JP2003050304A - 半透過反射ポリエステルフィルムおよび製造方法 - Google Patents

半透過反射ポリエステルフィルムおよび製造方法

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JP2003050304A
JP2003050304A JP2001238935A JP2001238935A JP2003050304A JP 2003050304 A JP2003050304 A JP 2003050304A JP 2001238935 A JP2001238935 A JP 2001238935A JP 2001238935 A JP2001238935 A JP 2001238935A JP 2003050304 A JP2003050304 A JP 2003050304A
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polyester film
film
polyester
semi
transmissive reflective
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JP2001238935A
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Inventor
Tetsuo Yoshida
哲男 吉田
Keita Takehisa
慶太 武久
Tetsuo Ichihashi
哲夫 市橋
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Toyobo Film Solutions Ltd
Original Assignee
Teijin DuPont Films Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 透過光および反射光両方での液晶表示の視認
性に優れた液晶表示用に好適な半透過反射ポリエステル
フィルムを提供する。 【解決手段】 波長550nmにおける全光線反射率が
少なくとも40%以上、上記波長における全光線透過率
が少なくとも20%以上であり、かつ上記の全光線反射
率と全光線透過率との和が80%以上であることを特徴
とする、少なくとも一軸方向に延伸されてなる半透過反
射ポリエステルフィルムであって、(a)ポリエステル
フィルム中でポリエステルフィルムの平面方向に30°
以下の配向角で配向している平均長径0.5〜200μ
mの板状フィラー、(b)ポリエステルフィルム中で形
状係数が2以上であるポリエステル以外の熱可塑性樹脂
の分散相、または(c)平均粒径0.5〜200μmの
球状粒子のいずれかをポリエステルフィルムに対して合
計で0.1〜30重量%含有することを特徴とする半透
過反射ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半透過反射ポリエス
テルフィルムおよびその製造方法に関する。さらに詳し
くは、反射光および透過光を用いたときの視認性に優れ
た液晶表示装置の光源部に用いられる、ポリエステルフ
ィルム基材自体が半透過反射性能を有する半透過反射ポ
リエステルフィルムおよびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイはCRTディス
プレイに比べ軽薄化・小型化が容易であり、また消費電
力が少ない等のメリットから、パーソナルコンピュー
タ、カーナビゲーション、PDA、携帯電話等の表示体
として急速に普及してきている。しかしながら、液晶表
示体は、その表示を見るためには液晶セルの視認される
反対側からの透過光が必要なため、表示認識のための光
源が必要であり、液晶表示体が省電力であるとはいえ携
帯電話やPDAといった携帯電子機器の表示においてそ
の消費電力は大きく、これらの使用時間を制限する要因
となっている。
【0003】この問題を解決するために、半透過反射型
の液晶表示装置が用いられている。半透過反射型の液晶
表示装置は外光を利用し、周囲環境が明るい時には反射
光によって表示が認識でき、周囲環境が暗い時にはその
半透過性を利用して内蔵された光源を点灯させることに
よって表示が認識できるようにしたものである。
【0004】しかしながら、半透過反射型の液晶表示装
置においても、反射光による表示と透過光による表示の
両方に於いて十分な視認性を確保することは非常に困難
である。反射光による視認性を十分に得ようとすると透
過光による視認性が極端に落ち、逆に透過光による視認
性を十分に得ようとすると反射光による視認性が極端に
落ちてしまうためである。
【0005】透過光および反射光の双方において良好な
視認性を得る方法として、特開平8−179125号公
報、特開平11−231114号公報、特開平11−2
71512号公報に、パール顔料(以下、二酸化チタ
ン、酸化鉄などにより被覆された平板状マイカ粒子を指
す)を含む半透過反射層を、フィルム基材上に塗布し設
ける方法が提案されている。しかしながら、パール顔料
がフィルム基材の平面方向に配向していない状態では良
好な反射特性が得られにくいといった問題点がある。そ
こで、半透過反射層中のパール顔料を配向させる方法と
して、例えば半透過反射層を形成する塗液層にせん断応
力を与える方法が提案されているが、この方法では、層
厚調整部材と塗液層とのずり速度、または塗液供給部材
と被塗布シートとのずり速度を調整する必要があり、ま
た塗工速度とずり速度によって変動する外観との調整が
容易でないといった欠点がある。
【0006】また、フィルム基材と半透過反射層との界
面の密着性が不十分な場合、経時的に剥がれが生じる場
合もある。また、塗布によって得られた半透過反射層
は、有機溶剤などに対して侵されやすく、加工工程中に
トラブルが発生する場合もある。さらに、反射率を向上
させる目的で塗液中のパール粒子濃度を上げた場合、得
られる半透過反射層の強度が低下し、凝集破壊が起こり
やすくなるといった欠点もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような問題点や欠点の無い、液晶表示用に適した新規
な半透過反射ポリエステルフィルムおよびそれらを製造
する方法を提供することにある。さらに詳しくは、液晶
表示部のバックライトを光源とする透過光において良好
な視認性が得られ、同時に、可視光を反射、拡散する添
加剤をその特性が発揮されるべく、フィルム基材中に配
置させた状態で含有せしめる方法を用いることによっ
て、透過光および反射光両方での液晶表示の視認性に優
れ、さらに液晶表示部材と半透過反射ポリエステルフィ
ルムとの経時密着性を高めた液晶表示用に好適な半透過
反射ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、波長550nmにお
ける全光線反射率が少なくとも40%以上、上記波長に
おける全光線透過率が少なくとも20%以上であり、か
つ上記の全光線反射率と全光線透過率との和が80%以
上であることを特徴とする、少なくとも一軸方向に延伸
されてなる半透過反射ポリエステルフィルムであって、
(a)ポリエステルフィルム中でポリエステルフィルム
の平面方向に30°以下の配向角で配向している平均長
径0.5〜200μmの板状フィラー、(b)ポリエス
テルフィルム中で形状係数が2以上であるポリエステル
以外の熱可塑性樹脂の分散相、または(c)平均粒径
0.5〜200μmの球状粒子のいずれかをポリエステ
ルフィルムに対して合計で0.1〜30重量%含有する
ことによって、透過光および反射光両方での液晶表示の
視認性に優れた半透過反射ポリエステルフィルム、さら
