JPH0849190A - 製紙用染料定着剤 - Google Patents

製紙用染料定着剤

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JPH0849190A
JPH0849190A JP20029194A JP20029194A JPH0849190A JP H0849190 A JPH0849190 A JP H0849190A JP 20029194 A JP20029194 A JP 20029194A JP 20029194 A JP20029194 A JP 20029194A JP H0849190 A JPH0849190 A JP H0849190A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製紙原料スラリー中に添加することにより、
耐水性および耐光性の優れた染色紙を製造することが可
能である製紙用染料定着剤を提供する。 【構成】 アミジン構造を有する繰り返し単位およびそ
の他の特定の繰り返し単位を特定割合で含むカチオン性
高分子であって、1規定の食塩水中0.1g/dlの溶
液として25℃で測定した還元粘度の値が0.1〜10
dl/gであるカチオン性高分子を製紙原料スラリー中
に添加して使用することを特徴とする製紙用染料定着剤
により目的を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は製紙用染料定着剤に関す
るものであり、さらに詳しくはアミジン構造単位を有す
る特定のカチオン性高分子を製紙工程中の原料スラリー
中に添加することにより、耐水性および耐光性の優れた
染色紙を製造することが可能な製紙用染料定着剤に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紙の染色は直接染料、酸性染料、
塩基性染料が使用されている。染色の態様は抄紙工程に
染料を加えて抄紙する方法、抄紙工程後の紙に染料を塗
布あるいはスプレーする方法が一般的に採用されてい
る。これらの染料で染色された着色紙は色相が鮮明であ
るが、耐水堅牢度および耐光堅牢度、あるいはそのいず
れかが低いという問題があった。これらの欠点を改善す
る目的でカチオン性高分子、たとえば4級化されたポリ
エチレンイミン(独特許出願公開第2458443号公
報)、およびそのアルキレンオキシド誘導体(特開昭6
0−71795号公報)、アルキルアミンとエピクロル
ヒドリン反応物(特開昭52−74002号公報)、ポ
リアミンポリアミドのベンジルクロライド変性物(特開
昭57−171797号公報)などを製紙工程中に添加
する方法が提案されている。またポリビニルアミン系ポ
リマーを顔料定着剤として使用している例がある(特開
平1−104898号公報)。しかしこれらの方法によ
って耐水性はある程度改善されるが、ほとんどの場合耐
光性はカチオン性ポリマーの影響で逆に低下するという
問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐水
性はある程度改善されるが、耐光性が低下する従来のカ
チオン性高分子を用いた染色法の欠点を改善し、耐水性
だけでなく耐光性も向上する染料定着法を開発すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明等は鋭意研究をおこなった結果、アミジン構造
を有する特定のカチオン性高分子を製紙工程中、原料ス
ラリー中に添加すると耐水性だけでなく耐光性も優れた
染色紙が製造できることを発見し本発明に到達した。
【0005】本発明の請求項1の発明は、下記(1)お
よび/または(2)で表される繰り返し単位を20〜9
0モル%、下記(3)で表される繰り返し単位を0〜4
0モル%、下記(4)で表される繰り返し単位を0〜7
0モル%、下記(5)で表される繰り返し単位を0〜7
0モル%含有し、1規定の食塩水中0.1g/dlの溶
液として25℃で測定した還元粘度の値が0.1〜10
dl/gであるカチオン性高分子からなる製紙用染料定
着剤であって、製紙原料スラリー中に添加して使用する
