JP2006264343A - 発電肥沃化浮体 - Google Patents

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一之 大内
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Abstract

【課題】効果的に配置された発電肥沃化浮体を提供する。
【解決手段】 密度流拡散装置と、海洋温度差発電装置と、これらが搭載された半没水浮体構造物とを備え、密度流拡散装置と海洋温度差発電装置とは、半没水浮体構造物の没水部に配設された表層水取水口と、半没水浮体構造物の没水部内に配設されて表層水取水口に連通する表層水貯留タンクと、半没水浮体構造物の没水部から下方へ延びる深層水取水管と、半没水浮体構造物の没水部内に配設されて深層水取水管に連通する深層水貯留タンクと、半没水浮体構造物の没水部内に配設され、表層水駆動ポンプを介して表層水貯留タンクに連通すると共に深層水駆動ポンプを介して深層水貯留タンクに連通する混合水貯留タンクと、半没水浮体構造物の没水部に配設され、混合水貯留タンクに連通して海洋表層水と海洋深層水との混合水を前記没水部から吐出する混合水吐出口とを共有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、発電肥沃化浮体に関するものである。
海洋深層水を汲み上げ、栄養塩濃度の高い低温の海洋深層水と栄養塩濃度の低い高温の海洋表層水とを混合し、混合水を水平に吐出する密度流拡散装置と、密度流拡散装置に使用するポンプの駆動電力を得るための海洋温度差発電装置と、これらが搭載された半没水浮体構造物とを備える発電肥沃化浮体が特許文献1に開示されている。
特許文献1の発電肥沃化浮体は、密度流拡散装置が吐出した混合水を、自己と同一密度の有光層中に侵入させ、同一密度の海水の流れである密度流を形成させて遠方まで水平に拡散させ、海洋深層水が持つ栄養塩を光合成可能な有光層へ拡散させて浮体構造物の周囲の有光層を肥沃化し、植物プランクトンを増殖させることにより、浮体構造物の周囲に人工漁場を形成するものである。
特開2001−292658
特許文献1には、密度流拡散装置と海洋温度差発電装置の構成要素の具体的な配置は開示されていない。
本発明は、密度流拡散装置と、海洋温度差発電装置と、これらが搭載された半没水浮体構造物とを備える発電肥沃化浮体であって、密度流拡散装置と海洋温度差発電装置の構成要素が効果的に配置された発電肥沃化浮体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、密度流拡散装置と、海洋温度差発電装置と、これらが搭載された半没水浮体構造物とを備え、密度流拡散装置と海洋温度差発電装置とは、半没水浮体構造物の没水部に配設された表層水取水口と、半没水浮体構造物の没水部内に配設されて表層水取水口に連通する表層水貯留タンクと、半没水浮体構造物の没水部から下方へ延びる深層水取水管と、半没水浮体構造物の没水部内に配設されて深層水取水管に連通する深層水貯留タンクと、半没水浮体構造物の没水部内に配設され、表層水駆動ポンプを介して表層水貯留タンクに連通すると共に深層水駆動ポンプを介して深層水貯留タンクに連通する混合水貯留タンクと、半没水浮体構造物の没水部に配設され、混合水貯留タンクに連通して海洋表層水と海洋深層水との混合水を前記没水部から吐出する混合水吐出口とを共有することを特徴とする発電肥沃化浮体を提供する。
本発明に係る発電肥沃化浮体においては、密度流拡散装置と、海洋温度差発電装置とが構成要素の多くを共有することにより、部品数が減少し、製造コストが低下する。
