JPH08503460A - ブラジキニンアンタゴニスト - Google Patents

ブラジキニンアンタゴニスト

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JPH08503460A
JPH08503460A JP6512112A JP51211293A JPH08503460A JP H08503460 A JPH08503460 A JP H08503460A JP 6512112 A JP6512112 A JP 6512112A JP 51211293 A JP51211293 A JP 51211293A JP H08503460 A JPH08503460 A JP H08503460A
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シー. クロニス,ジョン
ケイ. ブロッドゲット,ジェームズ
スミス グッドフェロー,バル
ブイ. マラセ,マノジュ
ダブリュ. スプルース,ライル
ティー. ワリー,エリック
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コルテク,インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 式:(BKAn)(X)(Y)式中、BKAnはブラジキニン アンタゴニストペプチドであり;Yは薬作用発生団であり;そしてXはBKAn成分とY成分とを化学的に結合する架橋結合である、で表わされるブラジキニン アンタゴニスト。

Description

【発明の詳細な説明】 ブラジキニン アンタゴニスト 本発明は、もう一種の相違する薬作用発生団(pharmacophore) に共有結合したブラジキニン アンタゴニスト(BKAn)成分からなる、医薬 として有効なヘテロダイマーに関するものである。関連出願 1992年10月15日付けで発行された先行出願WO 92/17201に は、型式: X(BKAn)2 式中、BKAnはブラジキニン アンタゴニストペプチドを表わし、そしてX は2個のBKAnを、それらの末端に対して中間の位置で結合している結合基で ある、 で表わされるブラジキニン アンタゴニストダイマーが記載されている。この置 き換えできるブラジキニン部分は同一または相違することができる。しかしなが ら、この出願にはまた、BKAnペプチドと相違するレセプター活性を有するも う一種のペプチド、例えばNK1またはNK2アンタゴニストペプチドまたはmu −オピオイド(opioid)レセプターアゴニストペプチドとを、結合基Xを 介して結合させることが包含されている。このようなヘテロダイマーは、それら の相当する活性が密接に関連している場合に、特に有用である。すなわち、多く の病態生理学的に重要なプロセスにおいて、炎症と神経原性メディエーターとの 間に緊密な相互作用が存在することは公知である。例えば、この現象は組織外傷 (事故および手術後)から派生する両方の痛みおよび喘息において生じる。両状 況において、組織と血漿由来メディエーター(例えばBK2レセプター部位で作 用するキニン類など)およびニューロン由来因子、例えばサブスタンスP(NK1 レセプター)およびニューロキニンA(NK2 レセプター)とは、複雑な相互 作用を演じる。また、剌激された場合に、その種類に無関係に神経原性ペプチド (サブスタンスP、ニューロキニンA、ニューロキニンB、コレサイスト キニン、CGRPなど)の放出を抑制できるmu−オピエート クラスのニュー ロンレセプターの局所的作用も存在する。 これらの相互作用、およびまたその他の炎症と神経原性メディエーターとの間 の相互反応が生じた場合には、この病態生理学に付随する症状の改善に普遍的に 有効であると見做される薬剤は1種も存在していない。上記引用出願に開示され ているヘテロダイマーは、二重選択性を有する単一の薬剤によって、この問題に 対応しようとするものである。このようなヘテロダイマーの別の利点はまた、当 業者にとって明白であろう。発明の簡単な説明 その最も広い態様において、本発明は、ブラジキニン アンタゴニストではな い、もう一種の薬作用発生団を、BKAnペプチドと結合させることによって得 られるヘテロダイマーに関するものであり、この薬作用発生団は、WO 92/ 17201に記載されているようなペプチドまたは、例えば痛みおよび(または )炎症プロセスに責任のある異種の非ブラジキニン成分に対して有効な、あるい はキニン類の活性に関連するか、またはキニン類の活性に関係して生じる、他の 問題に対して有効な、非ペプチドのどちらかであることができる。生成する化合 物は、2種のレセプター集団と、あるいはまたレセプターおよび酵素と、相互反 応することができる「二重作用性」化合物である。この作用性は、単一の分子が 2種のレセプターに対抗することを、または1種のレセプターと酵素とに同時的 に対抗することを示唆するものではなく、この分子が2種のタイプのレセプター の一方と、あるいは1種のレセプターおよび(または)酵素と相互反応すること ができることのみを示唆するものである。しかしながら、このような化合物を適 当な投与量で投与した場合の総合的薬理学的効果は、これらの2つの種類の活性 の少なくとも合計に相当する。これらの化合物は、一体の形態にデザインするこ とができ、あるいは各々がそれ自体同定できる活性を保有する、2つの分離した 分子として会合されているようにデザインすることもできる。 本発明のヘテロダイマーは、構造的に下記式で表わすことができる: (Y)(X)(BKAn) 式中、BKAnはブラジキニン アンタゴニストペプチドであり;Xは結合基 であり;そしてYはブラジキニン アンタゴニストではなく、かつまたBKAn 成分とは相違するレセプターまたは酵素、好ましくは痛みまたは炎症プロセスに 関連するレセプターまたは酵素に対して活性を示すペプチドまたは非ペプチドの 薬作用発生団である。 本発明のヘテロダイマーは、痛みまたは炎症に対して、より広い処置スペクト ルを提供する可能性を有する。炎症状態では、その重篤度に関係なく、単一の薬 剤またはメディエーターが、意図する症状の臨床治療全体に対して完全に応答で きるという見込みは格別に少ない。これに付随して、炎症病態生理学においてブ ラジキニンはある役割を与えられているから、炎症性障害の処置に使用される組 み合わせ治療には、その総合的作用プロフィールの一部として、ブラジキニン拮 抗作用が必ず包含される。広いスペクトルおよび強力な非特異的治療方法(例え ば、喘息におけるステロイド類の使用)は、多分効果的ではあるが、また望まし くない、潜在的で重篤な副作用および毒性という重荷を付随する。 かなりの場合に、2種の別々のメディエーターが、相乗的に作用し、これらが また処置しようとする疾患の発現にとって圧倒的に臨床的に重要であることが知 られている。このような場合としては、例えば喘息に関連する、およびまた外傷 または手術後の痛みに関連する、NK1レセプター部位で作用するサブスタンス PおよびBK2レセプター部位で作用するブラジキニンの場合がある。同様に、 炎症におけるさらに重要な下流エフェクターの1つとしての向神経性エラスター ゼと炎症の発現および持続に重要な炎症メディエーターの1つとしてのブラジキ ニンはまた、それらの作用において相乗的であると見做すことができる。 代謝安定性、選択性およびレセプター結合性などの特徴を改善するために、ホ モダイマーの形態の医薬活性物質を提供しようとする試みは、別種の系に関して 以前に開示されている。この従来の研究には、作用を強化するために、および( または)持続時間を増加させるために、ペプチドアゴニストとアンタゴニストと を二量化する手段が包含される。Caporale等によるProc.10th American Peptide Symp. ,Pierce Chemi cal Co.,Rockford,IL449−451(1988)およびR osenblatt等によるヨーロッパ特許出願No.EP293 130A2参照。また、ペプチドアゴニストの二量化が、エンケファリン/エン ドフィリンに関して(Shimohigashi,Y.