JP2000027748A - 海洋深層水の汲上・拡散装置 - Google Patents

海洋深層水の汲上・拡散装置

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JP2000027748A
JP2000027748A JP10194258A JP19425898A JP2000027748A JP 2000027748 A JP2000027748 A JP 2000027748A JP 10194258 A JP10194258 A JP 10194258A JP 19425898 A JP19425898 A JP 19425898A JP 2000027748 A JP2000027748 A JP 2000027748A
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Kazuyuki Ouchi
一之 大内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 豊富な栄養源を有する海洋深層水を汲み上げ
て表装水と混ぜて有光層に拡散することで、植物プラン
クトンを増殖させて光合成を起こし、地球上の二酸化炭
素を固定するとともに、魚類を増殖して新しい漁場を創
成する。 【解決手段】 水深300〜600m以深の海底に沈め
られたシンカーに係留される湧昇パイプと、湧昇パイプ
の上端に接続され、主体が水深100m以浅の有光層の
水面下に浮かべられ、湧昇パイプを通して上記水深の深
層水を汲み上げるとともに、吸込口から表層水を吸い込
み、両者を混合して吐出口から有光層に密度流として吐
出する水中浮体とからなることを特徴とする海洋深層水
の汲上・拡散装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水深300〜60
0m以深の深層水を汲み上げ、これを表層水と混合して
水深100m以浅の有光層に密度流として拡散させる海
洋深層水の汲上・拡散装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】海洋における上記の深さの深層水は、低
温性、富栄養性、清浄性と3つの大きな特徴を持ってい
る。そして、この深層水は、地球上の海水の90%以上
を占めており、21世紀に残された巨大な未利用資源と
云われている。このような深層水を有光層まで汲み上げ
て拡散すれば、窒素、リン等の栄養源を基として植物プ
ランクトンが増殖して光合成が起こり、その結果、地球
上のCO2 は固定されるとともに、植物プランクトンを
起点とする食物連鎖によって魚類が増殖し、好漁場が創
成できる。
【0003】このため、従来からも、深層水を表層まで
湧昇させる方法が幾つか提唱されている。その一は、温
水を深層に注入して深層水の温度を上げ、湧昇によって
表層まで上昇させる方法であり、その二は、ポンプで深
層水を汲み上げ、表層水と混合して海面上に散布する方
法である。この他、海底に壁を構築し、潮流を利用して
深層水を表層まで湧昇させる方法も提唱されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、その一の方法
による場合、温水を深層に注入するには、大きなエネル
ギーを必要とするし、確実性にも疑問がある。又、その
二の方法による場合、深層水を単に海面上に散布しただ
けでは、深層水はそのまま海底に沈下して十分な効果が
期待できない。更に、海底に壁を構築する方法は、実現
性に問題がある。
【0005】一方、WO98/02385号公報には、
水上浮体に底層まで届く吸込みパイプを吊り下げ、水上
浮体に収容された原動機で吸込みパイプの途中に設けら
れたインペラを駆動して吸込みパイプ下端から底層水を
汲み上げ、これを表層水と混ぜて密度流として放出する
発明が示されている。
【0006】しかし、この発明のものは、せいぜいが水
深50m程度の閉鎖性水域の底層水を汲み上げるもの
で、水深300〜600m以深の深層水を汲み上げるこ
