JPH083974A - オイルフェンス装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】波浪が高い海面であっても作業安全性を確保し
ながら確実に敷設することができる安価な設備費のオイ
ルフェンス装置を提供することを目的とする。 【構成】一対のガイド茎１１が、平面視において油油送
口２ａが間に位置するように所定距離離間して、タンカ
ー３の係留位置の近傍の海底９ａから海面９上まで立設
している。そして、これらガイド杭にそれぞれ一対の浮
沈ブイ１２が、自身の浮力調整によりガイド杭に沿って
海底から海面まで浮き沈みするように配設されている。
また、これら浮沈ブイに、長手方向の両端部が連結して
平面視において前記油荷役装置の下方の海面を囲む浮沈
式オイルフェンス１３が連設されている。さらに、一対
の浮沈ブイには、開放端部にマグネット接続部３０が設
けられた短尺な着脱式オイルフェンス２９が着脱自在に
連結される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、波浪が高い海面であ
っても安全確実に海面に敷設することが可能な安価な設
備費のオイルフェンス装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】海面に流出した油面の拡散を防止するオ
イルフェンスは、一般に、浮沈式オイルフェンスと可搬
式オイルフェンスとに大別される。通常、大型バースに
用いられる長尺な浮沈式オイルフェンスは、未使用時に
は海底に沈められた状態とされ、使用時には、空気供給
による遠隔操作によりオイルフェンス全体を海面に浮上
させて敷設されるようになっている。

【０００３】また、小型バース等に用いられる可搬式オ
イルフェンスは、展張船により順次海面に敷設されるよ
うになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の浮沈式オイルフェンス及び可搬式オイルフェンス
は、それぞれ解決すべき問題がある。すなわち、浮沈式
オイルフェンスは、空気供給による遠隔操作によりオイ
ルフェンス全体を海面に浮上させて敷設されるので作業
能率は向上するが、敷設領域が広い場合には長尺なオイ
ルフェンスを必要とするので、設備費の面で問題があ
る。

【０００５】一方、可搬式オイルフェンスは、設備費は
少なくて済むが、波浪が高い海面であっても展張船を利
用しなければならないので、作業安全性の面で問題があ
る。この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであ
り、波浪が高い海面であっても作業安全性を確保しなが
ら確実に敷設することができる安価な設備費のオイルフ
ェンス装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明の請求項１記載
のオイルフェンス装置は、港湾に係留されたタンカーの
油荷役作業を行うに際して、当該タンカーに設けられた
油送出口と、この油送出口と接続される油荷役装置の下
方海面を囲むように敷設されるオイルフェンス装置であ
って、前記タンカーの油送出口の両側に位置するように
所定距離離間してタンカー係留位置の近傍の海底から海
面上まで立設している一対のガイド杭と、これらガイド
杭にそれぞれ配設されて自身の浮力調整によりガイド杭
に沿って海底から海面まで浮き沈みする一対の浮沈ブイ
と、これら浮沈ブイに長手方向の両端部が連結して平面
視において前記油荷役装置の下方の海面を囲む浮沈式オ
イルフェンスと、前記一対の浮沈ブイにそれぞれ着脱自
在に連結され、且つ開放端部に前記タンカーの側面と接
続するマグネット接続部が設けられて前記油送出口の下
方の海面を囲む一対の短尺な着脱式オイルフェンスとを
具備してなることを特徴とする装置である。

【０００７】また、請求項２記載のオイルフェンス装置
は、請求項１記載の装置において、浮沈ブイが、ガイド
杭が挿通される挿通孔を設け且つ内部に空洞室を設けて
なるフロート本体と、このフロート本体の上下位置に設
けられて挿通された前記ガイド杭に摺接するスライドロ
ーラと、前記フロート本体の上部に設けられて前記空洞
室内への空気の供給若しくは排気を可能とする給排気口
と、前記フロート本体の下部に設けられて前記空洞室内
と海中とを連通する海水出入口とを備えてなることを特
徴とする装置である。