本発明に係る発電肥沃化浮体においては、表層水取水口から混合水貯留タンクに至る送水路の一部を流路断面積の大きな表層水貯留タンクが形成し、深層水取水管から混合水貯留タンクに至る送水路の一部を流路断面積の大きな深層水貯留タンクが形成する。この結果、表層水取水口から混合水貯留タンクに至る送水路の全てを流路断面積の小さな送水配管が形成し、深層水取水管から混合水貯留タンクに至る送水路の全てを流路断面積の小さな送水配管が形成する場合に比べて前記送水路の流路抵抗が減少し、表層水駆動ポンプ、深層水駆動ポンプの負荷が減少して、密度流拡散装置の駆動電力が減少する。この結果発電機器が小型化されて発電肥沃化浮体の製造コストが減少する。
上記説明から分かるように、本発明に係る発電肥沃化浮体の密度流拡散装置と海洋温度差発電装置の構成要素の配置は、発電肥沃化浮体の製造コストの低減を実現する上で効果的である。
本発明の好ましい態様においては、混合水吐出口が斜め上向き又は斜め下向きに差し向けられている。
発電肥沃化浮体設置海域の有光層が、海底地形や潮流等の要因により、密度に応じて成層していない場合には、没水部から水平に混合水を吐出しても密度流として水平に遠方まで拡散させるのは難しい。この場合には、混合水を没水部から斜め上向き又は斜め下向きに吐出させ、発電肥沃化浮体近傍の有光層との密度の相違を利用して混合水を有光層中で蛇行させ、混合水を有光層に混合し有光層中に拡散させても良い。
本発明の好ましい態様においては、発電肥沃化浮体は、深層水貯留タンクの頂部から半没水浮体構造物の水上部へ延びるガス抜き配管を備える。
深海から汲み上げられる際の圧力低下に伴って、海洋深層水中の溶存ガスが気化して気泡を形成する。ガスの気泡が混入した海洋深層水が深層水送水配管に流入すると、深層水送水配管内に配設された発電装置の凝縮器の効率が低下する。海洋深層水を一旦深層水貯留タンクに貯留し、前記ガスを貯留タンクの頂部に集め、ガス抜き配管を介して大気中に放出することにより、深層水送水配管へのガス気泡の流入を防止し、発電装置の凝縮器の効率低下を防止することができる。
本発明の好ましい態様においては、半没水浮体構造物の没水部の頂壁が上に凸のキャンバーを有している。
半没水浮体構造物の没水部の頂壁が上に凸のキャンバーを有している場合には、没水部の底壁は一般に平坦なので、水平潮流を受けると半没水浮体構造物に揚力が働く。水平潮流を受けた半没水浮体構造物が横移動することにより海底から持ち上げられた係留チェーンの重量が前記揚力と相殺する。この結果、水平潮流を受けた時の半没水浮体構造物の喫水変動が抑制され、混合水吐出口の水深位置の変動が抑制される。従って、本態様においては、仮に水平潮流を受けても、所期の有光層に密度流を拡散させることができる。
本発明の好ましい態様においては、半没水浮体構造物の没水部が、表層水貯留タンクと、深層水貯留タンクと、混合水貯留タンクと、バラストタンクとを、外縁部に配設した二重船殻構造を有している。
半没水浮体構造物の没水部を二重船殻構造にすることにより、二重船殻に囲まれた内部空間に配設する発電機器の安全性が向上する。
本発明に係る発電肥沃化浮体においては、表層水取水口から混合水貯留タンクに至る送水路の一部を流路断面積の大きな表層水貯留タンクが形成し、深層水取水管から混合水貯留タンクに至る送水路の一部を流路断面積の大きな深層水貯留タンクが形成する。この結果、表層水取水口から混合水貯留タンクに至る送水路の全てを流路断面積の小さな送水配管が形成し、深層水取水管から混合水貯留タンクに至る送水路の全てを流路断面積の小さな送水配管が形成する場合に比べて前記送水路の流路抵抗が減少し、表層水駆動ポンプ、深層水駆動ポンプの負荷が減少して、密度流拡散装置の駆動電力が減少する。この結果発電機器が小型化されて発電肥沃化浮体の製造コストが減少する。
