JPH0849824A - 廃棄物処理装置及び方法 - Google Patents

廃棄物処理装置及び方法

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JPH0849824A
JPH0849824A JP18480694A JP18480694A JPH0849824A JP H0849824 A JPH0849824 A JP H0849824A JP 18480694 A JP18480694 A JP 18480694A JP 18480694 A JP18480694 A JP 18480694A JP H0849824 A JPH0849824 A JP H0849824A
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晃 木戸口
Nobuyasu Kanda
伸靖 神田
Hidenobu Ito
秀伸 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃棄物中の水分を十分に除去した後に、廃棄
物の熱分解を行なうことを可能とし、もって、この熱分
解で生成する低温乾留ガス及び灰分を含むチャーを燃焼
させる時に温度不足により灰分などの溶融スラグ化がで
きない事態を防止する。 【構成】 乾燥器1に煙道13からの燃焼排ガスを導入
する。このガスを加熱源として廃棄物中の水分を加熱乾
燥する。乾燥後の廃棄物は搬送装置3で熱分解反応器4
に搬送して熱分解する。乾燥方式は、廃棄物に燃焼排ガ
スを直接導入する直接加熱方式でも、廃棄物と燃焼排ガ
スとを間接的に熱交換する間接加熱方式でもよい。ま
た、直接加熱方式、間接加熱方式を併用してもい。直接
加熱方式や併用方式の場合の使用後の水蒸気を含んだ燃
焼排ガスや、間接加熱方式で生じた水蒸気は、導管21
で燃焼溶融炉9からの燃焼排ガスの出口側に導入して臭
気成分を燃焼除去する。この水蒸気や燃焼排ガスの一部
を、適宜、燃焼溶融炉9内に導入して、炉内の過剰高温
を防止してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃棄物(家庭やオフィ
スなどから出される都市ごみなどの一般廃棄物、廃プラ
スチックなどの産業廃棄物など、可燃物を含むもの)を
熱分解し、その熱分解生成物を燃焼して処理する廃棄物
処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の廃棄物処理技術は、西ドイツ特
許公開No.3725704.8、西ドイツ特許公開N
o.3811820.3、特開平1−49816号公報
に開示されている。これら公報に開示されている技術で
は、可燃物を含む廃棄物を加熱して熱分解し、これによ
り生成される熱分解生成物(低温乾留ガスと、主として
不揮発性成分から成る熱分解残留物から分別されたチャ
ー)を燃焼し、この燃焼の排ガスを廃熱ボイラに導いて
蒸気を発生させ、その蒸気により発電するなどして熱エ
ネルギを回収している。
【0003】また、熱分解生成物の燃焼に際しては、灰
分等の燃焼残渣を溶融スラグ化する高温(一般に、12
00℃程度以上)で燃焼させることにより、燃焼残渣を
建造物や道路の骨材などに再利用可能なスラグに変換す
ることもできる。この場合に、熱分解で生じる重金属酸
化物など無機系有害物質を環境に流出する恐れなく封入
して灰溶融固化物の形態に処理できる。
【0004】その他、かかる技術は、熱分解残留物から
チャーを分別した後の鉄、非鉄などの有価物はやや大き
な粗粒分として未酸化状態で回収することができ、塩化
ジベンゾオキシンや塩化ジベンゾフランなどの有機有害
物質も排出されず、さらには煙道ガスの廃熱も有効利用
できるなどの多くの利点を有する。
【0005】しかしながら、廃棄物を常温などで熱分解
反応器に導入する場合、熱分解反応器では、熱分解に必
要な熱量に加えて、廃棄物温度を熱分解反応器温度まで
昇温するための熱量を必要とする。一般に、この昇温の
ために必要な熱量は、熱分解自体に要する熱量よりはる
かに大きい。特に廃棄物が水分を含んでいる場合には、
顕熱のみならず水の蒸発潜熱を供給しなければならず、
熱分解反応器で必要とされる熱量は大変大きなものとな
る。例えば、都市ごみは、少なくとも30wt%、多い
場合には60wt%程度の水分を含んでおり、この水分
の蒸発潜熱は、熱分解反応器内で必要とされる全熱量の
2分の1以上に達する。
【0006】このような大量の熱量を必要とするため、
かかる熱量は廃棄物処理設備の系内で自給できれば、廃
棄物処理コスト低減の見地から有利である。このような
熱分解反応器で必要とする熱量を自給する技術として
は、ヨーロッパ特許公開No.0360052A1に開
示の技術がある。
【0007】すなわち、同公報に開示の技術は、熱分解
反応器内の廃棄物投入側には内側ライニングを張り、熱
媒体(サーマル油、熱湯、飽和蒸気又は蒸気混合水)を
流通させる。この熱媒体の熱源は廃棄物処理設備の系内
の蒸気タービンや廃熱システムから自給する。また、熱
分解反応器内の低温乾留ガス及び熱分解残留物の排出側
にはバーナを設け、このバーナの燃料は熱分解反応器内
で生成する低温乾留ガスの部分燃焼で自給している。従
って、1つの熱分解反応器の前半で間接加熱、後半で直
接加熱により自給的に廃棄物を加熱していることにな
る。
【0008】上述の構成で、熱分解反応器内に投入され
た廃棄物は、廃棄物投入側から低温乾留ガス及び熱分解
残留物の排出側へと移動する。この過程で、まず、廃棄