等によるBBRC,14 6,1109−1115,1987);サブスタンスPに関して(Higuch i等によるE.J.P.,160,413−416,1989);ブラジキニン に関して(Vavrek,R.およびStewart,J.によるJ.Proc .8th Amer.Pept.Symp. ,381−384,1983);ニ ューロキニンAおよびBに関して(Kodama,H.等によるE.J.P., 151,317−320,1988);インシュリンに関して(Roth,R. A.等によるFEBS,170,360−364,1984);および心房ナト リウム排泄増加性ペプチドに関して(Chino,N.等によるBBRC,14 1,665−672,1986)、開示されている。アンタゴニストの二量化は 、パラチロイドホルモンに関して開示されている(Caproale,L.H. 等によるProc.10th Amer.Pept.Symp.,449−45 1,1987)。しかしながら、これらの刊行物には、本発明が意図するブラジ キニン アンタゴニストおよび相違する薬作用発生団からなるヘテロダイマーは 開示されていない。発明の詳細な説明 多数のブラジキニン アンタゴニストペプチドが当技術で公知であり、これら のかなりを本発明のダイマーのBKAn成分を提供するという目的に使用するこ とができる。インビトロで、非常に強力なブラジキニン アンタゴニストの1種 は下記式を有するペプチドである: Regoli等によるTrends in Pharmacological Science11:156−161(1990)参照。簡潔にするために、 本明細書においてこのペプチドをCP−0088と記する。 CP−0088は使いやすいものであるが、その他の入手できる、公知のブラ ジキニン アンタゴニストペプチドもまた、本発明の目的に使用することができ ることは、当業者にとって明白であろう。広く種々の、このようなブラジキニン アンタゴニストペプチドが、近年の特許刊行物に記載されており、これらはい づれも、本発明の目的に使用することができる。例えば、EP−A−03342 44(ProcterおよびGamble)には、或るアミノ酸残基が修飾され ている、ノナーおよび大型ブラジキニン アンタゴニストペプチドが記載されて いる。EP−A−0370453(Hoechst)ならびにWO 89/01 780およびWO 89/01781(Stewart等)にはまた、ブラジキ ニン アンタゴニストペプチドが記載されている。これらの特許刊行物の中で、 本発明が意図するダイマーを開示しているものはない。しかしながら、上記した ように、これらの刊行物のペプチドもまた、本発明の実施に使用することができ る。 結合基Xは、成分BKAnおよびYの活性を干渉しないかぎり、いずれの結合 基XもBKAn成分とY成分とを一緒に、化学的に、または共有的に結合させる ために使用することができる。この結合基は、無機(例えば、−S−)または有 機であることができ、インビボで加水分解されて、またはその他の解離を受けて 、活性成分BKAnおよびYを遊離するものから選択することができる。別様に は、この結合基は、使用時点で、当該ヘテロダイマーが一体のまま残されるよう な基であることもできる。 好ましくは、この結合基は、BKAnペプチド鎖上のスルフヒドリル基を、も う一種の薬作用発生団成分と反応させることにより誘導される−S−原子を包含 することができる。これは、ペプチド鎖内のシステイン(Cys)スルフヒドリ ル基、すなわち当該ペプチドの末端の中間位置のスルフヒドリル基を含む反応に より達成することができる。このためには、初めに出発BKAnペプチドを修飾 して、このペプチド鎖の適当な位置にCys基を包含させることが必要であるこ ともある。例えば、CP−0088は、その6位置のSerをCysにより置き 換えることによって修飾して(以下の記載において、このように修飾されたCP −0088をCP−0126と称する)、もう一種の薬作用発生団をCysスル フヒドリル基を介して都合よく結合させることができる。 CP−0126は、下記の構造式により示すことができる: 略記号を用いると、この式は、 DR−R−P−J−G−F−C−DF−L−R で表わすことができる。 結合位置としてCysを使用すると、結合基Xはシステインスルフヒドリルの −S−を包含する。これは、結合基Xの全体(例えばジスルフィドに基づくダイ マーの場合)であることができ、またはその一部分のみであってもよい。従って 、例えばこの結合基は、その末端でBKAnおよびYに結合しているビススクシ ンイミドヘキサンのようなビススクシンイミドアルカンからなることができる。 これらの、およびその他の結合基は出願人の関連特許出願に開示されており、こ れらのいずれもを、本発明の目的に使用することができる。その他の結合基Xは 以下に示す6群の化合物から誘導することができ、これらのうちの若干は−S− 原子を必要としないか、あるいは含有していないものであり、これらの基は一般 的カテゴリイとして、アミノ酸類縁体リンカーまたはマレイミドに基づくリンカ ーと見做すことができる。これらのリンカーは、単に例として包含されるもので あって、全ての可能な結合分子の全部を包含しようとするものではない: クラス I (アミノ酸類縁体) クラス II (マレイミドに基づくリンカー) アミノ酸類縁体リンカー(クラスI)は、BKAnのペプチド鎖中に直接挿入 することができ、このリンカーを使用することにより、対の薬作用発生団(成分 Y)を用いて、エラスターゼ安定性または不安定性のヘテロダイマーを形成する ことができる。別のものとして、マレイミドに基づくリンカーを、所望の薬作用 発生団と反応させることもでき、これは次いで、スルフヒドリル含有ペプチドに 結合させることができる。さらにまた、R3 として−CO2Hを含有する、これ らの化合物群のいずれかからのリンカーを、これらの化合物群からの別種のリン カーと反応させて、エラスターゼ不安定性リンカー(R3=−OH含有リンカー )またはエラスターゼ安定性リンカー(R3=−NH2含有リンカー)を形成する ことができ、これらを使用して、所望のペプチド/非ペプチドヘテロダイマーを 形成することができる。R1およびR2は、エステルに基づく結合要素のカルボニ ル炭素に対して、完全な非干渉接近または有意の干渉接近が得られるように変化 させることができ、これによって当該エステルのインビボ加水分解速度を所望の とおりに制御することができる。 本発明のダイマーの製造にここで使用される、リンカー−修飾BKAnまたは 薬作用発生団のうちの或るものは、それら自体新規であり、本発明のもう一つの 態様を構成する。 本発明のヘテロダイマーの成分Yは、ブラジキニン アンタゴニストでないか ぎり、いかなるペプチドまたは非ペプチドの薬作用発生団でもよく、これらの薬 作用発生団は痛みおよび(または)炎症プロセスに関連する、相違する(非ブラ ジキニン)成分に対して活性を示すものであり、これにより2種の相違するレセ プター集団またはレセプターおよび酵素と独立して相互反応することができる、 二重作用性化合物が提供される。 すなわち、例えば成分Yは非ペプチドmu−オピオイドレセプターアゴニスト、 例えばモルヒネ、あるいはオキシコドン(oxycodon)またはオキシモル ホン(oxymorphone)のようなその誘導体の1種であることができる 。 シクロオキシゲナーゼ抑制(COI)が望まれる場合には、Y成分として、イ ンドメタシンを選択すると有用である。しかしながら、その他の慣用の非ステロ イド系抗炎症剤、例えばアスピリン、イブプロフェン、ナプロキシン等のいずれ もを使用することができる。この場合には、シクロオキシゲナーゼが一般的に細 胞内酵素であると考えられていることから、このBKAn/COIヘテロダイマ ーは、インビボCOI活性を得るために、加水分解される必要があることがある 。 向神経性エラスターゼ抑制が要求される場合には、これは活性エステル、例え ば2−フェニル−アルカノエートエステルであることができる。