JP2950744B2 - オーバーヘッドプロジェクター用受容体 - Google Patents

オーバーヘッドプロジェクター用受容体

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JP2950744B2
JP2950744B2 JP7017876A JP1787695A JP2950744B2 JP 2950744 B2 JP2950744 B2 JP 2950744B2 JP 7017876 A JP7017876 A JP 7017876A JP 1787695 A JP1787695 A JP 1787695A JP 2950744 B2 JP2950744 B2 JP 2950744B2
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーバーヘッドプロジ
ェクター用受容体に関する。さらに詳しくは、インクジ
ェットプリンターを用いて印像を形成するのに好適なオ
ーバーヘッドプロジェクター用受容体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、会議や講演会などにおいて情
報などを視聴者に素早く理解させるための手段として、
透明なプラスチックフィルムに形成された画像をオーバ
ーヘッドプロジェクター(以下、OHPという)を用い
スクリーンなどに投影し、この画像を用いて前記情報な
どの説明をすることが行われている。前記画像を形成す
るためのフィルム状物を、以下OHP用受容体という。
【0003】また、近時、情報の多様化により、モノカ
ラー画像では説明しにくい情報が増加しつつあり、該情
報の説明を容易にするために、フルカラーのスクリーン
画像を用いることが多くなってきた。前記フルカラーの
スクリーン画像はモノカラー画像と比べて、視聴者に正
確にしかも素早く内容を理解させることができる。その
ため、パーソナルコンピュターやワードプロセッサーな
どで情報をフルカラー画像に加工し、この画像をOHP
用受容体に印字することがなされてきた。
【0004】OHP用受容体にフルカラー画像を印字す
る方法として、低騒音、高速印字、低ランニングコスト
であり、そしてフルカラー印字が容易なインクジェット
プリンターを用いる方法が有利なものとしてあげられ
る。
【0005】しかし、一般的に流通しているインクジェ
ットプリンターでは、用いるインクの多くが水性タイプ
であるために、これを用いて特別な表面処理がなされて
いないプラスチックフィルムからなるOHP用受容体に
印字したばあい、該フィルムの吸水性の低さのために、
インクがはじいたり、インクが受容体に充分に固着しな
かったり、あるいは乾燥に長時間かかるなどの不具合が
生じ、いわゆるインクの受容性、保持性、乾燥性がわる
く、鮮明な印字をうることができなかった。
【0006】そこで、プラスチックフィルムに各種の高
吸水性樹脂や親水性多孔質粒子を含有する塗工液を塗布
して表面にインク受容層を設けたOHP用受容体が用い
られてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記インク受
容層が設けられた従来のOHP用受容体は、水に濡れる
と簡単にインク受容層が剥離したり、膨潤したりし、ま
た保管中に空気中の水分を吸収するために、ブロッキン
グを起こしやすいなどの不具合があり、取扱上不都合な
点が多かった。
【0008】また、前記従来のOHP用受容体は水性タ
イプのインクを用いて印字したばあいは、鮮明な印像が
形成できるものの、油性タイプのインクを用いて印字し
たばあいは、インク受容層とインクとの親和性が劣るた
め、インクドットがつぶれたり、インクが均一に付着し
ないばあいが多かった。
【0009】本発明は、前記の点に鑑みて、インクジェ
ットプリンターを用いて水性インクおよび油性インクの
いずれで印字したばあいでも、インクの受容性、保持性
および乾燥性が良好で鮮明な印像がえられ、かつインク
受容層の耐水性、耐ブロッキング性が良好なOHP用受
容体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)合成樹
脂フィルムの表面にインク受容層を有し、該インク受容
層がアルコール可溶性かつ水溶性の樹脂(以下、アルコ