物投入側において、熱媒体の流通により、廃棄物は10
0℃に加熱され、水分が蒸発して乾燥される。この乾燥
で生じた水蒸気はポンプなどで熱分解反応器外に吸い出
す。乾燥後の廃棄物は、低温乾留ガス及び熱分解残留物
の排出側において、バーナの炎による熱で加熱されて熱
分解される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の熱分解
反応器で必要とする熱量を自給する技術では、同一の熱
分解反応器内で上述の乾燥及び熱分解の両方を行うた
め、熱分解反応器内の廃棄物投入側において生じた水蒸
気が、熱分解残留物の排出側で生成される低温乾留ガス
に混入するのを十分に防止することができない。また、
吸い出さんとする水蒸気中に低温乾留ガスが混入するの
も十分に防止することができない。
【0010】低温乾留ガスに混入する水蒸気量が多い
と、熱分解の後に、低温乾留ガスと、熱分解残留物から
分別されたチャーとを高温燃焼するにあたり、発熱量を
下げてしまい、温度不足により灰分等の溶融スラグ化が
できないおそれがある。よって、上述のように、ポンプ
などで熱分解反応器外に吸い出した水蒸気をすべて高温
燃焼室に送って処理するのでは、前記ガス及びチャーの
発熱量を大きく下げてしまい高温で燃焼できなくなるの
はいうまでもない。一方、熱分解反応器外に吸い出され
る水蒸気中には、廃棄物から出た悪臭物質等の他にも、
可燃性の低温乾留ガスが含まれている以上、そのまま大
気中に放出することはできない。もし、高温燃焼室とは
別に燃焼設備を設け、この設備でこのような水蒸気を処
理しようとすれば、廃棄物処理設備の建造コストは大き
なものとなってしまう。
【0011】本発明は、廃棄物を熱分解し、その熱分解
生成物を燃焼残渣が溶融スラグ化する温度に燃焼して処
理する廃棄物処理技術において、廃棄物中の水分を十分
に除去した後に、廃棄物の熱分解を行なうことを可能と
し、もって、温度不足により灰分等の溶融スラグ化がで
きない事態を防止することができる廃棄物処理装置及び
方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の第1の発明は、廃棄物を加熱して熱分解し、低温乾留
ガスと主として不揮発性成分から成る熱分解残留物とに
分離する熱分解反応器と、前記熱分解残留物から分別し
たチャーと前記低温乾留ガスとを燃焼残渣が溶融スラグ
化しうる温度で燃焼する燃焼器と、この燃焼により生じ
た燃焼排ガスを外気へ排出するための排出口に導く煙道
とを備えている廃棄物処理装置において、前記煙道中を
流通する前記燃焼排ガスと前記廃棄物とを間接的に熱交
換し、この廃棄物を、略200℃以下であって脱水しう
る温度に加熱して乾燥する乾燥器と、この乾燥により生
じた水蒸気を前記乾燥器外に排出する水蒸気排出手段
と、前記乾燥後の廃棄物を前記熱分解反応器に搬送し、
前記熱分解を行なわしめる搬送手段とを備えていること
を特徴とする廃棄物処理装置である。
【0013】また、前記乾燥器と前記水蒸気排出手段と
に代えて、前記煙道中を流通する前記燃焼排ガスを前記
廃棄物に直接接触させ、この廃棄物を、略200℃以下
であって脱水しうる温度に加熱して乾燥する乾燥器と、
この乾燥によって前記廃棄物より脱離した水蒸気を含ん
でいる前記の燃焼排ガスを、前記乾燥器外に排出する燃
焼排ガス排出手段とを備えていることを特徴とする第1
の発明の廃棄物処理装置を第2の発明とする。
【0014】前記乾燥器と前記水蒸気排出手段とに代え
て、前記廃棄物と前記煙道中を流通する前記燃焼排ガス
との間接的な熱交換と前記廃棄物への前記煙道中を流通
する前記燃焼排ガスの直接導入とが同時に行なわれ、前
記廃棄物を、略200℃以下であって脱水しうる温度に
加熱して乾燥する乾燥器と、この乾燥により廃棄物から
生じた水蒸気と前記の直接導入後の燃焼排ガスとを前記
乾燥器外に排出する水蒸気・燃焼排ガス排出手段とを備
えていることを特徴とする第1の発明の廃棄物処理装置
を第3の発明とする。
【0015】前記水蒸気排出手段、前記燃焼排ガス排出
手段又は前記水蒸気・燃焼排ガス排出手段により排出さ
れた水蒸気及び、又は前記燃焼排ガスを、前記燃焼器か
らの燃焼排ガス出口側の前記煙道、ないしは前記煙道の
途中に設けられた容器内に導くガス排出路を備えている
ことを特徴とする第1乃至第3の何れかの発明の廃棄物
処理装置を第4の発明とする。
【0016】前記ガス排出路で導かれる燃焼排ガス及
び、又は水蒸気の一部を適宜前記燃焼器内に導入してこ
の燃焼器の過剰高温を抑制する温度調節手段を備えてい
ることを特徴とする第4の発明の廃棄物処理装置を第5
の発明とする。
【0017】廃棄物を熱分解反応器に導入して加熱して
熱分解し、低温乾留ガスと主として不揮発性成分から成
る熱分解残留物とに分離する工程と、前記熱分解残留物
から分別したチャーと前記低温乾留ガスとを燃焼残渣が
溶融スラグ化しうる温度で燃焼する工程と、この燃焼に
より生じた燃焼排ガスを外気へ排出する排出口に煙道で
導く工程とを含んでいる廃棄物処理方法において、前記
排出口へと導かれる前記燃焼排ガスと前記廃棄物とを間
接的に熱交換し、この廃棄物を、略200℃以下であっ
て脱水しうる温度に加熱して乾燥する工程と、この乾燥
により生じた水蒸気を前記廃棄物から分離する工程と、
前記乾燥後の廃棄物を前記熱分解反応器に搬送する工程
とを、前記の熱分解工程の前処理工程として含んでいる
ことを特徴とする廃棄物処理方法を第6の発明とする。
【0018】前記廃棄物乾燥工程と前記水蒸気分離工程
とに代えて、前記排出口へと導かれる前記燃焼排ガスを
