JPH0848943A - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JPH0848943A
JPH0848943A JP20149694A JP20149694A JPH0848943A JP H0848943 A JPH0848943 A JP H0848943A JP 20149694 A JP20149694 A JP 20149694A JP 20149694 A JP20149694 A JP 20149694A JP H0848943 A JPH0848943 A JP H0848943A
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meth
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acrylate
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adhesive
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Yasushi Isobe
安司 磯部
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (メタ)アクリロイル基を有する単量体、有
機過酸化物、該有機過酸化物とレドックスを形成する還
元剤、中空状珪酸質微粒子および中空状樹脂質微粒子か
らなる接着剤組成物。 【効果】 本発明の接着剤組成物は、被着材への塗布
量が少ない条件下で使用しても充分な接着能を発揮し、
かつボルト等の締結に用いた場合、締結後の取り外し作
業が容易であるため、特にボルト等のプレコート型接着
剤として用いる場合、極めて汎用性が高いものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一液型接着剤に関するも
のであり、特に広範囲の各種材料に対して接着強度が大
きく、特にボルト及びナット或いはボルト及びタップさ
れたプレート板等の締結用被着材に対して、接着剤の使
用量が少ない条件においても接着力を十分に発揮するも
のである。またボルトを弛める場合の脱出トルクを低減
できるので、ボルトの破損を防ぐことができるものであ
る。従って本発明の接着剤は、ネジの弛み止め用接着剤
又は積層板のラミネート用接着剤として好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、急速に硬化する一液型の常温硬化
型接着剤としては、アクリロイル基及び/又はメタクリ
ロイル基を有する単量体(以下「(メタ)アクリレート
単量体」と称する。)を主体とし、これに必要に応じ過
酸化物或いは還元剤等の硬化促進剤を配合してなるアク
リル系嫌気硬化性組成物が用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の嫌気硬化性組成
物は、空気又は酸素と接触した状態では油性を保ち、空
気又は酸素から遮断されると急速に硬化する組成物であ
る。このため、被着材に対する塗布量が少なくなると急
激に接着力が低下し、接着力の調整が困難になるという
欠点を有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(メタ)アク
リレート単量体100重量部、有機過酸化物0.2〜1
0重量部、該有機過酸化物とレドックスを形成する還元
剤(以下単に「還元剤」と称する。)0.1〜5重量
部、中空状珪酸質微粒子0.2〜20重量部及び該中空
状珪酸質微粒子100重量部に対して1〜50重量部の
中空状樹脂質微粒子からなる接着剤組成物である。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0005】((メタ)アクリレート単量体)本発明に
使用される(メタ)アクリレート単量体としては、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、エトキシエチル(メタ)アクリレート、n−ブトキ
シエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メ
タ)アクリレート、スルホエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスファイト、
アセトキシエチル(メタ)アクリレート及びメチルカル
ビノール(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリ
レート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,
3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、多塩基酸
とポリオール及び(メタ)アクリル酸を脱水縮合しポリ
