JPH0843626A - 粘着剤層を設けた偏光板 - Google Patents

粘着剤層を設けた偏光板

Info

Publication number
JPH0843626A
JPH0843626A JP20434594A JP20434594A JPH0843626A JP H0843626 A JPH0843626 A JP H0843626A JP 20434594 A JP20434594 A JP 20434594A JP 20434594 A JP20434594 A JP 20434594A JP H0843626 A JPH0843626 A JP H0843626A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
sensitive adhesive
pressure
film
polarizing plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20434594A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Kimura
村 佳 宏 木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP20434594A priority Critical patent/JPH0843626A/ja
Publication of JPH0843626A publication Critical patent/JPH0843626A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温、高湿状態での耐久性が改善され、特に
ガラス板との粘着性に優れ、長期間放置してもその偏光
性能が低下しない耐久性の良好な偏光板を提供するこ
と。 【構成】 偏光板の少なくとも一方の面に粘着剤層を設
け、該粘着剤層が少なくとも2層からなり、かつそれぞ
れの粘着剤層の表面エネルギーの差を1〜30dyne
/cmとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粘着剤を少なくとも一
方の面に設けた偏光板に関し、更に詳しくは耐久性及び
光学性能に優れた偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子卓上計算機、電子時計、
ワープロ、自動車や機械類の計器類等に液晶表示装置が
用いられており、該表示装置の視認性の向上を目的とし
てポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−ビニルアル
コール系樹脂、セルロース系樹脂等の光学フィルムを用
いた偏光板が提案されており、中でもポリビニルアルコ
ール系樹脂を用いた偏光板が使用されている。そして、
該偏光板は、延伸・染色処理等により偏光性が付与され
たポリビニルアルコールフィルム等の偏光フィルムの両
面にセルロース系フィルム、例えば三酢酸セルロースフ
ィルム等の保護層が積層されたものであり、該偏光板を
液晶セル面等の基材に貼着して液晶表示板とすることが
行われており、この液晶セル面への貼着は、偏光板表面
に設けた粘着剤層を該セル面に当接し、圧着することに
より行われるのが通常である。尚、本発明では、特に断
りのない限り偏光フィルム単体及び保護層が設けられた
該フィルムを総称して偏光板と言う。
【0003】上記粘着剤としては、その優れた粘着性、
透明性等のためにアクリル系樹脂からなるものが多用さ
れており、該粘着剤の耐久性の向上を目的としてアクリ
ル系粘着剤の配合組成について種々の検討が行われてい
る一方で、偏光板単体ではないが該粘着剤の積層(塗
工)方法による耐久性の向上についても検討がなされて
いる。つまり、従来のアクリル系粘着剤を用いて偏光板
及び位相差板のそれぞれに粘着剤層を設けて、該粘着剤
層同士を貼着せしめて耐久性に優れた楕円偏光板を得る
ことが試みられている(特開平2−120805号公
報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記開
示技術では、該公報の実施例に記載の如く偏光板及び位
相差板のそれぞれに用いられているアクリル系粘着剤は
同一のものであり、100時間程度の経時における耐熱
性(60〜80℃)は良好であるが、それ以上の期間や
湿熱条件下での耐久性については余り期待できず、該技
術を偏光板に利用して、偏光板とガラス板等の基材間に
単にアクリル系粘着剤層を2層設けたとしても飛躍的な
耐久性の向上は望めず、耐久性についてはまだまだ改善
の余地が残るところである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は上記
の如き現況に鑑み、偏光板を表示パネル等のガラス基材
に粘着剤を介して貼着するとき、粘着剤層が少なくとも
2層からなり、かつそれぞれの粘着剤層の表面エネルギ
ーの差が1〜30dyne/cmである粘着剤層を設け
た偏光板を用いると耐久性及び光学特性に優れることを
見いだし本発明の完成に至った。尚、粘着剤層の表面エ
ネルギーとは、粘着剤層表面の接触角を二種類以上の液
体で測定し、拡張Fowkesの式を用いて算出される
もので、具体的な測定方法を以下に示す。
【0006】まず、粘着剤を塗工した試験片(粘着剤
層)を温度20℃、湿度65%RHの条件下に置き、6
時間以上放置して温湿度の平衡状態にした後、試験片に
水(蒸留水)及びグリセロール(特級)の液滴をそれぞ
れ形成させ、20秒後の接触角を協和界面科学(株)製
の自動接触角計CA−Z型により測定する。この水及び
グリセロールの接触角θ1、θ2の値を、拡張Fowke
sの式より誘導される下式に代入し、表面エネルギーγ
Sを算出するのである。 γS={−14.356(1−cosθ1)+16.209
(1−cosθ2)}2+{17.219(1−cosθ1)−
13.225(1−cosθ2)}2 尚、上記の水及びグリセロールを用いて測定した接触角
