JPH0839925A - インクジェット記録用フィルムおよびそれを用いた記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用フィルムおよびそれを用いた記録方法

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JPH0839925A
JPH0839925A JP7122474A JP12247495A JPH0839925A JP H0839925 A JPH0839925 A JP H0839925A JP 7122474 A JP7122474 A JP 7122474A JP 12247495 A JP12247495 A JP 12247495A JP H0839925 A JPH0839925 A JP H0839925A
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JP
Japan
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ink
recording film
jet recording
ink jet
receiving layer
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JP7122474A
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Hiroyuki Onishi
西 弘 幸 大
Junichi Iida
田 淳 一 飯
Akio Owatari
渡 章 夫 大
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録用フィルムに求められる
性能をバランスよく満足するインクジェット記録用フィ
ルムの提供。 【構成】 透明基材と、該基材の一方の面に積層された
アンカーコート層と、そして該アンカーコート層上に積
層されたインク受容層とを含んでなるインクジェット記
録用フィルムであって、前記インク受容層が、ケン化度
が80〜95%であり、かつ重合度が1000〜200
0であるポリビニルアルコールを含んでなるものであ
る、インクジェット記録用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、インクジェット記録用フィルムおよびそれを
用いたインクジェット記録方法に関する。
【0002】背景技術 オーバーヘッドプロジェクター(OHP)はプレゼンテ
ーションツールとして魅力的なものである。OHPへの
印字をインクジェット記録によって行う場合、次によう
な特性が一般的に要求される。すなわち、(1)単色お
よび混色部分ともに乾燥および定着速度が速いこと、
(2)印字に単色ヒゲ(feathering)および混色ヒゲ
(bleeding)がないこと、(3)解像度に対応したドッ
ト径が得られること、(4)良好な搬送性が得られるこ
と、(5)印字前のフィルムの保存性に優れること(例
えば、温度、湿度の影響による形状変化(カールの発生
など)およびブロッキングがないこと、印字品質に影響
を与える劣化がないこと)および印字後のフィルムの保
存性に優れること(例えば、印字品質の経時劣化がない
こと)などが挙げられる。これらの特性を満足させるた
めに、種々のインクジェット記録用フィルムが提案され
ている。
【0003】例えば、透明基材上に水性インクを受容す
る水溶性または親水性樹脂を主成分とするインク受容層
を設けたインクジェット記録用フィルムがいくつか提案
されている(特開昭55−146786号)。
【0004】また、インク受容層と基材との密着性を向
上させるために、アンカーコート層を設けたフィルムが
提案されている(例えば、特開昭60−46289号、
特開昭62−13285号、特開昭62−134286
号など)。
【0005】さらに、印字の乾燥、定着性を向上させる
ためインク受容層を二層以上としたフィルムが提案され
ている(特開昭60−224578号、特開昭63−1
15779号など)。
【0006】また、搬送性の改善およびフィルムカール
の防止のために、カール防止層をフィルムに設けること
も提案されている(特開昭61−235184号、特開
昭62−233283号、特開平3−114874号、
特開平5−96843号など)。
【0007】しかしながら、これらのフィルムは改善の
余地を残すものであり、依然としてより優れたインクジ
ェット記録用フィルムへの希求が存在しているといえ
る。
【0008】
【発明の概要】本発明者らは、今般、特定組成のインク
受容層を設けることにより、極めて良好なインクジェッ
ト記録用フィルムが得られることを見出した。本発明は
かかる知見に基づくものである。
【0009】よって、本発明は、インクジェット記録用
フィルムに求められる性能をバランスよく満足するイン
クジェット記録用フィルムの提供をその目的としてい
る。