エステル化反応により得られるポリエステルジ(メタ)
アクリレート、エポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)
アクリレート、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール又はトリエチレングリコールとエポキシ化ビスフェ
ノールAからなる縮合体と(メタ)アクリル酸より得ら
れるジ(メタ)アクリレート、ジイソシアネート、グリ
コール及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートよ
り得られるポリウレタンジ(メタ)アクリレート等のジ
(メタ)アクリレート;更にグリセリン、トリメチロー
ルプロパン又はペンタエリスリトール等とアクリル酸及
び/又はメタクリル酸(以下「(メタ)アクリル酸」と
称する。)から得られる(メタ)アクリレート構造を2
個以上含む化合物等が挙げられる。
【0006】これらの(メタ)アクリレート単量体のう
ち、エチレングリコール、トリエチレングリコール又は
テトラエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート;
エチレングリコール、ジエチレングリコール又はトリエ
チレングリコールとエポキシ化ビスフェノールAからな
る縮合体と(メタ)アクリル酸より得られるジ(メタ)
アクリレートが接着剤組成物とした場合の接着力が大き
く、またポットライフが長くなり好ましい。
【0007】本発明に用いられる(メタ)アクリレート
単量体は、直接本発明を構成する他の成分と物理的に均
一な混合を行えば使用可能であるが、下述の方法で水中
で乳化させると、薬傷の危険性が減り、また塗工性も大
幅に改良することができるので好ましい。即ち、界面活
性剤及び/又は界面活性を持つ重合体水溶液中に高撹拌
下で、(メタ)アクリレート単量体を徐々に添加すれ
ば、該単量体は容易に乳化されるが、界面活性剤を用い
た場合は、乳化液の安定性が悪く、安定性を保つために
は、液の増粘を要するため、界面活性を持つ重合体の使
用の方がより好ましい。
【0008】この際、皮膜形成能を持つ水溶性重合体及
び/又は水分散性重合体を、(メタ)アクリレート単量
体の乳化と同時、又は予め乳化させた後に添加すると、
得られる接着剤組成物は、塗工後の表面が樹脂皮膜で被
われた、所謂ドライタッチな塗工面になり、取り扱い易
くかつ接着剤組成物のポッライフの向上がより一層高ま
るので好ましい。
【0009】また後述のような皮膜形成能を持ち且つ
(メタ)アクリレート単量体を乳化し得る、水溶性又は
水分散性重合体を用いた場合には、一段の方法で乳化と
ドライタッチな塗工面を得ることができるので最も好ま
しい。
【0010】界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル
硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アル
キルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリ
オキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン
脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル又はポリオ
キシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【0011】次に、皮膜形成能を持ち、(メタ)アクリ
レート単量体を水中に乳化し得る重合体は、水溶液状態
又は水分散状態で界面活性があり且つ数平均分子量が3
000〜100000程度の重合体であり、例えば(メ
タ)アクリル酸20〜50重量%を共重合体の構成単位
とする(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、酢酸ビニル
系共重合体或いはメチルビニルエーテル系共重合体、ポ
リビニルピロリドン、ケン化度が70〜99モル%のポ
リビニルアルコール、エチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、メトキシヒドロキシプロピルセルロ
ース、エチレン−マレイン酸無水物共重合体、水溶性又
は水とアルコールとの混合溶媒に可溶なナイロン重合
体、尿素樹脂、メラミン樹脂、或いはポリエチレンオキ
サイドとポリプロピレンオキサイドとのブロック共重合
体等の水溶性重合体;アクリル酸エステル樹脂エマルジ
ョン、ウレタンエマルジョン、クロロプレン共重合体エ
マルジョン或いはブタジエン−アクリロニトリル共重合
体エマルジョン等の水分散性重合体が挙げられる。
【0012】これらの重合体のうちケン化度が70〜9
9モル%のポリビニルアルコールは、(メタ)アクリレ
ート単量体に対する乳化力が大きく、水溶性又は水とア
