JP2017141799A - 発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】設置場所の制約を受けることなく、変動が小さく安定した電力を安価に供給することができる。【解決手段】洋上に浮上可能な浮体構造物1内の上部側に設けられた上部水槽6と、浮体構造物1内の下部側に設けられた下部水槽7と、上部水槽6内に貯留されているバラスト水Wを下部水槽7に落下させて排出する縦管路11及び水平管路12と、縦管路11及び水平管路12を流れるバラスト水Wで回転駆動される発電機14と、下部水槽7に排出されたバラスト水Wを上部水槽6内に揚水する揚水装置20と、を備えた構成の発電システムを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、発電システムに係り、特に、揚水式発電を利用したものに関する。
従来、発電システムとしては、特許文献1に示されるような揚水式発電が知られている。この揚水式発電は、余剰電力を利用して低所の水を高所に揚水し、電力の需要に合わせてその揚水した水を落下させ、発電機に接続されているライナを回転させて電力を生成するように構成されている。
一方で、水力発電は、火力発電等の他の発電方式に比べてその発電効率が80〜90%と優れているとともに、一酸化炭素(CO)を排出せず、設備の維持管理コストが小さいという特徴を有している。
特開2004−183521号公報
しかしながら、従来の水力発電による揚水式発電を利用した発電システムは、揚水した水の落差を利用するので、設置する場所が山間部や傾斜地等に制約されるとともに、初期導入コストが高くなるという問題があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、設置場所の制約を受けることなく、変動が小さく安定した電力を安価に供給することができる発電システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る発電システムは、洋上に浮上可能な浮体構造物内の上部側に設けられた上部水槽と、前記浮体構造物内の下部側に設けられた下部水槽と、前記上部水槽内に貯留されているバラスト水を前記下部水槽に落下させて排出する排水路と、前記排水路を流れるバラスト水で回転駆動される発電機と、前記下部水槽に排出されたバラスト水を前記上部水槽内に揚水する揚水装置と、を備えていることを特徴としている。
本発明に係る発電システムは、上部水槽内に貯留されているバラスト水が排水路を通じて下部水槽に落下することにより排出される際に発電機が回転駆動され、水力発電式により効率よく発電が行われる。すなわち、本発電システムによれば、水力発電で得られる発電量の変動が小さく安定した電力を外部に供給することができる。
また、再生可能エネルギー等を利用して発電した電気を使用して揚水装置を駆動することで、下部水槽内のバラスト水を上部水槽内に揚水することができ、浮体構造物の内部だけでバラスト水を循環させて発電が行われるので、設置場所に制約されることなく、安価に製造することができる。つまり、本発明の発電システムでは、浮体構造物を海や池、河川、湖等に設置することが可能であり、上池や下池を利用する従来の揚水式水力発電と比べて、山間部や傾斜地等の設置場所に限られずに設置することができる。
さらに、本発明に係る発電システムでは、浮体構造物内に入れられるバラスト水の量は、その浮体構造物が洋上に浮かべられたときの喫水線が所定の位置となるように決められ、浮体構造物内のバラスト水の量が常時一定であるから、浮体構造物の浮上状態を常時、安定に保つことができる。
また、本発明に係る発電システムは、前記排水路を流れるバラスト水を調節する開閉弁が設けられていることが好ましい。
この場合には、余剰電力によって下部水槽から上部水槽へバラスト水を揚水する際に、開閉弁を閉じて排水路を閉止することができ、上部水槽にバラスト水を貯留することができる。また、開閉弁を調整することで、落下する水量とともに発電量を調節することができる。
また、本発明に係る発電システムは、前記浮体構造物の内部には、水平方向に複数に区画する仕切壁が設けられていてもよい。
このような構成とすることで、浮体構造物の内部が複数に区画され、スロッシングを利用した制振機能をもたせることが可能となる。また、区画の大きさを適宜調整することによって、複数の異なる周期のスロッシングダンパーを構成することができ、チューニングにロバスト性をもたせることができる。
