JPH0839329A - スローアウェイチップ - Google Patents

スローアウェイチップ

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Publication number
JPH0839329A
JPH0839329A JP6179294A JP17929494A JPH0839329A JP H0839329 A JPH0839329 A JP H0839329A JP 6179294 A JP6179294 A JP 6179294A JP 17929494 A JP17929494 A JP 17929494A JP H0839329 A JPH0839329 A JP H0839329A
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JP
Japan
Prior art keywords
tip
cutting edge
peripheral
peripheral surface
intersecting
Prior art date
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Pending
Application number
JP6179294A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Shimomura
博 下村
Masaharu Takiguchi
正治 滝口
Toshiyuki Shirai
要志 白井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 略正方形をなす一対の側面12,12と、こ
れらの側面12,12の周囲に配置される4つの周面1
3…とから画成される平板状のスローアウェイチップ1
1であって、側面12,12と周面13…との各交差稜
線部には、それぞれの周面13に鈍角に交差する円筒面
Pにより、この交差稜線部が延びる方向に沿って湾曲す
る凸状面14が形成されており、この凸状面14と側面
12との交差稜線上に切刃15が形成されている。 【効果】 切刃15は楕円弧状を呈するため、仕上げ加
工に用いて平滑な仕上げ面を得ることができ、それぞれ
の切刃15に隣り合う周面13に、チップ取付座23の
受け面23Aに密着する平坦な部分が残されるので、ネ
ガティブスローアウェイチップの場合で8つの切刃15
を使用可能として、チップの利用効率の向上を図ること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スローアウェイ式の正
面フライス等の切削工具に着脱自在に装着されるスロー
アウェイチップ(以下、チップと称する。)に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】この種のチップとしては、スローアウェ
イ式の正面フライスに装着されて被削材の仕上げ加工を
行うものとして、例えば図13に示すようなものが知ら
れている。この図13に示すチップ1は一対の側面2,
2とその周囲に配置される4つの周面3…を備えた略方
形平板状のものであり、両側面2,2と各周面3…とが
直交する方向に配置されたネガチップとされている。そ
して、4つの周面3…のうち互いに反対側に位置する一
対の周面3A,3Aは、それぞれ側面2に垂直な方向に
軸線を有する大きな半径の円筒面によって切り欠かれる
ようにして、チップ1の外側に膨らむ凸面状に形成され
ており、これら凸面状をなす一対の周面3A,3Aと上
記一対の側面2,2との交差稜線上に切刃4が形成され
ている。なお、他の一対の周面3B,3Bは平坦に形成
されたままであり、また側面2,2との交差稜線部に切
刃が形成されることもない。
【0003】このようなチップ1は、図14に示すよう
に、軸線O回りに回転される正面フライス5の工具本体
6の先端外周部に形成されたチップ取付座7に着脱自在
に装着され、切削に供される。ここで、チップ取付座6
の工具内周側には平坦な受け面7Aが工具外周側を向く
ように形成されており、チップ1は、この受け面7Aに
一方の平坦な周面3Bを密着させ、一方の側面2をすく
い面として工具回転方向(図中白抜き矢線方向)に向け
るとともに、一方の凸面状の周面3Aを逃げ面として工
具先端側に向けてチップ取付座7に装着され、さらにク
サビ部材8によって押圧されて固定されている。そし
て、この一方の側面2と工具先端側を向く一方の周面3
