JPH0847635A - W/o型マイクロカプセル状エマルジョン。 - Google Patents

W/o型マイクロカプセル状エマルジョン。

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JPH0847635A
JPH0847635A JP20824394A JP20824394A JPH0847635A JP H0847635 A JPH0847635 A JP H0847635A JP 20824394 A JP20824394 A JP 20824394A JP 20824394 A JP20824394 A JP 20824394A JP H0847635 A JPH0847635 A JP H0847635A
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oily
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 芯物質である水滴中、油性ゲル壁膜中および
連続相の油中に、各種物質を包含させることができ、貯
蔵中安定であり使用時には芯物質を容易に放出しうるW
/O型マイクロカプセル状エマルジョンの提供。 【構成】 液状油中に微粒化している水滴を油性ゲル化
剤としてデキストリン脂肪酸エステルまたは12−ヒド
ロキシステアリン酸を用いて形成した油性ゲル壁膜をも
ってマイクロカプセル状に内包させてなるW/O型マイ
クロカプセル状エマルジョン。各種筆記用具や印刷イン
キ類、化粧品、捺染剤、農薬、医薬など広範囲に応用し
うるマイクロカプセル状エマルジョン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液状油中に微粒化して
いる水滴を油性ゲル化剤を用いて形成した油性ゲル壁膜
をもってマイクロカプセル状に内包させてなるW/O型
マイクロカプセル状エマルジョンに関するものである。
本発明に係るW/O型エマルジョンは、インク、染料、
医薬品、化粧品などの広範囲にわたる各種製品に利用で
きる。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、乳化剤によるW/Oタイプ
エマルジョンでは、油相中に分散する微粒化した水滴の
周りを界面活性剤分子が覆って安定性を保持している
が、ここに得られるエマルジョンは連続相の油の性質や
分散相の水のpH、塩濃度、粘度、温度などの条件の影
響を受け易く、水相と油相が分離し易いため長期安定な
エマルジョンを得ることは難しい。また、長期安定なエ
マルジョンを得るための乳化剤の選択には、反復による
地道な経時安定性試験などが必要であり、しかも、それ
らの処方は多成分の組合せのため系が複雑となるので、
高度な経験と知識が要求される。さらに、W/Oタイプ
エマルジョン中に分散している微小水滴中に、希望する
各種物質を任意に内包せしめることは困難であり、物質
の種類や濃度変化に応じた処方の組み直しが生じ煩雑で
もある。
【0003】ー方、各種物質を内包せしめる技術手段と
してリポソームやマイクロカプセルが知られている。即
ち、リポソームの作成技術は近年著しい進歩を遂げ、医
薬などのドラッグデリバリーシステムの材料として実用
化されつつあるが、安定なリポソームを得ることが難し
く、最も一般的な手段としてはナノスケールに微粒化す
ることであるが、処理量に比し装置が大型化し、エネル
ギー消費も大きくなるなど、処理効率が悪いという欠点
を有する。また、前記W/Oタイプエマルジョン以上に
塩類などによる浸透圧、粘度、pHなどの影響を受け、
凝集や沈澱を生じ易く、経時安定性を得ることが難し
い。さらに、外壁の脂質二重層の主たる成分であるリン
脂質には、二重層膜の乱れにより安定性の低下を避ける
ためかなりの高純度品が要求され、コスト的に高価とな
り、汎用性に乏しい。
【0004】また、従来より知られているマイクロカプ
セルの製造方法としては、第一に米国特許280045
7号、同2800458号、同3587865号発明な
どにみられるゼラチンによるコアセルベーション法、第
二に米国特許3726804号、同3796669号、
特公昭36−9168号、同47−23165号、特開
昭48−57892号、同51−9079号、同54−
49984号などにみられる外相(水相)より皮膜を形
成させるin situ法,第三に米国特許34298
27号、同3577515号、同3886085号など
にみられる内相と外相間の皮膜形成反応を利用した界面
重合法、第四に米国特許4001480号、特開昭58
−107189号などにみられる生物体の一部素材を利
用したマイクロカプセル化法などが知られている。
【0005】前記の第一、第二、第三および第四の方法
