JPH0845067A - 磁気カード用積層ポリエステルフィルム - Google Patents

磁気カード用積層ポリエステルフィルム

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JPH0845067A
JPH0845067A JP12005695A JP12005695A JPH0845067A JP H0845067 A JPH0845067 A JP H0845067A JP 12005695 A JP12005695 A JP 12005695A JP 12005695 A JP12005695 A JP 12005695A JP H0845067 A JPH0845067 A JP H0845067A
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JP
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film
polyester
value
polyester film
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JP12005695A
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Shigeo Uchiumi
滋夫 内海
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Diafoil Co Ltd
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Diafoil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気カード用として優れたポリエステルフィ
ルムを提供する。 【構成】 白色顔料を有する層(A層)を最外層とし、
それ以外の層において再生原料を含有する少なくとも一
層(B層)を有する共押出積層二軸延伸ポリエステルフ
ィルムのA層表面に、ポリウレタン、ポリエステル、ア
クリルスチレン−ブタジエン共重合体およびアクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体から選ばれる少なくとも一
種以上を含有する塗布層を有し、かつ下記式〜を同
時に満足する磁気カード用積層ポリエステルフィルム、
および当該ポリエステルフィルムのA層上にUV印刷総
を、B層上に磁性層を塗布してなる磁気カード。 【数1】 A層単独のb値<5.0 ・・・ B層単独のb値<20.0 ・・・ A層単独のb値≠B層単独のb値 ・・・ 積層ポリエステルフィルムのOD≧0.8 ・・・

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気カード用ポリエス
テル多層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】現在
プリペイドカードとしては、単層フィルムを用いたNT
Tのテレホンカード、JRのオレンジカード等が、電話
代金、切手代金の支払い等に広く普及している。これに
対し、パチンコ業界において、プリペイドカードをパチ
ンコカードに使用することが、普及しつつある。しかし
ながら、パチンコカードは、テレホンカードやオレンジ
カードと異なって、極めて高額のカードを必要とするた
め、偽造防止が必須である。一方、パチンコカードは、
パチンコ店にとっては、テレホンカードやオレンジカー
ドに比べてメリットが小さいため、できるだけ安いフィ
ルムであることが望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
ついて、鋭意検討した結果、ポリエステルフィルムを多
層化し、各層間の色調を変更することによって上記課題
が解決できることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明の要旨は、白色顔料を有する層
(A層)を最外層とし、それ以外の層において再生原料
を含有する少なくとも一層(B層)を有する共押出積層
二軸延伸ポリエステルフィルムのA層表面に、ポリウレ
タン、ポリエステル、アクリルスチレン−ブタジエン共
重合体およびアクリロニトリル−ブタジエン共重合体か
ら選ばれる少なくとも一種以上を含有する塗布層を有
し、かつ下記式〜を同時に満足する磁気カード用積
層ポリエステルフィルム、および当該ポリエステルフィ
ルムのA層上にUV印刷総を、B層上に磁性層を塗布し
てなる磁気カードに存する。
【0004】
【数2】 A層単独のb値<5.0 ・・・ B層単独のb値<20.0 ・・・ A層単独のb値≠B層単独のb値 ・・・ 積層ポリエステルフィルムのOD≧0.8 ・・・
【0005】以下本発明をさらに詳細に説明する。本発
明にいう共押出積層二軸延伸ポリエステルフィルムと
は、全ての層が口金から共溶融押出される共押出法によ
り、押出されたものが二軸方向に延伸・熱固定されたも
のである。延伸・熱固定されたフィルムをオフライン
で、接着剤を介して貼り合わせたものについては、フィ
ルムの平面性が不良であったり、フィルムの各層の厚み
精度が不良であったりして好ましくない。
【0006】共押出の方法としては、フィードブロック
タイプまたはマルチマニホールドタイプいずれを用いて
もよいが、各層のフィルム厚みが厚いものを基本とする
ことからフィードブロックタイプの共押出法を用いるこ
とが好ましい。以下、積層フィルムとして、主として二
層および三層フィルムについて説明するが、本発明にお
いて多層化された層は、二層および三層に限定されるも
のではなく、それ以上の多層であってもよい。特に偽造
防止を目的とする場合は、四層以上の多層フィルムも併
用することが好ましい。
【0007】本発明の積層フィルムは少なくとも片面の
表層を形成する、白色顔料を有する層(A層)と、再生
原料を含有する少なくとも一層(B層)とを有するもの
である。ここでは、代表的フィルムとしてA/Bの二層
フィルムおよびA/B/Aの三層フィルムを説明する
が、必要に応じてA/B/A/B/A,A/C/B,A
/C/B/C/A等、種々の積層フィルムであってもよ
い。
【0008】まず、白色顔料を有する最外層を構成する
層(A層)について説明する。A層を構成するポリエス
テルは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−
2,6−ジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸と、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール等のようなグリコールとの
エステルを主たる成分とするポリエステルである。当該
ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを
直接重合させて得られるほか、芳香族ジカルボン酸ジア
ルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させ
た後、重縮合させる、または芳香族ジカルボン酸のジグ
リコールエステルを重縮合させる等の方法によっても得
られる。
【0009】当該ポリエステルの代表的なものとして
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)、PCT
フィルム等が例示されるが、ポリエチレンテレフタレー
トが最も安価であり好ましい。かかるポリマーは、共重
合されないホモポリマーであってもよいが、ジカルボン
酸成分の15モル%未満が主成分以外のジカルボン酸成
分であったり、ジオール成分の10モル%未満が主成分
以外のジオール成分であるような共重合ポリエステルで
あってもよい。また、必要に応じてポリエステル以外の
ポリマー、例えば、ナイロン、ポリオレフィン等をブレ
ンドしてもよい。重合に際しては、重合調節剤、結晶化
調整剤、可塑剤、艶消剤、安定剤などを添加しても差し
支えないが、白色顔料を含有することが必須である。す
なわち、本発明のフィルムは、白色化によりフィルムの
隠蔽度を上げ、磁気カード化した場合に光線の透過を防
止することにより、印刷層が裏面から見えないようにし
なければならないためである。白色顔料としては、フェ
ノキシ樹脂、ポリオレフィン、ポリカーボネートなど、
いわゆる海島状に分散させて光散乱を起こさせる有機系
高分子を用いてもよいが、一般には、タルク、カオリ
ン、硝酸バリウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、シリカなどの無機粒子を用いることが
好ましい。これらの中でも白色顔料として特に好ましい
ものは、酸化チタンである。用いる無機粒子の粒径は、
通常、平均粒径0.01〜5.0μm、好ましくは0.
