基準は下記を包含している:成人である、男性および女性、意識消失、失見当識、言語障害、顔面または四肢の麻痺に基づいた卒中のエビデンス。虚血性卒中が放射線イメージングを用いて確認されている。
tPAまたは他の血栓溶解薬を用いて治療した、片手の脱力感および/または片手の麻痺を伴う者について、患者を選択する。患者および/または患者のために署名をする権限のある者から同意を得る。
患者は、4−アミノピリジンまたはプラセボを受けるために登録およびランダム化され、患者が医療機関を訪れ、診断、イメージングが終了次第すぐに開始する。
治療は、下記の時期に開始される:卒中の事象後、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日または21日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間または24週間;2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、54ヶ月、60ヶ月または66ヶ月;0.5年、1年、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年または6.5年以上。1週間は隔日における投与、その後、治療期間の残りの期間は1週間に一回の投与によって、治療を3ヵ月間継続する。患者に、静脈内、筋肉内または皮下に、1kg当たり0.0001〜1.0mgを投与する。
回復は、研究の継続期間の間、隔週に、手の感覚運動活性の標準的な神経学的測定によって測定する。
結果:上記されている治療に際し、4−アミノピリジンを用いて治療した患者における手の機能を、当技術分野で知られている方法論によって測定し、プラセボを用いて治療した患者におけるものと比較する。
(6.12 実施例12:血栓溶解薬を用いない、構音障害を伴う卒中の4−アミノピリジン治療)
血栓溶解薬を受けなかったまたは受けられない、構音障害を有する者から患者を選択する。機能を、3カ月の投与期間の間、隔週において、当技術分野で知られている方法論によって評価する。患者および/または患者のために署名をする権限のある者から同意を得る。
患者は、4−アミノピリジンまたはプラセボを受けるために、登録およびランダム化される。治療は、下記の時期に開始される:卒中の事象後、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日または21日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間または24週間;2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、54ヶ月、60ヶ月または66ヶ月;0.5年、1年、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年または6.5年以上。1週間は隔日における投与、その後、治療期間の残りの期間は1週間に一回の投与によって、治療を3ヵ月間継続する。患者に、静脈内、筋肉内または皮下に、1kg当たり0.0001〜1.0mgを投与する。
結果:上記されている治療に際し、4−アミノピリジンを用いて治療した患者における音障害に起因する言語障害を、当技術分野で知られている方法論によって測定し、プラセボを用いて治療した患者におけるものと比較する。
(6.13 実施例13:構音障害を伴う患者の4−アミノピリジン治療(血栓溶解薬を伴う))
組入れ基準は下記を包含している:成人である、男性および女性、意識消失、失見当識、言語障害、顔面または四肢の麻痺に基づいた卒中のエビデンス。虚血性卒中が放射線イメージングを用いて確認されている。患者を、構音障害を伴い且つ血栓溶解薬を受けなかった者について選択する。
治療は、下記の時期に開始される:卒中の事象後、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日または21日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間または24週間;2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、54ヶ月、60ヶ月または66ヶ月;0.5年、1年、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年または6.5年以上。1週間は隔日における投与、その後、治療期間の残りの期間は1週間に一回の投与によって、治療を3ヵ月間継続する。患者に、静脈内、筋肉内または皮下に、1kg当たり0.0001〜1.0mgを投与する。
機能を、3カ月の投与期間の間、隔週において、当技術分野で知られている方法論によって評価する。
結果:上記されている治療に際し、4−アミノピリジンを用いて治療した患者およびプラセボを用いて治療した患者において、構音障害に起因する言語障害を評価および比較する。
(6.14 実施例14:出血性卒中を有する患者の4−アミノピリジン治療)
組入れ基準は下記を包含している:成人である、男性および女性、意識消失、失見当識、言語障害、顔面または四肢の麻痺に基づいた卒中のエビデンス。出血性卒中が放射線イメージングを用いて確認されている。患者および/または患者のために署名をする権限のある者から同意を得る。
患者を、片手の脱力感を有するものについて選択する。
患者は、4−アミノピリジンまたはプラセボを受けるために、登録およびランダム化され、患者が、医療機関(病院または医院を含む)を訪れ、診断、イメージングが得られ次第すぐに開始する。
治療は、下記の時期に開始される:卒中の事象後、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日または21日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間または24週間;2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、54ヶ月、60ヶ月または66ヶ月;0.5年、1年、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年または6.5年以上。1週間は隔日における投与、その後、治療期間の残りの期間は1週間に一回の投与によって、治療を3ヵ月間継続する。患者に、静脈内、筋肉内または皮下に、1kg当たり0.0001〜1.0mgを投与する。
回復は、研究の継続期間の間、隔週に、手の感覚運動活性の標準的な神経学的測定によって測定する。
結果:上記されている治療に際し、4−アミノピリジンを用いて治療した患者における手の機能を、当技術分野で知られている方法論によって測定し、プラセボを用いて治療した患者におけるものと比較する。
(6.15 実施例15:出血性卒中を有する患者の4−アミノピリジン治療)
ヒトにおいて、血栓性卒中後の機能的な転帰における、0.05および0.1の用量レベルでの4APの単回用量または複数回の日用量の投与の効果を、下記のプロトコルを用いて評価する。
目的:慢性の虚血性卒中において、経口的にまたは静脈内に投与した4APの有効性および安全性を評価すること。
設計:多施設の、ランダム化された、二重盲検式の、プラセボコントロールされた、安全性および有効性の研究。
組入れ基準:虚血性の卒中および四肢の脱力感ならびに卒中以前には完全な機能的自立性を有する患者。
除外基準:余命6ヶ月未満の重症の病気、既知の重度の腎臓障害、現在既知のアルコールもしくは違法薬物の乱用または依存症を有する患者。出血性卒中を有する患者は除外する。
患者の関与:患者は、ランダム化されて、単回用量の4PAもしくはプラセボまたは2週間の日用量の4PAもしくはプラセボを下記の時期から受ける:卒中の事象後、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日または21日;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間または24週間;2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、24ヶ月、25ヶ月、26ヶ月、27ヶ月、28ヶ月、29ヶ月、30ヶ月、31ヶ月、32ヶ月、33ヶ月、34ヶ月、35ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、54ヶ月、60ヶ月または66ヶ月;0.5年、1年、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年または6.5年以上。感覚運動機能の転帰を評価する時点の前後での血漿薬物濃度を測定するために、4AP治療後、複数の時点で、血液サンプルを回収する。
主要転帰:治療後、2日(単回投与)または2週間(連続投与)における全体的な回復および感覚運動機能の回復を、改変ランキンスケールおよびNIHスケールによって測定する。
4−APを用いた治療に際して、単回投与または連続投与の後の卒中患者における感覚運動機能を評価し、そしてベースラインの機能およびプラセボ治療と比較する。
(6.16 実施例16:虚血性卒中後の慢性障害を有する対象におけるダルファムプリジン10mgの持続放出性タブレットの研究)
(6.16.1 略語の一覧表)
下記の略語および専門用語を、本研究のプロトコルにおいて使用する:
Figure 2018127497
(6.16.2 研究対象)
下記の臨床的機能における、1日2回、約12時間空けた投与したダルファムプリジン−ER 10mg(すなわち、10mgの4−アミノピリジンの徐放性調合物)の効果を試験する:
・25フィート歩行時間テスト(T25FW)により評価される、歩行速度
・ボックスアンドブロックテストで評価される、手先の器用さ
・グリップテストおよびピンチテストにより評価される、手の力
・フーゲルメイヤー評価(FMA)により評価される、運動機能および感覚機能
・任意で、障害評価スケール(Disability Assessment Scale(DSA))により評価される、上肢の痙縮
・機能的自立度評価(FIM)スケールによる、日常生活動作(ADL)を行うために必要な介助
・対象全般印象(SGI)スケール
・臨床全般印象(CGI)スケール
・任意で、ベックうつ評価尺度(BDI)により評価される、うつ病(重度のうつ病を除外するため)。
(6.16.3 治験計画)