とまでは想定していない。又、水上浮体は海面上に浮か
び、吸込みパイプは水上浮体に吊り下げられているか
ら、風波の影響を受け易く、安定した作動といった点に
懸念がある。
【0007】本発明は、このような課題を解決するもの
であり、水深300〜600m以深の深層水を汲み上
げ、これを表層水と混合して水深100m以浅の有光層
に密度流として放出する上で、作動が確実で、安全な海
洋深層水の汲上・拡散装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題の下、本発明
は、水深300〜600m以深の海底に沈められたシン
カーに係留される湧昇パイプと、湧昇パイプの上端に接
続され、主体が水深100m以浅の有光層の水面下に浮
かべられ、湧昇パイプを通して上記水深の深層水を汲み
上げるとともに、吸込口から表層水を吸い込み、両者を
混合して吐出口から有光層に密度流として吐出する水中
浮体とからなることを特徴とする海洋深層水の汲上・拡
散装置を提供する。
【0009】以上の手段により、即ち、湧昇パイプはシ
ンカーによって海底一定深さの定位置に固定され、且
つ、水中浮体の浮力によって直立した姿勢が保たれる。
又、水中浮体は主体が水面下に在るから、風波の影響を
あまり受けない。従って、装置の姿勢は安定し、作動が
確実である。
【0010】又、本発明は、以上の装置において、深層
水の汲上げ及び表層水の吸込み並びに両者を混合した混
合水の吐出を水中浮体の内側ケーシングに収容されるイ
ンペラを駆動して行なう手段、そして、インペラが蒸気
タービン装置で駆動されるものであり、蒸気タービン装
置が深層水と表層水の温度差エネルギーを利用するOT
EC機関で駆動される手段を提供する。
【0011】この手段により、インペラを回転させると
いった簡単な構造で目的を達成できるし、これにおい
て、インペラは水中浮体の内側ケーシングに収容される
から(湧昇パイプ等に設けるものではないから)、構造
を簡単にできる。又、インペラの駆動源としてOTEC
機関を採用すれば、クリーンなエネルギーを現場調達で
きる。
【0012】更に、本発明は、以上の湧昇パイプがシン
カーに索条で2点係留される手段を提供する。この手段
により、湧昇パイプは定位置に固定されるとともに、イ
ンペラ回転に基づく湧昇パイプの反動トルクを吸収で
き、湧昇パイプの姿勢がより安定する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明の一例を示す深層水
の汲上・拡散装置の説明図であるが、この装置は、その
下端が水深300〜600m以深の深層の底層まで降ろ
される湧昇パイプ10と、湧昇パイプ10の上端に接続
されてこれに浮力を与え、水深100m以浅の有光層
(太陽光が届く層)の水中にその主体が浮かべられる水
中浮体12とからなる。
【0014】湧昇パイプ10は、下端に流入口14が形
成され、上端は開口16して水中浮体12に接続される
パイプ体である。流入口14が形成される下端は、ベル
マウス形状をしており、海底に沈められたシンカー18
に対して2条からなるチェン、ワイヤ等の索条20で繋
がれて、所謂、2点係留されている。湧昇パイプ10の
位置を固定するためと、後述するインペラ駆動による湧
昇パイプ10の反動トルクを吸収するためである。尚、
湧昇パイプ10の全長は相当に長いものになるから、何
本かを接続して構成することになる。
【0015】水中浮体12は、外側ケーシング22aと
内側ケーシング22bとからなるケーシング22が水密
的な構造を施されて浮力を発生するものであり、この浮
力で下方に接続され、且つ、シンカー18に係留された
湧昇パイプ10を水中一定高さの直立姿勢に保ち、自身
は湧昇パイプ10に引っ張られて前記した有光層に留ま
っているものである。水中浮体12のケーシング22の
上部(上面)には表層水を吸い込む吸込口24が形成さ
れ、これより下方の側面には湧昇パイプ10で汲み上げ
た深層水と吸込口24から吸い込んだ表層水とを混合し
て吐出する吐出口26が形成されている。