【０００８】

【作用】この発明の請求項１記載のオイルフェンス装置
によれば、本装置を使用しない場合には、浮沈ブイから
着脱式オイルフェンスを取り外しておくとともに、浮力
調整手段により浮沈ブイ及び浮沈オイルフェンスの浮力
を減少させる。これにより、浮沈ブイはガイド杭に沿っ
て海底にスムースに沈められていくとともに、浮沈式オ
イルフェンスも、両端部は浮沈ブイとともに海底へ沈め
られながら両端部間のフロート体も海底にスムースに沈
められていく。

【０００９】また、本装置を海面に敷設する場合には、
浮力調整手段により浮沈ブイ及び浮沈オイルフェンスの
浮力を増大させる。これにより、浮沈ブイはガイド杭に
沿って海面にスムースに浮上するとともに、浮沈式オイ
ルフェンスも、両端部が浮沈ブイとともに海面に浮上し
ながら両端部間のフロート体もスムースに海面に浮上し
てくる。そして、浮上した浮沈ブイに、着脱式オイルフ
ェンスの一端部を装着した後、マグネット接続部をタン
カーの側面に接続する。

【００１０】これにより、タンカーの油送出口及び油荷
役装置の下方の海面は、一対の着脱式オイルフェンス、
一対の浮沈ブイ及び浮沈式オイルフェンスにより囲まれ
るので、若し、タンカーより油送される途中の油が海上
に流出しても、油拡散が確実に防止される。また、本発
明のオイルフェンス装置は、浮力調整手段の浮力調整
と、浮沈ブイからの着脱式オイルフェンスの脱着作業を
行うだけで、装置全体を海面にスムースに浮上させて敷
設するか、若しくは海底にスムースに沈められるので、
作業能率が向上する。

【００１１】また、本発明のオイルフェンス装置は、敷
設領域が広い場合であっても、従来の浮沈式オイルフェ
ンスのように長尺なオイルフェンスとならないので、装
置の大型化が解消され、設備費の低減化が図られる。さ
らに、波浪が高い海面に敷設する場合であっても、ガイ
ド杭と係合している浮沈ブイは海面上を移動せず、この
浮沈ブイに連結された短尺な着脱式オイルフェンスのマ
グネット接続部をタンカーの側面に接続するだけで作業
が完了するので、安全性を高めながら確実に敷設作業が
行われる。

【００１２】一方、この発明の請求項２記載のオイルフ
ェンス装置によれば、請求項１記載の装置の作用に加え
て、浮沈ブイを構成するフロート本体には、ガイド杭が
挿通される挿通孔が設けられ、しかも、フロート本体の
上下位置には、ガイド杭に摺接するスライドローラが配
設された構造とされているので、浮沈ブイはさらにスム
ースに浮き沈みが可能となり、作業能率が大幅に向上す
る。

【００１３】また、浮沈ブイの浮力調整は、フロート本
体の上部に設けられた給排気口を介して空洞室へ所定量
の空気が供給されることにより、空洞室内の海水が海水
出入口から排出されて浮沈ブイの浮力が増大される。他
方、給排気口から空洞室内の空気を排気することによ
り、空洞室に海水が海水出入口から入り込んで浮沈ブイ
の浮力を減少させる。このように、簡便な構造により浮
力ブイの浮力調整が行われるので、さらに設備費の低減
化が図られる。

【００１４】

【実施例】以下、この発明のオイルフェンス装置の実施
例について、図を参照して説明する。図１は、港湾１内
に構築された油荷役装置２の近傍に、タンカー３が係留
された状態を示す平面図である。なお、図１の符号４で
示す線は、基礎捨石法尻を示すものであり、符号５で示
す線は、海面との境の岸壁を示している。

