JP2002517260A - 制限酵素遺伝子発見法 - Google Patents

制限酵素遺伝子発見法

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JP2002517260A
JP2002517260A JP2000553622A JP2000553622A JP2002517260A JP 2002517260 A JP2002517260 A JP 2002517260A JP 2000553622 A JP2000553622 A JP 2000553622A JP 2000553622 A JP2000553622 A JP 2000553622A JP 2002517260 A JP2002517260 A JP 2002517260A
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ローリ,エリザベス・エイ
バイスビラ,ロミユアルダス
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ニユー・イングランド・バイオレイブズ・インコーポレイテツド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、発現方向が事前に分かる可能性が高く、かつ外因性の可能な毒性遺伝子と結合し得る可能性が低い無傷な遺伝子の直接的なクローニングに関する。特に本発明は、変化しやすいオープンリーディングフレームに隣接する反復配列からなるDNAカセットにコードされる遺伝子を得ることに関する。本発明は、反復エレメントにハイブリダイゼーションするオリゴヌクレオチドを使用してそのようなカセットコード遺伝子を得ること、それらをクローニングすること、およびそれらを発現させることを包含する。発現には、厳密に調節されるベクターおよび開示された有用な菌株を用いることができる。制限エンドヌクレアーゼおよびDNAメチルトランスフェラーゼの遺伝子を、それらの配列または生化学的特異性に関する事前の情報がない条件下で同定するための方法もまた開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願) 本出願は、米国仮特許出願第60/089,101号(1998年6月12日
出願)および米国仮特許出願第60/089,086号(1998年6月12日
出願)のPCT出願である。これらの開示は、それらによって参考として本明細
書中に援用される。
【0002】 (発明の分野) 本発明は、一般には、遺伝子発見、クローニングおよび発現の分野に関する。
本発明の特定の局面は、本発明により、発現方向が事前に分かる可能性が高く、
かつ外因性の可能な毒性遺伝子と結合し得る可能性の低い無傷な遺伝子の直接的
なクローニングが可能になるということである。
【0003】 本発明は、特定の種類の遺伝子に限定される。なぜなら、遺伝子の中には、本
発明の方法によるクローニングおよび発見がらの遺伝子よりも容易であると考え
られる遺伝子が存在するからである。従って、本発明は、より詳細には、保存さ
れた反復配列によって隔てられている遺伝子カセットのアレイ内に見出される遺
伝子をクローニングすることに関する。現在の理解に基づいて、そのようなアレ
イは原核生物において見出されており、特定の状況下では選択的に非常に好都合
であって、他の条件下では必要とされない機能を有する遺伝子を含有している。
従って、ある種の遺伝子はこのようなアレイにおいて見出されないが、他の種類
の遺伝子はそのようなアレイ内に濃縮されているはずである。そのようなカセッ
トのアレイにおいて見出され得る遺伝子の中には、商業的に注目される遺伝子が
多い。そのようなアレイにおいて予想され得る注目される遺伝子の種類を下記に
示す: 制限酵素。制限酵素は、分子生物学における様々な手法に有用であり、多くの
有用なベクターの構築を可能にする。
【0004】 接着因子。接着因子は、細胞が特定の表面に結合することを可能にし得る。他
の表面と区別して、特定の表面への特異的な結合が可能になることによって、多
くの使用法がコーティングの提供および、目的とする位置への分子または生物の
標的化においてもたらされる。そのような接着因子はまた、病原性生物によって
発現されたときに病原性プロセスを媒介し得る。従って、接着因子が得られるこ
とによって、そのような病原性生物の競争的排除を可能にすることができる。
【0005】 小分子を改変する酵素。このような酵素は、特定の環境において多量に存在す
る毒性物質または他の物質を、ヒトまたは動物に対してあまり毒性のない別の物
質に、あるいはより有用な形態に変換することができる。
【0006】 宿主生物と相互作用する特異的なトキシン分子。このようなトキシン分子は、
トキシンの阻害剤またはアンタゴニストの合成に有用であり、あるいはワクチン
目的に有用であり得る。
【0007】 関連するカセットにコードされる遺伝子産物のその他の例は、共通した一般的
な性質を有する(接着因子は物体に接着する)が、非常に変化しやすい特異性を
有する(接着する特定の表面は、岩から腸粘膜〜泌尿上皮までの多くの異なる種
類に及ぶ)。この種の遺伝子は、「選択された多様性の遺伝子」と下記では呼ば
れる。上記の遺伝子タイプの列記は完全なものではない。
【0008】 (発明の背景) 原核生物における超可変遺伝子領域 同じ種の近縁菌株の間における大きな配列発散を示す超可変領域が、原核生物
の染色体の様々な位置において見出されている。場合によっては、ある菌株に存
在する遺伝子が近縁の菌株から完全に失われている。この現象の例には、いわゆ
る「病原性の島」、病因に必要とされる遺伝子を有する染色体エレメント(Mc
Danielら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、92(5)
:1664〜1668(1995))が含まれる。制限酵素の遺伝子が、このよ
うな超可変性の領域において見出されることがある(Danielら、J.Ba
cteriol.170:1775〜1782(1988);Raleigh、
Mol.Microbiol.6:1079〜1086(1992);Barc
usら、Genetics、140:1187〜1197(1995))。この
ような領域の組み立ておよび変化の機構は新規な遺伝子機構に依存し得る。
【0009】 超可変遺伝子領域としてのインテグロンおよびスーパーインテグロン:可動性
遺伝子カセット インテグロン(HallおよびCollis、Mol.Microbiol.
15(4):593〜600(1995))は、λインテグラーゼと同族の部位
特異的なインテグラーゼの作用部位である関連したDNAエレメント(「59b
pエレメント」)によって隔てられた無プロモーター遺伝子カセットのアレイで
ある(図1)。各インテグロンは、5’末端に、対応するインテグラーゼの遺伝
子を有している。インテグラーゼ遺伝子の内部には、カセットの方を向き、すべ
てのカセット内遺伝子の発現が依存しているプロモーターが存在している。カセ
ットは、染色体外の非複製性サークルとして見出され得るが、インテグラーゼに
よってアレイ内に挿入され得る。特徴づけられたインテグロンは、プラスミドに
よって運ばれる。さらに、このようなカセットにより、薬剤または他の毒性産物
(水銀など)に対する耐性が説明される。通常のインテグロンは小さい:8個ま
でのカセットが、1つの通常的なインテグロンにおいて同定されているが、大抵
の場合、1個〜3個である。すべての遺伝子が、隣接するインテグラーゼ配列の
内部に見出される1個のプロモーターから発現していると考えられる(Leve
squeら、Gene、142(1):49〜54(1994);Recchi
aおよびHall、Mol.Microbiol.15(1):179〜187
(1995))(図1)。いずれの場合においても、プロモーター様配列は、通
常、遺伝子カセット内において同定されていない。インテグロンのプラスミド位
置および多剤耐性特性は、おそらくは、関連する研究の歴史的起源を反映してい
ると考えられる。それらは、そのような挙動が選択的に好都合である臨床的状況
から単離された細菌における薬剤耐性の水平伝搬に関する研究の結果として見出
されたからである。
【0010】 スーパーインテグロン(Mazelら、Science、280(5363)
:605〜608(1998))が、最近、インテグロンから得られる部位特異
的なインテグラーゼによって移動し得る非常に多数の遺伝子カセットの染色体で
のアレイとして記載された。コレラ菌(Vibrio cholerae)で見
出されたこの大きなアレイは100個までのカセットを含有することがあり、染
色体の10%も占めることがある(Barkerら、J.Bacteriol.
176(17):5450〜5458(1994))。Manningの研究室
により、このアレイが、病因に関連した赤血球凝集素を研究している途中で同定
された(Franzonら、Infect.Immun.61(7):3032
〜3037(1993))。このアレイ内のオープンリーディングフレームは、
VCR(ibrio holerae epeatsの略)と呼ばれる反
復した配列によって隔てられている。この反復は、薬剤耐性インテグロンの「5
9bpエレメント」と同じではないが、類似している(Mazelら、上記(1
998))。Manningの研究室は、コレラ菌に関連したインテグラーゼを
同定したと主張している(Clarkら、Mol.Microbiol.26(
5):1137〜1138(1997))。Daviesの研究室は、コレラ菌
に由来するそのような遺伝子の論文を発表している(Mazelら、上記(19
98))。
【0011】 このスーパーインテグロンは、普通のインテグロンと、下記の4つの点で区別
される:サイズ、プロモーターの配置、複製位置、およびカセット内に見出され
る遺伝子の性質。最もよく研究されているインテグロンの例とは対照的に、60
個〜100個のカセットがコレラ菌のアレイ内に存在しているようである。それ
らは必ずしもすべてが同じ方向を向いているわけではないので(図2)、共通の
プロモーターから発現され得ない。さらに、スーパーインテグロンによってコー
ドされる機能は明らかに多様であり、そのいくつかは病因に関連していると考え
られる(Mazelら、上記(1998))。カセット内遺伝子のいくつかは、
(Barkerら、上記(1994)において報告された配列のORF3.1お
よびORF3.2のデータベース検索から)プラスミドによってコードされるい
くつかのタンパク質に関連していた。1つは熱に安定なトキシンであり(Oga
waおよびTakeda、Microbiol.Immunol.37(8):
607〜616(1993)、1つはリポタンパク質遺伝子に類似していた(v
lpA;ORF2のデータベース検索から)。従って、本発明者らは、(Maz
elらに従って)、このアレイは、病原性に関連し、そしてらの生物学的機能を
特徴づけるおとり遺伝子に関連する遺伝子をクラスター化するように機能し得る
と推測している。
【0012】 インテグロンおよびスーパーインテグロンにおける遺伝子カセット間の反復配
列 遺伝子カセット間に点在している配列は、遺伝子カセットが配置されている様
々なレプリコンの間での遺伝子カセットの獲得および交換に関わっていると考え
られる。「59bpエレメント」または「VCRエレメント」と呼ばれるこれら
の配列は、配列が多様であるが、いくつかの共通した特徴を示している。下記の
配列からなるコンセンサス配列が、従来の「59bpエレメント」について最初
に推定された(Hallら、Mol.Microbiol.5(8):1941
〜1959(1991):
【0013】
【化1】
【0014】 その後、対応するこの配列はセグメント内の長さおよび配列が変化しているこ
とが見出された(HallおよびCollis、上記(1995))。2つの最
も保存されたセグメントが常に同定され得る:遺伝子カセットの5’(および上
記配列の3’末端;下線部)において、GTTRRRY(配列93)の「コア配
列」(CS)が見出され、そしてカセットの3’(および上記配列の5’末端;
下線部)において、RYYYAAC(配列番号94)の「逆コア配列」(ICS
)が見出されている。これらの2つのエレメントは、逆向き反復として関連して
いる。切り出されたとき、染色体外サークルに含まれる配列の一部は、コア配列
内のGから離れるように遺伝子の3’にその配列を含む。従って、サークルは、
遺伝子の5’末端(TTAGRY(配列番号95))からCSの残りの部分で完
了する。
【0015】 VCRエレメントは、最初、他の配列のいずれにも関連していないと言われて
いた(Barkerら、上記(1994))。しかし、その後、より大きな長さ
を除いて、「59bpエレメント」の特徴と一致することが明らかにされた(M
azelら、上記(1998);Clarkら、上記(1997))。VCRエ
レメントは、不完全な一対の対称的な124bpの直列反復からなり、ICSモ
チーフおよびCSモチーフをその両端に有する。VCRエレメントは、仮想的な
赤血球凝集素遺伝子を囲む元の配列において9回見出された(Barkerら、
上記(1994))。
【0016】 PCRがインテグロンを特徴づけるために使用されている。いくつかの研究で
は、保存されたインテグラーゼ遺伝子に、あるいはsull(多くのインテグロ
ンの3’末端に見出されている保存された遺伝子)にアニーリングするプライマ
ーが用いられた(例えば、Levesqueら、Antimicrob.Age
nts Chemother.39(1):185〜191(1995);Sa
llenら、Microb.Drug Resist.1(3):195〜20
2(1995);Sandvangら、FEMS Microbiol.Let
t.160(1):37〜41(1998))。他の研究では、カセットにコー
ドされる特定の遺伝子にアニーリングするプライマーが用いられている(例えば
、Sendaら、J.Clin.Microbiol.35(12):2909
〜2913(1996);Tosiniら、Antimicrob.Agent
s Chemother.42(12):3053〜3058(1998))。
しかし、これらの反復配列によって、カセットにコードされる遺伝子をPCRに
より獲得できることは、配列の縮重およびそれらによりコードされる二次構造の
ために疑わしいと考えられている(HallおよびStokes、Geneti
ca、90(2−3):115〜132(1993))。しかし、Mazelら
(上記(1998))は、VCRエレメントにアニーリングするプライマーを使
用するPCRによってカセットを得ることができた。
【0017】 制限酵素遺伝子発見の背景 制限酵素の性質 制限酵素は、分子生物学研究の非常に便利な道具である。制限酵素は、DNA
において4塩基対〜8塩基対の長さの部位を特異的に認識し、その選択性は極め
て大きい。すなわち、1つのミスマッチを有する部位は、典型的には、正しい部
位に対して示される親和性よりも1/1000の小さい親和性で認識される。こ
の大きな選択性は、実用的な適用における使用には不可欠である。
【0018】 知られている制限酵素は、200を超える種々の特異的なDNA配列を認識し
(RobertsおよびMacelis、Nucleic Acids Res
.26(1):338〜350(1998))、その多くは市販されている。し
かし、異なる部位の潜在的な数はそれよりもはるかに多い:32,512個の異
なる8塩基部位が認識され得る[((4/2)−256):各位置において4
つの塩基が可能な8塩基の長さの部位;これは2つの相補鎖の一方で認識され得
る;8塩基パリンドロームはそれぞれ2つの鎖において同じに読まれるので、2
56を引く]。
【0019】 8bpの認識部位を有する酵素(NotI、SfiI、SwaI、PacIお
よびPmeIなどの8−切断物)は特に有用である。これらの酵素は、ヒトおよ
びらの高等真核生物のゲノムなどの複雑度の大きな起源から得られるDNAのマ
ップ作製および操作のために使用される。このような有用性は、例えば、大きな
イントロンが1つのDNAフラグメントに存在する遺伝子全体を単離することを
可能にする部位の希少度(パリンドローム部位に関して65,000bpに1回
)から生じる。
【0020】 8bpの認識部位を有する12個の知られている特異性のうち、2つがPse
udomonas spp.で見出され、9つがStreptomycesまた
はらの高G+Cグラム陽性細菌で見出され、1つがStaphylococcu
sで見出された。配列情報はこれらの6つについて得ることができる:2つがP
seudomonas単離物であり、4つが高G+C生物から得られている。
【0021】 制限酵素の発見に対する競合的方法 これまでに、新しい酵素活性に関するスクリーニングおよび新しい部位を認識
