JPH0844034A - 現像処理装置 - Google Patents

現像処理装置

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JPH0844034A
JPH0844034A JP18354594A JP18354594A JPH0844034A JP H0844034 A JPH0844034 A JP H0844034A JP 18354594 A JP18354594 A JP 18354594A JP 18354594 A JP18354594 A JP 18354594A JP H0844034 A JPH0844034 A JP H0844034A
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良作 澤田
Kensaku Sawada
憲作 澤田
Kosaku Sawada
幸作 澤田
Sosaku Sawada
宗作 澤田
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    • G03D3/08Liquid processing apparatus involving immersion; Washing apparatus involving immersion having progressive mechanical movement of exposed material
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    • G03D3/132Liquid processing apparatus involving immersion; Washing apparatus involving immersion having progressive mechanical movement of exposed material for long films or prints in the shape of strips, e.g. fed by roller assembly fed by roller assembly

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水槽内に、複数の小容積の処理液室を有する
処理装置を配置した構成のもとで、反応時間の異なる複
数処理が必要とされる高感度フイルムやカラーフイルム
等の各種フイルムについても、少量の現像液でむらの無
い安定した現像処理を連続かつ迅速に達成できる現像処
理装置を得る。 【構成】 前後が高位となる円弧に沿って所定小間隔を
おいて列設した複数対の回転ローラ(3),(3')の間それぞ
れを、上下で対のシールローラ(4),(4')で閉塞すると共
に、それらローラの両側に対の支持端板(5),(5')を配し
て、各対の回転ローラ(3),(3')間に、フイルム(F) の移
送方向に連なる小容積の処理液室(2a)を形成せしめ、か
つ各ローラ胴部を弾性材で形成する一方、両側の支持端
板(5),(5')に各処理液室(2a)に通じる給排液口(5a),(5
a')を設けてなる現像容器(2) を、水槽(1) 内に配置し
た構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療、工業および汎用
分野において、光学的ないしはX線等の放射線により撮
影された感光フイルムや印画紙の現像処理に用いられる
現像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】医療、工業および汎用分野において、光
学的ないしはX線等の放射線により撮影され、かつ早期
に結果が求められる感光フイルムの現像処理には、通
常、所定の処理容器に現像処理液(現像液・定着液・現
像定着液など、以下単に処理液という)を取り分けて溜
め、その中に感光フイルム(以下単にフイルムという)
を浸漬して現像した後、空中を移送して次の処理容器で
定着処理する方法が採用され、また、処理量および処理
頻度が高い場合には、移送ローラ等の搬送手段を附設し
た比較的容量の大きな溶液槽などに処理液を収容し、フ
イルムを連続的に経由させて現像処理する方法が採用さ
れている。
【0003】ところで、一般に処理液を収容する処理容
器や槽は、フイルムを装入・出させるために、大気中に
開口されているので、収容された処理液は、繰り返し使
用によって特性が低下すると共に、液面における酸化に
より時経劣化する。更にまた、移送ローラ等の処理機器
の液面まわりに付着した処理液は、乾燥固化や結晶化し
て処理フイルムの損傷因子となる。従って、これら従来
の現像処理方法では、安定した現像処理を継続するため
には、処理液の特性変化を継続的に管理して適時に補充
または交換することと、処理機器の液面まわりを頻繁に
清掃して処理液の乾燥固化物および結晶化物を除去する
ことが必要とされる。
【0004】しかし、それら処理液および機器の管理は
比較的煩雑であるため、実際には、処理液の補充・交換
や機器清掃の時期を失して、貴重な映像が不鮮明となっ
たり損傷したりするという問題を往々にして引き起こし
ている。また、交換時期に達した処理液は、関連諸法規
に則る中和処理等を施して廃棄する必要があり、その使
用量が多いほど、廃液処理のコストおよび手数が多くな
るので、より少量の処理液で安定した現像処理ができ、
かつ処理機器の清掃を不要ないしは軽減でき、しかもコ
ンパクトな構成の現像処理装置が要望されていた。
【0005】本発明者らは、上記要望に対応するための
改善検討を鋭意継続しているもので、その一環として、
スリット状に形成したフイルム出入口を冠水させること
で、内部に収容した処理液の酸化による劣化を抑制する
と共に、乾燥固化や結晶化を防いでフイルムの損傷を防
止できる現像処理タンク(特許第 1773397号および第17
73398号)を開発し、更にこれに検討を加えて、水槽内
に、前後にスリット状のフイルム出入口を設けた偏平状
の液室を有する処理容器を配置し、その液室内に処理液
を送給して横方向に往復流動させることで、通過するフ
イルムに処理液を均等に接触させて現像処理する構成と
して、極少量の処理液で安定した現像処理が達成できる
と共に、煩雑な処理液の補充・交換管理や機器清掃を不
要にすることのできる現像処理装置を提案(特願平4-17
21号)した。
【0006】また続いて、上記先願の現像処理装置に更
に改善を加え、本願に先立って、水槽内に、小容積の液
室を有する処理容器を配置し、かつ、フイルムを移送す
る回転ローラを処理容器の一構成部とした構成のもと
で、回転ローラの摺動部をその両側端面に限定しても液
室の液封が果たせると共に、通過するフイルムに対する
処理液の接触速度(攪拌速度)を安定して高めることが
でき、よって消費動力を低く抑えることができると共
に、極少量の処理液でもってむらの無い安定した現像処
理を連続かつ迅速に達成できる現像処理装置を提案(特
願平5-143678号および該特願平5-143678号による優先権
主張に基づく特願平6-19462 号)した。
【0007】この先願の現像処理装置は、その1実施例
の概要説明図である〔図8〕に示すように、2対の回転
ローラ(33),(33')を所定小間隔を隔てて配すると共に、
この2対の回転ローラ(33),(33')間の上下両側を、上下
で対シールローラ(34),(34')によって閉塞する一方、そ
れらローラの両側に対の支持端板(35),(35')を配し、2
対の回転ローラ(33),(33')と2つのシールローラ(34),
(34')と両側の支持端板(35),(35')とで画成された小容
積の液室(32a) を形成せしめてなる処理容器(32)を、そ
の両側の支持端板(35),(35')を共用化させることで、フ
イルム(F) の移送方向に3つ配列して、水槽(31)内に配
置した構成としている。
【0008】また、各処理容器(32)は、水槽(31)内に供
給された浄水(W) 中に浸漬されると共に、その液室(32
a) は、 (a)図のA−A断面図である (b)図に示すよう
に、両側の給排液口(35a),(35a')を、液管(38)を介して
液循環ポンプ(40)に接続されて閉回路に形成され、その