に開示されたマイクロカプセルの製造技術においては、
いずれのマイクロカプセルも液状油を芯物質として乾燥
状態で用いられるのが殆んどであり、ゼラチンなどの水
溶性被膜や重合した高分子物でカプセル化するか、不溶
性の細胞膜を用いているが、操作が複雑で水溶液を芯物
質として用いることが難しく、また、壁膜が丈夫なマイ
クロカプセルであるため強く外力を加えて破壊しない限
り容易に芯物質を利用し難いうえ、壁膜が残存して、異
物感を与えるなどの欠点がある。特に、第二および第三
の技術では過酷な反応条件に耐えかつカプセル化を均一
に行うためには、封入出来る芯物質にはかなりの制約が
ある。このため、従来の製造技術によるマイクロカプセ
ルにあっては、染料、顔料、粘剤、糖質、蛋白質、脂
質、酵素、非油溶性液体、結合剤、安定剤、高分子など
各種の広範な物質を内包させることは非常に困難であっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のW/
Oタイプエマルジョンやリポソームおよびマイクロカプ
セルの欠点に鑑み、種々の機能性をもった広範な物質の
封入(内包)または混合を可能とし、さらに、経時的安
定性を有し、使用時には容易に破壊して芯物質を放出し
得る、新規なW/O型マイクロカプセル状エマルジョン
を提供することを技術課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
とおりの本発明によって達成できる。本発明は、液状油
中に微粒化している水滴を油性ゲル化剤を用いて形成し
た油性ゲル壁膜をもってマイクロカプセル状に内包させ
たことを特徴とする、W/O型マイクロカプセル状エマ
ルジョンである。本発明に係るW/O型マイクロカプセ
ル状エマルジョンは、液状油中に油性ゲル化剤を溶解
し、微粒状に分散せしめた水滴の周囲に該油性ゲル化剤
によって油性ゲル壁膜を形成せしめることによって製造
され、分散相の水滴には水溶性または親水性物質を内包
させ、ゲル壁膜層中および連続相の油には油溶性または
親油性物質を混合させることができ、また、マイクロカ
プセル状物中の芯物質を容易に取り出しうるものであ
る。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて油性ゲル化剤とは、デキストリン脂肪酸エステル
または12−ヒドロキシステアリン酸をいう。デキスト
リン脂肪酸エステルは、例えば特公昭55−47070
号に開示されている製造方法によるもので、化粧品や医
薬品に油性ゲル化剤、油性増粘剤(レオパール:商品
名、千葉製粉株式会社製)として使用されている。この
デキストリン脂肪酸エステル(以下「DFE」という)
はデキストリンにステアリン酸やパルミチン酸などの飽
和脂肪酸をエステル結合したものである。本発明におけ
るDFEの糖の長さ(糖重合度)は2乃至100であ
り、好ましくは2乃至50であって、そのエステル置換
度は糖単位当たり0.6乃至2.8であり、通常、置換
度1.0乃至2.7が使用される。糖の長さが100以
上ではデキストリンの分子量が大きくなり過ぎ、油性系
溶剤に対する溶解性やゲル化性において満足すべき結果
が得難い。また、エステル置換度が0.6以下では油性
系溶剤に対する溶解性やゲル化性が不充分となり、2.
8以上ではゲル化性が不充分となり好ましくない。本発
明おける12−ヒドロキシステアリン酸(以下「HS
A」という)は水添ひまし油から得られる親水性のOH
基をもった脂肪酸である。
【0009】本発明に係るW/O型マイクロカプセル状
エマルジョンの製造方法ならびに該エマルジョンの安定
性および特性は次のとおりである。 エマルジョンの作製方法:液状油中にDFEまたはHS
Aをエマルジョン全量の0.1乃至20重量%量混合
し、撹拌しながら50℃乃至150℃に加熱溶解する。
この時の加熱温度は液状油の種類、DFEのエステル基
の置換度やデキストリンの重合度、HSAの濃度などに
より異なるが、通常は70乃至100℃である。次に、
必要とする添加剤を、得られた油性液中または芯物質と
なる水中に適宜溶解または分散し、50乃至100℃下
で油性液を撹拌しながら芯物質となる水性液を除々に添
加する。添加終了後もさらに撹拌を20乃至30分間継
続することにより安定なW/O型マイクロカプセル状エ
マルジョンが容易に調製される。
【0010】前記添加剤としては、染料、顔料、粘剤、
糖質、蛋白質、脂質、酵素、非油溶性液体、有機溶剤、
結合剤、安定剤、高分子などの各種物質が用いられ、こ
れらの1種または1種以上を溶解または分散させる。前
記添加剤のうち、親油性物質は、DFEまたはHSAを
加熱溶解した液状油中に溶解または分散混合され、親水
性物質はエマルジョン調製前に芯物質である水中に予め
