JP3525507B2 - 染色排水の脱色剤及びそれを用いた脱色処理方法 - Google Patents
染色排水の脱色剤及びそれを用いた脱色処理方法Info
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Description
それを用いた脱色処理方法に関する。詳しくは、着色し
た染色排水中に溶解している染料を不溶化させ、これら
を水と分離脱色させる染色排水用の脱色剤及びそれを用
いた脱色処理方法に関する。
な問題であるが、特に染色排水は種々の染料が混合して
着色がひどく、そのまま河川に放流すると地域住民に著
しく汚染感を与える。そのため、最近では染色排水に対
する色度の規制値を設定するなどされており、染色排水
の効率的な脱色が強く望まれている。
中の懸濁物、可溶性コロイド物質を凝集分離するという
化学的方法によって処理されてきた。この方法は、無機
性の鉱酸、硫酸バンド、石灰、硫酸第一鉄、硫酸第二
鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、アルミン酸ソーダ、ポリ
塩化アルミニウム等とポリアクリルアミドを併用するこ
とで凝集脱色効果を得るものであるが、これらの薬物
は、元来、懸濁物、コロイド状物質の凝集分離に主に使
用されるものであり、水に溶解している水溶性染料を析
出、不溶化させる効果は充分とはいいがたい。
ものとして、ポリアルキルポリアミン(特開昭51-14676
3)、アリルアミンの重合物(特開昭51-18144)、ポリ
アミンの金属錯体配位物(特開昭49-110146)など使用
する報告がある。しかしながら、かかるカチオン性ポリ
マ−を使用しても染色排水の脱色はなお充分でない。特
に、これらは脱色効果が発揮される染料の種類が限られ
ており、数種の染料が混在する染色排水に使用した場合
の脱色に問題がある。そこで、数種の染料が混在する染
色排水には、混在する染料各々に有効な脱色剤を互いに
併用する方法が考えられるが、この場合は各凝集脱色剤
の性能を逆に低下させる場合がある。
て、N−ビニルアミドポリマーの加水分解あるいはポリ
アクリルアミドのホフマン分解物などとして製造される
ポリビニルアミンが知られている。このポリビニルアミ
ンは特に有機汚泥用の脱水剤、製紙における保留剤、脱
水助剤、凝集剤などの用途に使用できることが知られて
いる(特開昭58-23809、特開昭59-39399、特開昭59-394
00等)。
問題点を解決し、着色した染色排水において優れた脱色
効果のある排水処理用脱色剤及びそれを用いた脱色処理
方法を提供しようとするものである。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリビニルアミン
を着色した染色排水に対して適用したた場合は、他のカ
チオン性ポリマ−での結果からは予期できないほど、染
色排水中の染料の不溶化、脱色に著しい効果が発現する
ことを見いだし本発明に到達した。
色に使用する、排水中に溶解した染料を不溶化させる排
水処理用脱色剤であって、下記式(3)で表されるN−
ビニルアミド化合物の単独重合体、又はN−ビニルアミ
ド化合物と他のビニル系化合物との共重合体の加水分解
物であり、下記式(1)で表される構造単位を10〜9
8モル%含有する水溶性重合体からなる脱色剤及びそれ
を用いた脱色処理方法に関する。
基を表す)
ニルアミン単位に含む水溶性重合体である。この重合体
の脱色剤の組成として特に望ましいものはビニルアミン
単位(1)の他に下記のようなN−ビニルアミド単位
(2)を含有するものであり、例えば、ビニルアミン単
位(1)を10〜98モル%、及び、N−ビニルアミド
単位(2)を2〜90モル%含有するもの、好ましくは
ビニルアミン単位(1)を20〜95モル%、及び、N
−ビニルアミド単位(2)を5〜80モル%含有するも
の、特に好ましくはN−ビニルアミン単位(1)を40
〜90モル%及びN−ビニルアミド単位(2)を10〜
60モル%含有するものである。
〜4のアルキル基を表す。) また、該重合体は1規定の食塩水中0.1g/dlの溶
液として25℃で測定した還元粘度の値が、通常0.0
1〜10g/dl、好ましくは0.1〜5g/dlであ
る。なお、一般式(1)におけるアミノ基は未中和のも
のであってもよいし、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、ギ酸、
酢酸、スルファミン酸、メタスルホン酸等の各種の酸と
の間で塩を形成していてもよい。
方法は特に限定されるものではないが、通常、下記一般
式(3)で表される化合物(以下「N−ビニルアミド」
