JPH0848440A - 重送検出装置を備えたシート給送装置および画像形成装置 - Google Patents

重送検出装置を備えたシート給送装置および画像形成装置

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JPH0848440A
JPH0848440A JP6182096A JP18209694A JPH0848440A JP H0848440 A JPH0848440 A JP H0848440A JP 6182096 A JP6182096 A JP 6182096A JP 18209694 A JP18209694 A JP 18209694A JP H0848440 A JPH0848440 A JP H0848440A
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JP
Japan
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sheet
feeding
double
fed
distance
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Application number
JP6182096A
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English (en)
Inventor
Jun Morimoto
潤 森本
Takeo Fukuda
雄郎 福田
Yoshiteru Mori
美輝 森
Takayuki Fujiyama
隆之 藤山
Tsutomu Higaki
力 檜垣
Kazuyuki Ogida
和幸 扇田
Kinji Uno
欣治 宇野
和也 ▲濱▼口
Kazuya Hamaguchi
Taku Nakagawa
卓 中川
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/00172Apparatus for electrophotographic processes relative to the original handling
    • G03G2215/00341Jam handling in document feeder
    • G03G2215/0035Document related problems, e.g. double-fed sheets

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  • Paper Feeding For Electrophotography (AREA)
  • Exposure Or Original Feeding In Electrophotography (AREA)
  • Controlling Sheets Or Webs (AREA)
  • Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 載置トレイ3−1に載置されたシート原稿D
は、給送手段3−2により、最下部より1枚給送され、
次に反転搬送部3−3を介して、原稿台2に対向したベ
ルト搬送部3−4にて原稿台2へと搬送され停止され
る。このシート原稿は露光された後、第2反転搬送部3
−5及び排出部3−6を介して上記載置トレイ3−1の
最上部へと戻される。このようなシート原稿Dの搬送循
環を行うRDH3において、載置されるシート最上部ま
での給送されるまえの距離L1を測距センサ37にて検
出し、給送された後の距離L2との差により給送される
シート原稿の厚さdを求め、該厚さに基づいて給送され
たシート原稿の重送を検出する。 【効果】 給送されるシートの重送を簡単な手段で検出
でき、該検出に基づいてシート制御を行うことでジャム
を未然に防止し、無駄なコピー用紙等を発生を阻止でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法等における
画像形成装置において、画像形成するためのシート原稿
あるいは画像が形成される複写シートを、画像露光又は
形成位置へと搬送する前の段階におけるシートの給紙に
かかり、該シート給紙時の重送を検出すると共に、該重
送(2枚以上の同時送り)を検出した時のシートの給送
制御及びそれによる画像形成制御に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、画像形成装置によれば、シート状
の記録用紙を画像形成位置に搬送し、該用紙上に画像を
形成した後に、装置外に排出している。例えば、複写装
置において、原稿の画像を記録媒体である感光体上に投
影して感光体上に原稿画像に応じた静電潜像形成し、該
静電潜像を可視像化するために着色剤であるトナーにて
現像し、該記録媒体上のトナー画像をシート状の搬送さ
れてくる用紙に転写し、転写後の用紙を定着工程を経て
装置外へ排出している。
【0003】また、上記画像を感光体に形成するための
原稿においては、シート状の原稿であれば、1枚ずつ画
像形成位置、例えば透明な原稿台上に載置ことなく、原
稿載置トレイ上に載置し、これを露光終了により信号に
基づいて1枚ずつ原稿台へと自動給送する装置が備えさ
れている。
【0004】ここで、従来では、シートを1枚ずつ確実
に目的の位置へと給送するために、重送を防止するため
に給送ローラとは別に分離手段、例えば分離材、分離ロ
ーラ等により、重送されるシートを強制的に分離し、最
下部または最上部の1枚のシートのみを給送できるよう
に構成している。しかし、上記のような分離手段を設け
るもおいても、重送を確実に阻止することは困難であ
る。
【0005】上記重送が発生しれば、該シートが搬送経
路中に停滞する詰まり(ジャム)が多発することにもな
る。また、重送されたシートがジャムすることなく、画
像形成装置に達した後、その位置から搬出された時に、
該シートが原稿であれば、正常な画像形成を行えなくな
る。つまり、複数のシート原稿から両面コピーを行う場
合、原稿の画像が画像形成位置に提示されないことによ
る頁順の不揃いによる両面複写を行うことにもなる。
【0006】そのためにも、給送されたシートが目的の
位置に達するまでに重送を検出し、画像形成動作を一時
中断させる等の処置が是非とも必要となる。そのため
に、特開昭55−64254号公報には、給送されたシ
ートを、搬送目的の位置に達する搬送経路中に重送検出
手段を設け、該検出手段に重送検出に基づいて画像形成
装置を停止させることが明記されている。
【0007】上記特開昭55−64254号公報による
シートの重送検出手段は、シートの搬送経路中に、該経
路を挟んで上下位置にシートを吸引する開口を有し、こ
の開口より吸引する方向に気流を発生する気流発生機構
を配置し、該上下の気流発生機構内に流速検出手段を設
けることで、給送されるシートが開口を介して吸引され
た時に、開口が塞がれることで流速検出手段がこれを検
出する。そのため、シートが1枚であれば、上下いずれ
か一方の気流発生機構側に吸引され、他の気流発生機構
側は流速検出手段にて空気の流れを検出しているため
の、上下の流速検出手段との間に出力差が生じること
で、1枚給送を検出する。一方、重送が発生すると上下
の気流発生機構の開口がシートにて塞がれることにな
り、流速検出手段との間での出力差が発生しないため、
重送を検出することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
55−64254号公報によれば、重送を検出する点で
は有効であっても、搬送経路を挟んで上下2個の気流発
生機構を別途設ける必要があるため、構造が非常に複雑
になるだけでなく、コストも非常に高くなる。
【0009】本発明はこの問題点に鑑み、コストを大幅
に低減し、かつ構成を簡単にしたシート給送装置おける
重送検出装置を提供することを第1の目的とする。
【0010】しかも、特開昭55−64254号公報に
よれば、重送を検出することで、画像形成装置を直ちに
停止させている。そのためオペレータは、重送されたシ
ートを除去した後、画像形成装置を再度立ち上げなけれ
ばならない。
【0011】そのため、重送を検出しても給送動作等を
一時停止させてオペレータによる処理を待つ必要があ
り、オペレータの負担が重くなる。
【0012】本発明は、この点において重送検出時に重
送シートを分離し給紙動作をそのまま継続できる給送装
置を提供する点にある。
【0013】また本発明は、原稿を原稿台へと自動給送
し、画像形成を終了した該原稿を再度原稿台へと給送た
めに載置トレイへと戻す原稿循環式の原稿搬送装置を備
えた画像形成装置において、重送した原稿を載置トレイ
へと手動で戻すための作業が面倒であるだけでなく、原
稿の頁順に載置トレイへとシート原稿を戻すのを間違え
ることがよくある。
【0014】そのためにも、原稿循環式の原稿搬送装置
を備えた画像形成装置においては、重送を検出した時点
で、該重送シートがジャムでないないならば該重送シー
ト原稿を1循環させて、重送検出されたシートが目的の
位置に給送されるタイミングで画像形成動作を再開さ
せ、オペレータの手間および作業を低減することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明の重
送検出装置を備えたシート給送装置は、シートを載置す
る載置部、該載置部のシートを給送する給送手段を備え
たシート給送装置において、載置部上の給送された後の
シート面までの距離を測定する測距センサと、該測距セ
ンサにて測定した距離に基づいてシート重送を検出する
重送検出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】また本発明の第1の発明による重送検出装
置を備えたシート給送装置は、シートを載置する載置
部、該載置部のシートを給送する給送手段を備えたシー
ト給送装置において、載置部上のシート位置までの距離
を測定する測距センサと、該測距センサにて測定したシ
ート給送前と給送後の距離との差を演算する演算手段
と、該演算手段にて演算された差と前回の差とを比較す
る比較手段と、該比較手段に比較結果に基づいて給送さ
れるシートの重送を検出する検出手段と、該検出手段に
よる重送検出に基づいて、シート給送を中止すると共に
重送状態を報知する制御手段と、を備えたことを特徴と
する。
【0017】この第1の発明において、重送を検出する
ことにより即座に給送動作を停止させて重送状態を報知
することなく、重送したシートを分離するために、分離
力を増長させて分離させることを特徴とする。
【0018】さらに本発明の第2の発明による画像形成
装置は、シート原稿を載置する載置トレイ、該載置トレ
イ上のシート原稿を給送する給送手段、該給送手段にて
給送されたシート原稿を画像露光位置へと搬送する搬送
手段、画像露光の終了後により画像露光位置のシート原
稿を搬出し上記載置トレイへと戻す搬出手段を備える原
稿循環式搬送装置を備える画像形成装置において、上記
載置トレイ上のシート原稿までの距離を測定する測距セ
ンサと、該測距センサにてされた距離に応じて重送を検
出する重送検出手段と、該重送検出手段による重送検出
に応じて給送されたシート原稿の露光を行うことなく上
記載置トレイへと搬出する空送りを行うと共に、該重送
されたシート原稿が再度給送されるまでの間、載置トレ
イ上の他のシート原稿の空送りを行い、重送シート原稿
の給送により露光開始を行うシート原稿の搬送制御手段
と、上記重送検出手段による重送検出に応じて重送シー
ト原稿の画像形成前の画像を形成した複写シートを搬出
すると共にそれ以後の複写動作を中断し、上記シート原
稿の搬送制御手段による重送シート原稿の再給送に応答
して複写動作を再開してなる複写制御手段と、を備えた
ことを特徴とする。
【0019】
【作用】第1の発明の重送検出装置を備えたシート給送
装置によれば、シートが給送されるタイミングで、その
載置されたシート面までの距離(L)を測距センサによ
り測定する。該測定結果により、給送されたシートの重
送状態を検出する。つまり、シートが給送される毎に、
載置されたシート面までの距離が徐々に低下していく。
そのため、低下の度合いが給送毎にほぼ同一であば、そ
の給送は安定しており1枚給送されている。しかし、そ
の低下の度合いが前回の給送より大きな差があれば重送
であることを検出する。
【0020】特に第1の発明による請求項2記載のもに
おいては、シート給送される前の測定距離(L1)と、
給送された後の最上部のシート面までの距離(L2)と
の差dを(d=L2−L1)として演算する。この差
は、給送されたシートの厚さdである。この差dが、前
回の測定結果による厚さdsとほぼ同等、つまり測定誤
差の範囲内でほぼ一致する場合には、給送されるシート
は、1枚給送であることを検出する。
【0021】また、上記給送されたシートの厚さdが、
前回の測定した給送シートの厚さdsより大きい場合を
認識すれば、2枚以上のシート、つまり重送が発生した
ことを検出する。また、給送されたシートの厚さdが、
前回の給送シートの厚さdsより小さい場合には、前回
のシートの給送が重送であることを検出できる。
【0022】この重送検出に応じて、画像形成動作を一
時停止させユーザ側にシートの重送を発生したことを報
知する。この報知により、ユーザ側では重送されたシー
トの処理、例えば画像形成装置内のシート用紙の重送で
あれば、そのシート用紙の除去を行う。また、シート原
稿の搬送でれば、重送されたシート原稿を載置トレイへ
と戻す。これによりシート重送時に多発するジャムを事
前に阻止でき、またシートの破損を阻止できる。
【0023】ここで、重送を検出した時点で、重送状態
を報知しシート給送動作を停止させることをせずに、重
送されたシートの分離を行う。つまり、シートは給送手
段にて給送されるが、この時給送されるシートの重送を
阻止する分離部材等が設けられている。そのため、この
分離部材によりシート分離効果を高めるために分離力を
制御する。この制御によりシート分離を行い、シート給
送を継続できる。この時、シート分離が行われなけれ
ば、初めて重送状態としてシートの重送による不都合あ
るいはジャム等を未然に阻止するためにも報知し、装置
を停止させることができる。
【0024】一方、第2の発明による画像形成装置によ
れば、原稿循環式の搬送装置にて複写のためのシート原
稿が順次画像露光位置へと1枚ずつ給送手段により給送
される。この時、重送検出装置がシート原稿が1枚か2
枚以上かの重送状態を検出する。そこで、2枚以上のシ
ート原稿の重送が検出されれば、該シートの搬送がジャ
ムでなければ、露光位置をそのまま通過させ、画像形成
を行うことなく、原稿の載置トレイ上へと空送りして戻
す。また、次に続くシート原稿についても給送を行い画
像形成を行うことなく原稿載置トレイへと戻し、載置ト
レイに載置された原稿全てが載置トレイへと1循環させ
る。
【0025】さらに、1循環させた後、上述した重送を
検出したシート原稿を給送するまで循環を繰り返す。重
送が検出された対応のシート原稿が給送された時に、画
像形成動作を開始させる。このように動作することで、
オペレータ側では、重送された原稿を載置トレイへと原
稿の頁順に合うようにセットする必要もなく、自動的に
修復されて複写動作が自動的に復帰させることになる。
【0026】ここで、重送されたシート原稿の給送にお
いては、該シート原稿の重送が発生しないように、給送
手段による給送動作を制御することにより重送防止効果
を高めることも可能になる。
【0027】
【実施例】以下に図面に従って、本発明によるシート給
送装置における重送検出装置について、特に原稿循環装
置を備えた画像形成装置、例えば複写装置を例に説明す