1〜0.8μmである。無機粒子の含有量は、通常5〜
50重量%、好ましくは10〜30重量%である。粒径
が小さすぎたり、含有量が少なすぎると白色度が足りな
くなる恐れがある。また、余りに粒径が大きすぎたり、
含有量が多すぎると、フィルム製膜時破断が多発する傾
向がある。
【0010】白色顔料をポリエステルフィルム中に含有
させる方法としては、ポリエステルの重合工程中に添加
する方法、押出機を用いて白色顔料をあらかじめ練込み
マスターバッチとする方法等が採用されるが、特に好ま
しい方法は、フィルムの製造工程の押出工程で直接白色
顔料を添加混合する方法である。その際の押出機として
は、ベント付きの二軸押出機が好ましい。粒子の分散性
改良のためには、同方向二軸押出機よりも異方向の二軸
押出機の方が好ましい。一方、直接添加する粒子として
は、粉体でもよいが、水スラリーで添加するのが定量性
に富み好ましい方法である。白色顔料として酸化チタン
を用いる場合、シリカおよび蛍光増白剤を併用すること
が好ましい。
【0011】本発明においてポリエステルA層に含有さ
れる白色顔料として特に好ましいものである二酸化チタ
ンは、結晶形態的にはアナターゼ型、ルチル型のいずれ
でもよいが、耐候性から考えて、アナターゼ型の方が好
ましい。また、二酸化チタンのポリエステルへの分散向
上の目的で、二酸化チタンの表面にアルミニウム、ケイ
素、亜鉛などの酸化物または各種有機物を表面処理した
ものも用いることができる。
【0012】一方、二酸化チタンと併用されるシリカ
は、結晶形態的には、結晶シリカ、アモルファスシリカ
のいずれでもよく、またこの製造法も乾式法、湿式法い
ずれでもよい。シリカは純粋なシリカ以外に、アルミニ
ウム、マグネシウムなどの金属を含み、ケイ素成分が8
0%以上であるもの、シリカ表面に各種金属、有機物化
合物を表面処理したものも用いることができる。併用す
るシリカの平均粒径は通常0.5〜10μm、好ましく
は1〜10μm、さらに好ましくは2〜8μmである。
シリカの平均粒径が0.5μm未満では、得られるフィ
ルムの表面が平坦で艶消し効果が小さくなる傾向があ
り、10μmを超えると、フィルム表面が粗面化しす
ぎ、磁気カードの磁気記録変換特性を悪化させたり、フ
ィルム生産時のフィルターのライフに劣るなどの問題が
生じる恐れがある。シリカの添加含有量は、通常0.1
〜10重量%、好ましくは、0.3〜2.0重量%であ
る。シリカの添加量が0.1重量%未満では、フィルム
表面に艶光りがあることが多く、10重量%を超える
と、磁気記録変換特性の低下、フィルム延伸時のフィル
ム破断が多くなるという問題が生じる恐れがある。
【0013】二酸化チタンと併用する蛍光増白剤は、波
長400〜500nmに蛍光ピークを有するものであれ
ば種類を問わないが、好適なものとしては、商品名ユビ
テックスOB(チバガイギー社)、OB−1(イースト
マン社)、ミカホワイト(日本化薬−三菱化成社)等市
販されているものが挙げられる。蛍光増白剤のポリエス
テルの添加含有量は通常10〜10000ppm、さら
に好ましくは50〜600ppmである。
【0014】本発明で用いることのできる二酸化チタン
およびシリカは、ポリエステルへ含有させる前に精製プ
ロセスを用いて粒径調製、粗大粒子除去を行うことが好
ましい。精製プロセスの工業的手段としては、粉砕手段
として例えばジェットミル、ボールミル等が挙げられ、
分級手段としては、例えば乾式または湿式遠心分離機等
が挙げられる。なお、これらの手段は2種以上を併用
し、段階的に精製してもよい。
【0015】本発明のフィルムのA層は、単独で測定し
たときのb値が5.0未満、好ましくは3.0未満、さ
らに好ましくは1.0未満である。A層単独のb値が
5.0以上のものでは、白色度が劣り商品価値がない。
A層の極限粘度は、フィルム状態で、通常0.55以
上、好ましくは0.59以上である。極限粘度が0.5
5未満では、機械特性が劣る傾向がある。
【0016】一方、本発明のフィルムのB層を構成する
ポリエステルは、A層と同様のポリエステルを用いるこ
とができる。ただし、B層がA/B2層フィルムのよう
に最外層を形成する際には、粒子を含有することが通常
行われるが、A/B/Aの2種3層フィルムのようにB
層が最外層を形成しない場合には、実質的に粒子を含ま
ないものであってもよい。含有する粒子としては、前述
のカオリン、クレー、各種炭酸カルシウム、各種酸化ケ
イ素、テレフタル酸カルシウム、各種酸化アルミニウ
ム、各種二酸化チタン、リン酸カルシウム、フッ化リチ
ウム、等の公知の不活性外部添加粒子ばかりでなく、ポ
リエステル樹脂の溶融製膜に際して不溶な高融点有機化
合物、単分散球状有機粒子、粉砕型有機粒子、架橋ポリ
マー、およびアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化
合物などによってポリエステル製造時にポリマー内部に
形成される析出粒子等、いかなる粒子であってもよく、
単独または二種以上含有させてもよい。粒子の平均粒径
は0.01〜10μmのものが好ましく、添加量は0.
001〜30重量%が好ましい。B層に粒子以外の蛍光
増白剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、消泡剤、帯電防
止剤等の添加剤が混入されたものであってもよい。
【0017】B層を形成する層は、自己リサイクル原料
もしくは他銘柄のリサイクル原料いずれでもよいが、少
なくともリサイクル原料をB層中10重量%以上、好ま
しくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以
上含有することが好ましい。特にリサイクル原料とし
て、少なくとも一部または全部がポリエステルフィルム
製造工程中に塗布層を併ける、いわゆるインラインコー
ト(ILC)層を含むフィルムの再生原料を含むことが
好ましい。ILC再生原料においてN元素量は10×1
-3g/cm3 以下、S元素量は5×10-3g/cm3
以下であることが好ましい(N=S=0は除く)。
【0018】特にILC再生原料を含有させる場合に
は、抗酸化剤および/または蛍光増白剤を併用すること
が好ましい。抗酸化剤および/または蛍光増白剤を含有
させる方法は、いかなる方法であってもよいが、再生チ
ップを作成する際に追添加することが好ましい。抗酸化
剤および蛍光増白剤のB層中の総量としては、10%以
下でありさえすればよい。
【0019】特にILC再生原料を用いる場合に、塗布
されたILC組成物に制限はないものの、特に好ましく
はポリエステル系、中でも水分散ポリエステル系組成物
である。これは再生工程中、これらの組成物の分解、着
色が少なく、かつフィルム原料のポリエステルと均一に
相溶しやすいためである。特に自己リサイクルポリマー
の混入が困難なILCされた高密度磁気テープ用フィル
ムの再生チップを用いることが経済的効果があり好まし
い。
【0020】抗酸化剤としては、二次酸化防止剤である
過酸化物分解剤、特にその中でもリン系を使用すること
が好ましい。さらに二次酸化防止剤とともにラジカル連
鎖禁止剤特にヒンダードフェノール系一次酸化防止剤を
併用することが好ましい。かくして得られるフィルムの
B層単独のb値は20.0未満である。さらに、A層単
独のb値は、B層単独のb値とは異なるものでなければ
ならない。B層単独のb値が20.0以上では、フィル
ムの劣化が大きすぎ不適当である。また、B層単独のb
値がA層単独のb値と同じでは偽造防止効果がなく、ま
たコスト高となり不適当である。
【0021】B層単独の極限粘度は通常0.50以上、
好ましくは0.54以上である。本発明の積層フィルム
が、A/Bの二層やA/B/Aの二種三層の積層フィル
ムである場合、A層の合計厚みは通常5〜100μm、
好ましくは10〜50μmである。一方、フィルム全厚
みは通常100〜250μmであり、一般には188μ
mである。
【0022】本発明の積層ポリエステルフィルムの隠蔽
性を示す指標であるOD(光学密度)は0.8以上であ
ることが必要である。0.8未満では、印刷の美観が損
なわれるため不適当である。ODは好ましくは1.0〜
1.7である。本発明のフィルムをA層側より評価した
色調L,a,bは、それぞれL>90,a<1.0,b
<0.5であることが好ましい。
【0023】フィルム全体の極限粘度は通常0.54以
上、好ましくは0.58以上である。極限粘度が低い
と、カードを打ち抜きで作成する際、いわゆるバリが出
やすくなる傾向がある。A層とB層の粒子含有量および
フィルム粘度は以下の式を満足することが好ましい。
【0024】
【数3】 |CA −CB |≦25 ・・・ (上記式中、CA はA層の粒子含有量、CB はB層の粒
子含有量である)
【0025】
【数4】 |[η]A −[η]B |≦0.1 ・・・ (上記式中、[η]A はA層の極限粘度、[η]B はB
層の極限粘度である)
【0026】粒子の含有量および/またはフィルム粘度
の差が大きすぎた場合、積層フィルムとしてカードを作
成し使用した際に、層の剥離等が起こりやすくなる傾向
があり、その結果、耐久性が劣る恐れがある。フィルム
の厚さ振れは、規定の厚み、例えば188μmにおいて
188±2μの範囲であることが好ましい。特にフィル
ム幅方向の厚さ振れを低く押えることが重要である。
【0027】さらに、フィルムがカールしないことが重
要である。当然、印刷や磁性層の塗布後にカールしない
ことも必要である。そのため、A/B型で代表される厚
み方向で非対称の積層フィルムよりもA/B/A型で代
表される厚み方向で対称な積層フィルムの方が好まし
い。さらに製膜機の特性で完全対称であるとカールする
こともあるので、A/B/A′型でA,A′として組成
は一緒で厚みだけ異なるタイプの方がカール対策がとり
やすく好ましい。
【0028】本発明のフィルムは、パチンコカード用と
して用いるプリペイドカードとして使用するため、A層
を形成する少なくとも片側表面に、ポリウレタン、ポリ
エステル、アクリルスチレン−ブタジエン共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体から選ばれる少な
くとも一種以上を含有する塗布液を塗布後乾燥して得ら
れる塗膜層を有することが必要である。塗膜を形成する
方法としては、二軸配向フィルム製造時に形成する方法
(前述のILC)と、二軸配向フィルム製造後に形成す
る方法とがあるが、前者の方法が好ましい。前者の具体
例としては例えば、未延伸フィルムの表面に薄膜形成液
を塗布した後、二軸方向に延伸する。または、一軸延伸
フィルム表面に薄膜形成液を塗布した後、直角方向にさ
らに延伸する方法等が挙げられるが、これらを併用する
方法も好適である。
【0029】塗布後延伸処理をしない場合、形成される
塗布層とベースフィルムである白色ポリエステルフィル
ムとの密着力が弱くなる傾向があり、実用に適した接着
性を得られないことがある。これらを工業的有利に達成
するためには、二軸延伸フィルム製造工程内で塗布する
のが好ましい。かかる方法の例として、製膜工程の長手
