JPH08502071A - タイプ▲ii▼コラーゲンによるリウマチ性関節炎治療方法 - Google Patents

タイプ▲ii▼コラーゲンによるリウマチ性関節炎治療方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、全コラーゲンタンパク質あるいはコラーゲンの生理的活性ペプチドフラグメントの経口、経腸、または吸入による投与によって、自己免疫関節炎およびヒトを含む哺乳類におけるその動物モデルの治療のための方法と製薬的処方に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 タイプIIコラーゲンによるリウマチ性関箭炎治療方法 本特許出願は、以下のものの一部継続出願である: Weinerら、米国特許出願第951,565号、1992年9月25日出願、こ れもまたWeinerら、米国特許出願第460,852号、1990年2月21日出 願および第596,936号、1990年10月15日出願(前者はPCT出願 PCT/US88/02139号、1988年6月24日出願の各国段階にあり 、後者もPCT/US91/07542号の同じ段階)の一部継続出願であり、 これらもまた米国特許出願第065,734号、1987年6月24日出願、現 在放棄、の一部継続出願である: Weinerら、米国特許出願第454,806号、1989年12月20日出願; Weinerら、米国特許出願第487,732号、1990年3月2日出願; Weinerら、米国特許出願第809,206号、1991年12月13日出願、 これは Weinerら、米国特許出願第551,632号、1990年7月10日出 願の一部継続出願であり、これは、米国特許出願第379,778号、1989 年7月14日出願、(現在放棄)の一部継続出願である; Weinerら、米国特許出願第595,468号、1990年10月10日出願: および Weinerら、米国特許出願第843,752号、1992年2月28日出願。 前述の出願はここでそのまま文献として記載されている。発明の分野 本発明は、ヒトにおける自己免疫関節炎の治療に関係している。特に本発明は 、リウマチ性およびより一般的には自己免疫関節炎に関与する自己免疫応答特異 的抑制を誘導するための、ヒトへのコラーケンまたはフラグメントまたはアナロ グの経口、経脳、吸入投与に関している。本発明はまた、全コラーケン、その関 節炎抑制性ペプチドフラグメント、および前述のものの2種以上の組み合わせを 含む、ヒトにおける関節炎の治療に有用な治療薬に関する。発明の背景 コラーゲンはヒトまたは哺乳類の体の構造支持(structural supprot)におい て最も一般的なタンパク質である。コラーゲンの基本的な構成単位は、トロポコ ラーゲンである。トロポコラーゲンは、同じサイズの3本のポリペプチド鎖で構 成されている。これらの鎖は、互いに巻き付いてスーパーヘリックスのケーブル (superhelical cable)、または3重鎖らせんのロッド(rod)を形成している 。トロポコラーゲンの3本の鎖の各々が、約千のアミノ酸残基から構成されてい る。 5つの異なるタイプのコラーゲンタンパク質が、現在、別々の異なるアミノ酸 構成と長さを有するものとして知られている。タイプIコラーゲンは、2つのア ルファ-1(I)と1つのアルファ-2ポリペプチド鎖から構成されている。タイ プIコラーケンは、主として、皮膚組織、腱、骨の支持構造中、および眼の角膜 中に見いだされる。タイプIIコラーケンは、アルファ-1(II)タイプの3本の ポリペプチド鎖を含み、主に関節の軟骨中、椎間円板内部、眼内部のガラス体中 で見いだされる。タイプIIIコラーゲンは、3本のアルファ-1(III)ポリペプ チド鎖から構成され、胎児の皮膚、心血管系(cardiovascular system)、およ び眼中の細網線維(reticular fibers)等の組織中に見いだされる。タイプIVコ ラーゲンは2つのアルファ-1(IV)と1つのアルファ-2(IV)ポリペプチド鎖 の混合物であり、主に基礎膜(basement membranes)中に見いだされる。最後に タイプVコラーゲンは2つのアルファ-1(V)と1つのアルファ-2(V)ポリ ペプチド鎖を有しており、例えば胎盤や皮膚中に見いだされる。ヒトアルファ- 1(II)、ウシアルファ-1(II)、およびウシアルファ-1(I)アミノ酸配列 の比較は、付録Aに記載されている。ウシ配列は一部のものである。 リウマチ性関節炎は、細胞媒介自己免疫疾患、すなわち免疫システムが誤って 自分自身の体の組織を外来のものと認識し、それに対して異常な免疫応答をおこ す状態である。リウマチ性関節炎は、軟骨の破壊と骨の侵食を起こし、末梢関節 の構造変形を引きおこす、しつこい炎症性の滑膜炎によって特徴づけられる。タ イプIIコラーゲンが主要成分である関節軟骨を含む関節は、特に影響されやすい 。 リウマチ性関節炎は、関節の腫張、炎症、および特に屈曲の際の(upon flexi ng)硬直と痛みを伴う。関節炎が進んだ状態では、関節をほんの少し動かしただ けで衰弱させる痛みがおこることもある。かなりの割合の患者が、コラーゲンに 特異的に反応するCD4+タイプのT細胞を有しており、および/またはコラー ゲンに対する異常な体液性反応を有している。 関節炎の現在の治療としては、非特異的細胞毒性の免疫抑制剤の使用がある。 これらの薬剤は、全免疫システムを抑制し、異常な自己免疫応答を選択的に抑制 することができない。この免疫システムを長期間全体的に抑制することは、感染 の危険性を増加させる。そのような免疫抑制剤の非制限的な例としては、メトト レキセート、シクロフォスファミド、イムラン(アザチオプリン)、サイクロス ポリンA(cyclosporin A)などがある。 また、これらの非特異的細胞毒性の免疫抑制剤による長期治療は有害な副作用 を伴い、これには、ある種の悪性腫瘍、腎臓疾患、糖尿病、肝臓機能異常の進展 に向かう傾向の増加が含まれる。さらに細胞毒性免疫抑制剤治療は、疾病の進展 を単に遅らせるだけであり、治療が中断された後に、加速されたペースで再発す る。例えば、そのような薬剤が中断された後約6週間後に、患者は治療が始めら れる前と同じ状態まで悪化する。さらにこれらの薬剤の効果は、それ自体制限さ れている。これらは徐々に、約2−5年後に効果を失う。 例えば、プレドニゾンおよびメチルプレドニゾロン(これらもまた非特異的免 疫抑制性の抗炎症剤である)、などのステロイド化合物もまた症状の軽減に用い られる。ステロイドもまた、その長期間使用に伴って、非常に有害な副作用を有 する。 したがって、現在の関節炎の治療は効果が制限されており、非常に有害な副作 用を含み、無制限に使用することができない。リウマチ性関節炎は、米国内で毎 年二百万人が患っている。したかって、上記欠点の1つ以上を受けることのない ヒト自己免疫関節炎の新規治療と新規治療用組成物に対する要望が高い。 これに代わる関節炎の治療は、本発明者により提案された経口抗原寛容治療で ある。これは、特定の自己免疫疾患特異的に関与する自己免疫応答を抑制するこ とができ、したかって他の免疫機能を本質的にそのままに残す、1つ以上の組織 特異的抗原(すなわち自己免疫攻撃を受けている組織にのみおこる抗原)の経口 、経腸、吸入投与を含む。 このアプローチに一般的に有用な抗原は自己抗原、すなわちそれ自体自己免疫 攻撃の原因(subject)である組織特異的抗原を含む。バイスタンダー抗原、こ れらもまた組織特異的(しかし自己免疫攻撃の標的ではない)であるが、トラン スフォーミング成長因子ベータ(TGF-β)の放出によって免疫抑制活性を作 用させている患部細胞を標的としているサプレッサーT細胞を誘引する能力も有 する。TGF-βは順に患部細胞の周囲に集中しているすべての免疫細胞をダウ ンレギュレートし、かくしてその箇所の免疫応答を抑制する。バイスタンダー抗 原は自己抗原の制限部分なしに、(i)それ自体自己免疫攻撃の標的ではなく、 (ii)サプレッサーT細胞の誘引を介する必要な抑制活性を有することを含む。 