る。また、本実施例によれば、電子写真複写装置につい
て説明するが、電子写真方式を利用してなる画像形成装
置、全てに適用できる。例えば、レーザプリンタやLE
Dプリンタ、液晶プリンタ等におけるシート給送装置に
おける重送検出装置に利用して非常に有効に活用され
る。
【0028】図1は本発明における複写装置の概略を示
す断面図。該図において、複写装置本体1の上面には、
透明ガラスからなる原稿台2を有しており、この原稿台
2には、複写対象となるシート状の原稿を原稿台に供給
する自動原稿供給装置3、つまり原稿を原稿台2の画像
形成位置である露光位置へと給送し、露光終了後に再度
元も載置位置へと循環する原稿循環式搬送装置(以下R
DHと記す)である。該RDH3は、図2に示す通りシ
ート原稿を載置するための載置トレイ3−1、該載置ト
レ3−1の最下部のシート原稿より1枚ずつ給紙する給
送手段3−2、給送されたシート原稿を上記原稿台2へ
と画像面を下にして搬送する反転搬送部3−3、反転さ
れたシート原稿を原稿台2の所定位置へと位置決めして
搬送するベルト搬送部3−4、露光終了時に搬送される
シート原稿を反転して再度上記原稿載置トレイ3−1へ
と画像面を上にして搬出するための第2反転搬送部3−
5および排出部3−6とを備えている。上記給送手段3
−2は、載置トレイ3−1と同一面上に位置させた給送
のための給送ベルトを設け、給送されたシート原稿の重
送を阻止するための給紙ローラ3−2aと分離ローラ3
−2bとを備えている。
【0029】上記RDH3の各搬送手段の駆動を行う駆
動モータ(図示せず)の回転は、各クラッチCL1,C
L2,CL3,CL4を介して伝達される。クラッチC
L1は、給送手段3−2、給紙ローラ3−2a、分離ロ
ーラ3−2bを回転させるためのもので、該クラッチC
L1を駆動(ON)すると、給送のためのベルト及び上
記給紙ローラ及び分離ローラが駆動される。また、クラ
ッチCL2は反転搬送部3−3を、クラッチCL3はベ
ルト搬送部3−4を、クラッチCL4は第2反転反転搬
送部および排出部(ローラ)3−6をそれぞれ回転駆動
するために設けられている。これたのクラッチをONす
ることで、上記駆動モータの回転が伝達され、各搬送部
が駆動される。
【0030】また、載置トレイ3−1に載置されるシー
ト原稿(D)を検出するためのマイクロスイッチ等から
なる検出スイッチSW1が、載置トレイ3−1下部に配
置されている。載置トレイ3−1から給送されるシート
原稿を検出するために給紙ローラ3−2a出口近傍にマ
イクロスイッチ等からなる検出スイッチSW2が配置さ
れている。このスイッチSW2は特に給送されるシート
原稿の後端を検出するものであって、その信号により、
続くシート原稿の給送を制御するために利用される。次
に給送されたシート原稿の先端が、原稿台2の手前まで
反転搬送部3−3を介して搬送された状態を検出するた
めに、反転搬送部3−3の出口近傍に、マイクロスイッ
チ等からなる検出スイッチSW3が配置されている。こ
のスイッチSW3は、特に先端または後端を検出するこ
とで、シート原稿を原稿台2への基準位置2−1へと位
置決めるタイミング制御または次のシート原稿をスイッ
チSW3位置まで搬送し停止させるための制御のために
利用される。さらに、スイッチSW4は、露光終了後の
シート原稿の載置トレイへの復帰状態、つまり搬出状態
を検出するための排出検出スイッチである。
【0031】また、スイッチSW5は、載置されたシー
ト原稿の循環状態を検出するためのものであて、特にそ
の作動片SW5−1が載置されたシート原稿の最上部に
位置するように制御され、シート原稿束が1巡した時に
再度最上部のシート原稿の位置へと載置される。つま
り、最上部のシート原稿が給送された時にスイッチがO
Nし、その最上部のシート原稿が載置トレイ3−1へと
戻された時に、作動片SW5−1が最上部に位置した状
態でOFFするように構成されている。この1巡検出セ
ンサSW5は、従来より自明のものを利用しており、本
発明特有のものではない。
【0032】一方、原稿台2の下方には、光学系11が
配設されている。この光学系11は、ハロゲンランプ等
からなるコピーランプ(露光ランプ)12を含み、複数
の反射板(ミラー)4,5,6,7,8,9と、ズーム
レンズ10とを有しており、コピーランプ12とミラー
4が原稿台2に沿って移動可能な図示しない光学系載置
台上に設置され、またミラー5,6は上記光学系載置台
の1/2の速度で移動する第2の光学系載置台上に設置
されている。そして、複数のミラー4,5,6,7,
8,9は、コピーランプ12から照射された光が原稿台
2上の原稿で反射した反射光像を、感光体21に一点鎖
線で示す光路に沿って投影する。この投影のために、ズ
ームレンズ10は、上記光路の光軸上に配置され、設定
された倍率応じて、感光体13表面に原稿の画像を結像
する。
【0033】また光学系11の下方には、上述の反射光
像が照射される円筒状の記録媒体である感光体13が配
設されており、この感光体13の周囲には周知の画像形
成手段が配置されている。つまり、画像形成手段を構成
する上記光学系11を含め、感光体13を所定の電位に
帯電させる帯電器14、形成された静電潜像にトナーを
付着させトナー画像として可視像化する現像器15、こ
のトナー画像を転写紙に転写させる転写器16、及びシ
ート状も転写紙を感光体13より剥離する除電器17、
転写後の残留トナーを除去するクリーニング器18およ
び感光体13に残留する電荷を除去する除電器19が配
置されている。
【0034】上記転写器16の位置に転写紙を供給する
ために、各種サイズのシート用紙である転写紙を収容
し、選択されたサイズの転写紙を給紙する3個の給紙装
置20,21,22が、複写装置本体の右側及び下部に
配置されている。給紙装置20,21,22のいずれか
より給紙される転写紙は、上記感光体13に形成された
トナー画像が転写されるように、該感光体13の回転位
置と同期して転写器16に対応する転写位置に搬送する
ためのレジストローラ23へと送り込まれる。
【0035】転写紙への感光体13のトナー画像の転写
後、該転写紙は感光体13より除電器17の作用により
剥離される。その剥離側、つまり感光体13の左側に
は、ベルト状の搬送装置24、該装置24を介して未定
着トナー画像を溶融し定着する加熱定着部25が配置さ
れ転写紙の搬送系が構成している。また、加熱定着部2
5を通過する転写紙は、複写装置本体1に装着された排
出処理部30に排出する経路か、また転写紙の両面に画
像を形成するために備えられた中間トレイ26へと搬出
するための経路かを切り換える、切換手段35にて搬送
方向が切り換えられる。
【0036】上記切換手段35による中間トレイ26の
切り換え経路には、搬送手段27を備え、中間トレイ2
6へ転写紙上に形成された画像を上にして搬出するため
の反転搬送手段28が配置されている。また中間トレイ
26に搬出された転写紙を再度上記画像の転写位置へと
給送するための給紙手段29が配置されている。
【0037】上記排出処理部30は、複写された転写紙
を原稿の頁順に揃えられた1部の転写紙束を一時的に収
容してなる処理トレイ31、該処理トレイ31上に原稿
束に対応する1部の転写紙束をステープルするステープ
ラ32、該ステープルされた転写紙束を排出トレイ33
へと排出する搬出部34とが備えられている。
【0038】また、上記転写紙の各給紙装置20,2
1,22は、全て同一構成であり、転写紙をセットする
ための上下動可能なトレイ202,212,222を備
え、最上部の転写紙を1枚給紙するための給送手段20
1,211,221が最上部の転写紙に対応して配置さ
れている。該給送手段212,211,221にて給送
される転写紙は、重送を阻止するために、次段に配置さ
れる給紙ローラ及び分離ローラ間を通過して、各給紙装
置20,21,22の合流経路36を経て上述したレジ
ストローラ23へと搬送される。この合流経路36に
は、更に上記中間トレイ26からの給送される転写紙の
搬送経路、さらに所望のシート状の転写紙を手差し給送
するための給紙経路が合流している。
【0039】以上の構成の複写装置において、本発明に
おいては、RDH3によるシート原稿の重送検出、転写
紙を給送する給紙装置20,21,22によるシート状
転写紙の重送検出、さらに中間トレイ26から給紙され
る両面複写のためのシート状転写紙の重送検出を行うた
めに測距センサを、各載置トレイ上の最上部シートに対
向して配置している。このシート状の転写紙の重送を検
出する測距センサは、図1の符号37−1にて示すよう
に、例えば給紙装置20の載置トレイ202に載置され
たシートの最上部までの距離を測定するためのものであ
る。そのため、赤外発光素子(38−1)からの光を上
記載置された最上部のシートへと照射し、その時の最上
部シートからの反射光を受光素子(39−1)上の特定
の位置に入射させ、この入射位置に基づく出力変化によ
り、該センサ37−1から載置された最上部シートまで
の距離を測定する。
【0040】また、RDH3によりシート原稿(D)の
重送を検出するための測距センサ37は、例えば図2に
示す通り、最上部のシート原稿面までの距離を測定する
ように配置されている。そして、測距センサ37は、そ
の測定を行うために、図6に示すように発光素子38か
らの光をシート(原稿または転写紙)に対して照射し、
その反射光を受光素子39に投影し、投影された位置に
応じた信号を出力する。特に、反射光を受光レンズにて
受光素子39の受光面に投影することで、反射光量に全
く関係なく光の入射位置に応じた信号が出力される。こ
の時、反射光の入射位置は、測距センサ37から測定
面、つまり光照射されその反射位置までの距離に応じて
変化する。
【0041】そのため、最上部のシート表面までの距離
(L1)を先に測定しておき、給送さた後のシート最上
部までの測定距離(L2)により、その距離の差d(d
=LL2−L1)にてシートの厚さdを求めることがで
きる。この検出したシートの厚dが、その前に測定され
たシートの厚さ(ds)と、測定誤差等をも含めた範囲
内にあれば、1枚給送であることを検出でき、そうでな
ければ重送であることを容易に検出できる。
【0042】この時、前回の測定したシートの厚さds
が存在しない、最初の給送については、使用するシート
の厚さを、ほぼ同一であると見なせば、予めそのシート
の厚さを基準厚さdsとして記憶させておき、これを読
み出して、上述したように測定したシートの厚さdとを
比較すればよい。また、複写動作を行った前回のシート
給送時に測定した厚さdを基準厚さ(ds)その都度更
新記憶していき、これを利用することもできる。つまり
使用するシートの厚さが全て同一であればである。この
点、転写紙であれば、使用する束においては厚さが一定
であり、使用する転写紙の厚さを事前に入力しておき、
これを記憶させておくこともできる。
【0043】しかしながら、シートの場合には、その使
用する束においては同一厚さであっても、異なるシート
束においてはその厚さが前のものと異なることがある。
そのため、最初のシートの給送時に厚さdを測定してお
き、これに基づいて次回の原稿給送におけるシート厚さ
を測定することで、上記厚さdを基準厚さdsとして記
憶しておき、これと今回測定した厚さdとを比較する。
この厚さの比較において、誤差範囲内でほぼ同一であれ
ば1枚給紙であると判断でき、もしそうでなく今回の給
送における厚さdの方が大きければ重送であることを検
出できる。ただし、今回の給送における厚さdが初期の
給送における厚さdsより小さい場合には、先の給送が
重送であることを検出できる。
【0044】上記測距センサ37による測定距離に応じ
て、給送されるシート原稿または転写紙の重送を直接検
出できる。この重検出に応じて、例えば転写紙の場合に
は、画像形成手段による画像形成動作を停止すると同時
に、転写紙の給送動作をその時点で停止する。ただし、
先に給送された転写紙については、重送でないためジャ
ムしていない場合には、画像形成手段による画像形成動
作を継続し、その画像を搬送される転写紙に転写し、処
理装置または中間トレイへと搬送した後、先に停止され
ている上記給紙装置による給送手段と同様に搬送手段の
動作を停止させる。
【0045】また、シート原稿を循環搬送するRDH3
による重送検出については、画像形成部における転写紙
の搬送系の不良でないため、画像形成動作を一時中断し
た状態に保持しておく。そして、重送検出されたシート
原稿における搬送がジャムしなければ、該シート原稿が
原稿台2へと搬送された時に画像形成のための画像露光
を行うことなく、そのまま載置トレイ3−1へと送り戻
す。そして、次に続くシート原稿をも順次給送を行い画
像露光を行うことなく載置トレイ3−1へと戻し、最初
に載置された全原稿束の1循環を終了したことを検出す
ることで、重送を検出した時点まで上述と同様にシート
原稿を空送りする形で給送し、載置トレイ3−1へと戻
す。そして重送を検出したシート原稿の給送を行うこと
で、一時中断していた画像形成動作を再開させ、シート
原稿を原稿台2へと搬送し、露光終了後に載置トレイ3
−1へと送り戻す。これにより、オペレータによる重送
時に非常に手間な作業を省き、装置本体で自動的に修復
を行った後に、自動的に複写動作を再開できる。
【0046】図3は、本発明による複写装置の制御系を
示すブロック図である。該制御系を構成する制御手段と
してのマスターCPUからなるマイクロコンピュータ4
0を備えている。マスターCPU40はROM41に予
め記憶されているプログラムに従って各種キーやセンサ
類からの信号を受信し、複写動作及び光学系11による
原稿の投影走査を制御する。また、制御を行う時に必要
なデータをその都度記憶するためのRAM42が、RO
M41同様に接続されている。
【0047】またマスターCPU40は、複写制御の動
作を実行するために、コピーランプ駆動回路43を介し
て光学系のコピーランプ12への電圧の供給及び供給停
止を制御するとともに、コピーランプ12へ印加する実
行電圧レベルの調整を行い、光量の制御を行う。また、
マスターCPU40は、帯電器14を駆動する帯電ユニ
ット44を駆動制御する他、現像器15及び転写器16
等への供給電圧を各種駆動回路(ドライバ等を含む)4
5を介して制御する。また、クリーニング装置18、及
び除電器19等の供給する電圧等を含めて必要に応じて
各種駆動回路を介して一連の複写制御を実行する。
【0048】さらに、マスターCPU40は、感光体1
3に形成されるトナー画像の濃度を図示していない濃度
センサにより検出した信号を受け取り、感光体13に形
成されるトナー画像の濃度を把握する。これに基づい
て、上述した帯電器14、現像器15及び転写器16
や、露光(コピー)ランプ12による光量を制御を行う
ことで、常時一定濃度の画像を得ることを補償してい
る。
【0049】また測距センサ37−1(図3の測距セン
サ37についても同様)は、距離測定を行うために発光
素子38−1を有している。そのため、マスターCPU
40は、測距センサ37−1の距離測定を行うために、
発光素子38−1を所定のタイミングでドライバ46を
介して駆動し、この時の測距センサ37の受光素子39
−1による受光状態に応じて出力される信号を、信号処
理回路47を介して受信し、その受信状況に応じて上述
したシートの重送状態を検出し、それに応じた制御を行
う。
【0050】さらに、CPU40は、湿度センサ48か
らの信号を入力しており、この信号に基づいて給送動作
を制御している。
【0051】またCPU40は、特に画像形成手段を制
御するためのものであって、RDH3によるシート原稿
の自動給送動作を制御するスレーブCPU50との間で
