JPH08501930A - リポーター遺伝子に融合した細菌のストレスプロモーターを用いる毒性を測定するための方法および診断用キット - Google Patents

リポーター遺伝子に融合した細菌のストレスプロモーターを用いる毒性を測定するための方法および診断用キット

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JPH08501930A JP6503562A JP50356294A JPH08501930A JP H08501930 A JPH08501930 A JP H08501930A JP 6503562 A JP6503562 A JP 6503562A JP 50356294 A JP50356294 A JP 50356294A JP H08501930 A JPH08501930 A JP H08501930A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、化合物の毒性を測定する方法および診断用キットを提供する。本発明の方法および診断用キットは複数の細菌宿主を用い、それぞれの宿主は、アッセイ可能な産物をコードする遺伝子に融合した、異なるストレスプロモーターをコードするDNA配列を有している。これらのストレスプロモーターのそれぞれは、異なるタイプの細胞ストレスに曝されることにより誘導される。本発明で用いられるストレスプロモーターは全部で酸化還元ストレス、DNAストレス、タンパク質ストレス、エネルギーストレス、およびpHストレスを包含する。本発明の方法および診断用キットは、化合物の毒性を特徴付け、そして定量するために用いられ得、ならびにその毒性作用の細胞メカニズムを同定するために、用いられ得る。さらに、本発明の方法は、細胞下レベル(subcellular level)での化合物の作用に関する情報を生じる。この情報は、毒性があることが見いだされた化合物に対する抗毒素を設計するのにおよび活性薬剤設計に用いられ得る。

Description

【発明の詳細な説明】リポーター遺伝子に融合した細菌のストレスプロモーターを 用いる毒性を測定するための方法および診断用キット 発明の技術分野 本発明は、化合物の毒性を測定する方法および診断用キットを提供する。本発 明の方法および診断用キットは複数の細菌宿主を用い、それぞれの宿主は、アッ セイ可能な産物をコードする遺伝子に融合した、異なるストレスプロモーターを コードするDNA配列を有している。これらのストレスプロモーターのそれぞれは 、異なるタイプの細胞ストレスに曝されることにより誘導される。本発明で用い られるストレスプロモーターは全部で酸化還元ストレス、DNAストレス、タンパ ク質ストレス、エネルギーストレス、およびpHストレスを包含する。本発明の方 法および診断用キットは、化合物の毒性を特徴付け、そして定量するために用い られ得、ならびにその毒性作用の細胞メカニズムを同定するために、用いられ得 る。さらに、本発明の方法は、細胞下レベル(subcellular level)での化合物 の作用に関する情報を生じる。この情報は、毒性があることが見いだされた化合 物に対する抗毒素を設計するのにおよび活性薬剤設計に用いられ得る。発明の背景 少なくとも55,000の化学物質が、米国で現在製造されてい る。2,000を越える新規の化学物質が毎年マーケットに導入される。これらの化 学物質のほとんどは、急性毒性または慢性毒性を包括的に試験されてこなかった 。例えば、市販の化学物質の1%未満が、完全な健康危機評価(health hazard assessment)を行っていたにすぎない。 環境保護局(「EPA」)は、商業生産に先立って化合物の毒物学試験を要求す る権限を有する。しかし、その権限が実施されるのは希である。EPAによる詳し い再調査に供されるのは新規の化学物質の10%未満である。マーケットに出入り するコストおよび早さの問題において、EPAはしばしば以前に試験した類似の化 合物の毒性を用いて新規の化学物質の毒性を測定する。 新規の薬物の潜在的毒性は、食品医薬品局(「FDA」)によりモニターされる 。新規薬物申請(NDA)に関して、FDAは、典型的には少なくとも2種の動物にお ける、毒性、発ガン性、変異原性、および生殖(reproduction)/繁殖能(ferti lity)試験という大きなひと揃いの試験を要求する。これらの試験は、1年間継 続されることが要求されている。これらの試験の完遂に含まれるコストは莫大で ある。例えば、ラットでの典型的な90日間被爆毒性試験は約100,000ドルかかる 。ラットの2年間毒性試験は約 800,000ドルかかる[CasarettおよびDoull's T oxicology、第4版、M.O.Amdurら編集、Pergamon Press,New York,New York 、37頁(1991)]。 コストのほかにも、動物試験はまた、時間、動物虐待、お よび正確さに関して不利であることが示される。典型的な毒性試験は、以下の3 ステージに分割される:急性、短期、および長期。化合物のLD50(試験動物の50 %が死亡する投与量)を測定する急性試験は、約60〜100匹の動物、ならびにLD5 0 、投与量応答曲線を測定するひと揃いの試験および死以外の臨床的な終了点を 測定するひと揃いの試験を必要とする。短期試験は通常、少なくとも24匹のイヌ および90匹のラットを含み、そしてラットで90日間からイヌで6〜24カ月が続く 。体重、食物消費、血液、尿、および組織サンプルは短期試験で頻繁に測定され る。さらに、死亡した動物は検死に供される。長期試験は、短期試験に類似して いるが、ラットで2年間およびイヌまたはサルで7年間まで続く。 動物試験は、動物にひどい苦しみを課すため、動物の権利保護活動および一般 公衆による批判を受けてきた。さらに、最近の証拠では動物試験の精度に疑いが さしはさまれている。例えば、動物の食餌のような変数は、発ガン特性の測定に おいて動物試験の予測可能性を損ない得る[P.H.Abelson、「ヒトおよびげっ 歯類での食事および癌」、Science、255、141頁(1992)]。そしてモルモット試 験に基づくダイオキシンの毒性についての予備測定が現在再評価されている[B .J.Culliton、「米国政府はダイオキシンに新しい所見を命令する」、Nature ,352,753(1991);L.Roberts、「ダイオキシン問題のさらなる一点」、Reseac h News ,1991年10月、377頁]。従って、迅速で、経済的な、そして信頼できる 動物での毒性試験に変 わる方法が早急に必要であることが明らかである。 種々の別の短期試験が利用できる。例えば、エームズアッセイは、Salmonella typhimurium変異株の遺伝子転換を引き起こす発ガン物質を検出する。しかし、 エームズアッセイは、非変異原性発ガン物質または非発ガン性毒素のいずれも検 出し得ない。米国特許第4,997,757号に記載の酵母の発ガン物質アッセイ系はい くつかのエームズアッセイの欠点を克服するが、まだ非発ガン性毒素を検出し得 ない。これらのアッセイの両方とも、DNAレベルのみで変異および突然変異を検 出するように設計される。従って、それらの先行技術の試験は、タンパク質また は脂質の膜、あるいはDNA合成インヒビターのいずれも直接の障害を検出し得な い。さらに、現在用いられている短期試験はいずれも、発ガン物質、変異原性物 質、または毒素が、効果を及ぼす細胞メカニズムについて、どんな情報も生じな い。従って、これらの先行技術のアッセイもまた、毒素があると見いだされた化 合物に対する中和剤または解毒剤を選択する助けになる、いかなる情報も明らか にしない。発明の要旨 出願人は、複数のDNA構造であって、そのそれぞれがβガラクトシダーゼのよ うなアッセイ可能なポリペプチドをコードするDNA配列に融合した、異なるスト レスプロモーターを含むDNA構造を組合わせる方法を提供することにより、上記 の問題を解決した。 これらの融合物のいずれかを有する適切な細菌宿主が、与えられた化合物が、 その株が有している特定のストレスプロモーターを誘導するかどうかを測定する 、インビボ診断用試薬である。このような宿主を、与えられた化合物とインキュ ベートし、そして検出可能なポリペプチドをアッセイすることにより、特定のス トレスプロモーターがその化合物により誘導または抑制されるかどうかを、迅速 におよび容易に測定し得る。この方法を、それぞれ異なるストレスプロモーター 遺伝子融合物を有する一組の宿主を用いて繰り返すことにより、化合物の毒性が どのように細胞を障害したかについて、定量および特徴付けの両方が可能である 。 本発明は、毒性をアッセイし、そして特徴付けるための診断用キットの形で、 このような一連の宿主を提供する。これらのキットは、動物試験に必要とされる 数カ月または数年よりむしろ数日で、化合物の毒性を測定するのに最適なように 設計される。さらに本発明のキットは、動物試験のコストを低減し、および生動 物について問題となる結果を伴わない結果を達成する。そして本発明の診断用キ ットおよび方法は、細胞における毒性作用の性質についての情報---先行技術の 短期試験のアッセイではできない---を生じる。 本発明はまた、この発明の方法により毒性であると示された化合物に対する抗 毒素を同定する方法を提供する。そして本発明は活性薬剤の設計の方法を提供す る。図面の簡単な説明 図1は、メチル水銀の濃度を変化させることによる、merR、sfiA、およびsodA プロモーターの誘導を示し、それはβ−ガラクトシダーゼの合成により測定され た。 図2は、4−ニトロキノリンの濃度を変化させることによる、sfiA、ada-alkA 、nfo、およびdinDプロモーターの誘導を示し、それはβ−ガラクトシダーゼの 合成により測定された。 図3は、メチルメタンスルフェート(methyl methansulfate)の濃度を変化さ せることによる、sfiA、ada-alkA、nfo、およびdinDプロモーターの誘導を示し 、それはβ−ガラクトシダーゼの合成により測定された。 図4は、プラムバジン(plumbagin)の濃度を変化させることによる、soi17、 soi19、およびsoi28プロモーターの誘導を示し、それはβ−ガラクトシダーゼの 合成により測定された。 図5は、塩化ナトリウムの濃度を変化させることによる、sodA、proU、および soi17プロモーターの誘導を示し、それはβ−ガラクトシダーゼの合成により測 定された。 図6は、2,2'-ビピリジルの濃度を変化させることによる、fepB、sodA、およ びsfiAプロモーターの誘導を示し、それはβ−ガラクトシダーゼの合成により測 定された。 図7は、種々のpHでの、aniG、sfiA、およびsoi17プロモーターの誘導を示し 、それはβ−ガラクトシダーゼの合成により測定された。 図8は、過酸化水素の濃度を変化させることによる、soil 7、soi19、soi28、およびkatGプロモーターの誘導を示し、それはβ−ガラクト シダーゼの合成により測定された。 図9は、β−ガラクトシダーゼ活性の誘導倍数により測定した、本発明の最も 好ましい診断用キット中の16個のストレスプロモーターそれぞれの誘導に対する 、メタンスルホン酸メチルの種々の濃度の効果を示す。 図10は、β−ガラクトシダーゼ活性の誘導倍数により測定した、本発明の最 も好ましい診断用キット中の16個のストレスプロモーターそれぞれの誘導に対す る、塩化水銀の種々の濃度の効果を示す。 図11は、β−ガラクトシダーゼ活性の誘導倍数により測定した、本発明の最 も好ましい診断用キット中の16個のストレスプロモーターそれぞれの誘導に対 する、ニトロキノリンオキシドの種々の濃度の効果を示す。 図12は、β−ガラクトシダーゼ活性の誘導倍数により測定した、本発明の最 も好ましい診断用キット中の16個のストレスプロモーターそれぞれの誘導に対す る、パラコートの種々の濃度での効果を示す。発明の詳細な説明 本明細書に用いられる用語「ストレス」および「毒性」は、相互に入れ換えて 用いられ、細胞の生化学的な恒常性および生物物理学的な恒常性を妨げることを いう。 本明細書を通して用いられる用語「酸化還元ストレス」は、 細胞の通常の還元/酸化ポテンシャル(「酸化還元」)状態とは異なる状態をい う。酸化還元ストレスは、スーパーオキシドレベルの上昇、ペルオキシド--過酸 化水素および有機ペルオキシド(organic peroxides)--レベルの上昇、グルタ チオンレベルの減少、および強い還元剤に曝すことのような細胞の酸化還元ポテ ンシャルを変える、あらゆる他の状態を含む。 本明細書の「DNAストレス」とは、デオキシリボ核酸またはヌクレオチド前駆 体に対する変化をいう。例えば、DNAストレスには、DNA鎖破壊、DNA鎖架橋、DNA 挿入剤に曝すこと、超螺旋の増大および減少、酸化的DNA障害、DNAアルキル化、 ヌクレオチド3リン酸の酸化、およびヌクレオチド3リン酸のアルキル化が含ま れるがそれに限定されない。この用語には、DNA合成およびDNA複製の阻害もまた 含まれる。 本明細書の「タンパク質ストレス」は、タンパク質の細胞内輸送の混乱(pert urbation)およびタンパク質または個々のアミノ酸に対する変化をいう。この用 語は、タンパク質の変性、タンパク質の折り畳みの誤り、タンパク質共因子のキ レート化、タンパク質の架橋、ジスルフィド結合のような、鎖内結合および鎖間 結合の酸素依存性酸化および酸素非依存性酸化、タンパク質のアルキル化、個々 のアミノ酸の酸化、ならびにカドミウムのような重金属へ曝すことにより引き起 こされるタンパク質障害、を含むがそれに限定されない。 本明細書に用いられた用語「エネルギーストレス」は、細胞におけるATPレベ ルを冒す状態を含む。酸素の存在下での嫌 気性代謝、電子伝達の混乱、およびアンカップリング剤に曝すことを強いるのが エネルギーストレスの例である。 本明細書の用語「pHストレス」は、細胞内pHに混乱を引き起こす状態をいう。 すなわち、細胞内pHを約6.0を越えて減少させるかあるいは細胞内pHを約7.5を越 えて上昇させる。pHストレスは、例えば細胞をイオノフォアまたは他の細胞膜を 傷害する成分に曝すこと、あるいはフェノール性の酸(phenolic acid)のよう な弱い親水性有機酸に曝すことにより、引き起こされ得る。この用語はまた、細 胞膜障害または起電位エネルギーにおける減少による変化を含む。 用語「ストレスプロモーター誘導」は、アッセイ可能な遺伝子産物の発現レベ ルを増加するまたは減少するいずれかの状態をいう。 個々の細胞は、毒性の刺激に幾分か応答して特別な遺伝子を活性化し、そのタ ンパク産物が刺激を解毒するか、あるいはそれにより引き起こされる障害を修復 する。哺乳類細胞および細菌細胞は、障害およびストレスに対する多くの遺伝的 応答および生化学的応答を共有する。哺乳類に見いだされるほとんどのストレス 応答遺伝子に、密接に関連のある遺伝子が細菌で同定された。例えば、細菌のDN A修復酵素は、自身のDNA修復酵素を欠くヒト細胞を首尾よく補い得ることが示さ れた[E.Friedberg、「DNA修復」、Microbiol.Review,52,70頁(1988)]。従 って、ストレスへの細菌の応答は、高度の真核生物におけるストレス応答の理論 的に正確な予測となる。 少なくとも35個の異なる細菌ストレス遺伝子が、既に単離されて、特徴付けら れた。これらの遺伝子は、種々の化学ストレスまたは細胞障害により誘導される 。これらの同定された遺伝子の1つ以上を誘導する化学ストレスの中には、細胞 を水銀、重金属、酸化窒素、芳香族炭化水素、酸化度、塩基度、アルキル化剤、 過酸化剤、架橋剤、イオノフォア、酸化還元活性剤、およびアンカップリング剤 に曝すことが含まれる。これらの同定された遺伝子を誘導する細胞障害の例は、 脂質酸化、DNA鎖破壊、DNAアルキル化、DNA架橋、DNA酸化、浸透圧の不均衡、タ ンパク質酸化、タンパク質の折り畳み誤り、タンパク質アルキル化、ATPの消耗 、膜透過性、およびグルタチオン消耗である。多くの他のストレス遺伝子がある と考えられる。これらのさらなるストレス遺伝子の同定および特徴付けは、種々 の化学物質のストレスが細胞に及ぼす効果を理解するのに非常に望ましい。 本発明は、細胞内で引き起こされる障害のタイプ、すなわち、DNA障害、タン パク質障害、酸化還元障害などによって化合物の毒性を測定し、特徴付ける診断 用キットおよび方法を提供する。本発明のそれぞれの診断用キットは、それぞれ アッセイ可能な産物をコードする遺伝子に作動可能なように連結される細菌のス トレスプロモーターを有する複数の細菌宿主を含む。この構造は、細菌の染色体 またはプラスミドのような染色体外の要素に局在させ得る。好ましくは、この構 造は細菌細胞の染色体に単一のコピーとして存在する。 特定のストレスプロモーターの誘導または抑制の程度を、同じ宿主の未処置コ ントロールの培養物に比較して、アッセイ可能な産物のレベルで測定した。本発 明の方法およびキットは、化合物の毒性の測定および化合物により引き起こされ る細胞障害のタイプの特徴付けを可能にする。 本発明の診断用キットおよび方法に用いられるストレスプロモーターは、通常 は遺伝子が応答を制御する特殊なタイプのストレスに基づいて選択される。プロ モーターは遺伝子発現をコントロールするので、ストレスにより実際に誘導され るのはプロモーターである。従って、プロモーターが他のポリペプチドをコード する遺伝子に融合される場合、そのポリペプチドの発現は、プロモーターを誘導 する特定のストレスに曝されることにより影響される。 従って、特定のストレスプロモーターが化合物により誘導されることを測定す ること、およびその結果と、特定のストレスを引き起こすことが知られている化 合物に曝すことにより発生する標準曲線とを比較することにより、化合物が引き 起こす特定のタイプの細胞ストレスを予測し、特徴付け得る。 これは、化合物の耐えられる取り込みレベルを測定すること、およびその毒性と 相互関係が有り得る症状を予測することに関して重要である。さらに重要なこと に、本発明のキットおよび方法を用いて得られ得る情報は、毒性化合物に対する 有効な抗毒素を設計すること、および新規の薬物設計を最適にすることを可能に する。 本発明の診断用キットおよび方法は、複数の細菌宿主を用いる。これらの宿主 は、それぞれ全部で酸化還元ストレス、DNAストレス、タンパク質ストレス、エ ネルギーストレス、およびpHストレスに応答するプロモーターを含む。 好ましくは、本発明の方法およびキット中の酸化還元ストレスに応答するプロ モーターは、sodA、soi28、katG、ahp、rdc、gsh、zwf、およびmicF遺伝子のプ ロモーターから選択される。 