これは、虚血性卒中後の慢性の安定的な感覚運動障害を有する対象における、1日2回、約12時間おきに服用されたダルファムプリジン−ER 10mgの研究である。本試験は、二重盲検式の、プラセボコントロールされた、2期クロスオーバー研究として設計される。本研究は、複数の機関において、計画された66人の対象について遂行される。8週間の研究期間は、2週間のスクリーニング期間、第1期における2週間の治療、1週間のウォッシュアウト期間、第2期における2週間の治療、および1週間の治療後の追跡の電話を含む。研究の継続期間中、有害事象を観察する。加えて、ベースラインからの潜在的変化を評価するために、簡単な身体検査およびバイタルサインの測定を各研究期間中に実施する。下記の一連の機能的および自覚的な臨床評価も実施される。
対象のインフォームドコンセントを得た後、適格性を、スクリーニングのための来院(来院1)において、病歴の検討、以前の脳イメージング、クレアチニンクリアランスの推定を含むSMA−12化学検査、尿検査、ならびに妊娠および出産可能な女性のための尿妊娠検査(UPT)の結果を通じて決定する。ベックうつ評価尺度(BDI)は、重度のうつを除外するために実施する。同様に、スクリーニングにおいて、歩行速度の評価(T25FW)、手先の器用さ(ボックスアンドブロック)、手の力(グリップテストおよびピンチテスト)、上肢および下肢の運動機能(FMA)、上肢の運動痙縮(DAS)、および日常生活動作を行うのに必要な介助(FIM)の評価を実施する。スクリーニング期間(−14日目〜−1日目)は、来院2において完了する。これは、適格性のある対象について、期間1の開始を示す。
来院2(1日目)において、対象は、2:1の比率で下記の2つの盲検治療の順序にランダム化される:プラセボ投与後にダルファムプリジン−ER投与(順序A)またはダルファムプリジン−ER投与後にプラセボ投与(順序B)。前回の来院において実施されたものと同一の臨床評価を実施する。対象は、割り当てられた治験用治療の1週間分の処方を持って退院する。その晩に初回の1用量を服用し、次の来院の朝まで約12時間おきに1用量を服用するよう、対象に指示する。対象は、この期間の間に、1週間の間隔で、さらに2回来院する:来院3(8日目)および来院4(15日目)。これらの来院のそれぞれにおいて、対象全般印象(SGI)および臨床全般印象(CGI)を加えた、同様の一連の臨床的評価を実施する。各来院における評価の詳細なスケジュールについては、表23を参照すること。治験薬の新たな処方は、来院3の研究手順の完了において与えられる。
期間1の終点である来院4における研究手順の完了において、全ての対象がプラセボを服用する、1週間のウォッシュアウト期間が始まる。対象は、単純盲検のプラセボの処方を持って退院し、そしてその晩に初回の1用量を服用し、次の来院の朝まで約12時間おきに1用量を服用するよう、指示される。
来院5(22日目)は、両方のグループについての研究の期間2の開始を示す。この来院の間、対象は、新たな一連の臨床評価を受け、その後、対象は、各グループ毎に確立した順序に従ったクロスオーバー治療を開始する。同様の一連の評価を、この期間中のさらなる2回の週に1回の来院において実施する:来院6(29日目)および来院7(36日目)。治験薬は、期間2の終点である来院7を除き、各来院における研究手順の完了時に与えられる。投与の指示は、以前の来院と同一である。
追跡の電話による来院、すなわち来院8(43日目)は、有害事象の評価のために1週間後に行われる。研究における参加は、この追跡の電話の後に完了する。
ダルファムプリジン−ERのおおよそのピーク血漿濃度と対応させるために、対象は、治療評価のための来院(来院3、来院4、来院6および来院7)において、計画された研究評価の開始の2時間前に治験薬の朝の服用をすることを目的とする投与スケジュールを有するように指示される。
治療のコンプライアンスを監視するために、スクリーニングのための来院後の全ての診療所の来院において、血漿の治験薬濃度を決定するための血液サンプルを採取する。
研究設計を、図10に図を用いて示す。研究手順に付随する来院の計画を、表23に示し、手順の説明は下記のとおりである。
Figure 2018127497
全ての測定は、1日目における初回の治療の開始前および22日目におけるクロスオーバー治療の開始前に行う。
完全な身体検査、身長および体重はスクリーニング時のみ;続く来院において簡単な身体検査。
全てのサンプリングを、機能臨床評価実施後に行う。
結果が陽性である場合、確認用の培養を必要とする。
それぞれの手を試験する。利き手が先である。
それぞれの手のグリップテスト、チップピンチ、キーピンチおよびパルマーテストについて3回試行。
治験薬の1週間分の処方を与え、来院した晩に開始し、約12時間毎に1用量を家庭で服用するように対象に指示する。
有害事象を評価するための電話による追跡の来院。
(6.14.4 対象の選択および退薬)
(a)組入れ基準
以下の全ての基準を満たす場合は対象を研究に包含してもよい:
1.裏付けとなる、以前のイメージングによる所見(MRI/CTスキャン)を伴う、評価者に確認された、虚血性卒中による安定した感覚運動障害の病歴
2.卒中後6ヶ月以上
3.18〜85歳までの男性または女性に含まれる
4.肥満度指数(BMI)が18.0〜35kg/mの間の範囲に含まれる
5.アンピラ、ダルファムプリジン、ファムプリジンまたは4−アミノピリジン(4AP)を以前に使用したことが無い
6.スクリーニングのための来院、および他の毎回の来院において、必要に応じ、T25FWを完遂するのに十分な歩行能力を有する
7.27以下の下肢運動のフーゲル−メイヤー(Fugl−Meyer)スコア
8.全ての必要とする研究手順を実施する能力
9.評価者により決定される、インフォームドコンセントを得るのに十分な認知能力
10.スクリーニングのための来院の4週間以内の安定した併用薬物療法計画。
(b)除外基準
以下のいずれかの除外基準を満たす対象は本研究への参加に適さない:
1.外科的に不妊ではない、閉経後2年未満、または有効な避妊法を使用していない、妊娠及び出産の可能な、性的に活性である女性
2.妊娠または授乳中
3.単純型熱性けいれんを除く発作の病歴
4.コッククロフト−ゴールト(Cockcroft-Gault)の式を使用して計算された50mL/分以下のクレアチニンクリアランスによって規定される、中度または重度の腎障害
5.スクリーニングのための来院またはスクリーニングのための来院前の4週間以内における進行性の尿路感染(UTI)のエビデンス
6.スクリーニングのための来院前の4週間以内の処方薬投与計画または療法の開始、および/または併用薬物投与計画または併用療法が研究の過程の間に変更されることが予想される
7.スクリーニングのための来院前の4週間以内のバクロフェンまたはチザニジンの開始、またはスクリーニングのための来院前の4週間以内の投与計画における何らかの変更
8.スクリーニングのための来院前の3ヶ月以内のセロトニン再摂取阻害薬(SSRIs)の開始、またはスクリーニングのための来院前の3ヶ月以内の投与計画における何らかの変更
9.スクリーニングのための来院前の2ヶ月以内のボツリヌス毒素の使用
10.過去1年以内の薬物またはアルコールの乱用歴
11.過去6ヶ月以内の四肢のいずれかにおける整形外科的処置
12.対象が異常な検査値を有しており、当該検査値が、評価者の判断において、臨床的に有意であり、かつ安全に研究を完遂する対象の能力に影響を与得る可能性を有する
13.不安定狭心症、コントロールされていない高血圧、または評価者によって判断される他の心臓血管の顕著な異常
14.ベックうつ評価尺度(BDI)において30以上のスコアによって示される、重度のうつ
15.評価者の判断による、研究の遂行または研究の結果の解釈を妨げる、他の病状。
16.スクリーニングのための来院前の4週間以内の治験介入試験への参加
17.多発硬化症の診断。
(c)対象の退薬基準
退薬基準は、任意であり、1つ以上の以下の理由を包含している:
・対象が有害事象(発作など)を経験する
・妊娠
・対象がプロトコルに不適合である
・対象が追跡できない
・対象がアルコールもしくは薬物を乱用している、または他の適格基準をもはや満たしていない。
(6.16.5 対象の治療)
(a)実施されるべき治療
各対象は、28用量の(A)ダルファムプリジン−ER 10mgおよび42用量の(B)プラセボ(プラセボウォッシュアウト期間の14用量を含む)を受ける。タブレットは、家庭において、水で服用する。治療の順番は以下の章(b)に記載されているように決定される。
来院2、来院3、来院4、来院5および来院6において、評価が完了した後、対象に治験薬を与える。その来院の晩に初回の1用量を服用し、次の1用量を約12時間後である翌朝に服用するように対象に指示する。可能な限り一定の時刻に、12時間毎に服用し続けるように対象に指示する。服用し忘れた分の薬を補ってはならないことを対象に伝える。
与えられた各処方の最後の1用量は、次の計画された来院の朝に服用される1用量となる。対象は、治療評価のための来院:来院3、来院4、来院6および来院7の間の、計画された研究評価の開始の2時間前に治験薬の朝の1用量を服用することを目的とする投与スケジュールを有するように指示される。
(b)対象を治療グループに割り当てる方法
対象は、来院1において、調査の開始前に作成されたランダム化に従い、下記の2つの盲検治療順序(AまたはB)のうちの1つに、それぞれ2:1の割合でランダム化される:
A:プラセボ、その後にダルファムプリジン−ER
B:ダルファムプリジン−ER、その後にプラセボ。
(c)盲検化
薬物投与は、二重盲検である。すなわち、対象または調査機関の職員は、治療の順序を知らされていない。
ウォッシュアウト期間は、単純盲検である。すなわち、この期間の間にプラセボが投与されることを、調査機関の職員は知っているが、対象は知らない。
(d)治療のコンプライアンス
対象は、処方された全ての用量を服用することを推奨される。返却された容器中のタブレット数の目録、および各治療期間における血漿ダルファムプリジン濃度の決定のための血液サンプルの採取によって、治療のコンプライアンスをモニターする。コンプライアンス違反についてのいかなる理由も記録する。
(e)事前の投薬および併用投薬
安定した症候を維持する目的のために、下記の投薬は、研究の継続期間の間、および研究の前の一定期間の間、排除される:
・スクリーニングのための来院前の4週間未満に開始または用量調整された、バクロフェンまたはチザニジン
・スクリーニングのための来院前の3ヶ月未満に開始または用量調整された、SSRI