と総称することがある)を(共)重合し、次いで、加水
分解する方法が採用される。
〜4のアルキル基を表す。) N−ビニルアミドとしてはN−ビニルホルムアミド、N
−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオン酸アミド
等が例示されるが、重合性、取扱い性等の点よりN−ビ
ニルホルムアミドが特に好ましい。
に脱色剤として使用するので、その性質を損なわない程
度の範囲内においてN−ビニルアミドと共重合可能なビ
ニル系化合物を共重合させたものでもよい。共重合成分
の単量体としては(メタ)アクリロニトリル、(メタ)
アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、
(メタ)アクリルエステル類、ビニルエステル類、ビニ
ルエーテル類、ビニルアルコール、アリルエーテル等の
非イオン性単量体、(メタ)アクリル酸、α,β−不飽
和ジカルボン酸、スルホアルキル(メタ)アクリルアミ
ド、スルホアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)ア
リルスルホン酸、及びその塩等のアニオン性単量体、ジ
アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアル
キルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、アリルア
ミン、ジアリルアミン及びその塩または第4級アンモニ
ウム化物等のカチオン性単量体が挙げられるがこれらに
限定されるものではない。
重合、のいずれの方法を用いてもよいが、分子量を容易
に制御できる点からラジカル重合が好ましい。ラジカル
重合の重合開始剤は、通常の一般的な開始剤のいずれも
が使用できるが、重合体を収率良く得るためには、アゾ
化合物が好ましい。特に好ましい開始剤としては2,
2′−アゾビス−4−アミジノプロパンの塩酸塩及び酢
酸塩、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸のナトリ
ウム塩、アゾビス−N,N′−ジメチレンイソブチルア
ミジンの塩酸塩及び硫酸塩が挙げられる。これら重合開
始剤の使用量は単量体に対して、通常0.01〜1重量
%である。
重合、懸濁重合、乳化重合等の方法によって行うことが
できる。重合反応は一般的に不活性ガス気流下、通常3
0〜100℃の温度条件下で行われる。溶液重合として
は、通常、単量体濃度5〜60重量%の水溶液で重合す
る方法、懸濁重合としては、通常、単量体濃度20〜8
0重量%の水溶液を疎水性の溶媒と分散安定剤を用いて
油中水型の分散状態で重合する方法、乳化重合として
は、通常、単量体濃度20〜60重量%の水溶液を疎水
性の溶媒と乳化剤を用いて水中油型または油中水型の乳
化状態で重合する方法が例示される。
ド(共)重合体を、続いて部分加水分解することにより
目的とする重合体を得ることができる。加水分解は、酸
性条件、塩基性条件いずれの条件で行ってもよいが、反
応装置の腐食等の観点から塩基性条件で行うのがより好
ましい。なお、酸性加水分解の場合は加水分解して生成
するビニルアミン単位のアミノ基は塩の形になってお
り、一方、塩基性加水分解の場合はアミノ基が遊離の形
となるが、加水分解後に酸を加えて遊離アミンの一部あ
るいは全部を塩の形に変換してもよい。この場合の酸と
しては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、ギ酸、酢酸、スルフ
ァミン酸、メタスルホン酸等の各種の酸を使用すること
ができる。
は、強酸性のものが好ましく、塩酸、臭素酸、フッ化水
素酸、硫酸、硝酸、燐酸、スルファミン酸、メタンスル
ホン酸、等が挙げられるが、加水分解物の水に対する溶
解性の点で1価の酸が好ましい。塩基性加水分解に使用
される塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム、第4級アンモニウムハイ
ドロオキサイド、アンモニア、低分子一級アミン、二級
アミン等が例示される。
(共)重合体中のアミド基に対して、通常0.1〜5倍
モルの範囲で目的とする変性率に応じて適宜使用され
る。反応温度は50〜110℃の範囲で反応時間は1〜
8時間の範囲で実施される。また、加水分解は水溶液状
態に限らず、種々の状況で実施でき、水とアルコールの
混合溶媒系、水とヘキサン、トルエン等での不均一溶媒
系等でもよい。更に、含水の固体状重合体とガス状の酸
を接触させる方法でもよい。
(1)のビニルアミン単位のモル分率は、N−ビニルア