本発明の研究の前には、関節炎の為の経口抗原寛容治療は、動物における人工 的に誘導された関節炎様疾患(アジュバンド関節炎およびコラーゲン誘導関節炎 )においてのみ試みられていた。 ヒト自己免疫関節炎とその動物(齧歯動物)モデルとの間に相関性が存在する かも知れないのにもかかわらず、経口、経腸、吸入抗原寛容は、関節炎を患うヒ トにおいて試みられていなかった。さらに齧歯動物のモデルでは、コラーゲンは 疾患の誘導を防止することだけが示されており、前に誘導された疾患(pre-indu ced disease)については全くまたは最小限の効果しか示されなかった。 関節炎とそのモデルにおけるコラーゲンの役割は、多くの出版物の対象となっ ており、いくつかは、齧歯動物モデルにおける疾患誘導を防止するためのコラー ゲンの経口用途が記載されている。年代順にまとめた技術の概要は以下の通りで ある。 人工的に誘導された細胞媒介自己免疫関節炎モデルにおいて、コラーゲンは自 己免疫攻撃を受ける組織であることが、Trentham D.E.ら、J.Clin.Invest. , 66:1109-1117,Nov.1980によって示された。著者らは、タイプIとタイプII コラーゲンに対する体液性と細胞性の両方の自己免疫が、ラットにおけるアジュ バント-およびコラーゲン-誘導関節炎の両方の特徴であることを示した。 Schoen,R.T.らJ.Immunol.,128: 717-719,1982年2月、では、 タイプIIコラーゲンと異なり、タイプIコラーゲンを人工的にネイティブの脾臓 細胞に結合し、正常動物に接種したものは、関節炎様疾患の誘導を防止するため には効果がないことを見いだした。 Thompson,H.S.G.らClin.Exp.Immunol.,64:581-586,1986は、可溶性 タイプIIコラーゲンタンパク質(2.5または25μg/g体重/5日間)の予 防的胃内投与の後の、ラットにおける多発性関節炎モデルの誘導に対する耐性を 報告した。最小量、2.5μg/g、はやや効果が高かった。 Nagler-Anderson,C.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,83:1986年10月 、pp.260-262は、未変性の(undenatured)可溶性タイプIIコラーゲンの予防的 胃内投与(500μg/マウス/6週間に12回)は、アジユバントとコラーゲ ンの混合物とを用いた挑戦により、DBA/1 Lac Jマウスにおいて関節炎の誘導を 抑制することを見いだした。 Myers,L.K.ら J.Immunol.,143:3976-3980,1989年12月、は、タイ プIでなくタイプIIコラーゲンタンパク質の静脈内投与は、動物モデルにおいて 実質的に誘導された関節炎様疾患に対する耐性を与えるかも知れないことを報告 した。これに続く発表で、同じグループは、J.Exp.Med.,170:1999-2010,1 989年12月、は同じ主張の他の3つの文献:Schoenら,上記;Cremer,J.I mmunol.,87:2995,1983;および Englert,Cell.Immunol.,87:357,1984を引用 している。 この同じJ.Exp.Hed.発表では、著者らは、挑戦の前にマウスへの静脈内投 与において、コラーゲン誘導関節炎に対する防御を与えた、ニワトリタイプIIコ ラーゲンのフラグメント(アミノ酸残基122−147に対応するCB11)を 同定したと述べている。 要約すると、最も関連する分野の教示は以下のものにすぎない: − 実験は誘導動物モデルにおいてのみ行われた: − 試験された動物は、疾患誘導を受けやすい種に制限されていた; − 治療はすでに誘導された疾患には効果がなかった; − タイプIコラーゲンの静脈内投与は治療誘導を防止する効果がなかった; − マウスヘ静脈内投与されたひよこ(chick)タイプIIコラーゲンの1つの免 疫抑制エピトープが同定された。本発明の目的 本発明の目的は、リウマチ性関節炎と多発性軟骨炎を限定されることなく包含 するヒトの自己免疫性関節炎のための治療の提供である。 本発明の別な目的は、異常免疫応答での軟骨への攻撃と、その結果として起こ る生存するヒト中の部分軟骨(subchondral)の骨の変質を特に抑制することで ある。 本発明の付加の目的は、通常的な治療と共同される1またはそれ以上と同様、 生存するヒトにおける望ましくない副作用なく、自己免疫性関節炎の臨床的な治 療を提供することである。 本発明の更なる目的は、哺乳動物、特にヒト中の関節の腫脹、炎症、硬直およ び疼痛の1またはそれ以上のような関節炎に共同される症状を有意に減じること である。 本発明のまたさらに別な目的は、ヒトのリウマチ性関節炎の治療において有効 な製薬の組成物の提供である。 本発明は、ここに添付された図面について更に述べられる; 図1は、腫脹した関節の平均値±登録での標準誤差と、コラーゲン(・)とプ ラシーボ(placebo)(o)で治療した患者のための各月毎の追跡である。コラ ーゲンとプラシーボ間の有意な差(p=0.026)は変動の反復量によって示され る。 図2は全コラーゲンの抑制能力を示す。 図3はCDPIが1,10及び100μgで試験されかつ100μgで著しい 抑制を示す実験の結果を表す。 図4は1μgと10μgでのCDP2が何らかの、特にAAの早期段階での抑 制を誘導したことの別な実験を示す。 図5は1および10μgでのCDP3が抑制を誘導したことの第4の実験を示 す。 要するに、100μgでのCDPI、10と1μgでのCDP2及び1と10 μgでのCDP3は何らかの抑制を明らかに誘導した。発明の概要 前述した目的の1つまたはそれ以上は、コラーゲンタンパク質またはそれのペ プチドフラグメントまたは有効量の共力剤(synergist)を持つまたは持たない 前述のもののアナログの少なくとも1種を備えた経口、経腸または吸入での投与 のための製薬の組成物の提供によって、かつ有効量の前記組成物の罹患したヒト への経口、経腸または吸入による投与を備える同様の関節炎を治療する方法の提 供によって、ヒトにおける自己免疫性関節炎の治療的処置において達成される。本発明の詳細な説明 全ての特許出願、特許およびこの明細書中に引用された参考文献はそれらの全 体の中で参考によってここに合同される。不一致の場合において、現開示に包含 されるその定義と解釈はこの中に説明されるであろうことが含まれる。定義 この開示中に使用された以下のそれぞれの用語は、以下に定義する意味を持つ べきである: "治療(Treatment)"は、関節炎に包含される生体の自身の軟骨に対して異常 な免疫応答の発病と発現の予防と同じく関節炎の発病と発現を予防する予防的測 定の両方を含む。その用語はまた、自己免疫性関節炎の発病(例えば臨床的な証 明)後の臨床的症状の軽減または消去と同様に生体の自身のコラーゲンまたは通 常の軟骨への異常な(細胞及び/又は体液)免疫応答の抑制または鎮静を包含す る。 "哺乳動物"は、免疫システムを有しかつ自己免疫疾患に罹り易い何らかの生体 である。この用語はヒトを包含する。 "自己免疫疾患"は、哺乳動物の免疫システムの機能不全として表され、ここで その免疫システムは、その哺乳類内部の外来物質および/または自己組織または 物質との間の区別する事ができず、その結果自己組織および物質を、それらが外 来であるように扱い、それらに対する免疫応答をおこす。 コラーゲン蛋白質のタイプI、タイプII又はタイプIIIの"活性フラグメント" はコラーゲン蛋白質の部分的なアミノ酸配列の1またはそれ以上を必須的に備え 、かつ経口、経隅または吸入により投与についてのコラーゲンへのT細胞を介し た又はT細胞依存の免疫応答の抑制又は消去する能力を所有する何れかの合成ペ プチドまたはポリペプチド構造体と特徴付けられる。