溶解または混合して供される。両親媒性物質はエマルジ
ョン調製中かまたは予め液状油中および水中に分散した
後エマルジョン調製に供される。
【0011】DFEまたはHSAの添加量は液状油の種
類、量およびその系に加えられる添加剤の性質によって
異なるが、油量が多いほどDFEの添加量も多くなる。
通常0.1乃至20重量%、好ましくは0.2乃至5重
量%がよい。DFEまたはHSAの添加量が多過ぎると
添加量の増加に伴って、マイクロカプセルの油性ゲル壁
膜が厚くなり、20重量%以上では油相全体がゲル層と
なって、本発明のエマルジョンを形成しない。また、添
加量が0.1重量%以下ではエマルジョンが不安定とな
るので好ましくない。
【0012】本発明に用いる液状油は、流動パラフィン
や灯油などの鉱油、ラノリン、スクワラン、大豆油、コ
ーン油などの動・植物性油、オレイン酸デシル、パルミ
チン酸イソプロピルなどのエステル油、オレイルアルコ
ール、リノレイルアルコールなどの高級アルコール、お
よびn−ヘキサンなどの低級飽和炭化水素化合物などで
ある。
【0013】前記液状油はエマルジョン全量に対して1
5乃至80重量%量、好ましくは20乃至50重量%量
用いる。液状油が80重量%以上ではエマルジョンの粘
度が低下して安定性が低下してくる。15重量%以下で
は遊離の油量が少なくなるためにマイクロカプセル同士
が接触して高粘度となって、安定性は向上するものの実
際的ではない。
【0014】本発明に用いられる水量は、エマルジョン
全量に対して20乃至85重量%量、好ましくは30乃
至60重量%量を用いる。水量が85重量%以上では上
記液状油の場合と逆で、エマルジョン粘度が高くなり、
また少な過ぎても粘度が低くなり過ぎエマルジョンが不
安定になる。
【0015】本発明者が行った実験例中からDFE濃度
とエマルジョン粘度との関係を整理して図1のグラフに
示す。即ち、図1はDFE(レオパールKL:商品名、
千葉製粉株式会社製、パルミチン酸置換度2.2)と流
動パラフィン(シルコールP−70:商品名、松村石油
製)の油性液に水をホモミキサー(特殊機化製)を用い
て4000rpm、70℃下で20分間撹拌しながら加
えて水量50%乃至75%の各エマルジョンを調製し、
1日経過後の各エマルジョン粘度をB型粘度計を用いて
20℃、30rpmで測定した、DFE濃度とエマルジ
ョン粘度との相関を示すグラフである。図1から水量の
増加およびDFE添加量の増加に伴ってエマルジョン粘
度が増加することが判る。
【0016】エマルジョン粒子の大きさはエマルジョン
作製時の温度が低い程、撹拌速度が速い程、撹拌時間が
長い程、また、DFEの濃度が低い時程小粒子となり、
大きさが揃うため安定性も高くなる傾向にある。図1の
条件による粒径はエマルジョン化の条件により1乃至2
00μm程度のものが得られるが、通常は10乃至50
μmの粒径のものが得られる。
【0017】本発明のW/O型マイクロカプセル状エマ
ルジョンは、従来の界面活性剤を用いて作製されるW/
Oタイプエマルジョンとは異なり、経時的にも安定して
いる。本発明のW/O型マイクロカプセル状エマルジョ
ンは、単に油性ゲルの中に微粒子の水滴が分散している
一般的なW/Oエマルジョンと区別されるもので、顕微
鏡観察によって微粒化している水滴の周囲にゲル状壁膜
が形成されているマイクロカプセル状エマルジョンであ
ることが確認できる。
【0018】また、微粒化している水滴の周囲にゲル状
壁膜が形成されているマイクロカプセル状エマルジョン
が作製されている事実は、次の試験例によっても確認で
きる。即ち、水相中に青色の水性染料(青色1号)を溶
解して上記と同様にしてDFEを使用して作製したエマ
ルジョン(試験例1,2)、HSA(ライオン製)を使
用して作製したエマルジョン(試験例3)およびこれら
の油性ゲル化剤に替え、界面活性剤としてソルビタン脂
肪酸エステル(レオドールAO15:商品名、花王製、
HLB3.7)を用いて作製した比較用W/Oタイプエ
マルジョン(試験例4)を、それぞれ100mg量を採
取して濾紙(No.5A、90mm)上に山形に載せ、
20℃下、湿度60%で8時間放置して滲みおよび保型
性を観察した。 試験例1 試験例2 試験例3 試験例4 DFE 4 2 0 0 HSA 0 0 1 0 流動パラフィン 76 38 39 76 ソルビタン脂肪酸エステル 0 0 0 4 水 20 60 60 20 水性染料(青色1号) 0.01 0.01 0.01 0.01
【0019】この結果,試験例1,2および3のエマル
ジョンは多少の縮みはあったが山形の原形を留めてお
り、かつ、遊離した油の滲みはあったものの青色の水の
滲み出しはなかった。一方、試験例4のエマルジョン
は、濾紙上に載せると同時に、周囲に油や青色の水のい
ずれもが大きく滲み、山形の原型を留めなかった。
