JPH0842144A - コンクリート型枠の支持装置 - Google Patents

コンクリート型枠の支持装置

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JPH0842144A
JPH0842144A JP13077695A JP13077695A JPH0842144A JP H0842144 A JPH0842144 A JP H0842144A JP 13077695 A JP13077695 A JP 13077695A JP 13077695 A JP13077695 A JP 13077695A JP H0842144 A JPH0842144 A JP H0842144A
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JP
Japan
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fixed
base frame
arm
mold
underground
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JP13077695A
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Matsuyoshi Kawa
松好 川
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KAWA GIKEN KK
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KAWA GIKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 型枠の支持固定を簡単かつ精度よく行えるよ
うにする。 【構成】 平面状基礎コンクリートを打設時に、コンク
リート打設領域の外縁に沿って垂直に立設するコンクリ
ート型枠の支持装置であって、地面に打ち込んで固定す
る地中固定基枠11と、該地中固定基枠に着脱自在に固
定する回転支持ブラケット12と、該回転支持ブラケッ
トに回転自在に軸着する上下一対のヒンジプレート1
3、14と、該上下ヒンジプレートの一端を取り付ける
共に長さ調節手段を介設している上部アームおよび下部
アーム15、16と、該上部アームおよび下部アームの
他端に着脱自在に係止すると共に型枠10の上端および
下端に着脱自在に固定する型枠上端保持部材17および
型枠下端保持部材18とを備えており、地中固定基枠1
1を除いて、現場搬入前に予め組み立てている。地中固
定基枠はネジ棒状とし、回転させて地中に打ち込んでい
くことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート型枠の支
持装置に関し、特に、住宅等のコンクリート基礎工事に
おいて、平面状基礎コンクリート施工(所謂ベタ基礎工
事)時に、コンクリート打設領域の外周縁を規制するた
めに、地面に垂直に立設するコンクリート型枠の支持装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅等の建築物における基礎コン
クリート工事には、整地面にコンクリートを平面状に打
設する所謂ベタ基礎工事が行われた後、該平面状に打設
したコンクリート上面の所要位置に垂直枠をコンクリー
トで形成する立て上げ基礎工事が行なわれる。
【0003】上記ベタ基礎工事では、図15に示すよう
に、地面Gを必要な深さまで掘り下げて溝を設け、この
溝にズリ石(a)を充填した後、その上面に砂利(b)を充
填し、砂利の上面を転圧整地して、地面Gと略同一平面
する。ついで、図16に示すように、整地してコンクリ
ートを打設する領域の外周縁に沿って型枠1を垂直に立
設し、この型枠1で囲まれた内部にコンクリート2を所
要の厚さで打設している。
【0004】上記型枠1は、図15に示すように、垂直
板部1aの上下両側に外側へ屈折させたフランジ部1
b、1cを備え、上面側フランジ部1bの先端に下向き
の係止部1dを設けると共に、下面側フランジ部1cの
先端に上向きの係止部1eを設けている。上記型枠1
は、下面側フランジ部1cを整地した砂利(b)の上面に
当接させて立てることは可能であるが、外方から支持固
定する必要がある。
【0005】よって、型枠1を固定する方法として、従
来下記の手法が取られている。まず、図15に示すよう
に、クイ棒3をコンクリート打設領域の外側に間隔をあ
けて地面Gに打ち込んでいる。次に、上記クイ棒3と型
枠1の上端とをヌキ板4で連結するため、ヌキ板4を適
当な長さに切断し、ヌキ板4の上端4aをシャコ万5で
型枠1の上面側フランジ部1bに固定すると共に、該ヌ
キ板4の下端4bをクイ棒3にクギで固定する。つい
で、型枠1の垂直を出すため、型枠1の下部とクイ棒3
の間の寸法を測定し、棒材を上記寸法で切断してスジカ
イ棒6を作成する。このスジカイ棒6の一端6aを、型
枠1の下面側フランジ部1cより少し上方に位置するク
イ棒3の地面Gに近い位置にクギ7で仮固定する。この
一端をクイ棒3に仮固定したスジカイ棒6の他端面6b
を型枠1の外面1fに当接し、型枠1の垂直状態を確認
しながら、クギ7で仮固定した点を支点としてスジカイ
棒6を点線位置から実線位置へと角度を変え、型枠1の
垂直状態の微調整を行う。型枠1を精度よく垂直状態と
した位置でスジカイ棒6をクイ棒3にクギで完全固定す
る。この状態で、型枠1は、先端をクイ棒3に固定した
ヌキ板4とスジカイ棒6の他端により上下両側が支持さ
れ、垂直状態で立設固定される。
【0006】上記型枠1の固定方法とは別に図17に示
す下記の方法も用いられている。即ち、溝を掘ってズリ
石(a)および砂利(b)を充填して整地した後、型枠