の信号のやり取りにより、複写動作を順次制御すること
になる。
【0052】上記スレーブCPU50は、図2に示すR
DH3によるシート原稿の循環搬送を制御するためのも
のであって、マスタCPU40からの画像形成開始によ
る指令に基づいて給送制御を開始する。そのため、スレ
ーブCPU50には、各種検出スイッチ群53、例えば
図2に示すスイッチSW1〜SW5の検出信号を入力す
ることで、その入力に応じた制御を行う。その制御手順
は、ROM51に記憶されており、該ROM51の内容
に従った制御を行う。また、制御を行うために必要なデ
ータをその都度記憶するためのRAM52が、上記RO
M51同様に接続されている。
【0053】また、スレーブCPU50は、図2に示し
た測距センサ37による距離測定を行うために、マスタ
CPU40と同様に、測距センサ37の発光素子38を
発光するドライバ54および、受光素子39からの出力
信号を処理する処理回路55からの信号に基づいて距離
の演算を行う。また、測距センサ37と同様に湿度セン
サ56からの信号等に応じて重送を素子するための制御
を行う。
【0054】上記測距センサ37による測定距離に基づ
いて、スレーブCPU50が重送を検出すれば、その信
号をマスタCPU40に送る。また、マスタCPU40
からのRDH3による原稿循環開始のためのスタート信
号等をスレーブCPU50に送ることで、スレーブCP
U50側でシート原稿(D)の給送を行い、画像露光位
置に原稿を搬送した時の信号をマスタCPU40へと送
ることで、マスタCPU40側では、露光開始を行い画
像形成を開始し、且つ転写紙をレジストローラ23まで
給送する。また、マスタCPU40側でのシートの重送
が検出されると、複写装置本体の複写動作を一時中断さ
せ、その状態をスレーブCPU50側に出力する。これ
によりスレーブCPU50側では、露光中のシート原稿
による画像形成による転写紙に重送であれば、シート原
稿の送りを一時中断させる。あるいは露光位置への給送
中において、該シート原稿の画像を重送された転写紙に
形成するものでれば、該シート原稿を原稿台2へと停止
させた状態で一時待機状態に設定し、マスタCPU40
側での重送転写紙の処理を完了し、複写動作が再開され
た信号をスレーブCPU50側が入力することで、給送
制御を開始する。以上の画像形成動作にかかるシート原
稿の給送制御等を含めてマスタCPU40およびスレー
ブCPU50との信号の転送により、複写動作が制御さ
れる。
【0055】次に、本発明の測距センサ37による距離
の測定の一具体例を詳細に説明する。この測距センサ3
7は、例えば「センサ技術」1992年10月号の第1
2巻、No.11の第24頁から第27頁に記載される
「8ビット精度の測距センサ」を利用している。この測
距センサは、PSD(Posidion Sensidive Dedec
dor)センサと呼ばれ、発光素子からの光を被測定物に
照射し、その被測定物からの反射光のセンサへの入射位
置により距離測定を行うものである。
【0056】この測距センサを簡単に説明すれば、これ
はPIN型ホトダイオードの一種で、図4に示すよう
に、シリコンチップの表面にp- 層、裏面にn+ 層、そ
してその中間にあるi層から構成され、それぞれの表面
及び裏面の層に図に示すような電極A,B及びCを設け
た構成である。図5に示す構造のPSDセンサーによる
等価回路を図5に示す。
【0057】図5において、電極Cの端子にバイアス電
圧VBを供給することで、表面に入射される光の位置
(スポット位置)で、抵抗R1及びR2が変化する。例
えば、電極A,B間の中点(d点)に光が入射すれば、
R1:R2=1:1となるが、その入射光がA,B電極
のいずれかの方に片寄れば、R1:R2の比がその位置
に比例して変化する。いま、光に入射位置が中心点dに
対してxだけB電極側にずれた位置に光入射し、センサ
ーの受光面の長さ(A,B電極間の距離)をDとすれ
ば、R1+R2=R0とした時、 R1=R0/2(1+2x/D) R2=R0/2(1−2x/D) の関係を示す。
【0058】そのため、PSDセンサの受光面の光の入
射位置(スポット位置)による上記の抵抗変化を利用し
て、図5における電極A及びBから取り出される電流I
1及びI2の変化として表れ、この時の電流比I1/I
2は例えば電極Bからの距離に比例(電極Aからの距離
に反比例)する。この時、PSDセンサに入射する光量
により、上記電流I1,I2の絶対値は変化するもの
の、光の入射位置は電流比にI1/I2に比例するた
め、光量そのものによる影響は全くない。
【0059】そこで、この電流比I1/I2の関係にお
いて、PSDセンサ上での受光面の入射光の位置が特定
でき、よって正確な距離検出を可能にする。特に、電流
比が大きくなることは、PSDセンサの電極A側に入射
光が近づくことになり、逆に電流比が小さくなるほど電
極B側に入射光が照射される。
【0060】例えば、図6に示すように、本発明の測距
センサ37を構成する発光素子(赤外LED)38から
の光が被測定物(シート原稿Dまたは転写紙P表面)に
照射され、その反射光を受光レンズを介して測距センサ
37を構成するPSDセンサの受光部39に受光させ
る。この時の受光点(スポット)の位置x1は、図に示
す関係において x1=A・f/L1 で求められる。上記式において、A:投光レンズと受光
レンズとの中心間距離、L1;投光レンズから被測定物
までの距離(本発明によるシート面までの距離)、f:
受光レンズの焦点距離である。そのため、被測定物の距
離が遠いほどPSDセンサーの受光面での受光スポット
の位置x1が小さくx2の位置へと移動する。また逆に
受光スポットの位置x1が大きくなることは被測定物ま
での距離が近くなることになる。
【0061】PSDセンサの受光面のポイントxは、上
述したように電極A,Bより得られる電流比I1/I2
にて特定できるため、上述の式に従って容易に発光素子
37から被測定物までの距離L、つまり距離測定センサ
36の受光部38までの距離を計測できる。
【0062】そこで、本発明においては、図3に示す通
り、測距センサ30であるPSDセンサからの得られる
電流I1及びI2を信号処理回路31にて電圧V1及び
V2に変換して、スレーブCPU50(又はマスタCP
U40)のアナログポート入力部(AN1,AN2)を
介して入力する。ここで、信号処理回路55は、得られ
る電流I1及びI2と等価または同じ比率の電圧値とし
て変換処理するものである。スレーブCPU50(又は
マスタCPU40)は、この電圧値に基づいて、I1/
I2に相当する値を演算し、測距センサ37のスポット
位置(x)を求め、これにより上述したxを求める式よ
り、例えば図6に示す各距離を演算できる。
【0063】そのため、必要に応じて、スレーブCPU
50(又はマスタCPU40)は赤外LEDである発光
素子37を発光させるためにドライバ54を駆動する信
号を出力する。また、測距センサ36の受光素子38か
らの出力に基づいて、求めた距離に応じて、シート原稿
Dの厚さdを測定でき、これに基づいて重送を検出でき
る。
【0064】ここで、受光素子38の受光面の長さdが
2mm、測距センサ37と最下部のシート面まで、つまり
載置されるトレイまでの距離L2を50mm、受光レンズ
の焦点距離fを5mm、投光レンズおよび受光レンズ間の
距離Aを30mmとすれば、シート面の測定限界距離L1
は、d=(1/L1−1/L2)・A・fなる関係式から
求められ、特に積載シート量の可能範囲、例えばL1ま
での距離が30mmまで測定できる。そのため測定可能距
離差ΔL(L2−L1)は、20mmとなる。そこで、ス
レーブCPU50(あるいはCPU40)側で端子AN
1,AN2を介して入力するアナログデータを8bid
データとして処理する場合には、その分解能としてシー
ト13の厚さdを約78μm単位で測定できる。そのた
め、使用するシート1枚の厚さdが100μm程度でれ
ば、載置トレイに載置するシート量としては200枚以
下まで積載した状態において、該積載したシートがなく
なるまで測定を行える。
【0065】図7は、図3のブロック図におけるマスタ
CPU40及びスレーブCPU50による制御手順を示
すものであって、重送検出および重送検出に応じた複写
制御を示すフローチャートである。また、一例としてR
DH3によるシート原稿の給紙時に重送検出を示す。こ
の重送検出においては、RDH3による給送だけでな
く、給紙装置20,21,22の給送及び中間トレイ2
6の給送における重送検出にもそのまま適用できる。ま
た、図7の制御動作における搬送制御のタイミング状態
を図8のタイムチャートに示す。
【0066】まず、複写を行うための一束のシート原稿
Dを原稿載置トレイ3−1にセットする。このセット状
態は、載置トレイ3−1下部に配置された原稿載置セン
サSW1が検出(n1)する。この検出信号をスレーブ
CPU50が入力すれば、その信号をマスタCPU40
側へも転送する。
【0067】そこで、複写装置本体1のコピースイッチ
が操作される状態を、マスタCPU40は待つ。このコ
ピースイッチによる操作がCPU40にて確認され、こ
れがスレーブCPU50に転送されてくる間(図7の開
始指令が出力されるまでの間)に、スレーブCPU50
側では、載置されたシート原稿D束の最上部までの距離
を測定(n2)する。該距離測定は、測距センサ37に
て、該センサと載置されている最上部までのシート原稿
Dまでの距離L1である。該測定は、上述した通り発光
素子38を駆動し、その時のシート原稿Dからの反射光
を受光素子39に受光することで、信号処理回路55を
介して受光した位置に応じたアナログ電圧V1,V2を
スレーブUPU50のアナログ入力端子に供給する。こ
れによりセンサ37からシート原稿D表面までの距離L
1を上述した式から測定できる。この測定距離L1に基
づいて、スレーブCPU50は該複写装置が処理できる
能力を越える原稿枚数か否かを判別(n3)する。
【0068】例えば複写装置として、後処理装置30が
処理できる転写紙の枚数、つまりステープルできる枚数
が決められている。この決められた枚数以上のシート原
稿Dが載置されか否かを判別する。そのため、n3によ
る判別は、上記処理限度のシート原稿束を載置した時の
距離を基準距離Lsとして事前に測定し、これを記憶さ
せおく。この距離距離Lsは使用する原稿の厚さが全て
同一であれば、原稿枚数に応じて載置された最上部まで
の原稿の高さは一定となる。この距離Lsを事前に求め
記憶しておけば、シート原稿のセット検出に応答して、
限度を越えるシート原稿がセットされたか否かを判別で
きる。この判別に基づいて、限度を越えるシート原稿が
載置されている場合には、その旨をオペレータに警告す
る。なお、載置されるシート原稿の枚数に限度がなけれ
ば、上述の制御動作を行うことなく以下の動作を実行す
ることになる。
【0069】そこで、載置されるシート原稿Dの枚数が
限度以下であることを判別すると、コピースイッチの操
作を待つ。そして、マスタCPU40からその信号が転
送されてくると、スレーブCPU50側では最下部のシ
ート原稿Dの給送を開始するための制御を実行する。そ
のため、まずRAM52の所望の記憶領域を設定し、シ
ート原稿の枚数を記憶しておくカウンタを設定してお
り、各カウンタJ,C,Kを事前にクリア(“0”)
し、シート原稿Dを原稿台2へと給送するために、回転
伝達クラッチCL1,Cl2,CL3を駆動(ON)す
る(n5,n6)。この場合、クラッチCL4を駆動し
ないのは、給送開始であり露光済みのシート原稿を排
出、つまり載置トレイ3−1へと戻す必要が時間的には
ないためである。
【0070】そして、一定時間T1の経過後(n7)
に、CL1の駆動を停止(OFF)し(n8)、シート
原稿の原稿台2の手前で先端を検出するスイッチSW3
の検出状態を判定(n9)する。この時、スイッチSW
3がシート原稿の先端を検出することで、1枚のシート
原稿が給送されたことをカウントするカウンタCを+1
(n10)する。ここで、時間T1としては、給紙手段
3−2による給送により、シート原稿Dの先端が反転搬
送部3−3にて搬送される時間に設定される。この時、
給送されるシートの給紙ローラ側を自由に回転可能にす
る。これにより、次のシート原稿の給送を停止する。
【0071】以上のように、給送されたシート原稿が原
稿台2に達する手前で検出されることで、そのシート原
稿の後端が、載置トレイ3−1を通過し、CL1がOF
Fされていることで、残りのシート原稿はその載置トレ
イ3−1に載置された状態で静止している。この状態
で、再度測距センサ37による距離測定(図8のt1の
タイミングにて測定)を実行(n11)する。この測定
距離Lに基づいて、給送されたシート原稿の厚さdを求
める(n12)ために、先に測定した距離L(L1)
と、1枚給送の終了によるタイミングで測定した距離L
(L2)との差、つまりd=L2−L1により、給送さ
れたシートの厚さdを演算する。この演算をスレーブC
PU50側で行うために、RAM52に先に測定した距
離(L1)、給送後に測定した距離(L2)が記憶され
る。これらの記憶内容に基づいて演算する。この演算し
たシート原稿の厚さdが、基準の厚さdsとほぼ同等で
あれば、重送でなく1枚給紙されたとして判別できる。
しかし、検出した厚さdが基準の厚さdsより大きい場
合には、その給送が重送であるとして、警告(n13
1)し、重送処理を行う。
【0072】上記基準厚さdsとしては、使用するシー
ト原稿Dの厚さが一定であれば、その厚さを事前にRO
M51等に記憶させておき、この記憶内容を読み出し
て、比較する方法でもよい。また使用するシート原稿D
の厚さが一定でない場合には、給送動作を2度行った時
に、1度目の給送動作時の測定した厚さd(d1)と、
2度目の給送動作により測定した厚さd(d2)とを比
較し、ほぼ同一であれば、その特に求めた厚dさを基準
厚さdsとしてRAM52に順次更新記憶させていく。
そして、それ以後の給送動作において利用する。また、
比較の結果、先の測定した厚さd1が、今回測定した厚
さd2より小さい場合には、今回の給送が重送であると
判別でき、先の測定した厚さd1の方が大きい場合に
は、先の給送が重送であることが判別できる。この時、
小さい方を基準厚さdsとして記憶させることで、次回
の給送による重送判別に利用できる。
【0073】そこで、重送判別(n13)において、重
送でない場合には、1巡スイッチSW5の動作状態をチ
ェックする。上記1巡センサSW5は先に説明した通り
であり、自明のものが利用されている。特にシート原稿
の束を載置トレイ3−1に載置した状態でスイッチSW
1がそれを検出し、コピー動作が開始することで、載置
された原稿の最上部にセンサSW5の作動片SW5−1
が載置される。そして、原稿が給送され原稿束の最上部
のシート原稿が給紙されると、作動片SW5−1が最上
部のシートに載置されないため、この状態で1巡センサ
SW5が動作(ON)する。また、原稿束の最上部のシ
ートが給送された後、該最上部シートが載置トレイ3−
1にもどされた時に、この1巡センサSW5の作動片S
W5−1が最上部シート上に載る。これらの動作は、原
稿束が1循環する時に、カウンタCがシート原稿の給送
枚数をカウントしており、そのカウンタCの内容が、原
稿がもどされて来たときのスイッチSW4にて検出され
る信号によりカウントを行うカウンタKの内容と一致し
た時に、上記作動片SW5−1が復帰される。この復帰
は、複写部数(複写設定枚数)に応じた原稿の最終循環
が完了後には、実行されない。
【0074】上記1巡センサSW5が、原稿束の1循環
を検出していなければ、載置トレイ3−1にシート原稿
が存在していることを検出(n15)する。原稿の存在
を検出すれば、載置トレイ3−1へ返送されるシート原
