JPH0840728A - ガラスの製造方法 - Google Patents

ガラスの製造方法

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JPH0840728A
JPH0840728A JP20022994A JP20022994A JPH0840728A JP H0840728 A JPH0840728 A JP H0840728A JP 20022994 A JP20022994 A JP 20022994A JP 20022994 A JP20022994 A JP 20022994A JP H0840728 A JPH0840728 A JP H0840728A
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glass
gel
paste
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porous body
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Takahisa Fukuoka
荘尚 福岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼結時の割れがないガラスを容易に得る。 【構成】 多孔体を経由した屈折率分布を有するガラス
の製造方法において、多孔体の一部にペースト状物を塗
布した後、焼結する。ここに、ペースト状物は、多孔体
の中心部にまでは浸透しないような粘度である。ペース
ト状物は焼結温度を低下させたり、上昇させたりするこ
とができる金属元素を含有しているとよい。また、ペー
スト状物はゾルゲル法により作製するとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔体を経由したガラ
スの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、多孔体を経由したガラスの製
造方法として、例えば、金属アルコキシド、水ガラス、
SiO2などの酸化物粒子を原料としたゾルゲル法が用いら
れており、このゾルゲル法により均質ガラスおよび屈折
率に分布を有したガラスを作製する方法が種々提案され
ている。
【0003】上記ゾルゲル法により、屈折率分布を付与
する方法として、特開平3-295818号公報には、少なくと
も一種の屈折率分布を付与するための金属成分を含有す
るシリカゾルを調製し、ゲル化させた後に、このウェッ
トゲルを水溶液などの上記金属成分を溶解・拡散しうる
溶液に浸漬し、屈折率分布を付与する金属成分を溶出
後、ゲル中の溶媒を交換して、ゲル内の細孔に金属塩の
微結晶を沈澱させて、前記金属塩の濃度分布を固定し、
乾燥、焼成するという方法が提案されている。また、特
開昭63-95124号公報には、少なくとも一種の金属成分を
含有するシリカゾルを調製し、ゲル化させた後に、この
ウェットゲルを酸などの上記金属成分を溶解・拡散しう
る溶液に浸漬し、屈折率分布を付与する金属成分を溶出
して、前記金属成分に濃度分布を付与した後、シリコン
アルコキシド溶液に浸漬して乾燥、焼成するという方法
が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来からのゾルゲル法
により屈折率分布を有したガラスを作製する場合は、特
に組成分布を付与した多孔体を作製し、そのまま焼結す
る工程を有するため、組成分布に起因する骨格密度(ガ
ラス形成酸化物)の分布や修飾酸化物の分布により、ガ
ラス化したときの収縮がガラスの部分により大きく異な
り、これにより応力が発生して割れてしまうことが多か
った。例えば、特開平3-295818号公報に記載されている
方法により、屈折率分布を有した円柱状のガラスを製造
するとき、図4(a) に示したように、ゲル内外で元素の
交換がおこり、製造されたガラスの屈折率分布は、図4
(b) のように、外周部から中心部にかけて変化する。例
えば、このときの元素の濃度分布は、鉛の濃度は中心部
が最も高く、外周部に向かって減少し、逆にカリウムは
外周部が最も高く、中心部に向かって減少しており、組