前記廃棄物に直接接触させ、この廃棄物を、略200℃
以下であって脱水しうる温度に加熱して乾燥する工程
と、この乾燥により前記廃棄物より生じた水蒸気と前記
廃棄物に直接導入後の燃焼排ガスとを前記廃棄物から分
離する工程とを、前記の熱分解工程の前処理工程として
含んでいることを特徴とする第6の発明の廃棄物処理方
法を第7の発明とする。
【0019】前記廃棄物乾燥工程と前記水蒸気分離工程
とに代えて、前記廃棄物と前記煙道中を流通する前記燃
焼排ガスとの間接的な熱交換と前記廃棄物への前記煙道
中を流通する前記燃焼排ガスの直接接触とを同時に行な
い、前記廃棄物を、略200℃以下であって脱水しうる
温度に加熱して乾燥する工程と、この乾燥により前記廃
棄物から生じた水蒸気と前記廃棄物に直接導入後の前記
燃焼排ガスとを前記廃棄物から分離する工程とを、前記
の熱分解工程の前処理工程として含んでいることを特徴
とする第6の発明の廃棄物処理方法を第8の発明とす
る。
【0020】前記の分離された水蒸気及び、又は燃焼排
ガスを前記燃焼器からの燃焼排ガス出口側の前記煙道、
ないしはこの煙道の途中に設けた容器内に導き、前記の
分離された水蒸気及び、又は燃焼排ガスを加熱脱臭する
工程を含んでいることを特徴とする第6乃至第8の何れ
かの発明の廃棄物処理方法を第9の発明とする。
【0021】前記のチャーと低温乾留ガスとの燃焼工程
において、この燃焼雰囲気に前記の分離された水蒸気と
燃焼排ガスとの一部を適宜導入して行ない、前記のチャ
ーと低温乾留ガスとの燃焼における過剰高温を抑制する
ことを特徴とする第9の発明の廃棄物処理方法を第10
の発明とする。
【0022】
【作用】上記の各発明によれば、低温乾留ガスとチャー
との燃焼により生じ、煙道を流通する燃焼排ガスを熱源
として、廃棄物を略200℃以下であって脱水しうる温
度に加熱して、自給熱源による乾燥をすることができ
る。かかる温度を、略200℃以下としたのは、廃棄物
の熱分解は、略200℃程度から始まるので、乾燥によ
り生じる水蒸気中に可燃性の低温乾留ガスが混入しない
ようにするためには、廃棄物を略200℃にとどめるべ
きだからである。略200℃以下であって脱水しうる温
度としては、具体的には、略100〜200℃、より好
ましくは、略100〜150℃とするのが望ましい。1
50℃以下では廃プラスチック等の融解による伝熱面へ
の付着などが起こりにくくなる。
【0023】乾燥方式は、燃焼排ガスと廃棄物とを間接
的に熱交換する間接加熱方式(第1、第6の発明)で
も、燃焼排ガスを廃棄物に直接導入する直接加熱方式
(第2、第7の発明)であってもよい。直接加熱方式は
間接加熱方式に比べ、燃焼排ガスと廃棄物との間の熱交
換の効率が高く、乾燥器設備をコンパクトにできるとい
う利点がある。間接加熱方式は廃棄物から生じる蒸気と
燃焼排ガスとが混合しないため廃棄物から出る悪臭物質
を含まないので、直接加熱方式に比べ、廃棄物乾燥に使
用後の燃焼排ガスの処理が容易であるという利点があ
る。また、直接加熱方式と間接加熱方式とを併用しても
よい(第3、第8の発明)。燃焼排ガスとの間接的な熱
交換により加熱される廃棄物に、同時に燃焼排ガスを送
風することとなる、この併用方式は、間接加熱方式単
独、直接加熱方式単独で乾燥を行なうより、効率よく廃
棄物の乾燥を行なうことができる。
【0024】各発明において、間接加熱方式で生じた水
蒸気、あるいは、直接加熱方式や直接加熱、間接加熱併
用方式で使用後の水蒸気を含む燃焼排ガスは、乾燥器の
外に排出されるなどして廃棄物から分離され、十分に脱
水した廃棄物を熱分解過程に搬送することができる。こ
のように、本発明は、廃棄物の乾燥過程と熱分解過程と
を完全に分離し、しかも、乾燥過程では加熱乾燥温度を
熱分解が生じない温度にとどめたので、従来技術と異な
り、乾燥過程で生じた水蒸気と熱分解過程で生成した低
温乾留ガスとが混ざりあうことがなく、低温乾留ガスと
チャーとを高温燃焼するにあたり、温度不足により灰分
等の溶融スラグ化ができなくなるおそれがない。また、
乾燥過程で生じる水蒸気が可燃性ガスを含まないため、
この水蒸気を処理するために特別に燃焼設備を設ける必
要もなく、廃棄物処理設備の建造コストを無用に大きく
することもない。
【0025】間接加熱方式で廃棄物から生じた水蒸気、
あるいは、直接加熱方式や直接加熱、間接加熱併用方式
で使用した水蒸気を含む燃焼排ガスは、廃棄物に含まれ
る臭気成分を含有しているので、大気中に放出する前に
かかる臭気を除去することが環境保護上望ましい。第
4、第9の発明は、このような臭気成分を含んだ水蒸気
や燃焼排ガスを煙道の入口部に導く構成である。煙道の
入口部は、低温乾留ガスとチャーとを燃焼残渣が溶融ス
ラグ化する温度で燃焼した直後の高温の燃焼排ガスが流
通している。したがって、導入された水蒸気や燃焼排ガ
ス中の臭気成分は高温の燃焼排ガスにより燃焼されて無
臭化、もしくは煙道の下流に設けられる排ガス浄化設備
で容易に除去できる物質に変化される(特にアンモニ
ア、アルデヒド、アミン、スルフィド、メルカプタンな
ど)。本発明のような廃棄物処理技術においては、一般
に、煙道の入口部より下流側には、燃焼排ガス中の塵粉
を除去する集塵設備や脱硫、脱硝などを行なうガス浄化
設備を設けているのが通例である。したがって、かかる
設備を設けている場合には、直接加熱方式で廃棄物の乾
燥に用いた後の燃焼排ガスも、該設備による処理を受け
た後に大気中に排出されることとなる。なお前述の臭気
分を含んだ水蒸気や燃焼排ガスを煙道の入口へ導く際高