従って、本発明に係る発電肥沃化浮体の密度流拡散装置と海洋温度差発電装置の構成要素の配置は、発電肥沃化浮体の製造コストの低減を実現する上で効果的である。
本発明の実施例に係る発電肥沃化浮体を説明する。
図1に示すように、発電肥沃化浮体Aは、半没水浮体構造物1を備えている。半没水浮体構造物1は、上下端が閉鎖された大径偏平円筒体2aと大径偏平円筒体2aの頂壁中央から上方へ延び海面WLまで達する小径円筒体2bとから成る没水部2と、小径円筒体2bに接続し海面WL上の所定の高さ位置まで鉛直に延在する小径円筒体から成る水上部3とを備えている。大径偏平円筒体2aの頂壁2a’は、上に凸の曲面からなるキャンバーを有している。大径偏平円筒体2aの底壁2a”は平坦面を形成している。
大径偏平円筒体2aの直径×高さは略60m×略25mに設定され、小径円筒体2bの直径×高さは略10m×略10mに設定され、水上部3の直径×高さは略10m×略15mに設定されている。
水上部3の頂部はヘリデッキを形成している。
没水部2の最上部を形成する小径円筒体2bの周壁上端部に、周方向に互いに間隔を隔てて複数の表層水取水口4が形成されている。小径円筒体2b内には、表層水取水口4に連通する断面が円環状の表層水貯留タンク5が外周部に形成され、円柱状の通路6が中心部に形成されている。
表層水貯留タンク5は、没水部2の上部を形成する大径偏平円筒体2aの頂部まで到達しており、大径偏平円筒体2aの頂壁に沿って所定の径方向位置まで径方向外方へ拡径している。
大径偏平円筒体2aの頂部には、表層水貯留タンク5に隣接して径方向外方へ広がる断面が円環状のバラストタンク7が配設されている。バラストタンク7は、大径偏平円筒体2aの頂壁に沿って外周部まで到達した後、外周壁に沿って下方へ延び、大径偏平円筒体2aの底壁近傍まで到達している。
大径偏平円筒体2aの底部には、断面が円形の深層水貯留タンク8が中央部に配設され、断面が円環状の混合水貯留タンク9が外周部に配設されている。混合水貯留タンク9の外周壁に、周方向に互いに間隔を隔てて複数の開口10が形成されている。開口10は水平に差し向けられている。深層水貯留タンク8、混合水貯留タンク9の直下に固定バラスト11が配設されている。
没水部2は、表層水貯留タンク5と、バラストタンク7と、深層水貯留タンク8と、混合水貯留タンク9とを、外縁部に配設した二重船殻構造を有している。
二重船殻の内側に、断面が円形の機器配設スペース12、13、14が上下に積層して配設されている。最上層の機器配設スペース12は表層水貯留タンク5と通路6とに下側から隣接すると共にバラストタンク7の上部に下側と内側とから隣接し、中間層の機器配設スペース13はバラストタンク7の中間部に内側から隣接し、最下層の機器配設スペース14はバラストタンク7の下部に内側から隣接すると共に、深層水貯留タンク8と混合水貯留タンク9とに上側から隣接している。
機器配設スペース12、13、14には、後述するタービンや発電機等の発電用機器、海水淡水化装置等が配設されている。
鉛直下方へ延びる深層水取水管15が、可撓継手16を介して没水部2の底壁2a”中央部に接続し、深層水貯留タンク8に連通している。深層水取水管15はチェーン17を介して、没水部2の底壁2a”により支持されている。
深層水取水管15の直径×長さ(可撓継手16を含む長さ)は略2m×略770mに設定されている。
表層水貯留タンク5と混合水貯留タンク9とを接続する複数の表層水送水配管18が機器配設スペース12、13、14を貫通して配設されている。表層水送水配管18の途上に表層水駆動ポンプ19が配設されている。
深層水貯留タンク8と混合水貯留タンク9とを接続する複数の深層水送水配管20が機器配設スペース14内に配設されている。深層水送水配管20の途上に深層水駆動ポンプ21が配設されている。
