JP2017007296A - 断熱性能に優れた押出発泡成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 発泡剤としてフロン類を使用することなく、顕著な断熱性能の改善効果を有する断熱材用多層押出発泡成形体を安定的に得る方法を提供すること。【解決手段】 少なくとも1つの発泡剤を含有する溶融樹脂(A)および、少なくとも1つの発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)を高圧下で厚み方向である上下方向に合流させて得られる積層溶融樹脂(C)を、流れ方向に押し出しながら大気圧下に開放し、金型内で一定断面形状に整えた直後に、厚み方向に圧縮すると同時に、押出方向に延伸し、冷却固化することによって、発泡層と非発泡層の接着が安定化され、更に発泡層を形成するセルを断熱性に有利な形状に制御されて、断熱性に優れた多層押出発泡成形体が得られる。【選択図】図4
Description
本発明は、建築用、自動車用、土木用などの断熱材として好適に使用される多層押出発泡成形体の製造方法に関する。
従来から、発泡層/非発泡層からなる多層押出発泡成形について、プロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等で検討がなされてきた。これら多層押出発泡においては、表面層である非発泡層にしわの発生が無く表面性状の良好なプラスチック多層発泡ボードを作製する目的で、冷却ロールにより厚さ方向に加圧すること(特許文献1)、均一な厚みを持つ発泡体シートを得る目的で押出発泡体を引張り且つ圧縮すること(特許文献2)、が開示されている。
また、単層構造の発泡成形体を圧縮処理し成形体内にしわを発生させ、断熱性能、寸法安定性、透湿抵抗性を改善すること(特許文献3)が開示されている。
但し、特許文献1〜3の技術は、発泡層/非発泡層界面の接着性、(多層)発泡成形体の断熱性能の改善に大きく影響を及ぼすと考えられる発泡層の気泡の制御に関して、改善の余地があった。
本発明は、前記課題を解決するものであり、気泡形状が制御された、顕著な断熱性能の改善効果を有する断熱材用多層押出発泡成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決する為に鋭意検討した結果、下記の事項等を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)成形金型から出た直後の余熱を有し、各構成層の冷却固化がなされていない多層押出発泡成形体を、厚み方向に圧縮しながら冷却固化することにより、
発泡層/非発泡層の界面接着性を安定化させ、強固にさせると共に、発泡層を構成する気泡の厚み方向の気泡径を小さくし、高断熱性に有利な気泡構造である押出方向に引き伸ばされた(扁平化した)気泡構造とすることが可能となること。
(2)成形金型から出た直後の余熱を有し、各構成層の冷却固化がなされていない多層押出発泡成形体を、押出方向に延伸しながら冷却固化することにより、
発泡層を構成する気泡の押出方向の気泡径を大きくし、高断熱性に有利な気泡構造である押出方向に引き伸ばされた(扁平化した)気泡構造とすることが可能となること。
(1)成形金型から出た直後の余熱を有し、各構成層の冷却固化がなされていない多層押出発泡成形体を、厚み方向に圧縮しながら冷却固化することにより、
発泡層/非発泡層の界面接着性を安定化させ、強固にさせると共に、発泡層を構成する気泡の厚み方向の気泡径を小さくし、高断熱性に有利な気泡構造である押出方向に引き伸ばされた(扁平化した)気泡構造とすることが可能となること。
(2)成形金型から出た直後の余熱を有し、各構成層の冷却固化がなされていない多層押出発泡成形体を、押出方向に延伸しながら冷却固化することにより、
発泡層を構成する気泡の押出方向の気泡径を大きくし、高断熱性に有利な気泡構造である押出方向に引き伸ばされた(扁平化した)気泡構造とすることが可能となること。
すなわち、本発明は、
[1] 少なくとも1つの発泡剤を含有する溶融樹脂(A)および、少なくとも1つの発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)を高圧下で、厚み方向である上下方向に合流させて得られる積層溶融樹脂(C)を、流れ方向に押し出しながら大気圧下に開放し、成形金型で一定断面の形状に整えて連続的に成形する多層押出発泡成形体の製造方法であって、
成形金型内で一定断面形状に整えた直後に、厚み方向に圧縮すると同時に、押出方向に延伸しながら、冷却固化することを特徴とする、多層押出発泡成形体の製造方法、
[2] 成形金型内で一定断面形状に整えられた多層押出発泡成形体を、厚み方向に圧縮する比率[=(圧縮前の成形体厚み−圧縮後の成形体厚み)/圧縮前の成形体厚み]と、押出方向に延伸する比率[=(延伸後の線速−延伸前の線速)/延伸前の線速]を一致させることを特徴とする、[1]記載の多層押出発泡成形体の製造方法、
[3] 厚み方向での圧縮および押出方向での延伸を同時に行う冷却固化工程を、
厚み方向に配置される、表面温度調整が可能なガイドロール対が、押出方向に2組以上配置されてなる多段ロール対を用いて行い、
多段ロール対を構成する各ガイドロール対が、下流側にいくに従いロール間の隙間が小さく、且つ、下流側にいくに従い線速が大きいことを特徴とする、[1]または[2]に記載の多層押出発泡成形体の製造方法、
[4] 前記多段ロール対を構成する各ガイドロール対の回転軸の間隔および回転軸の回転速度が等しく、且つ、下流側にいくに従い各ロール対の外径が大きいことを特徴とする、 [3]記載の多層押出発泡成形体の製造方法、および
[5] 前記多段ロール対を構成する各ガイドロール対の表面温度が、下流側にいくに従い低いことを特徴とする、[3]または[4]記載の多層押出発泡体の製造方法
に関する。
[1] 少なくとも1つの発泡剤を含有する溶融樹脂(A)および、少なくとも1つの発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)を高圧下で、厚み方向である上下方向に合流させて得られる積層溶融樹脂(C)を、流れ方向に押し出しながら大気圧下に開放し、成形金型で一定断面の形状に整えて連続的に成形する多層押出発泡成形体の製造方法であって、
成形金型内で一定断面形状に整えた直後に、厚み方向に圧縮すると同時に、押出方向に延伸しながら、冷却固化することを特徴とする、多層押出発泡成形体の製造方法、
[2] 成形金型内で一定断面形状に整えられた多層押出発泡成形体を、厚み方向に圧縮する比率[=(圧縮前の成形体厚み−圧縮後の成形体厚み)/圧縮前の成形体厚み]と、押出方向に延伸する比率[=(延伸後の線速−延伸前の線速)/延伸前の線速]を一致させることを特徴とする、[1]記載の多層押出発泡成形体の製造方法、
[3] 厚み方向での圧縮および押出方向での延伸を同時に行う冷却固化工程を、
厚み方向に配置される、表面温度調整が可能なガイドロール対が、押出方向に2組以上配置されてなる多段ロール対を用いて行い、
多段ロール対を構成する各ガイドロール対が、下流側にいくに従いロール間の隙間が小さく、且つ、下流側にいくに従い線速が大きいことを特徴とする、[1]または[2]に記載の多層押出発泡成形体の製造方法、
[4] 前記多段ロール対を構成する各ガイドロール対の回転軸の間隔および回転軸の回転速度が等しく、且つ、下流側にいくに従い各ロール対の外径が大きいことを特徴とする、 [3]記載の多層押出発泡成形体の製造方法、および
[5] 前記多段ロール対を構成する各ガイドロール対の表面温度が、下流側にいくに従い低いことを特徴とする、[3]または[4]記載の多層押出発泡体の製造方法
に関する。
本発明の発泡積層構造による効果は、以下のとおりである。
高圧下で発泡剤を含有する溶融樹脂(A)と発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)を高圧下で厚み方向である上下方向に合流させて得られる積層溶融樹脂(C)を、流れ方向に押し出しながら大気圧下に開放し、金型内で一定断面形状に整えた直後に、厚み方向に圧縮すると同時に、押出方向に延伸しながら、冷却固化することによって得られる多層押出発泡成形体は、発泡層/非発泡層の接着性が安定され、発泡層の気泡構造を、高断熱性の発現に有利な、押出方向に引き伸ばされた(扁平化した)形状に制御することが可能となる。その結果、得られた多層押出発泡体は断熱性能が向上する。
上記効果は、発泡成形体の断熱性改善を目的とする他の従来技術との組み合わせが可能であり、従来にない優れた断熱性能を有する多層押出発泡成形体の提供が期待できる。
高圧下で発泡剤を含有する溶融樹脂(A)と発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)を高圧下で厚み方向である上下方向に合流させて得られる積層溶融樹脂(C)を、流れ方向に押し出しながら大気圧下に開放し、金型内で一定断面形状に整えた直後に、厚み方向に圧縮すると同時に、押出方向に延伸しながら、冷却固化することによって得られる多層押出発泡成形体は、発泡層/非発泡層の接着性が安定され、発泡層の気泡構造を、高断熱性の発現に有利な、押出方向に引き伸ばされた(扁平化した)形状に制御することが可能となる。その結果、得られた多層押出発泡体は断熱性能が向上する。
上記効果は、発泡成形体の断熱性改善を目的とする他の従来技術との組み合わせが可能であり、従来にない優れた断熱性能を有する多層押出発泡成形体の提供が期待できる。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る製造装置は、加熱可塑化された溶融樹脂を流れ方向(図中矢印参照。)に押し出しながら、成形金型内で一定断面の形状に整えた直後に、圧縮/延伸/冷却処理(成形処理)を実施しながら、連続的に成形するものである。
製造装置は、発泡用押出機1、非発泡用押出機2、発泡用ギヤポンプ3、非発泡用ギヤポンプ4、積層装置5、積層2倍化装置6、成形金型7、並びに、成形処理機8からなる装置である。(以後、積層装置5、積層2倍化装置6を総称して「多層積層装置9」と称する、また、積層装置5、積層2倍化装置6、成形金型7を総称して「多層発泡装置10」と称する場合もある。)
ここで、発泡用押出機1とは、熱可塑性樹脂(必要に応じて、添加剤を添加しても良い)の溶融混練、発泡剤の圧入、冷却機構を有しており、発泡剤を含有する溶融樹脂(A)を加圧して供給する押出機である。
製造装置は、発泡用押出機1、非発泡用押出機2、発泡用ギヤポンプ3、非発泡用ギヤポンプ4、積層装置5、積層2倍化装置6、成形金型7、並びに、成形処理機8からなる装置である。(以後、積層装置5、積層2倍化装置6を総称して「多層積層装置9」と称する、また、積層装置5、積層2倍化装置6、成形金型7を総称して「多層発泡装置10」と称する場合もある。)
ここで、発泡用押出機1とは、熱可塑性樹脂(必要に応じて、添加剤を添加しても良い)の溶融混練、発泡剤の圧入、冷却機構を有しており、発泡剤を含有する溶融樹脂(A)を加圧して供給する押出機である。
非発泡用押出機2とは、溶融混練機構を有して、発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)を加圧して供給する押出機である。
発泡用ギヤポンプ3とは、発泡用押出機1から供給される、発泡剤を含有する溶融樹脂(A)の樹脂圧力を調整すると共に、多層積層装置9に対して発泡剤を含有する溶融樹脂(A)を定量的に供給する定量ポンプである。なお、発泡用ギヤポンプ3は、本発明において必ずしも必須の装置ではなく、発泡剤を含有する溶融樹脂(A)の樹脂圧力調整、定量供給に有効なため使用することが好ましい装置である。
非発泡用ギヤポンプ4とは、非発泡用押出機2から供給される、発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)の樹脂圧力を調整すると共に、多層積層装置9に対して発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)を定量的に供給する定量ポンプである。なお、非発泡用ギヤポンプ4は、本発明において必ずしも必須の装置ではなく、発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)の樹脂圧力調整、定量供給に有効なため使用することが好ましい装置である。
