JPH0839710A - 密閉包装容器用熱可塑性樹脂発泡シートおよびその製造方法 - Google Patents

密閉包装容器用熱可塑性樹脂発泡シートおよびその製造方法

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JPH0839710A
JPH0839710A JP6181542A JP18154294A JPH0839710A JP H0839710 A JPH0839710 A JP H0839710A JP 6181542 A JP6181542 A JP 6181542A JP 18154294 A JP18154294 A JP 18154294A JP H0839710 A JPH0839710 A JP H0839710A
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JP
Japan
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foam sheet
resin foam
cooling
thermoplastic resin
foamed
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Application number
JP6181542A
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English (en)
Inventor
Shunji Yamamoto
俊司 山本
Takaaki Kenmotsu
孝明 監物
Kazuya Nagashima
和也 永島
Tatsuya Ono
達也 小野
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 厚さ10mm以下、発泡倍率が5倍以下で、
少なくとも片側に非発泡体層3aを有する連続気泡構造
を持ったポリプロピレン系樹脂発泡シート3で、発泡体
層3bの連続気泡率が30〜95%、見掛けの密度が
0.09〜0.45g/cm3 の範囲にあることを特徴
とし、ポリプロピレン系樹脂に発泡剤を混入した樹脂組
成物の融点以上の温度でダイより押し出されたポリプロ
ピレン系樹脂発泡シート3を、その表裏面温度を樹脂発
泡シート3の中間層の樹脂温度よりも低く保つと同時
に、最終的に得られる製品厚さに対して5〜40%に圧
縮するように外力を加えながら冷却成形する。 【効果】 2次成形した密閉包装用容器は耐熱性、機械
的強度に優れ、脱酸素剤、乾燥剤などを使用して密閉包
装しても脱酸素剤などの効力に悪影響を及ぼさず包装物
品の長期保存が出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、機械的強度に
優れ、脱酸素剤、乾燥剤などを使用して用いるのに好適
な密閉包装容器用熱可塑性樹脂発泡シートおよびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、日本人の生活環境の急速な変化に
伴い、その食生活にも大きな影響を及ぼし変化を遂げて
きた。食品包装材の分野でもこの変化を受け、機能性を
有する包装材が各種研究開発されてきた。その一例に長
期保存性の改良がある。その例を挙げるならば、包装材
にガスバリア性のある袋を用いたり、乾燥剤や脱酸素剤
など長期保存を助ける薬剤を小袋に入れて内容物と共に
包装するなどの手段がとられている。主に食品分野にお
いては、食品の包装工程の自動化対応などで食品の包装
時のハンドリングを良くするためや、包装された食品の
外観を良くするため、あるいは店舗での陳列を容易にす
るためなどの目的で、例えば、厚さ数mmのポリエチレ
ンなどのプラスチック製薄肉シートを成形した食品トレ
ー上に食品を並べ、これを袋に入れ密封して商品となし
ている。また、インスタント食品の容器等には、ポリス
チレン系樹脂の発泡体が多く用いられている。これら食
品トレーは、先に述べたように単なるプラスチック製の
シートを成形したものもあるが、断熱性、緩衝性、軽量
化などの目的でプラスチックを発泡させて厚さ10mm
以下の独立気泡構造の樹脂発泡シートとなし、これを所