稿を検出するスイッチSW4の動作状態を確認(n1
6)し、その状態を検出することでカウンタKの内容を
+1する(n17)。そして、カウンタKの内容と、1
巡における枚数をカウントしたカウンタCの内容を記憶
したC1の内容とを比較(n18)する。その比較に応
じて上記1巡センサSW5を復帰(n19)させるか否
かを区別し、シート原稿の搬送状態を検出するスイッチ
SW2を動作状態をチェック(n20)する。
【0075】上記スイッチSW2による動作チェック
は、給送されたシート原稿Dの後端が、給送手段3−2
による給送を完了し、特に給紙ローラ3−2aと分離ロ
ーラ3−2bとの間を通過した状態を、上記スイッチS
W2で検出し、次のシート原稿Dの給送を開始するため
である。スイッチSW2がシート原稿の後端を検出した
タイミングで、給送手段3−2を駆動するためのクラッ
チCL1をON(n21)し、次の(2枚目の)シート原
稿の送りを開始する。この場合、先のシート原稿Dにつ
いては、原稿台2へと送り込まれている。上記クラッチ
CL1は、上述したように、一定時間T1経過後(n2
2)に再度OFF(n23)され、次のシート原稿を給
送するために給送手段3−2の動作を停止させる。この
時間T1としては、先に説明したようにシート原稿Dの
給送が開始され、その先端が反転搬送部3−3にて搬送
される状態になる時間に設定する。この時、給送手段3
−2の給紙ローラ等は自由に回転するように構成されて
いる。
【0076】続いて、先のシート原稿Dの後端が、スイ
ッチSW3を通過した状態が検出(n24)されると、
シート原稿Dを原稿台3の所定位置にセットするための
制御が実行される。ここで、載置トレイ3−1上に載置
されるシート原稿が1枚、あるいは循環される原稿が最
終状態でれば、フラグF1がセット(“1”)されてい
る。この説明は後に詳細する。
【0077】そこで、原稿が最終循環でも1枚原稿でも
ない、図8のタイムチャートの例に従って説明する。そ
して、シート原稿がスイッチSW3の位置を通過した状
態で、その後端が原稿台2の基準位置2−1に揃うタイ
ミングは、スイッチSW3から基準位置2−1までの距
離と、シート原稿の搬送速度から、その時間が決まる。
その時間をT2として設定し、スイッチSW3が後端を
検出した時点から時間T2をカウントするタイマを始動
させる。そして、このタイマがT2をカウント(n2
6)することで、CL3をOFF(n27)することで
ベルト搬送手段3−3による動作を停止させる。これに
よりシート原稿Dの後端が、基準位置2−1に規制され
た状態で停止する。
【0078】ここで、シート原稿Dの後端を基準位置2
−1に確実に規制されるために、上記時間T2としてシ
ート原稿後端が基準位置2−1を通過する時間より多少
長く設定し、この時間後にCL3をOFFにし、ベルト
搬送手段3−3を逆方向に駆動する図示しないクラッチ
等をONし、基準位置2−1を通過させた搬送距離より
多少多めに、その駆動を継続して停止させる。このよう
にすることで、段差状態に形成されている基準位置2−
1にシート原稿後端を規制された状態で停止させること
ができ、シート原稿の斜め送りをも同時に補正できる。
このような制御は一般的であって、ここでは本発明と関
係ないため、CL3を単に上述にようにしてON,OF
F制御するものについて例示する。
【0079】上記クラッチCL3がOFFされると共
に、シート原稿Dが基準位置に達したことを示すフラグ
(RAM52の所望の領域を設定)F2をセット
(“1”)する。また、上記タイマがT2をカウントし
ていない場合、n28にてフラグF3のセット状態を確
認する。このフラグF3は、次のシート原稿Dの先端が
スイッチSW3の位置に達した状態を示すものであっ
て、該フラグF3がセットされていない場合には、先の
原稿の原稿台2へセットされる状態おいて、次の原稿が
重ならないように原稿の搬送を停止させ、スイッチSW
3の位置に次の露光を行いシート原稿を待機させるため
である。
【0080】そのため、先のシート原稿Dの原稿台2へ
と搬送中に、次のシート原稿Dが搬送されスイッチSW
3にて先端が検出(n29)されるタイミングで、CL
2をOFF(n30)し、シート原稿をその位置に待機
させる。そして、その状態を示すフラグF3をセット
(“1”)する。また、スイッチSW3がシート原稿先
端を検出していなければ、上述したようにフラグF2の
状態を確認(n31)し、F1がセットされていなけれ
ば、タイマT2のカウント状況を確認し、セットされて
いれば、スイッチSW3が先端検出するのを待つ。
【0081】以上のようにして、先のシート原稿Dが原
稿台2にセットされ、次のシート原稿DがスイッチSW
3に検出されることで、上記フラグF2,F3の内容を
クリア(n33)し、2枚目のシート原稿Dの給送が搬
送されたことをカウントするカウンタCを+1する(n
34)。ここで、上述の説明の流れでは、カウンタCは
“2”をカウントしている。
【0082】このカウンタCのカウント終了後に、測距
センサ37により距離測定(L)が実行(図8のt3の
タイミング)され、スイッチSW3に停止中のシート原
稿の重送状態が判別されることになる。つまり、n35
による測定距離L(L2)において、先の測定距離(n
11)にて測定された距離(L1)との差、d=L2−
L1にて、そのシート原稿の厚さdが演算(n36)さ
れ、これを先に測定した厚さを基準厚さdsとしたもの
との比較(n37)において、重送が検出される。
【0083】シート原稿Dの重送が検出されなければ、
原稿台2にセットされたシート原稿の露光が完了したか
否かが確認(図8の露光終了信号に出力状態の確認)さ
れる。これは、スレーブCPU50側へマスタCPU4
0から伝送される信号の入力を待つ(n38)。ここ
で、スレーブCPU50側からシート原稿が原稿台2に
停止されたことを示す信号をマスタCPU40側に伝送
する。この信号を受けてマスタCPU40側ではシート
原稿の露光を開始する制御を実行する。そして、その露
光が完了すれば、その信号がスレーブCPU50へと伝
送されることで、このステップを抜ける。
【0084】そして、スレ−ブCPU50側において、
原稿台2に停止しているシート原稿を搬出すると同時
に、スイッチSW3の位置に待機しているシート原稿を
原稿台にセットするために、フラグF1のセット状態を
確認(n39)にCL2,CL3,CL4をON(n4
0)する。
【0085】上記各クラッチがONされることで、原稿
台2上のシート原稿、スイッチSW3の位置の待機中の
シート原稿の搬送が再開される。また、クラッチCL2
のONに伴うシート原稿Dが搬送されることで、次のシ
ート原稿Dの給送を制御することになる。つまり、該シ
ート原稿の後端がスイッチSW2にて検出されるのを確
認(n20)する。これは、先に説明したように、次の
シート原稿Dの給送を開始するために、クラッチCL1
をONする動作を実行する。そのため、n14に戻り、
1巡センサSW5の状態を検出し、n15にて載置トレ
イ3−1に原稿が存在していることを確認することで、
ステップn16→n17→n18→n19を経て、スイ
ッチSW2によるシート原稿の後端検出を行った後(n
20)、クラッチCL1をONする。以後の制御動作は
上述に説明した動作が繰返し行われる。
【0086】そこで、載置トレイ3−1の載置されるシ
ート原稿の枚数が1枚であれば、上述した説明におい
て、原稿が給送されると、1巡センサSW5のチェック
(n14)において、それが検出される。そして、カウ
ンタCの内容が“1”でれば、フラグF1がセットされ
る(n41,n42)。該フラグF1が1巡センサSW
5が動作した状態、あるいは原稿の循環が最終でこれに
よるコピーが終了することを示すための条件記憶であ
る。フラグF1がセットされると、ステップn24に進
み、スイッチSW3によるシート原稿の後端検出によ
り、フラグF1の確認(n25)後に、タイマT2がカ
ウントするのを待つ(n45)。
【0087】タイマT2によるカウント後に、クラッチ
CL2,CL3をOFF(n46)する。これにより、
マスタCPU40側に、シート原稿が原稿台2上にセッ
トされたことを知らせ、マスタCPU40ではその原稿
による画像形成動作を開始する。そして、この画像形成
動作を終了すれば、マスタCPU40より、その信号が
スレーブCPU50側に送られる。これによりスレーブ
CPU50側でのステップn38を抜け、フラグF1の
状態が確認(n39)される。この場合、原稿が1枚で
あれば、n47に移行し、露光済みのシート原稿の搬出
を行うため、クラッチCL3,CL4をON(n47)
する。そして、搬出されるシート原稿を検出する排出検
出スイッチSW4の状態を確認することで、排出カウン
タKの内容を+1(n49)し、カウンタCと、排出カ
ウンタKの内容の比較(n50)が行われる。この一致
検出により、クラッチCL3,CL4をOFFすると同
時にカウンタC,K,Jの内容をクリアし、複写動作が
停止することで、次の複写動作の開始を待つ。
【0088】また、原稿が2枚以上の場合においては、
1枚のシート原稿を給送した後、n14の1巡センサS
W5の動作チェックにおいては、1巡検出を行わない。
そのため、次のシート原稿を給送するための動作を実行
する。そして、1枚目の原稿の複写動作が完了すること
で、n38→n39→n40を経て、クラッチCL2,
CL3,CL4をONし、1巡センサSW5のチェック
が行われる。この時、シート原稿が2枚であれば、1巡
センサSW5がこれを検出するため、n41にカウンタ
Cの内容がチェックされる。このチェックにおいて、カ
ウンタCは“2”以上であり、n43にて原稿束が1循
環された状態をカウントするカウンタJの内容を+1す
る。そして、このカウンタJの内容と複写部数の設定枚
数Sとの内容を比較する。つまり、RDH3において片
面原稿を片面複写する場合には、複写設定枚数(S)に
対し、載置されたシート原稿束の循環をS回、行う必要
がある。そのため、1巡センサSW5による原稿束の1
循環をその都度、カウンタJでカウントしておき、この
カウンタの内容が設定枚数(S)と同一になれば、それ
以上のシート原稿の給送を停止させるために、n42に
てフラグF1をセットする。もし、循環回数が設定枚数
より少ない場合には、シート原稿の循環給送を行うため
に、スイッチSW1のシート原稿の存在状態を確認する
n40に移行し、先に説明したようにクラッチCL1を
ONし次のシート原稿を給送するための制御が行われ
る。
【0089】以上の動作を繰り返すことで、n44にて
それ以上の循環が不要であることが確認されると、フラ
グF1がセットされ、給送された最終のシート原稿の原
稿台2へのセットが完了(n24→n25→n45→n
46)すれば、その原稿の露光終了により、RDH3の
搬送経路に存在するシート原稿を載置トレイ3−1へと
返送するためにクラッチCL3,CL4をONし、排出
検出スイッチSW4が検出する毎にカウンタKの内容が
+1され、そのカウンタKとシート原稿枚数を記憶した
カウンタCの内容が一致した状態でクラッチをOFF
し、複写動作を停止する。
【0090】以上の動作において、シート原稿が給送さ
れた後、給送されたシート原稿が原稿台2の手前に配置
されているスイッチSW3にて先端を検出された状態
で、n11,n35にて載置トレイ3−1上に載置され
たシート原稿の最上部までの距離(L)が測距センサ3
7にて測定されている。この場合、シート原稿が給送さ
れその後端が載置トレイ3−1より離れ、給紙手段3−
2による動作を停止させた状態で、上記測距センサ37
による距離測定が実行されるため、載置されたシート原
稿が静止状態であり、かつ安定した状態にある。この安
定状態での測定距離Lに基づいて、給送されたシート原
稿Dの厚さが検出されるため、測距センサ37による距
離測定が安定し、正確なシート厚さdを求めることがで
きる。
【0091】このため、測定した距離(L)にて、シー
ト原稿の厚さdを求めるために、先に測定した距離(L
1)と、今回測定した距離(L2)との差が、厚さdと
して求める(測定)ことができる(n12,n36)。
ここで、n12によるシート原稿の厚さdにおいては、
1枚目の給送にかかるものであって、最初にセットされ
たシート原稿の全束による距離測定が、n2にて実行さ
れており、この時の差により給送されたシート原稿によ
る厚さが、求められる。しかしながら、求めた厚さdに
基づいて、重送検出のためのステップn13において
は、比較対象がないため、重送検出ができない。つま
り、複写するシート原稿の束における全原稿の厚さは同
一であっても、他のシート原稿の束が同一であるとは限
らない。そのため、1枚目の給送における重送検出にお
いては、給送されるシート原稿の厚さに基づいて実行さ
れない。
【0092】そこで、使用されるシート原稿の厚さの最
大値を予め記憶させておき、該厚さ以上のシート原稿の
厚さをn13にて検出した時に、このシート原稿の給送
が重送であるとして簡単に判別できる。また、使用する
シート原稿が一定である場合には、その厚さを基準値d
sとして予め記憶でき、これに基づいて1枚目の給送に
おいて重送であることを簡単に判別できる。
【0093】また、n37により重送検出においては、
2枚目以降のシート原稿給送によるものであって、1枚
目のシート給送においてn12で検出した厚さdを基準
厚さdsと仮定し、これとの比較において2枚目以降の
給送が重送であるか否かが判別される。そのため、n3
7による比較において、先のシート原稿給送による厚さ
dsより、今回の給送による厚さdの方が大きい場合に
は、そのシート原稿給送が重送であると判別される。ま
た、先のシート原稿の厚さの方が大きい場合には、先の
シート原稿の給送、つまり1枚目のシート給送が重送で
あることが判別される。そのため、今回測定したシート
の厚さdが基準として記憶され、次回のシート給送によ
り重送検出に利用される。
【0094】以上のようにして、シートが給送される毎
に、シート原稿の厚さが求められ、これにより重送検出
が行われる。そのため、このn11又はn37による重
送検出に応じて、重送処理(n100)が実行される。
この重送処理としては、シート原稿の給送を一時停止
し、重送された状態を表示又は音声にてユーザに報知す
る。そのため、ユーザ側では重送されたシート原稿につ
い、載置トレイ3−1等に戻す処理を行える。これによ
り、重送によりシート原稿の複写ミスを無くしことがで
きると共に、重送によるジャムを未然に阻止できる。ま
た、重送検出するために距離測定を行う簡単な測距セン
サ37を設けるだけでよく、その配置状態等に制限を受
けることなく、正確な検出を可能にできる。
【0095】一方、RDH3によるシート原稿の重送検
出においては、複写装置本体1の複写画像の形成プロセ
スにおいては異常が存在していない。また、シート原稿
の重送を検出していても、シート原稿の送りに支障がな
い場合、つまりジャム検出が行われない場合には、複写
装置本体側の画像形成動作を一時停止しておき、RDH
3側での自動復帰を行うことができる。
【0096】そのために、重送検出が行われることで、
図7のステップn100の処理において、図9によるフ
ローを実行することで自動復帰できる。まず、n13又
はn37にて重送が検出されることで、複写装置本体側
のマスタCPU40においては、画像形成プロセスを一
時中断する。この時、先の重送されていないシート原稿
による画像形成が継続しておれば、その動作が終了する
のを待って、動作を中断する。また、重送が検出された
シート原稿の画像形成のための複写用紙が給送されレジ
ストローラに待機中であれば、その用紙をそのまま待機
させ、先のシート原稿による画像形成済みの複写用紙を