には液晶表示部材と半透過反射ポリエステルフィルムと
の経時密着性の高い半透過反射ポリエステルフィルムが
得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明に係る液晶表示用に適し
た半透過反射ポリエステルフィルムは、波長550nm
における全光線反射率が少なくとも40%以上、上記波
長における全光線透過率が少なくとも20%以上であ
り、かつ上記の全光線反射率と全光線透過率との和が8
0%以上であることを特徴とする、少なくとも一軸方向
に延伸されてなる半透過反射ポリエステルフィルムであ
る。さらには、(a)ポリエステルフィルム中でポリエ
ステルフィルムの平面方向に30°以下の配向角で配向
している平均長径0.5〜200μmの板状フィラー、
(b)ポリエステルフィルム中で形状係数が2以上であ
るポリエステル以外の熱可塑性樹脂の分散相、または
(c)平均粒径0.5〜200μmの球状粒子のいずれ
かをポリエステルフィルムに対して合計で0.1〜30
重量%含有する半透過反射ポリエステルフィルムであ
る。
【0010】また、本発明は好ましい態様として、板状
フィラーがパール顔料であること、熱可塑性樹脂がポリ
オレフィン樹脂であること、また、さらにポリオレフィ
ン樹脂がポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂であるこ
と、球状粒子が酸化チタンおよび/または炭酸カルシウ
ムであることを包含する。
【0011】さらに、ポリエステルフィルムの少なくと
も片面上に粘着層を有する半透過反射ポリエステルフィ
ルムや、ポリエステルフィルムの少なくとも片面上にハ
ードコート層を有する半透過反射ポリエステルフィルム
も本発明の好ましい態様として包含される。
【0012】また、本発明は、(a)平均長径0.5〜
200μmで、かつ延伸によりフィルムの平面方向に3
0°以下の配向角で配向するような板状フィラー、
(b)延伸によりポリエステルフィルム中で形状係数が
2以上になるようなポリエステル以外の熱可塑性樹脂、
または(c)平均粒径0.5〜200μmの球状粒子の
いずれかを該フィルムに対して合計で0.1〜30重量
%含有する未延伸ポリエステルフィルムを、延伸倍率
2.0〜4.0倍で少なくとも一軸方向に延伸させるこ
とによって、請求項1記載の半透過反射特性を有する半
透過反射ポリエステルフィルムを製造することができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成をさらに詳細
に説明する。 <ポリエステルフィルム>本発明におけるポリエステル
フィルムを構成するポリエステルは、芳香族ジカルボン
酸成分とジオール成分とからなる結晶性の線状飽和ポリ
エステルであることが好ましく、例えばポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート等を挙げることができる。またこれらポリエステル
は、ホモポリマーをはじめ、フィルムの耐熱変形性を損
なわない範囲で、主たる構成成分以外の共重合成分を適
宜共重合したコポリマーであっても良い。この中でも、
製膜性および透明性の点から、ポリエチレンテレフタレ
ート共重合体が特に好ましい。ここで「主たる構成成
分」とは、ポリエステルの全繰り返し単位の少なくとも
75モル%以上、好ましくは少なくとも85モル%以上
がエチレンテレフタレート単位、エチレンイソフタレー
ト単位、テトラメチレンテレフタレート単位、またはエ
チレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート単位で
あることを意味する。
【0014】上記の共重合成分としては、例えばジカル
ボン酸成分として、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等
の脂肪族ジカルボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸
等の脂環族ジカルボン酸、またジオール成分として、テ
トラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等
の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等の脂環族ジオールが挙げられる。なお、これらの共
重合成分は1種のみでなく2種以上併用してもよい。こ
れらの中で、製膜時の延伸性の点からイソフタル酸が特
に好ましい共重合成分として挙げられる。これら共重合
成分はポリエステルの全繰り返し単位の25モル%未
満、より好ましくは15モル%未満の範囲で使用され
る。
【0015】また、上記ポリエステルは、グリセリン、
ペンタエリスリトール、トリメリット酸、ピロメリット
酸等のような3個以上のエステル形成性官能基を有する
成分を極小量(実質的に線状のポリマーが得られる範
囲)共重合したものであってもよい。あるいは、耐加水
分解性を向上させるために例えば安息香酸、メトキシポ
リアルキレングリコール等の1個のエステル形成性官能
基を有する化合物によって末端の水酸基および/または
カルボキシル基の一部または全部を封鎖したものであっ
てもよい。
【0016】ポリエステルの固有粘度(オルトクロロフ
ェノール,35℃)は0.40dl/g〜1.50dl
/gであることが好ましく、より好ましくは0.45d
l/g〜1.20dl/gである。固有粘度が0.40
dl/g未満の場合は引裂き強度をはじめ、半透過反射
フィルム基材としてポリエステルフィルムに要求される
機械特性が不足することがある。他方、固有粘度が1.
50dl/gを越える場合は、原料製造工程およびフィ
ルム製膜工程における生産性が損なわれる。
【0017】本発明のフィルムを構成するポリエステル
は、その製法によって限定されることはない。例えば、
ポリエチレンテレフタレートのホモポリマー、またはそ
の共重合体の製法としては、テレフタル酸、エチレング
リコールおよび必要に応じて加えた共重合成分をエステ
ル化反応させ、得られる反応生成物をさらに重縮合反応
させてポリエステルとする方法が好ましく用いられる。
【0018】かかるポリエステルのフィルムには、フィ
ルムの巻取り時の滑り性を良好なものとするため、必要
に応じ滑剤を含有させることができる。かかる滑剤とし
て、例えばシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化チ
タン、硫酸バリウム等の無機微粒子、架橋アクリル樹
脂、架橋ポリスチレン樹脂、架橋シリコーン樹脂等の有
機微粒子が挙げられる。滑剤の平均粒径および添加量
は、ポリエステルフィルムが透明性を維持する範囲内で
あれば特に限定されないが、平均粒径は20〜5000
nm、さらには60〜3000nmであることが好まし
く、添加量はプラスチックフィルムの重量を基準として
0.01〜0.5重量%であることが好ましい。
【0019】本発明におけるポリエステルフィルムに
は、必要に応じ、前記滑剤以外に、蛍光増白剤、酸化防
止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤等
の添加剤を配合することができる。
【0020】特に、330〜380nmの波長領域にお
ける反射率を向上させるには、蛍光増白剤の添加が好ま
しい。かかる蛍光増白剤の種類としては、例えばOB−
1(イーストマン社製)、Uvitex−OB(チバガ
イギー社製)、Uvitex−MD(チバガイギー社
製)、JP−Conc(日本化学工業所製)が挙げられ
る。また蛍光増白剤の添加量としては、0.001〜
0.1重量%、好ましくは0.005〜0.05重量