定の形状に成形したものが広く流通している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】包装分野において、近
年、レトルト食品用容器、特に肉、ハム、ソーセージ、
魚などの加工食品を前述の樹脂発泡シートを成形してト
レーとしたものの上に乗せて、真空包装する包装形態が
とられている。さらに長期保存性のために脱酸素剤が併
用されている。しかし、前述のように厚さ2〜10mm
程度の独立気泡構造の樹脂発泡シートを成形したトレー
に脱酸素剤などを併用して食品などを真空包装した場
合、当初、その内容物に応じて適切に種類および量など
を選択して用いた筈の脱酸素剤が短期間にてその効力が
低減し、期待していた効果が得られないという問題が発
生した。この脱酸素剤の効力が短期間で低減するのは、
前記脱酸素剤が食品トレーの素材として用いた独立気泡
構造を有する樹脂発泡シートの気泡内に含まれる酸素を
経時において吸収するためで、これにより本来脱酸素剤
が吸収すべき密閉包装体内の酸素を完全に吸収しないこ
とにより密閉包装体内の食品の鮮度を長期間保持するこ
とができなくなる。前記問題は、食品包装に留まらず、
精密部品、電子部品などの密閉包装においても発生する
ものであり、それは食品や部品など被包装物には全く関
係なく、包装用素材の樹脂発泡シートと脱酸素剤などを
包含する密閉包装形態を取れば発生する問題であった。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたもので、調理時
の加熱に耐え得る耐熱性と成形品とした後に不具合の無
い機械的強度を有し、密閉包装の際の脱酸素剤の効力に
悪影響を及ぼさない密閉包装容器用熱可塑性樹脂発泡シ
ートおよびその製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の密閉包装
容器用熱可塑性樹脂発泡シートは、厚さ10mm以下、
発泡倍率が5倍以下で、少なくとも片側に非発泡体層を
有する連続気泡構造を持ったポリプロピレン系樹脂発泡
シートで、ASTM D−2856にて測定した発泡体
層の連続気泡率が30〜95%で、JIS K6767
による見掛けの密度が0.09〜0.45g/cm3
範囲内にあることを特徴とするものである。
【0005】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
密閉包装容器用熱可塑性樹脂発泡シートは、図1に発泡
体層3bの片側に非発泡体層3aを有する樹脂発泡シー
ト3の断面図を、また、図2に発泡体層3bの両側に非
発泡体層3aを有する樹脂発泡シート3の断面図を示し
た如く、厚さ10mm以下、発泡倍率が5倍以下で、少
なくとも片側に非発泡体層3aを有する連続気泡構造を
持ったポリプロピレン系樹脂発泡シート3で、ASTM
D−2856にて測定した発泡体層3bの連続気泡率が
30〜95%で、JIS K6767による見掛けの密
度が0.09〜0.45g/cm3 の範囲内にあること
を特徴とするものである。このポリプロピレン系樹脂発
泡シート3の発泡体層3bの連続気泡率は、ASTM−
D2856のエアピクノメーター法により測定された値
であり、また、密度はJIS K−6767に規定され
る方法により測定された値である。
【0006】本発明の密閉包装容器用熱可塑性樹脂発泡
シート3において、ベース樹脂、発泡倍率、発泡体層3
bの連続気泡率および密度を上記の如く規定した理由
は、ベース樹脂については、ポリプロピレン系樹脂は食
品衛生上問題のないこと、調理時の加熱に耐え得る耐熱
性を有すること、これらを満たす樹脂として価格的にも
適している、厚さおよび発泡倍率については、厚さ10
mm以下、発泡倍率が5倍以下の樹脂発泡シートを2次
成形加工により成形品とした後に不具合の無い剛性を有
することなどのことからである。
【0007】樹脂発泡シートが厚さが10mm以下、発
泡倍率が5倍以下であっても、発泡体層の連続気泡率が
30%未満の樹脂発泡シートでは、2次成形した成形容
器が脱酸素剤と共に真空包装される時に、併用する脱酸
素剤が成形容器の素材である樹脂発泡シートの気泡内の
酸素を充分に取り除くことができず、脱酸素剤の使用の
効力を半減させてしまう。また、発泡体層の連続気泡率
が95%以上のものは、ベース樹脂が如何にポリプロピ