ール可溶性・水溶性樹脂という)と、セルロースナイト
レートカルボキシメチルエーテル(Cellulose
Nitrate Carboxymethyl et
her、以下CNCという)とを主要成分として含有す
ることを特徴とするOHP用受容体(第1発明)に関す
る。
【0011】本発明はさらに、(2)前記(1)項の発
明において、前記インク受容層の前記2成分の合計量に
対して、アルコール可溶性・水溶性樹脂40〜75重量
%、CNC25〜60重量%であることを特徴とするO
HP用受容体に関する。
【0012】本発明はさらに、(3)合成樹脂フィルム
の表面にインク受容層を有し、該インク受容層がアルコ
ール可溶性・水溶性樹脂と、CNCと、アルコール可溶
性メトキシメチル化ナイロン樹脂とを主要成分として含
有することを特徴とするOHP用受容体(第2発明)に
関する。
【0013】本発明はさらに、(4)前記(3)項の発
明において、前記インク受容層の前記3成分の合計量に
対して、アルコール可溶性・水溶性樹脂40〜65重量
%、CNC20〜50重量%、アルコール可溶性メトキ
シメチル化ナイロン樹脂1〜15重量%であることを特
徴とするOHP用受容体に関する。
【0014】
【作用および実施例】前記(1)項の発明(第1発明)
によれば、合成樹脂フィルムの少なくとも一方の表面
に、アルコール可溶性・水溶性樹脂とCNCとからなる
インク受容層を設けることによって、インク受容層に含
有されている前記アルコール可溶性・水溶性樹脂が、従
来例で使用されている吸水性樹脂にくらべて、インクジ
ェットプリンターで使用される水性インクおよび油性イ
ンクのいずれとも親和性があるため、これらいずれのタ
イプのインクで印字したばあいでも、インクジェットプ
リンターのノズルから噴出されたインクがアルコール可
溶性・水溶性樹脂に素早く吸収、保持され、そのためイ
ンクの受容性、保持性、乾燥性がよく、鮮明な印像がえ
られる。しかもCNCの配合により該インク受容層の耐
水性が著しく向上され、またブロッキングが防止されて
いる。
【0015】前記(2)項の発明によれば、前記(1)
項の発明(第1発明)において、インク受容層中におけ
るアルコール可溶性・水溶性樹脂およびCNCの含有比
を特定することによって、インクジェットプリンターを
用いて水性インクおよび油性インクのいずれで印字した
ばあいでも、インクの受容性、保持性および乾燥性がよ
り良好で鮮明な印像がえられ、かつインク受容層の耐水
性がより良好である。
【0016】前記(3)項の発明(第2発明)によれ
ば、前記(1)項の発明(第1発明)において、前記イ
ンク受容層中にさらにアルコール可溶性メトキシメチル
化ナイロン樹脂を含有させることによって、インクの受
容性、保持性を阻害することなく、さらに耐水性が向上
される。
【0017】前記(4)項の発明によれば、前記(3)
項の発明(第2発明)において、インク受容層中におけ
るアルコール可溶性・水溶性樹脂、CNCおよびアルコ
ール可溶性メトキシメチル化ナイロン樹脂の含有比を特
定することによって、インクジェットプリンターを用い
て水性インクおよび油性インクのいずれで印字したばあ
いでも、インクの受容性、保持性および乾燥性がより良
好で鮮明な印像がえられ、かつインク受容層の耐水性が
より良好である。
【0018】本発明において使用できる合成樹脂フィル
ムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどから
なる合成樹脂フィルムをあげることができる。前記合成
樹脂フィルムの厚さは、強度、取扱性などの点から、5
0〜150μmの範囲内、なかんづく70〜125μm
の範囲内が好ましい。
【0019】本発明におけるインク受容層はアルコール
可溶性・水溶性樹脂およびCNC、さらに要すればアル
コール可溶性メトキシメチル化ナイロン樹脂からなる。
【0020】本発明に用いるアルコール可溶性・水溶性
樹脂は、メタノールに対する溶解度(25℃)が10以
上、水に対する溶解度(25℃)が10以上であるもの
が好ましい。ここで溶解度は溶液100g中の溶質のグ
ラム数をいう。メタノールに対する溶解度または水に対
する溶解度が前記範囲未満になると、水性インクおよび
油性インクのいずれかに対して所望の受容性、保持性お
よび乾燥性がえられがたくなる。