させるために既存酵素を変化させる、という2つの広範囲の方法が、新しい制限
酵素を見出すという問題に対して取られている。
【0022】 1)(菌株コレクションまたは自然環境から入手した)個々の原核細胞株の粗
製抽出物のスクリーニング。供試基質(たとえばファージλDNA)をこのよう
な抽出物と一緒にインキュベーションし、消化物をアガロースゲル電気泳動にか
けて分析した。この標準的な方法によれば、約200kbの組み合わせの複雑度
を持った標的を日常的に使用して、スクリーニングにかけられた粗製抽出物の約
25%に少なくとも一つの部位特異的なヌクレアーゼが同定される。
【0023】 この手法には重大な欠陥が二つある。その第一は、新しい部位を認識するこの
ような酵素のフラクションは今のところ非常に低いということである。その原因
の一部は、長さが4bpと6bpの間の認識部位で酵素を同定することに偏って
いることと、標的の基質に存在しないことが少なくないより大きな標的で酵素を
検出することの不完全さのためであるかもしれない。
【0024】 第二の欠点は、この方法が非常に手間がかかるという点である。各菌株は個々
に検査する必要があり、関係している手順のいくつかは、それ自体がプロジェク
トと言えるものである。細胞の培養、細胞の溶解、抽出物の純化は、それぞれが
常套的な手順となりうる。粗製抽出物の良否は、外来ヌクレアーゼ、DNA結合
タンパク質およびプロテアーゼの混入の程度の点で、単離株によって大きく変わ
る。
【0025】 Pseudomonas種とその近縁種の特定の例では、ヌクレアーゼの混入
がひどいために、抽出物の取扱いが困難なことがしばしば起こる。Xantho
monas株(Pseudomonasと近縁)は、細胞外多糖類を著量に産生
するため、培養物を遠心分離によって集めることが困難であることがしばしば起
こり、同じ理由で抽出物の純化は困難な作業である。
【0026】 2)突然変異による既存酵素の変化で新しい配列を認識。構造情報が利用でき
る、6塩基対を認識する酵素から始めて、部位指向ランダムまたはランダムカセ
ット変異誘発によって特異性を変える試みが行われている(たとえば、Dorn
erおよびSchildkraut,Nucleic Acids Res.2
2(6):1068〜1074(1994);HeitmanおよびModl,
EMBO J.9(10):3369〜3378(1990);Ivanenk
oら,Biol.Chem.379(4−5):459〜465(1998);
HAGERら,J.Biol.Chem.265(35):21520〜215
26(1990)およびI.Schildkraut,私信)。この研究は有益
な産物をもたらすかもしれないが、特異性の向上(すなわち、さらに多くの塩基
を認識する)も特異性の変化(すなわち、同じ長さで異なる配列を認識)もまだ
得られていない。
【0027】 制限酵素による遺伝子クローンの同定およびクローニングの背景 制限酵素は非常に多様な原核生物に存在しており、その多くは増殖要件が難し
く、しばしば存在量も少ない。商業生産のためには、大腸菌のような十分に理解
され遺伝子的に取り扱いやすいバクテリア宿主中で制限酵素が生産できれば、最
も有益である。遺伝子の発現と調節、および宿主細胞の遺伝子的取扱いのための
多くの手段があれば、より高い純度でより安く制限酵素を調製することが可能に
なる。従って、分子クローンとしてエンドヌクレアーゼのための遺伝子を入手す
ることが極めて有益である。
【0028】 メチルトランスフェラーゼ選択法 クローンライブラリーに制限酵素の遺伝子が存在するかどうかを確認する一つ
の方法は、同系のDNAメチルトランスフェラーゼに対する密接に関連した遺伝
子の存在と発現に基づく方法である(Wilson,米国特許第5,200,3
33号(1993))。このようなメチルトランスフェラーゼ酵素は、特定のD
NA配列を認識し、その配列内のAまたはC残基にメチル基を付加する。この修
飾によってエンドヌクレアーゼによる切断が阻止され、その結果、宿主ゲノムが
致命的な損傷を受けるのを防止する。このようなメチルトランスフェラーゼ遺伝
子がクローンライブラリーに存在し、有効に発現されるなら、そのクローンDN
Aは切断から保護される。これは試験管内でそのクローンの選択を可能にし、ク
ローンプールからプラスミドクローンDNAが精製され、所望のエンドヌクレア
ーセ酵素で切断される。メチルトランスフェラーゼクローンは切断されないのに
対して、ライブラリーの他のクローン(異なる細胞中に存在する)は破壊される
。このような手順による再形質転換によって、メチルトランスフェラーゼ遺伝子
の発現量が著しく高くなる選択プールが確立される。エンドヌクレアーゼ遺伝子
は、しばしばメチルトランスフェラーゼ遺伝子と隣り合わせになっており、もし
そのように隣接していると、エンドヌクレアーゼ遺伝子(またはその一部)は、
しばしば回収される。この方法は「メチルトランスフェラーゼによる選択」法と
呼ばれる。次の三つの条件が成立すれば大いに有用である:同系メチルトランス
フェラーゼが存在する;前記二つ機能の遺伝子がDNA中で強く結合している;
そしてメチルトランスフェラーゼが大腸菌中で発現される。
【0029】 この基本的な方法にはいくつかの改変法が加わり、最初のクローンが完全なエ
ンドヌクレアーゼ遺伝子を含まない場合、または、エンドヌクレアーゼの移入が
可能になる前に、まず細胞にメチルトランスフェラーゼが発現される必要がある
場合(「二段階法」)に、エンドヌクレアーゼ遺伝子の単離を可能にする(Br
ooksおよびHoward、米国特許第5,320,957号(1994))
【0030】 縮重メチルトランスフェラーゼ−モチーフPCR法 クローンライブラリー中に制限系遺伝子対が存在するかどうかを同定する第二
の方法は、DNAメチルトランスフェラーゼタンパク質中に存在する保存ポリペ
プチドモチーフエレメントが存在するかどうかに基づいている(Klimasa
uskasら、,Nucleic Acids Res.17:9823〜98
32(1989);Lausterら、J.Mol.Biol.206:305
〜312(1989);Posfaiら、Gene 74(1):261〜26
5(1988))。この方法は、次の三つの条件が成立するときに最も有用であ
る:同系メチルトランスフェラーゼが存在する;前記二つ機能の遺伝子がDNA
中で強く結合している;そしてメチルトランスフェラーゼが大腸菌中で効果的に
発現されない。メチルトランスフェラーゼは、効果的に発現されないので、メチ
ルトランスフェラーゼ選択法は使用することができない。この代替の方法は、簡
単に言うと、次のようである:保存ポリペプチドモチーフエレメントのポリペプ
チド配列は、それぞれ問題のポリペプチド配列を指定することができるDNA配
列のプールに逆翻訳される。遺伝子暗号は縮重し、多くの場合、いくつかの異な
るDNA三文字暗号が同じアミノ酸を指定することができるため、このプールは
縮重したプールと呼ばれる。このように、PCPフラグメントの配列が決定され
、ハイブリッド化またはPCRによってゲノムDNAまたはクローンライブラリ
ー中の正しい配列の存在を検出する、縮重していない(唯一の)さらなるプライ
マーの設計を可能にする。そこで、隣接DNA配列は、逆PCR法またはサザン
ブロットスクリーニング法によって得ることができる。さらなる配列が得られ、
最後に完全な制限系を構築することが出来る。この方法は、メチルトランスフェ
ラーゼ遺伝子および隣接するエンドヌクレアーゼ遺伝子を単離するために単独で
も使用できるし、他の方法と組み合わせて使用することもできる。
【0031】 「メチラーゼインジケーター」DNA損傷法 メチルトランスフェラーゼ遺伝子を含むクローンを同定する別の方法(Pie
karowiczら,J.Bacteriol.173:150〜155(19
91);Piekarowiczら、Nucleic Acids Res.,
19:1831−1835(1991);PiekarowiczらおよびWe
glenska,Acta Microbiol.Po.43(2):229〜
231(1994))は、メチル化に依存する制限系Mcra、McrBCおよ
びMrr(HeitmanおよびModel,J.Bacteriol.169
&7):3243〜3250(1987);HeitmanおよびModel,
Gene 103:1〜9(1991);Waite−Reesら,J.Bac
teriol.173(16):52−7〜5219(1991);Ralei
ghおよびWilson,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8
3:9070〜9074(1986);KelleherおよびRaleigh
,J.Bacteriol.173(16):5220〜5223(1991)
)およびdinD1::lacZオペロン融合に基づくもので、これによってメ
チルトランスフェラーゼ遺伝子を含むクローンのスクリーニングが可能になる。
mcrA、mcrBCおよびmrrにおける温度感受性変異株は、クローン化さ
れた外来遺伝子によるメチルトランスフェラーゼ活性の表現に対して高温で許容
性を示す。しかし、これらの制限機能が(低温で)活性な場合は、外来メチルト
ランスフェラーゼ酵素によってメチル化されたDNAを開裂する。この開裂によ
って、内因性のDNAの損傷を誘導する(SOS)レギュロンの発現を誘導する
信号が発生する。つづいて、このレギュロン中の遺伝子の一つ(dinD)とl
acZ遺伝子の間でdinD1::lacZ転写融合が誘導され、βガラクトシ
ダーゼが発現される。βガラクトシダーゼの作用により、コロニーがXgalを
含むプレート上で青色に変化させる。従って、高温で白色(または淡い青色)で
あるが低温では暗青色に変わるクローンライブラリーからのコロニーは、メチル
トランスフェラーゼクローンの候補である。
【0032】 N−末端配列/縮重PCR法 メチルトランスフェラーゼ遺伝子が同定できないとか、あるいはメチルトラン
スフェラーゼは同定できるが、エンドヌクレアーゼを指定する開放型読みとり枠
がはっきりしないことが起こるかもしれない。こうした例では、元の生物体から
十分な量と純度でエンドヌクレアーゼが精製できれば、エンドヌクレアーゼの遺
伝子を同定するためのさらに別の有用な手順が適用できる。この方法では、エン
ドヌクレアーゼポリペプチドは、均質になるまで精製され、N−末端ポリペプチ
ドの配列決定にかけられる。ポリペプチド配列は、該当する配列を指定すること
ができるDNAプライマーのプールに逆翻訳される。これらのプライマーは、元
の生物体のゲノムDNAまたはクローンライブラリーからのエンドヌクレアーゼ
遺伝子の部分を増幅するために使用される。
【0033】 この手順は、エンドヌクレアーゼ遺伝子部分を得るために単独で使用すること
もでき、あるいは、制限系の両要素の遺伝子部分を得るために、縮重トランスフ
ェラーゼ・モチーフPCR法(Morgan,米国特許第5,543,308号
(1996))のような他の方法と組み合わせて使用することができる。同系メ
チルトランスフェラーゼ遺伝子を得ることが出来ない場合や発現させることがで
きない場合は、単独エンドヌクレアーゼクローンの安定性と有用性は大幅に低下
する。このようなクローンは、同じか、または関連する配列を認識して、エンド
ヌクレアーゼがその認識配列を開裂するのを阻止するなら、元の宿主中でエンド
ヌクレアーゼと会合していなかった異種特異的メチルトランスフェラーゼ遺伝子
を使って、安定化させることができる(WilsonおよびMeda,米国特許
第5,246,845号(1993))。
【0034】 Endo−blue法 同系メチルトランスフェラーゼ遺伝子の有無には関係なく、クローンライブラ
リー中にエンドヌクレアーゼ遺伝子が存在するかどうかを確認するためのさらに
別の方法は、DNAの損傷のリポーターを含む無制限宿主大腸菌株にライブラリ
ーを移入する方法である。この方法は、前記の「メチラーゼインジケーター法」
と関連しているが、使用される菌株はメチル化DNAに特異的な制限活性を含ま
ない。この例では、制限酵素の発現によって開裂が起きるため、メチルトランス
フェラーゼの作用と内因性の制限活性を通して誘導するのではなくて、直接にS
OSレギュロン(およびdinD1::lacZインジケーター)を誘導する。
つづいて、βガラクトシダーゼを作用させれば、コロニーは、Xgalを含むプ
レート上で青色に変色することになる。
【0035】 このインジケーターは、修飾メチルトランスフェラーゼがうまく発現されない
時に、制限エンドヌクレアーゼクローンを確認するのに使用することができ、エ
ンドヌクレアーゼの条件付き活性を得ることができれば、メチルトランスフェラ
ーゼの有無に関係なく、何らかのDNAの損傷が起きる。たとえば、問題のエン
ドヌクレアーゼは、低い増殖温度で不活性であったとしても、温度を高くすれば
ある程度の活性は示す。後者の状況は、たとえば、通常は非常に高温で増殖する
超好熱菌中に元来発現されるいくつかの制限エンドヌクレアーゼで得られる(F
omenkovら,米国特許第5,498,535号(1996);Fomen
kovら,Nucleic Acids Res.22(12):2399〜2
403(1994))。
【0036】 クローニングされた遺伝子中における遺伝子の発現の調節の背景 ベクタープロモーターからの発現の調節 非常に多くの例で、実験担当者側の問題は、新しい細胞環境で有用な量の遺伝
子産物を作るのに十分な発現を、クローニングされたDNAから得ることである
。従って、外来DNAが移入されるべき位置を通して進行する高レベルの転写活
性を可能にする一つまたは複数のプロモーターを与える、利用可能な発現ベクタ
ーが多数存在する。しばしば、これらのベクターには、調節分子の遺伝子、たと
えば、移入されるプロモーターからの発現を調節することができる転写抑制因子
が移入され、あるいはこれらのベクターはそれ自体が調節因子を与える宿主生物
において使用される。このようにして、所望の発現を要求に応じて、すなわち特
定の発現を移入する間に、手に入れることが可能になる。多くのこのようなベク
ターは文献に記載されている(Sambrookら、Molecular Cl
oning: A Laboratory Manual(1989))。
【0037】 いくつかの例では、逆の問題が発生する:クローニングされたDNAから発現
させた産物が、ある理由でそれを発現する細胞に毒性を示し、高レベルで発現さ
れるように設計された通常のベクターは、特異的な誘導がなくても、過度に多量
の毒性を発現する。従って、誘導なくきわめて高いレベルでクローニングされた
遺伝子を発現するよう設計されたベクターが記載されている。このようなベクタ
ーで最も良く知られたベクターは、大腸菌で使用するように設計されたT7 R
NAポリメラーゼ依存発現系である(Studierら、Meth.Enzym
ol.185:60〜89(1990))。この系の場合、クローニングされた
遺伝子は、いかなる内因性の大腸菌のRNAポリメラーゼホロ酵素でも認識され
ない転写プロモーターから発現される。それに対して、使用されるプロモーター
は、バクテリオファージT7のRNAポリメラーゼによって認識される。このポ
リメラーゼは、大腸菌ゲノムにコードされない。この系によって、要求されるR
NAポリメラーゼがなくても毒性を持ったクローンの構築が可能になる。このよ
うにして、T7 RNAポリメラーゼ遺伝子をあらかじめ移入した好適な菌株に
そのクローンを移入することが可能になる。あるいは、ファージ由来のクローン
を感染させることによってポリメラーゼ遺伝子を移入することができる。
【0038】 固有のプロモータ類似配列からの発現阻止 有毒タンパク質に関するもう一つの問題は、発現ベクターに移入された外来D
NA自身が、大腸菌の発現構造によって認識される配列を含む時に持ち上がる可
能性がある。ベクター/宿主の組み合わせによってもたらされる特異的な調節因
子は、クローニングされた配列内に由来するプロモーターの活性を調節しない。
いくつかの例では、この発現は、特異的なプロモーターの認識の結果であること
もあるが、単に、DNA、特にA+Tに富むDNAに見られる偶発的なプロモー
ター類似の活性によって生じることもある(MillerおよびSimons,
Mol.Microbiol.4(6):881〜893(1990))。こう
した例では、有益な制御方法は、ベクター中に、クローニングされたDNAの翻
訳の方向に対向する調節可能なベクターを移入することである(Coleおよび
Honore,Mol.Microbiol.3(6):715〜722(19
89): AdhyaおよびGottesman,Cell 29(3):93
9〜944(1982);Elledgeら、Proc.Natl.Acad.