・スクリーニングのための来院前の2ヶ月未満に投与された、ボツリヌス毒素
・スクリーニングのための来院前の4週間未満に開始または変更された、他の処方薬(または療法)。
対象の安全のために必要である場合を除き、研究の間に、併用治療に対していかなる変更も行わない。
(6.16.6 治験薬の説明)
有効(Active):市販薬を使用する。AMPYRA(ダルファムプリジン)持続放出性タブレットは、白〜オフホワイトの、両凸面の、楕円形の、フィルムコートされた、非分割タブレットであり、平坦な縁を有し、片面に“A10”と刻印されており、10mgのダルファムプリジンを含有している。不活性の成分は、コロイド状二酸化ケイ素、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、微晶性セルロース、ポリエチレングリコール、および二酸化チタンからなる。
プラセボ:プラセボタブレットは、AMPYRAタブレットと同一の外観であり、同一の不活性性分を含んでいる。
(6.16.7 研究手順)
以下の章は、本研究において得られるベースラインおよび臨床的機能測定を説明する。研究のための来院による詳細な手順のスケジュールを下記に提示し、そして表23にまとめる。
あらゆる研究手順に従事する前に、対象は、書面によるインフォームドコンセントを提出しなければならない。
(a)血漿ダルファムプリジン濃度
血漿ダルファムプリジン濃度の決定のための血液サンプルは、全ての機能臨床評価の完了後に採取する。これらの測定の目的は、治療のコンプライアンスの評価である。最少7mLの全血を、適切に標識されたヘパリンチューブに採取し、遠心分離するまで冷蔵した(すなわち、氷水上)。採取直後に、チューブを低速で遠心分離し、約3mLの血漿を各サンプルから標識されたチューブへと移した。血漿は、中央研究所への輸送が要請されるまで−20℃で保存される。輸送が要請されたときに、凍結血漿サンプルを1カ所に集め、断熱コンテナ中またはドライアイス上で、一晩で急行輸送により指定された中央研究所に移送する。
(b)臨床評価
25フィート歩行時間(T25FW)
T25FWテストは、歩行機能の定量的測定である。対象は、明確にマークされた、障害物のない25フィートのコースの、一方の端から他方の端までを可能な限り早く歩行するよう指示される。T25FWは、全国多発性硬化症協会によるAdministration and Scoring Manual(Fischer J, et al., National Multiple Sclerosis Society. 2001; 1-410)において提供される詳細な説明に従って実施する。対象は、マークされたスタートライン上に靴の先端をあわせて立ち、対象の足の任意の部分がこのラインを越えたときに時間測定を開始する。対象の足の任意の部分がマークされたフィニッシュラインを越えたときに時間測定を終了する。時間は秒単位で記録し、本研究のために用意されたストップウォッチを用いて10分の1秒に丸める。対象に同じ距離を歩いて戻らせることによって、作業課題を再度実施する。この2つの試行の間に最大5分間の休息期間が許容される。必要であれば、対象は、適切な補助具を使用してもよい。来院と来院との間に、パフォーマンススコアを不当に向上させるためのリハーサルまたは練習の措置を行わずに、通常の活動を保つことを対象は指示されるべきである。各評価において、同一の試験部屋および同一の指定エリアをT25FWのために使用するよう努める。外部からの妨害の可能性は、可能な限り最小限に保つ。
歩行速度に関する標準データが利用可能である(Bohannon R., Age and Ageing. 1997; 26: 15-19)。18歳以上、20歳未満の対象に関して、20歳代のグループの標準データを使用する。
ボックスアンドブロックテスト
ボックスアンドブロックテスト(Mathiowetz V, et al., Am J Occup Ther. 1985; 36(6): 386-391)は、手先の器用さの有効かつ信頼できる測定として使用される。対象は、、一方の箱から1度に複数個のブロックを素早く拾い上げ、それぞれのブロックをパーティションを越えて他方の箱に移動させ、そしてブロックを落とすことを指示される。この試験は、脳性麻痺を有している成人の全般的な手先の器用さを評価するために本来開発された。健常な成人に関するデータが利用可能である(Bohannon R., Age and Ageing. 1997; 26: 15-19)。18歳以上、20歳未満の対象に関して、20〜24歳のグループの標準データを使用する。
疲労の影響を最小限にするために、ボックスアンドブロックテストを、常にピンチおよびグリップテストの前に実施する。利き手および非利き手の両方をテストし、利き手から開始する。
グリップテストおよびピンチテストによる手の力
グリップテスト(Mathiowetz V, et al., Arch Phys Med Rehabil. 1985; 66:69-72)は、手の力の問題を確認するための、作業療法プログラムまたは疾病もしくは損傷の経過の結果生じ得る変化を検出するための、あるいは一般集団に対する患者の握力の関係を示すための、単純な、有効かつ信頼できる測定法として使用される。手の力は、握力計を使用して測定する。
ピンチテスト(Mathiowetz V, et al., Arch Phys Med Rehabil. 1985; 66:69-72)は、ピンチ力の問題を確認するための、作業療法プログラムまたは疾病もしくは損傷の経過の結果生じ得る変化を検出するための、あるいは一般集団に対する患者のピンチ力の関係を示すための、単純な、有効かつ信頼できる測定法として使用される。ピンチテストは、3つの要素、チップピンチ、キーピンチおよびパルマーピンチからなる。ピンチ力は、ピンチゲージを使用して測定する。
それぞれの手のグリップテスト、チップピンチ、キーピンチおよびパルマーテストを、測定の際に毎回3回ずつ試行する。
グリップテストおよびピンチテストにおける標準データが利用可能である(MathiowetzV, et al., Arch Phys Med Rehabil. 1985; 66:69-72)。18歳以上、20歳未満の対
象に関して、20〜24歳のグループの標準データを使用する。
フーゲルメイヤー評価(FMA)
FMAは、卒中後の片麻痺を有する患者における運動機能、バランス、感覚、関節機能を評価するために設計された、パフォーマンスに基づく障害の評価である(Fugl-Meyer AR, et al., Scand J Rehabil Med. 1975; 7(1):13-31)。本研究のために、上肢(UE)の運動機能、下肢(LE)の運動機能および感覚の領域を評価する(表24を参照)。
Figure 2018127497
Figure 2018127497
項目は、3点スケールの重症度を評価する。総スコアを、各領域別に決定し得る。そして、UEスコアおよびLEのスコアの合計を、総運動スコアに合計し得る。
上肢機能評価スケール(DAS)
任意で、DASを行う。
DASは、卒中後の上肢の痙縮を有している患者において一般に影響を受ける、下記の4つの機能領域における障害を評価するために開発された:個人衛生、更衣、疼痛および四肢の位置。臨床医は、「障害なし」から「重度の障害」の範囲の4点スケールを用いて、これら領域のそれぞれにおける対象の障害のレベルを評価する。4つの機能領域の評価は、以下のガイドライン(Brashear A, et al., Arch Phys Med Rehabil. 2002; 83(10):1349-54)に従って行う。
衛生状態:評価者は、浸軟、潰瘍、および/または手掌の感染の範囲;手掌および手の清潔さ;清潔にすることの容易性;爪の手入れの容易性;および患者の日常生活における衛生状態に関連した障害によって引き起こされる妨害の度合いを評価する。
更衣:評価者は、患者が衣類(例えば、シャツ、ジャケット、手袋)を着る場合の困難性または容易性、および患者の日常生活における更衣に関連した障害によって引き起こされる妨害の度合いを評価する。
四肢の位置:評価者は、上肢の異常な位置の量を評価する。
疼痛:評価者は、上肢の痙縮に関連する疼痛または不快症状の強度を評価する。
4つの機能領域のそれぞれを、下記のスケールを用いて評価する:0=障害なし;1=軽度の障害(顕著であるが、平常の活動に著しく干渉しない);2=中程度の障害(平常の活動にさらなる努力および/または介助を必要とする);3=高度の障害(平常の活動が制限される)。
機能的自立度評価(FIM)
FIMスケールは、日常生活動作(ADL)を行うために、個人にとってどの程度の介助が必要かを評価する、広く用いられている障害の評価である。FIMスケールは、18項目を含む:身体的領域における13項目および認知領域における5項目。評価は、「全介助」から「完全自立」の範囲の7点スケールにおいて点数化された各項目を用いた、臨床医の直接的な観察に基づく。評価する局面は、摂食、身繕い、入浴、上半身の更衣、下半身の更衣、用便動作、排尿管理、排便管理、ベッドから椅子への移動、トイレへの移動、シャワーへの移動、移動運動(歩行または車椅子レベル)、階段、認知力、表情、社会的交流、問題解決、記憶である。
採点基準は下記の通り(リハビリテーション評価データベースウェブページを参照):
Figure 2018127497
対象全般印象(SGI)
SGIは、一般的に用いられている治療反応性の評価であり、「悪い」から「大変満足」の範囲の7点スケールを用いて、前週の間の彼または彼女の身体的健康状態における治験薬の効果評価することを、対象に求めるものである。
対象は、下記を記載した記入用紙を与えられる:「我々は、あなたの身体的健康状態において、治験薬の効果に関してあなたがどのように感じたかを知りたい。あなたは、過去7日間にわたる治験薬の効果に関してどのように感じているか?」。対象は、反応性について下記の選択肢を与えられる:「悪い」、「不服」、「概して不服」、「どちらでもない/混在している」、「概して満足」、「満足」、および「大変満足」。対象は、自身の言葉において反応性を説明することを求められる。
臨床全般印象(CGI)
CGIは、一般的に用いられている治療反応性の評価であり、ベースラインにおける対象の状態と比較して(前回の来院との比較ではない)、治験薬を用いた治療の後の対象の神経学的な状態および一般的な健康の状態における変化の全体的な印象を提供することとを、臨床医に求めるものである。CGIは、「非常に改善した」から「非常に悪化した」の範囲の7点スケールに従って評価される。
ベックうつ評価尺度(BDI)