sodA遺伝子は、スーパーオキシドジスムターゼをコードし、細胞が、パラコー ト、プラムバジン、メナジオン、ストレプトニグリン、メチレンブルー、および フェナジンメチルサルフェート(phenazine methyl sulfate)のような細胞内に スーパーオキシドラジカルを生成する化学物質に曝された場合に強く誘導される [A.Carliozら、EMBO.J.,5,623-30頁(1986);T.Kogomaら、Proc.Natl.A cad.Sci.USA,85,4799-803頁(1988);D.Touati、J.Bacteriol.,170,251 1-20頁(1988);F.Tsanevaら、J.Bacteriol.,172,4197-205頁(1990)]。sod A遺伝子はまた、1,10-phenanthroline、2,2'ビピリジル、およびEDTAのような金 属キレート剤により誘導される[D.Touati,前出]。sodA遺伝子の誘導は、定 常状態のスーパーオキシド濃度の増加に依存し、スーパーオキシドにより引き起 こされる細胞障害には必ずしも依存しない。 soi28遺伝子は、ピルベート:フラボドキシンオキシドレダクターゼをコード する。この遺伝子は、スーパーオキシド生 成試薬のみにより誘導される。詳細には、soi28遺伝子は、2つの小さなチオー ル--タンパク質(フラボドキシンおよびフェレドキシン)を含む--が酸化される 場合に誘導される。これらの還元型のタンパク質が、DNA合成に必要とされる。 従って、厳しいスーパーオキシドストレスが、DNA合成の中止を引き起し得る。 katG遺伝子は、P.C.Loewenら、J.Bacteriol.,162,661-67頁(1985)に記 載され、その開示は本明細書に参考として援用されている。katG遺伝子は、過酸 化水素誘導性カタラーゼ活性をコードする。詳細には、H2O2または細胞内でH2O2 の生成を引き起こす化合物により誘導され得る。しかし、katG遺伝子はスーパー オキシドを生じる化合物には応答しない。 ahp遺伝子は、過酸化水素および有機ヒドロペルオキシド、により誘導され、 両方とも外来性であり、タンパク質および脂肪酸の過酸化で形成される。ahp遺 伝子のクローニングおよび配列決定は、G.Storzら、J.Bacteriol.,171,204 9-55(1989)により記載され、その開示は本明細書に参考として援用される。ahp プロモーター−lacZ 融合物を、E.coliの脂肪酸合成および脂肪酸分解変異株に クローニングすることにより、脂質過酸化障害と外来性有機ヒドロペルオキシド とを区別し得る。fabB、fadEの遺伝子型に例示されるこのような株が、過酸化感 受性の脂肪酸を含む基質での増殖により、その脂肪酸を細胞膜に取り込むために 作製され得る。このような株におけるlacZのahpプロモーター制御された発現の 誘導で、化合 物が脂質過酸化を引き起こすことが示され得る。これは、同じ構造を有するE.c oli の野生株をアッセイすることにより確認し得る。同じ化合物が、後者の株( 野生株)においてはβガラクトシダーゼの発現を誘導しないことより、この化合 物は脂質過酸化を引き起こすが、有機ヒドロペルオキシドそのものではないこと が確認される。 rdcプロモーターは、チオール感受性のプロモーターについて発明者が付けた 名前であり、このプロモーターは、G.T.Javorら、J.Bacteriol.,170,3291- 95頁(1988)により記載され、その開示は本明細書に参考として援用されている。 このプロモーターは、チオグリセロールおよび他の強い還元剤により誘導される 。 gsh遺伝子は、グルタチオンシンセターゼをコードし、N-エチルマレイミドの ような細胞のグルタチオンレベルを枯渇させる化合物により誘導される。gsh遺 伝子はクローン化され、配列決定されている[H.Gushimaら、Nucleic Acids Re s .,12,9299-307頁(1985)、その開示は本明細書に参考として援用されている] 。 zwf遺伝子は、グルコース-6-ヒドロゲナーゼをコードし、スーパーオキシド生 成化合物および五酸化二窒素により誘導される[J.T.Greenbergら、Proc.Nat l.Acad.Sci.USA ,87,6181-85頁(1990)]。zwf遺伝子はクローン化され、配 列決定されている[D.L.Rowleyら、J.Bacteriol.,173,968-77頁(1991)、そ の開示は本明細書に参考として援用されている]。 micF遺伝子は、ポーリン遺伝子(porin gene)のompFの翻訳を停止するアンチ センスRNAをコードする。この遺伝子は、パラコートのようなスーパーオキシド 生成化合物により誘導される[J.T.Greenbergら、前出]。micF遺伝子はまた 、エタノールおよびヒートショックにより誘導される。micF遺伝はクローン化さ れ、配列決定されている[T.Mizunoら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81,196 6-70(1984)、その開示は本明細書に参考として援用されている]。 本発明の診断用キットおよび方法に用いられる他の酸化還元ストレスプロモー ターは、soi17およびsoi19を含み、スーパーオキシドに応答する[T.Kogomaら 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85,4799-803頁(1988)]。 本発明の方法およびキットで有用なDNAストレスに応答するプロモーターは、 好ましくは、dinD、ada、ada-alkA、leu-500、gyr、top、mutT、およびnfo遺伝 子のプロモーターから選択される。 dinD遺伝子は、DNA複製の停止に応答する大きなレギュロン(SOSレギュロン) の一部である。DNA複製の停止は、DNA鎖切断および「シクロブタンダイマー」を 含む限られたクラスのDNA損傷により最も頻繁に引き起こされる。dinDの典型的 な誘導剤は、マイトマイシンC、ブレオマイシン、および4-ニトロキノリンオキ シドのような化合物、ならびにUV照射への被爆を含む。dinDプロモーターは、細 胞が非常に高濃度のH2O2に曝される場合を除き(その結果DNA鎖破壊を生じる) 、酸化的DNA 障害に応答しない。dinDプロモーターはまた、一般的には、アルキル化DNA、ま たは酸化的に傷害されたDNAによっては誘導されない[S.Kenyonら、Nature,28 9,808-12頁(1981)]。 ada遺伝子は、アルキル化DNAに特異的に応答するタンパク質をコードする。そ れは、順番にそれ自身およびアルキル化DNAの修復に含まれる他の遺伝子(alkA およびalkB)を制御する。ada、alkA、およびalkB遺伝子が、同オペロンの全て である。DNAへのアルキル化障害には、0-6-アルキルグアニンおよび3-アルキル アデニンの生成が含まれる。ada遺伝子発現を誘導する公知のアルキル化剤には 、メタンスルホン酸メチル(MMS)、メタンスルホン酸エチル(EMS)、およびN- メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン(MNNG)が含まれる[B.Demple,Bioe ssays ,6,157-60頁(1987)]。ada遺伝子はクローン化され、配列決定されてい る[Y.Nakabeppuら、J.Biol.Chem.,260,7281-88頁(1985)、その開示は本明 細書に参考として援用されている]。 leu-500プロモーターは、Salmonella typhimuriumのロイシン生合成オペロン における変異プロモーターである。プロモーターの機能は、細胞中でのDNAスー パーコイルを増加することにより保存され得る[D.M.L.Lilleyら、Molec.Mi crbiol. ,5,779-83頁(1991)]。従って、StyphimuriumまたはE.coliのいず れかの宿主に挿入されたleu-500-lacZ 融合物は、スーパーコイルの増加を引き 起こす因子を検出し得る。 gyr遺伝子は、E.coliにおけるヘリカーゼ酵素の1つをコー ドする。酵素は、スーパーコイルを増加することにより、正しい程度のDNA超螺 旋をモニターし、そして維持する。DNA鎖架橋剤のような細胞中のDNAの超螺旋を 減少する因子が、gyrプロモーターを誘導する[K.Drlicaら、Biochemistry,27 ,2252-59頁(1988)]。 top遺伝子は、過度に巻かれたDNAにおいてスーパーコイルを除去するトポイソ メラーゼをコードする[K.Drlicaら、前出]。top遺伝子の転写は、超螺旋を増 加する処置により刺激される[Y.-C.Tse-Dinhら、J.Mol.Biol.,202,735-4 2頁(1988)]。従って、それは、スーパーコイルを減少する処置により誘導され るgyr遺伝子と逆の様式で応答する。酵母において、top遺伝子発現を誘導する因 子はまた組換えを誘導し、組換えがトポイソメラーゼにより容易にされることを 示唆する。従って、top遺伝子の誘導は「組換え原性(recombinogenic)」因子 を同定するために用いられ得、一般的に強い発癌性である。 mutT遺伝子は、8-オキソ-dGTPをGMPへと特異的に消化する15キロダルトンのタ ンパク質をコードする。8-オキソ-GTPは、X線照射、および多くの天然に存在す る酸化剤により生成される[H.MakiおよびM.Sekiguchi,Nature,355,273-75 頁(1992)]。mutTは、8-オキソ-dGTPの細胞での生成を引き起こす因子および状 態により誘導される。 nfo遺伝子は、酸化的障害に特異的なDNA修復酵素をコードする。詳細には、そ の障害は、3'グリコール化のような3'の保護基の形成であり、核酸のイミダゾ ール環を破壊するこ とにより形成される[B.Dempleら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,83,7731-35 頁(1986)]。他のDNA修復酵素は、このタイプのDNA障害に応答しない[S.Sapor itoら、J.Bacteriol.,170,5141-45頁(1988)]。nfoは、パラコートおよびメ ナジオンのような酸化還元活性物質により特異的に誘導される[S.Farrら、Mic robiol.Rev. ,55,561-85頁(1991)]。 DNAストレスに応答し、そして本発明の方法およびキットに用いられ得る他の プロモーターには、dnaAが含まれ、それはDNA複製に含まれ、複製を遮断する因 子により誘導されるタンパク質をコードする[C.Kenyonら、J.Mol.Biol.,16 0,445-57頁(1982)];sfiA、それはDNAの削除修復に含まれ、UV照射に曝すこと により誘導されるタンパク質をコードする[P.Quillardetら、J.Bacteriol., 157,36-38頁(1984)];nrd、それはDNA合成に必要であり、DNA合成を阻害する 因子により誘導されるタンパク質のリボヌクレオチドレダクターゼをコードする [P.Reichard,Ann.Rev.Biochem.,57,349-74頁(1988)];dinB、その機能 は未知であるが、DNAを傷害する因子により誘導される[G.C.Walkerら、J.Mo l.Biol. ,160,445-57頁(1982)];recA、それは一本鎖DNAの破壊およびDNA架 橋剤により誘導される[S.Caseragolaら、185,430-39頁(1982)];およびaidC 、それは嵩の高いDNAアルキル化剤により誘導される[R.Framら、Cancer Res. ,48,4823-26頁(1988)]。 本発明の方法およびキットに有用なタンパク質ストレスに応答するプロモータ ーは、rpoD、lon、clpB、merR、fepB-en tC、meto、およびgroE遺伝子から選択される。 rpoD遺伝子は、RNAポリメラーゼホロ酵素の一部であるシグマサブユニットを コードする。rpoDプロモーターは、ヒートショック応答を誘導する同じ状態全て に応答する強い「ヒートショック」プロモーターである[D.W.Cowingら、Proc .Natl.Acad.Sci.USA ,82,2679-83頁(1985)]。温度を上昇させるのに加え て、「ヒートショック」応答は、ほとんど全てのアルコール、およびいくつかの 重金属によっても誘導される。「ヒートショック」に対する細胞応答は、実際に は誤って折り畳まれた成熟タンパク質、および未だ折り畳まれていない初期タン パク質の濃度の増加に応答する。 lon遺伝子は、誤って折り畳まれたタンパク質を消化するATP-依存性プロテア ーゼをコードする[D.T.Chinら、J.Biol.Chem.,263,11718-28頁(1988)] 。それは成熟タンパク質の誤った折り畳みを引き起こす因子に応答する。 clpB遺伝子産物は、プロテアーゼ活性を有し、そして損傷タンパク質に結合し 得る。この遺伝子産物は、細胞が多数の損傷タンパク質を産生するときに誘導さ れる[M.Kitagawaら, J.Bacteriol.,173,4247-53 (1991)]。折り畳み誤り (misfolded)または切断型のタンパク質は、clpB遺伝子発現を誘導する。 merR遺伝子は、水銀元素およびほとんどの無機水銀化合物に反応する[W.Ros sら,J.Bacteriol.171,4009-18頁(1988)]。水銀は、タンパク質のチオール 基を修飾し、それに より酵素機能をしばしば阻害することになることで知られる。水銀はまた細胞膜 のスルフヒドリル基を変化させ得、これにより膜透過性および膜輸送性が変化す る。 fepB-entC遺伝子は、細胞への鉄輸送に必要であるペリプラズムタンパク質を コードする。fepB-entCの発現は、細胞内の利用可能な鉄の量により調節される 。低レベルの鉄が遺伝子を誘導するが、高レベルではその転写は遮断される[T .J.Brickmanら,J.Mol.Biol.,212,669-82頁 (1990)]。 meto遺伝子は、メチオニンスルホキシドレダクターゼをコードする。この遺伝 子は、酸化メチオニンにより誘導される。 groE遺伝子は、細胞成長の役割を有する。groE遺伝子産物はATPアーゼ活性を 有するが、その細胞機能はまだ理解されていない。groE遺伝子産物は、分子シャ ペロン(chaperon)タンパク質として機能することもまた知られている。proE遺 伝子はタンパク質の折り畳み誤りを引き起こす因子により誘導される[D.W.Co wingら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,2679-83 (1985)]。groEプロモータ ーの配列は報告されている[D.W.Cowingら,J.Mol.Biol.,210,513-20頁(1 989)、その開示は本明細書中に参考として援用されている]。 タンパク質ストレスに反応し、そして本発明の方法およびキットで用いられ得 る他のプロモーターとしては、以下が挙げられる:dnaK、これはタンパク質の折 り畳み誤りを引き起こす試薬により誘導される[D.W.Cowingら,Proc.Natl. Acad.Sci.USA ,82,2679-83 (1985)] ;およびrimK、これ は転写を阻害または妨害する因子により誘導されると考えられる[W.Kangら,M olec.Gen.Genetics ,217,281-88頁(1989)]。 本発明の方法およびキットに有用な、エネルギーストレスに反応するプロモー ターは、sdh、cyo、cyd、およびunc遺伝子のプロモーターから選択される。 sdh遺伝子は、電子をコハク酸から除去しシトクロムオキシダーゼに供与する 酵素である、コハク酸デヒドロゲナーゼをコードする[R.PooleおよびW.Engle dew,「Escherichia coli and Salmonella typhimurium」、F.C.Neidhardt, 編,ASM Press,Washington,D.C.,170-200頁 (1987)]。sdh遺伝子の発現は 、細胞内の酸素の存在により調節される。嫌気的条件または電子輸送が妨害され る条件下では、sdh遺伝子はオフ状態になる。従って、sdh-lacZ融合により調節 されるβ−ガラクトシダーゼの発現は、電子輸送に影響を及ぼす毒素の存在下で低下する 。 cyoおよびcyd遺伝子は、E.coliの2つのシトクロムオキシダーゼ遺伝子をコ ードする。cyo遺伝子は、細胞が正常な好気的条件下で成長するときには強く発 現されるが、嫌気的条件または呼吸を阻害する条件下では抑制される[S.Iuchi ら,J.Bacteriol.,172,6020-6025頁 (1990)]。従って、上記のsdh融合のよ うに、この遺伝子は、化合物が毒性であることを示すアッセイが可能な産物のcy oプロモーター制御発現を低下させる。対照的に、cyd遺伝子は呼吸を阻害する条 件下で誘 導され、そして正常な好気的成長条件下で抑制される。 unc遺伝子はF1-ATPアーゼサブユニットの1つをコードする。この遺伝子は、 細胞のエネルギー充足(ATPレベル)を低下させる因子(例えば、アンカップリ ング剤およびイオノホア)により誘導される[K.von Meyenbergら,EMBO J.,4 ,2357-63頁 (1985)]。 本発明の方法およびキットに有用な、pHストレスに対して反応するプロモータ ーは、hag、katF、micF、およびaniG遺伝子のプロモーターから選択される。 hag遺伝子は、細胞運動性に関与するタンパク質をコードする。細胞運動性は 、鞭毛運動まで細胞膜を横断するプロトン勾配を必要とする[M.J. Silverma nら,J.Bacteriol., 120,1196-1203(1974)]。イオンのフリーフローが膜 を横切ることによりpH勾配を崩壊させるいずれもの化合物が、hag遺伝子発現、 従って、hagプロモーターを誘導する。 katF遺伝子は、E. coliの2つのカタラーゼの一方のレギュレーターをコー ドする[Triggs-RaineおよびLoewen,Gene,52,121-28頁(1987)]。この遺伝 子は、細胞内pHを変化させる条件下、例えば、フェノール性の酸のような弱有機 酸にさらす条件下で誘導される。この遺伝子はまた、飢餓によっても誘導される 。 酸化還元ストレスプロモーターの章で記載されているmicF遺伝子もまた、膜損 傷および浸透圧変化の両方に反応する[J.T.Greenbergら,Proc.Natl.Acad .Sci.USA ,前出]。 エタノールおよびヒートショックの両方がmicF遺伝子を誘導することは公知であ る。 aniG遺伝子は、細胞内pHを変化させることにより誘導されるS. typhimurium 遺伝子である[Z.Aliabadiら,J.Bacteriol.,170,842-51頁(1988)]。ani Gプロモーターは、S. typhimurium宿主またはE.coli宿主において、本発明の 方法およびキットに用いられ得る。 