JP2001089144A - セラミックス多孔質皮膜及びその製造方法 - Google Patents

セラミックス多孔質皮膜及びその製造方法

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JP2001089144A JP26801199A JP26801199A JP2001089144A JP 2001089144 A JP2001089144 A JP 2001089144A JP 26801199 A JP26801199 A JP 26801199A JP 26801199 A JP26801199 A JP 26801199A JP 2001089144 A JP2001089144 A JP 2001089144A
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zirconium
alkoxide
ceramic porous
film
sol
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Haruhiko Murakami
春彦 村上
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Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定的にジルコニウムを含むセラミックス多
孔質皮膜を製造することができ、コスト的にも有利であ
るセラミックス多孔質皮膜の製造方法を提供する。 【解決手段】 硝酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニ
ウム、ジルコニウムアセチルアセトネート、カプリル酸
ジルコニウムから選ばれるジルコニウム化合物と、ケイ
素のアルコキシドとを使用するジルコニア−シリカ複合
皮膜を含むセラミックス多孔質皮膜の製造方法等、アル
コキシドと硝酸ジルコニウム等を使用するジルコニアを
含むセラミックス多孔質皮膜の製造方法を提供する。ま
た、この方法を使用して得られるジルコニアを含む多孔
質皮膜を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジルコニア(Zr
2)を含むセラミックス多孔質皮膜の製造方法および
その皮膜自体に関する。
【0002】
【発明が解決するための課題】セラミックス多孔質皮膜
は、フィルター、酵素・触媒の担体、無反射ガラス等に
利用されている。また、各種コーティングのアンダーコ
ート材として密着性を向上させるために用いられてい
る。その作製法の一つとして金属アルコキシドを使用し
たものがあり、特開平5−319869号公報、特開平
7−206541号公報、日本セラミックス協会誌103
[11]1201-1204(1995)、セラミックス[30]1021-1024(199
5)等にその具体的な作製法が報告されている。金属アル
コキシドを用いた成膜法では加水分解反応の制御、有機
物の添加などによりミクロ構造を制御できるという特徴
を持つ。
【0003】ジルコニアは、耐熱性、耐食性に優れ、ま
た触媒作用を促進する能力を持つ。ジルコニア単成分の
皮膜については種々報告されているが、その多孔質化に
ついて具体的に示すものは少ない。ジルコニアを含むセ
ラミックス多孔質体の作製法が窯業協会誌93[4]195-200
(1985)で報告されている。しかしながら、使用されるジ
ルコニア原料はアルコキシドであり、このジルコニウム
アルコキシドは安定性に劣り取り扱いが容易でない。ま
た高価であるため工業化への利用は難しい。
【0004】セラミックス皮膜の出発原料として液体を
使用する場合、その多孔質化に添加剤として、ポリエチ
レングリコールなどの有機物を添加することがしばしば
見られる。当該有機物の添加は、液寿命に対する管理が
難しいという問題を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安定的にジ
ルコニアを含むセラミックス多孔質皮膜を製造すること
ができ、コスト的にも有利であるセラミックス多孔質皮
膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、硝酸ジルコニ
ウム、オキシ硝酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチル
アセトネート、カプリル酸ジルコニウムから選ばれるジ
ルコニウム化合物と、ケイ素のアルコキシドを使用する
ジルコニア−シリカ複合皮膜を含むセラミックス多孔質
皮膜の製造方法等、アルコキシドと硝酸ジルコニウム等
を使用するジルコニアを含むセラミックス多孔質皮膜の
製造方法を提供する。また、この方法を使用して得られ
るジルコニアを含む多孔質皮膜を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、セラミックス多孔質皮
膜中のジルコニウム原料として化学的に安定で、しかも
比較的安価な硝酸ジルコニウム等を使用することを特徴
とする。また、その他の成分原料としてアルコキシドを
用いる。硝酸ジルコニウムのみを皮膜成分の原料として
ジルコニア単成分多孔質皮膜を製造する場合、溶媒・添
加剤の選定、基板との濡れ性などに問題を生じ、安定的
に多孔質皮膜を製造することに困難を伴う。本発明は、
化学的に修飾可能なアルコキシドと硝酸ジルコニウム等
を使用することでこれら問題点を解決している。前記の
ようにセラミックス皮膜の出発原料にポリエチレングリ
コールなどの有機物を添加することが知られているが、
本発明は、そのような添加剤を使用することなく、耐熱
性、耐食性の高い、また核形成材料として使用されるジ
ルコニアを第二成分として皮膜中に形成し、その皮膜自
身多孔質であることを特徴とする。
【0008】ジルコニア成分としては、硝酸ジルコニウ
ム、オキシ硝酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルア
セトネート、カプリル酸ジルコニウム等を使用すること
ができ、好ましくは硝酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジル
コニウム、特に好ましくはオキシ硝酸ジルコニウムであ
る。オキシ硝酸ジルコニウムは、ZrO(NO32で表
され、硝酸ジルコニルまたは二硝酸酸化ジルコニウムと
も呼ばれ、二水和物が普通である。硝酸ジルコニウム
は、潮解性で徐々にオキシ硝酸ジルコニウムに変化する