ことを特徴とする製紙用染料定着剤である。
【0006】
【化6】
【0007】
【化7】
【0008】
【化8】
【0009】
【化9】
【0010】
【化10】
【0011】(式中R1 ,R2 は水素またはメチル基、
3 は炭素数1から4のアルキル基、X- は陰イオンを
それぞれ表す。)
【0012】本発明の請求項2の発明は、繰り返し単位
(1)および/または(2)が40〜80モル%である
ことを特徴とする請求項1記載の製紙用染料定着剤であ
る。
【0013】本発明の請求項3の発明は、N−ビニルホ
ルムアミドとアクリロニトリルとの共重合体の酸加水分
解物からなることを特徴とする請求項1あるいは請求項
2記載の製紙用染料定着剤である。
【0014】本発明の請求項4の発明は、直接染料と酸
性染料の定着剤として使用することを特徴とする請求項
1ないし請求項3記載の製紙用染料定着剤である。
【0015】上記の(1)と(2)で表されるアミジン
単位は、5員環から成るアミジン構造を有しており、核
磁気共鳴分光法(NMR)や赤外分光法(IR)等の分
析において通常、等価で観測されるものであり(1)と
(2)の総量として定量される。しかしながら下記の概
念図に示すように、後述する重合体のアミジン化反応に
おける生成高分子の繰り返し単位を考えた場合、(1)
と(2)で表される2種類の繰り返し単位を考慮しなけ
ればならない。なお下記概念図においてCN基とNH2
基はアミジン化反応に関与しなかったシアノ基単位およ
びアミノ基単位を示している。
【0016】
【化11】
【0017】上記のアミジン構造を有するカチオン性高
分子の製造方法は特に限定されるものではないが、一般
的には1級アミノ基または変換反応により1級アミノ基
が生成しうる置換アミノ基を有するエチレン性不飽和モ
ノマーとアクリロニトリルまたはメタアクリロニトリル
などニトリル類との共重合体を製造し、さらに該共重合
体中のシアノ基と1級アミノ基を反応させてアミジン化
することにより得ることができる。
【0018】上記のエチレン性不飽和モノマーとして
は、一般式
【化12】CH2 =CR2 −NHCOR3 (式中、R2 は水素原子またはメチル基を、R3 は炭素
数1から4のアルキル基または水素原子を表す。)で表
される化合物が好ましい。
【0019】共重合体中において、かかる化合物に由来
する置換アミノ基は、加水分解あるいは加アルコール分
解により容易に1級アミノ基に変換される。更にこの1
級アミノ基は、隣接したシアノ基と反応してアミジン化
する。該化合物としては、N−ビニルホルムアミド(R
2 =H,R3 =H),N−ビニルアセトアミド(R2
H,R3 =CH3 )等が例示される。
【0020】これらのエチレン性不飽和モノマーとニト
リル類との共重合モル比は通常20:80から80:2
0であるが、もし所望ならばこの範囲外の重合モル比、
たとえば更にエチレン性不飽和モノマーの比率の大きい
重合モルを採用することもできる。染料定着剤としての
応用を考えた場合、カチオン性高分子中に占めるアミジ
ン単位の比率が大きいほうが性能が高い。またアミン単
位も染料定着剤としての性能に寄与していると考えられ
る。従って定着剤として好適な共重合体を与えるエチレ
ン性不飽和モノマーとニトリル類との共重合モル比は一
般に20:80から80:20、特に40:60から6
0:40である。
【0021】エチレン性不飽和モノマーとニトリル類と
の共重合の方法としては、通常のラジカル重合法が用い
られ、塊状重合、水溶液沈殿重合、懸濁重合、乳化重合
等の何れも用いることができる。溶媒中で重合させる場
合、原料モノマー濃度が通常5から80重量%、好まし
くは20から60重量%で実施される。重合開始剤には
一般的なラジカル重合開始剤を用いることができるが、
アゾ化合物が好ましく、2,2′−アゾビス−2−アミ
ジノプロパンの塩酸塩等が例示される。また重合反応は
一般に不活性ガス気流下、30から100℃の温度で実
施される。得られた共重合体はそのままの状態あるいは
希釈して、即ち、溶液状、あるいは懸濁状でアミジン化
反応に供することができる。また公知の方法で脱溶媒、