温下で脱臭反応を行えるよう十分な滞留時間を確保する
ため、バッファー用容器をこの煙道入口部に設ける必要
がある場合もある。
【0026】また、低温乾留ガスとチャーとを燃焼残渣
が溶融スラグ化する温度で燃焼するにあたり、燃焼温度
が過剰な高温となることがある。特開平1−49816
号公報などには、かかる場合に、煙道の出口部付近を流
通する低温の燃焼排ガスを導管で燃焼溶融炉のバーナに
導くなどにより、炉内温度を下げる技術が開示されてい
る。第5、第10の発明によれば、廃棄物の乾燥後、廃
棄物から分離された水蒸気や水蒸気を含む燃焼排ガスの
一部を低温乾留ガスとチャーとの燃焼雰囲気に導入する
ことで、燃焼温度を下げ、過剰高温を抑制することがで
きる。したがって、従来のように低温の燃焼排ガスを導
くための導管などを特別に設ける必要などはない。この
場合、その過剰高温の具体的温度、導入する水蒸気や水
蒸気を含む燃焼排ガスの導入量、温度、水分量など種々
の条件を考慮して導入量などの調節をすべきであること
はいうまでもない。なお、このように低温乾留ガスとチ
ャーとの燃焼雰囲気に導入される水蒸気や水蒸気を含む
燃焼排ガス中の臭気成分は、低温乾留ガスやチャーとと
もに燃焼されて無臭化もしくは煙道下流の排ガス浄化設
備で容易に除去できる物質に変化される。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は、本発明の第1の実施例である廃棄物処
理装置の全体の系統図である。1は、本発明における乾
燥器の一例としての乾燥器であり、例えば、一般的なロ
ータリーキルン様の熱分解ドラムなどを用いて構成する
ことができる。2は、乾燥器1に廃棄物を投入するホッ
パである。廃棄物は、所定の加熱乾燥をされ(これにつ
いては後述する)、本発明における搬送手段の一例とし
てのフィーダなどの搬送装置3で、本発明における熱分
解反応器の一例としての熱分解反応器4に搬送される。
【0028】熱分解反応器4としては、横型回転式ドラ
ム(ロータリーキルン)、竪型シャフトキルンなどが従
来から用いられているが、廃棄物の熱分解反応器4内で
の滞留時間を考慮すると、前者を用いるのが望ましい。
また、特開平3−63407号公報にも好適な熱分解反
応器の例が示されている。熱分解反応器4は回転しなが
ら、300〜900℃程度、熱分解残留物からアルミニ
ウムなどを未融解有価物として取り出すには300〜6
00℃程度に廃棄物を加熱して熱分解し、低温乾留ガス
と、主として不揮発性の熱分解残留物とを生成する。5
は搬出装置であり、熱分解残留物は搬出装置5の底部側
に設けられた熱分解残留物搬送ライン6で搬送され、熱
分解残留物分別装置7に導かれる。低温乾留ガスは、搬
出装置5の上部側に設けられた導管8で、本発明におけ
る燃焼器の一例としての燃焼溶融炉9に導かれる。
【0029】残留物分別装置7は、例えば篩などで構成
され、熱分解残留物を、ガレキ、アルミ、鉄などとチャ
ーとに分別する。分別されたチャーは、搬送ライン10
により導管8に吹き込まれ、低温乾留ガスとともに燃焼
溶融炉9内に導入される。燃焼溶融炉9内には、通気管
11より燃焼用空気が導入される。燃焼溶融炉9では、
この燃焼用空気で低温乾留ガスとチャーとを燃焼する。
この燃焼は、空気比を比較的小さくすることにより高温
燃焼とすることができ(温度は1200℃程度以上、好
ましくは1300℃程度)、灰分を溶融し、燃焼溶融炉
9の底部より冷却水槽12に落して急冷し、スラグとし
て取り出す。
【0030】13は、本発明における煙道の一例として
の煙道であり、燃焼溶融炉9で生成される燃焼排ガス
を、本発明における排出口の一例としての煙突14へと
導く。煙道13には、廃熱ボイラ15が設けられてお
り、煙道13で導かれた燃焼排ガスとの熱交換により高
温蒸気を得る。この高温蒸気は発電などに用いられる。
廃熱ボイラ15で熱交換後の燃焼排ガスは、煙道13の
さらに下流に設けられた集塵機16でダストを除去さ
れ、煙道13のさらに下流に設けられた煙道ガス浄化装
置17に導入されて脱硫、脱硝などされ、煙突14より
外気へ排出される。集塵機16で除去されたダストは、
搬送ライン18、搬送ライン10、導管8を介し、燃焼
溶融炉9に戻される。
【0031】煙道13の、例えば、集塵機16の下流側
で煙道ガス浄化装置17の上流側からは、煙道13を流
通する燃焼排ガスの一部を乾燥器1に導く煙道ガス分岐
管19が分岐している。20は、煙道ガス分岐管19に
設けられたブロワである。煙道ガス分岐管19で導かれ
る燃焼排ガスは、乾燥器1内の廃棄物に直接導入され、
廃棄物の加熱乾燥の熱源となる。この廃棄物の加熱温度
は、略200℃以下であって廃棄物が脱水しうる温度と
する。具体的には、略100〜200℃、より好ましく
は、略100〜150℃とするのが望ましい。
【0032】廃棄物の加熱乾燥に用いた水蒸気を含む燃
焼排ガスは、本発明における燃焼排ガス排出手段及びガ
ス排出路の一例としての導管21により、煙道13の入
口部、すなわち、燃焼溶融炉9からの燃焼排ガスの出口
部に導く。前述のように、この部分にバッファー用容器
を設ける場合もある(図示されていない)。このよう
に、燃焼排ガスの導入により乾燥され、乾燥により発生
した水蒸気と分離された廃棄物は、例えばフィーダなど
の搬送装置3で熱分解反応器4に搬送されることとな
る。なお、廃棄物の加熱温度を上述のような温度に保つ
ため、乾燥器1内の廃棄物量、その組成、煙道ガス分岐
管19で供給する燃焼排ガス温度などの諸条件を考慮
し、乾燥器1に供給する燃焼排ガス流量を調節する。ま