この定義は、インビトロで の、例えばリンパ球増殖アッセイにおける、またはインビボ、例えば齧歯動物モ デル またはヒトにおける自己免疫応答の抑制をもたらすことがないコラーゲン蛋白質 のフラグメントは除外する。 コラーゲン蛋白質のタイプI、タイプII又はタイプIIIの"活性アナログ(Acti ve analogs)フラグメント"は、コラーゲン蛋白質のタイプI、タイプII又はタ イプIIIまたはそれらのフラグメントに構造的に関連した化合物を包含する。同 様に、その用語は、経口、経腸または吸入により投与についてのコラーゲンへの T細胞を介した又はT細胞依存の免疫応答の抑制又は消去する能力を所有するア ルファ1(IまたはII)とアルファ2(I)トロポコラーゲンボリペプチド鎖ま たはそれのフラグメントの何れかに限定されることのない組み合わせを包含する 。その用語"アナログ"はまた、関節炎の免疫応答を抑制するための実質的に等価 の能力を保持しているまでの時間、1またはそれ以上のアミノ酸によってアルフ ァ1(I、IIまたはIII)および/またはアルファ2(I)トロポコラーゲンポ リペプチド鎖のアミノ酸配列とは異なる何らかのポリペプチドをも包含する。 "共力剤"は、コラーゲン蛋白質または少なくとも1種の活性フラグメントまた はそれらのアナログの投与と連係して経口、経腸または吸入により投与される時 に、関節炎の臨床的及び/又は組織学的な明示の抑制の発揚または増大する物質 として表される。先の文章中で使用され、かつこの明細書中のそれ以外に "と共 同して"(また、合同して、もこの中に係わる)はコラーゲン蛋白質または少な く とも1種の活性フラグメントまたはそれらのアナログの投与と実質的に同時 に又はその後までを意味する。当然、共同された物質の投与は、最初に使いきっ た投与された物質の適切な効果の時間の間隔となることによってコラーゲンの投 与が先立つことなくあるいは後続することなくすべきである。それ故、共力剤は コラーゲン蛋白質またはそれの生物学的な活性ペプチドフラグメントの約24時 間以前または以後、好適には約1時間以内に通例は投与されるべきである。 "経口"投与は、経口、経腸または胃内投与を包含する。胃を迂回することのな い経口投与は好ましい。 本発明は、タイプI、タイプIIまたはタイプIII コラーゲンまたはそれの生物 学的に活性なペプチドフラグメントの少量の経口、経腸または吸入による投与が T細胞を介しまたはT細胞依存の自己免疫の抑制、殊にヒトにおけるリウマチ性 関節炎に特に有効であることの発見と確証に基づく。かくて、以下に例示した如 く、本発明に教示されたように、タイプI、タイプIIまたはタイプIII コラーゲ ンまたは活性フラグメントまたはそれらの少なくとも1種のアナログのうちの少 なくとも1種の経口、経腸または吸入による投与の簡単な方法は、関節炎の進展 を抑制する治療に有効である。さらに、本発明の組成物と方法は、上述した欠点 を有することなく、かつ従来技術の治療または一時的鎮静化の薬剤と技法と共同 される。 経口、経腸または経吸入で誘導された寛容は、経口、経隅と吸入投薬量の広い 範囲にわたって投薬量に依存する。しかしながら有効な投薬量の最小値と最大値 がある。当業者によって理解されるように、このことは、全蛋白質あるいは分断 ペプチドフラグメントまたはアナログであるかという、投与されるコラーゲン蛋 白質のタイプの機能によって、そのペプチドまたはポリペプチドの溶解性と純度 と同様に、変化する特有な投薬範囲内で、関節炎の臨床的及び病理的な症状の両 方の抑制が起こることを意味する。さらに、患者の年齢、性別と身体的条件、同 じく別な兼用する治療では、治療のためのコラーゲン蛋白質の有効な投薬量に挙 動を有するように投与される。その結果、投薬の使用と投与予定の調整および改 良はこれらのファクターに基づいて決定される必要があり、かつ実験的に決定す る必要があるであろう。そのような決定は、しかしながら通常的な実験以下のも のが要求される。タイプIIコラーゲンとそのフラグメントは最も好ましい。 一般に、関節炎におけるヒト体内コラーゲンに対する免疫応答の抑制を達成す る好適な手段は、精製された又は高度に精製された水溶性の全部のタイプI、タ イプIIまたはタイプIIIコラーゲン蛋白質またはその生物学的に活性なペプチド フラグメントを約0.05から約10mg/1日の量、経口、経腸または吸入に よる投与である。コラーゲンまたはそれの生物字的に活性なペプチドフラグメン トの投与は、単一投薬形態または複数投薬形態で達成して良い。好適には、その 全体のコラーゲン蛋白質は1日あたり0.1から1ミリグラムの投薬量で投与さ れ、かつこの投薬は殊に好適にはタイプIIコラーゲンである。上述の投薬は、他 のタイプのコラーゲン、同じくそのフラグメントとアナログでも容易に行われ、 現記載に照らして、かつ3マイタログラム/1日のような少量のタイプIIコラー ゲン量でのラットにおける免疫抑制の事実に照らして、その好適な量は30マイ クログラム/1日であり、1日あたり300マイクログラムの量は有効性を欠く として高過ぎる。Z.J.Zhangら,J.Immunol.145:2489-2493,1990。 加えて、共力剤は、上述の有効性を増強するために治療において共同させるこ とができる。本発明において使用される共力剤の限定されない実例は、大腸菌(E.Coli )とサルモネラ菌(Salmonella)の各種サブタイプのようなグラム陰性 菌の広い種類からの細菌性リポポリサッカリド(LPS,Sigma Chemical Co.,St .Louis,MO; Difco,Detroit,MI; BIOMOL Res.Labs.,Plymouth,PA)、リピ ドA(Lipid A,Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO: ICN Biochemicals,Cleve land,OH; Polysciences, Inc.,Warrington,PA)と、ブラウンの文献(Braun ,V.,Biochim.Bio h s.Acta 435:335-337,1976)の開示から得ることのでき るトリパルミトイル-S-グリカリルシステイニル-セリル-セリン(P3C55) に共有結合されるペプチドのような免疫調整性(immunoregulatory)リポプロテ イン、を包含する。LPSが好適であり、リピドAが殊に好適である。リピドA は、全体のLPS分子よりも毒性が小さいことから本発明に用いるために特に好 適である。本発明で用いるLPSは、グラム陰性菌から抽出し、Galanesら(Eur .J.Biochem.9 :245,1969)と Skelly,R.R.,ら(Infect.Immun.23:287, 1979)の方法を用いて精製することができる。 処方(formulations) 別な態様において、本発明はまた、関節炎の動物モデルの自己免疫性関節炎を 抑制する有効な量のコラーゲンプロテイン全部または生物学的に活性なペプチド フラグメント(以下に開示されるような)またはアナログを備えた、関節炎に罹 った哺乳動物を治療するための経口製薬処方を提供する。その処方は、1990年3 月2日提出の同時継続米国特許出願第487,732号に開示されているような共力剤( 本発明の寛容抗原に共同される)を、関節炎の臨床的症状を治療するのに有効な 量で、任意に更に備えている。タイプIまたはタイプIIまたはタイプIIIコラー ゲン蛋白質全体またはそれの活性ペプチドフラグメントまたはアナログと共同し て投与される時、共力剤は、免疫攻撃下でコラーゲン組織の付近においてサイト キンPGE(プロスタグランジン-E)とIL-4(インターロイキン-4)の増 加の原 因となる。可溶性コラーゲン、好適にはタイプIIまたはタイプIII最も好ましく は酸性pH(例えば0.01M酢酸)と一緒のタイプIIを含む液体水性処方が好 適である。そのpH調整薬はなんらかの製薬上許容される酸性物質とすることが でき、また緩衝剤を含んでいて良い。好適なpHの範囲は4から5である。固体 組成物はまた、0.01M酢酸のような酸性の水性媒質で溶解した後に投与する のが好ましい。 