レン系樹脂であっても、機械的強度が不足し、樹脂発泡
シートを各種用途に合わせた形に2次成形する工程にお
いて、素材の樹脂発泡シートに大きな穴が空いたり、千
切れたりして成形性が低下する。この発泡体層の連続気
泡率については、好ましくは40〜95%、さらに好ま
しくは50〜90%のものである。また、密度が0.0
9g/cm3 未満の樹脂発泡シートは、ベース樹脂が如
何にポリプロピレン系樹脂であっても、剛性が低過ぎる
ため、素材の樹脂発泡シートを各種用途に合わせた形に
2次成形する工程において、機械的強度が不足し、素材
の樹脂発泡シートに大きな穴が空いたり、千切れたりし
て成形性が低下するからである。また、0.45g/c
3 を超える密度のものである場合は、軽量性、断熱性
などの包装容器用素材としての利点が失われる。この密
度については、好ましくは0.15〜0.45g/cm
3 、さらに好ましくは、0.2〜0.40g/cm3
ものである。本発明の密閉包装容器用熱可塑性樹脂発泡
シートにおいて、少なくとも片側の非発泡体層は、同一
の樹脂のスキン層から形成されていても良いし、また非
発泡体層を持たない上記規定範囲の連続気泡率および密
度をもった樹脂発泡シートを得た後に、同一又は他の樹
脂からなるフィルムもしくはシートを前記樹脂発泡シー
トの片側または両側に貼合して非発泡体層を形成させて
もよい。産業上、生産性、コストの面から見て前者のも
のがより好ましい。
【0008】本発明の密閉包装容器用熱可塑性樹脂発泡
シートは、ポリプロピレン系樹脂に発泡剤を混合し、こ
れをダイより押出し発泡させてポリプロピレン系樹脂発
泡シートを得る製造方法において、前記樹脂組成物の融
点以上の温度にてダイより押出されたポリプロピレン系
樹脂発泡シートを、その表裏面温度を前記樹脂発泡シー
トの中間層の樹脂温度よりも低く保つと同時に、最終的
に得られる製品厚みに対して5〜40%に圧縮するよう
に外力を加えながら冷却成形する方法により製造するこ
とができる。
【0009】上記の製造方法において重要な条件は、前
記ダイより大気圧下に押出され発泡する過程において、
発泡進行中の樹脂発泡シートの表裏面層を好ましくは1
40℃以下に冷却すると共に、中間層を好ましくは15
0℃以上とすること。より好ましくは、表裏面層を12
0℃以下、さらに好ましくは100℃以下にすることで
ある。中間層は、より好ましくは130℃以上、さらに
好ましくは100℃以上にすることである。発泡進行中
の樹脂発泡シートの表裏面層が140℃を超える場合で
は、樹脂発泡シートの表裏面に穴などのない平滑なスキ
ン層を形成させることができず、表面よりガスが脱離
し、著しく発泡倍率が低下すると共に、樹脂発泡シート
の表面平滑性が悪化する。また、発泡進行中の中間層が
150℃を下回る場合には、気泡融合が起こり難く樹脂
発泡シートの連続気泡率が低下し、独立気泡構造を有す
る樹脂発泡シートとなる。そうして、この冷却工程の全
般に渡って樹脂発泡シートの厚さを最終的に得る樹脂発
泡シートの厚さの5〜40%、好ましくは10〜40
%、さらに好ましくは15〜30%に圧縮するように外
力を加えることである。最終的に得る樹脂発泡シートの
厚みに対して、冷却成形工程にて5%未満の圧縮外力を
加えながら冷却成形した場合には、気泡の十分な融合効
果が得られず、また、40%を超える圧縮外力を加えた
場合では、過剰な気泡融合が発生し、気泡径が粗大なも
のとなったり、気泡壁が大部分破壊され、発泡体内に巨
大な空洞部分を作ってしまう。上記の冷却成形を行う装
置としては、金属ロールやスチールベルト、サイジング
ダイなど一般にプラスチックの押出成形に用いられる装
置でよく、また、冷却媒体を直接樹脂発泡シートの表面
に吹き付けるなどどのような手段でも構わない。前記金
属ロール式冷却成形機の例で言えば、金属ロール間間隙
を最終的に得る樹脂発泡シートの厚さの5〜40%に設
定すればよい。
【0010】本発明の密閉包装容器用熱可塑性樹脂発泡
シートの製造において用いられるポリプロピレン系樹脂
としては、広い温度範囲にて樹脂組成物の発泡に適した
粘弾性を得ることができることから、エチレン成分が1
〜20重量%、好ましくは1〜15重量%であって、メ
ルトフローレート(MFR)が2以下のプロピレン−エ
チレンブロック、またはランダム共重合体が好適であ