方向に一軸延伸されたフィルムに塗布し、乾燥または未
乾燥の状態でさらに先の一軸延伸方向と直角の方向に延
伸した後熱処理を施す方法が製造コスト面の点から採用
されるが、これらに限定されるわけではない。
【0030】上述のフィルムを得るための延伸工程は、
好ましくは70〜160℃で行われ、延伸倍率は、面積
倍率で少なくとも4倍以上、好ましくは6〜35倍であ
る。延伸されたフィルムは通常150〜250℃で熱処
理される。さらに、熱処理の最高温度ゾーンおよび/ま
たは熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向お
よび横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましく採
用される。
【0031】特に、70〜145℃でロール延伸法によ
りフィルム長手方向に2〜6倍延伸された一軸延伸白色
ポリエステルフィルムに塗布液を塗布し、適当な乾燥を
施し、あるいは乾燥を施さず、次いで該一軸延伸フィル
ムを横方向に90〜160℃で2〜6倍に延伸し、15
0〜250℃で1〜600秒間熱処理を行う方法が好ま
しく採用される。本方法によるならば、延伸と同時に塗
布層の乾燥が可能になるとともに塗布層の厚さを延伸倍
率に応じて薄くすることができ、白色ポリエステルフィ
ルム基材として好適なフィルムを比較的安価に製造でき
る。
【0032】上述した塗布液をポリエステルフィルムに
塗布する方法としては原崎勇次著、槙書店、1979年
発行、「コーティング方式」に示されるリバースロール
コーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアド
クターコーター等を用いることができる。本発明のフィ
ルムの塗布層は、易印刷性の薄膜層を設けることが好ま
しい。易印刷性薄膜形成剤は、水溶性インク、UV硬化
インク等のように印刷用インクとの接着性が向上するも
のであれば、特に限定されるものではなく、水溶性また
は水分散性ポリエステル系組成物、水溶性または水分散
性ポリウレタン系組成物、水溶性または水分散性ポリア
クリル系組成物、水溶性または水分散性スチレン−ブタ
ジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体等が好ましく挙げられる。
【0033】一方、易印刷性薄膜層を形成する面と反対
の面に、磁性層との接着性を強化する薄膜層を形成し
て、両面コート層を形成させることが好ましい。磁性層
との易接着薄膜形成方法および形成剤は前述の易印刷性
薄膜形成方法および形成剤に準じるが、パチンコカード
用とするため、特にウレタン、塩化ビニル、酢酸ビニル
と酸化鉄等を含有した磁気記録用組成物との接着性が向
上するものであることが好ましい。
【0034】本発明のフィルムの塗布層は、帯電防止能
を有することが好ましい。すなわち、フィルムの帯電に
よる張り付きで作業性を低下させたり、火花放電による
発火事故等の問題を起こしたりするからである。またゴ
ミの付着を防止するためにも重要である。帯電防止性を
付与させる方法としては、有機スルホン酸等の低分子量
のアニオン性界面活性剤、例えばポリスチレンスルホン
酸ナトリウム塩等の帯電防止剤を先の易印刷性および/
または易磁性層接着性塗布剤に配合して、インラインで
塗布することが好ましい。また、帯電防止剤として高分
子量のカチオン系帯電防止剤を用いたり、リン酸基また
はリン酸塩基を有する樹脂を含有するポリマー、主鎖に
イオン化された窒素元素を有するポリマーを配合剤とし
て用いることも好ましい方法である。
【0035】塗布層を形成する場合においても、ブロッ
キングが少ないことが好ましい。ブロッキングがある
と、フィルム製膜後巻き取りスリットする際にフィルム
が貼り付き、極端な場合には破れたりする場合もある。
また、磁性層を塗った後、印刷をする際に磁性層が反対
面に転着して磁性層はがれの原因となる恐れもある。本
発明の塗布層を得るための塗布液は、塗布層の上記ブロ
ッキング性や耐水性、耐溶剤性、機械的強度の改良のた
めに、架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としてはメ
チロール化あるいはアルキロール化した尿素系、メラミ
ン系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系
等の化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、ア
ジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、シラ
ンカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコ−ア
ルミネート系カップリング剤、過酸化物、熱または光反
応性のビニル化合物や感光性樹脂等が挙げられる。
【0036】さらに本発明の塗布層を得るための塗布液
は、塗布層の滑り性改良のために粒子を含有していても
よい。粒子としてはコロイダルシリカ、アルミナ、炭酸
カルシウム、酸化チタン、等の無機粒子と、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリアクリル系樹脂あるいはポリビニル系樹
脂による単独あるいは共重合体を含む微粒子、またはこ
れらと架橋成分を複合した架橋粒子に代表される有機粒
子が例示される。
【0037】さらに本発明の塗布層を得るための塗布液