この検討を通して、本発明の治療に従う関節炎の一様な1つの症状のなんらか の臨床的または統計学的に有意な希薄化(attenuation)は本発明の範囲内であ るということが理解されるであろう。そのような症状は、関節圧痛、関節腫脹、 AM硬直、握力低下、歩行力低下を含む。通常の個人において、上述した最初の 3つの症状はなく、50フィート歩行は9秒以下であり、成人の握力は200m mHg以上である(年齢、性別および身体的条件の各種でのそれぞれの強度)。 臨床的に有意な希薄化とは、患者により認識されるもの(圧痛または一般的な健 康状態(well-being)のケースなど)及び/又は医師により認識されるもの(関 節腫張のケースなど)を意味する。例えば、関節炎の関節に一様な腫脹または圧 痛の認識の相違は有意差がある。それらのパラメータのために、50フィート歩 行のケースでの1秒、または握力のケースでの5mmHg,AM硬直の15分の 差は有意であるとして測定され得る。 加えて、細胞毒性薬または他の抗炎症薬の投与からの抑制能力もまた有意であ る。即ち、たとえ患者が改善されなくとも、彼/彼女がもし細胞毒性薬及び/又 は抗炎症薬投与を再開する必要が無いならば有意な恩恵を亨受されているとさら に思うし、またその患者はこれらの通常薬剤とともに同一な状態または進展する 疾患段階が保たれる。 本発明による経口、経腸または吸入の各組成物は、当該分野で周知であるよう な製薬上許容される媒質、希釈剤、充填剤、可溶化または乳化剤および塩類を包 含する不活性な成分を任意に含んで良い。例えば錠剤は当該分野で周知の固体媒 質を用いて通常の作製法に従って組成物として良い。本発明において用いられる カプセルは、ゼラチン、またはセルロース誘導体のようななんらかの製薬上許容 される材料から作製して良い。徐放性経口デリバリーシステム(sustained rele ase oral delivery systems)及び/又は経口投与投薬形態のための腸溶性コー ティング(enteric coatings)は、例えば1985年12月3日付で発行された米国特 許第4,556,552号;1982年1月5日付で発行された米国特許第4,309,404号:及び19 82年1月5日付で発行された米国特許第4,309,406号のそれらに記載された事項が 考慮される。 固体媒質の実例は、デンプン、糖、ベントナイト、シリカ及び他の慣用される 媒質が包含される。本発明の組成物において使用して良い媒質と希釈剤の更なる 非限定的な実例は、塩類溶液、シロップ、デキストロースおよび水を含む。 必要とされる有効量が投薬ユニット(カプセルまたは錠剤またはそれらの組み 合わせのような)の複数の投与によって到達可能であることから、活性な成分、 それ自身の有効量中で必要でない各投薬形態の個別投薬量が含まれる、コラーゲ ンの全体またはそれの活性フラグメントまたはアナログのユニット含有量は判断 されるであろう。有効な投薬量の投与は単一投薬形態または複数投薬形態として 良く、またそれは退化マトリックス(degradable matrix)またはレザバー(res ervoir)のような脳溶性コーティング及び/又は徐放性メカニズムとともに提供 して良い。 コラーケン蛋白質の全体またはそれの生物学的に活性なペプチドフラグメント が経口または経腸で導入される場合、それらを別な摂取可能な形態とともに混合 しかつ固体、半固体溶液、懸濁液、または乳化形態中に存在させても良い。それ にはまた、製薬上許容される媒質、フレーバー増強剤、水、懸濁化剤、および乳 化剤を共同し又は代替的に混合して良い。 共力剤、例えば、タイプI、タイプIIまたはタイプIIIコラーゲンの全体また はそれの活性フラグメントまたはアナログと共同して投与して良い、LPSまた はリビドA、の共力剤の量は、1日あたり約0.01から100mgの範囲内と され、かつ1日あたり0.1mgから10mgの間が好ましい。 本発明の代替される好適な実施態様において、本発明での製薬組成物または投 薬形態は、吸入、好ましくはエアゾール形態によって関節炎に罹患したヒトに対 して投与することも可能である。投与の吸入モードは、好ましくは鼻粘膜を透過 せずに気管支及び肺粘膜を通る。本発明のコラーゲン全体またはそれの活性フラ グメントまたはアナログのより低い量は、1989年12月20日付提出の同時継続の米 国特許出願第454,486号に記載されたようなコラーゲンとともにアジュバント関 節炎(aduvant arthritis)で処置する時に見出されているような関節炎治療の ためのエアゾール投与を用いることが望ましいだろうことが予期される。エアゾ ール投薬形態において投与しても良い本発明のコラーゲン全体またはそれの活性 フラグメントまたはアナログの量は、1日あたり約0.01mgから約5mgの 間(好ましくは1日あたり0.01から0.5mg)とされ、かつ1日あたり約 0.01から約100mgの間の範囲の量の共力剤を任意に含めて良く、かつ単 一投薬形態または複数投薬形態で投与して良い。投与されるべき正確な量は患者 の病気の状態と重さ及び患者の身体的条件とによって変更して良い。 本発明のエアゾール製薬組成物は、任意な成分として、製薬上許容される媒質 、希釈剤、可溶化剤と乳化剤、及び当該分野で周知であるタイプの塩類を包含し て良い。そのような物質の限定されない実例は、生理的に緩衝化した塩類溶液、 及び水のような通常の塩溶液を包含する。 本発明のこの代替される実施態様によるコラーゲン全体またはそれの活性フラ グメントまたはアナログの投与のルートは、エアゾールまたは吸入形態である。 共力剤を持つ又は持たないコラーゲン全体またはそれの活性フラグメントは、乾 燥粉末粒子または好適にはキャリアガス(例えば空気またはN2)中に懸濁した 霧化された水溶液として投与することができる。好適なエアゾール製薬組成物は 、例えば、本発明によるコラーゲン全体またはそれの活性フラグメントまたはア ナログを約0.01ミリグラムから約5(好適には約0.5まで)ミリグラムの 間で含んでいる生理的に許容される緩衝化された塩溶液を備えて良い。 液体中に溶解または懸濁されていないコラーゲン全体またはその生物学的に活 性なペブチドフラグメントの固体粒子を細かく分散した形態のドライエアゾール (dry aerosol)は、本発明の実践においてまた有用である。コラーゲン全体ま たはそれの活性フラグメントまたはアナログは、散布される粉末の形態において 1から5ミタロン、好ましくは2から3ミクロンの平均粒径を有する細かく分散 された粒子を含んでいて良い。細かく分散された粒子は、当該分野で周知の技法 を用いた粉末化とスクリーンろ過によって調製して良い。その粒子は、粉末の形 態とすることができる、細かく分散された材料の予定された量を吸入することに よって投与して良い。 本発明のエアゾール製薬組成物において有用である媒質及び/又は希釈剤の特 有な限定されない実例は、水と、pH7.0−8.0のリン酸塩緩衝溶液のよう な生理学的に許容される緩衝塩溶液とを包含する。本発明のエアゾール製薬組成 物または投薬形態において使用される適当な媒質または希釈剤の任意な限定され ない実例は、1987年4月21日付で発行された米国特許第4,659,696号:1989年9月5 日付で発行された同第4,863,720号:及び1987年10月6日付で発行された同第4,69 8,332号中に開示されている。 本発明の製薬組成物は、例えば、1986年11月25日付で発行された米国特許第4, 624,251号;1972年11月21日付発行の同第3,703,173号;1971年2月9日付発行の同 第3,561,444号及び1971年1月13日発行の同第4,635,627号中に開示されたような ネブライザーを用いたエアゾールスプレーの形態において投与して良い。そのエ アゾール材料は治療されるべき患者によって吸入される。 Newman,S.P.in Aerosols and the Lung、Clarke,S.W.