JP2002516829A - 結合組織の保護、治療及び修復のための作用物質及び方法。 - Google Patents

結合組織の保護、治療及び修復のための作用物質及び方法。

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アミノ糖、S−アデノシルメチオニン、アラカトン酸、GAG、ペントサン、コラーゲンII型、テトラサイクリン又はテトラサイクリン様化合物、ジアセリン、スーパーオキシドジスムターゼ、L−エルゴチオニン、単数又は複数のアボカド/ダイズ不鹸化物、ヒドロキシプロリン及び鎮痛剤例えばアセトアミノフェンを含む同化、異化防止、酸化防止及び鎮痛用作用物質のいずれか又は全てを含む。ヒト及び動物の体内の結合組織の保護、治療及び修復のための組成物、及び、それを必要とするヒト及び動物に対しこれらの新規組成物を投与することによってヒト及び動物を治療する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、ヒト及びその他の動物における結合組織の保護、治療及び修復のた
めの組成物に関する。
【0002】 発明の背景 ヒトを含む哺乳動物の組織は、組織を構築する同化プロセスと組織を分解させ
る異化プロセスが恒常的に変化する状態にある。これら2つのプロセスの間にバ
ランスが存在するときには健康な状態が存在し、このバランスが損なわれると疾
病が発生する。このことは、体の全ての組織について言えることである。結合組
織は、いくつかの理由で特に重要なものである。まず第1に結合組織は体の「機
能的細胞」すなわち上皮、筋及び神経細胞を支えている。第2に、これらは、多
細胞生命体にとって不可欠である細胞間連絡において重要な役割を果たす。
【0003】 炎症プロセスは、このバランスにおいて重要な位置を占めている。組織に対す
る損傷が発生した時点で、炎症は、組織修復を結果としてもたらす生化学プロセ
スを開始する。炎症は、関与する組織の痛み、炎症及び膨潤といった症状を結果
としてもたらすことから、これは往々にして、できるかぎり早くかつ完全に治療
及び軽減されるべき異常かつ望ましくない状態と患者及び医師の両方によりみな
されるものんである。その結果、薬局には「抗炎症薬」があふれている(例えば
コルチコステロイド及び非ステロイド系抗炎症薬、例えばアスピリン)。或る種
の状況下では、炎症は実に破壊的でありうる。しかしながら、炎症が組織の治ゆ
と密に関連しているということを覚えておくことが重要である。実際、炎症は、
厳密に同化又は異化として容易に分類されず、いずれの効果ももち得るのである
。体内でのその目的は有害な作用物質を除去、希釈又は遮断することにある。そ
れは同様に、損傷を受けた組織を修復し再構築する生化学プロセスをも起動させ
る。それは治ゆにとって不可欠であり同様に組織破壊をもひき起こし得ることか
ら、炎症及びその媒介物質は、同化及び異化バランスにおける重要な要因である
【0004】 1つの非常に重要なクラスの炎症媒介物質としては、エイコサノイド群がある
。エイコサノイドは、体内で必須脂肪酸(「FAs」)から合成される。一連の
生化学反応を通して、前駆体脂肪酸は、修飾されて中間代謝物質、アラカドン酸
(「AA」)、オメガ−6FA;及びエイコサペンタエン酸(「EPA」)、オ
メガ−3FAを産生する。アラキドン酸から産生されたエイコサノイドには、一
般に炎症前駆性である2系列のプロスタグランジンの及び4系列のロイコトリエ
ンが含まれる。3系列プロスタグランジン及びヒドロキシエイコサペンタエン酸
(「HEPE」)といったようなEPAから誘導されたエイコサノイドは、AA
から誘導されたものより炎症性は低い。さらに、かかるエイコサノイドは抗炎症
性効果さえ有することができる。
【0005】 1つのクラスとして、エイコサノイドは、短命でかつ局所的に活性である。こ
れらは、血管拡張、血管透過性増加及び化学走性を含む初期炎症事象の原因とな
る。その上、エイコサノイドは、治ゆプロセスの早期段階における一助となる。
例えばエイコサノイドは、それ自体結合組織細胞の移動及び増殖及び細胞外基質
の被着を刺激するTGF−Bといったようなサイトカインの放出をひき外す。特
異的な構成性エイコサノイドは、胃腸粘膜及び腎臓内で保護効果をもつが、これ
は、これらがこれらの器官のグリコースアミノグリカン合成及び正常な灌流を維
持するからである。
【0006】 これらのような同化プロセス及び体内の天然の異化防止及び酸化防止作用物質
の影響に起因して、炎症の大部分の症例の成果は、傷害の消散と損傷を受けた組
織の治ゆである。炎症自体が疾病の原因となるのは、病的状況下においてだけで
ある。
【0007】 (シスリノール酸及びアルファリノレン酸、いわゆるオメガ−3及びオメガ−
6脂肪酸を含む)エイコサノイド前駆体FAを治療目的で使用することに関する
研究は、まず最初に、エイコサノイド合成の競合的阻害物質としてのその用途、
ひいてはその抗炎症性効果に向けられてきた。重症の又は絶対的食物欠乏の場合
を除いて、エイコサノイドが結合組織においてもつ有益な同化効果に対してはほ
とんど注意が払われてこなかった。しかしながら、天然に発生するエイコサノイ
ドの「不顕性の」欠乏は、おそらく疾病の大きな原因であるものの過小診断され
ている。例えば、デルタ−6−デサチュラーゼ酵素は、AAの合成に掛り合う段
階の原因となっている。この酵素(デルタ−6−デサチュラーゼ)の活性は、年
令と共に減少する。AAの欠乏は同化プロセスを減少させかつ異化事象を優勢に
することから、上記のことが、より高齢の個体群セグメントにおける結合組織の
機能不全の発生率の増加における有意な要因を証明している可能性は高い。
【0008】 組織の治ゆにおける炎症の重要性及び一部のエコノサイドが果たす保護の役割
を考慮すると、エコノサイド産生を遮断することにより炎症を低減させる薬剤は
、治ゆ及び同化プロセスに対しても同様に負の効果をもつはずであるということ
は驚くべきことではない。強い抗炎症性をもつコルチコステロイド薬が同様に治
ゆを遅らせ、細胞外基質成分の産生を減少させるということは長い間知られてき
た。これは、コルチゾール及び関連する化合物が細胞膜を安定化させ、従って、
AAの前駆体であるホスホリパーゼA2の放出を阻害するからである。近年、非
ステロイド系抗炎症薬(「NSAIDs」)に注目が向けられてきている。NS
AIDが、コルチコステロイドと同様、プロスタグランジンエンドペルオキシド
シンターゼを阻害し、かくしてシクロオキシゲナーゼ経路を遮断することから、
結合組織細胞による基質成分合成を減少させる可能性がある、ということは数多
くの研究によって示されてきた。
【0009】 炎症プロセスは組織治ゆの必須条件でありかつエコノサイドは炎症プロセスの
媒介物であることから、AA(及びその他のエコノサイド化合物)の使用は、傷
害を受けた組織の療法への新たなアプローチである。Kirkpatrick et al.は、器
官培養内のひなの胚軟骨に対するプロスタノイド前駆体の使用について調査し、
有意な効果を全く見い出さなかった。〔Kirkpatrick, C. J.「器官培養中のひな
胚軟骨成長に対するプロスタノイド前駆体及びインドメタシンの効果」、Expl.
Cell Biol.、 51:192−200(1993)〕。鳥類の軟骨及び胚軟骨は
哺乳動物の出生後軟骨と著しく異なっていることから、この研究作業における実
験モデルは、有意な効果が不在となるべく影響を及ぼした可能性がある。例えば
、まず最初に、あらゆる種の胚軟骨は、対数増殖期にあることから、代謝亢進及
び同化作用をもつ。Kent et al., は、ウサギの軟骨におけるAAの効果を検査
し、正の効果を見い出したが、それ以前の及びその後の研究ではこれを確認する
ことができていない。〔Kent, L et al.,「トロンボキサンB2及びプロスタグ
ランジン環式エンドペルオキシダーゼ類似体に対する関節軟骨細胞個体群の示差
的応答」、プロスタグランジン19;391−406(1980)〕。Kirkpa
trick 及び Gardnerは、AA及びAAのさまざまな代謝産物が、生合成に対し、
有意でない又は阻害的効果を有することを発見した(Kirkpatrick C.J 及び Gar
dner, D.L.,「軟骨成長に対するPGA1の影響」Experientia, 33(4);5
04(1976)〕。しかしながら、Lippiello et al.は、AA及びその他のオ
メガ−6脂肪酸が、細胞培養中の軟骨細胞代謝に対し有益な効果を有することを
発見した〔Lippiello, L., Ward, M.,「脂肪酸での in vitro 富化による関節軟
骨細胞代謝の修正(要約)」Trans. Orthoo, Rcs. Soc.13:162(1988
);Lippiello, L.,「プロスタグランジン及び関節軟骨;プロスタグランジンに
よる混乱は、軟骨を破壊してしまうのか?」Semin Arthritis Rheum11:87
(1981)〕。これらの結果の変動は予想外のものではない。というのも、体
内の同化プロセスと異化プロセスの間のバランスはデリケートなものであり容易
に混乱させられるからである。Phan et al.,は、シクロオキシゲナーゼ経路を介
してのAAの産物が抗線維形成性であり、一方、リポオキシゲナーゼ経路を介し
てのAA産物が線維形成促進性であることを示唆している。この現象は、エイコ
サイドの相互作用の複雑性を実証している。
【0010】 異化事象は、体内で標準的に、体の構成要素を破断する酵素によって媒介され
る。異化は、健康にとって不可欠であり必要な酵素の欠乏はムコ多糖体沈着とい
ったようないわゆる貯蔵症などの疾病を結果としてもたらす。過度の異化作用は
同様に、組織の損傷をも結果としてもたらし、変形性関節症といったような成人
病又は、多発硬化症といったような自己免疫疾患を導く。体内のさまざまな異化
防止物質は、異化作用を収容し平衡させる一助となる。例えば、コンドロイチン
硫酸は、軟骨基質内のコラーゲン及びプロテオグリカンを異化する金属タンパク
質分解酵素を中和する。同様にしてαアンチトリプシンは、気腫内の肺胞損傷
に寄与するエラスターゼの効果を阻害する。
【0011】 酸化性損傷は同様に、体内の同化作用と異化作用のバランスに対して影響をも
つ。この損傷は、不対電子をもつ物質である遊離ラジカルの効果の結果である。
遊離ラジカルは、ATPの産生といった正常な反応の結果として体内で恒常的に
形成する。これらは同様に、炎症プロセス中にも形成する。遊離ラジカルは、化
学的にきわめて反応性が高いことから、細胞損傷をひき起こす。これらは単一の
電子しかもたない(これは、自然が、真空を嫌うのと同様に嫌う条件である)こ
とから、これらの物質は、その近隣で分子から電子を「盗む」。かくして、細胞
膜又はDNAといったような細胞構造を作り上げる分子は電子欠乏状態にされる
。電気の欠乏は、今度は細胞構造を不安定にし、異常なタンパク質の製造、細胞
破断及び細胞死滅を含めた細胞機能不全が発生する。老化プロセスを含めた体内
の数多くの異化事象に酸化的損傷が関与している。ビタミンC、ビタミンE、ス
ーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、セレニウム及びグルタチオンといった
酸化防止剤は、酸化的損傷が発生する前に遊離ラジカルを排除する物質である。
細胞損傷を防止するという意味で、酸化防止剤は、特異的タイプの異化防止作用
物質である。
【0012】 体は、組織の成長を刺激する同化化合物をも収容している。グルコサミンはグ
ルコースから体内で天然に形成されるアミノ糖である。外因的に供給された時点
で、グリコサミンは、結合組織細胞合成を刺激し、かくして正常な細胞外基質の
量を増加させる。グルコサミンは同様に、軟骨及びその他の結合組織の中でグリ
コサミノグリカンのための基礎的要素構築ブロックでもある。かくして、付加的
なグルコサミンを供給すると、体には結合組織内での基質合成のための追加の原
料が供給されることになる。体内の同化化合物のその他の例としては、タンパク
質合成を刺激するソマトトロピン及び、軟骨細胞及び繊維芽細胞の増殖を刺激し
基質合成を増強させるソマトメジン又はインシュリン様成長因子が含まれる。
【0013】 これらの化合物の作用及び相互作用は複雑なものである。一定の与えられた化
合物が、異なる組織内で異なる効果をもつ可能性がある。例えば、ソマトトロピ
ンはタンパク質合成を増大させる(同化作用)と同時に、脂肪を分解する(異化
作用)。特定の化合物又は化合物組合せが及ぼす効果は、療法の投与経路、用量
及び持続時間を含めた数多くの要因によって左右される。
【0014】 これまでの研究者達は、個々の化合物の使用をその異化、酸化防止又は異化防
止作用について調査してきた。グルコサミンは、細胞培養内で、結合組織細胞を
刺激して基質の成分すなわちコラーゲン及びグリコサミノグリカン(GAG)を
産生することがわかっている。〔Jimenez S.,「軟骨細胞遺伝子発現に対するグ
ルコサミン硫酸の効果」、Eular Symposium,1996年10月マドリッド、議事
録、p8〜10〕。S−アデノシルメチオニンは、GAGの硫酸化を含めた複数
の合成反応に参加することが知られている。〔Champe, P.Biochemistry, 第2版
、J.B. Lippincott Co, Philadelphia, 1994,pp.248,250,26
5〕。アラカドン酸は、角膜治ゆを刺激するものであることがわかっている。〔
Nakamura, M,「アラキドン酸が角膜上皮移動を刺激する」 J.Ocul, Pharmacol.