【００１５】そして、タンカー３に貯溜されている油
は、油送出口２ａ、油流路２ｂを介して陸に構築された
油貯溜施設６に油送されるようになっている。そして、
油送途中の油が海面に流出しても油拡散を防止するため
に、油荷役装置２の下方の海面にオイルフェンス装置１
０が敷設されている。このオイルフェンス装置１０は、
タンカー３の係留位置より岸壁５側に立設している一対
のガイド杭１１と、これらガイド杭１１、１１に沿って
浮き沈みする一対の浮沈ブイ１２と、これら浮沈ブイ１
２、１２間に連結して岸壁５側の海面を囲む浮沈式オイ
ルフェンス１３と、浮沈ブイ１２に連結しながらタンカ
ー３の側面３ａに着脱自在に連結する一対の着脱式オイ
ルフェンス２９とで概略構成されている。

【００１６】すなわち、各ガイド杭１１は、所定直径の
長尺な円筒鋼管からなり、図２に示すように、下端部１
１ａが海底９ａに埋設され、上端部１１ｂが海面９より
上方に位置するように立設されている。そして、図１に
示すように、ガイド杭１１、１１の間に全ての油送出口
２ａが位置するように、各ガイド杭１１の埋設位置が設
定されている。そして、これらガイド杭１１に浮沈ブイ
１２が配設されている。

【００１７】浮沈ブイ１２は、図３及び図４に示すよう
に、前記ガイド杭１１を鉛直方向に挿通する挿通孔１２
ｓが設けられ、内部が空洞化されてなる外観略円柱形状
のフロート体である。この浮沈ブイ１２の天板１２ｂ及
び底板１２ｃには、挿通孔１２ｓの軸線Ｐを中心とする
所定円周上に、所定間隔をあけて複数のスライドローラ
１４…が配設されている。そして、これらスライドロー
ラ１４…の転動部は全て、挿通孔１２ｓに挿通されたガ
イド杭１１の外周面に当接している。

【００１８】また、浮沈ブイ１２の天板１２ｂには、供
給ホース１５を介して空気給排気手段（図示せず）と接
続する給排気配管１６が配設され、この給排気配管１６
は空洞室１２ａと連通している。そして、浮沈ブイ１２
の底板１２ｃにも、海中と連通する給排水配管１７が配
設されている。そして、浮沈ブイ１２の空洞室１２ａに
は、挿通孔１２ｓの軸線Ｐ方向に移動自在とされたドー
ナツ盤形状の気液仕切り板１８が配設されている。

【００１９】これにより、空気給排気手段から、所定量
の空気が供給ホース１５、給排気配管１６を介して供給
されると、気液仕切り板１８が図２で示す位置まで下が
り、空洞部１２ａ内部に入り込んでいた海水が給排水配
管１７を介して海中に排水され、これにより、浮沈ブイ
１２は所定の浮力を得て海面９上に浮上するようになっ
ている。一方、空気給排気手段の作動により、給排気配
管１６、供給ホース１５を介して空洞室１２ａ内の所定
量の空気が排気されると、気液仕切り板１８が図２で示
す位置より上昇して、空洞部１２ａ内部に海水が給排水
配管１７を介して入り込み、これにより、浮沈ブイ１２
は浮力が減少せしめられて海底９ａまで沈められるよう
になっている。

【００２０】また、浮沈ブイ１２の側周面１２ｄには、
浮沈式オイルフェンス１３の端部が連結する連結部１９
と、着脱式オイルフェンス２９の端部が着脱自在に装着
される装着部２０が設けられている。浮沈式オイルフェ
ンス１３は、周知のように長尺に形成された帯状のフロ
ート体であり、幅方向下端部に所定間隔をあけてカウン
ターウエイト２１…と、係合部２２…が設けられている
とともに、長さ方向の略中央位置にフロート体全体を海
面９まで浮上、若しくは海底９ａまで沈めるために空気
量が調節される浮力調整部２３が設けられてなるもので
ある。なお、前記浮力調整部２３には、空気給排気手段
（図示せず）から供給ホース３１を介して所定量の空気
が給排気されるようになっている。