Sci.USA,86(10):3689〜3693(1989);Simon
sおよびKleckner,Annu.Rev.Genet.22:567〜6
00(1988);Robertsら、International Puli
cation No. WO 99/11821(1999))。ポリペプチド
の発現に必要な方向とは反対方向の転写が高レベルで起こると、二通りに発現が
妨害される可能性がある。その第一は、発現に必要な方向の転写が封鎖される可
能性である。第二は、有毒タンパク質の発現に使用されるRNAと、反対方向の
RNA(アンチセンスRNA)の間でRNA−RNAハイブリッドが形成され、
翻訳が阻止される可能性である。
【0039】 厳格な調節のための発現ベクターへのクローニング 特定の配列でDNAを切断する制限エンドヌクレアーゼは、普通、保護的な修
飾メチルトランスフェラーゼと会合している。この方法の場合、このようなエン
ドヌクレアーゼに対する遺伝子は、パートナーのメチルトランスフェラーゼ遺伝
子がなくても単離される可能性が極めて高い。従って、このようにしてクローニ
ングされたカセットの極めて厳格な調節は非常に重要である。
【0040】 プールされたPCRフラグメントをクローニングすることができる、細かく調
節される便利な発現プラスミド、pLT7Kが使用できる(Roberts、上
記(1999))。このベクターの場合、2種類の制御レベルが使用できる:す
なわち、発現を誘起することと、阻害作用を抑えることができる。T7遺伝子1
0プロモーターはクローニング部位の一方の側へ読みとる。発現に使用される宿
主細胞によってもたらされるT7 RNAの発現と同様、ベクターによってもた
らされるLacIは、前記プロモーターからの発現を抑制する。T7 RNAポ
リメラーゼのインヒビターを発現するpLysPを使って制御することもできる
【0041】 クローニングされたフラグメントによって指示される発現と、T7プロモータ
ーからの残った漏出発現をさらに抑制するため、λPLプロモーターは、pT7
からの発現と拮抗しながら、クローニング部位のもう一方の側へ向かって読みと
る。この拮抗転写は、熱感受性抑制因子のλcI857によって調節される。従
って、40℃、IPTG不在下では、実質的に発現は認められない。30℃では
いくらか漏出発現が観察される。30℃で、IPTGが存在すると、かなりのレ
ベルで発現を達成することが可能である。このベクターを使用することにより、
メチルトランスフェラーゼによる保護がなくても、(制限酵素PacIおよびN
laIIIをコードする)pacIRおよびnlaIIIR遺伝子を確立し、そ
れを発現することに成功している。
【0042】 発明の要旨 本発明の一般的な目的は、多様性選択された遺伝子のクローンを得ることであ
る。本発明の具体的な目的は、アレイに存在し反復配列によって隔てられた遺伝
子カセットの同定とクローニングに適する反復配列を同定する方法を提供するこ
とである。74メンバーを含むこのような反復配列ファミリーの具体的な一例は
、一つまたは複数のカセットアレイを含む4個の連続するDNA区間の配列と一
緒に与えられる。本発明のさらにもう一つの目的は、カセットの両側に隣接する
反復配列と混成するオリゴヌクレオチドによって指示されるPCR法によって、
このようなアレイからカセットをクローニングするための手順を提供することで
ある。このようなPCR法の具体的な一例を提供する。本発明のさらにもう一つ
の具体的な目的は、制限酵素のような有毒遺伝子を安定化させることができる発
現ベクターに、このようなPCR断片をクローニングするための手順を提供する
ことである。この手順によってクローニングすることが可能なこのような遺伝子
の具体的な一例を提供する。本発明のさらにもう一つの具体的な目的は、目的の
特定のクローニングされた遺伝子を確認する方法を提供することである。従って
、3種類の同定方法が提供される。すなわち、第一の方法は、タンパク質の配列
の類似性によって同定する方法である。第二の方法は、遺伝子の活性を間接的に
リポートさせる方法である。第三の方法は、生化学的な性質を直接試験する方法
である。この方法に従えば、ベクターpLT7Kの背景の中で、クローニングさ
れた発現可能なヌクレアーゼ遺伝子の間接的なリポートの提供を可能にする、2
種類の新規な菌株が、使用法と一緒に提供される。さらにもう一つの具体的な目
的は、その生化学的活性またはDNA配列があらかじめ分からなくても、活性な
制限酵素遺伝子の発現クローンを提供することである。このようなクローンを入
手する方法の具体的な一例を提供する。
【0043】 本発明は、特定の種類の高頻度で変化する遺伝子座に存在する遺伝子に関係し
ているため、これらがどのような種類の遺伝子かについて説明する。
【0044】 クローニング法に有用な遺伝子カセットの特徴 インテグロンまたはスーパーインテグロンである高頻度変化遺伝子座の特定の
場合、これらの領域は多様性選択遺伝子を発見するための機構を提供する。これ
らの系が持つ特徴によって、制限酵素遺伝子を含め、ある種の遺伝子に富むDN
Aを単離すること、およびこのDNAにコードされた産物のクローニング、配列
決定、発現が可能になる。
【0045】 カセットアレイの次に挙げる三つの特徴は、クローニングするために格別有用
である: ・各遺伝子(まれに遺伝子対)は、予想可能な配列コンテキストに埋め込まれ
ている−特定種類のくり返しDNA配列は、各側に存在する。
【0046】 ・このようなアレイに存在するほとんどの遺伝子は、両側に隣接する配列に対
して同じ方向にある。
【0047】 ・カセットにコードされた遺伝子の発現は、しばしばカセットの外から指示さ
れる。
【0048】 これらの性質は、両側に隣接するくり返しエレメントから、PCR法によって
クローニングされた遺伝子は元の状態を保ち、クローニングビヒクルに対して、
あらかじめ指定した向きを取り、クローニングビヒクル中で発現シグナルによっ
て調節することができる可能性を与える。その結果、一組のDNA断片が得られ
、操作可能な配列状況の中で、その断片の中に各遺伝子(まれに遺伝子対)は埋
め込まれ、クローニングに適する部位が、PCRプライマーの5’末端に挿入さ
れる。
【0049】 この反復配列で遭遇する問題点は、反復アレイのメンバーが縮重するため、ア
レイのメンバーのほとんどまたは全部に対してハイブリダイズするPCRプライ
マーを設計することが困難なことである。従って、このような配列を非常に多数
所有して、ファミリー特異的な多重プライマーの設計を可能にすることが重要で
ある。反復配列のこのようなコレクションは、本発明に従って同定され特徴付け
される。
【0050】 これら反復配列の第二の問題点は、反復アレイの個々のメンバーが不完全な対
象要素を示し、その結果、設計されるPCRプライマーは、ヘアピンまたはプラ
イマー二量体を形成してプライムDNA増幅が達成できなくなる可能性があるこ
とである。したがって、これらの特異性を示さない反復部分をアニールするプラ
イマーを設計することが重要である。本発明によれば、ハイブリッド形成が可能
なプライマー、または多くのカセットからの増幅を可能にするプライマーが提供
される。
【0051】 カセットにコードされた遺伝子の発現クローニング この方法によって極めて多数の特徴付けされていないカセットが得られる可能
性がある。そのため、実験担当者にとっては、これらのカセットを通して目的の
機能を選び出す何らかの方法が必要となる。従って、本発明は、これらを国際出
願W/O 99/11821号(Robertsら(1999))に記載されて
いる適当なベクター、たとえばpLT7Kベクタにクローニングすることによっ
て、たとえ有毒であっても、カセットにコードされた機能の発現を得る方法を提
供する。
【0052】 このベクターは、この適用において、(最初の特許において提供される利点に
加えて)二つの形態で使用することができるという利点を持つ。PCRプライマ
ー上のクローニング部位の配列に依存して、発現条件は、30C+IPTGか、
40C−IPTGのいずれかとなりうる。抑制条件はそれとは逆にするのが適当
である。こうすることで、柔軟性が与えられ、温度に感応する活性を示す分子を
スクリーニングするか、または選定し、得られたクローンライブラリーの保存条
件を選択することが可能となる。
【0053】 ヌクレアーゼの活性の間接的なリポートを可能にする菌株 ベクターpLT7Kによって要求されるT7−RNAPに依存する調節の文脈
の中で、目的の少数派発現クローンの検出を可能にする機能試験法が提供される
。この試験法は、dinD::lacZ対立遺伝子によってヌクレアーゼまたは
その他のDNA損傷活性を検出する。2種類の菌株が準備される:
【0054】
【化2】
【0055】 前者は30℃または42℃で使用することができ、淡い青色コロニーの背景に
暗青色でDNAの損傷を示す。後者は、30℃ないし37℃の範囲(両温度を含
む)で使用することができ、白色コロニーの背景に何らかの色合いを帯びた青色
でDNAの損傷を示す。従って、発現が、T7 RNAPの存在下にpT7によ
って推進され、λpLからの発現によって阻害されるような方向で、pLT7K
(またはその誘導体)中にクローニングされたカセットライブラリーの活性を、
30℃または37℃の温度で(IPTGの存在または不在で)前記両株のいずれ
かを使用して、また40℃の温度で(IPTGの存在または不在で)、ER27
46でなくER2745を使用して、スクリーニングすることができる。いずれ
の場合も、コロニーの色が他より青味を増し、そして、最初の形質転換細胞の単
一コロニー誘導体として再単離した時にこの性質が安定していれば、活性が存在
していることを示す。
【0056】 これらの菌株は、ヌクレアーゼ以外の酵素を含め何らかの作用因子、化学物質
または放射線によって引き起こされるDNAの損傷を試験するのに、同じように
使用することができるであろう。損傷が、これらの菌株の中で得られるようなT
7 RNAポリメラーゼ発現の調節された状態変化に応じて結果をもたらした時
に、これらの菌株の有用性は最も明確に現れる。
【0057】 この方法を適用することのできる遺伝子の種類 本発明に従えば、本発明が有益である遺伝子の種類に制限がある。ある種の遺
伝子は、カセットアレイに存在する可能性が高いのに対してその他の遺伝子は、
それらに存在しない可能性が高い。機能が分かっている最初のカセットは、薬物
またはその他の抗細菌剤に対する耐性をすべて指定した。インテグロンが薬物耐
性以外の機能の広がりを仲介しないと仮定する先験的な理由はない。このような
アレイに濃縮されている可能性が高い遺伝子のタイプは、個々にまたは対の形で
有益な、そして選択的な価値が極めて変動しやすい機能を含んでいる。典型的に
、このような遺伝子は、ある時は非常に重要であるが、それ以外の時は有益でな
い、強い一時的な選択を受ける。場合によっては、そのような遺伝子は、細胞が
生き残るために一時的に不可欠的であったり−必要であったりする:薬物抵抗因
子、制限−修飾系。また場合によっては、そのような遺伝子は非常に高い選択的
な価値を持つが、生き残るにはそのままでは必要ない。例には、豊富な環境で細
胞が特定の表面に接着する特異的な接着;細胞環境で豊富な物質を修飾してそれ
を栄養として利用できる形に変換する特定の酵素;または、宿主生物と相互作用
する特定の有毒分子が含まれよう。特定の種の多くの個々のメンバーは、共通す
る一般的な性質(物に粘着する接着)を持つ遺伝子産物を作り出す。しかし、重
要な遺伝子産物の重要な特徴は、集合の中で非常に変動しやすい特異性を有する
例が見られることである(岩石から腸管粘膜そしてさらに泌尿器の内皮まで、接
着する特異的な表面には多くの異なった種類がある)。
【0058】 従って、カセットアレイは、前記したような多様性に対して選択を受ける遺伝
子が濃縮される。すなわち、集団の中で希少の時は有益であるが、頻出する時は
取り立てて役には立たない遺伝子;および一時的に必要とされる遺伝子である。
【0059】 このようなアレイに存在しないと予想される遺伝子のタイプには、細胞維持機
構の基本的要素のすべてが含まれる:DNAレプリカーゼ、基本的な転写因子、
たとえば増殖期RNAポリメラーゼ、翻訳機構、細胞生理学の中心を成す小さい
分子代謝の酵素、たとえば、トリカルボン酸サイクルの酵素。これらの遺伝子は
、次に述べる二つの理由で存在しないだろう。第一に、たとえば細胞の集合に対
して使用可能な対立遺伝子のプールにおけるような、変化の起こり易さを維持す
ることからは、選択的な利点は期待されない。第二に、多くのそのようなタンパ
ク質は、数種類の異なるタンパク質相互の特異的な相互作用(たとえばレプリカ
ーゼ/RNAポリマーゼ/翻訳開始因子の間の相互作用)を維持(保存)しなけ
ればならない。
【0060】 図面の簡単な説明 図1は、特徴付けされたインテグロン、反復配列(黒塗りの四角;59bpエ
レメント)によって隔てられた遺伝子カセットのアレイ(細い線;fn1,fn
2,fn3)の構造の模式図である。これらは、染色体外サークル(カセット)
のattI(矢印)への挿入による部位特異的インテグラーゼ(大きな四角;i
ntI)の作用によって組み立てられる。インテグラーゼ遺伝子(矢印)内でプ
ロモーターからカセットが転写される。多くのインテグロンが、インテグロン自
体の一部ではないスルホンアミド耐性保存遺伝子と会合している。
【0061】 図2は、Vibrio cholerae中に同定されたスーパーインテグロ
ンの断片の略図である。開放型読み取り枠(1〜9およびmrhA,mrhB)
は、インテグロンの59bpエレメントに類似する反復(四角)によって隔てら
れている。
【0062】 図3A〜3Eは、PARエレメントのいくつか(配列番号96〜配列番号11
6)のアライメントである。これらは実施例1に記載したモチーフ探索法によっ
て1(配列番号1)を含むスーパーインテグロンで同定された。コンセンサスの
ラインは、アライメントのエレメントの全部(一番上のライン)、90%(2番
目のライン)または大半(3番目のライン)の塩基が共通する。個々のエントリ
ーは、図示されているbp以外は大半が共通するコンセンサスと同じである。
【0063】 図4は、反復配列を同定するためのもう一つの方法であるドットプロットの図
である。
【0064】 図5は、個々のPARエレメントの自己相補性を示す図である(GCGプログ
ラムセットにおけるFOLDの出力のSQUIGGLE表示)。
【0065】 図6は、表1に示す本明細書のPARエレメントのセット(配列番号5〜配列
番号78)の中で同定可能なサブファミリーのアライメント。パネルA〜D、フ
ァミリー1〜4。PAR2は、同定された要素の中で最も関係が薄いので、各フ
ァミリーアライメントの中ではグループ外にある。74個のエレメントのCRU
STALアライメントから生成させた系統樹の中でブッシーグループとして識別
される。
【0066】 図7は、すべてのPARエレメントの大部分のコンセンサスおよび典型的なカ
セットに関係するサザンブロット(パネルA)およびPCRフィンガープリント
表示(パネルB)に対して使用されるオリゴヌクレオチドの位置を示す。
【0067】 図8は、オリゴヌクレオチド2〜5(配列番号79〜配列識別番号83;図7
、表2も参照)の混合物のP.alcaligenes DNAへのハイブリッ
ド化のサザンブロットを示す。
【0068】 図9は、図7に示したオリゴヌクレオチド6および7を使用した6種類のPs
eudomonas種の単離株の染色体DNAから生成したPCR生成物のアガ
ロースゲル電気泳動パターンを示す。
【0069】 図10は、カセットにコードされた開放型読み取り枠のクローンライブラリー
を作製するためのスキームとpLT7Kからのそれらの産物の発現を示す。
【0070】 発明の詳細な説明 本発明の一つの実施態様に従えば、カセットアレイに存在する多様性選択遺伝
子を直接的にクローニングし、発現させるための新規方法が提供される。一般に
、本法は、以下に述べる段階を含むが、もちろん当業者が認めるところに従って
、本発明の範囲から逸脱することなく、これらの段階に変更を加えることができ
る。
【0071】 1)目的の遺伝子のクラスを確認し、そのクラスが本法に適合するかどうかを
評価する。
【0072】 本発明の一つの実施態様において、望ましい遺伝子は、制限エンドヌクレアー
ゼおよび修飾メチルトランスフェラーゼに関する遺伝子である。カセットアレイ
に濃縮される可能性の高い遺伝子のタイプは、個別に、または対の形で生物体に
有益かつ、選択的な価値が極めて変化しやすい機能を含む。機能とは、ある生物
種の異なる単離株を調べて、機能またはその特異性の存在が、収集した単離株の
中で変動する場合に、そのようなアレイの中の遺伝子によってコードされる可能
性の高い機能であると認識することができよう。たとえば、大腸菌の単離株を調
べると、すべてではないが多くの単離株がタイプIIの制限酵素を発現すること
;そして、発現する単離株の中で、酵素の特異性(認識される配列)は変動し、
種の中で多くの異なる特異性が決定されることが判明する。このような変動を受
ける機能の候補としては、制限酵素に加えて、細胞表面の抗原、たとえば、多糖
抗原またはポリペプチド抗原または分泌される分子;各種の接着分子、たとえば
フィンブリンタンパク質、線毛タンパク質または外膜タンパク質;小分子輸送体
、特に特異性の狭い輸送帯;放出される機能、たとえば毒素、ヘモリシン、ヘマ
グルチニン、キナーゼおよびシグナル分子;解毒酵素、たとえば薬物耐性決定因
子、一時的に使用可能になる化合物(トリカルボン酸サイクルのような中心代謝
回路に要求される化合物は除く)に対して特異的な異化酵素;希少な糖(リボー
ス、デオキシリボースおよび細胞壁を構成する糖のように、すべての細胞で要求
される糖は除く)、特に周辺細胞外皮の一部を形成する糖を生合成するための酵
素を挙げることができる。
【0073】 本発明の一つの実施態様において、望ましい遺伝子は、制限エンドヌクレアー
ゼおよび修飾メチルトランスフェラーゼに関する遺伝子である。典型的なそのよ
うな遺伝子は、一時的に強い選択を受け、ある時期には非常に重要であるが、そ
れ以外の時期には役に立たない遺伝子である。制限機能は、外来DNA(たとえ
