JPH0849180A - 再生パルプ製造方法 - Google Patents

再生パルプ製造方法

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JPH0849180A
JPH0849180A JP18221894A JP18221894A JPH0849180A JP H0849180 A JPH0849180 A JP H0849180A JP 18221894 A JP18221894 A JP 18221894A JP 18221894 A JP18221894 A JP 18221894A JP H0849180 A JPH0849180 A JP H0849180A
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Masahito Kunugi
正仁 功刀
Masashi Takeda
昌史 竹田
Iichi Watanabe
伊一 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【目的】印刷された古紙から白色度の高い再生パルプを
得る再生パルプ製造方法を提供することを目的とする。 【構成】古紙をパルプ濃度3〜10重量%に離解する工
程で、苛性アルカリのようなアルカリ剤を添加せずに、
次亜塩素酸塩を添加して離解することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、古紙からパルプを得る
再生パルプ製造方法に関し、特に印刷された古紙から白
色度の高いパルプを得る再生パルプ製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】森林資源に関わる地球環境問題の提議な
どで、紙資源の再利用が活発化しているが、一方で紙の
軽量化も進みパルプ重量当たりのインキ量が増加してお
り、印刷されている古紙から白色度の高い再生パルプを
得る方法の改良が求められている。
【0003】従来の再生パルプ製造方法は、一般的には
古紙を離解してパルプ懸濁液を得る離解工程、パルプ懸
濁液中の異物を分離する粗選、精選工程、印刷インキを
分離する脱墨工程、色を白くする漂白工程等を経て再生
パルプ化が行われている。
【0004】例えば、パルパー内で印刷古紙を水酸化ナ
トリウム、ケイ酸ナトリウム、脱墨剤および過酸化水素
とともに加熱処理し、ついでフローテーション洗浄等の
処理を行う方法が採用されているが、処理するパルプ濃
度が低いため漂白効率が悪く、最近では離解工程以降で
濃縮したパルプに次亜塩素酸塩と界面活性剤を加える方
法(特開平3−213592号公報)や、10重量%以
上の高濃度でアルカリの存在下で離解する方法(特開平
4−41789号公報)が提案されている。
【0005】また、離解処理に先立って、アルカリもし
くはアルカリと過酸化物を主体とする薬剤で古紙を浸漬
処理したり(特開昭57−25488号公報)、有機過
酸または無機過酸でPH3〜6として離解処理する方法
(特開昭60−52693号公報)なども提案されてい
る。
【0006】一方、単に離解工程での湿潤強力紙等の難
離解性の紙の離解促進法として、苛性アルカリ溶液や、
次亜塩素酸塩を併用した苛性アルカリ溶液をパルパーで
添加する方法が従来から知られているが、これを改良す
る目的で亜塩素酸塩と次亜塩素酸塩とを併用する方法
(特開昭59−21790号公報)、次亜臭素酸アルカ
リ土類金属塩を用いる方法(特公平4−202875号
公報)などが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの提案は、それ
なりの効果は認められるものの、設備の改造、浸漬状況
の不均一、薬品の臭気残留、操業の繁雑化などがあり、
簡便で効果のある方法が求められている。本発明は、特
に、再生パルプの白色度が向上する簡便な方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、印刷されてい
る古紙から白い再生パルプを得る再生パルプ製造方法に
おいて、古紙をパルプ濃度3〜10重量%に離解する離
解工程で、苛性アルカリのようなアルカリ剤を添加せず
に、次亜塩素酸塩を添加することを特徴とする再生パル
プ製造方法である。
【0009】また、本発明は、上記の離解工程(一般に
は低濃度パルパーが使用されるが、直後に設置され、連
続して使用されるプリファイナーなどの離解機を含めて
もよい)において、パルプ懸濁液のPHが2〜7であ
り、液温が常温〜60℃であり、次亜塩素酸塩の添加量
が有効塩素換算量で古紙100重量部に対し0.1〜
2.0重量部である再生パルプの製造方法である。
【0010】本発明において、再生パルプ製造の対象と
なる古紙は、新聞、週刊誌、雑誌、広告チラシなど、家
庭、会社や駅で集められたものや、製本・印刷工場で発
生する截落および損紙などであり、本発明は脱墨工程、
漂白工程に先立って、古紙の離解工程で次亜塩素酸塩を
作用させることにより、仕上がりの再生パルプの白色度
を向上させるものである。
【0011】次亜塩素酸塩としては、次亜塩素酸のナト
リウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などがあげられ
る。またさらし粉、高度さらし粉などは次亜塩素酸塩と
して使用することができる。添加量は、有効塩素換算量
で古紙100重量部に対し0.1〜2.0重量部が好ま
しく、0.1重量部未満では白色度の向上はほとんど認
められず、2.0重量部以上では、白色度の向上効果は
飽和しており、場合によっては離解設備の腐食などの問
題が起こることも有り得る。
【0012】井戸水、河川水や、製紙原料処理工程、抄
紙工程で発生する循環使用水を古紙の離解水として使用