は、必要に応じて、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、低
分子帯電防止剤、有機系潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、発泡剤、染料、顔料等を含有していてもよい。さ
らに本発明の塗布層を得るための塗布液は、水を主たる
媒体とする限りにおいて、水への分散を改良する目的あ
るいは造膜性能を改良する目的で少量の有機溶剤を含有
していてもよい。有機溶剤は、主たる媒体である水と混
合して使用する場合、水に溶解する範囲で使用すること
が必要である。有機溶剤としては、n−ブチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、エチルアルコール、メチルアルコール等の脂肪族ま
たは脂環族アルコール類、プロピレングリコール、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール
類、n−ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチル
セロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル
等のグリコール誘導体、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸アミル等のエステ
ル類、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、N
−メチルピロリドン等のアミド類が挙げられるが、これ
らに限られるものではない。これらの有機溶剤は単独で
用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよ
い。
【0038】本発明のフィルムの塗布層の厚みは、最終
的な乾燥厚さで通常0.02〜0.5μmの範囲であ
り、好ましくは、0.01〜0.3μmの範囲、さらに
好ましくは0.03〜0.20μmの範囲である。塗布
層の厚さが0.5μmより大きくなると、フィルムが相
互にブロッキングしやすくなったり、特にフィルムの高
強度化を目的として塗布処理フィルムを再延伸する場合
には、工程中にロールに粘着しやすくなったりする恐れ
がある。ブロッキングの問題は、特にフィルムの両面に
同一の帯電防止層を設ける場合に顕著に現れる。塗布層
の厚さが0.02μm未満では、接着性等の改良効果が
小さくなる傾向がある。なお、塗布剤のフィルムへの塗
布性、接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学
処理や放電処理を施してもよい。また、本発明の二軸延
伸ポリエステルフィルムの塗布層の表面特性等を改良す
るために、塗布層形成後に塗布層に放電処理を施しても
よい。
【0039】次に本発明のフィルムの製造方法を具体的
に説明するが、本発明の構成要件を満足する限り、以下
の例示に特に限定されるものではない。白色顔料(好ま
しくはTiO2 )、蛍光増白剤、その他滑剤を所定量含
有したポリエステルと、自己リサイクルのポリエステル
および/または当該用途および/または他用途のインラ
インコート塗布フィルムの再生ポリマーおよび/または
その他ポリマーをブレンドしたポリエステルとを、別々
に乾燥し、別々の押出機から、溶融押出した後、溶融ポ
リマー流路管内または押出口金内において層流状で接合
積層させて、押出口金から吐出させ、未延伸積層フィル
ムを作成する。乾燥は、ホッパードライヤー、真空乾燥
機、パドルドライヤー、オーブン等を用いると良い。B
層をメイン押出機とし、サブ押出機をA層用として用い
る際、サブ押出機を二軸のベント押出機として、白色顔
料その他を直接添加する方法を用いることも好ましい態
様である。特にODの異なるフィルムを切り換え生産の
際、ロスが少なく生産性向上に貢献する。また、キャス
ティング時に、静電密着法を適用し更に水等の液体塗布
法等を併用することも好ましい。
【0040】かくして得られた未延伸積層フィルムは、
まず縦方向に70℃〜145℃で1段または多段階で
2.0〜6倍延伸し、縦一軸延伸フィルムとした後、フ
ィルムの両面に順次塗布液を塗布し、適当な乾燥を施
し、あるいは乾燥を施さず、次いで塗布済一軸延伸フィ
ルムをクリップで把持してテンターに導き、まず横方向
に90〜160℃で2.0〜6.0倍延伸し、150〜
250℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好まし
い。このとき、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または
熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および
/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好まし
い。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加する
ことも可能である。
【0041】本発明の積層フィルムをパチンコカード用
のプリペイドカードとして使用する際、価格の低いプリ
ペイドカードから順番にA/B,A/B/A,A/B/
A/B/A,A/B/A/B/A/B/A,…とB層の
積層数を変更して使用することが好ましい。製造法の困
難さからB層の積層数が増すほど高価格カードとするこ
とが好ましい。例えば、1000円券、5000円券、
1万円券、5万円券を作った際、1000円券はA/