液管(38)には小型の抜気槽(39)が介装されている。ま
た、各処理容器(32)の液室(32a) 内には、偏平状の液流
孔部(36a) を有するフイルム案内兼整流具(36)が配され
ている。一方、各対の回転ローラ(33),(33')は、減速機
付モータ(42)で駆動されて点Pを中心に回転する駆動平
歯車(41)によって同期回転させられる。また、その前部
にはフイルムガイド(37)が、後部には通風筒(43)がそれ
ぞれ配されており、この構成のもとで、各液室(32a) の
液封を果たしながらフイルム(F) をUの字状に移送し
て、各処理容器(32)内を通過させる。そして、この先願
の現像処理装置では、第1の処理容器(32)に現像液、第
2の処理容器(32)に定着液をそれぞれ循環送給すると共
に、第3の処理容器(32)に浄水(W) を送給し、かつ通風
筒(43)に温風を送給しながら、フイルム(F) をUの字状
に移送し、水槽(31)内の水中を経て3つの処理容器(32)
の液室(32a) 内を通過させて、現像〜定着〜水洗〜乾燥
の処理を連続的に施して現像処理する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記先
願の現像処理装置(特願平5-143678号、平6-19462 号)
について更に詳細に検討すると、通常感度のX線フイル
ムやモノクロームフイルムに対しては、前述のような優
れた効果が得られるものの、高感度のモノクロームフイ
ルム、ないしはカラーフイルムを現像処理しようとした
場合、更には、普通感度の長尺フイルムをより高速で現
像処理しようとした場合、次のような問題が派生し、こ
れらが解決すべき課題として残されていることが判明し
た。
【0010】例えば、医療分野におけるX線撮影に一般
的に用いられるスクリーンフイルム(増感紙使用の普通
感度フイルム)は、現像と定着に要する時間がほぼ等し
いので、現像と定着の時間比率を1:1として連続処理
できる。一方、従来より工業分野等で一般的に用いられ
ているノンスクリーンフイルム(増感紙を使用しない高
感度フイルム)は、X線照射量を少なくして被爆量低く
抑えられることより、近年の歯科におけるX線撮影に広
く用いられるようになっているが、これら高感度フイル
ムは、銀量を高めているため現像よりも定着に要する時
間が長く、その現像と定着時間の比率は1:1.5 以上で
ある。そして従来では、これら高感度フイルムを連続処
理する場合、一般に定着時間に合わせて、現像と定着の
時間比率を1:1としているが、その処理時間を短縮す
るために、現像時間の方に合わせて連続処理しようとす
ると、例えば静止処理液中では、現像液内よりも定着液
内の経由時間を1.5 以上大きくする必要がある。
【0011】ここで、前記先願の現像処理装置では、同
じ長さの各処理容器内を同じ経由時間でフイルムを通過
させるので、高感度フイルムの移送速度を高めてより短
時間で連続処理するには、第1の処理容器の液室に循環
送給する現像液の流速よりも、第2の処理容器の液室に
循環送給する定着液の流速を高くするか、ないしはそれ
ら処理液の濃度を調整して、現像反応と定着反応の速さ
に差をもたせることが必要となる。また、普通感度の長
尺フイルムについも、その移送速度を高めて、全長通過
時間(Top to End)をより短縮するには、上記と同様に、
各処理容器の液室に循環送給する処理液の流速や濃度を
調整して、現像および定着反応をより促進させることが
必要となる。しかし、処理液の流速を高めれば高めるほ
ど流路抵抗が顕著に上昇して、その循環送給に大きな動
力が必要となり、また処理液の流速や濃度を一定限度を
超えて高めても、該処理液とフイルム表面の薬剤との間
の反応は必ずしも比例的には促進されないので、処理液
の濃度および流速の調整にはある限界が生じ、これがた
め、高感度フイルムの現像処理では、第1の処理容器に
送給する現像液の濃度ないしは流速を低く抑えることが
必要となり、結果として処理時間が低く律速される。ま
た、普通感度の長尺フイルムでも、同様の理由により移
送速度の増速に制約を受け、結果として処理時間をより
短縮することが難しくなる。
【0012】一方、カラーフイルムの現像処理では、例
えば、発色現像〜停止〜硬膜〜水洗〜漂白〜水洗〜定着
〜最終水洗などの一連の処理において、水洗自体が特定
処理間の必須工程として組み込まれる。これに対して上
記先願の現像処理装置では、各処理容器の液室内を通過
したフイルムが、水槽内の水中を経て、次の処理容器の
液室に移送されるので、つまり各単位処理の都度に水洗
されることになるので、モノクロームフイルムでは問題
が生じないものの、カラーフイルムでは安定した現像処
理を達成し難くなる。
【0013】更にまた、前記先願の現像処理装置では、
処理されるフイルムが、各単位処理の都度に水槽内の水
中を経て移送されることより、明室で現像処理せんとし
た場合、定着完了までの間のフイルムが感光しないよう
に、その水槽の上開口部を遮光フード等で完全に覆っ
て、該水槽内の水に光が入射されることを確実に防止す
る必要があり、これが取扱の容易性およびコンパクト化
に対する1阻害要因となるので、この点も改善すべき課
題として残されている。
【0014】本発明は上記課題を解決すべくなされたも
ので、複数の小容積の処理液室を有する処理装置を水槽
内に配置した構成のもとで、処理するフイルムに対する
遮光性を容易に確保でき、かつ、連続して行う各単位処
理それぞれの処理液内経由時間を適宜に設定することが
でき、もって、普通感度の長尺フイルムを始めとし、反
応時間の異なる複数処理が必要とされる高感度フイルム
やカラーフイルム等の各種フイルムについても、少量の
処理液でもってむらの無い安定した現像処理を連続かつ
迅速に達成できる現像処理装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成とされている。すなわち、請
求項1の現像処理装置は、水槽内に、複数の小容積の処
理液室を有する処理装置を配置してなる現像処理装置で
あって、前記処理装置が、フイルムを移送する複数対の
回転ローラを所定小間隔を隔てて列設すると共に、各対
の回転ローラ間に、上下で1対ないしは1対以上の奇数
対のシールローラを配して、相前後する2対の回転ロー
ラの上側同士および下側同士間を閉塞させる一方、それ
らローラの両側に対の支持端板を配して、各対の回転ロ
ーラ間に、相前後する2対の回転ローラと上下のシール
ローラおよび両側の支持端板によって画成されると共
に、各対の回転ローラで仕切られてフイルム移送方向に
連なる小容積の処理液室を形成せしめ、かつ、前記回転
ローラおよびシールローラの胴部を弾性材で形成してな
ると共に、両側の支持端板に内部の処理液室それぞれに
連通する処理液の給排液口を設けてなるものである。
【0016】請求項2の現像処理装置は、上記処理装置
の各処理液室内に、前後2対の回転ローラそれぞれの接
触面間を指向してスリット状に開口すると共に両側の支
持端板の給排液口に連通する偏平状の液流孔部を有して
なるフイルム案内兼液整流具が、回転ローラおよびシー
ルローラとは非接触に配設されているものである。
【0017】請求項3の現像処理装置は、上記処理装置
の各対の回転ローラおよびシールローラが、前後両側が
高位となる円弧ないしは該円弧の両端を接線方向に延ば
したUの字状線に沿って配列されて、各処理液室が前記
円弧ないしはUの字状線上に連ねて設けられると共に、
前記円弧ないしはUの字状線の円弧部に沿って配列され
た各対の回転ローラおよびシールローラそれぞれの上方
に位置する回転ローラおよびシールローラの外径が、下
方に位置する回転ローラおよびシールローラの外径より
も小径とされているものである。
【0018】請求項4の現像処理装置は、上記処理装置
の少なくとも1つの処理液室が、その一側方の給排液口
に連結された管路を介して洗浄水供給手段に接続される
と共に、他側方の給排液口に連結された管路を介して水
槽内に連通されて解放回路に形成され、かつ、その他の
処理液室それぞれが、その両側の給排液口それぞれに連
結された管路を介して液循環ポンプに接続されて閉回路
に形成されると共に、その管路ないしは液循環ポンプに
