【発明の詳細な説明】
殺菌剤として有用なプロペノン酸誘導体発明の分野
本発明は殺菌剤として有用なプロペノン酸(propenoic acid)の誘導体、それ
らの製造法、それらを含む組成物および菌類を殺すため(特に植物の菌感染)の
使用法に関する。発明の背景
一般式(I)を持ち、オキシムエーテル基を含むプロペノン酸の殺菌剤として
の誘導体はEP−A−0370629およびWO/GB92/00681(WO
92/18487として公開されている)に記載されている。これらは一般式(
I)を持ち、式中、Aは水素、ハロ、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4アルコ
キシ、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ、C1-4アルキルカルボニル、
C1-4アルコキシカルボニル、フェノキシ、ニトロまたはシアノであり;R1およ
びR2は同じでも異なっていてもよく、水素、随意に置換されたアルキル、随意
に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクロアルキル、随意に
置換されたシクロアルキルアルキル、随意に置換されたアラルキル、随意に置換
されたヘテロアリールアルキル、随意に置換されたアリールオキシアルキル、随
意に置換されたヘテロアリールオキシアルキル、随意に置換されたアルケニル、
随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたアルコキシ、随意に置換された
アリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたアリールオキシ
、随意に置換されたヘテロアリールオキシ、ニトロ、ハロ、シアノ、−NR3R4
、−CO2R3、−CONR3R4、−COR3、−S(O)nR3(式中、nは0、
1または2)、(CH2)mPO(OR3)2(式中、mは0または1である)、ま
たはR1およびR2は連結されて炭素環式または複素環式環を形成する;およびR3
およびR4は同じでも異なっていてもよく、水素、随意に置換されたアルキル、
随意に置換されたアラルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換された
アルキニル、随意に置換されたアリールまたは随意に置換されたヘテロアリール
である。
本発明は式(I)の化合物を提供する、式中:Aは水素、ハロ、ヒドロキシ、
C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ、
C1-4アルキルカルボニル、C1-4アルコキシカルボニル、フェノキシ、ニトロま
たはシアノであり;およびR1およびR2の一つは随意に置換されたイソキノリン
であり、他方は水素、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、ハロゲンまたはシア
ノである;またはAは水素であり、R2はメチルであり、およびR1は4−ter t
−ブチルピリド−2−イル、4−tert−ブチルピリミジン−2−イル、5
−メチル−6−iso−プロポキシピリミジン−4−イルまたは4−(C1-4ク
ロロフルオロアルキル)ピリド−2−イル(4−ClF2C−ピリド−2−イル
または4−Cl2FC−ピリド−2−イルのような)である。
本発明の化合物は少なくとも一つの炭素−窒素二重結合および少なくとも一つ
の炭素−炭素二重結合を含んでおり、しばしば幾何異性体の混合物の形で得られ
る。しかしながらこれらの混合物は個々の異性体に分離でき、本発明はそのよう
な異性体および全ての比率のそれらの混合物を包含する。
プロペノエート基の非対称置換二重結合およびオキシムから生じる個々の異性
体は通常使用されている記号”E”および”Z”により同定される。これらの記
号は文献(例えば、J March、”Advanced Organic C
hemistry”3版、Wiley−Interscience、109ペー
ジ以下を参照されたい)に記載されているCahn−Ingold−Prelo
gシステムに従って定義されている。
プロペノエート基の炭素−炭素二重結合に対しては、通常一つの異性体が他の
ものより殺菌剤としてより活性であり、より活性な異性体は通常、基−CO2C
H3および−OCH3がプロペオエート基のオレフィン結合の反対側にあるもので
ある((E)−異性体)。これらの(E)−異性体は本発明の好適な態様である
。
随意に置換されたイソキノリン部分に存在してもよい置換基には一つまたはそ
れ以上の以下の基が含まれる:ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、C1-4アル
キル(特にメチルおよびエチル)、C2-4アルケニル(特にアリル)、C2-4アル
キニル(特にプロパリギル)、C1-4アルコキシ(特にメトキシ)、C2-4アルケ
ニルオキシ(特にアリルオキシ)、C2-4アルキニルオキシ(特にプロパリギル
オキシ)、ハロ(C1-4)アルキル(特にトリフルオロメチル)、ハロ(C1-4)
アルコキシ(特にトリフルオロメトキシ)、C1-4アルキルチオ(特にメチルチ
オ)、ハロ(C1-4)アルキルチオ、ヒドロキシ(C1-4)アルキル、C1-4アル
コキシ
(C1-4)アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アル
キル、随意に置換されたメチレンジオキシ(特にフッ素またはC1-4アルキルで
随意に置換された)、随意に置換されたアリール(特に随意に置換されたフェニ
ル)、随意に置換されたヘテロアリール(特に随意に置換されたピリジルまたは
ピリミジル)、随意に置換されたヘテロシクリル(特に随意に置換されたピロリ
ジン)、随意に置換されたアリールオキシ(特に随意に置換されたフェノキシ)
、随意に置換されたヘテロアリールオキシ(特に随意に置換されたピリジルオキ
シまたはピリミジルオキシ)、随意に置換されたアリール(C1-4)アルキル(
特に随意に置換されたベンジル、随意に置換されたフェネチルおよび随意に置換
されたフェニルn−プロピル)(ここでアルキル部分はヒドロキシで随意に置換
されている)、随意に置換されたアリール(C2-4)アルキニル(特に随意に置
換されたフェニルエテニル)、随意に置換されたヘテロアリール(C2-4)アル
キニル(特に随意に置換されたピリジルエテニルまたはピリミジルエテニル)、
随意に置換されたアリール(C1-4)アルコキシ(特に随意に置換されたベンジ
ルオキシ)、随意に置換されたヘテロアリール(C1-4)アルコキシ(特に随意
に置換されたピリジルまたはピリミジル(C1-4)アルコキシ)、随意に置換さ
れたアリールオキシ(C1-4)アルキル(特に随意に置換されたフェノキシメチ
ル)、随意に置換されたヘテロアリールオキシ(C1-4)アルキル(特に随意に
置換されたピリジルオキシまたはピリミジルオキシ(C1-4)アルキル)、アシ
ルオキシ(C1-4アルカノイルオキシ(特にアセチルオキシ)およびベンゾイル
オキシを含む)、シアノ、チオシアネート、ニトロ、−NR’R”、−NHCO
R’、−NHCONR’R”、−CONR’R”、−COOR’、−OSO2R
’、−S02R’、−COR’、−CR’=NR”または−N=CR’R”、こ
こでR’およびR”は独立してハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4
アルキルチオ、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキ
ル、フェニルまたはベンジル(フェニルおよびベンジル基は随意にハロゲン、C1-4
アルキルまたはC1-4アルコキシで置換されている);R’およびR”がCO
NR’R”にある場合、それらは一緒になって5−または6−員の複素環式環を
形成できる(例えば、ピロール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジンまたは
モルホリン環);または二つの置
換基がアリールまたはヘテロアリール環の隣接した位置にある場合、連結されて
融合脂環式環を形成できる(特に、融合6−員の炭素脂環式環の形成)。
上記の置換基のアリールまたはヘテロアリール環に存在するであろう置換基に
は一つまたはそれ以上の以下の置換基が含まれる:ハロ、ヒドロキシ、メルカプ
ト、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、C2-4
アルケニルオキシ、C2-4アルキニルオキシ、ハロ(C1-4)アルキル、ハロ
(C1-4)アルコキシ、C1-4アルキルチオ、ヒドロキシ(C1-4)アルキル、C1 -4
アルコキシ(C1-4)アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル
(C1-4)アルキル、アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、シアノ、チオシ
アネート、ニトロ、−NR’R”、−NHCOR’、−NHCONR’R”、−
CONR’R”、−COOR’、−SO2R’、−OSO2R’、−COR’、−
CR’=NR”または−N=CR’R”、ここでR’およびR”は前に与えられ
たものと同じ意味を持っている。
アリールにはナフチルが含まれているが、好ましいのはフェニルである。
ヘテロアリールは、酸素、硫黄および窒素からなる群から選択された一つ、二
つまたは三つのヘテロ原子を含む5−および6−員の芳香環を含み、ベンゼノイ
ド環系に融合されることができる。ヘテロアリールの例はピリジニル、ピリミジ
ニル、ピラジニル、トリアジニル(1,2,3−、1,2,4−および1,3,
5−)、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリ
ル(1,2,3−および1,2,4−)、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チ
アゾリル、イソチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナ
ゾリニル、キナゾキサリニル、インドリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル
およびベンゾイミダゾリニルである。
例えばアルコキシおよびハロアルキルチオのアルキル部分を含む全てのアルキ
ル部分は直鎖または分岐鎖の形であり、例えば、メチル、エチル、n−またはi so