θ1、θ2の値が10〜90度の範囲を逸脱する場合に
は、ポリエチレングリコール、ヨウ化メチレン、n−ヘ
キサデカン、チオグリコール等の任意の液体を選択し
て、接触角θ1、θ2の値が上記の範囲に入るようにする
ことが好ましい。
【0007】参考までに拡張Fowkesの式を下記に
示す。 (1−cosθ)γL=2(γS d×γL d1/2+2(γS p
×γL p1/2 但し、γL=γL d+γL p、γS=γS d+γS p γL d:液体の表面自由エネルギー分散力成分 γL p:液体の表面自由エネルギー極性成分 γS d:固体の表面自由エネルギー分散力成分 γS p:固体の表面自由エネルギー極性成分
【0008】本発明の粘着剤層に用いられる粘着剤は、
アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等を
主成分とするもので特に限定されないが、本発明の目的
を考慮すればアクリル系樹脂を主成分とする粘着剤の採
用が望ましい。該アクリル系樹脂の構成成分としては、
ガラス転移温度の低く柔らかい主モノマー成分やガラス
転移温度の高く硬いコモノマー成分、更に必要に応じ少
量の官能基含有モノマー成分が挙げられる。
【0009】具体的には、アクリル酸エチル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベン
ジル、アクリル酸シクロヘキシル等のアルキル基の炭素
数2〜12程度のアクリル酸アルキルエステルやメタク
リル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタ
クリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル等のア
ルキル基の炭素数4〜12程度のメタクリル酸アルキル
エステルなど主モノマー成分が挙げられ、前記のコモノ
マー成分としては、アクリル酸メチルやメタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル等の
アルキル基の炭素数1〜3のメタクリル酸アルキルエス
テル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、スチレンなどが挙げられる。
【0010】前記以外に官能基含有モノマー成分として
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカ
ルボン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、グ
ルタコン酸、イタコン酸等の多価カルボン酸、及びこれ
らの無水物等のカルボキシル基含有モノマーや2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロ
キシルプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート等やN−メチロールア
クリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー等の他に
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタク
リレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジ
ルエーテル等が挙げられる。
【0011】かかる官能基含有モノマー成分のうちで、
特にカルボキシル基含有モノマーの使用が好ましい。か
かる主モノマー成分の含有量は、他に含有させるコモノ
マー成分や官能基含有モノマー成分の種類や含有量によ
り一概に規定できないが、一般的には上記主モノマーを
50重量%以上含有させることが好ましい。本発明のア
クリル系樹脂は、主モノマー、コモノマー、更に必要に
応じて官能基含有モノマーを有機溶剤中でラジカル共重
合させる如き、当業者周知の方法によって容易に製造さ
れる。
【0012】前記重合に用いられる有機溶剤としては、
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどのエステル類、n−プロピルアルコ
ール、イソプロピルアルコールなどの脂肪族アルコール
類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノンなどのケトン類などが挙げられる。前記
ラジカル重合に使用する重合触媒としては、通常のラジ
カル重合触媒であるアゾビスイソブチロニトリル、ベン
ゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイドなどが具体例として
挙げられる。
【0013】上記のアクリル系樹脂は、架橋剤及び必要
に応じて架橋助剤等の添加剤が配合されて最終的に本発
明の粘着剤となる。該架橋剤としては、イソシアネート
系化合物、エポキシ系化合物、アルデヒド系化合物、ア
ミン化合物、金属塩、金属アルコキシド、金属キレート
化合物、アンモニウム塩及びヒドラジン化合物等が例示
される。
【0014】該架橋剤のうちイソシアネート系化合物と
しては、トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジ
イソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジ
イソシアネートアダクト、トリメチロールプロパンのキ
シリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタ
ントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメ
タン)トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
トなど、及びこれらのケトオキシムブロック物またはフ
ェノールブロック物などが挙げられる。エポキシ系化合
物としては、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型
のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエー
テル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
グリセリンジまたはトリグリシジルエーテル、1,6−
ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロー
ルプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニ
リン、ジグリシジルアミン、N,N,N’,N’−テト
ラグリシジルm−キシレンジアミン、1,3−ビス
(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサ
ンなどが挙げられる。
【0015】アルデヒド系化合物としては、グリオキザ
ール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マ
レインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドなどが
挙げられる。アミン化合物としては、ヘキサメチレンジ
アミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘ
キサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリ
エチルテトラミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹
脂、メラミン樹脂などが挙げられる。金属塩としては、
アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケ
ル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、
ジルコニウムなどの多価金属の塩化物、臭化物、硝酸
塩、硫酸塩、酢酸塩などの塩、たとえば、塩化第二銅、
塩化アルミニウム、塩化第二鉄、塩化第二スズ、塩化亜
鉛、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウ
ム、酢酸銅、酢酸クロムなどが挙げられる。
【0016】金属アルコキシドとしては、テトラエチル
チタネート、テトラエチルジルコネート、アルミニウム
イソプロピオネートなどが挙げられる。金属キレート化
合物としては、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チ
タン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウ
ム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセ
トンやアセト酢酸エステル配位化合物などが挙げられ
る。アンモニウム塩としては、塩化アンモニウム、硫酸
アンモニウム、酢酸アンモニウム、プロピオン酸アンモ
ニウムなどが挙げられる。ヒドラジン化合物としては、
ヒドラジン、ヒドラジンヒドラート、およびそれらの塩
基塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、ギ酸、シュウ酸
等の有機酸塩類が挙げられる。
【0017】上記の架橋剤の配合量は、アクリル系樹脂
100重量部に対して0.001〜8重量部、好ましく
は0.01〜4重量部、更に好ましくは0.1〜2.5
重量部である。該架橋剤の配合量が多すぎると高温時の
粘着物性が低下し、逆に少なすぎると凝集力が低下する
傾向にある。
【0018】本発明の最大の特徴は、上記の如く得られ
た表面エネルギーの異なる2種類のアクリル系樹脂の粘
着剤を偏光板の粘着剤層として用い、かつその粘着剤層
の表面エネルギー差が1〜30dyne/cm、好まし
くは5〜10dyne/cmであることである。該エネ
ルギー差が1dyne/cm未満では、偏光板の耐久性
の向上が見られず、逆に30dyne/cmを越えると
2種類の粘着剤層の界面での密着性、相溶性等が低下し
て好ましくない。上記のアクリル系樹脂の粘着剤におい
て、その表面エネルギーをコントロールする方法として
は、アクリル系モノマーの配合組成、各種架橋剤の配合
及びその他添加剤の配合等任意の方法でコントロールす
ることができる。
【0019】本発明の偏光板に用いられる偏光フィルム
としては、ポリビニルアルコール系樹脂/ヨウ素系、ポ
リビニルアルコール系樹脂/2色性染料系、ポリビニル
アルコール系樹脂/ポリエン系、セルロース/ポエン系
などが挙げられ、特に限定されないが、一例としてポリ
ビニルアルコール系樹脂/ヨウ素系の偏光フィルムにつ
いて、以下具体的に説明する。
【0020】ポリビニルアルコール系樹脂は、通常酢酸
ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造され
るものであるが、本発明では、必ずしもこれに限定され
るものではなく、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステ
ル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニ
ルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共
重合可能な成分を含有していてもよい。また、ポリビニ
ルアルコール樹脂を酸の存在下でアルデヒド類と反応さ
せたポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール
樹脂などのいわゆるポリビニルアセタール樹脂及びその
他ポリビニルアルコール系樹脂誘導体も挙げられるが、
これらに限定されるものではない。これらのうちでは、
耐熱性が良好であるという点から、高ケン化度で高重合
度のPVAが好ましい。即ち、ケン化度は95モル%以
上が好ましく、更には99モル%以上、とくには99.