1を整地上面に垂直に置き、型枠1の外側(コンクリー
トを打設しない側)に土盛り8により型枠1を仮固定す
る。次に、クイ棒3をコンクリートを打設する側の地面
に打ち込むと共に、同一側においてヌキ板4を型枠1の
上端垂直面と地表との間にツカイ棒状に取り付け、型枠
1を土盛り8側へ押し付け固定し、この状態でヌキ板4
をクイ棒3にクギ7で固定する。つぎに、型枠1の下端
垂直面とクイ棒3の間に、スジカイ棒6を適当な長さに
切断してツカイ棒状に押しあて、クイ棒3にクギ7で仮
固定する。この状態で、前記方法と同様にスジカイ棒6
を上下にずらして型枠1の垂直状態を微調整し、調整後
にクイ棒3にスジカイ棒6をクギで固定している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の図15
および図17に示す施工方法では、まず、クイ棒3を地
面に打ち込む工程、クイ棒、ヌキ板、スジカイ棒を所要
の長さに切断する工程、土盛り等の基礎的な作業が繁雑
で、手数がかかる。さらに、型枠を垂直状態に微調整す
る作業、型枠の定位置に設置する作業に手数がかかると
共に、コンクリート打設後においても、型枠を取り外す
作業、クギ抜き、土盛り除去、クイ棒抜き等の作業が多
い。これらの屋外でなされる土木基礎作業は、労働条件
が良くないため、労働力が不足しがちとなる。よって、
作業工数の多いと、作業期間が長くかかり、それだけ、
コストアップ等の種々の弊害が発生している。
【0008】また、スジカイ棒やヌキ板等の長さは、型
枠とクイ棒の打ち込み位置とのズレにより、現場で寸法
を測定して、板材や棒材を切断して形成する必要があ
る。即ち、これらクイ棒、ヌキ板およびスジカイ棒は現
場毎に寸法が相異し、再使用不可能となり、産業廃棄物
として処理しなければならず、非常に無駄が多い問題が
あった。
【0009】本発明は上記した問題に鑑みてなされたも
ので、上記従来のクイ棒、ヌキ板およびスジカイ棒とし
て作用する3部材を連結して備え、ヌキ板およびスジカ
イ棒となる部材の長さ調整が極めて簡単に出来るように
して、従来のヌキ板とスジカイ棒の同様の機能を与え、
型枠を垂直固定すると共に、再使用が可能となる型枠の
支持固定装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1では、平面状基礎コンクリートを
打設時に、コンクリート打設領域の外縁に沿って垂直に
立設するコンクリート型枠の支持装置であって、地面に
打ち込んで固定する地中固定基枠と、上記地中固定基枠
に着脱自在に固定する回転支持ブラケットと上記回転支
持ブラケットに回転自在に軸着する上下一対のヒンジプ
レートと、上記上下ヒンジプレートに一端を取り付ける
と共に、長さ調節手段を介設している上部アームおよび
下部アームと、上記上部アームおよび下部アームの他端
に着脱自在に係止すると共に、型枠の上端および下端に
着脱自在に固定する型枠上端保持部材および型枠下端保
持部材とを備えているコンクリート型枠の支持装置を提
供している。
【0011】上記地中固定基枠と回転支持ブラケットと
を着脱自在に固定する機構として、下記3タイプの機構
が好適に用いられる。第一は、上記地中固定基枠は、垂
直方向のベースプレートの上端に杭打補強板を固着して
いると共に、アーム取付面側に下部を固着した支持筒を
取り付ける一方、上記回転支持ブラケットの一端に、上
記支持筒に上方より外嵌する固定筒を突設し、上記支持
筒に固定筒を外嵌した状態で、支持筒に抜け止めピンを
挿入して固定する構成としている。(請求項2) 上記ベースプレートは中央部を両側に膨らませて強度の
向上を図ると共に、鍛造した鋼で形成して、ハンマーな
どにより打撃して地中に打ち込む動作を繰り返しても、
耐久性を有する構造としている。
【0012】第二は、上記地中固定基枠の上端に杭打補
強板を設けると共に、該杭打補強板と連続する上部を四
角筒形状とし、その対向する側壁にピン孔をもうける一
方、上記回転支持ブラケットに、上記地中固定基枠のピ
ン孔を設けた側壁の外面に当接させる一対の挟持壁をも
うけ、該挟持壁にピン孔をもうけて、挟持壁および側壁
のピン孔を連通させてピンを挿入して固定する構成とし
ている。(請求項3)
【0013】第三は、上記地中固定基枠の上端に杭打補
強板を設けると共に、該杭打補強板と連続する上部を円
筒形状とすると共に、上記回転ブラケットを上部アーム
用と下部アーム用とに分け、夫々一対の半円環状部の一
端をピンで連結すると共に、他端ををボルト・ナットで
連結固定する環状締付材より構成し、上記地中固定基枠
に着脱自在に外嵌固定する構成としている。(請求項
4)
【0014】第四は、上記地中固定基枠は、垂直方向の
円柱形状の軸部の外周に螺旋状のネジ部を突設し、ネジ
により回転させながら地中に埋め込んでいく構成として
いる。(請求項5) 詳しくは、上記螺旋状のネジ部を中間部位から下端にか
けて突設すると共に、該ネジ部の上部外周に上記回転支
持ブラケットを取り付ける支持筒を固定し、かつ、該支
持筒の上部から軸部上端にかけてネジ回し部を設けてい
る。(請求項6)該ネジ回し部にはハンマードリルを取
り付けて軸部を回転させ、地中固定基枠を地面に埋め込
んでいく。
【0015】また、本発明の装置では、上記下部アーム
の中間部に屈曲部を設け、地中固定基枠側の一端から型
枠の下端に固定する他端まで傾斜して延在している中間
位置で傾斜角度を変えて、型枠連結側に向かう傾斜角度
が大きくなるように設定している。また、上記下部アー
ムの下端に着脱自在に係止する下端型枠保持部材は、型
枠の下端に突設されたフランジ部内に着脱自在に挿入さ
れると共に、係止孔を備え、該係止孔に下部アームの先
端に突設したフックを挿入して係止する構成としてい
る。
【0016】上記上部アームおよび下部アームは、大き
い寸法の調節が出来ると共に、微調節が出来るように、