【0016】水中浮体12の内側ケーシング22bの内
部には、強制駆動されるインペラ28が吐出口26の高
さ位置に収容されており、このインペラ28を回転させ
ることで、湧昇パイプ10の流入口14から前記の深さ
の深層水を汲み上げるとともに、吸込口24からは表層
水を吸い込み、両者を混合してその側方の吐出口26か
ら吐出させる。この点で、このインペラ28は、上下面
にそれぞれ上記の機能を果たすブレード28a、28b
が形成されており、その形状、回転数等によって吸込量
及び汲上量が決定される。
【0017】この場合、深層水と表層水とは混合され、
両者の中間の密度にして吐出されるから、混合水の求め
られる密度によってその混合割合が決定される。一般
に、吐出される混合水の密度は、吐出箇所における海水
の密度に近いほど、スムーズに水平拡散する。従って、
深層水と表層水の混合割合に基づく密度は、吐出口26
が位置する海水の密度とほぼ等しく設定され、この条件
を充たすよう、インペラ28による深層水と表層水のそ
れぞれの汲上量及び吸込量が決定される。深層水と表層
水の混合割合は、流入口14や吐出口26の位置にもよ
るが、通常は1:1〜1:10程度に設定される。
【0018】インペラ28によって汲み上げられ、且
つ、吸い込まれた深層水と表層水は十分に混合され、一
様な密度になって吐出される必要がある。従って、吐出
口26の部分には、内側ケーシング22bに連続する突
出筒30を環状に又は部分状に突出させ、この突出筒3
0の先端に吐出口26を設けるのが好ましい。深層水と
表層水とは、この突出筒30を流通している間に混合さ
れ、密度が均一化されるからである。尚、図示は省略す
るが、この混合を助長する攪拌翼のようなものを設ける
ことも考えられる。
【0019】本例のインペラ28は、水中浮体12に一
般的には水面上に出た状態で架設される蒸気タービン装
置32によって垂直駆動軸34を介して駆動される。こ
の場合において、蒸気タービン装置32の原動力となる
蒸気は、深層水と表層水の温度差エネルギー(Ocean Th
ermal Enegy Conversion 以下、OTECと称す)を利
用して得るものが考えられる。OTECによるものとし
ては、ランキンサイクルやカリーナサイクルといった熱
機関があり、その原理は、作動流体が液体(水)の状態
で高熱源から熱エネルギーを受け取って気体(蒸気)に
なって仕事をし、仕事を終えた気体の持つ熱エネルギー
を低熱源へ放出するもので、既に、海洋温度差発電や地
熱発電等で実用化されている。
【0020】図2は本発明で用いられるOTEC機関3
6の説明図であるが、水中浮体12の上部と下部にそれ
ぞれベーパライザ38とコンデンサ40を設けるととも
に、ベーパライザ38と蒸気タービン装置32間及び蒸
気タービン装置32とコンデンサ40間を蒸気流通パイ
プ42で連結し、コンデンサ40とベーパライザ38間
を循環ポンプ44を挿設した液体流通パイプ46で連結
したものである。これにより、コンデンサ40で液化さ
せた液体を循環ポンプ44でベーパライザ38に送り、
ここで蒸気にして蒸気タービン装置32を駆動してコン
デンサ40に戻すサイクルを繰り返す。
【0021】このようなOTEC機関36は、効率は悪
いが、本発明では、効率そのものはあまり問題にならな
い。効率の悪さは、装置の大型化等で対処すればよいこ
とであり、むしろ、クリーンで汚染を招かないエネルギ
ーを現場調達できる利点の方が大きい。但し、公害等の
問題はあるものの、継続的で安定した駆動力が得られれ
ば、化石燃料や原子力といった外部エネルギーを利用す
るものであってもよい。本発明は、要するに、上記の目
的の下、インペラ28を確実に安定して駆動できればよ
いからである。
【0022】以上のOTEC機関36とインペラ28及
び垂直駆動軸34を収容する水中浮体12は、できるだ
け風波の影響を受けないようにするため、水面下に没し
た有光層に浮かべられる。この場合、水中浮体12を始
めとする装置全体が水中に没しているのが理想である
が、本装置の目印のためや保守点検等のために乗り移る
