JP5048573B2 - 汚泥の処理方法及び処理システム - Google Patents
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Description
また、特許文献2(特開2006−207960号公報)には、乾燥機で発生した水蒸気を脱臭装置で脱臭した後、流動媒体の循環経路を経由することなく排気するようにし、脱臭後の乾燥排ガスを、循環流動層炉から延設される排ガスダクトに導入する構成が開示されている。
さらに、ライザ上部は流動媒体が循環しているため、水蒸気濃度の高い乾燥排ガスを導入すると結露してしまい、乾燥排ガス供給ノズルに流動媒体が付着して閉塞してしまう惧れがある。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、乾燥排ガスを既存の設備内に導入することにより燃焼脱臭を行うことが可能で、且つ該乾燥排ガスを既存設備の導入部位に対して容易に導入することができる汚泥の処理方法及び処理システムを提供することを目的とする。
汚泥ピットに貯留された汚泥を乾燥機に供給し、該乾燥機で乾燥処理した後、乾燥汚泥の少なくとも一部を循環流動層炉のライザに投入し、該ライザに導入される燃焼空気により前記乾燥汚泥を流動媒体と混合撹拌しながら燃焼処理し、流動媒体が同伴された燃焼排ガスをライザ上部から排出し、該燃焼排ガスからサイクロンにより分離した流動媒体を前記ライザに還流させるようにした汚泥の処理方法において、
前記乾燥機から排出される乾燥排ガスを、前記汚泥ピットで発生した排水を貯留する排水槽に直接導入し、該排水槽内の乾燥排ガスを含む臭気ガスを、前記燃焼空気として前記ライザ内に導入して燃焼脱臭することを特徴とする。
尚、燃焼空気とは、ライザ下部より導入される一次空気、流動層上部より導入される二次空気を含む。
前記循環流動層炉は、ブロワによって燃焼空気がライザ内に導入され、該燃焼空気により乾燥汚泥が流動媒体と混合撹拌しながら燃焼し、ライザ上部より排出された燃焼排ガスから流動媒体を分離して前記ライザに還流させる構成を備えた汚泥の処理システムにおいて、
さらに、前記汚泥ピットで発生した排水を貯留する排水槽を備え、
前記乾燥排ガス出口が前記排水槽に接続され、前記押込ファンは乾燥排ガスを該排水槽に導入するように構成され、該排水槽内の乾燥排ガスを含む臭気ガスを、前記燃焼空気として前記ブロワによりライザ内に導入するようにしたことを特徴とする。
即ち、乾燥機からの乾燥排ガスを前記汚泥ピットで発生した排水を貯留する排水槽に直接導入し、さらに排水槽内の乾燥排ガスを含む臭気ガスを燃焼空気としてライザ内に導入することにより、乾燥排ガスは、排水槽内の臭気ガスとともに循環流動層炉内にて燃焼脱臭することが可能となる。
また、汚泥ピットのうち排水が貯留される排水槽に乾燥排ガスを導入することにより、乾燥排ガスのドレン水をそのまま排水することが可能となる。排水槽内には流動媒体が存在しないため、乾燥排ガス導入ノズルが閉塞しにくい。
本実施形態の処理対象となる汚泥は、下水処理場、し尿処理場、廃水処理設備等から排出された汚泥、若しくはこれらを脱水した脱水汚泥である。
同図に示されるように本システムは、汚泥を貯留する汚泥ピット11と、該汚泥ピット11から汚泥が供給され、乾燥処理を行う乾燥機13と、該乾燥機13からの乾燥汚泥を燃焼処理する循環流動層炉1と、該循環流動層炉1から排出される燃焼排ガスに対して、廃熱回収、煤塵除去、酸性ガス除去等の排ガス処理を施す排ガス処理設備16と、循環流動層炉1の燃焼排ガス出口3aから延設される排ガスダクトを負圧に維持し、燃焼排ガス出口3aから煙突18まで排ガスを送給するための誘引ファン17と、煙突18とを備えている。尚、乾燥機13の前に、必要に応じて、汚泥に脱水処理等の前処理を施す前処理装置を設けてもよい。また、循環流動層炉1に投入される汚泥は、少なくとも前記乾燥汚泥を含むものとするが、乾燥機13を通さない汚泥又は脱水汚泥も同時に炉内に投入してもよい。
ライザ2の底部には一次空気導入口22が設けられ、該一次空気導入口22から導入される一次空気により流動媒体を流動化し、流動層2aを形成している。該流動層2a上方のライザ炉壁には、二次空気導入口23が設けられ、ここから導入される二次空気によりフリーボード2bの空塔速度が維持されるとともに、燃焼排ガス中の未燃分が燃焼される。