ヘテロアリール アルカノエートエステラーゼインヒビターを使用することもできる。本発明にお いて成分Yとして使用される、好適な向神経性エラスターゼインヒビターを、以 下でCE−1218と記する。このCE−1218は新規化合物であると信じら れ、本発明のさらにもう一つの態様を構成する。 ここで、成分Yとしてまた使用することができる、その他の種類のエステラー ゼインヒビターには、フルオロメチルケトン類、ホスホネート類、ベンゾオキサ ゾール類、ベーターラクタム類などが包含される。 前記したように、成分Yは、ブラジキニン アンタゴニスト活性以外の所望の 活性を有する、ペプチドまたは非ペプチドインヒビターからなることができる。 しかしながら、このY成分は好ましくは、例えば痛みまたは炎症を処理する場合 に、ブラジキニンの活性と共通性、または緊密な関連性を有するレセプターまた は酵素に対する活性が提供されるように選択する。各種症状に対して、BKAn とmu−オピオイドレセプターアゴニスト、向神経性エラスターゼインヒビター 、シクロオキシゲナーゼインヒビターまたはNK1 またはNK2 レセプターアン タゴニストとの組み合わせに使用される理論的原理を、説明の目的で以下に示す 。BKAn/mu−オピオイドレセプターアゴニスト C−ファイバー求心体(C−Fiber afferents)は痛みの感覚 ならびに炎症の神経原性成分としての両方を媒介することが知られている。これ らの求心性ニューロンは、中枢神経系(CNS)および末梢神経支配組織の両方 において、特異的剌激および非特異的剌激に応答して、種々のニューロペプチド を放出する。これらのニューロペプチドの幾つかには、神経伝達物質の中で、サ ブスタンス−P、ニューロキニンA、ニューロキニンB、カルシトニン遺伝子関 連ペプチド(CGRP)、コレサイストキニン(CCK)、バソアクティブイン テスティナル ポリペプチド(VIP)、およびニューロペプチドYが包含され る。この複雑性に加えて、相違するC−ファイバーは、その神経支配組織に依存 して、これらのニューロペプチドを異なる量および(または)割合で含有するも のと見做される。これらのペプチドはいずれも、多数の疾患および臨床症状と関 係する種々の神経原性プロセスにおいて寄与役割を演じることが証明されている 。実際に、これらのペプチドに対する特定のアンタゴニストが、種々の製薬会社 および独立した調査研究所によって、強力な治療薬として開発されている。 この他の点では種々様々のニューロン群に共通する特徴の一つは、これらがい ずれも、これらのニューロペプチドの放出を調整するmu−オピオイドレセプタ ーを有することにある。内因性エンケファリンおよびその他の外部から投与され た小さい分子量の化合物、例えばモルヒネ、オキシモルホン、フェンタニルおよ びそれらの誘導体は、mu−オピオイドレセプターアゴニストとして局所的に( 末梢における末端mu−オピオイドレセプターの部位で)およびCNSにおいて 、作用することにより末梢C−ファイバーからのニューロペプチドの放出を抑制 する。この抑制は、特定のC−ファイバーに含有されているペプチドの配列およ びそれらの放出を生じさせる剌激の両方とは独立している。 その結果として、ホルモン性および神経原性プロセスによって生じる症状の処 置に関して、特に良好な活性様相を有するものと考えられる1群の重要な化合物 は、BKAn/mu−オピオイドレセプターアゴニスト ヘテロダイマーである 。これらの化合物は、キニン類により示されるような炎症プロセスのホルモン性 成分およびニューロペプチドの放出により生じる炎症の神経原性局面の両方を軽 減もしくは阻止することが予想される。さらにまた、存在するmu−オピオイド アゴニストの使用を制限する要素の一つに、これらの薬剤により処置しようとす る患者における中毒および(または)耐用性の発現の可能性は言うまでもなく、 またそれらの鎮静、錯乱および呼吸運動の低下をもたらす性質がある。mu−オ ピオイドアゴニストのこれらの望ましくない局面は、これらの物質がCNSを容 易に透過する性質を有することによるものである。しかしながら、BKAn/m u−オピオイドレセプターアゴニスト ヘテロダイマーは、そのBKAnの高度 にカチオン性の性質によって、CNSを必ずしも透過しない。従って、mu−オ ピオイドレセプターアゴニスト活性は、末梢に限定され、その結果として、この 種 の化合物の副作用/毒性プロフィールは実質的に減少される。BKAn/向神経性エラスターゼインヒビター(NEI) 前記したように、全身的および局所的の両方の炎症応答の制御を、炎症経路の 一つ以上で介在させる必要があることがある。特に、炎症プロセスの開始および 維持に責任がある主要メディエーター(例えばブラジキニン)の活性を阻止する 能力および実際の組織変質および損傷に責任がある主要最終経路エフェクター( 例えば向神経性エラスターゼ)の活性を阻止する能力は、非経口治療を要する敗 血症またはその他の重篤な炎症症状の、あるいはまた炎症性皮膚疾患または歯/ 末梢症状の「単一医薬による治療」にとって、鍵でありうる。 両標的(ブラジキニンレセプターおよび向神経性エラスターゼ)は本質的に細 胞外のものであるから、組み合わされたBKAn/NEI活性を有するヘテロダ イマーは、一体のままで残るように、または解離されるように、デザインするこ とができる。しかしながら、2種の活性薬作用発生団の解離が望まれる場合には 、当該ヘテロダイマーを構成する、これら2種の活性成分をつなぎ合わせる結合 分子が、例えば血漿ヒドロラーゼによる加水分解されるようにデザインすること ができる。このタイプの解離性または加水分解性ヘテロダイマーをここで説明す る。BKAn/シクロオキシゲナーゼインヒビター(COI) ブラジキニンの生物学的活性の大部分は、プロスタグランジンの発生と関連し 合っている。例えば、炎症による痛みに関連する痛感過敏のほとんどは、損傷し た組織による、およびまたC−ファイバーそれら自体による、或る種のプロスタ グランジンの発現に依存しているものと見做される。後者の場合に、ブラジキニ ンおよびサブスタンス−Pは、これらの「第二メッセンジャー」の主要刺激原で あるものと見做される。損傷した組織によるプロスタグランジンの発現はブラジ キニンとは独立している。このペプチド炎症後メディエーターとプロスタグラン ジンとの相互反応は、別の設定でも生じ、二重作用性化合物の標的であると考え ることができる。シクロオキシゲナーゼは細胞内酵素であることから、かつまた 官能性ブラジキニンレセプターが外部血漿膜に限定されることから、BKAn/ COI組み合わせ活性を有するヘテロダイマーは、その各薬作用発生団がインビ ボ解離を受ける必要があることがある。BKAn/NK1−レセプターアンタゴニスト(NK1An) ブラジキニンおよびサブスタンス−Pは、炎症の開始および維持において相乗 的に作用すること、およびまた喘息および種々の痛みを伴う症状の両方における 神経原性成分であることが知られている。これらの状況の両方において、ブラジ キニンは末梢の痛みおよび(または)喘息における咳および呼吸困難の発作を媒 介するC−ファイバー感覚求心性を剌激することができる、最も強力ではないが 、かなり強力な薬物の一つである。一次剌激に無関係に、これらのニューロンは サブスタンス−Pを放出し、このサブスタンス−Pはブラジキニンの活性および これらの剌激が作用する第二感覚神経末端におけるその他の剌激を増幅させ、か つまた増大させる。この初期剌激、引き続く局所的増幅の「ワン/ツウ パンチ 」は、充分に解明されており、いずれか一つが介在することによる成功または失 敗に関して有意に連座している。これらのプロセスの両成分を単一の化合物の標 的にすることによって、1種の特定の薬物を単独で使用した場合に比較して、優 れており、かつまた組み合わせ治療に比較して、簡単で、また安価な、二重特異 性薬剤を提供することが可能になる。BKAn/NK2−レセプターアンタゴニスト(NK2An) ブラジキニンの急性気管支平滑筋収縮を生じさせる能力は少なくとも特に、サ ブスタンス−Pを放出する同一C−ファイバーによるニューロキニンAの放出に 依存している。