【００２１】そして、この浮沈オイルフェンス１３の長
さ方向の両端部２４は、前記浮沈ブイ１２の連結部１９
に連結されている。また、図６及び図７に示すように、
浮沈オイルフェンス１３の係合部２２…には、海底９ａ
に埋設された油荷役施設２の脚部２５ａと係合している
鎖等の係留部材２６のフックや、海底９ａに沈められた
アンカー２７と係合している係留部材２８のフックが係
合し、浮沈オイルフェンス１３の漂流が防止されてい
る。

【００２２】さらに、着脱式オイルフェンス２９は短尺
な帯状のフロート体であり、図２に示すように、長さ方
向の一端部２９ａが、前記浮沈ブイ１２の装着部２０に
着脱自在に連結されるようになっている。そして、この
着脱式オイルフェンス２９の他端部には、タンカー３の
側面３ａに磁性力により接続可能なマグネット接続部３
０が設けられている。

【００２３】次に、上記構成からなる本実施例のオイル
フェンス装置１０の操作方法を述べる。オイルフェンス
装置１０を使用しない場合には、浮沈ブイ１２から着脱
式オイルフェンス２９を取り外しておくとともに、空気
給排気手段（図示せず）の作動により、浮沈ブイ１２の
空洞室１２ａ及び浮沈式オイルフェンス１３の浮力調整
部２３の空気を排気する。これにより、一対の浮沈ブイ
１２は、気液仕切り板１８が空洞室１２ａの上方に移動
して海水が給排水配管１７を介して空洞部１２ａ内部に
入り込むので浮力が減少し、また、浮沈式オイルフェン
ス１３も浮力調整部２３により浮力が減少していく。

【００２４】そして、浮沈ブイ１２は、ガイド杭１１の
外周面を転動するガイドローラ１４により案内されなが
らガイド杭１１に沿ってスムースに海底９ａ側へ沈めら
れていくとともに、浮沈式オイルフェンス１３も、両端
部２４、２４が浮沈ブイ１３とともに海底９ａ側へ沈め
られながら、両端部２４、２４間のフロート体も浮力調
整部２３とともに海底９ａ側へスムースに沈められてい
く。

【００２５】また、オイルフェンス装置１０を使用する
場合には、空気給排気手段の作動により、浮沈ブイ１２
の空洞室１２ａ及び浮沈式オイルフェンス１３の浮力調
整部２３に所定量の空気を供給していく。これにより、
一対の浮沈ブイ１２は、空洞室１２ａへの空気供給によ
り気液仕切り板１８が下方に移動し、空洞室１２ａ内の
海水を給排水配管１７を介して海中に排水するので浮力
が増大し、また、浮沈式オイルフェンス１３も浮力調整
部２３への給気により浮力が増大していく。

【００２６】そして、浮沈ブイ１２は、ガイド杭１１の
外周面を転動するガイドローラ１４により案内されなが
らガイド杭１１に沿ってスムースに海面９まで浮上して
いくとともに、浮沈式オイルフェンス１３も、両端部２
４、２４が浮沈ブイ１３とともに海面９まで浮上しなが
ら、両端部２４、２４間のフロート体も浮力調整部２３
とともに海面９までスムースに浮上していく。

【００２７】また、浮上した浮沈ブイ１２の装着部２０
に、着脱式オイルフェンス２９の一端部２９ａを装着し
た後、マグネット接続部３０をタンカー３の側壁３ａに
接続する。これにより、若し、タンカー３から油貯溜施
設６に油送される途中の油が油送出口２ａ…から海上に
流出しても、図１に示すように、油送出口２ａ…、油荷
役装置２の下方の海面は、一対の着脱式オイルフェンス
２９、一対の浮沈ブイ１２及び浮沈式オイルフェンス１
３により囲まれるので、油拡散が確実に防止される。