pHストレスに反応し、そして本発明の方法およびキットに用いられ得る他のプ ロモーターとしては、以下が挙げられる:cps、これは莢膜多糖シンセターゼ遺 伝子をコードし、細胞膜損傷により誘導される[S.Gottesmanら,Molec.Micro biol. ,5,1559-606頁 (1991)]);proU[A.Barronら,J.Bacteriol.,16 7,433-38頁(1986)]これは浸透圧の上昇により誘導される;およびmdoA、こ れはペリプラズム膜多糖の合成に関与する酵素をコードし、膜損傷および浸透ス トレスにより誘導される[J.M.Lacroixら,Molec.Microbiol.,5,1745-53頁 (1991)]。 これらの上記プロモーターに加えて、新たに発見され特徴づけられた新規なス トレスプロモーターもまた、本発明の方法およびキットで用いられ得る。 新規なストレスプロモーターの同定のために、Mu dXファージの染色体ライブ ラリーまたはプラスミドライブラリーを調製し、スクリーニングする。このよう なライブラリーの調製は、T.A.Bakerら,J.Bacteriol.,156,970-74頁 (1 983) により記載されており、この開示は本明細書中に参考として援用されている。 染色体ライブラリーは、アンピシリン感受性細菌株、好ましくは完全なlacオ ペロンを欠失しているE. coliを、Mu dXでトランスフェクトすることにより作 製される。このファージは、lacZ遺伝子を有しているが、宿主染色体中にランダ ムに挿入される。これらの挿入によりいくつかは、ストレスプロモーター −lac Z融合を生じる。これらの融合を同定するには、アンピシリン耐性トランスフェ クト体を、特定のストレスの公知のインデューサーによるβ−ガラクトシダーゼ 発現の誘導をスクリーニングする。 プラスミドMu dXライブラリーは、lac-細菌宿主、好ましくはE. coliの染色 体DNAを単離し、そしてそれを制限酵素消化して構築される。得られる染色体フ ラグメントの中にはストレス遺伝子およびそのプロモーターの全体または一部を 含むものがあるが、これを、次いで、同様に消化したベクターにクローニングす る。このベクターは、アンピシリン耐性遺伝子を有さないが、好ましくは他の抗 生物質耐性遺伝子、すなわちテトラサイクリン耐性を有する。このようなベクタ ーの例は、pKT328である。得られるプラスミドライブラリーは、次いで、ampS、 tetS、lac-細菌株を形質転換するのに用いられる。ampR、tetR形質転換体が単離 され、次いでMu dXファージでトランスフェクトされる。このトランスフェクト 体は、アンピシリンおよびテトラサイクリンを含有する培地で生育 される。次いで、このプラスミドDNAは単離され、そしてampS、tetS、lac-細菌 株を形質転換させるのに用いられる。融合に対するスクリーニングは、所望の形 質転換体がampRおよびtetRの両者であることを除いて、上記のようにして達成さ れる。 プラスミドライブラリー法は、他の場合では致死となり得るストレス遺伝子中 にMu dX挿入部を検出することが可能であるので好適である。ストレス遺伝子の プラスミドコピーのみが、Mu dX挿入部を含む。従って、ストレス遺伝子の染色 体コピーは、依然として機能性であり、そしてストレスに対して反応し得る。 新規なストレスプロモーターを同定し、そしてアッセイ可能タンパク質をコー ドするDNAと融合物を作製する別の方法は、細菌染色体DNAのランダム制限酵素消 化フラグメントを特別に設計されたベクターへ挿入することを包含する。このよ うなベクターは、アッセイ可能タンパク質をコードするDNA配列の5’に位置す るように複数のクローニング部位を有している。このタイプの最も好ましいベク ターはpRS415である。細菌染色体フラグメントをこのようなベクターにショット ガン法により挿入した後、得られる組換えDNA分子を用いて、完全なlacオペロ ンを欠失しているが、他のすべての面では野生型である、細菌の株を形質転換す る。得られる形質転換体は、既知のストレスを引き起こす化合物でスクリーニン グされる。このような化合物の存在下でアッセイ可能タンパク質の発現 を変化させる、これらの形質転換体は、所望の機能を含んでいる。 本発明の診断キットおよび方法は、アッセイ可能遺伝子産物の発現を変化させ る特異的なストレスプロモーターの誘導に依存する。この発現レベルにおける変 化は、質的および量的に測定される。これらのキットおよび方法に有用であるた めには、特定のストレスプロモーターが、アッセイ可能産物をコードする遺伝子 に作動可能に連結されなければならない。用語「作動可能な連結」は、プロモー ターが、アッセイ可能産物をコードする遺伝子に対し、遺伝子の転写がプロモー ターにより調節されるように配置されることを意味する。このような配置は当該 分野では周知であり、その遺伝子の上流(5’)にプロモーターを配置して転写 終止シグナルがプロモーターと遺伝子に先行するシャイン−ダルガルノ部位との 間に存在しないようにする。 好ましくは、アッセイ可能産物をコードする遺伝子を有するDNAの断片は、遺 伝子のシャイン−ダルガルノ配列および転写開始コドンもまた含む。このように すると、ストレスプロモーターを有するDNAがアッセイ可能産物をコードするDNA に連結されるとき、適切なオープンリーディングフレームは問題ではない。これ は、たとえプロモーター DNAもまたシャイン−ダルガルノ配列およびストレス 遺伝子コード領域の一部を有していても当てはまる。このような構築物について 、十分な翻訳がアッセイ可能産物遺伝子のシャイン−ダルガルノ配 列により制御され、そしてその遺伝子の開始コドンで開始して、プロモーターの 誘導を検出する。 アッセイ可能遺伝子産物が、天然のストレス遺伝子産物のN末端部分を含む融 合タンパク質である構築物もまた、本発明の範囲内にある。これらの構築物にお いて、プロモーターを含有するDNAの断片もまた、少なくともストレス遺伝子産 物のN末端アミノ酸をコードするDNAを含む。このような構築物は、遺伝子発現 に転写レベルで影響するストレスを検出するのに有用である。これらの構築物に ついて、作動可能な連結は、ストレス遺伝子産物のN末端アミノ酸をコードする DNAが、アッセイ可能産物をコードするDNAと同じオープンリーディングフレーム にあるように、アッセイ可能産物の5’末端がプロモーターおよびストレス遺伝 子コード領域の部分を含むDNAの3’末端に連結されることを必要とする。この ような構築物について、プロモーターDNAがシャイン−ダルガルノ配列および転 写開始コドンを含んでおり、そしてアッセイ可能産物をコードするDNAがそれ自 身のシャイン−ダルガルノ配列を含まなければならないことは、当業者には明ら かである。 本発明のキットおよび方法におけるストレスプロモーターに作動可能に連結す る遺伝子の選択は、以下を満たす限り、本質的に限定されない:(1)アッセイ 可能産物をコードするDNA配列が特徴づけられている;および(2)遺伝子の産物 が検出され得る。十分な特徴付けは、全コード配列の情報、cDNA分子の利用性、 またはDNA配列内の十分数の制限酵素部位の情報 を包含し、これにより、ストレスプロモーターへの作動可能な連結を生じるため に遺伝子を操作することが可能になる。 好ましくは、アッセイ可能産物は、β−ガラクトシダーゼ(lacZ遺伝子により コードされる)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(cat遺伝 子によりコードされる)、ガラクトースキナーゼ(galK遺伝子によりコードされ る)β−グルコシダーゼ(gus遺伝子によりコードされる)、グルタチオントラ ンスフェラーゼ、またはルシフェラーゼ(lux遺伝子によりコードされる)であ る。最も好ましくは、lacZ遺伝子が用いられる。 本発明の診断キットおよび方法で用いられる宿主中に存在するストレスプロモ ーター −アッセイ可能産物融合物は、当該分野で周知の標準組換えDNA法を用い て作製され得る。この方法の選択は、その株で用いられるべき特定のストレスプ ロモーターについて何が知られているかに依存する。もしストレス遺伝子がプラ スミドにクローニングされていれば、上記のMu dX挿入法がストレスプロモータ ー −アッセイ可能遺伝子産物融合物の形成に用いられ得る。この場合においてM u dXを用いるのに唯一必要なものは、アンピシリン耐性をコードしないストレス 遺伝子を有するプラスミドである。機能的融合物のスクリーニングは、形質転換 体を特定のストレス遺伝子を誘導することが公知であるストレスにさらすことに より達成される。上記Mu dXトランスフェクションプロトコルのいずれについて も、ストレスにさらされる細菌株は、lac以外のす ベての遺伝子について野生型の表現型を有することが好ましい。ストレスプロモ ーター −アッセイ可能産物融合物を有するのに好ましい株の例は、E. coli S F1株である。 ストレス遺伝子のヌクレオチド配列が公知であれば、ポリメラーゼ連鎖反応法 が、lacZまたは他のアッセイ可能タンパク質の融合物を生成するのに用いられ得 る。より詳しくは、遺伝子のストレスプロモーター部分の5’末端および3’末 端に相補的なプライマーを合成し、適当な条件下で変性した細菌全DNAにハイブ リダイズし、PCRを行う。このようにすると、いかなるストレスプロモーターで もクローニング可能な量が得られ得る。いったんストレスプロモータ −DNAが得 られると、これは、pRS415のような、lacZ遺伝子からちょうど上流に複数のクロ ーニング部位を有する適切なベクター中で、アッセイ可能タンパク質をコードす るDNAに連結される[R.Simonsら,Gene,85-96頁(1987)]。このような方法 は当該分野で周知である。 特定のストレスプロモーター −アッセイ可能産物構築物を最終的に有し、従 って本発明の方法および診断キットに有用な細菌株の選択は、その株がアッセイ 可能産物をその形質転換されていない状態で合成することができないことによっ てのみ限定される。最も好ましくは、用いられる株は、ストレスプロモーターと 同種である。株はまた、他のすべての遺伝子、特にストレス遺伝子が野生型であ る必要がある。このようにすると、アッセイ可能産物を産生するのに誘導される ス トレスプロモーターの別のコピーに加えて、適切にストレスに対して反応し得る 宿主ストレス遺伝子の染色体変形が存在する。好ましい株は、E. coli SF1株 であり、これは本発明者らにより作製されたものであり、以下に記載する。 本発明のキットおよび方法における種々のストレスプロモーターの誘導のレベ ルを比較するために、本発明の方法およびキットで用いられる各ストレスプロモ ーター −リポーター遺伝子融合のコピー数が同じであることが望ましい。これ らの融合を有するプラスミドは細胞あたりのコピー数にかなり差を生じ得るので 、コピー数を均一化する最も好ましい方法は、ストレスプロモーター −リポー ター遺伝子構築物を細菌染色体に組み込むことである。このようにすると、各融 合物はシングルコピーで存在する。 細菌染色体への組み込みを達成する最も好ましい方法は、バクテリオファージ を使用することである。融合物を含むベクター上の2つのDNAセグメントに相同 な2つまたはそれ以上の別個のDNA領域を含むいずれのファージも用いられ得る 。これらの相同性のある二つの領域により、ファージがベクターを有する細胞に 感染したとき、ベクターとファージとの間で二重の組換えを生じさせる。このこ とにより、ベクターのファージゲノムへの組み込みが可能になる。このようなバ クテリオファージの例はλRS88であり、これは、アンピシリン耐性遺伝子および β−ガラクトシダーゼに相同なDNA領域を含む溶菌欠陥ファージである。 組み込まれた融合物を有するファージは、融合物中の特定のストレス遺伝子を 誘導する化合物の存在下で、ファージを細菌上に接種して、リポーター遺伝子発 現によるプラークアッセイにより同定される。次いで、陽性プラークが単離され 、その中のファージが溶原条件下での細菌感染に用いられる。最も好ましくは、 このプロセスで用いられるファージは、溶菌欠陥性であり、すなわち、ファージ DNAは、正常な溶菌サイクルを誘導する条件下で、細菌染色体から飛び出し得な い。 本発明のキットおよび方法で用いられる各細菌宿主は、ただ1つの特定のスト レスプロモーター −アッセイ可能遺伝子産物融合物を有することが好ましい。 このようにすると、いかなる特定の宿主においても、化合物がアッセイ可能遺伝 子産物の発現を誘導すれは、その化合物により引き起こされる特定の種類のスト レスが明確に同定され得る。しかし、本発明の方法およびキットで用いられ得る 一部のストレスプロモーターは、1種以上のストレスに反応し得ることを理解し ておく必要がある。例えば、sodAプロモーターは、スーパーオキシドおよび金属 キレーターの両方により誘導される。 複数の種類のストレスに対して反応するプロモーターが本発明のキットおよび 方法で用いられるとき、これらのストレスの1つのみに反応する別のプロモータ ーを有する宿主もまた用いられることが好ましい。このようにすると、化合物に より引き起こされるストレスの性質がより正確に決定され得る。従って、soi28 プロモーター −アッセイ可能遺伝子産物融 合物を有するE. coli宿主(スーパーオキシドにのみ反応する)の使用は、sodA プロモーター融合物を有する宿主と共に用いられ得る。宿主のこの組み合わせに より、後者のプロモーターの誘導がスーパーオキシド形成によるか、または金属 キレート形成によるかを決定することが可能である。最も好ましい実施態様によ れば、本発明のキットおよび方法は、β−ガラクトシダーゼに融合される以下の プロモーターを用いる:soi28、dinD、hag、 ada、 gyr、katG、nfo、c1pB、mer R、top、cyd、micF、zwf、groE、katF、およびaniG。ストレスプロモーターの各 融合物は、異なる宿主の細菌染色体に組み込まれたシングルコピーとして存在す る。aniGを除くすべての融合物は、好ましくはE. coli SF1株である。aniG融 合物は好ましくはS. typhimurium株である。 いくつかの化合物は、その天然型では哺乳類にとって毒性ではないが、肝臓に より処理された後毒性になることが知られている。従って、本発明の別の実施態 様によれば、本発明の方法およびキットで試験される化合物は、S9肝臓抽出物で 前処理される。S9肝臓抽出物(「S9」)を調製する方法は、S.Vennittら, Mu tagenicity Testing - A Practical Approach ,S.Vennittら,編,IRL Press, Oxford,England,52-57頁(1984)に記載されており、この開示は本明細書中 に参考として援用されている。S9は、本質的には、低速遠心分離により取り除か れる不溶性粒子を有するラット肝の粗ホモジネートである。S9は、NADPを含むカ リウム緩衝液試験化合物とイン キュベートされるが、これは哺乳類肝臓により正常に行われるステージIおよび ステージIIの生体内変化を模倣する。 本発明の方法およびキットを用いる未知の毒性の化合物におけるアッセイを実 行する前に、少なくとも1つの、好ましくは3つの、それぞれ特異的なストレス プロモーターを誘導することが知られている化合物を用いる標準曲線が、好まし くは作成され、これは未知の化合物をスクリーニングするのに用いられる。それ ぞれの既知の化学物質は、より好ましくは、誘導することが知られているプロモ ーターだけでなく、すべてのプロモーターに対して試験されるべきである。そし て、それぞれの化学物質は、有用な標準曲線、好ましくは1ピコモルから1ミリ モルまで、を提供するために、十分に広い範囲の濃度範囲についてアッセイを行 う必要がある。 いったん標準曲線が作成されると、それらの曲線を含むコンピューターデータ ベースが作成される。このデータベースは、次いで、試験されるべき化合物のス トレスプロモーターー誘導プロフィールを、標準曲線を作成するのに用いられる 毒素のストレスプロモーター −誘導プロフィールと比較するのに用いられる。 従って、未試験化合物に対する結果は、ストレスプロモーターの既知のインデュ ーサーに比較した相対的毒性によって表される。 本発明の特徴づけおよび毒性測定の各方法は、個々の上記細菌宿主のそれそれ を別々に培養する最初の工程を包含する。宿主は、対数相または定常相になるよ うに生育されなければ ならない。生育は、最小培地(例えば、グルコース補足M9培地)またはLBで行わ れ得る;用いられる細菌の株に依存して、アンピシリンまたはテトラサイクリン のような抗生物質を含んでまたは含まないで行う。30℃と37℃との間の生育温度 が用いられ得る。ストレスプロモーター −アッセイ可能産物融合が温度感受性 ファージ(例えば、Mu dX)によるトランスフェクションにより達成された場合 、この範囲の最低点が望ましい。宿主を生育させた後、600nmでの培養吸光度(O D600)により細胞濃度を測定する。約0.1と0.2との間のOD600が最も好ましい。 この初期培養後、試験されるべき化合物を各培養物に加えられる。初期テスト に対して、この化合物について、ミリモルからピコモルまでの範囲の、1シリー ズの10倍希釈液が用いられる必要がある。また、S9画分とプレインキュベート しておいた化合物の別のシリーズの希釈液が調製され、各培養物の第二部分に加 えられる。各培養物の第三部分は化合物にさらされず、細胞の全体成長における 化合物の影響の測定およびアッセイ可能遺伝子産物のベースライン測定の両方の コントロールとして用いられる。化合物にさらす直前の培養物のOD600が記録さ れる。 すべての培養物(コントロールおよび処理)は、次いで5分から24時間までの 範囲の間、正常な生育温度でインキュベートされる。より好ましくは、毒性化合 物または試験化合物にさらす時間は、約2から4時間である。このようにさらに インキュベートした後、処理培養物およびコントロール培養物の一部を用いて、 OD600を測定することによって成長の比較を測定する。コントロール培養物およ び処理培養物の別の部分が、アッセイ可能遺伝子産物レベルを測定するのに用い られる。アッセイ可能産物が細胞質に局在するのであれば、宿主は特定のアッセ イを行う前に溶解されなければならないことを、当業者は認識している。細菌を 溶解する方法は当該分野で周知であり、以下を包含する:機械的方法(例えばホ モジナイゼーション);酵素的方法(例えばリゾチーム処理);および細胞壁溶 解法(例えばトルエンおよびクロロホルムによる処理)。他方で、アッセイ可能 産物が宿主から分泌されるならば、アッセイに対して培養液のみが用いられる必 要がある。 アッセイ可能産物は細胞からいったん放出されると、定量され得る。定量は、 当業者に周知の多くの方法により行われ得る。例えば、発現産物が酵素である場 合、比色基質が用いられ得る。特異的な酵素に対する適切な比色基質は、当該分 野で周知である。