本発明に係る発電システムは、前記揚水装置は、再生可能エネルギーを利用して駆動されることが好ましい。
この場合には、下部水槽から上部水槽へのバラスト水の揚水を再生可能エネルギーを利用して行うことで、COや有毒ガスを排出することなく発電することができる。
本発明に係る発電システムは、前記浮体構造物は、周壁部が円柱状をなし、その円柱の軸心方向が垂直方向となるように洋上に浮上されていることが好ましい。
この場合には、浮体構造物の外周形状が円形であるので、内外の水圧による応力は周方向の圧縮力または引張力となり、浮体構造物の外周壁に曲げ応力が生じることを抑制することができる。
本発明に係る発電システムは、設置場所の制約を受けることなく、変動が小さく安定した電力を安価に供給することができる。
本発明の実施の形態による発電システムの概略構成の縦断面図である。 図1のX−X線断面図である。 図1に示す発電システムにおける発電装置の概略構成図である。 本実施の形態による発電システムの貯蔵電力量を説明するための説明図である。 本実施の形態による発電システムの浮体構造物の制振機能を説明するための説明図である。 本実施の形態による発電システムを大規模浮体構造物に適用したときの説明図である。
以下、本発明の実施の形態による発電システムについて、図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態による発電システムGは、浮体構造物1、発電装置10及び揚水装置20を備えている。
浮体構造物1は、洋上に浮上可能に設けられ、上面及び下面がそれぞれ円形で、所定高さを有する円柱状の周壁部を呈し、内部が中空に形成されている。すなわち、この浮体構造物1は、上方から見た平面視で円形の上面壁2及び下面壁3と、これら両面壁2、3の外周を覆う外周壁4と、で構成されている。
浮体構造物1の内部は、ほぼ中間の高さの位置に内部空間を高さ方向に2つに区画する区画壁5が設けられていて、その区画壁5の上側の空間が上部水槽6に形成されるとともに、区画壁5の下側の空間が下部水槽7に形成されている。なお、浮体構造物1の外殻部としては、例えば鉄筋コンクリート製、プレキャストコンクリート製、或いは鋼製などの部材によって形成することができる。
上部水槽6及び下部水槽7の内部には、それぞれ所定量のバラスト水Wが入れられるように構成されている。浮体構造物1の内部に入れられるバラスト水Wの量は、浮体構造物1が海又は湖の洋上に設置されたときに、浮体構造物1の喫水線Lの高さ、すなわち、外周壁4における水面位置は、下面壁3から所定高さとなるように決められている。例えば、その水面位置は、外周壁4の高さの0.8倍以下となるように設定されている。
浮体構造物1内のバラスト水Wは、発電装置10及び揚水装置20により、上部水槽6及び下部水槽7間で循環するように流動されるが、バラスト水Wが上部水槽6内のみに貯留している場合、又は下部水槽7内のみに貯留している場合であっても、浮体構造物1内におけるバラスト水Wの総水量が変化しないため、浮体構造物1の喫水線Lの位置も変化することはない。
発電装置10は、下部水槽7の底面に相当する下面壁3の上の上方から見た平面視で中央付近に設けられている。発電装置10は、縦管路11、水平管路12、ランナ13及び発電機14を備えている。
縦管路11及び水平管路12は、本発明の排水路に相当している。縦管路11は、所定の管径を有し、下部水槽7の高さよりも短い管材で形成されている。そして、縦管路11は、上端が区画壁5に貫通した状態で設けられ、下端には二方向に分岐されて水平管路12が接続されている。そして、縦管路11の上部の開口部分には、縦管路11の開口を開閉するとともに、開口割合を調整するための開閉弁11aが設けられている。
水平管路12は、縦管路11の下端から二方向に分岐された水平部分であり、下部水槽7の底面に沿うようにして配置されている。
ランナ13は、縦管路11の位置を中心にした両側の水平管路12の各内側に設けられている。ランナ13は、図3に示されるように、周知の水力発電で使用されるランナと同様に構成されている。すなわち、ランナ13は、水平管路12の軸心上に回転自在に設けられる主軸13aにそれぞれ取り付けられている。
発電機14は、各ランナ13に対応して2セット設けられている。発電機14の回転軸14bとランナ13の主軸13aとは、伝達ベルト14aが巻き掛けられている。そして、ランナ13の回転は伝達ベルト14aを介して発電機14が回転駆動されるように構成されている。そして、発電機14は、後述する点検用立坑8の下部部分内にそれぞれ設けられていて、発電機14が気中に配置された状態になっている。なお、各発電機14は、耐水性に優れた水中式の発電機とすることもできる。