ば、バクテリオファージが細胞に侵入した場合)の侵入に対して強力に保護する
ことができる。この保護は、バクテリオファージが宿主と同じ制限機能を運び込
まなかった場合にのみ有効である。そうでない時は、そのDNAは既に、侵入さ
れた細胞の保護修飾パターンを運んでいると考えられる。従って、個体群は、制
限修飾系の広範な特異性を運搬するはずであり、進化の時間スケールで速やかに
それらを切り換えるに違いない。この予想に一致して、プラスミドには多くの制
限系が見られる。インテグロン様構造は、プラスミドのような外部供給源から制
限系を獲得する簡単な道を提供するが、それはうまく確立しないかもしれない。
反復エレメントが存在すると高い損失率の機構が与えられ(複製の過程で不等乗
り換えまたは滑りによる誤対合)、それによって、細胞による制限修飾系の補完
に高い流動性が付与される。
【0074】 2)DNAの調製 ゲノムDNAは、目的の菌株または菌株集合体または環境から採取した菌から
、当業者によく知られた方法に従って調製される。このような入手源から得たゲ
ノムDNAのプラスミド、コスミド、BACまたはPACクローンのDNAを調
製する。
【0075】 3)本発明の方法に使用する調製DNAの適合性 調製DNAの適合性は、反復配列アレイの存在を決定することによって評価さ
れる。それに好適な方法は、サザンブロットハイブリッド形成、実施例1に挙げ
るハイブリッド形成プローブまたはPCRプライマーを使用するPCRフィンガ
ープリント法である。実施例1に挙げた配列、または実施例1に記載する方法で
同定される別の特定な反復配列を基にして、他の適当なプライマー対を考案して
も良い。ハイブリッド形成シグナル、PCR産物、または両者が得られる場合は
、その調製DNAは使用に適している。好ましい実施態様では、非プルーフリー
ディングDNAポリメラーゼを使用し、プライマー/テンプレート比、アニーリ
ング温度、マグネシウムイオン濃度および時間を変えて、PCRの条件が最適化
される。
【0076】 4)カセットの単離 調製DNAを、カセットの両側に隣接し、プラスミドベクターへのクローニン
グと両立しうるエンドヌクレアーゼに対する部位を5’末端側に含む反復配列に
対してプライマー対のアニーリングを使用するPCRにかける。好ましいプライ
マーの対としては、実施例2に挙げられているものが含まれる。実施例1に記載
されている他の適当な配列や、文献に記載されている他の特定の反復配列に基づ
いて、または実施例1に記載の方法によって他の適当なプライマー対を設計して
も良い。好ましい方法においては、プルーフリーディングDNAポリメラーゼを
使用し、プライマー/テンプレート比、アニーリング温度、マグネシウムイオン
濃度および時間を変えて、PCRの条件が最適化される。PCRフラグメントは
、たとえば、市販のキットを使ったサイズ分画法によって精製し、プライマーが
除かれる。
【0077】 5)カセットのクローニング クローニングを行うには、一つの好ましい方法により、XhoIおよびXba
Iを使用して、適当な制限エンドヌクレアーゼでPCR断片を消化する。消化し
たフラグメントを適当なベクターに連結させる。この目的に使用するベクターが
備えるべき好ましい性質は次に述べる二つである。その第一は、フラグメントの
指向性クローニングを可能にするクローニング部位を含むことである。指向性ク
ローニング法は、複製開始点を含むベクター主鎖の一方の端における一本鎖の伸
張と、もう一方の端における一本鎖の伸張とがハイブリッド形成しないように、
異なる制限酵素でベクターを切断し、それから、ベクター主鎖の一方の伸張一本
鎖とハイブリッド化する伸張鎖を一方の端に持ち、ベクター主鎖の他方の伸張一
本鎖とハイブリッド化する伸張鎖を他方の端に持つDNAフラグメントをベクタ
ーの主鎖に連結する工程を含む。部位特異的再結合酵素の使用と、制限酵素によ
る切断以外の方法によって与えられる伸張鎖のハイブリッド形成とを含む、別の
指向性クローニング法を構想することもできる。第二に、好ましいベクターは、
別々に調節が可能な二つの発現シグナルを含み、それらは前記のクローニング位
置の各側に一つずつ位置し、クローニング部位に存在する配列の発現に向けられ
る。一つの好ましいベクターは、pLT7Kである(Robertsら、国際出
願WO 99/11821(1999))。別のベクターは、pBR322、p
UC19、pACYC184、pSC101、pBeloBAC11またはそれ
らの誘導体である。
【0078】 6)菌株の選択 連結させた産物は、所望の機能をコードするカセットを選抜または選択するの
に好適な株に形質転換される。この目的のための菌株は、選択したベクターによ
って与えられる発現調節シグナルと両立しうるものでなければならない。さらに
、所望のカセットを同定するために当該の方法が使用できなければならない。
【0079】 最も単純な場合では、多数のクローニングしたカセットを配列決定し、それか
ら配列情報を生体情報学的な方法によって評価することによって、目的のカセッ
トを同定する。このような方法は、BLASTやFASTAといった類似性を決
定するアルゴリズムを使って、カセットにコードされた配列と公開されたまたは
私的なデータベースとの整合性を取ること、またはPROSITEプロフィール
データベースもしくはBLOCKSおよびPRINTSデータベースなどを使っ
てモチーフまたはパターンに基づいてカセットにコードされた配列を検索するこ
とによって、前記の整合性を取ることを含む(Patterson,M.Han
del,M.(1998))Trends Guide to Bioinfo
rmatics,Elsevier Science,Cambridge,U
K)。この例では菌株またはベクターの選択にほとんど制約はない。
【0080】 他の例では、目的のカセットは、PCRまたはハイブリッド形成など、配列に
基づく方法によって同定される。これらの例も、菌株またはベクターの選択にほ
とんど制約はない。
【0081】 好ましい実施態様では、目的のカセットは、生体内で発現される活性によって
同定される。この例では、菌株またはベクターの選択は制約を受ける:すなわち
、ベクターおよび菌株は、両立しなければならず、カセット発現の適切な調節を
可能にしなければならない。発現されるべき活性の種類も菌株の選択に制約を加
える。
【0082】 一つの実施態様においては、発現させるべき活性は、修飾メチルトランスフェ
ラーゼ活性または制限エンドヌクレアーゼ活性であって、両活性は、細胞内DN
Aに加えられた損傷およびDNA損傷修復応答の誘導に基づく活性の間接リポー
トによって同定しなければならない。2種類の好ましい菌株ER2745:
【0083】
【化3】
【0084】 およびER2746:
【0085】
【化4】 は、ベクターpLTK7と両立可能な菌株である。
【0086】 ER2745は、通常T7 RNAP指向発現に使用される特定の菌株のバッ
クグラウンドから誘導され、最終的には大腸菌Bの誘導体である。この菌株のバ
ックグラウンドのタンパク質発現性については良く分かっている。この菌株はD
NAで形質変換することができるが、得られたそのレベルは他の菌株と比較して
低い。DNAの損傷がなくて発現されるインジケーターlacZの量は比較的高
く、損傷が起こっていなくてもXgalのプレート上で淡青色のコロニーが認め
られる。
【0087】 ER2746は、熱感応性lacZ部分を持っている。この菌株は、元のdi
nDインジケーター対立遺伝子によって観察されるX−gal上での淡青色のバ
ックグラウンドを弱めるので有用である。何らかの損傷を誘導する(目的の)ク
ローンと損傷を誘導しない(目的のものでない)クローンの間の識別は、この状
況で改善される。しかし、インジケーター融合のlacZ構造は不活性で、DN
Aの大きな損傷があっても白色のままであるため、この対立遺伝子は、高温(≧
37℃)でDNAの損傷を検出するのに使用することができない。この点は、X
−galを含むプレート上で、さまざまな温度で行った、十分に特徴付けされた
DNA損傷剤、ナリジキシン酸による青色呈色試験によって裏づけられた。
【0088】 この系のさらなる高性能化が可能である。たとえば、手間のかかるスクリーニ
ングに代わって、損傷誘導プロモーターに対する薬物耐性遺伝子の転写融合によ
って、目的のクローンの選択的な単離が可能になるはずである。もしそうであれ
ば、使用する薬物の濃度に応じて、DNA損傷活性レベルの異なるクローンの単
離が可能になるだろう。もしrecD突然変異を移入すれば、細胞の主要なAT
P依存性二本鎖エキソヌクレアーゼを不活性化し、xth突然変異を移入すれば
、主要なATP非依存性二本鎖エキソヌクレアーゼであるExoIIIを不活性
化するものと思われる。ヌクレアーゼが三重に欠損した菌株であっても生存可能
であろうが、プラスミドを安定に維持することはできないかもしれない(Nik
iら、Mol.Gen.Genet.224(1):1〜9(1990))。
【0089】 使用可能なDNAの損傷を誘導する別のプロモーターは次に挙げる文献に記載
されている(Lewisら、J.Bacteriol.174:3377〜33
85(1992);Lewisら、J.Mol.Biol.241:506〜5
23(1994))。これらのプロモーターは、recA,lexA,uvrA
,uvrB,dinG,polB,uvrD,ruvAB,umuDC,sul
A,dinH,dinI,sosA,sosB,sosC,sosDである。同
定されたSOS誘導可能なその他の遺伝子としてはrecN,dinB,din
Fを挙げることができる(Walker,Microbiological R
eview,48:60〜93(1984))。使用可能な別のいくつかのイン
ジケーター/リポーター遺伝子は次の文献に報告された(Fomenkovら,
前記(1995))。
【0090】 7)カセットの同定:エンドヌクレアーゼ遺伝子 選択されたベクターに連結させたカセットを、形質転換またはエレクトロポレ
ーションによって選択された菌株に移入し、それから形質変換体を平板法により
適当な培地で培養する。好ましい手順によれば、ベクターはpLT7K、菌株は
ER2746、培養基はアンピシリンを添加したLuria−Bertani培
地、そしてインキュベーション温度は40℃である。コロニーは、IPTGを添
加(0.1mM〜1mMの範囲で濃度を変え)または無添加で、Xgalを含む
培地でレプリカ平板法で培養し、一組のレプリカを30℃、37℃、40℃の各
温度でインキュベーションする。これらの条件は、完全な誘導と陽性反応をもた
らす条件(30℃、高濃度のIPTG)から、完全な抑制と陰性反応をもたらす
条件(熱感応性lacZ対立遺伝子のため、たとえ誘導された細胞であっても青
色に呈色しないだろう)(40℃、IPTG無添加)までを網羅する。いかなる
条件でも青色を呈すればそのコロニーはヌクレアーゼ遺伝子の候補である。青色
が濃くなるほどDNA損傷活性は大きい。
【0091】 そこで、個々のコロニーは、最初の配列を回収できるようにするため損傷条件
にかけず、保存のために作られた少量培養液(抗生物質を添加した10ml L
B培地)と調製プラスミドで増殖させたマスタープレートから回収することがで
きる。
【0092】 発現条件を反転させ、抑制条件を30℃+IPTGとし、誘導条件を40℃−
IPTGとするには、pLT7Kを使用し、PCRのためにオリゴヌクレオチド
プライマーに加えられたクローニング部位を切り換えて、カセットが反対向きと
なるようにすれば、簡単に実現することができる。これは、誘導されることがな
いコロニーの保存を容易にするために望ましいことかもしれない。損傷を誘発し
うる融合は、40℃で陽性反応を可能にする野生型laZ対立遺伝子を運ぶため
、ER2745が好ましい菌株である。その場合、所望のコロニーの色は、普通
の淡青色より濃色の青色である。
【0093】 再形質転換に続いてレプリカ平板法のマスターから継続するか、保管されたプ
ラスミドDNAから継続しながら、同定されたプラスミドに対してさらなる特徴
付けを行う。その特徴付けには次に挙げる三つの段階の一部またはすべてが含ま
れる。
【0094】 粗製抽出物アッセイ。DNA損傷スクリーニングにおいて正のクローンを、後
期対数期に対してはLB+アンピシリン中、40℃−IPTG(非誘導条件)の
中規模培養(20〜200ml)で増殖させ、その後4時間クローン同定条件の
誘導(通常、30℃+IPTGであるが、半誘導条件も可能である)に切り替え
る。この手順は、天然の宿主P.alcaligenes(D.Byrd、pe
rsonal communication)の発現量と類似のPacIの量を
発現させることに成功した。次いで、細胞を遠心分離によって回収し、緩衝液中
に懸濁し、リゾチーム−EDTA処理によって溶解し、遠心分離によって明澄化
する。
【0095】 次いで、粗製抽出上清を、標準的なプラスミド、ファージ、およびウイルスD
NA(pUC19、pACYC187、pACYC177、pBR322、M1
3mp18複製可能形態のDNA、λDNA、またはT7DNAなど)を用いた
、37℃〜68℃での4〜6塩基切断物についての一般的なスクリーニングにお
けるヌクレアーゼ活性についてアッセイする。同様に、この方法によっていくつ
かの8塩基特異性を検出することができる。
【0096】 DNA消化パターンを、200kbと0.05kbとの間でのバンドの視覚化
に適切なアガロース濃度(通常、0.7%アガロースおよび1.3%アガロース
)を用いたアガロースゲル電気泳動によって分離し、臭化エチジウム染色で検出
する。
【0097】 次いで、DNA消化パターンを評価し、認識配列を当該分野で公知の方法によ
って同定する。従って、これらの方法を適用するために同定したエンドヌクレア
ーゼのさらなる精製が必要であり得る。
【0098】 粗製抽出上清を、以下の種々のGC含量の染色体DNAを用いた、8塩基部位
を有する酵素のin vitroスクリーニングにおいてもアッセイする:66
%〜34%のG+C範囲のRhodobacter sphaeroides、
大腸菌、およびStaphylococcus aureusが希少な部位を有
する種々の酵素の検出に適切である。通常、特異的フラグメント(特に、大型)
は更なる消化に供されないので、非特異的ヌクレアーゼと8塩基エンドヌクレア
ーゼを区別可能である。フラグメントがゲルで分離されなくとも(認識部位を予
想することができない)、結果は、非特異的ヌクレアーゼ(優先的に大きなフラ
グメントを分解する)によって産生される結果と認識可能に異なる。各々の場合
、抽出物のアリコートを、Mg++の存在下で潜在的なDNA基質とインキュベ
ートし、アガロースゲルで分離し、臭化エチジウムで染色する。
【0099】 次いで、染色体消化では正の結果であるが標準的な基質の消化では正の結果で
はない単離物を、正の結果を生じる染色体DNAのG+C含量によって導かれる
、別の基質の検索によってさらに特徴付ける。
【0100】 パルスフィールドゲルアッセイ。8塩基認識部位についての潜在的により情報
を得られるアッセイは、パルスフィールドゲルによる全染色体フラグメントの分
離に依存する。粗製抽出物をスクリーニング法に使用した場合、これらのゲルは
、非常に扱いにくいか、一般に有用である抽出物における他のヌクレアーゼに非
常に感受性が高い。
【0101】 標準的な手順では、基質DNAは、アガロースプラグ中への全細胞の第1の包
埋によって得られる。DNAを、細胞壁を分解する一連の酵素処理および洗浄に
よってin situで細胞から放出させる。ついで、制限エンドヌクレアーゼ
を、プラグと共にインキュベートする。酵素がアガロースおよびその前の消化の
残遺物を浸透しなければならないので、通常、これは数時間を要する。
【0102】 本方法では、制限ヌクレアーゼ消化工程は、アガロースゲル添加前の細胞内発
現の誘導、アガロースへの細胞の包埋、およびパルスフィールドゲルでの細胞の
電気泳動からなる。対照には、陽性対照、精製PacIおよびNotIをアガロ
ースプラグ中に包埋した宿主DNAの標準的な消化物、および陰性対照、実験サ
ンプルと並行して処理された、空のベクターを含む宿主のサンプルが含まれる。
【0103】 本調査のこの部分に使用される菌株の可能な改良には、細胞の主要なATP依
存性二本鎖エキソヌクレアーゼを不活化するrecD変異の移入および主要なA
TP独立性二本鎖エキソヌクレアーゼを不活化するxth変異の移入が含まれる
。3重ヌクレアーゼ欠乏菌株(endA xth recD)は生存できるはず
であるが、プラスミドを安定に維持できない(Niki、前出、1990)。
【0104】 次いで、従来のパルスフィールド分析を行うことができるように、本方法で同
定された単離物を、カセットコードポリペプチドの更なる精製および過剰発現を
行う。
【0105】 フィンガープリント法。間接レポートアッセイによって得た候補クローンから
調製したプラスミドDNAを、制限酵素消化によってフィンガープリント法を行
った。各候補を、4塩基認識部位を有する2〜4つの酵素(例えば、HaeII
IおよびMseIが好ましい)で別々に消化してクローン化カセットに特徴的な
パターンを得る。
【0106】 配列決定。次いで、粗製抽出物またはパルスフィールドゲルアッセイによって
帯状のパターを示した全てのプラスミドを、配列決定する。
【0107】 フィンガープリント法を行ったすべてのプラスミドをフィンガープリントによ
って分類する。予備的な相同性検索を行うために十分な信頼性を持たせるために
は、最低3倍の配列対象が必要である。
【0108】 Tn7ベースの転座システムGPSTM−1(NEBカタログ番号1700、
New England Biolabs,Inc.、Beverly、MA)
を用いて配列決定を行った。本システムは、目的のプラスミド中の無作為な位置
でのプライマー結合部位の移入、トランスポゾン内で切断する希少な切断物での
消化による挿入位置の迅速なマッピング、および目的のフラグメント内での挿入
配列が可能である。これらの標的分子を用いて、約20%のトランスポゾン挿入
が目的の配列内で見出される。ほとんどの場合、カセットは通常2kbよりも小