積層装置5とは、発泡用ギヤポンプ3または発泡用押出機1から供給される、発泡剤を含有する少なくとも1つの溶融樹脂(A)および、非発泡用ギヤポンプ4または非発泡用押出機2から供給される、発泡剤を含有しない少なくとも1つの溶融樹脂(B)を、厚み方向である上下方向に合流させて積層溶融樹脂(C)を得る積層装置であり、例えば、フィードブロック、マルチマニホールドダイ、マルチダイ等が例示される。
積層2倍化装置6とは、前記積層溶融樹脂(C)を、幅方向である左右方向中央で分割して、2つの分割積層樹脂とし、これら分割積層溶融樹脂を上下に重ね合わせるように合流させて倍加積層溶融樹脂とする装置である。なお、積層2倍化装置6は、本発明において必ずしも必須の装置ではなく、層数を効率的に増加させることが可能なため、層数の多い多層押出発泡成形体を作製する際に使用することが好ましい装置である。
成形金型7とは、前記積層溶融樹脂(C)あるいは倍化積層溶融樹脂を、一定の断面形状を有するダイス開口部を通して大気圧下に開放して発泡剤を気化させることによって高倍化された、多層押出発泡体を一定断面形状に整える成形金型である。
なお、本発明においては、図2に示すように、形成金型から押し出された直後の多層押出発泡成形体に関して、成形体の流れ方向を「押出方向(「長さ方向」と称する場合もある。)」、流れ方向に垂直な上下方向「厚み方向」、流れ方向に垂直な横方向「巾方向」と定義する。
なお、本発明においては、図2に示すように、形成金型から押し出された直後の多層押出発泡成形体に関して、成形体の流れ方向を「押出方向(「長さ方向」と称する場合もある。)」、流れ方向に垂直な上下方向「厚み方向」、流れ方向に垂直な横方向「巾方向」と定義する。
成形処理機8とは、成形金型7内で一定断面形状に整えた成形体を、厚み方向に圧縮すると同時に、押出方向に延伸しながら、冷却固化させる機能を有する設備である。
成形金型7から出た直後の余熱を有し各構成層の冷却固化がなされていない多層押出発泡成形体を、厚み方向に圧縮しながら冷却固化することにより、発泡層/非発泡層の界面接着性を安定化させ、強固にさせると共に、発泡層を構成する気泡の厚み方向の気泡径を小さくし、高断熱の発現に有利な気泡構造である押出方向に引き伸ばされた(扁平化した)気泡構造とすることを可能となる。
また、成形金型7から出た直後の余熱を有し各構成層の冷却固化がなされていない多層押出発泡成形体を、押出方向に延伸しながら冷却固化させることにより、発泡層を構成する気泡の押出方向の気泡径を大きくし、高断熱の発現に有利な気泡構造である押出方向に引き伸ばされた(扁平化した)気泡構造とすることを可能となる。
成形金型7から出た直後の余熱を有し各構成層の冷却固化がなされていない多層押出発泡成形体を、厚み方向に圧縮しながら冷却固化することにより、発泡層/非発泡層の界面接着性を安定化させ、強固にさせると共に、発泡層を構成する気泡の厚み方向の気泡径を小さくし、高断熱の発現に有利な気泡構造である押出方向に引き伸ばされた(扁平化した)気泡構造とすることを可能となる。
また、成形金型7から出た直後の余熱を有し各構成層の冷却固化がなされていない多層押出発泡成形体を、押出方向に延伸しながら冷却固化させることにより、発泡層を構成する気泡の押出方向の気泡径を大きくし、高断熱の発現に有利な気泡構造である押出方向に引き伸ばされた(扁平化した)気泡構造とすることを可能となる。
ただし、余熱状態の多層押出発泡成形体を、厚み方向に圧縮処理することにより、成形体厚みの低減/成形体密度の増加の可能性があり、コスト的に不利となる懸念がある。また、成形体の表層部分が局部的に圧縮されて座屈して、成形体の機械的強度が悪化する懸念がある。
また、余熱状態の多層押出発泡成形体を前後方向に延伸処理することにより、非発泡層膜厚、発泡層を構成する気泡の膜厚が減少し、各々の膜を輻射熱が透過する際の遮蔽効果が減少し、断熱性能の改善が計れない可能性がある。
また、余熱状態の多層押出発泡成形体を前後方向に延伸処理することにより、非発泡層膜厚、発泡層を構成する気泡の膜厚が減少し、各々の膜を輻射熱が透過する際の遮蔽効果が減少し、断熱性能の改善が計れない可能性がある。
これら懸念事項を払拭する目的で、成形処理機内における圧縮処理率(圧縮率/圧縮処理開始点からの距離)および成形処理機内における延伸処理率((延伸率/延伸処理開始点からの距離)を成形処理機内で一定とし、
圧縮率と延伸率の比を好ましくは0.7以上1.3未満、より好ましくは0.8以上1.2未満とし、更に好ましくは0.9以上1.1未満と設定することが好ましい。
圧縮処理による圧縮率と延伸処理による延伸率の比を前記の範囲にすることにより、圧縮処理による成形体密度の増加が抑制されると共に、成形体の表層部分の局部的圧縮が抑制され、また、延伸処理による非発泡層膜厚、発泡層気泡の膜厚の減少が抑制され、得られる多層押出発泡体はコスト競争力があり機械的強度、断熱性に優れるものとなる。
圧縮率と延伸率の比を好ましくは0.7以上1.3未満、より好ましくは0.8以上1.2未満とし、更に好ましくは0.9以上1.1未満と設定することが好ましい。
圧縮処理による圧縮率と延伸処理による延伸率の比を前記の範囲にすることにより、圧縮処理による成形体密度の増加が抑制されると共に、成形体の表層部分の局部的圧縮が抑制され、また、延伸処理による非発泡層膜厚、発泡層気泡の膜厚の減少が抑制され、得られる多層押出発泡体はコスト競争力があり機械的強度、断熱性に優れるものとなる。
ここで、圧縮率とは、(圧縮処理前の装置設定厚み−圧縮処理後の装置設定厚み)/圧縮処理前の装置設定厚みで算出される値である。圧縮率が大きいほど、圧縮処理の程度が大きくなることを示している。
なお、圧縮処理前の装置設定厚みは、成形処理機8に導入される直前の成形体厚みに合わせるように設定された厚みであり、押出成形の状況に応じて目視で微調整されるものである。
なお、圧縮処理前の装置設定厚みは、成形処理機8に導入される直前の成形体厚みに合わせるように設定された厚みであり、押出成形の状況に応じて目視で微調整されるものである。
ここで、延伸率とは、(延伸処理後の装置の設定した線速−延伸処理前の装置の設定した線速)/延伸処理前の装置の設定した線速)で算出され、延伸率が大きいほど延伸処理の程度が大きくなることを示している。
なお、延伸処理前の装置の設定した線速は、成形処理機8に導入される直前の成形体の線速に合わせるように設定された線速であり、押出成形の状況に応じて微調整されるものである。
なお、延伸処理前の装置の設定した線速は、成形処理機8に導入される直前の成形体の線速に合わせるように設定された線速であり、押出成形の状況に応じて微調整されるものである。
圧縮処理率とは、(ある位置での圧縮率/成形処理機内の圧縮処理開始点からの距離)で算出され、成形処理機内の経過距離と圧縮率との関係を示している。
成形処理機内で圧縮処理率が一定でないと、成形処理機内で、局部的な圧縮が加わって成形体詰り、成形体流れ不良が発生する懸念がある。これは、生産不安定化と共に、成形体品質の不安定化、圧縮処理効果発現の不安定化に繋がる。これらの理由から、成形処理機内の圧縮処理率は一定に設定することが、好ましい。
成形処理機内で圧縮処理率が一定でないと、成形処理機内で、局部的な圧縮が加わって成形体詰り、成形体流れ不良が発生する懸念がある。これは、生産不安定化と共に、成形体品質の不安定化、圧縮処理効果発現の不安定化に繋がる。これらの理由から、成形処理機内の圧縮処理率は一定に設定することが、好ましい。
延伸処理率とは、(ある位置での延伸率/成形処理機内の延伸処理開始点からの距離)で算出され、成形処理機内の経過距離と延伸率の関係を示している。
成形処理機内で延伸処理率が一定でないと、成形処理機内で、局部的な延伸が加わり成形体の切断、局部的な延伸、シワ、傷の外観不良が発生する懸念がある。これは、生産不安定化、収率悪化と共に成形体品質の不安定化、延伸処理効果発現の不安定化に繋がる。これらの理由から、成形処理機内の延伸処理率は一定に設定することが、好ましい。
成形処理機内で延伸処理率が一定でないと、成形処理機内で、局部的な延伸が加わり成形体の切断、局部的な延伸、シワ、傷の外観不良が発生する懸念がある。これは、生産不安定化、収率悪化と共に成形体品質の不安定化、延伸処理効果発現の不安定化に繋がる。これらの理由から、成形処理機内の延伸処理率は一定に設定することが、好ましい。
図3、4、5、6に、成形処理機8の一形態を表す概略図を示す。
成形処理機8は、図3、4、5、6に示すように、厚み方向に配置されたガイドロール対が押出方向に対して2組以上配置されてなる多段ロールからなることが好ましい。
成形処理機8は、図3、4、5、6に示すように、厚み方向に配置されたガイドロール対が押出方向に対して2組以上配置されてなる多段ロールからなることが好ましい。
図面中、PGRは、多層押出発泡成形体に対して厚み方向に配置されたガイドロール対を示し、GRは、個々のガイドロールを示し、AGRは、ガイドロールの回転軸を示す。
Rはガイドロールの半径を示し、Δrは第1ロールを基準としたロール半径の差を示し、Dは第1ロール軸を基準としたロール軸の配置距離を示す。
1組のガイドロール対において、回転軸間の距離をLA、ロール対間の隙間をLと表す。破線は、ガイドロールの回転軸をつないだ線を示し、実線は、成形体が成形処理機8に導入された際のガイドロール外周と接する状態を示す。
Rはガイドロールの半径を示し、Δrは第1ロールを基準としたロール半径の差を示し、Dは第1ロール軸を基準としたロール軸の配置距離を示す。
1組のガイドロール対において、回転軸間の距離をLA、ロール対間の隙間をLと表す。破線は、ガイドロールの回転軸をつないだ線を示し、実線は、成形体が成形処理機8に導入された際のガイドロール外周と接する状態を示す。
また、上流から数えてn番目における、ガイドロールの半径をRn、第1ロールを基準としたロール半径の差をΔrn、第1ロール軸を基準としたロール軸の配置距離はDn、ガイドロール対の回転軸間の距離はLAn、ロール対間の隙間はLnと表す。なお、第1ロールを基準としたロール半径の差をΔrnとガイドロールRnの間には、Δrn=Rn−R1の関係が成り立ち、ロール対間の隙間Lnとガイドロール対の回転軸間の距離LAnの間はLn=LAn−2Rnの関係が成り立つ。
なお、ガイドロール軸の回転速度が一定(C)の場合、n番目のガイドロールによる前記の延伸率((n番目のガイドロールの設定線速(2πRnC)−1番目のガイドロールの設定線速(2πR1C)/1番目のガイドロールの設定線速(2πR1C))は、Δrn/R1で表され、n番目のガイドロールによる前記の延伸処理率(n番目のガイドロールによる延伸率(Δrn/R1)/第1ロール軸を基準としたn番目のガイドロールのロール軸の配置距離(Dn))は、Δrn/R1/Dnで表される。
また、n番目のガイドロールによる前記の圧縮率(第1ロールのロール対の隙間(L1)−n番目ロールのロール対の隙間(Ln))/第1ロールのロール対の隙間(L1))は、(LAn−LA1−2Δrn)/(LA1−2R1)で表され、n番目のガイドロールによる前記の圧縮処理率(n番目のガイドロールによる圧縮率/第1ロール軸を基準としたn番目のガイドロールのロール軸の配置距離(Dn))は、(LAn−LA1−2Δrn)/(LA1−2R1/Dnで表される。
圧縮処理を施す為の多段ロール対を構成する各ガイドロール対の隙間Ln(ロール外径間の隙間)は、図2、3に示すように、下流側にいくに従い小さいことが好ましい。また、延伸処理を施す為の各ガイドロール対の外径部の線速は、下流側にいくに従い大きくすることが好ましい。
各ロール対を構成するロールの外径は、図2に示すように、同一径でも良く、図3に示すように後段になるほど外径を大きくしてもよい。ただし、図3に示すように、後段になるほどロールの外径を大きくすると、多段ロールを構成する各ロール対の回転軸の上下間隔/回転速度を等しくすることで後段になるほどロール対の隙間が小さくなり、外径部の線速が大きくなる為、ロール対の隙間調整、線速調整が簡便となりより好ましい。
また、図4に示すように多段ロールを構成する各ロール対の回転軸の回転速度を等しくし、各ロール対軸の前後の間隔を均等に配置してロール外径を後段になるに従って一定割合で増加させ、前段と後段のロール対間隔を調整することにより、前記の成形処理機内における圧縮処理率(圧縮率/圧縮処理開始点からの距離)および成形処理機内における延伸処理率((延伸率/延伸処理開始点からの距離)を成形処理機内で一定とし、圧縮率と延伸率の比を簡便に調整することが可能となり更に好ましい。