BDI(表25を参照)は、うつ症状の重症度を評価する、広く用いられている自己申告用のうつ質問表である。21項目のそれぞれは、軽度から重症の範囲の4点スケールにおいて評価される。スクリーニングで30以上のスコアによって示された重症のうつを有する対象を、研究への参加から除外する。BDIは、臨床的な評価の1つとして、他の来院でも同様に行われる。
Figure 2018127497
Figure 2018127497
(c)研究の順序
下記のセクションは、研究の間のそれぞれの診療所来院において行われる評価を記載する。
(来院1、−14日目〜−1日目(スクリーニングのための来院))
評価者は、下記の手順を行った後、研究のための適格性を評価する。これらの手順は、ランダム化のための来院前の14日以内に完了する。これらの手順は、下記に概説した順序において行う:
・署名されたインフォームドコンセントを得る
・人口統計学的情報を含んだ病歴を完成させる
・事前の投薬および併用薬を調べる
・BDIを記入させる
・すべての身体的検査を完了する
・身長および体重を含む、ルーチンの着座のバイタルサインの測定を行う
・BMIを計算する
・T25FWを行う
・ボックスアンドブロックテスト(利き手および非利き手、利き手を先に)を行う
・グリップテスト、チップピンチ、キーピンチおよびパルマーピンチテストを行う。これらのテストは、それぞれの手を用いて3回行う
・FMA、DAS、およびFIMを行う
・実験的評価(算出されたクレアチニンクリアランスであるSMA−12、検尿、並びに妊娠および出産可能性のある女性のための尿妊娠テスト)のために、血液および尿サンプルを採取する
・有害事象を調べる
・対象が適任であれば、対象が14日内に治験センターへ戻るように予定する。
(来院2、1日目(ランダム化のための来院、期間1の開始))
以下の評価および手順を、下記に述べた順序で行う:
・簡潔な身体検査を完了する
・着座のバイタルサインの測定を行う
・T25FWを行う
・ボックスアンドブロックテスト(利き手および非利き手、利き手を先に)を行う
・グリップテスト、チップピンチ、キーピンチおよびパルマーピンチテストを行う。これらのテストは、それぞれの手を用いて3回行う
・FMA、DAS、およびFIMを行う
・BDIを記入させる
・血漿ダルファムプリジン濃度のための血液サンプルを得る
・妊娠および出産可能性のある女性のための尿妊娠テスト
・有害事象および併用薬を確認する
・2つの治療順序のうちの1つにランダム化する
・割り当てられた二重盲検治験薬の一週間分の処方を指示とともに与え、その晩の初回の1用量を服用させる。投与計画における対象へのさらなる指示については、セクション6.16.5(a)を参照のこと
・対象を退院させ、1週間(±1日)以内に次の来院となるように、日付および時間の予定を立てる。
(来院3、8日目)
以下の評価および手順を、下記に述べた順序で行う:
・簡潔な身体検査を完了する
・着座のバイタルサインの測定を行う
・SGIに記入させる
・T25FWを行う
・ボックスアンドブロックテスト(利き手および非利き手、利き手を先に)を行う
・グリップテスト、チップピンチ、キーピンチおよびパルマーピンチテストテストを行う。これらのテストは、それぞれの手を用いて3回行う
・FMA、DAS、およびFIMを行う
・CGIを完了する
・血漿ダルファムプリジン濃度のための血液サンプルを得る
・有害事象および併用薬を確認する
・前回の来院からの治験薬を回収し、治験薬管理を行う
・割り当てられた二重盲検治験薬の新しい一週間分の処方を指示とともに与え、その晩(前回の投与から約12時間後)の1用量を服用させる。投与計画における対象へのさらなる指示については、セクション6.16.5(a)を参照のこと
・対象を退院させ、1週間(±1日)以内に次の来院となるように、日付および時間の予定を立てる。
(来院4、15日目(期間1の終了、ウォッシュアウトの開始))
以下の評価および手順を、下記に述べた順序で行う:
・簡潔な身体検査を完了する
・着座のバイタルサインの測定を行う
・SGIに記入させる
・T25FWを行う
・ボックスアンドブロックテスト(利き手および非利き手、利き手を先に)を行う
・グリップテスト、チップピンチ、キーピンチおよびパルマーピンチテストテストを行う。これらのテストは、それぞれの手を用いて3回行う
・FMA、DAS、およびFIMを行う
・CGIを完了する
・BDIに記入させる
・血漿ダルファムプリジン濃度およびSMA−12のための血液サンプルを得る
・有害事象および併用薬を確認する
・前回の来院からの治験薬を回収し、治験薬管理を行う
・単純盲検プラセボの一週間分の処方を指示とともに与え、その晩の初回の1用量を服用させる。投与計画における対象へのさらなる指示については、セクション6.16.5(a)を参照のこと
・対象を退院させ、1週間(±1日)以内に次の来院となるように、日付および時間の予定を立てる。
(来院5、22日目(ウォッシュアウトの終了、期間2の開始))
以下の評価および手順を、下記に述べた順序で行う:
・簡潔な身体検査を完了する
・着座のバイタルサインの測定を行う
・SGIに記入させる
・T25FWを行う
・ボックスアンドブロックテスト(利き手および非利き手、利き手を先に)を行う
・グリップテスト、チップピンチ、キーピンチおよびパルマーピンチテストテストを行う。これらのテストは、それぞれの手を用いて3回行う
・FMA、DAS、およびFIMを行う
・CGIを完了する
・BDIに記入させる
・血漿ダルファムプリジン濃度のための血液サンプルを得る
・有害事象および併用薬を確認する
・前回の来院からの治験薬を回収し、治験薬管理を行う
・クロスオーバー治療の一週間分の処方を指示とともに与え、その晩の初回の1用量を服用させる。投与計画における対象へのさらなる指示については、セクション6.16.5(a)を参照のこと
・対象を退院させ、1週間(±1日)以内に次の来院となるように、日付および時間の予定を立てる。
(来院6、29日目)
以下の評価および手順を、下記に述べた順序で行う:
・簡潔な身体検査を完了する
・着座のバイタルサインの測定を行う
・SGIに記入させる
・T25FWを行う
・ボックスアンドブロックテスト(利き手および非利き手、利き手を先に)を行う
・グリップテスト、チップピンチ、キーピンチおよびパルマーピンチテストテストを行う。これらのテストは、それぞれの手を用いて3回行う
・FMA、DAS、およびFIMを行う
・CGIを完了し、血漿ダルファムプリジン濃度のための血液サンプルを得る
・有害事象および併用薬を確認する
・前回の来院からの治験薬を回収し、治験薬管理を行う
・クロスオーバー治療の新たな一週間分の処方を指示とともに与え、その晩(前回の投与から約12時間後)の1用量を服用させる。投与計画における対象へのさらなる指示については、セクション6.16.5(a)を参照のこと
・対象を退院させ、1週間(±1日)以内に次の来院となるように、日付および時間の予定を立てる。
(来院7、36日目(期間2の終了))
以下の評価および手順を、下記に述べた順序で行う:
・簡潔な身体検査を完了する
・着座のバイタルサインの測定を行う
・SGIに記入させる
・T25FWを行う
・ボックスアンドブロックテスト(利き手および非利き手、利き手を先に)を行う
・グリップテスト、チップピンチ、キーピンチおよびパルマーピンチテストを行う。これらのテストは、それぞれの手を用いて3回行う
・FMA、DAS、およびFIMを行う
・CGIを完了する
・BDIに記入させる
・血漿ダルファムプリジン濃度およびSMA−12のための血液サンプルを得る
・有害事象および併用薬を確認する
・前回の来院からの治験薬を回収し、治験薬管理を行う。治験薬は処方されない
・対象を退院させ、1週間(±1日)以内に起こるように、次の来院、すなわち、電話による来院(telephone visit)のための日付および時間の予定を立てる。
(電話による追跡、43±1日目)
調査機関は追跡通話を行い、薬物療法における任意の有害事象または変化を確認する。追跡の電話は、週末/休日を含み43日目の2日前後までに行い得る。
・最終的な状態の評価
(6.16.8 統計)
(a)統計的検出力
66人の対象を、下記の2つの治療順序のいずれか1つに対して、2:1の割合においてランダム化する:ダルファムプリジンERに続くプラセボ(順序A)、またはプラセボに続くダルファムプリジンER(順序B)。この標本の大きさは、将来の研究のデザインにおける助成のための適切な計画見積りをもたらす。
(b)導出エンドポイントおよびデータの取扱い
分析のためのベースラインは、二重盲検薬の最初の投与前の最後の非欠測評価(non-missing assessment)と規定される。
年齢および虚血性卒中発症からの期間は、インフォームドコンセントにおける日付に基づいて算出される。
年齢は以下のように算出される:年齢=[インフォームドコンセントの日付−生年月日]/365.25(小数点以下は切り捨て)。
虚血性卒中の発症からの日数は、以下のように算出される:日数=インフォームドコンセントの日付−卒中発症の日付。
ベースライン測定の導出は、下記の「導出変数およびデータの取扱い」と表題を付されたセクションに概要が示されている導出に従う。
(c)機能評価の分析
このセクションにおける全ての適用可能な変数の導出についての計算の詳細は、下記の「導出変数およびデータの取扱い」という表題の付されたセクションに見ることができる。
(機能評価)
この研究において調べられる機能評価は、下記である:
・25フィート歩行時間テスト(T25FW)によって評価される、歩行速度
・ボックスアンドブロックテストによって評価される、手先の器用さ
・グリップテストおよびピンチテストによって評価される、手の力
・フーゲルメイヤー評価(FMA)による全般運動機能スコア、および個々の運動機能スコア:
‐上肢の機能
‐下肢の機能
・障害評価スケール(DAS)によって評価される、上肢の痙縮
・機能的自立度評価(FIM)スケールによる、日常生活動作(ADL)の実行に必要とされる介助
・対象全般印象(SGI)スケール
・臨床全般印象(CGI)スケール
・ベックうつ評価尺度(BDI)によって評価される、うつ病。
(導出変数およびデータの取扱い)
分析のためのベースラインは、二重盲検薬の最初の投与前の最後の非欠測評価と規定される。
歩行速度