ニューロキニンAは、気管支平滑筋に対して、NK2 レセプター を介してその効果を発揮する。しかしながら、ブラジキニンそれ自体より多くの ニューロキニンAをニューロンから放出させることができ、その結果として、B K2/NK2アンタゴニスト組み合わせ活性を有する二重特異性アンタゴニストは 、いずれか別の単一の薬剤に比較して、喘息の患者の気管支収縮のより良好な総 合的改善を必ずもたらす。 本発明のヘテロダイマーは、WO 92/17201に記載の方法と一般的に 同一の方法で製造することができる。通常、この方法には、BKAnペプチド鎖 に沿った適当な位置で、このBKAn成分に結合基Xを挿入し、引き続いてこの 結合基を介して、BKAnに非ペプチド薬作用発生団を結合させることを包含す る。別法として、結合基Xを非ペプチド薬作用発生団に付加し、次いでこのリン カー修飾薬作用発生団にBKAnを結合させることもできる。代表的製造方法を 以下で説明するが、各種変更を採用できることは認識されるであろう。 本発明を下記の例で説明するが、これらの例は制限しようとするものではない 。 例1−4(BKAn/mu−オピオイドアゴニスト) 本発明を例示するために、4種の相違するペプチド/オピエートヘテロダイマ ー(これらをCP−0477、CP−0488、CP−0494およびCP−0 499で表わす)を製造した。これらの化合物のうちの3種は、CP−0126 (DR−R−P−J−G−F−C−DF−L−R)を使用して製造し、そして4種 目はCP−0347(DR−R−P−J−G−Thi−C−DTic−Oic−R )を使用して製造した。同様に、2種の相違するオピエート(オキシコドンおよ びオキシモルホン)ならびに2種の相違するリンカー化学物質を使用して、それ ぞれ下記のヘテロダイマーを得た: ヘテロダイマー、CP−0477、CP−0488、CP−0494およびC P−0499を、添付図面1を引用して、以下に詳細に示すとおりにして製造し た:化合物Iの製造 オキシコドン塩酸塩(0.182g、0.52mmol)、酢酸(0.475 ml、8.3mmol)、S−ベンジルシステアミン(0.174g、1.04 mmol)およびメタノール(5ml)を組み合わせ、室温で1時間撹拌した。 シアノホウ水素化ナトリウム(95%、0.033g、0.52mmo1)を添 加し、この反応混合物を室温で24時間撹拌した。この混合物を減圧で濃縮した 。生成する油状物を酢酸エチルに溶解し、この酢酸エチルフラクションを飽和重 炭酸ナトリウム溶液により洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、次いで減圧 の 下に蒸発させた。この粗生成物を、シリカカラムにおいてクロマトグラフイに付 し、EtOAc、EtOAc−MeOH(9:1、容量/容量)およびEtOA c−MeOH−Et3N(9:1:0.2、容量/容量/容量)により順次溶出 した。化合物Iが25.0%(59.0mg)の収率で油状物として単離された 。化合物II(CP−0477)の製造 I(0.059g、0.127mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン2ml に溶解し、次いでオーブン乾燥した三ッ頚100mlフラスコに移した。このフ ラスコに、デュワー(dewar)コンデンサー、窒素供給源およびアンモニア 導入口を備えていた。−78℃に維持されている、このフラスコ中に、ほぼ10 mlのアンモニアを凝縮させた。強い青色が維持されるまで、ナトリウム少片を 添加し、次いで40秒後に、固体塩化アンモニウムにより、反応を静止させた。 この反応混合物を室温まで加温し、次いでアンモニアをバブラーを通して沸騰除 去し、メタノール(25ml×3)を添加し、次いで減圧の下に蒸発させた。単 離されたチオールを最低量のDMF(N,N−ジメチルホルムアミド、2ml) 中に溶解した。化合物X(約0.3当量)をトリス緩衝液(0.5M、4.0m l)中に溶解し、上記DMF溶液に添加し、次いで17時間撹拌した。この粗製 混合物を逆相Vydac C−18HPLCカラムにおいて、水中15−40% CH3CN勾配、0.1%一定TFAを使用して、20分間にわたって精製した 。保有時間は16.0分であった。凍結乾燥させた後に、26.4mgのIIが 、白色粉末として単離された。分析 : 質量スペクトル分析は、Finnigan Lasermat Mass A nalyzerで行った。 分子量計算値…1916 分子量実測値…1918アミノ酸分析 化合物IIIの製造 メタノール(10.0ml)に溶解した酢酸アンモニウム(2.2g、28. 4mmol)およびオキシコドン塩酸塩(1.0g、2.84mmo1)の混合 物に、NaCNBH3(0.18g、2.84mmol)のメタノール(4.0 ml)性溶液を添加した。生成する溶液のpHを、濃塩酸の添加により7.0に 調整し、17時間撹拌し、次いで濃塩酸の添加によりpH1.0に酸性化した。 溶媒を減圧の下に除去し、残留する生成物を水に溶解した。この水性層をクロロ ホルムにより抽出し、次いで10%炭酸ナトリウム溶液によりpH9.0に調整 し、NaClにより飽和し、次いでクロロホルムにより抽出した。このクロロホ ルム層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、次いで減圧の下に蒸発させた。この粗 製油状物を、シリカゲルクロマトグラフイにより精製し、EtOAc、EtOA c−MeOH(9:1、容量/容量)、EtOAc−MeOH−Et3N(9: 1:0.3、容量/容量/容量)により順次溶出した。化合物IIIが47.0 %(0.42g)の収率で油状物として単離された。化合物IVの製造 BOC−グリシン(0.16g、0.91mmol)、HOBt(0.125 g、0.9lmmol)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチ ルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(98.0%、0.18g、0.91mmo l)を、DMF(2.0ml)に溶解し、次いで0℃で1時間撹拌した。この反 応混合物に、DMF(3.0ml)に溶解したアミンIII(0.24g、0. 76mmol)を添加し、この反応混合物を室温まで加温し、次いで17時間撹 拌した。DMFを減圧の下に除去し、生成する生成物を酢酸エチルに溶解した。 この酢酸エチル層を飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインにより洗浄し、次いで 硫酸マグネシウム上で乾燥させた。この有機相を減圧の下に蒸発させ、この粗製 混合物を、シリカゲルカラムにおいてフラッシュクロマトグラフイに付し、Et OAc−MeOH−Et3N(9.5:0.5:0.3、容量/容量/容量)に より溶出した。化合物IVが82.0%(0.29g)の収率で油状物として単 離された。化合物Vの製造 化合物IVから、塩化メチレン(5.0ml)中でTFA(5.0ml)を用 いて、BOC保護基を分離した。塩化メチレンを減圧の下に除去し、この残留物 を塩化メチレン(20ml×3)とともに、次いでトリエチルアミン(3ml× 3)とともに、ストリッピングに付した。3−S−ベンジルメルカプトプロピオ ン酸(0.15g、0.75mmol)、EDC(0.15g、0.75mmo l)、HOBt(0.103g、0.75mmol)およびEt3N(0.35 ml、2.48mmol)を、DMF(5.0ml)に溶解し、次いで0℃で1 時間撹拌した。この反応混合物に、DMF(3.0ml)中のアミン(0.23 g、0.62mmol)の溶液を添加した。この反応混合物を室温まで加温し、 次いで17時間撹拌した。DMFを減圧の下に蒸発させ、この残留物を Et OAcに溶解した。このEtOAc層を10%Na2CO3、ブラインにより洗浄 し、乾燥させ(MgSO4上)、次いで減圧の下に蒸発させた。この粗製生成物 をフラッシュシリカゲルカラムにおいて精製し、EtOAc−MeOH−Et3 N(9:1:0.3、容量/容量/容量)により溶出した。