【００２８】したがって、本実施例のオイルフェンス装
置１０は、空気給排気による遠隔操作と、浮沈ブイ１２
からの着脱式オイルフェンス２９の脱着作業を行うだけ
で、オイルフェンス装置１０全体を海面９にスムースに
浮上させて敷設するか、若しくは海底９ａにスムースに
沈めることができので、作業能率が向する。また、本実
施例のオイルフェンス装置１０は、ガイド杭１１に沿っ
て浮き沈みする浮沈ブイ１２と、この浮沈ブイ１２に連
結する浮沈式オイルフェンス１３及び着脱式オイルフェ
ンス２９とで構成され、敷設領域が広い場合であって
も、従来の浮沈式オイルフェンスのように長尺なオイル
フェンスとならず装置の大型化が解消されるので、設備
費の低減化を図ることができる。

【００２９】さらに、波浪が高い海面において本実施例
のオイルフェンス装置１０を敷設する場合であっても、
ガイド杭１１と係合している浮沈ブイ１２は海面９上を
移動せず、この浮沈ブイ１２に連結された短尺な着脱式
オイルフェンス２９のマグネット接続部３０をタンカー
３の側面３ａに接続するだけで作業が完了するので、安
全性を高めながら確実に敷設作業を行うことができる。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、この発明の請求項
１記載のオイルフェンス装置は、海面に敷設しない場合
には、浮沈ブイから着脱式オイルフェンスを取り外して
おくとともに、浮力調整手段により浮沈ブイ及び浮沈オ
イルフェンスの浮力を減少させることにより、浮沈ブイ
はガイド杭に沿って海底にスムースに沈められていくと
ともに、浮沈式オイルフェンスも、両端部は浮沈ブイと
ともに海底へ沈められながら両端部間のフロート体も海
底にスムースに沈められていく。また、本装置を海面に
敷設する場合には、浮力調整手段により浮沈ブイ及び浮
沈オイルフェンスの浮力を増大させることにより、浮沈
ブイはガイド杭に沿って海面にスムースに浮上するとと
もに、浮沈式オイルフェンスも、両端部が浮沈ブイとと
もに海面に浮上しながら両端部間のフロート体もスムー
スに海面に浮上してくる。そして、浮上した浮沈ブイ
に、着脱式オイルフェンスの一端部を装着した後、マグ
ネット接続部をタンカーの側面に接続することにより敷
設作業が完了する。

【００３１】したがて、タンカーの油送出口及び油荷役
装置の下方の海面は、一対の着脱式オイルフェンス、一
対の浮沈ブイ及び浮沈式オイルフェンスにより囲まれる
ので、若し、タンカーより油送される途中の油が海上に
流出しても、油拡散を確実に防止することができる。ま
た、本発明のオイルフェンス装置は、浮力調整手段の浮
力調整と、浮沈ブイからの着脱式オイルフェンスの脱着
作業を行うだけで、装置全体を海面にスムースに浮上さ
せて敷設するか、若しくは海底にスムースに沈められる
ので、作業能率を向上させることができる。

【００３２】さらに、敷設領域が広い場合であっても、
従来の浮沈式オイルフェンスのように長尺なオイルフェ
ンスとならないので、装置の大型化が解消され、設備費
の低減化を図ることができる。また、波浪が高い海面に
敷設する場合であっても、ガイド杭と係合している浮沈
ブイは海面上を移動せず、この浮沈ブイに連結された短
尺な着脱式オイルフェンスのマグネット接続部をタンカ
ーの側面に接続するだけで作業が完了するので、安全性
を高めながら確実に敷設作業を行うことができる。

【００３３】一方、この発明の請求項２記載のオイルフ
ェンス装置は、請求項１記載の装置の効果に加えて、浮
沈ブイを構成するフロート本体には、ガイド杭が挿通さ
れる挿通孔が設けられ、しかも、フロート本体の上下位
置には、ガイド杭に摺接するスライドローラが配設され
た構造とされているので、浮沈ブイはさらにスムースに
浮き沈みが可能となり、作業能率を大幅に向上させるこ
とができる。