揚水装置20は、図1に示すように、揚水ポンプ21及び揚水パイプ22で構成されていて、浮体構造物1内に複数個(図示の例では4個)が設けられている。
各揚水ポンプ21は、周知の水中ポンプで構成されていて、下部水槽7内において下面壁3上の外周側に所定間隔を保って設けられている。
揚水パイプ22は、各揚水ポンプ21に対応して複数本設けられている。そして、各揚水パイプ22は、浮体構造物1の高さ、すなわち浮体構造物1の外周壁4の高さより少し短いパイプ材でそれぞれ形成されている。揚水パイプ22の下端は、各揚水ポンプ21の吐出側に接続されているとともに、区画壁5を貫通して上方に向けて延びていて、揚水パイプ22の上端側が上部水槽6の上部に位置している。
また、浮体構造物1には、区画壁5を貫通して上部水槽6と下部水槽7のそれぞれの内部に挿通される点検用立坑8が設けられている。
点検用立坑8は、作業員が内部を通過できる十分な空間を有する管材からなり、上端部が上面壁2上に位置し、下端部が下面壁3の近くで、後述する発電装置10の発電機14を覆うようにして、浮体構造物1の内部に上下方向に延在して設けられている。点検用立坑8の上端部の開口の上部ハッチ8aには、開閉蓋8bが設けられている。また、図示しないが、点検用立坑8の内部の縦方向には、作業員が上下動するためのラダーが設けられている。
点検用立坑8のうち、上部水槽6に位置する上部には、上部開口8cが設けられているとともに、下部水槽7に位置する上部には、下部開口8dが設けられていて、これら両開口8c、8dを介して、両水槽6、7の空間が常時、連通状態が保たれるように構成されている。そのため、上部水槽6に設けられる上部開口8cの位置は、その上部水槽6に貯留される後述するバラスト水Wの上限位置よりも上方になっている。また、下部水槽7に設けられる下部開口8dの位置は、その下部水槽7に入れられるバラスト水Wの上限位置よりも上方になっている。
係留装置30は、洋上に浮かぶ船舶等の浮遊体を係留する周知の係留装置からなり、図示しないアンカー(錨)とロープとからなり、浮体構造物1が洋上に設置されたときに、その浮体構造物1を所定の位置に係留することができるように構成されている。
次に、図4(a)、(b)を用いて、上記構成からなる発電システムGの貯蔵電力量Uを、浮体構造物1の具体的な寸法を示しながら説明する。
浮体構造物1の直径、すなわち上面壁2及び下面壁3の円の直径を100m、浮体構造物1の高さ、すなわち外周壁4の高さを46mとし、区画壁5の高さを浮体構造物1の底面、すなわち下面壁3から22mとする。そして、浮体構造物1内に入れられるバラスト水Wの水深は、各水槽6、7の片方に入れたときに20mとする。したがって、浮体構造物1の貯蔵水量Vは、(1)式で求められる。
V=π/4×100×20=157,100m ・・・(1)
発電機出力P(kW)は、P=重力加速度(g=9.8m/sec)×有効落差(m)×流量Q(m/s)×発電効率ηで表されるから、有効落差を22m、流量Qを10m/s、発電効率ηを0.8とすると、発電機出力Pは、(2)式で示される。
P=9.8×22×10×0.8=1,725kW ・・・(2)
ここで、上述した実施の形態では、発電機14は2基であるから、その発電機出力Pの合計出力は、1,725×2=3,450kWとなる。
一方、貯蔵水量Vと流量2Q(発電機が2基)との関係から、発電継続時間T(時間)は、(3)式となる。
T=V/2Q=7,855sec=2.18時間 ・・・(3)
よって、発電システムGの貯蔵電力量U(kWh)は、(4)式となる。
U=3,450×2.18=7,521kWh ・・・(4)
上述の貯蔵電力量Uは、一般家庭3300世帯分を2時間まかなえる電力である。当然ながら、縦管路11の流量を1/2とすれば発電出力Pは1/2となるが、発電継続時間は2倍となる。これだけの貯蔵電力量があれば、太陽光発電や風力発電などの発電量の変動が大きい再生可能エネルギーと組み合わせても、電力網に変動負荷をかけることなく、安定した電力供給ができることとなる。
上述の発電システムGの浮体構造物1は、直径が100m、高さが46mにも及ぶ巨大な構造物であり、洋上に浮かぶ一種の浮島を呈しており、例えば以下のように設計することができる。
本実施の形態の浮体構造物1では、外周壁4を円形にすることにより、水圧による応力は壁の周方向の圧縮力となることから、外周壁4に曲げ応力が生じることがない。そのため、直径100mの外周壁(RC壁厚1m)に水深34mの水圧が作用した際の周方向の圧縮応力度σは、(5)式のようになる。