便等を考慮して、風波の影響をあまり受けない範囲で、
その一部、例えば、蒸気タービン装置32の一部が水面
上に出ていることは容認される。
【0023】以上により、OTEC機関36(又はその
他の機関)によって上記タービン装置32を駆動し、そ
の出力を垂直駆動軸34を介してインペラ28に伝える
と、インペラ28は回転し、湧昇パイプ10の流入口1
4から深層水を汲み上げるとともに、水中浮体12の吸
込口24から表層水を吸い込み、この両者を混合してそ
の吐出口26から密度流として吐出する。
【0024】ここで、密度流とは、図3の模式図で示す
ように、ある密度の液体を特定の密度で分布している液
体中に放出してやれば、自身よりも低い密度層と高い密
度層の間をクサビのようになって分け入り、後方からの
液体の供給がある限り、限りなく前進する特性を示すも
のをいう。この密度流の前進エネルギーは密度ポテンシ
ャルの差による重力の働きによるものであるから、エネ
ルギーコストがかからない利点を有している。従って、
この装置から吐出される密度流はどこまでも拡散して行
き、この間に太陽光を受けながら自身が有する栄養源に
よって植物プランクトンが増殖し、光合成を活発化す
る。この意味から、混合水の吐出域は有光層であること
が条件となる。植物プランクトンの増殖に基づく光合成
により、空気中のCO2 は密度流中に取り込まれ、又、
植物プランクトンを餌として魚類が増殖し、新しい漁場
を創成できる。
【0025】以下は、本発明者等が計画している海洋深
層水の汲上・拡散装置のパイロットプラントの仕様であ
る。 1)装置高さ:水面下約800m、水面上約10m 2)吸入高さ:水面下約10m及び約800m 3)吐出高さ:水面下約50m 4)パイプ径:上部約1.6m、下部約1.3m 5)吸引量及び上下比:上部約40万m3 /日、下部約
20万m3 /日約2:1 6)吐出流量:約60万m3 /日 7)インペラ径:約4m 8)インペラ出力×回転速度:約100Kw×24rp
m 9)インペラ駆動方式:OTECランキンサイクルによ
る蒸気タービン駆動
【0026】以上の計画に係る海洋深層水の汲上げ・拡
散装置を基礎生産力の小さい海域に設置した場合、基礎
生産力がどの程度増加するか、又、CO2 の固定、漁場
の創成にどのような影響を及ぼすかについて検討する。
所謂、「海の砂漠」と云われている外洋の貧栄養な低緯
度成層海域では、深層水の窒素・リン等の栄養塩濃度は
表層水の20倍程度と考えられるので、本装置で2:1
の比率で混合された表・深層混合水の栄養塩濃度は、 (2×1+1×20)/3=7.33 となり、表層水の約7倍となる。
【0027】この海域の単位面積当たりの基礎生産力
は、炭素換算で約30(g・C/m2 /年)と見積もら
れているが、この混合水がうまく有光層に拡散されれ
ば、単位面積当たりの基礎生産力の増加量は、栄養塩濃
度に比例すると考えられるので、 30×(7−1)=180(g・C/m2 /年) となる。
【0028】今、有光層の厚さを100mとし、この厚
さの層が全て混合水に置き換わるとしたとき、本装置の
混合水吐出量は60万×365=21,900万(m3
/年)なので、基礎生産力が増加する海域の表面積は、 21,900万/100=219万(m2 /年) となる。従って、この海域全体の基礎生産力は、 180×219万×10-6=394(トン・C/年) となり、本装置による深層水の汲上げにより、1年間に
炭素換算で約400トンの基礎生産・炭素固定が新たに
行われることになる。
【0029】ここで、地球規模でのCO2 削減につい
て、本装置がどの程度のポテンシャルを持っているかを
考察してみる。本装置は、できるだけ大型の方が効率が
良いと考えられるが、現在、最も大きい構造物を製作で
きる大型タンカー(VLCC)用の造船設備を使用する
前提に立つと、直径50mのインペラを持つ装置は可能
と考えられる。この大きさの装置の性能を見積もると、
混合水吐出量約9,000万m3 /日(330億m3
年)、OTEC動力約1万Kw程度と予測され、従っ