表層水取水口4、表層水貯留タンク5、深層水取水管15、深層水貯留タンク8、混合水貯留タンク9、開口10、表層水送水配管18、表層水駆動ポンプ19、深層水送水配管20、深層水駆動ポンプ21によって、密度流拡散装置が形成されている。
図2に示すように、深層水送水配管20内に凝縮器22が配設され、表層水送水配管18内に蒸発器23が配設されている。凝縮器22の一端と蒸発器23の一端との間で延在する作動流体管24aの途上に作動流体駆動ポンプ25が配設され、蒸発器23の他端と凝縮器22の他端との間で延在する作動流体管24bの途上にタービン26が配設されている。タービン26に発電機27が接続されている。
表層水取水口4、表層水貯留タンク5、深層水取水管15、深層水貯留タンク8、混合水貯留タンク9、開口10、表層水送水配管18、表層水駆動ポンプ19、深層水送水配管20、深層水駆動ポンプ21、凝縮器22、蒸発器23、作動流体管24a、24b、作動流体駆動ポンプ25、タービン26、発電機27、作動流体管24a、24bを流れるアンモニア、フロンなどの作動流体により、海洋温度差発電装置が形成されている。
図3、4に示すように、発電肥沃化浮体Aは、低緯度成層海域に存在する適当な小島又は環礁Bの近傍海域であって、卓越潮流Cに関して前記小島又は環礁Bの下流側の水深1,000m程度の海域に設置されている。
発電肥沃化浮体Aの稼働時には、半没水浮体構造物1の喫水は約35mであり、表層水取水口4は水深約5mの位置にあり、深層水取水管15の下端は水深約800mの位置にあり、開口10は水深約30mの位置にある。
発電肥沃化浮体Aの保守点検時等には、バラストを排水して半没水浮体構造物1を喫水約15mまで浮上させることかできる。
発電肥沃化浮体Aは、アンカーDとチェーン又はワイヤーEとによりカテナリー多点係留されると共に、電力ケーブル、制御用光ケーブル、海洋深層水移送ホース、淡水移送ホース等を含む複合ケーブルFを介して、小島又は環礁Bに設置された建屋Gに接続されている。建屋G内に、発電肥沃化浮体Aの制御室、居住区、漁業施設、水素発生装置等が配設されている。
発電肥沃化浮体Aの作動を説明する。
発電肥沃化浮体Aが設置される低緯度成層海域においては、栄養塩に乏しい高温の表層水と、栄養塩に富む低温の深層水とが混ざり合うことなく、密度に応じた多数の層を形成して存在している。
発電肥沃化浮体Aの稼働時には、密度流拡散装置のポンプ19、21が作動し、表層取水口4を介して吸い込まれた栄養塩に乏しい高温の海洋表層水が表層水貯留タンク5へ流入し、深層水取水管15を介して吸い上げられた水深約800mの深海の栄養塩に富む低温の海洋深層水が深層水貯留タンク8へ流入する。
海洋表層水と海洋深層水とは、送水配管18と送水配管20とを通って混合水貯留タンク9へ流入し、混合水貯留タンク9内で攪拌混合される。混合水は、開口10が形成する水平に差し向けられた混合水吐出口を通って、没水部2から混合水と同一温度の有光層中に放出される。混合水は、密度に応じて成層した有光層中の、自己と同一密度の層に入り込み、同一密度の海水の流れである密度流を形成しつつ、水平に遠方まで拡散する。
海洋深層水が持つ栄養塩が、卓越潮流に関して小島又は環礁Bの下流側の、滞留海域の有光層へ拡散して肥沃化水塊Hを形成し、植物プランクトンが増殖して前記海域が肥沃化滞留海域Iになり、食物連鎖により、前記海域に人工的に漁場が形成される。
発電肥沃化浮体Aの稼働時には、
海洋温度差発電装置においては、蒸発器23において高温の海洋表層水と熱交換して蒸気となった作動流体が、タービン26を駆動して発電機27を回す。タービン26から出た作動流体は、凝縮器22において低温の海洋深層水と熱交換して液体に戻る。液体に戻った作動流体は、ポンプ25により駆動されて蒸発器23に戻る。