あるいは、特異的抗体を用いるアッセイ、例えばRIAまたはELI SAは、発現産物を検出するのに用いられ得る。mRNAレベルを検出するアッセイ、 例えばノーザンブロットは、誘導を検出するのに用いられ得る。最も好ましい実 施態様では、発現産物、β−ガラクトシダーゼは、比色基質、o-ニトロフェニ ルガラクトース(ONPG)を用いることによりアッセイされる。反応は、420nmお よび550nmでの吸光度を測定 することにより分光光度計で定量される。 用いられるアッセイの性質に依存して、溶解培養液または上清の緩衝液条件が 調整される必要があり得る。従って、特定のアッセイに最適な条件が得られるよ うに、適切な緩衝液が溶解培養液または上清に加えられ得る。例えば、アッセイ 可能産物がRIAまたはELISAにより検出されるべきである場合、最大抗体抗原複合 体形成を最大に生じさせ、そして非特異的抗体結合を最小にするために、緩衝液 条件は中性pHに調整されなければならない。このような条件は当該分野で周知で あり、50mMリン酸緩衝液、150mM NaCl、pH 7.0の最終緩衝液条件により例示され る。アッセイ可能産物が酵素であり、そして検出が比色基質アッセイにより達成 される場合、緩衝液条件は、酵素活性を最大にし、そして基質の非触媒的開裂を 最小にするように最適化されなければならない。これらの条件は従来的であり、 そしてアッセイされるべき酵素に依存して変化する。 (間接的に比色基質を用いるELISAアッセイとは逆に)直接的に酵素発現産物 を測定する比色基質を用いるアッセイについては、反応時間が記録されなければ ならない。これは、時間は活性測定の要素であるからである。従って、このよう なアッセイでは、すべての培養物において発現産物と比色基質との反応を同時に 停止させる必要はない。しかし、明らかに、特定のコントロール試料の反応は、 いずれにおいても対応する試験試料と同じ時間で停止する。種々の酵素/基質反 応を 停止させる方法を、当業者は認識している。もっとより好ましくは、複数の試料 における反応は、装置、例えばマルチウエルプレートリーダー、の使用の間中、 同時にモニターされる。このような装置を用いるとき、時間に対する吸光度をプ ロットする曲線が作成される。次いで、リポーター遺伝子産物活性が、時間の経 過における吸光度変化として、すなわち、作成曲線の直線部分の傾斜で表される 。リポーター遺伝子産物活性を測定するこの好ましい方法を用いることにより、 比色反応を停止させる必要がなくなる。 本発明の最も好ましい実施態様によれば、アッセイ可能産物はβ−ガラクトシ ダーゼであり、宿主細胞はクロロホルムの添加により溶解され、そしてアッセイ の最適条件は、0.06M Na2HPO4-7H2O、0.04M NaH2PO4-H2O、0.01M KCl、0.001M M gSO4-H2O、0.05Mβ−メルカプトエタノール、pH 7.0である。必要であれば、反 応は、Na2CO3の添加により、好適に停止させる。 上記測定から集めたデータを用いて、細胞成長(OD600測定)に対する試験化 合物濃度、およびストレスプロモーター誘導レベル(産生されるアッセイ可能産 物の量または割合により決定される)に対する試験化合物濃度をプロットする。 前者のプロットは、本発明のキットおよび方法で用いられる一部の形質転換宿 主は高濃度の試験化合物にさらされると致死となり得るので重要である。従って 、ストレスプロモーターの特異的誘導の正確な読み取りは、試験化合物の濃度に 対しては得られ得ない。しかし、特定のストレスプロモーターの付随誘導なしで 細胞死が引き起こされるならば、試験化合物は毒性であるが、特定のストレスを 引き起こさないことが明らかである。このことにより、試験化合物に対して、別 の融合物が試験されなければならないことが示され得る。 個々の化合物が毒性でなくても、非毒性の化合物の組み合わせが実際には毒性 であり得ることが知られている。従って、本発明のキットおよび方法はまた、上 記と同一の方法で既知および未知の化合物の組み合わせの潜在毒性を決定するの にも用いられ得る。 別の実施態様によれば、本発明は、本発明の方法により毒性であると決定され た化合物に対する抗毒素を同定する方法を提供する。上記のように、いったんス トレスプロモーター誘導/抑制プロフィールが未知の化合物で作成されると、そ のプロフィールは、データベースにおいて既知の化合物のプロフィールと比較さ れる。未知の化合物に対する潜在的な抗毒素は、類似のストレスプロモーター誘 導/抑制プロフィールを有する化合物に対する既知の解毒薬である。このような 抗毒素の効力を試験するために、ストレスプロモーターアッセイは、未知の化合 物により誘導または抑制されたストレスプロモーターを含むそれらの宿主のみを 用いて繰り返される。それら各宿主は、誘導/抑制濃度の未知の化合物を加える 前に、種々の濃度の提案された抗毒素とプレインキュベートされる。提案された 抗毒素とのプレインキュベーションが未知 の化合物の効果を低下させるか、または無効にするならば、このような抗毒素は 効果的であると考えられる。 最後に、本発明は、活性薬剤設計を改善する方法を提供する。この実施態様に よれば、新規な薬剤は、まず上記のキットおよび方法のいずれとも試験され、そ してその毒性が決定される。このような方法により提供される情報は、薬剤の毒 性の細胞メカニズムを示す。示される特定の細胞損傷を引き起こすと考えられる 部分は、次いで、その部分が薬剤の薬学的活性において働く役割に依存して適切 に改変または除去され得る。得られる改変薬剤は、次いで、本発明のキットおよ び方法で追試され、その毒性が十分に低減されたか、または除去されたかを決定 する。この方法により改良され改変された薬剤もまた、本発明の範囲内にある。 本明細書中に記載の本発明がより十分に理解され得るために、以下の実施例が 記載される。これらの実施例は単に説明の目的のためであって、いかなる方法に よっても本発明を限定するように解釈されない。 以下に記載する特定の基礎的な分子生物学技術は、詳細には記載されない。こ のような技術は当該分野で周知であり、Molecular Cloning - A Laboratory Ma nual Second Edition ,J.Sambrookら,編,Cold Spring Harbor Laboratory Pr ess,New York(1989)に記載されており、この開示は本明細書中に参考として 援用されている。 実施例1 ストレスプロモーター − lacZ融合物を 作製するためのファージMu dXの使用 Mu dXファージは、アンピシリン耐性遺伝子ならびにlacZおよびlacY遺伝子を 有する。ファージは、ある形質導入体において、ファージが有するlacZおよびla cY遺伝子を、挿入される遺伝子またはオペロンのプロモーターの制御下に置くよ うな方法で、遺伝子またはオペロンにランダムな挿入を行う。これらの生産的挿 入のいくつかは、ストレス誘導性遺伝子で生じる。このような挿入は、ストレス プロモーターを誘導する条件下で、lacZの発現を増強または低下させるアンピシ リン耐性形質導入体をアッセイすることにより選択された。MudXファージはいく ぶん温度感受性であるので、全ての培養物を、37℃ではなく30℃で増殖させた。 I. Mu dX溶解物の調製 Mu dX溶解物を調製するために、J.H.Kruegerら、Meth.Enzymoy.,100,pp .501〜09(1983)に記載される方法を用いた。この文献の開示は本明細書中に 参考として援用されている。特に、Mu dXバクテリオファージおよびMuC温度感受 性ヘルパーバクテリオファージの両方が染色体中に挿入されているEcoli MAL1 03細胞を、28℃、LB + アンピシリン(70μg/ml)で、108細胞/mlの密度に達す るまで増殖させた。次いで、増殖温度を20分間で43℃にし、そして60分間、また は溶菌している のが明らかとなるまで、37℃に戻した。次いで、1%v/vのクロロホルムを加 え、そして室温でさらに5分間、培養物をインキュベートした。次いで、培養物 を8,000rpmで5分間遠心分離し、上清を滅菌チューブに取り、そしてペレットを 新鮮なLB中に再懸濁した。この懸濁液を8,000rpmで5分間再度遠心分離し、そし て得られた上清を最初の上清に加え、そしてこれを1%v/vクロロホルム中、4゜ Cで保存した。 II. 公知のストレスプロモーターでlacZ融合物 を作製するためのMu dXの使用 ストレス遺伝子が既に同定され、そしてプラスミド上にクローン化されたとき 、以下の技法を用いてストレスプロモーター −lacZ融合物を作製した。まず、 プラスミドを有するEcoli株はAmpSでなければならず、そしてプラスミドは 、好ましくは、AmpR以外の薬物耐性マーカーを含むべきである。LB中30℃で、109 細胞/mlの濃度になるまで、プラスミドを有する細胞を増殖した。次いで細胞を 遠心分離し、そしてペレットをLBの元の容量の1/2に再懸濁した。CaCl2を2.5mM の最終濃度になるまで加え、そして細胞を氷上に保存した。 25mM MgSO4、1mM CaCl2中に、上記I部に記載のファージ溶解物の一連の4つ の10倍希釈液を作製した。次いで、100μlの各ファージ希釈液と100μlのEc oli 細胞とを混合し、そして30℃で20分間インキュベートした。次いで細胞を遠 心分離し、そして上清を廃棄した。ペレットを2mlのLBに再懸濁し、 そして30℃で100分間インキュベートした。次いで、クロラムフェニコールを培 養物に加え(最終濃度15μg/ml)、そして30℃でさらに3時間インキュベート した。次にプラスミドミニプレップ(plasmid mini-prep)を行った。次いで、 得られたプラスミドを用いて、lac-,AmpS E. coli株を形質転換し、このときC ELL-PORATOR(エレクトロポレーション装置)[BRL,Bethesda,MD]を用い、そ して製造業者の指針に従って行った。LB + アンピシリン(70μg/ml) + X-gal (40μg/ml)プレート上に形質転換体を塗り付けた。このプレートはまた、元 のプラスミドが抗生物質耐性遺伝子を含むならば、必要に応じて適切な抗生物質 を含有した。30℃で一晩形質転換体を増殖させた後、100個の青色コロニーを拾 い出し、そしてそれらを同じ培地を含む2つの同一のプレート上に再度塗り付け た。培地のうち一つは、プラスミドに含まれる特定のストレス遺伝子を誘発また は抑制する薬剤をさらに含んだ。 添加した薬剤によりストレス遺伝子の誘導が引き起こされたならば、誘導薬剤 を含有するプレート上のこれらの濃青色コロニーは、lacZ遺伝子とクローン化し たストレス遺伝子のプロモーターとの間の融合物を含んでいたことになる。反対 に、薬剤がストレス遺伝子を抑制するならば、薬剤含有プレート上の非常に淡い 青色または白色のこれらのコロニーは、所望の構築物を含むものとして選択され た。このような構築物の確認は、以下に記載するβ−ガラクトシダーゼアッセイ を用いて達成された。 III. 公知のストレスプロモーターでlacZ融合物を含む ライブラリーを作製するためのMu dXの使用 以下に記載する2つの方法論によって、今までに知られていないストレスプロ モーターが発見された。 A.染色体ライブラリー 上記のII部に記載されるように、指数的に増殖しているE. coli株の培養物( 全てのlacオペロンが欠失している)を、0.1〜0.2の感染の多重度で、ファージM u Dxに感染させた。形質導入体を、30℃で、LB + アンピシリン(70μg/ml)プ レート上での増殖により選択した。次いで、所定のストレスを誘発する薬剤の存 在下または非存在下で、LB + X-gal(40μg/ml)レプリカプレート上に、形質導 入体を塗り付け、そしてそのプレートを30℃で一晩インキュベートした。薬剤の 存在しないコロニーと比較して、薬剤の存在下で色の強度が著しく異なるコロニ ーを選択した。 次いで、これらの選択したコロニーの培養物を、以下に記載するように、β− ガラクトシダーゼ活性の誘導性または抑制に対してアッセイした。 B. プラスミドライブラリー この方法論は上記の方法論と類似しているが、ストレス遺伝子へのMu Dxファ ージの挿入により引き起こされるいかなる潜在的な致死をも避けることによって 、その遺伝子を不活性化させる。 特に、プラスミドpKT218(AmpS, TetR)は、プラスミドの単 一部位を切断するPstlで完全に切断される。次いで、サンプルをフェノール/ク ロロホルムで不活性化し、そして酢酸ナトリウム/EtOHを用いてDNAを沈殿させ る。次いて、自己アニーリングを避けるために、ベクターを細菌性アルカリホス ファターゼで処理する。 全てのlacオペロンを欠失しているが、他の全ての局面においては野生型であ る、E. coliの菌株からゲノムDNAを単離する。次いで、単離したDNAをPstlで部 分的に切断する。切断後、酵素を不活性化させるために、サンプルをフェノール /クロロホルムで処理する。次いで、酢酸ナトリウム/EtOH法を用いて、制限切 断したDNAを沈殿させる。 次いで、切断した染色体DNAを、対応するように切断したベクターに連結させ る。連結混合物を用いて、受容能力のあるE. coli lac-細胞をエレクトロポレー ションで形質転換する。3C、LB + テトラサイクリン中で、形質転換体を、それ らが定常期に達するまで増殖させる。次いで、クロラムフェニコール(15μg/m lの最終濃度)を加え、そして培養物を30℃でさらに3時間インキュベートする 。次いで、プラスミドを培養物から単離し、そしてエレクトロポレーションの技 法を用いてlac-,TetS株を形質転換するために用いる。次いで、LB +テトラサイ クリン中で、形質転換体を、それらが対数増殖期に達するまで増殖させる。 次いで、上記のように、0.1〜0.2の感染の多重度で、形質転換体をMu Dxに感 染させる。次いで、形質導入体を、LB + アンピシリン(70μg/ml)+テトラサイクリンのプレート上に塗り付け、そし て30℃で一晩増殖させる。次いで、所定のストレスを誘発する薬剤の存在下また は非存在下で、X-gal(40μg/ml)レプリカプレート上に、個々のコロニーを塗 り付け、そしてそのプレートを30℃で一晩インキュベートする。薬剤の存在しな いコロニーと比較して、薬剤の存在下で色が著しく異なるコロニーを選択する。 次いで、これらのコロニーの培養物を、以下に記載するように、β−ガラクト シダーゼの誘導または抑制に対してアッセイした。 実施例2 ストレスプロモーター − lacZ融合物を作製するためのpRS415の使用 I. 未知のストレスプロモーターでストレスプロモーター −lacZ融合物を作製するためのpRS415の使用 プラスミドpRS415は、lacZ遺伝子およびその遺伝子からすぐ上流にある多重ク ローニング部位を含む。このことは、R.Simonsら、Gene,pp.85〜96(1987)に 記載されており、この文献の開示は本明細書中に参考として援用されている。 pRS415のSmaI部位は、任意の制限酵素で切断され、次いでエキソヌクレアーゼ で平滑末端化される染色体DNAのショットガンクローニングを可能にする。以下 に記載する全ての技法は、分子生物学の分野では標準的なプロトコールであり、Mo lecular Cloning - A Laboratory Manual Second Edition ,J.Sambrookら編、C old Spring Harbor Laboratory Press,New York(1989)に記載されている。 詳細には、全てのlacオペロンを欠失しているが、他の全ての局面においては 野生型である、E. coliの菌株からゲノムDNAを単離する。次いで、単離したDNA を、4塩基対の標的物で切断する任意の制限酵素で部分的に切断する。切断後、 酵素を不活性化させるために、サンプルをフェノール/クロロホルムで処理する 。次いで、酢酸ナトリウム/EtOH法を用いて、制限切断したDNAを沈殿させる。 必要であれば、次いで、サンプルをS1ヌクレアーゼで切断して平滑末端とし、次 いで酢酸ナトリウム/EtOHで再び沈殿させる。 同時に、pRS415をSmalで切断する。次いで、サンプルをフェノール/クロロホ ルムで不活性化し、そして酢酸ナトリウム/EtOHを用いてDNAを沈殿させる。次 いで、自己アニーリングを避けるために、ベクターを細菌性アルカリホスファタ ーゼで処理する。 次いで、切断された染色体DNAを、対応するように切断したベクターに連結さ せる。連結混合物を用いて、受容能力のあるE. coli lac-細胞をエレクトロポレ ーション(CELL-PORATOR装置を用いる)により形質転換する。形質転換後、形質 転換体を希釈し、そして1000コロニー/プレートの密度で、LB + アンピシリン (70μg/ml) + テトラサイクリン + X-gal(40μg/ml)のプレート上に塗り 付ける。37℃で一晩増殖させ た後、上記プレートのレプリカプレートを、同じ培地の二つのプレート(一つは 、所望のストレスを生じる化合物が添加されており、もう一つは添加されていな い)上に作製する。pRS415ベクター中の挿入された誘導性プロモーターを含む形 質転換体は、ストレス化合物含有プレート上では、コントロールプレート上より も濃い青色である。反対に、ストレスにより抑制されるプロモーターとlacZとの 融合物を含む形質転換体は、上記化合物含有プレート上では、淡い青色または白 色である。 誘導性または抑制は、以下に記載するβ−ガラクトシダーゼアッセイの一つを 用いて、そしてストレス誘導化合物の濃度を変化させると、個々の正のクローン で確認する。 II. 公知のストレスプロモーターでストレスプロモーター −lacZ融合物を作製するためのpRS415の使用 A. PCR増幅を用いる公知のストレスプロモーター DNAフラグメントの作製 ストレス遺伝子の配列が分かり、そしてプロモーター領域が存在しているとき 、ストレスプロモーターを増幅するためにPCRプロトコールを用いる。特に、ス トレスプロモーターの5’および3’末端に相補的である、一対のプライマーが 設計される。増幅される領域は、通常は300〜800塩基対の範囲内であり、そして プライマーの長さは約15〜25ヌクレオチドの範囲である。 プライマーを合成すると、周知のPCRの条件を用いて、それらをゲノムDNAとハ イブリダイズさせる(例えば、MolecularCloning - A Laboratory Manual Secon d Edition ,J.Sambrookら編、Cold Spring Harbor Laboratory Press, New Yo rk(1989)を参照のこと)。特に、PCR反応は以下の成分を含む:ゲノムDNA(0. 5μg)、dNTP(各200μM)、プライマー(各30ピコモル)、およびTaqポリメラ ーゼ(2.5単位)。