【0020】前記試験例1,2および3のエマルジョン
の一部を採取し、再度、前記流動パラフィン中に加え緩
やかに撹拌したところ、青い水を内包する微粒子体が油
中に容易に分散し、油性ゲル壁膜で覆われたマイクロカ
プセル状物が形成されていることが確認できた。また、
試験例1,2および3のエマルジョンの他の一部を別の
濾紙上に採取してへらや指で押しつぶすように軽い外力
を加えたところ、分散状態にあるマイクロカプセル状物
内の青い水が漏出し、濾紙が青色に染色した。
【0021】また、前記滲みの面積と山形の原形を留め
ている残存量を次の手法によって測定した。 滲みの測定方法:油の滲み量は、前記試験例によって作
製したエマルジョンを載せた濾紙が8時間後に油で滲み
半透明になった円形状の直径であり、水の滲み量はその
内側に青色に染色された円形状の直径である。山形の原
形を留めた残存量は、エマルジョンを載せた部分の濾紙
を15×15mm角に切り抜き、濾紙重量および油の滲
み量を補正して求めた。その結果は、次のとおりであ
る。 試験例1 試験例2 試験例3 試験例4 油の滲み(直径mm) 54 43 45 71 水の滲み(青色の直径mm) 0 0 0 36 微粒子の残存量(mg) 33.3 64.4 66.5 3.2
【0022】この結果に見られるように、試験例1は試
験例2より油量が多いため油の滲みが多く、これは相対
的に水が少ないためにマイクロカプセル状物の量が少な
いためである。試験例2は試験例1より内包する水の量
が多いためカプセル状物の量も多くなっている。試験例
3は試験例2のDFEをHSAに替えた例であるが、ほ
ぼ試験例2と同等の結果であり、水の滲みがなくマイク
ロカプセル状物が形成されている。試験例4はマイクロ
カプセル状物が形成されていないため、濾紙に全量が吸
収されてしまい、水は乾燥するが滲んだ青色と油性分が
測定値として得られている。前記各試験例のエマルジョ
ンを顕微鏡にて観察したところ、試験例1、2および3
はいずれも水滴の表面に細かな凹凸を有した油性ゲル膜
が認められた。一方、試験例4は水滴の表面に膜状物は
認められなかった。前記の結果は8時間後の測定値であ
るが、24時間放置後でも試験例1〜3のエマルジョン
は山形の原形を留め、安定性の高いマイクロカプセル状
エマルジョンであることが確認できた。以上の結果か
ら、油相に分散した水滴の周囲を油性ゲル膜が覆い、芯
物質を保護しているマイクロカプセルであり、外力を加
えることによってゲル膜が破壊し、芯物質である染料を
溶解した水が滲み出すという全く新しいW/O型マイク
ロカプセル状エマルジョンが作製されている事実が確認
できる。
【0023】本発明のW/O型マイクロカプセル状エマ
ルジョンは、芯物質である水またはゲル壁膜を含む油相
中に種々の物質を溶解または分散して、任意の量を介在
させることができる。また、芯物質としての水溶性物質
には水溶性染料、粘剤、糖質、蛋白質、酵素、高分子、
安定剤、および結合剤などを用いることが出来る。ただ
し、ゲル壁膜の油性成分を可溶化または乳化させ、油相
と水相のバランスを崩すモノグリセライドのような乳化
力の強い界面活性剤をー般的な使用量において用いる場
合には、安定なエマルジョンを得ることはできない。
【0024】本発明のW/O型マイクロカプセル状エマ
ルジョンにおけるマイクロカプセル状物は、油性ゲル壁
膜で覆われており、非常に安定であり、長期間保存して
も問題はないが、使用時の外力やゲルの溶融温度以上の
加温により壊れ、内包物が放出されて色々な機能を発揮
する事ができる。この時、ゲル壁膜は油相に膨潤、溶解
するか、または外力により油相中に練り込まれ溶解状と
なるため実用上問題はない。
【0025】また、水相および油相やゲル膜には、不溶
性または可溶性の顔料、粘剤、糖質、蛋白質、酵素、高
分子、安定剤、および結合剤などを予め溶解または分散
して用いることが出来る。勿論、エマルジョン作製後で
も油溶性や親油性の物質を溶解または分散して使用する
ことが出来る。
【0026】本発明のW/O型マイクロカプセル状エマ
ルジョンの特性を活用できる代表的な用途としては、次
の各種用途が挙げられる。例えばボールペンインキに使
用した場合、その効果として、低粘度油を使用して染料
や顔料を水層や油層に溶解または分散せしめて適度の粘
度上昇を与えたものは、安定性があり、筆記の際、ボー
ルの回転に伴う剪断力によってマイクロカプセル状物が
壊れ、低粘度化し、裏移りがなく、水性インキの様な滑
らかで、鮮明な書き味となる。さらに、難揮発性油を使
用することにより、水性ボールペンに不可欠なボール部
や頭部の乾燥防止やインキの逆流防止は不要となる。
【0027】また、化粧料については、その多くが乳化
技術を応用して作製されるが、大部分はO/Wタイプエ