処理液の供給管路および抜気槽が接続されているもので
ある。
【0019】請求項5の現像処理装置は、上記液循環ポ
ンプが、処理装置の一側方の支持端板の各給排液口に近
接した位置を占めて水槽内に配置されると共に、その吐
出側ポートと他側方の支持端板の給排液口とが該処理装
置の下部ないしは側部を迂回する形で配された管路を介
して接続される一方、その吸引側ポートと前記一側方の
支持端板の給排液口とが最短距離を経るように配された
管路を介して接続されているものである。
【0020】
【作用】請求項1の現像処理装置では、所定小間隔を隔
てて列設した複数対の回転ローラの間に、相前後する2
対の回転ローラと上下のシールローラおよび両側の支持
端板によって画成されると共に、各対の回転ローラで仕
切られてフイルム移送方向に連なる小容積の処理液室を
形成せしめ、かつ、両側の支持端板に各処理液室それぞ
れに連通する給排液口を設けてなる処理装置を、水槽内
に配置しているので、外部からの処理液を各処理液室内
に送給して横方向に流動させる一方、各対の回転ローラ
によってフイルムを移送して各処理液室内を通過させ、
すなわち、処理液室内で横方向に流動する処理液中を横
切るようにしてフイルムを通過させることで、処理液を
フイルムの表面に均等に接触させ、その処理液とフイル
ム表面の薬剤との間に所期の反応を生じさせることがで
きる。
【0021】また、各回転ローラおよびシールローラの
胴部は弾性材で形成しているので、それらローラの胴部
外周面を互いに接触させると共に、それぞれの胴部両端
面を両側の支持端板に直接に、またはシールリングを介
して密着させることで、内部に画成した処理液室を、各
ローラを回転させつつ液封することができる。また、各
対の回転ローラは、上下からフイルムを挟持して回転す
ることで、そのフイルムに擦り疵を生じさせることなく
確実に移送して各処理液室内を通過させる一方で、各処
理液室の液封機能を保持することができる。
【0022】しかも、処理装置は水槽内に配置するの
で、その水槽内に給水した水中に各処理液室を浸漬させ
て、水圧とのバランスによって処理液室内からの処理液
の漏出を抑制できると共に、各処理液室内の処理液と大
気との接触を完全に遮断して、処理液が酸化により特性
劣化したり、該処理装置まわりで乾燥固化や結晶化して
通過するフイルムを損傷させたりすることを確実に防止
できる。また、各処理液室は、フイルムの通過を許容す
ると共に、その内部で処理液を横方向に流動させ得る範
囲内において、その断面積を狭めて内容積を小さくでき
るので、各処理液室内を充満するに要する処理液量は少
なくてすむと共に、その処理液の横方向の流速を容易に
高めることができ、よって通過するフイルムに対する処
理液の接触速度(攪拌速度)を高めて、少量の処理液で
むらの無い安定した現像処理を迅速に達成することがで
きる。
【0023】また、処理装置のシールローラは、上下で
1対ないしは1対以上の奇数対としているので、相前後
する対の回転ローラの回転に逆らうことなく、容易に同
期して随伴回転させることができる。また、特定位置を
占めて相前後する対の回転ローラ間におけるシールロー
ラの配置対数を変えることで、特定の処理液室のフイル
ム移送方向の長さを他の処理液室よりも長くすることが
できる。更にまた、各処理液室は、その前後の対の回転
ローラを隣合う他の処理液室と共用して連ねられている
ので、すなわち、前述の先願の現像処理装置のように水
槽中の水で隔てられることなく連ねられているので、特
定位置を占めて隣合う複数連の処理液室に同種の処理液
を送給することで、それら複数連の処理液室で同じ処理
液による処理を連続して行わせることができる。従っ
て、これらの組み合わせによって、連続して行う各単位
処理それぞれにおける同一処理液内の経由時間を適宜に
設定することができ、よって特定の処理液室内での処理
液の濃度や流速を一定限度を超えて高めることなく、フ
イルム移送速度を高く設定して、処理時間の異なる複数
処理が必要とされる各種フイルムを、連続かつ迅速に現
像処理することができる。また、このように処理液室を
連ねてなる現像処理装置では、入り側でのフイルムに対
する遮光を行うだけで、処理中のフイルに対する遮光も
完全に達成でき、よって現像処理を明室にて行うことも
できる。
【0024】請求項2の現像処理装置では、上記処理装
置の各処理液室内に配置したフイルム案内兼液整流具に
よって、各処理液室の処理液流通路およびフイルム通過
路の形状を整えると共に内容積を小さくしているので、
フイルムの通過を安定化させる一方で、処理液の流動を
整流すると共に増速させて、通過するフイルム表面に処
理液を均等かつ確実に接触させると共に、その接触速度
(攪拌速度)をより高め、より少量の処理液でむらの無
い安定した現像処理を連続かつ迅速に達成することがで
きる。
【0025】請求項3の現像処理装置では、上記処理装
置の各処理液室を、円弧ないしは該円弧の両端を接線方
向に延ばしたUの字状線上に連ねて設けるので、フイル
ムをUの字状に移送して連続的に処理でき、すなわちフ
イルムを上方から装入および送出することができ、これ
により長尺なフイルムについても取り扱いが容易になる
と共に、装置の前後方向の長さを短縮して装置全体をコ
ンパクトにすることができる。更に、円弧部に沿って配
列された各対の回転ローラおよびシールローラそれぞれ
の上方に位置する回転ローラおよびシールローラの外径
を、下方に位置する回転ローラおよびシールローラの外
径よりも小径としているので、円弧ないしはUの字状線
に沿う各ローラの配列および同配列下でのフイルムの移
送を容易かつ安定なものとすることができる。
【0026】請求項4の現像処理装置では、上記処理装
置の少なくとも1つの処理液室を、洗浄水供給手段に接
続すると共に水槽内に連通させて解放回路に形成し、か
つ、その他の処理液室を、管路を介して液循環ポンプに
接続して閉回路に形成しているので、それら閉回路に形
成された処理液室それぞれに一定かつ少量の処理液を循
環送給して横方向に流動させ、その少量の処理液にて一
連の処理を行う一方で、解放回路に形成された処理液室
を通して水槽内に水を連続送給すると共に、該処理液室
を通過するフイルムに対し、一連の処理で必要とされる
水洗処理を行うことができる。更にまた、閉回路を形成
する管路ないしは液循環ポンプに処理液の供給管路およ
び抜気槽を接続しているので、その閉回路に処理液を充
填供給および任意時点に補充できると共に、その処理液
を充填ないしは補充する際に不可避的に混入した空気を
抜気槽によって排出し、各処理液室に循環送給する処理
液中に気泡が生じて現像処理精度が低下することを防止
できる。
【0027】請求項5の現像処理装置では、上記液循環
ポンプを処理装置に近接した水槽内に配置するので、こ
の液循環ポンプと処理装置の各処理液室とを連通する液
管の管路長を短縮し、その閉回路の流路抵抗を低く抑え
て、処理液の循環送給に要する動力を低減でき、更に、
液循環ポンプや管路の接続部から処理液が漏洩した場合
でも、その漏洩処理液を水槽内の水中に拡散させ、装置
外に流出して周辺を汚損することを確実に防止できる。
また、その液循環ポンプの吸引側ポートと各処理液室の
一方の給排液口とを接続する液管の管路長を最短として
いるので、各処理液室への処理液の送給側管路の流路抵
抗よりも排出側管路の流路抵抗を低め、これによって処
理液室内での処理液を吸引する形態で流動させ、各処理
液室の内圧上昇による処理液の漏洩を防止することがで
きる。
【0028】なお、上記の処理液とは、現像液、定着
液、現像定着液、カラー発色液、停止液、硬膜液、漂白
液、安定液、後処理液等の通常の現像処理およびカラー
現像処理に用いられる溶液および洗浄用の浄水である。
【0029】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して、以下に説
明する。〔図1〕は本発明の第1実施例の現像処理装置
の概要構成を示す図面であって、 (a)図は一部を切欠い
て示す正面図、 (b)図は (a)図のA−A断面図である。
また、〔図2〕は同装置の液供給系の説明図、〔図3〕
は同装置の駆動系の説明図である。
【0030】〔図1〕において、(1) は水槽であって、