二段階の調節手段を備えている。即ち、上記上部アーム
および下部アームとは、ターンバックルを介して両側に
螺合した左右ネジシャフトを備えてターンバックルの回
転により長さを微調整できる構成としている。かつ、上
記ネジシャフトの一端に、所要長さのアームを連結する
と共に、該連結部分では、ネジシャフト側あるいはアー
ム側に所定間隔をあけて調節用ピン孔を設け、他方に設
けたピン孔とピンを介して連結し、大きい寸法調節が行
えるようにしている。
【0017】上記上部アームの先端と着脱自在に連結す
る上記型枠上端保持部材は、型枠上端に外嵌する断面逆
凹状の型枠外嵌部と、該型枠外嵌部の一側外面より突設
した両側壁部と上壁とからなるアーム固定部とからな
り、両側壁部にピン孔を形成しておくと共に上壁部にク
サビ打込孔を設けておき、上部アームの先端に固定した
ピン管を、上記アーム固定部の両側壁部の間に挿入し、
該ピン管とピン孔にピンを通して連結し、上記クサビ打
込孔よりクサビを打ち込んでピン管をピンに固定すると
共に、該ピンとしてカラー付きピンを用いて抜け止めを
図る構成としている。
【0018】また、上記型枠外嵌部はバネ材で形成し、
該型枠外嵌部の左右両側の間の寸法を型枠の寸法より小
さく設定し、型枠外嵌部を圧接して型枠に外嵌する構成
としている。あるいは、型枠外嵌部をL字形状として、
その上端に釘打込孔を設けた構成とし、木製の型枠に対
して、上記釘打込孔より釘を打ち込んで型枠に固定する
ようにしてもよい。この場合、型枠の厚さが相違しても
使用することが可能となる。上記地中固定基枠、上部ア
ーム、下部アームおよび型枠の上下保持部材を金属製と
することが好ましい。
【0019】
【作用】上記請求項1の構成のコンクリートの支持装置
では、回転支持ブラケットと、上下一対のヒンジプレー
トと、上部アームおよび下部アームと、型枠の上端およ
び下端保持部材とは予め組みつけておく。現場におい
て、地中固定基枠を地面に打ち込んだ後、回転支持ブラ
ケットを地中固定基枠に固定し、型枠上端および下端保
持部材を型枠の上端および下端に夫々取り付けるだけで
あり、簡単に型枠を垂直状態に固定することができる。
かつ、上記のように型枠を固定した後、上部アームと下
部アームのターンバックルを回転させると、上部アーム
と下部アームの長さを微調整できるため、型枠の位置出
しを精度よく行うことができる。上記地中固定基枠は、
上端を杭で打撃して地中に打ち込むため、該地中固定基
枠に回転支持ブラケットを介してヒンジプレートおよび
アームなどを予め組みつけておくと、これらの部材が打
撃による影響を受けて変形や損傷が発生しやすい問題が
ある。また、これらの部分を連結していると、大型とな
るために、地中固定基枠の打ち込みが簡単に出来ない問
題がある。本発明では、地中固定基枠のみを別にして地
中に打ち込んだ後に、他の部材を組みつけるため、上記
した問題は発生しない。
【0020】また、上記地中固定基枠と回転支持ブラケ
ットとの連結部分は、請求項2乃至請求項4に記載の構
成とすると、地中に打ち込んだ地中固定基枠に対して回
転支持ブラケットを簡単に取り付けることが出来る。す
なわち、地中固定基枠のみを、予め組み立てておらず
に、現場で連結する構成としているが、現場での連結に
手数がかからないため、作業性を阻害しない。
【0021】さらに、上記地中固定基枠を請求項5およ
び請求項6に記載の構成とすると、回転させて地中に挿
入して固定でき、上端をハンマー等で打撃して打ち込む
場合と比較して、地中固定基枠の耐久性を増すことがで
きる。
【0022】また、基礎コンクリート工事では、地面よ
り掘り込んでコンクリート打設面を設けているため、型
枠の下端位置は地面よりもかなり深い位置にある。よっ
て、掘り込んだ地面の端縁に下部アームが当たるのを避
けるためには、下部アームの傾斜角度を大とする必要が
ある。下部アームの傾斜角度を大とすると地中固定基枠
側と固定点が上方位置となり、該地中固定基枠の高さを
大とする必要が生じるが、その場合、地中固定基枠の安
定性が悪化する。この点において、本発明では、下部ア
ームを屈曲させて、型枠下端側との連結側では傾斜角度
を大とし、地中固定基枠側は傾斜角度を小さくしている
ため、地中固定基枠の高さを大とする必要がなくなる。
【0023】コンクリート打設部に立設する型枠には、
従来例の図15に示すように、上下両端に水平方向へ突
出するフランジ部を設けて、型枠を安定して立設できる
ようにしており、かつ、該フランジ部の水平方向の突出
部の先端から更に垂直方向に屈折した部分を設け、凹状
の溝が構成されている場合が多い。このフランジ部を利
用して、本発明では型枠下端保持部材は、上記凹状の溝
の内部に嵌合固定する形状とし、溝内に嵌合固定した状
態で、該型枠下端保持部材に穿設した係止孔に、下部ア
ームの先端に突設したフックを挿入係止している。上記
構成とすると、係止孔が設けられていない場合、あるい
は係止孔が設けられていない位置で、下部アームにより
簡単に型枠下端を保持出来る。尚、型枠下端保持部材に
固定孔を穿設しておき、型枠に設けれている孔にピンな
どで固定しても良いし、あるいは、型枠が木製の場合は
固定孔から釘を打ち込んで固定しても良い。
【0024】また、本発明の装置では、上部アームおよ
び下部アームとも、所要の長さのアームを取り替え自在
としていると共に、ターンバックルによる微調節手段を
設けているため、二段階で長さ調節でき、現地の状況、
型枠の大きさ等に対応させることができる。
【0025】また、上部アームと連結する型枠上端保持
部材を型枠の上端にかぶせる型枠外嵌部と、該型枠外嵌
部の一側外面に溶接固定したアーム固定部から構成して
いるため、上部アームを型枠の上端に簡単に取り付ける
ことができる。また、上記アーム固定部に上部アームを
ピンを介して連結しているため、型枠の大きさに対応し