た、煙道ガス分岐管19の煙道13からの分岐位置は本
実施例に限定されるものではなく、他の部位から分岐し
てもよい。この場合、煙道13の部位によって流通する
燃焼排ガスの温度が異なるため、上述の廃棄物加熱温度
を維持するためには、かかる点も考慮する必要がある。
【0033】導管21からは、本発明における温度調節
手段の一例としての導管22が分岐し、導管21を流通
する水蒸気を含んだ燃焼排ガスの一部を適宜燃焼溶融炉
9内に導入できる。これは、燃焼溶融炉9内の過剰高温
が発生した場合に、乾燥器1を流通したことにより冷却
され、しかも、水蒸気を含んでいる燃焼排ガスを導入す
ることで、燃焼溶融炉9内の温度を適正温度に戻さんと
するものである。よって、かかる燃焼排ガスの導入にあ
たっては、過剰高温の具体的温度、導入する水蒸気を含
む燃焼排ガスの導入量、温度、水分量など種々の条件を
考慮して導入量を調節すべきであるのはいうまでもな
い。
【0034】つづいて本実施例の作用について説明す
る。本実施例によれば、低温乾留ガスとチャーとの燃焼
により生じ、煙道13を流通する燃焼排ガスを熱源とし
て、廃棄物を略200℃以下であって脱水しうる温度に
加熱して、自給熱源による乾燥をすることができる。か
かる温度を、略200℃以下としたのは、廃棄物の熱分
解は、略200℃程度から始まるので、乾燥により生じ
る水蒸気と可燃性の低温乾留ガスとが混合しないように
するためには、廃棄物温度を略200℃にとどめるべき
だからである。
【0035】乾燥器1内で生じた水蒸気は、導管21で
乾燥器1の外に排出されて廃棄物から分離され、十分に
脱水した廃棄物のみを熱分解反応器4に搬送することが
できる。このように、本実施例では、廃棄物の乾燥過程
と熱分解過程とを完全に分離し、しかも、乾燥過程では
加熱乾燥温度を熱分解が生じない温度にとどめたので、
従来技術と異なり、乾燥過程で生じた水蒸気と熱分解過
程で生成した低温乾留ガスとが混ざりあうことがなく、
低温乾留ガスとチャーとを燃焼溶融炉9で高温燃焼する
にあたり、温度不足により灰分等の溶融スラグ化ができ
なくなるおそれがない。また、乾燥過程で生じる水蒸気
に可燃性ガスが含まれないため、これを処理するために
特別に燃焼設備を設ける必要がなくて、廃棄物処理設備
の建造コストを無用に大きくすることもない。
【0036】導管21で導かれる水蒸気を含む燃焼排ガ
スは、煙道13の入口部、すなわち、燃焼溶融炉9から
の燃焼排ガスの出口部に導かれる。煙道13の入口部
は、燃焼溶融炉9で低温乾留ガスとチャーとを燃焼残渣
が溶融スラグ化する温度で燃焼した直後の高温の燃焼排
ガスが流通している。したがって、導入された水蒸気を
含む燃焼排ガス中の臭気成分は、この高温の燃焼排ガス
により燃焼されて無臭化もしくは煙道下流のガス浄化装
置17で容易に除去できる物質に変化される。本実施例
のような廃棄物処理技術においては、煙道13の入口部
より下流側に、燃焼排ガス中のダストを除去する集塵機
16や脱硫、脱硝を行なう煙道ガス浄化装置17設けて
いる。したがって、廃棄物の乾燥に用いた後の燃焼排ガ
スも、集塵機16、煙道ガス浄化装置17による処理を
受けた後に大気中に排出されることとなる。
【0037】本実施例によれば、廃棄物の乾燥後、廃棄
物から分離された水蒸気を含む燃焼排ガスの一部を低温
乾留ガスとチャーとの燃焼雰囲気に導入することで、燃
焼温度を下げ、過剰高温を抑制することができる。した
がって、従来のように低温の燃焼排ガスを導くための導
管などを特別に設ける必要などはない。この場合、その
過剰高温の具体的温度、導入する水蒸気や水蒸気を含む
燃焼排ガスの導入量、温度、水分量など種々の条件を考
慮して導入量などの調節をすべきであることはいうまで
もない。なお、このように低温乾留ガスとチャーとの燃
焼雰囲気に導入される水蒸気や水蒸気を含む燃焼排ガス
中の臭気成分は、低温乾留ガスやチャーとともに燃焼さ
れて無臭化もしくは煙道ガス浄化装置17で容易に除去
できる物質に変化される。
【0038】また、本実施例の燃焼排ガスによる加熱乾
燥方式は、燃焼排ガスを廃棄物に直接導入する直接加熱
方式を用いている。直接加熱方式を用いる場合は、後述
する第2の実施例の間接加熱方式に比べ、乾燥器1内に
導入する燃焼排ガスと廃棄物との間の熱交換の効率が高
く、乾燥器1の設備をコンパクトにできるという利点が
ある。
【0039】参考までに、上述のような構成の廃棄物処
理装置を用いて、本発明者らが行なった、ベンチテスト
級の実験結果を以下に示す。使用した廃棄物処理装置の
ごみ処理能力は、8kg/hrである。表1は、乾燥器1の
物質収支と熱収支を示す表であり、表2は、熱分解反応
器4の物質収支と熱収支を示す表である。また、表3
は、比較例として同様の装置で乾燥器1を取り除き、廃
棄物の乾燥を行なわなかった場合の熱分解反応器4の物
質収支と熱収支を示す表である。何れの表においても、
「破砕ゴミ」とあるのは、本実験の対象とした廃棄物を
示し、各表において、その組成を示している。表1で
「煙道ガス」とあるのは、加熱乾燥熱源として導入され
る燃焼排ガスを示している。表2,3で「加熱ガス」と
あるのは、熱分解反応器4の加熱熱源として用いた熱媒
体たるガスを示している。表2,3で「分解ガス」とあ
るのは、熱分解反応器4で生成される低温乾留ガスを示
している。「入り」とあるのは、乾燥器1又は熱分解反
応器4への導入分を示し、「出」とあるのは、乾燥器1
又は熱分解反応器4からの排出分を示している。表2、
表3の比較から明らかなように、本実施例の廃棄物処理