さいので、多くの場合6未満の適切な挿入が必要である。隣接するベクタープラ
イマーから2つの配列(500bp/配列)および挿入由来の12配列により、
7000bpの未加工の配列(約3倍の重複性)を得た。これは、最初の分析と
しては十分である。最も興味深いフラグメントの質の高い配列を得るために更な
る配列決定を行うことができる。
【0109】 プライマーウォーキング、ネスト化欠失構築などの別の配列決定法、またはP
rimer Islands(Perkin−Elmer)などのトランスポゾ
ンベースの方法などの別法を使用することができる。
【0110】 配列の評価:公的なデータベース中の遺伝子に対する相同性は、新規のII型
RM遺伝子の候補の排除の一助となる。本方法で回収されるべき遺伝子の多数は
保存されたアミノ酸セグメントを示す:トポイソメラーゼ、ヘリカーゼ、接合プ
ラスミド伝達に関連するニック酵素、およびトランスポザーゼは全てBLAST
または他の相同性検索方法によって同定されるデータベースに注釈がつけられて
いることを見出すことができる。これに反して、II型制限酵素の遺伝子は、本
方法でほとんど同定することができない。これらが相同性によって同定すること
ができる場合、そのほとんどがデータベース中の酵素(として同一の部位を認識
する)のアイソシゾマーである(R.Roberts、personal co
mmunication)。従って、相同性検索によって同定されない遺伝子中
の標的遺伝子(新規の特異性を認識するエンドヌクレアーゼ)を、予想すること
ができる。
【0111】 2.カセット同定:メチルトランスフェラーゼ遺伝子の獲得 好ましい手順では、所望の機能はメチルトランスフェラーゼ遺伝子であり、こ
れは、上記の当該分野で公知の方法によって選択またはスクリーニングすること
ができる。
【0112】 A.メチラーゼ選択法 適切な特異性を有するエンドヌクレアーゼが利用可能な場合、本方法を使用す
ることができる。潜在的なメチルトランスフェラーゼ酵素の特異性について何か
公知であるか疑いがあり、適切なエンドヌクレアーゼが利用可能な場合、本方法
は適用可能である。このようなエンドヌクレアーゼは、関連部位のサブセットを
認識する異種エンドヌクレアーゼであり得る。
【0113】 B.メチルトランスフェラーゼインジケーター。使用されるベクターが以前に
記載の菌株(Piekarowiczら、前出、1991、Piekarowi
czら、前出、1991、Piekarowicz and Weglensk
a、前出、1994)と適合する場合、本方法を使用することができる。ただし
、Piekarowicz and Weglenska、前出、1994で同
定された菌株におけるdinD::lacZインディケーター対立遺伝子の位置
は、37℃を超える温度で表示することができないので、その温度またはそれ以
下の温度での青色の存在でのみ評価されるべきである。これら由来の他の菌株を
、pLT7Kなどの他のベクターの使用が可能なように構築することができる。
【0114】 C.変性メチルトランスフェラーゼ−モチーフPCR 本方法を単独で用いるか、変性メチルトランスフェラーゼ−モチーフプライマ
ーを、一方向での隣接反復にアニーリングした反復特異的プライマー(上記のP
CRフィンガープリント法またはカセットクローニングで使用されるプライマー
)と組み合わせることができる。
【0115】 D.生化学的方法 メチルトランスフェラーゼ遺伝子存在の他の評価法には、特異的DNA配列へ
H−SAM組込みの評価などの酵素活性の検出が含まれ、各クローンまたは
クローンのプールに適用することができる。
【0116】 E.ハイブリッド形成法 コロニーリフトなどのハイブリッド形成検出法を使用して利用可能なメチルト
ランスフェラーゼ遺伝子またはその遺伝子配列に基づいて設計されたオリゴヌク
レオチドに対して高いDNA相同性レベルを有する遺伝子の存在を検出すること
ができる。
【0117】 本発明は、以下の実施例によってさらに例示される。これらの実施例は、本発
明の理解を目的とするのもであって、本発明を限定するものではない。
【0118】 上記または以下に記載の引例は、本明細書中で参考として援用される。
【0119】 実施例1 反復配列の同定およびカセットの獲得 本実施例は、候補反復配列の一般的な同定ストラテジーを概説する。特異的な
反復配列ファミリー、類似の反復を含む生物の同定用のプローブ、および遺伝子
カセットの複製用のプライマーもまた提供する。
【0120】 A)スーパーインテグロンアレイの部分のクローニング PacIおよびPmeIを発現する生物をNEBで単離した(Polisso
nに付与された米国特許第5,098,839、1992、Morganおよび
Zhouに付与された米国特許第5,196,330号、1993)。これらの
制限酵素を、Pseudomonas alcaligenes(ATCC番号
55044)(NEB寄託番号585、New England Biolab
s,Inc.、Beverly、MA)およびPseudomonas men
docina(ATCC番号55181)(NEB寄託番号698、New E
ngland Biolabs,Inc.、Beverly、MA)の特定の単
離物から作製する。これらの酵素をコードする遺伝子を同定し、以下の7つの工
程を用いて同定およびクローン化する。1)PacIおよびPmeIを、Pol
isson、前出、1992、Morgan and Zhou、前出、199
3に記載の方法によってPseudomonas alcaligenes(A
TCC番号55044)(NEB寄託番号585、New England B
iolabs,Inc.、Beverly、MA)およびPseudomona
s mendocina(ATCC番号55181)(NEB寄託番号698、
New England Biolabs,Inc.、Beverly、MA)
から均一に精製した。2)これらのタンパク質のN末端配列を、標準的なマイク
ロシークエンシング法によって得た。3)これらの配列に基づいて設計した変性
オリゴヌクレオチドを使用して、これらのN末端をコードするPCRフラグメン
トを得た。4)これらのN末端を特定するDNA配列を、PCRフラグメントか
ら同定した。5)これら特異的配列から設計された特有のオリゴヌクレオチドを
逆PCRに使用して、全遺伝子をコードする巨大なフラグメントを得た。6)両
方の場合、適切な酵素活性を、T7 RNAポリメラーゼの調節下で関連遺伝子
を保有する大腸菌の粗製抽出液において同定した。7)隣接配列の更なるクロー
ニングを行い、4.07kbのPseudomonas alcaligene
s(ATCC番号55044)(NEB寄託番号585、New Englan
d Biolabs,Inc.、Beverly、MA)のDNAおよび5.3
7kbのPseudomonas mendocina(ATCC番号5518
1)(NEB寄託番号698、New England Biolabs,In
c.、Beverly、MA)のDNAを得た。
【0121】 視覚的検査によるこれらの配列の試験により、両遺伝子セグメントに共通の反
復配列の予備的同定が可能であった。更なるクローニング試験は、Pseudo
monas alcaligenes(ATCC番号55044)(NEB寄託
番号585、New England Biolabs,Inc.、Bever
ly、MA)に存在するカセットアレイの完全な配列の描写の獲得を目的とし、
以下に記載のように連続配列の4つのセグメントを得た。日常的なクローニング
の方法は、Sambrook、前出、1989、Maniatisら、Mole
cular Cloning:A Laboratory Manual、Co
ld Spring Harbor Laboratory、Cold Spr
ing Harbor、NY、1982、Raleighら、Current
Protocols in Molecular Biology、John
Wiley and Sons、New York、1.4.1〜1.4.7、
1989、Mooreら、Current Protocols in Mol
ecular Biology、John Wiley and Sons、N
ew York、2.0.1〜2.6.12、1999に記載されている。
【0122】 反復アレイが大腸菌において不安定であり得る検査では、本発明者らは、はじ
めにPARエレメントを含む巨大フラグメントの単離を回避した。さらに、P.
alcaligenes(ATCC番号55044)(NEB寄託番号585、
New England Biolabs,Inc.、Beverly、MA)
染色体DNAフラグメントを、pBR322のHindIII部位へのサイズ選
択HindIIIフラグメントのクローニングによって構築したHindIII
ライブラリーから得た。Qiagen(Genomic tip 100/G(
カタログ番号10243))の説明者に記載の方法によって調製したP.alc
aligenes(ATCC番号55044)(NEB寄託番号585、New
England Biolabs,Inc.、Beverly、MA)の染色
体DNAを、HindIIIで完全に消化した。HindIIIフラグメントを
アガロースゲル(0.7%)でのゲル分画によって単離し、2kbと10kbと
の間のフラグメントを、製造者の指示に従ってQIAquickGel ext
raction キット(カタログ番号28704)を用いて単離し、Hind
III消化脱リン酸化pBR322と連結した。
【0123】 本方法の原理は、P.alcaligenesのDNAはGCリッチである一
方でHindIII部位はATリッチ(AAGCTT)である点である。したが
って、pacIRおよびPAR特異的プローブに対するサザンブロットによって
同定したフラグメントのように小さな(2kbおよび8kb)である染色体DN
Aフラグメントはあまり存在しない(本方法のC1節を参照のこと)。プラスミ
ド調製物を、QIAprep Spin Miniprep Kit(カタログ
番号27106)を用いた形質転換に従って、108個のコロニーから作製した
。108個のHindIIIクローンのうち95個(88%)が挿入物を保有し
ていた。これらを、目で同定したPAR配列内であるが稀にGCリッチなP.a
lcaligenes染色体中を切断するAcII(AACGTT)で消化し、
予想通りに多数のAclI部位を保有しているクローンを同定した。挿入物(1
1クローン)を有する11%のクローンが、この基準に適合する。さらに、PA
R特異的PCR(第C2節を参照のこと)および配列分析(以下)による特徴付
けによってこれらがPAR配列を実際に含むことを実証した。
【0124】 サイズ以外の任意の選択を行っていないPAR含有フラグメントの頻度の高さ
は、おそらく、染色全体よりもPAR含有領域内のHindIII部位密度の高
さに影響を受ける。本発明者らは、サイズ選択によって全ての染色体配列の約9
0%が取り除かれると評価する。全ゲノムが6〜8Mb(Rodleyら、Mo
l Microbiil.、17(1)、57〜67、1995、Dewarら
、Microb.Comp.Genomics 3(2)、105〜117、1
998)であり、その10%が選択したサイズ画分(600〜800kb)に相
当する場合、平均サイズが約8kbの100個の挿入物がこの画分の全てを対象
とする必要があるだろう。勿論、このサイズのライブラリーは、全てのフラグメ
ントを厳密に含んでおらず、画分中の全てのフラグメントが8kbとうわけでは
ない。それにもかかわらず、ライブラリー中のPAR含有フラグメントの範囲は
、推定スーパーインテグロンの評価サイズ(≧60kb、10%の800kbが
80kbであろう)と一致する。
【0125】 ClaIでの消化によって作製したその後のライブラリー中の更なるクローン
を単離し、pBR322のClaI部位にクローニングした。この工程で、巨大
フラグメントの不安定度による問題は生じなかったので、DNAを分画せず直接
クローン化した。PARポジティブクローンを第C2節に記載の方法によるPA
Rフィンガープリント法によって同定した。
【0126】 候補PAR含有クローンを、染色ターミネーターを用いたABI377シーク
エンサーで配列決定した。組み合わせ法によって鋳型を作製した。半無作為相で
は、Tn7ベースのトランスポゾン(NEB GPSTM−1キット(New
England Biolabs,Inc.、Beverly、MA、NEBカ
タログ番号7100)の初期バージョン)を、クローンの挿入変異誘発に使用し
、選択した挿入物をトランスポゾン由来の配列に対して設計した普遍プライマー
(プライマーNおよびプライマーS(New England Biolabs
,Inc.、Beverly、MA、NEBカタログ番号OS1266およびN
EBカタログ番号1267))を用いて配列決定した。トランスポゾン内の稀な
切断部位を用いた挿入物の限定マッピングによって配列決定を促進した。初代ク
ローンおよび少数の欠失誘導体のベクター−挿入物連結部もまた、pBR322
にアニーリングしたプライマー(New England Biolabs,I
nc.、Beverly、MA、NEBカタログ番号1204およびNEBカタ
ログ番号1205)を用いて配列決定した。
【0127】 これにより、74例の反復配列を含む、全部で59.4kbの4つの配列コン
ティグを得た。これらの配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、および
配列番号4である。
【0128】 B)反復配列候補の公式化。
【0129】 カセットアレイの存在を表示すると考えられる特異的反復配列を、Vibri
o choleraeのVCRエレメントなどの公知のアレイに見出されるもの
との類似性または現存の配列情報のコンピューターアシスト分析によって同定す
ることができる。これらの配列をコンピューター化した検索方法(UWGCG
SEQEDおよびDNASTAR EDITSEQプログラムが適切である)を
用いた以下の方法によって同定した。反復の5’末端を配列TAACWAについ
ての検索によって見出し、反復の3’末端を配列CGTTRRについての検索に
よって見出し、そして5’エレメントの5’塩基を3’エレメントの3’末端か
ら200bp以上にならないようにして更なる制約を課した。このストラテジー
で、14.144kbのこの連続ストレッチ中の18個の反復配列を同定した。
比較のために、Hall(5)によって示唆されるモチーフを用いた類似の検索
によって11個のエレメントを同定した。これらのうち10個は、本明細書中で
引用されたストラテジーによって同定されたセットに一致し、1つはどちらかの
ストラテジーで同定した他のエレメントを有する内部領域に非常に不十分に配列
した。図3は、P.alcaligenes(ATCC番号55044)(Ne
w England Biolabs,Inc.、Beverly、MA、NE
B寄託番号585)スーパーインテグロン配列(配列番号1)の一部で同定され
たこのような配列のセットのアラインメントを示す。エレメントを、DNAST
AR MEGALIGNプログラムを用いたCLUSTAL法によって整列させ
た。アラインメントは、大多数のコンセンサス(3番目のライン)(90%コン
センサス)を示し、この時点で、18エレメント中16エレメントが同一(2番
目のライン)および同一コンセンサス(全てのエレメントが一致する)である。
大多数のコンセンサスと不一致のこれらの位置のみをアラインメントに示す。ア
ラインメントの48%(42/87)の位置が表示の90%で同一である。ほと
んどの不一致の表示(PARf9)でも半分を超える位置(47/87)で大多
数に一致する。
【0130】 このような反復を同定する更なる方法は、コンピュータ化した比較アルゴリズ
ム(UWGCG COMPAREおよびDOTPLOT、またはDOTPLOT
をサブプログラムとして有するDNASTARアルゴリズムALIGNなど)を
用いることである。これらのプログラムの出力により、対角線から離れた類似の
配列(図4、30のウインドウ、24の適合)を同定し、プログラムの特徴(D
NASTAR)を用いるか、アラインメントの近似の位置に注目して対角線周囲
の局所的配列をUWGCG BESTFITアルゴリズムで処理してより密接に
試験することができる。DOTPLOT法により18個のエレメントも同定した
。これらのうちの16個を、本明細書中で引用したストラテジーによって同定し
、一方で、モチーフ検索によって同定されたエレメントのうちの2つはDOTP
LOTで見出されなかった。これらの方法に基づいたより精巧なコンピューター
化検索方法を、この目的で開発および使用することもできる。
【0131】 記載のモチーフ検索によって同定されたエレメントの完全なセットを、本明細
書中にリストで示した(配列番号5〜配列番号78:表1)。これらのエレメン
トでは、5’末端のさらに2bpの隣接を各エレメントに付加したが、これは、
これらのbpは、5’GC3’として配列の大部分で保存されているからである
。さらに1つの塩基を3’末端に付加したが、これは、この塩基対もまた配列の
大部分でCとして保存されているからである。各フラグメントの長さ、関連する
コンティグ中のその位置、および見出されたコンティグの名称もこの表に記入す
る。
【0132】 セット内の各配列は不完全な内部逆位反復を示すこと(表5に、潜在的な二次
構造の例を示す)を注目すべきである。この特性はまた、「59bpエレメント
」およびVCRエレメントに認められた。
【0133】 PARエレメントがより密接に関連する配列のファミリーに分類されることも
また注目すべきである。これら4つのファミリーのアラインメントを、図6A〜
図6Dに示す。これらのファミリーの知識により、以下に記載の方法などの更な
る方法用の特異的オリゴヌクレオチドの設計に情報を与える。
【0134】 公知のアレイ由来または新規の配列の分析によって、一旦配列候補またはファ
ミリーが選択されると、オリゴヌクレオチドプローブおよびプライマーを、以下
にさらに記載のサザンブロットおよびPCR実験に使用するために設計すること