していれば、一般にパルプ懸濁液のPHは2〜7となる
ため無機あるいは有機酸でPHを下げたり、苛性アルカ
リのようなアルカリ剤でPHを上げたりする必要はない
が、PHが7を越えてアルカリ剤が存在すると、後工程
である脱墨、漂白工程での操業条件に影響を与えるだけ
でなく、仕上がった再生パルプの繊維強度を弱くするこ
とがあるため、避けなければならない。
【0013】離解工程におけるパルプ懸濁液の液温は、
常温(冬季で10℃程度)を下回る場合には、加熱など
の手段により液温を高めたほうが、離解処理の効率向上
を含めて、白色度の向上効果が優れるが、60℃を越え
ると効果は飽和するため、エネルギーのむだになり好ま
しくない。
【0014】
【作用】以上に述べた条件下で、次亜塩素酸塩がどのよ
うに作用し、白色度の向上効果をもたらすのか、推定の
域を出ないが、基本的には次亜塩素酸塩の酸化作用によ
り、インキ中のベヒクルが分解まではいかなくとも、以
降の脱墨剤、漂白剤などの添加時の撹拌混合中の離解作
用で分解、剥離されやすい状態になっているものと思わ
れる。
【0015】特に、本発明のように、比較的次亜塩素酸
塩の添加量が少ない場合には、パルプ懸濁液の濃度が低
いほうが、均一な酸化作用が得られ、液温も低いほうが
急激な部分反応を起こさず、全体に安定した白色度の向
上効果に結び付いているものと思われる。
【0016】本発明での撹拌時間は、用いる古紙の配
合、次亜塩素酸塩の添加量、懸濁液の濃度、温度などに
より適宜決められ、特に限定するものではない。また、
本発明の離解工程の後工程である粗選・精選工程、脱水
濃縮工程、脱墨・漂白薬品添加混合撹拌工程、フローテ
ーター処理工程、洗浄工程などで使用される設備、薬
品、方法などは、いずれも公知のものが採用でき、本発
明により得られる再生パルプを含有する紙を製造する場
合には公知の抄紙方法がそのまま適用し得ることはもち
ろんである。
【0017】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明するため、
実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れないことは勿論である。なお、特に断らない限り実施
例中の「部」、「%」は、それぞれ「重量部」、「重量
%」を示す。
【0018】実施例 1 新聞古紙100%を原料古紙として、低濃度パルパーで
懸濁液濃度5%になるように調整して水を加え、撹拌し
ながら有効塩素量15.1%の次亜塩素酸ソーダ溶液を
原料古紙100部に対し有効塩素量0.11部となるよ
うに添加し、40分間離解した。この時、パルプ懸濁液
のPHは5.4、温度は35℃であった。このパルプ懸
濁液を、プリファイナー、ホール型スクリーン、傾斜エ
キストラクターを経て、スクリュープレスでパルプ濃度
20%になるように脱水した後、ミキサーにて東邦化学
製脱墨剤・ネオスコア6002Aを0.27%(有姿、
対風乾パルプ)、苛性ソーダ1.86%(固形、対風乾
パルプ)、3号ケイ酸ソーダ5.58%(有姿、対風乾
パルプ)、過酸化水素3.63%(有効成分、対風乾パ
ルプ)をこの順に添加、混合し、ソーキングタワーに送
り、熟成後プリファイナーで最終の離解を行い、フロー
テーターにて脱墨処理し、スリット型スクリーンで最終
の異物除去を行った後、シックナーにて濃縮し、抄紙機
の調成工程に送る再生パルプ完成タンクにストックし
た。
【0019】実施例 2〜4 実施例1において、次亜塩素酸ソーダの添加量を有効塩
素量で0.30部としたものを実施例2、1.00部と
したものを実施例3、2.00部としたものを実施例4
とし、その他の処理は実施例1と同様に行った。
【0020】比較例 1〜2 実施例1において、次亜塩素酸ソーダを添加しなかった
ものを比較例1、次亜塩素酸ソーダの添加量を有効塩素
量で2.40部としたものを比較例2とし、その他の処
理は実施例1と同様に行った。
【0021】評価方法 各例の再生パルプ完成タンクにストックされた再生パル
プを採取し、JIS-P-8209の手すき紙調製方法に準じてパ
ルプ白色度測定用のシートを得て、ホトボルト反射率計
(ホトボルト社製・モデル670)を用いて、標準板に
対する相対的白色度を測定比較した。結果を表1に示
す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】結果の表に示したように、本発明による
再生パルプ製造方法を採用すると、白色度が高い優れた
再生パルプが得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印刷されている古紙から白い再生パルプを
    得る再生パルプ製造方法において、古紙をパルプ濃度3
    〜10重量%に離解する離解工程で、苛性アルカリのよ
    うなアルカリ剤を添加せずに、次亜塩素酸塩を添加する
    ことを特徴とする再生パルプ製造方法。
  2. 【請求項2】離解工程におけるパルプ懸濁液のPHが2
    〜7であり、温度が常温〜60℃であり、次亜塩素酸塩
    の添加量が有効塩素換算量で古紙100重量部に対し
    0.1〜2.0重量部である請求項1記載の再生パルプ
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115110341A (zh) * 2022-06-28 2022-09-27 华南理工大学 一种再生纸及其制备方法和应用

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JPH03133688A (ja) * 1989-10-20 1991-06-06 Ricoh Co Ltd 感熱記録材料
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