装置によれば、乾燥器1を用いない従来の廃棄物処理装
置に比べ、熱分解反応器4での加熱源たる加熱ガス所要
量を2分の1以下に減らすことが可能となった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図2は、本発明の第2の実施例である廃棄物処理
装置の全体の系統図である。図1と同一符号の部材は図
1を参照して説明した第1の実施例と同様の部材であ
り、詳細な説明は省略する。本実施例の構成が第1の実
施例と相違する点は、まず、本発明における乾燥器の一
例としての乾燥器26を、第1の実施例における乾燥器
1のような直接加熱方式ではなく、間接加熱方式を採用
している点にある。すなわち、乾燥器1の外壁にジャケ
ット部を設けたり、内部に伝熱管を設けるなどして、煙
道ガス分岐管19で導かれる燃焼排ガスを、このジャケ
ット部や伝熱管などに流通させ、乾燥器1内の廃棄物と
燃焼排ガスとの間で間接的に熱交換を行なわしめ、廃棄
物の加熱乾燥を行なう。
【0044】加熱乾燥により生じた水蒸気は、本発明に
おける水蒸気排出手段及びガス排出路の一例としての導
管23により乾燥器26外に排出され、煙道13の入口
部、すなわち、燃焼溶融炉9の燃焼排ガスの出口部に導
入される。前述のように、この部分にバッファー用容器
を設ける場合もある(図示されていない)。また、導管
23からは本発明における温度調節手段の一例としての
導管24が分岐し、導管23に導かれる水蒸気の一部
を、適宜、燃焼溶融炉9内に導入する。導管24の機能
は、第1実施例における導管22と同様であり、水蒸気
を燃焼溶融炉9に導入することで、燃焼溶融炉9内の温
度を適正温度に戻さんとするものである。よって、本実
施例においても、かかる水蒸気の導入にあたっては、過
剰高温の具体的温度、導入する水蒸気を含む燃焼排ガス
の導入量、温度、水分量など種々の条件を考慮して導入
量を調節すべきであるのはいうまでもない。熱交換後の
燃焼排ガスは、例えば、煙道ガス分岐管19の下流側で
あって、煙道ガス浄化装置17の上流側の煙道13に導
管25により導入する。
【0045】次に本実施例の作用について説明する。本
実施例においても、第1の実施例と同様、温度不足によ
り灰分等の溶融スラグ化ができなくなるおそれがない。
また、乾燥過程で生じる水蒸気を処理するために特別に
燃焼設備を設ける必要がなくて、廃棄物処理設備の建造
コストを無用に大きくすることもない。
【0046】導管23で導かれる水蒸気中には廃棄物中
に含まれる臭気成分を含有しているが、この水蒸気は燃
焼溶融炉9の燃焼排ガスの出口部に導入されるので、高
温の燃焼排ガスにより臭気成分は燃焼されて無臭化もし
くは煙道ガス浄化装置17で容易に除去できる物質に変
化させる。
【0047】廃棄物から分離された水蒸気の一部を導管
24で低温乾留ガスとチャーとの燃焼雰囲気に導入する
ことで、燃焼温度を下げ、過剰高温を抑制することがで
きる。したがって、従来のように低温の燃焼排ガスを導
くための導管などを特別に設ける必要などはない。この
ように低温乾留ガスとチャーとの燃焼雰囲気に導入され
る水蒸気中の臭気成分は、低温乾留ガスやチャーととも
に燃焼されて無臭化もしくは煙道ガス浄化装置17で容
易に除去できる物質に変化させる。
【0048】乾燥器26で熱交換後の燃焼排ガスは、導
管25により煙道ガス浄化装置17の上流側の煙道13
に導入されるので、煙道ガス浄化装置17により脱硫、
脱硝などされた後、大気中に排出されることとなる。こ
のように、加熱乾燥方式を間接加熱方式とすれば、加熱
源としての燃焼排ガスと廃棄物から生じる水蒸気とが混
合しないため廃棄物から出る悪臭物質を含まないので、
直接加熱方式に比べて廃棄物乾燥に使用後の燃焼排ガス
の処理が容易である。
【0049】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図3は、本発明の第3の実施例である廃棄物処理
装置の全体の系統図である。図1と同一符号の部材は図
1を参照して説明した第1の実施例と同様の部材であ
り、詳細な説明は省略する。本実施例が第1、第2の実
施例と相違する点は、本発明における熱交換器の一例と
しての熱交換器27が、第1の実施例の熱交換器1のよ
うな直接加熱方式と、第2の実施例の熱交換器26のよ
うな間接加熱方式とを併用している点である。すなわ
ち、例えば、集塵機16の下流側で煙道ガス浄化装置1
7の上流側の煙道13部位から煙道ガス分岐管28、2
9を分岐させ、煙道ガス分岐管28、29のそれぞれに
は、ブロワ30、31を設けている。煙道ガス分岐管2
8で導かれる燃焼排ガスは、乾燥器27内の廃棄物中に
直接導入され、直接加熱方式に用いられる。煙道ガス分
岐管29に導かれる燃焼排ガスは、乾燥器27の外壁に
設けたジャケット部や、内部に設けた伝熱管などに流通
させ、廃棄物と燃焼排ガスとの間接的な熱交換による、
間接加熱方式に用いられる。
【0050】水蒸気を含んだ直接加熱に使用後の燃焼排
ガスは、本発明における水蒸気・燃焼排ガス排出手段及
びガス排出路の一例としての導管32により煙道13の
入口部、すなわち、燃焼溶融炉9の燃焼排ガス出口部に
導入される。また、導管32からは本発明における温度
調節手段の一例としての導管33が分岐し、導管32に
導かれる水蒸気を含んだ燃焼排ガスの一部を、適宜、燃
焼溶融炉9内に導入する。導管32の機能は、第1実施
例における導管22と同様であり、乾燥器27で冷却さ
れ、しかも、水蒸気を含んだ燃焼排ガスを燃焼溶融炉9
に導入することで、過剰高温になった燃焼溶融炉9内の