マルジョンの製品であり、W/Oタイプエマルジョン製
品は比較的少ない。その理由はW/Oタイプの化粧品は
O/Wタイプに比較して、エモリエント効果が高く、肌
への延びやつきがよく、化粧くずれしにくいなどの優れ
た特長を有している反面、W/Oタイプは温度安定性お
よび経日安定性に欠ける欠点がある。この解決方法とし
てロウ類やワックス類の高融点成分の配合が行われてい
るが、べたつき感が改善されず、肌に塗布した際のサッ
パリ感がないこと、特に、硬度によりその安定性を保持
しようとするため、その作製が微妙で温度変化に安定な
エマルジョンが得にくいなどの問題が、W/Oタイプ化
粧品が少ない原因となっている。
【0028】本発明のW/O型マイクロカプセル状エマ
ルジョンは、高融点成分の配合なしに、低粘性油の使用
により、経日安定性に優れた、クリーム状のエマルジョ
ンとすることができる。このエマルジョンは温度変化に
対しても安定性が高く、化粧料に応用した場合、肌への
すべり、のびのよい、サッパリとした使用感となる。本
発明においては、油性成分として炭化水素、エステル、
グリセライド、シリコン油など、化粧料に使用されてい
る油性成分のほとんどが使用できる。また、本発明にお
ける芯物質として封入できる水系の配合成分としては、
アルコール類、界面活性剤、保湿剤、高分子化合物、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、染料など化粧品に配合
される原料成分のほとんどが使用できる。また、ゲル化
剤、油相、水相、の比率を変化させることにより、基礎
化粧料、メークアップ化粧料、頭髪化粧料および全身用
化粧料など広範に応用でき、界面活性剤の配合なしに、
従来にないW/O型の優れた化粧品を作ることができ
る。
【0029】捺染用エマルジョン糊に使用した場合に
は、反応性染料はアルカリ触媒により反応して染色する
が、予め混合しておくことができないため、使用に際し
て染料の特性に応じたアルカリ液の量や濃度をその都度
調合するか、または捺染後にアルカリ処理をする2段工
程を経るのがほとんどである。この作業は永年の経験が
必要とされている。本発明のW/O型マイクロカプセル
状エマルジョンにあっては、染料とアルカリをそれぞれ
エマルジョン化したのち混合しておくことにより、マイ
クロカプセル状物に内包された異なった物質が別個に分
散しているため長期間安定であり、一液であることによ
り作業工程を簡素化される。
【0030】また、本発明のW/O型マイクロカプセル
状エマルジョンは、医薬や農薬を内包させることによっ
て徐放性、持効性の医薬品や農薬が得られる。例えば、
農薬を内包させることにより散布(または施用)後、長
期間安定であるため薬剤の有効期間が持続し散布量、散
布回数を減らすことができる。さらに、使用者に対する
毒性や環境などに与える悪影響を減少させることができ
る。
【0031】
【作用】本発明のW/O型マイクロカプセル状エマルジ
ョンが経時的な安定性を示すのは、液状油中に分散され
た水滴が油性ゲル壁膜に包まれていることに起因してお
り、該エマルジョンにおけるマイクロカプセル状物の形
成機構はゲル化剤である親水性基と疎水性基をあわせも
つDFEが水滴と油層の界面に極在してくるため、その
結果として油性ゲル壁膜が形成されるものと推定でき
る。このことはDFEに限らずHSAにおいても同様の
作用をするするものと考えられる。
【0032】こうして得たマイクロカプセル状物は粒子
間の融合や凝集を起こさず、通常の放置では安定なW/
O型エマルジョンであるが、軽い外力により容易に破壊
することができる。また、本発明のW/O型マイクロカ
プセル状エマルジョンは、油中に撹拌しつつ水を滴下す
るなどの簡便な操作により作製できる。この場合、マイ
クロカプセル状物には芯物質の水に溶解または混合する
だけで、簡単に広範な種類の物質を容易に包含すること
ができる。さらに、混合の際、反応したり、不安定にな
る異種の物質同志でも別途エマルジョンを作成した後、
2種以上のエマルジョンを混ぜ合わせることにより、安
定な混合液を得ることができる。さらに、マイクロカプ
セル状物の壁膜は油性ゲルによって形成されているた
め、壁膜が破壊した時、油性ゲルの膜は液状化するの
で、一般のマイクロカプセルのように異物状に残存する
ことはない。
【0033】
【実施例】以下実施例をあげて本発明をより具体的に説
明する。なお、以下の各実施例において特に記載しない
場合には平均する糖の長さが20乃至30のDFEを使
用している。 実施例1.ボールペン用エマルジョンインキ ・ DFE(レオパール:商品名、千葉製粉製 パルミチン酸エステル基置換度2.2) 0.3部 ・ 流動パラフィン(シルコールP−70:松村石油製) 30.0部 ・ 水 30.7部 ・ エチルアルコール 14.0部 ・ カーボンブラック 15.0部 流動パラフィンにDFEを混合し、90℃で10分間撹
