JP3883546B2 - 閉鎖性水域の海水浄化用管路とその設置方法 - Google Patents

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Description

本発明は、閉鎖性水域の海水浄化用管路とその設置方法に関するものである。
従来から、港湾等の閉鎖性水域においては、周囲の流入水からの過剰の栄養塩の流入により、富栄養化する一方、外部へ流出したり、外部の海水が流入したりしにくいため、次第に貧酸素状態となって、微生物による自浄作用が低下して、透明度の低下や悪臭の発生などの水質の悪化が生じたり、富栄養化に基づく赤潮の異常発生などにより、海産物の生育が大きく影響されるという問題があった。
このような問題の対処手段として、水質悪化の原因である貧酸素化や富栄養化を改善するために、外部の海水との交換を積極的に推進する方法が提案されている。
この方法には、防波堤に開削形成した通水孔を通じて湾内外の海水を交換する手段や人工エネルギーを使用して湾内外の海水の交換を行う手段が知られているが、通水孔を開削した防波堤では、海水は前記貫通孔を通じて局所での単純な往復運動を得るに留まるもので、広範な水域での充分な海水の交換は達成できず、他方、人工エネルギーを使用する方法では、莫大な投資が必要となり、実用化が困難となっている。
そこで、前記各周知技術の有する困難性を解決すべく、表裏両面を非対称な面、即ち弧状膨出面と平坦状面としたコンクリートブロックを海底に設置して潮の干満時に生ずる残差流を制御する方法が提案(特許文献1)されている。この方法は、低コストのコンクリートブロックにより、自然エネルギーである潮流の残差流エネルギーを用いて海水の交換を促進するという技術である。
また、内面に非対称面で構成される粗度が形成された通水管路を有する防波堤を用いて潮の干満時に生ずる残差流を利用した海水交換方法(特許文献2)が提案されている。
特再表97−44531号公報 特開2002−294654号公報
しかしながら、コンクリートブロックを海底に設置する前記方法では、防波堤によって形成される広範な水域からなる閉鎖性水域の入口が狭隘な場合には、湾外から湾内の奥部まで到達する水平循環流況の制御が容易でなく、港湾の構造によっては満足し得る海水交換作用が得難い場合がある。
また、通水管路を有する防波堤を使用する前記方法では、残差流の水平循環を作り出して、これを利用しているため、自然の地形により閉鎖性水域となっている場合には、十分に海水交換が得難い場合がある。また、場合によっては、防波堤に関して大規模工事が必要となり、費用も比較的高価である。
本発明は、上記のような従来の欠点を改善するものであって、閉鎖性水域における自然力である波動の往復流動を利用して、一方向に偏った小さい流れを生じさせ、これを繰り返し生じさせることにより、一方向の長い流れを生じさせて、如何なる構造の閉鎖性水域であっても、閉鎖性水域における海水と閉鎖性水域外の海水との交換を促進して、閉鎖性水域の水質を浄化することが可能である閉鎖性水域の海水浄化用管路とその設置方法の提供を目的とするものである。
本発明は、かかる目的を達成するものであって、請求項1の発明は、閉鎖性水域に水没状態で海底面近傍に設置される海水浄化用管路であって、
その内面に一方向に偏った流動抵抗を有する複数の流動抵抗体を同方向に向けて備え、
閉鎖性水域における波動による管路内での水平往復運動を複数の流動抵抗体でもって一方向に偏らせ、
管路内を通過した海水は、その後その管路の上面に沿って後方に移動することを特徴とする、
海水浄化用管路である。
次に、請求項2記載の発明は、内面に一方向に偏った流動抵抗を有する複数の流動抵抗体を同方向に向けて備えた管路を閉鎖性水域に水没状態で海底面近傍に設置し、
閉鎖性水域における波動による管路内での水平往復運動を複数の流動抵抗体でもって一方向に偏らせ、かつ、
管路内を通過した海水を、その後その管路の上面に沿って後方に移動させることを特徴とする、
閉鎖性水域の海水浄化用管路の設置方法である。
さらに、請求項3記載の発明は、前記管路は、取水口がラッパ状に形成されていることにより、一方向流れを作りやすくしたことを特徴とする請求項2記載の閉鎖性水域の海水浄化用管路の設置方法である。
さらに、請求項4記載の発明は、前記管路は、複数個が間隔をおいて連設されていることを特徴とする請求項2記載の閉鎖性水域の海水浄化用管路の設置方法である。
本発明によれば、閉鎖性水域における自然力である波動による往復流動を利用して、一方向に偏った小さい流れを生じさせ、これを繰り返し生じさせることにより、一方向の長い流れを生じさせて、如何なる構造の閉鎖性水域であっても、閉鎖性水域における海水と閉鎖性水域外の海水との交換を促進して、閉鎖性水域の水質を浄化することが可能である。
以下、図面に従って本発明の閉鎖性水域の海水浄化用管路とその設置方法について詳述する。
図1において、1は、本発明の閉鎖性水域の海水浄化用管路であって、該海水浄化用管路1は、管路本体2とその内面に設置する流動抵抗体3とで主として形成されている。なお、本発明が適用される閉鎖性水域は、実質的に閉鎖された水域に限らず、入り江、港湾などのように部分的に閉鎖されていない箇所を含む水域をいうものとする。