Summer:10(2):453−9(1994)〕。従ってこれらの化合物は同化
効果をもつ。
【0015】 コンドロイチン硫酸は、軟骨基質を破壊する金属タンパク質分解酵素を含め、
分解性酵素を阻害することが示されてきた。〔Bartolucci, C.,「コンドロイチ
ン硫酸の軟質保護作用」、Int. J. Tiss. Reac., XIII(6):311−317
(1991)〕。硫酸ペントサンを用いた研究から、それがウサギの心筋細胞内
で補体を媒介とする損傷を防止することが示された。〔Kilogore, K.,「半合成
多糖ペントサンポリ硫酸が、灌流されたウサギの心臓内の補体を媒介とする心筋
傷害を防止する」J.Pharmocol. Exp.Thcer.,285(3);987−94(19
98)〕。コラーゲンII型の経口投与は、慢性関節リウマチにおいて関節組織を
破壊する有害な免疫応答を減少させることが示された。テトラサイクリン類似体
は、基質金属タンパク質分解酵素の潜在的阻害物質である。〔Ryan, M.,「変形
性関節症における軟骨損傷を修正するテトラサイクリンの潜在能」〔Curr, Opin
. Rheumatol., (3):238−47(1996)〕。ジアセレインは、イン
ターロイキン−1活性を阻害することによってと同様リンパ球及び好中球に対す
る直接的効果によっても、炎症性プロセスを修正する。〔Bcccerica, E.,「ジア
セチルレイン及びレイン:リンパ球膜流動性に対する in vivo 及び in vitro
効果」Pharmocol. Res., 22(3):277−85(1990);Mian, M.,。
「ジアセレインについての実験研究:皮下カラゲナン誘発滲出液からの好中球食
作用に対する効果」Drugs Exp. Clim. Res.,13(11):695−8(198
7);Spencer. C.,「ジアセレイン」Drugs, 53(1):98−106(19
97)〕。これらの化合物は、異化防止作用物質として分類できる。
【0016】 L−エルゴチオニンは、ヒドロキシルラジカルを排除し、一重項酸素の形成を
阻害することができる〔Hans JS.「Salmonella typhimuriumの菌株TA104中
の自発的及び過酸化水素誘発された逆突然変異に対するさまざまな化学化合物の
効果」Mutant Res.,266(2):77−84(1992)〕が一方、スーパー
オキシドジスムターゼは、スーパーオキシドラジカルを排除する〔Mathews C., Biochemistry 第2版、Benjamin/Cummings Pub. Co., Menlo Park CA,1996,
page551〕。これらの化合物は、酸化防止剤として分類することができる。
【0017】 これらの化合物は個別に調査されてきたものの、我々の知るかぎりでは、当該
発明人以外の誰も、健康を維持し治ゆを促進するための同化、異化防止及び酸化
防止作用物質のいずれか又は全ての或る種の組合せの効果を検討したことがない
。本発明に従うと、これらの作用物質の組合せを用いて、適切な同化効果(治ゆ
)を最大限にし、望ましくない代謝効果(分解)及び酸化的損傷を減少させ、そ
の一方で同時に、不利な反応を最小限にする又は消失されることが可能である。
従って、ヒト及び動物の体内の結合組織の維持及び修復のため、同化作用物質、
異化防止作用物質、酸化防止剤及び/又は鎮痛剤の組合せがもつ有益な効果を利
用することになる組成物を提供する必要性が存在するということがわかる。
【0018】 発明の概要 本発明は、新しい組成物及びかかる組成物を用いてヒト及び動物の体内の結合
組織に対する損傷を治療、修復及び予防する方法を提供している。従って、本発
明の目的は、ヒト及び動物の体内の結合組織の保護、治療及び修復のための同化
、異化防止、酸化防止及び/又は鎮痛用作用物質のいずれか又は全ての新しい組
成物を提供することにある。
【0019】 本発明のもう1つの目的は、同化、異化防止、酸化防止及び/又は鎮痛用作用
物質のいずれか又は全てを含有する組成物を用いてヒト及び動物の体内の結合組
織を治療し修復する方法を提供することにある。
【0020】 本発明のさらにもう1つの目的は、アミノ糖、S−アデノシルメチオニン(S
AMe),アラカドン酸(AA)、GAG、ペントサン硫酸、コラーゲンII型、
テトラサイクリン、ジアセリン、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、L
−エルゴチオニン、単数又は複数のアボカド/ダイズ不鹸化物(ASU)、ヒド
ロキシプロリン及びアセトアミノフェンといったような鎮痛剤から成る群から選
ばれた同化、異化防止、酸化防止及び/又は鎮痛用作用物質のいずれか又は全て
を含有する組成物を提供することにある。
【0021】 本発明のさらなる目的は、アミノ糖、SAMe、アラキドン酸、GAG、ペン
トサン硫酸、コラーゲンII型、テトラサイクリン、ジアセリン、SOD、L−エ
ルゴチオニン、単数又は複数のASU、ヒドロキシプロリン及び例えばアセトア
ミノフェンといった鎮痛剤から成る群から選択された単数又は複数の要素を含有
する。ヒト及び動物の体内の結合組織に対する損傷を修復、治療及び予防するす
るための組成物を提供することにある。
【0022】 本発明のこれらの及びその他の目的は、以下の詳細な説明及びクレームから明
らかである。
【0023】 本発明の詳細な説明 結合組織に対する損傷を治療、修復及び防止するために用いられる本発明の組
成物は、同化、異化防止及び/又は酸化防止用作用物質の組合せを内含する。好
ましい実施形態の成分には、アミノ糖、SAMe、AA、GAG、ペントサン、
コラーゲンII型、テトラサイクリン、ジアセリン、SOD、L−エルゴチオニン
及び単数又は複数のASUから成る群から選択された組成物が含まれている。任
意には、本発明の組合せには同様に、アセトアミノフェンといったような単数又
は複数の鎮痛剤も内含される。さらに、本発明は、それを必要としているヒト及
び動物に対してこれらの新しい組成物を投与する方法をも網羅している。
【0024】 アミノ糖の一例であるグルコサミンは、グルコースから体内で自然に形成され
る。外因的に供給される場合、グルコサミンは、結合組織細胞合成を刺激し、正
常な細胞外基質の量を増大させる。グルコサミンは同様に、軟骨及びその他の結
合組織におけるグリコサミノグリカン(「GAG」)のための基礎的要素でもあ
り、かくして、付加的なグルコサミンを供給することによって、体には、結合組
織内の基質合成のための追加の原料が供給されることになる。本発明の組成物の
アミノ糖成分は、グルコサミン塩酸及びグルコサミン硫酸、グルコサミンリン酸
及びN−アセチルグルコサミン及びそれらの塩及び/又は混合物を含むグルコサ
ミン塩を内含するもののこれらに制限されるわけではない天然、合成又は半合成
アミノ糖を含むことができる。さらに、アミノ糖という語は、ここでは化学的に
修飾されたもののなおその機能を保持している可能性のあるアミノ糖を包含する
ものとしても用いられている。かかる化学的修飾には、エステル化、硫酸化、ポ
リ硫酸化、アセチル化及びメチル化が含まれるが、これらに制限されるわけでは
ない。その上、アミノ糖という語を、上述したようなアミノ糖とは非実質的に異
なる物質のあらゆる組成物にも拡大できると考えられている。
【0025】 本発明の組成物のGAG成分は、コンドロイチン、ヒアルロン酸、グルクロン
酸、イズロン酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸、デルマチン硫酸及びそれらのフ
ラグメント、塩及び混合物を含むもののそれらに制限されるわけではない。天然
、合成又は半合成GAG、GAG様化合物又はGAG前駆体を含む可能性がある
。さらに、本書で使用するGAGという語は、ここではさらに、化学的に改変さ
れたもののなおその機能を保持しているGAGをも包含する。かかる修飾には、
エステル化、硫酸化、ポリ硫酸化及びメチル化が含まれるがそれらに制限される
わけではない。実際、硫酸化されたGAGが本発明の組成物の好ましい成分であ
る。従って、モノ硫酸化及びポリ硫酸化(又は過剰硫酸化)されたGAGが、本
発明の組成物の好ましいGAG成分である。GAGという語は同様に、例えばム
コ多糖、プロテオグリカン及びヘパラノイドといった上述の化合物と同じ群につ
いての代替的学名をも包含することが意図されている。さらに、本発明の組成物
のGAG又はGAG様成分は、ブナの木、サメの軟骨、ウシの気管、鯨の隔膜及
びブタの鼻孔を含む動物の軟骨形態及び、Perna canaliculus 及びナマコといっ
た無脊椎動物を含むがそれらに制限されるわけではない植物又は動物の供給源か
ら誘導されうる。
【0026】 コンドロイチン硫酸が好ましいGAGである。コンドロイチン硫酸は、関節軟
骨内に最も豊富であるグリコサミノグリカンであり、体内の数多くのその他の結
合組織内にも存在する。付加的には、コンドロイチン硫酸は、異常な過度の炎症
の条件下で結合組織を分解する分解性酵素を競合的に阻害する。コンドロイチン
硫酸は、グルクロン酸及び硫酸化ガラクトサミンの反復単位で構成された重合体
である。〔Lester M. Morrison, M.D. 及び O.Arne Schjeide, Ph.D. 冠状動脈
性心臓疾患とムコ多糖(グリコサミノグリカン)12(1974):Philip C.