−プロピルまたはn−、sec−、iso−またはtert−ブチルである
。
アルケニルおよびアルキニル部分は直鎖または分岐鎖の形であり、アルケニル
部分はその場所で(E)または(Z)−コンフィグレーションのどちらを持って
いてもよい。その例はビニル、アリルおよびプロパルギルである。
ハロゲンは典型的にはフッ素、塩素または臭素である。
R2はメチル、水素またはシアノが好適である。
R1またはR2のイソキノリン環はそのどの炭素原子によっても結合され得るが
、好ましくはその3位の炭素を通して連結されている(すなわち、それはイソキ
ノリン−3−イルである)。
置換されている場合、R1またはR2のイソキノリン環は好ましくは5位の環炭
素原子が置換されている(すなわち、それは5−置換イソキノリニルである)。
本発明の一つの態様では、式(I)の化合物が提供され、式中Aは水素であり
、R2はメチルであり、およびR1は無置換またはハロゲン、C1-4アルキル、C1 -4
ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、C1-4アルキルチオ
、C1-4ハロアルキルチオ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4アルコキシ(C1-4
)アルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルコキシ(C1-4)アルキル、ニトロ
、シアノ、COR’、NR’R”、OCOR’、ヒドロキシ、メルカプト、C2- 4
アルケニル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニルオキシ、C2-4アルキニルオキ
シ、C3−6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、NHCO
R’またはCONR’R”〔ここでR’およびR”は独立して、水素、C1-4ア
ルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ、C3-6シクロアルキルまたはC3 -6
シクロアルキル(C1-4)アルキルまたはフェニル、フェノキシ、ベンジルま
たはベンジルオキシ(これらの芳香核部分は随意にハロゲン、C1-4アルキルま
たはC1-4アルコキシで置換されている)〕の一つまたはそれ以上で置換された
イソキノリンである。
本発明の別の態様では、式(I)の化合物が提供され、式中Aは水素であり、
R2はメチルであり、およびR1は無置換またはハロゲン(特にフッ素または塩素
)、C1-4アルキル(特にメチル)、C1-4アルコキシ(特にメトキシまたはエト
キシ)、C1-4ハロアルキル(特にCF3)またはC1-4ハロアルコキシ(特にO
CF3)の一つまたはそれ以上で置換されたイソキノリンである。
本発明に従うと、式(I)を持つ(基R1、R2およびAは表Iに示されている
)の化合物第694番から885番の個々の(E)−および(Z)−異性体また
は任意の比率のそれらの混合物が提供される。
+主たるオキシムエーテル異性体のβ−メトキシプロペノエート基オレフィンプ
ロトンからのシングレットの化学シフト(テトラメチルシランからのppm)。*
R1およびR2基は一緒になってR1に示した基を作る。
φ構造は化学式のページを参照
本発明の化合物は表Iに与えられた融点および/または表IIに与えられたNM
Rデータで同定される。
本発明の化合物はスキーム1に示した工程により合成できる。スキーム1を通
して、基A、R1およびR2は前に定義した通りであり、R*はR1かまたはR2で
あり、およびXは脱離基〔ハロゲン(塩素、臭素またはヨウ素)またはOSO2
CF3のような〕である。
式(I)の化合物は式(III)のオキシムを適当な溶媒中(N,N−ジメチル
ホルムアミドまたはテトラヒドロフランのような)で適当な塩基(水素化ナトリ
ウムまたはナトリウムメトキシドのような)で処理してアニオンを形成させ、次
に式(II)の化合物を加えることにより製造できる。
式(III)のオキシムは化学文献上既知である。Xが臭素であり、プロペノエ
ート基が(E)−コンフィグレーションを持つ式(II)の化合物はEP−A−0
203606に開示されている。
式(III)のオキシムは、式(XI)の化合物を適当な溶媒中〔例えば、一級
ア
ルコール(メタノールまたはエタノールのような)と水の混合物〕、随意に緩衝
剤の存在下、ヒドロキシルアミンと反応させることにより合成できる。
式(XI)の化合物は、式(XII)の化合物(R*はR1かまたはR2であるが
メチルではない)を適当な溶媒中(例えばアセトン)、酸(好ましいのは適した
濃度の塩酸のような強鉱酸)で処理することにより製造できる。式(XII)の化
合物は、式(XIII)の化合物(式中、Xは典型的には塩素、臭素またはOSO2
CF3である)を適当な溶媒中(例えばN,N−ジメチルホルムアミド)、適当
な触媒存在下(ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリドのよ
うな)、アルコキシビニルスズ化合物(例えば(1ーエトキシビニル)トリ−n
−ブチルスズ)で処理することにより製造できる。
もしくは、式(XI)の化合物は、式(XIV)の化合物を適当な溶媒中(例え
ばジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン)、メチルマグネシウムハライド
と反応させることによっても製造できる。式(XIV)の化合物は、式(XIII)
の化合物を適当な有機溶媒存在下(例えばジエチルエーテル)、トリメチルアミ
ンのようなトリアルキルアミン(好ましいのは水溶液)と反応させ、次にシアナ
イドアニオン源(例えばシアン化カリウムまたはナトリウム)を導入することに
より製造できる。
もしくは、式(XI)、(XII)、(XIII)および(XIV)の化合物は文献
既知の方法により製造できる。
もしくは、式(I)の化合物は式(XV)の置換ヒドロキシルアミン(または
その塩、例えばその塩酸塩)を式(XI)の化合物で処理することにより製造で
きる。式中Aが水素である置換ヒドロキシルアミン(XV)はEP−A−046
3488に記載されているようにして製造できる。
もしくは、式(I)の化合物は式(VI)のフェニルアセテートから、または式
(X)のケトエステルからスキーム2に示した工程により製造できる。スキーム
2を通して、基A、R1、R2およびXは前に定義した通りであり、R5は水素ま
たは金属(ナトリウムまたはカリウムのような)であり、Rはアルキル基である
。各々の変換は適当な温度でおよび通常は適当な溶媒中(必ずしも必要ではない
)で実施される。
従って、式(I)の化合物は、式(VI)のフェニルアセテートを塩基(水素化
ナトリウムまたはナトリウムメトキシドのような)およびギ酸メチルで処理する
ことにより製造できる。続いて、もし式CH3L〔式中、Lはハライド(例えば
塩素、臭素またはヨウ素のような)またはCH3SO4アニオンのような脱離基で
ある〕の化学種を反応混合物に加えると、式(I)の化合物が得られる。もし、
反応混合物にプロトン供与性酸を加えると、式(IX)の化合物(式中R5は水素
である)が得られる。もしくは、式(IX)の化合物(式中R5はナトリウムのよ
うな金属である)が反応混合物から単離できる。
R5が金属である式(IX)の化合物は化学種CH3L(式中Lは前に定義した通
り)と反応させることにより式(I)の化合物に変換できる。R5が水素である
式(IX)の化合物は塩基(炭酸カリウムのような)および一般式CH3Lの化合
物で連続的に処理することにより式(I)の化合物に変換できる。
もしくは、式(I)の化合物は、酸性または塩基性条件下でメタノールを除去
することにより式(IV)のアセタールから製造できる。この変換に使用できる試
薬または試薬混合物の例はリチウム ジ−イソプロピルアミド;硫酸水素カリウ
ム(例えば、T Yamada,H HagiwaraおよびH Uda, J .Chem.Soc.Chemical Communications,
19
80,838およびその中の文献を参照されたい);およびトリエチルアミン、
しばしば塩化チタン(IV)のようなルイス酸存在下(例えばK Nsundaお
よびL Heresi,J.Chem.Soc.Chemical Commu nications
,1985,1000を参照されたい)である。
式(IV)のアセタールは、式(V)のメチルシリル ケテンアセタールを塩化
チタン(IV)のようなルイス酸存在下、オルトギ酸トリメチルと反応させて製造
できる(例えば、K Saigo,M OsakiおよびT Mukaiyam
a,Chemistry Letters,1976,769)。
式(V)のメチルシリル ケテンアセタールは、式(VI)のフェニルアセテー
トを塩基およびトリメチルシリル クロリドのような式R3SiClまたはR3S
iBrのトリアルキルシリル ハライドと、または塩基(トリエチルアミンのよ
うな)および式R3Si−OSO2CF3のトリアルキルシリル トリフレートと
反
応させることにより製造できる(例えば、C Ainsworth,F Che
nおよびY Kuo,J.Organometallic Chemistry
,1972,46,59を参照されたい)。
中間体(IV)および(V)の単離は必ずしもいつも必要なわけではない;適当
な条件下、式(I)の化合物は式(VI)のフェニルアセテートから上に掲げた適
当な試薬を連続的に加えることにより”一つの容器”で製造できる。
式(VI)のフェニルアセテートは式(VII)のフェニルアセテートから製造で
きる。従って、一般式(III)のオキシムを適当な塩基(水素化ナトリウムまた
はナトリウムメトキシドのような)で処理し、式(VII)のフェニルアセテート
を加えると式(VI)のフェニルアセテートが得られる。
式(VII)のフェニルアセテートは、式(VIII)のイソクロマノンをメタノー
ル中HX(式中xは臭素が好適である)と反応させて製造できる。この変換はま
た、式(VIII)のイソクロマノンを非アルコール性溶媒中でHX処理し、次に常
法を用いてエステル化する2工程法によっても達成できる(例えば、I Mat
sumotoおよびJ Yoshizawa、日本特許公報79 138 53
6、1979年10月27日、Chem.Abs.,1980,92,1808
29h;およびG M F Lim,Y G PerronおよびR D Dr
oghini,Res.Discl.,1979,188,672、Chem. Abs.