典型的には、PCRを30サイクル行い、各サイクルは、サンプル を1分間で95℃まで加熱する工程、15秒間で54℃まで冷却する工程、次いで3分 間て73℃まで再加熱する工程を包含する。最終サイクルの最終工程では、サンプ ルを、3分間ではなく、10分間で73℃まで加熱する。 PCR反応が完結した後、いかなる突出部(overhang)でも補充するために、1 単位のクレノウフラグメントを添加する。 B.公知のストレスプロモーターDNAフラグメントのpRS415中のLacZ遺伝子への 融合 増幅された、ストレスプロモーターを含むDNAフラグメントを精製し、次いで 細菌性アルカリホスファターゼで処理しておいたSmaI切断pRS415に連結する。次 いで、連結混合物を用いて、lac-、AmpS E. coli細胞をエレクトロポレーション により形質転換する。形質転換体をLB+アンピシリン(70μg/ml)+X-gal(40 μg/ml)上に塗り付ける(plate)。淡青色または濃青色のコロニーを選別し、 そしてレプリカを2個のプレート 上に塗り付ける。一方のレプリカプレートは、LB+アンピシリン(70μg/ml) +X-gal(40μg/ml)を含む。他方は、同じ成分と、特定のプロモーターを誘導 または抑制することが知られている化合物とを含む。ストレス誘導したプロモー ターについては、30℃で一晩増殖した後の、化合物含有プレート上のより濃い青 色のコロニーが、所望のプロモーター−LacZ融合物を含む。ストレス抑制したプ ロモーターについては、化合物含有プレート上のより淡い青色または白色のコロ ニーが、適切な融合物を含む。 実施例3 E. coli株SF1の構築 SF1は、E. coli K12株GC4468の誘導体である。親菌株は、F-thirpsL、Δ (lac-pro)169遺伝子型を有する。thi変異のために、親菌株は、増殖のために チアミンを必要とする。本発明の好ましい宿主は、lac以外の全ての遺伝子につ いて野生型であるべきである。従って、M9+グルコース培地を含むプレートに約 1010個のGC4468細胞を塗り付けることにより、SF1を作製した。このような培地 で増殖したコロニーは、thi +遺伝子型に復帰変異しなければならない。1つのこ のようなコロニーを選別し、そしてSF1と命名した。 SF1株の1サンプルを、アメリカンタイプカルチャーコレクション(「ATCC」 )、12301 Parklawn Drive、Rockville、Maryland 20852に、1992年6月26日に 寄託し、そして受託番号5 5337が与えられた。 実施例4 ストレスプロモーター −LacZ融合物の宿主菌株間の移動のためのP1溶解物の手 この手順により、ストレスプロモーター −lacZ融合物を、1つの宿主菌株か ら他の宿主菌株へ移動させた。この方法では、診断用キット中の全てのストレス プロモーター −lacZ融合物を、同じ宿主細胞のバックグランド中に入れ得る。 この技法を用いて、全てのストレスプロモーター −lacZ融合物を、SF1株の中に 入れた。 P1ファージは、それ自体の内因性エンドヌクレアーゼを用いて、宿主細胞DNA をランダムにニックし、そして生じるDNAフラグメントをビリオン中にパッケー ジングする。生成されそしてパッケージングされたDNAフラグメントのうち一定 のものが、所望のストレスプロモーター −lacZ融合物を含む。 P1溶解物を以下のように作製した。プラスミド上または染色体内のいずれかの 、所望のストレスプロモーター −lacZ融合物を含む細胞を、30℃で一晩、LB中 で初期定常期まで増殖した。次いで、この培養物50μlを、0.4%のグルコース および5mMのCaCl2を含むLB 5ml中に接種し、そして30℃で30分間インキュベ ートした。次に、P1ファージ(約5×108pfu/m1)0.1mlを、この培養物に添加し 、そして2〜4時間、細胞溶解が現れるまでインキュベートし続けた。次いで、 クロロホ ルム0.1mlを添加し、そして10秒間ボルテックスにかけ、そして遠心分離して細 胞性デブリを除去した。上清を、クロロホルム0.1mlを追加して4℃で保存した 。 次いで、受容菌株SF1のトランスダクションを行った。SF1を、LB中で初期定常 期まで培養した。次いで、細胞を遠心分離し、そしてそれらを5mMのCaCl2およ び10mMのMgSO4の2.5mlに再懸濁した。次いで、この細胞懸濁液0.1mlを、P1溶解 物10μlまたは100μlのいずれかと、別々のチューブで混合した。コントロー ルとして、細胞100μlのみを含むチューブ1本およびP1溶解物100μlのみを含 むチューブ1本も有した。次いで、これらのチューブを、30℃で正確に20分間、 振とうせずにインキュベートした。次いで、1Mのクエン酸ナトリウム0.1mlを 各チューブに添加し、そして遠心分離して細胞をペレット化した。ストレスプロ モーターを特定の化合物により誘導する場合は、細胞を50μlのLB中に再懸濁 し、そしてLB+アンピシリン(70μg/ml)+X-gal(40μg/ml)+化合物上に 塗り付けた。30℃で一晩増殖した後、青色であったコロニーは、ストレスプロモ ーター −lacZ融合物を含んでいた。ストレスプロモーターを特定の化合物によ り抑制する場合は、細胞を50μlのLB中に再懸濁し、そしてLB+アンピシリン( 70μg/ml)+X-gal(40μg/ml)上に塗り付けた。青色のコロニーを選別し、 レプリカを同じ培地上または抑制化合物を含む同じ培地上に塗り付けた。化合物 含有プレートの、より淡い青色または白色のコロニーは、所望の融合物を含んで いた。 実施例5 毒素誘導性β−ガラクトシダーゼアッセイ 同一アッセイの2種の変異体を用いて、種々の化合物により誘導された、スト レスプロモーター結合β−ガラクトシダーゼの発現の変化を測定した。 第1のアッセイを、小試験管で行った。ストレスプロモーター −lacZ遺伝子 融合物を有するE. coli宿主を、70μg/mlのアンピシリンを追加したLBまたは70 μg/mlのアンピシリンを追加したM9+G(180mlのH2O、20mlの10×M9塩(10×M9 塩=Na2HPO4 60g、KH2PO4 30g、NaCl 5g、NH4Cl 10g/リットル)、2ml の40%グルコース、0.4mlの1M MgSO4、20μlの1M CaCl2)のいずれか中 で、振とうしながら30℃で一晩、別々に培養した。翌朝、一晩培養物をそれぞれ 1滴、各々が新鮮な培地1mlを含む、一連のチューブの中に希釈した。このこと により、各宿主について、化合物の濃度範囲を試験することが可能になった。次 いで、600nmでの光学密度(OD600)が0.1〜0.2に達するまで、細胞を30℃で増殖 した。 この時点で、ストレスプロモーター含有宿主それぞれの1本のチューブを氷上 に置き、そしてこれを用いて、化合物添加に先立ってOD600を測定した。ストレ スプロモーター含有宿主それぞれの、他のチューブを2本に分割し、半分には試 験する化合物(1pM〜1mM(10倍間隔増分)を日常的に用いた)を添加し、そし て残りの半分には、化合物を添加しなかった。化合物を添加しなかったチューブ は、化合物の細胞増殖効果 についてのコントロールとしておよびβ−ガラクトシダーゼ発現のベースライン 測定としての両方とも役立った。 次いで、培養物を、30℃でさらに2時間インキュベートした。次いで、各培養 物の0.5mlアリコートを取り出して、OD600を測定した。(もし、OD600が高すぎ て正確に読みとれなかった場合は、0.5mlアリコートを同容量の新鮮な培地で希 釈し、サンプルをOD600で再度読み取り、そして読み取り値を2倍した。)次い で、各培養物から200μlを取り、そしてピペットで800μlのZ緩衝液(Na2HPO4 -7H2O 16.1g、NaH2PO4−H2O 5.5g、KCl 0.75g、MgSO4-7H2O 0.246g、 β−メルカプトエタノール2.7ml/リットル、pH 7.0)に入れた。これに、トルエ ン2滴を添加し、そして培養物を10秒間ボルテックスにかけた。次いで、さらに Z緩衝液を添加して、最終容量2mlにした。次いで、このトルエン/Z緩衝化サ ンプルを、37℃の水浴で40分間インキュベートした。次いで、サンプルを、28℃ まで予備加熱しておいた加熱ブロック内に5分間置いた。比色反応を開始するた めに、反応時間を正確に記録し続けながら、200μlのo−ニトロフェニルガラ クトース(ONPG;Z緩衝液中4mg/ml)を添加した。特定のサンプルチューブのい ずれかが明るい黄色に変わったとき、0.5mlのNa2CO3を添加して反応を停止させ 、同様に、対応するコントロールサンプルの反応を停止させ、ONPG添加からNa2C O3添加までに経過した正確な時間を記録した。次いで、サンプルおよびコントロ ールを、分光光度計でOD420およびOD550で読みとった。 活性単位を以下の式を用いて計算した: ここで、時間は、ONPG添加からNa2CO3を用いた反応の停止までに経過した時間( 分)であり;培養物容量は、アッセイで用いた容量であり(上記の場合、0.2ml );OD420およびOD550は、毒素サンプルとコントロールサンプルとの間の、これ らのOD値の差であり;そしてOD600は、インキュベーション後、毒素処理した培 養物から得られた読みとり値である。 第2のタイプのアッセイは、96ウェルマイクロタイタープレート中で行われる 。このアッセイでは、適切なE. coli宿主を、M9+G培地またはLB培地のいずれか で、30℃で一晩、別々に増殖した。いずれの場合も、培地に70μg/mlのアン ピシリンを追加した。翌日、細胞を新鮮な培地中に20倍希釈し、そしてOD600が0 .2〜0.4に達するまで、30℃で増殖した。次いで、滅菌96ウェルマイクロタイタ ープレートのウェル2列に、各宿主細胞50μlをピペットで入れた。1列を用い て、試験化合物のβ−ガラクトシダーゼ発現への効果を測定した。他の1列を用 いて、試験化合物の細胞増殖への効果を測定した。 次いで、培養培地で試験する化合物の10倍希釈系列を作製し、各細胞列のウェ ル2〜9の細胞に、各希釈物50μlを添加した(すなわち、ウェル2は、完全強 度の化合物を受容し、ウェル3は化合物の1:10希釈物を受容し、ウェル4は1 :100希釈物を受容した、など)。各列のウェル1の細胞は、培地50 μlのみを受容した。次いで、全てのウェルのOD600を測定し、試験化合物によ り得るいかなる吸光度も記録した。次いで、細胞を30℃で90分間、緩やかに振と うしながらインキュベートした。インキュベーション後、全てのウェルのOD600 を測定し、そしてクロロホルム1滴+1%SDS 10μlを、第1列のウェルそれ ぞれに添加した。次いで、第1列のウェルそれぞれに、Z緩衝液を100μl添加 し、そして30℃で20分間さらにインキュベートした。 次いで、第1列のウェルそれぞれに、ONPG(Z緩衝液中4mg/ml)40μlを添 加し、30℃でインキュベートし続け、そして反応時間測定を開始した。これによ り、第2列の細胞は増殖を続け、このようにして、試験化合物の、長期間にわた る細胞増殖への効果を確認できた。ONPGを受容したウェルのいずれかが黄色に発 色したとき、1MのNa2CO3500μlを添加することにより、第1列の全てのウェ ルで反応を停止し、そしてその時間を注意深く記録した。第1列の全てのウェル のOD420およびOD550を読みとり、そして活性単位を上記の式により測定した。第 2列の細胞を、最初の90分間のインキュベーションの後、さらに90分間増殖させ た。30分毎にOD600を測定し、細胞増殖をモニターした。 ストレスプロモーターで制御されたβ−ガラクトシダーゼの発現の抑制をアッ セイしているときには、同様の2つのアッセイを用いた。唯一の違いは、化合物 含有サンプルの発色の前に、コントロールサンプルで黄色が発色することである 。 コントロールウェルで黄色が発色すると、コントロールおよび化合物含有サンプ ルの両方の反応を同時に停止させた。 β−ガラクトシダーゼ活性単位および培養物のOD600の両方を、試験した投与 量それぞれについて、化合物用量に対してプロットする。このようなプロットに より、化合物のLD50を決定できた。これらのプロットはまた、試験化合物が、特 定のプロモーターを誘導し得ないにも関わらず(β−ガラクトシダーゼ発現の誘 導/抑制がないこと)、毒性(化合物濃度の増加に伴うOD600の低下を介して) であることを示唆する。 実施例6 ストレス特異的プロモーター −lacZ融合物の構築 I.sodA Dr.Daniele TouatiからsodA−lacZ融合物遺伝子を得た。彼は、上記実施例1 、III部中に記載された、ファージMu dX染色体ランダム挿入技術を用いて融合物 を作製した。形質導入体を、パラコートの存在下で、β−ガラクトシダーゼ発現 の特異的誘導についてスクリ−ニングした。sodA−lacZ融合物を、実施例3に記 載されたように、P1介在形質導入により、SFI株中に移動させた。 sodAの配列は既知である[D.Touati、J.Bacteriol.,170,2511-20頁(1988 );およびH.M.Hassanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89、3217-21頁(199 2)、これらの開示は参考として本明細書に援用されている]。従って、sodA-la cZ融合物 は、実施例2、II部で記載されるPCR技術および以下のプライマーを用いて構築 され得る: 5′-ACGAAAAGTACGGCATTGAT-3′[配列番号:1] および 5′-GCTCATATTCATCTCCAGTA-3′[配列番号:2] 所望の融合物を含む形質転換体は、パラコートまたは金属キレート剤のいずれか の存在下で、β−ガラクトシダーゼ発現の誘導性により同定される。 II.soi28 soi28−lacZ融合物を、上記実施例1、III部中に記載された、ランダムMu dx ファージ染色体挿入技術を用いて構築した。この構築は、T.Kogomaら、Proc.N atl.Acad.Sci.USA 、85、4799−803頁(1988)中に記載され、その開示は、本 明細書に参考として援用されている。形質転換体を、T.Kogomaら中、前述、に 記載されたように、パラコートで誘導したとき、β−ガラクトシダーゼを発現す る能力についてスクリーニングした。 あるいは、soi28−lacZ融合物は、実施例2、II部に記載されたPCR技術および 以下のプライマーを用いて作製され得る: 5′-GCTATGTGTGTGATGTGAGC-3′ [配列番号:3] 5′-TGATGACAGATGTCGCCCCA-3′ [配列番号:4]。所望の 融合物が、パラコートの存在下でβ−ガラクトシダーゼ発現の誘導性により検出 される。 III.katF katF遺伝子は、P.C.Loewenら、J.Bacteriol.、162、661-67頁(1985)に より記載され、この開示は本明細書に参考として援用されている。katF遺伝子は 、過酸化水素誘導性のカタラーゼ活性をコードする。katF-1acZ融合物を、実施 例1、II部中に記載したように、プラスミド上のクローン化されたkatF遺伝子中 にMu dXを挿入することにより構築した。 katF-lacZ融合物は、あるいは、実施例2、II部に記載されたPCR技術および以 下のプライマーを用いて作製され得る: 5′-CAGGTGCGTTGTAGTGAGTT-3′ [配列番号:5]および 5′-CAATAAACGAGATAACTCTCC-3′ [配列番号:6]。 構築物は、フェノール性の酸(phenolic acid)または他の弱有機酸によるβ− ガラクトシダーゼの誘導性について試験される。 IV.katG katG遺伝子は、P.C.Loewenら、J.Bacteriol.、前述、に記載され、katG−l acZ融合物は、実施例2、II部に記載されたPCR技術および以下のプライマーを用 いて作製され得る: 5′-AAGCTTAATTAAGATCAATTTG-3′ [配列番号:7]および 5′-GCCGCAGAAAGCGGTTCGCC-3′ [配列番号:8]。 所望の融合物を含む形質転換体は、H2O2の存在下でβ−ガラクトシダーゼの誘導 性により同定される。 V.ahp ahp遺伝子のクローニングおよび配列決定は、G.Storzら、J.Bacteriol、171 、2049−55頁(1989);およびL.A.Tartagliaら、J.Mol.Biol.、210、709− 19頁(1989)に記載され、その開示は、本明細書に参考として援用されている。 ahp−lacZ融合物は、実施例2、II部に記載されたPCR技術および以下のプライマ ーを用いて作製され得る: 5′-ATCGGGTTGTTAGTTAACGC-3′ [配列番号:9] および 5′-CTATACTTCCTCCGTGTTTTCG-3′ [配列番号:10]。 所望の融合物は、クメンヒドロペルオキシドまたはtert−ブチルヒドロペルオキ シドの存在下β−ガラクトシダーゼ発現の誘導性により検出される。 ahp−lacZ融合物が、本願発明の方法およびキット中で使用されるとき、構築 物は、野生型E. coliおよび脂肪酸を合成または分解し得ないE. coliの変異株両 者(fabB、fadE株)中で存在すべきである。変異株は、脂肪過酸化を起こす化合 物を同定する能力を提供する。リノール酸およびリノレン酸のような、過酸化物 −感受性の哺乳類細胞に特異的な脂肪酸は、これら脂肪酸を含む培地中で、その ような細菌株を生育させることにより、該菌の膜中に挿入され得る。この変異株 の形質転換体が、化合物により誘導されてβ−ガラクトシダーゼを発現するとき に(野生型の形質転換体は誘導されない)、問題になっている化合物は脂肪過酸 化を起こすべきである。 ahp−lacZ融合物構築物の、元の株から他の株への移動は、 実施例3に記載されたP1溶菌技術を用いて達成される。 VI.nfo nfo遺伝子は、核酸のイミダゾール環を破壊する酸化損傷に特異的なDNA修復 酵素をコードする。それは、スーパーオキシドラジカル形成を起こす薬剤のよう な、酸化還元活性薬剤により誘導される。nfo遺伝子は、R.Cunninghamら、Proc .Na tl.Acad.Sci.USA、82、474−78頁(1985)に記載され、その開示は、本 明細書に参考として援用されている。nfo−lacZ構築物を、S.Saporitoら、J.B acteriol 、170、5141−45頁(1988)中に記載されたように構築する。その開示 は、本明細書に参考として援用されている。この構築物は、Dr.RichardCunning hamから得た。 nfo−lacZ融合物は、実施例2、II部に記載されたPCR技術および以下のプライ マーを用いて作製され得る: 5′-CATCGCATAAACCACTACAT-3′[配列番号:11]および 5′-GTTACTGCCCTGACCGGCGG-3′ [配列番号:12]。 融合物を、パラコートの存在下、β−ガラクトシダーゼ発現の誘導性についてス クリーニングした。 