処理装置側へと排出し待機する。つまり、RDH3によ
るシート原稿の重送検出においては、シート原稿Dが原
稿台2上にセットされる前の段階、つまりスイッチSW
3において検出されている段階で検出されるため、その
シート原稿による複写動作は開始されていない。
【0097】従って、重送検出された時点では、原稿台
1にセットされている複写動作が確実に完了し、処理装
置側へ排出した状態で待機させることができる。そこ
で、RDH3側での原稿の搬送制御においては、原稿台
2上の原稿の露光走査が完了するのを待って、該シート
原稿の搬出処理と同時に、重送されたスイッチSW3の
位置で停止中のシート原稿をそのままの状態で載置トレ
イ3−1へと返送するための動作を実行する。そのた
め、クラッチCL1以外のクラッチを動作させシート原
稿の搬送を開始させる。そして、図7で説明したように
載置トレイ3−1のシート原稿の1巡センサSW5が動
作するまで、給紙手段をも順次駆動させ、原稿を原稿台
上に停止させることなく空送りする。そして、1巡セン
サSW5が1循環を検出すれば、その最終のシート原稿
が載置トレイ3−1に返送された状態で、1巡センサS
W5を復帰させる。
【0098】以上の態様をさらに詳細に説明すれば、図
9に示す重送検出における処理がスレーブCPU50側
で実行される。まず、重送を検出した時点のカウンタC
の内容が“C2”としてRAM52に記憶(s1)され
る。そして、重送状態のシート原稿及び、原稿台2上の
シート原稿等を排出させるために、クラッチCL2,C
L3,CL4がON(s2)され、1巡センサSW5に
よる1巡検出を行ったか否かのチェック(s3)を行
う。1巡センサSW5が1巡を検出していなければ、排
出検出スイッチSW4の検出状態を確認し、確認すれば
カウンタKの内容を+1する。このカウンタKの内容は
上述した図7における排出検出に応じた状態をそのまま
維持している。
【0099】そして、スイッチSW2によるシート原稿
後端の検出状態を確認(s6)し、この確認後に、シー
ト原稿束の1巡の給送を行うために、クラッチCL1を
ON(s7)し、給送動作を開始する。この給送が完了
すれば、クラッチCL1を一旦OFF(s9)に次の給
送まで待機する。そして先の重送されたシート原稿の後
端がスイッチSW3の通過を待って(s10)、次ぎに
上述した重送後に給送されたシート原稿先端がスイッチ
SW3へ達するのを待つ(s11)。該検出が行われる
と、カウンタCの内容が+1(s12)され、再度s3
に戻り1巡センサSW5による1巡検出のチェックを行
う。以上の動作が1巡センサSW5が1巡を検出するま
で継続され、載置トレイ3−1上のシート原稿が順次給
送されていき、その枚数がカウンタCにカウントされる
と共に、載置トレイ3−1に返送されるシート原稿の枚
数がカウンタKにてカウントされる。
【0100】そこで、1巡センサがシート原稿の1巡を
検出すると、カウンタCとKとの内容が一致したか否か
がチェックされ、一致しなければスイッチSW4による
シート原稿の検出(s14)毎に、カウンタKの内容を
+1(s15)する。これにより、カウンタKの内容が
カウンタCに一致する段階で、1巡センサSW5を初期
状態に復帰(s16)させ、カウンタC,Kの内容をク
リア(s16,s17)する。その後に、測距センサ3
7により全シート原稿の最上部までの距離(L)を測定
(s18)する。
【0101】以上の状態で、シート原稿Dは、元の初期
の載置状態に載置トレイ3−1に復帰する。そして、先
に重送検出された時点まで、シート原稿の空送り、つま
りシート原稿の複写を行うことなく載置トレイ3−1へ
と返送する動作を実行する。そのために、シート原稿を
給送すべく、クラッチCL1をON(s19)する。こ
の場合、クラッチCL2,CL3,CL4はON状態が
継続している。1枚目のシート原稿の給送が開始され
る。この給送が完了(s20)すると、クラッチCL1
がOFF(s21)され、スイッチSW3での先端検出
が行われる(s22)。この先端検出後、カウンタCの
内容が+1(s23)され、測距センサ37により載置
トレイ3−1上に載置されるシート原稿の最上部までの
距離(L)が測定(s24)される。
【0102】上記測定距離(L)と1巡した後に1巡セ
ンサSW5が復帰された時にs18で測定した距離
(L)との差により給送されたシート原稿の厚さdが求
められ(s25)、該厚さdと重送前の基準となる厚さ
dsとの比較(s26)を行い、重送でないことを検出
することで、次のフラグF4のチェック(s27)を行
う。該フラグF4は、重送検出された時点のシート原稿
が給送される状態を検出した時の条件記憶のためのフラ
グであり、この状態はまだセットされていない。
【0103】そこで、排出されるシート原稿の検出をS
W4にて行った信号により、カウンタKの内容が+1さ
れ、カウンタCの内容が重送検出時の内容を記憶したC
2の内容より1減算(−1)した値と等しいかが比較
(s30)される。これは、図7において、カウンタC
の内容が+1される(n34)のは、給送されたシート
原稿先端がスイッチSW3にて検出された時に行われ、
重送検出される前である。そのため、カウンタCの内容
が+1するタイミングをn37の重送検出により重送で
ないことが確認された後に行えば、重送されたシート原
稿のカウントが行われず、よってC2の内容をそのま
ま、カウンタCの内容と比較できる。
【0104】上記s30による一致がなければ、スイッ
チSW2による給送されるシート原稿の後端検出(s3
1)後に、s17に戻り次のシート原稿の給送を開始さ
せる動作を実行させる。このようにして、重送検出され
たシート原稿の給送タイミングになれば、s30→s3
2へと移行し、フラグF4をセット("1")する。そし
て、重送したシート原稿の給送開始に際し、クラッチC
L1をON(s33)することで、そのシート原稿の給
送を開始させる。この時、再度重送されることのないよ
うに考慮するとよい。
【0105】そのため、図2に示す通り、シート原稿D
の束の先端よりエアーを吹き付け、積載されたシート束
を捌き1枚給送を確実にするためのエアー吹出口3−7
を設けている場合、そのエアーの吹き付けにおいてシー
ト分離をより確実に行うためにも、エアー流量を多く設
定して分離を確実にする。これは、重送される前の給送
時に設定されたエアー流量より多めに設定する。この場
合、給送手段3−2においては、最下部のシート原稿を
ベルトにエアーの吸引を利用して吸着する場合において
は、そのエアー吸引量については一定にしておく。な
お、給送手段3−2が摩擦による給送を行う場合には、
給送手段の送り速度を遅くするなどして、分離効果を高
めて重送状態を阻止するように制御する。
【0106】ここで、シート原稿を含みシートは、周囲
の雰囲気に大きく左右される。特に、湿度の変化により
シートの分離が困難になり重送が多発することにもな
る。そのためにも、図3に示す通り、マスタCPU40
やスレーブCPU50に湿度センサからの信号を入力
し、これに基づいて1枚のシート給送を行うために、エ
アーの吹き付けを制御する。つまり、シート給送先端側
に図2等に示す吹出口3−7を設け、この吹出口3−7
より湿度センサからの信号により、エアー流量を制御す
ることで、分離効果を高め、重送を阻止することができ
る。
【0107】以上のように先に重送したシート給送の動
作が完了すれば、クラッチCL1をOFFし、ステップ
s22に戻り、スイッチSW3による先端検出に基づい
て、カウンタCの内容を+1し、重送検出のための距離
測定(s24)を実行する。この距離測定に基づく重送
検出(s26)において、重送が検出されなければ、s
27のフラグF4のチェック後、該フラグF4をクリア
(s36)し、図7のフローのn24に戻り、給送され
たシート原稿の原稿台2への停止動作を実行する。以後
は、図7において説明した複写動作を行うためのシート
原稿の給送制御が上述に説明した動作に従って実行され
る。
【0108】上述の通り、重送検出を行っても、重送さ
れたシート原稿のジャム状態が検出されなければ、自動
復帰するための重送処理が実行される。そのたユーザ側
での重送したシート原稿の手動により載置トレイ3−1
へと複写が完了した状態で復帰させるといった非常に煩
わしい重送処理の作業が不要となる。
【0109】以上の実施例の説明においては、RDH3
によるシート原稿の給送による重送検出について説明し
た。ここで、問題となることがある。つまり、RDH3
を利用してシート原稿を露光位置へと搬送し、これを載
置トレイ3−1へと循環搬送するため、シート原稿が複
写を終了しても、シート原稿面から測距センサ37まで
の高さが徐々に増加(シートの減少により間隔が増大)
することがない。そのため、載置トレイ3−1へと戻る
シート原稿にて、最上部までの距離が減少し、給送され
ることで距離が増加してこれを繰り返し行う。
【0110】以上のようにRDH3によりシート原稿面
までの測距センサ37までの距離の変動状態を図10に
示した。シート原稿を載置した時の初期の状態の測定距
離Lにおいて、給送手段3−2による給送が行われるこ
とで、その距離Lが徐々に増加する。この図10は、シ
ート原稿がRDH3の搬送経路に3枚存在する状態を示
す。そのため3枚給送されることで、その距離が徐々に
増加する。そして、3枚目のシート原稿が給送された
後、最初に給送されたシート原稿が載置トレイ3へと復
帰した状態で、その距離が減少する。そこで、最初のシ
ート原稿が給送される前の初期の距離L1と、最初のシ
ート原稿が給送された後の距離L2との差が、給送され
たシート原稿の厚さdである。
【0111】そのため、3枚のシート原稿が搬送経路に
存在する場合には、3枚目のシート原稿が給送されるま
での測定距離の差に基づいて、給送されたシート原稿の
厚さを求めることができる。そして、それ以後におい
て、復帰する最初のシート原稿が載置トレイ3−1へと
戻された後の状態で測定した距離l1と、先に給送され
た後の測定距離L4との差を求めることで、復帰された
シート原稿の厚さdを再度求めることができる。そのた
め、復帰したシート原稿の重送状態をも確認できる。そ
して、4枚目以降の給送シートの重送検出においては、
原稿が循環して載置トレイ3−1に復帰した時の距離l
1と、4枚目以後に給送された後の距離L5との差を求
めることで、給送されたシート原稿の厚さdを求めるこ
とができる。
【0112】その測定のタイミングにおいては、図8の
タイムチャートにおいて示している通りであり、測定の
タイミングt1,t2,t3,t4,t5・・において
その都度測定し、この測定距離を記憶しておくことで、
給送されたシート原稿の厚さd、復帰したシート原稿の
厚さdを求めることができる。
【0113】上述の実施例の説明においては、RDH3
によるシート原稿により重送検出であるが、先に説明し
た通り、RDH3によるシート原稿の重送検出に限られ
るものではない。
【0114】例えば、原稿を自動給紙し、露光を終了し
た原稿を給送するための載置トレイとは別の排出トレイ
へと排出してなる原稿自動送り装置(ADF)において
も実施できる。その具体的なADFの一例としては、図
11に示す通りである。
【0115】ADF60は、図1に示す複写装置本体の
原稿台2上にRDH3の代わりに備えられる。このAD
F60は、原稿を載置する載置トレイ61、載置された
シート原稿を上部より給送する給紙ローラ62、給紙さ
れたシート原稿を更に給送する給送ローラ63及び、2
枚送りを阻止する分離ベルト(又は分離ローラ)64、
給送されるシート原稿を一旦停止させ原稿台2への搬送
開始のタイミングが画像形成動作と同期させるためのレ
ジストローラ65、原稿台2と対向して配置されシート
原稿先端を基準位置に揃えて搬送する搬送ベルト66、
基準位置を構成し図示しない駆動部材にて下方に出没可
能でありストッパー67、露光終了後のシート原稿を反
転搬送する反転搬送部68、及び反転搬送部を介して排
出されるシート原稿を受ける排出トレイ69から構成さ
れる。
【0116】載置トレイ61上のシート原稿(D)は、
上下移動する給紙ローラ(ピックアップローラ)62の
下方向への移動により最上部より1枚給紙され、給送ロ
ーラ63および分離ベルト64により重送を阻止され1
枚給送が行われた後、レジストローラ65の位置で一旦
停止させる。レジストローラ65は、複写装置本体との
複写動作と関連して駆動制御され、給送されたシート原
稿の先端を該ローラ位置で整合することで斜め送りを阻
止する。上記レジストローラ65の位置にはシート原稿
の給送状態を検知するスイッチSW6が配置されてお
り、該スイッチSW6の検知信号より多少遅延させて給
紙及び給送ローラ62,63の駆動を停止する。
【0117】レジストローラ65の回転が開始される
と、搬送ベルト66にてシート原稿が複写装置本体1の
原稿台2上に送り込まれ、その先端がストッパー67に
当接した状態で、上記搬送ベルト66の駆動が停止す
る。この停止状態が複写装置本体側の図3に示すマスタ
CPU40に送られ、原稿台2上に載置されたシート原
稿の画像形成動作が開始さると共に、ADF60側のス
レーブCPUにおいては、次のシート原稿をレジストロ
ーラ65の位置まで給送するために給紙ローラ62及び
給送ローラ63が駆動され、次のシート原稿をレジスト
ローラ65へと送り込み、上記スイッチSW6の検出に
応答して上記給紙ローラ62等の駆動を停止する。
【0118】複写装置本体側での原稿台2上のシート原
稿の画像形成、つまり設定された枚数分の露光が完了す
れば、該露光済みのシート原稿を排出トレイ69上に排
出するために、まずストッパー67が原稿台2の表面を
下方に没し、搬送ベルト66及び反転排出部68が駆動
されシート原稿が排出トレイ69へと排出される。この
排出されるシート原稿先端が排出口近傍に配置されたス
イッチSW7にて検知されると、これに応答してレジス
トローラ65の位置に待機しているシート原稿が原稿台
2へと送り込まれる。このタイミングで、上記ストッパ
ー67が元の規制一の状態に復帰し、シート原稿先端が
ストッパー67の位置に規制された状態で停止される。
この状態で、次のシート原稿のレジストローラ65への
送り込みも実行される。以上の動作が載置トレイ61上
のシート原稿がなくなるまで繰り返される。
【0119】そこで、ADF60によるシート原稿の給
送時において、その給送されるシート原稿の重送を検出
するために、RDH3のシート給送において説明したよ
うに測距センサ37−2による載置されたシート原稿の
最上部までの距離を、その都度測定させる。これによ
り、先の測定距離と今回の測定距離との差をシート原稿
の厚さdとして求め、該厚さdが基準となるシート原稿
の厚さds、あるいは先のシート原稿の厚さ(ds)と
の比較において重送状態を検出する。
【0120】そのためにも、図11に示す通り、上記測
距センサ37−2については、載置トレイ61上のシー
ト原稿と対向した配置され、載置されるシート原稿の最
上部までの距離を測定する。この測定のタイミングとし
ては、最初のシート原稿の束が載置トレイ61に載置さ
れた状態で、この載置状態を図示していない検知スイッ
チ(原稿サイズ等を検知するスイッチにて兼用しても
可)が検知すると、これに応答して測距センサ37−2
により距離測定を開始させる。次に、給紙が開始され、
レジストローラ65の位置へと最上部のシート原稿が給
送され、給紙ローラ62、給送ローラ63の動作が停止
した状態で、上記測距センサ37−2により距離測定を
行う。この測定に関しては、シート原稿の給紙を停止し
たシートの静止状態であり、正確な測定が望める。
【0121】以上のようにシート原稿の給送を行いレジ
ストローラ65の位置でシート原稿が静止したタイミン