乾燥し、共重合体を固体として分離した後、固体状でア
ミジン化反応に供することもできる。
【0022】アミジン化反応は、エチレン性不飽和モノ
マーとして前記一般式で示されるN−ビニルアミド化合
物を用いた場合には、共重合体の置換アミノ基を一級ア
ミノ基に変換し、次いで生成した一級アミノ基と隣接す
るシアノ基と反応させてアミジン構造を生成させるとい
う二段階反応により本発明に係わるカチオン性高分子を
製造することができる。そして好ましくは、該共重合体
を強酸または強塩基の存在下、水またはアルコール溶液
中で加温して、一段階でアミジン構造を生成させる。こ
の場合においても、まず一級アミノ基が中間構造として
生成していると考えられる。
【0023】該反応の具体的条件としては、例えば共重
合体に対してその置換アミノ基に対して通常0.9〜
5.0倍、好ましくは1.0〜3.0倍当量の強酸、好
ましくは塩酸を加え、通常80〜150℃、好ましくは
90〜120℃の温度で、通常0.5〜50時間加熱す
ることによりアミジン単位を有するカチオン性高分子と
することができる。一般に置換アミノ基に対する強酸の
当量比が大きいほど、かつ、反応温度が高いほどアミジ
ン化が進行する。またアミジン化に際しては、反応に供
する共重合体に対し、通常10重量%以上、好ましくは
20重量%の水を反応系内に存在させる。
【0024】本発明に係るカチオン性高分子から成る染
料定着剤は、最も典型的には上記で説明したところに従
い、N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルとを共
重合させ、生成した共重合体を通常、水懸濁液として塩
酸の存在下に加熱して置換アミノ基と隣接するシアノ基
からアミジン単位を形成させることにより製造される。
そして共重合に供するN−ビニルホルムアミドとアクリ
ロニトリルとのモル比、及び共重合体のアミジン化条件
を選択することにより、各種の組成のカチオン性高分子
から成る染料定着剤を製造することができる。
【0025】本発明に係るカチオン性高分子から成る染
料定着剤の代表的なものの一つは、前記(1)および/
または(2)で表される繰り返し単位を20〜90モル
%、前記(3)で表される繰り返し単位を0〜20モル
%、前記(4)で表される繰り返し単位を0〜70モル
%および前記(5)で表される繰り返し単位を0〜70
モル含有しており、かつ0.1〜10dl/gの還元粘
度を有している。なお、本発明において、還元粘度は1
規定の食塩水中、0.1dl/gの溶液として25℃で
測定するものとする。上述の染料定着剤において、定着
剤の性能に大きく寄与するのはアミジン単位であると考
えられる。
【0026】アミジン単位の比率が大きいほど、染料定
着剤としての性能は一般的に向上する傾向にある。しか
し上述の共重合体を塩酸水溶液中で加熱する方法等では
アミジン単位が90モル%を越える比率のものを製造す
ることは困難である。従って定着剤に占めるアミジン単
位の比率は、通常30から85モル%であるのが好まし
い。
【0027】繰り返し単位(3)はアクリロニトリルに
比して高価なN−ビニル化合物に由来するが、その存在
は定着剤としての性能に有利に貢献していないようであ
る。また、繰り返し単位(3)が多くなると、染料定着
効果や耐水堅牢度が低下する場合がある。しかしなが
ら、アミジン単位の比率が50モル%以上の場合には、
繰り返し単位(3)が多量に存在していても性能の優れ
た染料定着剤となる。生成するカチオン性高分子は、一
般にはそのままでは安定性が悪いので、強酸を添加して
繰り返し単位(1)、(2)および(5)のカチオン性
単位を完全に中和しておくことが好ましい。繰り返し単
位(4)の染料定着剤としての性能におよぼす影響は明
らかではないが、耐水堅牢度の向上に多少とも良い影響
を与えていることが推定され、少なくとも悪影響はない
と考えられる。
【0028】本発明に係る染料定着剤において、繰り返
し単位(4)とアミジン単位とのモル比〔(1)+
(2)/(4)〕は一般に0.5〜10.0の範囲にあ
るべきである。なぜならばアミジン単位の多いほうが一