σ=9.8×34×100/2=16,700kN/m=16,7N/mm ・・・(5)
外周壁(薄い鋼板の内側にRC壁を増打ちしたもの)に使用するコンクリートは、一般的な設計基準強度(F=60N/mm)で十分に対応することができる。
また、浮体構造物1の外周壁4に曲げ応力が生じないので、RC壁の配筋は最小配筋ですむこととなる。喫水線Lが変わらないことから、外周壁の最小必要厚さは水深に比例することとなり、水深6m以浅のRC壁厚は200mmでよい。
また、上部水槽外周壁には揚水時に内側から水深8mの水圧が作用するため周方向に引張力が生じるが、外周壁を厚さ19mmの鋼板とすれば周方向引張応力度σは、(6)式のようになり、通常の構造用鋼材SN490材で十分対応できることが分かる。
σ=9.8×8×100/2/0.019=206,300kN/m=206N/mm ・・・(6)
次に、上述した構成からなる発電システムGの作用について、図面を用いて詳細に説明する。
図1に示すように、上部水槽6にバラスト水Wが入れられている状態で開閉弁11aが開かれると、バラスト水Wが縦管路11及び水平管路12を通過して下部水槽7に落下して放出される。この放出の際、水平管路12に設けられている図3に示すランナ13を回転させて主軸13aが回転される。この主軸13aの回転により、発電機14が伝達ベルト14aを介して回転駆動されて電力を出力し、水力発電式により効率よく発電が行われる。すなわち、本発電システムGによれば、水力発電で得られる発電量の変動が小さく安定した電力を外部に供給することができる。
そして、電力を生成して下部水槽7内に排出されたバラスト水Wは、例えば再生可能エネルギーにより発電した電気を使用することにより揚水装置20の揚水ポンプ21を駆動させることで、揚水パイプ22を通して上部水槽6に揚水され、再び発電用として使用される。つまり、バラスト水Wは、上部水槽6及び下部水槽7の間で循環することになる。
このように、本実施の形態では、浮体構造物1の内部だけでバラスト水Wを循環させて発電が行われるので、設置場所に制約されることなく、安価に製造することができる。つまり、浮体構造物1を海や池、河川、湖等に設置することが可能であり、上池や下池を利用する従来の揚水式水力発電と比べて、山間部や傾斜地等の設置場所に限られずに設置することができる。
そして、本実施の形態の浮体構造物1は、円形の上部水槽6及び下部水槽7を上下2段に積層した浮体構造とすることにより、巨大な電力貯蔵(蓄電)施設となり、COや有毒ガスを排出することがないため、電力消費地の近郊の洋上に設けることが可能となる利点がある。
さらに、本実施の形態では、浮体構造物1(上下2段の上部水槽6及び下部水槽7)内に入れられるバラスト水Wの量は、その浮体構造物1が洋上に浮かべられたときの喫水線Lが所定の位置となるように決められ、浮体構造物1内のバラスト水Wの総量が常時一定である。そのため、揚水しても発電しても浮体構造物1の全体に作用する浮力は変化せず、喫水線Lも変化しないため、浮体構造物1の浮上状態を常時、安定に保つことができる。
このように本実施の形態の浮体構造物1は、一種の浮島を洋上に設けたようなもので、常に一定の浮力が確保され沈むことがないため、暴風時にも安全な避難場所として利用することができる。
また、本実施の形態では、余剰電力によって下部水槽7から上部水槽6へバラスト水Wを揚水する際に、開閉弁11aを閉じて縦管路11及び水平管路12を閉止することができ、上部水槽6にバラスト水Wを貯留することができる。また、開閉弁11aを調整することで、落下する水量とともに発電量を調節することができる。
また、本実施の形態では、上述したように周知の揚水式発電と同様に余剰電力を利用して揚水装置20を駆動することができる。なお、本発電システムGは、図示しない太陽光発電や風力発電、或いは海流発電等の自然エネルギー(再生可能エネルギー)と組み合わされて使用することも可能であり、揚水装置20の駆動においてもその自然エネルギーを利用して行うことができ、COや有毒ガスを排出することを抑制することができる。例えば、浮体構造物1の上面壁2に太陽光発電パネルを敷設したり、発電用風車を設置したりすることが容易にできる。
さらに、本実施の形態では、浮体構造物1の外周形状が円形であるので、内外の水圧による応力は周方向の圧縮力または引張力となり、浮体構造物1の外周壁4に曲げ応力が生じることを抑制することができる。また、外周壁4を円形にすることで波による抗力を小さくすることができる。例えば、外壁部が平面視で正方形の場合と比較すると抗力が4割程度低減し、荒天時の安全性を向上できる。