Aとの交差稜線上に形成された切刃4により切削を行っ
てゆく。なお、チップ1は、すくい面とされる上記一方
の側面2が工具先端側に向かうに従い工具回転方向後方
に向かうように傾斜して配置されており、これにより切
刃4には負のすくい角αが与えられている。
【0004】しかるに、このようなチップ1において
は、円筒面により画成される凸面状の周面3Aとこれに
直交する平坦な側面2との交差稜線上に切刃4が形成さ
れているため、この切刃4は側面2に垂直な方向から見
て円弧状を呈することとなり、さらにチップ1を上述の
ように傾斜させて取り付けることにより、切刃4はチッ
プ1の装着状態において工具回転方向側から見て、工具
先端側に偏平した楕円形を呈することとなる。そして、
工具本体1の送りを抑えつつ、該工具本体1を回転させ
てこのような切刃4で被削材Wの加工面Sを切削してゆ
くことにより、該加工面Sは平滑な面に仕上げられてゆ
く。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
構成のチップ1は、上述の通りその平坦な周面3Bをチ
ップ取付座6の平坦な受け面7Aに密着させることによ
り、工具径方向に位置決めされてチップ取付座7に着座
されるようになされており、一の切刃4に対してこれに
隣り合うように一の平坦な周面3Bを確保しなければな
らないことから、正方形平板状のチップ1においては4
つの周面3…のうち2つの周面3A,3Aしか凸曲面状
に形成することができない。そして、この結果、当該チ
ップ1が上述のようにネガチップである場合でも一つの
チップ1で切刃4を合計4つしか形成することしかでき
ず、ましてチップが、一方の側面2と周面3…とが鋭角
に交差するポジティブチップである場合には、一つのチ
ップに2つの切刃しか形成することができない。
【0006】また、このようなチップ1による仕上げ加
工では、切刃4の全長のうち工具先端側に突出する中央
部分が専ら使用に供されることとなり、その摩耗等の進
行も切刃4の両端部分に比べて大きく、従ってこの中央
部分における切刃4の損耗によって切刃4全体の寿命が
決定されてしまう結果となる。そして、引いてはチップ
1自体の寿命もこの切刃4の中央部分の損耗で決定され
てしまうため、上記チップ1では切刃4の両端部分は未
だ使用可能であるにも関わらず、チップを交換しなけれ
ばならない事態が生じてしまう。このため、上記構成の
チップ1では、上述した一つのチップ1に形成可能な切
刃4の数の少なさとも相俟って、チップを効率的に利用
することができないという問題があった。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、チップ取付座の受け面に密着する平坦面を確
保しつつも、一つのチップに多くの切刃を形成すること
が可能であり、また切刃の端部をも満遍なく使用し得
て、利用効率を向上させることが可能なチップを提供す
ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、略正方形を
なす一対の側面と、これらの側面の周囲に配置される4
つの周面とから画成される平板状のチップであって、少
なくとも一方の上記側面と上記周面との各交差稜線部
に、当該周面に鈍角に交差する円筒面により、該交差稜
線部が延びる方向に沿って湾曲する凸状面を形成し、こ
の凸状面と上記少なくとも一方の側面との交差稜線上に
切刃を形成したことを特徴とする。
【0009】
【作用】このような構成のチップにおいては、チップの
側面と周面との交差稜線部に形成される上記凸状面が、
該周面に鈍角に交差する円筒面によって画成されている
ため、この凸状面と上記側面との交差稜線は該側面に対
して垂直な方向から見て楕円形を呈することとなる。そ
こで、この交差稜線上に切刃を形成することにより、上
記側面をすくい面として工具回転方向に向けるととも
に、一の周面を逃げ面として工具回転方向に向けて当該
チップを工具本体に装着した状態で、上記切刃は工具回
転方向側から見ても楕円形を呈し、仕上げ加工に供する
ことが可能となる。
【0010】しかるに、この切刃はチップの側面と上記
凸状面との交差稜線に形成されており、チップの周面は
残されたままであるから、この周面を平坦面としてチッ
プ取付座の工具内周側の受け面に密着させることによ
り、チップの位置決めを行うことができる。従って、上
記構成のチップによれば、4つの周面にそれぞれ隣り合
うように切刃を形成することが可能であり、すなわち当
該チップが、その一方の側面と4つの周面とが互いに鋭