成分布に起因する骨格密度(ガラス形成酸化物)の分布
や修飾酸化物の分布により、図4(c) に示したように、
斜線部(外周部)の密度が低く中心に向かって高くなっ
ていた。なかでも角の部分(周縁部)の密度が最も低か
った。したがって、ガラス化したときの収縮がガラスの
部分により大きく異なり、角の部分が最も収縮が激し
く、これにより応力が発生して割れてしまうことが多か
った。
【0005】また、元素に凹状の濃度分布を付与した屈
折率分布を有するガラスを作製するときの組成分布に起
因する多孔質ゲルの骨格密度は、外周部が高く、中心部
が低い分布となっていた。したがって、ガラス化したと
きの収縮がガラスの部分により大きく異なり、中心部分
が最も収縮が激しく、これにより応力が発生して割れて
しまうことが多かった。
【0006】特開昭63-95124号公報記載の方法では、少
なくとも一種の金属成分を含有するシリカゾルを調製
し、ゲル化させた後に、このウェットゲルを酸などの上
記金属成分を溶解・拡散しうる溶液に浸漬し、屈折率分
布を付与する金属成分を溶出して、前記金属成分に濃度
分布を付与した後、シリコンアルコキシド溶液に浸漬し
ゲルを強化して割れを防いでいたが、溶液に浸漬するた
め、容易にゲルの全体にシリコンアルコキシドが接触し
て拡散してしまい、所望の部分、例えば図4(c)の斜線
部のみとか、角部分のみとかに所望の量のシリコンアル
コキシド溶液を接触させることは困難であった。このた
めに、割れを完全に防ぐことはできなかった。
【0007】一方、均質なガラスを作製する場合には、
原料の金属アルコキシドの加水分解反応により発熱し、
ゾルを容器に流し込むときに、容器に触れた部分はゾル
の温度が低くなり、触れなかった部分はこれに比べて高
いため、ゾルの温度が不均一となり、引き続いて起こる
重縮合反応の反応速度に分布ができ、図5に示すよう
に、ゲル骨格の密度に分布を有したものになってしまっ
た。このために、組成は均一であるにもかかわらず、焼
結時には、ゲルの部分により収縮が一定とならず、応力
が発生し割れてしまうことがしばしばあった。
【0008】請求項1〜6に係る発明は、かかる従来の
問題点に鑑みてなされたもので、焼成時の割れを防ぐこ
とができるガラスの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、多孔体を経由したガラスの
製造方法において、多孔体の一部にペースト状物を塗布
した後、焼結することとした。請求項2に係る発明は、
多孔体を経由した屈折率分布を有するガラスの製造方法
において、多孔体の一部にペースト状物を塗布した後、
焼結することとした。請求項3に係る発明は、請求項1
または2に係るガラスの製造方法において、前記ペース
ト状物が金属元素を含有していることを特徴とする。請
求項4に係る発明は、請求項1または2に係るガラスの
製造方法において、前記ペースト状物が金属アルコキシ
ドまたはその誘導体を含有していることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1から4までにいずれか
1項に係るガラスの製造方法において、前記ペースト状
物をゾルゲル法により作製することを特徴とする。請求
項6に係る発明は、多孔体を経由したガラスの製造方法
において、多孔体の一部に原子価が1価となる元素を含
有したガラスを接触させながら焼結することとした。
【0010】
【作用】まず、凸状に屈折率分布を有したガラスを製造
する場合の作用について説明する。例えば、鉛、チタン
等が凸状に分布を有したガラスを作製する場合は、組成
分布に起因する骨格密度(ガラス形成酸化物)の分布や
修飾酸化物の分布により、骨格密度(ガラス形成酸化
物)および修飾酸化物の密度が、ゲルの外周部で最も低
く、ゲルの中心部で最も高くなる。そこで、密度の低い
ゲルの外周部にペースト状物を塗布した後に焼結するこ
とにより、骨格密度(ガラス形成酸化物)および修飾酸
化物の密度の分布に起因する欠損が補われ、焼結時の収
縮の違いが低減されるので、発生する応力を低減するこ
とができ、焼結時の割れを防ぐことが可能となる。この
とき、粘度の低い液状物であると、多孔体中心部にまで
容易に浸透してしまうが、ペースト状物であるので、そ