温度を適正温度に戻さんとするものである。よって、本
実施例においても、かかる水蒸気を含んだ燃焼排ガスの
導入にあたっては、過剰高温の具体的温度、導入する水
蒸気を含む燃焼排ガスの導入量、温度、水分量など種々
の条件を考慮して導入量を調節すべきであるのはいうま
でもない。間接加熱に用いられた燃焼排ガスは、煙道1
3の、例えば、煙道ガス浄化装置17の上流側で、煙道
ガス分岐管28、29の分岐位置より下流側の部位に導
入される。
【0051】つづいて、本実施例の作用について説明す
る。本実施例においても、第1、第2の実施例と同様、
温度不足により灰分等の溶融スラグ化ができなくなるお
それがない。また、乾燥過程で生じる水蒸気を処理する
ために特別に燃焼設備を設ける必要がなくて、廃棄物処
理設備の建造コストを無用に大きくすることもない。
【0052】導管32で導かれる水蒸気を含んだ燃焼排
ガス中には廃棄物中に含まれる臭気成分を含有している
が、この燃焼排ガスは燃焼溶融炉9の燃焼排ガスの出口
部(この部位にバッファー用容器を設ける場合もある)
に導入されるので、高温の燃焼排ガスにより臭気成分は
燃焼されて無臭化もしくは煙道ガス浄化装置17で容易
に除去できる物質に変化される。
【0053】廃棄物から分離された水蒸気を含んだ燃焼
排ガスの一部を、適宜、導管33で低温乾留ガスとチャ
ーとの燃焼雰囲気に導入することで、燃焼温度を下げ、
過剰高温を抑制することができる。したがって、従来の
ように低温の燃焼排ガスを導くための導管などを特別に
設ける必要などはない。このように低温乾留ガスとチャ
ーとの燃焼雰囲気に導入される水蒸気中の臭気成分は、
低温乾留ガスやチャーとともに燃焼されて無臭化もしく
は煙道ガス浄化装置17で容易に除去できる物質に変化
される。
【0054】乾燥器27で熱交換後の燃焼排ガスは、導
管34により煙道ガス浄化装置17の上流側の煙道13
に導入されるので、煙道ガス浄化装置17により脱硫、
脱硝などされた後、大気中に排出されることとなる。
【0055】また、本実施例のように、直接加熱方式
と、間接加熱方式を併用すると、乾燥器27内では、間
接加熱方式により加熱された廃棄物に対し、燃焼排ガス
を直接送風することとなる。このような、直接加熱、間
接加熱併用方式によれば、第1、第2の実施例のよう
に、直接加熱方式単独、間接加熱方式単独とするより、
効率よく廃棄物の乾燥を行なうことができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、廃棄物を
熱分解し、その熱分解生成物を燃焼残渣が溶融スラグ化
する温度に燃焼して処理する廃棄物処理技術について、
廃棄物中の水分を十分に除去した後に、廃棄物の熱分解
を行なうことを可能とし、もって、燃焼溶融炉で温度不
足により灰分などの溶融スラグ化ができない事態を防止
することができる廃棄物処理装置及び方法を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である廃棄物処理装置の
系統図である。
【図2】本発明の第2の実施例である廃棄物処理装置の
系統図である。
【図3】本発明の第3の実施例である廃棄物処理装置の
系統図である。
【符号の説明】
1、26、27 乾燥器 3 搬送装置 4 熱分解反応器 9 燃焼溶融炉 13 煙道 21、23、32 導管 22、24、33 導管

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を加熱して熱分解し、低温乾留ガ
    スと主として不揮発性成分から成る熱分解残留物とに分
    離する熱分解反応器と、前記熱分解残留物から分別した
    チャーと前記低温乾留ガスとを燃焼残渣が溶融スラグ化
    しうる温度で燃焼する燃焼器と、この燃焼により生じた
    燃焼排ガスを外気へ排出するための排出口に導く煙道と
    を備えている廃棄物処理装置において、 前記煙道中を流通する前記燃焼排ガスと前記廃棄物とを
    間接的に熱交換し、この廃棄物を、略200℃以下であ
    って脱水しうる温度に加熱して乾燥する乾燥器と、この
    乾燥により生じた水蒸気を前記乾燥器外に排出する水蒸
    気排出手段と、前記乾燥後の廃棄物を前記熱分解反応器
    に搬送し、前記熱分解を行なわしめる搬送手段とを備え
    ていることを特徴とする廃棄物処理装置。
  2. 【請求項2】 廃棄物を加熱して熱分解し、低温乾留ガ
    スと主として不揮発性成分から成る熱分解残留物とに分
    離する熱分解反応器と、前記熱分解残留物から分別した
    チャーと前記低温乾留ガスとを燃焼残渣が溶融スラグ化
    しうる温度で燃焼する燃焼器と、この燃焼により生じた
    燃焼排ガスを外気へ排出するための排出口に導く煙道と
    を備えている廃棄物処理装置において、 前記煙道中を流通する前記燃焼排ガスを前記廃棄物に直
    接接触させ、この廃棄物を、略200℃以下であって脱
    水しうる温度に加熱して乾燥する乾燥器と、この乾燥に
    よって前記廃棄物より脱離した水蒸気を含んでいる前記
    の燃焼排ガスを、前記乾燥器外に排出する燃焼排ガス排
    出手段と、前記乾燥後の廃棄物を前記熱分解反応器に搬
    送し、前記熱分解を行なわしめる搬送手段とを備えてい
    ることを特徴とする廃棄物処理装置。
  3. 【請求項3】 廃棄物を加熱して熱分解し、低温乾留ガ
    スと主として不揮発性成分から成る熱分解残留物とに分
    離する熱分解反応器と、前記熱分解残留物から分別した