拌しながら加熱して溶解し、この油性液を60℃に保ち
ながらホモミキサー(特殊機化製)を用いて、4000
rpmで撹拌しながら、カーボンブラックを分散した6
0℃のアルコール−水液を除々に加えた。その後もさら
に15分間撹拌を継続しW/O型マイクロカプセル状エ
マルジョンインキを得た。このエマルジョンをボールペ
ンインクとしてチューブに充填し、評価をしたところ1
ヵ月の室温保存では顔料の沈澱などの分離はなく、ボー
ルのつまりもなく、安定性に優れたW/Oエマルジョン
であった。また充填したインクは乾燥することもなく、
筆記試験の結果インキの滲みもなく鮮明で、滑らかな、
軽い書き味をもったボールペンインキであった。なお、
このボールペンには通常の逆流防止は不要であった。
【0034】 実施例2.ボールペン用エマルジョンインキ ・ DFE(パルミチン酸エステル基の置換度1.7) 0.5部 ・ DFE(ラウリン酸エステル基の置換度2.2) 0.3部 ・ 流動パラフィン(シルコールP−70:松村石油製) 20.0部 ・ オレイン酸 20.0部 ・ カーボンブラック 10.0部 ・ 水 44.2部 ・ 水性染料 黒色401号 5.0部 流動パラフィンとオレイン酸の混合液にDFEを混合
し、100℃で10分間加熱して溶解した後カーボンブ
ラックを加え、この油液を60℃に保ち、実施例1のホ
モミキサーを用い5000rpmに撹拌しながら、水性
染料(黒色401号)を溶解した70℃の水を徐々に加
えた。その後もさらに20分間撹拌を続けてW/O型マ
イクロカプセル状エマルジョンを得た。このエマルジョ
ンはボールペンインキとして実施例1と同様優れた性能
を有していることが確認できた。
【0035】 実施例3.印刷用エマルジョンインキ ・ DFE(パルミチン酸エステル基の置換度2.3) 0.5部 ・ HSA 0.5部 ・ 流動パラフィン(シルコールP−70:松村石油製) 30.0部 ・ アマニ油 10.0部 ・ カーボンブラック 10.0部 ・ 水 49.0部 流動パラフィンとアマニ油の混合液にDFEおよびHS
Aを混合し、90℃で5分間加熱して溶解した後、カー
ボンブラックを加え、この油液を70℃に保ちながら、
顔料を混合した70℃の水を徐々に加え、その後もさら
に20分間撹拌を継続してW/O型マイクロカプセル状
エマルジョンを得た。このエマルジョンを謄写版インキ
としてテストしたところインキのセットが速く、裏移り
のしない貯蔵安定性に優れたインキが得られた。
【0036】 実施例4.捺染用エマルジョン糊 A液 B液 ・ DFE(パルミチン酸エステル基の置換度1.5) 3.0部 3.0部 ・ HSA 1.0部 1.0部 ・ ミネラルターペン 30.0部 30.0部 ・ 尿 素 5.0部 0.0部 ・ 染 料レマゾールBrownGR 5.0部 0.0部 ・ 重炭酸ソーダ 0.0部 8.0部 ・ 水 56.0部 58.0部 ミネラルターペンにDFEおよびHSAを混合し、70
℃で5分間加熱して溶解した後、これを50℃に保ち、
実施例1のホモミキサーで4000rpmに撹拌しなが
ら、染料のレマゾールBrownGRを溶解した水を徐
々に加え、その後もさらに2分間撹拌を継続してW/O
エマルジョンを得た。これをA液とし、同時に染料の代
わりに重炭酸ソーダを加えてW/Oエマルジョン化した
液をB液とする。A液とB液を4対1の比率で穏やかに
混合して捺染用反応性染料エマルジョンを得た。このエ
マルジョンは一般のエマルジョン糊と異なり、反応触媒
であるアルカリ性のB液をエマルジョン状態でA液と混
合してあり、1液で使用できるため、捺染直前にアルカ
リを調合する必要がない。さらにこのエマルジョンはア
ルカリ液が混合されているにもかかわらず貯蔵安定性に
優れている。また、捺染後の乾燥工程で染着するので、
一般のエマルジョン糊で採用されているアルカリ処理工
程と加熱工程が不要となる。さらに、このエマルジョン
は染料以外の固形分が非常に少ないため、染着後の洗濯
が不要かまたは簡単な濯ぎ程度の洗い工程で捺染が完了
する。
【0037】実施例5.化粧品 以下に示す処方例1〜6の製造方法は次の通りである。
製造方法:油性成分中にDFEを混合した後、80℃に
加熱溶解し、この油を60℃に保ちながら、別に用意し
た水性成分(処方例6は水の代わりにグリコール類を用
いている)の混合液を徐々に添加する。その後もさらに
撹拌を20分間継続して安定なW/O型マイクロカプセ
ル状エマルジョンを得る。