る。さらに、前記プロピレン−エチレン共重合体に20
〜80重量%、好ましくは50〜70重量%の範囲で、
MFR5〜20のエチレン含有量5〜20重量%以下の
プロピレン−エチレンブロック、またはランダム共重合
体をブレンドすることが好ましい。また、発泡剤は、プ
ロパン、ブタン、ペンタン、などの脂肪族低級炭化水素
及びハロゲン化炭化水素からなる揮発型発泡剤、窒素、
炭酸ガス、酸素、空気などからなる不活性ガス、また、
重炭酸ソーダ、重炭酸アンモニウム、ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン、トルエンスルフォニルヒドラジ
ド、アゾジカーボンアミド、オキシビスベンゼンスルホ
ニルヒドラジドなどの熱分解型発泡剤などを用いるのが
好ましいが、発泡後、発泡体中に分解残渣が残らないこ
とが望まれる場合は、前記発泡剤の揮発型発泡剤、不活
性ガスを用いることが好ましい。前記発泡剤の添加量は
前記ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して0.1
〜10重量部程度が用いられる。そして前記発泡剤は、
前記ポリプロピレン系樹脂に混合して押出機に供給する
方法や、揮発型発泡剤、不活性ガスの場合は、押出機の
シリンダーより内部の溶融している前記ポリプロピレン
系樹脂に直接圧入する方法が取られる。なお、気泡径を
調整し均一化するために、核剤を用いることが好まし
く、好適な核剤として炭酸カルシウム、タルクなどがあ
げられる。また、用途、目的によって充填剤、難燃剤、
銅害防止剤などを適宜添加してもよい。
【0011】
【作用】本発明の密閉包装容器用熱可塑性樹脂発泡シー
トは、厚さが10mm以下、発泡倍率が5倍以下で、少
なくとも片側に非発泡体層があり、発泡体層の連続気泡
率が30〜90%で、密度が0.09〜0.45g/c
3 のポリプロピレン系樹脂発泡シートであるが故に、
以下の効果が得られる。1つは、樹脂発泡シートの2次
成形性を向上させることである。素材の樹脂発泡シート
を各種用途用容器に合わせた形に2次成形する工程にお
いては、素材が連続気泡構造の他の樹脂発泡シートで
は、機械的強度が不足して、2次成形加工時に樹脂発泡
シートに大きな穴が空いたり、千切れたりして2次成形
性を低下させ易い。決して、成形が不可能というわけで
はないが、2次成形機の各種設定条件の幅が狭いものと
なり2次成形加工操作が難しいものとなる。本発明の密
閉包装容器用熱可塑性樹脂発泡シートは、少なくとも片
側に非発泡体層を有する所定の発泡倍率、密度および連
続気泡率をもった連続気泡構造のポリプロピレン系樹脂
発泡シートであるため、耐熱性、機械的強度が優れてお
り、2次成形加工時に素材の樹脂発泡シートに大きな穴
が空いたり、千切れたりなどして2次成形性を低下させ
ることがなく、2次成形機の各種設定条件の幅は広が
り、2次成形加工操作は容易なものとなる。2つは、素
材しての基本的特性が優れているため、成形された包装
容器の剛性が向上する。3つは、2次成形された包装容
器、即ち、食品トレーなどは食品などから出る水分、汁
などにより汚れることがないことである。表面に非発泡
体層のない連続気泡の樹脂発泡シートからなる包装容
器、例えば食品トレーの場合では、包装した食品から出
る水分、汁が素材の樹脂発泡シートの気泡内に滲み込
み、前記食品トレーに滲みを残す。特に食品用途の場合
には、この滲みなどが付着すると観者に、衛生上不快な
印象を与え、食品自体の鮮度は何ら問題がないが、包装
された食品の商品価値を低下させる。本発明の密閉包装
容器用熱可塑性樹脂発泡シートは、少なくとも片側に非
発泡層があるため、前記食品から出る水分、汁が樹脂発
泡シート内部に滲み込むことがなく、食品トレーを汚す
ことがない。
【0012】また、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡
シートの製造方法で、表面に非発泡体層を有し発泡体層
が規定したごとき範囲の連続気泡率および密度を有する
樹脂発泡シートが製造できることは、以下のように推測
される。押出機内にて溶融した樹脂と発泡剤が混合さ
れ、発泡樹脂組成物をダイスから大気圧下に押出すと同
時に発泡させる。この発泡時、すなわち、気泡が膨張し