【0010】そして、本発明によるインクジェット記録
用フィルムは、透明基材と、該基材の一方の面に積層さ
れたアンカーコート層と、そして該アンカーコート層上
に積層されたインク受容層とを含んでなるインクジェッ
ト記録用フィルムであって、前記インク受容層が、ケン
化度が80〜95%であり、かつ重合度が1000〜2
000であるポリビニルアルコールを含んでなるもの、
である。
【0011】
【発明の具体的説明】本発明によるインクジェット記録
用フィルムのインク受容層は、ポリビニルアルコールを
主成分としてなるものである。ここで、このポリビニル
アルコールは、ケン化度が80から95%(好ましくは
85〜90%)であり、かつ重合度が1000から20
00(好ましくは1300〜1800)のものである。
ポリビニルアルコールのケン化度および重合度が上記範
囲にあることで、良好な印字特性が得られる。特に、ケ
ン化度に関しては、上記範囲にあることでとりわけ良好
な印字の乾燥性、発色性が得られ、さらには滲みのない
印字が得られる。また、重合度に関しては、上記範囲に
あることで良好な印字特性ともに、製造時における良好
な加工特性が得られるとの利点もある。
【0012】また、本発明の好ましい態様によれば、ポ
リビニルアルコールはカチオン付加変性ポリビニルアル
コールであってもよい。カチオン付加変性されたポリビ
ニルアルコールを含んでなるインク受容層であると、水
溶性有機溶剤が比較的多く添加されたインク組成物によ
る印字の場合であっても滲みを有効に抑制することがで
きる。また、カチオン付加変性ポリビニルアルコールの
使用は、印字の定着性を向上させ、さらに印字物の保存
性を改善する。
【0013】さらに本発明の好ましい態様によれば、こ
のカチオン付加変性ポリビニルアルコールは、カチオン
付加されていないポリビニルアルコールと混合されて使
用されるのがより好ましい。混合によって、印字の定着
性および印字物の保存性をより改善することができる。
混合の割合としては、カチオン付加されていないポリビ
ニルアルコール:カチオン付加変性ポリビニルアルコー
ルが重量比で1:0.5〜1.5程度、好ましくは1:
0.8〜1.2程度である。
【0014】本発明において好ましく用いられるポリビ
ニルアルコールの具体例としては、ゴーセノール(日本
合成化学社製)、ポバール(クラレ社製)などが挙げら
れる。
【0015】最終的なインク受容層において、ポリビニ
ルアルコールの添加量は、インク受容層の固形分比で5
〜20重量%程度が好ましく、より好ましくは8〜15
重量%程度である。
【0016】このインク受容層は、前記のポリビニルア
ルコールの添加の効果を損ないわない範囲で他の水溶性
樹脂を含んでいてもよい。水溶性樹脂の好ましい具体例
としては、ポリビニルピロリドン等のビニル系水溶性高
分子樹脂、ポリアクリル酸系高分子樹脂、メチルセルロ
ース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系水溶
性高分子樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレン
イミン、ポリウレタン等の合成水溶性高分子樹脂が挙げ
らる。
【0017】本発明の好ましい態様によれば、このイン
ク受容層はコロイダルシリカを更に含んでいてもよい。
このコロイダルシリカは、コロイダルシリカ自身のSi
OH基や吸着水により、記録ドットの真円性を低下させ
ることなく、インクとインク受容層との濡れ性を向上さ
せる。これによって、ドット径の調節が容易に行え、ま
たブロッキングを効果的に抑制することができる。ま
た、コロイダルシリカの添加によって、インク受容層に
帯電防止性を付与することができるとの利点も得られ
る。
【0018】本発明の好ましい態様によれば、平均粒径
1〜100nmのコロイダルシリカの利用が好ましく、
より好ましくは10〜30nm程度である。
【0019】コロイダルシリカの添加量は、その固形分
に換算して、最終的なインク受容層の固形分基準で5〜
15重量%程度が好ましく、より好ましくは8〜13重
量%である。
【0020】好ましいコロイダルシリカの具体例として
は、スノーテックス(日産化学工業社製)、AEROS
IL(日本アエロジル社製)などが挙げられる。
【0021】本発明の好ましい態様によれば、インク受
容層は、耐ブロッキング性を向上させるため、カオリ
ン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カル
シウム、珪酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、シリ
カ、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等
の無機粉体やシリコン、ポリエチレン、ポリスチレン、
アクリル樹脂等のプラスチックピグメントを含んでなる
のが好ましい。最も好ましくは、インク受容層は架橋型
有機微粒子を含んでなる。この微粒子の存在により、フ