この水槽(1) は、立方形の上開口式槽で、規制水面を形
成する排水口(1a)と、この排水口(1a)側の側辺部に設け
られた排水溜(1b)とを備えてなる。また、その内底部に
は水温調整器(1c)が配設されている。
【0031】(2) は処理装置であって、この処理装置
(2) は、フイルム(F) を移送する8対の回転ローラ(3),
(3')を、中心点Pから等距離であって、かつ前後両側が
高位となる円弧に沿わせ、所定小間隔を隔てて配列する
と共に、この8対の回転ローラ(3),(3')それぞれの間の
上下両側に、相前後する2対の回転ローラ(3),(3')の外
周に接して回転する上下で対のシールローラ(4),(4')を
配して、相前後する2対の回転ローラ(3),(3')の上側同
士および下側同士間を閉塞させる一方、それらローラの
両側に対の支持端板(5),(5')を配することで、各対の回
転ローラ(3),(3')それぞれの間に、相前後する2対の回
転ローラ(3),(3')と上下で対のシールローラ(4),(4')お
よび両側の支持端板(5),(5')によって画成されると共
に、各対の回転ローラ(3),(3')で仕切られてフイルム
(F) の移送方向に連なる小容積の処理液室(2a)を形成
し、これによって、No.1〜No.7の7つの処理液室(2a)
を、上記円弧上に連ねて設けてなる。
【0032】また、この処理装置(2) の、上方に位置す
る各回転ローラ(3) とシールローラ(4) の外径は、下方
に位置する各回転ローラ(3')とシールローラ(4')の外径
よりも小径とし、これにより各ローラを同一円弧上に沿
わせて配列することを容易すると共に、その配列下での
フイルム(F) の移送を容易にしている。一方、両側の支
持端板(5),(5')には、 (b)図に示すように、各処理液室
(2a)それぞれに連通する給排液口(5a),(5a')が設けてあ
る。
【0033】また、各回転ローラ(3),(3')およびシール
ローラ(4),(4')は、金属製の中心軸上にゴム製の胴部を
焼嵌成形してなる平ローラとされ、それぞれの両端部軸
を両側の支持端板(5),(5')を貫通して側方に突出させて
該支持端板(5),(5')に回転自由に軸支されている。更
に、それらローラの胴部両端面と支持端板(5),(5')の内
面との間には、 (b)図に示すように、それらローラと同
外径であって、摩擦係数の低いテフロンシートとシリコ
ンゴム板とを積層してなる平環状のシールリング(7) が
介装され、このシールリング(7) にて各ローラと支持端
板(5),(5')間が摺動抵抗の小さい状態で液封されてい
る。また、両側の支持端板(5),(5')は、その四隅部に配
された連結ロッド(5b)にて互いに平行に連結され、これ
によって支持端板(5),(5')と各ローラとが一体に組み立
てられている。
【0034】また、各処理液室(2a)内には、前後がスリ
ット状に開口すると共に両側の支持端板(5),(5')の給排
液口(5a),(5a')に連通する偏平状の液流孔部(6a)を有す
るフイルム案内兼液整流具(6) が、両端を支持端板(5),
(5')に連結支持されて、回転ローラ(3),(3')およびシー
ルローラ(4),(4')とは非接触に配設されている。なお、
このフイルム案内兼液整流具(6) は、押出成形されたポ
リビニールクロライド樹脂製のもので、その外周面に
は、回転ローラ(3),(3')とシールローラ(4),(4')の外径
に非接触で沿う円弧状の凹部が横幅方向に形成されてい
る。
【0035】一方、この処理装置(2) の最前部に位置す
る対の回転ローラ(3),(3')の直上方には、フイルム(F)
を案内する偏平状の内孔を有すると共に、その内面に黒
色のテフロンコーテングを施したフイルム案内筒(13)
が、その両側端を両側の支持端板(5),(5')に支持され、
裾広がりとした下端を最前部の対の回転ローラ(3),(3')
の外周を覆う形で近接させて、前記円弧の接線方向に配
されている。また、このフイルム案内筒(13)は、ここで
は図示を省略したフイルム挿入暗箱ないしはフイルムカ
セットを取り付けるために、上端を側方に向けて方形に
開口させている。更に、最後部に位置する対の回転ロー
ラ(3),(3')の上方には、前後にフイルム(F) を通過させ
るスリット状のフイルム通過口を有すると共に、その内
下部に対の水切ローラ(14),(14')を配してなる通風筒(1
5)が、両側の支持端板(5),(5')に支持されて横方向に配
されている。また、この通風筒(15)は、ここでは図示を
省略した温風送給機(20)に開口端部を接続され、その温
風送給機(20)から送給された温風を、内下部の対の水切
ローラ(14),(14')に吹き付けると共に、上側のフイルム
通過口から排出させることで、その対の水切ローラ(1
4),(14')外周面の水分除去を容易にし、通過するフイル
ム(F) の水切りおよび乾燥を促進させる構成とされてい
る。
【0036】そして、この処理装置(2) は、最上部のシ
ールローラ(4) が、水槽(1) の規制水面よりも僅少に低
い高さ位置となり、その水槽(1) 内に給水した浄水(W)
中に各処理液室(2a)が完全に浸漬し、かつフイルム案内
筒(13)の上端開口部および通風筒(16)が規制水面上に位
置するように配置されると共に、その7つの処理液室(2
a)の内のNo.3とNo.7を除く5つの処理液室(2a)は、 (b)
図に示すように、それぞれの両側の給排液口(5a),(5a')
がゴム製の液管(8) を介して、水槽(1) 内に配置された
遠心型の液循環ポンプ(11)の接続されて、その処理液室
(2a)と液管(8)と液循環ポンプ(11)とからなる閉回路に
形成されている。
【0037】また、液循環ポンプ(11)は、処理装置(2)
の各処理液室(2a)の一側方の給排液口(5a)に近接して配
され、かつ水槽(1) の規制水面上に配置された可変速モ
ータ(12)により駆動されると共に、その吐出側ポート
は、他側方の給排液口(5a') に迂回する形で接続された
液管(8) に連結され、これによって液循環ポンプ(11)の
吸引側ポートと給排液口(5a)とを接続する液排出側の液
管(8) の管路長が最短となり、その流路抵抗が、液送給
側の液管(8) の流路抵抗よりも低くなるようにされてい
る。また、管路長の長い液送給側の液管(8) には、それ
に連なる閉回路に処理液(L) を初期充填および点滴補給
するためのゴム製の注液管(10)が分岐接続されると共
に、高位となる部位に小型の抜気槽(9) が介装されてい
る。更に、その抜気槽(9) が備える抜気管(9a)の水面上
に位置する部位には液溢流管(9b)が分岐して設けてあ
り、かつその液溢流管(9b)は、ここでは図示を省略した
透明液送管を介して、水槽(1) の排水溜(1c)に連通され
ている。一方、注液管(10)には、ここでは図示を省略し
た密封式の処理液供給器に接続されている。
【0038】ここで、この処理装置(2) のNo.1とNo.2お
よびNo.4からNo.6の5つの処理液室(2a)は、前記構成の
もとで、〔図2〕に示すように、それぞれ独立した閉回
路に形成されているが、No.3とNo.7の処理液室(2a)は、
一側方の支持端板(5) の給排液口(5a)に連結された液管
(8) を介して、ここでは図示を省略した浄水(W) の供給
手段に接続されると共に、他側方の支持端板(5) の給排
液口(5a') に連結された液管(8) を介して水槽(1) 内に
連通されて、解放回路に形成されており、この液供給系
のもとで、No.1とNo.2およびNo.4〜No.6の5つの処理液
室(2a)に処理液(L) を循環送給する一方、No.3とNo.7の
2つの処理液室(2a)には浄水(W) を連続送給し、これら
処理液室(2a)内を通して水槽(1) 内に水を供給する。一
方、通風筒(15)には、水槽(1) の外側に配置された温風
送給機(20)から温風を送給する。
【0039】翻って、(17)は駆動平歯車であって、この
駆動平歯車(17)は、処理装置(2) の支持端板(5),(5')に
軸支されて、前記P点を中心に回転自由とされている。
また、この駆動平歯車(17)は、支持端板(5),(5')上に載
設された減速機付モータ(19)のピニオン歯車(18)に歯合