5モル%以上であって、重合度は1000以上が好まし
く、更には1000〜5000である。
【0021】上記のフイルムの製造法としては、ポリビ
ニルアルコールを水又は有機溶媒に溶解した原液を流延
製膜して、延伸してヨウ素染色するか、延伸と染色を同
時に行うかヨウ素染色して延伸した後、ホウ素化合物処
理する方法が挙げられる。原液調製に際して使用される
溶媒としては例えば水はもちろん、ジメチルスルホキシ
ド(DMSO)、N−メチルピロリドン、グリセリン、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコ
ール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のア
ミン類及びこれらの混合物が用いられる。
【0022】上記有機溶媒中には少量例えば5〜30重
量%の水を含有させても差し支えない。原液中のポリビ
ニルアルコールの濃度は4〜10重量%が実用的であ
る。該溶剤を用いて得られたポリビニルアルコール製膜
原液は、キャスト法、押出法等任意の方法で製膜され
る。製膜方式としては乾・湿式製膜法にて、即ち、該溶
液を口金スリットから一旦空気中、又は窒素、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性雰囲気中に吐出し次いで凝固浴
中に導いて未延伸フイルムを形成せしめる。又は口金か
ら吐出された製膜溶液は一旦ローラー、あるいはベルト
コンベアー等の上で溶剤を一部乾燥した後で凝固浴中に
導入しても差し支えない。
【0023】また凝固浴に用いる溶媒には前記高重合度
ポリビニルアルコールの溶剤と混和性を有するもので例
えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル等のアルコール類、アセトン、ベンゼン、トルエン等
が挙げられる。上記のごとくして得られるポリビニルア
ルコール未延伸フイルムは、次ぎに延伸及び染色が施さ
れる。
【0024】フイルムへの染色、つまり偏光素子の吸着
は、フイルムに偏光素子を含有する液体を接触させるこ
とによって行なわれる。通常はヨウ素−ヨウ化カリの水
溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/l、ヨ
ウ化カリの濃度は10〜50g/l、ヨウ素/ヨウ化カ
リの重量比は20〜100が適当である。染色時間は3
0〜480秒程度が実用的である。水溶媒以外に水と相
溶性のある有機溶媒を少量含有させても差し支えない。
【0025】接触手段としては、浸漬、塗布、噴霧等の
任意の手段が適用出来る。染色の終了したフイルムは、
次いでホウ素化合物中で延伸処理される。延伸は、一軸
方向に3.5倍以上、好ましくは4倍以上延伸すること
が望ましい。この際、前記と直角方向にも若干の延伸
(幅方向の収縮を防止する程度あるいはそれ以上の延
伸)を行っても差し支えない。延伸時の温度条件は50
〜130℃から選ぶのが普通である。ホウ素化合物とし
てはホウ酸、ホウ砂が実用的である。ホウ素化合物は、
水溶液又は水−有機溶媒混合液の形で濃度0.5〜2モ
ル/l程度で用いられ、液中には少量のヨウ化カリを共
存させるのが実用上望ましい。
【0026】処理法は、浸漬法が望ましいが勿論塗布
法、噴霧法も実施可能である。処理時の温度は、50〜
70℃程度、処理時間は5〜20分程度が好ましく、又
必要に応じて処理中に、あるいは処理後に延伸操作を行
っても良い。なお、該ホウ素化合物による処理は、ポリ
ビニルアルコール系樹脂溶液にあらかじめホウ素化合物
添加して製膜することにより代替することも可能であ
る。
【0027】このようにして得られた偏光フイルムは、
その両面あるいは片面に接着剤を介して光学的透明度と
機械的強度に優れた保護膜を貼着して、偏光板となる。
該保護膜としては、従来から知られているセルロースア
セテート系フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステ
ル系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポ
リカーボネート系フィルム、ポリエーテルエーテルケト
ン系フィルム、ポリスルホン系フィルムが挙げられる
が、三酢酸セルロースフィルム等のセルロースアセテー
ト系フィルムが好ましい。