,1980,92,128526tを参照されたい)。式(VIII)のイ
ソクロマノンは化学文献で知られている。
もしくは、式(I)の化合物は式(XI)のケトエステルをメトキシメチレン
トリフェニルホスホランのようなメトキシメチレン化試薬で処理することにより
製造できる(例えば、W Steglich,G Schramm,T Ank
eおよびF Oberwinkler,EP−A−0044448、1980年
7月4日公開を参照されたい)。
式(XI)のケトエステルは式(X)のケトエステルを前に記載したような式
(III)のオキシムアニオンと反応させて製造できる。式(X)のケトエステル
はEP−A−0331061に記載されている。
従って、要約するとスキーム1およびスキーム2はある種の方法を例示してお
り、それによると各々オキシムエーテルおよび3−メトキシプロペノエート部分
が式(I)の本発明の化合物の合成の最終段階に構築される。式(I)の本発明
の化合物の合成における別の最終段階およびその他の段階は基R1またはR2の一
つまたは置換基Aを変形する場合である。従って、例えばもしA、または基R1
およびR2の一つ(基がピリジンまたはピリミジンの場合)にある置換基が適切
に位置しているアミノ基であるならば、それは反応系列の最終段階においてジア
ゾ化を経てハロゲン原子に変換されるであろう。
本発明のさらに別の態様では式(I)の化合物の製造法が提供される。
式(I)の化合物は活性な殺菌剤であり、一つまたはそれ以上の下記の病原菌
の制御に使用されるであろう:米および小麦のピリキュラリア オリザエ(Py ricularia
Oryzae)および他の宿主の他のピリキュラリア(P yricularia
)spp.;小麦のプッシニア レコンジタ(Pucci nia
recondita)、プッシニア ストリーフォルミス(Pucci nia
striiformis)および他のさび病菌、大麦のプッシニアホル デイ
(Puccinia hordei)、プッシニア ストリーフォルミス(Puccinia
striiformis)および他のさび病菌、および他の
宿主(例えば芝生、ライ麦、コーヒー、西洋ナシ、砂糖大根、野菜類および鑑賞
用植物)のさび病菌;大麦、小麦、ライ麦および芝生のエリシフェ グラミニス
(Erysiphe graminis)(うどん粉病菌)およびホップのスフ ェロテカ
マキュラーリス(Sphaerotheca macularis)
、うり科植物(例えばきゅうり)のスフェロテカ フリジネア(Sphaero theca
fuliginea)リンゴのポドスファエラ ロイコトリチャ(Podosphaera
leucotricha) およびぶどう樹のウンキ ヌラ
ネカトール(Uncinura necator)のような種々の宿主の
他のうどん粉病菌;穀草類(例えば小麦、大麦、ライ麦)、芝生および他の宿主
のコクリボルス(Cochlibolus)spp.、ヘルミントスポリウム(Helminthosporiumu
)spp.、ドレクスレラ(Drechs lera
)spp.(ピレノフォラ(Pyrenophora)spp.)、リ ンコスポリウム
(Rhynchosporium)spp.、セプトリア(S eptoria
)spp.(マイコスフェレラ グラミニコーラ(Mycosp haerella
graminicola)およびレプトスフェリア ノドラ ム
(Leptosphaeria nodorum)を含む)、シュードセルコ スポレラ
ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella h erpotrichoides
)およびゲウマンノミセス グラミニス(Gae umannomyces
graminis);ピーナッツのセルコスポラ ア ラキジコーラ
(Cercospora arachidicola)およびセル コスポリジウム
ペルソナツム(Cercosporidium person atum
)および他の宿主の(例えば、砂糖大根、バナナ、大豆および米)セル コスポラ
(Cercospora)種;トマト、いちご、野菜類、ぶどう樹およ
び他の宿主のボトリチス シネレア(Botrytis cinerea)(灰
色糸状菌)および他の宿主のボトリチス(Botrytis)spp.;野菜類
(例えばきゅうり)、種子油用菜種、リンゴ、トマト、穀草類(例えば小麦)お
よび他の宿主のアルテルナリア(Alternaria)spp.;リンゴ、西
洋ナシ、核果、堅果および他の宿主のベンチュリア(Venturia)spp
.(ベンチュリア イネクァリス(Venturia inaequalis)
(腐敗病)を含む);穀草類(例えば小麦)を含む宿主の部類のクラドスポリウ ム
(Cladosporium)spp.;核果、堅果および他の宿主のモニリ ニア
(Monilinia)spp.;トマト、芝生、小麦およびその他の宿主
のディジメラ(Didymella)spp.;種子油用菜種、芝生、米、ポテ
ト、小麦および他の宿主のフォーマ(Phoma)spp.;小麦、挽き材およ
び他の宿主のアスペルギルス(Aspergillus)spp.およびオーレ オバシウム
(Aureobasium)spp.;西洋ナシ、小麦、大麦および
他の宿主のアスコチタ(Ascochyta)spp.;ぶどう樹のプラスモパ ラ
(Plasmopara)spp.;レタスのブレミア ラクツカエ(Bre mia
lactucae)のような他のべと病菌;大豆、タバコ、玉ねぎおよ
び他の宿主のペロノスポラ(Peronospora)spp.;ホップのシュ ードペロノスポラ
フムリ(Pseudoperonospora humul i
)およびうり科植物のシュードペロノスポラ クーベンシス(Pseudop eronospora
cubensis);芝生および他の宿主のピチウム(Pythium
)spp.;ポテトおよびトマトのフィトフトラ インフェスタ ンス
(Phytophthora infestans)および野菜類、苺、ア
ボガド、胡椒、鑑賞用植物、タバコ、ココアおよび他の宿主のその他のフィトフ トラ
(Phytophthora)spp.;米および芝生のタナテフォラス ククメリス
(Thanatephorus cucumeris)および小麦お
よび大麦、野菜類、綿および芝生のような種々の宿主の他のリゾクトニア(Rh izoctonia
)種;芝生、ピーナッツ、種子油用菜種および他の宿主のス クレロチウム
(Sclerotium)spp.;芝生を含む宿主の部類のコレ トトリチャム
(Colletotrichum)spp.;バナナ、ピーナッツ
、みかん類、ペカン、パパイヤおよび他の宿主のマイコスフェレラ(Mycos phaerella
)spp.;みかん類、大豆、メロン、西洋ナシ、ルピナス
および他の宿主のジアポルテ(Diaporthe)spp.;みかん類、ぶど
う樹、オリーブ、ペカン、バラおよび他の宿主のエルシノエ(Elsinoe)
spp.;種子油用菜種および他の宿主のピレノペジザ(Pyrenopezi za
)spp.;導管層胴枯れ病を起こすココアのオンコバシジウム テオブロ メ
(Oncobasidium theobromae);種々の宿主、特に小
麦、大麦、芝生およびとうもろこしのフサリウム(Fusarium)spp.