管路本体2の形状は、海水が通過可能な筒状体であって、その断面の形状は円形に限らず、楕円形や四角形等の多角形などの各種の形状とすることができる。管路本体2は、取水口4がラッパ状に広い断面積とするように形成されていることが、海水の往復流動を管路本体2内の流動抵抗体と同様に、一方向流れに変える作用を有する点で望ましい。
管路本体2の長さは、海水の波動が内部に十分に伝達可能な程度に短く、しかも得られた一方向の流れが十分に維持、拡大することができる程度に長くなければならず、波動の波長の1/3から1/5程度までが望ましく、波長の1/4が最適である。
管路本体2の内面には、流動抵抗体3が設置されており、管路本体2内の海水が波動によって往復流動するさいに、海水に流動抵抗を与えるものである。海水は、波動によってそれぞれの点で円運動または楕円運動をしているが、これは上下往復運動と水平往復運動とに分解することが可能であって、管体本体2内では、海水の上下往復運動はほぼ抑制され、水平往復運動が有効に作用することとなる。
流動抵抗体3は、一方向に偏った流動抵抗を示す形状であって、例えば、図2に示すように、一方の面が流動抵抗の少ない弧状膨出面であり、他方の面が流動抵抗の大きい平坦状面であるが、これに限らず、各種の形状をとることができる。複数の流動抵抗体3は同一方向に向けられている。図2において右方向への流動抵抗は少ないのに対して、左方向への流動抵抗は大きいので、海水の水平往復流動が次第に右方向にわずかに偏った往復運動に変わり、複数の流動抵抗体3によって一方向の大きな流れが形成されることとなる。
本発明の海水浄化用管路1は、閉鎖性水域における波動水域の海底面近傍に設置される。海底面に直接設置しても良いが、海底面に泥や砂などの管路本体内に入って海水の通過を阻害するものが存在する場合には、管路本体の下部に支柱5を設けて泥などの侵入を防止することが望ましい。上面に鉛直循環可能な海水が存在する状態で設置されている。このため、管路内を通過した海水は、閉鎖性水域奥部に達した後は、管路上面に沿って閉鎖性水域の入口まで戻る鉛直循環流を形成する。この管路上面に沿って閉鎖性水域の入口に戻るまでの道程において閉鎖性水域内の海水と接触、混合されて、閉鎖性水域内の海水に溶存酸素を伝達して浄化作用をなす微生物の繁殖を促進するとともに、閉鎖性水域内の海水の富栄養塩を吸収して外部へ流出させて閉鎖性水域内の海水の富栄養塩の濃度を適切な濃度に減少させ、微生物による浄化可能な状態とすることができる。
管路の長さには、上述のように、海水の波動の波長に対して適切な長さの範囲の制約があるので、一方向の長い流れを生じさせるためには、図3に示すように、複数個を間隔をおいて連設することが望ましい。複数個を連設する場合には、管路内に波動エネルギーが十分に伝達されるように、ある程度の間隔を開けておくことが望ましく、
例えば波長の1/35〜1/6ほどの間隔を設けておくことが望ましい。各管路の形状、方向は多少変化することができるので、閉鎖性水域の形状に応じて管路の方向を適宜に設定可能である。
このようにして、閉鎖性水域における自然力である波動による往復流動を利用して、一方向に偏った小さい流れを生じさせ、これを繰り返し生じさせることにより、一方向の長い流れを生じさせて、如何なる構造の閉鎖性水域であっても、閉鎖性水域における海水と閉鎖性水域外の海水との交換を促進して、閉鎖性水域の水質を浄化することが可能である
本発明に係る海水浄化用管路の一実施例を示す側面図である。 図1のAの個所の拡大図で、残差流の生じる状態を示す説明図である。 図1の海水浄化用管路を連設して残差流、循環流の生じる状態を示す説明図である。
符号の説明
1 海水浄化用管路
2 管路本体
3 流動抵抗体
4 取水口
5 支柱

Claims (4)

  1. 閉鎖性水域に水没状態で海底面近傍に設置される海水浄化用管路であって、
    前記管路は、その内面に一方向に偏った流動抵抗を有する複数の流動抵抗体を同方向に向けて備え、
    前記閉鎖性水域における波動による前記管路内での水平往復運動を前記複数の流動抵抗体でもって一方向に偏らせ、
    前記管路内を通過した海水は、その後その管路の上面に沿って後方に移動することを特徴とする、
    前記の海水浄化用管路
  2. 内面に一方向に偏った流動抵抗を有する複数の流動抵抗体を同方向に向けて備えた管路を閉鎖性水域に水没状態で海底面近傍に設置し、
    前記閉鎖性水域における波動による前記管路内での水平往復運動を前記複数の流動抵抗体でもって一方向に偏らせ、かつ、
    前記管路内を通過した海水を、その後その管路の上面に沿って後方に移動させることを特徴とする、
    閉鎖性水域の海水浄化用管路の設置方法
  3. 前記管路は、取水口がラッパ状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の閉鎖性水域の海水浄化用管路の設置方法。
  4. 前記管路は、複数個が間隔をおいて連設されていることを特徴とする請求項2記載の閉鎖性水域の海水浄化用管路の設置方法。
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