B、5000円券はA/B/Aの二種三層、1万円券は
A/B/A/B/Aの二種五層、5万円券はA/B/A
/B/A/B/Aのような二種七層にすれば、例え10
00円券を偽造して5万円券にしたとき、カードの外観
から偽造か否かをすぐに判別できる。また、これと、特
公平1−105740号公報の偽造防止法と組み合わせ
れば、偽造撲滅に大いに役に立つ。5万円券を買ってそ
の使用済カードを、磁気層のみ変更しての偽造には、上
記対策は通用しないが、少なくとも5万円券を購入する
必要があるので、偽造するメリットが極めて低下する
し、本手法は有効である。
【0042】
【実施例】以下、実施例にて、本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明は、その趣旨を超えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。なお、フィルムの
評価方法は以下に示すとおりである。
【0043】(1)色調 東京電色(株)製カラーアナライザーTC1800MK
II型を用いて、JISZ−8722の方法に準じて、色
調をL,a,bの値として測定した。 (2)光学密度(OD) マクベス濃度計TD−904型を使用し、Gフィルター
下の透過光濃度を測定した。
【0044】(3)積層フィルムの表層フィルム厚さ 透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察
にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エ
ポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理
し、ウルトラミクロトームにて厚み約200nmの切片
を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを
日立(株)製透過型電子顕微鏡H−9000を用いて断
面の顕微鏡写真を撮影し、表層の厚みを測定した。但
し、加速電圧は300kV、倍率は最表層厚みに応じ、
1万倍〜10万倍の範囲で設定した。厚み測定は50点
行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点を
削除して30点を平均して測定値とした。
【0045】(4)不活性固体粒子の平均粒径(電顕
法) 単分散の粒子の平均粒径は、電子顕微鏡による写真法で
測定した。倍率は20000倍とした。 (5)不活性固体粒子の平均粒径d50 cc(コールターカ
ウンター法) 日科機(株)製コールターカウンターTA−II型を用い
て測定した。測定値は、等価球換算値(直径、μm)で
表される。
【0046】(6)表面固有抵抗(帯電防止性) 横河・ヒューレット・パッカード社の同心円型電極「1
6008A(商品名)」(内側電極50mm径、外側電
極70mm径)に23℃、50%RHの雰囲気下で試料
を設置し、100Vの電圧を印加し、同社の高抵抗計
「4329A(商品名)」で試料の表面固有抵抗を測定
した。判定基準は、表面固有抵抗値の対数をとり、以下
のとおりである。 10未満 :A(良好) 10以上,13未満 :B(普通) 13以上 :C(不良)
【0047】(7)UV硬化型インクとの接着性 東洋インキ製造社製UV硬化型オフセットインク“FD
OL藍APNロ”を、明製作所製のオフセット印刷テス
ト機である“RIテスター RI−2”にて2μmの厚
さとなるようフィルムに転写させ、これをウシオ電機社
製UV照射装置“UVC−402/1HN:302/1
MH”に通し、水銀灯出力120W/cm、ラインスピ
ード10m/min、ランプ〜フィルム間隔100mm
の条件にてインクを硬化させ、直ちにセロテープ剥離試
験を行い、剥離面積により評価した。判定基準は以下の
とおりである。 剥離なし :A(良好) 一部剥離箇所有り :B(普通) 全面剥離 :C(不良)
【0048】(8)磁気塗料との接着性 サンプルフィルムに下記評価用塗料をワイヤーバーで乾
燥後の膜厚が5μmとなるように塗布し、80℃で2分
間乾燥し、その後60℃で24時間エージングした。磁
性層接着力は、サンプルの磁性層面にニチバン(株)製
セロテープ(18mm巾)を気泡の入らぬように7cm
の長さに貼り、この上を3kgの手動式荷重ロールで一
定の荷重を与え密着後、フィルムを固定し、セロハンテ
ープの一端を500gの錘に接続し、錘が45cmの距
離を自然落下後に、180°方向の剥離試験が開始する
方法で評価した。接着性は、次の3段階の基準で評価し
た。
【0049】 塗料が全く剥離しない。 :A 10%未満の部分の塗料が剥離する。 :B 10%以上の部分の塗料が剥離する。 :C評価用塗料 磁性微粉末X6000(チタン工業)500部、ポリウ
レタン樹脂ニッポラン2304(日本ポリウレタン製)
30部、塩酢ビ共重合体1000GKT(電気化学製)
50部、レシチン(キシダ化学試薬)5部、シクロヘキ
サノン246部、メチルイソブチルケトン246部およ
びメチルエチルケトン738部をサンドミルにて1時間
混合分散後、架橋剤のコロネートL10部を加えて良く
撹拌し磁性塗料を得る。
【0050】(9)磁気カードのカール性および耐久剥
離性 作成した磁気カードを平面上に載せ、カールの問題の有
無を目視した。また、カードを折り曲げて100回以下
でフィルムの層間剥離を起こさないものを耐久剥離性が
良好とした。
【0051】比較例1 (実質的に粒子状滑剤を含まないポリエステルAの製