て種類の異なる型枠上端保持部材を使用した場合にも、
支持装置の上部アームを変えることなく用いることがで
きる。しかも、上記型枠上端保持部材の型枠外嵌部をバ
ネ材で形成し、型枠の上部に圧接状態で取り付けると、
支持装置と型枠との結合を強固に行うことができ、か
つ、型枠に多少の寸法誤差が発生していても型枠上端保
持部材を固定することができる。
【0026】また、支持装置を構成する各部材を金属製
としているため、強度があり、コンクリート打設時にお
いて負荷がかかる型枠を強固に支持して垂直度を維持す
ることができる。かつ、金属製で耐久性を有すと共に、
現地の状況に応じて調整して使用できるため、使い捨て
とならず、繰り返し使用ができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例により詳細
に説明する。図1から図9は第1実施例を示し、図中、
10は型枠、11はクイ棒と同一の作用を行う地中固定
基枠、12は地中固定基枠11に着脱自在に固定する回
転支持ブラケット、13、14は回転支持ブラケット1
2に夫々回転自在に軸着する上部ヒンジプレートと下部
ヒンジプレート、15、16は一端を上下ヒンジプレー
ト13、14に、他端を型枠上端保持部材17、型枠下
端保持部材18に夫々連結する上部アームと下部アーム
である。
【0028】上記各部材は金属製であり、地中固定基枠
11を除いて、上下ヒンジプレート13、14、上下ア
ーム15、16および型枠上下保持部材17、18を予
め仮組みつけして現場に搬入し、現場において、地中固
定基枠11を地中に打ち込んだ後、回転支持ブラケット
12を介して上記仮組み立てした型枠上下保持部材1
7、18を型枠10に取り付け、該型枠10を所要位置
に垂直に支持固定している。
【0029】型枠10は金属製であるが、木製としても
良い。型枠10は断面コ字形状の長尺な部材で、垂直な
平板面10aをコンクリートを打設面側に、開口側を反
対面側としており、かつ、上下に閉鎖面となる上端面1
0bと下端面10cとを備えると共に、上端面10bお
よび下端面10cの先端より下向きおよび上向きに屈折
した補強面10d、10eを設けている。該型枠10
は、その下端面10cを図1に示す整地面に当接して立
設するようにしている。
【0030】上記地中固定基枠11は図1および図3
(A)(B)(C)に示す形状で、垂直方向に長い縦長
いベースプレート20と、該ベースプレート20の上端
に溶接固着した杭打補強板21と、アーム側の中心に溶
接した支持筒22とからなる。上記ベースプレート20
および杭打補強板21は鍛造した鋼製で、ベースプレー
ト20は図3(C)に示すように、その幅方向の中央部
を両面で膨らませて補強しており、この膨らませた肉厚
部分20aの上下方向中央部に支持筒取付穴20bを設
けている。支持筒22は下部22aを屈折させて、L字
形状としており、この屈曲した下部22aを支持筒取付
穴20bに挿入し、溶接して固着している。該支持筒2
2の垂直部22bをベースプレート20より間隔をあけ
て略平行に突設させている。該支持筒22の上端にはピ
ン孔22cを対向して穿設している。
【0031】上記回転支持ブラケット12は図4(A)
(B)に示す形状で、コ字枠状としたヒンジプレート取
付部24の連結部24aの外面に垂直方向の固定筒25
を突設しており、該固定筒25を上記地中固定基枠11
の支持筒22の垂直部22bに上方より外嵌して取り付
けるようにしている。固定筒25を支持筒22に被せる
と、支持筒22のピン孔22cは固定筒25の上端より
上方位置にあり、該ピン孔22cにピン23を挿入する
ことにより固定筒25の抜け止めを図っている。また、
上記ヒンジプレート取付部24の対向する一対の側部2
4b、24cにはピン孔24d、24eを設け、上部ヒ
ンジプレート13と下部ヒンジプレート14の先端を側
部24bと24cの間に挿入し、これら上下ヒンジプレ
ートに設けたピン孔を上記ピン孔24d、24eと連通
させ、ピン26を挿通して回転自在に上下ヒンジプレー
ト13、14を連結している。上記ピン26の溝には止
めリング27を取付て抜け止めを図っている。
【0032】上部アーム15は、上部ヒンジプレート1
3に一端を溶接固着した右ネジシャフト30、該右ネジ
シャフト30とターンバックル31を介して連結した左
ネジシャフト32、該左ネジシャフト32の先端にピン
33を介して連結するパイプ34とから構成している。
下部アーム16も同様に、下部ヒンジプレート14に一
端を溶接固着した右ネジシャフト35、該右ネジシャフ
ト35とターンバックル36を介して連結した左ネジシ
ャフト37、該左ネジシャフト37の先端にピン38を
介して連結するパイプ39とから構成している。
【0033】上記上部アーム15において、右ネジシャ
フト30と左ネジシャフト32とは内周面にネジを刻設
した円筒からなるターンバックル31の両端にネジこん
で連結しており、ターンバックル31を左右いずれか一
方へ回転することにより、左ネジシャフト32をターン
バックル31より突出する方向へ移動させ、他方へ回転
することによりターンバックル31の内部側へ移動させ
ている。ターンバックル31の回転用としてナットバー
40を取り付けている。このように、ターンバックル3
1の回転で移動される左ネジシャフト32は、ターンバ
ックル連結側の外周面にはネジ32aを刻設している
が、突出側にはネジを設けず、代わりに、一定間隔をあ
けてピン孔32bを形成している。このピン孔32bを
形成した左ネジシャフト32の他端より、パイプ34の
一端を外嵌し、該パイプ34の先端に形成したピン孔3
4aを所要位置のピン孔32bと一致させ、ピン33を
挿入して連結している。
【0034】上記パイプ34として、長尺なパイプ、あ
るいは短尺なパイプなど、寸法を選定して使用し、か