化合物Vが60.0 %(0.205g)の収率で油状物として単離された。化合物VI(CP−0488)の製造 V 32.0mg(0.057mmol)から、IIに関して上記した方法を 使用して保護基を分離し、単離されたチオールを、トリス緩衝液中で化合物X( 0.073g、0.048mmol)と反応させた。この粗製混合物をIIに関 して上記した方法を使用して精製した。生成物の保有時間は、16.82分であ った。9.5mg(10%)の化合物VIが、凍結乾燥後に、白色粉末として得 られた。質量スペクトルデータ : 分子量計算値:2002 分子量実測値:2004アミノ酸分析 化合物VIIの製造: オキシモルホン塩酸塩(0.56g、1.66mmol)、S−ベンジルシス テアミン(0.69g、4.15mmol)、酢酸(1.52ml、26.5m mol)およびシアノホウ水素化ナトリウム(0.11g、1.66mmol) を、Iに関して上記した方法にしたがい使用した。この粗製混合物の精製に使用 された第三の溶出剤、EtOAc−MeOH−Et3 Nの組成は、9:1:0. 3、容量/容量/容量であった。この精製により、0.213gの化合物VII (29.0%)が油状物として単離された。化合物VIII(CP−0494)の製造 化合物VII(0.063g,0.14mmol)から、IIに関して上記し た方法を使用して保護基を分離した。このチオールを次いで、トリス緩衝液中で X(0.335g、0.152mmol)により処理した。この粗製混合物を、 逆相Vydac C−18HPLCカラムにおいて、水中15−70%勾配CH3 CN、0.1%一定TFAを35分にわたり使用して精製した。VIIは、1 5.0分の保有時間を有した。119.0mg(45.0%)のVIIが、凍結 乾燥後に、白色粉末として単離された。質量スペクトルデータ : 分子量計算値:1902 分子量実測値:1904アミノ酸分析 化合物IX(CP−0499)の製造: 化合物VII(0.009g、0.02mmol)から、その保護基をIIに 関して上記した方法を使用して分離し、このチオールを次いで、トリス緩衝液中 でXI(0.026g、0.016mmo1)と反応させた。この粗製混合物を 、Vydac C−18HPLCカラムにおいて、水中15−70%勾配CH3 CN、0.1%一定TFAを35分にわたり、8.0ml/分の流速で使 用して精製した。IXの保有時間は、14.22分であった。IX(6.4mg 、20.0%)が、凍結乾燥後に、白色粉末として単離された。質量スペクトルデータ 分子量計算値:1957 分子量実測値:1958 インビトロ試験 BKAn/mu−オピオイドレセプターアゴニスト ヘテロダイマーを、ラッ トの子宮(BK2−レセプター活性)試験法および電気剌激したモルモットの回 腸(mu−オピエートレセプター活性)試験法を使用して、インビトロで試験し た。これらの試験方法は、当技術で周知である。得られた結果を表Iに示す: オキシコドンも、またオキシコドンから誘導されたヘテロダイマー(CP−0 477およびCP−0488)もどちらも、mu−オピエートレセプターアゴニ スト活性に係わる、インビトロモルモット回腸試験法において、いずれかの活性 を示したことは注目されるべきである。これは多分、完全に活性であるためには 、オキシコドンはインビボで脱メチル化される必要があると見做されるという事 実によるものである。その結果として、相当する脱メチル化性酵素に欠けている 試験法では、オキシコドンおよびオキシコドン由来化合物が、活性を示すものと は予想されない。 しかしながら、さらに重要なことは、これらのヘテロダイマーのBKAn成分 の活性に係わる、およびオキシモルホン含有化合物の活性に係わる、ラット子宮 に対するデータである。表Iに略述されているデータから見ることができるよう に、これらのヘテロダイマーの全部において、完全活性が保留されており、また オピエートとしてオキシモルホンを採用した化合物では、完全mu−オピオイド レセプターアゴニスト活性が保留されていた。これらのデータから、BKAn/ mu−オピオイドレセプターアゴニスト ヘテロダイマーはインビボ系において 、それらの各レセプター集団と相互反応することができることが証明される。 インビボ試験 これらの化合物のインビボ活性を試験するために、炎症および神経原性痛みモ デルを使用した。このモデルは、マウスの後肢の足裏ふくらみ部分にホルマリン 50μlを注入して、その挙動応答を測定するものである。これらの実験からの データを図1、2および3にまとめて示す。対照マウス(○印)は、注入された ホルマリンの特徴的二相型応答、すなわち短時間持続する初期応答、引き続く静 止期間の後の、後肢をなめる動作を示す期間が持続する応答を示す。この後肢を なめる動作は、後肢が赤くなり、痛みがあることを意味する。なめる動作を示す 期間が長いほど、その剌激はさらに大きい痛みを伴うものである。 オキシモルホン(図2AおよびB)は、両相のなめる動作に費やす時間を減少 させるが、最高投与量(0.9および3.0μmole/kg)によって、この 動作を有意に軽減させると、カタレプシイおよび露骨な呼吸低下が生じる。ブラ ジキニンアンタゴニストCP−0127(強力なBK2選択的アンタゴニスト… 図3AおよびB)は、このホルマリン試験の両相でなめる動作に費やす時間を減 少させるが、その投与量は臨床上で実用される量よりも実質的に多い量である。 これに対して、CP−0494(図4AおよびB)は、両相の痛み応答を阻止す るばかりでなく、またこの場合の投与量は、オキシモルホン(0.9μmole /kg)またはCP−0127(12.6μmole/kg)のどちらか単独に 比較して実質的に少なく、しかも適度にまたは際立って重要なことに、数時間に わたる催眠作用が見られない。これらのデータは、BKAn/mu−オピオイド レセプターアゴニスト ヘテロダイマーが、前記の理論的考察から予想されるよ うに、親のどちらの薬作用発生団よりも、医薬として品質的に優れていることを 示している。 上記化合物が、種々の化合物の代表例であって、当該ヘテロダイマーを構成す る成分(BKAn、リンカーおよび(または)mu−オピオイドレセプターアゴ ニスト)のそれぞれを変えて、所望の最適効果を生じさせることができることは 、当業者にとって明白であろう。 例5(BKAn/NEI) 合成経路3に示されている構造を有するBKAn/NEI型の化合物(CP− 0502)を、例示の目的で合成した。このクラスの化合物は強力な局所的およ び(または)全身的抗炎症剤として使用することができる。この化合物はCP− 0126およびプロトタイプ エラスターゼインヒビター、CE−1218から 誘導される(下記合成経路1、化合物(6)参照)。 合成経路1 このヘテロダイマーに使用された結合要素は、血清エステラーゼにより結合さ れる、結合性エステルの不干渉加水分解が起きるように選択されている。このリ ンカーを変えて、エステルカルボニル炭素の立体的接近性を変更することによっ て、あるいはこの化学物質をアミド架橋に変換することによって、加水分解速度 を、急速からゼロまで変化させることができることは、当業者にとって明白であ る。潜在的な加水分解による分解を生じない、完全に安定なリンカー分子もまた 使用することができる。 BKAn/NEIヘテロダイマー(1種または2種以上)の合成および分析 これらの化合物の合成は、合成経路2および3を引用して説明する。下記の詳 細な合成では、合成経路1したがうエラスターゼインヒビターCE−1218の 製造が包含される。合成経路1: 4−tert−ブチルアセトフェノン(1)の合成 : 乾燥している1リットルフラスコに、撹拌しながら、CS2(250ml)お よびAICl3(133.34g、0.56mol)を入れた。この懸濁液を氷 浴中で冷却し、次いでtert−ブチルベンゼン(50.00g、0.37mo l)およびアセチルクロライド(78.50g、0.41mol)の溶液を、2 時間にわたり滴下して添加した(温度は、25℃以上には上昇させない)。この 反応混合物を、室温で一夜にわたり撹拌し、次いで氷を満たした2リットルビー カーに注ぎ入れた。