、チフラ(Typhula)spp.、ミクロドチウム ニバレ(Microd ochium
nivale)、ウスチラゴ(Ustilago)spp.、ウ ロシスチス
(Urocystis)spp.、チレチア(Tilletia)s
pp.およびクラビセプス プルプレア(claviceps purpure a
);砂糖大根および他の宿主のラムラリア(Ramularia)spp.;
特に果物の収穫後の病気(例えば、オレンジのペニシリウム ディギタツム(P encillium
digitatum)およびP.イタリカム(itali cum
)およびトリコデルマ ヴィリデ(Trichoderma virid e
)、バナナのコレトトリチャム ミューセ(Colletotrlchum
musae)およびグロエオスポリウム ミューサラム(Gloeospori ummusarum
)およびぶどうのボトリチス シネレア(Botrytis
c inerea
));ぶどう樹の他の病原菌、注目されるのはオーチパ ラータ(Autypa
lata)、グィグナルディア ビドヴェルリー(Guigna rdia
bidwellii)、フェリナス イグニアラス(Phellin us
igniarus)、フォモプシス ヴィチコーラ(Phomopsis
viticola)、シュードペジキュラ トラシェイフィーラ(Pseud opezicula
tracheiphila)およびステレウム ヒルスタ ム
(Stereum hirsutum);挽き材の他の病原菌、注目すべきはセファロアスカス
フラグランス(Cephaloascus fragran s
),セラトシスチス(Ceratocystis)spp.、オフィオストー マ
ピセエ(Ophiostoma piceae)、ペニシリウム(Peni cillium
)spp.、トリコデルマ シュードコニンギー(Tricho derma
pseudokoningii)、トリコデルマ ヴィリデ(Tr ichoderma
viride)、トリコデルマ ハルジアナム(Tric hoderma
harzianum)、アスペルギルス ニガー(Asper gillus
niger)、レプトグラフィウム リンドベルギ(Lepto graphium
lindbergi)およびオーレオバシジウム プルルー ランス
(Aureobasidium pullulans);およびウイルス
疾患の真菌ベクター、例えば大麦黄色モザイクウイルス(BYMV)のベクター
としての穀草類のポリミキサ グラミニス(Polymyxa gramini s
)。
いくつかの組成物はインビトロで菌類に対する広い範囲の活性を示す。
本化合物は植物組織内で求頂的に/局所的に移動するであろう。さらに、本化
合物は植物上の菌類に対し、気体相で活性であるべく十分に揮発性であろう。
従って、本発明は植物に、植物の種にまたは植物または種の位置に殺菌剤とし
て有効量の本化合物(前に定義した通り)または同一のものを含む組成物を応用
することからなる菌類の駆除法を提供する。
本化合物は農業的目的に直接的に使用してもよいが、担体または希釈剤を用い
て組成物内により都合よく処方できる。従って、本発明は前に定義したような化
合物およびそれらのための受容可能な担体または希釈剤を含む殺菌剤組成物を提
供する。全ての組成物(固体および液体処方の両方)が前に定義したような化合
物を0.0001から95%を含むのが好適であるが、より好適であるのは1か
ら85%(例えば1から25%または25から60%)である。
植物の葉に応用する場合、本発明の化合物はヘクタール当たり0.1gから1
0kgの活性成分(発明の化合物)の割合で応用されるが、好ましいのは1gか
ら8kgであり、より好ましいのは10gから4kgである。
種子の手当に使用される場合、本発明の化合物は種子キログラム当たり0.0
001gから10g(例えば0.001gまたは0.05g)の活性成分(発明
の化合物)で使用されるが、好ましいのは0.005gから8gであり、より好
ましくは0.005gから4gである。
本化合物は多くの方法で応用できる。例えば、それらは処方されたまたは未処
方の形で植物の葉へ、種子へ、または植物が成長しているまたは移植される培地
へ直接的に適用でき、また、それらは噴霧して、振りかけて、またはクリームま
たはペースト処方で適用でき、または蒸気としてまたは徐放性顆粒として応用で
きる。
適用は、葉、茎、枝または根を含む植物のどの部分にも、または根を囲む土壌
へ、植えられる前の種子へ、一般的に土壌へ、水田の水へ、または水耕培養系へ
も可能である。本発明の化合物はまた植物内へ注入でき、または電気力学的噴霧
技術またはその他の低容量法を用いて草木へ噴霧でき、または地上または空中散
布してもよい。
ここで使用される術語”植物”とは苗木、低木および高木を含んでいる。さら
に、本発明の殺菌法は予防的、保護的、組織的および根絶的処置を含んでいる。
本化合物は好適には農業的および園芸的目的で組成物の形で使用される。どの
例においても使用される組成物の型は特定の直面する目的に依存するであろう。
本組成物は活性成分(発明化合物)および固形希釈剤または担体(例えば、カ
オリン、ベントナイト、キーゼルグール、白雲石、炭酸カルシウム、タルク、粉
末マグネシア、漂布土、石膏、珪藻土および高陵土のような増量剤)を含む振り
かけ可能な粉末または顆粒の形であろう。そのような顆粒はさらに処理すること
なく土壌への適用に適するように前もって形成された顆粒である。これらの顆粒
は活性成分がしみ込んだ増量剤のペレットまたは活性成分と粉末化増量剤の混合
物のペレット化により作製できる。種子に振りかけるための組成物は組成物が種
子へ付着するのを助けるための試薬(例えば鉱油)が含まれているであろう;も
しくは、活性成分は有機溶剤(例えば、N−メチルピロリドン、プロピレングリ
コールまたはN,N−ジメチルホルムアミド)を用いて種子散布用に処方できる
。本組成物はまた液体での分散を容易にするために湿潤剤または分散剤を含む水
分散可能粉末または水分散可能顆粒の形にする事ができる。粉末または顆粒はま
た増量剤および懸濁剤を含んでいてもよい。
本組成物はまた可溶性粉末または顆粒の形、または極性溶媒の溶液の形であっ
てもよい。
可溶性粉末は活性成分を炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシ
ウムまたはポリサッカライドのような水溶解性塩、および水分散性/溶解性を改
良するための湿潤剤または分散剤と混合することにより調製されるであろう。混
合物は次に細かい粉末にひかれる。同様の組成物が水溶解性顆粒を作るために顆
粒にされる。溶液は活性成分をケトン類、アルコール類およびグリコールエーテ
ル類のような極性溶剤に溶解させることにより調製される。これらの溶液は水希
釈性およびスプレータンクでの結晶化防止のために表面活性剤を含んでいてもよ
い。
乳化可能な濃縮液または乳剤は活性成分を随意に湿潤剤または乳化剤を含む有
機溶剤に溶解し、混合物を水(湿潤剤または乳化剤を含んでいてもよい)に加え
ることにより調製されるであろう。適した有機溶剤はアルキルベンゼンおよびア
ルキルナフタレンのような芳香族溶剤、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘ
キサノンのようなケトン類、クロロベンゼンおよびトリクロロエタンのような塩
素化炭化水素類、およびベンジルアルコール、フルフリルアルコール、ブタノー
ルおよびグリコールエーテルのようなアルコール類である。
大部分が不溶性である固形物の水性懸濁濃縮物は固形物の沈澱を防止するため
分散剤および懸濁剤とボールまたはビーズ製粉して調製される。
スプレーとして使用される組成物はエアロゾルの形であり、処方物は放射薬(
例えば、フルオロトリクロロメタンまたはジクロロジフルオロメタン)の圧力
下、容器内に保持されている。
本発明の化合物は乾燥状態で花火混合物と混合され、囲われた空間内で化合物
を含む煙を発生するために適した組成物の形をとってもよい。
もしくは、本化合物はマイクロカプセルで覆われた形で使用してもよい。それ
らは活性成分のゆっくりしたおよび制御された放出を得るために生分解性ポリマ
ー処方で処方されてもよい。
適した添加物、例えば取り込み、分布、付着力および処理された表面の雨に対
する抵抗性を改良するための添加物を含ませることによりその異なった組成物は
種々の利用によりよく適応できる。種々の処方の生物的効力を改良するため他の
添加物が含まれていてもよい。そのような添加物には、処方により処理された表
面の湿潤および保持および活性物質の取り込みおよび移動を改良する表面活性物
質であり、または例えば、ある種の鉱物油および天然植物油(大豆および菜種種
子油のような)添加物またはそれらと他の補助薬との混和物のような油基剤スプ
レー添加物が含まれる。本発明の化合物は肥料(例えば、窒素−、カリウム−ま
たはリン含有肥料)との混合物として使用できる。化合物(I)の化合物を包含
した(例えば被覆して)肥料の顆粒のみを含む組成物が好適である。そのような
顆粒は好ましくは化合物を重量で25%まで含んでいるであろう。従って、本発
明はまた、肥料および一般式(I)の化合物またはその塩または金属複合体を含
む肥料組成物を提供する。
水分散可能粉末、乳化可能濃縮物および懸濁濃縮液は通常表面活性剤(例えば
、湿潤剤)、分散剤、乳化剤または懸濁剤を含んでいるであろう。これらの試薬
は陽イオン性、陰イオン性または非イオン性試薬であろう。
適した陽イオン性試薬は四級アンモニウム化合物、例えばセチルトリメチルア
ンモニウム ブロミドである。適した陰イオン性試薬は石鹸、硫酸の脂肪族モノ
エステルの塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、およびスルホン酸化芳香族
化合物の塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン
酸、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、カルシウムまたはアンモニウムお
よびジイソプロピルーおよびトリイシプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム
の混合物)である。
適した非イオン性試薬は、オレイルまたはセチルアルコールのような脂肪族ア
ルコールと、またはオクチルーまたはノニルフェノールおよびオクチルクレゾー
ルのようなアルキルフェノールとエチレンオキシドとの縮合生成物である。他の
非イオン性試薬は長鎖脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エス
テル、アルキルグルコシド、ポリサッカライドおよびレシチンおよび該部分エス
テルとエチレンオキシドの縮合生成物である。適した懸濁剤は親水性コロイド(