ミド(共)重合体の加水分解率と実質的に同じ値であっ
て、本発明に適用されるものは10〜100%、好まし
くは10〜98%、特に好ましくは40〜90%の範囲
である。そして、10%未満では脱色効果が著しく低下
するので好ましくない。
起きるゲル化を防止する目的で、任意に塩酸ヒドロキシ
ルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン等のゲル化防止剤を
加えて加水分解を行ってもよい。また、一般に加水分解
にこのゲル化防止剤で処理を行った後、加水分解を行う
ことが特に好ましい。次に、本発明の染色排水処理用の
脱色剤の使用方法について説明する。
したものならばその種類を特に問わず有効であるが、反
応性染料(例えば、サルフェイトエチルスルホンタイ
プ、ジクロロトリアジンタイプ、モノクロロトリアジン
タイプ、モノフロロトリアジンタイプ、ジフロロモノク
ロロピリミジンタイプ、ジクロロピリミジンタイプ、ト
リクロロピリミジンタイプ、ジクロロキノキサリンタイ
プ、サルフェイトエチルスルホンとモノクロロトリアジ
ンの異種2官能型反応基を持つタイプなど)、酸性染料
(例えばレベリングタイプ、ハーフミリングタイプ、ミ
ーリングタイプ、1:1型含金タイプ、1:2型含金タ
イプなど)を含有しているものに特に効果がある。ま
た、複数の種類の染料を含んだ排水にも有効であり、さ
らに、染料以外の無機塩、有機物質等を含有する排水で
もその効果はほとんど損なわれない。
いため、その染色濃度により本発明の脱色剤の染色排水
への添加量を加減する必要があるが、一般的な染色排水
においては染料濃度が10〜100ppm程度であるこ
とが多いので、該染色排水に対しては脱色剤を通常5〜
2000ppm、好ましく10〜500ppmの量を添
加する。脱色剤の添加形態は特に制限はないが、好まし
くは脱色剤の1〜50重量%水溶液として添加する。
〜7の水溶液において最も効果があるので、染色排水の
pHが酸性あるいはアルカリ性に極端に偏っている場合
は、脱色剤添加の前あるいは後にpHを5〜7の範囲に
調整した方が好ましい。また、脱色剤は溶解した染料を
不溶化させることに主眼をおいているため、脱色剤であ
る重合体の分子量によっては生成する沈澱が微細で処理
し難い場合がある。その場合は無機凝集剤あるいはノニ
オン系又はアニオン系有機高分子凝集剤との併用が好ま
しい。無機凝集剤としては硫酸バンド、ポリ塩化アル
ミ、塩化鉄、硫酸鉄などが例示され、有機系高分子凝集
剤としてはポリアクリルアミド系重合体に代表されるノ
ニオン系又はアニオン系高分子凝集剤、例えばポリアク
リルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミ
ドの部分加水分解物などが例示される。
添加量は染色排水に含まれる染料濃度により加減する必
要がある。例えば、脱色剤と有機高分子凝集剤を用いる
系においては、脱色剤を添加して染料の沈澱を形成した
後、有機高分子凝集剤で粗大なフロックを形成する方法
が好ましく、この場合の脱色剤と有機高分子凝集剤の添
加量としては、一般的な染色排水における濃度である染
料濃度10〜100ppmのときに、各々5〜2000
ppm、0.1〜50ppm程度であり、その添加量の
比率は通常1:0.001〜1である。
集剤を用いる系においては、染料排水に無機凝集剤を添
加し、次いで脱色剤を添加し、さらにノニオン系又はア
ニオン系有機高分子凝集剤を添加する方法も好ましく、
この場合の無機凝集剤、脱色剤、有機系高分子凝集剤の
添加量としては、一般的な染色排水における濃度である
染料濃度10〜100ppmのときに、各々50〜50
00ppm、各々5〜2000ppm、0.1〜50p
pm程度であり、その添加量の比率は通常10〜100
0:1:0.001〜1である。
アミン、アリルアミン、あるいはポリアミンの金属錯体
配位物などの公知の脱色剤と併用してもよく、併用によ
る脱色効果の低下は殆ど認められていない。本発明の脱
色剤より生成した染料凝集物を処理する方法としては特
に限定はなく、従来公知の方法である浮上分離や沈降分
離等が適宜使用できる。
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。 (N−ビニルホルムアミド重合体の製造例)撹拌機及び
温度調節器を備えた0.7m3の反応器に脱塩水191
kgを投入し、室温で窒素を流通して脱気した。続いて
70℃に昇温し、2,2’−アゾビス−4−アミジノプ
ロパンの塩酸塩の10%水溶液6kgを加えた。さら
に、N−ビニルホルムアミド69.9kg(純度85.