つ、左ネジシャフト32との連結位置を調節することに
より、上部アーム15の長さを大きな寸法で調節できる
ようにしている。かつ、ターンバックル31による左ネ
ジシャフト32の移動で上部アームの長さを微調節でき
るようにし、二段階に長さ調節出来るようにしている。
【0035】下部アーム16側も長さ調節機構は同一
で、ナットバー41によりターンバックル36の回転で
左ネジシャフト37を移動して微調節し、かつ、該左ネ
ジシャフト37に連結するパイプ39の長さを選択する
と共に、連結位置を調節してピン38で止めることによ
り、二段階の長さ調節を可能としている。下部アーム1
6の左ネジシャフト37には、ネジ37aを外周面に刻
設したターンバックル連結側とピン孔37bの形成側の
間に屈曲部37cを設け、型枠下端保持部材18との連
結側の一端と、回転支持ブラケット12との連結側の他
端との間の傾斜角度を変えて、型枠下端保持部材18と
の連結側の傾斜角度を大きくしている。
【0036】上部アーム15のパイプ34と型枠上端保
持部材17との連結部分では、図5に示すように、先端
に直交する方向にピン管42を溶接固着している。一
方、型枠上端保持部材17は図6(A)(B)に示すよ
うに、型枠10の上端に外嵌する断面逆凹状の型枠外嵌
部43と、該型枠外嵌部43の一側外面より突設した両
側壁部と上壁とからなるアーム固定部44とからなる。
上記アーム固定部44の両側壁部44a、44bにピン
孔44c、44dを形成していると共に上壁部44eに
クサビ45を打ち込むクサビ打込孔44fを設けてい
る。
【0037】上記アーム固定部44の両側壁部44aと
44bとの間に、上部アーム15のパイプ34の先端に
固定したピン管42を挿入し、ピン孔44c、ピン管4
2、ピン孔44dへとピン46を通し、該ピン46の先
端側の溝に止め輪47を嵌合してピン46の抜け止めを
図っている。かつ、上記クサビ打込孔44fに上端より
クサビ45を打ち込み、ピン管42をピン46に圧接し
て固定している。尚、クサビ45の打ち込みは現場で行
うことが好ましい。
【0038】また、上記型枠外嵌部43はバネ材で形成
し、該型枠外嵌部の左右両側43aと43bの間の寸法
を型枠の寸法より小さく設定し、型枠外嵌部43を型枠
10に圧接して外嵌する構成としている。尚、図7に示
すように、型枠外嵌部43’をL字形状として、その上
端に釘打込孔43c’を設けた構成としてもよい。か
つ、図7に示すようにクサビ打込孔を設けなくてもよ
い。この型枠外嵌部43’の形状とすると、木製の型枠
に対して、あるいは、金属製でも上端閉鎖面10bに孔
がある場合、上記釘打込孔より釘あるいはピンを打ち込
んで型枠に固定することが出来ると共に、型枠の厚さが
相違しても使用することが可能となる。
【0039】下部アーム18と型枠下端保持部材18と
の連結部分では、図8に示すように、下部アーム18の
パイプ39の先端に屈折させたフック50を溶接して突
設している。一方、型枠下端保持部材18は図9(A)
(B)に示すように、断面L字形状とした枠部51の中
央部に係止板52を溶接固着し、該係止板52の中央部
に上記フック50の屈折した先端が横方向から挿入係止
される係止孔52aを設けている。さらに、枠部51の
垂直板部51aに取付孔51b、水平板部51cにも取
付孔51dを設けている。
【0040】上記型枠下端保持部材18は、図1に示す
ように、型枠10の下端の垂直な平板部10a、下端部
10c、補強部10eで囲まれる上端開口の凹状溝部1
0gへ嵌め込んで固定している。この溝部10gへの嵌
め込んだ状態で、型枠下端保持部材18は固定されるた
め、特に、型枠10と連結する必要はない。しかしなが
ら、型枠10に取付孔がある場合には、枠部51に設け
た取付孔51bあるいは51dよりピンを挿入して固定
してもよい。また、型枠10が木製の場合は、取付孔5
1bより釘を打ち込むと固定できる。
【0041】つぎに、上記型枠支持装置による型枠10
の固定方法について説明する。まず、予め転圧・整地さ
れた砂利(b)の上面のコンクリート打設領域の外縁に
沿って、型枠10を載置する。ついで、型枠10の大き
さ及び地表状態を考慮して、コンクリート打設領域の外
側の適宜な位置に地中固定基枠11のベースプレート2
0の下端を打ち込み仮固定する。この時、ベースプレー
ト20は、上端を型枠10側へやや傾斜させた角度で打
ち込んでおこくとが好ましい。
【0042】ついで、上記地中固定基枠11に対して回
転支持ブラケット12を取り付ける。すなわち、支持筒
22に固定筒25を上方より外嵌し、ついで、ピン23
を取り付けて抜け止めを図る。上記回転支持ブラケット
12には予め、上下ヒンジプレート13、14、上下ア
ーム15、16、型枠の上端および下端保持部材17、
18が組みつけられており、型枠上端保持部材17の型
枠外嵌部43を型枠10の上端に外嵌して固定すると共
に、型枠下端保持部材18を型枠10の下端の溝部10
gに内嵌して固定する。
【0043】ついで、地中固定基枠11の上端をハンマ
ーでたたいて、地面Gに仮固定状態より本固定する。つ
いで、上部アーム15のターンバックル31を回転し、
上部アーム12の先端側の左ネジシャフト32の先端位
置を微調整して、型枠上部保持部材17を介して型枠1
0の上端を予め位置出しした水糸(図示せず)に正確に
合わせる。その後、下部アーム16のターンバックル3
6を回転して、下部アーム16の先端の左ネジシャフト
37の先端位置を微調整し、連結した型枠10の下端を
予め位置出しした地墨線に正確に合わせる。
【0044】上記作業により、型枠10は定位置に、精
度よく垂直状態に立設した状態で支持固定される。上記
した支持装置で支持された型枠は、支持装置が金属製で
強度を有するため、コンクリート打設時に型枠を外側に
押圧する大きな負荷が作用しても、型枠は外側に設置し