例えば、ポリビニルピロリドンおよびカルボキシメチルセルロース ナトリウム
)およびベントナイトまたはアタプルガイトのような膨潤粘土である。
水性分散剤または乳化剤として使用するための組成物は一般的に高い比率の活
性成分を含む濃縮液の形で供給され、濃縮液は使用前に水で希釈される。これら
の濃縮液は長期間の貯蔵に耐えることができ、そのような貯蔵後に水性調製液を
作るために水で希釈でき、それは通常のスプレー装置で使用できるように十分な
時間均一性を保っている。濃縮液は都合のよいことに活性成分を重量で95%ま
で含んでいてもよい(好適であるのは1−85%、例えば1−25%または25
−60%)。希釈して水性調製液を作製後、そのような調製液は企図する目的に
依存して種々の量の活性成分を含んでいるであろうが、しかし、活性成分を重量
で0.0001から10%(例えば、0.005から10%)含む水性調製液が
使用されるであろう。
本発明の組成物は生物活性を持つ他の化合物(例えば、同様のまたは相補的な
殺菌活性を持つ化合物、または化合物は植物発育制御、除草または殺虫活性を持
つ)を含んでいてもよい。
別の殺菌剤を含むことにより、得られる組成物は一般式(I)の化合物単独よ
りも広い活性のスペクトルを持つかまたは、本来備わっているよりもより高いレ
ベルの活性を持つことができる。さらに、他の殺菌剤は一般式(I)の化合物の
殺菌活性に相乗効果を示すことができる。本発明の組成物に含ませてもよいであ
ろう殺菌剤の例は以下のものである:(RS)−1−アミノプロピルホスホン酸
、(RS)−4−(4−クロロフェニル)−2−フェニル−2−(1H−1,2
,4−トリアゾロ−1−イル−メチル)ブチロニトリル、(Z)−N−ブタ−2
−エニルオキシメチル−2−クロロ−2’,6’−ジエチルアセトアニリド,1
−
(2−シアノ−2−メトキシイミノアセチル)−3−エチル尿素、4−(2,2
−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−4−イル)ピロール−3−カルボニ
トリル、4−ブロモ−2−シアノ−N,N−ジメチル−6−トリフロオロメチル
ベンゾイミダゾール−1−スルホンアミド、5−エチル−5,8−ジヒドロ−8
−オキソ(1,3)−ジオキソル−(4、5−g)キノリン−7−カルボン酸、
α−[N−(3−クロロ−2,6−キシリル)−2−メトキシアセトアミド]−
γ−ブチロラクトン、N−(2−メトキシ−5−ピリジル)−シクロプロパンカ
ルボキサミド、アラニカルブ、アルドモルフ、アムプロピルフォス、アニラジン
、アザコナゾール、BAS 490F)ベナラキシル、ベノミル、ビロキサゾー
ル、ビナパクリル、ビテルタノール、ブラスチシジンS,ブロムコナゾール、ブ
ピリメート、ブテナクロール、ブチオベート、キャプタフォール、キャプタン、
カルベンダジン、クロルヒドレート、カルボキシン、キノメチオネート、クロル
ベンゾチアゾン、クロロネブ、クロロタロニール、クロロゾリネート、クロジラ
コン、オキシ塩化銅、オキシキノール酸銅、硫酸銅、トール酸銅およびボルドー
混合物のような銅含有化合物、シクロヘキシミド、シモキサニール、キプロコナ
ゾール、キプロフラム、デバカルブ、ジ−2−ピリジルジスルフィド1,1’−
ジオキシド、ジクロフルアニド、ジクロン、ジクロブトラゾール、ジクロメジン
、ジクロラン、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジエトフェンカルブ、
ジフェノコナゾール、O,O−ジ−イソ−プロピル−S−ベンジルトリホスフェ
ート、ジメフルアゾール、ジメトコナゾール、ジメトモルフ、ジメチリモール、
ジニコナゾール、ジノキャップ、ジピリチオン、ジタリムフォス、ジチアノン、
ドデモルフ、ドダイン、ドガダイン、エピフェンフォス、エポキシコナゾール、
エタコナゾール、エチリモール、エトキシキン、エチル(Z)−N−ベンジル−N
−([メチル(メチル−チオエチリデンアミノ−オキシカルボニル)アミノ]
チオ)−β−アラニネート、エトリジアゾール、フェナミノスルフ、フエナパニ
ール、フェナリモール、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンピクロニー
ル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチンアセテート、フェンチ
ンヒドロキシド、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニー
ル、フルオロイミド、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトラニール、
フルトリアフォル、フォルペット、フベリダゾール、フララキシル、フルコナゾ
ール−シス、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒドロキシイソオキサゾール、ヒ
メザゾール、ICIA5504、イマザリール、イミベンコナゾール、イプコナ
ゾール、イプロベンフォス、イプロジオン、イソプロパニルブチルカルバメート
、イソプロチアラン、カスガマイシン、マンコゼブ、マネブ、メパニピリム、メ
プロニール、メタラキシル、メトコナゾール、メトフロキサム、メチラム、メチ
ラム−亜鉛、メトスルフォヴァックス、ミクロブタニール、ネオアソジン、ジメ
チルジチオカルバメート ニッケル、ニトロタール−イソ−プロピル、ヌアリモ
ール、オフラース、有機水銀化合物、オキサジキシル、オキソロン酸、オキシカ
ルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンサイキュロン、フェナジン
オキシド、フォセチル−A1、亜リン酸、フタライド、ポリオキシンD、ポリラ
ム、プロベナゾール、プロクロラッツ、プロサイミドン、プロパモカルブ塩酸塩
、プロピコナゾール、プロピネブ、プロピオン酸、プロチオカルブ、ピラカルボ
リド、ピラゾフォス、ピリフェノックス、ピリメタニール、ピロキロン、ピロキ
シファー、ピロールニトリン、四級アンモニウム化合物、キンコナゾール、キノ
メチオネート、キントゼン、ラベナゾール、ナトリウム ペンタクロロフェネー
ト、ストレプトマイシン、硫黄、SSF−126、テブコナゾール、テクロフタ
ラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チシオフェン、チフ
ルザミド、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、チオファネート−
メチル、チラム、チミベンコナゾール、トルクロフォス−メチル、トリルフルア
ニド、1,1’−イミノジ(オクタメチレン)ジグアニジン三酢酸塩、トリアジ
メフォン、トリアジメノール、トリアゾ−ブチル、トリアゾキシド、トリサイク
ラゾール、トリデモルフ、トリフォリン、トリフルミゾール、トリチコナゾール
、ヴァリダマイシンAN ヴェイパム、ヴィンクロゾリン、XRD−563,ジ
ネブ、およびジラム。一般式(I)の化合物は、種子に付く、土壌に付く、また
は葉の真菌病から植物を保護するために土壌、泥炭または他の根付かせる培地と
混合することができる。
以下の実施例は本発明を例示している。実施例を通して術語”エーテル”はジ
エチルエーテルを表し、溶液の乾燥には硫酸マグネシウムが使用され、溶液は減
圧下で濃縮された。空気または水に感受性の中間体を含む反応は窒素雰囲気下で
実施され、溶媒は使用前に乾燥された。特に記載しない限り、クロマトグラフィ
ーは固定層としてシリカゲルのカラムで実施された。示された赤外およびNMR
データは選ばれたものである;全ての場合、あらゆる吸収を掲げることはしなか
った。1H−NMRスペクトルは特に指示しない限りCDCl3−溶液で測定され
た。全体を通して以下の略号が使用されている:
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド THF=テトラヒドロフラン
エーテル=ジエチルエーテル m.p.=融点 b.p.=沸点
IR =赤外 NMR=核磁気共鳴 ppm=百万分の一
s=一重線 d=二重線 t=三重線
q=四重線 m=多重線 br=幅広
実施例1
この実施例は(E),(E)−メチル 2−[2−(5−メチル−6−iso
−プロポキシピリミジノ−4−イル−アセトキシイミノ−メチル)フェニル]−
3−メトキシプロペノエート(表Iの化合物No.735)の製造を例示してい
る。
4−クロロ−5−メチル−6−iso−プロポキシ−ピリミジン(6.82g
)、(1−エトキシビニル)−トリブチルスズ(13.19g)およびビス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(0.8g)のDMF(25
ml)溶液を80℃で8時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、フッ化カ
リウム(300mlの10%水溶液)を加えた。得られた混合物は1時間攪拌し
、ハイフロスーパーセルを通して濾過し、エーテルで洗浄した。濾液をエーテル
で抽出し(x2)、合併した抽出液は塩水で洗浄し、乾燥した後、濃縮してヘキ
サン:tert−ブチルメチルエーテル1:1を溶出液として用いてクロマトグ
ラフィーを行うと、1−エトキシビニル−1−(5−メチル−6−iso−プロ
ポキシピリミジノ−4−イル)が透明な油状物として得られた(5.11g、収
率63%);1H−NMR(270MHz):1.37(9H,m);2.17
(3H,s);3.95(2H,q);4.47(1H,d);4.53(1H
,d);
5.38(1H,m);8.56(1H,s)ppm。
1−エトキシビニル−1−(5−メチル−6−iso−プロポキシピリミジノ
−4−イル)(5.11g)のアセトン(150ml)溶液を塩酸(2M溶液、
6ml)で処理した。反応混合物は16時間放置した後に濃縮した。残渣を水で
希釈し炭酸水素ナトリウムで中和した。水相をエーテルで抽出し(x2)、合併
した抽出液を濃縮すると4−アセチル−5−メチル−6−iso−プロポキシピ
リミジンが黄色油状物として得られた(3.92g、収率88%);1H−NM
R(270MHz):1.39(6H,d);2.30(3H,s);2.65
(3H,s);5.40(1H,m);8.64(1H,s)ppm。
4−アセチル−5−メチル−6−iso−プロポキシピリミジン(3.92g
)、ヒドロキシルアミン(1.58g)および酢酸ナトリウム(1.5g)をエ
タノール:水2:1混合物に溶解し、加熱還流後放置した。反応液を水に注ぎ酢
酸エチルで抽出した。合併した抽出液を乾燥し、濃縮して酢酸エチル:ヘキサン
2:3を溶出液として用いるクロマトグラフィーを行うと、2つの分画が得られ
た:
A. E−4−アセチル−5−メチル−6−iso−プロポキシピリミジン オ
キシムを白色固形物として、(1.69g、収率40%)m.p.95.