6N HCl 200mlにより反応を静めた後に、この溶 液をNaClで飽和し、次いで分離した。この水性層をエーテル(2×100m l)により洗浄し、次いで前の有機層と合わせた。この新しい有機溶液を水(1 00ml)により洗浄し、乾燥させ(MgSO4 )、次いで蒸発させて、油状物 を得た。この油状物を蒸留し、4−tert−アセトフェノン52.1g(79 .3%)を、清明な無色油状物として得た(沸点0.05mm:70−76℃)。 メチル 4−tert−ブチルフェニルアセテート(2)の合成: Pb(OAc)4(132.06g、0.298mol)およびベンゼン25 0mlを含有する、機械撹拌機を備えた、乾燥1リットルフラスコを窒素により 浄化し、氷浴中で冷却させた。この冷却したスラリーに、メタノール70ml中 のBF3 OEt2(137.8ml、1.12mol)、4−tert−ブチル アセトフェノン(50.00g、0.284mol)の溶液を1時間にわたり滴 下して添加した。この混合物を一夜にわたり撹拌し、水(500ml)により反 応を静め、エーテル250mlにより稀釈し、次いで層を分離させた。この有機 層を水により洗浄し、NaHCO3 により稀釈し(注意深く)、次いでMgSO4 上で乾燥させた。この混合物を濾過し、蒸発させ、次いで蒸留して、メチル4 −tert−ブチルフェニルアセテート31.2g(53.4%)を、清明な無 色油状物として得た(沸点0.04mm:75−80℃)。 メチル 4−tert−ブチルフェニルイソブチレート(3)の合成: メチル4−tert−ブチルフェニルアセテート(30.00g、0.145 mol)およびインドメタシン(45.41g、0.320mol)の乾燥TH F125ml中の溶液を、THF200ml中のNaH(8.72g、0.36 3mol)のスラリーに、30分にわたり滴下して添加した。この添加の完了後 に、この反応混合物を、還流の下に1.5時間、加熱した。この反応混合物を、 室温まで冷却させ、セライト(Celite)に通して濾過し、次いで濃縮させ た。この残留物をエーテルにより稀釈し、H2Oにより洗浄し、次いでMgSO4 上で乾燥させた。溶剤を蒸発させると、所望の生成物が油状物として得られた。 この粗製メチル4−tert−ブチルフェニルイソブチレートおよびKOH(1 0.07g、0.179mol)含有4:1EtOH/H2Oの混合物を、還流 の下に4時間、加熱した。EtOHを減圧の下に蒸発させ、残留する溶液を2N HClによりpH2に酸性にし、次いで沈殿した固形物を濾別した。 この白色固形物を乾燥させ(60℃、1mmHg、24時間)、所望の生成物を 得た(23.45g、メチル4−tert−ブチルフェニルアセテートから73 .2%)。 4−(3′−カルボ−tert−ブトキシ−プロピルメルカプト)フェニル 4 −tert−ブチルフェニルイソブチレート(4)の合成 : CH2Cl216ml中の4−tert−ブチルフェニルイソ酪酸(2.00g 、0.0091mol)およびチオニルクロライド(1.62g、0.0136 mol)の混合物を、アルゴンの下に一夜にわたり撹拌した。揮発性成分を減圧 の下に蒸発させ、生成する固形物をTHF(15ml)に溶解し、次いでTHF (15ml)中のTEA(2.5ml)、tert−ブチル−4−(4′−ヒド ロキシフェニル)メルカプトブチレート(2.44g、0.0091mol)の 溶液を、10分間にわたり滴下して添加した。この混合物を3日間撹拌し、Et2 Oにより稀釈し、次いで5%NaHCO3により抽出した。この有機層をH2O 、ブラインにより洗浄し、次いで乾燥させた(MgSO4)。蒸発の後に、無色 油状物を分離し(HPLC、シリカゲル、70:30CH2Cl2/ヘキサン〜C H2Cl2線状勾配)、所望の生成物を油状物として得た(2.20g、51.5 %)。 4−(3′−カルボキシープロピルメルカプト)フェニル 4−tert−ブチ ルフェニルイソブチレート(5)の合成 : CH2Cl220ml中の4−(3′−カルボ−tert−ブトキシプロピルメ ルカプト)フェニル 4−tert−ブチルフェニルイソブチレート(2.40 g、0.00510mol)の撹拌溶液に、三フッ化酢酸(25ml)を15分 間にわたって添加した。さらに15分の後に、揮発性成分を除去し、この油状物 を結晶化させ(ヘキサン)、所望の生成物1.94g(91.8%)を白色固形 物として得た、融点:86.0−87.0℃、 4−(3′−カルボキシープロピルスルホニル)フェニル 4−tert−ブチ ルフェニルイソブチレート(6)の合成 : 50mlフラスコに、4−(3′−カルボキシ−プロピルスルホニル)フェニ ル 4−tert−ブチルフェニルイソブチレート(1.64g、0.0039 6mol)、HOAc(25ml)および30%H2215mlを入れた。この 反応混合物を、一夜にわたり撹拌し、H2O(50ml)により稀釈し、生成す る固形物を濾別した。乾燥(12時間、1mmHg)の後に、この固形物を再結 晶させ(CH2Cl2/ヘキサン)、所望の生成物1.54g(87.1%)を白 色粉末として得た、融点:107−108.5℃。 6−マレイミドヘキサノール(7)の合成: 6−マレイミドヘキサノール(7)の合成は、下記の合成経路2に記載の結合 方法を使用する: 合成経路2 100mlフラスコに、6−アミノヘキサノール(0.76g、0.0064 mol)および飽和NaHCO325mlを入れた。このホモジネートを室温で 撹拌し、次いでN−メトキシカルボニルマレイミド(1.00g、0.0064 mol)を固形物として添加した。この混合物は、この添加後に短時間で清明に なり、この混合物を1時間撹拌した。この混合物をEtOAcにより抽出し、乾 燥させ(MgSO4)、次いで蒸発させた。生成する混合物をシリカゲル上で分 離した(CH2Cl2〜EtOAc)。生成物が白色固形物として得られた、0. 32g(25.2%)。この生成物は、さらに精製することなく使用した。 CP−0502の合成 化合物(6)(CE−1218)を化合物(7)によりエステル化し、生成さ れた化合物(8)を次いでCP−0126と結合させて、ダイマーCP−050 2を生成させた。これらの後者の反応を合成経路3に示す: 合成経路3 合成経路3をさらに詳細に参照して、化合物(6)(200mg、0.448 mmol)、トリエチルアミン(0.124ml、2当量)、6−マレイミドヘ キサノール(7)(97mg、1.1当量)を、塩化メチレン2ml中に溶解し た。この撹拌した溶液に、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィ ン酸クロライド(122mg、1.0当量)を添加した。生成する懸濁液を室温 で4時間、撹拌した。この反応混合物を塩化メチレン25mlにより稀釈し、次 いで飽和NaHCO3により洗浄した。この有機溶液を無水MgSO4上で乾燥さ せ、次いで溶剤を減圧の下に、除去した。シリカゲル クロマトグラフイ(2× 18cmカラム)に付し、35/65アセトン/ヘキサン(Rf=0.4)によ り溶出して、化合物(8)を無色油状物として得た。 化合物(8)(50mg、0.08mmol)を、ジイソプロピルエチルアミ ン100μl含有DMF10ml中に溶解した。100mg(0.08mmol )のCP−0126を添加し、時々撹拌しながら、反応を30分間進行させた。 この反応混合物をVydacl′′C−18逆相カラムに注入し、次いでH2O 中の15%−90%アセトニトリルにより10ml/分の速度で、35分間にわ たり溶出した(一定0.1%THF)。相当するフラクションを凍結乾燥させ、 白色粉末(CP−0502)52mg(35%)を生成した。レーザー脱着質量 スペクトル分析M/Z=1890(M+H)、計算値=1890。自動式アミノ 酸配列結果により、変更されたアミノ酸が無い正しいペプチド配列が確認された 。 BKAn/NEIヘテロダイマー(1種または2種以上)のインビトロ活性 下記の化合物のBKAn活性およびNEI活性のインビトロ評価を、当業者に 公知の標準方法にしたがい行った。