%、さらに好ましくは0.01〜0.05重量%であ
る。0.001重量%未満の場合、330〜380nm
の波長領域における反射率が向上せず、0.1重量%を
超えると蛍光増白剤の持つ特有の色が着色するため好ま
しくない。
【0021】これら滑剤や添加剤等の添加は、ポリエス
テルの重合段階で添加してもよく、またポリエステルフ
ィルム製膜の際に添加してもよい。
【0022】本発明の半透過反射ポリエステルフィルム
の厚みは、3〜250μmの範囲であることが好まし
く、5〜75μmの範囲内であることがより好ましい。
半透過反射ポリエステルフィルムの厚みが3μm未満で
は反射光における視認性が不十分である。また、半透過
反射ポリエステルフィルムの厚みが3μm未満では、反
射光が十分なレベルにまで板状粒子の添加量を増やして
しまうと、わずかな塗布厚みの違いが筋状に見えやすく
なる。一方、半透過反射ポリエステルフィルムの厚みが
250μmを超えると、フィルムの剛性が強くなりハン
ドリング性が悪化する結果、生産性が低下する。また、
半透過反射ポリエステルフィルムの厚みが250μmよ
り厚いと、該ポリエステルフィルムを通過する透過光の
損失が大きくなり視認性を低下させる。
【0023】<板状フィラー>本発明の半透過反射ポリ
エステルフィルムには、透過光および反射光両方での液
晶表示の視認性を付与するため、板状フィラーを含有す
ることが好ましい。かかる板状フィラーとしては、平板
状面の長径からなる平均長径と、板状フィラーの厚みと
の比が1.1以上である、板状の形状を有する無機化合
物であれば、種類は特に限定されないが、例えばパール
顔料、硫酸バリウム、板状ベーマイト、カオリンが挙げ
られる。これら板状フィラーは1種のみでなく2種以上
を併用してもよい。ここで「平均長径」とは、一定数の
板状フィラーの平板状面の最大直径、すなわち長径の平
均値のことである。
【0024】なお、本発明におけるパール顔料とは、二
酸化チタン、酸化鉄などにより被覆された平板状マイカ
粒子であって、パール顔料として市販されているもので
ある。二酸化チタンによる平板状マイカ粒子の表面の被
覆率は10%〜50%の範囲である。かかるパール顔料
としては、例えば「イリオジン」(メルクジャパン社
製)や「Mearlin」(マール社製)が挙げられ
る。
【0025】本発明における板状フィラーの平均長径
は、0.5〜200μmである必要がある。また、本発
明の板状フィラーの平均長径は、好ましくは、0.8〜
180μm、さらに好ましくは1〜125μmである。
板状フィラーの平均長径が0.5μm未満の場合は、十
分な反射特性が得られない。また、板状フィラーの平均
長径が200μmを超える場合は、ポリエステルフィル
ムの滑らかさが失われ、また視認性も低下する。
【0026】かかる板状フィラーの厚みは、0.01〜
10μmであることが好ましい。0.01μm未満の場
合は、十分な反射特性が得られにくく、また製膜工程に
おいて板状フィラーが折損しやすくなる。また、10μ
mを超える場合は板状の特徴が失われやすく、延伸によ
る板状フィラーの配向が低下し、反射光および透過光に
おける視認性が得られにくくなる。
【0027】上記板状フィラーは、半透過反射ポリエス
テルフィルム中、フィルムの平面方向に30°以下の配
向角で配向していることが必要である。また、かかる板
状フィラーの配向角は、より好ましくは15%以下であ
る。ここで「配向角」とは、一定数の板状フィラーの平
板状面とポリエステルフィルムの平面とでなす角度の平
均値を指す。具体的には、得られた半透過反射ポリエス
テルフィルムの任意の断面を走査型電子顕微鏡(日本電
子(株)製、JSM−5200)にて写真撮影し、任意
の100個の板状フィラーについて、該フィラーの平板
状の面のポリエステルフィルム面に対する配向角を測定
して平均値を算出し、その値をもって「配向角」とす
る。ポリエステルフィルムに含有される板状フィラーの
配向角が30°より大きくなると、反射光における高い
視認性を得ることができない。
【0028】本発明における板状フィラーの添加は、ポ
リエステル合成の際のエステル交換反応終了前、または
重縮合反応開始前に添加してもよく、またポリエステル
フィルム製膜の際に添加してもよい。また、あらかじめ
板状フィラーを多量に添加したマスターペレットを製造
しておき、ポリエステル合成時、あるいはポリエステル
フィルム製膜時に、板状フィラーを含有しないポリエス
テルと混練し、所定量の濃度に調整する方法であっても
よい。なお、ポリエステル合成時に板状フィラーを添加
する場合には、これらをジオール成分に分散させてか
ら、スラリーとして反応系に添加する方法が好ましい。
【0029】<ポリエステル以外の熱可塑性樹脂>本発
明の半透過反射ポリエステルフィルムには、透過光およ
び反射光両方での液晶表示の視認性を付与するため、ポ
リエステル以外の熱可塑性樹脂を含有することが好まし
い。かかる熱可塑性樹脂としては、ポリエステルフィル
ムの延伸によって延伸方向に引き伸ばされるように変形
し得る樹脂であることが好ましく、具体的には次のもの
が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂として例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ3―メチル−1−ブ
テン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリスチレン系
樹脂として例えばポリスチレン、ポリメチルスチレン、
ポリジメチルスチレン、ポリフルオロスチレン、ポリ−
2−メチル−4−フルオロスチレン、その他、ポリブタ
ジエン、ポリビニル−t−ブチルエーテル、セルロール
トリアセテート、セルロールトリプロピオネート、ポリ
ビニルフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられ、
これらの中でも、透過光および反射光の視認性の点か
ら、ポリオレフィン系樹脂、特にポリ4−メチル−1−
ペンテンが好ましい。これら熱可塑性樹脂は1種のみで
なく2種以上を併用してもよい。
【0030】本発明におけるポリエステル以外の熱可塑
性樹脂は、半透過反射ポリエステルフィルム中、形状係
数が2以上であることが必要である。また、該熱可塑性
樹脂は、さらには形状係数が3以上であることが好まし
い。ポリエステル以外の熱可塑性樹脂の形状係数が2未
満であると、反射特性が低下し、反射光における視認性
が不十分となる。
【0031】ここで「形状係数」とは、半透過反射ポリ
エステルフィルム中に分散するポリエステル以外の熱可
塑性樹脂の形状を数値化したもので、製膜時の延伸によ
って球状から平板状に近い構造にひきのばされた形状に
おける長径/短径で定義される。具体的には、得られた
半透過反射ポリエステルフィルムの任意の断面を走査型
電子顕微鏡(日本電子(株)製、JSM−5200)に
て写真撮影し、任意の100個の熱可塑性樹脂断面にお
ける長径/短径をイメージアナライザーで測定して、そ
の平均値をもって「形状係数」とする。
【0032】また、本発明におけるポリエステル以外の
熱可塑性樹脂が、製膜時の延伸工程で、平板状にひきの
ばされた形状となり、形状係数が2以上となるには、ポ
リエステルと、ポリエステル以外の熱可塑性樹脂とが互
いに非相溶であることが好ましい。ここで、「非相溶」
とは、溶解度パラメーターδ(SP値)の差が1[ca
l/cm31/2以上であることを意味する。SP値の差
が1[cal/cm31/2以上の場合は、ポリエステル
と、ポリエステル以外の熱可塑性樹脂とは互いに親和性
がないため、海島構造が形成されやすく、延伸工程にお