7%)と脱塩水30.1kgを混合し、1N−NaOH
水溶液でpHを6.5に調整したモノマー溶液を、反応
器内の溶液温度は70℃に保持しながら、2時間かけて
添加した。
ビス−4−アミジノプロパンの塩酸塩の10%水溶液3
kgを追加し、70℃で3時間保持して熟成し、N−ビ
ニルホルムアミド重合体の20%水溶液を得た。得られ
た重合体は1規定食塩水溶液中での還元粘度0.5(d
l/g)であった。
gを撹拌器と温度調節器を備えた反応器に入れ、35重
量%NaOH水溶液3.98kgを加えて80℃で5時
間撹拌した。冷却後25%塩酸水溶液12.12kgを
加えPHを調整した。得られた重合体水溶液をコロイド
滴定及びC13−NMRスペクトル測定により分析したと
ころ、前記の構造単位のビニルアミン単位(1)が57
モル%、N−ビニルホルムアミド単位(2)が43モル
%であった。これを重合体Aの水溶液とした。
撹拌器と温度調節器を備えたセパラブルフラスコに入
れ、そこにゲル化防止剤として硫酸ヒドロキシルアミン
2.06gを加え50℃で1時間撹拌し、続いて35重
量%NaOH水溶液215gを加え、80℃で5時間撹
拌した。冷却後、25%塩酸水溶液98.2gを加えて
液のPH7.5に調整した。得られた重合体水溶液を分
析したところ、ビニルアミン単位(1)が65モル%、
N−ビニルホルムアミド単位(2)が35モル%であっ
た。これを重合体Bの水溶液とした。
液を130gにした以外は重合体Bの製造例と同様に反
応を行い、得られた重合体水溶液を分析したところ、ビ
ニルアミン単位(1)が75モル%、N−ビニルホルム
アミド単位(2)が25モル%であった。これを重合体
Cの水溶液とした。 ・実施例Dの重合体の製造例 35モル%NaOH水溶液を243g、35%、35%
塩酸水溶液を111.3gにした以外は重合体Bの製造
例と同様に反応を行い、得られた重合体水溶液を分析し
たところ、ビニルアミン単位(1)が90モル%、N−
ビニルホルムアミド単位(2)が10モル%であった。
これを重合体Dの水溶液とした。
ウム1000ppmを添加し、次に、前記で製造した重
合体A〜Dを各々100ppm加え、さらに、35モル
%NaOH水溶液にてpHを6.5に調整した後、ポリ
アクリルアミドを2ppm加えて攪拌した。なお、用い
た染料は、C.I.Reactive Red 120又はC.I.Reactive Red
22である。次に、以下に示す和歌山市条令第四十四号
の排出水の色規制条令第八条にある希釈法に基づき、単
一染料染色排水による脱色率の評価試験を行った。試験
結果を表−1に示す。表−1において重合体A,B,
C,Dが、実施例1,2,3,4に対応する。
確認 検水50ミリリットルを共栓付きメスシリンダ−500
ミリリットルにとり、蒸留水を加え全容を500ミリリ
ットルとして10倍希釈検体を作成し、これを透視度計
の30センチメ−トル目盛まで入れて、基準透視度計
(透視度計の30センチメ−トル目盛まで蒸留水を入れ
たものをいう。以下同じ。)と並べて、着色を比較す
る。着色が確認できる場合は、共栓付きメスシリンダ−
の中の10倍希釈検体50ミリリットルを別の共栓付き
メスシリンダ−500ミリリットルにとり、蒸留水を加
え全容を500ミリリットルとして100倍希釈検体を
作成し、これを透視度計の30センチメ−トル目盛まで
入れて、基準透視度計と並べて、着色を比較する。着色
が確認できる場合は、先と同様にして1,000倍、1
0,000倍─の10倍列希釈検体を着色を区別できな
くなるまで作成し、「区別可能」な最大希釈検体を決定
する。
蛍光灯の光が両方に等しく当たる状態で上部から目視に
より行う。 (3) 2倍列希釈検体の作成 共栓付きメスシリンダ−の中の「区別可能」な最大希釈
検体を用いて、透視度計に1、2、4、8、16倍の2
倍列希釈検体を作成する。 (4)着色度の計算 測定者は5人として、各測定者は、2倍列希釈検体の入
った透視度計について基準透視度計と着色を比較して
「区別可能」と「区別不能」を判定する。測定者ごとの
希釈倍率を常用対数として、次の式によって算出する。
最大希釈倍数をいう。また、「a2」とは、「区別可
能」の判定の最小希釈倍数をいう。)
後、ち最大値と最小値を除き(最大値、最小値が複数個
ある場合は、1個だけを除く)、残りの3者の平均値C
mを算出する。着色度は、次の式によって算出した値と
する。
ウム1000ppmとポリアクリルアミド2ppmのみ
により処理を行った結果を表−1に示す。 比較例2 本発明での脱色剤である重合体の代りにモノアリルアミ
ン塩酸塩の重合体を用いて処理を行った結果を表−1に
示す。