なお、多段ロールを構成するガイドロールは、表面温度を調整する機構を有することが好ましい。
なお、多段ロールを構成するガイドロールは、表面温度を調整する機構を有することが好ましい。
ロール表面温度を調整する機構としては、ロール内部を単管構造、二重管構造、スパイラル管構造等とし、水、蒸気、オイル等の熱媒を循環させる機構、ジャケットヒーター、伝熱ヒーター等をロール内部または外周に設置し電熱により調整する機構等があげられる。
多段ロール対を構成する各ロール対の表面温度は、下流側にいくに従い低く設定することが好ましい。これは、余熱状態の多層発泡成形体を低い温度の前段ロールに接触させで急冷させると、それ以降のロール対による延伸処理、圧縮処理が困難となり、成形体表面にひび割れ、亀裂等の発生が懸念されることによる。この理由により多段ロール対のロール表面温度は、後段になるにしたがって若干量温度を下げ、徐冷圧縮/延伸処理により冷却固化させるのが好ましい。
図7に、積層装置5として一般的に使用されている、発泡剤を含有する溶融樹脂(A)および発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)を、厚み方向である上下方向に交互に合流させるフィードブロックの流路構造を示す(なお、図7は2種5層積層タイプである)。
3つ以上の発泡剤を含有する溶融樹脂(A)および、2つ以上の発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)を交互に合流させる場合のフィードブロックの流路構造としては、図5に示すように、1つの溶融樹脂(A)を挟み込むようにして、2つの発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)を上下方向に合流させて3層構造の積層溶融樹脂(C1)を作製した後、積層溶融樹脂(C1)を流れ方向に押し出しながら、積層溶融樹脂(C1)を挟み込むように、2つの発泡剤を含有する溶融樹脂(A)を高圧下で厚み方向である上下方向に合流させ、得られた積層溶融樹脂(C2)を流れ方向に押し出すように、逐次積層する方法が好ましい。
2種の溶融樹脂を2層ずつ逐次合流させる方法は、2種の溶融樹脂を同時に合流させる方法に比べて、層の乱れの発生頻度が低減させることができる。
図7に示すように、溶融樹脂(A)と溶融樹脂(B)の合流導入部は、特開昭60−230818号公報記載のような可動式ベーン11を有することが好ましい。
ここで、可動式ベーンは、図7に示すように、溶融樹脂(A)と溶融樹脂(B)、積層溶融樹脂(C1)と溶融樹脂(A)の合流面に接し、ベーンが支点を中心に振れることで流路径が調整され、溶融樹脂(A)と溶融樹脂(B)および積層溶融樹脂(C1)と溶融樹脂(A)の樹脂流速が等しくなるよう自動的に調整されることにより、層間での不安定現象を緩和する機構を担うものである。可動式ベーンを設置することによって、層間の波打ち現象等の層間不安定現象を緩和することが可能となる。
また、合流導入部の可動式ベーンは、オイル循環、水循環、ジャケットヒーター等で部分的に温調可能な機構を有することが好ましい。これは、合流導入部の可動式ベーンを温調し、溶融樹脂(A)および/または溶融樹脂(B)の樹脂温度よりも低く設定することにより、溶融樹脂(A)および溶融樹脂(B)の合流面が接触冷却され、溶融樹脂(A)と溶融樹脂(B)の樹脂流速が等しくなり、大気開放によって得られる多層押出発泡成形体の非発泡層/発泡層界面の接着性が安定化し、界面気泡の肥大化および破泡を抑制することが可能となり、得られる多層押出発泡成形体が断熱性能に優れたものとなることによる。
合流導入部の温度は、溶融樹脂(A)および/または溶融樹脂(B)の樹脂温度よりも5℃以上低く設定することが好ましく、10℃以上低く設定することがより好ましく、15℃以上低く設定することがさらに好ましい。
溶融樹脂(A)および/または溶融樹脂(B)の樹脂温度よりも5℃以上低く設定することによって、大気開放によって得られる多層押出発泡成形体の非発泡層/発泡層界面の接着性が安定化し、界面部分の気泡の肥大化および破泡を抑制することが可能となり、結果、得られる多層押出発泡成形体が断熱性能に優れたものとなることによる。
図1に示す製造装置を使用して多層押出発泡成形体を作製する場合、発泡剤を含有する溶融樹脂(A)中の発泡剤が、大気圧下に開放されるまでに経由する流路内で発泡すると、発泡層では気泡肥大化、低独立気泡率化が起こり、得られる多層押出発泡成形体は多層化によって期待される熱伝導率の低減効果が発現しないものとなる傾向がある。
そのため、押出機等の加圧機構の無い多層発泡装置10内の樹脂圧力を、流路内で発泡しない樹脂圧力に保つ必要がある。
ただし、多層発泡装置10は、複雑な流路形状を有し、かつ、流路長が長いため、圧力損失が大きく、発泡用押出機1、非発泡用押出機2による加圧のみでは多層発泡装置10内の樹脂圧力保持が困難となる傾向がある。なお、多層発泡装置10内の圧力保持のために吐出量を増大させる、多層発泡装置10内の樹脂温度を低下させて樹脂溶融粘度を増大させる、成形金型7の樹脂流路を狭める等の操作を行うことにより、発泡用押出機1、非発泡用押出機2の樹脂圧力が増大すると、発泡剤の圧入不安定化、樹脂の供給不安定化、過負荷による押出機の破損、等に繋がる可能性がある。
上記懸念を払拭し多層発泡装置10内の樹脂圧力を、流路内で発泡しない樹脂圧力に保つ方法として、多層押出発泡体の製造装置内にギヤポンプ3,4を導入することがあげられる。
上記懸念を払拭し多層発泡装置10内の樹脂圧力を、流路内で発泡しない樹脂圧力に保つ方法として、多層押出発泡体の製造装置内にギヤポンプ3,4を導入することがあげられる。
本発明に使用されるギヤポンプ3、4は、一定の流量が得られる定容積型ポンプに分類されるもので、1個のドライブギヤと1個のフリーギヤからなる歯車2列型;1個のドライブギヤと2個のフリーギヤからなる歯車3列型;1個のドライブギヤと複数個のフリーギヤからなる歯車遊星型;等があり、用途に応じて選択される。
その原理としては、(1)〜(3)の作用により、一定量の吐出量を確保するものである。
(1)ギヤポンプの入口部において、回転により歯車の噛み合いが離れるときに、ギヤの歯溝に溶融樹脂が充填される。
(2)歯溝に溜まった溶融樹脂は、ケーシングと側板によって閉じ込められ、回転に従ってケーシングの内側に沿って出口部の方向に移動する。
(3)出口部でギヤの歯が噛み合うことによって、溶融樹脂が押し出され、一定量吐出される。
(1)ギヤポンプの入口部において、回転により歯車の噛み合いが離れるときに、ギヤの歯溝に溶融樹脂が充填される。
(2)歯溝に溜まった溶融樹脂は、ケーシングと側板によって閉じ込められ、回転に従ってケーシングの内側に沿って出口部の方向に移動する。
(3)出口部でギヤの歯が噛み合うことによって、溶融樹脂が押し出され、一定量吐出される。
従って、押出機先端部分の樹脂圧力に若干の変動があっても、ギヤポンプを用いることにより、ギヤポンプが変動を吸収するため、下流の樹脂圧力の変動は非常に小さなものとなる。
なお、ギヤポンプによる定量供給性能を向上させるために、ギヤポンプ導入前の樹脂圧力を一定に保持できるように押出機の回転数にフィードバックを掛け回転数を自動制御する方法が好ましい。
本発明で使用される発泡用ギヤポンプ3は、発泡剤を含有する溶融樹脂(A)を、定量的に積層装置5に供給する役割に加え、多層発泡装置10内の樹脂圧力保持のため、発泡剤を含有する溶融樹脂(A)の樹脂圧力を昇圧して圧力変動を抑えた状態で積層装置5に供給する役割を担う。
本発明で使用される非発泡用ギヤポンプ4は、発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)を、定量的に積層装置5に供給する役割に加え、多層発泡装置10内の樹脂圧力保持のため、発泡剤を含まない溶融樹脂の樹脂圧力を昇圧して圧力変動を抑えた状態で積層装置5に供給する役割を担う。
また、発泡用ギヤポンプ3を用いると共に、発泡剤を含む溶融樹脂の樹脂選択、発泡剤量調整、樹脂温度調整等による粘度調整、または、吐出量調整によって、発泡剤を含有する溶融樹脂(A)が積層装置5に供給される際の樹脂圧力を調整することが可能である。
さらに、非発泡用ギヤポンプ4を用いると共に、発泡剤を含まない溶融樹脂の、樹脂選択、可塑剤量調整、樹脂温度調整等による粘度調整、または、吐出量調整によって、発泡剤を含まない溶融樹脂が積層装置5に供給される際の樹脂圧力を調整することが可能である。
その結果、積層発泡装置9内の樹脂圧力の調整が可能となり、多層押出発泡成形体を構成する発泡層の気泡径を制御することが可能となる。
前記のような、発泡剤を含有する溶融樹脂(A)および、発泡剤を含まない溶融樹脂を厚み方向に合流させ大気圧下に開放する共押出法により多層押出発泡成形体を得ることの意味は、経済的な有利性に加え、製造直後に成形体温度が低下することにより、発泡層を構成する気泡の内圧が減圧となることによって発生する発泡層気泡内への空気の侵入を非発泡層が抑止することができ、高断熱化が期待されることによる。
更に、厚み方向に発泡層の両面が非発泡層によって被覆された構造をとることにより、外気からの発泡層気泡内への空気の浸入が抑制され、得られる発泡体の断熱性能をさらに改善することができる。
また、厚み方向に合流させることの意味は、多層化によって期待される熱伝導率の低減効果を発現しやすい構造を得ることができることによる。これは、断熱材の熱伝導率がJIS A9511に規定されるように、断熱材の厚み方向で測定されるため、厚み方向に非発泡層が複数層存在することにより、発泡層間の輻射伝熱を抑制する効果が期待され、また、発泡層を被覆する非発泡層の面積が広くなることにより、効率的なガスバリアー効果が期待されることによる。
このため、発泡剤を含有する溶融樹脂(A)および、発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)を厚み方向に合流させて得られる多層押出発泡成形体は、熱伝導率が低く断熱性が良好なものとなる。
一方、左右方向に合流させた場合は、得られる多層押出発泡成形体は、発泡層に比べて熱伝導率の高い非発泡層を熱量が伝熱する(熱橋として働く)ため、熱伝導率が高く断熱性能に劣るものとなる傾向がある。
各々の溶融樹脂を多層積層装置9にて多層状に合流させ積層する方法としては、特に限定されず、積層装置5を用いた方法、例えば、共押出フィルムで一般に使用されているフィードブロック法、マルチマニホールド法;特公昭54−23025号公報、特開平4−278323号公報等に記載の積層装置5で複数の層からなる積層流を作った後、積層2倍化装置6を用いて分割・積層を繰り返す方法;特表2005−523831号公報、特開2004−249520号公報、等に記載の複数の分割流を作った後、逐次積層する方法、等が挙げられる。
多層押出発泡成形体を製造する際の多層積層装置9の温度は、多層積層装置9に供給される発泡剤含有溶融樹脂の樹脂温度に等しいか、異なっていても±10℃以下が好ましい。温度差が±10℃以下の場合、発泡適正温度領域での成形加工が可能となり、高倍率で高独立気泡率の良好な発泡層を有する多層押出発泡成形体を得ることができる。
多層押出発泡成形体を製造する際の多層積層装置9内の圧力は、多層積層装置9に供給される発泡剤を含有する溶融樹脂(A)が多層積層装置9内で発泡を起こさない圧力に設定および発泡用ギヤポンプ3、非発泡用ギヤポンプ4によって調整される。但し、多層積層装置9内で発泡を起こさない圧力は、発泡剤種、発泡剤量、発泡剤を含有する溶融樹脂(A)の樹脂温度に依存するため、一概には設定できない。
本発明において、成形金型7を用いた発泡成形方法も特に制限されないが、例えば、スリットダイより圧力開放して得られた発泡体をスリットダイと密着または接して設置した成形金型および成形ロールなどを用いて、断面積の大きい板状発泡体を成形する一般的な方法を用いることができる。
なお、発泡用押出機1を用いた発泡層の構成樹脂の溶融混練に関しては、
(i)熱可塑性樹脂に、発泡剤、必要に応じて後述する添加剤を混合した後、加熱溶融する、
(ii)熱可塑性樹脂に、必要に応じて後述する添加剤から選ばれる1種以上を混合した後、加熱溶融し、これに残りの後述する添加剤をそのまま、または必要によって液体化または溶融させた状態で添加し加熱混合する、