Chanpe 及び Richard A. Harvey. Lippincott の図詳評論:生化学、148−5
0(1994年第2版)。当業者であれば、コンドロイチン硫酸が、グルクロン
酸及び硫酸化ガラクトサミンのこれらの反復単位のうち少なくとも2つそして潜
在的には多くのものを有していなくてはならないということが理解できる。
【0027】 図1は、コンドロイチン硫酸といったようなGAGを作り出すための生合成経
路の詳細な記述を提供している。さらに、本発明は、コンドロイチン硫酸のフラ
グメントといったようなGAGのフラグメントも内含することができる。当業者
であれば、本発明の時点で、「グルコサミノグリカンのフラグメント」が、グル
コサミノグリカンの2つ未満の反復単位を構成する糖類の群であると理解できる
。従って、これらの物質のフラグメントは、それぞれの重合体の反復単位のうち
の2つ未満のものを構成する糖類の群で構成されることになるということがわか
る。
【0028】 例えば、当業者であれば、コンドロイチン硫酸のフラグメントがコンドロイチ
ン硫酸の反復単位を含むものの上述の2つ未満の反復単位の群内に存在する糖類
から成る分子であることがわかる。かくして、グルクロン酸及び硫酸化ガラクト
サミンで構成された分子が、コンドロイチン硫酸のフラグメントを構成すること
になる。実際、コンドロイチン硫酸のフラグメントを構成しうる異なる二糖類構
造が8つ存在する。〔Timothy E. Hardingham 及び Amanda J. Fosang, プロテ
オグリカン;数多くの形態そして数多くの機能FASEB.J., :861
−862(1992)〕
【0029】 その他の天然に発生するグルコサミノグリカン、例えばヒアルロン酸も、本発
明で使用することができる。又、グルコサミノグリカンのフラグメントも同様に
利用可能である。当業者であれば、「コンドロイチンのフラグメント」、「コン
ドロイチン硫酸のフラグメント」、「コンドロイチン塩のフラグメント」、「グ
ルコサミノグリカンのフラグメント」及び「コンドロイチン硫酸のフラグメント
」という語を理解し、さらにそれが、グルコサミノグリカンの2つ未満の反復単
位を構成する糖類(又はその塩)の群を意味するものと理解できる。
【0030】 当業者であれば、例えばコンドロイチン硫酸のフラグメントが、コンドロイチ
ン硫酸自体と同じ有用性をもつことになると予期することだろう。コンドロイチ
ン硫酸は体内でさらに小さな単位に分解され、それは、軟骨及びその他の結合組
織の産生において組成変更される。従って、体は、それがコンドロイチン硫酸自
体を利用するのと同じ要領でコンドロイチン硫酸のフラグメントを利用すること
がわかる。同じことは、「コンドロイチンのフラグメント」、「コンドロイチン
塩のフラグメント」及び「グルコサミノグリカンのフラグメント」についても言
える。コンドロイチン、コンドロイチン塩及びその他のグルコサミノグリカンの
各々は、摂取された場合に、体により分解され、軟骨及びその他の結合組織の産
生において組成変更される。従って、体はそれがコンドロイチン自体を利用する
のと同じ要領でコンドロイチンのフラグメントを利用し、コンドロイチン塩を利
用するのと同じ要領でコンドロイチン塩のフラグメントを利用し、グルコサミノ
グリカン利用するのと同じ要領でグルコサミノグリカンのフラグメントを利用す
る。
【0031】 さらに、用語GAGは、上記のGAGと実質的に異ならない物質からなる任意
の組成物に拡大できることが意図される。本発明の範囲内にあるこのようなGA
G様化合物の例は、ペントサンポリ硫酸(PPS)ならびにその塩(例えば、カ
ルシウム誘導PPSおよびPPSナトリウム)である。従って、本発明の組成物
に使用することができる好ましいGAG様化合物はPPSである。
【0032】 PPSは、(1−4)結合したβ−D−キシラノ−ピラノースの反復単位から
なるブナ材ヘミセルロースから抽出される化合物の硫酸化形態である半合成ポリ
硫酸化キシランである。より詳細には、PPSは、これらのヘミセルロース化合
物を一連の化学反応を介して木材から抽出し、次いで、多数の硫酸基を精製多糖
鎖に付加することにより生成される。このプロセスにより、多数の負電荷硫酸基
を有する低分子量の直線状多糖鎖が得られる。PPSは、GAGの過剰硫酸化形
態とみなされる半合成ヘパリノイドである。
【0033】 上記の活性を示すいくつかの形態のPPSがある。PPSナトリウムおよびカ
ルシウム誘導PPS(CAPPSと呼ぶ)は両方とも、PPSの機能を達成する
ために使用することができる。これらの形態のPPSはそれぞれGAG様活性を
示し、以下GAG様化合物と呼ぶ。
【0034】 ペントサンの作用機構を以下の通りに要約することができる。 1.炎症組織における微小循環の安定化および改善による、ならびに抗補体作用
(補体カスケードと呼ばれる体液性炎症メディエーターの放出を減らす)による
抗抗炎症活性。 2.炎症に寄与する白血球である顆粒球の走化性の阻害。 3.プロテオグリカン合成に対する刺激作用。 4.滑膜線維芽細胞によるヒアルロン酸合成に対する刺激作用。 5.NSAIDよりかなり低い濃度での、ヒト顆粒球エラスターゼ(非競合阻害
)、ヒアルロニダーゼ(競合阻害)、コンドロイチン−4−スルファターゼ、お
よびN−アセチル−グルコサミニダーゼを含む異化酵素の強力な阻害。
【0035】 他の合成または半合成のグリコサミノグリカンまたはグリコサミノグリカン様
化合物(例えば、ポリ硫酸化グリコサミノグリカン)を本発明において使用して
もよい。
【0036】 ジアセチルレインとしても知られるジアセレインは、カワラケツメイ(Cas
sia)属の植物において見出される最近認められた有機化合物である。レイン
として知られるジアセリンの活性代謝産物には、インターロイキン−1B阻害に
よる抗炎症作用があり、その結果として、関節軟骨におかるコラゲナーゼ産生は
低下する。これは、滑膜線維芽細胞のフィブリン溶解活性も低下させる。これは
また、走化性(白血球の誘引)およびスーパーオキシドアニオン(これは「毒性
酸素種」または「フリーラジカル」の1つである)産生を用量依存的に阻害する
。これらの有害な化合物は、身体内で自発的に、特に破壊的炎症間に生じる。ジ
アセレイン(レイン)には鎮痛活性および解熱活性がある。これは、コンドロイ
チン−4−硫酸分解を低下させ、コンドロイチン−4−硫酸とコンドロイチン−
6−硫酸との比を増やす。(この比は、変性軟骨において病的に減少している)
。ジアセレイン(レイン)はプロスタグランジン合成を穏やかに増大させ、これ
により胃粘膜に対して保護的に作用することができる。本願および本特許請求の
範囲において用いるように、用語「ジアセリン」はレインを含む。
【0037】 S−アデノシルメチオニン(SAMe)は、身体全体に存在し、硫酸基転移反
応など多数の生物学的反応に関わる重要な内因性化合物である。この役割では、
SAMeは、タンパク質およびプロテオグリカンを含む多くの結合組織構造成分
の合成における重要な反応物である。従って、SAMeには、他の同化剤の作用
を増強する重大な同化作用がある。SAMeにはまた、その抗酸化作用による抗
炎症作用もある。
【0038】 SAMeは、身体において、アデノシン三リン酸(「ATP」)およびメチオ
ニンから合成される化合物である(図2)。SAMeは、中枢神経系を含む多く
の組織に存在する。SAMeの主なCNS機能は、神経伝達物質およびリン脂質
を含む種々の重要な化合物の合成反応の際にメチル基を供与することである。例
えば、SAMeは、ホスファチジルエタノールアミンから、原形質膜の脂質内層
の一部を形成するホスファチジルコリンへの変換を容易にする。このような変換
の際に、SAMeは膜流動性を増大させ、レセプター/リガンド結合の効力を増
強する。(ChampおよびHarvey,Biochemistry,199
4;Stramentinoli,G.,「S−アデノシルメチオニンの薬理学
的局面(Pharmacologic Aspects of S−Adeno
sylmethionine)」、American J.Med.,83(5
A):35(1987);Baldessarini,F.,「S−アデノシル
メチオニンの神経薬理学(Neuropharmacology of S−A
denosyl Methionine)」、American J.Med.