【0021】このようなアルコール可溶性・水溶性樹脂
としてはポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢
酸ビニル共重合体、メチルビニルエーテル/無水マレイ
ン酸共重合体などが使用できる。とくにポリビニルピロ
リドンは水性インクおよび油性インクの両方に対して受
容性および保持性が良好であり、好ましい。
【0022】本発明に用いられるポリビニルピロリドン
としては、たとえば下記の式(I):
【0023】
【化1】
【0024】で示される繰返し単位からなるものなどが
あげられる。
【0025】本発明に用いられるポリビニルピロリドン
としては、数平均分子量が4×104〜3×106、とく
に1.5×106〜3×106であるものが好ましい。さ
らにK値が26〜130であるものが好ましい。しか
し、これらに限定されるものではない。ここで、K値と
はポリビニルピロリドンの粘度を表す指標であり、下記
のFikentscherの式(II)および(III) :
【0026】
【数1】
【0027】 K=1000Ko (III) (式中、KはK値、Cはポリビニルピロリドンをある溶
媒に溶解してえた溶液100ml中のポリビニルピロリ
ドンのg数、ηrelは前記溶液の溶媒の粘度に対する
前記溶液の粘度の比を示す)により求められる。溶媒と
してはメタノールが使用される。
【0028】本発明に用いるCNCはセルロース骨格の
水酸基の水素原子をカルボキシメチル基とニトロ基で置
換したものである。本発明においてはカルボキシメチル
基の置換度が0.4〜0.8の範囲内、なかんづく0.
6〜0.8の範囲内にあり、ニトロ基の置換度が0.8
〜2.2の範囲内、なかんづく0.8〜1.3の範囲内
にあるものが好適に用いられるが、これに限定されるも
のではない。
【0029】前記CNCのニトロ基の置換度が前記の範
囲より小さいと、カルボキシメチル基および水酸基の置
換度が大きくなるため、親水性としての性質が強くな
る。そのためインク受容層へのインク透過性は高まる
が、インク受容層の耐水性が劣る傾向がある。一方前記
の範囲より大きいと、カルボキシメチル基および水酸基
の置換度が小さくなるため、疎水性としての性質がつよ
くなる。そのため耐水性は高くなるが、インク受容層へ
のインク透過性が劣るため鮮明な印像が得られない傾向
がある。
【0030】本発明において、インク受容層の耐水性を
より向上させるために必要に応じ配合されるアルコール
可溶性メトキシメチル化ナイロン樹脂は、各種ナイロン
樹脂のアミド結合の水素原子をメトキシメチル基で置換
してアルコールに可溶にしたものである。
【0031】前記アルコール可溶性メトキシメチル化ナ
イロン樹脂の具体例としては、6−ナイロン樹脂にホル
ムアルデヒドとメタノールを反応させて、アミド結合の
水素原子をメトキシメチル基で置換したものなどがあげ
られる。このものは別名8−ナイロンといわれている。
8−ナイロンには帝国化学産業(株)製のトレジンF3
0などがある。
【0032】本発明においては、インク受容層の耐ブロ
ッキング性をさらに高めるために必要に応じて微粒子を
配合することができる。
【0033】このような微粒子は、平均粒子径が1〜3
0μmの範囲内、なかんづく5〜20μmの範囲内にあ
るものが好ましい。微粒子の平均粒子径が前記範囲より
小さいと、該微粒子の一部がインク受容層表面から突出
することができないために耐ブロッキング性の向上が充
分でない傾向があり、一方前記範囲より大きいと、OH
P用受容体の透光性がわるくなる傾向がある。
【0034】前記微粒子としては、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、シリ
カ、ベントナイト、マイカ、タルク、カオリナイトなど
の無機微粒子、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、結晶性セルロースなどの有機微粒子
などがあげられる。
【0035】第1発明におけるインク受容層は、必須成
分として前記アルコール可溶性・水溶性樹脂およびCN
Cを含有するものであるが、両成分の合計量に対する、
アルコール可溶性・水溶性樹脂の含有率が40〜75重
量%、なかんづく50〜70重量%の範囲内にあり、C
NCの含有率が25〜60重量%、なかんづく30〜5