と Davia,D.,eds., pp.197-224,Butterworths,London,England,1984、中に開示されたような加圧 計量投薬吸入器(pressurized metered dose inhaler;MDI)と乾燥粉末吸入器 (dry powder inhaler)のような他のエアゾールデリバリーシステムが、本発明 を実践する際に用いることができる。 ここに開示されたタイプのエアゾールデリバリーシステムは、Fisons Corpora tion(Bedford,MA)、Schering Corp.(Kenilworth,NJ)及び American Pharm oseal Co.(Valencia,CA)を含む各種市販品が用いられる。 本発明ではまた、経口投与した時に動物モデルにおける関節炎の抑制を誘発す る、タイプIIコラーケン蛋白質の生物学的に活性なペプチドフラグメントを発見 している。これらのペプチドフラグメントの大部分は本発明以前には記載され又 は示唆されておらず、かつ以前の経口寛容剤として使用されたものはない。経口 寛容活性をもつペプチドの経口、経腸又は吸入による投与は、コラーゲン蛋白質 の自己免疫応答を誘導する部分に対する哺乳動物の感作の危険の無い完全なコラ ーゲン蛋白質の投与よりも、より好都合であり及び/又は自己免疫抑制を引出す ことにおいて特異的であることが予見される。任意な免疫抑制ペプチドは、本明 細書、特許請求の範囲および図面に照して通例の実験によって検証することがで きる。 リウマチ性関節炎に罹患したヒトからのT細胞は、例えば末梢の血液と分離さ れかつクローン化が可能なCD8+タイプのT細胞、から収集することができる。 コラーゲン全体に応答するTGF-βを分泌するそれらのCD8+T細胞は、分離 され、クローン化され、かつコラーゲンペプチドフラグメントによって(その存 在中)刺激された時、TGF-βを分泌するそれらの能力のための試験をするイ ンビトロアッセイに用いる。これら細胞のTGF-β分泌の能力は、例えばコラ ーゲン全体の存在中、例えばトランスウエルシステム(transwell system)中、 のCD4+コラーゲン-反応T細胞の増殖の抑制のモニタリングによって評価する ことができる。TGF-βを分泌するCD8+ T細胞を刺激するコラーゲンペプチ ドフラグメントは経口的に免疫寛容を生じるであろう。そのような実験が、1992 年2月28日付で提出された米国特許出願第843,752号中に開示されている。ヒトの T細胞の分離とクローン化のための方法は、1990年3月30日付で提出された米国 特許出願第502,559号と Allegretta,M.ら,Science 247:718-721,1990 中に開 示されている。 以下は、その範囲を限定することなく本発明を説明することを意図した実施例 である。実施例 下記に示す3つの研究のために、患者の関節炎の状態を、主観的な痛み、全体 の解剖学的な観察、身体的動作の時間測定、および患者によって記述された主観 的な健康状態といった、異なる数種の基準を用いて測定した。全体の解剖学的な 観察は、AM硬直(AM stiffness)、握力、および腫張した関節の数を含み、 医師による月々の試験において行った。この試験はタイプIコラーゲン治療前お よび治療中の、関節炎を生じている関節について行い、同じ関節の治療前の状態 と比較した。 主観的な痛みを測定した月々のデータは、医師が、関節炎を生じている関節の それそれに対して、順次静かに圧力を加え、患者に痛みを感じたかどうかを知ら せてもらうことによって得た。 朝方の硬直(morning stiffness)のデータは、患者の経験と、関節が身体的 に柔軟になるのにどれくらいの時間がかかったかの報告に基づいて得た。また、 それぞれの手の握力は、20mmHgに膨らませたカフ(cuff)を備えた標準水 銀血圧計を用いて、毎月測定した。最後に、各患者に対して、50フィート歩く のに何秒必要であったかを時間計測した。 総合的な評価(P=劣る、F=まあまあ、G=良い、VG=たいへん良い、お よびVP=たいへん劣る)は、看護をしている医師によって、主観的になされた ものである。経過も同様に主観的に評価した(B=良い、W=悪い、MB=やや 良い、MW=やや悪い、S=同じ)。 NSAIDは「非ステロイド性抗炎症剤」を表し、RFは「リウマチ性因子」 を表し、ESRは「血沈速度」を表し、HCTは「ヘマトクリット値」を表し、 bidは「1日に2回」を表し、qidおよびqdは「1日につき」を表し、I Aは「関節内」を表す。 全タイプIIひよこ(chick)コラーケンタンパク質の1日の服用量は、治療の 第1月めが0.1ミリグラムで、その後の各月は0.5ミリグラムとした。実施例1 : 水溶性の精製された全ひよこタイプIIコラーゲンタンパク質を、発売元から得 た(Genzyme,Boston,MA);あるいはトレンサム,ディー.等による手法(Trent ham,D.et al.,J.Exp.Med.146:857,1977)に従って精製した。関節炎に苦しむ患 者LS、MF、NSおよびCOに、0.01Mの酢酸に0.1または0.5mg /mlのコラーゲンを溶解した全タイプIIコラーゲンタンパク質溶液を投与した 。患者は、毎日空腹時に、治療の第1月めが0.1ミリグラムで、その後の月は すべて0.5ミリグラムに相当する、前もって決められた量を服用するように指 示された。患者のほとんどは、前もって決められた量のタイプIIコラーゲンタン パク質をオレンジジュースに加えて溶解性を保ち、すぐに(shortly)その混合 物を飲んだ。 患者が大幅な改善を報告したならば(そして医師が同意したならば)、コラー ゲン治療は3カ月後に中止した。しかしながら、患者が関節炎の再発を報告した 場合は、その後タイプIIコラーゲン治療を再び続けた。上記患者のそれぞれにつ いて集められた月々のデータを、表1〜4に要約して示す。 表1は、患者1、LS、30歳女性の、関節炎の病状を測定して集められたデ ータの要約である。この研究の間、従来のオーラノフィンの薬剤治療は中止した 。コラーゲン治療の第2月めに関節炎の驚くべき回復がみられたため、さらなる 治療は中止した。コラーゲン治療開始後8および9カ月め(during months 8 an d 9)に、フェルデン(ピロキシカム)(Feldene(piroxicam))が投与された。 全タイプIIコラーゲンタンパク質を用いた治療の第1月めの後、大幅な改善が 観察された。完全な回復は、治療の第2月めに観察されたが、握力試験において は依然としていくらかの弱さがみられた。この筋肉の弱さは、関節炎による関節 の痛みから、長い間筋肉を使わず、筋肉が萎縮したことによって起こり得るもの である。治療の第3カ月めには、右手の関節の1つが依然として腫張しており、 関節炎が残っているのが観察された。この関節炎は、わずかな圧力にも敏感で、 朝方の硬直の根源であり、右手の握りの弱さの理由となっていた。しかしながら 、左手の関節には、相変わらず関節炎はなく、50フィート歩行は正常であった 。 治療は3カ月半の間中止されたが、7カ月めに、患者LSが両手の6つの関節 に軽い関節炎の再発を体験したときから再開された。この再発による歩行動作へ の影響はなかった。患者は50フィート歩行を正常時間内で行なうことができた 。 治療は、1日の服用量が0.5ミリグラムの通常の状態に戻した。1カ月以内 には、右手の1つの関節に依然として関節炎が残っているだけで、再び、関節炎 を患った状態からの顕著な回復が観察された。握力は、再発中に観察された値か ら2倍にもなった。 治療はさらに1カ月続けられ、患者LSは、左手に関節炎の関節を残すものの 、研究中観察されたなかで、両手の握力の最高値を示した。再発に対して3カ月 コラーゲン治療を行った後、さらに治療を行なうのは止めた。現在まで、患者L Sは、右手の1つの関節の限られた症状の他には、関節炎の臨床的な症状に倒れ ることも、あるいは症状を表すこともなく4カ月が過ぎた。両手の握力はわずか に 減った。 