,83(5A):95(1987);Carney,M.「S−アデノシルメチ
オニンの神経薬理学(Neuropharmacology of S−Ade
nosyl Methionine)」、Clin.Neuropharmac
ol.,9(3):235(186);Janicak,P.,「うつ病におけ
るS−アデノシルメチオニン(S−Adenosylmethionine i
n Depression)」、Alabama J.Med.Sci.25(
3):306(1988))。これらの機能は、ベタイン(トリメチルグリシン
)、5−メチルテトラヒドロ葉酸、葉酸、およびジメチルグリシンなどの他のメ
チル供与体にも関係し得る。(ChampおよびHarvey,Biochem
istry,1994)。SAMeは、多数の反応に関与するので、身体内での
SAMe要求は常に高く、疾患状態になるとこの要求は減る。SAMe欠損は、
種々の病的プロセスに見られ、それに寄与することが示されている。SAMeは
、硫酸化グリコサミノグリカン合成に必須である。SAMeを補えば、グリコサ
ミノグリカン合成は最大になり、生命維持に必要なこの化合物の欠損により誘導
される律速作用が妨げられるであろう。
【0039】 SAMeはまた、細胞膜を保護および維持する反応に有効である。この作用は
、肝臓において最も重要である。各肝細胞は、本質的に膜からなる系である。肝
機能はこれらの膜の維持によって決まる。例えば、エタノールには肝毒性作用が
あり、エタノールが肝細胞膜に損傷を与えることがその一因である。研究から、
エタノール毒性の前にSAMeを補うと保護効果が現れることが繰り返しわかっ
ている。(Lieber,C.S.,「アルコール性肝臓疾患における生化学的
因子(Biochemical Factors in Alcoholic
Liver Disease)」Seminars in Liver Dis
ease,13:2,1993,Theime Medical Publis
hers,Inc.,New York,NY)。
【0040】 スーパーオキシドジスムターゼは、動物組織および植物組織に天然に存在する
酵素であり、炎症治療の薬剤として最近調べられている。スーパーオキシドジス
ムターゼは、破壊的炎症プロセス間に細胞内空間にある毒性酸素ラジカルを捕ら
えることにより作用する。スーパーオキシドジスムターゼはプロスタグランジン
生合成を阻害しないが、破壊的炎症から生じるプロスタグランジンの過剰産生を
止める。その作用の一部として、浮腫形成の阻害、ならびに炎症の急性徴候およ
びアジュバント誘導性関節炎における2次関節変化(硬直および石灰化)の阻害
が挙げられる。スーパーオキシドジスムターゼには鎮痛作用がないので、NSA
IDのように結局は関節軟骨のさらなる損傷を導く罹患関節酷使に寄与しない。
また、心血管、中枢神経系、または内分泌系に対して有害な作用はない。図3は
、SOD機能の簡単な図を示す。
【0041】 L−エルゴチオニンは、植物および動物において天然に生じるが、ヒト身体に
おいて合成されない、すなわち食物源のみから供給される細胞内抗酸化物質であ
る。L−エルゴチオネインの抗酸化特性は、反応性酸素種(フリーラジカル)を
除去する能力、種々の金属カチオンをキレート化する能力、グルタチオンペルオ
キシダーゼ(SeGpx)およびマンガンスーパーオキシドジスムターゼ(Mn
SOD)などの抗酸化酵素を活性化する能力、NADPH−シトクロームCレダ
クターゼなどのスーパーオキシド生成酵素を阻害する能力、ヘモグロビンおよび
ミオグロビンなどの種々のヘムタンパク質の酸化に影響を及ぼす能力に関連する
と思われる。全ての身体組織はこれらの2つの酸素キャリア分子に依存している
ので、この特徴はきわめて有益である。(Brummel,M.C.,「L−エ
ルゴチオニンについての生理学的機能の研究(In Search of a
Physiological Function for L−ergothi
oneine)」、Med.Hypotheses,18(4):351−70
(Dec.1985);Brummel,M.C.,「L−エルゴチオネインに
ついての生理学的機能の研究、―II(In Search of a Phy
siological Function for L−ergothione
ine,―II)」、Med.Hypotheses,30(1):39−48
(Sept.1989);Han,J.S.,「Salmonella typ
himurium TA104株における自発的および過酸化水素誘導性復帰変
異に対する種々の化合物の作用(Effects of Various Ch
emical Compounds on Spontaneous and
Hydrogen Peroxide−Induced Reversion
in Strain TA104 of Salmonella typhim
urium)」、Mutat.Res.,266(2):77−84(Apri
l 1992);Arduini,A.,「エルゴチオネインおよび尿酸による
オキシヘモグロビンの可能な亜硝酸誘導性酸化阻害機構(Possible M
echanism of Inhibition of Nitrite−In
duced Oxidation of Oxyhemoglobin by
Ergothioneine and Uric Acid)」、Arch.B
iochem.Biophys.,294(2):398−402(May 1
992))。
【0042】 コラーゲンII型もまた、同化と異化との正常なバランスを維持するのを助け
る有益な作用を有する。詳細には、自己免疫プロセスから結合組織病が生じるこ
とがある。この自己免疫プロセスにおいて免疫系は、個体自身の結合組織が「外
来侵入物」であるように該組織を攻撃し、異化する。コラーゲンII型の経口投
与は、免疫系を脱感作し、さらなる攻撃を防ぎ、これらの個体の免疫応答を正常
化することができる。これにより結合組織における異化プロセスが減少し、同化
が最大になる。コラーゲンII型の摂取により、この分子は、消化管関連リンパ
系組織(GALT、a.k.a、パイアー斑)の免疫細胞に提示される。コラー
ゲン分子とGALT内の特定の細胞とが相互作用すると、Tサプレッサー細胞と
呼ばれる移動性免疫細胞が活性化される。次いで、これらの細胞は、個体自身の
(結合組織における)コラーゲンII型に対する破壊的免疫反応を和らげる。
【0043】 テトラサイクリンファミリーの化合物として、テトラサイクリン、ドキシサイ
クリン、テトラサイクリンアナログ、および「テトラサイクリン様」化合物が挙
げられ、これらはその抗菌作用のために治療に使用されてきた。現在の研究の焦
点は、わずかな抗菌作用しか有さないが、抗同化作用を有する「テトラサイクリ
ン様」化合物にある。詳細には、「テトラサイクリン様」化合物は、コラーゲン
およびプロテオグリカンを含む細胞外マトリックス成分を分解する組織メタロプ
ロテイナーゼを阻害し、さらに実質的な抗菌作用を有さない多環式化合物である
。これらの化合物ならびにテトラサイクリンファミリーの他の化合物のこの機能
は、これらの化合物がカルシウムイオンおよび亜鉛イオンをキレート化する能力
と関連しているかもしれない。例えば、ドキシサイクリンは、関節軟骨における
コラゲナーゼ活性を阻害することが示されている。
【0044】 アボカド(ワニナシ(Persea)属、特にP.americana)およ
びダイズ(Glycine max)から抽出され、他の植物(例えば、バナナ
)および藻類などの生物からも抽出することができる、ある脂質抽出物(非けん
化または不けん化物と呼ぶ)もまた、結合組織に対する有益な作用について研究
されてきた。これらの非けん化または不けん化化合物は、けん化しない、すなわ
ち、アルカリと反応して石鹸を形成しない植物脂質の一部である。このような化
合物は多数あり、任意の特定のアボカド抽出物は多数の化合物を含有してもよい
。例として、脂溶性ビタミン(A、D、E、およびK)、ステロイド(例えば、
フィトエストロゲン)、ステロール(バイオフラボノイド)、ならびに揮発性油
(テルペン(例えば、メントール、ショウノウ、リコペン、ジベレリン酸、リモ
ネン、シンナムアルデヒド、カロテノイド、および補酵素Qとしても知られるユ
ビキノン))が挙げられる。(Mathews,C.K.およびvan Hol
de,K.E.Biochemistry,第2版,The Benjamin
/Cummings Pub.Co.,Inc.,1996,691頁)。
【0045】 アボカド/ダイズ不けん化物(ASU)は、Piascledineの商品名
で欧州において使用され、骨関節炎および他の形態の関節炎(Thiers,M
.H.,「アボカド油およびダイズ油の不けん化成分。ある形態の関節炎の治療
(Unsaponifiable constituents of avoc
ado and soya oils.Treatment of certa
in forms of arthralgia)」J.Med.Lyon53
(222):195−8(Feb.1972)(フランス語の文献))、ならび
に軟組織炎症状態(Trevoux,R.,「婦人科学におけるアボカドおよび
ダイズの不けん化画分(Unsaponifiable fractions
of the avocado and soybean in gyneco
logy)」J.Bynecol.Obstet.Biol.Reprod.6
(1):99−105(Jan.1977)(フランス語の文献)、Lamau
d,M.E.ら「へアレスラットに経皮投与されたアボカド油およびダイズ油の
不けん化物により誘導される結合組織の生化学的改善(Biochemical
modifications of connective tissue
induced by the non−saponifiables of
avocado and soy−bean oils administer
ed percutaneously in the ‘hairless’r
at)」Pathol.Biol.26(5):269−74(May−Jun
.1978)(フランス語の文献))を治療するために使用されてきた。この化
合物の作用機構は、軟骨細胞のTGF(トランスフォーミング増殖因子)β1、
TGFβ2、およびプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(「PAT
−1」)発現を刺激することである。ASUは、PAT−1を増加させることに
より、メタロプロテアーゼ活性化を引き起こすカスケードをブロックする(Bo
umediene K.ら,「アボカド/ダイズ不けん化物は、培養関節軟骨細
胞のトランスフォーミング増殖因子β1および2発現を増大させる(Avoca
do/soya unsaponifiables enhance the
expression of transforming growth fa
ctor beta 1 and 2 in cultured articu
lar chondrocytes)」Arthritis Rheum.42
(1):148−56(Jan.1999))。ASU混合物は、軟骨細胞によ
るストロメライシン、IL−6、IL−8、およびプロスタグランジンE2の自
発的産生を減らしもする。さらに、ASUは、IL−1の効果を減少させ、それ
により軟骨細胞および滑膜細胞によるコラゲナーゼ産生を減らす。(Henro
tin,Y.E.ら,「ヒト関節軟骨細胞によるメタロプロテイナーゼ、サイト
カイン、およびプロスタグランジンE2産生に対する3種類のアボカド/ダイズ
不けん化混合物の効果(Effects of three avocado/
soybean unsaponifiable mixtures on m
etalloproteinases,cytokines and pros
taglandin E2 production by human art
icular chondrocytes)」Clin.Rheumatol.