また、本実施の形態の発電システムGは、その設置場所での電力貯蔵(蓄電)によるエネルギーバッファ(電力需要の変動に対応する供給源)としてだけではなく、スマートグリッドを介して周辺地域の再生可能エネルギーのバッファとして用いることができる。
また、発電システムGは、水力発電を利用したものであり、施設の耐久性(寿命)は例えば50年以上の長期間とすることが可能となり、長期間運用時における点検・取替え作業も低減することができ、さらに揚水発電のため基本的には蓄電期間における放電のロスがないという利点がある。
さらに、本実施の形態の発電システムGによれば、外周壁4のうち水面から上に突出する部位を抑制することができるため、美観を損ねる等の景観上の障害を抑えることができる。
さらにまた、本実施の形態の発電システムGでは、洋上に浮かぶ施設となるので、船で曳航することにより容易に移動させることができる。例えば、沖合の風力発電所で発電した電力をこの発電システムGの施設で蓄電して電力消費地まで曳航すれば、海中に送電ケーブルを敷設しがたい場合(海流が激しい場所や船舶の往来が多い場所など)でも対応できる。
また、この発電システムGは、船舶や洋上プラットフォームを建設する従来の工事と同様に、全て現在使用されている技術の組み合わせで実施でき、施工に当たり特別な技能を要しない。
さらに、本実施の形態による浮体構造物1は、洋上において浮体構造物1が波の影響を受けやすい場所に設置される場合には、図5に示されるようなスロッシングを利用した制振機構を設けることも可能である。
図5に示される制振機構は、浮体構造物1の上部水槽6及び下部水槽7のそれぞれを2枚の仕切壁41a、41bを用いて複数(ここでは2区画)に区画することによって実現している。これら仕切壁41a、41bは、水平方向に所定の間隔を保って、かつ面方向を鉛直方向に向けた状態で浮体構造物1内に設けられている。
上述のように、浮体構造物1の内部が複数に区画されたときは、スロッシングを利用した制振機能をもたせることが可能となり、また、区画の大きさを適宜調整することによって、複数の異なる周期のスロッシングダンパーを構成することができ、チューニングにロバスト性をもたせることができる。
なお、仕切壁41a、41bは、上述のような配置に限定されることはなく、上面壁2(下面壁3)と同軸で円周方向に延在するように配置したり、その円周方向を分割した放射方向に沿うように配置してもよい。
また、本実施の形態の浮体構造物1は、上述のように大型の構造物であるので、内部には適当な補強材が設けられる。補強材としては、上部水槽6及び下部水槽7内に鉛直方向に向けて配置され、かつ下部に開口を備えた仕切壁を設けて形成することができる。このような仕切壁は、上述したスロッシング用と兼用することもできる。
図6は、上述した本実施の形態の発電システムGを大規模浮遊体構造100に採用した構成を示した図である。大規模浮遊体構造100は、海中に浮遊して設けられる球殻形状をなし、例えば住空間やオフィス空間等を備えた潜水都市として利用される構造物である。
大規模浮遊体構造100は、内部空間Rを形成する球状の外殻部101(図6では外殻部101は断面で示されている。)と、外殻部101の下方に連結されるバラスト102と、を備えている。外殻部101には、高さ方向の略中央の位置での内部空間Rを上下に分割する隔壁103が設けられている。そして、隔壁103の上部空間には平面視中央に上下方向に沿って中央タワー部104が配置され、隔壁103の下部空間には上述した発電システムGが設置されている。なお、図6では、上述した発電装置10の表示が省略されており、揚水ポンプ21及び揚水パイプ22を有する揚水装置20のみが記載されている。
外殻部101は、例えば直径が500mの球体を呈しているとともに、その外殻部101内に設けられる中央タワー部104は、多層階からなる建物に形成されていて、住空間やオフィス空間等に利用される。そして、発電システムGは、その中央タワー部104で使用される電力を担うことができる。なお、バラスト102は、外殻部101を海上又は海中に任意に移動させるために利用される。
上述の大規模浮遊体構造100は、本発明に係る発電システムGを海中に浮遊して設けられる球殻型の例を示したものであるが、この発電システムGを盤状の浮体構造上にタワー部が構築されるような大規模浮遊体構造に付随させた構成とすることも可能である。この場合も、発電システムGで生成された電力がタワー部で使用される電力を担うことができる。