各回の来院において、T25FWテストの2回の試行を行う。個々の試行に関する歩行速度(フィート/秒)は、歩行を終えるための時間(秒)の逆数に25(フィート)を乗ずることによって導出される。特定の研究のための来院についての歩行速度は、その研究のための来院に基づく試行1および試行2についての歩行速度の平均を算出することによって導出される。いずれかの試行が失敗した場合には、その来院についての歩行速度は、失敗していない試行から得た歩行速度である。
グリップテストおよびピンチテスト
各来院において、グリップテストおよびピンチテストのそれぞれについて、3回の試行を行う。特定の研究のための来院についての応答性は、その特定のテストについての3回の試行の平均である。グリップテストおよびピンチテストは、利き手と利き手でない方の手とに別々にまとめられる。
ボックスアンドブロックテスト
ボックスアンドブロックテストの応答性は、パーティションの別の側へ60秒間に移されたブロックの数である。応答変数に必要な導出はない。ボックスおよびブロックテストは、利き手および利き手でない方の手ごとに別々にまとめられる。
フーゲルメイヤー評価(FMA)
FMAは、上肢および下肢の運動障害および感覚障害の、5つの領域における155項目からなる指標である。サブスコアは、関連する個々の項目に対するスコアを合計することによって、各領域について決定され得る。FMAの全体的なスコアおよび個々の領域のサブスコアは、別々にまとめられる。
障害評価スケール(DAS)
DASは、卒中後の上肢痙縮を有する患者において一般に影響が生じている、4つの機能領域における障害を評価するために用いられる。4つの機能領域は別々に分析される。応答変数に必要な導出はない。
機能的自立度評価(FIM)スケール
FIMスケールは、18項目によって構成されている、身体的障害および認知障害の評価である。各来院について、FIMスケールにおける応答性は、18項目に対する各応答性の合計である。合計のスコアは、18(機能の最低レベル)から126(機能の最高レベル)まで変動し得る。
対象全般印象(SGI)スケール
各来院について、SGIスケールにおける応答性は、前週の間における彼または彼女の身体健康に対する治験薬の対象の評価である。応答変数に必要な導出はない。
臨床全般印象(CGI)スケール
各来院について、CGIスケールにおける応答性は、治験薬を用いた治療後の対象の神経学的状態および健康の一般的な状態における変化の、ベースラインと比べたときの、臨床医の全体的な印象である。応答変数に必要な導出はない。
ベックうつ評価尺度(BDI)
BDIは、うつ症状の重症度を評価する、自己申告される21項目のうつ状態の質問表である。各来院について、BDIにおける応答性は、21項目から得た個々の応答性の合計である。合計スコアは、0から63まで変動し得る。
統計的手法
機能評価に対するダルファムプリジン−ERの効果を決定するために分析を行う。SGIおよびCGIを除く各機能評価について、ベースラインからの同一対象内の変化を各治療期間内に算出する:
期間1:来院4の評価〜来院2の評価
期間2:来院7の評価〜来院5の評価。
SGIおよびCGIについて、来院4の評価および来院7の評価を分析に用いる。
機能評価のいずれについても、来院4の評価が失敗である場合、来院3の評価を用いて機能評価がなされる。来院7の評価が失敗である場合は、来院3の評価を用いて機能評価がなされる。
SGIおよびCGIを除くすべての臨床評価について、以下の2種の分析を行う。第1のタイプは、順序Aにランダム化された44の対象を用いた、期間1(プラセボ)対期間2(ダルファムプリジン−ER)についての、ベースラインからの同一対象内の変化の差に基づく。2つの治療の間におけるベースラインからの変化を、対応のあるt検定を用いて比較する。第2のタイプの分析は、期間1内のみにおける、ベースラインからの変化の治療グループ間の比較に基づく。2つの治療間におけるベースラインからの変化を、2標本t検定を用いて比較する。
SGIおよびCGIについて、2種類の分析を同様に行う。しかし、当該分析は、ベースラインからの変化ではなく、来院4および来院7におけるSGIおよびCGIの結果を用いて行う。また、SGIおよびCGIの分析において前述の統計的手法を用いる。
(6.16.9 実施例16の参照文献)
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(6.17 実施例17:4−APの経口投与の効果:ラットにおけるMCA閉塞(MCAO)後の機能回復。盲検の、ビヒクルコントロールされた用量漸増研究)
4−APは、虚血性の事象から隔たった時点での安定的な運動障害を有するラットにおいて、虚血性卒中の後の機能的な感覚運動の改善を促す能力について評価された。本実施例に用いられる虚血性卒中の動物モデル(すなわち、MCAOモデル)は、実施例2に述べられている動物モデルと同じである。
MCAOモデルにおいて、回復は、感覚運動機能において依然として測定可能な障害があるMCAO後の4週間までに、停滞状態になる。しかし、MCAO後の4週間において、依然として内因性の回復が緩やかに継続し得る。これらの理由から、内因性の回復後のより安定したレベルの感覚運動障害に動物を至らせるために、本実施例の治療は、最初の虚血性の事象から十分に隔たった時点であるMCAO後の56日目に開始した。
実験の計画
本実験において、Sprague Dawleyラットを、中大脳動脈閉塞(MCAO)を起こす手術に供し、後述のようにビヒクル(水)または4−アミノピリジンを用いて治療し、そして、後述のように行動評価に供した。
動物:30匹の雄のSprague Dawleyラット、300〜400g(Charles River Laboratoriesから入手し、外科手術の7〜10日前に250〜275gで到着した。)を用いた。動物は、ランダムに治療グループに割り当てられた。
命名法:研究の日数の命名法は以下の通りである:0日目とは、MCAOの日であり、それに続く各日数は、連続的に番号付けされる(1日目、2日目、3日目など);−1日目とは、MCAOの前日を表す。
グループ分けの詳細:2つの治療グループ(以下の表26を参照)を解体して、4つのワーキンググループにすることを必要とするこの研究におけるいくつかの手順のために、時間が必要であった。1日につき6匹の動物が、卒中の手術を受けた。もし本研究の8日間の外科手術期間中に動物が死んだ場合は、予備と置き換えた。死ななかった場合は、動物は置き換えなかった。ほとんどの動物の死(全部で5%未満)は、外科手術直後〜7日間の期間に起きた。
麻酔:麻酔を上述の実施例2に説明した通りに実施した。
温度:37.0±1℃。
手術手順:手術手順を上述の実施例2に説明した通りに実施した。
手術後のモニタリング:手術後のモニタリングを上述の実施例2に説明した通りに実施した。
取扱い、手術および注射のタイムテーブル:取扱い、手術および注射のタイムテーブルは、上述の実施例2に説明したタイムテーブルと同じであった。
治療および投与:ラットは、表26に示されている治療スケジュールに従って治療された。投与は表27に示す。4−アミノピリジンは、注射用の水(WFI,Cellgro)に溶解され、滅菌濾過された。4−アミノピリジンの、0.25mg/mL、0.5mg/mL、1.0mg/mLの溶液を、それぞれ0.5mg/kg、1.0mg/kg、2.0mg/kgの最終投与量のために、胃管栄養法によって送達した。ビヒクルコントロール治療は、2mL/kgの胃管栄養法によって送達されたWFIであった。MCAO後の56日目に開始して、動物は、おおよそ12時間おきに溶液(2mL/kg)の胃管栄養法を受けた。ビヒクルコントロールグループは、56日目〜65日目におけるすべての投与について水を用いて治療した。治療グループについて、56日目〜59日目にかけて0.5mg/kgにおける4−アミノピリジンの6回の投与量を、続いて59日目〜62日目にかけて1.0mg/kgにおける4−アミノピリジンの6回の投与量、および62日目〜65日目にかけて2.0mg/kgにおける4−アミノピリジンの6回の投与量を送達した。すべてのグループにおける動物を、66日目〜70日目の間に治療しなかった。p.o.=経口。
Figure 2018127497
Figure 2018127497
治療グループ:動物にMCAO手術を行い、動物を56日間にわたって回復させた。その後、動物を、ベースラインの行動に基づいて2つのグループにランダム化した。b.i.d.での経口投与を、MCAO後の56日目の夕方に開始した。投与期間における行動試験は、投与の1時間後に開始した。血液を、治療フェーズの直前および治療フェーズの間に、行動試験の直後(投与の90分後)に伏在静脈から採取した。全ての投与は胃管栄養法によって行い、体積は2mL/kgを超えなかった。
血液採取:300マイクロリットルの血液サンプルを、初回投与の直前の56日目、それから各用量レベルの6回目の投与から正確に90分後に、各動物の伏在静脈から採取した。上述の実施例2に説明した通り、血液を、採取し、遠心分離し、保存し、分析した。
行動試験の詳細:治療割り当てを知らされていない評価者によって行われた。感覚運動機能の盲検評価は、四肢プレーシングおよびボディスイング行動試験を用いて、MCAO手術の直前、MCAO外科手術の24時間後、およびその後、投与の第1フェーズまで週に一回行った。前述の通り、行動評価の時刻は、投与時期にて正確に決められた。動物に初回の投与を行い、投与の60分後に行動評価を開始した。動物を、各用量レベルの6回目の投与(59日目、62日目、および65日目)の1時間後、および5日間のウォッシュアウトの最後である70日目に試験した。
四肢プレーシング:−1日目(処置前)、1日目、7日目、14日目、21日目、28日目、35日目、42日目、49日目、56日目、59日目、62日目、65日目、70日目に評価した。四肢プレーシングテストを、前肢テストおよび後肢テストに分けた。前肢プレーシングテストおよび後肢プレーシングテスト、ならびにおよびこれらのテストについての採点法は、上述の実施例2に説明した通りである。
ボディスイング:−1日目(処置前)、1日目、7日目、14日目、21日目、28日目、35日目、42日目、49日目、56日目、59日目、62日目、65日目、70日目に評価を行った。ボディスイングテストおよびこのテストについての採点法は、上述の実施例2に説明した通りである。
安楽死および死後処理:MCAO後の70日目に、ラットを、上述の実施例2に説明した通りに麻酔した。
梗塞測定:梗塞測定を上述の実施例2に説明した通りに実施した。
統計的方法:治療前のベースラインの値(56日目)からの変化を、投与後に評価された各タイムポイントにおける各行動スコアから算出した。平均の行動パラメーターデータを、分散分析(ANOVA)にかけた。梗塞体積のデータをANOVAによって分析した。すべてのデータを平均値±SEMとして表した。