角に交差する方向に配置されたポジティブチップである
場合には、該側面の辺稜部に合計4つの切刃を形成する
ことができ、また当該チップが、その一対の側面と4つ
の周面とが互いに直交する方向に配置されたネガティブ
チップである場合には、両側面の辺稜部に合計8つの切
刃を形成することが可能となる。
【0011】また、この切刃が形成された側面の各角部
においては、互いに隣り合う周面同士の各凸状面と該側
面との交差稜線に形成された一対の切刃の端部が交差す
るように配置されてコーナ部が形成される。このため、
仕上げ加工によって切刃の中央部が使用されたチップ
を、このコーナ部が工具先端側に突出するように傾斜さ
せて装着して、切刃に比較的大きな切り込み角が与えら
れるように配置することにより、このコーナ部から延び
る切刃の端部によって被削材の荒加工を行うことが可能
となり、これにより上記交差稜線上に形成された切刃を
満遍なく使用しきることが可能となる。
【0012】なお、上記凸状面を画成する上記円筒面の
半径は、工具装着状態において工具回転方向から見た切
刃の呈する楕円の曲率半径が大きくなるように、十分大
きく設定されるのが望ましい。すなわち、この円筒面の
半径が小さすぎると、上記切刃の呈する楕円の曲率半径
も小さくなってしまい、工具の送りにもよるが仕上げ面
粗度の劣化を招くおそれが生じる。しかしながら、その
一方で、この円筒面の半径が大きくなりすぎると、上記
切刃が呈する楕円の曲率半径も大きくなりすぎてしま
い、切刃が全く直線状と変わらなくなって全体的に被削
材に接触するようになり、この結果切削抵抗の増大を招
いたりするおそれが生じる。従って、このような問題を
回避するためには、上記円筒面の半径は2000mm以下
とされるのが望ましい。
【0013】また、上記凸状面を画成するこの円筒面の
半径が十分大きく設定されていても、該円筒面と上記周
面とがなす交差角が小さすぎると、やはり上記切刃が呈
する楕円の曲率半径は小さなものとなってしまう。この
ため、上記円筒面と周面とがなす交差角は、160°以
上に設定されるのが望ましい。ただし、上記円筒面と周
面とは鈍角に交差するように設定されているので、この
交差角は180°以上となることはない。
【0014】
【実施例】図1ないし図4は、本発明の一実施例を示す
ものである。これらの図においてチップ11は超硬合金
等の硬質材料から形成されて、略正方形をなす一対の平
坦な側面12,12と、これらの側面12,12の周囲
に配置される略長方形状の4つの平坦な周面13…とか
ら画成される略正方形平板状をなしている。ここで本実
施例では、上記一対の側面12,12と各周面13…と
は互いに直交する方向に配置されており、すなわち当該
チップ11はネガティブチップとされている。なお、側
面12,12が正方形状であることから、本実施例では
互いに隣り合う周面13同士もまた、互いに直交する方
向に配置されることとなる。ただし、この周面13同士
の交差稜線部は円筒面状に切り欠かれている。
【0015】そして、本実施例では、上記一対の側面1
2,12と各周面13…とのそれぞれの交差稜線部に、
側面12,12に対向する方向からの平面視にこの稜線
部が延びる方向に沿って、すなわち側面12,12の外
周回り方向に沿って、チップ11の外側に膨らむように
湾曲する凸状面14が形成されており、これらの凸状面
14…と上記側面12,12との交差稜線上に、それぞ
れ切刃15が形成されている。この凸状面14は、側面
12,12と周面13…とのそれぞれの交差稜線部につ
いて、該交差稜線部を、周面13に鈍角に交差する円筒
面Pによって切り欠くようにして画成されるものであ
る。ここで、この円筒面Pは、該交差稜線部の中点Mを
通り、かつ該交差稜線部にて交差する側面12と周面1
3とに直交する平面Sを想定したとき、該円筒面Pの中
心軸が、この平面S上に含まれ、かつ該交差稜線部側か
ら離間するに従い周面13側から離間する方向に延びる
ように配されるものであって、その中心軸から円筒面P
までの距離、すなわち当該円筒面の半径Rは、本実施例
では400mmに設定されており、またこの円筒面Pと周
面13との交差角、すなわち凸状面14と周面13との
交差角θは、本実施例では上記平面S上において177
°となるように設定されている。
【0016】このように、平坦な側面12と、これに対
して傾斜した円筒面Pにより画成される凸状面14との
交差稜線上に形成される切刃15は、側面12に垂直な
方向から見て、その両端部から中央部側に向かうに従い