以上、本発明による発電システムの実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した実施の形態では、浮体構造物1の形状を略円筒形としているが、角柱形等の他の形状とすることもできる。
また、本実施の形態では、上方から見た平面視で略中央に排水路(縦管路11)を配置しているが、中央であることに限定されることはなく、適宜な位置に配置することが可能である。そして、本実施の形態では、排水路として縦管路11と、この縦管路11の下端から2つに分岐される水平管路12を設け、それぞれの水平管路12毎に発電機14を設けた構成としているが、これに限定されることはない。例えば、縦管路11の下端にL状に曲がる分岐しない水平管路12を設け、1基の発電装置10とする構成であっても良い。或いは、複数の縦管路11を設けるようにしても良いし、発電装置10の数量についてもとくに制限されるものではない。要は、排水路の径寸法や数量、発電装置10の数量、揚水装置20は、浮体構造物1の大きさ、上部水槽6及び下部水槽7の容量、バラスト水の貯水量などの条件に合わせて適宜設定することができる。
また、点検用立坑8は、上述した実施の形態では、発電機14の設置位置に対応した二箇所に設けられているが、浮体構造物1の上面壁2の円の直径が大きいときは三箇所以上に設けるようにしてもよい。そして、発電機14はランナ13と伝達ベルト14aで接続されていれば良く、必ずしもランナ13の近傍に発電機14が配置されている必要は無い。例えば、発電機14を下部水槽7のバラスト水Wに水没しない上部空間に配置することができ、かつ上部空間にアクセス可能な構造とした場合には、発電機14用の点検用立坑8を省略することも可能である。
さらに、上述した実施の形態の発電システムGでは、浮体構造物1を単独で配置するものとしたが、これに限定されず、複数の浮体構造物1を互いに連結して、より大きな電力貯蔵(蓄電)システムとすることも可能である。そして、このような連結箇所には、風力発電設備を設けるようにしてもよい。
さらにまた、浮体構造物1の上に各種施設を構築してもよい。この場合には、市街地から離れた水中施設となるので、騒音を発生する工場やカジノ施設、観光客相手の商業施設としたり、魚類や牡蠣の加工場など漁業関係施設としたりすることもできる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
G 発電システム
W バラスト水
L 喫水線
1 浮体構造物
2 上面壁
3 下面壁
4 外周壁
5 区画壁
6 上部水槽
7 下部水槽
8 点検用立坑
10 発電装置
11 縦管路(排水路)
11a 開閉弁
12 水平管路(排水路)
13 ランナ
14 発電機
20 揚水装置
21 揚水ポンプ
22 揚水パイプ
30 係留装置
41a、41b 仕切壁
100 大規模浮遊体構造
101 外殻部
102 バラスト
103 隔壁
104 中央タワー部

Claims (5)

  1. 洋上に浮上可能な浮体構造物内の上部側に設けられた上部水槽と、
    前記浮体構造物内の下部側に設けられた下部水槽と、
    前記上部水槽内に貯留されているバラスト水を前記下部水槽に落下させて排出する排水路と、
    前記排水路を流れるバラスト水で回転駆動される発電機と、
    前記下部水槽に排出されたバラスト水を前記上部水槽内に揚水する揚水装置と、
    を備えていることを特徴とする発電システム。
  2. 前記排水路を流れるバラスト水を調節する開閉弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発電システム。
  3. 前記浮体構造物の内部には、水平方向に複数に区画する仕切壁が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発電システム。
  4. 前記揚水装置は、再生可能エネルギーを利用して駆動されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発電システム。
  5. 前記浮体構造物は、周壁部が円柱状をなし、その円柱の軸心方向が垂直方向となるように洋上に浮上されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発電システム。
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