グを利用して測定した距離と、シート原稿を最初に載置
した時の測定距離との差を求め、給送されたシート原稿
の厚さ(d)を測定する。この給送されたシート原稿の
厚さ(d)が基準厚さ(ds)より大きい場合には、該
給送されたシート原稿が2枚以上の重送給紙であること
が検出される。
【0122】この場合、RDH3による重送検出と同様
に、最初のシート給送による原稿の測定した厚さ(d)
と、基準厚さ(ds)との比較において、使用されるシ
ート原稿の厚さが全てにおいて同一であれば、該厚さ
(ds)を予め記憶しておけばよい。しかし、シート原
稿の厚さが、束毎に一定でない場合には、最初のシート
原稿の基準となる厚さ(ds)がなく、最初のシート原
稿については重送か否かの判断を行わず、このシート原
稿の厚さを基準(ds)として記憶する。そして、次の
シート原稿の給送に基づく測定した厚さdと先のシート
原稿の厚さとを比較し、次のシート原稿の厚さが最初の
シート原稿の厚さより大きければ、そのシート給送が重
送であることを検出する。
【0123】この検出において、先のシート原稿につい
ては、複写動作が終了した状態で、排出トレイ69へと
排出されるべく、搬送ベルト66、反転搬送部68を駆
動する。しかし、重送であることを検出されたレジスト
ローラ65の位置まで給送されたシート原稿について
は、原稿台2へと送り込むことなく、ユーザ側に重送で
あることを表示あるいは音声等にて報知する。これによ
り、ユーザにレジストローラ65のシート原稿が重送で
あることを知らせ、その重送処理を行うことを促せる。
この重送検出されたシート原稿については、ユーザ側で
捌いて載置トレイ61に戻す。この処理後に複写装置本
体側のコピースタートスイッチを操作することで、シー
ト給紙指令が出力されて、重送したシート原稿の再給紙
が開始される。
【0124】この時、ユーザ側で載置トレイ61へと戻
す時に、シートを捌くことで、重送の確立を低下でき
る。また、該給紙においては、先の給紙速度より多少遅
く設定して給紙ローラ62、給送ローラ63の速度制御
を行うことで、シートの給紙及び分離作用効果を高める
こともできる。また、用紙給紙のためにエアーにより用
紙を事前に捌くものであれば、エアーの吹き付け量を多
くするように設定すれば、重送の防止に貢献できる。
【0125】また、シート原稿の重送検出に伴い、上述
の動作では、ユーザが重送したシート原稿の処理を行っ
ているが、レジストローラ65の位置で停止しているシ
ート原稿を自動的に載置トレイ61へと搬送することも
できる。つまり、シート原稿がジャムでないため、シー
トを給送する手段、つまり給送ローラ63、給紙ローラ
62を逆駆動させることでトレイ61側へと送り戻すこ
ともできる。この時、分離ローラ64については、自由
に回転する状態に構成するか、停止状態に維持するよう
にすれば、重送したシート原稿を捌く効果が作用するた
め、載置トレイ61へのシート原稿の復帰後の給紙動作
時に重送を阻止するのに役立つ。
【0126】ここで、重送が検出されると、ユーザ側で
重送した原稿を原稿載置トレイ61へと捌いて載置した
後、コピースタートの操作を行われると、給送動作を行
う時に給紙ローラ等の送りを遅くする等の処理を行って
いる。この重送検出に応答して、給送動作を一時停止さ
せ、ユーザ側での処理を促すことことはユーザ側の負担
を重くし、煩わしい作業を強いることにまる。このよう
な課題を解決するためには、重送したシート原稿を分離
し、1枚のシート原稿の給送を行うことが望まれる。
【0127】これは、上述したようにRDH30等にお
いては、シート原稿が原稿載置トレイへと戻され、再度
給送が行われる時に、そのシート原稿の重送を阻止する
ために、シート給送速度を遅くする等することで実現さ
せているが、図11に示す原稿自動搬送装置ADF60
においては、給送中のシート原稿において、重送を阻止
する手段を備えたものであれば簡単に実現できる。
【0128】以下のその実例を明記する。図11のシー
ト原稿の原稿自動搬送装置(ADF)60を例に説明す
るが、シート状の用紙を給送する時にも、当然のことで
あるが、給送された後のシートの重送を阻止するための
手段が備えられているのが一般的である。図11では先
に説明したように分離ベルト64が重送を阻止する手段
であって、給送されるシート原稿を戻す方向に駆動され
る。この分離ベルト64は、ベルトでなく分離ローラと
してもよいことは勿論である。
【0129】上記分離ベルト64は給送ローラ63の回
転駆動手段とは別の駆動手段が設けられている。つま
り、分離ベルト64は、シート原稿を給送する方向と反
対方向に駆動される。そして、分離ベルト64は図示し
ていないトルクリミッタを介して回転駆動されている。
これは、給送ローラ63とシート原稿との給送力、特に
シート原稿と給送ローラ63との圧接力を含む摩擦力
が、分離ベルト64のトルクリミッタを介した戻し力よ
り勝った時に、分離ベルト64は従動回転される。例え
ば2枚給紙されるシート原稿において、トルクリミッタ
による下部のシートの戻し力が、シート間の摩擦抵抗よ
り大きい場合には、分離ベルト64により下部シートが
戻され、重送りが阻止される。しかし、シート間の摩擦
力を含めた吸着力の方が大きければ、給送ローラ63に
より2枚送りされ、同時に分離ベルト64はトルクリミ
ッタに関係無く送り方向に回転される。
【0130】そこで、2枚のシートの分離作用(分離
力)を、シート間の吸着力より大きくするには、分離ベ
ルト64がシートに作用する摩擦力を大きくすることが
必要となる。そのため、給送ローラ63による給送速度
を遅くするか、シート給送を停止させた状態で分離ベル
ト64を戻す方向に回転駆動させるか、分離ベルト64
がシートへ圧接する加圧力を大きくする等することが考
えられる。
【0131】そのために、測距センサ37−2にて最上
部までのシート原稿までの距離(L)が測定され、これ
により上述したように重送検出が行われた状態におい
て、給送ローラ63の回転速度を遅くするか、または停
止させた状態において、分離ベルト64をシートを戻す
方向に回転制御する。特に給送ローラ63の駆動を停止
させることで、給送ローラ63と給送するシート原稿の
摩擦抵抗を、下部シート原稿と給送シート原稿との摩擦
抵抗より大きくし、分離ベルト64と圧接する下部シー
ト原稿の分離をより効果的に行える。
【0132】以上のようにすることで、ユーザ側でのシ
ート原稿の煩わしい捌き作業を解消でき、ユーザ側の負
担を軽減できる。また、給送動作を一時停止させる必要
なく、重送シートを分離させて給送動作を継続できる。
さらに、シート原稿としては、所望の位置へと送り込ま
れる前、つまりレジストローラ65にて搬送が開始され
る以前に、分離動作を行えるため、複写動作に何ら影響
を与えることがなくなる。
【0133】また、給送ローラ63の回転速度を制御す
ることにより分離力を調整し、重送シートの分離を行う
こと以外に、上述したように分離ベルト64の分離手段
による加圧力を制御することでも分離力を高めることが
できる。図15には分離手段として分離ローラを用いた
場合による給送装置の一例を示す。
【0134】図15においては、シート原稿又はシート
用紙の給紙装置80の一例であり、シートSは底板の載
置トレイ81に載置されている。この載置されたシート
Sに対してシートを給紙するためのピックアップローラ
82が設けられている。このピックアップローラ82に
最上部のシートを加圧するために載置トレイ81の下部
を押し上げるレバー83が図示していないスプリングの
付勢力により加圧される。ピックアップローラ82にて
給送された最上部のシートSは、次に給送ローラ84と
分離ローラ85との間に送り込まれる。
【0135】上記給送ローラ85及びピックアップロー
ラ82はシートを給送する方向に連結歯車86を介して
回転駆動されており、この回転駆動とは独立して分離ロ
ーラ85がトルクリミッタを介してシートを戻す方向に
回転駆動される。特に分離ローラ85はその回転軸が加
圧アーム87に支持されており、該加圧アーム87はス
プリング88の付勢力により分離ローラ85を給送ロー
ラ84へと所定の圧力でもって加圧している。この加圧
アーム87は偏心カム89がスプリング88を介して設
けられており、該偏心カム89が回転されることで、給
送ローラ84への加圧力を調整制御できる。
【0136】一方、載置トレイ上に載置されるシートS
の給送方向と反対側の後端を規制する後端規制板90上
には、載置トレイ81に載置された最上部のシートS面
までの距離(L)を測定する測距センサ37−4を設け
ている。
【0137】以上の構成のものにおいて、ピックアップ
ローラ82により、最上部のシートSが給紙され、該シ
ートSが給送ローラ84と分離ローラ85間に送り込ま
れた後、図示しないレジストローラへと送り込まれるま
での間に、測距センサ37−4により距離測定、つまり
給紙前に測定された距離(L1)に対し、給送後にシー
トが給送ローラ84と分離ローラ85の間に送り込まれ
た後の測定距離(L2)応じて重送が検出が行われる。
この時、重送が検出されると、分離ローラ85の給送ロ
ーラ84への加圧力を強くするために偏心カム89を回
転させる。これによりシート間の摩擦力より分離ローラ
86と下シートとの摩擦力をより強くし、シートの分離
力を強化することでシートを載置トレイ81へと送り戻
すことができる。この場合においても、給送ローラ86
の回転を停止させることで分離作用をより効果的に行え
る。
【0138】また、分離されたシートが送り戻された時
に、分離ローラ85の給送ローラ84への加圧力を元に
戻し、給送ローラ84の駆動を元の状態に復帰させて給
送動作を行うことができる。この時、分離ローラ85の
加圧力が増強されたままであると、1枚シートの給送が
阻害されることにもなり、皺よりやジャムの発生の原因
にもなる。このような課題を解決するためには、重送さ
れたシートSの分離が確認されれば、給送ローラ84や
分離ローラ85を元の状態に復帰させることで、給送動
作を確実に行うことができる。
【0139】上記重送時のシートの分離の確認のために
は、分離されたシートが戻されることを確認することで
行える。つまり、シートが送り戻されることをスイッチ
等を配置して検出することができる。あるいは、戻され
るシートが載置トレイ81へと復帰した時に、測距セン
サ37−4がそれを検出することで確認を行える。つま
り、重送を検出した時の記憶された測定距離(L2)
と、シートが送り戻された時に測定した距離(L1)と
の差d=L1−L2が、重送検出を行われなかった1枚
給紙により検出した時のシート厚(ds)とが略々同一
であれば、シート分離が行われたことを確認できる。こ
の確認が行われるまで分離ローラ85の戻し方向の駆動
を継続させ、給送ローラ84の駆動速度は遅く、あるい
は停止させておく。
【0140】上述のシートの戻し検出において、重送検
出を行う前の測定距離(L1)と重送検出されたシート
が戻された時の測定距離(L)とが同一であれば、重送
シートは分離されずにそのまま戻されたことになる。こ
の場合には、分離不能としてユーザに報知すればよく、
給送動作をこの時点で停止させる。この報知により、ユ
ーザは戻されたシートを自ら捌いて元に戻すか、そのシ
ートの給送を阻止するために取り除くことにより重送を
阻止できる。
【0141】上記重送を検出するための測距センサ37
−4の配置位置としては、シートの後端を規制する後端
規制板90に設けて、給送された後のシートの最上部ま
での距離を測定している。この時、重送検出を行った
後、重送した下部シートが戻され、その後端が測距セン
サ37−4の位置まで戻る必要がある。そのためにも、
測距センサ37−4はシートの後端縁の距離測定を行う
ことなく、後端縁より相当の距離を隔てた位置を測定す
るように配置するとよい。
【0142】なお、重送が頻繁に起こる場合には、シー
ト間の摩擦抵抗やその他の原因により、シート間の吸着
力が非常に強いことが考えられる。この原因としては、
高湿度時や低湿時による摩擦帯電による吸着力が強くな
るもとの考えられる。これを解決するためには、重送検
出が頻繁になれば、分離作用を高めるように、分離ロー
ラ85の給送ローラ84への加圧力を高め、その状態を
維持させることで解決できる。また、給送ローラ84の
給送速度を最初から遅くするなどして、分離効果を高
め、重送を阻止することもできる。
【0143】一方、複写装置本体には、特定の給紙装置
のみが備えられることなく、多数の給紙装置が備えられ
ている。図1に示すように給紙装置が複数個設けられて
おり、各給紙装置20,21,22においては、固有の
サイズのシート用紙がセットされるように構成されてい
る。これらの給紙装置は、選択的に使用され、同時に駆
動されることはない。
【0144】そのため、給紙装置20,21,22の個
々の上述した測距センサ37を個々に設け、夫々にシー
ト用紙の重送検出を行うことにより給紙装置固有の適正
分離力を作用させて重送防止を行うことができる。つま
り、夫々の給紙装置において給送ローラ及び分離ローラ
の駆動速度や分離ローラの加圧力を一定にすることな
く、給紙装置固有の分離ローラの加圧力や給送ローラの
給送速度を設定することができる。これは、重送検出を
行う毎に、重送しないような給送速度や分離ローラの加
圧力を制御し、この状態の分離条件を給紙装置個々に記
憶しておき、選択された給紙装置固有の分離力を作用さ
せて重送を阻止するようできる。そのため、個々の給紙
装置固有の制御を行うことができる。
【0145】そして、給紙装置内のシート用紙が無くな
り、該シートを補充した場合には、それを検出するスイ
ッチからの信号による初期値に設定するとよい。つま
り、給送動作を行っていく過程で、重送検出が行われる
と、適正分離を行える給送ローラや、分離ローラの速度
又は加圧力の制御を行うことになるが、補充当初におい
ては初期の状態に設定する方が効果的であるといえる。
つまり、給送ローラの速度や分離ローラの加圧力におい
ては一定量のシートがセットされた状態において重送し
ない状態で設定されているためである。そのため、初期
の状態から初めて、重送検出毎に個々に適正分離力が作
用するように制御できる。この初期設定に戻さずに重送
される毎に分離ローラの加圧力を増加すれば、1枚給送
されるシートの給送をも阻害することにもなる。
【0146】従って、シートを補充した状態において
は、初期の状態に復帰さて重送の状態に応じて分離ロー
ラの加圧力を徐々に増加させ、適正分離力による重送防
止を行うことが最適である。
【0147】そこで、重送検出に応じて分離力を増すた
めに分離ローラの加圧力を増加させ、所定の加圧力を越
えると給送シートの皺より等の問題が発生する。この加
圧状態で重送が検出された時には、給紙装置による給送
手段、特に給送ローラ及び分離ローラの交換等を行う必
要があり、これをユーザ等に知らせるために報知するよ
うにすればよい。
【0148】以上は重送検出に応じて、給送動作を停止
させることなく、給送されるシートを分離させべく分離
力を増長させるように制御している。これは原稿の給送
においては是非とも必要となる。しかし、画像が記録さ
れるシート用紙においは、この限りではない。つまり、
片面複写を行う場合においてシート用紙を給送する場合
には、給送ローラの送りを遅くする等の制御を行うこと
なく、重送された状態を検出しても、ジャムしなければ
重送シートがそのまま複写装置の外へと排出されても差
ほど問題となならない。そのため、重送検出しても複写
条件が片面複写においては、ジャム検出されなければ重
送検出に応じて複写動作を停止することなく、給送ロー
ラの送り速度をも遅くすることなく給送制御を行うこと
ができる。この場合には、重送検出に応じて分離ローラ
の給送ローラへの加圧力を強くするように制御し、重送