4−96.5℃;1H−NMR(270MHz):1.27(6H,d)
;2.07(3H,s);2.12(3H,s);5.28(1H,m)
;8.55(1H,s);11.55(1H,s)ppm。
B. Z−4−アセチル−5−メチル−6−iso−プロポキシピリミジン オ
キシムを白色固形物として、(1.7g、収率40%)m.p.126.
8−127.7℃;1H−NMR(270MHz):1.28(6H,d
);1.87(3H,s);1.98(3H,s):5.28(1H,m
);8.55(1H,s);10.77(1H,s)ppm。
E−4−アセチル−5−メチル−6−iso−プロポキシピリミジン オキシ
ム(1.69g)のDMF(20ml)溶液を水素化ナトリウム(1.68g)
のDMF(20ml)攪拌懸濁液に滴加した。2時間後、(E)−メチル 2−
[2−(ブロモメチル)フェニル]−3−メトキシプロペノエート(2.31g
)のDMF(10ml)溶液を滴加した。さらに2時間後混合物を水に注ぎエー
テ
ルで抽出した(x4)。有機抽出液を塩水で洗浄し、乾燥して濃縮し、エーテル
を溶出液として用いるクロマトグラフィーを行うと、表題化合物が白色固形物と
して得られた(2.17g、N収率65%)、m.p.56.3−58.3℃;1
H−NMR(270MHz):1.35(6H,d);2.09(3H,s)
;2.24(3H,s);3.68(3H,s);3.81(3H,s);5.
13(2H,m);5.37(1H,m);7.1−7.6(4H,m);7.
58(1H,s);8.56(1H,s)ppm。
実施例2
この実施例はメチル 2−[2−(イソキノリン−1−イル−アセトキシイミ
ノ−メチル)フェニル]−3−メトキシプロペノエート(表Iの化合物No.7
03)の製造を例示している。
1−クロロイソキノリン(4.9g)、(1−エトキシビニル)−トリブチル
スズ(10.82g)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)
クロリド(0.75g)のDMF(40ml)溶液を90℃で7時間加熱した。
反応混合物を室温まで冷却し、フッ化カリウム(300mlの10%水溶液)を
加えた。得られた混合物は1時間攪拌し、ハイフロスーパーセルを通して濾過し
、エーテルで洗浄した。濾液をエーテルで抽出し(x2)、合併した抽出液は塩
水で洗浄し、乾燥した後、濃縮して酢酸エチル:ヘキサン3:7を溶出液として
用いてクロマトグラフィーを行うと、1−エトキシビニル−1−イソキノリンが
黄色油状物として得られた(4.84g、収率81%);1H−NMR:1.4
6(3H,t);4.10(2H,q);4.65(2H,dd);7.5−8
.4(5H,m);8.52(1H,s)ppm。
1−エトキシビニル−1−イソキノリン(4.84g)のアセトン(50ml
)溶液を塩酸(2M溶液、5ml)で処理した。反応混合物は2時間加熱還流し
た後に濃縮した。残渣を水で希釈し炭酸水素ナトリウムで中和した。水相を酢酸
エチルで抽出し(x3)、合併した抽出液を濃縮すると1−アセチル−イソキノ
リンが黄色油状物として得られた(3.84g、収率91%);1H−NMR:
2.87(3H,s);7.64−7.75(2H,m);7.79−7.89
(2
H,m);8.59(1H,d);8.96(1H,d)ppm。
1−アセチル−イソキノリン(3.42g)、ヒドロキシルアミン(1.53
g)および酢酸ナトリウム(2.46g)をメタノール:水3:1混合物に溶解
し、8時間加熱還流後16時間放置した。反応混合液を水に注ぎ酢酸エチルで抽
出した。合併した抽出液を乾燥し、濃縮して酢酸エチル:ヘキサン3:7を溶出
液として用いるクロマトグラフィーを行うと1−アセチル−イソキノリン オキ
シムが白色結晶性固形物として得られた(1.87g、収率58%)m.p.1
54.4−155.3℃;1H−NMR:2.50(3H,s);7.58−7
.73(3H,m);7.85(1H,m);8.55(1H,m);8.57
(1H,m);8.66(1H,s)ppm。
1−アセチル−イソキノリン オキシム(0.74g)のDMF(10ml)
溶液を水素化ナトリウム(0.19g)のDMF(20ml)攪拌懸濁液に滴加
した。2時間後、(E)−メチル 2−[2−(ブロモメチル)フェニル]−3
−メトキシプロペノエート(1.14g)のDMF(10ml)溶液を滴加した
。さらに2時間後混合物を水に注ぎエーテルで抽出した(x3)。有機抽出液を
塩水で洗浄し、乾燥して濃縮し、ヘキサン中で摩砕を行うと、表題化合物が白色
固形物として得られた(0.58g、収率37%)、m.p.96.0−98.
2℃;1H−NMR:2.46(3H,s);3.64(3H,s);3.78
(3H,s);5.24(2H,m);7.1−7.8(8H,m);7.60
(1H,s);8.36(1H,d);8.52(1H,d)ppm。
実施例3
この実施例はメチル 2−[2−(イソキノリン−3−イル−アセトキシイミ
ノ−メチル)フェニル]−3−メトキシプロペノエート(表Iの化合物No.7
93)の製造を例示している。
メチルマグネシウムクロリド(3.0M THF溶液、2.6ml)をイソキ
ノリン−3−カルボニトリルの溶液に0−5℃で滴加した。添加後、反応混合物
は室温で1時間攪拌し、続いて水で反応を停止させた。水相がpH2になるまで
反応混合物に塩酸(2M水溶液)を加えた。30分間攪拌後、水相を炭酸水素ナ
トリウム(固形物)で中和してエーテルで抽出した(x2)。合併した抽出液を
水で洗浄し、乾燥後濃縮すると結晶性固形物を得た。ヘキサンから再結晶すると
3−アセチル−イソキノリンが淡黄色固形物として得られた(0.55g)収率
14%)m.p.84.4−86.8℃。1H−NMR:2.83(3H,s)
;7.69−7.81(2H,m);7.99(1H,m);8.04(1H,
m);8.49(1H,m;9.29(1H,s))ppm。
3−アセチル−イソキノリン(0.65g)、ヒドロキシルアミン(0.29
g)および酢酸ナトリウム(0.47g)をメタノール(20ml)と水(3m
l)の混合物に溶解し、1.5時間加熱還流した。反応混合液を水に注ぎ酢酸エ
チルで抽出した。合併した抽出液を乾燥し、濃縮してヘキサン中で摩砕すると3
−アセチル−イソキノリン オキシムが白色結晶性固形物として得られた(0.