表2は、患者LSと同様の研究に参加している女性の患者、MF(23)の経 過の要約である。従来のメトトレキサートを用いた薬剤治療は中止した。患者M Sは、全タイプIIコラーゲンタンパク質を1日0.1ミリグラムの服用量で1カ 月間投与し、その後1日0.5ミリグラムの服用量で2カ月間投与する治療の、 第1カ月めの後に、症状からの驚くべき開放を経験するのが観察された。完全な 回復は、治療の第2カ月めの後に観察された。その後11カ月の間、関節炎の再 発は観察されなかった。 表3は、この研究における3人目の患者、女性、NS(50)についてのデー タを要約したものである。この研究の間、メトトレキサートを用いた薬剤治療は 中止した。コラーゲンタンパク質を用いた治療の第1カ月めの間に、症状の顕著 な低減が観察された。腫張した関節の数は5から1へ減り、一方、すべての圧痛 のある関節は完全な回復を示した。朝方の硬直は120分から15分へ減少した が、握力は、左手の握力だけがわずかな改善を示した。右手の1つの関節に腫張 が残っているのが観察されたが、他の前から患っていた関節すべてにおいては完 全な回復が観察された。完全な回復はコラーゲン治療の第3カ月めの間に達成さ れ、ときどき関節炎が突発するものの、さらに治療を行なうのは止めた。 表4は、この研究の最後の参加者である患者CO(女性、42)からのデータ をまとめたものである。他の患者に比べて、より漸次に関節炎から回復するのが 観察された。患っていた関節の半分は、コラーゲン治療の第1カ月めの後に、関 節炎による腫張、および圧痛から回復したが、朝方の硬直、両手の握力、および 50フィート歩行にかかる時間は、だいたいにおいて病気の状態と変わらないま まであった。顕著な回復は治療の第2カ月めに記録され、1つの圧痛のある関節 と50フィート歩行試験においてある種のわずかな歩行の弱さがみられるのを除 いて、ほとんど完全な回復は第3カ月めに観察された。翌2カ月は、治療を中止 したが、第5カ月めの間に、患者COが部分的な再発を経験的に認知したときか ら再開した。さらなる治療をさらに3カ月行った後、患者COもまた、関節炎か ら完全に回復し、現在に至っている。 実施例2 実施例1と同様の調剤量およびプロトコールを用いた。リウマチ様の関節炎に 苦しむ患者ML、MT、RB、LM、DHおよびSHに、実施例1と同様にひよ こタイプIIコラーゲンを投与し、実施例1と同様にして観察した。これらのすべ ての患者もまた、シングルブラインド法で治療された;彼らの症状は実施例1に おける患者よりも悪く、彼らの平均年齢は約9歳も上であった。一人の女性の患 者(DH)は、向上がみられず、旅行に不便だという理由で中止した。 表5〜10は、全タイプIコラーゲンタンパク質を関節炎の抑制または治療に 経口投与する効果についての、第2の実施中の研究に係わる、6人の追加の個々 の患者(女性5人、男性1人)に関して集められたデータを要約したものである 。患者RB(表7)だけが完全な回復を経験した。2番目の患者はこの研究を中 止した。その他の患者は、表1〜4に示される第1の研究に係わる患者のような 、顕著な回復はまだ経験していない。関節炎からの大幅な改善はあるが、回復の 速度はより漸次である。この第2の研究の効果を有効に評価するにはさらに時間 が必要である。しかし第2の研究の患者はすべて、第1の研究における患者より もかなり重い病状を有していたものである。さらに、第2の患者のグループは、 第1の患者よりも、概して歳上である(歳は23,36,52,55,55,お よび65である)。それにもかかわらず、患者5および7はかなり有益な効果が 得られており、患者8および10でさえも細胞毒性の薬剤の使用を中止すること ができた。 実施例1および2の患者の追跡調査の要約 これらの公開投薬研究(open-dosing studies)において、10人のうち6人 の患者は、臨床的症状のほとんどが低減または除去されたことからわかるように 、ひよこタイプIIコラーゲンの経口投与によりかなりの有益な効果を得ることが できた。10人のうち3人は、さらに治療を行なうことなく、改善された状態を 保ち続けている。他の2人の患者は再発を経験したが、コラーゲン治療再開始の 1カ月後には、改善された状態に回復した。第6番めの患者は、第1の3人と同 様に改善しつつあるようにみえるが、追跡できなかった。7番めの患者は緩やか な改善のみを経験し、他の2人の患者は改善を経験しなかったが、依然として細 胞毒性の薬剤の使用を中止することができていた。10番めの患者は、初期症状 が思わしくなく、改善がみられず、また研究センターから場所が遠いという理由 でこの研究を中止した。これらの好ましい結果に基づいて、ダブルブラインド研 究を試みた。実施例3 米国リウマチ協会(American Rheumatism Association)の定義による重篤な活 性関節炎(active arthritis)にかかった60人の患者が、ダブル・ブラインド・ スタディ(double blind study)に参加した。これらの患者は、免疫抑制薬は中止 していたが、3カ月の試験期間中、NSAID及び/またはプレドニゾン投与( ≦10mg/日)を維持していた。患者は任意に、実施例1及び2に記載した患 者と同じもしくはプラシーボのいずれかの処理を受けた。このプラシーボは、メ ンブラン・フィルターを通した0.1Mの整数倍の酢酸1.1mlからなる。す べての試験は、処理の開始時と同じ試験者によって行われ、1、2及び3カ月の 試験は、1日のうちの同じ時間に行った。Weinblatt,M.E.ら,N.Engl.J.Med.3 12:818(1985)及びSewell,K.L.ら,Arthritis Rheum.in pressに記載されたよう な従来からの手法を、関節炎活性を測定するために使用した。歩行時間測定のた めに補助的な装置が用いられた。試験の間、臨床的試験者が患者を注視し、安全 なモニタリングの責任をもった。実験室安全試験は、ランダム化の直前、及びそ の2、4、6、8及び12週間後に行った。 完全な血液カウント、ディフェレンシャル(differential)及び血小板カウント 、肝臓及び腎臓機能試験、プロトロンビン及び部分的トロンボプラスチン時間、 尿分析、及びESRを測定した。HLA類別は、Kammer,G.M.及びTrentham,D.E ,Artiritis Rheum.,27:489(1984)に記載されたように、対立因子A、B、C及 びD/Qlociに対して行った。血清IgMリウマチ性因子(rheumatoid fact or)力価は比濁法によって、タイプIIコラーゲンに対するIgG抗体力価は(Hel fgott,S.M.ら,Lancet 337:387(1991)に記載されたように)ELISAによって 、コラーゲンまたはプラシーボ投与の直前及び終了時に決定した。 試験の結論においては、60人のうち59人の患者を評価した。一人の患者は 病気ではなく、40日後に試験を中止した。この患者はコラーゲンを受けていた 。他に、4人の患者には、3カ月の処理の終了に先立って、その薬物治療試験を 中止した。これらの患者は、残りの試験に対して最も悪いスコアに帰しており、 分析には含めた。この4人すべてはプラシーボを受けていた。表11は、試験を 開始するに当たって、統計学的臨床及び実験室的パラメーターが、両グループ間 で類似していることを示す。コラーケン処理患者及びプラシーボ処理患者の間の 比較は、腫張した関節の数のような連続的な測定に対するウィルコクソン・ラン ク・サム(Wilcoxon rank-sum)試験、麻酔薬使用のような対生した測定に対する フィッシャー・エグザクト(Fisher exact)試験、及び、機能分類(Function Clas s)に対するカイ自乗トレンド(trend)試験を用いて行われた。報告したP-値は2- 面である。28人の患者がコラーゲンを受け、31人の患者がプラシーボを受け た。 