属錯体配位物を用いて処理を行った結果を表−1に示
す。なお、ポリアミンの金属錯体配位物は、特開昭49-1
10146号に記載の方法に準じ、以下の方法で合成した。
すなわち、ジシアンジアミド1モルとジエチレントリア
ミン0.5モルをよく混和し、次に1モル塩酸を加え、
窒素を通じて95℃で1時間反応した後、ホルムアルデ
ヒド2.5モルを加えた。さらに、同じく窒素を通じて
95℃にて5時間反応させて、淡黄色の粘稠性の水溶性
高分子共縮合物を得た。この水溶性高分子共重合体に、
塩酸水溶液を添加してpHを3.0に調整した後、硫酸
銅0.1モルを加えて、40℃にて1時間錯化させ、水
溶性のポリアミンの金属錯体配位物を得た。
1000ppmを添加し,前記で製造した重合体A〜D
を各々100ppm加え、35モル%NaOH水溶液に
てpHを6〜7に調整した後、ポリアクリルアミドを2
ppm加えて攪拌した。用いた染色排水は、C.I.Reacti
ve Red 120とC.I.Reactive Red 221:1の混合排水で
ある。次に、和歌山市条令第四十四号の排出水の色規制
条令第八条にある希釈法に基づき、混合染料染色排水に
よる脱色率の評価試験を行った。試験結果を表−2に示
す。表−2において重合体A,B,C,Dが、実施例
5,6,7,8に対応する。 比較例4〜6 前記の比較例1〜3に対応する条件で処理を行った結果
を表−1に示す。
1000ppmを添加し,前記で製造した重合体A〜D
を各々50ppm、及び、比較例3で用いたポリアミン
の金属錯体配位物を50ppm加え、35モル%NaO
H水溶液にてpHを6〜7に調整した後、ポリアクリル
アミドを2ppm加えて攪拌した。用いた染色排水は、
C.I.Reactive Red 120とC.I.Reactive Red 22が1:1
の混合排水である。次に、和歌山市条令第四十四号の排
出水の色規制条令第八条にある希釈法に基づき、混合染
料染色排水による脱色率の評価試験を行った。試験結果
を表−3に示す。表−2において重合体A、B,C、D
が、実施例9、10、11、12に対応する。 比較例7 本発明での脱色剤である重合体の代りにモノアリルアミ
ン塩酸塩の重合体を、ポリアミンの金属錯体配位物と併
用して処理を行った結果を表−3に示す。
いた脱色処理方法によれば、染料で汚染された染色排水
に対して優れた脱色効果が得られる。
Claims (7)
- 【請求項1】 染色排水の脱色に使用する、排水中に溶
解した染料を不溶化させる排水処理用脱色剤であって、
下記式(3)で表されるN−ビニルアミド化合物の単独
重合体、又はN−ビニルアミド化合物と他のビニル系化
合物との共重合体の加水分解物であり、下記式(1)で
表される構造単位を10〜98モル%含有する水溶性重
合体からなる脱色剤。 (式中、R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル
基を表す。) - 【請求項2】 式(1)で表される構造単位を40〜9
0モル%含有する水溶性重合体からなることを特徴とす
る請求項1記載の脱色剤。 - 【請求項3】 N−ビニルアミド化合物の単独重合体の
加水分解物であって、式(1)で表される構造単位を2
0〜95モル%、下記式(2)で表される単位を80〜
5モル%含有する水溶性重合体からなることを特徴とす
る請求項1記載の脱色剤。 (式中、R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル
基を表す) - 【請求項4】 N−ビニルアミド化合物がN−ビニルホ
ルムアミドであることを特徴とする請求項1ないし3の
いずれかに記載の脱色剤。 - 【請求項5】 1規定の食塩水中0.1g/dlの溶液
として25℃で測定した還元粘度の値が0.1〜5g/
dlである水溶性重合体からなることを特徴とする請求
項1ないし4のいずれかに記載の脱色剤。 - 【請求項6】 染料を溶解した染色排水に請求項1ない
し5のいずれかに記載の脱色剤を添加し、次いでノニオ
ン系又はアニオン系有機高分子凝集剤を添加することを
特徴とする染色排水の脱色処理方法。 - 【請求項7】 染料を溶解した染色排水に無機凝集剤を
添加し、次いで請求項1ないし5のいずれかに記載の脱
色剤を添加し、さらにノニオン系又はアニオン系有機高
分子凝集剤を添加することを特徴とする染色排水の脱色
処理方法。
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1994
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