阻止を行うだけでも次回の給送動作における重送防止に
貢献できるだけでも効果的である。
【0149】しかしながら、複写条件として両面複写や
同一面に異なる画像を合成複写する場合においては、重
送状態で複写が行われると、両面複写の場合に一方の面
が白紙であるシートが排出されたり、所望の画像を記録
されないシートが排出されることにもなる。そのため
も、重送検出に応じて重送したシートを、上述したよう
に分離することが重要となる。この場合には、複写動作
を一時停止させるか、あるいは上述したように重送中の
シートを分離させるように制御することが最適となる。
【0150】以上のように、RDH30によるシート原
稿の給送とは異なり、シート原稿やシート用紙が給送さ
れる毎に、載置トレイ61上のシート原稿の量が減少す
ることで、シート原稿面から測距センサ37−2までの
距離徐々に増加し、減少することはない。そのため、給
送前の測定距離を、給送されたシート原稿の厚さを求め
後に、その都度更新記憶することで簡単に給送シートの
厚さdを求めることができる。
【0151】以上は、シート原稿あるいはシート用紙の
送りによる重送検出について説明したが、図12に示す
ように、複写装置本体1内のシート用紙である転写紙に
ついて、エアー給紙する給紙装置についても同様に重送
検出装置を備えて実施でき、該重送検出に基づき、給紙
動作を停止させて重送によるジャムを事前に阻止するこ
とができる。
【0152】図12は、エアーを利用した給紙装置であ
って、複写装置本体内に配置された給紙装置20,2
1,22の一例を示す。そこで、給紙装置20について
詳細に説明しておく。
【0153】給紙装置20は、上下移動可能に設けられ
るトレイ202に多数の決まったサイズのシート状の転
写紙Pが積載されており、図示しない駆動モータの制御
により、載置された転写紙の最上部が一定の高さまで上
昇するように、上記駆動モータを介して上記トレイ20
2の上昇制御している。また、トレイ202内の転写紙
が無くなった時、またシート用紙の補充を行う必要が生
じた時に、トレイ202は最下部まで駆動モータの動作
により下降される。
【0154】また、載置された転写紙Pに対向するよう
にして配置された給紙手段201は、最上部のシート用
紙Pより順に給送するための給送ベルト203が設けら
ている。この給送ベルト203には、サクション手段の
一部が内装されており、最上部のシート用紙Pをエアー
吸引によりベルト203に吸着し、該ベルトの移動によ
り給送する。この給送手段を構成する給送ベルト203
と共に、用紙載置トレイ201上に載置されるシート用
紙をそれぞれに分離し、1枚給送を確実にするためのエ
アー吹出口204を配置している。このエアー吹出口2
04からのエアーの吹き出しにより分離された転写紙P
の最上部のものが、サクション手段により給紙ベルト2
03に吸着され、ベルト203の回転により1枚給送を
行うことができる。給送された転写紙Pは、搬送ローラ
対を介して搬送経路36を経由してレジストローラ23
の位置まで搬送される。
【0155】上記給送ベルト203には、その中間部に
上方から垂下された吸引ダクト205の開口206を臨
ませており、その吸引ダクト205は吸引ファン装置2
07に連結されている。これによりエアーを矢印方向に
吸引することで、載置されたシート用紙Pの最上部の用
紙を吸引し、給送ベルト203に吸着させることができ
る。
【0156】また、エアー吹出口204は、載置された
シート用紙の束を分離し、捌くために設けられ、シート
用紙の載置された給送方向前面、さらに給送ベルト20
3に吸着されるシート用紙先端に吹き付ける図示してい
ない複数のエアー吹き出しノズルを有している。この吹
出口204は、排気ダクト208を介して排気ファン装
置209に連結され、矢印方向のエアーの流れを形成す
る。
【0157】以上の給送装置20において、複写装置本
体1側のマスタCPU40による複写制御に基づいて給
紙指令が出力されることで、排気ファン装置209が駆
動されて吹出口204よりエアーを吹き付け載置された
シート用紙を捌き、また吸引ファン装置207が駆動さ
れエアー吸引を行うことで、浮遊した最上部のシート状
態の転写紙P給送ベルト203に吸着させ、給送ベルト
203の回転方向に最上部のシート用紙Pが給送され
る。該給送された転写紙P先端が搬送ローラ対に送り込
まれた時点より多少遅れて上記エアーによる給送動作を
停止させる。そして、次の給送指令を待つ。
【0158】この時、給送されたシート用紙Pが重送さ
れたか否かを検出するために、シート用紙最上部までの
距離を測距センサ37−1により測定する。該測距セン
サ37−1は、載置される最上部のシート用紙までの距
離を測定するために、載置されたシート状の転写紙Pに
対向するように配置される。また、測距センサ37−1
の対向位置のシート用紙最上部には、距離測定を安定か
つ正確に行うための押圧片70が設けられている。該押
圧片70は、例えば載置されるシート用紙の最上部に自
重により載置されるように構成、例えば軸71において
回動可能に設けられている。そして、この押圧片70の
測距センサ37−1との対向面が反射面となるように構
成され、測距センサ37−1からの発光素子38−1か
らの光を効率よく反射するように構成されている。
【0159】そこで、重送を検出するために、測距セン
サ37−1は、給送動作を行う前に、転写紙の最上部ま
での距離(L1)を事前に測定する。この場合、トレイ
202上に載置される転写紙Pは、その最上部が一定の
高さに位置する状態で維持されている。この状態で、給
送開始指令を待つ。この待ち状態でにおいて、上記測距
センサ37−1を駆動させて、センサから最上部シート
用紙までの距離(L)を測定しておく。この場合、該測
距センサ37−1にてトレイ202の上昇制御を行うた
めのセンサとしても兼用できる。
【0160】これは、シート状の転写紙の高さを、一定
の高さ、例えば測距センサ37−1から最上部の転写紙
P面までの距離範囲(La〜Lb)内に位置されるため
の保持させるための検出スイッチを設ける必要を無く
し、コスト低減と同時にその高さ範囲をマイクロスイッ
チ等のON−OFFによるヒステリシスによる大きな上
下変動を行うことなく、より狭い範囲での高さ制御を行
うことを可能にする。
【0161】そのため基準距離、つまり最上部シートま
での高さを一定にするための許容される距離(La〜L
b)の範囲内になるように、上記トレイ202の上昇を
制御する。特に、給送を行うことで、その距離、例えば
最上シートの高さが低くなれば、その変化が距離の変化
(距離は増大)として表れ、それを測距センサ37−1
が測定することで決められた位置の高さにないようにト
レイ203を上昇させる。従って、従来のようにマイク
ロスイッチによる動作にて決まる範囲内での高さ制御で
なく、測距センサ37−1により距離にて狭い範囲での
より精度の高い、高さ制御を行える。
【0162】以上のようにして、測距センサ37−1に
よる最上部シートまでの距離測定が事前に行われた後、
1枚の給送動作が行われる。この時、最上部の転写紙P
が給紙され給送手段201による給送動作が停止するこ
とで、測距センサ37−1により距離測定が行われる。
この測定距離(L2)と給送前のシート面までの距離
(L1)との差を演算することで、給送された転写紙P
の厚さ(d)が求められる。この厚さ(d)と以前に給
送された時に測定され、記憶された転写紙の厚さ(d
s)とが比較される。この比較結果により、給送された
シート用紙の厚さ(d)が厚いと判断された状態で重送
であることが検出される。また、比較において、誤差の
範囲内の厚さでることが確認されることで重送でないこ
とが検出できる。
【0163】ここで、測距センサ37−1は、重送検出
のための距離測定において、最上部の転写紙までの高さ
が決めれた範囲の下限(La)を下回った時に、トレイ
201の上昇制御を行うためのモータの駆動信号として
処理される。そして、その上昇制御において、上記決め
れた範囲の上限までの距離(Lb)を測定することで、
上昇制御を停止する。そのため、厚さ検出のデータとは
別に、上限及び下限をROM41又はRAM42等に別
途記憶させておき、距離測定毎にその測定値と、記憶さ
れた下限値(La)と比較し、最上部の転写紙を一定の
高さに維持させる制御として利用される。
【0164】そこで、重送検出のために測距センサ37
−1は、上昇制御した最終状態の距離、つまり上限(L
b)の測定を行うことになる。この値を次の給紙のため
の重送検出に利用するため、マスタCPU40側ではそ
の状態をRAM42に記憶させておく。そして、給紙後
の転写紙面までの距離測定により給紙されたシート状の
転写紙の厚さdを求めることができる。
【0165】この重送検出において、レジストローラ2
3へと給送される転写紙Pの送りを一時停止させ、先に
給送された転写紙への画像形成が完了するのを待って、
重送された状態をオペレータに報知すると同時に、複写
装置の動作を一旦停止させる。これにより重送された転
写紙Pのジャムを未然に防止し、感光体13や、搬送経
路の損傷を軽減できる。
【0166】オペレータは、上記重送の報知に基づい
て、複写装置本体1の重送された転写紙の処理を行い、
必要に応じて転写紙を捌き、トレイ202上の最上部へ
と戻す。その処理を完了すれば、その旨を複写装置本体
1のマスタCPU40に知らせる。その知らせる方法と
しては、ジャム処理同様に装置本体の搬送経路を開放
し、その処理後に、ドア等を閉成する時にドアが閉じら
れたことを検出するスイッチからの信号をマスタCPU
40に入力すればよい。この処理信号に基づいて、CP
U40側では、次の転写紙の給送の際に、重送が発生し
ないように、載置されたシート用紙をよく捌くことがで
きるように吹出口204のエアーの吹き付け量を多く制
御する。
【0167】また、図12に示すように、通常の吹出口
204とは別個に、補助用のエアー吹出口72を設け、
該吹出口72からもファン装置74からの矢印方向のエ
アーの吹き付けを行い、積載されたシート用紙の束を上
下に分離するように捌く。これにより、給送動作時に最
上部の1枚のシート用紙のみを給送ベルト203に吸着
させる効果が増し、重送防止効果が高まる。
【0168】ここで、シート状の転写紙P等において
は、保存状態により品質が変わりやすい。特に湿度に対
してかなり敏感に作用する。特に高湿度状態では、シー
ト用紙の分離が困難になる重送が多発する傾向にある。
これは、シート用紙の凹凸、波打ち、カール等の影響に
より用紙間の分離が行えず重送するものといえる。
【0169】そのため、補助エアー吹出口72のエアー
流量を、湿度に検出に応じて変えることでも効果が望め
るが、より効果的には温風を吹き付けるようにするとよ
い。そのため、エアー吹出口72近傍に加熱手段73を
設け、該加熱手段73を適宜駆動させて、温風を転写紙
Pの先端部へと吹き付け、載置されているシートを捌
く。これにより、重送防止効果を高めることができる。
【0170】この加熱手段73は、吹出口204近傍に
設け、湿度センサ48の検出信号に応じて駆動制御する
とよい。湿度センサ48は、シート用紙である転写紙を
載置するトレイ202近傍に配置する。この湿度センサ
48は、従来周知のものを利用すればよく、例えば湿度
が増すに従って出力電圧が高くなるように構成されたお
れば、その出力が一定以上にたっすれば、加熱手段73
を駆動して、温風をシート用紙に吹き付ける。
【0171】上記湿度センサ48としては、一例として
アルミナ基板上に形成された1対のクシ型電極上に複合
酸化物の粉末材料をペースト化したものをスクリーン印
刷し、乾燥後焼結した厚膜セタミックにて感湿膜が形成
されている。感湿膜牽制材料は、ニオブ酸リチウム、酸
化鉛、クロム酸マンガンとかなる複合酸化物を主材料
に、特性安定化のため、添加物が加えられる。焼成され
た感湿膜は、水分の吸脱着に必要な1μm以下の気孔分
布を持ち、気孔率(気孔部の体積比)は15%程度の多
孔質焼結体である。雰囲気の湿度が変化すると、相対湿
度に比例して水分が気孔へ吸脱着し、気孔内の電解質量
が増減するこにより電気伝導度が変化する。この変化に
より、抵抗値も相対湿度に応じて変化するため、クシ型
電極両端に生じる出力が変化する。その変化した出力を
CPU40に供給することで、CPU40は、その湿度
状態に応じて加熱手段73の供給する電圧を制御する等
して、温風の温度を制御することになる。
【0172】そこで、転写紙シートを給送することで、
そのシートの重送を検出すれば、その重送を防止する制
御として、湿度状態を把握して、加熱手段73への供給
電圧を制御し、吹出口72側より吹き付ける温風の温度
を制御する。これにより、湿度変化による重送阻止の効
果を高めることができ、湿度の影響による重送防止の技
術課題を解決することができる。この湿度センサ74に
よる検出信号は、シート状の転写紙の給送制御に限ら
ず、上述したRDH3によりシート原稿の給送及びAD
F60によるシート原稿の給紙においても利用できる。
つまり、エアーによりシートを捌き、それにより給送を
行うものにおいて、エアーの吹き付け時に、温風を吹き
付けて湿度による重送防止効果を高めることが同様に行
える。
【0173】一方、シート用紙の給送において、複写モ
ードが異なれば、重送検出に基づき、その重送処理を変
えることが望ましい。例えば、片面複写を行うモードで
あれば、重送されたシート用紙がジャムしないのであれ
ば、シート搬送を継続し画像形成後に複写装置本体に排
出してもよい。この場合、重送検出した時点で、次のシ
ート用紙の給送については、重送阻止のための制御を行
う。つまり、エアー給紙であれば、エアー吹き付け量を
多くするか、補助吹出口72を利用する場合には、給送
前に湿度センサ48等の信号をも考慮して温風を吹き付
ける等の制御を行う。これにより次回の給送により重送
を阻止でき、重送検出に基づいて一旦複写装置を停止さ
せることを不要にできる。
【0174】しかしながら、片面複写モードにおいて
も、排出される片面複写用紙の後処理、例えばステープ
ルする場合には、白紙が用紙束に存在するため、好まし
くない。このような場合には、重送検出により重送シー
トの送りを停止させ、先の重送されていないシート用紙
への画像形成を完了し、複写装置外に排出した後に、該
装置を停止させ、重送されたシートの処理を行う。これ
により、原稿の頁順とは異なるコピー済みの束でなく、
原稿束と一致するコピー済みの束を得ることができる。
【0175】また、中間トレイを利用する両面複写モー
ドにおいても、シート用紙の重送が検出されると、該給
送された重送シートの送りを停止する。しかし、重送さ
れていないシート用紙の片面への画像形成を継続し、中
間トレイ26に画像形成終了したシート用紙を収容した
後、上記重送シートの処理を行うようにユーザに報知す
る。これは、重送シートに画像を形成し中間トレイへと
搬出すると、重送された枚数分中間トレイ内に画像形成
されていない白紙シートが収容される。そのため、裏面
複写を行う場合、白紙シートに裏面に対応する原稿の画
像が形成され、片面複写された排出されるため正常な画
像形成を行えなくなる。また、両面コピー終了により中
間トレイに片面複写されたシート用紙が残り、次の両面
コピーの支障となる。これを重送検出に応じて、未然に
防止できる。
【0176】しかも、中間トレイ26から給送されるシ
ート用紙の重送をも上述した構成をそのまま適用するこ
とで検出できる。特に、中間トレイ26のシート用紙の
収容部上に測距センサ37を配置し、該測距センサ37
による距離測定に基づいて、中間トレイ26より給送さ
れるシート用紙の厚さdを求めることができ。これによ
り、重送検出を行える。そのため、中間トレイ26から