VII.sdh sdh遺伝子の発現は、酸素の欠乏または電子伝達の阻害により阻害される。従 って、sdh誘導の検出は、アッセイ可能な生成物発現が減少することにより示さ れる。 sdh−lacZ融合物は、実施例1、II部に記載されたように、Dr.John Guest)S heffield大学、England)により提供されたプラスミド上に含まれるsdh遺伝子中 へのMu dX挿入により作製された。形質転換体を嫌気条件下のインキュベーショ ンによりアッセイした。 sdh配列は公開されている、[S.S.Nerら、Biochemistry、22、5243−48頁 (1983)、その開示は本明細書に参考として援用されている]。sdh−lacZ融合 物は、実施例2、II部に記載されたPCR技術および以下のプライマーを用いて作 製され得る: 5′-GAATTCGACCGCCATTGCGC-3′[配列番号:13]およ び 5′-AAGTCGGTATTTCACCTAAG-3′ [配列番号:14]。 形質転換体は、嫌気条件下、抑制されたβ−ガラクトシダーゼ発現により融合物 の存在をアッセイされる。 VIII.dinD この融合物をS.Kenyonら、Nature、289、808−12頁(1981)中で記載された ように作製したGraham Walkerから、この構築物を得た。その開示は、本明細書 に参考として援用されている。この構築物は、実施例1、III部中に記載された のと同一のMu dX挿入方法により作製された。融合物を含む形質転換体を、マイ トマイシンCの存在下で、β−ガラクトシダーゼの発現により同定した。 dinD−lacZ融合物を、実施例3に記載されたP1形質転換技術によりSF1株中に 移した。得られたdinD-lacZ融合を含む株 をSF923と呼ぶ。 SF923試料を、1992年6月26日に、アメリカンタイプカルチャーコレクション 、12301 Parklawn Drive、Rockville、Maryland 208520に寄託し、そして受託 番号55336が与えられた。 IX.rpoD rpoD−lacZ融合物を、実施例1、III部に記載されたMu dX染色体挿入技術を 用いてそれを作製した別の供給者から得た。 rpoD−lacZ融合物を、実施例3に記載されたP1形質転換によりEcoli SF1株 中に移した。 あるいは、rpoD−lacZ融合物は、実施例2、II部に記載されたPCR技術および 以下のプライマーを用いて構築され得る: 5′-AAGCTTGCATTGAACTTGTG-3′[配列番号:15]および 5′-GTTTGCCGCCTGCTCTTCCC-3′ [配列番号:16]。 所望の融合物は、エタノール存在下でβ−ガラクトシダーゼ発現により検出され る。 X.hag hag−lacZ融合物を、実施例1、II部で記載されたように、クローン化されたh ag遺伝子を含むプラスミド中にMu dXを挿入することにより構築した。形質転換 体を、CCCPの存在下、β−ガラクトシダーゼ発現の抑制についてスクリーニング した。 hag遺伝子の配列は公知である[G.Kuwajimaら、J.Bacteri ol 、168、1479−83頁(1987)、その開示は本明細書に参考として援用されてい る]。従って、hag−lacZ融合物は、実施例2、II部に記載されたPCR技術および 以下のプライマーを用いて構築され得る: 5′-GACGGCGATTGAGCCGACGG-3′[ 配列番号:17]および 5′-TTAGTACCGGTAGTGGCCTG-3′ [配列番号:18] 。形質転換体は、CCCPのような、膜の統合(integrity)を破壊する化合物の存 在下で、β−ガラクトシダーゼ発現の減少により、所望の融合物の存在について 試験される。 XI.ada ada−lacZ融合物を、実施例1、II部で記載されたMu dX挿入技術を用いて、ad a遺伝子を含むプラスミド中に構築した。そのプラスミドは、Harvard大学のDr. Leona Samsonから得た。トランスフェクタントを、MMSの存在下で、β−ガラク トシダーゼ発現の誘導を基礎として選択した。 ada遺伝子のヌクレオチド配列は公開されている[Y.Nakabeppuら、J.Biol. Chem.、260、7281−88頁(1985)、その開示は本明細書に参考として援用されて いる]。従って、ada−lacZ融合物は、実施例2、II部に記載されたPCR技術およ び以下のプライマーを用いて作製され得る: 5′-AAGCTTCCTTGTCAGCGAAA-3′[配列番号:19]および 5′-CAGCGTTTCGTCAGCTTTGC-3′ [配列番号:20]。形質 転換体を、MMSの存在下でβ−ガラクトシダーゼ発現の誘導性により所望の融合 物の存在について試験する。 XII.gyr gyr−lacZ融合物を、実施例1、II部で記載されたように、gyr遺伝子を含むプ ラスミド中にMu dX挿入法を用いて構築した。得られたトランスフェクタントを 、ナリジクス酸(nalidixic acid)の存在下でβ−ガラクトシダーゼ発現の誘導 についてスクリーニングする。 gyrA遺伝子の配列は、H.Yoshidaら、Mol.Gen.Genet.、211、1-7頁(1988 )により記載され、その開示は本明細書に参考として援用されている。gyr−lac Z融合物は、実施例2、II部に記載されたPCR技術および以下のプライマーを用い て構築され得る: 5′-CTACGTTATGGTTTACCGGC-3′ [配列番号:21] および 5′-AAGTACGCGACGGTGTACCG-3′ [配列番号:22]。 所望の融合物を含む形質転換体を、ナリジクス酸の存在下でβ−ガラクトシダー ゼ発現の誘導により同定する。 XIII.top 実施例1、III部に記載されたMu dX染色体挿入技術を用いて、ライブラリーを 作製し、そこからtop−lacZ融合物を選択した。このライブラリーを、アクリジ ンオレンジの存在下で、β−ガラクトシダーゼ発現の誘導についてスクリーニン グし、所望の融合物を含むクローンを単離する。 top遺伝子は、T.-D.Dinhら、J.Mol.Biol.、191、321-31頁(1986)によ り配列決定され、その開示は本明細書に参考と して援用される。top−lacZ融合物は、あるいは、実施例2、II部に記載されたP CR技術および以下のプライマーを用いて構築される: 5′-GCATCAACCGCAGGTTGC GC-3′[配列番号:23]および 5′-CACCGGCGTCACGCAGCGTA-3′[配列番号: 24]。 所望の融合物を含む形質転換体は、アクリジンオレンジまたはエチジウムブロマ イドのようなDNA挿入剤の存在下β−ガラクトシダーゼ発現の誘導性により同定 される。 XIV.clpB clpB−lacZ融合物を、実施例1、II部で記載されたように、Mu dX挿入法を用 いて、clpB遺伝子を含むプラスミドから構築した。形質転換体を、切形の(trun cated)タンパク質を生成することが知られる化合物プロマイシン存在下で、β −ガラクトシダーゼ発現の誘導についてスクリーニングした。 clpB遺伝子は、最近、配列決定された[C.L.Squiresら、J.Bacteriol.、1 73、4254-62頁(1991)、その開示は本明細書に参考として援用される]。ある いは、clpB−lacZ融合物は、実施例2、II部に記載されたPCR技術および以下の プライマーを用いて構築され得る: 5′-GATCCGGTACGCGTGATTT-3′[配列番号:25]および 5′-CCAGACGCATAACTCCTCCC-3′ [配列番号:26]。 カナバニン、プロマイシンまたは熱に曝されたときに、β−ガラクトシダーゼを 発現するように誘導され得る形質転換体は、clpB−lacZ融合物を含む。 XV.merR merR遺伝子は、W.Rossら、J.Bacteriol.、171、4009-18頁(1989)に記載 され、その開示は本明細書に参考として援用される。merR-lacZ融合物は、Dr.R oss' laboratoryのDr.Ann Summersから得た。 merR−lacZ融合物は、あるいは、実施例2、II部に記載されたPCR技術および 以下のプライマーを用いて構築され得る: 5′-CGCTTGACTCCGTACATGAG-3′[配列番号:27]および 5′-TGGATAGCGTAACCTTACTT-3′ [配列番号:28]。 メチル水銀に曝された際にβ−ガラクトシダーゼを発現する形質転換体は所望の 融合物を含む。 XVI.fepB-entC fepB-entC-lacZ融合物を、プラスミドにコードされたfepB-entC遺伝子中へのM u dX挿入により構築した。金属キレート剤EGTAを用いて、得られた形質転換体を 処理することにより誘導を測定した。 あるいは、fepB-entC-lacZ融合物は、fepB遺伝子の報告されたヌクレオチド配 列に基づき[M.F.Elkinsら、J.Bacteriol.、171、5443-51頁(1989)]、実 施例2、II部に記載されたPCR技術および以下のプライマーを用いて構築され得 る: 5′-CCACAAGATGCAACCCCGAG-3′[配列番号:29]および 5′-GACGTATCCATATCATCCTCC-3′ [配列番号:30]。 形質転換体は、T.J.Brickmanら、J.Mol.Biol.、212、669-82頁(1990)に 記載されたように、所望の融合物の存在についてスクリーニングされ、その開示 は本明細書に参照として援用される。 XVII.cyo cyo−lacZ融合物は、Harvard Medical SchoolのDr.Iuchi's laboratoryのDr .C.C.Linから授与された。 cyoオペロンの部分配列は、J.Minagawaら、J.Biol.Chem.、265、11198-20 3頁(1990)により公開されており、その開示は参考として本明細書に援用され る。cyo−lacZ融合物は、実施例2、II部に記載されたPCR技術および以下のプラ イマーを用いて構築され得る:5′-TTGACGATGGACGCGCTGGA-3′[配列番号:31 ]および5′-CAATTGGTATAACCAATGTG-3′[配列番号:32]。 得られたlacZ融合物は、形質転換体を嫌気条件下でインキュベートし、そして抑 制されたβ−ガラクトシダーゼ発現を示す形質転換体を選択することにより同定 される。 XVIII.gsh gsh-lacZ融合物を、gsh遺伝子を保持するプラスミド中へのMu dX挿入により構 築した。この技術は、実施例1、II部に記載されている。NEMの存在下でβ−ガ ラクトシダーゼを発現するクローンを選択した。 gsh遺伝子はクローン化されそして配列決定されている[H. Gushimaら、Nucleic Acids Res.、12、9299-307頁(1985)、この開示は本明 細書に参考として援用される]。従って、gsh−lacZ融合物は、実施例2、II部 に記載されたPCR技術および以下のプライマーを用いて構築され得る: 5′-AAGCTTCAGCAGTGGCAGAA-3′[配列番号:33]および 5′-GTATAAACCGCCTTCCGGGCC-3′ [配列番号:34]。 形質転換体は、N-エチルマレイミドを用いてスクリーニングする。 XIX.mutT mutT−lacZ融合物を、実施例1、II部中に記載されたように、プラスミドにコ ードされた形態のmutT遺伝子中へのMu dX挿入技術を用いて作製した。形質転換 体は、X-線照射に曝した後、β−ガラクトシダーゼ発現についてスクリーニング する。 mutT遺伝子の配列は公開されており[M.Akiyamaら、Mol.Gen.Genet.、206 、9-16頁(1987)]、その開示は本明細書に参考として援用される。従って、mu tT−lacZ融合物は、あるいは、実施例2、II部に記載されたPCR技術および以下 のプライマーを用いて構築される: 5′-CTGCACTGGCGGCGCAAACC-3′[配列番号:35]および 5′-ATAAGACGCGGACAGCGTCG-3′ [配列番号:36]。 所望の構築物を含む形質転換体をX-線照射に曝した後、β−ガラクトシダーゼ発 現についてスクリーニングする。 XX.unc unc−lac融合物を、クローン化されたunc遺伝子を含むプラスミド中への、Mu dX挿入により構築した。形質転換体を、2,4-ジニトロフェノールの存在下、β −ガラクトシダーゼ発現についてスクリーニングした。 uncオペロンの部分配列は、H.Kanazawaら、Biochem.Biophys.Res.Commun 、103、604-12頁(1981)により公開され、その開示は参考として援用される 。従って、実施例2、II部に記載されたPCR技術および以下のプライマーを用い て構築され得る: 5′-AAAGCAAATAAATTTAATTTTT-3′[配列番号:37] および 5′-GGCCACCCGGCCTTTCGCTG-3′ [配列番号:38]。 形質転換体を、2,4−ジニトロフェノールの存在下でβ−ガラクトシダーゼ発現 の誘導性についてスクリーニングする。 XXI.rdc rdc−lacZ融合物を含む株をDr.G.T.Javorから得た。この融合物は、実施例 1、IIIA部に記載されたランダムMu dX挿入技術を用いて作製した。トランスフ ェクタントを、チオグリセロールの存在下で、X-galプレート上でインキュベー トすることにより融合物の存在をスクリーニングした。そのようなアッセイで青 色であるコロニーは、所望の融合物を含んでいた。 rdc−lacZ融合物を、実施例4に記載されたP1形質導入技術 を用いて、起源株からSF1に転移した。この融合物を含む株をSF924と名付けた。 SF924の試料は、1992年6月26日に、アメリカンタイプカルチャーコレクション 、12301 Parklawn Avenue,Rockville,Maryland,20852に寄託され、そして受 託番号55335を与えられている。 XXII.lon lon遺伝子配列およびプロモーターの位置は、T.A.Phillipsら、J.Bacterio l. 、159、283-87頁(1984)により開示され、その配列は、本明細書に参考とし て援用される。lon−lacZ融合物は、実施例2、II部に記載されたPCR技術および 以下のプライマーを用いて構築され得る: 5′-TCTCGGCGTTGAATGTGGG-3′[配列番号:39]および 5′-CGACGTCTTCCATGGACGGC-3′ [配列番号:40]。 形質転換体を、プロマイシンの存在下でβ−ガラクトシダーゼ発現の誘導性につ いてスクリーニングした。 XXIII.leu-500 leu-500遺伝子の配列は、プロモーターに単一の点変異を含み、R.M.Gemmill ら、J.Bacteriol.、158、948−53頁(1984)により記載され、その開示は本明 細書に参考として援用される。leu-500-lacZ融合物は、実施例2、II部に記載さ れたPCR技術および以下のプライマーを用いて構築され得る: 5′-GTCAACAAAATGCAATGGCG-3′[配列番号:41]および 5′-GCGTTATGCTTTTAGTGGCACTGG-3′ [配列番号:42]。 形質転換体を、ナリジクス酸またはクメルマイシンの存在下で、β−ガラクトシ ダーゼ発現の誘導性についてスクリーニングする。 XXIV.meto meto遺伝子の配列は、最近、M.Rahmanら、GenBank/EMBL Database、受託番号 M89992により報告され、その開示は本明細書に参考として援用されている。meto −lacZ融合物は、実施例2、II部に記載されたPCR技術および以下のプライマー を用いて構築され得る: 5′-AAGCTTACACAGCATAACTG-3′[配列番号:43]および 5′-CCAGGCAGGGCATCGGCGGGGG-3′ [配列番号:44]。 形質転換体を、N-エチルマレイミドの存在下でβ−ガラクトシダーゼ発現の誘導 性についてスクリーニングする。 実施例7 種々のストレスプロモーターを用いた 既知の発癌物質のアッセイ 多くの異なる化学物質について、上記に記載の種々のストレスプロモーター− lacZ融合物の発現を誘導するその能力をアッセイした。これらのアッセイに用い た化学薬剤は、メチル水銀(0-1μM)、4-ニトロキノリンオキシド(「4-NQO」 )(0- 100ピコモル)、MMS(0-40 nM)、パラコート(0-50μM)、Plumbagin(0-160μ M)、マイトマイシン(5μg/ml)、2,2'-ビピリジル(0-160μM)、H2O2(0-16 00μM)および浸透圧ストレス用のNaC1(0-0.8M)であった。特定のストレスプ ロモーター−lacZ融合物をまた、pHおよび生育温度を変えてアッセイした。 これらの結果は、種々のストレスプロモーターを誘導する化合物のタイプにつ いて重要な洞察を提供する。例えば、図1は、水銀が特異的にmerRプロモーター を誘導するが、sfiAまたはsodAプロモーターを誘導しないことを示す。従って、 水銀はDNA複製(sfiAプロモーターを誘導するストレス)に対して影響力を持た ず、そしてスーパーオキシドの形成(sodAを誘導するストレス)を起こさないこ とが結論され得る。 図2は、4-NQOが、DNAアルキル化(adaAプロモーターの誘導)ではなく、特異 的に、DNA鎖破壊により(dinDプロモーターの誘導)、DNA複製損傷を引き起こす (sfiAおよびdinDプロモーターの誘導)ことを示す。顕著ではないが、用量依存 性のnfoプロモーターの誘導があり、これは、4-NQOにより引き起こされるDNA損 傷は酸素依存性であることを示唆する。 MMSは、鎖破壊(dinDプロモーターの誘導)によってではなく、明らかにDNAを アルキル化すること(adaAプロモーターの誘導)によるDNA損傷を引き起こす。M MSにより引き起こされるアルキル化は、酸素依存性(nfoプロモーター)ではな い。これらの結果は図3に示される。 パラコート(下の表を参照)およびプラムバジン(図4参照) の両者は、soi28プロモーターの誘導を引き起こす。さらに、パラコートはまた 、nfoプロモーターを誘導し、このことはこの化合物が酸素依存性DNA損傷を引き 起こすことを示す。パラコートは、嫌気性感受性および遷移金属感受性ndhプロ モーターの誘導に無視し得る程度の影響力を持つ。パラコートおよびプラムバジ ンの両者を用いた結果は、特に関連がある。何故なら、いずれの化合物も、広く 使用されるエイムスアッセイで陽性の反応を生じないからである。 *種々のプロモーターの誘導は、実施例5に記載のように、β−ガラクトシダー ゼ活性により測定され、そして単位数(unit)で表現される。 マイトマイシンアッセイには、この化合物のひとつの濃度のみを採用し、曝す 時間を0〜55分と変化させた。