1 グループ間に相違無し(P>0.10)2 メトトレキサート、6-メルカプトプリン、アザチオプリン、ヒドロキシクロ ロキン、スルファサラジン、オーラノフィン、シクロスポリン、シクロホスファ ミド、またはペニシラミン。7人の患者はこれらの組み合わせを受けた(20) 。残りの患者は、上記の化合物のうち少なくとも2つに対する応答性または毒性 が予め欠けていたので、初期に免疫抑制薬を受けなかった。3 赤血球沈降速度(ESR)、ウェスターグレン(Westergren)法。 図1及び表12に見られるように、1、2、及び3カ月において、プラシーボ 患者に比較してコラーゲングループにおける腫張した関節数は、かなり改善され た(P<0.03)。さらに、圧痛または痛み関節、関節腫張及び圧痛係数、及 び15m歩行時間は、かなり改善された(表2)。コラーゲン患者のうちの4人 (14%)は、疾患の完全な回復を得たのに対し、プラシーボグループでは皆無 であった。完全な回復は、腫張または圧痛関節が無いこと、朝方の硬直または午 後の疲労が無いこと、医師と患者の評価による関節炎が無いこと、機能分類Iの 状態、及びプレドニゾン無しでも通常のESR(<28分/時間)であることに よって決定された。 4 初期に評価した患者数(コラーゲン/プラシーボ)=28/31、1カ月= 27/29、2カ月=26/26、及び3カ月=28/31;中止は前記したよ うに処理された(25)。5 初期において、グループ間に有意な相違は無かった(ウィルコクソン・ラン ク・サム試験によるすべての変数についてP>0.15)。6 グループ間の比較により、コラーゲン処理患者においてより有意な改善が見 られた:aP<0.05;bP<0.01;ウィルコクソン・ランク・サム試験に よる。 表13は、Weinblatt,M.E.ら、N.Eng.J.Med.312:818(1985);Sewell,K.L.ら ,Arthritis Rheum.in press;及びSteinbrocker,0.ら,JAMA:659(1949)で定義 されたさらなる測定による患者の状態を示す。コラーゲン受容グループでは、免 疫抑制の改善の安定化が生じたのに対し、プラシーボ受容患者では時間とともに 悪化する傾向があった。医師と患者により全体の検定が実施されたとき、この傾 向が現れた(P<0.05)。ワインブラット(Weinblatt)ら及びセウェル(Sewe ll)らに定義された状態の悪化は、プラシーボグループでは11人の患者(35 %)に生じたが、コラーゲン処理患者では2人(7%)であった(P<0.01 )(表13)。痛みの制御のための鎮痛薬は、臨床実験者によって処方された。 プラシーボを受けた12人の患者(39%)は、麻酔薬を必要としたが、コラー ゲンを受けている患者は4人(14%)であった(P<0.04)(表13)。 7 値は、28人のコラーゲン患者、31人のプラシーボ患者の百分率である。8 初期において、グループ間に有意な差はなかった(フィッシャー・エグザタ ト試験またはカイ自乗トレンド試験によりP>0.10)。9 中くらいの、緩慢な、または存在しない(16)ものに対する;中止は前記 し た処理を行った(25)。10 グループ間の比較により、プラシーボ処理患者に、より重大な悪化が見られ た(フィッシャー・エグザクト試験によりP<0.05)。11 関節腫張係数(joint-swelling index)及び関節圧痛係数(joint-tendernessi ndex)/痛み係数(pain index)が、初期値より30%以上増加したことを意味す る(16)。12 臨床実験者によって発赤患者を試験に止めておくために任意の時間において 処方された抗炎症性を持たない麻酔剤、通常はコデインとアセトアミノフエン、 プロポキシフェン、またはペンタゾシン。13 機能分類の米国リウマチ協会基準によって決定した(28)。I=関節炎か ら何等制限を受けない、II=緩慢に制限される、III=顕著に制限される、IV= 無能力で実質的にベッドまたは車椅子の存在を引き起こす。14 コラーゲングループでの改善のトレンドが有意ではない(カイ自乗トレンド 試験によるP=0.10) 一方、試験を中止した4人のプラシーボ患者の影響を減じるための分析におい ても、コラーゲン処理からは同様なかなりの(P≦0.05)改善が見られた。 他の関節炎試験で見られるものに似たプラシーボ効果が観察された。Williams ,H.T.ら,Arthritis Rheum 31:702(1988)。プラシーボグループで機能分類Iの ランクに達したのは4人の患者(13%)であった。しかし、コラーゲン処理患 者での相対的改善は有意なものであった。 有意な副作用や変化は観察されなかった。タイプIIコラーゲンに対する抗体の 存在、HLAハプロタイプや性別を含むいかなる基本特性もコラーゲンに対する 応答性に関連していない。コラーゲングループのすべての患者は、3カ月後にコ ラーゲンを中止した。 この制御された試験は、少量の可溶化した天然異種のタイプIIコラーゲンの経 口投与が、活性RAの臨床的顕現を改善し、それが安全であるという証拠を提供 する。64%のコラーゲン処理患者が免疫抑制薬(通常はメトトレキサートまた は6-メルカプトプリン)を受け、コラーゲン処理でさらなる改善が生ずる一方 、 基本の値が獲得されているので、経口コラーゲンは、免疫抑制治療と比較して同 等またはそれ以上に有効である。さらに重要なことには、経口コラーゲンは毒性 を持たないために好ましい治療法である。疾患の激化または経口抗原に対するア レルギーが、理論的には進行するかもしれないが、これらの実験及び動物実験で は観察されなかった。 パイロット(pilot)研究の4人の患者で、改善が見られたが治療の中止後約3 カ月にぶり返したものは、コラーゲンの再開の恩恵を受けた。動物では、経口寛 容の防御効果が、抗原供餌の中止後2または3カ月に結局現れた。経口トララー ゲン(toleragen)の中止後の疾患の再発は、多発性硬化症及びブドウ膜炎患者に 生じた。従って、経口寛容の臨床的効果を維持するには、さらなる投与が必要で あることが明らかになった。 これらの実験は、経口コラーゲンの臨床的有効性を示している。疾患の長期間 の制御のための最適投与量及びレジメント(regiments)は、熟練した実施者によ りよく知られた技術に従って決定される。 実施例4:コラーゲン由来ペプチド 周知の技術を用いてイン・ハウス(in-house)で合成したコラーゲン由来ペプチ ドは、特に(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)からの)ペプ チド合成装置を用い、供給者の装置に引き継いだ。このペプチドは、以下のアミ ノ酸配列を有する。 1.NH2-G-P-R-G-P-HP-G-P-HP-G-P-A-G-L-HP-G-P-S-G -E-HP-G-P-K-COOH 2.NH2-G-E-HP-G-A-HP-G-P-A-G-P-HP-G-E-HP-G-A-H P-G-P-A-G-P-HP-G-COOH 3.NH2-G-E-E-G-L-R-G-A-R-G-E-HP-G-E-R-G-P-HP-G- P-Q-G-A-R-COOH 上記には、標準的な一文字略語を用い、HPはヒドロキシプロリンを表してい る。 前記のペプチド1−3は、以下のように設計された。 ヒトのタイプIIコラーゲンのアミノ酸配列を、繰り返す傾向にある(一致また は保存的置換を有する)アミノ酸トリプレットに分けた。トリプレットを生ずる 周期は、バイスタンダー抑制(Bystander Suppression)の概念(米国特許出願番 号843,752)と一致する免疫抑制T細胞エピトープの形成に類似している と仮定した。ペプチドの長さは、MHCクレフト(creft)に制限されたクラスI は9アミノ酸長さであり、MHCクレフトに制限されたクラスIIは15アミノ酸 長さであるという事実に基づいている。次いで、トリプレットが生ずる周期が選 択され、それらを含むペプチドが合成され試験された。ヒドロキシプロリンは、 合成の便宜のためプロリンに置換された。 他の第4番目のペプチドも合成した。