の給紙時に重送が検出されると、シートへの画像形成を
停止する。これにより、両面コピーの不足分を阻止でき
る。つまり、重送したシート用紙を中間トレイに戻し、
重送を阻止するための制御を行えるため、不足コピーを
生じさせることがなくなる。
【0177】以上のように重送を検出することで給送動
作後し、該給紙されたシートへの画像形成を事前に阻止
することで、多大の効果を奏する。特に、重送によるジ
ャムを未然の阻止するだけでなく、両面コピーミス、後
処理によるステープルミス、両面コピーの裏面コピー時
に不足コピーを合わせて防止できる。従って、シートの
重送をシート給紙に応じて検出することができるため、
重送シートを特定でき、そのシートへの画像形成を阻止
して、上述した不都合を未然に阻止できる大きな利点が
ある。
【0178】なお、図11に示すADF60のシート原
稿の重送検出としては、載置トレイ61上に載置される
最上部のシート面までの距離を測定することで、給送さ
れるシート原稿の厚さdを求めている。これは、シート
給送が静止している状態での検出であり、シートが暴
れ、定常の状態であるため、距離測定が正確になる。し
かしながら、給送前と給送後との距離をその都度測定す
る必要があるため、非常に面倒な点もある。しかも、シ
ート原稿面が給紙される毎に徐々に低下していき、測距
センサ37による測定範囲を越えるシート原稿の積載量
になれば、重送検出を行えなくなる。特に、先の例では
測距センサ37に20mm程度の距離までが許容範囲で
あるとすれば、それ越えるシートを載置すれな測定不能
になる。
【0179】そこで、常に測距センサ37においては、
基準距離を測定する状態で、給送されたシート原稿が、
例えばレジストローラ65の位置で停止している状態
で、距離測定を行うことで上述した問題を解決できる。
つまり、レジストローラ65の位置では給送されるシー
ト原稿は一旦停止される。その停止した安定した状態で
のタイミングを利用して距離測定を行える。
【0180】その具体例を図13に示す。この図13
は、図11で示したADF60のレジストローラ65の
位置を示す、要部拡大図である。そこで、測距センサ3
7−3は、レジストローラ65の手前に配置されてお
り、シート原稿をレジストローラ65へと案内する下部
案内板651までの距離を測定するように上位置に配置
されている。
【0181】上記測距センサ37−3は、常に下部案内
板651までの距離を測定する。そのため、該距離は一
定であるためADF60が組み立てられた段階で、その
距離を測定しこれをRAM等に事前に記憶される。そし
て、給紙されたシート原稿(D)がレジストローラ65
に停止された静止状態において、給紙されたシート原稿
(D)面までの距離測定を行う。この測定距離Lと、事
前に測定されたいる基準距離Loとの差が、給紙された
シート原稿の厚さdとして求められる。
【0182】以上のように、測距センサ37−3におい
ては、給紙されるシートの距離をその都度測定するだけ
でよく、載置された最上部までの距離を事前に測定する
ことは必要なくなる。また、載置されるシートの量に関
係無く給紙されるシートのみの距離測定を行える。その
ため、測距センサ37−3の受光素子39による受光面
を全域を利用できるようにし、より精度の高い距離測定
を行える。例えば、測距センサ37−3からの出力を8
ビット処理できる場合、測定可能距離を2mm程度にな
るように図6による投影レンズの焦点f、発光及び受光
素子間の距離、測距センサ37の配置距離L2等を設定
すれば、約10μm以下の制度での測定を行える。その
ため、より精度の高い重送検出を行えることにもなる。
【0183】ここで、重送を検出する方法として、給送
されるシートの厚さdと基準となるシートの厚さdsと
を比較し、それ以上か否かを判定することで、重送検出
を行っている。これに限らず、先に給送されたシートの
厚さ(dn)と今回給送されたシートの厚さ(dn+1
とを測定し、その測定結果に基づいてより効果的な重送
検出について以下に説明しておく。
【0184】図14はその一例を示すフローであり、マ
スタCPU又はスレーブCPUによる制御手順である。
例えば図7における重送を検出するステップn37にお
いて、図14に示す動作が実行される。この重送検出に
おいて、図2のRDH3によるシート原稿給送について
説明する。
【0185】まず、先に給送されたシート原稿(Dn)
の厚さdnと、今回給送されたシート原稿(Dn+1)の
厚さdn+1とを加算(m1)する。つまり、先に給送さ
れたシート原稿Dnは、原稿台2上に載置されてた状態
でって、今回給送されたシート原稿Dn+1はスイッチS
W3の位置に待機している。そして、ステップm2によ
る比較において、今回給送されたシート原稿Dn+1が重
送されたか否かを判定する。そのために、先に給送され
たシート原稿Dnの厚さdnを2倍したものと、1/2
倍したものを加算する。つまり先に給送されたシート原
稿の厚さdnの2.5倍の値と、上記dnとdn+1とを
加算した値とを比較する。この場合、先のシート原稿が
1枚給送されておれば、今回給送されたシート原稿Dn
+1が重送されていなければ、当然のことであるが、その
シート原稿Dn+1と先のシート原稿の厚さを加算した場
合には2倍であり、次のm3に移る。
【0186】しかし、先と今回のシート原稿の厚さを加
算した内容の方が大きければ、今回給送されたシート原
稿Dn+1が重送状態であるとして、今回のシート給送の
重送を報知(m4)する。これにより図7におけるステ
ップn100の重送処理が実行される。
【0187】今回のシート原稿Dn+1の給送が重送でな
い場合には、先のシート原稿Dnの重送状態の判別がm
3におて行われる。そのため、m2と同様に、今度は今
回のシート原稿Dn+1の厚さdn+1の2倍と、1/2倍
とを加算、つまり2.5倍した値と、m1にて加算した
値とを比較する。この結果、2.5倍の方が大きい場合
には、先のシート原稿Dnについても重送なしとして、
その信号を出力(m5)する。この信号を、スレーブC
PU50側から、マスタCPU40側へと送り、マスタ
CPU40側では原稿台2に停止されたシート原稿の露
光開始、つまり画像形成を開始する。
【0188】そこで、m3にてm1による加算した値の
方が大きい場合には、先に給送されたシート原稿Dnが
重送であることを検出し、その状態を報知(m6)す
る。この報知により、マスタCPU40側へ、原稿台2
に停止されているシート原稿が重送状態であるとして画
像形成のための信号が出力されず、n100による重送
処理制御が実行される。
【0189】以上のように、給送されるシート原稿の重
送検出において、先のシート原稿か今回のシート原稿か
を判別でき、またこの判別においては、2.5倍の値を
重送の判断基準にしていることから、測距センサ37の
測定誤差等をも含めて正確な重送検出を行える。しか
も、給送されたシート原稿の2度の重送検出が行われる
ため、重送検出がより確実になる。
【0190】ここで、シート給送の重送の検出におい
て、先のシート原稿の重送が検出された段階で、今回の
シート給送によるシート原稿の厚さを次回の判断基準と
して利用する場合には、m3,m6のステップが不要に
なる。3枚目の給送時には1枚給送されたシート原稿の
厚さを基準として利用できる。そのため、それ以後の給
送においては基準として記憶された値を基づいて、次回
からの給送されたシート原稿の厚さと、基準の厚さとを
加算(m1)し、この加算値と基準の厚さの2.5倍の
厚さとを比較し(m2)することで、重送であれば加算
した値の方が大きくなり、その状態を検出できる。
【0191】また、シート原稿の重送が検出された時点
で、図14のm3,m5の重送検出において異なる制御
を行える。つまり、m3の重送検出時の制御において
は、原稿台2に停止したシート原稿ではないため、先の
原稿台2に載置されているシート原稿の画像形成動作の
終了時点で重送報知を行い、その処理を実行させる。こ
れにより、原稿台2に正規に載置されるシート原稿の無
駄は搬送を阻止できる。しかも、原稿台2に停止されて
いるシート原稿の重送が検出されたならば、そのシート
原稿の画像形成動作が開始されず、無駄なコピーを行わ
ずに済む。
【0192】図14に示す重送検出については、図1
1,図12のシート給送装置においても利用できる。つ
まり、最初のシートの厚さと次の給送シートの厚さに基
づいて、いずれの給送シートが重送かを検出できる。
【0193】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、給
送されるシートの厚さを基準にしてい重送を検出するた
め、簡単に測距センサにて実施できる。
【0194】また、その重送検出に基づいて、シートの
給送を停止、あるいは重送シートの分離を行い、無駄な
シートの給送や、ジャム発生を事前に阻止できる。
【0195】しかも、重送検出をRDHのシート原稿の
給送に利用することで、重送時のシート原稿の後処理を
自動的に行うことができ、ユーザ側で面倒さ処理を必要
としなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重送検出装置を備えてなる複写装置の
全体の概略を示す断面図。
【図2】図1における複写装置に搭載される循環式原稿
搬送装置(RDH)の構造の一例を示す断面図。
【図3】本発明の複写装置及びRDHにおける重送検出
を含めた全体の制御系にかかるブロック図。
【図4】本発明の測距センサの一例を示すPSDセンサ
の断面構造図。
【図5】上記図4のPSDセンサの等価回路図。
【図6】PSD(測距センサ)センサの距離測定原理を
説明するための図。
【図7】本発明の距離測定によるシートの重送検出にか
かる一例を示す制御フローチャート。
【図8】図7のフローチャートにおける各種タイミング
を示すタイムチャート。
【図9】図7における重送検出に基づく重送処理による
自動復帰の一例を示す制御フローチャート。
【図10】RDHによるシート給送による測距センサか
らシート原稿面までの距離の関係を時間的に示した図。
【図11】図1における複写装置に搭載される重送検出
装置を備えたシート原稿の自動搬送を行う自動原稿給紙
装置(ADF)の一例を示す断面図。
【図12】図1における複写装置に設けられる重送検出
装置を備えたシート給紙装置の一例を示す断面図。
【図13】本発明におけるシート重送検出の他の例を示
す要部拡大図。
【図14】本発明による重送検出の一例を示す制御フロ
ーチャート。
【図15】本発明による重送検出装置を備えたシート給
紙装置において、重送シートの分離制御を説明するため
の給紙装置の断面図。
【符号の説明】
1 複写装置本体 2 原稿台 3 RDH(原稿循環式搬送装置) 3−1 原稿載置トレイ 3−2 給送手段 3−3 反転搬送部 3−4 ベルト搬送部 3−5 第2反転搬送部 3−6 排出部 20(21,22) 給紙装置 201 給紙手段 37 測距センサ 40 マスタCPU 42 RAM 50 スレーブCPU 52 RAM 60 原稿自動搬送装置(ADF) 61 載置トレイ 65 レジストローラ 66 ベルト搬送部 68 反転搬送部 69 排出トレイ SW1(SW2,SW3,SW4,SW6,SW7)
シート検出装置 SW5 1巡センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤山 隆之 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 檜垣 力 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 扇田 和幸 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 宇野 欣治 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 ▲濱▼口 和也 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 中川 卓 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シートを載置する載置部、該載置部のシー
    トを給送する給送手段を備えたシート給送装置におい
    て、 載置部上の給送された後のシート面までの距離を測定す
    る測距センサと、 該測距センサにて測定した距離に基づいて給送されたシ
    ートの重送を検出する重送検出手段と、からなる重送検
    出装置を備えたシート給送装置。
  2. 【請求項2】シートを載置する載置部、該載置部のシー
    トを給送する給送手段を備えたシート給送装置におい
    て、 載置部上のシート位置までの距離を測定する測距センサ
    と、 該測距センサにて測定したシート給送前と給送後の距離
    との差を演算する演算手段と、 該演算手段にて演算された差と、前回の給送時に演算さ
    れた差とを比較する比較手段と、 該比較手段の比較結果に基づいて給送されるシートの重
    送を検出する検出手段と、 該検出手段による重送検出に基づいて、シート給送を中
    止すると共に重送状態を報知する制御手段と、からなる
    重送検出装置を備えたシート給送装置。
  3. 【請求項3】シートを載置する載置部、該載置部のシー
    トを給送する給送部と該給送部にて給送され重送された
    シートを分離力を作用させて分離する分離部とからなる
    給送手段を備えたシート給送装置において、 載置部上のシート位置までの距離を測定する測距センサ
    と、 該測距センサにて測定したシート給送前と給送後の距離
    との差を演算する演算手段と、 該演算手段にて演算された差と、前回の給送時に演算さ
    れた差とを比較する比較手段と、 該比較手段の比較結果に基づいて給送されるシートの重
    送を検出する検出手段と、 該検出手段による重送検出に基づいて、給送中の重送シ
    ートを給送する給送手段の分離力を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする重送検出装置を備えたシート
    給送装置。
  4. 【請求項4】シート原稿を載置する載置トレイ、該載置
    トレイ上のシート原稿を給送する給送手段、該給送手段
    にて給送されたシート原稿を画像露光位置へと搬送する
    搬送手段、画像露光の終了後により画像露光位置のシー
    ト原稿を搬出し上記載置トレイへと戻す搬出手段を備え
    る原稿循環式搬送装置を備える画像形成装置において、 上記載置トレイ上のシート原稿までの距離を測定する測
    距センサと、 該測距センサにて測定された距離に応じて重送を検出す
    る重送検出手段と、 該重送検出手段による重送検出に応じて給送されたシー
    ト原稿の露光を行うことなく上記載置トレイへと搬出す
    る空送りを行うと共に、該重送されたシート原稿が再度
    給送されるまでの間、載置トレイ上の他のシート原稿の
    空送りを行い、検出された重送シート原稿の給送により
    露光開始を行うシート原稿の搬送制御手段と、 上記重送検出手段による重送検出に応じて重送シート原
    稿の画像形成前の画像を形成した複写シートを搬出する
    と共にそれ以後の複写動作を中断し、上記シート原稿の
    搬送制御手段による重送シート原稿の再給送に応答して
    複写動作を再開してなる複写制御手段と、 を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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