てゆく過程において樹脂発泡シートの外部より前記規定
のような冷却条件とすることにより、樹脂発泡シートの
表裏面に平滑なスキン層(非発泡体層)が形成される
が、中間に発泡体層が形成されているため、熱伝導は低
下する状態にあり、内部までは急速に冷却されず、樹脂
発泡シートは気泡を含んだ溶融状態もしくは軟化状態に
ある。この気泡を含んだ溶融状態もしくは軟化状態で
は、樹脂発泡シートは気泡を保持する粘弾性特性が得ら
れておらず、発泡剤により生じた気泡の保持力は弱い。
この状態にしておくと同時に、最終的に得る樹脂発泡シ
ートの厚みの5〜40%の厚みに保持できる様に厚さ方
向に外力を加えて規制することにより、内部の気泡はそ
の気泡内に含むガスの膨張力が樹脂発泡シート自体の厚
みが増大することにより逃げることを規制する。この作
用により、気泡内に含むガスの膨張力が気泡を融合させ
る作用を生むことになり、その後も冷却を継続して行う
ことから発泡体層の気泡が連続気泡化した状態で固化
し、気泡構造は固定されて連続気泡発泡シートを得るこ
とができる。
【0013】
【実施例】次に実施例をもって本発明を具体的に述べ
る。 (実施例1)ASTM D−2856にて測定した発泡
体層の連続気泡率が70%、発泡倍率3.2倍、JIS
K6767による見掛けの密度が0.30g/cm3
で片側にスキン層を有する厚さ2mmのポリプロピレン
系樹脂発泡シートをスキン層を内側にして真空成形によ
り、タテ180mm 、ヨコ120mm 、深さ10m
mの皿形状の食品トレーを2次成形した。この食品トレ
ーに食品としてスライスハムを載せ、市販されている脱
酸素剤と共に包装用の袋に入れ真空包装した。この包装
された食品を5℃で30日間放置したが、食品は腐るこ
となく、良好に保存できた。また、包装された食品を食
品トレーごと電子レンジにて3分間加熱調理したが、食
品トレーは変形などすることなく良好に調理できた。
【0014】(実施例2)JIS K6767による見
掛けの密度が0.31g/cm3 、発泡倍率3倍、AS
TM D−2856にて測定した発泡体層の連続気泡率
が65%で、片側にポリプロピレン系樹脂フィルムを貼
合せてなる厚さ3mmのポリプロピレン系樹脂発泡シー
トを用いて前記フィルム層を内側にして食品トレーを作
り実施例1と同様にして評価を行った。樹脂発泡シート
の2次成形性は良好であり、また、ハムから出た水分、
汁なども食品トレーの発泡体層に浸透せず、食品トレー
の外観を汚すことがなかった。この食品トレーにて包装
されたハムを5℃で30日間放置したが、ハムは腐るこ
となく、良好に保存できた。
【0015】(実施例3)実施例1で用いたと同じポリ
プロピレン系樹脂発泡シートをスキン層を内側にして真
空成形により2次成形して、タテ80mm×ヨコ80m
m×深さ10mmの皿形状のトレーを得た。このトレー
に電子部品を入れ、脱酸素剤と共に真空包装した。これ
を常温で1か月間放置したが、真空包装した電子部品の
端子部の表面は酸化されず、良好な状態に保存できた。
【0016】(比較例1)JIS K6767による見
掛けの密度が0.20g/cm3 、発泡倍率5倍、AS
TM D−2856にて測定した発泡体層の連続気泡率
5%で、両側に非発泡体層の無い厚さ2mmのポリスチ
レン系樹脂発泡シートを用いてトレーを作り、これを用
いて実施例1と同様な方法にて評価を行った。結果は、
用いた脱酸素剤の効力は低減し、包装したハムは腐り、
食用には耐えないものとなった。 (比較例2)JIS K6767による見掛けの密度が
0.30g/cm3 、発泡倍率3.1倍、ASTM D
−2856にて測定した発泡体層の連続気泡率が15%
で、両側に非発泡体層が無い厚さ2mmのポリプロピレ
ン系樹脂発泡シートを用いてトレーを作り、これを用い
て実施例1と同様の方法にて評価を行った。結果は、3
日経過後において脱酸素剤の効力は低減し、包装したハ
ムは腐り始めた。
【0017】(比較例3)JIS K6767による見
掛けの密度が0.30g/cm3 、発泡倍率3.3倍、
ASTM D−2856にて測定した発泡体層の連続気
泡率が60%で、両側に非発泡体層の無い厚さ2mmの
ポリプロピレン系樹脂発泡シートを用いて真空成形を行
ったが、成形部のカド部分より破れ、目的のトレーの形