63g、収率89%)m.p.135−142℃;1H−NMR:2.50(3
H,s);7.61(1H,t);7.70(1H,t);7.87(1H,d
);7.99(1H,d);8.11(1H,s);9.28(1H,s)pp
m。
3−アセチル−イソキノリン オキシム(2.97g)のDMF(20ml)
溶液を水素化ナトリウム(0.67g)のDMF(20ml)攪拌懸濁液に滴加
した。30分後、(E)−メチル 2−[2−(ブロモメチル)フェニル]−3
−メトキシプロペノエート(5.02g)のDMF(20ml)溶液を滴加した
。さらに1時間後混合物を水に注ぎエーテルで抽出した(x3)。有機抽出液を
塩水で洗浄し、乾燥して濃縮し、酢酸エチル:ヘキサン3:7で溶出するクロマ
トグラフィーを行うと、表題化合物が白色固形物として得られた(2.37g、
収率38%)、m.p.95.6−96.2℃;1H−NMR:2.45(3H
,s);3.69(3H,s);3.82(3H,s);5.26(2H,s)
;7.1−8.0(8H,m);7.60(1H,s);8.18(1H,d)
;9.25(1H,s)ppm。
実施例4
この実施例はメチル 2−[2−(4−(ピリド−2−イル)−ピリミジノ−
2−イル−アセトキシイミノ−メチル)フェニル]−3−メトキシプロペノエー
ト(表Iの化合物No.786)の製造を例示している。
三フッ化ホウ素 ジエチルエーテラート(0.42ml)がトリメチルオルト
アセテート(5.25ml)およびトリメチルシリル シアナイド(5ml)の
混合物へ0℃にて加えられた。反応混合物は放置して室温まで暖め、その後3時
間攪拌した。混合物をエーテルで希釈し、炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。
有機相を乾燥して濃縮すると2,2−ジメトキシプロピオニトリルが淡黄色液体
として得られた(4.06g、収率94%)。1H−NMR:1.55(3H,
s);3.22(6H,s)ppm。
2,2−ジメトキシプロピオニトリル(10g)をナトリウムメトキシド溶液
(4.7gのナトリウムを40mlの乾燥メタノールに溶解させて調製)に加え
た。混合物は50℃で4時間加熱し、冷却したのち二酸化炭素(5g)を加えた
。生じた炭酸ナトリウムを濾去し、濾液を濃縮し、50−60℃、13mmHg
で蒸留するとメチル 2,2,−ジメトキシプロピオニル イミデートを透明な
油状物として得た(2.9g、収率23%)。1H−NMR:1.45(3H,
s);3.29(6H,s);3.80(3H,s);7.99(1H,s)p
pm。
メチル 2,2,−ジメトキシプロピオニル イミデート(3.35g)およ
び塩化アンモニウム(1.55g)をメタノール中6時間加熱還流した。反応混
合物を冷却し、濾過して濃縮するとゴム状物を得、ヘキサン中で摩砕して結晶化
させると2,2−ジメトキシプロピオニル アミダイン塩酸塩を吸湿性固形物と
して得た(3.24g、収率66%)。
2,2−ジメトキシプロピオニル アミダイン塩酸塩(3.24g)および1
−(ピリド−2−イル)−3−N,N−ジメチルアミノ−プロパ−2−エノン(
3.38g)をナトリウムエトキシド溶液(0.49gのナトリウムを30ml
の乾燥エタノールに溶解させて調製)中で1.5時間還流した。混合物を冷却し
、濃縮して水で希釈し、酢酸エチルで抽出した(x3)。有機抽出物を合併し、
乾燥後濃縮すると2−アセチル−4−(ピリド−2−イル)−ピリミジン ジメ
チルアセタールが油状物として得られた(2.45g、収率52%)。1H−N
MR:1.80(3H,s);3.38(6H,s);7.41(1H,m);
7.88(1H,t);8.30(1H,d);8.60(1H,d);8.7
2
(1H,d);8.98(1H,d)ppm。
2−アセチル−4−(ピリド−2−イル)−ピリミジン ジメチルアセタール
(0.2g)のジオキサン(8ml)溶液を塩酸(2M溶液、1ml)で処理し
た。反応混合物は1時間還流した後、濃縮した。残渣を水で希釈し、炭酸水素ナ
トリウムで中和した。水相を酢酸エチルで抽出し(x2)、合併した抽出液を濃
縮すると2−アセチル−4−(ピリド−2−イル)−ピリミジンを淡黄色固形物
として得た(0.12g、収率74%);1H−NMR:2.89(3H,s)
:7.47(1H,m);7.91(1H,m);8.52(1H,d);8.
63(1H,d);8.78(1H,d);9.06(1H,d)ppm。
2−アセチル−4−(ピリド−2−イル)−ピリミジン(1.0g)、ヒドロ
キシルアミン(0.39g)および酢酸ナトリウム(0.62g)をエタノール
(10ml)および水(2ml)の混合物に溶解し、1.5時間加熱還流した。
反応液を水に注いで沈澱を濾過し、ヘキサンで洗浄すると2−アセチル−4−(
ピリド−2−イル)−ピリミジン オキシムが白色結晶性固形物として得られた
(0.98g、収率91%)m.p.196−8℃;1H−NMR:2.50(
3H,s);7.42(1H,m);7.88(1H,m);8.30(1H,
d);8.59(1H,d);8.74(1H,d);8.90(1H,d);
10.85(1H,brs)ppm。
2−アセチル−4−(ピリド−2−イル)−ピリミジン オキシム(0.8g
)のDMF(10ml)溶液を水素化ナトリウム(0.20g)のDMF(5m
l)攪拌懸濁液に滴加した。1.5時間後、(E)−メチル 2−[2−(ブロ
モメチル)フェニル]−3−メトキシプロペノエート(1.05g)のDMF(
10ml)溶液を滴加した。さらに3時間後混合物を水に注ぎ酢酸エチルで抽出
した(x3)。有機抽出液を塩水で洗浄し、乾燥して濃縮し、酢酸エチルで溶出
するクロマトグラフィーを行うと、表題化合物が白色固形物として得られた(0
.93g、収率61%)、m.p.88−90℃;1H−NMR:2.50(3
H,s);3.64(3H,s);3.82(3H,s);5.36(2H,s
);7.18(1H,m);7.35(2H,s);7.42(1H,m);7
.59(1H,s);7.60(1H,m);7.89(1H,m);8.31
(1H,
d);8.58(1H,d);8.74(1H,d);8.96(1H,d)p
pm。
実施例5
この実施例はメチル 2−[2−(4−[1,1−ジフルオロエチル]−ピリ
ミジノ−2−イル−アセトキシイミノ−メチル)フェニル]−3−メトキシプロ
ペノエート(表Iの化合物No.763)の製造を例示している。
2−[2−(4−[2,2,2,−トリフルオロエトキシ]−ピリミジノ−2
−イル−アセトキシイミノ−メチル)フェニル]−3−メトキシプロペノエート
(35g、WO 92/18487、実施例11、化合物No.417のように
して製造された)および塩酸(2M水溶液、20ml)のアセトン溶液を4時間
還流した。反応混合物を濃縮し、炭酸水素ナトリウムで中和して酢酸エチルで抽
出した。合併した抽出液を水で洗浄し、乾燥後濃縮すると固形物が得られ、それ
をヘキサン中で摩砕するとメチル 2−[2−(4−ヒドロキシピリミジノ−2
−イル−アセトキシイミノ−メチル)フェニル]−3−メトキシプロペノエート
を白色固形物として得た(21.8g、収率77%)。
メチル 2−[2−(4−ヒドロキシピリミジノ−2−イル−アセトキシイミ
ノ−メチル)フェニル]−3−メトキシプロペノエート(5g)および塩化ホス
ホリル(30ml)を30分間加熱還流した。冷却した反応混合物を氷に注ぎ、
攪拌し、酢酸エチルで抽出した(x3)。合併した抽出液を塩水で洗浄し、乾燥
して活性炭で脱色し、濃縮してエーテルで溶出するクロマトグラフィーを行うと
、メチル 2−[2−(4−クロロキシピリミジノ−2−イル−アセトキシイミ
ノ−メチル)フェニル]−3−メトキシプロペノエート(2.3g、収率44%
、表Iの化合物No.711)をゴム状物として得た。1H−NMRは表IIに示
されている。
メチル 2−[2−(4−クロロキシピリミジノ−2−イル−アセトキシイミ
ノ−メチル)フェニル]−3−メトキシプロペノエート(4g)、(1−エトキ
シビニル)−トリブチルスズ(4.6g)ビス(トリフェニルホスフィン)パラ
ジウム(II)クロリド(0.2g)、テトラエチルアンモニウム クロリド(1
.