ができる。これらの例を、図7A(サザンブロット用のオリゴヌクレオチド1〜
5(配列番号79〜配列番号83、表2を参照のこと))および図7B(PCR
用のオリゴヌクレオチド1〜5(配列番号84および配列番号85、表2を参照
のこと))の74PARエレメントのコンセンサス(多数決原理)と並べて記載
する。
【0135】 C)候補原核生物集団の同定 1つまたは複数のアレイセットから情報が得られると、サザンブロット法また
はPCRによってこのようなアレイの存在についてのさらなる単離物をスクリー
ニングできるようになる。
【0136】 C1)Pseudomonas alcaligenes(ATCC番号55
044)(NEB寄託番号585、New England Biolabs,
Inc.、Beverly、MA)に対するサザンブロット 反復配列(PARエレメント)のプローブとしてビオチン標識オリゴヌクレオ
チド(オリゴヌクレオチド2〜5、配列番号80〜配列番号83、表2を参照の
こと)とQiagen(Genomic tip 100/G(カタログ番号1
0243))の方法によって調製したP.alcaligenes(ATCC番
号55044)(NEB寄託番号585、New England Biola
bs,Inc.、Beverly、MA)のDNAとの混合物を用いて、サザン
ブロット(図8)を行った。8つの異なる制限酵素(SphI、PstI、St
uI、NdeI、NcoI、EcoRI、ClaI、およびHindIII)を
用いた制限消化を、製造者の指示(New England Biolabs,
Inc.、Beverly、MA)に従って行った。産物を、Trisホウ酸緩
衝液(0.09M Tris−ホウ酸組成物、0.002M EDTA、10 μg/ml臭化エチジウム)を用いた0.7%アガロースで中、100mAで
1時間電気泳動に供した。Immobilon−S(Millipore、カタ
ログ番号MBBU IMS02)膜を用いて、NeBlot(登録商標)Pho
totope(登録商標)キット(New England Biolabs,
Inc.、Beverly、MA、NEBカタログ番号7550)の指示(68
℃で4時間ハイブリダイゼーション、23℃で2回洗浄、0.1×SSPE、0
.1%SDS、68℃で5分間で2回洗浄)に従ってサザン法を行った。製造者
の指示に従って、Phototope(登録商標)−Star検出キット(Ne
w England Biolabs,Inc.、Beverly、MA、NE
Bカタログ番号7020)化学発光検出を用いて現像を行った。図8は、各消化
物中の複数のフラグメントがプローブとハイブリッド形成することを示し、これ
によりオリゴヌクレオチドが反復配列を認識したことが確認された。ハイブリッ
ド形成バンドの最小合計が約20(PstI)〜約44(NdeI)の範囲であ
り、これは、多数のカセットが存在することを示唆する。これらのバンドのいく
つかは、2種または3種が同時に移動する種を示し得るので、最大のサイズを確
実に評価できない。
【0137】 可能な別のオリゴヌクレオチド配列を、PARエレメントの特異的ファミリー
に基づいて設計することができる。オリゴヌクレオチド1(配列番号79、表2
を参照のこと)などの一本鎖オリゴヌクレオチドを使用することができ(データ
示さず)、これを使用して非標識オリゴヌクレオチドで開始し、NEBlot(
登録商標)Phototope(登録商標)などのランダムプライミングキット
の使用による標識によってビオチン標識したプローブを調製することができる。
【0138】 プローブオリゴヌクレオチドとDNA調製物との間のハイブリッド形成の存在
を検出するための他の詳細な方法を使用することができる。サザンブロット法に
より、DNAフラグメントをサイズで分離し、膜支持体に移し、DNAを変性し
、プローブとハイブリッド形成し、洗浄によって(オリゴヌクレオチドの場合)
ハイブリッド形成した産物とハイブリッド形成していないプローブとを分離する
。ハイブリッド形成したDNAの存在を検出するための別の派生法には、サイズ
で分離されず膜(ドットブロットまたはスポットブロット(Moore、前出、
1999))またはマイクロタイタープレート(ChaplinおよびBrow
nstein、Current Protocols in Molecula
r Biology、John Wiley and Sons、New Yo
rk、第1巻、6.9.1〜6.9.7、1999)もしくは他の支持体に吸着
させた後に非ハイブリッド形成プローブを洗浄したDNAのアレイの使用が含ま
れる。ラベルの構成を示し得る(標的DNA調製物を標識する一方で、試験プロ
ーブを膜または他の支持体に固定する)。
【0139】 別の可能な検出法には、放射性標識オリゴヌクレオチド(S35またはP32 もしくはP33での標識)の使用または別の化学的検出法(ジゴキシゲニンベー
ス(Poche Molecular Biochemicalsカタログ番号
12102201)または蛍光ベース(AP Biotechカタログ番号30
30)標識および検出法など)が含まれる。DNA調製の別法には、界面活性剤
/プロテアーゼ処理後の沈殿もしくはCsCl遠心分離またはアガロースゲルで
の精製(Moore、前出、1999)による精製を含むことができる。ゲル濾
過による他の市販のキット(例えば、5Prime−−>3Prime、または
Promega Wizard Genomic DNAPurificati
on Kit、カタログ番号A1120から市販のキット)もまた使用すること
ができる。
【0140】 C2)6つのPseudomonas種のPCRフィンガープリント法。
【0141】 集団中のカセットアレイの第2の検出法は、PCR試験(図7および図9)で
分離したカセットの反復の各末端にアニーリングしたプライマーを使用すること
である。反復が存在し、有効なPCR増幅用に互いに十分に接近している場合、
カセットを示すDNAバンドが、電気泳動による分離後の臭化エチジウム染色し
たアガロースゲルに見出された。
【0142】 この方法を確証するために、Pseudomonasの以下の6つの種を試験
した:P.maltophila(NEB寄託番号515)(New Engl
and Biolabs,Inc.、Beverly、MA)(PmlI)、P
.fluorescens(NEB寄託番号375)(New England
Biolabs,Inc.、Beverly、MA)(PflMI)、P.p
utida(NEB寄託番号372)(New England Biolab
s,Inc.、Beverly、MA)(PpuMI)、P.lemoigne
i(NEB寄託番号418)(New England Biolabs,In
c.、Beverly、MA)(PleI)、P.mendocina(ATC
C番号55181)(New England Biolabs,Inc.、B
everly、MA、NEB寄託番号698)(PmeI)、およびP.alc
aligenes(ATCC番号55044)(New England Bi
olabs,Inc.、Beverly、MA、NEB寄託番号585)(Pa
cI)。上記(パートA)で作製した染色体DNAを、オリゴヌクレオチド6お
よび7(図7の配列番号84および配列番号85、表2を参照のこと)で準備し
たPCR反応に使用した。PCR反応には、100ngのDNA、0.2μmo
lの各オリゴヌクレオチド、1単位のVent(登録商標)Exoポリメラー
ゼ、50μlの反応体積の1×NEBのThermopol緩衝液が含まれる。
熱サイクルパラメータは、95℃で15秒間の変性、55℃で1分間のアニーリ
ング、72℃で1分間の伸長であった。これを25サイクル行った。産物を、0
.7%アガロースの100mAで1時間の電気泳動に供し、10−4μg/ml
の臭化エチジウムで染色した。
【0143】 図8は、本法によって6種のうち2種が複数の増幅を生じたことを示す。これ
により、複製するために正確な方向で、かつ正確な間隔での反復セグメントの存
在を確認する。いくつかのカセットは、特に、短いカセットの増幅が好まれ場合
は効率的に増幅するのには長すぎるので、この方法により潜在的なカセット数を
評価するのは不可能である。さらに、いくつかの増幅産物は、2つのカセットに
わたる増幅を示し得る。この場合、カセットを分離する反復は、アンプリコンの
末端のものよりプライマーと離れて関与し得る。
【0144】 種々の伸長時間の使用により、最大の種類のカセット産物の獲得が促進される
。反復の別のファミリーに高い効率でアニーリングした別のプライマーセットを
使用した複数の反応もまた、カセットの全収量が増加する。図8に示すように、
プライマー8〜11(配列番号86から配列番号89(表2を参照のこと))は
、正方向の候補プライマーであり、プライマー12および13(配列番号90お
よび配列番号91(表2を参照のこと))は、逆方向の候補プライマーである。
【0145】 別の視覚化法には、親和性標識オリゴヌクレオチドプライマーの化学発光検出
、PCRにおいて組込まれた蛍光標識ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドプ
ライマーの蛍光検出、または放射性標識オリゴヌクレオチドプライマーまたは放
射性標識dNTPを用いた場合はオートラジオグラフィーが含まれる。
【0146】 C3)混合集団のPCRフィンガープリント法 原理的には、集団中の少数のカセットアレイの存在を同定するための混合集団
に対するPCRフィンガープリント法を適用することができるはずである。混合
集団に対して少なくとも以下の2つのアプリケーションを試用することができる
:各菌株を組み合わせたプールを使用したPCRおよび環境DNAを用いたPC
R。
【0147】 C3a)組み合わせプールに対するPCR アドレス可能なアレイ(例えば、96ウェルプレート)に各菌株を配列するこ
とによって、組み合わせプールを行うことができる。プールを、各菌株を組み合
わせることによって作製することができる(例えば、1つのプールにおいて1列
に全ての菌株、1つのプールにおいて1段に全ての菌株、または一連のプレート
由来の1つの2Dアドレス中に全ての菌株)。多くのこのようなプール法が成功
しており、当業者に公知である(例えば、Chaplin and Brows
tein、前出、1999、Greenら、Cloning Systems、
Cold Spring Harbor Laboratory Press、
Cold Spring Harbor、NY、第3巻、297〜548、19
99)。
【0148】 これらの各菌株から個別にDNAを作製し、DNAサンプルをプールするか、
菌株の培養物をプールして、プールからDNAに形成することができる。各方法
には、不都合がある。第1の例として、多数のDNA調製物が作製されなければ
ならないが、第2の方法において、異なる菌株は異なる細胞破壊およびDNA抽
出に供されるので、いくつかの菌株由来のDNAは、他のものと比較して少ない
【0149】 このようなプール法では、いくつかの簡単な対照によって方法全体の効率を評
価することができる。例えば、アレイを含むことが公知の菌株(P.alcal
igenes(ATCC番号55044)(NEB寄託番号585、New E
ngland Biolabs,Inc.、Beverly、MA)など)であ
る陽性対照は、1つのプールに1種類のメンバーとして含まれ得るが、他のメン
バーは陰性対照(P.lemoignei(NEB寄託番号418)(New
England Biolabs,Inc.、Beverly、MA))から得
られる。別の場合では、陰性対照の存在の減少に対応して陽性対照が二重または
三重で含まれ得る。これにより、方法全体の感受性の評価が可能である。
【0150】 C3b)環境サンプルに対するPCR 特に目的とするDNA供給源は、純粋培養で得られた最初の生物を含まない環
境サンプル(例えば、土壌、水、濾過空気など)から単離したDNAと思われる
。この場合、カセットアレイ由来のPCRは、完全な形態での遺伝子の獲得メカ
ニズムとしてさらにより有望であり得る。この場合、C1に記載の対照として何
種類かのポジティブおよび陰性対照を含むことができる。公知の陰性対照中で連
続希釈した陽性対照に加えて、他の対照が含まれるべきである。DNAが単離さ
れるべき元の環境サンプルを分割し、その一部を少量の陽性対照菌株で滴下する
ことができる。サンプル由来のDNA抽出物はいくつかの陽性対照を含むので、
サンプルの一部がDNA抽出の効率の良い対照として使用され、公知の供給源由
来の公知のカセットの回収が可能となる。環境サンプルDNA中で希釈された一
連の精製陽性対照DNAを含むことにより、環境サンプル中の阻害物質について
の対照として作用する。
【0151】 更なる一連の対照により、真核生物由来のサンプルの画分を評価することがで
きる。PCR対照により、当業者に公知の方法(von Wintzinger
odeら、FEMS Microbiol.Rev.、21(3)、213〜2
29、1997、Sekiguchiら、Microbiology、144(
Pt.9)、2655〜2665、1998)によってミトコンドリア、葉緑体
、および核リボゾームDNA遺伝子の存在について試験することができる。
【0152】 D)DNAフラグメントのクローニング 一旦反復セグメントに隣接したフラグメントが得られると、これらは、標準的
な方法によってクローニングすることができる。PCR産物を、QIA qui
ck PCR精製キット(Qiagenカタログ番号28104)または他の類
似のキットを用いて精製することができる。フラグメントを消化して、適切に消
化したプラスミドまたはバクテリオファージベクターに適合する連結可能な末端
を得ることができる。本実施例では、ベクター方向性発現シグナルに関して限定
された方向が得られるように、PCRで使用するオリゴヌクレオチドプライマー
の5’末端に付加したXhoIおよびXbaI部位は、pLT7K(以下の実施
例2を参照のこと)に定方向クローニングされる。従って、ベクター中に存在す
る調節シグナルの使用が可能である。適切なクローニング部位がPCRに使用さ
れるオリゴヌクレオチドの5’末端に含まれる場合、発現の調節が関与しないと
しても、任意のベクターを使用してこのようなカセットをクローン化することが
できる。このようなベクターは、高頻度コピー(例えば、pUC19)プラスミ
ド、中頻度コピー(例えば、pACYC184またはpBR322)プラスミド
、または低頻度コピー(例えば、pBeloBAC11)プラスミドであり得る
か、バクテリオファージレプリコン(例えば、λgt11)であり得る。このよ
うなベクターは、大腸菌(例えば、pLT7K、実施例2を参照のこと)におけ
る調節発現に適切な発現シグナルを含み得るか、特定のカセットの更なる試験に
適切な生物(例えば、Bacillus subtilis、Streptom
yces coelicolor、Agrobacterium tumefa
ciens、または他の原核生物)における発現用に設計することができる。
【0153】 連結したフラグメントプールを、通常、化学的な方法またはエレクトロポレー
ション(Hanahanら、Methods in Enzymol.、204
、63〜113、1991)による翻訳後の固体培地上のベクターの1つまたは
複数の選択マーカーを含むレシピエント生物のクローンからなるフラグメントの
クローンライブラリーとして回収する。
【0154】 E)所望のカセットの存在についてのアッセイ 得られたカセットは、多くの異なる種類の遺伝子をコードする。多くの場合、
1つの特定の種であるが異なる特異性を有するフラクションをコードする遺伝子
は、関連するポリペプチド配列を有する。この種に関連する特定の例は、同一の
反応(特定の配列中の特定の塩基にメチル基を付加する)を有するが異なる特性
(異なる特定の配列内の異なる特定の塩基が改変されている)を有するDNAメ
チルトランスフェラーゼをコードする遺伝子のセットである。これらは、保存さ
れたポリペプチドモチーフ(Morgan、前出、1996)にアニーリングす
るプライマーを用いるPCRによって試験的に同定することができる。簡単に述
べれば、個々のコロニーまたは工程D)由来のコロニーのプールを、Morga
n、1996に詳述の改変を用いた方法によるPCRの変性に供することができ
る。メチルトランスフェラーゼモチーフにアニーリングした変性プライマーがア
ンプリコンの片側を形成し、アンプリコンの他の末端が隣接した反復にアニーリ
ングした1つまたは複数のプライマーによって形成される設計が最も適切であろ
う。適切なサイズのPCR産物が得られた場合、関連するコロニーはメチルトラ
ンスフェラーゼの遺伝子を含むようである。本方法で同定された候補コロニー由
来のプラスミドまたはファージクローンの一部または全体を配列決定することが
できる。
【0155】 あるいは、無作為に選択したコロニー由来のプラスミドまたはファージを配列
決定することができる。潜在的なメチルトランスフェラーゼを有するクローンを
、BLASTまたはFASTAなどのDNA比較アルゴリズムを用いた評価また
はこのような類似性を評価することを特に目的としたプログラム(Posfai
ら、Compt.Appl.Biosci.、10(5)、537〜544、1
994)によって同定することができる。
【0156】 実施例2のように、比活性についての機能試験も使用することができる。
【0157】 実施例2 機能的レポートによる制限酵素カセットの発見およびその後の特徴付け 本方法により、多様性選択機能を有する種々の遺伝子を特定する多数のカセッ
トの発現が準備された形態の単離が可能である。従って、所望の型の機能を発現
する特定のクローンの同定は、本方法の重要な部分である。本実施例は、所望の
特定の機能、DNA損傷剤の同定、および部位特定的二本鎖DNAエンドヌクレ
アーゼ(制限酵素)が特徴付けられるまで機能同定を洗練するための1つの方法
を例示する。さらに、本実施例は、所望の機能が発現する細胞に毒性を示すとし
ても本方法が有用であることを例示する。分離する反復エレメントに関連するカ
セットアレイ中の遺伝子の天然の方向のために、遺伝子の方向が遊離に特定され