【0038】 ≪処方例1≫ 油性クレンジングクリーム ・ DFE(パルミチン酸エステル、置換度1.3) 2部 ・ 水 34部 ・ ブチレングリコール 6部 ・ 流動パラフィン(シルコールP−70:松村石油製) 50部 ・ セチルアルコール 1部 ・ イソノナン酸イソノニル 7部 安定なW/O型マイクロカプセル状エマルジョンクリー
ムであり、油の洗浄力が高く、肌での滑りが良く、使用
感に優れた、界面活性剤を含まない、油性クレンジング
クリームであった。
【0039】 ≪処方例2≫ 油性マッサージクリーム ・ DFE(パルミチン酸エステル、置換度2.2) 1.5部 ・ 水 42.0部 ・ グリセリン 8.0部 ・ 流動パラフィン(シルコールP−350:松村石油製) 38.5部 ・ オリーブ油 10.0部 安定なW/O型マイクロカプセル状エマルジョンクリー
ムであり、肌での滑り、延びが良く、さっぱりとした軽
い使用感の油性マッサージクリームであった。
【0040】 ≪処方例3≫ ヘアクリーム ・ DFE(パルミチン酸エステル、置換度1.5) 2.0部 ・ エチルアルコール 4.0部 ・ カチオン化セルロース 0.5部 ・ 水 35.5部 ・ ひまし油 15.0部 ・ オリーブ油 15.0部 ・ つばき油 15.0部 ・ 流動パラフィン (シルコールP−350:松村石油製) 15.0部 安定なW/O型マイクロカプセル状エマルジョンであ
り、雨に強く、流れ落ちにくく、髪に水を補給して適度
の保湿性与える。また適度の光沢があり白髪が目立ちに
くかった。
【0041】 ≪処方例4≫ スキンクリーム ・ DFE(ミリスチン酸エステル、置換度2.2) 1部 ・ エチルアルコール 2部 ・ グリセリン 2部 ・ ヒアルロン酸 0.04部 ・ 水 56部 ・ スクワラン 30部 ・ 2オクチルドデカノール 5部 ・ IPP 4部 安定なW/O型マイクロカプセル状エマルジョンクリー
ムであり、肌での滑り、延びが良く、さっぱりとした軽
い使用感のスキンクリームであった。なお、ここに得た
スキンクリームをベースに顔料、許可色素の着色料を5
乃至10%配合することによりメイクアップ化粧料が調
整できる。また、ここに得たスキンクリームをベースと
してアルコールなどを増量することにより全身用化粧料
が調整できる。
【0042】 ≪処方例5≫ 除光液 ・ DFE(ラウリン酸エステル、置換度2.2) 0.3部 ・ 軽質流動パラフィン(IPソルベント:丸善石油製) 24.7部 ・ 水 20部 ・ アセトン 50部 ・ 酢酸エチル 4部 溶剤による脱水や脱脂から爪のあれを防ぐため、油分の
補給と保湿効果をもつ安定W/O型のエマルジョンで、
適度な粘性をもち、脱脂綿に含ませて使い易く、たれ落
ちのしにくい液であった。
【0043】 ≪処方例6≫ クレンジングクリーム ・ DFE(ミリスチン酸エステル、置換度2.2) 2部 ・ 流動パラフィン(シルコールP−70:松村石油製) 38部 ・ ポリエチレングリコール(PEG400:日本油脂製) 60部 ・ 香料、防腐剤など添加物 適量 水の代わりにグリコール類を使用したW/O型マイクロ
カプセル状エマルジョンクリームであり、透明感に優れ
たクレンジングクリームである。この処方はサンタン用
クリームにも適した特性を示した。
【0044】以下に示す処方例7乃至9の製造方法は次
のとおりである。製造方法:ジメチルシリコーンまたは
デカメチルシリコーン以外の油相成分中にDFEまたは
シュガーエステルを80℃に加熱溶解した後、シリコー
ン油(ジメチルシリコーン油またはデカメチルシリコー
ン油)を80℃に加熱して混合する。これを80℃に保
ち、撹拌しながら80℃の水相成分を徐々に加えた。そ
の後もさらに10分間撹拌を継続してシリコーンオイル
を主体とするW/O型マイクロカプセル状エマルジョン
を得る。
【0045】 ≪処方例7≫ クリーム(1) ・ シュガーエステル(S−170:三菱化成製) 1部 ・ メチルフェニルポリシロキサン(FZ209:日本ユニカ製) 18.5部 ・ ジメチルポリシロキサン(KF96−5CS:信越化学製) 20部 ・ 水 60部
【0046】 ≪処方例8≫ クリーム(2) ・ DFE(パルミチン酸エステル、置換度1.5) 1.5部 ・ メチルフェニルポリシロキサン(FZ209:日本ユニカ製) 6部 ・ デカメチルシクロペンタシロキサン(VS−7158:日本ユニカ製) 22.5部 ・ 水 70部
【0047】 ≪処方例9≫ クリーム(3) ・ DFE(オリゴ糖パルミチン酸エステル、置換度1.5) 2部 ・ イソノナン酸イソノニル(サラコス99:日清製油) 7部 ・ デカメチルシクロペンタシロキサン(VS−7158:日本ユニカ製) 26部 ・ 水 65部
【0048】処方例7乃至9のものはシリコーンオイル
を主体とした界面活性剤を使用しない、さっぱりとし
た、軽い使用感の優れた、経時的安定性の良好なW/O
型のマイクロカプセル状エマルジョンのクリームであ