法規制の順守:本研究についての法規制の順守は、上述の実施例2における説明と同じである。
品質保証(QA):本研究の品質保証は、上述の実施例2における説明と同じである。
結果
動物の両方のグループ(ビヒクルおよび4−アミノピリジン治療)は、MCAO誘発性の虚血に対して典型的な回復反応を示し、手術直前(−1日目)の正常なスコア0に続いて、梗塞後の24時間以内(1日目)に機能の完全な喪失(スコア12、前肢;スコア6、後肢)をともなっていた。つづく8週間(非治療フェーズ)の間、前肢および後肢のスコアは、それぞれ、おおよそ4.5および2.5に改善したのち、回復の停滞レベルに達した(図11および図12を参照)。具体的には、機能の完全な喪失の後に、動物は、部分的に回復し、およそ30日目に停滞期に達した。動物は、治療が開始された56日目まで、この水準の機能を維持していた。
感覚運動機能を、前肢プレーシングテストおよび後肢プレーシングテストならびにボディスイングテストを用いて評価した。前肢プレーシングテストは、前肢機能における治療の効果を示している(図11参照)。後肢プレーシングテストは、後肢機能におけう治療の効果を示している(図12参照)。ボディスイングテストは、全体的な身体制御に対する治療の効果を示している(図13参照)。
ビヒクルグループは、投与開始前の最後の評価と比べて、行動において統計的に有意ではない小さい変化を示した。対照的に、0.5mg/kgの4−アミノピリジン(低用量)を受けた動物は、ビヒクルと比べて、前肢プレーシングにおいて有意に改善した(p<0.001)(図11、59日目参照)。後肢プレーシングのスコアは、低用量において改善したが、有意ではなかった(図12、59日目参照)。4−アミノピリジンの投与量を1mg/kgに増加させると、前肢および後肢の両方のプレーシングテストにおいて、ビヒクルと比べて測定可能な改善が見られた(それぞれ、p<0.001およびp<0.05、図11および図12、62日目)。2mg/kgの4−アミノピリジンまでの最終的な投与量の漸増は、ビヒクル治療した動物と比べて、前肢および後肢の両方の機能における有意な改善(それぞれ、p<0.0001およびp<0.001、図11および図12、65日目)を生じさせた。治療を5日目にわたって中止したとき、改善は、部分的に低いスコアに低下したが、後肢スコアはビヒクル治療したグループよりも高い状態を維持した(p<0.05、図12、70日目)。長期かつ一貫した投与期間は、ビヒクル治療したグループと比べて、完全にウォッシュアウトするためのさらなる時間を必要とする。しかし、4−アミノピリジンの短い血漿半減期を考えると、比較的短い時間に生じる、反復試験に由来する訓練効果が起り得る可能性が高い。治療フェーズの全過程の間にわずかな改善のみがビヒクル治療した動物に認められたように、ビヒクル治療した動物は、その障害において安定状態を維持していた。
それゆえ、図11は、虚血性の脳の障害の8週間後の、低用量、中用量、高用量の4−アミノピリジンのいずれかを用いた治療が、ラットにおいて前肢機能の改善に有効であることを示している。図11はまた、当該効果が用量依存性であることを示している。また、この効果は薬剤の退薬において減少するため、可逆性がある。図12は、虚血性の障害の8週間後の、低用量の4−アミノピリジンを用いた治療が、ラットにおいて後肢機能の改善に有効であり得ること、および、虚血性の脳の障害の8週間後の、中用量または高用量の4−アミノピリジンを用いた治療が、ラットにおける後肢機能の改善に有効であり得ることを示している。さらに、図12は、低用量を用いた治療またはビヒクルコントロールと比較して、より高用量を用いた治療が行動スコアの改善をもたらしているため、この効果は用量応答性であるということを示している。また、図12は、当該効果は少なくとも部分的に可逆性であるということを示している。
ボディスイングパフォーマンスは、評価した時点において広範には特徴付けされていない。56日目の治療前スコアと比較して、ボディスイングパフォーマンスにおける治療効果が、薬物評価の初め(59日目)に表れるようであるが、治療開始前にビヒクルグループおよび4−アミノピリジングループの間に見られるボディスイングの非対称性の相違を考慮すると、全体としてデータから導き出せる結論はない(図13)。なお、本実施例で用いた動物の年齢と大きさは、実施例2に示された研究におけるものよりも大幅に増加しているが、このことがこの特定のテストにおける動物の全般的なモチベーションおよびパフォーマンス能に影響を与えるかもしれない。
4−アミノピリジンの血漿レベル:動物がビヒクル治療を受けたときに取られた血液サンプルは、本方法のための定量の下限値を下回る4−アミノピリジンのレベルであった。動物が4−アミノピリジンを受けたときに取られたサンプルは、行動テスト時の曝露が用量レベルと適切に関連していること裏付けた。4−アミノピリジンの血漿レベルを、表28に示す。
Figure 2018127497
したがって、4−APが動物において検出可能な血漿レベルである期間に、前肢および後肢の感覚運動機能における有意な、可逆的かつ用量依存的な改善の向上がデータによって示されている。
表29は、ビヒクル(水)と4−アミノピリジンとの間で、梗塞体積において差が見られなかったことを示している(SE=標準誤差)。
Figure 2018127497
脳組織の梗塞体積の分析を、卒中の前臨床研究の典型的な転帰評価として本研究に包含する。本研究の任意のグループ間にも、梗塞体積における差は見られず、そして、本実施例において示される研究と実施例2において示される研究との間では、梗塞体積は同様であった。
(実施例2および17についての引用文献)
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(6.18 実施例18:虚血性卒中後の慢性的障害を有する対象における、ダルファムプリジン10mg持続放出性タブレットの研究)
本研究は、セクション6.16の実施例16に前述したように行った。具体的には、本研究対象はセクション6.16.2に記載し、治験計画はセクション6.16.3に記載し、対象の選択および退薬はセクション6.16.4に記載し、対象の治療はセクション6.16.5に記載し、使用した治験薬はセクション6.16.6に記載し、そして研究手順はセクション6.16.7に記載したとおりである(上記の実施例16、セクション6.16参照)。要約すると:
・二重盲検式の、ランダム化した、クロスオーバーデザイン
・少なくとも6ヵ月前に虚血性卒中を患い、現在安定的な神経障害を抱えている83人
・参加者に、ダルファムプリジン−ER 10mgおよびプラセボの両方を、14日間、1日2回投与した
・下記の概念実証データ
・安全性および耐容性
・歩行に重点をおいた主要な有効性(25フィート歩行時間)
・上肢および下肢の感覚運動機能評価、全般評価を含めた他の有効性評価。
本研究には、登録の少なくとも6ヵ月前に虚血性卒中を経験し、且つ慢性的な運動障害を有する83人の参加者を包含していた。実施例16、セクション6.16に上記している、本研究のクロスオーバーデザインの部分として、参加者は、ダルファムプリジン−ER 10mg(すなわち、10mgの4−アミノピリジンの徐放性製剤)を、1日2回、14日間受け、そしてプラセボを14日間、1日2回受ける。参加者がプラセボを受ける、1週間のウォッシュアウト期間を設けた。本研究の目的は、種々の有効性評価、ならびに安全性および耐容性を調べることである。
下記の種類の卒中に罹患している患者についてのデータを得た(Dalf−ER=ダルファムプリジン−ER;PBO=プラセボ)。
Figure 2018127497
本研究に参加した対象のうち19.3%が、脳底動脈の卒中を患っていた。本研究に参加した対象のうち2.4%が、椎骨動脈の卒中を患っていた。
本研究の結果を、要約書の後の、本明細書の末尾の添付の図面に示す。
本研究の結果は、ダルファムプリジン−ER 10mg(すなわち、10mgの4−アミノピリジンの徐放性製剤)タブレットを、おおよそ12時間ごとに、1日2回投与することにより、卒中後の障害を有する人の歩行が改善されたことを示している。卒中後の障害とは、卒中を経験した人に持続して見られる、歩行、運動および感覚機能、手先の器用さの障害などの慢性的な神経障害をいう。具体的には、データのトップライン分析により、ダルファムプリジン−ERが、虚血性卒中の結果として生じる運動性障害を伴う人の歩行を改善することが見出された。さらに、本研究において、ダルファムプリジン−ER治療が、機能的自立度評価(FIM)のスケールにおいて、プラセボ治療と比較して、ポジティブな変化に結びつくことを見出した。
重要な有効性の所見:結果(卒中後の障害の所見)については、図16〜図19および表30を参照のこと。重要な診査効能評価(歩行速度)におけるポジティブなシグナルが検出された。歩行における改善は、25フィート歩行時間(T25FW)によって測定した。完全なクロスオーバーデザイン研究によって、参加者がダルファムプリジン−ERを服用している間に、プラセボと比べて歩行速度が向上した(p<0.05)ことが示された。具体的には、図16は、全体的な歩行速度の結果を示す図であるが、ダルファムプリジン−ER(「D−ER」)を服用している患者は、プラセボ(「PBO」)を服用している患者と比較して、全体的な歩行速度において改善が見られたことを示唆している(患者数(「N」)=78;p=0.027)。加えて、図17は、期間1の結果についての平均の歩行速度の%変化を示しており、プラセボ服用患者と比較して、ダルファムプリジン−ERを服用している患者における歩行速度のベースラインからの平均パーセンテージの上昇を実証している。また、対象間および同一対象内の歩行速度の結果が、脳底動脈の卒中を発症した患者について示される(図14および図15を参照)。脳底動脈の卒中のためのプラセボグループは、本研究の両方の期間において、ダルファムプリジングループと比較して、ベースラインからはほとんど平均変化を示さなかった。参加者はまた、プラセボに比較して、ダルファムプリジン−ERを服用しているときに、機能的自立度評価(FIM)のスケールにおいてポジティブな変化を示した。FIMスケールによって、日常業務(入浴、身繕い、摂食、自力歩行など)を行う個人の能力を評価する。FIMスケールの結果を、図18〜図19および表30に示す。ボックスアンドブロックテストの最初の分析は、向上の確実な傾向を示したが、次の分析では有効性の明確なシグナルは見られなかった。