【0028】本発明の粘着剤層を設けた偏光板の作製に
あたっては、上記の偏光フィルム又は偏光板の表面にア
クリル系樹脂の粘着剤(A)層を設けた後、更に該粘着
剤(A)層との表面エネルギー差が1〜30dyne/
cm、好ましくは5〜10dyne/cmであるアクリ
ル系樹脂の粘着剤(B)層を積層する方法、PETフィ
ルム等の離型フィルム上にあらかじめ上記の粘着剤
(A)及び(B)を積層しておき、その後偏光板と積層
する方法等が挙げられるがこれらに限定されるものでは
なく、最終的に偏光板に表面エネルギー差が1〜30d
yne/cm、好ましくは5〜10dyne/cmの粘
着剤(A)層及び(B)層の2層の粘着剤層が設けられ
ていればよい。ここで、(A)、(B)各層の厚みは特
に規定されないが、塗工作業性、再剥離性等の点で、通
常は1〜500μ、好ましくは1〜100μ、更に好ま
しくは1〜75μである。
【0029】かかる方法で得られた本発明の粘着剤層を
設けた偏光板は、通常偏光板/粘着剤層(表面エネルギ
ーの異なる粘着剤2層)/離型フィルムの積層形態で製
品化され、実装時には該離型フィルムが剥離されてガラ
ス板等の基材に貼着されて、電子卓上計算機、電子時
計、ワープロ、自動車や機械類の計器類等の液晶表示装
置、サングラス、防目メガネ、立体メガネ、表示素子
(CRT、LCD等)用反射低減層等に利用される。
【0030】
【作 用】本発明の偏光板は、表面エネルギーの異な
る2種類の粘着剤層が積層されているため、高温、高湿
状態での耐久粘着力に優れ、長期間放置しても光学フィ
ルムの光学特性を低下させることがなく、液晶表示体の
用途に用いられ、殊に車両用途、各種工業計器類、家庭
用電化製品の表示等に有用である。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。 実施例1 アクリル系樹脂(樹脂成分:n−ブチルアクリレート/
アクリル酸=95重量%/5重量%)100重量部に架
橋剤(日本ポリウレタン工業社製、商品名;コロネート
L)を1重量部添加した固形分45重量%溶液(トルエ
ン/酢酸エチルの重量比が1/1の溶媒)の粘着剤
(A)を得た。一方、アクリル系樹脂(樹脂成分:n−
ブチルアクリレート/アクリル酸=90重量%/10重
量%)100重量部に架橋剤(日本ポリウレタン工業社
製、商品名;コロネートL)を1重量部添加した固形分
45重量%溶液(トルエン/酢酸エチルの重量比が1/
1の溶媒)の粘着剤(B)を得た。該粘着剤(A)及び
(B)層の表面エネルギーを本発明の方法により測定し
て算出したところ、30及び35dyne/cmであ
り、その差は5dyne/cmであった。
【0032】次に、膜厚25μのポリビニルアルコール
偏光フィルム(平均重合度1700、平均ケン化度9
9.5モル%、5倍延伸)の両側を厚さ80μの三酢酸
セルロースフィルムで積層した偏光板(200mm×2
00m)を作製し、この片面にアプリケーターを用いて
乾燥塗布厚が25μとなるよう粘着剤(A)を塗布し、
100℃で1分間乾燥させた後、粘着剤(B)を上記粘
着剤(A)と同じ要領で塗布させて乾燥塗布厚が25μ
の粘着剤(B)層を設け、本発明の偏光板を得た。かか
る偏光板を厚さ1.1mmのガラス板上に圧着して積層
体(偏光板/ガラス板)を作製した。該積層体につい
て、耐久性及び光学特性を下記の如く評価した。
【0033】(耐久性)得られた積層体を60℃,95
%RHで48時間放置した後60℃の乾燥状態で更に4
8時間放置し、これを1サイクルとして10サイクル繰
り返し処理を行った後、積層体縁部の偏光板の端部から
の剥離長さ(mm)を測定した。 (光学特性)該積層体を上記の耐久性評価と同様の処理
を施した後、分光光度計を用いて、該偏光板の単体透過
度(%)を測定し、該処理前の単体透過度(%)との差
により評価した。
【0034】実施例2 アクリル系樹脂(樹脂成分:n−ブチルアクリレート/
ブチルメタクリレート/アクリル酸=90重量%/7重
量%/3重量%)100重量部に架橋剤(日本ポリウレ
タン工業社製、商品名;コロネートL)を1重量部添加
した固形分45重量%溶液(トルエン/酢酸エチルの重
量比が1/1の溶媒)の粘着剤(A)及びアクリル系樹
脂(樹脂成分:n−ブチルアクリレート/ブチルメタク
リレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル
酸=85重量%/7重量%/3重量%/5重量%)10
0重量部に架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、商品
名;コロネートL)を1重量部添加した固形分45重量
%溶液(トルエン/酢酸エチルの重量比が1/1の溶
媒)の粘着剤(B)を得て実施例1と同様に積層体(粘
着剤(A)の乾燥塗布厚は15μ、粘着剤(B)の乾燥
塗布厚は10μ)を作製して、同様に評価を行った。
尚、粘着剤(A)及び(B)層の表面エネルギーを本発
明の方法により測定して算出したところ、35及び40
dyne/cmであり、その差は5dyne/cmであ
った。
【0035】実施例3 アクリル系樹脂(樹脂成分:n−ブチルアクリレート/
アクリル酸=97重量%/3重量%)100重量部に架
橋剤(日本ポリウレタン工業社製、商品名;コロネート
L)を1重量部添加した固形分45重量%溶液(トルエ
ン/酢酸エチルの重量比が1/1の溶媒)の粘着剤
(A)及びアクリル系樹脂(樹脂成分:n−ブチルアク
リレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル
酸=95重量%/1重量%/4重量%)100重量部に
架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、商品名;コロネー
トL)を1重量部添加した固形分45重量%溶液(トル
エン/酢酸エチルの重量比が1/1の溶媒)の粘着剤
(B)を得て、実施例1と同様に積層体(粘着剤(A)
の乾燥塗布厚は15μ、粘着剤(B)の乾燥塗布厚は1
0μ)を作製して、同様に評価を行った。尚、該粘着剤
(A)及び(B)層の表面エネルギーを本発明の方法に
より測定して算出したところ、28及び33dyne/
cmであり、その差は5dyne/cmであった。
【0036】比較例1 実施例1において、粘着剤(B)層を省略して積層体
(粘着剤(A)層の厚みは25μのまま)を得た以外
は、実施例1と同様に評価を行った。 比較例2 比較例1において、粘着性(A)層の厚みを50μとし
た以外は比較例1と同様に評価を行った。 比較例3 実施例1において、粘着剤(B)の代わりに粘着剤
(A)を用いて粘着剤(A)を2層積層して偏光板とガ
ラス板を貼着して積層体を得た以外は、実施例1と同様
に評価を行った。
【0037】比較例4 実施例1において、粘着剤(B)としてアクリル系樹脂
(樹脂成分:n−ブチルアクリレート/ブチルメタアク
リレート/メチルメタクリレート/アクリル酸=50重
量%/20重量%/20重量%/10重量%)100重
量部に架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、商品名;コ
ロネートL)を1重量部添加した固形分45重量%溶液
(トルエン/酢酸エチルの重量比が1/1の溶媒)を用
いた以外は、実施例1と同様に積層体を得て、同様に評
価を行った。なお、この時の粘着剤(B)の表面エネル
ギーは65dyne/cmで、粘着剤(A)と粘着剤
(B)の表面エネルギー差は35dyne/cmであっ
た。実施例1〜3及び比較例1〜4の評価結果を表1に
示す。
【0038】
【表1】 光学性能 単体透過度(%) 耐久性 処理前 処理後 差 剥離長さ(mm) 実施例1 44 46 2 2 〃 2 43 45 2 1 〃 3 42 45 3 1 比較例1 44 49 5 5 〃 2 43 49 6 6 〃 3 44 50 6 4 〃 4 42 49 7 4
【0039】
【発明の効果】本発明の偏光板は、表面エネルギーの異
なる2種類の粘着剤層が積層されているため、高温、高
湿状態での耐久粘着力に優れ、長期間放置しても光学フ
ィルムの光学特性を低下させることがなく、液晶表示体
の用途に用いられ、殊に車両用途、各種工業計器類、家
庭用電化製品の表示等に有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光板の少なくとも一方の面に粘着剤層
    が設けられ、該粘着剤層が少なくとも2層からなり、か
    つそれぞれの粘着剤層の表面エネルギーの差が1〜30
    dyne/cmであることを特徴とする粘着剤層を設け
    た偏光板。
  2. 【請求項2】 それぞれの粘着剤層の表面エネルギーの