(iii)予め熱可塑性樹脂に、必要に応じて後述する添加剤から選ばれる1種以上の添加剤を混合した後、加熱溶融した組成物を準備し、次いで、該組成物と残りの後述する添加剤、必要に応じて熱可塑性樹脂を改めて混合し、発泡用押出機1に供給して加熱溶融する、
等、熱可塑性樹脂、必要に応じて、後述する添加剤を加熱溶融押出機に供給し、その後、任意の段階において高圧条件下で発泡剤を熱可塑性樹脂に添加し、流動ゲルとなす。その後、該流動ゲルは、押出発泡に適する温度に冷却した後、積層装置5に供給される。
(i)熱可塑性樹脂に、発泡剤、必要に応じて後述する添加剤を混合した後、加熱溶融する、
(ii)熱可塑性樹脂に、必要に応じて後述する添加剤から選ばれる1種以上を混合した後、加熱溶融し、これに残りの後述する添加剤をそのまま、または必要によって液体化または溶融させた状態で添加し加熱混合する、
(iii)予め熱可塑性樹脂に、必要に応じて後述する添加剤から選ばれる1種以上の添加剤を混合した後、加熱溶融した組成物を準備し、次いで、該組成物と残りの後述する添加剤、必要に応じて熱可塑性樹脂を改めて混合し、発泡用押出機1に供給して加熱溶融する、
等、熱可塑性樹脂、必要に応じて、後述する添加剤を加熱溶融押出機に供給し、その後、任意の段階において高圧条件下で発泡剤を熱可塑性樹脂に添加し、流動ゲルとなす。その後、該流動ゲルは、押出発泡に適する温度に冷却した後、積層装置5に供給される。
熱可塑性樹脂と発泡剤などの添加剤を加熱溶融混練する際の加熱温度、溶融混練時間および溶融混練手段については、特に制限するものではない。
加熱温度は、使用する熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であればよいが、難燃剤などの影響による樹脂の分子劣化ができる限り抑制される温度、例えば150〜280℃程度が好ましい。溶融混練時間は、単位時間あたりの押出量、溶融混練手段などによって異なるので、一概には決定することができないが、熱可塑性樹脂と発泡剤が均一に分散混合するのに要する時間が適宜選ばれる。
また、溶融混練手段としては、例えばスクリュー型の押出機などがあげられるが、通常の押出発泡に用いられているものであれば特に限定はない。ただし、樹脂の分子劣化をできる限り抑えるため、スクリュー形状については、低剪断タイプのスクリュー形状を用いる方が好ましい。
また、非発泡用押出機2を用いた非発泡層の構成樹脂の溶融混練に関しても、例えば、
(i)熱可塑性樹脂に、必要に応じて後述する添加剤を混合した後、加熱溶融する、
(ii)熱可塑性樹脂に、必要に応じて後述する添加剤から選ばれる1種以上を混合した後、加熱溶融し、これに残りの後述する添加剤をそのまま、または必要により液体化または溶融させて添加し加熱混合する、
(iii)予め熱可塑性樹脂に、必要に応じて後述する添加剤から選ばれる1種以上の添加剤を混合した後、加熱溶融した組成物を準備し、次いで、該組成物と残りの後述する添加剤、必要に応じて熱可塑性樹脂を改めて混合し、押出機に供給して加熱溶融する、
等、熱可塑性樹脂、必要に応じて後述する添加剤を押出機に供給し、加熱溶融混練を行った後、該溶融混練物は多層積層装置9に供給される。
(i)熱可塑性樹脂に、必要に応じて後述する添加剤を混合した後、加熱溶融する、
(ii)熱可塑性樹脂に、必要に応じて後述する添加剤から選ばれる1種以上を混合した後、加熱溶融し、これに残りの後述する添加剤をそのまま、または必要により液体化または溶融させて添加し加熱混合する、
(iii)予め熱可塑性樹脂に、必要に応じて後述する添加剤から選ばれる1種以上の添加剤を混合した後、加熱溶融した組成物を準備し、次いで、該組成物と残りの後述する添加剤、必要に応じて熱可塑性樹脂を改めて混合し、押出機に供給して加熱溶融する、
等、熱可塑性樹脂、必要に応じて後述する添加剤を押出機に供給し、加熱溶融混練を行った後、該溶融混練物は多層積層装置9に供給される。
熱可塑性樹脂と添加剤を加熱溶融混練する際の加熱温度、溶融混練時間および溶融混練手段については特に制限するものではない。加熱温度は、使用する熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であればよいが、溶融樹脂が供給される多層積層装置9の設定温度と等しいか、異なっていても温度差が±20℃以内であることが好ましい。温度差が±20℃以下の場合、発泡層と非発泡層の界面部分に破泡がなく接着不良のない良好な多層押出発泡成形体を得ることができる。溶融混練時間は、単位時間あたりの押出量、溶融混練手段などによって異なるので、一概には決定することができないが、熱可塑性樹脂と添加剤が均一に分散混合するのに要する時間が適宜選ばれる。
また、溶融混練手段としては、例えばスクリュー型の押出機などがあげられるが、通常の樹脂押出に用いられているものであれば特に限定はない。ただし、樹脂の分子劣化をできる限り抑えるため、スクリュー形状については、低剪断タイプのスクリュー形状を用いる方が好ましい。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体の構造としては、図8(a)に示す発泡層/非発泡層/発泡層の如く、多層押出発泡成形体の厚み方向に発泡層が非発泡層を介して積層されてなる構造を有することが好ましい。これは、非発泡層の両面に発泡層が積層された構造において、非発泡層の膜厚が発泡層を構成する気泡の膜厚に対して厚いことにより、輻射伝熱の抑制に起因する熱伝導率低減効果が有効に作用することによる。なお、非発泡層/発泡層/非発泡層の如く、非発泡層の片面のみに発泡層が積層された構造では、非発泡層による輻射伝熱の抑制に起因する熱伝導率低減効果が十分発現しない傾向がある。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体の構造としては、図8(b)に示す発泡層/非発泡層/発泡層/非発泡層/発泡層の如く、非発泡層が複数層存在することがさらに好ましい。これは、押出発泡成形体の厚み方向に非発泡層を複数層設けることにより、1層の非発泡層では得られない優れた熱伝導率の低減効果が発現することによる。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体を構成する発泡層とは、複数の気泡が気泡壁(wall)および気泡壁結合部(struts)によって結合された気泡構造を有する層をいう。その形状としては、特に限定されず、フィルム形状、シート形状、ボード形状が挙げられ、これらの中でも、断熱性能を発現しやすいこと、多層押出発泡成形体に軽量性を付与できることより、シート形状、ボード形状が好ましい。
発泡層の密度は、目的とする多層押出発泡成形体の密度にもよるが、500kg/m3以下が好ましい。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体を構成する発泡層としては、厚み方向の平均気泡径が0.25mm以下の気泡構造を有することが好ましく、厚み方向の平均気泡径が0.10〜0.25mmの気泡構造を有することがより好ましく、厚み方向の平均気泡径が0.07〜0.20mmの気泡構造を有することが更に好ましい。
発泡層が厚み方向の平均気泡径が0.25mm以下の気泡構造を有する成形体は、断熱性に優れたものとなる。なお、厚み方向の平均気泡径が0.07mm以下の気泡構造となる場合、気泡壁、気泡壁結合部の厚みが薄くなり、気泡壁、気泡壁結合部を熱線が通過することによる輻射抑制効果が低減し、断熱性が悪化する場合がある。
多層押出発泡成形体の発泡層における厚み方向の平均気泡径を制御する方法としては、
(a)発泡用ギヤポンプ3、非発泡用ギヤポンプ4を用いると共に、溶融樹脂の、樹脂選択、発泡剤量調整、可塑剤量調整、樹脂温度調整等による粘度調整、または、吐出量調整によって、溶融樹脂が積層装置5に供給される際の樹脂圧力を調整する方法、
(b)シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機化合物などに代表される造核剤や、層状珪酸塩をスチレン系樹脂に添加し、これらの添加量により調整する方法、
(c)溶融混練手段である押出機のスクリュー形状や、加熱温度、圧力、溶融混練されたスチレン系樹脂組成物がダイリップから吐出される量、ダイス形状、吐出の際の樹脂温度などによって調整する方法、等が挙げられる。
(a)発泡用ギヤポンプ3、非発泡用ギヤポンプ4を用いると共に、溶融樹脂の、樹脂選択、発泡剤量調整、可塑剤量調整、樹脂温度調整等による粘度調整、または、吐出量調整によって、溶融樹脂が積層装置5に供給される際の樹脂圧力を調整する方法、
(b)シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機化合物などに代表される造核剤や、層状珪酸塩をスチレン系樹脂に添加し、これらの添加量により調整する方法、
(c)溶融混練手段である押出機のスクリュー形状や、加熱温度、圧力、溶融混練されたスチレン系樹脂組成物がダイリップから吐出される量、ダイス形状、吐出の際の樹脂温度などによって調整する方法、等が挙げられる。
なお、方法(b)(c)は、発泡倍率、独立気泡率、気泡扁平率(流れ方向の気泡径/厚み方向の気泡径)等に大きく影響を及ぼす傾向があり、また、気泡径を微調整するには簡便性に劣る傾向がある。 これに対して、ギヤポンプ3、4を用いる積層装置5に供給する際の樹脂圧力制御による気泡径制御方法(a)は、発泡倍率、独立気泡率、気泡扁平率等に及ぼす影響が、前記の気泡径制御方法に比べて小さく、また、気泡径の微調整が簡便に行える優れた方法である。
本発明の多層押出発泡成形体の製造方法によって、成形金型7内で一定断面形状に整えられ、前記(a)〜(c)方法等により、厚み方向の平均気泡径が制御された多層押出発泡成形体を成形処理機8によって、更に厚み方向の平均気泡径を小さくすること、多層押出成形体を構成する発泡層の気泡径のバラツキを低減すること、が可能となると共に、多層押出発泡成形体を構成する発泡層の厚み方向の平均気泡径(α)と押出方向の平均気泡径(β)の比(α/β)を小さくすることが可能となり、得られた多層押出発泡体は断熱性能が優れたものとなる。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体は、多層押出発泡成形体を構成する発泡層の厚み方向の平均気泡径(α)と押出方向の平均気泡径(β)の比(α/β)が0.3〜1.1を満たし、その結果、高断熱性を実現することが可能となる。
これは、α/βの比を1.1以下にすることにより、1.1を超える発泡層に比べ、単位厚みあたりの厚み方向における気泡数を増加させることができるなどの効果によるものと推測される。α/βの比を0.3以上とすることにより、得られた押出発泡体の圧縮強度を従来の発泡体と同等レベル程度に維持することができる厚み方向の平均気泡径(α)と押出方向の平均気泡径(β)の比(α/β)は、押出発泡体の圧縮強度と断熱性の両立という観点から0.3〜1.0を満たすことがより好ましい。
以下に、厚み方向の平均気泡径(α)と押出方向の平均気泡径(β)、および、その比(α/β)の算出方法について述べる。同様な気泡径を有する気泡のみから構成される発泡層の場合では、以下の方法で求められる。なお、前記厚み方向の平均気泡径(α)と押出方向の平均気泡径(β)はこの場合、厚み方向の平均気泡径(α1)と押出方向の平均気泡径(β1)に相当する。
(1)中央部に位置する発泡層の断面写真を顕微鏡、例えば、マイクロハイスコープ、走査型電子顕微鏡などを用いて倍率20〜200倍にて撮影する。このとき、厚み方向を縦方向、押出方向を横方向にて撮影する。また、倍率は気泡径により適宜選択される。
(2)縦方向に任意に2000μmの直線を3本引き、その直線に接する気泡の個数(X1)を測定する。
(3)次の式により厚み方向の平均気泡径(α1)を求める。
α1[単位:μm]=2000×3÷気泡の個数(X1)
(4)押出方向に任意に2000μmの直線を引き、その直線に接する気泡の個数(Y1)を測定する。
(5)次の式により押出方向の平均気泡径(β1)を求める。
β1[単位:μm]=2000×3÷気泡の個数(Y1)
(6)厚み方向の平均気泡径(α1)と押出方向の平均気泡径(β1)の比(α1/β1)は次の式により求める。