状に成形できなかった。 (比較例4)JIS K6767による見掛けの密度が
0.30g/cm3 、発泡倍率4倍、ASTM D−2
856にて測定した発泡体層の連続気泡率が60%で、
両側に非発泡体層の無い厚さ2mmの低密度ポリエチレ
ン系樹脂発泡シートを用いてトレーを作り、これを用い
て実施例1と同様の方法にて評価を行った。包装された
食品はトレーの剛性不足から自立性を失っていたが、食
品は腐ることなく良好に保存できた。しかし、前記包装
された食品をトレーごと電子レンジにて3分間加熱調理
したところ、トレーは変形し、一部溶融したトレーの素
材が食品に付着した。
【0018】(実施例4)エチレン含量10wt%、M
FR 0.5g/10minのエチレン−プロピレンブ
ロック共重合体45wt%とエチレン含量3wt%、M
FR 8g/10minのエチレン−プロピレンブロッ
ク共重合体55wt%の配合の樹脂組成物を65mmφ
押出機に投入し、押出機途中のシリンダーより炭酸ガス
を8kg/cm2 の圧力で圧入した後、幅400mmの
Tダイより押出すと共に厚さ5mmの樹脂発泡シートを
得るべく発泡させた。この時、Tダイ直後の樹脂発泡シ
ートの表面温度は180℃であった。この押出された樹
脂発泡シートを図3に示したTダイ1の直後に設けた4
0mmφの金属ロール2a、2bが長手方向に5対連設
し、水循環により温度調節して20℃に設定した金属ロ
ール式冷却成形機2に導いた。この金属ロール式冷却成
形機2の1段目の金属ロール対のロール間隙は、5.0
mm、2段目以降は4.5mmとした。前記1段目の金
属ロール対2a、2bを通過した時点(図3のA点)の
樹脂発泡シートの表面温度は100℃であり、表面より
2.5mmの中心部では165℃であった。金属ロール
式冷却成形機2より出た樹脂発泡シート3は、その表裏
両面にスキン層が形成された厚さ5mm、発泡倍率3.
2倍のもので、ASTM D−2856にて測定した発
泡体層の連続気泡率は70%であり、JIS K676
7による見掛けの密度は0.30g/cm3 であった。
得られた樹脂発泡シートを、厚さ方向にスライスして得
た厚さ2mmのポリプロピレン系樹脂発泡シートをその
スキン層を内側にして真空成形により、タテ180mm
、ヨコ120mm 、深さ10mmの皿形状の食品ト
レーを成形した。この食品トレーに食品としてスライス
ハムを載せ、市販されている脱酸素剤と共に包装用の袋
に入れ真空包装した。この包装された食品を5℃で30
日間放置したが、包装した食品は腐ることなく、良好に
保存できた。また、この包装された食品を電子レンジに
て3分間加熱調理したが、食品トレーは変形などするこ
となく、良好に調理できた。
【0019】(実施例5)実施例4に示した樹脂組成物
を用いて、金属ロール式冷却成形機2の各金属ロールの
温度を25℃に設定したこと、冷却成形機2の1段目の
ロール2a、2bの間隙は、3.0mm 、2段目は
2.4mm 、3段目は2.4mm 、4段目は3.0
mm 、5段目は3.0mmとした以外は、実施例4と
同様にして樹脂発泡シートを製造した。金属ロール式冷
却成形機2の1段目の金属ロール2a、2b通過後の樹
脂発泡シートの表裏面の温度は108℃であり、中心部
の温度は、170℃であった。 以上により、表裏両面
にスキン層が形成された厚さ3mm、発泡倍率3.1倍
の樹脂発泡シート3が得られた。この樹脂発泡シートの
ASTM D−2856にて測定した発泡体層の連続気
泡率は72%であり、また、JIS K6767による
見掛けの密度は0.1g/cm2 であった。得られた樹
脂発泡シートを実施例4と同様に真空成形により、タテ
180mm、ヨコ120mm 、深さ10mm の皿形
状の食品トレーを成形した。この食品トレーに食品とし
てスライスハムを載せ、市販されている脱酸素剤と共に
包装用の袋に入れ真空包装した。この包装された食品を
5℃で30日間放置したが、食品は腐ることなく、良好
に保存できた。また、包装された食品を電子レンジにて
3分間加熱調理したが、食品トレーは変形などすること
なく、良好に調理できた。
【0020】(実施例6)実施例4にて用いた樹脂組成
物を用い、図4に示したような40mmφで温度20
℃、ロール間隙が5mmに設定された上下一対の金属ロ
ール4a、4bと、その設定温度が40℃、間隔を4.