ルコールとの混合溶媒に可溶なナイロン重合体は、皮膜
形成能が大きく各々好ましい。また、(メタ)アクリレ
ート単量体に対する乳化力が大きい重合体と皮膜形成能
が大きい重合体を混合して用いると、得られた接着剤組
成物は、接着強度が大きく、かつポットライフが長くな
り更に好ましい。
【0013】(メタ)アクリレート単量体の乳化におい
て、(メタ)アクリレート単量体100重量部に対して
皮膜形成能を持つ水溶性又は水分散性重合体は0.5〜
30重量部配合した接着剤組成物は、これの塗工後に表
面に良好な樹脂皮膜を形成する。より好ましくは2〜2
0重量部である。
【0014】(有機過酸化物)本発明で用いる有機過酸
化物としては、ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオ
キサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエス
テル或いはジアシルパーオキサイド等を使用することが
できる。ベンゾイルパーオキサイド或いはm−トルオイ
ルパーオキサイドのようなレドックス反応性の強い有機
過酸化物を用いると接着性能は高くなるが、ポットライ
フが短くなるので、下記の方法を用いてカプセル化して
使用するのが好ましい。
【0015】粉末状又は液状の有機過酸化物は、そのま
ま本発明を構成する成分と物理的に均一な混合を行えば
使用可能であるが、コアセルベーション法又は界面活性
法を用いてカプセル化することにより、ポットライフが
良好となり一液型接着剤として更に優れた組成物を得る
ことができる。
【0016】コアセルベーション法を用いる場合は、ゼ
ラチン−アラビアゴム皮膜を付与する方法が挙げられる
が、耐水性を向上させるためにコアセルベーションの
後、尿素−ホルマリン−メラミンのプレポリマーを存在
させて界面重合を続けて行う二段カプセル化法が好まし
い。
【0017】微粉末状の有機過酸化物の場合は、界面重
合法を採用することが好ましい。具体的にはメチロール
化反応で得たpH7.5〜9の尿素−ホルマリンのプレ
ポリマー中に有機過酸化物を分散させてから、pHを2
〜3に下げかつ反応温度を40〜50℃に維持すること
で、メチレン化反応により過酸化物粉末に生成ポリマー
を沈積させながらカプセル化ができ、この方法で生成し
たカプセルは耐水性及び耐油性が優れていて好ましい。
【0018】水中に乳化された(メタ)アクリレート単
量体との混合時の安定性及び接着作業時のカプセル体の
破壊の必要性から、カプセルの粒径は5〜100μmが
好ましく、更にカプセル中における過酸化物の含有量は
5〜30重量%が好ましい。
【0019】有機過酸化物の使用量は(メタ)アクリレ
ート単量体100重量部に対して、0.2〜10重量部
が必要であり、好ましくは0.5〜5重量部である。
0.2重量部に満たないときは接着性能が充分に発揮さ
れず、他方10重量部を超える場合は接着剤組成物のポ
ットライフが著しく低下する恐れがあり各々不適当であ
る。
【0020】(還元剤)本発明で用いる還元剤の具体例
としては、同時に使用する有機過酸化物と対応させた場
合、有機ハイドロパーオキサイド又はパーオキシエステ
ルに対しては銅、コバルト又はマンガン等の有機酸塩;
エチレンチオ尿素、テトラメチルチオ尿素又は2−メル
カプトベンズイミダゾール等の疎水性のメルカプト化合
物;ヒドラジン、2−ヒドロキシヒドラジン或いはベン
ゾイルヒドラジン等のヒドラジン誘導体;p−トルエン
スルフィン酸ソーダ、L−アスコルビン酸又はトリエチ
レンジアミン等が用いられる。これらの内、エチレンチ
オ尿素又はL−アスコルビン酸を使用すると反応性が大
きくなり好ましい。
【0021】ジアシルパーオキサイドに対しては、ジメ
チルアニリン、ジメチル−p−トルイジン、ジエチル−
p−トルイジン、N,Nジメチル−p−アニシジン、o
−スルホ安息香酸イミド;更にメルカプトエタノール、
チオリンゴ酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、α−チオ
酪酸、メルカプトエチルアミン或いはo−又はm−チオ
サリチル酸等の水溶性メルカプト化合物がそれぞれ用い
られる。これらの内、ジメチル−p−トルイジン又はo
−スルホ安息香酸イミドを使用すると反応性が大きくな
り好ましい。
【0022】当該化合物は、(メタ)アクリレート単量
体中に溶解又は均一に分散させて使用することができる
が、(メタ)アクリレート単量体を乳化して使用すると
きは、乳化時に加えて同時に乳化させるか、又は乳化後
の分散液に添加して欣一に分散させる方が好ましい。
【0023】当該化合物の使用量は、(メタ)アクリレ
ート単量体100重量部に対して0.1〜5重量部が必
要で、好ましくは0.2〜2重量部である。0.1重量
部に満たないときは、レドックス反応が弱く、常温以下
での接着速度が著しく低下し、他方5重量部を超える場