造)ビス−(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートオ
リゴマー100部の存在下、テレフタル酸87部とエチ
レングリコール42部とを常圧下260℃で反応させて
エステル化反応を行った。反応開始4時間後、エステル
化率97%のポリエステルオリゴマーが得られた。次い
で、得られたポリエステルオリゴマー103部(最終生
成ポリエステル100部に相当)に二酸化ゲルマニウム
0.01部、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.0
0355部および正リン酸0.01部を添加し、250
℃から285℃まで120分で昇温しつつ、同時に真空
度760mmHgから1mmHgまで120分で減圧し
引き続いて285℃、1mmHgの条件下で重縮合反応
を4時間行い、ポリエステルAを得た。得られたポリエ
ステルの極限粘度は0.63であった。
【0052】(ポリエステルBの製造)上記ポリエステ
ルAを、通常の手法に従い、固相重合を行い、極限粘度
0.75のポリエステルBを得た。 (ポリエステルC,D,Eの製造)ポリエステルAを乾
燥し、ベント式2軸押出機にて平均粒径0.3μmのT
iO2 (アナターゼ型酸化チタン)を40重量%となる
よう混練し、チップ化してポリエステルCを得た。ここ
で酸化チタンの代わりに、蛍光増白剤OB−Iを1.0
重量%となるよう混練してチップ化したものをポリエス
テルDとした。さらに、平均粒径d50 ccが2.4μmの
サイロイド72を3.0重量%となるように混練してチ
ップ化したものをポリエステルEとした。
【0053】(再生ポリマーFの製造)比較例1の積層
フィルムの耳部を乾燥粉体化して押出しチップ化したも
のを再生ポリマーFとした。 (再生ポリマーGの製造)Hi−8メタルパウダー用磁
気記録用ベースフィルムの耳部を乾燥粉体化して押出し
チップ化したものを再生ポリマーGとした。
【0054】(再生ポリマーF′,G′の製造)再生ポ
リマーF,Gの再生チップ化の際、蛍光増白剤としてO
B−Iをポリマー中に0.05重量%、抗酸化剤として
リン系の抗酸化剤JP310(城北化学社製 亜リン酸
エステル(トリデシルホスファイト))とイルガノック
ス1010(チバガイギー社製)を1:1に混合したも
のをポリマー中0.35重量%となるよう追添加したも
のを再生ポリマーF′,G′とした。
【0055】(積層ポリエステルフィルムの製造方法)
ポリエステルC:ポリエステルD:ポリエステルE:ポ
リエステルB=50:2.0:16.7:31.3(重
量比)となるようブレンドしブレンドIとした。ブレン
ドIの極限粘度は0.62であった。ポリエステルC:
ポリエステルF:ポリエステルG=12.2:47.
8:40(重量比)となるようブレンドしブレンドIIと
した。ブレンドIIの極限粘度は0.58であった。
【0056】上記で得たブレンドIとブレンドIIを別々
のサイロに貯蔵した後、チッソ置換したパドルドライヤ
ーで乾燥して、ブレンドIをサブ押出機へブレンドIIを
メイン押出機に送り込んだ。ここでメインの押出機は通
常のシングルの押出機を用いたが、サブの押出機として
は、異方向のベント式二軸押出機を用いた。サブ押出機
のポリマーをフィルムの表裏二層に分岐した後、ギヤポ
ンプフィルターを介して、メイン押出機からのポリマー
とフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャステ
ィングドラム上に引き取り、未延伸フィルムとした。キ
ャスティングの際は、静電密着法を採用した。かくして
得られた二種三層の積層未延伸フィルムを縦延伸ロール
に送り込み、まずフィルム温度83℃(IRヒーター付
与)で2.5倍延伸した後、さらに87℃(IRヒータ
ー付与)で1.23倍延伸し、縦延伸後の複屈折率を
0.70とした後、クリップで把持してテンターに導
き、125℃で横方向に3.0倍延伸して二軸配向フィ
ルムを得た。次いで二軸配向フィルムを熱固定ゾーンに
導き、232℃で10秒間、巾方向に2%弛緩しながら
熱固定し、15μm/158μm/15μmの厚み構成
の二種三層の188μmで極限粘度0.60、フィルム
幅方向の厚さ振れが±2以内のフィルムを得た。得られ
たフィルムの特性、評価結果を下記表3に示した。
【0057】実施例1〜2 下記表1に示す塗布剤組成の塗布液を、比較例1の、縦
延伸後横延伸前のポリエステルフィルムに塗布して、そ
の後、比較例1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。
なお、表1中の塗布剤略記号の内容は下記表2のとおり
である。また、表1中の塗布層内容の組成は各成分の乾
燥固形分での重量比率である。塗布厚さは、最終的に得
られた二軸延伸フィルムにおける表面での、乾燥塗布厚
さである。得られたフィルムの特性評価結果を表3に示
した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】実施例3 実施例1において用いたポリエステルF、ポリエステル
Gの代わりにポリエステルF′、ポリエステルG′を用
いる以外は、実施例1と同様にフィルムを製造し、その
フィルムの特性評価結果を表3に示した。 実施例4 実施例1において用いたポリエステルF、ポリエステル
Gの代わりにポリエステルG′のみを用いる以外は、実
施例1と同様にフィルムを製造し、そのフィルムの特性
評価結果を表3に示した。
【0061】実施例5 ポリエステルE:ポリエステルG′=16.6:83.