Figure 2018127497
重要な安全性の所見:本研究において報告されたもっとも一般的な有害事象は、めまい(ダルファムプリジン−ER服用の10.4%、プラセボ服用の2.5%)、吐き気(ダルファムプリジン−ER服用の3.9%、プラセボ服用の6.2%)、疲労感(ダルファムプリジン−ER服用の5.2%、プラセボ服用の3.7%)、不眠(ダルファムプリジン−ER服用の5.2%、プラセボ服用の2.5%)、関節の痛み(ダルファムプリジン−ER服用の2.6%、プラセボ服用の3.7%)であった。3人の参加者が、調査中に発作を経験した。一例は、参加者が5日間プラセボを服用している間に生じ(それ以前のダルファムプリジン−ER暴露はなし)、一例は、参加者がダルファムプリジン−ERを6〜8日間服用している間に生じ、一例は、参加者がダルファムプリジン−ERを6〜8日間服用している間に、故意に14錠のダルファムプリジン−ERを過剰摂取したことにより生じた。当該過剰摂取は、最近の親族の不幸に関連した自殺未遂であることが本研究の調査者によって判断された。3人の参加者はすべて全快した。本研究において観察された安全性のプロフィールは、MS研究のものと一致していた。
特許、特許出願、刊行物などの種々の参考文献が、本明細書に引用されているが、これらの開示は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
図1は、4−アミノピリジンに関する情報を示す。 図2は、投与および行動試験のタイムテーブルの概略を示す。 図3は、前肢プレーシングテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している(0〜12で表し、0は機能が正常であり、12は障害が最大である)。グラフは、実施例に記載したD−1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60(「D」は日を意味する)の各テストグループ(すなわち、グループ1〜3)における動物の平均行動スコアを示す。 図4Aは、後肢プレーシングテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している(0〜6で表し、0は機能が正常であり、6は障害が最大である)。図4Aは、実施例に記載したD−1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60における各テストグループ(すなわち、グループ1〜3)の動物の平均行動スコアを示す。 図4Bは、後肢プレーシングテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している(0〜6で表し、0は機能が正常であり、6は障害が最大である)。図4Bは、実施例に記載したD−1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60(「D」は日を意味する)におけるグループ1の動物の平均行動スコアを示す。 図4Cは、後肢プレーシングテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している(0〜6で表し、0は機能が正常であり、6は障害が最大である)。図4Cは、実施例に記載したD−1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60におけるグループ2の動物の平均行動スコアを示す。 図4Dは、後肢プレーシングテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している(0〜6で表し、0は機能が正常であり、6は障害が最大である)。図4Dは、実施例に記載したD−1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60におけるグループ3の動物の平均行動スコアを示す。 図5は、ボディスイングテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している。グラフは、実施例に記載したD−1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60における各テストグループ(すなわち、グループ1〜3)の動物の平均行動スコアを示す。 図6は、卒中の事象(すなわち、MCAO)から数日後(すなわち、D−1、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60)の各テストグループ(すなわち、グループ1〜3)における動物の平均体重を示す。 図7は、シリンダーテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している。グラフは、実施例に記載したD−1(処置前)、D1、D7、D14、D21、D28、D30、D32、D42、D44、D46、D56、D58、D60における各テストグループ(すなわち、グループ1〜3)の動物の平均行動スコアを示す。 図8は、シリンダーテストの対象となった動物の動作の総スコアを示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している。グラフは、−1日(処置前)、7日、21日、30日、32日、44日、46日、58日、60日における各テストグループ(すなわち、グループ1〜3)の動物の平均行動スコアを示す。 図9は、MCAO後のグループ1、2および3における動物の平均梗塞体積(%)を示す。 図10は、実施例16に示す臨床試験計画書の研究デザインを示す。 図11は、前肢プレーシングテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している(0〜12で表わし、0は機能が正常であり、12は障害が最大である)。グラフは、実施例17に記載した各テストグループ(すなわち、ビヒクルおよび4−AP)における動物の平均行動スコアを示す(「D」は日を意味する)。データを平均±SEMで表す。*=p<0.05;†=p<0.001;‡=p<0.0001。 図12は、後肢プレーシングテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している(0〜6で表し、0は機能が正常であり、6は障害が最大である)。グラフは、実施例17に記載した各テストグループ(すなわち、ビヒクルおよび4−AP)における動物の平均行動スコアを示す(「D」は日を意味する)。データを平均±SEMで表す。*=p<0.05;†=p<0.001;‡=p<0.0001。 図13は、ボディスイングテストの結果を示す。X軸は、卒中の事象後の日数(すなわち、MCAO後の日数)を表している。Y軸は、行動スコアを表している。グラフは、実施例17に記載した各テストグループ(すなわち、ビヒクルおよび4−AP)における動物の平均行動スコアを示す(「D」は日を意味する)。データを平均±SEMで表す。*=p<0.05;†=p<0.001;‡=p<0.0001。 図14:脳底卒中 − A期間における相互主観的な歩行速度(ft/秒)の平均変化。図14は、最初の2週間の間の、プラセボ(Pbo、n=9)またはダルファムプリジンの持続放出性タブレット(DER、n=6)にランダム化された脳底動脈の卒中の患者における、ft/secで示すベースライン歩行速度の平均(分布)変化を示す。平均および範囲シフトにおいて見られるように、Pbo患者と比較してDER患者は、強いポジティブな変化があった。 図15:脳底卒中 − A〜B期間における相互主観的な歩行速度(ft/秒)の平均変化。図15は、最初の2週間の治療期間の一連のプラセボ(Pbo、n=9)後に、2回目の2週間の治療期間のダルファムプリジンの持続放出性タブレット(DER、n=8)にランダム化された、脳底動脈の卒中の患者における、ft/secで示すベースライン歩行速度の平均(分布)変化を示す。平均および範囲シフトにおいて見られるように、Pbo期間と比較してDER期間は、強いポジティブな変化があった。 図16:全体的な歩行速度の結果。X軸は、プラセボを服用した患者(「PBO」)対ダルファムプリジン−ERを服用した患者(「D−ER」)を表している。Y軸は、LS平均±SEで表されたCFB(ベースラインからの変化)歩行速度(ft/秒)の全体的な結果を表している。注記:母数効果(fixed effect)としての順序、期間、来院および治療と、変量効果としての対象とを備えた、混合型統計モデルからのp値。 図17:期間1の間の平均歩行速度%の変化。X軸は、ベースラインから上昇した歩行速度の平均比率を表す。Y軸は、ベースラインから上昇した特定の平均比率を示した患者の比率を表す。 図18:機能的自立度評価(「FIM」)。X軸は、プラセボ(「PBO」)およびダルファムプリジン−ER(「D−ER」)の投与の順序、または実験期間を表す。Y軸は、平均±SEMで表されたCFB FIMを表す。CFBは、最後の投与後の来院時のベースラインからの変化を示す。 図19:機能的自立度評価(「FIM」)。X軸は、実験期間を表す。Y軸は、平均±SEで表されたCFB FIMを表す。混合モデルからのP値:p=0.059、CFBは、最後の投与後の来院時のベースラインからの変化を示す。

Claims (45)

  1. 卒中を患っている患者を治療するための方法であって、当該方法は、アミノピリジンまたはその薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量を、当該患者に投与する工程を包含しており、
    上記卒中は、内頸動脈の卒中、前大脳動脈の卒中、後大脳動脈の卒中、椎骨動脈の卒中、および脳底動脈の卒中からなる群より選択されることを特徴とする方法。