た支持装置の上下アーム15、16により強固に支持さ
れ、垂直状態を保持して立設しておくことができる。
【0045】コンクリート打設作業を終了した後は、地
中固定基枠11を地面Gより引き抜くだけで、該地中固
定基枠11と相互に連結した回転支持ブラケット12、
上下ヒンジプレート13、14、上下アーム15、1
6、型枠上端保持部材17および型枠18の全体を現場
より取り除くことができる。
【0046】尚、本装置においては、上部アーム15、
下部アーム16の長さ調節は、現地へ搬入する前に予め
調節しておくと、現地での長さ調節作業はほとんど不要
となる。すなわち、現地では、地中固定基枠11の地面
への打ち込み、該地中固定基枠11への回転支持ブラケ
ット12の固定、型枠上下保持部材17、18の型枠へ
の組みつけを行うだけでよい。
【0047】図10(A)(B)(C)は地中固定基枠
11の変形例を示し、ベースプレート20を断面W字形
状に屈折させて補強している。該ベースプレート20に
固定する支持筒22は、下部22aを屈折させてベース
プレート20の中央窪み部20aに溶接固着し、上部垂
直部20bをベースプレート20と所要間隔をあけて立
設している。該支持筒22に回転支持ブラケット12の
固定筒25を外嵌してピン23で抜け止めを図る構成は
同様である。
【0048】図11(A)(B)(C)は本発明の第2
実施例を示し、該第2実施例は第1実施例と、地中固定
基枠11と回転支持ブラケット12との連結態様を相違
させている点が相違し、他の構成は同様である。第2実
施例の地中固定基枠11’も、その上端に杭打補強板2
1’を設けており、該杭打補強板21と連続するベース
プレート20’を四角筒形状とし、下端を(C)に示す
ように角錐形状に突出させている。ベースプレート2
0’の上部の対向する側壁20a’と20b’にピン孔
20c’、20d’を対向して形成している。
【0049】一方、上記回転支持ブラケット12’は一
対の挟持壁60、61からなり、これら挟持壁60、6
1にピン孔60a、61aをもうけ、挟持壁60、61
および側壁20a’、20b’のピン孔20c’、20
d’を連通させて、ピン62を挿入して固定している。
上記挟持壁60、61の間に上部ヒンジプレート13、
下部ヒンジプレート14を挟む、ピン26で回転自在に
軸着している。
【0050】図12(A)(B)は本発明の第3実施例
を示し、該第3実施例も、地中固定基枠に対する回転支
持ブラケットの固定の態様を相違させている。地中固定
基枠11”は、その上端に杭打補強板を設けると共に、
該杭打補強板と連続するベースプレート20”は円筒形
状としている。一方、上記回転支持ブラケット12”は
上部アーム用と下部アーム用とに分けて設けており、上
記円筒形状の地中固定基枠11”に外嵌する環状締付材
65を備えている。該環状締付材65は第一半円環部6
5aの一端にピン65bを介して第二半円環部65cを
連結し、第一半円環部65aの他端にピン65dを介し
てボルト65eを取り付け、該ボルト65eを第二半円
環部65bの他端に設けたボルト孔65fに通し、ナッ
ト65gで締め付けるようにしている。上記第一半円環
部65aには軸受部材66を介して上下アーム15、1
6の先端を連結している。該第3実施例では、回転支持
ブラケット12”の環状締付材65を円筒形状のベース
プレート20”にボルト・ナットの締め付けで着脱自在
に固定している。
【0051】図13(A)(B)は第3実施例の変形例
を示し、上記環状締付材65A’と65B’とを直角方
向に連続して設け、一方の環状締付材65A’を地面固
定基枠11”ベースプレート20”に固定する一方、他
方の環状締付材65B’を水平方向の円筒部材67に嵌
合固定している。該円筒部材67に、上下アーム15、
16の先端を溶接固定した第三の環状締付材65C’を
嵌合固定している。
【0052】図14は第4実施例を示し、前記実施例で
は地中固定基枠を平板状のベースプレートして形成して
いるが、第4実施例では、円柱形状の軸部100から形
成し、該軸部100の外周面に螺旋状にネジ部101を
突設したネジ軸形状としている。
【0053】詳しくは、垂直方向の軸部100の上下方
向の略中央部から下端にかけて、軸部100の外周面に
螺旋状にネジ部101を突設している。また、軸部10
0の下端に円錐形状の突出部102を設けている。ネジ
部101の上側部には、回転支持ブラケット12に固定
した支持筒103を着脱自在に外嵌し、該支持筒103
および軸部100に穿設した取付穴104、105にピ
ン106を差し込んで、軸部100に支持筒103を着
脱自在に固定している。なお、支持筒103に対して回
転支持ブラケット12を着脱自在に固定するようにして
もよい。
【0054】上記支持筒103の上方より軸部100の
上端にかけて、軸部100の断面を六角形とし、ハンマ
ードリル(図示せず)を着脱自在に外嵌するネジ回し部
107を設けている。
【0055】地中固定基枠を上記ネジ軸状とすると、該
地中固定基枠を地面に打ち込む時、軸部100の上端の
ネジ回し部107にハンマードリルを取り付け、該ハン
マードリルを矢印Z1方向回転させていくと、ネジ部1
01が軸部100の外周面に突設されているため、軸部
100を次第に地中にねじ込まれていく。このように、
前記実施例とはことなり、地中固定基枠の上端をハンマ
ーで打撃して打ち込む方向をとっていないため、地中固
定基枠の損傷を押さえ、耐久性を向上させることができ
る。また、使用後、地中固定基枠を地中より引く抜く時
はネジ回し部107にハンマードリルを取り付けて矢印
Z2の逆方向に回転させるとよい。
【0056】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の請求項1の構成によれば、回転支持ブラケットと、上