0重量%の範囲内にあるのが好ましい。
【0036】さらに、アルコール可溶性・水溶性樹脂に
対するCNCの割合が50〜100重量%であるのが好
ましい。
【0037】アルコール可溶性・水溶性樹脂の含有率が
前記範囲より低いと、インクの速乾性がなく、また高解
像度の印字を得ることができない傾向があり、一方前記
範囲より高いと、該アルコール可溶性・水溶性樹脂のた
めにインク受容層が過剰に吸湿し、ブロッキングを生じ
やすい傾向がある。
【0038】CNCの含有率または割合が前記範囲より
低いと、インク受容層の耐水性が充分高くならない傾向
があり、一方前記範囲より高いと、インクの滲みが生じ
やすい傾向がある。
【0039】第2発明におけるインク受容層は、必須成
分として前記アルコール可溶性・水溶性樹脂、CNCお
よびアルコール可溶性メトキシメチル化ナイロン樹脂を
含有するものであるが、これら3成分の合計量に対す
る、アルコール可溶性・水溶性樹脂の含有率が40〜6
5重量%、なかんづく45〜65重量%の範囲内にあ
り、CNCの含有率が20〜50重量%、なかんづく3
0〜50重量%の範囲にあり、アルコール可溶性・水溶
性樹脂の含有率が1〜15重量%、なかんづく5〜12
重量%の範囲にあるのが好ましい。
【0040】さらに、アルコール可溶性・水溶性樹脂に
対する、CNCの割合が50〜100重量%、アルコー
ル可溶性メトキシメチル化ナイロン樹脂の割合が2〜6
0重量%であるのが好ましい。
【0041】アルコール可溶性・水溶性樹脂の含有率が
前記範囲より低いと、インクの速乾性がなく、また高解
像度の印字を得ることができない傾向があり、一方前記
範囲より高いと、該アルコール可溶性・水溶性樹脂のた
めにインク受容層が過剰に吸湿し、ブロッキングを生じ
やすい傾向がある。
【0042】CNCの含有率または割合が前記範囲より
低いと、インク受容層の耐水性が充分高くならない傾向
があり、一方前記範囲より高いと、インクの滲みが生じ
やすい傾向がある。
【0043】アルコール可溶性メトキシメチル化ナイロ
ン樹脂の含有率または割合が前記範囲より低いと、イン
ク受容層の吸湿を必らずしも高度に抑制することができ
ないために条件によってはブロッキングを生じるばあい
があり、一方前記範囲より高いと、インクの滲みや変色
を生じやすい傾向がある。
【0044】本発明のインク受容層(以下、第1発明お
よび第2発明に共通)の耐ブロッキング性をより向上さ
せるために前記微粒子を配合するばあい、微粒子のイン
ク受容層中における含有率は、0.5〜2重量%の範囲
内にあることが好ましい。前記微粒子の含有率が前記範
囲より多いと、OHP用受容体の透光性がわるくなる傾
向がある。前記微粒子の含有率は、該微粒子の粒子径、
粒子形状、白色度などにより適宜調節する。
【0045】なお、前記微粒子を前記インク受容層中に
含有させないばあいでも、実用域の範囲内でブロッキン
グを防止することは可能である。
【0046】本発明のインク受容層に前記アルコール可
溶性・水溶性樹脂、前記CNC、前記アルコール可溶性
メトキシメチル化ナイロン樹脂および前記微粒子の他に
用いることができる添加剤としては、帯電防止剤、酸化
防止剤、防カビ剤などがあげられる。
【0047】前記アルコール可溶性・水溶性樹脂、前記
CNC、さらに好ましくは前記アルコール可溶性メトキ
シメチル化ナイロン樹脂、および必要により前記微粒
子、さらにばあいによっては前記添加剤を適宜の溶剤に
混合し、溶解または分散させることにより塗工液を調製
し、該塗工液を前記合成樹脂フィルムの一方の面または
両面に塗布し、乾燥させることにより、本発明のOHP
用受容体をうることができる。溶剤としてはメタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール
などのアルコール類、フェノールなどのフェノール類、
酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、水などがあ
げられる。これら溶剤は単独で使用してもよく、混合し
て使用してもよい。塗工液の調製の際、CNCは通常中
和剤で中和して溶解性をよくして使用する。このような
中和剤としてはアンモニア水、モノメチルアミン、ジメ
チルアミン、トリメチルアミンなどが使用できる。
【0048】インク受容層の塗布量(乾燥後塗布量、以