ける応力によって、島相を形成するポリエステル以外の
熱可塑性樹脂が平板状にひきのばされやすい。一方、S
P値の差が1[cal/cm31/2未満の場合は、樹脂
同士が相溶しやすく、海島構造が形成されたとしても、
ポリエステル以外の熱可塑性樹脂は、1μm未満の微小
な島相であるため、延伸時に応力に対して変形しにくく
なる傾向がある。
【0033】本発明におけるポリエステル以外の熱可塑
性樹脂の添加時期は、ポリエステルフィルム製膜の際で
あることが好ましい。
【0034】<球状粒子>本発明における半透過反射ポ
リエステルフィルムには、透過光および反射光両方での
液晶表示の視認性を付与するため、球状粒子を含有する
ことが好ましい。かかる球状粒子としては、無機系球状
粒子として例えば酸化チタン、炭酸カルシウムが挙げら
れ、有機系球状粒子として例えば架橋ポリスチレン樹
脂、架橋シリコーン樹脂が挙げられ、これらの中でも酸
化チタンや炭酸カルシウムが特に好ましい。これら球状
粒子は1種のみでなく2種以上を併用してもよい。
【0035】本発明における球状粒子の平均粒径は、
0.5〜200μmであることが好ましい。また、上記
球状粒子の平均粒径は、好ましくは、0.8〜180μ
m、さらに好ましくは1〜125μmである。球状粒子
の平均粒径が0.5μm未満の場合は、十分な反射特性
が得られない。また、球状粒子の平均粒径が200μm
を超える場合は、ポリエステルフィルムの滑らかさが失
われ、また視認性も低下する。
【0036】本発明において、球状粒子が反射光におけ
る視認性を上げる効果については複数の要因が挙げら
れ、硬度の低い球状粒子の場合は、混練、延伸工程で粒
子が潰れ、板状に近い形状となって配向することが考え
られる。凝集力の強い球状粒子においては、延伸工程で
応力をうけることにより、凝集粒子の状態で板状に近い
形状となって配向することが考えられ、また、延伸工程
でポリエステルフィルム基材と球状粒子との界面に微細
なボイドが発生することも一要因として考えられる。
【0037】本発明における球状粒子の添加は、ポリエ
ステル合成の際のエステル交換反応終了前、または重縮
合反応開始前に添加してもよく、またポリエステルフィ
ルム製膜の際に添加してもよい。また、あらかじめ球状
粒子を多量に添加したマスターペレットを製造してお
き、ポリエステル合成時、あるいはポリエステルフィル
ム製膜時に、球状粒子を含有しないポリエステルと混練
し、所定量の濃度に調整する方法であってもよい。な
お、ポリエステル合成時に球状粒子を添加する場合に
は、これらをジオール成分に分散させてから、スラリー
として反応系に添加する方法が好ましい。
【0038】これら板状フィラー、ポリエステル以外の
熱可塑性樹脂および球状粒子は、それぞれ単独で用いて
もよく、また併用しても構わない。これらのうち、好ま
しい態様としては、板状フィラー単独、ポリエステル以
外の熱可塑性樹脂単独、球状粒子単独、板状フィラーと
ポリエステル以外の熱可塑性樹脂との併用、板状フィラ
ーと球状粒子との併用、ポリエステル以外の熱可塑性樹
脂と球状粒子との併用が挙げられる。
【0039】本発明における板状フィラー、ポリエステ
ル以外の熱可塑性樹脂、または球状粒子のいずれかの添
加量は、ポリエステルフィルムの重量を基準として、合
計で0.1〜30重量%であることが好ましい。また、
上記板状フィラー、ポリエステル以外の熱可塑性樹脂、
または球状粒子のいずれかの添加量の合計は、0.3〜
28重量%であることがより好ましく、更には0.5〜
25重量%であることが好ましい。板状フィラー、ポリ
エステル以外の熱可塑性樹脂、または球状粒子のいずれ
かの添加量が0.1重量%未満では、反射光における十
分な視認性が得られず、一方30重量%を越える場合
は、ポリエステルフィルムの延伸性が悪化し、生産性が
低下する。
【0040】<その他添加剤>本発明における半透過反
射ポリエステルフィルムには、さらに必要に応じて、ポ
リエステルフィルムの耐へき開性を向上させ、さらにポ
リエステルフィルムの延伸性を大幅に向上させる目的
で、低比重化剤を添加してもよい。かかる低比重化剤と
しては、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合
体、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル
スルホネートナトリウム塩、グリセリンモノステアレー
ト、テトラブチルホスホニウムパラアミノベンゼンスル
ホネートなどが挙げられ、中でもポリエチレングリコー
ルが好ましい。これら低比重化剤の添加量は、本発明の
目的を損なわない範囲であれば特に限定されないが、好
ましくはポリエステルフィルムの重量を基準として10
重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下である。低
比重化剤の添加量が10重量%を超えると、低比重化剤
がポリエステルフィルム表面に析出したりブリードアウ
トするなど悪影響を及ぼす場合がある。
【0041】また、本発明の半透過反射ポリエステルフ
ィルムには、さらに必要に応じて、ポリエステルフィル
ムの延伸性を向上させる目的で、熱可塑性ポリエステル
エラストマーを添加してもよい。かかる熱可塑性ポリエ
ステルエラストマーとしては、例えば、ハードセグメン
トが主として熱可塑性芳香族ポリエステルからなり、ソ
フトセグメントが主としてポリアルキレンオキシドであ
る、ポリエーテルエステルブロック共重合体が挙げられ
る。
【0042】ハードセグメントを構成する熱可塑性芳香
族ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸またはそのエス
テル形成性誘導体と脂肪族ジオールとから形成されるポ
リエステルであり、好ましくはテレフタル酸および/ま
たはジメチルテレフタレートと、1,4−ブタンジオー
ルとを、ハードセグメントの全繰り返し単位の少なくと
も60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、主
たる構成成分として用いたポリブチレンテレフタレート
である。またこれら熱可塑性芳香族ポリエステルは、ポ
リブチレンテレフタレートからなるホモポリマーをはじ
め、主たる構成成分以外の共重合成分を適宜共重合した
コポリマーであってもよい。
【0043】上記の共重合成分としては、例えば、イソ
フタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン
酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−
4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボ
ン酸、5−スルホイソフタル酸、あるいはこれらのエス
テル形成性誘導体などのジカルボン酸成分、エチレング
リコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロ
デカンジメチロールなどの脂環式ジオールなどが挙げら
れる。なお、これらの共重合成分は1種のみでなく2種
以上併用してもよい。かかる共重合成分はハードセグメ
ントの全繰り返し単位の40モル%未満、より好ましく
は30モル%未満の範囲で使用される。ソフトセグメン
トを構成するポリアルキレンオキシドは、平均分子量が
約400〜5000のポリエチレンオキシド、ポリプロ
ピレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、エチレ
ンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレ
ンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体などが挙
げられ、ポリテトラメチレンオキシドやエチレンオキシ
ドとプロピレンオキシドとの共重合体が好ましく例示さ
れる。なお、これらソフトセグメントを構成するポリア
ルキレンオキシドは、1種または2種以上併用してもよ
い。
【0044】これら熱可塑性ポリエステルエラストマー
において、ハードセグメントとソフトセグメントとの比
は、重量比で90/10〜20/80、好ましくは85
/15〜25/75である。ハードセグメントがこれよ
り多いと柔軟性が不足し、またソフトセグメントがこれ
より多いと結晶性が低くなり、フィルム加工性が損なわ
れる場合がある。
【0045】これら熱可塑性ポリエステルエラストマー
の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲であれば特
に限定されないが、好ましくはポリエステルフィルムの
重量を基準として10重量%以下、さらに好ましくは8
重量%以下である。熱可塑性ポリエステルエラストマー
の添加量が10重量%を超えるとポリエステルフィルム
の耐熱性や機械特性が損なわれる場合がある。
【0046】なお、低比重化剤と熱可塑性エラストマー
とは、単独で使用してもよく、また併用しても構わな
い。
【0047】<粘着層>本発明で用いられる半透過反射
ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少な
くとも片面上に粘着層を有することで、偏光フィルムな
どからなる液晶表示部またはバックライトと貼り合わせ
ることができる。使用する粘着剤は特に限定されない
が、アクリル系、ゴム系、ウレタン系の粘着剤が好まし
く使用される。
【0048】粘着層の厚みは0.5〜60μmが好まし
い。粘着層の厚みが0.5μmより薄いと十分な粘着性
が得られず、60μmを超えると端面からの粘着剤のは
み出しや巻取りが難しくなるなど、フィルムの製造工程
における取り扱い性が低下する。また、粘着層の厚み
は、より好ましくは2〜40μmである。
【0049】<ハードコート層>本発明で用いられる半
透過反射ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィル
ムの少なくとも片面上にハードコート層を有すること
で、半透過反射ポリエステルフィルムと液晶表示部また
はバックライト部とが貼り合わされた中間部品を積み重
ねて保管したり運搬する過程で、半透過反射ポリエステ
ルフィルムに傷が発生するのを抑制し、最終製品の歩留
まりを防止することができる。
【0050】ハードコート層に用いられる材料として
は、例えばシラン系、放射線硬化系など通常用いられる
材料を挙げることができるが、特に放射線硬化系のハー
ドコート用材料が好ましく、中でも紫外線(UV)硬化
系のハードコート用材料が好ましく用いられる。
【0051】ハードコート層の形成に用いられるUV硬
化性材料としては、ウレタン―アクリレート系、エポキ
シ―アクリレート系、ポリエステル―アクリレート系な
どが挙げられる。半透過反射ポリエステルフィルムにハ
ードコート層を積層するには、該ポリエステルフィルム
の少なくとも片面上に、ハードコート層を形成する材料
を塗布し、加熱、放射線(例えば紫外線)照射等により
該材料を硬化させる。
【0052】ハードコート層の厚みは0.5〜10μm
が好ましい。ハードコート層の厚みが0.5μmより薄
いと、中間部品を十分に保護できず、10μmを超える
と加熱または放射線による硬化が十分に得られずブロッ
キングを起こしやすくなる。また、ハードコート層の厚
みは、より好ましくは1〜5μmである。
【0053】<全光線透過率ならびに全光線反射率>本
発明の目的である透過光および反射光での十分な視認性
を得るために、半透過反射ポリエステルフィルムの全光
線透過率ならびに全光線反射率が次のような数値条件を
満たすことが必要である。ここで「全光線透過率」と
は、紫外・可視分光光度計の550nmにおける波長光
を、半透過反射ポリエステルフィルムに照射した時の、
該ポリエステルフィルムを透過した光量の照射光量に対
する百分率を指す。「全光線反射率」とは該ポリエステ
ルフィルムを反射した光量について、同様の測定法に従
った値を指す。
【0054】本発明において、半透過反射ポリエステル
フィルムの550nmにおける全光線透過率が少なくと
も20%以上、さらに25%以上であることがより好ま
しい。半透過反射ポリエステルフィルムの全光線透過率
が20%に満たない場合は、透過光における十分な視認
性が得られない。
【0055】同様に、反射光での十分な視認性を得るた
めには、半透過反射ポリエステルフィルムの550nm
における全光線反射率が少なくとも40%以上、さらに
50%以上であることがより好ましい。半透過反射フィ
ルムの全光線反射率が40%に満たない場合は、反射光
における十分な視認性が得られない。
【0056】さらに、透過光および反射光の両方におい
て十分に明るく視認性に優れた表示を得るためには、半
透過反射ポリエステルフィルムの550nmにおける全
光線透過率と全光線反射率の和が80%以上、さらには
90%以上であることが好ましい。全光線透過率と全光
線反射率の和が上述の数値に満たない場合は、透過視認
性または反射視認性のどちらかが優れていても他方が劣
ることになり、半透過反射ポリエステルフィルムとして
十分な性能を満たすことができない。
【0057】<製造方法>本発明における半透過反射ポ
リエステルフィルムは、以下の方法により製造される。
平均長径0.5〜200μmの板状フィラー、ポリエス
テル以外の熱可塑性樹脂、平均粒径0.5〜200μm
の球状粒子といった添加剤をポリエステルの合成時、あ
るいは製膜時に合計で0.1〜30重量%添加したポリ
エステルは、逐次二軸延伸法や同時二軸延伸法、インフ
レーション法などの公知の方法を用いて、二軸延伸フィ
ルムに製膜される。
【0058】逐次二軸延伸法を用いた製造方法につい
て、以下に説明する。まず、ポリエステルポリマーを乾
燥後、所定量の板状フィラー、ポリエステル以外の熱可
塑性樹脂、または球状粒子のいずれか1種または2種以
上とともに、通常の押出温度、すなわち融点(以下、T
mと表わす)以上、(Tm+70℃)以下の温度で押出
機で溶融混練し、ダイ(例えばT−ダイ、I−ダイな
ど)を通じて得られたフィルム状溶融物を回転冷却ドラ
ムの表面で急冷して未延伸フィルムを得る。この工程で
フィルム状溶融物と回転冷却ドラムとの密着性を高める
目的で、フィルム状溶融物に静電荷を付与する静電密着
法を使用することが好ましい。
【0059】このようにして得られた未延伸フィルム
は、ロール加熱、赤外線過熱などで加熱し、縦方向に延
伸して縦延伸フィルムを得る。この延伸は2個以上のロ
ールの周速差を利用して行うのが好ましい。延伸温度
は、ポリエステルのガラス転移温度(以下、Tgと表わ
す)より高い温度、さらには(Tg+20)〜(Tg+
40)℃の温度であることが好ましく、延伸倍率は、こ
の用途の要求特性にもよるが、2.0倍以上4.0倍以
下とするのが好ましい。延伸倍率は、2.5倍以上4.
0倍以下であることがより好ましく、2.8倍以上3.
9倍以下であることがさらに好ましい。延伸倍率が2.
0倍未満の場合は、ポリエステルフィルムの厚み斑が大
きくなり良好なフィルムを得ることが難しい。また、延
伸倍率が2.0倍未満の場合は、延伸時に板状フィラー
やポリエステル以外の熱可塑性樹脂がうける応力が十分
でないため、板状フィラーの配向角やポリエステル以外
の熱可塑性樹脂の形状係数が要求される状態に至らず、
反射光における視認性が低くなる。一方延伸倍率が4.