されると共に、〔図3〕に示すように、各対の回転ロー
ラ(3),(3')それぞれの一方の端部軸に取着されて互いに
歯合している平歯車(16),(16')の、上方に位置する各平
歯車(16)に歯合されており、この駆動系のもとで、1つ
の減速機付モータ(19)によって、8対の回転ローラ(3),
(3')が同期回転させられる。一方、各シールローラ(4),
(4')は、フリーローラとされ、各対の回転ローラ(3),
(3')の回転に追従して同期回転させられる。
【0040】上記構成の本実施例の現像処理装置では、
先ず、処理装置(2) のNo.3とNo.7の2つの処理液室(2a)
に清水(W) を連続送給することで、水槽(1) 内に清水
(W) を供給し、この処理容器(2) の各処理液室(2a)を清
水(W) 中に浸漬させる。続いて、各注液管(10)を介し
て、No.1とNo.2およびNo.4〜No.6の5つの処理液室(2a)
に連なる閉回路それぞれに処理液(L) を供給充填する。
このとき、互いに隣合って連なるNo.1とNo.2の2つの処
理液室(2a)に現像液、No.4〜No.6の3つの処理液室(2a)
に定着液をそれぞれ供給する。
【0041】次いで、減速機付モータ(19)を駆動して処
理装置(2) の各ローラを回転させると共に、可変速モー
タ(12)により各液循環ポンプ(11)を駆動して充填された
処理液(L) を各処理液室(2a)を通して高速で循環させ
る。そして、抜気槽(9) からの抜気状態を確認しなが
ら、注液管(10)から処理液(L) を点滴補充して、各閉回
路に混入した空気を完全に抜気した後、通風筒(15)に温
風を送りながら、前部のフイルム案内筒(13)を介してフ
イルム(F) を装入し、このフイルム(F) を8対の回転ロ
ーラ(3),(3')によりUの字状に移送して7つの処理液室
(2a)内を通過させ、これによって現像〜中間水洗〜定着
〜最終水洗〜乾燥の処理を連続的に施して現像処理す
る。
【0042】ここで、本実施例の現像処理装置では、各
処理液室内で横方向に流動する処理液中を横切るように
してフイルムを通過させるので、このフイルム表面に処
理液を均等に接触させて、その表面の薬剤層との間に所
期の反応を確実に生じさせることができる。また、フイ
ルム案内兼液整流具によって、各処理液室内の処理液流
通路およびフイルム通過路の形状を整えると共に内容積
を小さくしているので、フイルムの通過を安定なものと
する一方で、処理液の流動を整流および増速させて、通
過するフイルム表面に処理液を均等かつ確実に接触させ
ると共に、その接触速度(攪拌速度)を高めることがで
きる。更に、処理液の充填供給および補給に際して、各
処理液室に連なる閉回路内に不可避的に混入した空気
を、抜気槽によって抜気することで、各処理液室内を高
速で流動させる処理液中に気泡が生じることを防止で
き、これらのことにより極少量の処理液で安定した現像
処理を連続かつ迅速に達成できる。
【0043】また、隣合って連なるNo.1とNo.2の2つの
処理液室に現像液を、No.4〜No.6の3つの処理液室に定
着液を供給するので、一定速度で移送するフイルムに対
する現像液内と定着液内の通過時間の比率を1:1.5 に
する一方で、それら現像液および定着液内それぞれでの
通過距離を大きくでき、その現像よりも定着に要する時
間が 1.5倍前後で長い高感度フイルムを、現像液および
定着液の濃度や流速を一定限度を超えて調整することな
く、より高速度で移送してなお、安定した現像処理を達
成できる。
【0044】また、各ローラの胴部はゴムで形成してい
るので、相互間の液封は回転しながらでも保たれ、ま
た、支持端板との間の液封は両端部に介装されたシール
リングで保たれる。また、各対の回転ローラは、上下か
らフイルムを挟持して回転することで、そのフイルムに
擦り疵を生じさせることなく確実に移送して各処理液室
内を通過させる一方で、各処理液室の液封機能を保持す
ることができる。また、液封を果たす各ローラの摺動部
は、その胴部両端面に限定され、しかも、その摺動部に
は摩擦係数の低いシールリングを介装して回転に際する
摺動抵抗を低くしているので、当該現像装置の運転に要
する消費動力を低く抑えることができる。
【0045】また、各処理液室は水中に浸漬させるの
で、水圧とのバランスにより、それら処理液室内からの
処理液の漏出を抑制できる。更に、液循環ポンプの吸引
側ポートと各処理液室とを接続して排出側となる液管の
管路長を最短とし、その管路抵抗を送給側となる液管の
管路抵抗よりも低くしているので、〔図2〕中に白抜き
矢印で示すように、各処理液室内での処理液を吸引する
形態で流動させて、各処理液室の内圧の上昇による処理
液の漏洩をより確実に抑制できる。また、各ローラの回
転に随伴して処理液室内から滲み出た極微量の処理液
は、水槽内の水中に拡散して自律的に希釈されて排水溜
に流出するので、その排水溜内の排水に中和剤を添加す
ることで、法規制を満足して廃棄可能なものとすること
もできる。更に、液循環ポンプも水槽内の水中に浸漬配
置するので、各処理液室および閉回路内の処理液と大気
との接触を完全に遮断して、処理液が酸化により特性劣
化したり、該処理装置の各ローラまわりで乾燥固化およ
び結晶化して処理されるフイルムを損傷させたりするこ
とを確実に防止できる。更にまた、液循環ポンプを水槽
内の処理装置に近接して配することで、各処理液室に連
通する液管の管路長を短縮して流路抵抗を低く抑えてい
るので、処理液の循環送給に要する動力を低減できると
共に、該液循環ポンプや管路の接続部から予測外の漏洩
が生じた場合でも、その漏洩処理液を水槽内の水中に拡
散させて装置外への流出を確実に防止でき、これらのこ
とより煩雑な機器清掃も不要にすることができる。
【0046】また、その処理装置が多数の処理液室を有
していても、それら処理液室を画成する各ローラを、前
後が高位となる円弧に沿って配列することで、該処理装
置の長さを短くできると共に、水槽の長さも短縮でき、
装置全体をコンパクトなものとすることができる。更
に、フイルムを上方から装入・送出してUの字状に移送
できるので、長尺なフイルムについても容易に取り扱う
ことができ、また一方、各処理液室の前後にフイルムを
移送する回転ローラを備えるので、短尺のフイルムにつ
いても安定に移送して現像処理することができる。ま
た、この現像処理装置では、入り側のフイルム案内筒に
挿入する際のフイルムに対する遮光を行うだけで、処理
中のフイルに対する遮光も完全に達成できるので、例え
ば、そのフイルム案内筒の上端開口に、前述のフイルム
挿入暗箱ないしはフイルムカセットを取り付けること
で、明室で現像処理することができる。
【0047】次に、本実施例装置による具体的な現像処
理例を、以下に述べる。本実施例では上記構成のもと
で、処理装置(2) は、幅、長さおよび高さがそれぞれ約
150mmの外郭形状で、その上部に配置した減速機付モー
タ(18)を含む全高さが約 250mmであって、7連に設けた
各処理液室(2a)それぞれは、内法幅が80mm、フイルム
(F) 移送方向の長さが20mmで、かつ約 3mmの間隙の液流
孔部(6a)を有するフイルム案内兼液整流具(6) を内部に
配して、その実内容積が約 5cm3 のものとした。また各
処理液室(2a)と液循環ポンプ(11)とを接続する液管(8)
には内径 6mmのゴム管を用い、それらで形成された各閉
回路の総内容積が約 30cm3のものとした。一方、水槽
(1) は、幅と長さが約 200mmで、高さが約 130mmのもの
とした。また水槽(1) 内の浄水(W) の温度は約33℃に制
御するものとした。
【0048】そして、この現像処理装置により、最適濃
度の静止現像液中で約 30sec、同静止定着理液中で約 5
0sec以上浸漬することで、所定の現像濃度および定着抜
けが得られる歯科用の高感度X線フイルムの現像処理を
行った。まず、初期に約 30cm3の量の現像液および定着
液を、No.1とNo.2およびNo.4〜No.7の処理液室に連なる
各閉回路に抜気して充満させた後、各処理液室内におけ
る流速を 500mm/secとする高速で循環させる一方、幅40
mm、長さ30mmの撮影済の上記高感度X線フイルムを、2.