ィルムの透過性を低下させず、耐ブロッキング性能を高
めることができるので有利である。この有機微粒子は、
粒度分布がシャープで平均粒径5から20μm程度のも
のが好ましい。この架橋型有機微粒子とは、好ましくは
物理的または化学的に架橋された高分子化合物からな
る。その好ましい具体例としては、テクポリマー(積水
化成品株式会社製)、ファインパール(住友化学工業株
式会社製)などが挙げられる。
【0022】本発明の好ましい態様によれば、インク受
容層は、その耐水性を改善するためにメラミン樹脂、尿
素、フェノール樹脂などの耐水化剤を含んでなるのが好
ましい。特に好ましいものとして、トリメチロールメラ
ミン、ジメチロール尿素、変性ポリアミド樹脂を使用す
ることができる。この耐水化剤の添加量は、ポリビニル
アルコールに対し5〜10重量%程度が好ましい。
【0023】また、インク受容層の製造にあたりそのイ
ンク受容層の平滑性を(レベリング)を向上させるため
に、インク受容層は界面活性剤を含んでいてもよい。界
面活性剤としては、HLBの低いものが好ましい。好ま
しい界面活性剤としては、フッ素系あるいはフッ素−シ
リコン系界面活性剤を挙げることができる。フッ素系界
面活性剤としては、Chiba社製Lodyne、Du
Pont社製Zonyl、ICI社製Monflor
がある。フッ素−シリコン系界面活性剤として、パーフ
ルオロアルキル変性シリコンのエチレンオキサイド添加
物(信越シリコン社製)が使用できる。
【0024】また本発明によるインクジェット記録用フ
ィルムのインク受容層は、その種々の特性を改善するた
めに、pH調整剤、防腐剤、防ばい剤、粘度調整剤、消
泡剤、浸透剤等を含んでいてもよい。
【0025】本発明の好ましい態様によれば、このイン
ク受容層の厚さは、3〜20μm程度が好ましく、より
好ましくは5〜15μm程度である。
【0026】本発明によるインクジェット記録用フィル
ムを構成する透明基材としては、透明性および機械的強
度に優れたポリエステルフィルムが好ましい。特に好ま
しいものとして、塗布ムラのない均一なコーティング性
と塗工層と基材との密着性をより良好にするために片面
あるいは両面にコロナ処理を施した二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムが挙げられる。基材の厚みと
しては、50〜200μm程度が好ましく、より好まし
い厚みは75〜125μmである。
【0027】本発明の好ましい態様によれば、本発明に
よるインクジェット記録用フィルムは、透明基材と、イ
ンク受容層との間にアンカーコート層が設けられてな
る。このアンカーコート層は、インク受容層と透明基材
との密着性を向上させ、インク受容層が水性インクを吸
収した場合でも透明基材との密着性の低下を抑制するこ
とができる。更にカラー記録を行った場合、このアンカ
ーコート層がインク受容層として、インクの乾燥・定着
時間を速め、混色時のカラーブリードおよびフェザリン
グの発生を抑制することができる。アンカーコート層の
厚さは1〜15μm程度が好ましく、より好ましくは2
〜10μm程度である。
【0028】このアンカーコート層は、透明基材との密
着性と良好なインクの吸収性及びインク定着性を合わせ
持つことが好ましい。その好ましい例としては、水溶性
樹脂が挙げられ、より好ましくはアクリル系樹脂であ
る。アクリル系樹脂は、混色時のカラーブリードおよび
文字の太りを抑制し、乾燥・定着時間を速め、更に印字
後のインク定着性(紙を上に重ねても転写しない)を良
好にする。例えば、アルキルアルキレート、アルキルメ
タクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等
のモノマーの共重合物、N,N−ジメチルアミノエチル
メタクリレートのメチルクロライド塩の共重合物とジグ
リシジルエーテル化合物との混合物等を好ましく用いる
ことができる。
【0029】本発明の好ましい態様によれば、本発明に
よるインクジェット記録用フィルムは、カール防止層
を、インク受容層が設けられた面と反対の基材表面に設
けてなる。インク受容層は、上記のように親水性の樹脂
で構成されるため、相対湿度の高い(例えば、湿度80
%程度)環境に置かれると、空気中の水分を吸湿し、膨
潤して、湾曲する現象が観察されることがある。また、
相対湿度の低い(例えば、湿度20%程度)環境に置か
れると、インク受容層中の水分が放出され、収縮して、
上記場合とは逆方向に湾曲する現象が観察される。この
ような現象を防ぐために、カール防止層は有効である。
本発明による上記のようなインク受容層と好ましく組み
合わされるカール防止層として好ましい材料としては、
ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられ
る。その具体例としては、アクリル系の主剤(大日本イ
ンキ製アクリディック)と硬化剤(大日本インキ製バー
ノック)とを組み合わせて形成されるカール防止層が挙
げられる。