17(1):31−9(1988))。
【0046】 TGFβ1および2は、相同なポリペプチドサイトカインファミリーのメンバ
ーである。これらの局所的に作用するホルモンは、傍分泌または自己分泌により
作用することができ、リンパ球、内皮細胞、およびマクロファージを含む様々な
細胞型により作られる。TGFβは、異なる組織において多様な作用を有し、一
般的に上皮細胞代謝を阻害する。しかしながら、結合組織では、TGFβは、線
維芽細胞および間葉起源の他の細胞の間接的なマイトジェンであることが示され
ている。TGFβはまた、細胞のフィブロネクチンおよびコラーゲン産生を刺激
し、プロテアーゼ活性を減少させて、マトリックス産生の純増加をもたらす。(
Cotran,R.F.,Kumar,V.およびRobbins,S.L.編
,Pathologic Basis of Disease,第5版,Sau
nders,1994,40−42頁)。
【0047】 ストロメライシンは、プロテオグリカン、ラミニン、フィブロネクチン、およ
びコラーゲンを含む様々な細胞外マトリックス成分に作用するプロテイナーゼの
サブタイプである。ストロメライシンは、線維芽細胞、滑膜細胞、およびマクロ
ファージ、特に、インターロイキン−1および腫瘍壊死因子αなどのサイトカイ
ンの影響を受けている細胞型により産生される。インターロイキンおよびプロス
タグランジンは、多くの炎症メディエーターのうちの1つである。これらの化合
物全ての濃度が低下すると、炎症の特徴である疼痛および膨潤が減少する。
【0048】 ASU混合物中に存在する脂溶性ビタミンは成長に必要であり、TGF−βの
同化作用を増大させる。脂溶性ビタミンはTGFβを刺激し、上記で説明したよ
うに分解酵素を減少させるので、ASU混合物には同化作用と抗異化作用の両方
があるといってもよい。ASUの作用のいくつかは本発明の他の化合物の作用と
重複するが、ASUは、それらの他の化合物と組み合わせて使用した場合、その
化合物群に独特の性質を与え、非常に有益な効果をもたらす。例えば、グルコサ
ミンとASUは両方とも結合組織細胞の同化プロセスを刺激するが、一方、これ
らの化合物は異なる細胞作用機構を有する。グルコサミン作用の一部はプロテイ
ンキナーゼCによるものであるが、一方、ASU作用は、上述のようにトランス
フォーミング増殖因子によるものである。同様に、コンドロイチンおよびASU
にはIL−1阻害作用がある。しかしながら、ASUはプラスミンカスケードを
阻害する一方、コンドロイチンは補体カスケードの活性化を減少させる。骨関節
炎は、細胞レベルでの多くのサイトカインの相互作用を伴う複雑な疾患である。
本発明の異なる化合物が異なるサイトカインに作用するので、適切な組み合わせ
で使用した場合、それらは相乗的に作用する。
【0049】 ASUは、対照がプラセボの二重盲検試験において骨関節炎の症状を低減する
ことが示されている(Maheu,E.ら,「骨関節炎治療におけるアボカド/
ダイズ不けん化物の症状効力(Symptomatic efficacy o
f avocado/soybean unsaponifiables in
the treatment of osteoarthritis)Art
hritis Rheum.41(1):81−91(Jan.1998);B
lotman,F.ら,「症候性骨関節炎治療におけるアボカド/ダイズ不けん
化物の効力および安全性(Efficacy and safty of av
ocado/soybean unsaponifiables in the
treatment of symptomatic osteoarthr
itis)」Rev.Rheum.Engl.Ed.64(12):825−3
4(Dec.1997)」。これらの試験では、介入群における副作用は、プラ
セボ群において見られる副作用と同様であった。これは、ASUが安全かつ十分
に許容される物質であることを示す。アボカドおよびダイズに見出される活性な
不けん化成分は、他の植物および全く他の生物にも存在する可能性があるので、
本発明に使用されるASUは、起源にかかわらず(植物由来でも他の生物由来で
も、あるいは半合成でも合成でも)、任意のまたは全ての不けん化脂質および/
またはその組み合わせを含んでもよい。ASU成分の例として、リモネン、βカ
ロテン、フィロキノン、およびジベレリン酸が挙げられるが、それに限定されな
い。上記で説明したように、ASUは、多数の化合物クラスのうちのいずれを含
んでもよい。この化合物クラスとして、脂溶性ビタミン、ステロイド、ステロー
ル、および揮発油、または任意のその組み合わせが挙げられるが、それに限定さ
れない。本発明は、さらに、1種類のアボカド/ダイズ抽出物(ASU)または
このような抽出物の混合物または組み合わせ(2種類以上のASU)を含有する
組成物を含む。このような組み合わせは多数あり、その全てが本発明の範囲内に
あることが意図される。
【0050】 ヒドロキシプロリンは脊椎動物の体内で普通に生じる化合物であり、コラーゲ
ン形成に必要な成分である。全てのタンパク質と同様に、コラーゲンの一次構造
(プロα鎖と呼ぶ)は、特異的かつ特徴的なアミノ酸配列を含有する。その鎖の
ある位置におけるプロリンおよびリジンの存在はコラーゲン特異的である。コラ
ーゲン形成間に、これらの残基は酵素(プロリルヒドロキシラーゼおよびリジル
ヒドロキシラーゼ)によりヒドロキシル化されて、ヒドロキシプロリンおよびヒ
ドロキシリジンを形成する。還元剤アスコルビン酸(ビタミンC)もまた、この
ヒドロキシル化が起こるのに必要である。ヒドロキシル化が起こらなければ、コ
ラーゲン分子は集合および架橋することができず、それにより結合組織の強度は
かなり制限される。ヒドロキシル化欠損に起因する、認められたコラーゲン形成
疾患として、エーラース-ダンロス症候群、壊血病、および骨形成不全症が挙げ
られる。コラーゲン異常に起因する多くの既知の病気に加えて、コラーゲン異常
は、まだ知られていない形で他の疾患に寄与する可能性がある。
【0051】 プロリンは、ヒドロキシプロリンの前駆体である。この2つの分子は構造的に
類似しており、ヒドロキシル基付加の点でのみ異なる。しかしながら、鍵の形状
の小さな構造の違いに機能的な重要性があるのと同様に、2つの分子間のこの小
さな構造の違いには機能的な重要性がある。プロリンは、体内で、グルタミン酸
からいくつかの中間段階を介して合成される環状アミノ酸である。プロリンは体
内で普通に合成されるので、非必須アミノ酸とみなされる。プロリン合成ができ
ないこと、その結果として生じる体内でのプロリン欠乏によるコラーゲン欠損は
あまり示されておらず、恐らく稀であるか存在しない。なぜなら、プロリンが完
全に欠乏すると生存することができないからであろう。しかしながら、上述のよ
うに、ヒドロキシプロリン欠損はよく知られており、通常、身体がプロリンをヒ
ドロキシル化できないことに起因する。(Cotran,KumarおよびRo
bbins編,Pathologic Basis of Disease,1
994,423頁)。従って、ヒドロキシプロリン欠損の場合、プロリンを補っ
ても何のメリットもないようである。その代わり、ヒドロキシプロリンを補うか
、または投与すべきである。ヒドロキシプロリンを含むプロリンの多くのN置換
誘導体には抗リウマチ作用および鎮痛作用があり、治癒を速めることも示されて
いる(米国特許第5,827,874号)。この作用機構は完全に決定されてい
ないが、プロスラグランジン阻害は関与しないらしい。(Ionac M.Ph
arnham,M.J.,Plauchithiu,M.,Brune,K.;
Pharmacol.Res.(Jun.1996)33:6 367−73)
。Kalbhenは、オートラジオグラフィー試験により、ヒドロキシプロリン
(Oxaceprol;登録商標)がニワトリ軟骨におけるグルコサミンの細胞
内取り込みを増大させることを発見した。(Kalbhen,D.A.,Kal
kert,B.「関節軟骨およびin vitroの代謝に対するoxacep
rol作用のオートラジオグラフィー試験(Autoradiography
studies of the effect of oxaceprol o
n the metabolism of joint cartilage
and in vitro)」Z Rheumatolo.(May−Jun
1987)46:3 136−42)。この試験から、ヒドロキシプロリンおよ
びグルコサミンを組み合わせて投与すれば相乗効果が現れることがわかる。さら
に、ヒドロキシプロリンと本発明の他の成分との組み合わせ(例えば、ヒドロキ
シプロリンとコンドロイチン硫酸などの抗異化剤との組み合わせ)から相乗効果
は生じる。ヒドロキシプロリンは、本発明では同化剤として分類される。ヒドロ
キシプロリンを補うとコラーゲン異常および本発明の他の成分が対処できない欠
損が対処され、それによりヒドロキシプロリンは他の成分とは異なり結合組織の
構造および機能に寄与するので、本発明の組成物中のヒドロキシプロリンは有益
である。オリゴペプチド、アシル化形態、硝酸塩、塩、および他の一般的な誘導
体を含む、ヒドロキシプロリンの他の形態および誘導体を本発明に使用してもよ
い。アセチル化されたヒドロキシプロリンは、本発明に含むのに好ましい形態の
ヒドロキシプロリンである。
【0052】 本発明の化合物は、結合組織病の既存の治療を超えるいくつかの利点(例えば
、優れた安全性プロフィール)を有する。このことの一部は、これらの化合物が
体内および様々な食物中で普通に生じるということに関連する。上記の化合物に
共通する別の特徴は、作用開始が遅いという性質である。NSAIDなどの医薬
品は、疾患の症状を急に変化させる傾向がある。本発明の内因性化合物は、身体
内の構造および機能を正常にすることで、ゆっくりと効く。この作用は有益であ
るが、一方、一般的に症状はすぐに緩和されないことを意味する。このために、
鎮痛薬が本発明の組成物の任意の成分として含まれる。鎮痛薬は、(コルチコス
テロイド薬および多くのNSAIDが示されているように)治療用量での副作用
が最小であり、結合組織合成に対する負の効果が最小であることも示された鎮痛
性化合物の群から選択されよう。従って、本発明の組成物に含むことができる鎮
痛薬は、抗炎症作用がない非ステロイド鎮痛薬である。すなわち、鎮痛薬はNS
AIDでない非ステロイド薬である。本発明の鎮痛薬の例として、アセトアミノ
フェンおよびトラマドールである。以下で定める場合を除き、本発明の好ましい
鎮痛薬はアセトアミノフェンである。
【0053】 アセトアミノフェンは、中枢神経系における酵素シクロオキシゲナーゼの可逆
阻害により主に作用するアナリン誘導体鎮痛解熱化合物である。アセトアミノフ
ェンはまた、体中の神経終末における抹消疼痛インパルス発生をブロックする。
アセトアミノフェンは、症候性疼痛緩和のために広く使用されてきた。疼痛緩和
は、わかりきった人道的理由よりも有益である。また、脳の感情中枢と免疫系と
の間には重要な関係があるので、疼痛緩和、および結果として生じる気分の高ま
りには、炎症、および免疫系により調節される多くの他のプロセスに対して有益
な効果がある。例えば、アセトアミノフェン使用に関連した疼痛減少は、好中球
の走化性を減少させ、異常組織におけるケモカインの放出を減少させることがで
きる。疼痛が減少すると、やる気が増して正常に動くことができ、この運動自体
は、一般的に、結合組織治癒に有益である。アセトアミノフェンはシクロオキシ
ゲナーゼ活性をブロックするが、アセトアミノフェンにはほとんど抗炎症活性が
ない。従って、アセトアミノフェンは、NSAIDおよびコルチコステロイドと
同様に結合組織同化を阻害せず、治療用量で副作用が最小であるので、本発明の
理想的な鎮痛剤である。本発明に安全な鎮痛薬を含ませる別の利点は、患者の服
薬遵守が高い、すなわち、疾患を緩和する作用が生じるのに十分長い間、患者が
薬剤を服用し続ける可能性を高めることである。単離された軟骨保護剤の試験で
は、薬剤が効いていないと患者が分かるため、しばしば治療8週目での脱落率が
高い。鎮痛薬添加により、患者は治療を続けたいという気になる。
【0054】 アセトアミノフェンおよび本発明の他の成分には異なる作用機構があるので、
それらの効果は相乗的であり、このため、より低い用量のアセトアミノフェンを
使用することができる。アセトアミノフェンは、P物質に対する作用により中枢
および抹消にも作用し、疼痛知覚をブロックする。本発明の他の成分は、結合組
織の構造を強化することにより疼痛原因を減らすように作用する。低用量のアセ
トアミノフェンを使用することが望ましい。なぜなら、この薬物は感覚脱失に有
用であり、有意な抗炎症作用がない一方、多量に使用するか、あるいは肝臓が例
えば長期のアルコール乱用により弱っているか罹患している場合、肝臓および他
の組織に対して有害な作用がある可能性があるからである。治療濃度の経口アセ
トアミノフェン(4g/日未満)を用いると、慢性アルコール患者のアセトアミ
ノフェン代謝が増加し、これは肝毒性の可能性を高めることが示されている。(
Girre,C.,Hispard,E.,Palombo,S.ら,「慢性ア
ルコール患者におけるアセトアミノフェン代謝の増大(Increased m
etabolism of acetaminophen in chroni
cally alcoholic patients)」Alcohol Cl
in.Exp.Res.(Feb.1993)17(1):170−3)。アセ
トアミノフェンは、米国において最も広く使用され、かつ推奨されている鎮痛お
よび解熱用一般用医薬品である。(Rose,S.R.,「アセトアミノフェン
中毒管理の微妙(Subtleties of managing aceta
minophen poisoning)」Am.J.Hosp.Pharm.