海洋温度差発電装置によって生産された電力は、ポンプ19、21、25の駆動電力、海水淡水化装置の駆動電力、建屋B内の制御装置の駆動電力、居住区画での生活用電力、漁業施設での使用電力、水素発生装置の駆動電力等として利用される。
発電肥沃化浮体Aにおいては、密度流拡散装置と、海洋温度差発電装置とが構成要素の多くを共有することにより、部品数が減少し、製造コストが低下している。
発電肥沃化浮体Aにおいては、表層水取水口4から混合水貯留タンク9に至る送水路の一部を、送水配管18に比べて流路断面積の大きな表層水貯留タンク5が形成し、深層水取水管15から混合水貯留タンク9に至る送水路の一部を、送水配管20に比べて流路断面積の大きな深層水貯留タンク8が形成する。この結果、表層水取水口4から混合水貯留タンク9に至る送水路の全てを送水配管18が形成し、深層水取水管15から混合水貯留タンク9に至る送水路の全てを送水配管20が形成する場合に比べて前記送水路の流路抵抗が減少し、表層水駆動ポンプ19、深層水駆動ポンプ21の負荷が減少して、密度流拡散装置の駆動電力が減少する。この結果、凝縮器22、蒸発器23、タービン26、発電機27等の発電用機器が小型化され、発電肥沃化浮体Aの製造コストが低減する。
上記説明から分かるように、発電肥沃化浮体Aの密度流拡散装置と海洋温度差発電装置の構成要素の配置は、発電肥沃化浮体Aの製造コストの低減を実現する上で効果的である。
発電肥沃化浮体Aにおいては、半没水浮体構造物1の没水部の頂壁2a’が上に凸のキャンバーを有しており、没水部の底壁2a”は平坦なので、水平潮流を受けると半没水浮体構造物1に揚力が働く。水平潮流を受けた半没水浮体構造物1が横移動することにより海底から持ち上げられた係留用のチェーン又はワイヤーEの重量が前記揚力と相殺する。この結果、水平潮流を受けた時の半没水浮体構造物1の喫水変動が抑制され、開口10の水深位置の変動が抑制される。従って、発電肥沃化浮体Aにおいては、仮に水平潮流を受けても、所期の有光層に密度流を拡散させることができる。
発電肥沃化浮体Aにおいては、半没水浮体構造物1の没水部2が、表層水貯留タンク5と、バラストタンク7と、深層水貯留タンク8と、混合水貯留タンク9とを、外縁部に配設した二重船殻構造を有しているので、二重船殻に囲まれた内部空間である器配設スペース12、13、14に配設するタービン26、発電機27等の発電用機器の安全性が向上する。
発電肥沃化浮体Aの設置海域の有光層が、海底地形や潮流等の要因により、密度に応じて成層していない場合には、没水部2から水平に混合水を吐出しても密度流として水平に遠方まで拡散させるのは難しい。この場合には、開口10を斜め上向き又は斜め下向きに差し向け、開口10が形成する混合水吐出口から斜め上向き又は斜め下向きに混合水を吐出させ、発電肥沃化浮体A近傍の有光層との密度の相違を利用して混合水を有光層中で蛇行させ、混合水を有光層に混合し有光層中に拡散させても良い。
発電肥沃化浮体Aにおいて、図1に一点鎖線で示すように、深層水貯留タンク8の頂部から半没水浮体構造物1の水上部3へ延びるガス抜き配管28を配設しても良い。
深海から汲み上げられる際の圧力低下に伴って、海洋深層水中の溶存ガスが気化して気泡を形成する。ガスの気泡が混入した海洋深層水が深層水送水配管20に流入すると、深層水送水配管20内に配設された凝縮器22の効率が低下する。海洋深層水を一旦深層水貯留タンク8に貯留し、前記ガスを貯留タンク8の頂部に集め、ガス抜き配管28を介して大気中に放出することにより、深層水送水配管20へのガス気泡の流入を防止し、凝縮器22の効率低下を防止することができる。