4(重量比)となるようブレンドし、ブレンドIII とし
た。ブレンドIとブレンドIII を別々に乾燥し押出し
て、二種二層の未延伸フィルムを得、それ以後は実施例
1と同様に製膜し、30μm/158μmの厚み構成の
二層からなる188μmのフィルムを得た。
【0062】比較例2 ポリエステルA:ポリエステルD:ポリエステルE:ポ
リエステルB=46.8:16:0.6:5.3:3
1.3(重量比)となるようブレンドし、ブレンドIVと
した。ブレンドIVを単層で製膜する以外は、実施例1と
同様に製膜して厚み188μmの単層フィルムを得た。
フィルムの特性評価結果は表3に示すとおりである。
【0063】比較例3 実施例1において、ブレンドI をポリエステルC:ポリ
エステルD:ポリエステルE:ポリエステルB:ポリエ
ステルA=25:2.0:16.7:31.3:25と
し、ブレンドIIをポリエステルC:ポリエステルF:ポ
リエステルG:ポリエステルA=6.1:47.8:4
0:6.1とする以外は実施例1と同様にして、厚さ1
88μmのフィルムを得た。
【0064】比較例4 実施例1において、内層に用いるブレンドIIを乾燥する
ことなく押し出してフィルム化する以外は実施例1と同
様にして、厚さ188μmのフィルムを得た。
【0065】比較例5 実施例1において、内外層ともポリエステルC:ポリエ
ステルF:ポリエステルG=12.2:47.8:40
とし、外層にのみTiO2 (アナターゼ型酸化チタン)
量が20重量%となるようTiO2 を直接添加したほか
は実施例1と同様にして、厚さ188μmのフィルムを
得た。
【0066】比較例6 実施例1において、内外層ともにポリエステルC:ポリ
エステルD:ポリエステルE:ポリエステルB:ポリエ
ステルA=17:1.0:6.0:31.3:44.7
とする以外は実施例1と同様にして、厚さ188μmの
フィルムを得た。
【0067】比較例1〜6、実施例1〜5のフィルムの
片面に磁性層、片面に印刷層を塗布して磁気カードを作
成したところ、実施例1〜4は、磁気カードとして全て
の点で満足できるとともに、厚み方向で、多層化されて
いるため、偽造防止性に優れ、特に高額のパチンコカー
ドに好適であった。実施例5は、使用可能であったが、
少しカールを生じた。
【0068】一方、比較例1は、磁性層および印刷層の
接着性に劣り不適当であった。また比較例2は、磁気カ
ードとして良好であるが、現行のプリペイドカードと区
別できず、セキュリティー性に劣るものであった。比較
例3のフィルムは、白色度が低く、印刷の仕上がりが不
良であり、商品価値のないものであった。比較例4のフ
ィルムは、折り曲げると簡単に折れてしまい、商品価値
のないものであった。比較例5のフィルムは、色調が黄
味がかったものであり、印刷の仕上がりも悪く、商品価
値のないものであった。比較例6のフィルムは、単層の
フィルムと区別できず、セキュリティー性の低いもので
あった。
【0069】
【表3】
【0070】
【発明の効果】本発明のポリエステルフィルムによれ
ば、高品質でかつセキュリティー性の高い磁気カードが
提供され、本発明の工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/704

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白色顔料を有する層(A層)を最外層と
    し、それ以外の層において再生原料を含有する少なくと
    も一層(B層)を有する共押出積層二軸延伸ポリエステ
    ルフィルムのA層表面に、ポリウレタン、ポリエステ
    ル、アクリルスチレン−ブタジエン共重合体およびアク
    リロニトリル−ブタジエン共重合体から選ばれる少なく
    とも一種以上を含有する塗布層を有し、かつ下記式〜
    を同時に満足する磁気カード用積層ポリエステルフィ
    ルム。 【数1】 A層単独のb値<5.0 ・・・ B層単独のb値<20.0 ・・・ A層単独のb値≠B層単独のb値 ・・・ 積層ポリエステルフィルムのOD≧0.8 ・・・
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリエステルフィルム
    のA層上にUV印刷層を、B層上に磁性層を塗布してな
    る磁気カード。
JP12005695A 1994-05-23 1995-05-18 磁気カード用積層ポリエステルフィルム Pending JPH0845067A (ja)

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JP6-108259 1994-05-23
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020093406A (ja) * 2018-12-10 2020-06-18 タキロンシーアイ株式会社 化粧シート

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JP2020093406A (ja) * 2018-12-10 2020-06-18 タキロンシーアイ株式会社 化粧シート

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