    差が5〜10dyne/cmであることを特徴とする請
    求項1記載の粘着剤層を設けた偏光板。
JP20434594A 1994-08-04 1994-08-04 粘着剤層を設けた偏光板 Pending JPH0843626A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20434594A JPH0843626A (ja) 1994-08-04 1994-08-04 粘着剤層を設けた偏光板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20434594A JPH0843626A (ja) 1994-08-04 1994-08-04 粘着剤層を設けた偏光板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0843626A true JPH0843626A (ja) 1996-02-16

Family

ID=16488972

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20434594A Pending JPH0843626A (ja) 1994-08-04 1994-08-04 粘着剤層を設けた偏光板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0843626A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001088574A1 (fr) * 2000-05-15 2001-11-22 Fuji Photo Film Co., Ltd. Lame compensatrice optique, plaque polarisante et afficheur a cristaux liquides

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001088574A1 (fr) * 2000-05-15 2001-11-22 Fuji Photo Film Co., Ltd. Lame compensatrice optique, plaque polarisante et afficheur a cristaux liquides
US7084944B2 (en) 2000-05-15 2006-08-01 Fuji Photo Film Co., Ltd. Optical compensatory sheet comprising a biaxially stretched cellulose acetate film, polarizing plate and liquid crystal display

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3487940B2 (ja) 粘着剤組成物
JPH07198945A (ja) 偏光板
JP3426410B2 (ja) 粘着剤組成物
JP3426411B2 (ja) 粘着剤組成物
JPH08259922A (ja) 粘着剤組成物
JPH06108025A (ja) 偏光板用粘着剤
JP3022993B2 (ja) 粘着剤層を有する偏光板
JPH1046125A (ja) 粘着剤組成物
JPH1046126A (ja) 粘着剤組成物
JPH08199139A (ja) 粘着剤組成物
JPH08199143A (ja) 粘着剤組成物
JPH08120236A (ja) 粘着剤組成物
JPH08199144A (ja) 粘着剤組成物
JP3799078B2 (ja) 粘着剤組成物
JPH0843626A (ja) 粘着剤層を設けた偏光板
JPH08199133A (ja) 粘着剤組成物
JP3137344B2 (ja) 粘着剤層を有する偏光板
JP3799079B2 (ja) 粘着剤組成物
JP3315256B2 (ja) 粘着剤層を有する偏光板及びその製造方法
JPH1046124A (ja) 粘着剤組成物
JPH08199146A (ja) 粘着剤組成物
JPH08120239A (ja) 粘着剤組成物
JP3008284U (ja) 積層構造体
JPH08199129A (ja) 粘着剤組成物
JPH0843627A (ja) 粘着剤層を設けた位相差板