JPH084438Y2 - 小型ポンプ用合成樹脂製ノズル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、小型ポンプ用合成樹脂製ノズルに係る。

「従来の技術」 従来、びん内の液状乃至クリーム状のシャンプーやリ
ンス等を取り出すために、第２図、第３図に示す小型ポ
ンプが用いられる。

このポンプは、縦型往復ポンプであり、本体Ａから上
方へ突出するステムＢの先端にノズルＣを備え、該ノズ
ルを押し下げることにより動作して、ノズルＣから内容
物を噴出する。

ノズルＣは、ヘッド１の前面からヘ字状に屈曲するノ
ズル筒２を突設し、かつ、第３図に示すように、或い
は、実開昭59−123568号公報にも示されているように、
ヘッド１の下面から螺筒３を垂設しており、不使用時に
該螺筒を本体Ａの螺孔へ螺合させるようにしている。

而して、このノズルＣは、通常、適宜合成樹脂で一体
成形されて、この成形の際には、ノズル筒２は真っ直ぐ
な状態で成形されて、二次加工が屈曲される。

「考案が解決しようとする課題」 しかし、ヘッド頂壁の下面から一体成形で垂設する螺
筒３は、通常、第２図、第３図に示すように、筒下部が
有螺条、筒上部が無螺条で、かつ、該筒上部の外径が筒
下部の山径と同等乃至より大径であり、しかも、上端が
ヘッド頂壁によって閉ざされることから、成形時に螺筒
３内に位置させる雄金型は、専ら下方へと型抜きせざる
を得ず、該雄金型における上記筒上部の成形部分（先端
側）を上記筒下部の成形部分よりも太くすることはでき
ない。このため、螺筒３の筒上部に無用な厚肉部を生
じ、この厚肉部に起因して、冷却収縮等に伴う変形や、
不均一な冷却の進行による各種の歪み、甚だしくは亀裂
等を生じて、歩留りが極めて悪くなっている。また、そ
の歪みを除去するためのアニーリング（熱なまし）等の
後処理が不可欠である。

したがって、出来上がった製品は、予想以上にかなり
のコスト高となっている。しかも、品質の面でも問題が
残されている。

本考案は、これらの欠点、問題点を解決しようとする
ものである。

「課題を解決するための手段」 上記目的達成のため、本考案は、縦断面形のヘッド
１の前面からヘ字状に屈曲するノズル筒２を突設し、下
面から該ノズル筒２に連通する螺筒３を垂設した小型ポ
ンプ用合成樹脂製ノズルにおいて、ヘッド１を、前面か
ら前記ノズル筒２を突設するヘッド本体11と、該ヘッド
本体の上面に装備させた天蓋12とから構成し、そのヘッ
ド本体11は、周壁111上端に横設した頂壁112を螺筒３の
上方で開放させるとともに、その頂壁112の上面に周縁
部113を残して広く浅い凹没部114を形成し、また、天蓋
12は、上記凹没部114内に嵌着させる板体121を設け、該
板体の下面中央から螺筒３の内周に嵌合させる嵌合筒12
2を垂設し、而して、その天蓋12を板体121と嵌合筒122
にて上記ヘッド本体11の凹没部114と螺筒３とに嵌合固
定させたことを特徴とする。

「作用」 如上の構成であるから、ヘッド本体の頂壁112に設け
た開放部は、螺筒３内部の成形を可能にする。而して、
ヘッド本体の凹没部114内に嵌合させた天蓋の板体121
は、その開放部を閉塞する。

更に、ヘッド本体11と天蓋12の嵌合は、成形の自在性
をも可能にし、成形における厚肉部の発生を排する。

「実施例」 第１図は、本考案の実施例を示している。

この第１図のものは、上記構成において、螺筒３の外
径をノズル筒２の外径の２倍弱に形成し、かつ、その螺
筒３の上部を下部より僅かに大径にするに止めている。

また、ヘッド１、ノズル筒２及び螺筒３の各部の肉厚
をほぼ均等にしている。

「考案の効果」 本考案によれば、ヘッド１を本体11と天蓋12の二部材
に分けて成形し嵌合させることにより、かつ、ヘッド本
体の頂壁112に開放部を設けることにより、成形の自在
性を確保できるから、各部の肉厚を成形に最適なそして
均一乃至ほぼ均一なものにできて、成形における厚肉部
の発生を排することができ、これにより、冷却収縮等に
伴う変形や、不均一な冷却の進行による各種の歪み、亀
裂等を極力少なく又はなくすことができ、歩留りを大幅
に向上でき、歪みを除去乃至低減させるためのアニーリ
ング（熱なまし）等の後処理を不要にできる。

また、ヘッド本体の頂壁112の凹没部114内に天蓋の板
体121を嵌着したから、ヘッド本体11と天蓋12とを強固
に接着することができ、よって、天蓋12の不意の脱落を
阻止でき、かつ、天蓋12の納まりが良いので、ヘッド本
体11と天蓋12との組立ては、機械的自動的に容易に行え
る。

したがって、製品は大幅にコストダウンでき、品質を
向上させることができる。

加えて、別部材の天蓋12を嵌着するので、該天蓋の色
彩や材質の変更で内容物の表示を、そして、マーク等に
より公告、宣伝等を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例を示す縦断側面図、第２図、
第３図は、従来例の使用態勢と不使用態勢とにおける截
断側面図である。 １……ヘッド、２……ノズル筒 ３……螺筒、12……天蓋

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】縦断面形のヘッド１の前面からヘ字状に
   屈曲するノズル筒２を突設し、下面から該ノズル筒２に
   連通する螺筒３を垂設した小型ポンプ用合成樹脂製ノズ
   ルにおいて、ヘッド１を、前面から前記ノズル筒２を突
   設するヘッド本体11と、該ヘッド本体の上面に装備させ
   た天蓋12とから構成し、そのヘッド本体11は、周壁111
   上端に横設した頂壁112を螺筒３の上方で開放させると
   ともに、その頂壁112の上面に周縁部113を残して広く浅
   い凹没部114を形成し、また、天蓋12は、上記凹没部114
   内に嵌着させる板体121を設け、該板体の下面中央から
   螺筒３の内周に嵌合させる嵌合筒122を垂設し、而し
   て、その天蓋12を板体121と嵌合筒122にて上記ヘッド本
   体11の凹没部114と螺筒３とに嵌合固定させたことを特
   徴とする小型ポンプ用合成樹脂製ノズル。