0倍を超える場合は、製膜中に破断が発生しやすくな
る。
【0060】得られた縦延伸フィルムは、続いて横延
伸、熱固定、熱弛緩の各処理工程を順次施して二軸配向
フィルムとするが、これらの処理はフィルムを走行させ
ながら行う。横延伸の処理は熱可塑性樹脂のガラス転移
点(Tg)より20℃高い温度から始め、熱可塑性樹脂
の融点(Tm)より(120〜30)℃低い温度まで昇
温しながら行う。この横延伸開始温度は(Tg+20)
℃以上、(Tg+40)℃以下であることがさらに好ま
しい。また横延伸最高温度はTmより(100〜40)
℃低い温度であることがさらに好ましい。
【0061】横延伸過程での昇温は連続的でも段階的
(逐次的)でもよい。通常、逐次的に昇温する。例えば
ステンターの横延伸ゾーンをフィルム走行方向に沿って
複数に分け、各ゾーンごとに所定温度の加熱媒体を流す
ことで昇温する。横延伸開始温度が(Tg+20)℃よ
り低い場合は、フィルムが破れやすく好ましくない。ま
た横延伸最高温度が(Tm−120)℃より低い場合は
フィルムの熱収縮率が大きくなり、また幅方向の物性の
均一性が低下するため好ましくない。一方、横延伸最高
温度が(Tm−30)℃より高い場合は、フィルムが柔
らかくなりすぎ、フィルムの引き取り速度など外的な因
子によってフィルムの破れが起こり好ましくない。
【0062】横延伸の倍率は、この用途の要求特性にも
よるが、2.0倍以上4.0倍以下が好ましい。より好
ましくは、2.5倍以上4.0倍以下であり、さらには
2.8倍以上3.9倍以下とするのが好ましい。2.0
倍未満の場合はフィルムの厚み斑が大きくなり良好なフ
ィルムが得られにくく、また4.0倍を超える場合は製
膜中に破断が発生しやすくなる。
【0063】横延伸のあと、続いて熱固定処理を行う
が、好ましい熱固定の温度範囲は、(Tg+70)〜
(Tm−10)℃である。例えばポリエチレンテレフタ
レートの場合は180〜235℃、ポリエチレン−2,
6−ナフタレートの場合は220〜240℃が好ましい
熱固定温度条件として例示される。また、熱固定時間は
1〜60秒が好ましい。さらに熱収縮率の低減が必要な
用途については、必要に応じて熱弛緩処理を行っても構
わない。
【0064】このようにして厚み3〜250μm、固有
粘度0.40〜1.50dl/gで、板状フィラーがポ
リエステルフィルムの平面方向に30°以下の配向角で
配向し、ポリエステル以外の熱可塑性樹脂が形状係数2
以上である半透過反射ポリエステルフィルムが得られ
る。
【0065】上述の方法により得られた本発明の半透過
反射ポリエステルフィルムは、良好な視認性を確保する
ために透明性が高いことが好ましく、具体的には可視光
線透過率が90%以上で、ヘーズが5%以下であること
が好ましい。可視光線透過率が90%未満またはヘーズ
が5%より大きいと透明性が乏しく、透過光で十分な視
認性を得ることができない。
【0066】本発明においては、半透過反射ポリエステ
ルフィルムの少なくとも片面上に、さらに粘着層を設け
てもよい。該粘着層は、ポリエステルフィルムに、公知
の塗工方法を用いて塗布させてもよく、また離形フィル
ムに公知の塗工方法で予め粘着層を形成させた後、ポリ
エステルフィルムの片面上に貼り付け、その後離形フィ
ルムを剥がして半透過反射ポリエステルフィルムの片面
上に粘着層を転写する方法であってもよい。また、偏光
フィルムに公知の塗工方法で粘着層を塗布し、半透過反
射ポリエステルフィルムと偏光フィルムとを貼りあわせ
てもよい。最終的に製品として用いられる段階では、該
粘着層を介して半透過反射ポリエステルフィルムと偏光
フィルムとが積層される。
【0067】粘着層の塗布は、公知の任意の塗工方法が
適用できる。例えば、キスコート法、バーコート法、ダ
イコート法、リバースコート法、オフセットグラビアコ
ート法、マイヤバーコート法、グラビアコート法、ロー
ルブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコー
ト法、含浸法およびカーテンコート法などを単独または
組み合わせて適用するとよい。
【0068】本発明において、必要に応じ、半透過反射
ポリエステルフィルムの片面上に、さらにハードコート
層を設けてもよい。かかるハードコート層は、ポリエス
テルフィルムを介して、粘着層と反対側に形成されるこ
とが好ましく、さらには、製品として使用される際に、
最外層に位置することが好ましい。
【0069】該ハードコート層は、ポリエステルフィル
ムに、公知の塗工方法で塗布し、硬化処理を行う。ハー
ドコート層の塗布には、公知の任意の塗工方法が適用で
きる。例えば、キスコート法、バーコート法、ダイコー
ト法、リバースコート法、オフセットグラビアコート
法、マイヤバーコート法、グラビアコート法、ロールブ
ラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート
法、含浸法およびカーテンコート法などを単独または組
み合わせて適用するとよい。
【0070】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。なお、各特性値は下記の方法で測定した。 1.板状フィラーの配向角 得られた半透過反射ポリエステルフィルムの任意の断面
を走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JSM−52
00)にて1000〜5000倍に拡大して写真撮影
し、任意の100個の板状フィラーについて、該フィラ
ーの平面状面のポリエステルフィルム面に対する配向角
を測定して平均値を算出した。 2.ポリエステル以外の熱可塑性樹脂分散相の形状係数 得られた半透過反射ポリエステルフィルムの任意の断面
を走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JSM−52
00)にて1000〜5000倍に拡大して写真撮影
し、任意の100個の熱可塑性樹脂分散相について、断
面における長径/短径をイメージアナライザーで測定し
て、平均値より形状係数を求めた。 3.全光線透過率および全光線反射率 紫外・可視分光光度計(島津製作所製、UV−3101
PC)を用い、得られた半透過反射ポリエステルフィル
ムの、550nmにおける全光線透過率および全光線反
射率を測定した。 4.耐溶剤性 得られた半透過反射ポリエステルフィルムをメチルエチ
ルケトンに24時間浸漬し、浸漬後のフィルム外観を観
察して、下記基準で評価した。 ○:目視にてフィルム外観に変化なし △:目視にてフィルム外観にやや白化あり ×:目視にてフィルム外観に白化あるいは剥離などの著
しい変化あり
【0071】[実施例1]イソフタル酸を12モル%共
重合した融点228℃のポリエチレンテレフタレート
(固有粘度:0.64dl/g,Tg:75℃)97重
量%と、平均長径15μmのパール顔料(メルク製,製
品名「IRIODIN 111」)3重量%とを用い、
280℃で溶融混練し、急冷固化して533μmの未延
伸フィルムを得る。該未延伸フィルムを110℃に加熱
し、縦方向に3.6倍に延伸し、次いで120℃に加熱
した縦延伸フィルムを、横方向に3.9倍に延伸した。
その後、185℃の熱固定温度で20秒間熱固定処理を
行い、厚み40μmの二軸配向延伸フィルムを得た。得
られた半透過反射ポリエステルフィルムの特性を表1に
示す。
【0072】[実施例2]イソフタル酸共重合ポリエチ
レンテレフタレートを98重量%、パール顔料を2重量
%とした以外は実施例1と同様の条件で製膜した。得ら
れた半透過反射ポリエステルフィルムの特性を表1に示
す。
【0073】[実施例3]パール顔料の平均長径を25
μm(メルク製,製品名「IRIODIN 123」)
に変更した以外は実施例1と同様の条件で製膜した。得
られた半透過反射ポリエステルフィルムの特性を表1に
示す。
【0074】[実施例4]パール顔料の平均長径を60
μm(メルク製,製品名「IRIODIN 205」)
に変更した以外は実施例1と同様の条件で製膜した。得
られた半透過反射ポリエステルフィルムの特性を表1に
示す。
【0075】[実施例5]イソフタル酸共重合ポリエチ
レンテレフタレートを70重量%、パール顔料を30重
量%、二軸配向延伸フィルムの厚みを5μmとした以外
は、実施例1と同様の条件で製膜した。得られた半透過