このペプチドは、Myers,L.K.ら,J.Exp .Med.,1989,同上、に開示され、次の配列を有している。 4.H2N-P-T-G-P-L-G-P-K-G-Q-T-G-E-L-G-I-A-G-F-K-G -E-Q-G-P-K-COOH 上記のペプチドは、以下のようにして寛容活性が試験された(ペプチド1−3 はCDP1−CDP3と記し、ペプチド4はCB11Pと記す)。 ルイスラットに、1、10、100マイクログラムの特別なペプチドまたは可 溶性ニワトリタイプIIコラーゲンを種々に供餌した。天然の対照動物には、同量 のJGBバッファー(127mM二塩基性硫酸カリウム、18.4mM−塩基性 硫酸カリウム、pHは7.6に調整)を供餌した。 ペプチド、コラーゲン、またはバッファーの供餌は、10mg/mlのヒト結 核菌を含む0.1mlの完全フロイントアジュバントの対抗によるアジュバント 関節炎(AA)の誘発に先立って、7、5、及び2日前に行った。関節炎の重篤 度は、標準的な方法論(Trentham,D.E.ら,1977,同上)に従い、4つの膝の観 察によって、以下の尺度で等級づけて評価した。0=通常、1=発赤のみ、2= 発赤と腫張、3=重度の腫張、4=関節奇形。全関節炎スコアは、各膝のスコア の合計とした。最大関節炎スコアは、疾患の進行に渡って、一匹の動物での最高 スコアである。この等級づけ方法によると、可能な最大のスコアは16(4つの 膝×1つの膝当たり4スコア)である。 結果を図2−5に要約した。 図2は、全コラーゲンの抑制能力を示す。 図3は、CDP1を1、10、及び100μgで試験した実験結果を示し、1 00μgでの顕著な抑制を表している。 図4は、他の実験での1μg及び10μgのCDP2が、特にAAの初期にお いて幾分かの抑制を誘発したことを示す。 図5は、第4の実験での1及び10μgのCDP3が、抑制を誘発したことを 示す。 要約すれば、100μgのCDP1、10及び1μgのCDP2、1及び10 μgのCDP3は、明らかに抑制を誘発した。 また一般に、ペプチド供餌ラットのAA初期には抑制がみられ、あるペプチド 及び投与量に対して、疾患の重篤度はより早く”ピーク”となり、即ち緩和され る。 この実験の技術的課題は、バッファー供餌ラットが、多くの技術的要因により 重い疾患にかからないことである。それにもかかわらず、CIIを必要としない抑 制が見られた。 下記の表14は、各ペプチドの最適な投与量、即ち、100μgのCDP1、 1μgのCDP2、及び1μgのCDP3が用いられた同種の実験において、関 節炎スコアで表した結果を示す。ミヤー(Myers)らのペプチドのCB11も10 μgで試験した。 この実験は、CDP2及びCB11が、アジュバント関節炎の抑制からみて最 良に実施されたことを示している。CDP1は、この実験では顕著な抑制を示さ なかったが、おそらく技術的要因であろう。CDP2及びCDP3は、有意な抑 制を示した。全てのタイプIIコラーゲンが、予想した程の抑制を再び示さなかっ たのは、おそらく技術的要因であろう。それにもかかわらず、有意な抑制が3種 のペプチドで示された(関節炎スコアで2またはそれ以上の点を有意とした)。付録A
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,LV,MG ,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SK,UA,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.リウマチ性関節炎と多発性軟骨炎から構成される群から選択される自己免疫 疾患の治療方法であって、そのような治療を必要としているヒトへ、少なくとも 関節の圧痛、関節の腫張、朝方の硬直、握力、50フィート歩行時間よりなる 群から選択される少なくとも1つの上記関節炎の臨床的症状を有意に減少させる ために、 または、細胞毒性薬剤の投与を中断している間、上記ヒトを実質的に安定な状 態に保つために、 十分な期間、全コラーゲンタンパク質の有効量を経口投与することを備えた上 記治療方法。 2.全タイプIIコラーゲンタンパク質を上記ヒトに経口投与することを備えた請 求の範囲第1項の方法。 3.ヒトの自己免疫関節炎の治療方法であって、そのような治療を必要としてい るヒトへ、関節炎の治療に有効な量の全タイプIまたは全タイプIIコラーゲンタ ンパク質を、エアゾール形態の吸入により投与することを備えた上記治療方法。 4.哺乳類の自己免疫関節炎の治療方法であって、上記哺乳類へ、上記関節炎の 治療に有効な量の、少なくとも1つの生理的に活性なタイプIIコラーゲンペプチ ドフラグメントを、経口、経腸、または吸入投与することを備えた上記治療方法 。 5.上記コラーゲンが、タイプIIコラーゲンであり、上記量が約0.1から約1 mgの範囲内であり、上記期間が少なくとも3カ月である請求の範囲第1項の方 法。 6.上記有効量が0.1から0.5mg/日の範囲である請求の範囲第5項の方 法。 7.上記タイプIIコラーゲンが生理的に許容される水性酸性媒質に溶解されてい る請求の範囲第5項の方法。 8.そのような治療を必要としているヒトのリウマチ性関節炎の治療方法であっ て、上記ヒトへ、全コラーゲンよりなる群から選択されるタンパタ質の、上記関 節炎の少なくとも1つの症状を有意に減少させるために有効な量を、エアゾール 形態の吸入により投与することを備えた上記治療方法。 9.そのような治療を必要としているヒトのリウマチ性関節炎の治療方法であっ て、上記ヒトへ、上記ヒトの少なくとも1つの罹患した関節における自己免疫応 答の抑制に有効な量の、全タイプI、タイプIIおよびタイプIIIコラーゲンより なる群から選択されるタンパク質を、経口または経腸投与することを備えた上記 治療方法。 10.自己免疫関節炎のその齧歯動物モデルにおける治療方法であって、そのよ うな治療を必要とするヒトまたは齧歯動物へ、 NH2-G-P-R-G-P-HP-G-P-HP-G-P-A-G-L-HP-G-P-S-G-E- HP-G-P-K-COOH; NH2-G-E-HP-G-A-HP-G-P-A-G-P-HP-G-E-PH-G-A-HP-G -P-A-G-P-HP-G-COOH; NH2-G-E-E-G-L-R-G-A-R-G-E-HP-G-E-R-G-P-HP-G-P-Q -G-A-R-COOH;および H2N-P-T-G-P-L-G-P-K-G-Q-T-G-E-L-G-I-A-G-F-K-G-E- Q-G-P-K-COOH よりなる群から選択される少なくとも1つのペプチドフラグメントの、上記関節 炎またはそのモデルの抑制に有効な量を、経口投与することを備えた上記治療方 法。 11.タイプIIコラーゲンからの少なくとも1つのペプチドフラグメントを含む 薬剤組成物であって、上記フラグメントが、経口、経腸、または吸入により哺乳 類に投与されたときに、自己免疫関節炎とその齧歯動物モデルに関与する自己免 疫応答の特異的抑制を誘導する性質を有する上記薬剤組成物。 12.さらに薬学的に許容される担体または希釈剤を含む請求の範囲第11項の 組成物。 13.哺乳類へ経腸投与するように適合化された請求の範囲第14項の組成物。 14.哺乳類へ吸入により投与するためのエアロゾール形態の請求の範囲第14 項の組成物。 15.上記少なくとも1つのペプチドが、 1.NH2-G-P-R-G-P-HP-G-P-HP-G-P-A-G-L-HP-G-P-S- G-E-HP-G-P-K-COOH 2.NH2-G-E-HP-G-A-HP-G-P-A-G-P-HP-G-E-PH-G-A- HP-G-P-A-G-P-HP-G-COOH 3.NH2-G-E-E-G-L-R-G-A-R-G-E-HP-G-E-R-G-P-HP-G -P-Q-G-A-R-COOH よりなる群から選択されるものである請求の範囲第11項ないし第14項のいず れかに記載の組成物。
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