JPH083956A - 水質浄化堤 - Google Patents

水質浄化堤

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JPH083956A
JPH083956A JP6148499A JP14849994A JPH083956A JP H083956 A JPH083956 A JP H083956A JP 6148499 A JP6148499 A JP 6148499A JP 14849994 A JP14849994 A JP 14849994A JP H083956 A JPH083956 A JP H083956A
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Daizo Kida
大三 喜田
Hirokazu Tsuji
博和 辻
Mamoru Ishigaki
衛 石垣
Shuji Miyaoka
修二 宮岡
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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Abstract

(57)【要約】 【目的】浄化領域を均一にして滞留域の発生を防止する
ことができる水質浄化堤を提供する。 【構成】本発明の水質浄化堤20は、径が大きな堤体材
21を両端に、径が小さな堤体材22を中央付近に配置
してあり、それぞれ、海底3からほぼ台形状に積み上げ
た上、被覆石4で被覆してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海洋に構築される水質
浄化堤に係り、特に、所望の浄化領域を取り囲むように
して構築される水質浄化堤に関する。
【0002】
【従来の技術】ウオーターフロント・リバーフロントに
おいて、アメニティに富んだ親水空間を確保するために
は、良好な水環境が不可欠である。広域水域の水質浄化
にあたっては、河川などからの流入負荷あるいは堆積ヘ
ドロからの溶出負荷などの低減がまず第一であるが、実
際の汚濁水を直接浄化するには、自然の持つ水質浄化機
能を最大限活用し、安価にかつ大規模に行う必要があ
る。
【0003】かかる背景において、石積み浄化堤なる海
洋構造物が注目されており、例えば特公平4―2004
3号公報に開示されている。
【0004】図4は、従来の石積み浄化堤を断面図で示
したものである。
【0005】同図でわかるように、石積み浄化堤1は、
礫あるいは石を堤体材2として海底3から積み上げて台
形状に形成し、これを所定の被覆石4で被覆したもので
ある。
【0006】かかる石積み浄化堤を所定の海域を取り囲
むようにして配置しておくと、潮の干満や波が生じた
際、堤体材2の間隙を通して外部の海水5が石積み浄化
堤1の内部水域6に移動するが、堤体材2である礫の表
面には微生物群からなる生物膜が付着形成されているた
め、プランクトン等の海水中の汚濁成分は、かかる生物
膜によって付着あるいは捕捉される。また、生物膜によ
って付着捕捉された濁り成分は、礫間に棲息する貝類や
甲殻類によって摂取され除去される。
【0007】したがって、礫間を通過した海水は、濾過
されて清浄な海水となる。
【0008】かくして、石積み浄化堤は、自然生態系の
水質浄化機能によって清浄な水質の内水域を創造できる
海岸構造物であることがわかってきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5
(a) に示すように、石積み浄化堤1を、防波堤、湾など
の陸地11に接続し、かかる陸地11とともに内水域を
取り囲むような場合、陸地11においては海水の移動は
生じないため、石積み浄化堤1の堤体材2の間隙を通過
する海水の移動速度の水平方向分布は、同図に示すよう
に、両端付近では0に近く、中央付近で最大値をとる分
布となる。
【0010】すなわち、石積み浄化堤1から内水域に流
入する海水の速度は、その長さ方向に均一とならず、特
に両端では非常に小さくなる。
【0011】そのため、内水域の中央領域では浄化は良
好に行われるが、両側ではあまり浄化が進まないという
問題を生じていた。
【0012】特に、陸地11が図5(b) に示すような特
殊な形状である場合、石積み浄化堤1を通った海水は、
内水域12の奥部13にまで行き渡らず、その結果、当
該奥部13に水交換が行われない滞留域14が発生する
という問題があった。
【0013】かかる問題は、滞留域14について別途エ
アレーションを行えばある程度解決されるが、範囲が広
くなるときわめて不経済となる。
【0014】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、浄化領域を均一にして滞留域の発生を防止す
ることができる水質浄化堤を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の水質浄化堤は請求項1に記載したように、
所定の堤体材を所定の断面形状に積み上げるとともに前
記断面に直交する軸線に沿って所定長さだけ配置した水
質浄化堤において、前記堤体材の透水係数を前記軸線に
沿って変化させたものである。
【0016】また、本発明の水質浄化堤は、請求項1の
堤体材の透水係数を前記軸線の中央近傍では小さく、両
端近傍では大きくしたものである。
【0017】
【作用】本発明の水質浄化堤においては、堤体材の透水
係数、例えば径を軸線、すなわち水質浄化堤の長さ方向
に沿って変化させる。
【0018】例えば、内水域の形状が非対称で一方の側
に大きな奥部が存在する場合、そちらの側の堤体材の径
を大きくして透水係数を大きくする。
【0019】すると、その部分を通過する海水の移動速
度が上昇し、上述した奥部にまで浄化海水が到達するよ
うになる。
【0020】また、内水域の地形が特殊でない場合であ
っても、堤体材の透水係数を均一にすると中央では海水
の移動速度が大きく両端では小さくなり、結局、浄化領
域の不均一を招く場合がある。
【0021】そのため、透水係数が大きな堤体材、例え
ば径が大きな堤体材を両端に配置し、逆に径が小さな堤
体材を中央付近に配置する。
【0022】すると、内水域に流入する海水の速度は、
水質浄化堤の長さ方向に沿ってほぼ均一となる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の水質浄化堤の実施例につい
て、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実
質的に同一の部品等については同一の符号を付してその
説明を省略する。
【0024】(第1実施例)図1は、本実施例に係る水
質浄化堤20を示したものであり、(a) は、平面図、