【0030】なお、このカール防止層にはフィルムの摩
擦係数を調節するために上記した耐ブロッキング性を向
上させる無機または有機粉体を添加してもよい。
【0031】カール防止層の厚みは、透明性と生産性か
ら20μm以下が好ましい。より好ましくは、カール防
止層を1〜15μmとし、かつインク受容層を3〜20
μmの範囲とするのがよい。
【0032】更に本発明においては、特に低湿時の静電
気の発生によりフィルム同士が接着し、発生する重送
(ダブルフィード)対策として、上記インク受容層およ
び/またはカール防止層に帯電防止剤を添加することが
好ましい。帯電防止剤としては、帯電防止界面活性剤の
使用が好ましい。例えば、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびそのリ
ン酸エステルおよびその塩、脂肪酸モノグリセライド、
脂肪酸ソルビタン部分エステル等を使用することができ
る。
【0033】帯電防止剤を添加したインク受容層および
/またはカール防止層の表面抵抗値として相対湿度20
から80%の範囲における表面抵抗値が1×1015Ω以
下であれば静電気によるフィルム同士の吸着を防止し、
重送(ダブルフィード)を確実に防止することができ
る。これにより、自動給紙装置を用いたインクジェット
プリンタにおいて、上記フィルムを給紙ローラーに圧接
させ、給紙ローラーを回転させることにより、広範な温
度、湿度条件下で、一枚ずつ確実に分離することがで
き、信頼性の高い連続印字ができる。
【0034】本発明によるインクジェット記録用フィル
ムは、次のように製造することができる。すなわち、イ
ンク受容層、アンカーコート層、カール防止層のそれぞ
れの成分を水または適当な有機溶媒などに溶解して塗工
液とし、この塗工液をロールコーター、ブレードコータ
ー、バーコーターにより塗工することによって製造する
ことができる。
【0035】本発明によるインクジェット記録用フィル
ムはインクジェット記録方法によって印字される。印字
に利用できるインク組成物としては、着色剤と、水と、
有機溶剤とから基本的になるものが利用できる。水はC
aイオン、Mgイオンが5ppm以下とされたイオン交
換水であるのが好ましい。さらに有機溶剤の好ましい例
としては、グリセリン、エチレングリコール、トリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、1.3プロパンジ
オール、1.5ペンタンジオール等の高沸点低揮撥性の
多価アルコール類が挙げられる。さらにジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエ
ーテルおよびN−メチル−2−ピロリドン、1.3ジメ
チル2イミダゾリジノン、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン等の含窒素有機
溶剤も好ましく用いられる。さらに、ノズルの目詰まり
防止の観点から、尿素、糖類などの固体で吸湿性の高い
添加剤が添加されていてもよい。
【0036】本発明の好ましい態様によれば、上記多価
アルコールおよび多価アルコールの低級アルキルエーテ
ルの添加量が4〜30重量%程度であると、印字の滲み
が有効に抑制される。これらのより好ましい添加量は7
〜20重量%である。
【0037】
【実施例】本発明を以下の実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。
【0038】実施例1 アクリル重合体を主成分とする塗工液(高松油脂社製ハ
イレジン試作品、固形分17重量部)を厚さ100μm
のポリエチレンテレフタレートフィルムにアプリケータ
を用いて塗工した後、100℃の定温乾燥器中で2分間
乾燥させ、厚さ3μmのアンカーコート層を形成させ
た。
【0039】このアンカーコート層の上にポリビニルア
ルコール(クラレ社製ポバールPVA217:ケン化度
88モル%、重合度1700)10重量部、耐水化剤
(住友化学社製スミレーズ5004、固形分45重量
%)0.5重量部、コロイダルシリカ(日産化学社製ス
ノーテックスST−30、固形分30重量%)10重量
部、架橋ポリスチレンビーズ(積水化成品社製テクポリ
マー)0.2重量部、レベリング剤(高松油脂社製TK
塗れ剤)0.5重量部、イオン交換水88.8重量部を
配合した塗工液をアプリケーターを用いて塗工した。そ
の後、110℃の定温乾燥器中で3分間乾燥し、インク
受容層10μm(総塗工厚さ13μm)の透明なフィル
ムを得た。
【0040】更にカール防止層として、アクリルポリオ
ール系2液硬化型の塗工液(大日本インキ社製アクリデ
イック100重量部(主剤)、バーノック8重量部(硬
化剤))を配合した塗工液をバーコーターを用いて塗工
した後、100℃の定温乾燥機中で1分間乾燥し、カー
ル防止層7μmを形成した。
【0041】比較例1 実施例1のポリビニルアルコールを、クラレ社製ポリビ
ニルアルコールポバールPVA117(ケン化度98.