反射ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0076】[実施例6]延伸倍率を縦延伸倍率3.0
倍、横延伸倍率3.1倍とした以外は実施例1と同様の
条件で製膜した。得られた半透過反射ポリエステルフィ
ルムの特性を表1に示す。
【0077】[実施例7]ポリエステルとして融点26
0℃のポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.6
4dl/g,Tg:78℃)を使用し、縦延伸倍率を
3.4倍、横延伸倍率を3.6倍とした以外は実施例1
と同様の条件で製膜した。得られた半透過反射ポリエス
テルフィルムの特性を表1に示す。
【0078】[実施例8]イソフタル酸を12モル%共
重合した融点228℃のポリエチレンテレフタレート
(固有粘度:0.64dl/g,Tg:75℃)を9
9.7重量%、平均長径15μmのパール顔料(メルク
製,製品名「IRIODIN 111」)を0.3重量
%用い、280℃で溶融混練し、急冷固化して2350
μmの未延伸フィルムを得る。該未延伸フィルムを11
0℃に加熱し、縦方向に3.0倍に延伸し、次いで12
0℃に加熱した縦延伸フィルムを、横方向に3.1倍に
延伸した。その後、185℃の熱固定温度で20秒間熱
固定処理を行い、厚み250μmの二軸配向延伸フィル
ムを得た。得られた半透過反射ポリエステルフィルムの
特性を表1に示す。
【0079】[実施例9]添加剤を、板状フィラーであ
るパール顔料から球状粒子であるアナターゼ型酸化チタ
ン(平均粒径0.2μm)に変更した以外は実施例1と
同様の条件で製膜した。得られた半透過反射ポリエステ
ルフィルムの特性を表1に示す。
【0080】[実施例10]融点260℃のポリエチレ
ンテレフタレート(固有粘度:0.64dl/g,T
g:78℃)を97重量%、ポリ4−メチル−1−ペン
テン樹脂(三井石油化学工業(株)製,「TPX−DX
820」)を3重量%用い、140℃で6時間乾燥後、
280℃で溶融混練し、急冷固化して560μm厚の未
延伸フィルムを得る。該未延伸フィルムを110℃に加
熱し、縦方向に3.0倍に延伸し、次いで120℃に加
熱した縦延伸フィルムを、横方向に3.1倍に延伸し
た。その後、185℃の熱固定温度で20秒間熱固定処
理を行い、厚み60μmの二軸配向延伸フィルムを得
た。得られた半透過反射ポリエステルフィルムの特性を
表1に示す。
【0081】[実施例11]ポリエステルとして融点2
60℃のポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.
64dl/g,Tg:78℃)を95重量%、ポリ4−
メチル−1−ペンテン樹脂を5重量%用いた以外は、実
施例1と同様の条件で製膜した。得られた半透過反射ポ
リエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0082】[実施例12]平均粒径1μmの炭酸カル
シウムを予め30重量%含有させたポリ4−メチル−1
−ペンテン樹脂(三井石油化学工業(株)製,「TPX
−DX820」)を5重量%、融点260℃のポリエチ
レンテレフタレート(固有粘度:0.64dl/g,T
g:78℃)を95重量%用い、140℃で6時間乾燥
した以外は実施例1と同様の条件で製膜した。得られた
半透過反射ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0083】[実施例13]平均粒径1μmの炭酸カル
シウムを予め30重量%含有させたポリ4−メチル−1
−ペンテン樹脂(三井石油化学工業(株)製,「TPX
−DX820」)を10重量%、熱可塑性ポリエステル
エラストマー(東レデュポン(株)製,製品名「Hyt
rel−4059F」)を9重量%、および融点260
℃のポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.64
dl/g,Tg:78℃)を81重量%用いた以外は、
実施例1と同様の条件で製膜した。得られた半透過反射
ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0084】[実施例14]平均長径15μmのパール
顔料(メルク製,製品名「IRIODIN 111」)
を予め30重量%含有させたポリ4−メチル−1−ペン
テン樹脂(三井石油化学工業(株)製,「TPX−DX
820」)を5重量%、融点260℃のポリエチレンテ
レフタレート(固有粘度:0.64dl/g,Tg:7
8℃)を95重量%用いた以外は、実施例1と同様の条
件で製膜した。得られた半透過反射ポリエステルフィル
ムの特性を表1に示す。
【0085】[実施例15]融点260℃のポリエチレ
ンテレフタレート(固有粘度:0.64dl/g,T
g:78℃)を94重量%、ポリ4−メチル−1−ペン
テン樹脂(三井石油化学工業(株)製,「TPX−DX
820」)を5重量%、および分子量4000のポリエ
チレングリコールを1重量%用いた以外は、実施例1と
同様の条件で製膜した。得られた半透過反射ポリエステ
ルフィルムの特性を表1に示す。
【0086】[比較例1]ポリエステル樹脂(日立化成
工業株式会社製、製品名「エスペル1510」、半透過
反射層のバインダーとして使用)60重量部および平均
長径20μmのパール顔料(メルク製、製品名「IRI
ODIN 123」)40重量部にメチルエチルケトン
を加え分散させたものに、さらにメチルエチルケトン5
0重量部とトルエン50重量部の混合溶剤を加え、液の
粘度を200mPasに調整し、半透過反射層形成用塗
液を調製した。この塗液を二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、
「テトロン」フィルム、G2−38μm厚)の片面にコ
ンマコーターを用いて塗布し、130℃、1分間乾燥さ
せて厚さ8μmの半透過反射層を有する半透過反射フィ
ルムを得た。このとき半透過反射層中のパール顔料の平
均長径と乾燥後の層の厚みとの比は2.5であった。得
られた半透過反射フィルムの特性を表1に示す。
【0087】[比較例2]融点260℃のポリエチレン
テレフタレート(固有粘度:0.64dl/g,Tg:
78℃)を97重量%、平均長径15μmのパール顔料
(メルク製,製品名「IRIODIN 111」)を3
重量%用い、280℃で溶融混練し、急冷固化して厚み
40μmの未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィ
ルムの特性を表1に示す。
【0088】[比較例3]融点260℃のポリエチレン
テレフタレート(固有粘度:0.64dl/g,Tg:
78℃)を95重量%、ポリ4−メチル−1−ペンテン
樹脂(三井石油化学工業(株)製,「TPX−DX82
0」)を5重量%用い、140℃で6時間乾燥後、28
0℃で溶融混練し、急冷固化して厚み40μmの未延伸
フィルムを得た。得られた未延伸フィルムの特性を表1
に示す。
【0089】[比較例4]イソフタル酸共重合ポリエチ
レンテレフタレートを65重量%、パール顔料を35重
量%用いた以外は実施例1と同様の条件で製膜を試みた
が、破断が多発し、製膜できなかった。
【0090】[比較例5]イソフタル酸共重合ポリエチ
レンテレフタレートを65重量%、ポリ4−メチル−1
−ペンテン樹脂(三井石油化学工業(株)製,「TPX
−DX820」)を35重量%用いた以外は実施例1と
同様の条件で製膜を試みたが、破断が多発し、製膜でき
なかった。
【0091】
【表1】
【0092】表1に示すように、実施例1〜8、14の
半透過反射ポリエステルフィルムは、板状フィラーであ
るパール顔料の平均長径、添加量およびポリエステルフ
ィルム製膜時の延伸条件が適切である結果、パール顔料
がポリエステルフィルムの平面方向に対して30°以下
の配向角で配向し、得られた半透過反射ポリエステルフ
ィルムの全光線透過率、全光線反射率が要求特性を満た
しており、透過光視認性、反射光視認性とも良好であっ
た。また、耐溶剤性にも優れていた。
【0093】また同様に、実施例10〜15の半透過反
射ポリエステルフィルムは、ポリエステル以外の熱可塑
性樹脂であるポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂の添加