て、海域表面積は3.3億m2 となり、炭素固定量は約
6万(トン・C/年)となる。
【0030】現在の地球上でのCO2 の総排出量は、炭
素換算で70億(トン・C/年)程度と見積もられてお
り、この10%の7億(トン・C/年)の炭素固定を行
うための50mインペラの装置の必要台数は、 (7×108 )/(6×104 )=1.17×104 となる。この結果、約1万台の本装置を南方の成層海域
で稼動させれば、海洋の基礎生産力の増加による炭素の
固定により、地球上のCO2 排出の10%が海洋へ吸収
されることになる。
【0031】一方、漁場の創成に関して考えてみると、
一般に、湧昇海域においては、外洋や沿岸海域に比べて
有用魚類に至るまでの栄養段階の数が少ないことと栄養
段階移行時のエネルギー転換効率が良いことから、有用
魚類の生産効率は著しく高いと云われている。ある統計
によると、地球上の全湧昇海域における基礎生産力は1
8 トン/年で、これに対応する魚類生産力は湿重量に
して12×107 トンと見積もられている。
【0032】湧昇海域における基礎生産力と魚類生産力
に関する上記の比率を本装置設置海域に適用すると、直
径4mインペラの装置による魚類生産力は湿重量で、 400×12×107 /108 =480(トン/年)=
1.3(トン/日) となる。又、直径50mインペラの装置では、 6万×12×107 /108 =7.2万(トン/年)=
200(トン/日) となる。そこで、直径50mのインペラによる装置を1
000台有効稼働させれば、7,200万トン/年の魚
類生産力が生み出され、これは、現在、世界の漁獲量1
億トン/年に匹敵する生産力である。
【0033】
【発明の効果】以上、本発明によれば、豊富な栄養源を
含む深層水を有光層まで汲み上げ、これを密度流として
拡散することにより、栄養源を基として植物プランクト
ンが増殖して光合成が起こり、その結果、地球上のCO
2 を吸収するとともに、植物プランクトンを起点とする
食物連鎖によって魚類が増殖し、新しい漁場を創成する
ことができるという一石二鳥の効果が期待できる。これ
により、21世紀最大の問題である地球温暖化と食料危
機を同時に解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す海洋深層水の汲上・拡散装
置の説明図である。
【図2】本発明の一例を示す海洋深層水の汲上・拡散装
置の要部の説明図である。
【図3】密度流を説明するための説明図である。
【符号の説明】
10 湧昇パイプ 12 水中浮体 18 シンカー 20 索条 28 インペラ 32 蒸気タービン装置 36 OTEC機関

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水深300〜600m以深の海底に沈め
    られたシンカーに係留される湧昇パイプと、湧昇パイプ
    の上端に接続され、主体が水深100m以浅の有光層の
    水面下に浮かべられ、湧昇パイプを通して上記水深の深
    層水を汲み上げるとともに、吸込口から表層水を吸い込
    み、両者を混合して吐出口から有光層に密度流として吐
    出する水中浮体とからなることを特徴とする海洋深層水
    の汲上・拡散装置。
  2. 【請求項2】 深層水の汲上げ及び表層水の吸込み並び
    に両者を混合した混合水の吐出を水中浮体の内側ケーシ
    ングに収容されるインペラを駆動して行なう請求項1に
    記載の海洋深層水の汲上・拡散装置。
  3. 【請求項3】 インペラが蒸気タービン装置で駆動され
    るものであり、蒸気タービン装置が深層水と表層水の温
    度差エネルギーを利用するOTEC機関で駆動されるも
    のである請求項2に記載の海洋深層水の汲上・拡散装
    置。
  4. 【請求項4】 湧昇パイプがシンカーに索条で2点係留
    される請求項1〜3いずれかに記載の海洋深層水の汲上
    ・拡散装置。
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