合はレドックス反応機構のバランスを失い接着剤組成物
のポットライフが著しく短くなり、各々不適当である。
【0024】(中空状珪酸質微粒子)本発明で使用する
中空状珪酸質微粒子としては、珪酸ナトリウム、ほう砂
及び発泡剤を溶融後粉砕し、これを加熱下で膨張させて
得られた微粒子;アルミノ珪酸塩よりなるシラスを選鉱
し粒度を調整した後加熱し、含有する水分で発泡せしめ
た微粒子(シラスバルーン);或いは珪砂を化学処理し
た後造粒し、ロータリーキルン中で焼成して得た粒状発
泡体等が挙げられるが、特に接着剤組成物が水性状の場
合は、シラスバルーン或いはセラミック系のように耐水
性のものの使用が好ましい。
【0025】この中空状珪酸質微粒子を添加すること
と、技術思想が対照される公知例としてはビニル反応端
を有するウレタンアクリレート単量体と水酸基を末端に
有する、少なくとも1つの単官能性短鎖単量体とからな
るラジカル重合性組成物に、全組成物に対して、約20
重量%から約70重量%の割合で共存性粉末充填剤を含
ませ、高接着速度を付与させる方法がある(特開昭59
−187014号)。この中で使用されている共存性粉
末充填剤は、通常知られているアルミニウム金属粉末、
アルミナ粉末、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ
及び水酸化マグネシウムでいずれも中空を有しないもの
である。
【0026】これに対して、本発明で使用する中空状珪
酸質微粒子は、明確な中空部分を有し、従って比重も小
さなものである。
【0027】中空状珪酸質微粒子は、そのまま本発明を
構成する他の成分と物理的に均一な混合を行えば、使用
可能であるが、次の方法で得られる該中空状珪酸質微粒
子を含有するカプセル状粉末を用いる方が好ましい。即
ち、有機過酸化物を溶解又は分散した疎水性液体で表面
を湿潤せしめた中空状珪酸質微粒子を、メチロール化反
応で得た尿素樹脂又はメラミン樹脂のプレポリマー中に
分散せしめた後、尿素樹脂又はメラミン樹脂壁膜を生成
させ、中空状珪酸質微粒子と疎水性液体の表面を包被さ
せる方法であり、この方法を用いると有機過酸化物と同
時に該中空状珪酸質微粒子をカプセル化することができ
るが、このカプセルを用いると中空状珪酸質微粒子が破
壊すると同時に有機過酸化物が遊離するため、反応性が
高まるのである。
【0028】該微粒子は、比重が小さいため、組成物中
に沈降することなく、接着剤組成物の塗工性を改良する
ものである。また接着工程において容易に破壊され、破
砕片はレドックス反応を促進し、接着時に広範囲の材料
に対して接着速度を大きくさせることができるものであ
る。
【0029】当該微粒子の使用量は、(メタ)アクリレ
ート単量体100重量部に対して、0.2〜20重量部
であり、好ましくは0.5〜10重量部である。0.2
重量部に満たない場合は、使用の効果が認められず、2
0重量部を超えると、組成物の流動性が悪くなり、各々
不適当である。
【0030】(中空状樹脂質微粒子)本発明で使用する
中空状樹脂質微粒子としては、フェノール樹脂、塩化ビ
ニリデン及びアクリル酸エステルとの共重合体、或いは
アクリロニトリルを主成分とする樹脂等を皮膜とする真
比重0.017〜0.10g/ccの微粒子が挙げられ
る。
【0031】これらの中、特に好ましいのは、アクリロ
ニトリルを主成分とする樹脂を皮膜とする真比重0.0
2〜0.03g/ccのものは、耐油性及び耐熱性が優
れた微粒子である。
【0032】当該微粒子の使用量は、中空状珪酸質微粒
子100重量部に対して、1〜50重量部であり、好ま
しくは、2〜20重量部である。1重量部に満たない場
合は、使用の効果が認められず、他方50重量部を超え
ると、接着剤組成物の硬化反応が起こり難くなり各々不
適当である。
【0033】(本発明の接着剤組成物に配合し得る他の
物質)接着剤組成物の性質の改良を目的として、例えば
チクソトロピック性を付与するために、通常用いられる
タルク、シリカ、アルミナ又は炭酸カルシウム、長時間
のポットライフ性を保つ為に、ハイドロキノン、メチル
ハイドロキノン、2,4−ジニトロアニソール又は2,
6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール等、更に接
着速度を制御するために、銅クロロフィルナトリウム又
はアミノシリコーン化合物を添加することができる。
【0034】
【作用】本発明の接着剤組成物は、(メタ)アクリレー
ト単量体を主成分に持つ一液型組成物に、中空状珪酸質
微粒子と当該微粒子に対して一定割合の中空状樹脂質微
粒子を配合するもので、接着剤の塗布量が少ない条件下
においても接着力が充分発揮される。更に接着後のボル
ト等を弛める時に過大な応力をかけない状態で脱着が可
能となる。
【0035】この理由は定かではないが、次のように推
測される。本発明の接着剤組成物の被着材への塗工工程
及び接着工程においては、該接着剤組成物の比重が中空