BKAn活性(pA2)は、ラット子宮標本 を使用して評価し、そしてNEI(K1 SS)活性は、精製ヒト向神経性エラスタ ーゼ(HNE)および合成可溶性色素産生性基質、メトキシスクシニル−アラニ ル−アラニル−プロピル−バリル−パラニトロアニリン(MOS−AAPV−p NA)を使用して行った。インヒビターを、0.05M リン酸ナトリウム、0 .1M NaCl、0.005%トリトン(Triton)X−100、5%D MSO、pH7.5、中のMOS−AAPV−pNA(0.5mM)と混合し、 次いでHNE(10−20nM)を添加した。ニトロアニリンの生成を、25℃ において、400−410nmの波長で、分光光度測定により追跡した。次いで 、ENZFITTERプログラムにより、K1 SSを包含する標準酵素運動学的パ ラメーターを自動式に計算した。 下記の結果が得られた: 表IIのデータは、NEI活性に係わり、一体形態ヘテロダイマー(CP−0 502)と遊離モノマー状NEI分子(CE−1218)との間には、それらの 各K1 SSに関して、僅かな相違があることを示している。しかしながら、これは 、その加水分解生成物、CP−0487(CP−0126のスクシンイミドヘキ サノール誘導体)に比較した、一体形態ヘテロダイマーのBKAn部分の活性に ついては真実ではない。すなわち、一体形態化合物の力値は、モノマー状BKA nよりも、ほとんど全対数的(full log)に小さい。興味深いことに、 この一体形態化合物が示す活性は、不可逆性ブラジキニン拮抗作用形式であり、 長いインキュベーション時間において子宮収縮を誘発させるブラジキニンのアン タゴニスト活性は明白に増加される。これらのタイプのレセプター相互反応は、 標準pA2分析法では充分には測定されず、BKAn活性に係わるCP−048 7とCP−0502との間に見出だされる活性の相違は、実際よりもはるかに明 白であることがある。これらのデータの基礎に存在する分子薬理学的メカニズム とは無関係に、BKAnとNEIとの組み合わせ活性を単一の分子中に導入でき ることは明白である。 上記データは、当該一体形態化合物のインビボ加水分解が、これら2種の分子 の挙動を変えることができ、それによってこの一次化合物のインビボ活性が総合 的に増加されることを示唆している。残念なことに、BKAnとNEIとの組み 合わせインビボ活性の評価に使用することができる確立されている動物モデルは 存在していない。従って、当該一体形態ヘテロダイマーのインビボ加水分解に係 わる潜在能力を評価するために、インビトロ「代用」系を使用した。この代用系 は、本発明のヘテロダイマーをヒト血漿とともにインキュベートし、生成する代 謝物を逆相HPLCにより分析することからなる。 CP−0502を、新しく採取したヒト血漿に添加し、種々の時間にわたり、 37℃でインキュベートした。指定時点で、試料を酸性(0.1N HCl)ア セトニトリルにより処理して、血漿タンパク質を沈殿させた。一定量(75μl )の上清を次いで、Vydac C−18逆相HPLCカラムにおいて、0.1 %THF中の24%−80%アセトニトリル勾配を使用して分析した。この溶出 液を214nmで追跡した。 図5aおよびbは、このタイプの分析を示す代表的逆相HPLCクロマトグラ ムである。これらのクロマトグラムから見ることができるように、親の化合物は 、スクシンイミドヘキサノール修飾モノマー、CP−0487およびその脱Ar g9誘導体に容易に加水分解されるものと見做される(血漿カルボキシペプチダ ーゼは、当該一体形態ヘテロダイマー、CP−0502およびCP−0487の 両方から末端アルギニン残基を開裂させる)。この加水分解反応の見掛け上のT1/2 は、ほぼ113分間である。このヘテロダイマーのNEI成分は、活性エス テルであり、同様に加水分解を受ける。これに対して、一体形態NEIモノマー およびその加水分解生成物は、このグラフの中央部分に見られる血漿由来ピーク により不明瞭にされており、この系を使用して可視化することはできない。NE Iはヘテロダイマーの成分として、モノマーの場合と同等の活性を有するから、 当該ヘテロダイマーの、その2種の成分部分への解離が、BKAn成分に係わる 場合に比較して、その活性に対する作用は小さいものと見做される。 このヘテロダイマーの加水分解速度が、「結合」エステル分子の空間的環境お よびまた電子的環境により影響を受けることができること、および使用される化 学物質の種類が、当該ヘテロダイマーの2種の成分の解離速度(またはその欠落 )の調節に使用することができる化学物質の種類の単に一つの例であることは、 当業者にとって明白であろう。 例6(BKAn/COI) BKAn/COIヘテロダイマーの合成および分析 代表的BKAn/COIヘテロダイマー(CP−0460)を、下記合成経路 4および5にしたがい合成した: 合成経路4 6−マレイミドヘキサニル 1−(4−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2 −メチル−3−インドヒルアセテート(9)の合成 100mlフラスコに、インドメタシン(1.90g、0.00532mol )、CH2Cl2 25mlおよびDCC(0.55g、0.00266mol) を入れた。2時間後に、この混合物を濾過し、DCUをCH2Cl215mlによ り洗出し、この新しい溶液に、6−マレイミドヘキサノール(0.50g、0. 00253mol)を固形物として添加し、次いで無水Na2CO3(0.32g 、0.00304mol)を添加した。4日間後に、この混合物を濾過し、Et2 Oにより稀釈し、次いでH2O中5%Na2CO3により洗浄し、次いで乾燥させ た(MgSO4)。生成する黄色油状物を、HPLC(シリカゲル;CH2Cl2 〜80:20CH2Cl2/EtOAc、線状勾配、60分間)で精製して、所望 の生成物を黄色油状物として得た、0.79g(58.0%)。1 化合物(9)とCP−0126との結合による、CP−0460の生成を、下 記の合成経路5およびその後の記載により説明する: 合成経路5 CP−0126(100mg、0.08mmol)を、ジイソプロピルエチル アミン50μl含有95%DMF/5%0.1M重炭酸アンモニウム中で、時々 撹拌しながら30分間、化合物(9)(0.12mol、1.5当量)と反応さ せた。この反応混合物を、Vydac 1′′C−18逆相カラム上に、10m l/分の速度で注入し、15%アセトニトリル/0.1%THFから40%アセ トニトリル/0.1%THFの勾配溶出を、20分間使用することによって精製 した。相当するフラクションを凍結乾燥させて、無色粉末(CP−0460)6 4mg(45%)を生成させた。レーザー脱着質量分光光度測定:M/Z=18 02(M+H)、計算値=1802。 前記したように、COIに係わる研究において、COIを細胞内に浸透させる には、BKAnからの解離が必要であることがある。従って、 BKAn/COIヘテロダイマーの機能的活性を評価するために、CP−046 0をラット肺実質ストリップにさらし、次いでここにアラキドン酸をチャレンジ させた。この組織は、両方の非特異的エラスターゼ活性を有し、かつまたアラキ ドン酸をトロンボキサンに変換し(シクロオキシゲナーゼ依存性経路を経る)、 次いで最終的に、この試験法で見出だされる平滑筋収縮に応答することが知られ ている。 この系を使用して、インドメタシンおよびCP−0460に係わるlog用量 比シフトは、それぞれ0.998+/−0.425および1.029+/−0. 042であることが見出だされた。この数値は、インドメタシン単独およびCP −0460の両方が、外部から施用されたアラキドン酸に対する応答として生じ る収縮を、同等の力値で阻止することを示している。BKAnそれ自体は、この 系で効果を有していない。これらのデータは、BKAn/COIヘテロダイマー のCOI成分が、エステル分解活性およびシクロオキシゲナーゼ活性の両方を含 む組織において、機能的活性を有することを示している。 一体形態CP−0460をまた、標準ラット子宮試験法を用いてBKAn活性 に係わり試験し、このCP−0460のpA2は、ほぼ7.8であることが見出 だされた。