般的に染料定着機能は優れていると考えられるからであ
る。繰り返し単位(5)はカチオン性であり、アミジン
単位と同じく染料定着に有効に作用していると考えられ
る。繰り返し単位(5)は定着剤中に0から70モル
%、好ましくは5〜60モル%存在する。繰り返し単位
(1)、(2)および(5)はいずれも繰り返し単位
(3)から誘導されるものである。従って一般的に言っ
てできるだけ多くの繰り返し単位(3)が、繰り返し単
位(1)、(2)または(5)に変換されているのが好
ましい。
【0029】染料定着剤に占める繰り返し単位(1)、
(2)および(5)の合計は一般に40モル%以上、好
ましくは60から95モル%である。これは定着剤を構
成する各繰り返し単位のうち、染料定着に有利に貢献す
ると考えられる繰り返し単位が大部分をしめることを意
味する。
【0030】なお本発明に係る染料定着剤において繰り
返し単位(5)とアミジン単位とのモル比〔(1)+
(2)/(5)〕は、一般に0.5〜10.0の範囲に
ある。繰り返し単位(5)よりもアミジン単位のほうが
染料定着により有効に作用すると考えられるので
〔(1)+(2)/(5)〕は2.0から5.0の範囲
にあるほうがより好ましい。
【0031】本発明に係る製紙用染料定着剤には、前述
の繰り返し単位の他、さらに他の繰り返し単位が含まれ
ていてもよい。しかし前述の繰り返し単位(1)から
(5)の合計が90モル%以上をしめるべきである。本
発明に係る染料定着剤に含まれる他の繰り返し単位とし
ては下記の(6)から(9)のようなものを挙げること
ができる。
【0032】
【化13】
【0033】
【化14】
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】繰り返し単位(6)は繰り返し単位(4)
の加水分解によって生成し、通常0〜5モル%の範囲に
ある。繰り返し単位(7)も繰り返し単位(4)の加水
分解によって生成するが、通常0〜5モル%の範囲にあ
る。繰り返し単位(8)および繰り返し単位(9)は繰
り返し単位(5)と繰り返し単位(7)によって生成
し、通常0〜5モル%生成する。
【0037】本発明に係るカチオン性高分子からなる染
料定着剤の還元粘度は、前述の如く通常0.1〜10d
l/g、好ましくは、0.5から7.0dl/gの範囲
にある。粘度があまり高すぎると染料定着機能が低下す
るとともに、また取扱性も悪くなる。一方、粘度が低す
ぎると定着機能、特に耐水堅牢度の低下を招くので好ま
しくなく、実用的価値もなくなる。
【0038】本発明に係るカチオン性高分子の添加量と
しては、通常紙重量当たり、0.001重量%〜10重
量%であり、好ましくは0.01重量%〜5重量%であ
る。たとえば紙料のスラリー中に添加する場合、カチオ
ン性高分子の0.1重量%〜20重量%の水溶液を調製
し、対紙料固形分当たり0.001重量%〜5重量%、
好ましくは0.01重量%〜1重量%を添加する。
【0039】本発明に係るカチオン性高分子を紙料スラ
リー中に添加する場合、他の製紙用薬剤、例えば填料、
顔料、染料、紙力増強剤、サイズ剤、硫酸バンド、歩留
向上剤、濾水性向上剤、界面活性剤、消泡剤、製紙用粘
剤等との併用が可能である。この場合の添加時期は種々
の場合が可能であるが、染料の添加の直前あるいは直後
に本発明に係るカチオン性高分子を添加するのが、最も
効果的であろう。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨をこえない限り以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例において
「%」は特に断らないかぎり、「重量%」を意味する。
【0041】(カチオン性高分子の製造例)攪拌機、窒
素導入管、コンデンサーを備えた反応装置に表1に示す
ような組成で単量体20g、脱塩水133.1gを仕込
んだ。窒素ガス気流中下、60℃に昇温後30分間保持
した後、2、2’アゾビスアミジノプロパン2塩酸塩の
10%水溶液0.19gを添加し、攪拌下60℃に4時
間保持し、水中に重合体が析出した懸濁物を得た。なお
重合度調節のため連鎖移動剤として2−メルカプトエタ