の浸透は外周部に留まり、上記欠損を補うことができ
る。一方、ペースト状物を塗布することにより、ペース
ト状物に含まれる元素の影響によって焼結温度や、ガラ
ス化したときの熱膨張係数が変化することがあるが、骨
格密度(ガラス形成酸化物)および修飾酸化物の密度の
分布に起因する欠損を補うという意味からは、ペースト
状物に含まれる元素の種類には制限がない。
【0011】このとき、骨格密度(ガラス形成酸化物)
および修飾酸化物の密度の分布に起因する欠損を補いき
れない場合やガラス化したときの熱膨張係数の分布を考
慮すると、ゲルの外周部にその部分の焼結温度を低下さ
せる金属元素(例えば、アルカリ金属、鉛、ホウ素、リ
ン等ガラスを形成することができる元素)や硼素、リン
等を含んだペースト状物を塗布した後に焼結するとよ
い。これによれば、ペースト状物に含まれている金属元
素等が、外周部のゲル骨格に拡散し、ゲルの外周部も内
部と同様に焼結しやすくなるため、発生する応力を低減
することができ、焼結時の割れ、冷却時の割れを防ぐこ
とが可能となる。
【0012】ここで、塗布するペースト状物の量、濃度
は、どの程度焼結温度を低下させるかにより決定され
る。また、ペースト状物を塗布する部分は、原理的には
限定されない。しかし、ここで説明しているガラスの場
合、目的とするガラスは凸状に屈折率分布を有したもの
であり、ペースト状物を塗布し焼結することにより、屈
折率分布等の特性に影響を与えることがある。このこと
を考慮し、例えば、ロッドの角や端面、最外周部等、事
実上使用しない部分にペースト状物を塗布することが望
ましく、焼結した後にペーストを塗布した部分を削除し
てもよい。さらに、目的とする物性に与える影響が小さ
い元素を用いるとよい。例えば、ここでは屈折率という
物性であるが、AlやNa, K, P等の屈折率に与える影響が
比較的小さい元素を選択しペースト状物に混合して用い
るとよい。
【0013】次に、凹状に屈折率分布を有したガラスを
製造する場合の作用について説明する。鉛等が凹状に分
布を有したガラスを作製する場合は、組成分布に起因す
る骨格密度(ガラス形成酸化物)の分布や修飾酸化物の
分布により、上記の元素が凸状に分布を有したガラスと
は逆に、骨格密度(ガラス形成酸化物)および修飾酸化
物の密度が、ゲルの外周部で最も高く、ゲルの中心部で
最も低くなる。この場合は中心部の収縮が大きくなるの
で、骨格密度(ガラス形成酸化物)および修飾酸化物の
密度の分布をキャンセルするためには、ゲルの中心部に
ペースト状物を塗布することができればよいのである
が、これは不可能である。そこで、骨格密度(ガラス形
成酸化物)および修飾酸化物の密度の分布による収縮の
違いによって発生する応力を減少させることができれ
ば、ゲルの割れは減少し歩留りは向上する。このために
は、ゲル全体をできるだけ均一に焼結さることができれ
ば発生する応力を低減することができ、歩留りの向上が
可能となる。このときの、焼結温度の分布はどのような
元素が凹状の濃度分布を有しているかに依存している。
【0014】例えば、SiO2を基本組成とし、Pb, B, P,
アルカリ金属等に凹状の濃度分布を有している場合は、
焼結温度の分布は凸状であり、ゲルの外周部に該部分の
焼結温度を上昇させる金属元素(例えば、Al, Zn, Mg,
Ti, Zr, Ca, Sr, La, Ba, Nb, Ta等)を含んだペースト
状物を塗布した後に焼結すると、ペースト状物に含まれ
ている金属元素が、外周部のゲル骨格に拡散し、外周部
と中心部とで焼結温度の差が小さくなるため、発生する
応力を低減することができ、歩留りが向上する。また、
例えば、SiO2を基本組成とし、Al, Zn, Mg, Ti, Zr Ca
Sr, La, Ba, Nb, Ta等に凹状の濃度分布を有している場
合は、焼結温度の分布は凹状であり、ゲルの外周部に該
部分の焼結温度を低下させる金属元素(例えば、Pb, ア
ルカリ金属等)やB, P等を含んだペースト状物を塗布し
た後に焼結すると、ペースト状物に含まれている金属元
素等が、外周部のゲル骨格に拡散し、外周部と中心部と
で焼結温度の差が小さくなるため、発生する応力を低減
することができ、歩留りが向上する。