下一対のヒンジプレートと、上部アームおよび下部アー
ムと、型枠の上端および下端保持部材とは予め組みつけ
ておき、現場において、地中固定基枠を地面に打ち込ん
だ後、回転支持ブラケットを地中固定基枠に固定し、型
枠上端および下端保持部材を型枠の上端および下端に夫
々取り付けるだけで、簡単に型枠を垂直状態に固定する
ことができる。よって、従来のような、現地において、
地中に打ち込んで固定したクイ棒に対して、ヌキ板、ス
ジカイ棒を所要の長さに切断して調節しながら、釘打ち
して連結する等の作業手数を省くことができる。よっ
て、このコンクリート基礎工事にかかる人手を削減する
ことができると共に、基礎工事期間を短縮することがで
きる。
【0057】また、ハンマー等で打撃する地中固定基枠
と、他の組みつけ部材を別として、現地で簡単に固定す
る構成としているため、地中固定基枠を地面に打撃して
打ち込む際に、他の部材に変形を発生させる等の悪影響
がない。また、地中固定基枠を他の部材と組みつけてい
ないことにより、簡単に地面に打ち込むことができ、連
結している場合に比較してはるかに作業性がよくなる。
【0058】特に、請求項2乃至請求項4の構成とする
と、地中に打ち込んだ地中固定基枠に対して回転支持ブ
ラケットを簡単に取り付けることが出来る。すなわち、
地中固定基枠のみを、予め組み立てずに、現場で連結す
る構成としているが、現場での連結に手数がかからない
ため、作業性を阻害しない。
【0059】また、請求項5および請求項6の構成とす
ると、地中に打ち込む地中固定基枠をネジ軸状として、
ハンマードリルで回転させながら地中に打ち込んでいく
ため、地中固定基枠の上端をハンマーで打撃して打ち込
む場合と比較して、地中固定基枠の損傷を低減でき、耐
久性を高めることができる。
【0060】また、下部アームを屈曲させているため、
下部アームが地面に当たることなく、地中固定基枠側の
連結点を低く設定でき、地中固定基枠の高さを低くで
き、安定保持することができる。さらに、型枠下端保持
部材を型枠の凹状の溝の内部に嵌合固定する構成として
いるため、簡単に取り付けることができると共に、型枠
に係止孔が設けられていない場合、あるいは係止孔が設
けられていない位置で、下部アームにより簡単に型枠下
端を保持出来る。
【0061】また、本発明の型枠の支持装置では、型枠
を支持装置により垂直に保持した後、上部アームと下部
アームのターンバックルを回転させると、上部アームと
下部アームの長さを微調整できるため、型枠の位置出し
を精度よく行うことができ、しかも、この精度出しがタ
ーンバックルの回転だけであるため、極めて簡単に行え
る。即ち、従来は、熟練者のカンやコツに頼って、ツカ
イ棒の切断長さ、取付位置、取付角度などを調節して、
型枠の垂直位置出しを行っていたが、本発明ではターン
バックルを回転させるだけの簡単な操作で誰でも精度よ
く行うことが出来る。
【0062】さらに、上部アームおよび下部アームと
も、ネジシャフトと連結するパイプの長さを選択して連
結すると共に、ネジシャフトとの連結位置を調整できる
ため。上部アームおよび下部アームの長さを大きな寸法
で調節することができる。一般に、型枠支持装置では、
現地の状況および型枠の大きさ等に要求される上下アー
ムの長さが相違するが、これに対応することができる。
即ち、本発明の支持装置は、従来のように、現場後毎に
調製して支持装置を形成するのではなく、異なる現場に
おいても繰り返し使用するものであるため、現場の状況
および使用する型枠の寸法に応じて、アームの長さを大
きく調節する必要がある。本発明では、この要求に答え
るため、上下アームに、垂直位置出し用のターンバック
ル以外に、上記パイプの長さを変更し、かつ、パイプと
ネジシャフトとの連結位置を間隔をかけて調整できる機
構を備え、アームの長さを大きく調整出来るため、種々
の現場に適用することが出来る。
【0063】また、上部アームと連結する型枠上端保持
部材を型枠の上端にかぶせる型枠外嵌部と、該外嵌部の
一側外面に溶接固定したアーム固定部から構成している
ため、現場において、型枠上端保持部材を型枠の上端に
外嵌して、ハンマー等で軽くたたきこむだけで、簡単に
取り付けることができる。また、上記アーム固定部に上
部アームをピンを介して連結しているため、型枠の大き
さに対応して種類の異なる型枠上端保持部材を使用した
場合にも、支持装置の上部アームを変えることなく用い
ることができる。よって、型枠上端保持部材だけ種類を
変えて用意しておけばよく、地中固定基枠、上部アーム
および下部アームは共通して用いることが出来る。
【0064】また、上記型枠上端保持部材の型枠外嵌部
をバネ材で形成し、型枠の上部に圧接状態で取り付ける
と、支持装置と型枠との結合を強固に行うことができ、
かつ、型枠に多少の寸法誤差が発生していても型枠上端
保持部材を固定することができる。さらに、支持装置の
構成部材を金属製としているため、耐久性があるため繰
り返し使用が可能となり、産業廃棄物を全く出さない。
かつ、金属製で強度があるため、コンクリート打設時に
コンクリート圧力により型枠が反打設側に押圧されて
も、型枠を十分に保持する。また、かつ、仮に押圧され
て傾きが発生してもターンバックルの回転により簡単に
修復することが出来る。これに対して、従来のスジカイ
棒、ヌキ板を用いていた場合には、コンクリート圧力が
負荷されると、強度が弱いために型枠が簡単に傾く。よ
って、その都度、スジカイ棒やヌキ板を切断して補強し
なおす必要があると共にコンクリート打設という作業
上、素早くする必要があり、作業は非常に混乱する問題
があった。その点、本発明では、上記のように、支持装
置を金属製としているため強度があり、型枠は容易に傾
かず、かつ、補修はターンバックルの回転だけであるた