結果は、下表に示し、マイトマイシンへの接触か ら55分後に、dinDプロ モーターが約4倍まで誘導されることを示す。このことは、マイトマイシンが、 DNA鎖破壊を引き起こすことを示す。 表2 dinD制御されたβ−ガラクトシダーゼ発現に対する マイトマイシンCの影響 暴露時間(分) dinD 0 321 15 350 25 1036 35 811 55 1204 予期されるように、増大する浸透圧(増大するNaCl濃度)は、proUプロモータ ーを誘導するが、スーパーオキシドを形成しない(sodAまたはsoi17の非誘導) (図5)。対照的に、2,2'-ジピリジルは、スーパーオキシドの形成(sodAの誘 導)、および金属のキレート化(fepBの誘導)を引き起こす。2,2'-ジピリジル はDNA複製(sfiAプロモーター)に関して影響を有さない。これは図6に図示さ れている。 rpoDプロモーターを有する宿主がヒートショックにいかに反応するかを観察す るために、これら宿主を、30℃ではなく、43℃で0-50分間インキュベートした。 以下に示すこのアッセイの結果により、20分後にはrpoDプロモーターによる3倍 の誘 導が示される。30および50分後に観察された誘導の減少は、誘導の反転では なく、細胞死滅の増加に起因する。 表3 rpoDプロモーター制御された β−ガラクトシダーゼ発現における培養温度上昇の影響 暴露時間(分) rpoD 0 1923 2 3362 5 3798 10 4471 20 6107 30 5561 最後に、pH範囲5-8の培地中で、異なるストレスプロモーター−lacZ融合物を 有する宿主を培養する影響をアッセイした。図7に示されるこの結果は、sfiAお よびsoil7プロモーターが任意の異なるpHで誘導されないことを示す。aniGプロ モーターは、pH6.0で最大誘導を、そしてより高いおよびより低いpHの両方で誘 導の直線的な減少を示した。 実施例8 抗毒素の同定 未知の化合物が、その、ストレスプロモーター制御された β−ガラクトシダーゼ発現の誘導または抑制をもとに、毒素であることが見い出 された後、同一のプロセスが潜在的な抗毒素を同定するために使用され得る。 未知の化合物が、dinD−lacZ構築物を保持する宿主およびkatG−lacZ構築物を 保持する宿主の両方で、β−ガラクトシダーゼの発現を誘導することが示される 。このことは、その化合物が過酸化水素の生成(katG誘導)を充分に高い濃度で 引き起こし、DNA鎖破壊(dinD誘導)を引き起こすことを示す。アスコルビン酸 は、過酸化水素により誘導されるDNA鎖破壊の数を減少し、そしてそれ故、この 未知の化合物に対する潜在的な抗毒素であることが知られている。 katG−lacZを有する宿主およびdinD−lacZを有する宿主を、それぞれ、96ウェ ルマイクロタイター皿中の8つのウェル中にプレートしする。各ウェルを、異な る希釈度のアスコルビン酸と、30℃で、30分間インキュベートする。最初のウェ ルは、コントロールであり、そしてアスコルビン酸を含まない。各ウェルを、次 いで、予め最大のβ−ガラクトシダーゼ誘導に最適であると決定された未知の化 合物の濃度に曝す。次いで、アッセイを実施例5に記載されるように実施する。 アスコルビン酸処理ウェル中の宿主が、コントロールウェル中の宿主に比べ、よ り低いレベルのβ−ガラクトシダーゼを発現すれば、抗毒素であると考えられる 。 実施例9 改善された毒素誘導性β−ガラクトシダーゼアッセイ 2つの96ウエルマイクロタイタープレートを用いて各化合物についてアッセイ した。1つのプレートには、「強い」プロモーターであるgyrA、katG、micF、to pA、ada、cyd(ampR)、hag(ampR)、およびzwf(ampR)への融合物を有する菌 株を含んだ。他のプレートには、「弱い」プロモーターであるgroE、clpB、katF 、merR、soi28(ampR)、dinD(ampR)、aniG(kanR)、およびnfo(kanR)への 融合物を有する菌株を含んだ(いずれの菌株の薬物耐性も括弧内に示す)。 上記菌株のそれぞれの培養物を、必要に応じて適切な抗生物質(100μgのアン ピシリンまたは50μgのカナマイシン)を含む1mlのLBブロス中で別々に、好気 的に37℃で一晩培養した。次いで、各培養物の1:117希釈物の250μlを別々の列 のウエル2〜11に入れた。各列のウエル1には、225μlのLB+抗生物質を含んだ 。各列のウエル12には、25μlの未希釈の一晩培養物および300μlのLB+抗生物 質を含んだ。次いで、このプレートを好気的に37℃で2時間インキュベートした 。2時間後、培養物のOD600を測定し記録した。 試験すべき化学物質を最小容量の溶媒(好ましくは水)に溶解した。各化学物 質を5倍希釈の範囲にわたり試験した。25μlの適切な希釈物を各列の所定のウ エルに加えた(すなわち、各列のウエル2には25μlの未希釈化学物質を入れ、 各列のウエル3には25μlの1:5希釈物を入れ、各列のウエル4に は25μlの1:25希釈物を入れたなど)。各列のウエル1には、25μlの滅菌水を入 れた。試験すべき化学物質を加えた後、再度ウエルのOD600を測定した。次いで 、このプレートを好気的に37℃で2時間インキュベートした。 化学物質とのインキュベーションの後、各ウエルのOD600を測定し記録した。 このOD600の読み取り値を、β−ガラクトシダーゼ活性を計算するときに用いた 。次いで、各ウエルから200μlの細胞をピペットで取り、クロロホルム耐性のポ リプロピレンの96ウエルマイクロタイタープレートの対応するウエル中に入れた 。次いで、煙蓋(fume hood)中で各ウエルに50μlのクロロホルムを加え、ピペ ッティングすることにより混合した。次いで、プレートを室温で15分間放置して 、細胞を透過性とした(permeabilize)。ウエル1には210μlのZ緩衝液および4 0μlのONPG溶液を入れた。 細胞を透過性にする間、170μlのZ緩衝液および40μlのONPG(Z緩衝液中に4mg /ml)を、2つの96ウエルマイクロタイタープレート(「反応プレート」)のウ エル2〜13のそれぞれの中に入れた。次いで、各ウエルから40μlの透過処理した 細胞をピペットで取り(クロロホルムを取り出さないように注意しながら)、反 応プレート中の対応するウエルに入れ、ピペッティングすることにより混合した 。すべてのウエルを満たすと、プレートをCeres 900マイクロプレートリーダー (Biotek、Burlington、VT)中に置き、30分間毎分OD420を測定することにより 分析した。各列のウエル1はブランクとして 用いた。30分の終わりには、各ウエルのOD550を活性計算に用いるために記録し た。次いで、各ウエルについてのOD420対時間をプロットし、そして得られた曲 線の直線部分のスロープを計算した。β−ガラクトシダーゼの活性を以下の式に より計算した: ここで、t0は、ONPGへの細胞の添加とプレートをプレートリーダー中に置いた時 との間の時間差(lag time)であり;txは、ONPGへの細胞の添加と読み取りの分 の終わりとの間の合計時間であり;C1は、プレートリーダーからの最初のOD420 の読み取り値であり;そして「容量」は、反応ウエル(210μl)中の総容量で割 った細胞の容量(40μl)であった。次いで、活性を化学物質の非存在下でイン キュベートした各菌株のβ−ガラクトシダーゼ活性と比較して、「誘導倍数(fo ld induction)」値を得た。 次いで、結果を三次元ヒストグラムにプロットし、化学物質の各濃度での各ス トレスプロモーターについての誘導倍数を示した。このようなヒストグラムの例 を図9〜12に示す。 実施例10 付加的ストレスプロモーターlacZ融合物の構築 XXV.micF 実施例2、II部に記載のPCR技法および以下のプライマーを 用いてmicF-lacZ融合物を構築した: 形質転換体をエタノールの存在下でβ−ガラクトシダーゼの発現の誘導性につ いてスクリーニングした。 XXVI.ada 以下のように、改善したada-lacZ融合物を構築した。adaプロモーターの上部 および下部鎖の部分を表す以下の2つのオリゴヌクレオチドを合成した: 2つのオリゴヌクレオチドは、相同なオーバーラップの30塩基対を有した。オ リゴヌクレオチドをアニールし、次いでクレノウフラグメントと共にインキュベ ートして、二本鎖プロモーターの合成を完了した。次いで、EcoRIおよびBamHIで この二本鎖プロモーターを切断した。次いで、切断したプロモーターをEcoRI/Ba m HI切断pRS415中にクローン化した。ポジティブな形質転換体を、MMSおよびX-ga lの存在下で、増殖に続く青色によって単離した。 XXVII.cyd 細菌の染色体中に組み込まれたcyd-lacZ融合物を含むEcoliの菌株を得た。 cydプロモーターのヌクレオチド配列は、G.N.Greenら、J.Biol.Chem.,2 63,13138-143頁(1988)により報告されており、その開示は、本明細書中に参 考として援用されている。このように、cyd-lacZ融合物を、実施例2、II部に記 載のPCR技法および以下のプライマーを用いて構築し得る: 形質転換体を、嫌気的条件下で菌株のインキュベーションによるβ−ガラクト シダーゼの発現の誘導性についてスクリーニングした。 XXVIII.zwf 細菌の染色体中に組み込まれたzwf-lacZ融合物を含むEcoliの菌株を得た。 zwf-lacZ融合物を、実施例2、II部に記載のPCR技法および以下のプライマー を用いて構築し得る: 形質転換体を、過酸化物生成化合物(例えばパラコート) の存在下で、または酸化窒素の存在下で、菌株のインキュベーションによるβ− ガラクトシダーゼの発現の誘導性についてスクリーニングした。 XXIX.groE 細菌の染色体中に組み込まれたgroE-lacZ融合物を含むEcoliの菌株を得た。 groEプロモーターの上部および下部鎖の部分を表す以下の2つのオリゴヌクレ オチドを最初に合成することにより、groE-lacZ融合物を構築し得る: 2つのオリゴヌクレオチド互いにをアニールし、次いでクレノウフラグメント と共にインキュベートして、二本鎖プロモーターの合成を完了した。次いで、Ec o RIおよびBamHIでこの二本鎖プロモーターを切断した。次いで、切断したプロモ ーターをEcoRI/BamHI切断pRS415中にクローン化した。ポジティブな形質転換体 を、X-galの存在下で増殖し、そして、培養物の増殖温度を37℃から42℃まで30 分間上昇した後の青色により同定した。 XXX.aniG Ecoli JF1295菌株(aniG1072::Mu dJ)を、University of South Alabama C ollege of MedicineのDr.John FosterおよびDr.Kevin Karemから得た。この菌 株は、細菌の染色体中にanig-lacZ融合物の単一のコピーを含む。この菌株の構 築は、Z.Aliabadiら、J.Bacteriol.,170,842-51頁(1988)に記載されてお り、その開示は本明細書中に参考として援用されている。 実施例11 細菌の染色体中へのプロモーター−lacZ融合物の単一コピーの組み込み方法 種々のプロモーターの互いの誘導を比較するために、各プロモーター融合構築 物のコピー数を標準化する必要がある。これは、組換えラムダファージを用いる ことにより、細菌の染色体中への融合物の単一コピーを組み込んで達成された。 ストレスプロモーター−lacZ融合物をプラスミドに運ぶEcoli SF1菌株を、5 mlのラムダブロス(1%(w/v)トリプトン、0.1%(w/v)酵母エキス、0.2%( w/v)マルトース、および0.25%(w/v)NaCl)中37℃で、細胞が5×108/mlにな るまで培養した。次いで、細胞を遠心分離し、そして細胞ペレットを5mlの10mM MgS04で再懸濁し、37℃1時間振とうしてインキュベートした。 次いで、SM緩衝液中のλRS88[R.W.Simonsら、Gene,53,85-96頁(1987) ]の希釈系列の100μlを、200μlの細胞に加 えた。この混合物を、振とうしながら37℃で15〜20分間インキュベートした。次 いで、全300μlを、45℃に保った3mlの上層寒天[1%(w/v)トリプトン、0.1 %(w/v)酵母エキス、0.2%(w/v)マルトース、0.25%(w/v)NaCl、および0. 65%(w/v)寒天]に加え、そしてこの混合物をラムダ寒天プレート[1%(w/v )トリプトン、1%(w/v)寒天、および0.25%(w/v)NaCl]上に注いだ。この プレートを、目に見えるプラークが形成されるまで37℃でインキュベートした。 ほぼコンフルエントなプラークを含むプレートを次の工程に用いた。 次に、5mlのSM緩衝液をプレートに加え、そしてその溶液を上層寒天とともに ガラスチューブ中に注意深く掻き出した。これに1mlのクロロホルムを加え、そ して10秒間ボルテックスにかけた。次いで、この混合物を遠心分離し、上清の上 相を取り出し、0.5mlのクロロホルムを取り出した上清に加え、そして4℃で保 存した。最終ファージ溶解物は、106と1010との間のファージ/mlを含んだ。スト レスプロモーター融合物を含む組換えファージの頻度は、104ファージ中に約1 個である。 次に、ストレスプロモーター融合物の単一コピーを細菌の染色体中に組み込む 工程を行った。SF1細胞を、5mlのラムダブロス中で37℃で、5×108細胞/mlの 濃度になるまで培養した。次いで、細胞を遠心分離し、5mlの10mM MgSO4中で再 懸濁し、そして37℃で1時間振とうしながらインキュベートした。次いで、SM緩 衝液中のλRS88ストックの希釈系列の100μlを、200μlの細胞に加えた。この混 合物を37℃で15〜20分間 振とうしながらインキュベートした。次いで、全300μlを、45℃に保ちそして40 0μg/mlのX-Galを含む3mlの上層寒天に加えた。この混合物を次いでラムダ寒天 プレート上に注ぎ、そしてこのプレートを37℃で目に見えるプラークが形成され るまで培養した。青色のプラークを、滅菌ピペットの背部端を用いて寒天に穴を あけ、この寒天の栓を200μlのSM緩衝液および50μlのクロロホルム中に入れる ことにより、拾い出した。次いで、この混合物を、寒天の固まりが壊れるまでボ ルテックスにかけた。次いで、チューブを遠心分離し、上清を50μlのクロロホ ルムを含むチューブに取り出して、4℃で保存した。拾い出したプラークを、一 旦再精製し、次いで、ストックをほぼコンフルエントなプラークを含むプレート から作成した。 細菌の染色体中に組み込まれたストレスプロモーター融合物を含む細菌株を生 成するために、上記のようにして、上記プラークストックを用いてSF1細胞を感 染させた。青色プラークの中心に存在する細菌のコロニーを滅菌パスツールピペ ットを用いて拾い出し、0.5mlのLB中に入れた。37℃で4〜5時間インキュベー ションした後、培養物をLB/X-Galプレート上に線状に塗り、37℃で一晩インキュ ベートした。単離した青色コロニーを拾い出し、次いで、既知の誘導剤の存在下 でインキュベーションすることにより、特定のストレスプロモーターの存在をチ ェックした。次いで、細菌溶解物をβ−ガラクトシダーゼ活性について分析した 。誘導性β−ガラクトシ ダーゼ活性を示したコロニーは、所望のストレスプロモーター融合物の単一のコ ピーを含んでいた。 実施例12 好ましいキットを用いる既知の毒素の追加アッセイ プロモーター融合物およびβ−ガラクトシダーゼアッセイ(両方とも実施例11 に記載されている)の最も好ましいセットを用いて、MMS、HgCl、4-NQO、および パラコートについての誘導プロフィールを作成した。 図9は、MMSが特異的にadaプロモーターを誘導し、そして470μMから1880μM の濃度でdinDプロモーターを非常に少ない程度にまで誘導することを示す。これ は、DNAをアルキル化することにより主にDNA損傷を引き起こすMMSの既知の作用 メカニズム(ada誘導)を確証する。dinDの少ない誘導は、偶然のDNA鎖破損の結 果であり得る。 図10は、塩化第二水銀が、無機水銀化合物に反応することが知られているmerR プロモーターを、特異的に誘導することを示す。 図11は、4-NQOが、dinDプロモーターの誘導を引き起こし、そしてsoi28、nfo 、およびmicFプロモーターのより低い程度までの誘導を引き起こすことを示す。 これは、酸化的な鎖の破損を介するDNA損傷を引き起こし、および細胞の酸化還 元平衡を崩壊させる、4-NQOの作用の様式に一致する。 図12は、soi28およびmicFプロモーターの特異的誘導、およ びパラコートによるnfoプロモーターのより低い程度までの特異的誘導を示す。 パラコートは、過酸化物のラジカル形成を引き起こすことが知られており、次に 、酸化還元ストレスプロモーターのsoi28およびmicFを誘導する。nfoプロモータ ーは、細胞内の高過酸化物ラジカル濃度により引き起こされ得る酸化的DNA損傷 により誘導される。merRおよびdinDプロモーターの明らかな阻害は、未だ説明さ れ得ない。 上記の研究に加えて、多くの他の化学物質が好ましいプロモーターのセットに 対してスクリーニングされた。このセットは、β−ガラクトシダーゼに融合した 以下の細菌のストレスプロモーターの単一のコピーを有する細菌からなる:soi2 8、dinD、hag、ada、gyr、katG、nfo、clpB、merR、top、cyd、micF、zwf、groE 、katF、およびaniG。これらのアッセイの結果を以下の表4に示す。 上記の表において、「薬剤」は、種々のストレスプロモーター融合物を有する 細菌培養物に加える化合物であり;「高濃度」は、それらの培養物に対して試験 された薬剤の最も高い濃度であり;「誘導されたプロモーター」は、特定の薬剤 により誘導されたストレスプロモーターであり;「誘導倍数」は、薬剤の非存在 下でのβ−ガラクトシダーゼの発現と比較した、薬剤(「濃度」欄に示した濃度 での)存在下でのストレスプロモーターで制御されたβ−ガラクトシダーゼの発 現のレベルである。 本発明の多くの実施態様を明細書中に示したが、基本的な構成を変更して、本 発明の診断用キット、プロセス、および生成物を利用する他の実施態様を提供し 得ることは明らかである。したがって、本発明の範囲が、実施例により明細書中 に示された特定の実施態様ではなく、本明細書に添付された請求の範囲により定 義されるべきことが理解される。 配列表 (1)一般的情報: (i)出願人(米国以外のすべての指定国): (A)名称:プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ. (B)番地:マウント アーバーン ストリート 124,ユニバーシティー プレイス,フォース フロア サウス (C)市:ケンブリッジ (D)州:マサチューセッツ (E)国:アメリカ合衆国 (F)郵便番号:02138 (i)出願人(米国のみ): (A)名称:スペンサー ビー.