α1/β1=厚み方向の平均気泡径(α1)÷押出方向の平均気泡径(β1)
(7)なお、平均気泡径(δ1)は、次の式により求める。
δ1[単位:μm]={厚み方向の平均気泡径(α1)+押出方向の平均気泡径(β1)}÷2
(1)中央部に位置する発泡層の断面写真を顕微鏡、例えば、マイクロハイスコープ、走査型電子顕微鏡などを用いて倍率20〜200倍にて撮影する。このとき、厚み方向を縦方向、押出方向を横方向にて撮影する。また、倍率は気泡径により適宜選択される。
(2)縦方向に任意に2000μmの直線を3本引き、その直線に接する気泡の個数(X1)を測定する。
(3)次の式により厚み方向の平均気泡径(α1)を求める。
α1[単位:μm]=2000×3÷気泡の個数(X1)
(4)押出方向に任意に2000μmの直線を引き、その直線に接する気泡の個数(Y1)を測定する。
(5)次の式により押出方向の平均気泡径(β1)を求める。
β1[単位:μm]=2000×3÷気泡の個数(Y1)
(6)厚み方向の平均気泡径(α1)と押出方向の平均気泡径(β1)の比(α1/β1)は次の式により求める。
α1/β1=厚み方向の平均気泡径(α1)÷押出方向の平均気泡径(β1)
(7)なお、平均気泡径(δ1)は、次の式により求める。
δ1[単位:μm]={厚み方向の平均気泡径(α1)+押出方向の平均気泡径(β1)}÷2
本発明における発泡層の密度としては、前記のように、500kg/m3以下であれば特に限定はされないが、軽量でかつ優れた断熱性および曲げ強度、圧縮強度を付与するためには、20〜65kg/m3であることが好ましく、20〜50kg/m3であることが更に好ましく、20〜40kg/m3であることがより好ましい。発泡層の密度が20〜60kg/m3の範囲では、軽量性、圧縮強度など機械的特性、断熱性に優れた発泡成形体が得られる。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体の発泡層を構成する樹脂(以降、「発泡層構成樹脂」と称する場合がある)は、押出発泡成形が可能な熱可塑性樹脂から任意に選択される。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などのビニル系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体、シクロオレフィン系(共)重合体などのポリオレフィン系樹脂およびこれらに分岐構造、架橋構造を導入してレオロジーコントロールされたポリオレフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、MXDナイロンなどのポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂などのエンジニアリングプラスチック;ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル系樹脂などが挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用することができる。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体の発泡層構成樹脂としてスチレン系樹脂を用いる場合には、特に限定されず、例えば、スチレン単量体のみから得られるスチレンホモポリマー、スチレン単量体とスチレンと共重合可能な単量体またはその誘導体から得られるランダム、ブロックまたはグラフト共重合体、後臭素化ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレンなどの変性ポリスチレン、ABS樹脂などが挙げられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。
スチレンと共重合可能な単量体としては、例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのスチレン誘導体;ジビニルベンゼンなどの多官能性ビニル化合物;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、アクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系化合物;ブダジエンなどのジエン系化合物またはその誘導体;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和カルボン酸無水物;N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−4−ジフェニルマレイミド、N−2−クロロフェニルマレイミド、N−4−ブロモフェニルマレイミド、N−1−ナフチルマレイミド等のN−アルキル置換マレイミド化合物;などがあげられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体の発泡層構成樹脂としては、これらの中でも、押出発泡成形が容易で軽量かつ断熱性に優れた多層押出発泡成形体が得られることなどから、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、無水マレイン酸変性ポリスチレン、スチレン−不飽和ジカルボン酸無水物−N−アルキル置換マレイミド系共重合体、耐衝撃性ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、あるいは、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル系樹脂などのビニル系樹脂;ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂の混合樹脂である変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が好ましい。最も好ましくはポリスチレンホモポリマーである。
なお、前記の発泡層構成樹脂は、溶融状態で積層装置5に供給する際の樹脂圧力を発泡用ギヤポンプ3によって調整する目的で、所望の溶融粘度となるように熱可塑性樹脂の種類、分子量、共重合成分、共重合比率等を選定することが好ましい。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体の発泡層は、溶融状態にある発泡層構成樹脂に、高圧下で、物理型発泡剤を圧入し、低圧領域に開放することにより得られる。
本発明における圧入する物理型発泡剤としては、特に限定されず、例えば、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタンなどの炭素数3〜5の飽和炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルi−ブチルケトン、メチルn−アミルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、エチルn−プロピルケトン、エチルn−ブチルケトンなどのケトン類;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類;蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、蟻酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどのエステル類;塩化メチル、塩化エチルなどのハロゲン化アルキル類;窒素、空気、二酸化炭素などの無機発泡剤、等が挙げられる。これら発泡剤は単独または2種以上混合して使用することができる。
前記発泡剤の中でも、押出発泡成形性と高断熱性を両立できるという点から、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタンなどの炭化水素が好ましい。また、低密度の多層押出発泡成形体が得られるという点から、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテルなどのエーテル類;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類;塩化メチル、塩化エチルなどのハロゲン化アルキル類が好ましい。さらに、不燃性であり環境適合性に優れるという点から、窒素、空気、二酸化炭素などの無機発泡剤が好ましい。
溶融した発泡層構成樹脂(熱可塑性樹脂)中に圧入される物理型発泡剤の量としては、発泡倍率の設定値などに応じて適宜選定されるが、通常、発泡剤の合計量を、熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜10重量部とすることが好ましく、3〜8重量部とすることがより好ましい。物理型発泡剤の合計圧入量が1〜10重量部の場合、発泡成形体中にボイドが無く、難燃性が制御可能な、適度な発泡倍率を有する発泡層が得られ、多層押出発泡成形体として軽量、断熱性などの特性が発現される。
発泡剤を圧入する際の圧力としては、特に限定されず、押出機などの内圧力よりも高い圧力であればよい。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体を構成する発泡層の製造時において、必要に応じて、難燃剤、難燃助剤、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機化合物、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などの加工助剤、フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、窒素系安定剤、イオウ系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤、帯電防止剤、顔料などの着色剤などの添加剤を添加させることが好ましい。
また、より安定的に押出発泡する為には、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスフェート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイトなどのヒンダードフェノール系抗酸化剤;トリフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビスステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイトなどのリン系安定剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどのアミン系安定剤;3,3−チオビスプロピオン酸ジオデシルエステル、3,3’−チオビスプロピオン酸ジオクタデシルエステルなどのイオウ系安定剤を添加するのが好ましい。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体を構成する発泡層の厚みは、多層押出発泡成形体の厚みおよび多層押出発泡成形体中の発泡層の数(発泡層/非発泡層/発泡層からなるユニットの数)に応じて適宜選択される。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体を構成する非発泡層とは、発泡層を構成する気泡の気泡壁あるいは気泡壁結合部のうち厚みの大きな部分よりも1.1倍以上の厚みを有する層をいう。非発泡層の密度は用いる樹脂、添加剤などの密度にもよるが、500kg/m3超であることが好ましい。非発泡層には発泡層より少ない数の気泡が含まれていてもよい。
本発明における非発泡層を構成する樹脂あるいは樹脂組成物(以降、「非発泡層構成樹脂」と称する場合がある)は、目的の高断熱性の多層押出発泡成形体を得るためには得られた多層押出発泡成形体の発泡層と非発泡層とが良好に接着されていることが好ましいため、発泡層を構成する樹脂と相溶性を有する樹脂を選定することが好ましい。
前記発泡層構成樹脂と相溶性を有する熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンプロピレンランダム共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリオキシメチレン系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニル酢酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリレート、熱可塑性フェノール系樹脂などが挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用することができる。