また、汚泥ピット11から炉内に導かれる臭気ガスラインと、大気から炉に導かれる大気ラインとを切り替える切替手段33、34を備えていることが好ましい。この切替手段33、34は、流動層温度に基づいて切替制御される。例えば、流動層温度が800℃未満のときは、切替手段33、34を大気側に切り替えて大気を一次空気導入口22又は二次空気導入口23に導入し、流動層温度が800℃以上のときは、切替手段33、34を臭気ガス側に切り替えて、汚泥ピット11からの臭気ガスを一次空気導入口22又は二次空気導入口23に導入する。
汚泥ピット11内は負圧に維持されており、そのため押込ファン14により乾燥排ガスを容易に押し込むことができる。また、凝縮した乾燥排ガス中の水分は、汚泥ピット11内若しくは該汚泥ピット11に設けられた排水槽12(図2参照)に排出され、乾燥排ガスは、汚泥ピット11内の臭気ガスとともに一次ブロワ24又は二次ブロワ25により循環流動層炉1内に引き込まれることから、炉内で燃焼脱臭されることとなる。
尚、乾燥機13から汚泥ピット11に接続される乾燥排ガスライン上に、スクラバ(不図示)を設けてもよい。この場合、乾燥排ガスはスクラバを通過させて水分、煤塵、アンモニア等を除去した後、残留したアンモニア等の臭気成分が含まれる乾燥排ガスを、汚泥ピット11を介して循環流動層炉1に導入し、燃焼脱臭する。
また排水槽12内の圧力はほぼ大気圧又は微負圧であるため、乾燥排ガスを容易に押し込むことができる。また排水槽12内には流動媒体が存在しないため、乾燥排ガス導入ノズルが閉塞しにくい。さらに、排水槽12内の空気は、燃焼空気として汚泥ピット11と同様に一次ブロワ24又は二次ブロワ25により循環流動層炉1内に導入されるため、乾燥排ガスは燃焼脱臭される。
図3に示すように本実施形態では、乾燥機13から排出された乾燥排ガスを、押込ファン14により循環流動層炉1のダウンカマ4に導入する構成としている。ダウンカマ4は、サイクロン3からシールポット5を接続する垂直ダクトであり、乾燥排ガス導入ノズルは、このダウンカマ4の何れの位置に設けてもよい。
一方、ダウンカマ4の温度はライザ2とほぼ同じ温度(800℃以上)であり、シールポット5からの上昇流により乾燥排ガスはゆっくりと排出されるため滞留時間も長くなる。従って、乾燥排ガスを十分に燃焼脱臭可能である。
これは、サイクロン3の燃焼排ガス出口3aの圧力はライザ2よりも低く、負圧に設定することもできるため、乾燥排ガスを容易に押し込むことができる。また、流動媒体の大部分はサイクロン3で分離されているため、乾燥排ガス導入ノズルは閉塞しにくい。一方、燃焼排ガス出口3aの温度はライザ2とほぼ同じであるため、乾燥排ガスを十分に燃焼脱臭可能である。
2 ライザ
3 サイクロン
3a 燃焼排ガス出口
4 ダウンカマ
5 シールポット
11 汚泥ピット
12 排水槽
13 乾燥機
14 押込ファン
16 排ガス処理設備
17 誘引ファン
22 一次空気導入口
23 二次空気導入口
24 一次ブロワ
25 二次ブロワ
Claims (3)
- 汚泥ピットに貯留された汚泥を乾燥機に供給し、該乾燥機で乾燥処理した後、乾燥汚泥の少なくとも一部を循環流動層炉のライザに投入し、該ライザに導入される燃焼空気により前記乾燥汚泥を流動媒体と混合撹拌しながら燃焼処理し、流動媒体が同伴された燃焼排ガスをライザ上部から排出し、該燃焼排ガスからサイクロンにより分離した流動媒体を前記ライザに還流させるようにした汚泥の処理方法において、
前記乾燥機から排出される乾燥排ガスを、前記汚泥ピットで発生した排水を貯留する排水槽に直接導入し、該排水槽内の乾燥排ガスを含む臭気ガスを、前記燃焼空気として前記ライザ内に導入して燃焼脱臭することを特徴とする汚泥の処理方法。 - 密閉状で且つ負圧に維持された汚泥ピットと、該汚泥ピットから供給された汚泥を乾燥処理する乾燥機と、該乾燥機からの乾燥汚泥の少なくとも一部を燃焼処理する循環流動層炉とを備え、
前記循環流動層炉は、ブロワによって燃焼空気がライザ内に導入され、該燃焼空気により乾燥汚泥が流動媒体と混合撹拌しながら燃焼し、ライザ上部より排出された燃焼排ガスから流動媒体を分離して前記ライザに還流させる構成を備えた汚泥の処理システムにおいて、
前記汚泥ピットで発生した排水を貯留する排水槽を備え、
前記乾燥排ガス出口が前記排水槽に接続され、前記押込ファンは乾燥排ガスを直接該排水槽に導入するように構成され、該排水槽内の乾燥排ガスを含む臭気ガスを、前記燃焼空気として前記ブロワによりライザ内に導入するようにしたことを特徴とする汚泥の処理システム。 - 前記乾燥機の後段にスクラバが設けられたことを特徴とする請求項2に記載の汚泥の処理システム。
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