(b)はA―A線に沿う断面図、(c)はB―B線に沿う断面
図である。
【0025】同図でわかるように、本実施例の水質浄化
堤20は、径が大きな堤体材21を両端に、径が小さな
堤体材22を中央付近に配置してあり、それぞれ、海底
3からほぼ台形状に積み上げた上、被覆石4で被覆して
ある。
【0026】なお、図1(a) では、図面の便宜上、被覆
石4および堤体材21、22を部分的に省略するととも
に、中央付近および両端付近のみを図示し、途中の部分
は省略したが、中央付近では最も径の小さな堤体材を、
両端では最も径の大きな堤体材を配置するとともに、中
央と両端との間では、径が連続的に変化するように堤体
材を配置するのがよい。
【0027】なお、堤体材21、22については、石
材、コンクリート材など、生物膜が付着可能な材料であ
ればどんなものでもよい。
【0028】かかる水質浄化堤20を、陸地11の間に
設置して内水域を締め切ると、潮の干満や波が生じた
際、堤体材21および堤体材22の間隙を通して外部の
海水5が水質浄化堤20の内部水域6に移動し、それら
の海水は、間隙を移動中に堤体材21および堤体材22
の表面に付着した微生物群からなる生物膜によって汚濁
成分が除去されて清浄な海水となる。
【0029】ここで、径が大きな堤体材21を両端に、
径が小さな堤体材22を中央付近に配置してあるので、
堤体材の間隙を通過する海水は中央付近ではゆっくり、
両端では速く移動する。したがって、堤体材の径だけを
考慮した場合の海水の内水域への流入速度分布は、図2
の31に示す曲線となる。
【0030】一方、陸地11においては海水の移動は生
じないため、堤体材の径を均一とした場合の海水の速度
分布は、曲線32に示すように両端付近では0に近く、
中央付近で最大値をとる分布となる。
【0031】したがって、水質浄化堤20を通って内水
域に流入する海水の流入速度は、これらを合わせた直線
33となり、水質浄化堤20の長さ方向に沿ってほぼ均
一な分布となる。
【0032】以上説明したように、本実施例の水質浄化
堤は、径が大きな堤体材を両端に、径が小さな堤体材を
中央付近に配置したので、水質浄化堤を通って内水域に
流入する海水の流入速度は、水質浄化堤の長さ方向に沿
ってほぼ均一な分布となる。
【0033】したがって、内水域の中央領域のみなら
ず、その周辺部にも水質浄化堤の両端から流入した海水
が到達し、かくして、内水域を均一に浄化することが可
能となる。
【0034】本実施例では、堤体材の径を水質浄化堤の
長さ方向に変化させたが、堤体材の径ではなく、代わり
に堤体材の材質に着目し、例えば、透水係数の大きい多
孔性材料を両端に配置するような構成としてもよい。
【0035】(第2実施例)図3は、第2実施例に係る
水質浄化堤41を示したものである。
【0036】本実施例に係る水質浄化堤41は、湾11
によって形成される内水域12の形状に合わせて、堤体
材の径を長さ方向に沿って変化させてあり、奥部13が
存在する側には径が大きな堤体材21を、その反対側に
は径が小さな堤体材22を配置してある。
【0037】かかる水質浄化堤41においても、生物膜
による浄化機能は第1実施例と同様に作用し、その詳細
な説明についてはここでは省略する。
【0038】水質浄化堤41においては、径が大きな堤
体材21を内水域12の奥部13が存在する側に、径が
小さな堤体材22を反対側に配置してあるので、堤体材
の間隙を通過する海水は奥部13がある側では速く、反
対側ではゆっくりと移動する。
【0039】そのため、内水域12の奥部13にも浄化
された海水が回り込み、従来のように滞留域は形成され
ない。
【0040】以上説明したように、本実施例の水質浄化
堤は、内水域の地形に合わせて堤体材の径の長さ方向分
布を調整するようにしたので、内水域に奥部が形成され
ているような場合であっても、当該奥部に浄化海水を流
入させ、内水域全体を均一に浄化することが可能とな
る。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の水質浄化堤
は、所定の堤体材を所定の断面形状に積み上げるととも
に前記断面に直交する軸線に沿って所定長さだけ配置し
た水質浄化堤において、前記堤体材の透水係数を前記軸
線に沿って変化させたので、浄化領域を均一にして滞留
域の発生を防止することができる。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1実施例に係る水質浄化堤の平面図、
(b)は(a) のA―A線に沿う断面図、(c)は(a)のB―B
線に沿う断面図。
【図2】第1実施例の水質浄化堤の作用を説明する図。
【図3】第2実施例に係る水質浄化堤の平面図。
【図4】従来の水質浄化堤の断面図。
【図5】従来の水質浄化堤の作用を説明する図。
【符号の説明】
20、41 水質浄化堤 21、22 堤体材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮岡 修二 東京都千代田区神田司町二丁目3番地 株 式会社大林組東京本社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の堤体材を所定の断面形状に積み上
    げるとともに前記断面に直交する軸線に沿って所定長さ
    だけ配置した水質浄化堤において、 前記堤体材の透水係数を前記軸線に沿って変化させたこ
    とを特徴とする水質浄化堤。
  2. 【請求項2】 前記堤体材の透水係数を前記軸線の中央
    近傍では小さく、両端近傍では大きくした請求項1記載
    の水質浄化堤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006205000A (ja) * 2005-01-26 2006-08-10 Kazuaki Akai 「海洋の空(utsuro)」による閉鎖性水域を利用した高度浄化システム
JP2007270458A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Mitsuru Takasaki 浸透堤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006205000A (ja) * 2005-01-26 2006-08-10 Kazuaki Akai 「海洋の空(utsuro)」による閉鎖性水域を利用した高度浄化システム
JP2007270458A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Mitsuru Takasaki 浸透堤

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