下同じ)は、3.5〜8g/m2 の範囲内、なかんずく
5〜7g/m2 の範囲内にあることが好ましい。インク
受容層の塗布量が前記範囲より少ないと、インクの滲み
が生じやすく鮮明な印字がえられない傾向があり、一方
前記範囲より多いと、ブロッキングが生じやすくなる傾
向がある。
【0049】つぎに、実施例および比較例をあげて本発
明を説明する。なお、以下において%および部はそれぞ
れ重量%および重量部である。
【0050】実施例1 [OHP用受容体の製造]厚さ100μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムの一方の表面に、下記処方の
塗工液をリバースコーターにて塗布量6.3g/m2
塗布、乾燥し、表1に示される組成のインク受容層を形
成してOHP用受容体を製造した。
【0051】 成 分 部 ポリビニルピロリドンの10%メタノール溶液 50 アルコール可溶性メトキシメチル化ナイロン樹脂 の5%メタノール溶液 10 CNCの10%水/イソプロピルアルコール混合溶媒溶液 30 ポリメチルメタクリレート粒子の1%メタノール分散液 10 前記塗工液はつぎのようにして調製した。
【0052】(1)ポリビニルピロリドン溶液の調製 ポリビニルピロリドン10部をメタノール90部に溶解
させた。
【0053】ポリビニルピロリドンとしては、ISP社
製PVP K−120(数平均分子量2,800,00
0、K値114〜126)を使用した。
【0054】(2)アルコール可溶性メトキシメチル化
ナイロン樹脂溶液の調製 アルコール可溶性メトキシメチル化ナイロン樹脂5部を
メタノール95部にウオーターバス中で60〜80℃に
加温しながら溶解させた。
【0055】アルコール可溶性メトキシメチル化ナイロ
ン樹脂としては、8−ナイロン(トレジンF30)を使
用した。
【0056】(3)CNC溶液の調製 CNC10部を水71.4部とイソプロピルアルコール
18部、アンモニア水0.6部(中和量)の混合溶媒に
加え、ウオーターバス中で70℃に加温しながら溶解さ
せた。
【0057】CNCとしてはCNC−WLL(カルボキ
シメチル基の置換度0.7、ニトロ基の置換度1.0)
を使用した。
【0058】(4)微粒子分散液の調製 ポリメチルメタクリレート粒子(積水化成品工業(株)
製MBX−8、平均粒子径8μm)1部をメタノール9
9部に分散させた。
【0059】(5)塗工液の調製 前記(1)、(2)、(3)および(4)の溶液または
分散液を混合し、均一に分散することによって、前記塗
工液を調製した。
【0060】[OHP用受容体の性能評価]前記OHP
用受容体について、印字の鮮明度、インク乾燥性、イン
ク受容層の耐水性、耐ブロッキング性を下記の方法で評
価した。結果を表1に示す。
【0061】(印字の鮮明度)前記OHP用受容体に、
インクジェットプリンターとして、キャノン(株)製B
JC−880J、BJC−600J、エプソン(株)製
HG−5130、MJ−700V2Cの4機種を用いて
印字し、えられた印像の鮮明度を評価した。評価は水性
インクタイプおよび油性インクタイプの双方によって行
った。なお、前記キャノン(株)製BJC−880J、
BJC−600J、エプソン(株)製MJ−700V2
Cは水性インクタイプであり、前記エプソン(株)製H
G−5130は油性インクタイプである。水性インクタ
イプについては前記3機種の総合評価を評価結果とした
(以下、同様)。
【0062】<評価基準> ○:印像の滲みがまったくなく、非常に鮮明である。
【0063】△:印像の滲みがほとんどなく、鮮明であ
る。
【0064】×:印像の滲みがひどく、不鮮明である。
【0065】○、△が実用域内である。
【0066】(インク乾燥性)前記4機種のインクジェ
ットプリンターにて印字した後、印字の乾燥状態をそれ
ぞれ評価した。
【0067】<評価基準> ○:30秒以内に充分乾燥する。
【0068】△:30秒以内にほぼ乾燥する。
【0069】×:30秒以内に乾燥しない。
【0070】○、△が実用域内である。
【0071】(受容層耐水性)前記OHP用受容体を2
5℃の水中に60秒間浸漬した後、乾燥して重量を測定
して、水中に浸漬する前の重量と比較した。
【0072】<評価基準> ○:受容層の重量変化が20%未満である。