チップ11の外側に膨らむ偏平した楕円の弧状を呈する
こととなる。ただし、本実施例では、凸状面14を画成
する円筒面Pの半径Rがチップ11の大きさに対して極
めて大きく、かつ該凸状面14と周面13との交差角θ
が180°に近いことから、切刃15が呈する楕円の曲
率半径は極めて大きくなり、図1においては略直線状に
見えている。また、周面13同士の交差稜線部が上述の
ように円筒面状に形成されていることから、互いに隣り
合う切刃15同士の両端部は、側面12に垂直な方向か
ら見て略円弧を呈して滑らかに連続するように形成され
ており、これによって側面12,12の各4つの角部
に、それぞれ丸コーナ部16が形成されている。
【0017】一方、周面13に垂直な方向から見ると、
凸状面14は周面13の両側面12,12側に切刃1
5,15に沿って延びるようにそれぞれ配され、これら
の凸状面14,14と周面13との交差稜線L,Lは両
側面12,12側に向けて膨らむ凸楕円弧状に形成され
ることとなる。この凸楕円弧を呈する交差稜線Lは、上
記平面S上にて最も側面12に接近するように形成さ
れ、従って凸状面14の幅は、切刃15に沿ってその両
端部から中央部側に向かうに従い漸次小さくなるように
形成される。そして、これらの交差稜線L,Lに挟まれ
た部分に、平坦な周面13が残されるように形成されて
いる。
【0018】このような構成のチップ11は、図5ない
し図8に示すように、スローアウェイ式の正面フライス
21の工具本体22に形成されたチップ取付座23に、
一方の側面12をすくい面として工具回転方向(図中白
抜き矢線方向)側に向けるとともに、一の周面13を逃
げ面として工具先端側に向けて挿入され、クサビ部材2
4をクランプネジ25によって工具内周側に締め付ける
ことにより、このクサビ部材24に押圧されて工具本体
22に固定される。ここで、上記チップ取付座23の工
具内周側には、工具外周側を向くように平坦な受け面2
3Aが形成されており、チップ11は上記逃げ面とされ
る周面13に隣り合う他の一の周面13をこの受け面2
3Aに密着させることにより、その工具径方向の位置が
位置決めされるようになされている。
【0019】そして、このような正面フライス21で
は、この工具本体11をその軸線O回りに回転させつ
つ、該軸線Oに直交する方向に送りを与えることによ
り、チップ11の上記逃げ面とされる一の周面13の工
具回転方向側に連なる凸状面14と、上記すくい面とさ
れる一の側面12との交差稜線上に形成された一の切刃
15が被削材の仕上げ加工に用いられる。なお、この切
刃15は、最もチップ11の外側に膨らむその中央部分
が工具先端側に位置するように配置される。また、本実
施例ではチップ11がネガティブチップであることか
ら、該チップ11は、上記すくい面とされる側面12が
工具後端側に向かうに従い工具回転方向側に向かうよう
に傾斜して配置され、切刃14に負のすくい角αが与え
られている。ここで、このすくい角αは、上記逃げ面と
される周面13とこの周面13の工具回転方向側に連な
る凸状面14とに所定の逃げ角が与えられるように、上
記凸状面14と周面13との交差角θに対して、θ−1
80°=−3°よりも負角側に大きくなるように設定さ
れている。
【0020】しかるに、本実施例のチップ11において
は、切刃15が側面12に垂直な方向から見て上述のよ
うに曲率半径の大きな偏平した楕円弧状を呈しており、
このようなチップ11を、一の側面12をすくい面とし
て工具回転方向側に向けて装着することにより、該切刃
15は工具回転方向側から見てもやはり工具先端側に僅
かに膨らむ曲率半径の大きな偏平した楕円弧状を呈する
こととなる。従って、このような切刃15によって被削
材の加工面を切削してゆくことにより、平滑な仕上げ面
加工を行うことが可能となる。
【0021】そして上記チップ11では、切刃15は、
一対の側面12,12と4つの周面13…との交差稜線
部に形成された凸状面14…と、側面12との交差稜線
上に形成されており、周面13においては両側面12,
12側の凸状面14,14の間に平坦な部分が残されて
いるため、4つの周面13…すべてに平坦な部分を確保
することが可能となり、これにより、上記一の切刃15
が摩耗等により使用できなくなった場合には、チップ1
1を側面12の外周回りに90°回転させ、他の周面1
3を受け面23Aに密着させて、上記一の切刃15に隣
り合う他の一の切刃15を使用することができる。さら
に、こうして上記一の側面12の辺稜部に形成された4