ノールをNO.1とNO.2は対単量体0.8%、N
O.3とNO.4およびNO.7とNO.8は0.2
%、NO.5とNO.6は0.05%、それぞれ重合時
添加した。NO.7およびNO.8はN−ビニルホルム
アミド単独重合体である。重合後、該懸濁物に重合体中
のホルミル基に対して表1のような当量の塩酸を添加し
て攪拌しつつ、90℃に4時間保持し重合体をアミジン
化した。得られた重合体の溶液をアセトン中に添加し、
析出せしめこれを乾燥して固体状重合体NO.1からN
O.8を得た。該重合体NO.1からNO.8につき以
下に示す方法により組成と還元粘度を測定した。結果を
表1に示す。
【0042】(組成の分析法)アミジン化前の各種合体
の組成は、13C−NMRスペクトル(13C−核磁気共鳴
スペクトル)の各モノマー単位に対応した吸収スペクト
ルの積分値より算出した。アミジン化後の重合体NO.
1からNO.8の組成は13C−NMRスペクトルの各繰
り返し単位に対応した吸収ピークの積分値より算出し
た。なお繰り返し単位(1)と(2)は区別することな
く、その総量としてもとめた。繰り返し単位(8)と
(9)も区別することなくその総量としてもとめた。ま
た繰り返し単位(1)と(2)、(7)および(8)と
(9)の吸収ピークは170ppmから185ppm付
近に近接した位置に認めらたため、以下のような方法に
より各吸収ピークに対応する構造を帰属した。即ち重合
体の元素分析、水分量の測定により重量収支を確認し、
さらに重合体の13C−NMRスペクトルの他にIRスペ
クトルも測定し、重合体のスペクトルとアミジン基、ア
ミド基及びラクタム基等を既知化合物でのスペクトルと
を詳細に比較検討する方法を採用したものである。
【0043】(還元粘度の測定)重合体NO.1からN
O.8につき、1規定の食塩水中0.1g/dlの溶液
として25℃でオストワルトの粘度計を用いて測定し
た。
【0044】
【表1】
【0045】(実施例1〜6) (1)染料の定着率の試験 カナデイアンスタンダードフリーネス(CSF)400
mlに叩解した広葉樹クラフトパルプ(LBKP)の
0.3%分散液を調製した。この分散液1リットルを採
取し、500rpmで攪拌しながらアニオン性紙力増強
剤、対パルプ(以下同様)0.2%、エマルジョン型ロ
ジンサイズ剤、0.2%、液体硫酸バンド3%、染料定
着剤として本発明のカチオン性高分子を0.03%(又
は0.06%)、直接染料としてdirect red
75(C.I.25380)、[又はdirect
blue 71(C.I.34140)、direct
yellow27(C.I.13950)]0.1
%、各々15秒の間隔で添加した後、歩留向上剤として
高分子量ポリアクリルアミド系重合体を0.01%添加
10秒攪拌した後、ダイナミック歩留試験機(ワイヤー
60メッシュ)を用いて濾過し初期濾水100mlを採
取した。その後NO.5Cの濾紙で濾過し検液とする。
添加した各染料の定着率はパルプの存在しない清水中
へ、タルク、アニオン性抄紙力増強剤、エマルジョン型
ロジンサイズ、液体硫酸バンド歩留剤を同一攪拌条件お
よび間隔で添加しダイナミック歩留試験機で濾過した
後、NO.5C濾紙で濾過した試験液をコントロールと
し、吸光度計により赤色染料500nm、黄色染料44
0nm、青色染料600nmの各波長で吸光度を測定す
ることにより算出した。 (2)染色した紙の耐光性試験 上記の(1)と同様のパルプ、各薬剤の添加量、攪拌強
度によりタッピスタンダードシートマシーンにより坪量
70g/m2 の紙を抄紙しプレス3.5kg/m2 、5
分の後100℃、2分で乾燥した。これらの紙をフェー
ドメーターにより60℃、24時間照射し照射前後の色
濃度をデンシドメーターで測定し残色の度合を照射前に
対して百分率で表示する。これらの結果を表2に示す。
【0046】(比較例1〜5)N−ビニルホルムアミド
単独重合体であるNO.7およびNO.8の重合体(比
較例1と比較例2)、ポリエチレンイミン(KT−87
1C、日本触媒製)(重合体NO.9)(比較例3)、
ポリアリルアミン(分子量10000)(重合体NO.