5mmにした長さ200mmの上下一対の金属板5a、
5bを配置した構成の金属板式冷却成形機5を用いたこ
と以外は、実施例4と同様の方法により樹脂発泡シート
3の製造した。なお、前記一段目の金属ロール4a、4
b通過後の樹脂発泡シート(図4のA点)の表裏面の温
度は103℃であり、中心部の温度は、165℃であっ
た。以上により、表裏両面にスキン層が形成された厚さ
5mm、発泡倍率3.0倍の樹脂発泡シートが得られ
た。この樹脂発泡シートのASTM D−2836にて
測定した発泡体層の連続気泡率は78%で、JIS K
6767による見掛けの密度は0.15g/cm3 であ
った。
【0021】(実施例7)実施例4にて用いた樹脂組成
物を用い、、図5に示したようなTダイ1の直後に、設
定温度を40℃とし、上下間隔を5mmとした長さ10
0mmの上下一対の金属板5a、5bを配置した金属板
式冷却成形機5を用い、前記金属板式冷却成形機5を通
過した樹脂発泡シートをその直後に配置したロール間隙
4.0mmの60mmφの2対の金属ロール2a、2b
間に導いたこと以外は実施例4と同様の方法により、樹
脂発泡シート3を製造した。なお、前記金属板5a、5
bによる金属板式冷却成形後(図5のA点)の樹脂発泡
シートの表裏面の温度は90℃であり、中心部の温度は
155℃であった。得られた樹脂発泡シートは、その表
裏両面にスキン層が形成された厚さ5mm、発泡倍率
4.8倍のもので、ASTM D−2856にて測定し
た発泡体層の連続気泡率は80%、JIS K6767
による見掛けの密度は0.2g/cm2であった。
【0022】(比較例4)実施例4において、金属ロー
ル式冷却成形機2の、金属ロール2a、2bを95℃に
設定したこと、前記1段目のロールの間隙を5.0m
m、2段目以降は4.5mmとしたことを以外は実施例
4と同様にして厚さ5mmの樹脂発泡シートを製造し
た。なお、前記1段目金属ロール2a、2bを通過した
時点(図3のA点)の樹脂発泡シートの表面温度は16
5℃であり、表面より2.5mmの中心部では178℃
であった。冷却成形機2より出た樹脂発泡シートは、表
面からのガスの脱離が激しく、均一な樹脂発泡シートが
得られなかった。 (比較例5)金属ロール4a、4bの温度を50℃、金
属板式冷却成形機5の設定温度を80℃にしたことを除
き、実施例6と同様の方法により樹脂発泡シートを製造
した。なお、金属ロール4a、4b通過後の樹脂発泡シ
ートの表裏面の温度は163℃であり、中心部の温度
は、170℃であった。しかし、金属板式冷却成形機5
より出た樹脂発泡シートは、表面からのガスの脱離が激
しく、均一な発泡構造をもった樹脂発泡シートが得られ
ず、著しく外観の悪いものであった。
【0023】(比較例6)金属ロール式冷却成形機2の
金属ロール2a、2bの設定温度を20℃、ロール間隙
を2.5mm、にしたこと以外は実施例4と同様の方法
により樹脂発泡シートの製造を行った。得られた樹脂発
泡シートは、表面は平滑であったが中心層の気泡がつぶ
れ、気泡の融合が見られ、気泡は大変不均一なものであ
り、発泡倍率も1.6倍の低いものであった。 (比較例7)実施例4において、金属ロール式冷却成形
機2の40mmφの金属ロール2a、2bの間隙を5m
mに一定にしたこと、設定温度を5℃としたこと以外は
実施例4と同様に厚さ5mmの樹脂発泡シートを製造を
行った。なお、1段目金属ロール2a、2bを通過した
時点の樹脂発泡シートの表面温度は100℃であり、表
面より2.5mmの中心部では110℃であった。得ら
れた樹脂発泡シートは、発泡体層はほとんどが独立気泡
構造であり、連続気泡率を測定したところ5%であっ
た。
【0024】(比較例8)金属板5a、5bによる金属
板式冷却成形機5の温度設定を80℃、金属ロール4
a、4bの温度を50℃にしたこと以外は実施例6と同
様の方法により、樹脂発泡シートの製造を行った。な
お、金属ロール4a、4b通過後の樹脂発泡シートの表
裏面の温度は163℃であり、中心部の温度は、170
℃であった。冷却成形機2より出た樹脂発泡シートは、
表面からのガスの脱離が激しく、均一な発泡構造を持た
ず著しく外観の悪いものであった。
【0025】
【発明の効果】以上、説明したごとく、本発明の密閉包
装容器用熱可塑性樹脂発泡シートは、2次成形性に優
れ、また、2次成形した密閉包装容器は、脱酸素剤、乾
燥剤などを併用して密閉包装しても、脱酸素剤などの効
力に悪影響を及ぼさず、包装物品の長期保存ができる。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造
方法によれば、上記の密閉包装容器用として好適な厚さ
10mm以下、発泡倍率が5倍以下で、発泡体操の連続