状微粒子の存在のため低下し、比較的小さい重量しか接
着剤を塗布しなかった場合であっても充分に被着材の接
着面に満たされるため、接着力は大となる。従って、固
着したボルト及びナット等を弛め始める際の破壊トルク
を大きくする。
【0036】また中空状樹脂質微粒子は、前記の中空状
珪酸質微粒子と同様な効果を有する他に、本発明の接着
剤組成物が固まっていない状態、即ち流動性乃至硬化が
不充分な条件下では、大きな応力を受けてもこれ自身は
破壊されず、接着剤が硬化した時又は適度な応力が加わ
った場合に、同時に配合している中空状珪酸質微粒子の
破壊により生じた破砕片と接触して始めて破壊されるも
のである。
【0037】従ってボルト等の固着終了後、接着面に応
力を高めてボルト等を弛めるときは、中空状樹脂質微粒
子が徐々に破壊されるために、前述のとおりボルト等の
締結に対する初期の破壊トルクは高いが、脱出トルクは
適度に小さくなりボルトの破損を生ずることなく取り外
しを行うことができるのである。
【0038】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳しく説明する。なお、評価方法として、ボルトとア
ルミ板との締結体の接着性能は次の試験方法によって行
った。 (接着剤組成物のネジへの塗工)8mm径、ピッチ1.2
5の黄色クロメート処理の鉄ボルトに対して長さ40mm
のネジの溝部に接着剤組成物を均一に塗布し、次いで8
0℃で20分間乾燥を行って、塗工された接着締め付け
用のボルトを得た。 (接着性試験)前記の塗工されたボルトを、ネジの溝部
の厚さ15mm巾の軟質アルミ板に軸力なしで締め付け、
23℃で24時間放置後の破壊トルク、1/4回転時の
脱出トルク及び以後の最大脱出トルクを測定した。な
お、最大脱出トルクとは1/4回転以降に弛めた場合に
要するトルクの最大値を指す。
【0039】実施例1 ホモジナイザーを付帯した2リットルビーカーに、2,
2ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニ
ル〕プロパン 500g、ジメチル−p−トルイジン4
g、平均粒径50μm、真比重0.20g/ccの硼酸
ガラス質の中空状微粒子50g及び平均径80μm、真
比重0.022g/ccのポリアクリロニトリル樹脂の
中空状微粒子10gを投入して30分間攪拌を続け、シ
ロップ状油性液を得た。次に部分ケン化ポリビニルアル
コール(ケン化度86モル%、平均重合度1400)の
10重量%の水溶液500g、o−スルホ安息香酸イミ
ド4g及びベンゾイルパーオキサイドを15重量%内包
する尿素樹脂を壁膜とするカプセル100gを加え、更
に10分間攪拌を続けて分散液を得た。
【0040】当該液を表1のように塗布量を変えて、前
記の評価方法で塗工し、評価した結果を表1に記す。
【0041】比較例1〜3 各種中空微粒子の使用の有無を表1のように選択し、他
の条件は実施例1と同様にして分散液を得、実施例1と
同様に評価した結果を表1に記す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の接着剤組成物は、(メタ)アク
リレート単量体を主成分に持つ反応型組成物に対して、
中空状珪酸質微粒子及び中空状樹脂質微粒子を存在させ
ることにより、被着材への塗布量が少ない条件下で使用
しても充分な接着能を発揮し、かつ締結後の接着面から
の取り外し作業が容易になるため、特にボルト等のプレ
コート型接着剤として用いる場合、極めて汎用性が高い
ものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロイル基及び/又はメタクリロイ
    ル基を有する単量体100重量部、有機過酸化物0.2
    〜10重量部、該有機過酸化物とレドックスを形成する
    還元剤0.1〜5重量部、中空状珪酸質微粒子0.2〜
    20重量部、並びに該中空状珪酸質微粒子100重量部
    に対して1〜50重量部の中空状樹脂質微粒子からなる
    接着剤組成物。
JP20149694A 1994-08-03 1994-08-03 接着剤組成物 Pending JPH0848943A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012158694A (ja) * 2011-02-01 2012-08-23 Denki Kagaku Kogyo Kk 水系接着剤組成物及びウェットスーツ素材の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012158694A (ja) * 2011-02-01 2012-08-23 Denki Kagaku Kogyo Kk 水系接着剤組成物及びウェットスーツ素材の製造方法

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