つの切刃15…が使用され尽くした場合には、チップ1
1を反転させて他の一の側面12を工具回転方向側に向
けることにより、この他の一の側面12の辺稜部に形成
された4つの切刃…を順次使用することが可能となる。
【0022】すなわち、上記構成のチップ11によれ
ば、一つのチップ11において両側面12,12と8つ
の凸状面14との交差稜線上に合計8つの切刃15…を
形成し、かつこれらの切刃15…のすべてを仕上げ加工
に供することが可能となる。従って、同じネガティブチ
ップであっても、4つの切刃しか使用することができな
かった従来のチップに比べ、切刃の使用可能回数を2倍
に増加させることができ、これによってチップの利用効
率を大幅に向上させることが可能となる。
【0023】また、上記切刃15は、仕上げ加工に供さ
れるときは、上述のように楕円弧状を呈する切刃15の
中央部が工具先端側に位置するように配されるため、切
り込みの大きさにもよるが、専らこの中央部分が切削に
供されることとなり、両端部の損耗は比較的少なくてす
む。しかるに、本実施例のチップ11では、互いに隣り
合う切刃15同士の間に円弧状のコーナ部16が形成さ
れているので、すべての切刃15…が仕上げ加工に使用
された後のチップ11を、図9に示すように荒加工用の
スローアウェイ式切削工具26の工具本体27に、適当
なコーナー角γが切刃15に与えられるようにして装着
することにより、損耗の少ない切刃15の端部を用いて
荒加工を行うことができる。特に、ネガティブチップで
ある本実施例のチップ11では、側面12と凸状面14
とが鈍角に交差するため、切刃15の強度が高く、この
ような荒加工に用いても切刃15に欠損等が生じること
はない。従って、上記チップ11によれば、該チップ1
1に形成された切刃15…を満遍なく使いきることがで
き、これによりチップの利用効率をさらに向上させるこ
とが可能となる。
【0024】なお、本実施例のチップ11では、凸状面
14を画成する円筒面Pの半径Rを上述のように400
mmと大きく設定し、これにより切刃15が呈する楕円弧
の曲率半径も大きくなるようにしたが、この半径Rがあ
まりに大きすぎると、切刃15が呈する楕円弧の曲率半
径も大きくなりすぎてしまう。そして、このため切刃1
5が全く直線状に形成されたものと変わらなくなってし
まい、切刃15が全体的に被削材に喰い付くようになっ
て切削抵抗の増大を招くおそれが生じる。従って、切刃
15の曲率半径を決定する上記円筒面Pの半径Rは、極
端に大きくなりすぎないように設定されるのが望まし
く、具体的には2000mm以下とされるのが望ましい。
【0025】一方、側面12との交差稜線上に切刃15
が形成される凸状面14と周面13とがなす交差角θ
も、切刃15の曲率半径を決定する一つの要素となり、
この交差角θが小さすぎると切刃15のなす楕円弧の曲
率半径も小さくなってしまうため、一刃当たりの工具本
体32の送り量にもよるが、場合によっては十分平滑な
仕上げ面を得ることができずに、仕上げ面粗度の劣化を
招くおそれがある。このため、上記交差角θは160°
以上に設定されるのが望ましい。ただし、凸状面14と
周面13とは鈍角に交差するから、この交差角θが18
0°以上となることはない。また、この交差角θが上記
範囲に設定されていても、円筒面Pの上記半径Rが極端
に小さければ、やはり切刃15の曲率半径も小さくなっ
てしまう。従って、このような見地から上記円筒面Pの
半径Rは100mm以上に設定されるのが望ましい。
【0026】さらに、上記実施例のチップ11では、本
発明を、側面12,12と周面13…とが直交する方向
に配置されたネガティブチップに適用した場合について
説明したが、例えば図10ないし図12に示すように、
一対の側面12,12のうちの一方の周面13…とが鋭
角に交差するポジティブチップに適用することも可能で
ある。ただし、これら図10ないし図12においては、
図1ないし図4に示した実施例と共通する構成要素には
同一の符号を配して説明を省略してある。すなわち、こ
の実施例のチップ31においては、略正方形平板状をな
す該チップ31の一方の側面12Aと4つの周面13…
とが鋭角の交差角δをなして交差するように配されてお
り、この側面12Aと周面13…との交差稜線部に、周
面13に鈍角に交差する円筒面Pによって凸状面14…
がそれぞれ形成されていて、これらの凸状面14…と側
面12Aとの交差稜線上に、側面12Aに垂直な方向か
ら見て偏平した楕円弧状を呈する切刃15が形成されて
いる。