    チャーと前記低温乾留ガスとを燃焼残渣が溶融スラグ化
    しうる温度で燃焼する燃焼器と、この燃焼により生じた
    燃焼排ガスを外気へ排出するための排出口に導く煙道と
    を備えている廃棄物処理装置において、 前記廃棄物と前記煙道中を流通する前記燃焼排ガスとの
    間接的な熱交換と前記廃棄物への前記煙道中を流通する
    前記燃焼排ガスの直接導入とが同時に行なわれ、前記廃
    棄物を、略200℃以下であって脱水しうる温度に加熱
    して乾燥する乾燥器と、この乾燥により廃棄物から生じ
    た水蒸気と前記の直接導入後の燃焼排ガスとを前記乾燥
    器外に排出する水蒸気・燃焼排ガス排出手段と、前記乾
    燥後の廃棄物を前記熱分解反応器に搬送し、前記熱分解
    を行なわしめる搬送手段とを備えていることを特徴とす
    る廃棄物処理装置。
  4. 【請求項4】 前記水蒸気排出手段、前記燃焼排ガス排
    出手段又は前記水蒸気・燃焼排ガス排出手段により排出
    された水蒸気及び、又は前記燃焼排ガスを、前記燃焼器
    からの燃焼排ガス出口側の前記煙道、ないしは前記煙道
    の途中に設けた容器内に導くガス排出路を備えているこ
    とを特徴とする請求項1項乃至3項の何れかに記載の廃
    棄物処理装置。
  5. 【請求項5】 前記ガス排出路で導かれる燃焼排ガス及
    び、又は水蒸気の一部を適宜前記燃焼器内に導入してこ
    の燃焼器の過剰高温を抑制する温度調節手段を備えてい
    ることを特徴とする請求項4項記載の廃棄物処理装置。
  6. 【請求項6】 廃棄物を熱分解反応器に導入して加熱し
    て熱分解し、低温乾留ガスと主として不揮発性成分から
    成る熱分解残留物とに分離する工程と、前記熱分解残留
    物から分別したチャーと前記低温乾留ガスとを燃焼残渣
    が溶融スラグ化しうる温度で燃焼する工程と、この燃焼
    により生じた燃焼排ガスを外気へ排出する排出口に煙道
    で導く工程とを含んでいる廃棄物処理方法において、 前記排出口へと導かれる前記燃焼排ガスと前記廃棄物と
    を間接的に熱交換し、この廃棄物を、略200℃以下で
    あって脱水しうる温度に加熱して乾燥する工程と、この
    乾燥により生じた水蒸気を前記廃棄物から分離する工程
    と、前記乾燥後の廃棄物を前記熱分解反応器に搬送する
    工程とを、前記の熱分解工程の前処理工程として含んで
    いることを特徴とする廃棄物処理方法。
  7. 【請求項7】 廃棄物を熱分解反応器に導入して加熱し
    て熱分解し、低温乾留ガスと主として不揮発性成分から
    成る熱分解残留物とに分離する工程と、前記熱分解残留
    物から分別したチャーと前記低温乾留ガスとを燃焼残渣
    が溶融スラグ化しうる温度で燃焼する工程と、この燃焼
    により生じた燃焼排ガスを外気へ排出する排出口に煙道
    で導く工程とを含んでいる廃棄物処理方法において、 前記排出口へと導かれる前記燃焼排ガスを前記廃棄物に
    直接接触させ、この廃棄物を、略200℃以下であって
    脱水しうる温度に加熱して乾燥する工程と、この乾燥に
    より前記廃棄物より生じた水蒸気と前記廃棄物に直接導
    入後の燃焼排ガスとを前記廃棄物から分離する工程と、
    前記乾燥後の廃棄物を前記熱分解反応器に搬送する工程
    とを、前記の熱分解工程の前処理工程として含んでいる
    ことを特徴とする廃棄物処理方法。
  8. 【請求項8】 廃棄物を熱分解反応器に導入して加熱し
    て熱分解し、低温乾留ガスと主として不揮発性成分から
    成る熱分解残留物とに分離する工程と、前記熱分解残留
    物から分別したチャーと前記低温乾留ガスとを燃焼残渣
    が溶融スラグ化しうる温度で燃焼する工程と、この燃焼
    により生じた燃焼排ガスを外気へ排出する排出口に煙道
    で導く工程とを含んでいる廃棄物処理方法において、 前記廃棄物と前記煙道中を流通する前記燃焼排ガスとの
    間接的な熱交換と前記廃棄物への前記煙道中を流通する
    前記燃焼排ガスの直接接触とを同時に行ない、前記廃棄
    物を、略200℃以下であって脱水しうる温度に加熱し
    て乾燥する工程と、この乾燥により前記廃棄物から生じ
    た水蒸気と前記廃棄物に直接導入後の前記燃焼排ガスと
    を前記廃棄物から分離する工程と、前記乾燥後の廃棄物
    を前記熱分解反応器に搬送する工程とを、前記の熱分解
    工程の前処理工程として含んでいることを特徴とする廃
    棄物処理方法。
  9. 【請求項9】 前記の分離された水蒸気及び、又は燃焼
    排ガスを前記燃焼器からの燃焼排ガス出口側の前記煙
    道、ないしはこの煙道の途中に設けた容器内に導き、前
    記の分離された水蒸気及び、又は燃焼排ガスを加熱脱臭
    する工程を含んでいることを特徴とする請求項6項乃至
    8項の何れかに記載の廃棄物処理方法。
  10. 【請求項10】 前記のチャーと低温乾留ガスとの燃焼
    工程において、この燃焼雰囲気に前記の分離された水蒸
    気と燃焼排ガスとの一部を適宜導入して行ない、前記の
    チャーと低温乾留ガスとの燃焼における過剰高温を抑制
    することを特徴とする請求項9項記載の廃棄物処理方
    法。
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