(Dec.15,1994)51(24):3065−8)。アセトアミノフェ
ンは広く宣伝され、処方箋なしで容易に入手することができるので、消費者なら
びに医療従事者は、この医薬品が無毒であることを知っている。疼痛緩和のため
の過剰なアセトアミノフェンの急性または慢性摂取は、特に素因肝臓状態のある
患者において、一般的に以前から認められているよりもひどい肝毒性を(用量依
存的または非依存的に)引き起こす可能性がある。(Barker,J.D.J
r.ら,「慢性的な過剰アセトアミノフェンの使用および肝臓損傷(Chron
ic excessive acetaminophen use and l
iver damage)」Ann.Inem.Med.(Sep.1977)
87(3):299−301;Fry,S.W.,Seeff.L.B.,「鎮
痛剤および抗炎症剤の肝毒性(Hepatotoxicity of anal
gesics and anti−inflammatory agents)
」Gastroenterol.Clin.North Am.(Dec.19
95)24(4):875−905;Lindgren,A.ら,「パラセタモ
ールにより誘導される胆汁うっ滞性および肉芽腫性肝臓損傷(Paraceta
mol−induced cholestatic and granulom
atous liver injuries)」J.Intern.Med.(
May 1997)241(5):435−9)。従って、低用量のアセトアミ
ノフェンを本発明の他の成分と組み合わせて使用することは、関連技術分野の当
業者にとって明らかではない。本発明では、低用量のアセトアミノフェン治療は
、1日に2グラム未満のこの薬物を投与することを含む。さらに、本発明の成分
のいくつか、特にSAMeは、肝機能を保護することによりアセトアミノフェン
の有害な作用を直接弱める。アセトアミノフェンのみを用いると血中硫酸塩濃度
が低下し、従って、結合組織における硫酸化グリコサミノグリカン合成が減少し
得るという研究が示されているので、グルコサミンおよびコンドロイチン硫酸と
アセトアミノフェンとを組み合わせることもまた有利である。(Van der
Kraan,P.M.,Vitters,E.L.,de Vries,B.
J.ら,「膝蓋骨軟骨のグリコサミノグリカン含有量に対する、ラットへの慢性
パラセタモール投与の効果(The effect of chronic p
aracetamol administratio to rats on
the glycosaminoglycan content of pat
ellar cartilage)」Agent Actions(March
1990);29(3−4):218−223)。結合組織疼痛の対照として
のアセトアミノフェンのみの投与は患者のためにはならないかもしれないが、現
在、一般的に推奨されている。本発明の組み合わせにおけるアセトアミノフェン
の使用は、結合組織異常のある患者の治療に明白な改善を示さない。
【0055】 ネコは、アセトアミノフェンを効果的に代謝しないので(肝臓におけるグルク
ロン酸との抱合が十分に起こらず、次いで、グルタチオンが枯渇するので)、ア
セトアミノフェン感受性である。(Goodman,A.およびGoodman
,L.,The Pharmacological Basis of The
rapeutics,第7版,MacMillan Publishing C
o.,1985,692−95頁;Ahrens,F.,Pharmacolo
gy,Williams&Willkins,1996,174−75頁)。従
って、アセトアミノフェンはネコでの使用に推奨されない。
【0056】 本発明は、有益な同化効果(治癒)が最大になり、どの潜在的な負の効果も最
小になる、同化剤、抗異化剤、および抗酸化物質の新規の組み合わせを含む。本
発明は、上記のような、ヒトおよび動物の結合組織を保護、治療、および修復す
るためのこれらの薬剤および抗酸化物質の新規の組み合わせを提供する。本発明
の組成物に含まれる化合物は、起源に関して限定されず、天然でも、半合成でも
、合成でもよい。
【0057】 これらの化合物には動物およびヒトの結合組織に対して様々な有益な効果があ
り、これらは様々な機構を介して機能するので、互いに組み合わせてよく効く。
各化合物には多数の機能があるが、これらは、大まかに、(1)体内の成長プロ
セスを促進する同化剤(グルコサミン、SAMe、AA、ASU、およびヒドロ
キシプロリンを含む)、(2)破壊プロセスまたは異化プロセスを阻害する抗異
化剤(例えば、コンドロイチン硫酸、ペントサン硫酸、コラーゲンII型、テト
ラサイクリン系薬剤、ジアセリン、およびASU)、および(3)毒性酸素種(
フリーラジカル)を除去することにより組織損傷を防ぐ抗酸化物質(例えば、S
ODおよびL−エルゴチオニン)として分類することができる。もちろん、AS
Uなど、重複した機能により2種以上のグループに入れることができる化合物も
ある。本発明は、これらの化合物の組み合わせがよく効くことを明らかにする。
さらに、疼痛を緩和するために、鎮痛薬を、上記の個々の化合物のいずれか、あ
るいはそれらの組み合わせに任意に添加してもよい。アセトアミノフェンには強
い抗炎症作用がなく、従って、結合組織の治癒を妨げないので、一般に好まれる
鎮痛薬である。また、治療用量でさえ胃腸潰瘍または不十分な腎臓灌流を引き起
こす可能性のあるNSAIDとは異なり、治療用量でのアセトアミノフェンの副
作用は最小である。従って、本発明は、以下の薬剤:AA、グルコサミン、コン
ドロイチン硫酸、ペントサン、ジアセリン、S−アデノシルメチオニン、スーパ
ーオキシドジスムターゼ、L−エルゴチオネイン、コラーゲンII型、テトラサ
イクリン様化合物、1種以上のASU、ヒドロキシプロリン、および任意に1種
または複数種の鎮痛薬(例えば、アセトアミノフェン)の2つ以上の様々な組み
合わせからなる。例として、2種の同化剤(例えば、AAおよびグルコサミン)
;同化剤および抗異化剤(例えば、AAおよびペントサン);ならびに抗異化剤
および抗酸化物質(例えば、テトラサイクリンおよびスーパーオキシドジスムタ
ーゼ)などの組み合わせ、あるいは3つ以上の薬剤の組み合わせ(例えば、グル
コサミン、SAMe、およびAA)、またはSAMe、ASU、ヒドロキシプロ
リン、アセトアミノフェン、およびジアセリンが挙げられるが、それに限定され
ない。ASU抽出物中に存在し得る特異的な化合物の例として、リモネン、βカ
ロテン、ユビキノン、およびリン酸ウンデカプレノールが挙げられるが、それに
限定されない。
【0058】 以下の表は、上記で議論した化合物の対の可能な組み合わせを示す。文字「X
」は、本発明の新規の組成物を形成する新規の組み合わせを示す。本発明はまた
、表に示す組み合わせに、以下の化合物のうちの2つ以上の薬剤の組み合わせを
含む。 グルコサミン コンドロイチン SAMe ペントサン スーパーオキシドジスムターゼ(SOD) L−エルゴチオニン コラーゲンII型 ジアセリン アラキドン酸 テトラサイクリン様化合物 1種以上のアボカド/ダイズ不けん化物 ヒドロキシプロリン 鎮痛薬(例えば、アセトアミノフェン)
【0059】 上記で説明したように、望ましい組み合わせの例をXで示す。例えば、1つめ
の横行にある最初のXは、グルコサミンおよびL−エルゴチオニン、またはグル
コサミンおよびジアセリンの組み合わせを意味する。本発明の組成物は、さらに
、任意の所定の横行または縦行にあるXで示される組み合わせの任意の集合また
は追加を含む。例えば、1つめの横行に示される組成物は、グルコサミン+L−
エルゴチオニン+ジアセリン、またはグルコサミン+ジアセリン+テトラサイク
リン様化合物、またはグルコサミン+L−エルゴチオニン+ジアセリン+AA+
テトラサイクリン様化合物などを含む。「コラーゲンII型」と表された縦行に
示す組成物の例として、コラーゲンII型+SAMe+ペントサン、またはコラ
ーゲンII型+SAMe+ペントサン+スーパーオキシドジスムターゼ+L−エ
ルゴチオニンなどが挙げられる。「ASU」と表された縦行に示す組成物の例と
して、1種または複数種のASU+グルコサミン、あるいは1種または複数種の
ASU+SAMe+ペントサン、あるいは1種または複数種のASU+コラーゲ
ンII型+SAMe+ペントサン+スーパーオキシドジスムターゼ+L−エルゴ
チオニンなどが挙げられる。同様に、この表は、鎮痛薬(例えば、アセトアミノ
フェン)を、単独または任意の組み合わせで、表に列挙した任意の他の化合物と
組み合わせることができることを示す。
【0060】
【表1】
【0061】 本発明者らは、上記の薬剤のある組み合わせを調べ、いくつかの組み合わせに
新規の応答があることを証明した。コンドロイチン硫酸、グルコサミン、SAM
e、アラキドン酸、コラーゲン、ペントサン、およびスーパーオキシドジスムタ
ーゼからなるある組み合わせの効果を、異なる実験(実施例2を参照のこと)で
成獣ウシ軟骨細胞の培養物において研究した。この特定の試験において、ある組
み合わせには阻害作用(代謝低下)があった。刺激的かつ阻害的な新規の相互作
用は、様々な疾患状態下で有益であり得る。例えば、代謝亢進状態は、いくつか
の疾患の病理発生の1部である。このような疾患では、阻害(代謝低下)応答は
個体にとって有益であろう。様々な実験モデルで研究した薬剤のある範囲の濃度
の効果を調べるために、さらなる試験が計画される。生合成活性の増加と減少は
両方とも新規の相互作用であり、選択した環境下での生物にとって有益であり得
ることに留意のこと。例えば、現在、骨関節炎には特に病理発生の初期段階にお
いて代謝亢進的要素があると考えている研究者は多い。治療の焦点を、軟骨マト
リックス産生を刺激する薬剤か、阻害的薬剤、従って、軟骨環境をより代謝低下
状態にし、次いで軟骨組織を安定化することができる薬剤に合わせるべきかにつ
いては研究者の意見は分かれている。
【0062】 本発明の組成物は、任意の経路を介して投与することができる。経路は、筋肉
内、静脈内、経口、皮下、直腸、局所、経皮、鼻腔内、および関節内、舌下、腹
腔内を含むが、それらに限定されない。また、吸収を助けるために、本発明の任
意の化合物の任意の塩(例えば、グルコサミンHCl、グルコサミン硫酸、グル
コサミンリン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸カルシウ
ム、コンドロイチン硫酸カリウムなど)を使用してもよい。さらに、組成物を、
長期放出剤形、丸剤、錠剤、カプセル、クリーム、液体、エアロゾル、長期放出
形態、注射可能物質などを含む全ての一般的な剤形で与えてもよい。
【0063】 本発明の組成物の投薬量範囲は、この組成物を投与するヒトまたは動物の要求
に応じて変化する。本特許請求の範囲に記載される組成物の様々な成分の投薬量
範囲は以下のとおりである。
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】 小動物から大動物の体重範囲(ヒトは中程にある)をカバーするように用量を