  2. アミノピリジンの治療学的に有効な量を、上記患者に投与する工程を包含していることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. アミノピリジンの薬学的に許容され得る塩の治療学的に有効な量を、上記患者に投与する工程を包含していることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 上記患者は、ヒトであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 上記アミノピリジンは、モノアミノピリジンまたはジアミノピリジンであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 上記アミノピリジンは、4−アミノピリジンであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 上記アミノピリジンまたは上記その薬学的に許容され得る塩は、徐放性組成物中にあることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 上記アミノピリジンまたは上記その薬学的に許容され得る塩は、即時放出性組成物中にあることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  9. 上記アミノピリジンまたは上記その薬学的に許容され得る塩は、患者に対して、1日1回投与されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 上記アミノピリジンまたは上記その薬学的に許容され得る塩は、患者に対して、1日2回投与されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  11. 上記アミノピリジンまたは上記その薬学的に許容され得る塩は、患者に対して、1日3回以上投与されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  12. 上記アミノピリジンまたは上記その薬学的に許容され得る塩の、上記治療学的に有効な量は、4〜40mgを1日2回、4〜17.5mgを1日2回、5〜15mgを1日2回、5〜12.5mgを1日2回、または7.5〜10mgを1日2回の範囲であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  13. 上記アミノピリジンまたは上記その薬学的に許容され得る塩の、上記治療学的に有効な量は、5mgを1日2回、6mgを1日2回、7mgを1日2回、7.5mgを1日2回、8mgを1日2回、9mgを1日2回、または10mgを1日2回であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  14. 上記アミノピリジンまたは上記その薬学的に許容され得る塩の、上記治療学的に有効な量は、10mgを1日2回であることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. 上記アミノピリジンまたは上記その薬学的に許容され得る塩の、上記治療学的に有効な量は、5mgを1日2回であることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  16. 上記アミノピリジンまたは上記その薬学的に許容され得る塩は、経口投与されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 上記アミノピリジンまたは上記その薬学的に許容され得る塩は、タブレットの形態において調合されていることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
  18. 上記投与工程は、上記患者が上記卒中にかかったときから、少なくとも1ヶ月後、少なくとも2ヶ月後、少なくとも3ヶ月後、少なくとも4ヶ月後、少なくとも5ヶ月後、少なくとも6ヶ月後、少なくとも7ヶ月後、少なくとも8ヶ月後、少なくとも9ヶ月後、少なくとも10ヶ月後、少なくとも11ヶ月後、または少なくとも12ヶ月後に開始することを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 上記投与工程は、上記患者が上記卒中にかかったときから少なくとも6ヶ月後に開始することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
  20. 上記投与工程は、上記患者が上記卒中にかかったときから少なくとも4ヶ月後に開始することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
  21. 上記投与工程は、上記患者が上記卒中にかかったときから、少なくとも1週間後、少なくとも2週間後、少なくとも3週間後、少なくとも4週間後、少なくとも5週間後、少なくとも6週間後、少なくとも7週間後、または少なくとも8週間後に開始することを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  22. 上記投与工程は、上記患者が上記卒中にかかったときから少なくとも4週間後に開始することを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  23. 上記投与工程は、上記患者が上記卒中にかかったときから2〜7日後に開始することを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  24. 上記投与工程は、上記患者が上記卒中にかかったときから、6時間以内または2日以内に開始することを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  25. 上記卒中は、虚血性卒中であることを特徴とする、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 上記患者における卒中に関連した感覚運動障害を治療する方法であることを特徴とする、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 上記患者における卒中に関連した運動性障害を治療する方法であることを特徴とする、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 上記卒中に関連した感覚運動障害は、歩行における障害、四肢の機能における障害、下肢機能における障害、下肢の筋力における障害、筋緊張における障害、上肢の機能における障害、手の機能における障害、繊細な手の調整における障害、握力における障害、バランスもしくは調整における障害、全身の制御における障害、構音障害、顎の機能における障害、咀嚼における障害、または顎関節における障害であることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
  29. 上記障害は、歩行における障害であることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
  30. 上記障害は、歩行速度における障害であることを特徴とする、請求項29に記載の方法。
  31. T25FWによって測定される上記歩行速度が、アミノピリジン治療の前の上記患者の歩行速度と比較して、上記患者において改善されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
  32. 上記歩行速度は、少なくとも10%まで、少なくとも20%まで、少なくとも30%まで、少なくとも40%まで、または少なくとも50%まで改善されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
  33. 上記卒中に関連した感覚運動障害は、日常業務を行うための能力における障害であることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
  34. 上記日常業務は、入浴、摂食、身繕いおよび/または自力歩行であることを特徴とする、請求項33に記載の方法。
  35. 上記日常業務を行うための能力が、アミノピリジン治療の前の上記患者の上記日常業務を行うための能力と比較して、上記患者において改善されることを特徴とする、請求項33または34に記載の方法。
  36. 上記日常業務は、機能的自立度評価(FIM)によって評価されるものであることを特徴とする、請求項33に記載の方法。
  37. FIMによって評価される上記日常業務を行うための能力における障害が、アミノピリジン治療の前の上記患者の上記日常業務を行うための能力と比較して、上記患者において改善されることを特徴とする、請求項36に記載の方法。
  38. 上記アミノピリジンまたは上記その薬学的に許容され得る塩の、上記治療学的に有効な量は、少なくとも約11ng/ml、少なくとも約12ng/ml、少なくとも約13ng/ml、少なくとも約14ng/ml、少なくとも約15ng/ml、少なくとも約16ng/ml、少なくとも約17ng/ml、少なくとも約18ng/ml、少なくとも約19ng/mlまたは少なくとも約20ng/mlの、Cminssもしくは平均Cminssが、ヒトにおいて得られるような量であることを特徴とする、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 上記アミノピリジンまたは上記その薬学的に許容され得る塩の、上記治療学的に有効な量は、約12ng/ml〜20ng/mlの範囲におけるCminssまたは平均Cminssがヒトにおいて得られるような量であることを特徴とする、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。
  40. 上記徐放性組成物は、ヒトにおいて、約2時間〜約6時間のTmaxを提供することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  41. 上記アミノピリジンまたは上記その薬学的に許容され得る塩の、上記治療学的に有効な量は、4〜40mgを1日1回、8〜30mgを1日1回、10〜30mgを1日1回、10〜20mgを1日1回、または15〜20mgを1日1回の範囲であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  42. 上記アミノピリジンまたは上記その薬学的に許容され得る塩の、上記治療学的に有効な量は、10mgを1日1回であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  43. 上記卒中は、脳底動脈の卒中および/または椎骨動脈の卒中であることを特徴とする、請求項1〜42のいずれか1項に記載の方法。
  44. 上記卒中は、脳底動脈の卒中であることを特徴とする、請求項43に記載の方法。
  45. 上記脳底動脈の卒中は、脳底動脈の閉塞であることを特徴とする、請求項44に記載の方法。
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