り、スキンクリームなど全般に使用できるものであっ
た。処方例7のシュガーエステル(蔗糖脂肪酸エステ
ル)は2糖の例であり、処方例9はグルコース5個およ
び6個のオリゴ糖を主体とするパルミチン酸エステルの
例である。
【0049】なお、処方例7乃至9における各油相成分
中に高級アルコール、脂肪酸エステル、その他油性成
分、酸化防止剤、防腐剤、顔料、香料などを、また、各
水相成分中に保湿剤、低級アルコール、その他水溶性成
分などを加えてW/O型マイクロカプセル状エマルジョ
ンにすることにより液状ファンデーションなど所要の化
粧品にすることができる。
【0050】処方例1乃至9の各W/O型マイクロカプ
セル状エマルジョンの安定性については、次のとおりの
テストを行って確認した。処方例1乃至9の各試料を3
0℃の恒温器中で2か月間貯蔵テストを行ったところ、
各試料ともエマルジョンの凝集や融合が認められず、離
水もなく、安定な状態を保っていることが確認できた。
【0051】 実施例6.農薬用エマルジョン液(浸透移行性殺虫剤) ・ DFE(パルミチン酸エステル基の置換度2.2) 0.7部 ・ DFE(ステアリン酸エステル基の置換度2.4) 0.3部 ・ 流動パラフィン(シルコールP−70:松村石油製) 30.0部 ・ コーン油 10.0部 ・ 水 57.0部 ・ チオメトン 2.0部 流動パラフィンとコーン油の混合液中にDFEを混ぜ、
70℃で3分間加熱してDFEを溶解する。これを50
℃に保ち、実施例1のホモミキサーで4000rpmに
撹拌しながら浸透移行性農薬である、チオメトンを混合
した50℃の水を徐々に添加し、その後さらに10分間
撹拌を継続してW/O型マイクロカプセル状エマルジョ
ンを得る。このエマルジョンを観葉植物の幹部に塗布し
たところ長期間にわたり殺虫効果が持続した。この農薬
の代わりに医薬を用いることにより軟膏、座薬、貼付剤
など徐放性、持効性のある医薬を作ることができる。
【0055】 実施例7.ボールペンインキ用逆流防止体 ・ DFE(パルミチン酸エステル、置換度2.3、 デキストリン平均重合度46) 1部 ・ メチルフェニルポリシロキサン(KF50:信越化学製) 20部 ・ ジメチルポリシロキサン(KF96:信越化学製) 19部 ・ ポリエチレングリコール(PEG−400:日本油脂製) 30部 ・ 水 30部 DFEをメチルフェニルポリシロキサン中で130℃に
加熱溶解し、次に100℃のジメチルポリシロキサンを
加える。ポリエチレングリコールと水を混合した液を8
0℃に保ち、撹拌しながら除々に加える。その後さらに
撹拌を15分間継続しW/O型マイクロカプセル状エマ
ルジョンを得た。このエマルジョンは温度の変動による
粘度変化が非常に少ないというシリコーンオイルの特性
を活かしたボールペンインキ用逆流防止体であり、氷点
以下の温度や50℃程度のの高温においても安定であっ
た。
【0056】
【発明の効果】本発明のW/O型マイクロカプセル状エ
マルジョンは、芯物質である水滴中、油性ゲル壁膜中お
よび連続相の油中に、染料、顔料、粘剤、糖質、蛋白
質、脂質、酵素、非油溶性液体、有機溶剤、結合剤、安
定剤、高分子など各種広範な物質を包含させることがで
き、貯蔵時に安定であり、使用時には容易に芯物質を放
出しうるので各種筆記具や印刷用のインキ類、化粧品、
捺染剤、農薬、医薬など広範な用途に使用できる。さら
に、本発明のW/O型マイクロカプセルカプセル状エマ
ルジョンは容易に作製できる。従って、本発明は当業界
に資するところが大きいといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】DFE濃度とエマルジョン粘度の関係をB型粘
度計によるcp値で示したグラフ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状油中に微粒化している水滴を油性ゲ
    ル化剤を用いて形成した油性ゲル壁膜をもってマイクロ
    カプセル状に内包させたことを特徴とするW/O型マイ
    クロカプセル状エマルジョン。
  2. 【請求項2】 エマルジョン中に油性ゲル化剤を0.1
    乃至20重量%含有している請求項1記載のW/O型マ
    イクロカプセル状エマルジョン。
  3. 【請求項3】 油性ゲル化剤がデキストリン脂肪酸エス
    テルまたは12−ヒドロキシステアリン酸である請求項
    1または請求項2記載のW/O型マイクロカプセル状エ
    マルジョン。
  4. 【請求項4】 デキストリン脂肪酸エステルの糖の長さ
    が2乃至100である請求項3記載のW/O型マイクロ
    カプセル状エマルジョン。
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