デザインした。以下の例は例示であり、本発明をどのようにも制限しない。
【0067】 実施例1 本発明者らの予備研究では、Hulth法の改変により、ニュージーランド白
ウサギ後膝関節に外科的不安定性を引き起こした。手術後、動物を1日に1回運
動させた。実験用飼料処方を、その軟骨安定化作用について評価した。標準的H
arland(Teklad)ウサギ飼料(対照)、40重量%AA(Aras
co)を含む2重量%菌類油(fungal oil)をも含む標準飼料、なら
びにアラキドン酸およびグルコサミン/コンドロイチンをも含む標準飼料を調べ
た。16週間で、全ウサギの大腿骨内側顆を取り出し、軟骨変性を、サフラン−
O染色スライドを用いて、Mankin組織学的−組織化学的等級付けシステム
の改変で定量的に評価した。外科的不安定性のある全関節からの軟骨は種々の程
度の微小な変性病変を示した。本発明者の予備結果から、アラキドン酸のグルコ
サミン/コンドロイチン硫酸への添加には、軟骨において新規の相互作用を生じ
させる能力があることが指摘された。この新規の相互作用には、軟骨調節作用を
有する能力がある。
【0068】 実施例2 手順: 関節軟骨を、ヒトまたは動物の関節から無菌的に切除し、少量のDMEM/F
−12またはF12を含む大きなペトリ皿に入れた。この組織を1〜2mmの寸
法でさいの目に切り、20mLのDMEMまたはF−12+400μ/mLのコ
ラゲナーゼを含む小さな培養フラスコに移した。このフラスコをシェーカーの上
に置き、一晩インキュベートした。
【0069】 細胞解離を増大させるために、細胞消化物を繰り返し吸引した。次いで、細胞
消化物を、50mL滅菌遠心管に入れ、Beckmanで1000PRMで10
分間遠心分離した。培地をピペットで捨て、1%FCSを含む新鮮なDMEM/
F−12を添加した。ペレットの大きさに応じて、約20〜40mLの培地を添
加した。細胞数を血球計により測定し、消化物を100,000細胞/0.2m
Lの濃度に近づけた。
【0070】 GAG合成: GAG合成を行うために、0.2mLを、8チャンネルピペッターを用いて9
6ウェルプレートの各ウェルにアリコートし、細胞を24時間接触させた。培地
を取り出し、新鮮な1%FCS培地0.3mLを2〜3日添加した。実験日に、
培地を取り出し、35−硫酸同位体を含む実験溶液を添加した。インキュベーシ
ョンを4時間続けた。終了:インキュベーションの終わりに、標識培地を除去し
、細胞層を、冷0.3mL DMEMまたはF−12(約5×)で繰り返しすす
ぎ、細胞層をカウンティングのために凍結した。
【0071】 96ウェルプレートのカウンティング: 両方の合成実験の細胞層を50度で加熱してから、100μlの1N NaO
Hを2時間添加した。200μlのシンチラント(scintillant)を
添加し、プレートをカウンターに入れた。データを、CPM/100,000個
細胞として表した。
【0072】
【表4】
【0073】
【表5】
【0074】 ChSO4=コンドロイチン AA=アラキドン酸 SAMe=S−アデノシルメチオニン Paleos=SOD コラーゲン=コラーゲン Pentos=ペントサン H=高濃度 L=低濃度
【0075】 このモデルでは、研究した濃度での代表的な組み合わせには、この特定の研究
において阻害(代謝低下)作用があった。この代謝低下作用は種々の疾患状態の
下で有益であり得、実際に、刺激的かつ阻害的な新規の作用は種々の疾患状態の
下で有益であり得る。例えば、代謝亢進状態は、いくつかの疾患の病理発生の一
部である。このような疾患では、阻害(代謝低下)応答は個体にとって有益であ
る。種々の実験モデルの下で研究される薬剤の濃度範囲の作用を調べるために、
さらなる研究が計画される。生合成活性の増加および減少は新規な相互作用であ
り、選択した情況下での生物に有益であり得ることに留意のこと。例えば、現在
、骨関節炎には特に病理発生の初期段階において代謝亢進成分があると考えてい
る研究者は多い。治療の焦点を軟骨マトリックス産生を刺激する薬剤に合わせる
べきか、阻害的薬剤、従って軟骨環境の代謝をさらに低下させ、次いで軟骨組織
に対して安定化するように作用することが可能な薬剤に合わせるべきかについて
研究者達の意見は分かれている。
【0076】 実施例3 免疫系により未変性コラーゲンII型抗体で内因性結合組織が不適切に標的化
される若年性関節リウマチに、ある4歳の子供が罹っている。結果として生じる
軟骨の炎症および破壊は、滑膜性の連結における疼痛および機能不全を引き起こ
す。この治療として、免疫系を非選択的に抑制する、従って身体を感染症から攻
撃されやすくするコルチコステロイド、またはDNA合成、修復、および細胞複
製を阻害し、従って免疫系だけでなく腸粘膜および骨髄にも影響を及ぼすメトト
レキセートが挙げられる。この子供に、2mgのコラーゲンII型を毎日、10
mgのSODを毎日与える。コラーゲンは不適切な免疫攻撃を減少させ、SOD
は細胞に損傷を与える破壊的フリーラジカルを不活化する。SODは細胞損傷を
防ぐことにより、関節組織細胞の正常機能が最大になるのを助ける。この組み合
わせは治療用量で有害な副作用はなく、既存の慢性関節リウマチ治療に有益に付
加されるものである。
【0077】 実施例4 ある6歳のサラブレッド競走馬が、腕骨の好中球炎症に罹っている。この状態
では、関節組織への外傷が細胞を傷つけ、従って、多数の好中球を滑液腔に誘引
するサイトカインの遊離をもたらす。この応答は敗血症の場合に有益であるが、
好中球が動物に有用な恩恵を与えない非敗血症状態では有益でない。実際に、好
中球はスーパーオキシド分子を含む種々の破壊的化合物を産生するので、それら
が関節に存在すると炎症、組織損傷、および炎症増大の悪循環に陥る。現在、こ
の状態は、プロスタグランジン合成を抑制し、従って多くの副作用を有する非ス
テロイド性抗炎症薬を用いて治療される。このウマに、ジアセリン100mg、
ペントサン200mg、およびSAMe1000mgの混合物を与える。ジアセ
リンおよびペントサンの両方は走化性(白血球の罹患領域への誘引)を阻害し、
従って、関節における好中球の数を低減させる。さらに、ペントサンは滑液合成
を刺激し、従って、関節の正常機能を支持する。ジアセリンはスーパーオキシド
産生を阻害する。スーパーオキシド産生は、好中球が有害な作用を有することに
なる機構の1つであるので、ジアセリンのこの作用が有益であることは明らかで
ある。SAMeは、細胞膜の構造および機能を支持し、従って、傷つけられた関
節組織細胞を修復するのを助け、従って、有害な炎症を開始する事象をブロック
する。この組み合わせは治療用量で有害な副作用を有さず、既存の治療を超える
大きな改善である。
【0078】 実施例5 47歳の女性が重篤な膝骨関節炎に罹っている。現在、彼女は、症状が広がる
のを防ぐために多量のNSAIDを必要としている。彼女の整形外科医はグルコ
サミン/コンドロイチン硫酸を服用することを勧めているが、これらの化合物が
動物組織から抽出されており、この患者が厳格な菜食主義者であるため、彼女は
服用するのをいやがっている。その代わりとして、彼女は、ジアセリン25mg
、ASU250mg、およびアセトアミノフェン500mgを毎日服用している
。ジアセリンは走化性を阻害し、それにより膝関節における炎症を低減させる。
ASUはTGFβ1および2を減少させ、損傷した関節組織の修復を刺激する。
アセトアミノフェンは急速な痛覚脱失を引き起こし、軟骨代謝に悪影響を及ぼす
ことなく、かつ胃腸潰瘍のリスクなしに患者の症状を低減する。疼痛減少の結果
として、この患者は、日課に15分の散歩を加えることを決めている。管理され
た運動は、彼女の身体および精神をさらに改善する。
【0079】 実施例6 5歳のジャージー乳牛が、ライム病に起因する発熱および滑膜炎の出現後に重
篤な骨関節炎と診断された。この動物は、所有者の家庭用牛乳供給所の出所であ
り、所有者は、1)この動物を間引く、2)非ステロイド抗炎症剤を用いる、ま
たは3)ステロイドを使用するなどの伝統的な解決法に従うよりも、「天然」化
合物、すなわち植物および動物体内で普通に生じる化合物を用いて跛行を治療す
ることを望んだ。この動物を、毎日、ASU900mg、SAMe600mg、
およびグルコサミン500mgで治療した。このアプローチは、いくつかの理由
から既存の選択肢を超える改良法である。これらの化合物は、安全性範囲が広い
ことが証明された植物および動物体の天然化合物であるので、牛乳に分泌された
代謝産物に対する懸念はほとんどない。これらの化合物は経口で服用することが
でき、かつ少量で活性があるので、食事中の動物に投与しやすい。これらの化合
物の併用効果は、炎症および疼痛を減少させ、正常機能を維持し、結合組織の治
癒を刺激する。
【0080】 実施例7 B型肝炎をもつ43歳の看護士もまた骨関節炎に罹っている。肝臓に問題があ
るため、彼に肝毒性の可能性がある鎮痛薬を使用することは重要問題である。彼
に、アセトアミノフェン500mg/日(この鎮痛薬にとっては低量である)と
、グルコサミン800mg/日、コンドロイチン硫酸800mg/日、およびS
AMe900mg/日とを与える。これらの化合物はよく効いて、疼痛を減少さ
せ、正常な関節組織を維持し、肝臓機能を最大にする。
【0081】 実施例8 53歳の男性が下背の重篤な関節炎に罹っている。彼は、現在、多量のNSA
IDを服用しているが、胃痛に苦しんでおり、胃潰瘍を心配している。彼は、N
SAIDの代わりにグルコサミンおよびコンドロイチン硫酸を使用しようとした
が、鎮痛薬なしでは下背の疼痛があまりに重篤であったので、その治療は続かな
かった。彼に、ヒドロキシプロリン500mg/日、アセトアミノフェン500
mg/日、SOD600mg/日、およびアラキドン酸300mg/日を与える
【0082】 アセトアミノフェンは胃の異常なく疼痛を防ぎ、ヒドロキシプロリンおよびア
ラキドン酸は脊椎関節における同化プロセスを(異なる作用機構を介して)刺激
し、SODはフリーラジカルを除去して、それにより有害な炎症を減少させる。
【0083】 本発明の教示にもとづいて、本発明の化合物の組み合わせは相乗的に作用する
ことが当業者に理解される。例えば、グルコサミンには軟骨細胞代謝に対して刺
激作用があり、それ自身で軟骨分解疾患の改善を助けることが理解される。しか
し、細胞代謝の増大により、酸化的リン酸化の天然副産物のようなフリーラジカ
ルの産生が増大する可能性もある。フリーラジカル産生の増大は、グルコサミン
投与の有益な効果を弱める。L−エルゴチオネインとグルコサミンとを組み合わ
せることにより、代謝が増大し、フリーラジカル損傷が低減すると予想され、こ
れらの作用の1つの原因となる化合物が提供される場合よりも大きな利益をもた
らす。従って、本発明の教示に基づいて、グルコサミンとL−エルゴチオネイン
との組み合わせは、どちらか単独のみを提供するより有益であることが当業者に