5モル%、重合度1700)に変更した以外は、実施例
1と同様にしてインクジェット記録用フィルムを製造し
た。
【0042】比較例2 実施例1のポリビニルアルコールを、日本合成化学社製
ポリビニルアルコールゴーセノールKM−11(ケン化
度80モル%、重合度1000から1500に改変)に
変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット
記録用フィルムを製造した。
【0043】比較例3 実施例1のポリビニルアルコールを、クラレ社製ポリビ
ニルアルコールポバールPVA205(ケン化度88モ
ル%、重合度300〜700)に変更した以外は、実施
例1と同様にしてインクジェット記録用フィルムを製造
した。
【0044】比較例4 実施例1のポリビニルアルコールを、クラレ社製ポリビ
ニルアルコールポバールPVAL−8(ケン化度71モ
ル%、重合度700)に変更した以外は、実施例1と同
様にしてインクジェット記録用フィルムを製造した。
【0045】インク組成物の調製 下記の組成を有するインク組成物を常法に従い製造し
た。
【0046】 イエローインク C.I.ダイレクトイエロー86 2重量% グリセリン 10重量% ジエチレングリコールモノブチエーテル 10重量% イオン交換水 78重量% マゼンタインク C.I.アシッドレッド52 2重量% グリセリン 10重量% ジエチレングリコールモノブチエーテル 10重量% イオン交換水 78重量% シアンインク C.I.ダイレクトブルー199 2重量% グリセリン 10重量% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 10重量% イオン交換水 78重量% ブラックインク C.I.ダイレクトブラック19 3重量% グリセリン 10重量% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 10重量% イオン交換水 77重量%
【0047】実施例1および比較例1および2のインク
ジェット記録用フィルムに対して、上記インク組成物を
用い、ピエゾ振動子によってインクを吐出させるオンデ
マンド型インクジェット記録ヘッドと自動給紙装置を備
えた記録装置(セイコーエプソン株式会社製、インクジ
ェットプリンタMJ−700V2C)を使用して、イン
クジェット記録を行った。
【0048】その結果を次のように評価した。評価1 :記録特性 (1)ドット径 顕微鏡による拡大写真(100倍)をスケール測定し、
解像度に対応したドット系の場合を○、対応しない場合
(大きいか小さい)を×とした。 2)フェザリング イエロー上にブラックの文字を印字し、文字に不規則な
にじみ(フェザリング)がある場合を×、ない場合を○
とした。 (3)境界のにじみ レッドとグリーンのフルベタが接するように印字し、境
界部分にインクのブリードがある場合を×、ない場合を
○とした。 (4)乾燥性 レッドのフルベタ部を指で擦って汚れなくなる時間を計
測し、1分以下を○、1分を越える場合を×とした。 (5)定着性 レッドのフルベタ部を印字してから10分後に紙を重
ね、印字部が紙に転写した場合を×、転写のない場合を
○とした。評価2 :耐ブロッキング性 40℃、湿度80%の環境下に二枚のフィルムを重ね合
わせ、1カ月間500gの加重をかけた状態で放置し
た。放置後、二枚フィルムが接着している場合を×、接
着していない場合を○とした。
【0049】評価3:耐カール性 印字面を上向きにした状態で10℃、湿度20%及び3
2℃、湿度80%の環境下に3時間放置し、カールが発
生した場合を×、カールが発生しない場合を○とした。
【0050】評価結果は次の表1に示される通りであっ
た。
【表1】
【0051】実施例2 実施例1のカール防止層を、帯電防止性界面活性剤(花
王社製エレクトロストリッパーPC)0.5重量部と、
相溶化剤(花王社製ペレックスOT−P)0.5重量部
とを添加した塗工液を用いて形成した以外は、実施例1
と同様にしてインクジェット記録用フィルムを製造し
た。
【0052】このインクジェット記録用フィルムの
(4)搬送性、および(5)表面抵抗値の評価を下記の
ように評価した。
【0053】評価4:搬送性 (1)低温・低湿評価 10℃、湿度20%の環境下で50枚連続通紙を行い、
ダブルフィード、ノンフィード、頭出し不良が1枚以上
発生した場合を×、全くない場合を○とした。
【0054】(2)高温・高湿評価 32℃、湿度80%の環境下で50枚連続通紙を行い、
ダブルフィード、ノンフィード、頭出し不良が1枚以上
発生した場合を×、全くない場合を○とした。
【0055】評価5:表面抵抗値 表面抵抗測定器により、フィルムの両面の抵抗値を測定
し、1×1015Ωより大きい場合を×、小さい場合を○
とした。
【0056】評価結果は次の表2に示される通りであっ
た。
【表2】
【0057】実施例3 ポリビニルアルコールとして、クラレ社製ポバールPV