0mm/sec の速度で移送して現像処理した。その結果、静
止処理液中でバッチ処理した場合の7/10、定着時間に合
わせて連続処理した場合の 1/2の処理時間でもって、む
らの無い鮮明な映像が得られた。また続いて、フイルム
1枚につき 0.3cm3 の処理液を各閉回路に点滴補充する
方法で連続処理を行ったところ、約 500枚程度まで安定
した映像が得られた。
【0049】以上に述べたように、本実施例の現像処理
装置では、高感度フイルムについても、その都度に新液
を用いることを許容し得る程度の極少量の処理液でもっ
て、むらの無い安定した現像処理を高速で達成でき、ま
た、その装置全体をコンパクトな(具体的には、全高さ
が約250mm 、幅と長さが約200mm の外郭形状)ものとす
ることができた。
【0050】なお、上記実施例の現像処理装置では、各
処理液室(2a)内にフイルム案内兼液整流具(6) を配置し
たが、それら処理液室(2a)が、フイルム(F) の通過を許
容すると共に処理液(L) を横方向に流動させ得る範囲内
で断面積を小さくして小容積とされている限り、このフ
イルム案内兼液整流具(6) は省略することもできる。ま
た、処理液(L) を循環送給する液循環ポンプ(11)は水槽
(1) 内に配置したが、これら液循環ポンプ(11)は、水槽
(1) 外に配置すると共に、その水槽(1) 壁を水密に貫通
させた液管(8) を介して各処理液室(2a)に接続されても
良い。また、各処理液室(2a)に連なる閉回路を形成する
液管(8) に、注液管(10)および抜気槽(9) を介装して、
その閉回路に処理液(L) を供給すると共に抜気するもの
としたが、この注液管(10)および抜気槽(9) は液循環ポ
ンプ(11)に接続されても良い。また、各回転ローラ(3),
(3')およびシールローラ(4),(4')は、その胴部をゴムで
形成してなるものとしたが、それらローラの胴部は、相
互間の液封を果たせる弾性を有し、かつ、処理液に対し
て安定なものである限り、例えば各種の弾性合成樹脂材
等のゴム以外の弾性材で形成されて良いことは言うまで
もない。
【0051】また、上記実施例の現像処理装置では、隣
合う2つの処理液室に現像液を、同3つの処理液室に定
着液を供給することで、一定速度で移送するフイルムに
対する現像液内と定着液内の通過時間の比率を1:1.5
とし、現像より定着に要する時間が長い高感度フイルム
を連続処理するものとしたが、例えば、〔図4〕に示す
ように、その液供給系の構成を変更することで、現像と
定着の反応時間がほぼ等しい通常感度のフイルムを連続
処理する現像処理装置とすることができる。
【0052】〔図4〕は、本発明の第2実施例の現像処
理装置の液供給系の説明図である。なお、本実施例の現
像処理装置は、液供給系の構成が異なる点を除き、前記
第1実施例のものと同様であるので、ここでは液供給系
のみを図示すると共に、等価な各部に同符号を付して説
明を省略し、その差異点を要約して説明する。
【0053】本実施例の現像処理装置では、〔図4〕の
(a)図に示すように、処理装置(2)のNo.1とNo.2およびN
o.4とNo.5の4つの処理液室(2a)は、第1実施例と同構
成のもとで、それぞれ独立した閉回路に形成される一
方、No.3およびNo.6とNo.7の3つの処理液室(2a)は、第
1実施例と同構成のもとで解放回路に形成されている。
そして、この液供給系のもとで、処理装置(2) のNo.1と
No.2の2つの処理液室(2a)に現像液を、No.4とNo.5の2
つの処理液室(2a)に定着液を、それぞれ循環送給すると
共に、No.3およびNo.6とNo.7の3つの液室(2a)に浄水
(W) を送給し、かつ、通風筒(15)に温風を送りながら、
普通感度のフイルムをUの字状に移送して、7つの処理
液室内を通過させて、現像〜中間水洗〜定着〜水洗〜乾
燥の処理を連続的に施して現像処理する。
【0054】ここで、本実施例の現像処理装置では、そ
れぞれ隣合って連なる2つの処理液室に現像液および定
着液を供給するので、一定速度で移送するフイルムに対
する現像液内と定着液内の通過時間の比率を1:1に保
ちながら、それら現像液および定着液内それぞれでの通
過距離を2倍と大きくでき、これにより現像液および定
着液の濃度や流速を一定限度を超えて調整することな
く、フイルムの移送速度を2倍に高めてなお、安定した
現像処理を達成でき、もって現像と定着の反応時間がほ
ぼ等しい通常感度のフイルム、特に長尺なフイルムにつ
いても、その移送速度を高めて、全長通過時間(Top to
End)をより短縮することができる。
【0055】また、本実施例では、処理装置(2) のNo.1
とNo.2およびNo.4とNo.5の4つの処理液室(2a)に対する
液供給系を、それぞれ独立した閉回路に形成したが、N
o.1とNo.2の処理液室(2a)と、No.4とNo.5の処理液室(2
a)とには、それぞれ同種の処理液を供給するので、 (b)
図に示すように、これら2連の処理液室(2a)は、互いに
連なる閉回路に形成し、共用する1の循環ポンプ(11)で
処理液を循環供給することもできる。更にまた、同 (b)
図に示すように、No.3の処理液室(2a)の給排液口(5a),
(5a')を直接的に水槽(1) 内に開口させ、このNo.3の処
理液室(2a)内での中間水洗を、その水槽(1) 内に供給さ
れている水によって行うこともできる。
【0056】なお、上記2実施例では、処理装置は7つ
の処理液室を円弧上に連ねて設け、それら7つの処理液
室に送給する処理液の組み合せにより、連続して行う各
処理での液内経過時間に差をもたせる構成としたが、こ
れは1例であって、例えば、その処理装置の定着液を循
環送給する処理液室を適宜に増設し、現像よりも定着に
要する時間が2倍以上と長い高感度フイルムを現像処理
する等、対象フイルムの特性に合わせて処理液室の配設
数を増減されれて良いことは言うまでもない。また、必
要に応じて各処理室を水平方向に連ねて設けたものとさ
れても良く、この場合には、各対の回転ローラは、チェ
ンとスプロケットからなる駆動機構、またはベルトとプ
ーリからなる駆動機構等で同期回転させれば良い。
【0057】次に、本発明の第3実施例の現像処理装置
について〔図5〕により説明する。〔図5〕は本実施例
の現像処理装置の概要構成を示す図面であって、 (a)図
は一部を切欠いて示す正面図、 (b)図は液供給系の説明
図である。なお、本実施例の現像処理装置は、処理装置
の処理室の配設数および液供給系の一部構成が異なる点
を除き、前記第1実施例のものと同様であるので、ここ
では等価な各部に同符号を付すと共に細部の図示を省略
し、その差異点のみを要約して説明する。
【0058】本実施例の現像処理装置では、〔図5〕の
(a)図に示すように、水槽(1) 内に配された処理装置
(2) は、9対の回転ローラ(3),(3')と、その9対の回転
ローラ(3),(3')の間それぞれを閉塞する8対のシールロ
ーラ(4),(4')とを、同一中心点Pから等距離でかつ前後
が高位となる円弧に沿って配列すると共に、それらロー
ラの両側に対の支持端板(5),(5')を配することで、No.1
〜No.8の8つの処理液室(2a)を、上記円弧上に連ねて設
けてなる。
【0059】また、 (b)図に示すように、その処理装置
(2) のNo.1〜No.3の3つの処理液室(2a)、No.5とNo.6の
2つの処理液室(2a)およびNo.8の処理液室(2a)は、第1
実施と同様構成のもとで、それぞれ独立した閉回路に形
成される一方、No.4とNo.7の処理液室(2a)は、第1実施
と同構成のもとで、解放回路に形成されている。そし
て、この液供給系のもとで、No.1〜No.3、No.5とNo.6お
よびNo.8の6つの処理液室(2a)に処理液(L) を、No.4と
No.7の処理液室(2a)に浄水(W) を送給する。
【0060】本実施例の現像処理装置は、上記構成のも
とで、例えば、市販のコダック社製コダカラーIIならび
に同種に属するカラーフイルムを、同コダック・フレシ
キカラー処理剤による処理方法等に準拠して、連続的に
現像処理する。すなわち、その処理装置(2) のNo.1の処
理液室(2a)に発色現像液、No.2とNo.3の2つの処理液室
(2a)に漂白液、No.4の処理液室(2a)に浄水、No.5とNo.6
の2つの処理液室(2a)に定着液、No.7の処理液室(2a)に