め、作業は容易となる利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の支持装置により型枠を
支持している状態を示す正面図である。
【図2】 上記支持装置の平面図である。
【図3】 地中固定基枠を示し、(A)は正面図、
(B)は一部断面側面図、(C)は水平断面図である。
【図4】 回転支持ブラケットを示し、(A)が正面
図、(B)は平面図である。
【図5】 上部アームのパイプの正面図である。
【図6】 型枠上端保持部材を示し、(A)は平面図、
(B)は正面図である。
【図7】 型枠上端保持部材の変形例を示し、(A)は
平面図、(B)は正面図である。
【図8】 下部アームのパイプの正面図である。
【図9】 型枠下端保持部材を示し、(A)は正面図、
(B)は平面図である。
【図10】 本発明の地中固定基枠の変形例を示し、
(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は側面図であ
る。
【図11】 本発明の第2実施例を示し、(A)は正面
図、(B)は平面図、(C)は底面図である。
【図12】 本発明の第3実施例を示し、(A)は正面
図、(B)は平面図である。
【図13】 第3実施例の変形例を示し、(A)は正面
図、(B)は平面図である。
【図14】 本発明の第4実施例を示す正面図である。
【図15】 従来の型枠の支持構造を示す概略図であ
る。
【図16】 型枠の立設部分とコンクリート打設部分と
の関係を示す概略図である。
【図17】 他の従来の型枠の支持構造を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
10 型枠 11 地中固定基枠 12 回転支持ブラケット 13 下部ヒンジプレート 14 上部ヒンジプレート 15 上部アーム 16 下部アーム 17 型枠上端保持部材 18 型枠下端保持部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面状基礎コンクリートを打設時に、コ
    ンクリート打設領域の外縁に沿って垂直に立設するコン
    クリート型枠の支持装置であって、 地面に打ち込んで固定する地中固定基枠と、 上記地中固定基枠に着脱自在に固定する回転支持ブラケ
    ットと、 上記回転支持ブラケットに回転自在に軸着する上下一対
    のヒンジプレートと、 上記上下ヒンジプレートに一端を取り付けると共に、長
    さ調節手段を介設している上部アームおよび下部アーム
    と、 上記上部アームおよび下部アームの他端に着脱自在に係
    止すると共に、型枠の上端および下端に着脱自在に固定
    する型枠上端保持部材および型枠下端保持部材とを備え
    ているコンクリート型枠の支持装置。
  2. 【請求項2】 上記地中固定基枠は、垂直方向のベース
    プレートの上端に杭打補強板を固着していると共に、ア
    ーム取付面側に下部を固着した支持筒を取り付ける一
    方、 上記回転支持ブラケットの一端に、上記支持筒に上方よ
    り外嵌する固定筒を突設し、 上記支持筒に固定筒を外嵌した状態で、支持筒に抜け止
    めピンを挿入して固定する構成としている請求項1に記
    載のコンクリート型枠の支持装置。
  3. 【請求項3】 上記地中固定基枠の上端に杭打補強板を
    設けると共に、該杭打補強板と連続する上部を四角筒形
    状とし、その対向する側壁にピン孔を設ける一方、上記
    回転支持ブラケットに、上記地中固定基枠のピン孔を設
    けた側壁の外面に当接させる一対の挟持壁をもうけ、該
    挟持壁にピン孔を設け、挟持壁および側壁のピン孔を連
    通させてピンを挿入して固定する構成としている請求項
    1に記載のコンクリート型枠の支持装置。
  4. 【請求項4】 上記地中固定基枠の上端に杭打補強板を
    設けると共に、該杭打補強板と連続する上部を円筒形状
    とすると共に、上記回転支持ブラケットを上部アーム用
    と下部アーム用とに分け、夫々一対の半円環状部の一端
    をピンで連結すると共に、他端ををボルト・ナットで連
    結固定する環状締付材より構成し、上記地中固定基枠に
    着脱自在に外嵌固定する構成としている請求項1に記載
    のコンクリート型枠の支持装置。
  5. 【請求項5】 上記地中固定基枠は、垂直方向の円柱形
    状の軸部の外周に螺旋状のネジ部を突設している請求項
    1に記載のコンクリート型枠の支持装置。
  6. 【請求項6】 上記螺旋状のネジ部を中間部位から下端
    にかけて突設すると共に、該ネジ部の上部外周に上記回
    転支持ブラケットを取り付ける支持筒を固定し、かつ、
    該支持筒の上部から軸部上端にかけてネジ回し部を設け
    ている請求項5に記載のコンクリート型枠の支持装置。
JP13077695A 1994-05-27 1995-05-29 コンクリート型枠の支持装置 Withdrawn JPH0842144A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5665006B1 (ja) * 2014-06-10 2015-02-04 有限会社 三葉建設 型枠支持具及び型枠支持構造
CN113106818A (zh) * 2021-03-03 2021-07-13 中国五冶集团有限公司 一种混凝土浇筑钢模板可调式活动支腿工具的制作方法

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JP5665006B1 (ja) * 2014-06-10 2015-02-04 有限会社 三葉建設 型枠支持具及び型枠支持構造
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