【0015】このときに、塗布するペースト状物の量、
濃度は、どの程度焼結温度を上昇・低下させるかにより
決定される。ペースト状物を塗布する部分は、原理的に
は限定されない。しかし、目的とするガラスは凹状に屈
折率分布を有したものであり、ペースト状物を塗布し焼
結することにより、屈折率分布等の特性に影響を与える
ことがあるので、例えば、ロッドの角や端面、最外周部
等、事実上使用しない部分にペースト状物を塗布するこ
とが望ましく、焼結した後にペースト状物を塗布した部
分を削除してもよい。また、目的とする物性に与える影
響が小さい元素、屈折率の場合には、Al等を選択しペー
スト状物に混合して用いるとよい。
【0016】次に、均質ガラスを製造する場合の作用に
ついて説明する。従来法により作製した均質なガラス
は、前述したように、容器に接触する外周部とその他の
部分とでガラス骨格の密度に分布を有している。最もゾ
ルの温度が低下すると思われる外周部分(図1の斜線
部)の骨格密度が最も高く、ゲルの中心部に向かってい
くほど骨格密度は低下していくと考えられる。骨格密度
の分布による影響を補うためには、骨格密度が低い部分
にこれを補う物を存在させた後に焼結すればよいが、最
も骨格密度が低いのは中心部であるので、中心部だけ骨
格密度を補うものを塗布することは不可能である。
【0017】そこで、ゲル全体を均一に焼結させれば発
生する応力を低減することができ、焼結時の割れを防ぐ
ことが可能となる。そこで、ゲルの外周部に該部分の焼
結温度を上昇させる金属元素(例えば、Al, Zn, Mg, T
i, Zr, Ca, Sr, La, Ba, Nb,Ta等)を含んだペースト状
物を塗布した後に焼結すると、ペースト状物に含まれて
いる金属元素が、外周部のゲル骨格に拡散し、ゲルの外
周部も内部と同様に焼結するため、発生する応力を低減
することができ、焼結時の割れを防ぐことが可能とな
る。このときに、接触させるペースト状物の量、濃度
は、どの程度焼結温度を上昇させるかにより決定され
る。また、ペースト状物を塗布する部分は、原理的には
限定されないが、ここで、目的とするガラスは均質なも
のであり、ペースト状物を塗布し焼結することにより、
組成分布が付与されることがあるので、例えば、ロッド
の角や端面、最外周部等、事実上使用しない部分にペー
スト状物を塗布することが望ましく、焼結した後にペー
スト状物を塗布した部分を削除してもよい。また、目的
とする物性に与える影響が小さい元素を選択しペースト
状物に混合して用いるとよい。
【0018】以上の場合、ペースト状物を用いるため、
ゲルの所望の部分に、所望の量を塗布することが非常に
簡単かつ容易となり、歩留りを向上させ、工数を削減す
ることができる。なお、ペースト状物は高粘性で容易に
多孔体全体に拡散しないものであり、多孔体の壁面に所
定の時間とどまるものであれば種々のものが使用でき
る。例えば高純度化学(株)で市販されているような各
種ペーストを使用することができる。また、ペースト状
物は、所望の金属塩を各種無機、有機溶剤に溶解し、高
粘性液体(ポリビニルアルコール水溶液、ジオール、ト
リオール、シリコンオイルなど)に混合して作製しても
よい。Al(OseC C4H9)3等の金属アルコキシドは高粘性液
体であるためそのまま使用することができるが、粘性が
低い金属アルコキシド(例えば、Nb, Ta,B 等のアルコ
キシド)は、粘度を調整して使用することができる。ま
た、固体金属アルコキシド、難溶性の塩、ガラス粉末、
金属酸化物は、各種溶剤に分散し、高粘性液体により粘
度を調整して用いることができる。ゾルゲル法により作
製したペースト状物は、原料組成に制限が少ないため、
任意の金属元素を容易にゲルに塗布することができるの
で効果的である。さらに、ゲル化したゲルを溶剤に分散
してペースト状物を作製してもよい。このようにする
と、長期間にわたって、ゲルを使用することができる。
また、ペースト状物に含まれている金属元素は1種類に
限定されるものではない。ペースト状物の粘度は、多孔
体全体に容易に拡散しない範囲であればよいが、ペース
ト状物を塗布する温度で約5cps以上であるのが望まし
い。
【0019】請求項6に対応する作用を次に説明する。