気泡率が30〜90%で、JIS K6767による見
掛けの密度が0.09〜0,45g/cm3 の範囲内に
あるポリプロピレン系樹脂発泡シートが工業的に製造で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密閉包装容器用熱可塑性樹脂発泡シー
トの一実施例の断面説明図である。
【図2】本発明の密閉包装容器用熱可塑性樹脂発泡シー
トの他の実施例の断面説明図である。
【図3】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートの製
造方法にて用いた金属ロール式冷却成形機に説明図であ
る。
【図4】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートの製
造方法にて用いた金属板式冷却成形機に説明図である。
【図5】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートの製
造方法にて用いた金属ロール式冷却成形機と金属板式冷
却成形機の併用の冷却成形機の説明図である。
【符号の説明】
1..........Tダイ 2a、2b、4a、4b....金属ロール 2.........金属ロール式冷却成形機 3.........樹脂発泡シート 3a........非発泡体層 3b........発泡体層 5........金属板式冷却成形機 A.......温度測定位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 23:00 105:04 B29L 7:00 9:00 C08L 23:10 (72)発明者 小野 達也 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ10mm以下、発泡倍率が5倍以下
    で、少なくとも片側に非発泡体層を有する連続気泡構造
    を持ったポリプロピレン系樹脂発泡シートで、ASTM
    D−2856にて測定した発泡体層の連続気泡率が3
    0〜95%、JIS K6767による見掛けの密度が
    0.09〜0.45g/cm3 の範囲内にあることを特
    徴とする密閉包装容器用熱可塑性樹脂発泡シート。
  2. 【請求項2】 非発泡体層が樹脂フイルムの貼合により
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の密閉包
    装容器用熱可塑性樹脂発泡シート。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン系樹脂に発泡剤を混合
    し、これをダイより押し出して発泡させてポリプロピレ
    ン系樹脂発泡シートを得る製造方法において、前記樹脂
    組成物の融点以上の温度にてダイより押出されたポリプ
    ロピレン系樹脂発泡シートを、その表裏面温度を前記樹
    脂発泡シートの中間層の樹脂温度よりも低く保つと同時
    に、最終的に得られる製品厚みに対して5〜40%に圧
    縮するように外力を加えながら冷却成形する事を特徴と
    する密閉包装容器用熱可塑性樹脂発泡シートの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 ダイより押出された直後の樹脂発泡シー
    トの表面温度を140℃未満、中間層の樹脂温度が14
    0℃以上として冷却成形する請求項3記載の密閉包装容
    器用熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記外力を加えながら冷却成形する手段
    として、上下一対のロールを所望数長さ方向に併設して
    なるロール冷却成形機を用いる請求項3記載の密閉包装
    容器用熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記外力を加えながら冷却成形する手段
    として、樹脂発泡シートと面接触する上下一対の金属板
    をもった冷却成形機を用いる請求項3記載の密閉包装容
    器用熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記外力を加えながら冷却成形する手段
    として、上下一対のロールを所望数長さ方向に併設して
    なるロール冷却成形機と樹脂発泡シートと面接触する上
    下一対の金属板をもった冷却成形機を併用する請求項3
    記載の密閉包装容器用熱可塑性樹脂発泡シートの製造方
    法。
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