るので、本実施例の手順は、特に可能である。
【0158】 従って、1つの実施態様では、使用したベクターpLT7K(図10)を使用
してカセットの個性または配列について既知のことが全く無くとも、クローン化
カセットフラグメントの発現を調節することができる。このベクターでは、以下
の2つのレベルの調節が可能である:発現を誘導することができ、阻害を抑制す
ることができる。T7遺伝子の10プロモーターは、クローニング部位の片側に
読み込まれる;このプロモーター由来の発現は、発現に使用される宿主細胞から
得たT7 RNAポリメラーゼ自身の発現のままで、ベクターから得たLacI
によって抑制される。T7 RNAポリメラーゼのインヒビターを発現するpL
ysPの使用によって、更なる調節を得ることができる。
【0159】 クローン化フラグメントおよびT7プロモーター由来の残りの漏出発現によっ
て指向される発現をさらに減少させるために、直列λpLプロモーターはクロー
ニング部位の他方に読み込まれる。この拮抗的転写は、λcI857(熱感受性
リプレッサー)によって調節される。従って、40℃でかつIPTGの不在下で
は、本質的に発現は観察されなかった;30℃では、いくつかの漏出発現が認め
られた;30℃でかつIPTGの存在下では、中程度のレベルの発現が達成され
得る。
【0160】 本発明の実施例で使用したストラテジーであるDNA損傷の間接的レポートを
使用してDNA損傷を誘導するクローン化カセットを同定する。この方法は、各
クローンの一部をカセットの発現を誘導する条件に供し、それにより誘導された
クローンの色を試験することによって行われた。次いで、正のシグナルを生じる
クローンを選択し、誘導条件に供さないクローンの一部を次の工程に供する。こ
れにより、DNA損傷工程は同定された遺伝子の不活化について選択しないこと
が保証される。この工程で同定された正のカセット(減数)を、より詳細に試験
することができる。次いで、これらを各クローンの別の部分の誘導および部位特
異的DNA切断の3つの指標について誘導された部分の試験によって試験される
。最後に、目的のクローンを配列決定する。
【0161】 A.pLT7LKとの使用のためのDNA損傷のレポーター pLT7LKにクローン化されたDNA損傷カセットの同定用のDNA損傷イ
ンジケーターストラテジーを使用するために、以下の5つの特徴を有する宿主菌
株が必要であった:T7 RNAポリメラーゼは誘導後に発現されるべきである
こと;菌株はλ溶原菌を含むべきではないこと(DNA損傷後のファージがコー
ドする死滅機能の発現を誘導し得るので);好ましくは、クローン化カセットを
保有する形質転換体を多数回収するために、高度に形質転換可能であるべきであ
ること;好ましくはDNA損傷後のみにDNA損傷インジケーターlacZが発
現されるべきであること(すなわち、誘導されない場合、白色のコロニーのバッ
クグラウンドが透明である);および大腸菌の主要な非特異的エンドヌクレアー
ゼであるエンドヌクレアーゼIを発現すべきでないこと。この最後の必要条件は
、試験DNA基質に対する部位特異的エンドヌクレアーゼの作用に起因するアガ
ロースゲルにおける制限消化バンディングパターンの明確な同定に必要である。
【0162】 ER2745およびER2746を、標準的なPIvir形質導入によって構
築した。これらの菌株により、異なる利点を有する別の宿主のバックグラウンド
が得られ、これらは、発現時にDNAを損傷するpLT7K中のカセットクロー
ンの同定という本発明の目的に有用である。
【0163】 ER2745のサンプル:(FλfhuA2[lon][dcm]omp
T lacZ::T7 gene1 gal sulA11Δ(mcrC−mr
r)114::IS10R(mcr−73::miniTn10−−TetS)
2 R(zgb−210::Tn10−−TetS)endA1)dinD2:
:MudI1734(KanR,lacZ)を、1999年 日付けのブ
ダペスト条約の条項に基づいてAmerican Type Culture
Collectionに寄託し、ATCC寄託番号・・・を受領した。
【0164】 ER2746のサンプル:(FλfhuA2 glnV44 e14−r
fbD1?relA1?endA1 spoT1?thi−1Δ(mcrC−m
rr)114::IS10 lacZ::T7 gene1 dinD2::M
ud11734(KanR,lacZ(ts))を、1999年 日付けの
ブダペスト条約の条項に基づいてAmerican Type Culture
Collectionに寄託し、ATCC寄託番号・・・を受領した。
【0165】 ER2745を、現存の菌株から1つの工程で構築した。現存の菌株ER25
56は、公知の全ての内因性制限系で不完全であり(効率的なクローニングが可
能)、β−ガラクトシダーゼを発現せず、lacI調節下で染色体位置(誘導性
プロファージではない)からT7 RNAポリメラーゼを発現した。これは、大
腸菌の主要な非特異性ヌクレアーゼであるエンドヌクレアーゼIを欠くために、
粗製抽出物における制限酵素活性の視覚化に有用であろう。dinDインジケー
ターを、Fomenkov、前出、1995に記載のER1992株由来のP1
形質導入によってこの系に移入し、ER2745を形成させた。
【0166】 ER2746を、現存の菌株から3工程で構築した。現存の菌株ER2418
は比較的高度に誘導される所望の特性を有し、これは大腸菌K12由来の多くの
系統に共通であるが、大腸菌B様ER2745由来の系統では存在しない特性で
ある。T7 RNAポリメラーゼ発現のための対立遺伝子を、以下の2つの形質
導入工程で移入した:ER2418×P1(ER2556)−−>TetR(P
ro−KanR)によりER2740を形成させ、ER2740×P1(ER2
553)−−>Pro+(KanS TetS Lac−T7NAP+)により
ER2744を形成させる。最後に、dinDインジケーター対立遺伝子を、E
R2170からER2744に移入した。
【0167】 B.カセットのクローニング 染色体サンプルからの増幅によって、カセットのクローニングを行った。上記
のようにQiagen(Genomic tip 100/G(カタログ番号1
0243))の手順によって調製したP.alcaligenes(ATCC番
号55044)(NEB寄託番号585、New England Biola
bs,Inc.、Beverly、MA)の全ゲノムDNAを、プライマー8〜
13(配列番号86〜配列番号91、表2を参照のこと)の以下の8つの組み合
わせを用いて増幅した:8+12、9+12、10+12、11+12、および
8+13、9+13、10+13、11+13。オリゴヌクレオチドの各ファミ
リー(8〜11または12〜13)内の中心部が配列中で変動するので、種々の
組み合わせによりPar反復エレメントの異なるファミリーから有効な増幅が可
能である。各異なるバージョンは、異なるファミリーメンバーへのアニーリング
を促進する。
【0168】 PCR増幅を、実施例1のC2節の方法によって行った。次いで、増幅したカ
セットを、20単位のXbaIおよび1単位のXhoI(New Englan
d Biolabs、カタログ番号145および146、Beverly、MA
)を用いて1×NEB緩衝液2中、37℃で1時間消化した。消化したフラグメ
ントを、2回消化した脱リン酸化pLT7Kと16℃で一晩連結した。エビアル
カリホスファターゼ(Amersham番号E70092Y)を用いて37℃で
1時間脱リン酸化した。NEBカタログ番号202(New England
Biolabs、Beverly、MA)で連結した。これらの連結ライブラリ
ーを、エレクトロポレーションによってER2745およびER2746に移入
し、LB+アンピシリン(100μg/ml)にプレートし、40℃で一晩イン
キュベートした。この温度で、アンチセンス発現が抑制され、IPTGの不在下
でセンス発現が誘導されず、以下に記載(C節)のDNA損傷インジケーターに
よって検出不可能な発現を得た。
【0169】 C.機能的レポートについてのスクリーニング 生存度を想定するためにインテグロンカセットの発現を抑制する条件下(40
℃−IPTG)で回収したクローンライブラリーを、機能的レポートについて評
価することができる。Xgalプレートにレプリカをプレートし、半誘導(30
℃)または誘導(30℃+IPTG)条件下でのインキュベーションによって、
DNA損傷機能を発現するコロニーを同定することができる。これらのいくつか
は制限酵素である。次いで、各コロニーを、元の配列の回収率を評価するために
、損傷条件に供していないマスタープレートから回収することができる。
【0170】 D.クローンの同一性の評価 DNA損傷スクリーニングによって、RM遺伝子(Fomenkov、前出、
1995、Fomenkov、前出、1994)の同定が可能である。しかし、
他の種類の遺伝子も得られる。例えば、一本鎖特異的ヌクレアーゼが、Endo
−Blue法を用いて遺伝子から回収された(Fomenkov、前出、199
4)。3つの方法を使用してRM遺伝子を同定することができる。第1に、細胞
に短期間でカセットコード遺伝子を誘導させ、粗製抽出物を作製し、これらの抽
出物を使用して標準的な標的DNAを消化し、酵素活性をアガロースゲルで分離
したバンドの産生によって検出する。第2に、クローンに短期間でカセットコー
ド遺伝子を発現させ、その後全細胞をパルスフィールド電気泳動に供する。分離
したバンドは、クローン保有細胞の染色体DNAの消化に起因する。第3のアプ
ローチは、相同性検索による分類を可能にするために、クローンの配列決定を行
う。
【0171】 D1)粗製抽出物アッセイ DNA損傷スクリーニングで正のクローンを、後期対数期までの非誘導条件お
よび4時間の誘導条件へのシフトによって成長させる。この方法により、天然の
宿主P.alcaligeneの発現量に類似のPacI量の発現が成功した(
D.Byrd、personal communication)。細胞を遠心
分離によって回収し、緩衝液中で再懸濁し、リゾチーム−EDTA処理によって
溶解し、遠心分離によって明澄化する。
【0172】 消化物は以下の3種類である: 1)陽性対照として診断的パターンを得るように設計した特異的基質を用いた
PacI特異的消化物。
【0173】 2)標準的なプラスミド、ファージ、およびウイルスDNAを用いた4〜6塩
基切断物についての一般的なスクリーニング。同様に、本方法によっていくつか
の8塩基特異性を検出することができる。
【0174】 3)8塩基切断物についての一般的なスクリーニング。in vitroでの
8塩基部位を用いた酵素のスクリーニングは、部位が希少なためより困難である
。しかし、通常、粗製抽出物を用いたin vitro消化用の基質として全染
色体DNAを用いて、非特異的ヌクレアーゼと8塩基エンドヌクレアーゼとを区
別することができる。これは、更なる消化に供していない特異的フラグメント(
特に巨大なもの)の存在による。フラグメントがゲルで分離されない(そして認
識部位が推測できない)としても、結果は、非特異的ヌクレアーゼ(好ましくは
巨大なフラグメントを分解する)によって得られた結果と認識可能に異なる。
【0175】 それぞれの場合、抽出物のアリコートをMg++の存在下で潜在的なDNA基
質とインキュベートする。次いで、産物をアガロースゲル電気泳動によって分析
する。
【0176】 D2)パルスフィールドゲルアッセイ 8塩基認識部位について潜在的により情報を与えるアッセイは、パルスフィー
ルドゲルによる全染色体フラグメントの分離に依存する。粗製抽出物をスクリー
ニング法に使用する場合、これらのゲルは、非常に取扱いにくく、一般的に使用
される抽出物中の他のヌクレアーゼに対して非常に感受性が高い。しかし、この
場合では、本発明者らは本発明の目的にこの方法を適用することができる。
【0177】 標準的な方法では、基質DNAを、アガロースプラグ中への全細胞の第1の包
埋によって得る。DNAを、細胞壁を分解する一連の酵素処理および洗浄によっ
てin situで細胞から放出させる。次いで、制限エンドヌクレアーゼを、
プラグと共にインキュベートする。これは、酵素がアガロースおよび前の消化物
の残余物を浸透しなければならないので、数時間かかる。
【0178】 アガロースを添加する前に、制限ヌクレアーゼ消化工程を、細胞内発現の誘導
によって迂回することができる。定義によって、候補クローンは、調節された様
式でin vivoでDNAを損傷することが周知である。従って、バンディン
グパターンは、酵素発現が誘導された細胞の染色体DNAを用いて同定可能であ
るべきである。さらに、PacIを、試験ケースとして使用する。全染色体消化
について予想されるパターンがすでに周知であるので、NotIもまた使用する
【0179】 重要な工程は以下である:回収時およびアガロースへの包埋処理の間の内因性
DNA分解(特にエキソヌクレアーゼ活性)の停止、誘導の長さ、誘導の程度。
対照には、陽性対照、精製PacIおよびNotIを用いたアガロースプラグ中
に包埋した宿主DNAの標準的消化、および陰性対照、実験サンプルと並行して
処理した空のベクターを含む宿主サンプルが含まれる。
【0180】 本調査のこの部分のために使用される菌株の改良には、細胞の主要なATP依
存性二本鎖エキソヌクレアーゼを不活化するrecD変異の導入、および主要な
ATP独立性二本鎖エキソヌクレアーゼを不活化するxth変異の導入が含まれ
る。三重ヌクレアーゼ欠失株(endA xth recD)は、生存できるは
ずであるが、プラスミドを安定に維持することができない(Nikiら、前出、
1990)。
【0181】 D3)配列決定 得られた遺伝子を、配列決定することができる。配列決定の際の余剰な作業を
軽減するために、多数の候補の制限酵素およびフィンガープリント法を行うこと
ができる。類似のフィンガープリントを有するセット中の回収した遺伝子および
その各2つを配列決定する。予備的な相同性検索を行うために十分に信用できる
ためには、通常、最低でも3倍量の配列が必要である。
【0182】 新規で利用可能なTn7ベースの転座システムGPSTM−1(New En
gland Biolabsカタログ番号1700、New England
Biolabs,Inc.、Beverly、MA)を用いて効率的に配列決定
を行うことができる。このシステムは、目的のプラスミド中の無作為な位置での
プライマー結合部位の移入、トランスポゾン内で切断する希少な切断物での消化
による挿入位置の迅速なマッピング、および目的のフラグメント内の挿入物の配
列決定が可能である。これらの標的分子を用いて、約20%のトランスポゾン挿
入が目的の配列内に見出される。通常、カセットは2kb未満であるので、ほと
んどの場合、適切な挿入物は6未満であることが必要である。隣接ベクタープラ
イマー由来の2つの配列(500bp/配列)および挿入物由来の12配列によ
り7000bp未処理の配列が得られ、これは約3倍の重複である。これは、最
初の分析に十分である。更なる配列決定を行い、最も興味深いフラグメントの高
品質の配列を得ることができる。他の配列決定ストラテジーもまた可能である。
【0183】 公的なデータベース中の遺伝子に対する相同性は、新規のII型RM遺伝子の
候補を排除する一助となり得る。この方法で回収することができる多くの遺伝子
は、保存アミノ酸配列セグメントを示す。トポイソメラーゼ、ヘリカーゼ、接合
プラスミド伝達に関与するニック酵素、およびトランスポザーゼは全てBLAS
Tまたは他の相同性検索方法による同定によって、公表されたデータベースに見
出すことができる。それに対して、II型制限酵素の遺伝子は、この方法ではほ
とんど見出すことはできない。II型制限酵素の遺伝子が相同性によって同定す
ることができる場合、それらはデータベース中の酵素(同一の部位を認識する)
のアイソシゾマーである(R.Roberts、personal commu
nication)。従って、標的遺伝子は(新規の特異性を認識するエンドヌ
クレアーゼ)は、相同性検索によって同定されない遺伝子であると予想すること
ができる。
【0184】 未知の特異性を有するII型エンドヌクレアーゼのこれらの標的遺伝子は、通
常、保護改変メチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子との近接によって最
良に同定することができる(R.Roberts and J.Posfai、
personal communication)。メチルトランスフェラーゼ
は、保存モチーフエレメントがいつも存在するので(上記を参照のこと)、生命
情報科学的方法によって認識可能である。しかし、本方法で回収可能であるべき
2つの酵素(PacIおよびPmeI)は、任意の改変メチルトランスフェラー
ゼに類似の遺伝子に隣接しておらず、実際、今までに元の宿主には保護メチルト
ランスフェラーゼが同定されていない。これらの酵素がATリッチな8塩基部位
を認識し、宿主生物がGCリッチなゲノムを含むので、宿主保護を部位の非存在
によって達成することができる。
【0185】 従って、特に目的とされる候補II型エンドヌクレアーゼ遺伝子は、データベ
ースでヒットしない単独のORFである。同定可能なメチルトランスフェラーゼ
遺伝子に隣接する候補もまた潜在的なアイソシゾマーのように保存され、安定性
に影響を与えるなどの他の所望の特性を有し得る。
【0186】 実施例3 方法を使用するための一般的な方法 認められるべき反復には、本明細書中で開示の公的な文献(Hall and
Stocks、Genetica、90、115〜132、1993、Hal
l and Collis、Mol Microbiol.、15、593〜6
00、1995、Levesqueら、Gene、142、49〜54、199
4、Recchia and Hall、Mol Microbiol.、15
、179〜187、1995、Mazelら、Science、280、605
〜608、1998、Barkerら、J.Bacteriol.、176、5
450〜5458、1994、Clarkら、Mol Microbiiol.