これらの中でも、前記発泡層構成樹脂との相溶性に優れること、成形性が容易なことから、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が好ましく、スチレン系樹脂がより好ましい。
これらの中でも、前記発泡層構成樹脂との相溶性に優れること、成形性が容易なことから、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が好ましく、スチレン系樹脂がより好ましい。
スチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン単量体のみから得られるスチレンホモポリマー、スチレン単量体とスチレンと共重合可能な単量体またはその誘導体から得られるランダム、ブロックまたはグラフト共重合体、後臭素化ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレンなどの変性ポリスチレン、ABS樹脂などが挙げられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。
スチレンと共重合可能な単量体としては、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのスチレン誘導体、ジビニルベンゼンなどの多官能性ビニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、アクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系化合物、ブダジエンなどのジエン系化合物またはその誘導体、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和カルボン酸無水物、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−4−ジフェニルマレイミド、N−2−クロロフェニルマレイミド、N−4−ブロモフェニルマレイミド、N−1−ナフチルマレイミド等のN−アルキル置換マレイミド化合物;などがあげられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。
特に、非発泡層構成樹脂としてスチレン系樹脂を用いる場合には、発泡層との相溶性の点から、スチレンホモポリマー、スチレンアクリロニトリル共重合体、(メタ)アクリル酸共重合ポリスチレン、無水マレイン酸変性ポリスチレン、スチレン−不飽和ジカルボン酸無水物−N−アルキル置換マレイミド系共重合体、耐衝撃性ポリスチレンを用いることがさらに好ましく、最も好ましくはスチレンホモポリマーである。
粘着性・接着性を有する樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系共重合樹脂、天然ゴム系樹脂、クロロプレン系樹脂および、上記樹脂にロジン類、ロジン誘導体、石油系樹脂、テルペン系樹脂、フェノール樹脂、ロジンフェノール樹脂、ケトン樹脂等の粘着付与剤樹脂を配合してなる樹脂組成物等が挙げられる。
なお、前記の非発泡層構成樹脂は、溶融状態で積層装置5に供給する際の樹脂圧力を非発泡用ギヤポンプ4によって調整する目的で、所望の溶融粘度となるように熱可塑性樹脂の種類、分子量、共重合成分、共重合比率等を選定することが好ましい。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体を構成する非発泡層の構造は、特に限定されず、単層、複層のいずれの構造も採りうる。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体を構成する非発泡層の厚みは、多層押出発泡成形体の厚みおよび多層押出発泡成形体中の発泡層の数(発泡層/非発泡層/発泡層からなるユニットの数)に応じて適宜選択されるが、10〜500μmが好ましく、20〜300μmがより好ましく、30〜200μmが特に好ましく、40〜100μmが最も好ましい。非発泡層の厚みが10〜500μmの範囲では、軽量性および断熱性を備えた多層押出発泡成形体を得ることができる。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体を構成する非発泡層の製造時において、必要に応じて、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機化合物、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などの加工助剤、フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、窒素系安定剤、イオウ系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤、帯電防止剤、顔料などの着色剤などの添加剤を添加させることが好ましい。
これらの添加剤のなかでも、可塑剤は、本発明による多層押出発泡成形体製造の際、樹脂合流界面の流れを乱さないようにする為、また、非発泡層構成樹脂の溶融粘度を発泡剤含有樹脂の溶融粘度に近づける調整を行う際に有効に働く為、更に、添加量による樹脂の溶融粘度調整により非発泡用ギヤポンプ4を用いた積層装置5に供給する際の樹脂圧力制御に有効に働く為、添加することが好ましい。
非発泡層構成樹脂に添加する可塑剤としては、特に限定されず、一般に可塑剤として使用されているいずれの化合物の使用も可能であり、例えば、フタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジノルマルオクチル(DNOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジノニル(DNP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、フタル酸混基エステル(C6〜C11)等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル(DOA)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、アジピン酸ジアルキル(C6,8,10)(610A)、アジピン酸ジアルキル(C7,C9)(79A)アゼライン酸ジオクチル(DOZ)セバシン酸ジブチル(DBS)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、リン酸トリクレシル(TCP)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、エポキシ化大豆油(ESBO)、トリメリット酸トリオクチル(TOTM)、塩素化パラフィン等の非フタル酸エステル類、等が挙げられる。
非発泡層構成樹脂に対する可塑剤の添加量は、狙いとする溶融粘度によって適宜選択されるが、非発泡層構成樹脂100重量部に対して1〜20重量部が好ましく、2〜15重量部が更に好ましく、3〜12重量部が特に好ましく、4〜10重量部が最も好ましい。可塑剤の添加量が非発泡層構成樹脂100重量部に対して、1〜20重量部の範囲では、押出の際に吐出変動が無く、押出後の表面ブリードアウトの無い非発泡層が得られる。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体の厚みは、特に限定されず、用途に応じて適宜選択される。例えば、建材などに使用される断熱材用途の場合、好ましい断熱性、曲げ強度および圧縮強度を付与するためには、シートのような薄いものよりも、通常の板状物のような厚さのあるものが好ましく、通常10〜150mm、好ましくは20〜100mmである。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体の20℃での等価熱伝導率は、0.034W/m・K(0.0292kcal/m・hr・℃)以下が好ましく、0.032W/m・K(0.0275kcal/m・hr・℃)以下がより好ましく、0.030W/m・K(0.0258kcal/m・hr・℃)以下が特に好ましい。
等価熱伝導率が0.034W/m・K以下である発泡成形体は、建築用部材用途として好適に使用され、快適な居住空間の提供に貢献する。
本発明の製造方法により得られた多層押出発泡成形体は、その優れた軽量性、断熱性の点から、種々の用途、例えば、床材、壁材、屋根材などの建築用部材、保冷車用断熱材、車両バンパー、自動車天井材などの自動車用部材、地盤の凍上防止剤などの土木用部材などに好適に使用できる。
次に、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例および比較例に対する評価方法は、以下のとおりである。
(1)多層押出発泡成形体の寸法[単位:mm]
厚み:異なる時間にサンプルングした3つの多層押出発泡成形体について、図9に示すように、幅方向(押出方向と直交する水平方向)における中央部(幅方向の中点)での厚みを測定し、平均値を算出した。
幅:異なる時間にサンプルングした3つの多層押出発泡成形体について、図10に示すように、厚み方向における中央部(厚み方向の中点)での幅を測定し、平均値を算出した。
厚み方向中央部分の特定:上表面から前記厚みの1/2の値、左側面から前記幅の1/2の値に位置する部分を中央部分とした。
厚み:異なる時間にサンプルングした3つの多層押出発泡成形体について、図9に示すように、幅方向(押出方向と直交する水平方向)における中央部(幅方向の中点)での厚みを測定し、平均値を算出した。
幅:異なる時間にサンプルングした3つの多層押出発泡成形体について、図10に示すように、厚み方向における中央部(厚み方向の中点)での幅を測定し、平均値を算出した。
厚み方向中央部分の特定:上表面から前記厚みの1/2の値、左側面から前記幅の1/2の値に位置する部分を中央部分とした。
(2)多層押出発泡成形体の密度[単位:kg/m3]
異なる時間にサンプリングした3つの多層押出発泡成形体に対して、JIS K7222−1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」に記載の方法に則り、発泡体密度を測定して、その平均値を算出した。
異なる時間にサンプリングした3つの多層押出発泡成形体に対して、JIS K7222−1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」に記載の方法に則り、発泡体密度を測定して、その平均値を算出した。
(3)熱伝導率[単位:W/m・K]
多層押出発泡成形体の熱伝導率を、熱伝導率測定装置[栄弘精機製、HC−074−300]を用いて測定した。多層押出発泡成形体気泡内の空気の分圧が20kPa時の熱伝導率を、実施例に示した。
多層押出発泡成形体の熱伝導率を、熱伝導率測定装置[栄弘精機製、HC−074−300]を用いて測定した。多層押出発泡成形体気泡内の空気の分圧が20kPa時の熱伝導率を、実施例に示した。
(4)多層押出発泡成形体気泡内の空気の分圧
多層押出発泡成形体を切り出し面から10mmの部分を削除した後、巾方向における中央部より巾方向25mm、長さ方向25mm、厚み方向は成形体のままの厚さで切り出し、多層押出発泡成形体中の空気量を、ガスクロマトグラフ[島津製作所製、GC−14A]を用いて分析測定し、平均値を算出することにより、発泡成形体気泡内の空気の分圧を求めた。
多層押出発泡成形体を切り出し面から10mmの部分を削除した後、巾方向における中央部より巾方向25mm、長さ方向25mm、厚み方向は成形体のままの厚さで切り出し、多層押出発泡成形体中の空気量を、ガスクロマトグラフ[島津製作所製、GC−14A]を用いて分析測定し、平均値を算出することにより、発泡成形体気泡内の空気の分圧を求めた。
(5)厚み方向の平均気泡径
多層押出発泡成形体を切り出し、厚み方向中央部分についてマイクロスコープ[(株)キーエンス製、デジタルマイクロスコープVHX−900]を用いて、倍率50倍にて観察し、明細書本文中に記載した方法にて、厚み方向の平均気泡径を求めた。