A217(ケン化度88モル%、重合度1700)と日
本合成社製ゴーセファイマーK−210(ケン化度87
%、カチオン付加変性ポリビニルアルコール)を1:1
に混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして
インクジェット記録用フィルムを製造した。
【0058】これら実施例3のインクジェット記録用フ
ィルムの保存性を次のように評価した。
【0059】評価6:保存性 イエロー上にブラックの文字を印字し、更にレッドとグ
リーンのベタ印字(100duty)が接するように印
字したサンプルを用意した。このサンプルを印字後10
分放置し、透明ファイルに保管し、常温で1週間放置し
た。放置後、印字部がファイルに接着している場合を
×、接着していない場合を○とした。
【0060】また、上で調製したインク組成物をインク
カートリッジ(インクジェットプリンタMJ−700V
2C)に入れ、40℃で、1カ月間放置した。その結
果、水の蒸発に起因して、グリセリンとジエチレングリ
コールモノブチルエーテルとの合計量は、いずれのイン
ク組成物においても20重量%から28重量%に増加し
た。そのインク組成物を用いて実施例3のインクジェッ
ト記録用フィルムに印字を行い、その印字を前記評価1
に準じて評価した。
【0061】それらの評価結果は次の表3に示される通
りであった。
【表3】

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基材と、該基材の一方の面に積層され
    たアンカーコート層と、そして該アンカーコート層上に
    積層されたインク受容層とを含んでなるインクジェット
    記録用フィルムであって、 前記インク受容層が、ケン化度が80〜95%であり、
    かつ重合度が1000〜2000であるポリビニルアル
    コールを含んでなるものである、インクジェット記録用
    フィルム。
  2. 【請求項2】前記ポリビニルアルコールが二種以上の混
    合物である、請求項1記載のインクジェット記録用フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】前記ポリビニルアルコールがカチオン付加
    変性ポリビニルアルコールである、請求項1記載のイン
    クジェット記録用フィルム。
  4. 【請求項4】前記インク受容層がコロイダルシリカを更
    に含んでなる、請求項1記載のインクジェット記録用フ
    ィルム。
  5. 【請求項5】前記コロイダルシリカをその固形分に換算
    して、インク受容層の固形分基準で、5〜15重量%含
    んでなる、請求項4記載のインクジェット記録用フィル
    ム。
  6. 【請求項6】前記アンカーコート層がアクリル重合体を
    含んでなる、請求項1記載のインクジェット記録用フィ
    ルム。
  7. 【請求項7】前記アンカーコート層の厚さが1〜15μ
    mであり、かつ前記インク受容層の厚さが3〜20μm
    である、請求項1記載のインクジェット記録用フィル
    ム。
  8. 【請求項8】前記透明基材のインク受容層とは反対の面
    に、カール防止層が設けられてなる、請求項1記載のイ
    ンクジェット記録用フィルム。
  9. 【請求項9】前記インク受容層および/または前記カー
    ル防止層が帯電防止剤を更に含んでなる、請求項8記載
    のインクジェット記録用フィルム。
  10. 【請求項10】前記インク受容層および/またはカール
    防止層の表面抵抗値が相対湿度20〜80%の範囲で×
    1015Ω以下である、請求項8記載のインクジェット記
    録用フィルム。
  11. 【請求項11】インク組成物のインク滴を記録媒体に吐
    出してインク像を形成するインクジェット記録方法であ
    って、 前記インク組成物が高沸点・低揮発性の多価アルコール
    および/または多価アルコールの低級アルキルエーテル
    を30重量%以下含んでなるものであり、 前記記録媒体が請求項1〜10のいずれか一項記載のイ
    ンクジェット記録用フィルムである、インクジェット記
    録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11301099A (ja) * 1998-04-20 1999-11-02 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録シート
JP2002113944A (ja) * 2001-08-10 2002-04-16 Toyobo Co Ltd 記録材及び電飾用記録材
JP2002120455A (ja) * 2001-08-10 2002-04-23 Toyobo Co Ltd 記録材及び電飾用記録材

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