、26、1137〜1138、1997、Ogawa and Takeda、
Microbiol. Immunol.、37、607〜616、1993、
Hallら、Mol Microbiiol.、5、1941〜1959、19
91、Levesqueら、Antimicrob.Agents Chemo
ther、39、185〜191、1995、Sallenら、Microb.
Drug Resist.、1、195〜202、1995、Sandvang
ら、FEMS Microbiol.Lett.、160、37〜41、199
8、Sendaら、J.Clin.Microbiol.、34、2909〜2
913、1996、Tosiniら、Antimicrob. Agents
Chemother.、42、3053〜3058、1998)に記載の反復、
本明細書中で開示の反復(配列番号5〜配列番号74)、および1つまたは複数
の目的のモデル生物ゲノム配列において同定される反復が含まれる。目的の生物
中にいて同定された反復配列のセットを、実施例1の方法によって同定した。次
いで、これらのセグメントを、プログラムMEGALIGN(DNASTAR、
Madison Wisconsin)および好ましくはCLUSTAL法を用
いて複数のアラインメントにする。従って、同定したセグメントを、例えば、M
EGALIGNプログラムの系統学的機能によってファミリーに分類することが
でき、多数の内部分岐を有する茂みのような群を反復ファミリーとして選択する
。これらの更なるファミリーは、本方法の適用におけるプローブまたはプライマ
ーとして使用されるオリゴヌクレオチドの設計を指揮するはずである。
【0187】 2)種々の機能のクラスの同定 目的の機能を、目的のモデル生物に関連する分類において同定する。これには
、例えば、特定の組織(例えば、赤血球または植物の根毛)に接着する能力であ
り得る。
【0188】 目的の分類内の単離物の比較的大きく(>50メンバー)多様な収集物を回収
する。これらの単離物の多様性を、生物の分布の端にわたる位置からの単離によ
って特徴付けられる。これらの端には、空間的(地理的)分布、温度耐性、塩耐
性、pH耐性、O分圧耐性もしくは要求性または宿主生物の同一性が含まれ得
る。
【0189】 この収集のメンバーを、目的の機能およびその特異性の存在についてスクリー
ニングする。本実施例は、異なる特異的標的の例としてヒツジ、ウシ、ウサギ、
ブタ、ヤギ、カエル、およびヒトの赤血球を用いた赤血球凝集能力試験によって
行うことができるか、異なる単糖類または二糖類の存在下での赤血球の1つの型
を用いて試験することができるか、または赤血球表面の性質を変化させる種々の
処理に従って試験することができる。2つの条件のうちの1つまたは両方が得ら
れた場合、機能を、予想される方法で、カセットコード機能の変数として同定す
る。第1に、巨大なフラクション(>10%)は、機能の有無について残りのフ
ラクションと異なる。例えば、収集物の5つ以上のメンバーは赤血球の凝集を示
したが残りは示さず、逆も同様である。第2に、機能の特異性は、以下によって
変化する(例えば、いくつかの凝集ヒツジ赤血球、いくつかのヤギ赤血球)。こ
の基準は、同定した特異性の数が多い場合(例えば、50個の単離物の収集にお
いて4つを超える特異性)、最も最良に満たされる。
【0190】 可変性機能を、以下の免疫学的方法によって同定することもできる。例えば、
目的の動物またはヒト集団由来の血清または目的の化合物(例えば、ポリペプチ
ド)中の可変エピトープを認識するモノクローナル抗体を用いるELISAアッ
セイ;例えば、異なる物理学的または系統発生学的起源の組織を用いる細胞傷害
性アッセイ;組織または器官特異的効果の文脈で、直接的または間接的なDNA
合成またはcAMP加水分解のような細胞処理の阻害または刺激を試験するアッ
セイ;炭素、窒素、またはエネルギーの多様な潜在的供給源に対する成長または
形質転換試験;または種々の抗菌剤の存在下または阻害下での成長試験。
【0191】 3)DNA調製および本方法での使用についての適合性の同定 本方法の適合性の予備試験を、一連の少量の培養培地の、試験される種類の単
離物の一部での接種(例えば、マイクロタイターウェルプレート中)、増殖、ボ
イル、および実施例1のパートC2に記載のPCRによるコロニーPCRによっ
て行うことができる。文献または工程1で同定されたこれらまたは他の反復ファ
ミリーに基づいて設計した他のプライマーも使用することができる。この工程で
1つまたは複数のPCR産物の出現によって同定された正の単離物を、次の工程
で使用する。
【0192】 4)カセットの単離 正の単離物からのDNAの調製物を、実施例2に記載の末端に適切な制限酵素
クローニング部位を有する以下のプライマーペアを用いた大規模なPCRに供す
る:配列番号86と配列番号90、配列番号86と配列番号91、配列番号87
と配列番号90、配列番号87と配列番号91、配列番号88と配列番号90、
配列番号88と配列番号91、配列番号89と配列番号90、配列番号89と配
列番号91(表2を参照のこと)。更なる反復ファミリーに基づいて設計した更
なるプライマーペアも設計することができる。増幅条件は、使用したペアに依存
して調整することができる。
【0193】 5)カセットクローニング 実施例2のプライマーおよびpLT7Kを使用する場合、PCRフラグメント
を、XhoIおよびXbaIで消化する。pLT7Kの誘導体またはクローニン
グ部位に他の制限部位を保有する類似のプラスミドと使用するのに適切なプライ
マーを含む他のプライマーを使用することができる。
【0194】 6)菌株の選択 カセットの回収に適切な菌株は、目的の機能を発現しないが、その存在を認め
ることができる菌株である。例えば、赤血球凝集素遺伝子は、調査に干渉する赤
血球凝集素を菌株自体が発現しない菌株中で発現されるべきである。LE392
は、赤血球凝集活性を発現しない大腸菌菌株の例である。pLT7Kとの使用で
は、T7遺伝子I構築物は、LE392に移入される必要があかる、あるいは、
以下の菌株が赤血球凝集活性を欠くことが認められた場合、ER2645、ER
2746、ER2566、またはER2744などの菌株を使用することができ
る。菌株は、例えば、認められた赤血球凝集素のクラス(例えば、線毛)を輸送
することができるタンパク質輸送系の発現によって機能の発現またはレポートを
促進するようにカスタマイズすることができる。
【0195】 7)カセットの同定 赤血球凝集の場合、機能活性を利用することによって、コロニーまたはコロニ
ーのプールを、実施例2に記載の発現の誘導後、マイクロタイタープレート中で
赤血球凝集について試験することができる。
【0196】 別の同定法によって、予想されるタンパク質(例えば、線毛、ピリ線毛、また
は外膜タンパク質)の特定のクラスにおいて見出されるモチーフに特異的な変性
プライマーの設計およびそのプライマーを用いてコロニーまたはコロニーのプー
ルのみまたは実施例2に記載のように隣接する反復に特異的なPCRプライマー
と組み合わせてPCRを行うことである。
【0197】 タンパク質クラスに特徴的なモチーフのリストを、M.Patterson
and M.Handel、「Trends Guide to Bioinf
ormatics」、Elsevier Science、UK、1998に記
載の公的なデータベースに見出すことができる。
【0198】 8)機能の特徴付け 所望の遺伝子カセットと予想される特性を特に示すコロニーを、特定の機能を
同定するのに適切な以下の方法によって特徴付けられるであろう:例えば、種々
の糖などの小分子との競合による赤血球凝集試験;ヨウ素化、加熱、凍結、酸、
アルカリ、アルキル化剤またはプロテアーゼまたはヌクレアーゼとの処理などの
種々の処理に対する感受性;ならびに遺伝子配列の獲得および他のレポーター分
子(アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、緑色蛍光タンパク質また
は種々のエピトープタグ)との融合を含む種々の変異を保有する遺伝子を有する
細胞の性質の同定、または標準的な精製法もしくはポリペプチドタグによる親和
性精製によるコード化タンパク質の精製調製物の獲得。
【図面の簡単な説明】
【図1】 配列表1は、配列番号5〜78の配列を示す。 配列表2は、配列番号79〜91の配列を示す。 図1は、特徴付けされたインテグロン、反復配列(黒塗りの四角;59bpエ
レメント)によって隔てられた遺伝子カセットのアレイ(細い線;fn1,fn
2,fn3)の構造の模式図である。
【図2】 図2は、Vibrio cholerae中に同定されたスーパーインテグロ
ンの断片の略図である。
【図3A】 図3Aは、配列番号1の配列を示す。
【図3B】 図3Bは、配列番号2の配列を示す。
【図3C】 図3Cは、配列番号3の配列を示す。
【図3D】 図3Dは、配列番号4の配列を示す。
【図3E】 図3Eは、PARエレメントのいくつか(配列番号96〜配列番号116)の
アライメントである。
【図4】 図4は、反復配列を同定するためのもう一つの方法であるドットプロットの図
である。
【図5】 図5は、個々のPARエレメントの自己相補性を示す図である(GCGプログ
ラムセットにおけるFOLDの出力のSQUIGGLE表示)。
【図6A】 図6Aは、表1に示す本明細書のPARエレメントのセット(配列番号5〜配
列番号78)の中で同定可能なサブファミリーのアライメントを示す(ファミリ
ー1)。
【図6B】 図6Bは、表1に示す本明細書のPARエレメントのセット(配列番号5〜配
列番号78)の中で同定可能なサブファミリーのアライメントを示す(ファミリ
ー2)。
【図6C】 図6Cは、表1に示す本明細書のPARエレメントのセット(配列番号5〜配
列番号78)の中で同定可能なサブファミリーのアライメントを示す(ファミリ
ー3)。
【図6D】 図6Dは、表1に示す本明細書のPARエレメントのセット(配列番号5〜配
列番号78)の中で同定可能なサブファミリーのアライメントを示す(ファミリ
ー4)。
【図7】 図7は、すべてのPARエレメントの大部分のコンセンサスおよび典型的なカ
セットに関係するサザンブロット(パネルA)およびPCRフィンガープリント
表示(パネルB)に対して使用されるオリゴヌクレオチドの位置を示す。
【図8】 図8は、オリゴヌクレオチド2〜5(配列番号79〜配列識別番号83;図7、
表2も参照)の混合物のP.alcaligenes DNAへのハイブリッド
化のサザンブロットを示す。
【図9】 図9は、図7に示したオリゴヌクレオチド6および7を使用した6種類のPs
eudomonas種の単離株の染色体DNAから生成したPCR生成物のアガ
ロースゲル電気泳動パターンを示す。
【図10】 図10は、カセットにコードされた開放型読み取り枠のクローンライブラリー
を作製するためのスキームとpLT7Kからのそれらの産物の発現を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月13日(2000.12.13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0163
【補正方法】変更
【補正内容】
【0163】 ER2745のサンプル:(FλfhuA2[lon][dcm]omp
T lacZ::T7 gene1 gal sulA11Δ(mcrC−mr
r)114::IS10R(mcr−73::miniTn10−−TetS)
2 R(zgb−210::Tn10−−TetS)endA1)dinD2:
:MudI1734(KanR,lacZ)を、1999年6月11日付けの
ブダペスト条約の条項に基づいてAmerican Type Culture
Collectionに寄託し、ATCC寄託番号PTA−215を受領した
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0164
【補正方法】変更
【補正内容】
【0164】 ER2746のサンプル:(FλfhuA2 glnV44 e14−r
fbD1?relA1?endA1 spoT1?thi−1Δ(mcrC−m
rr)114::IS10 lacZ::T7 gene1 dinD2::M
ud11734(KanR,lacZ(ts))を、1999年6月11日付け
のブダペスト条約の条項に基づいてAmerican Type Cultur
e Collectionに寄託し、ATCC寄託番号PTA−214を受領し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),JP,US (72)発明者 モーガン,リチヤード・デイ アメリカ合衆国、マサチユーセツツ・ 01949、ミドルトン、ドナバンズ・ウエ イ・31 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA20 CA02 CA09 CA20 DA05 DA09 EA04 HA09 HA11 HA14 HA19 4B063 QA01 QA05 QA13 QA18 QQ42 QQ44 QR08 QR14 QR31 QR33 QR55 QR59 QR60 QR62 QR66 QR80 QR84 QS25 QS34 QX02 QX07

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遺伝子カセット内から無傷の多様性選択された遺伝子をクロ
    ーニングするための方法であって、 (a)遺伝子カセットに隣接する反復DNA配列を同定する工程; (b)前記遺伝子カセットに隣接する前記反復配列にオリゴヌクレオチドをハ
    イブリダイゼーションさせ、前記配列を増幅して、前記カセット内から遺伝子を
    含有するDNAフラグメントを得る工程; (c)前記DNAフラグメントをベクターに連結する工程;および (d)前記ベクターを適切な菌株に形質転換する工程 を含む方法。
  2. 【請求項2】 前記多様性選択された遺伝子は、 多糖類抗原またはポリペプチド抗原または分泌された分子などの細胞表面抗原
    ;線毛タンパク質、ピリ線毛タンパク質または外膜タンパク質などの接着因子;
    小分子の輸送因子、特に、特異性が狭い小分子の輸送因子;トキシン、溶血素、
    赤血球凝集素、キナーゼおよびシグナル変換分子; 薬物耐性決定因子などの解毒酵素;一時的に摂取された化合物(ただし、トリ
    カルボン酸回路などの主要な代謝経路に必要とされる化合物を除く)に特異的な
    代謝酵素;希な糖類(ただし、リボース、デオキシリボースおよび細胞壁の糖類
    などのすべての細胞で必要される糖類を除く)の生合成酵素、特に、細胞周囲エ
    ンベロープの一部を形成するような糖類の生合成酵素 からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記多様性選択された遺伝子は制限エンドヌクレアーゼ遺伝
    子を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記多様性選択された遺伝子はメチルトランスフェラーゼ遺
    伝子を含む、請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記オリゴヌクレオチドは、方向性クローニングを可能にす
    る認識部位を含有する、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記DNAフラグメントは、発現を可能にする方向で前記ベ
    クターに連結されている、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 標的DNA調製物内に由来する遺伝子カセットのアレイの存
    在を同定するための方法であって、 (a)配列番号5〜配列番号78の1つまたは複数にハイブリダイゼーション
    する少なくとも1つのオリゴヌクレオチドをDNA調製物にハイブリダイゼーシ
    ョンさせる工程;および (b)安定なDNA−DNAハイブリッドの存在を検出する工程 を含む方法。
  8. 【請求項8】 前記検出は、安定なDNA−DNAハイブリッドの存在をサ
    ザンブロットまたはドットブロットによって決定することを含む、請求項7に記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 前記検出は、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドを用いて
    、前記オリゴヌクレオチドを前記DNA調製物にハイブリダイゼーションさせる
    こと、および前記安定なDNA−DNAハイブリッドの3’末端におけるそのD
    NA重合能を検出することを含む、請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記オリゴヌクレオチドは配列番号79〜配列番号91を
    含む、請求項7に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記オリゴヌクレオチドは配列番号5〜配列番号78また
    はその一部の1つまたは複数のDNAにハイブリダイゼーションする、請求項7
    に記載の方法。
  12. 【請求項12】 DNA源は個々の菌株を含む、請求項7に記載の方法。
  13. 【請求項13】 DNA源は菌株群または菌株集団を含む、請求項7に記載
    の方法。
  14. 【請求項14】 DNA源は環境DNAを含む、請求項7に記載の方法。
  15. 【請求項15】 配列番号79〜配列番号91またはその一部を含む単離さ
    れたDNAプライマーからなる組成物。
  16. 【請求項16】 配列番号5〜配列番号78またはその一部の1つまたは複
    数のDNAにハイブリダイゼーションするDNAプライマーからなる組成物。
  17. 【請求項17】 所定のDNA配列から遺伝子カセットのアレイを同定する
    ための方法で、 (a)前記所定のDNA配列をTAACWAについてスクリーニングする工程
    ; (b)前記所定のDNA配列をCGTTRRについてスクリーニングする工程
    ; (c)工程Aの5’Tは工程Bの3’Rから約200塩基対未満であるDNA
    セグメントについてスクリーニングする工程;および (d)工程CのDNA配列が前記所定のDNA配列内において反復しているか
    どうかを決定する工程 を含む方法。
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