多層押出発泡成形体を切り出し、厚み方向中央部分についてマイクロスコープ[(株)キーエンス製、デジタルマイクロスコープVHX−900]を用いて、倍率50倍にて観察し、明細書本文中に記載した方法にて、厚み方向の平均気泡径を求めた。
(6)発泡層/非発泡層間の接着安定性
多層押出発泡成形体を切り出し、成形体の流れ方向における発泡層/非発泡層界面部分について、マイクロスコープ[(株)キーエンス製、デジタルマイクロスコープVHX−900]を用いて倍率50倍にて観察し、下記の判断基準により接着安定性を評価した。
○:発泡層と非発泡層が強固に接着され、層界面のはがれ、発泡層セルの破壊によるボイドの存在が確認されない。
△:発泡層と非発泡層の接着が不安定であり、一部に層界面のはがれ/発泡層セルの破壊によるボイドの存在が確認される。
×:発泡層と非発泡層の接着が不安定であり、全面または大部分に層界面のはがれ/発泡層セル破壊による巨大ボイドの存在が確認される。
多層押出発泡成形体を切り出し、成形体の流れ方向における発泡層/非発泡層界面部分について、マイクロスコープ[(株)キーエンス製、デジタルマイクロスコープVHX−900]を用いて倍率50倍にて観察し、下記の判断基準により接着安定性を評価した。
○:発泡層と非発泡層が強固に接着され、層界面のはがれ、発泡層セルの破壊によるボイドの存在が確認されない。
△:発泡層と非発泡層の接着が不安定であり、一部に層界面のはがれ/発泡層セルの破壊によるボイドの存在が確認される。
×:発泡層と非発泡層の接着が不安定であり、全面または大部分に層界面のはがれ/発泡層セル破壊による巨大ボイドの存在が確認される。
(7)製造安定性については、
多層押出発泡成形において少なくとも30分間連続で成形体を採取し、下記判断基準により製造安定性について評価した。
◎:工程中で成形体詰まり、成形体の切断、局部的延伸は発生せず、安定的な製造状況。
○:工程中で成形体詰まり、成形体の切断は発生しないが、稀に成形体に局部的延伸が加わる。
△:工程中で成形体詰まり、成形体の切断がまれに発生する。
×:工程中で成形体詰まり、成形体の切断が頻繁に発生し、連続的な製造が困難である。
多層押出発泡成形において少なくとも30分間連続で成形体を採取し、下記判断基準により製造安定性について評価した。
◎:工程中で成形体詰まり、成形体の切断、局部的延伸は発生せず、安定的な製造状況。
○:工程中で成形体詰まり、成形体の切断は発生しないが、稀に成形体に局部的延伸が加わる。
△:工程中で成形体詰まり、成形体の切断がまれに発生する。
×:工程中で成形体詰まり、成形体の切断が頻繁に発生し、連続的な製造が困難である。
(8) 表面性については、
多層押出発泡成形体を目視観察し、下記判断基準により表面性について評価した。
◎:ほぼ鏡面な表面状態で表面にシワ、傷の存在無し。
○:表面にシワ、傷の存在無し。
△:表面にシワ、傷が少量存在。
×:表面にシワ、傷が大量に存在する。
多層押出発泡成形体を目視観察し、下記判断基準により表面性について評価した。
◎:ほぼ鏡面な表面状態で表面にシワ、傷の存在無し。
○:表面にシワ、傷の存在無し。
△:表面にシワ、傷が少量存在。
×:表面にシワ、傷が大量に存在する。
(実施例1)
[発泡剤を含有する溶融樹脂(A)の製造方法]
ポリスチレン[PSジャパン(株)製、商品名:G9401、MFR=2.0g/10分]100重量部に対して、タルク[林化成(株)製、商品名:TALCAN PAWDER PK−Z)0.5重量部、ステアリン酸カルシウム[堺化学工業(株)製、商品名:SC−P]0.3重量部、流動パラフィン[新日本石油(株)製、商品名:ポリブテンLV−50]0.1重量部からなる混合物をドライブレンドしてスチレン系樹脂組成物とした。該スチレン系樹脂組成物を、口径65mmの第1押出機と口径90mmの第2押出機とを直列に連結した二段式押出機に対して、40.5kg/hrで供給した。
第1押出機に供給したスチレン系樹脂組成物を、230℃に加熱して混練を行い、第1押出機の先端付近(第2押出機に接続される側)において、発泡剤として、スチレン系樹脂組成物100重量部に対して、i−ブタン[三井化学(株)製]4.0重量部、ジメチルエーテル[大洋液化ガス(株)製]4.0重量部を、溶融されたスチレン系樹脂組成物に圧入した。
この際、第1押出機の先端における樹脂圧は10.8MPaであり、これに対して、発泡剤の圧入圧力は11.2MPaであった。
第1押出機に連結された第2押出機において、発泡剤を含有する溶融樹脂(A)の樹脂温度を130℃に冷却した後、第2押出機の先端に設けられ130℃に温調された発泡用ギヤポンプ[(株)プラ技研製、GP74/74−100;1回転当り100ccの吐出能]に、樹脂圧力5.0MPaとなるように第1押出機の回転数を調整しながら供給した。発泡用ギヤポンプの回転数を7.2rpmとし、発泡剤を含有する溶融樹脂(A)を3つに分流した後、発泡用ギヤポンプの先端に設けられた2種5層多層積層用フィードブロック[(株)プラ技研製]に樹脂圧力7.1MPaで供給した。
[発泡剤を含有する溶融樹脂(A)の製造方法]
ポリスチレン[PSジャパン(株)製、商品名:G9401、MFR=2.0g/10分]100重量部に対して、タルク[林化成(株)製、商品名:TALCAN PAWDER PK−Z)0.5重量部、ステアリン酸カルシウム[堺化学工業(株)製、商品名:SC−P]0.3重量部、流動パラフィン[新日本石油(株)製、商品名:ポリブテンLV−50]0.1重量部からなる混合物をドライブレンドしてスチレン系樹脂組成物とした。該スチレン系樹脂組成物を、口径65mmの第1押出機と口径90mmの第2押出機とを直列に連結した二段式押出機に対して、40.5kg/hrで供給した。
第1押出機に供給したスチレン系樹脂組成物を、230℃に加熱して混練を行い、第1押出機の先端付近(第2押出機に接続される側)において、発泡剤として、スチレン系樹脂組成物100重量部に対して、i−ブタン[三井化学(株)製]4.0重量部、ジメチルエーテル[大洋液化ガス(株)製]4.0重量部を、溶融されたスチレン系樹脂組成物に圧入した。
この際、第1押出機の先端における樹脂圧は10.8MPaであり、これに対して、発泡剤の圧入圧力は11.2MPaであった。
第1押出機に連結された第2押出機において、発泡剤を含有する溶融樹脂(A)の樹脂温度を130℃に冷却した後、第2押出機の先端に設けられ130℃に温調された発泡用ギヤポンプ[(株)プラ技研製、GP74/74−100;1回転当り100ccの吐出能]に、樹脂圧力5.0MPaとなるように第1押出機の回転数を調整しながら供給した。発泡用ギヤポンプの回転数を7.2rpmとし、発泡剤を含有する溶融樹脂(A)を3つに分流した後、発泡用ギヤポンプの先端に設けられた2種5層多層積層用フィードブロック[(株)プラ技研製]に樹脂圧力7.1MPaで供給した。
[発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)の製造方法]
低耐熱性ポリスチレン[PSジャパン(株)製、商品名:SC004、MFR=6.5g/10分]100重量部に対して、可塑剤としてジメチルフタレート[大八化学工業株式会社製、商品名:DMP]4.0部を添加し、2軸押出機[オーエヌ機械株式会社製:TEK、直径45mmの2軸押出機]にて樹脂温度190℃、吐出量35.6Kg/hrで押出し、予めマスターバッチ化した。
得られた樹脂を、口径50mmの押出機[(株)プラ技研製]で150℃に加熱して溶融混練を行い、150℃に温調されたギヤポンプ[協和ファインテック(株)製、HDSM−45G−20×1;1回転当り20ccの吐出能]に、樹脂圧力を10MPaとなるように押出機のスクリュー回転数を調整しながら供給した。ギヤポンプの回転数を8rpmとし、2つに分流し、前記2種5層多層積層用フィードブロックに樹脂圧力19.1MPa、吐出量10.1Kg/hrで供給した。
低耐熱性ポリスチレン[PSジャパン(株)製、商品名:SC004、MFR=6.5g/10分]100重量部に対して、可塑剤としてジメチルフタレート[大八化学工業株式会社製、商品名:DMP]4.0部を添加し、2軸押出機[オーエヌ機械株式会社製:TEK、直径45mmの2軸押出機]にて樹脂温度190℃、吐出量35.6Kg/hrで押出し、予めマスターバッチ化した。
得られた樹脂を、口径50mmの押出機[(株)プラ技研製]で150℃に加熱して溶融混練を行い、150℃に温調されたギヤポンプ[協和ファインテック(株)製、HDSM−45G−20×1;1回転当り20ccの吐出能]に、樹脂圧力を10MPaとなるように押出機のスクリュー回転数を調整しながら供給した。ギヤポンプの回転数を8rpmとし、2つに分流し、前記2種5層多層積層用フィードブロックに樹脂圧力19.1MPa、吐出量10.1Kg/hrで供給した。
[発泡剤を含有する溶融樹脂(A)と発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)を厚み方向に合流させ、多層押出発泡成形体を製造する方法]
図5に示すような樹脂流路を有する130℃に温調された2種5層多層積層用フィードブロック内で、6.2MPaの圧力下にて、厚み方向に、2つに分流された発泡剤を含まない溶融樹脂(B)を、3つに分流された発泡剤を含有する溶融樹脂(A)で挟み込むようにして、125℃に温調された合流導入部(可動式ベーン11)を経由し、それぞれ、5.0mm/1.5mm/12.0mm/1.5mm/5.0mmの厚みで合流させた。合流させた多層流を、100℃に温調された、厚さ方向2.2mm×幅方向80mmの長方形断面の空隙を有するダイリップより、樹脂圧力3.0MPaで合流された多層流を大気中へ押し出し、図9に示す5対のガイドロールからなる成形処理機中を通過させ、圧縮/延伸処理を施し、発泡層/非発泡層/発泡層/非発泡層/発泡層からなる2種5層構造の多層押出発泡成形体を得た。
成形処理機のセッティング条件は、表1に示すように、下流側に行くに従って、ロール対回転軸間の距離LAを拡大させ、ロール半径Rを増大させて、ロール対間の隙間Lを縮小させ、ロール線速を増大させた。なお、各ロール対での表面温度は、60℃とした。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
図5に示すような樹脂流路を有する130℃に温調された2種5層多層積層用フィードブロック内で、6.2MPaの圧力下にて、厚み方向に、2つに分流された発泡剤を含まない溶融樹脂(B)を、3つに分流された発泡剤を含有する溶融樹脂(A)で挟み込むようにして、125℃に温調された合流導入部(可動式ベーン11)を経由し、それぞれ、5.0mm/1.5mm/12.0mm/1.5mm/5.0mmの厚みで合流させた。合流させた多層流を、100℃に温調された、厚さ方向2.2mm×幅方向80mmの長方形断面の空隙を有するダイリップより、樹脂圧力3.0MPaで合流された多層流を大気中へ押し出し、図9に示す5対のガイドロールからなる成形処理機中を通過させ、圧縮/延伸処理を施し、発泡層/非発泡層/発泡層/非発泡層/発泡層からなる2種5層構造の多層押出発泡成形体を得た。
成形処理機のセッティング条件は、表1に示すように、下流側に行くに従って、ロール対回転軸間の距離LAを拡大させ、ロール半径Rを増大させて、ロール対間の隙間Lを縮小させ、ロール線速を増大させた。なお、各ロール対での表面温度は、60℃とした。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
(実施例2)
成形処理機のセッティング条件を、表2に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを変更し、また、ロールの回転数を増大させて、各ロール線速を増大させた以外は、実施例1と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
成形処理機のセッティング条件を、表2に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを変更し、また、ロールの回転数を増大させて、各ロール線速を増大させた以外は、実施例1と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
(実施例3)