量およびポリエステルフィルム製膜時の延伸条件が適切
である結果、形状係数が2以上となり、得られた半透過
反射ポリエステルフィルムの全光線透過率、全光線反射
率が要求特性を満たしており、透過光視認性、反射光視
認性とも良好であった。また、耐溶剤性にも優れてい
た。
【0094】一方比較例1は、従来の半透過反射フィル
ムの製造方法に従ったもので、半透過反射層を塗布によ
りフィルム基材上に設ける方法で製造した。得られた半
透過反射フィルムをメチルエチルケトンに24時間浸漬
し、耐溶剤性を評価したところ、塗膜層がフィルム基材
より剥離し、耐溶剤性が不十分であった。また、比較例
2は、板状フィラーであるパール顔料の平均長径、添加
量は十分であったものの、延伸を行わなかった結果、パ
ール顔料がポリエステルフィルムの平面方向に対して3
0°以下に配向せず、得られた半透過反射ポリエステル
フィルムの全光線反射率が40%未満と反射光視認性が
悪化した。比較例3は、ポリエステル以外の熱可塑性樹
脂であるポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂の添加量は
十分であったものの、延伸を行わなかった結果、ポリ4
−メチル−1−ペンテン樹脂の形状係数が2未満であ
り、得られた半透過反射ポリエステルフィルムの全光線
反射率が40%未満と反射光視認性が悪化した。比較例
4、5は、パール顔料、またはポリ4−メチル−1−ペ
ンテン樹脂のいずれかの添加量が30重量%を超えてお
り、製膜時にフィルムの破断が多発し、製膜に至らなか
った。
【0095】
【発明の効果】本発明により得られた半透過反射ポリエ
ステルフィルムは、液晶表示部のバックライトを光源と
する透過光において良好な視認性が得られ、同時に、可
視光を反射、拡散する添加剤をその特性が発揮されるべ
く、フィルム基材中に配置させた状態で含有せしめる方
法を用いることによって、透過光および反射光両方での
液晶表示の視認性に優れ、さらに液晶表示部材と半透過
反射ポリエステルフィルムとの経時密着性が高い、液晶
表示用に好適な半透過反射ポリエステルフィルムを提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 7/00 C08K 7/00 4F100 7/18 7/18 4F210 C08L 23/00 C08L 23/00 4J002 67/00 67/00 101/00 101/00 G02B 1/10 G02B 5/08 Z 5/08 5/30 5/30 G02F 1/1335 520 G02F 1/1335 520 B29K 67:00 // B29K 67:00 105:16 105:16 105:30 105:30 105:32 105:32 B29L 7:00 B29L 7:00 G02B 1/10 Z (72)発明者 武久 慶太 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人デュポンフィルム株式会社相模原研究セ ンター内 (72)発明者 市橋 哲夫 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人デュポンフィルム株式会社相模原研究セ ンター内 Fターム(参考) 2H042 BA02 BA20 DA01 DA11 DA21 DE04 2H049 BA02 BB23 BB63 2H091 FA16 FB03 FB13 LA17 2K009 AA15 BB24 CC24 CC34 CC35 CC42 DD05 4F071 AA02 AA45 AA46 AB18 AB21 AD05 AE09 AF30 AF53 AH12 BA01 BB06 BB07 BB09 BC01 BC10 4F100 AA08A AA21A AK01A AK03A AK08A AK41A BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C CA13A CA23A DE01A DE02A EJ37A GB41 JA20A JB16A JK12C JL13B JN01A JN30 YY00A 4F210 AA03 AA12 AA24 AB11 AB12 AB16 AB17 AB24 AB27 AC03 AG01 AH73 QC06 QG01 QG18 QW07 4J002 AA012 BB002 BB032 BB122 BB172 BC033 BC082 BC112 BD132 BE042 BG042 CF041 CF061 CF071 CF08Z CF081 CL002 CP043 DE147 DE237 DG047 DJ027 DJ056 FA016 FA083 FB076 FD016 FD177 GP00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長550nmにおける全光線反射率が
    少なくとも40%以上、上記波長における全光線透過率
    が少なくとも20%以上であり、かつ上記の全光線反射
    率と全光線透過率との和が80%以上であることを特徴
    とする、少なくとも一軸方向に延伸されてなる半透過反
    射ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 (a)ポリエステルフィルム中でポリエ
    ステルフィルムの平面方向に30°以下の配向角で配向
    している平均長径0.5〜200μmの板状フィラー、
    (b)ポリエステルフィルム中で形状係数が2以上であ
    るポリエステル以外の熱可塑性樹脂の分散相、または
    (c)平均粒径0.5〜200μmの球状粒子のいずれ
    かをポリエステルフィルムに対して合計で0.1〜30
    重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の半透
    過反射ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 板状フィラーがパール顔料であることを
    特徴とする請求項2に記載の半透過反射ポリエステルフ
    ィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステル以外の熱可塑性樹脂がポリ
    オレフィン樹脂であることを特徴とする請求項2に記載
    の半透過反射ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 ポリオレフィン樹脂がポリ4−メチル−
    1−ペンテン樹脂であることを特徴とする請求項4に記
    載の半透過反射ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 球状粒子が酸化チタンおよび/または炭
    酸カルシウムであることを特徴とする請求項2に記載の
    半透過反射ポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    上に粘着層を有することを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の半透過反射ポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    上にハードコート層を有することを特徴とする請求項1
    〜7のいずれかに記載の半透過反射ポリエステルフィル
    ム。
  9. 【請求項9】 (a)平均長径0.5〜200μmで、
    かつ延伸によりフィルムの平面方向に30°以下の配向
    角で配向するような板状フィラー、(b)延伸によりポ
    リエステルフィルム中で形状係数が2以上になるような
    ポリエステル以外の熱可塑性樹脂、または(c)平均粒
    径0.5〜200μmの球状粒子のいずれかを該フィル
    ムに対して合計で0.1〜30重量%含有する未延伸ポ
    リエステルフィルムを、延伸倍率2.0〜4.0倍で少
    なくとも一軸方向に延伸して請求項1記載の半透過反射
    特性のポリエステルフィルムを得ることを特徴とする半
    透過反射ポリエステルフィルムの製造方法。
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