浄水、No.8の処理液室(2a)に安定液をそれぞれ供給し、
かつ通風筒(15)に温風を送気しながら、上記カラーフイ
ルムをUの字状に移送して8つの処理液室内を通過させ
て、発色現像〜漂白〜中間水洗〜定着〜最終水洗〜安定
〜仮乾燥の処理を連続的に施して現像処理する。また、
そのときの水槽(1) 内の水温は37.8±0.15℃に、通風筒
(15)への温風の温度は24〜41℃の範囲内に制御する。
【0061】ここで、上記コダック・フレシキカラー処
理剤による処理方法では、発色現像で 3分15秒、漂白で
6分30秒、中間洗浄で 3分15秒、定着で 6分30秒、最終
水洗で 3分15秒、安定で 1分30秒、乾燥で10分〜20分が
標準とされ、その安定処理の終了までの標準所要時間が
24分15秒とされている。これに対応するため、本実施例
の現像処理装置では、各処理液室に送給する処理液の種
別を上記の組み合わせとすることで、一定のフイルム移
送速度において、発色現像液、漂白液、中間洗浄水、定
着液、最終洗浄水および安定液それぞれの液内通過時間
を、1:2:1:2:1:1としている。そして、各処
理液室内において横方向に流動する処理液中を横切るよ
うにしてフイルムを通過させるので、このフイルム表面
の薬剤層と処理液とが均等に接触して各処理液室内にお
ける反応が促進される。従って、上記の標準とされた時
間よりも短縮した時間でフイルムを通過させても、つま
りフイルムの移送速度を高く設定しても、安定した現像
処理を達成することができ、かつ、各処理液室および閉
回路の容積を小さくでき、少量の処理液でもって連続か
つ迅速に現像処理することができる。また、その処理装
置が多数の処理液室を有していても、それら処理液室を
円弧上に連ねて設けることで、装置全体をコンパクトな
ものとすることができ、かつ長尺なフイルムも容易に取
り扱えると共に、短尺のフイルムも安定に移送して現像
処理することができる。
【0062】次に、本発明の第4実施例の現像処理装置
について〔図6〕および〔図7〕により説明する。〔図
6〕は本実施例の現像処理装置の概要構成を一部を切欠
いて示す正面図である。また〔図7〕は同現像処理装置
の液供給系の説明図である。なお、本実施例の現像処理
装置は、処理装置の処理室の配設数およびその一部の配
設構成が異なる点と、駆動系および液供給系の一部構成
がことなる点を除き、基本的構成部は前記3実施例のも
のと同様であるので、ここでは等価な各部に同符号を付
すと共に細部の図示を省略し、その差異点のみを要約し
て説明する。
【0063】本実施例の現像処理装置では、〔図6〕に
示すように、水槽(1) 内に配された処理装置(2) は、1
2対の回転ローラ(3),(3')と、その12対の回転ローラ
(3),(3')の間それぞれを閉塞する15対のシールローラ
(4),(4')とを、同一中心点Pから等距離でかつ前後が高
位となる円弧の両端を接線方向に延ばしたUの字状線に
沿って配列すると共に、それらローラの両側に対の支持
端板(5),(5')を配することで、No.1〜No.11 の11の処
理液室(2a)を、上記Uの字状線上に連ねて設けてなる。
【0064】また、その12対の回転ローラ(3),(3')の
内の、第2〜第11の10対の回転ローラ(3),(3')は、上記
Uの字状線の円弧部に沿って配列すると共に、それら10
対の回転ローラ(3),(3')の間それぞれを上下で1対のシ
ールローラ(4),(4')で閉塞させ、これによりNo.2〜No.1
0 の9つの処理液室(2a)は、同円弧部の円弧上に連ねて
設けている。また、この円弧部に沿う各ローラは、第1
実施例と同様に、上方に位置する各回転ローラ(3) とシ
ールローラ(4) の外径を、下方に位置する各回転ローラ
(3')とシールローラ(4')の外径よりも小径としている。
【0065】一方、第1と第12の対の回転ローラ(3),
(3')は、上記Uの字状線の両端の接線部に沿って配列す
ると共に、その第1の対と第2の対の回転ローラ(3),
(3')の間、および第12の対と第11の対の回転ローラ(3),
(3')の間それぞれの両側は、等径で対向する3対のシー
ルローラ(4),(4')で閉塞させ、これにより最前部と最後
部に位置するNo.1とNo.11 の処理液室(2a)を、同Uの字
状線の両端の接線上に連ねて設けている。そして、この
構成のもとで、、No.1の処理液室(2a)とNo.11 の処理液
室(2a)のフイルム移送方向の長さを、その他の処理液室
(2a)よりも、No.1の処理液室(2a)で約 2.5倍、No.11 の
処理液室(2a)で約2倍と長くしている。
【0066】また、その処理装置(2) の、円弧に沿って
配列した第2〜第11の10対の回転ローラ(3),(3')は、減
速機付モータ(19)のピニオン歯車(18)および中間に配さ
れた伝動平歯車(21)を介する歯合関係のもとで駆動され
て、前記中心点Pを中心に回転する駆動平歯車(17)によ
って同期回転させられる。一方、第1の対と第12の対の
回転ローラ(3),(3')は、伝動平歯車(21)に歯合させた左
右2つの補駆動平歯車(22)それぞれによって同期回転さ
せられ、また各シールローラ(4),(4')は、前後の対の回
転ローラ(3),(3')の回転に追従して同期回転させられ
る。
【0067】また、〔図7〕に示すように、その処理装
置(2) のNo.2〜No.4の3つの処理液室(2a)と、No.6とN
o.7の2つの処理液室(2a)と、No.9とNo.10 の2つの処
理液室(2a)とは、第1実施と同様構成のもとで、それぞ
れ独立した閉回路に形成され、No.5とNo.8の2つの処理
液室(2a)は、第1実施と同構成のもとで解放回路に形成
されている。一方、本実施例においては、No.1とNo.11
の処理液室(2a)は、他の処理液室(2a)よりもフイルム移
送方向の長さを長くしているので、これら処理液室(2a)
の両側の対の支持端板(5),(5')には、給排液口(5a),(5
a')を2連に設け、No.1の処理液室(2a)では、2連の閉
回路を介して処理液(L) を循環供給させ、また、No.11
の処理液室(2a)では、供給側の液管(8) を分岐させて2
連の給排液口(5a)から浄水(W) を供給することで、No.1
の処理液室(2a)内での処理液(L) の流動と、No.11 の処
理液室(2a)内での浄水(W) の流れを均等化させている。
そして、この液供給系のもとで、No.1〜No.4、No.6、N
o.7、No.9およびNo.10 の8つの処理液室(2a)に処理液
(L) を、No.5、No.8およびNo.11 の3つの処処理液室(2
a)に浄水(W) を送給する。
【0068】本実施例の現像処理装置は、上記構成のも
とで、例えば、市販のコダック社製コダカラーXならび
に同種に属するカラーフイルムを、同コダック・プロセ
スC−22による処理方法等に準拠して、連続的に現像処
理する。すなわち、その処理装置(2) のNo.1とNo.2の2
つの処理液室(2a)に発色現像液、No.3の処理液室(2a)に
停止液、No.4の処理液室(2a)に硬膜液、No.5の処理液室
(2a)に浄水、No.6とNo.7の2つの処理液室(2a)に漂白
液、No.8の処理液室(2a)に浄水、No.9とNo.10 の2つの
処理液室(2a)に定着液、No.11 の処理液室(2a)に浄水を
それぞれ供給し、かつ通風筒(15)に温風を送気しなが
ら、上記カラーフイルムをUの字状に移送して11の処理
液室内を通過させて、発色現像〜停止〜硬膜〜中間水洗
〜漂白〜中間水洗〜定着〜最終水洗〜水滴除去・仮乾燥
の処理を連続的に施して現像処理する。また、そのとき
の水槽(1) 内の水温は 24 ± 0.3℃に、また通風筒(15)
への温風の温度は43℃以下に制御する。また、No.6およ
びNo.7の処理液室(2a)に循環送給する漂白液の流速は、
やや低く制御して過剰漂白を避ける。
【0069】ここで、上記コダック・プロセスC−22に
よる処理方法では、発色現像で14分、停止、硬膜および
中間水洗で各々 4分、漂白で 6分、中間水洗で 4分、定
着および最終水洗で各々 8分、水滴除去で 1分が標準と
され、その安定処理の終了までの標準所要時間が53分と
されている。これに対応するため、本実施例の現像処理
装置では、各処理液室に送給する処理液の種別を上記の
組み合わせとすることで、一定のフイルム移送速度にお
いて、発色現像液、停止液、硬膜液、中間洗浄水、漂白