成形処理機のセッティング条件を、表3に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを変更して、圧縮率を減少させた以外は、実施例1と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を表14に示す。
成形処理機のセッティング条件を、表3に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを変更して、圧縮率を減少させた以外は、実施例1と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を表14に示す。
(実施例4)
成形処理機のセッティング条件を、表4に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを変更し、また、ロールの回転数を増大させて、各ロール線速を増大させた以外は、実施例3と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
成形処理機のセッティング条件を、表4に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを変更し、また、ロールの回転数を増大させて、各ロール線速を増大させた以外は、実施例3と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
(実施例5)
成形処理機のセッティング条件を、表5に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを変更して、圧縮率を増大させた以外は、実施例1と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
成形処理機のセッティング条件を、表5に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを変更して、圧縮率を増大させた以外は、実施例1と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
(実施例6)
成形処理機のセッティング条件を、表6に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを変更し、また、ロールの回転数を増大させて、各ロール線速を増大させた以外は、実施例5と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
成形処理機のセッティング条件を、表6に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを変更し、また、ロールの回転数を増大させて、各ロール線速を増大させた以外は、実施例5と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
(実施例7)
成形処理機のセッティング条件を、表7に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを一定に変更して、各ロールの半径を変更し、各ロールの回転数を変更した以外は、実施例1と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
成形処理機のセッティング条件を、表7に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを一定に変更して、各ロールの半径を変更し、各ロールの回転数を変更した以外は、実施例1と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
(実施例8)
成形処理機のセッティング条件を、表8に示すように、各ロール対の表面温度を下流に従って低く設定するように変更以外は、実施例1と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
成形処理機のセッティング条件を、表8に示すように、各ロール対の表面温度を下流に従って低く設定するように変更以外は、実施例1と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
(実施例9)
成形処理機のセッティング条件を、表9に示すように、ロールの回転数を増大させて、各ロール線速を増大させた以外は、実施例7と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
成形処理機のセッティング条件を、表9に示すように、ロールの回転数を増大させて、各ロール線速を増大させた以外は、実施例7と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
(比較例1)
[発泡剤を含有する溶融樹脂(A)と発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)を厚み方向に合流させ、多層押出発泡成形体を製造する方法]において、
図6に示す5対のガイドロールからなる成形処理機の代わりに、図7に示す5対のガイドロールからなる成形機(すなわち、下流側に行っても、ロール対回転軸間の距離LAおよびロール半径Rが一定である)を使用し、表10に示すように、各ロール対の線速も一定にした以外は、実施例1と同様な操作により、発泡層/非発泡層/発泡層/非発泡層/発泡層からなる2種5層構造の多層押出発泡成形体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
[発泡剤を含有する溶融樹脂(A)と発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)を厚み方向に合流させ、多層押出発泡成形体を製造する方法]において、
図6に示す5対のガイドロールからなる成形処理機の代わりに、図7に示す5対のガイドロールからなる成形機(すなわち、下流側に行っても、ロール対回転軸間の距離LAおよびロール半径Rが一定である)を使用し、表10に示すように、各ロール対の線速も一定にした以外は、実施例1と同様な操作により、発泡層/非発泡層/発泡層/非発泡層/発泡層からなる2種5層構造の多層押出発泡成形体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
(比較例2)
成形処理機のセッティング条件を表11に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを変更し、また、ロールの回転数を増大させて、各ロール線速を増大させた以外は、比較例1と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
成形処理機のセッティング条件を表11に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを変更し、また、ロールの回転数を増大させて、各ロール線速を増大させた以外は、比較例1と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
(比較例3)
成形処理機のセッティング条件を、表12に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを変更した以外は、実施例1と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
成形処理機のセッティング条件を、表12に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを変更した以外は、実施例1と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
(比較例4)
成形処理機のセッティング条件を、表13に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを変更した以外は、実施例1と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
成形処理機のセッティング条件を、表13に示すように、各ロール対回転軸間の距離LAを変更した以外は、実施例1と同様の操作により、多層押出発泡体を得た。
得られた多層押出発泡成形体の物性等を、表14に示す。
表14の結果より、圧縮処理および延伸処理を同時に施すことにより、発泡層/非発泡層間の接着性が安定化すると共に、成形体厚み方向の平均気泡径が減少し、熱伝導率が低減することが確認された。
1 発泡用押出機
2 非発泡用押出機
3 発泡用ギヤポンプ
4 非発泡用ギヤポンプ
5 積層装置
6 積層2倍化装置
7 成形金型
8 成形処理機
9 多層積層装置
10 多層発泡装置
A 多層押出発泡成形体
MD 多層押出発泡成形体の押出方向
ZD 多層押出発泡成形体の厚み方向
TD 多層押出発泡成形体の巾方向
PGR ガイドロール対
GR ガイドロール
AGR ガイドロールの回転軸
LA ガイドロール対の回転軸間距離
LAn 上流側からn番目の、ガイドロール対の回転軸間距離
L ガイドロール対間の隙間
Ln 上流側からn番目の、ガイドロール対間の隙間
11.可動式ベーン
12.ディストリビューション・ピン
13.発泡層
14.非発泡層
15.多層押出発泡成形体の厚さ測定位置
16.多層押出発泡成形体の幅測定位置
2 非発泡用押出機
3 発泡用ギヤポンプ
4 非発泡用ギヤポンプ
5 積層装置
6 積層2倍化装置
7 成形金型
8 成形処理機
9 多層積層装置
10 多層発泡装置
A 多層押出発泡成形体
MD 多層押出発泡成形体の押出方向
ZD 多層押出発泡成形体の厚み方向
TD 多層押出発泡成形体の巾方向
PGR ガイドロール対
GR ガイドロール
AGR ガイドロールの回転軸
LA ガイドロール対の回転軸間距離
LAn 上流側からn番目の、ガイドロール対の回転軸間距離
L ガイドロール対間の隙間
Ln 上流側からn番目の、ガイドロール対間の隙間
11.可動式ベーン
12.ディストリビューション・ピン
13.発泡層
14.非発泡層
15.多層押出発泡成形体の厚さ測定位置
16.多層押出発泡成形体の幅測定位置
Claims (5)
- 少なくとも1つの発泡剤を含有する溶融樹脂(A)および、少なくとも1つの発泡剤を含有しない溶融樹脂(B)を高圧下で、厚み方向である上下方向に合流させて得られる積層溶融樹脂(C)を、流れ方向に押し出しながら大気圧下に開放し、成形金型で一定断面の形状に整えて連続的に成形する多層押出発泡成形体の製造方法であって、
成形金型内で一定断面形状に整えた直後に、厚み方向に圧縮すると同時に、押出方向に延伸しながら、冷却固化することを特徴とする、多層押出発泡成形体の製造方法。 - 成形金型内で一定断面形状に整えられた多層押出発泡成形体を、厚み方向に圧縮する比率[=(圧縮前の成形体厚み−圧縮後の成形体厚み)/圧縮前の成形体厚み]と、押出方向に延伸する比率[=(延伸後の線速−延伸前の線速)/延伸前の線速]を一致させることを特徴とする、請求項1記載の多層押出発泡成形体の製造方法。
- 厚み方向での圧縮および押出方向での延伸を同時に行う冷却固化工程が、
厚み方向に配置される、表面温度調整が可能なガイドロール対が、押出方向に2組以上配置されてなる多段ロール対を用いて行い、
多段ロール対を構成する各ガイドロール対が、下流側にいくに従いロール間の隙間が小さく、且つ、下流側にいくに従い線速が大きいことを特徴とする、請求項1または2に記載の多層押出発泡成形体の製造方法。 - 前記多段ロール対を構成する各ガイドロール対の回転軸の間隔および回転軸の回転速度が等しく、且つ、下流側にいくに従い各ロール対の外径が大きいことを特徴とする、請求項3記載の多層押出発泡成形体の製造方法。
- 前記多段ロール対を構成する各ガイドロール対の表面温度が、下流側にいくに従い低いことを特徴とする、請求項3または4記載の多層押出発泡体の製造方法。
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2015
- 2015-06-25 JP JP2015128155A patent/JP2017007296A/ja active Pending
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