ゲル内に拡散させる金属が1価の原子価を有するもので
よい場合、つまり、特開平3-295818号公報によって作製
したように凸状に屈折率分布を有した場合、または、例
えば、Al, Zn, Mg, Ti, Zr,Ca, Sr, La, Ba, Nb, Ta等
の元素に凹状の濃度分布を有する場合等、焼結温度の分
布が凹状の場合には、例えば、図3に示すように、ロッ
ド状ゲルの両端面に1価の原子価を有する金属を含有す
るガラス板等を接触させながら焼結すれば、ガラスから
1価の原子価を有する金属がゲル中に拡散してゲルの外
周部も中心部と同様に焼結するため、発生する応力を低
減することができ、焼結時の割れを防ぐことが可能とな
る。1価の原子価を有する金属とは、例えばアルカリ金
属が好ましく、接触させるガラスのガラス転移点は、ゲ
ルの焼結温度と同じかそれ以下であれば、1価の原子価
を有する金属はゲル中に多く拡散することができ、より
好ましい。
【0020】
【実施例1】7mlのSi(OCH3)4 と 7mlのSi(OC2H5)4に、H
Cl を含む濃度が1mol/lのほう酸水溶液15mlと 0.25mol/
lの酢酸鉛水溶液60ml、0.5mol/lの硝酸鉛水溶液10mlを
加え加水分解してゾルを調製し、内径20mmの円筒型テフ
ロン容器内でゲル化させて、ウエットゲルを作製した。
このゲルの一部を濃度が5mol/lの硝酸カリウム水溶液に
浸漬後、アセトンに浸漬し微結晶を沈澱させて濃度分布
を付与したウェットゲルを得た。この後に、乾燥してド
ライゲルとし、B(OC2H5)3 を含有したペースト状シリコ
ンオイルを図1の斜線部(円柱状ドライゲルの両端周縁
部)に塗布して電気炉で焼成したが、割れや形状の変化
は発生せず、直径約 7mmの屈折率分布を有したガラスロ
ッドが得られた。
【0021】
【実施例2】7mlのSi(OCH3)4 と 7mlのSi(OC2H5)4に、1
N-HClを加え加水分解してゾルを調製し、テフロン容器
内でゲル化させて、板状のウエットゲルを作製した。こ
のゲルを100 ℃まで乾燥し、ドライゲルとして高純度化
学(株)製のZnO ペースト状物を図2の丸で囲った部分
(矩形板の四隅部分)に塗布して、電気炉で焼成した
が、割れや形状の変化は発生しなかった。また、ペース
ト状物を塗布しなかった部分の組成分析を行ったとこ
ろ、ホウ素は検出されず、所望のSiO2ガラスが得られ
た。
【0022】
【実施例3】51.1g のTi(OC4H9)4と129.3gの Si(OCH3)4
に、207.3gのエタノ−ル及び72.0g1/100N-HCl水溶液を
加えて加水分解し、内径20mmのガラス容器内でゲル化さ
せてウェットゲルを作製した。このウェットゲルを40
℃で熟成した後に、濃度が10wt%-HCl 溶液に浸漬して濃
度分布を付与した。このゲルをエタノールに浸漬して溶
媒置換し、濃度分布を停止した。次に、このゲルを50℃
で乾燥し、図3のように、30Na2O・70SiO2組成のソーダ
シリケイトガラスで挟んで、1100℃まで焼成したとこ
ろ、割れは全く発生せず、Tiに濃度分布を持つガラスが
得られた。
【0023】
【実施例4】60.9gのSi(OCH3)4 に 74gのエタノールを
加え、41.8g の1規定塩酸を加えて部分加水分解し、24
g のSiO2粉末を110gのエタノールに分散した溶液と 28g
のエタノールに溶解して混合した。その後に、49.2g の
Al(Osec C4H9)3を添加して2時間60℃で撹拌した。さら
に、酢酸水溶液を添加して撹拌しゾルを調製した。この
ゾルをテフロンで作製された容器にゾルを流し込み、60
℃で保持してゲル化させてゲルを得た。このゲルを2mol
/lの酢酸ランタンを含んだ3規定塩酸水溶液に浸漬し
て、Laに凹状の濃度分布を付与した。このゲルをイソプ
ロパノールとアセトンの混合液に浸漬して濃度分布を固
定し、この後に100 ℃で乾燥した後に、500℃まで仮焼
し、円柱形の多孔体の外周側面に硝酸カリウムを含有し
たペースト状のポリビニルアルコール水溶液を塗布し
て、1080℃まで焼成したところ、割れのない凹状の屈折
率分布を有したガラスを作製することができた。
【0024】
【実施例5】30mlのSi(OCH3)4 と30mlのSi(OC2H5)4およ