10)(比較例4)を使用して実施例1〜6と同様にし
て定着率および耐光性試験を行った。比較例5は定着剤
を添加しないで同様にして定着率および耐光性試験を行
った。これらの結果を表2にまとめて示す。
【0047】
【表2】
【0048】(実施例7〜12)実施例1と同様にして
酸性染料acid red32(C.I.1706
5)、acid blue29(C.I.2046
0)、acid yellow29(C.I.1890
0)について試験した。結果を表3に示す。
【0049】(比較例6〜10)N−ビニルホルムアミ
ド単独重合体であるNO.7およびNO.8の重合体
(比較例6と比較例7)、ポリエチレンイミン(KT−
871C、日本触媒製)(重合体NO.9)(比較例
8)、ポリアリルアミン(分子量10000)(重合体
NO.10)(比較例9)を使用して実施例1〜6と同
様にして定着率および耐光性試験を行った。比較例10
は定着剤を添加しないで同様にして定着率および耐光性
試験を行った。これらの結果を表3にまとめて示す。
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】本発明のアミジン構造を有するカチオン
性高分子からなる製紙用染料定着剤を製紙工程中の原料
スラリー中に添加することにより、耐水性および耐光性
の優れた染色紙を製造することが可能である。染料定着
効果が優れる結果、染料添加量減少によるコストの削
減、排水処理負荷の軽減などが可能となるので製紙工業
への貢献は大きく利用価値が高い。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)および/または(2)で表さ
    れる繰り返し単位を20〜90モル%、下記(3)で表
    される繰り返し単位を0〜40モル%、下記(4)で表
    される繰り返し単位を0〜70モル%、下記(5)で表
    される繰り返し単位を0〜70モル%含有し、1規定の
    食塩水中0.1g/dlの溶液として25℃で測定した
    還元粘度の値が0.1〜10dl/gであるカチオン性
    高分子からなる製紙用染料定着剤であって、製紙原料ス
    ラリー中に添加して使用することを特徴とする製紙用染
    料定着剤。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 (式中R1 ,R2 は水素またはメチル基、R3 は炭素数
    1から4のアルキル基、X- は陰イオンをそれぞれ表
    す。)
  2. 【請求項2】 繰り返し単位(1)および/または
    (2)が40〜80モル%であることを特徴とする請求
    項1記載の製紙用染料定着剤。
  3. 【請求項3】 N−ビニルホルムアミドとアクリロニト
    リルとの共重合体の酸加水分解物からなることを特徴と
    する請求項1あるいは請求項2記載の製紙用染料定着
    剤。
  4. 【請求項4】 直接染料と酸性染料の定着剤として使用
    することを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の製
    紙用染料定着剤。
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JP2009515064A (ja) * 2005-11-11 2009-04-09 チバ ホールディング インコーポレーテッド 紙の表面着色方法

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