ことが知られている。硝酸ジルコニウム等と併用できる
アルコキシドは、ケイ素のアルコキシドを含む金属アル
コキシドであり、ケイ素、チタンのアルコキシドが挙げ
られ、好ましくは、ケイ素のアルコキシドである。アル
コキシドとしては、特に限定されず、メトキシド、エト
キシド、イソプロポキシドなどの通常のゾル・ゲル法で
用いられるものが使用できる。ケイ素のアルコキシドと
しては、オルトケイ酸エチル(テトラエトキシシラ
ン)、テトライソプロポキシシランなどが挙げられる。
【0009】硝酸ジルコニウム等とケイ素のアルコキシ
ドを使用すれば、ジルコニア−シリカ複合皮膜が得られ
る。他のアルコキシドを含むこともでき、この場合はジ
ルコニア−シリカ複合皮膜を主成分とするセラミックス
多孔質皮膜が得られる。
【0010】セラミックス多孔質皮膜の製造方法として
は、ゾル・ゲル法が用いられる。すなわち、アルコキシ
ドと硝酸ジルコニウム等をアルコールなどの溶媒と混合
し、基材の表面上に塗布し、その後熱処理を行うことで
皮膜を製造するものである。溶媒への原料(硝酸ジルコ
ニウム等、アルコキシド)の添加時期、還流条件などに
より、得られるセラミックス皮膜の多孔性をコントロー
ルできる。
【0011】硝酸ジルコニウム等とアルコキシドとの添
加モル比は、アルコキシドに対して硝酸ジルコニウム等
が10〜80モル%の範囲である。硝酸ジルコニウム等
とケイ素のアルコキシドとの添加モル比も同様である。
硝酸ジルコニウム等とアルコキシドは、合計で、アルコ
ール中に2モル/リットル程度まで添加することができる。
この範囲以外では、液寿命の低下あるいは皮膜の均一性
に不都合を生ずるおそれがあるからである。
【0012】本発明で用いる溶媒としては、特に限定さ
れず、一般にアルコール、特にメチルアルコール、エチ
ルアルコール、プロピルアルコール、n−ブチルアルコ
ール、メトキシエタノールなどが単独または混合して用
いられる。好ましくは、エチルアルコールとn−ブチル
アルコールの混合物であり、混合比(体積比)1:1か
ら1:4の範囲のものが用いられる。
【0013】硝酸ジルコニウム等とアルコキシドをアル
コールに混合した後、皮膜を製造する対象となる基材に
コーティングする。コーティングの方法としては、特に
限定されず、ディップ法など、通常のゾル・ゲル法で用
いる手段が使用できる。皮膜形成の対象となる基材は、
その用途により異なるが、例えば、SUS、アルミニウ
ム合金などの表面が挙げられる。
【0014】コーティングの後は、加熱処理により、皮
膜を完成する。加熱温度は、350℃以上が望まれる。
350℃未満であると皮膜中に有機物が残存するおそれ
があり不都合だからである。硝酸ジルコウム等から生じ
た硝酸などは、NOX等として除去されると考えられ
る。昇温速度は200〜300℃/時間程度が好まし
く、あまり高いと均質性に劣る皮膜となるおそれがあり
不都合である。また、昇温速度はクラック等の発生にも
影響を与えると考えられる。
【0015】本発明で得られる皮膜は、多孔質膜であ
る。孔の平均直径は80〜120nmの範囲ものが得ら
れる。孔の大きさ、均一性は、濃度、溶媒の種類、混合
法などに依存する。孔の大きさは、主として基板上に形
成されるゲルの構造に依存すると考えられる。多孔性
は、SEM等によって確認できる。また、この多孔質皮
膜の厚さは、0.2〜3.0μm程度である。本発明に
よる多孔質皮膜は、触媒、密着性向上のための溶射のア
ンダーコーティング、無反射ガラスなどに応用できる。
【0016】
【実施例】以下、本願発明を実施例により説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 合計で1mol/リットルとなるようにオキシ硝酸ジルコニウム
(ZrO(NO3)2・2H2O)とオルトケイ酸エチルを秤量した。
セラミックス多孔質皮膜中のジルコニア成分の含有量が
30mol%となるように初期の成分比を決定した。溶媒
として、エタノールとn−ブタノールの混合液(体積比
1:2)を用いた。これらを80〜90℃にて2時間還
流してゾルを調製した。このゾルを用いて、基板SUS
304表面にディップ法によりゲル膜を作製後、大気中
500℃で10分間の熱処理を行った。そのSEM写真
を図1に示す。倍率は2万倍であり、黒い点が孔であ
り、非常にミクロな空孔が均質的に形成されていること
が分る。なお、黒いスジは、ステンレス基板の組織が現
れたものである。
【0017】比較例1 同様に、オキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO3)2・2H2O)の
みをエタノールとブタノールに混合後、加熱処理を行っ
たが、クラックが多数ある無孔質皮膜となった。
【0018】
【発明の効果】本発明で用いる硝酸ジルコニウム等は、
化学的に安定で、取り扱い易い上、比較的安価であると
いう利点を有する。本発明で用いるアルコキシドは化学
修飾しやすいという利点を有する。また、シリカを付加
的に用いれば、セラミックス皮膜として非常に一般的
で、その原料は多くの金属アルコキシド中、化学的安定
性及びコストの上で非常に有益である。従って、本発明
によれば、安定的にジルコニアを含むセラミックス多孔
質皮膜を製造することができ、コスト的にも有利であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1により得られたジルコニア−シリカ複
合皮膜の2万倍のSEM写真である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニ
    ウム、ジルコニウムアセチルアセトネート、カプリル酸
    ジルコニウムから選ばれるジルコニウム化合物と、アル
    コキシドとを溶媒中に溶解してゾルを得るステップと、
    得られたゾルを基材に塗布するステップと、ゾルを塗布
    した基材を熱処理するステップとを含むセラミックス多
    孔質皮膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記アルコキシドが、ケイ素のアルコキ
    シドである請求項1に記載のセラミックス多孔質皮膜の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の製造方
    法によって得られたジルコニアを含むセラミックス多孔
    質皮膜。
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