液、中間洗浄水、定着液および最終洗浄水それぞれの液
内通過時間を、 3.5:1:1:1:2:1:2:2とし
ている。そして、各処理液室内において横方向に流動す
る処理液中を横切るようにしてフイルムを通過させるの
で、このフイルム表面の薬剤層と処理液とが均等に接触
して各処理液室内における反応が促進される。従って、
上記の標準とされた時間よりも短縮した時間でフイルム
を通過させても、つまりフイルムの移送速度を高く設定
しても、安定した現像処理を達成することができ、か
つ、各処理液室および閉回路の容積を小さくでき、少量
の処理液でもって連続かつ迅速に現像処理することがで
きる。また、その処理装置が多数の処理液室を有してい
ても、それら処理液室を円弧上に連ねて設けることで、
装置全体をコンパクトなものとすることができ、かつ長
尺なフイルムも容易に取り扱えると共に、短尺のフイル
ムも安定に移送して現像処理することができる。
【0070】なお、以上に述べた4実施例の現像処理装
置では、その現像装置の各処理液室の内の、隣合って連
なる処理液室に同種の処理液を供給すること、更には特
定の位置を占める相前後する2対の回転ローラの間に配
するシールローラの数を1対以上の奇数対で増やして特
定処理液室のフイルム移送方向の長さを長くすること、
およびそれらの組み合わせによって、連続して行う各処
理における処理液内の経由時間に差をもたせるものとし
たが、これに加えて、特定の位置を占めて相前後する2
対の回転ローラの間に配するシールローラの径を、その
他の対の回転ローラの間に配したシールローラの径とは
異なるものとすることで、特定処理液室のフイルム移送
方向の長さを変えることもでき、またこのことは、小さ
な量での調整が必要とされる場合に特に有効である。
【0071】また、本発明は、これら4実施例の構成に
限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない限り、処
理装置の処理液室の配置数と、それら処理液室のフイル
ム移送方向の長さ、および各理液室に送給する処理液の
種別の組み合わせを種々に設定することで、連続して行
う各処理での液内経過時間に差をもたせ、それぞれの反
応時間に差のある一連の処理が必要とされる各種フイル
ムそれぞれの現像処理を、安定して連続かつ迅速に達成
できるものとすることができる。
【0072】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の現像処理
装置は、水槽内に、複数の小容積の処理液室を有する処
理装置を配置した構成のもとで、処理するフイルムに対
する遮光性を容易に確保でき、かつ、一定の移送速度で
連続して行う各単位処理それぞれの処理液内経由時間を
適宜に設定することができ、もって、普通感度の長尺フ
イルムを始めとし、反応時間の異なる複数処理が必要と
される高感度フイルムやカラーフイルム等の各種フイル
ムについても、少量の処理液でもってむらの無い安定し
た現像処理を連続かつ迅速に達成でき、しかも、装置全
体をコンパクトにできると共に、その運転に要する消費
動力を低減でき、かつ煩雑な機器清掃も不要にできると
いう大きな効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の現像処理装置の概要構成
を示す図面であって、 (a)図は一部を切欠いて示す正面
図、 (b)図は (a)図のA−A断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の現像処理装置の液供給系
の説明図である。
【図3】本発明の第1実施例の現像処理装置の駆動系の
説明図である。
【図4】本発明の第2実施例の現像処理装置の液供給系
の説明図である。
【図5】本発明の第3実施例の現像処理装置の概要構成
を示す図面であって、 (a)図は一部を切欠いて示す正面
図、 (b)図は液供給系の説明図である。
【図6】本発明の第4実施例の現像処理装置の概要構成
を一部を切欠いて示す正面図である。
【図7】本発明の第4実施例の現像処理装置の液供給系
の説明図である。
【図8】先願の現像処理装置の1実施例の概要説明図で
ある。
【符号の説明】
(1) --水槽、(2) --処理装置、(2a)--処理液室、(3),
(3')--回転ローラ、(4),(4')--シールローラ、(5),(5')
--支持端板、(5a),(5a')--給排液口、(6) --フイルム案
内兼液整流具、(6a)--液流孔部、(7) --シールリング、
(8) --液管、(9)--抜気槽、(10)--注液管、(11)--液循
環ポンプ、(12)--可変速モータ、(13)--フイルム案内
筒、(14),(14')--水切ローラ、(15)--通風筒、(16),(1
6')--平歯車、(17)--駆動歯車、(18)--ピニオン歯車、
(19)--減速機付モータ、(F) --フイルム、(L) --処理
液、(W) --浄水。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水槽内に、複数の小容積の処理液室を有
    する処理装置を配置してなる現像処理装置であって、前
    記処理装置が、フイルムを移送する複数対の回転ローラ
    を所定小間隔を隔てて列設すると共に、各対の回転ロー
    ラ間に、上下で1対ないしは1対以上の奇数対のシール
    ローラを配して、相前後する2対の回転ローラの上側同
    士および下側同士間を閉塞させる一方、それらローラの
    両側に対の支持端板を配して、各対の回転ローラ間に、
    相前後する2対の回転ローラと上下のシールローラおよ
    び両側の支持端板によって画成されると共に、各対の回
    転ローラで仕切られてフイルム移送方向に連なる小容積
    の処理液室を形成せしめ、かつ、前記回転ローラおよび
    シールローラの胴部を弾性材で形成してなると共に、両
    側の支持端板に内部の処理液室それぞれに連通する処理
    液の給排液口を設けてなることを特徴とする現像処理装
    置。
  2. 【請求項2】 処理装置の各処理液室内に、前後2対の
    回転ローラそれぞれの接触面間を指向してスリット状に
    開口すると共に両側の支持端板の給排液口に連通する偏
    平状の液流孔部を有してなるフイルム案内兼液整流具
    が、回転ローラおよびシールローラとは非接触に配設さ
    れている請求項1記載の現像処理装置。
  3. 【請求項3】 処理装置の各対の回転ローラおよびシー
    ルローラが、前後両側が高位となる円弧ないしは該円弧
    の両端を接線方向に延ばしたUの字状線に沿って配列さ
    れて、各処理液室が前記円弧ないしはUの字状線上に連
    ねて設けられると共に、前記円弧ないしはUの字状線の
    円弧部に沿って配列された各対の回転ローラおよびシー
    ルローラそれぞれの上方に位置する回転ローラおよびシ
    ールローラの外径が、下方に位置する回転ローラおよび
    シールローラの外径よりも小径とされている請求項1ま
    たは2記載の現像処理装置。
  4. 【請求項4】 処理装置の少なくとも1つの処理液室
    が、その一側方の給排液口に連結された管路を介して洗
    浄水供給手段に接続されると共に、他側方の給排液口に
    連結された管路を介して水槽内に連通されて解放回路に
    形成され、かつ、その他の処理液室それぞれが、その両
    側の給排液口それぞれに連結された管路を介して液循環
    ポンプに接続されて閉回路に形成されると共に、その管
    路ないしは液循環ポンプに処理液の供給管路および抜気
    槽が接続されている請求項1、2または3記載の現像処
    理装置。
  5. 【請求項5】 液循環ポンプが、処理装置の一側方の支
    持端板の各給排液口に近接した位置を占めて水槽内に配
    置されると共に、その吐出側ポートと他側方の支持端板
    の給排液口とが該処理装置の下部ないしは側部を迂回す
    る形で配された管路を介して接続される一方、その吸引
    側ポートと前記一側方の支持端板の給排液口とが最短距
    離を経るように配された管路を介して接続されている請
    求項4記載の現像処理装置。
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