75g)および炭酸カリウム(1.46g)のDMF(30ml)溶液を90℃
で3時間加熱した。冷却した反応混合物を水に注ぎ酢酸エチルで抽出した(x3
)。合併した抽出液は塩水で洗浄し、乾燥した後、濃縮して酢酸エチル:ヘキサ
ン1:1を溶出液として用いてクロマトグラフィーを行うとメチル 2−[2−
(4−[1−エトキシビニル]−ピリミジノ−2−イル−アセトキシイミノ−メ
チル)フェニル]−3−メトキシプロペノエートを白色固形物として得た(2.
09g、収率41%、表Iの化合物No.752)m.p.94−95℃;1H
−NMR:1.45(3H,t);2.41(3H,s);3.68(3H,s
);3.82(3H,s);3.98(2H,q);4.52(1H,d);5
.32(2H,s);5.78(1H,s);7.17(1H,m);7.35
(2H,m);7.57(1H,d);7.57(1H,d);7.57(1H
,m);7.59(1H,s);8.81(1H,d)ppm。
メチル 2−[2−(4−[1−エトキシビニル]−ピリミジノ−2−イル−
アセトキシイミノ−メチル)フェニル]−3−メトキシプロペノエート(1.1
4g)および塩酸(2M溶液、2ml)のアセトン(20ml)溶液を3時間攪
拌した。反応混合物を濃縮し、炭酸水素ナトリウムで中和して酢酸エチルで抽出
した。合併した抽出液を水で洗浄し、乾燥後濃縮し、ヘキサン中で摩砕するとメ
チル 2−[2−(4−アセチル−ピリミジノ−2−イル−アセトキシイミノ−
メチル)フェニル]−3−メトキシプロペノエートを白色固形物として得た(0
.87g、収率82%、表Iの化合物No.753)m.p.104−106℃
。1H−NMR:2.45(3H,s);2.78(3H,s);3.68(3
H,s);3.82(3H,s);5.34(2H,s);7.18(1H,m
);7.35(2H,m);7.55(1H,m);7.59(1H,s);7
.82(1H,d);9.07(1H,d)ppm。
ジエチルアミノサルファー トリフルオリド(0.16ml、DAST)をメ
チル 2−[2−(4−アセチル−ピリミジノ−2−イル−アセトキシイミノ−
メチル)フェニル]−3−メトキシプロペノエート(0.5g)のジクロロメタ
ン(10ml)溶液に加えた。反応混合物は1時間加熱還流し、続いて16時間
放置した。さらにDAST(0.4ml)を加え、反応混合物を7時間還流した
。
冷却した反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合併した有機抽出物を
炭酸水素ナトリウム(飽和水溶液)、続いて塩水で洗浄した。濃縮し酢酸エチル
:ヘキサン1:1で溶出するクロマトグラフィーを行った。これにより淡黄色ゴ
ム状物が得られ、それはヘキサン中で摩砕すると固化し表題化合物が白色固形物
として得られた(0.143g、収率27%)、m.p.96−97℃。1H−
NMR:2.03(3H,t);2.39(3H,s);3.68(3H,s)
;3.82(3H,s);5.34(2H,s);7.17(1H,m);7.
35(2H,m);7.52(1H,m);7.57(1H,d);7.58(
1H,s);8.89(1H,d)ppm。
実施例6
この実施例はメチル 2−[2−(4−クロロジフルオロメチル−5−メチル
−ピリミジノ−2−イル−アセトキシイミノ−メチル)フェニル]−3−メトキ
シプロペノエート(表Iの化合物No.819)の製造を例示している。
メチル 2−[2−フタルイミド−オキシメチル フェニル]−3−メトキシ
プロペノエート(1.32g)EP 0463488の実施例4に記載されてい
る用に製造された)をメタノール(15ml)に室温で溶解し、ヒドラジン水和
物(0.19ml)を加え、得られた溶液を2時間攪拌した。生じた白色沈澱を
濾過して除き、濾液を濃縮すると白色半固体が得られた。この固体をエーテルで
希釈し、生じた不溶性固形物を濾過して除き、濾液を濃縮すると2−[2−アミ
ノ−オキシメチル フェニル]−3−メトキシプロペノエートが黄色油状物とし
て得られ、これはさらに生成することなく直ちに次の工程で使用された。
2−[2−アミノ−オキシメチル フェニル]−3−メトキシプロペノエート
、2−アセチル−4−クロロ−ジフルオロメチル−5−メチル−ピリミジン(0
.53g)およびピリジン(2滴)のメタノールに加えた混合物を室温で24時
間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残渣にエーテルで溶出するクロマトグラフィ
ーを行い、ヘキサン中で摩砕すると表題化合物が淡黄色固形物として得られた(
0.52g、収率50%)、m.p.110−111℃。1H−NMR:2.4
0(3H,s);2.55(3H,s);3.70(3H,s);3.85(3
H,s)
;5.35(2H,s);7.2−7.60(4H,m);7.60(1H,s
);8.80(1H,s)ppm。
実施例7
化合物は種々の植物の葉の真菌の病気に対して試験された。用いられた技術は
以下のものである。
植物は4cmの直径のミニポット中John Innesポット肥料(No1
または2)で生育させた。試験化合物は水性Dispersol Tとビーズミ
リングによって、またはアセトンまたはアセトン/エタノールの溶液として処方
され、使用直前に必要とされる濃度まで希釈された。処方されたもの(100p
pm活性成分)は葉にスプレーされるかまたは土壌中の植物の根に与えられた。
スプレーはなくなるまで続けられ、根は乾燥土壌中約40ppm a.i.に等
しい最終濃度まで水に浸された。穀草類にスプレーする場合、0.05%の最終
濃度でTween20が加えられた。
ほとんどの試験で本化合物は植物に病原菌を接種する1日または2日前に土壌
(根)または葉(スプレー)に与えられた。例外はエリシフェ グラミニス(E rysiphe
graminis)に対する試験の場合で、植物は処理24時
間前に病原菌が接種された。葉病原菌はスプレーにより試験植物の葉の上に遊走
子嚢懸濁液として与えられた。接種後、植物は感染が進行するのに適した環境下
に置かれ、疾病が容易に評価されるまでインキュベートされた。接種と評価の間
の期間は疾病および環境に従って4から14日まで変化した。
処理された植物の各々に存在する疾病のレベルは(すなわち、活性に胞子形成
している疾病により覆われている葉の面積)以下の評価尺度を用いて記録された
:
0=0%の疾病が存在 20=10.1−20%の疾病が存在
1=0.1−1%の疾病が存在 30=20.1−30%の疾病が存在
3=1.1−3%の疾病が存在 60=30.1−60%の疾病が存在
5=3.1−5%の疾病が存在 90=60.1−100%の疾病が存在
10=5.1−10の疾病が存在
各々の評価は非処理対照植物上に存在する疾病のレベルのパーセントとして表
された。この計算値はPOCO(対照のパーセント)値と称されている。典型的
な計算は以下のごとくである:
非処理対照の疾病レベル=90
処理植物の疾病レベル=30
POCO=(処理植物の疾病レベル/非処理対照の疾病レベル)x100
=(30/90)x100=33.3
この計算されたPOCO値は上に示した9−ポイント評価尺度の最も近いもの
に当てはめる。この例ではPOCO値は30に相当する。もし計算されたPOC
O値が2つのポイントの丁度中間である場合は、2つの値の低い方に当てはめる
。
結果は表IIIに示されている。
特に記載しない限り、データは100ppmでの葉へのスプレーおよび根浸水
処理を組み合わせて行った後の活性を表している。
a 10ppm葉への応用のみ
− 結果なし疾病の記号
Pr プシニア レコンジタ(Puccinia recondita)
Egt エリシフェ グラミニス トリチシ(Erysiphe graminis tritici)
sn セプトリア ノドラム(Septoria nodorum)
po ピリキュラリア オリザエ(Pyricularia oryzae)
Tc タネトフォラス ククメリス(Thanetophorus cucumeris)
Vi ヴェンチュリア イネクァリス(Venturia inaequalis)
Pv プラスモパラ ヴィチコーラ(Plasmopara viticola)
Pil フィトフトラ インフェスタンス リコペルシシ(Phytophthora inf
estans lycopersici)
化学式(説明文中)
表Iの化合物No.743
表Iの化合物No.744
化学式(説明文中)
表Iの化合物No.734
表Iの化合物No.760
化学式(説明文中)
表Iの化合物No.761
表Iの化合物No.772
表Iの化合物No.799
スキーム1
スキーム2
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C07D 217/14 7019−4C
239/26 8615−4C
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA,
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,SD,SK,UA,US,VN