【００３４】また、浮沈ブイの浮力調整は、フロート本
体の上部に設けられた給排気口を介して空洞室へ所定量
の空気が供給されることにより、空洞室内の海水が海水
出入口から排出されて浮沈ブイの浮力が増大され、他
方、給排気口から空洞室内の空気を排気することによ
り、空洞室に海水が海水出入口から入り込んで浮沈ブイ
の浮力が減少せしめられ、簡便な構造により浮力ブイの
浮力調整を行うことができるので、さらに設備費の低減
化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る港湾内にタンカーが係留されて油
荷役作業を行っている状態を示す平面図である。

【図２】本発明に係るタンカーの近傍に配設されたオイ
ルフェンス装置を示す正面図である。

【図３】本発明に係る浮沈ブイを示す平面図である

【図４】本発明に係る浮沈ブイを示す要部断面正面図で
ある。

【図５】本発明に係る浮沈式オイルフェンスを示す正面
図である。

【図６】本発明に係る浮沈式オイルフェンスの係留状態
を示す第１の実施例である。

【図７】本発明に係る浮沈式オイルフェンスの係留状態
を示す第２の実施例である。

【符号の説明】

１ 港湾 ２ 油荷役装置 ２ａ 油送出口 ３ タンカー ３ａ タンカーの側面 ９ 海面 ９ａ 海底 １０ オイルフェンス装置 １１ ガイド杭 １２ 浮沈ブイ（フロート本体） １２ａ 空洞室 １２ｓ 挿通孔 １３ 浮沈式オイルフェンス １４ スライドローラ １５ 供給ホース １６ 給排気配管 １７ 海水出入口 ２９ 着脱式オイルフェンス ３０ マグネット装着部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 門平 次郎 東京都新宿区西新宿一丁目25番１号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 三輪 渉 東京都新宿区西新宿一丁目25番１号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 土屋 博和 東京都新宿区西新宿一丁目25番１号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 渡辺 哲士 東京都千代田区猿楽町１丁目５番18号 全 農燃料テクノ株式会社内 (72)発明者 我妻 栄 東京都千代田区鍛冶町一丁目五番七号 鈴 英株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 港湾に係留されたタンカーの油荷役作業
   を行うに際して、当該タンカーに設けられた油送出口
   と、この油送出口と接続される油荷役装置の下方海面を
   囲むように敷設されるオイルフェンス装置であって、 前記タンカーの油送出口の両側に位置するように所定距
   離離間し、タンカー係留位置の近傍の海底から海面上ま
   で立設している一対のガイド杭と、 これらガイド杭にそれぞれ配設され、自身の浮力調整に
   よりガイド杭に沿って海底から海面まで浮き沈みする一
   対の浮沈ブイと、 これら浮沈ブイに長手方向の両端部が連結し、平面視に
   おいて前記油荷役装置の下方の海面を囲む浮沈式オイル
   フェンスと、 前記一対の浮沈ブイにそれぞれ着脱自在に連結され、且
   つ開放端部に前記タンカーの側面と接続するマグネット
   接続部が設けられて前記油送出口の下方の海面を囲む一
   対の短尺な着脱式オイルフェンスとを具備してなること
   を特徴とするオイルフェンス装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載のオイルフェンス装置にお
   いて、 浮沈ブイは、ガイド杭が挿通される挿通孔を設け、且つ
   内部に空洞室を設けてなるフロート本体と、 このフロート本体の上下位置に設けられ、挿通された前
   記ガイド杭に摺接するスライドローラと、 前記フロート本体の上部に設けられ、前記空洞室内への
   空気の供給若しくは排気を可能とする給排気口と、 前記フロート本体の下部に設けられ、前記空洞室内と海
   中とを連通する海水出入口とを備えてなることを特徴と
   するオイルフェンス装置。