さらにまた、CP−0460は(CP−0502と同様に)、ブラジ キニン誘発子宮収縮の伝統的競合性アンタゴニストとしては挙動せず、むしろ特 により高い濃度で、「疑似−非競合性」アンタゴニストのタイプの挙動を示した 。遊離インドメタシンが、いかなる濃度でも効果を有していないことから、この 非定型挙動は、COI活性それ自体の活性を反映することはできない。 見出だされたデータに係わる説明とは無関係に、ここで例示されているもの以 外の別種の2種の化合物と同様に、各種の適当な結合分子を使用して、加水分解 性エステルに基づくヘテロダイマーを形成するための、COIモノマーの遊離ヒ ドロキシル基およびカルボキシル基(これらの基はかなりのCOIに共通の特徴 である)を提供することによって、薬理学的に重要なBKAn/COIヘテロダ イマーを製造できることは、当業者にとって明白である。このような化合物は、 種々の炎症または痛みを伴う症状の処置に、およびまた子宮平滑筋機能障害活動 の処置に、使用することができる。 本発明を、上記で非ペプチドであるY成分を使用して説明したが、この成分は 同等に、前記WO 92/17201に例示されている、ヘテロダイマーを包含 する、完全ペプチドまたはその部分からなることができる。 本発明のダイマーは、慣用の医薬組成物の形態で使用することができ、この組 成物は活性成分および医薬上で許容される担体からなる。このような組成物は、 局所、経口、エアゾル、筋肉内、皮下または静脈内投与に適する形態であること ができる。このような組成物中に存在する活性成分の量は、用途および投与方法 に依存して、例えば約0.001−90.0重量%の範囲であることができ、さ らに多くのまたは少ない量の活性成分を使用することもできる。好ましい投与量 は、意図する用途および投与方法に基づき格別に変えることができる。しかしな がら、通常、有効用量は0.1−100マイクログラム/体重kgの程度である 。 本発明の範囲は、別紙請求の範囲により定められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07K 7/18 8318−4H (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,MG,MN ,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SK,UA,VN (72)発明者 グッドフェロー,バル スミス アメリカ合衆国 80030 コロラド州ウエ ストミンスター,フーカー コート 10045 (72)発明者 マラセ,マノジュ ブイ. アメリカ合衆国 80021 コロラド州ウエ ストミンスター,ダブリュ.エイティーエ イトス プレース 9661 (72)発明者 スプルース,ライル ダブリュ. アメリカ合衆国 80005 コロラド州アー バダ,ホイト コート 7747 (72)発明者 ワリー,エリック ティー. アメリカ合衆国 80403 コロラド州ゴー ルデン,ダブリュ.セブンティーセブンス プレース 15955

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式: (BKAn)(X)(Y) 式中、BKAnはブラジキニン アンタゴニストペプチドであり;Yは BKAn以外の相違する薬作用発生団であり;そしてXはBKAn成分とY成分 とを化学的に結合する結合分子である、 で表わされるヘテロダイマー。 2.Yが、炎症プロセスの非キニン成分に対抗する活性を有する非ペプチド薬 作用発生団である、請求項1に記載のヘテロダイマー。 3.Yが、炎症プロセスの非キニン成分に対抗する活性を有するペプチド薬作 用発生団である、請求項1に記載のヘテロダイマー。 4.Yが、mu−オピオイド レセプターアゴニストである、請求項1に記載 のヘテロダイマー。 5.Yが、向神経性エラスターゼインヒビターである、請求項1に記載のヘテ ロダイマー。 6.Yが、シクロオキシゲナーゼ インヒビターである、請求項1に記載のヘ テロダイマー。 7.Yが、NK1 レセプターアンタゴニストまたはNK2 レセプターアンタゴ ニストである、請求項1に記載のヘテロダイマー。 8.Xが、加水分解性である、請求項1に記載のヘテロダイマー。 9.Xが、非加水分解性である、請求項1に記載のヘテロダイマー。 10. Xが、BKAn中に挿入されたアミノ酸またはアミノ酸類縁体からなる 、請求項1に記載のヘテロダイマー。 11. Xが、マレイミド/スクシンイミドに基づく架橋基からなる、請求項1 に記載のヘテロダイマー。 12. Xが、ビススクシンイミドアルカンからなる、請求項1に記載のヘテロ ダイマー。 13. Xが、BKAnペプチドスルフヒドリル基のS原子からなる、請求項1 に記載のヘテロダイマー。 14. Yが、オキシコドンまたはオキシモルホンからなる群から選択される、 請求項1に記載のヘテロダイマー。 15. Yが、インドメタシンである、請求項1に記載のヘテロダイマー。 16. Yが、向神経性エラスターゼ インヒビターであり、そしてXが BKAnペプチド鎖のスルフヒドリル基のイオウ原子を介してBKAnに結合し ているスクシンイミド基を含んでいる、請求項1に記載のヘテロダイマー。 17. 向神経性エラスターゼ インヒビターが、4−(3′−カルボキシ−プ ロピルスルホニル)フェニル−4−tert−ブチルフェニルイソブチレートで ある、請求項16に記載のヘテロダイマー。 18. BKAnペプチド鎖に結合するために付加されているリンカー基を含む 、薬作用発生団。 19. リンカー基が、アミン、カルボン酸、ヒドロキシル、スルフヒドリルま たはマレイミド基、あるいはペプチド中に挿入できるアミノ酸からなる、請求項 18に記載の薬作用発生団。 20. 非ペプチド薬作用発生団結合するためのリンカー基を含んでいる、 BKAnペプチド。 21. リンカー基が、スルフヒドリル基、マレイミド基、あるいはヒドロキシ ル、アミンまたはカルボン酸基を末端に有するアルカン鎖からなる、請求項20 に記載のBKAnペプチド。 22. mu−オピオイド レセプターアゴニストである、請求項18に記載の 薬作用発生団。 23. 向神経性エラスターゼインヒビターである、請求項18に記載の薬作用 発生団。 24. シクロオキシゲナーゼインヒビターである、請求項18に記載の薬作用 発生団。 25. NK1レセプターアンタゴニストまたはNK2レセプターアンタゴニスト である、請求項18に記載の薬作用発生団。 26. BKAnが、DR−R−P−J−G−F−C−DF−L−RまたはD R−R−P−J−G−Thi−G−DTic−Oic−Rである、請求項1に記 載のヘテロダイマー。 27. 薬作用発生団が、mu−オピオイド レセプターアゴニストである、請 求項26に記載のヘテロダイマー。 28. 薬作用発生団が、向神経性エラスターゼ インヒビターである、請求項 26に記載のヘテロダイマー。 29. 薬作用発生団が、シクロオキシゲナーゼ インヒビターである、請求項 26に記載のヘテロダイマー。 30. 薬作用発生団が、NK1アンタゴニストまたはNK2 アンタゴニストで ある、請求項26に記載のヘテロダイマー。 31. 薬作用発生団が、4−(3′−カルボキシ−プロピルスルホニル)フェ ニル−4−tert−ブチルフェニルイソブチレートである、請求項28に記載 のヘテロダイマー。 32. Xが、−S−によりBKAn成分に結合しているビススクシンイミドア ルカン基からなる、請求項31に記載のヘテロダイマー。 33. 化合物 4−(3′−カルボキシ−プロピルスルホニル)フェニル−4 −tert−ブチルフェニルイソブチレート。 34. 請求項1に記載のヘテロダイマーおよび医薬上で許容される担体からな る、医薬組成物。 35. ブラジキニンアンタゴニストを使用する痛みおよび炎症の処置方法にお いて、請求項1に記載のヘテロダイマーを使用することからなる改良。
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