【0073】△:受容層の重量変化が20%以上、50
%未満である。
【0074】×:受容層の重量変化が50%以上であ
る。
【0075】○、△が実用域内である。
【0076】(耐ブロッキング性)前記OHP用受容体
を幅1cm、長さ20cmの短冊状に截断したものを1
0枚重ね、上下から万力で圧力をかけた状態で、35
℃、相対湿度85%の条件下で1週間放置後、ブロッキ
ングの有無を調べた。
【0077】<評価基準> ○:各短冊状片を何らの力を要せず容易に分離すること
ができ、かつインク受容層に何らの変化も認められな
い。
【0078】△:各短冊状片を分離するのに少し力を要
したが、インク受容層には何らの変化も認められない。
【0079】×:各短冊状片を分離するのが困難で、無
理に分離するとインク受容層に部分的剥離が生じる。
【0080】○、△が実用域内である。
【0081】実施例2〜7および比較例1〜4 塗工液の処方を変更したほかは実施例1と同様にして表
1に示される組成のインク受容層を形成して、OHP用
受容体を製造し、それらについて実施例1と同様に試験
を行なった。結果を表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】第1発明によれば、合成樹脂フィルムの
少なくとも一方の表面に、アルコール可溶性・水溶性樹
脂とCNCとからなるインク受容層を設けることによっ
て、インク受容層に含有されている前記アルコール可溶
性・水溶性樹脂が、従来例で使用されている吸水性樹脂
にくらべて、インクジェットプリンターで使用される水
性インクおよび油性インクのいずれとも親和性があるた
め、これらいずれのタイプのインクで印字したばあいで
も、インクジェットプリンターのノズルから噴出された
インクがアルコール可溶性・水溶性樹脂に素早く吸収、
保持され、そのためインクの受容性、保持性、乾燥性が
よく、鮮明な印像がえられる。しかもCNCの配合によ
り該インク受容層の耐水性が著しく向上され、またブロ
ッキングが防止されている。
【0084】第2発明によれば、第1発明において、前
記インク受容層中にさらにアルコール可溶性メトキシメ
チル化ナイロン樹脂を含有させることによって、インク
の受容性、保持性を阻害することなく、さらに耐水性が
向上される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−55283(JP,A) 特開 昭61−193879(JP,A) 特開 昭61−287782(JP,A) 特開 平8−267906(JP,A) 特開 平8−291268(JP,A) 特表 平8−503903(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂フィルムの表面にインク受容層
    を有し、該インク受容層がアルコール可溶性かつ水溶性
    の樹脂と、セルロースナイトレートカルボキシメチルエ
    ーテルとを主要成分として含有することを特徴とするオ
    ーバーヘッドプロジェクター用受容体。
  2. 【請求項2】 前記インク受容層の前記2成分の合計量
    に対して、アルコール可溶性かつ水溶性の樹脂40〜7
    5重量%、セルロースナイトレートカルボキシメチルエ
    ーテル25〜60重量%であることを特徴とする請求項
    1記載のオーバーヘッドプロジェクター用受容体。
  3. 【請求項3】 合成樹脂フィルムの表面にインク受容層
    を有し、該インク受容層がアルコール可溶性かつ水溶性
    の樹脂と、セルロースナイトレートカルボキシメチルエ
    ーテルと、アルコール可溶性メトキシメチル化ナイロン
    樹脂とを主要成分として含有することを特徴とするオー
    バーヘッドプロジェクター用受容体。
  4. 【請求項4】 前記インク受容層の前記3成分の合計量
    に対して、アルコール可溶性かつ水溶性の樹脂40〜6
    5重量%、セルロースナイトレートカルボキシメチルエ
    ーテル20〜50重量%、アルコール可溶性メトキシメ
    チル化ナイロン樹脂1〜15重量%であることを特徴と
    する請求項3記載のオーバーヘッドプロジェクター用受
    容体。
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