理解されよう。本発明の特定の化合物の間にある相乗作用は、各化合物をより低
い用量で使用することも可能にする。これらの化合物は非常に安全であるが、副
作用は潜在的にあり得る。例えば、多量のグルコサミン硫酸またはコンドロイチ
ン硫酸は、いく人かの個体で胃腸障害を引き起こす可能性がある。さらに、これ
らの化合物は高価である。このような理由で、用量を最小にし、かつ有益な作用
を達成する能力が望ましい。
【0084】 本発明の基本精神から逸脱することなく多くの変更がなされ得る。従って、添
付の特許請求の範囲内で、本明細書中で詳細に記載したもの以外に本発明が実施
できることは当業者に十分に理解されよう。従って、添付の特許請求の範囲は、
特許請求の範囲において具体化された本発明およびその実質的な等価物を含むこ
とが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンドロイチン硫酸といったようなGAGを作り出すための生合
成経路の詳細な記述である。
【図2】 SAM及びその前駆体の分子構造である。
【図3】 SODの機能の簡略化したダイアグラムを提供している。
【図4】 不鹸化性脂質のいくつかの例を提供している。
【図5】 アセトアミノフェンの分子構造である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/7004 A61K 31/7004 31/7008 31/7008 31/7076 31/7076 35/78 35/78 W 38/00 A61P 17/02 38/44 A61K 37/02 A61P 17/02 37/50 (31)優先権主張番号 09/274,881 (32)優先日 平成11年3月23日(1999.3.23) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 ソリマン,メドハット エジプト国,ミンニャ 61111, ラムシ ス ストリート 81 (72)発明者 コールソン,バーバラ アメリカ合衆国,ペンシルバニア州 17321, フォーン グローブ,カンクル ロード 225 (72)発明者 リピエロ,ルイス アメリカ合衆国,アリゾナ州 85260, スコッツデール,ノース エイティサード プレース 12335 (72)発明者 ヘンダーソン,ロバート アメリカ合衆国,メリーランド州 21013, ボールドウィン,シェーディー グロー ブ コート 2807 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA03 BA44 DC24 MA02 NA14 ZA082 ZA942 ZA962 ZB112 4C086 AA01 AA02 BC38 DA01 DA29 EA01 EA02 EA18 MA01 MA02 MA03 MA04 NA14 ZA08 ZA94 ZA96 ZB11 4C088 AB33 AB59 MA02 MA07 MA08 NA14 ZA08 ZA94 ZA96 ZB11 4C206 AA01 AA02 FA14 MA01 MA02 MA03 MA04 NA14 ZA08 ZA94 ZA96 ZB11

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単数又は複数のアボカド/大豆不鹸化物及びアミノ糖、GA
    G、GAG様の化合物、ペントサン、SAMe、SOD、L−エルゴチオニン、
    コラーゲンII型、ジアセリン、アラカドン酸及びテトラサイクリン様化合物から
    成る群から選択された単数又は複数の化合物を含んで成る、結合組織に対する損
    傷の治療、修復又は予防のための組成物において、このようなアボカド/大豆不
    鹸化物の各々及びかかる化合物の各々が天然に、半合成的又は合成的に誘導され
    得る組成物。
  2. 【請求項2】 その塩又は誘導体を内含するヒドロキシプロリン及びアミノ
    糖、GAG、GAG様の化合物、ペントサン、SAMe、SOD、L−エルゴチ
    オニン、コラーゲンII型、ジアセリン、アラカドン酸及びテトラサイクリン様化
    合物及び単数又は複数のASUから成る群の中から選択された単数又は複数の化
    合物を含んで成る、結合組織に対する損傷の治療、修復又は予防のための組成物
    において、このようなヒドロキシプロリン、塩及びその誘導体の各々及びかかる
    化合物の各々が天然に、半合成的又は合成的に誘導され得る組成物。
  3. 【請求項3】 非ステロイド、非NSAID鎮痛剤及びアミノ糖、GAG、
    GAG様の化合物、ペントサン、SAMe、SOD、L−エルゴチオニン、コラ
    ーゲンII型、ジアセリン、アラカドン酸及びテトラサイクリン様化合物、その塩
    又は誘導体を含む単数又は複数のASU及びヒドロキシプロリンから成る群から
    選択された単数又は複数の化合物を含んで成る、結合組織に対する損傷の治療、
    修復又は予防のための組成物において、このような鎮痛剤の各々及びかかる化合
    物の各々が天然に、半合成的又は合成的に誘導され得る組成物。
  4. 【請求項4】 鎮痛剤がアセトアミノフェン及びトラマドールから成る群か
    ら選択されている請求項3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 それを必要とするヒト又は動物に対して請求項1に記載の組
    成物のいずれかを投与する段階を含んで成る、ヒト及び動物の体内の結合組織に
    対する損傷を予防、治療又は修復する方法。
  6. 【請求項6】 それを必要とするヒト又は動物に対して請求項2に記載の組
    成物のいずれかを投与する段階を含んで成る、ヒト及び動物の体内の結合組織に
    対する損傷を予防、治療又は修復する方法。
  7. 【請求項7】 それを必要とするヒト又は動物に対して請求項3に記載の組
    成物のいずれかを投与する段階を含んで成る、ヒト及び動物の体内の結合組織に
    対する損傷を、予防、治療又は修復する方法。
  8. 【請求項8】 アセトアミノフェンの用量が、結合組織の痛みを制御するの
    に必要な最小レベルまで低減させられるプロトコルに従って、請求項4に記載の
    組成物のいずれかを投与する段階を含んで成る、ヒト及び動物の体内の結合組織
    に対する損傷を予防、治療又は修復する方法。
  9. 【請求項9】 単数又は複数のアミノ糖及び、L−エルゴチオニン、ジアセ
    リン、アラカドン酸及びテトラサイクリン様化合物から成る群から選択された単
    数又は複数の化合物を含んで成る、結合組織に対する損傷の治療、修復又は予防
    のための組成物において、このようなアミノ糖の各々及びかかる化合物の各々が
    天然に、半合成的に又は合成的に誘導され得る組成物。
  10. 【請求項10】 単数又は複数のGAG及び、L−エルゴチオニン、ジアセ
    リン、アラカドン酸及びテトラサイクリン様化合物から成る群から選択された単
    数又は複数の化合物を含んで成る、結合組織に対する損傷の治療、修復又は予防
    のための組成物において、このようなGAGの各々及びかかる化合物の各々が天
    然に、半合成的に又は合成的に誘導され得る組成物。
  11. 【請求項11】 SAMe及び、SOD、L−エルゴチオニン、コラーゲン
    II型、ジアセリン、アラカドン酸及びテトラサイクリン様化合物から成る群から
    選択された単数又は複数の化合物を含んで成る、結合組織に対する損傷の治療、
    修復又は予防のための組成物において、前記SAMe及びかかる化合物の各々が
    天然に、半合成的に又は合成的に誘導され得る組成物。
  12. 【請求項12】 ペントサン及び、SOD、L−エルゴチオニン、コラーゲ
    ンII型、ジアセリン、アラカドン酸及びテトラサイクリン様化合物から成る群か
    ら選択された単数又は複数の化合物を含んで成る、結合組織に対する損傷の治療
    、修復又は予防のための組成物において、このようなペントサンの各々及びかか
    る化合物の各々が天然に、半合成的に又は合成的に誘導され得る組成物。
  13. 【請求項13】 GAG様化合物及び、SOD、L−エルゴチオニン、コラ
    ーゲンII型、ジアセリン、アラカドン酸及びテトラサイクリン様化合物から成る
    群から選択された単数又は複数の化合物を含んで成る、結合組織に対する損傷の
    治療、修復又は予防のための組成物において、このようなGAG様化合物の各々
    及びかかるその他の化合物の各々が天然に、半合成的に又は合成的に誘導され得
    る組成物。
  14. 【請求項14】 SOD及び、L−エルゴチオニン、コラーゲンII型、ジア
    セリン、アラカドン酸及びテトラサイクリン様化合物から成る群から選択された
    単数又は複数の化合物を含んで成る、結合組織に対する損傷の治療、修復又は予
    防のための組成物において、前記SOD及びかかる化合物の各々が天然に、半合
    成的に又は合成的に誘導され得る組成物。
  15. 【請求項15】 L−エルゴチオニン及び、コラーゲンII型、ジアセリン、
    アラカドン酸及びテトラサイクリン様化合物から成る群から選択された単数又は
    複数の化合物を含んで成る、結合組織に対する損傷の治療、修復又は予防のため
    の組成物において、前記L−エルゴチオニン及びかかる化合物の各々が天然に、
    半合成的に又は合成的に誘導され得る組成物。
  16. 【請求項16】 コラーゲンII型及び、ジアセリン、アラカドン酸及びテト
    ラサイクリン様化合物から成る群から選択された単数又は複数の化合物を含んで
    成る、結合組織に対する損傷の治療、修復又は予防のための組成物において、前
    記コラーゲンII型及びかかる化合物の各々が天然に、半合成的に又は合成的に誘
    導され得る組成物。
  17. 【請求項17】 ジアセリン及びアラカドン酸及びテトラサイクリン様化合
    物から成る群から選択された単数又は複数の化合物を含んで成る、結合組織に対
    する損傷の治療、修復又は予防のための組成物において、このようなジアセリン
    の各々及びかかる化合物の各々が天然に、半合成的に又は合成的に誘導され得る
    組成物。
  18. 【請求項18】 アラカドン酸及びテトラサイクリン様化合物を含んで成る
    、結合組織に対する損傷の治療、修復又は予防のための組成物において、前記ア
    ラカドン酸及びテトラサイクリン様化合物が天然に、半合成的に又は合成的に誘
    導され得る組成物。
  19. 【請求項19】 それを必要とするヒト又は動物に対して請求項9−18に
    記載の組成物を投与する段階を含んで成る、ヒト及び動物の体内の結合組織に対
    する損傷を予防、治療又は修復する方法。
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