ファー (B)番地:カルミア アベニュー 2852,ナンバー 184 (C)市:ボールダー (D)州:コロラド (E)国:アメリカ合衆国 (F)郵便番号:80301 (ii)発明の名称:リポーター遺伝子に融合した細菌のストレスプロモーターを 用いる毒性を測定するための方法および診断用キット (iii)配列数:54 (iv)連絡住所: (A)住所人:フィッシュ アンド ニーブ (B)番地:アベニュー オブ ジ アメリカ 1251 (C)市:ニューヨーク シティ (D)州:ニューヨーク (E)国:アメリカ合衆国 (F)郵便番号:10020 (v)コンピューター読み出し形態: (A)媒体型:フロッピーディスク (B)コンピューター:IBM PC互換用 (C)OS:PC-DOS/MS-DOS (D)ソフトウェア:パテントイン リリース #1.0、バージョン #1.25 (vi)現在の出願データ: (A)出願番号:PCT/US93/06537 (B)出願日:1993年7月6日 (C)分類: (vii)基礎となる先願の出願データ: (A)出願番号:US 07/910,793 (B)出願日:1992年7月6日 (viii)代理人/事務所情報: (A)氏名:マークス,アンドリュー エス. (B)登録番号:33,259 (C)照会/記録番号:Farrtox-1 CIP (ix)電話回線情報: (A)電話:(212)596-9000 (B)テレファックス:(212)596-9090 (C)テレックス:14-8367 (2)配列番号:1の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:1: (2)配列番号:2の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:2: (2)配列番号:3の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:3: (2)配列番号:4の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:4: (2)配列番号:5の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:5: (2)配列番号:6の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:21塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:6: (2)配列番号:7の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:22塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:7: (2)配列番号:8の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:8: (2)配列番号:9の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:9: (2)配列番号:10の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:22塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:10: (2)配列番号:11の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:11: (2)配列番号:12の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:12: (2)配列番号:13の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:13: (2)配列番号:14の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:14: (2)配列番号:15の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:15: (2)配列番号:16の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:16: (2)配列番号:17の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:17: (2)配列番号:18の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:18: (2)配列番号:19の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:19: (2)配列番号:20の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:20: (2)配列番号:21の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:21: (2)配列番号:22の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:22: (2)配列番号:23の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:23: (2)配列番号:24の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:24: (2)配列番号:25の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:19塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:25: (2)配列番号:26の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:26: (2)配列番号:27の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:27: (2)配列番号:28の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:28: (2)配列番号:29の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:29: (2)配列番号:30の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:21塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:30: (2)配列番号:31の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:31: (2)配列番号:32の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:32: (2)配列番号:33の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:33: (2)配列番号:34の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:21塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:34: (2)配列番号:35の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:35: (2)配列番号:36の情報: (i)配列の特色 (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:36: (2)配列番号:37の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:22塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:37: (2)配列番号:38の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:38: (2)配列番号:39の情報: (i)配列の特色 (A)長さ:19塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:39: (2)配列番号:40の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:40: (2)配列番号:41の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:41: (2)配列番号:42の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:24塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:42: (2)配列番号:43の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:43: (2)配列番号:44の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:22塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:44: (2)配列番号:45の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:31塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:45: (2)配列番号:46の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:31塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:46: (2)配列番号:47の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:87塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:47: (2)配列番号:48の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:62塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:48: (2)配列番号:49の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:34塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:49: (2)配列番号:50の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:42塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:50: (2)配列番号:51の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:35塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:51: (2)配列番号:52の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:38塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:52: (2)配列番号:53の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:82塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:53: (2)配列番号:54の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:75塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号:54:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12Q 1/68 Z 9453−4B G01N 33/00 D 8310−2J

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.化合物の毒性を測定する、または毒性化合物に対する抗毒素を同定するため の診断用キットであって、該キットが複数の細菌宿主を包含し、該宿主のおのお のがストレスに応答するプロモーターを有し、そして該プロモーターが、アッセ イ可能な産物をコードし、該プロモーターと異なる遺伝子に作動可能なように連 結し、該複数の宿主が、以下のそれぞれに応答する少なくとも1つのプロモータ ーを包含する、キット:酸化還元ストレス、DNAストレス、タンパク質ストレス 、エネルギーストレス、およびpHストレス。 2.請求項1に記載の診断用キットであって、酸化還元ストレスに応答する前記 プロモーターが、sodA、soi28、katG、ahp、rdc、gsh、zwf、およびmicFから選 択される、診断用キット。 3.請求項1に記載の診断用キットであって、DNAストレスに応答する前記プロ モーターが、dinD、ada-alkA、ada、leu-500、gyr、top、mutT、nfoから選択さ れる、診断用キット。 4.請求項1に記載の診断用キットであって、タンパク質ストレスに応答する前 記プロモーターが、rpoD、lon、clpB、merR、fepB-entC、groE、またはmetoから 選択される、診断用 キット。 5.請求項1に記載の診断用キットであって、エネルギーストレスに応答する前 記プロモーターが、sdh、cyo、cyd、またはuncから選択される、診断用キット。 6.請求項1に記載の診断用キットであって、pHストレスに応答する前記プロモ ーターが、hag、micF、aniG、またはkatFから選択される、診断用キット。 7.請求項1に記載の診断用キットであって、前記複数の細菌宿主が全体で、以 下のプロモーターを包含する、診断用キット:soi28、dinD、hag、ada、gyr、ka tG、nfo、clpB、merR、top、cyd、micF、zwf、groE、katF、およびaniG。 8.請求項7に記載の診断用キットであって、rdc、ahp、lon、unc、fepB-entC 、leu-500、cyo、sdh、rpoD、ada-alkA、sodA、mutT、gsh、またはmetoから選択 されるプロモーターをさらに少なくとも1つ包含する、診断用キット。 9.請求項1から8のいずれか1つに記載の診断用キットであって、アッセイ可 能な産物をコードする前記遺伝子がlacZである、診断用キット。 10.化合物の毒性を測定する方法であって、該方法は以下の工程: (a)複数の細菌宿主のそれぞれを別個に培養する工程、ここで、該宿主 のそれぞれがストレスに応答する少なくとも1つのプロモーターを有し、該プロ モーターが検出可能な産物をコードし、そして該プロモーターと異なる遺伝子に 作動可能なように連結し、そして該複数の宿主が全部で、以下のそれぞれに応答 するプロモーターを包含する:酸化還元ストレス、DNAストレス、タンパク質ス トレス、エネルギーストレス、およびpHストレス; (b)該培養物のそれぞれを該化合物とインキュベートする工程;および (c)培養物それぞれの中の検出可能な産物を検出する工程、 を包含する、方法。 11.請求項10に記載の方法であって、酸化還元ストレスに応答する前記プロ モーターが、sodA、katG、ahp、soi28、rdc、gsh、micF、およびzwfから選択さ れる、方法。 12.請求項10に記載の方法であって、DNAストレスに応答する前記プロモー ターが、dinD、ada-alkA、ada、leu-500、gyr、top、mutT、またはnfoから選択 される、方法。 13.請求項10に記載の方法であって、タンパク質ストレスに応答する前記プ ロモーターが、rpoD、lon、clpB、merR、fepB-entC、meto、またはgroEから選択 される、方法。 14.請求項10に記載の方法であって、エネルギーストレスに応答する前記プ ロモーターが、sdh、cyo、cyd、またはuncから選択される、方法。 15.請求項10に記載の方法であって、pHストレスに応答する前記プロモータ ーが、hag、katF、micF、またはaniGから選択される、方法。 16.請求項10に記載の方法であって、前記複数の細菌宿主が全体で、以下の プロモーターを包含する、方法:soi28、dinD、hag、ada、gyr、katG、nfo、clp B、merR、top、cyd、micF、zwf、groE、katF、およびaniG。 17.請求項16に記載の方法であって、前記複数の細菌宿主が、さらに、 rdc、ahp、lon、unc、fepB-entC、leu-500、cyo、sdh、rpoD、 ada-alkA、sodA 、mutT、gsh、またはmetoから選択されたプロモーターを少なくとも1つを包含 する、方法。 18.請求項10から17のいずれか1つに記載の方法であ って、前記化合物を、工程(b)に先立ってS9肝臓抽出物とインキュベートする工 程をさらに包含する、方法。 19.請求項10から18のいずれか1つに記載の方法であって、検出可能な産 物をコードする前記遺伝子がlacZである、方法。 20.毒性化合物に対する抗毒素を測定する方法であって、該方法は以下の工程 : (a)請求項10から19のいずれか1つに記載のプロセスにより、毒性 化合物によって引き起こされるストレスのタイプを測定する工程; (b)請求項10から19のいずれか1つに記載のプロセスにおいて、該 毒性化合物によって引き起こされるストレスに類似のストレスを引き起こす公知 の毒性化合物を同定する工程;および (c)該既知の毒性化合物に対する抗毒性を同定する工程、 を包含する、方法。 21.薬剤の毒性を低減する方法であって、以下の工程: (a)該薬剤により引き起こされるストレスのタイプを請求項10から1 9のいずれか1つに記載のプロセスを用いて測定する工程;および (b)該測定されたストレスを引き起こす該薬剤の部分を改変するまたは 除去する工程を含む、方法。 22.請求項21に記載の方法により産生された改変薬剤。
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