び12.4mlのB(OC2H5)3 の混合液に、pH2 の HCl水溶液を
25ml添加してゾルを調製し、1.25mol/l の酢酸鉛水溶液
107.63ml、酢酸15.35ml の混合液を添加し撹拌混合した
後に、内径35mmの円筒型テフロン容器内でゲル化させ
て、ウエットゲルを作製した。このゲルを濃度が0.61mo
l/l の酢酸鉛溶液に浸漬後、イソプロパノール/アセト
ンの混合液に浸漬し、ゲル中に酢酸鉛の微結晶を均一に
沈澱させた。この後に、酢酸を含んだ0.61mol/lの酢酸
カリウムのエタノール溶液に8時間浸漬した。これによ
り、酢酸鉛の微結晶は溶解し、拡散によりPbに凸状の濃
度分布が付与され、酢酸カリウムはゲル内部に拡散し
て、K に凹状の濃度分布が付与された。次いで、イソプ
ロパノール/アセトンの混合液に浸漬し、濃度分布を固
定し、電気炉で乾燥し乾燥ゲルを得た。その後、10mlの
Si(OCH3)4 と10mlのSi(OC2H5)4および12.4mlのB(OC2H5)
3 の混合液に、pH2 の HCl水溶液を9ml 添加し、1.25mo
l/l の酢酸鉛水溶液107.63ml、酢酸15.35ml の混合液を
添加し撹拌混合して調製したゾルを室温で保持してゲル
化する前の高粘性溶液を用意し、図2のように、前記円
柱状乾燥ゲルの両端周縁部に塗布して、焼結しガラス化
したところ、割れのない直径約13mmのガラスロッドが得
られた。
【0025】なお、本発明を利用してガラスの表面近傍
に濃度分布を付与して、化学的な耐久性等の向上、種々
の特性(例えば屈折率、分散、熱膨張係数、ガラス転移
点等)の向上を行うことができる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜6のガラスの
製造方法によれば、容易にして焼成時の割れがないガラ
スを歩留り良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、5におけるペースト状物を塗布する
部分を示す多孔体の斜視図である。
【図2】実施例2におけるペースト状物を塗布する部分
を示す多孔体の斜視図である。
【図3】実施例3における1価金属を含んだガラスを接
触させながら焼成する状態を示す多孔体の斜視図であ
る。
【図4】(a) 濃度分布付与工程における元素の拡散を示
すゲルの縦断面図、(b) 得られたガラスの屈折率分布を
示す縦断面図、(c) 得られた多孔体の密度を示す縦断面
図である。
【図5】ゲルの骨格の粗密を示す模式断面図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔体を経由したガラスの製造方法にお
    いて、多孔体の一部にペースト状物を塗布した後、焼結
    することを特徴とするガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】 多孔体を経由した屈折率分布を有するガ
    ラスの製造方法において、多孔体の一部にペースト状物
    を塗布した後、焼結することを特徴とするガラスの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記ペースト状物が金属元素を含有して
    いることを特徴とする請求項1または2記載のガラスの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ペースト状物が金属アルコキシドま
    たはその誘導体を含有していることを特徴とする請求項
    1または2記載のガラスの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ペースト状物をゾルゲル法により作
    製することを特徴とする請求項1から4までにいずれか
    1項記載のガラスの製造方法。
  6. 【請求項6】 多孔体を経由したガラスの製造方法にお
    いて、多孔体の一部に原子価が1価となる元素を含有し
    たガラスを接触させながら焼結することを特徴とするガ
    ラスの製造方法。
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