表層水貯留タンク5、バラストタンク7、深層水貯留タンク8、混合水貯留タンク9の配設位置は、実施例1に示した位置に限定されない。没水部2内の任意の位置に配設して良い。但し、没水部2の外縁部に配設して、没水部2を二重船殻構造にするのが望ましい。
実施例1においては、混合水貯留タンクの外周壁に形成した開口10が、没水部2から混合水を水平に吐出する混合水吐出口を形成したが、混合水貯留タンク9から上向き又は下向きの開口10を介して上向き或いは下向きに吐出した混合水を、適当な流路と当該流路の下流端に配設した混合水吐出口とを介して、没水部2から水平に吐出しても良い。
本発明は、発電肥沃化浮体に広く使用可能である。
本発明の実施例1に係る発電肥沃化浮体の縦断面図である。 本発明の実施例1に係る発電肥沃化浮体が備える発電用機器の回路図である。 本発明の実施例1に係る発電肥沃化浮体の設置状況を示す浮体設置海域の断面図であり、図4の線IIIに沿った断面図である。 本発明の実施例1に係る発電肥沃化浮体の設置状況を示す浮体設置海域の上面図である。
符号の説明
A 発電肥沃化浮体
B 小島又は環礁
C 卓越潮流
D アンカー
E チェーン又はワイヤー
F 複合ケーブル
G 建屋
H 肥沃化水塊
I 肥沃化滞留海域
1 半没水浮体構造物
2 没水部
2a 大径偏平円筒体
2b 小径円筒体
2a’ 大径偏平円筒体の頂壁
4 表層水取水口
5 表層水貯留タンク
7 バラストタンク
8 深層水貯留タンク
9 混合水貯留タンク
10 開口
12、13、14 機器設置スペース
15 深層水取水管
18 表層水送水配管
19 表層水駆動ポンプ
20 深層水送水配管
21 深層水駆動ポンプ
22 凝縮器
23 蒸発器
26 タービン
27 発電機
28 ガス抜き管

Claims (5)

  1. 密度流拡散装置と、海洋温度差発電装置と、これらが搭載された半没水浮体構造物とを備え、密度流拡散装置と海洋温度差発電装置とは、半没水浮体構造物の没水部に配設された表層水取水口と、半没水浮体構造物の没水部内に配設されて表層水取水口に連通する表層水貯留タンクと、半没水浮体構造物の没水部から下方へ延びる深層水取水管と、半没水浮体構造物の没水部内に配設されて深層水取水管に連通する深層水貯留タンクと、半没水浮体構造物の没水部内に配設され、表層水駆動ポンプを介して表層水貯留タンクに連通すると共に深層水駆動ポンプを介して深層水貯留タンクに連通する混合水貯留タンクと、半没水浮体構造物の没水部に配設され、混合水貯留タンクに連通して海洋表層水と海洋深層水との混合水を前記没水部から吐出する混合水吐出口とを共有することを特徴とする請求項1に記載の発電肥沃化浮体。
  2. 混合水吐出口は斜め上向き又は斜め下向きに差し向けられていることを特徴とする請求項1に記載の発電肥沃化浮体。
  3. 深層水貯留タンクの頂部から半没水浮体構造物の水上部へ延びるガス抜き配管を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の発電肥沃化浮体。
  4. 半没水浮体構造物の没水部の頂壁が上に凸のキャンバーを有していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の発電肥沃化浮体。
  5. 半没水浮体構造物の没水部が、表層水貯留タンクと、深層水貯留タンクと、混合水貯留タンクと、バラストタンクとを、外縁部に配設した二重船殻構造を有していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の発電肥沃化浮体。
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