【0027】しかるに、このようなチップ31も上記チ
ップ11と同様に正面フライスの工具本体に装着されて
被削材の仕上げ加工に供されるが、該チップ31では側
面12Aと周面13…とが鋭角に交差して逃げ面とされ
る周面13に予め逃げ角φが与えられているので、切削
に供される切刃15に正のすくい角を与えることがで
き、これによって切刃15の切れ味を高めて一層平滑な
仕上げ面を得ることができる。また、一つのチップで2
つの切刃しか使用することができなかった従来のチップ
に対し、本実施例では一つのチップ31で4つの切刃1
5…を形成して使用することができるから、上記実施例
のチップ11と同様、従来に比べて切刃15の使用可能
回数を2倍と大幅に向上させることが可能となる。
【0028】なお、上述した実施例のチップ11,31
では、互いに隣り合う周面13同士の交差稜線部を円筒
面状に形成して、隣り合う切刃15同士が丸コーナ部1
6を介して連なるようにしたが、このコーナ部16につ
いては直線状に面取りしたチャンファーであってもよ
く、また隣り合う切刃15同士がそのまま略直角に交差
するエッジ状であってもよい。さらに、切刃15にホー
ニングを施したり、チップ11,31にコーティングを
施したりしてもよい。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
すべての周面にチップ取付座の受け面に密着可能な平坦
な部分を残したまま、この周面と側面との交差稜線部に
形成される凸状面と該側面との交差稜線上に、偏平した
楕円弧状の切刃を形成して、仕上げ加工に供することが
でき、従ってすべての切刃に隣り合う周面に平坦な部分
を確保することができるから、当該チップがネガティブ
チップである場合には8つの切刃を、ポジティブチップ
である場合でも4つの切刃を、それぞれ一つのチップで
使用することが可能となる。しかも、隣り合う切刃同士
の間にはコーナ部が形成されるため、切刃の中央部分が
損耗したチップを、該切刃の端部を用いるようにして荒
加工に供することができ、チップに形成された切刃を満
遍なく使いきることができるので、これらによりチップ
の利用効率を大幅に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すチップ11の側面12
に垂直な方向から見た平面図である。
【図2】図1に示すチップ11の周面13に垂直な方向
から見た図である。
【図3】図1に示すチップ11の凸状面14を画成する
円筒面Pの軸線に平行な方向から見た平面図である。
【図4】図3におけるXX拡大断面図である。
【図5】図1に示すチップ11を装着した正面フライス
21の縦断面図である。
【図6】図5に示す正面フライス21の工具先端側から
の底面図である。
【図7】図5に示す正面フライス21のチップ取付座2
3周辺の側面図である。
【図8】図5に示す正面フライス21のチップ取付座2
3周辺の底面図である。
【図9】図1に示すチップ11を装着した荒加工用のス
ローアウェイ式切削工具26の縦断面図である。
【図10】本発明の他の実施例を示すチップ31の側面
12Aに垂直な方向からの平面図である。
【図11】図10に示すチップ31の周面13側から見
た図である。
【図12】図10に示すチップ31の凸状面14を画成
する円筒面Pの軸線に平行な方向から見た平面図であ
る。
【図13】従来の仕上げ加工用のチップ1を示す(イ)
側面2に垂直な方向からの平面図、(ロ)周面3側から
見た図である。
【図14】図13に示す従来のチップ1を装着した正面
フライスの(イ)縦断面図、(ロ)チップ取付座周面の
側面図である。
【符号の説明】
11 チップ 12,12A 側面 13 周面 14 凸状面 15 切刃 16 コーナ部 21 正面フライス 22 正面フライス21の工具本体 23 チップ取付座 23A 受け面 P 凸状面14を画成する円筒面 θ 周面13と凸状面14との交差角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白井 要志 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所 内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略正方形をなす一対の側面と、これらの
    側面の周囲に配置される4つの周面とから画成される平
    板状のスローアウェイチップであって、少なくとも一方
    の上記側面と上記周面との各交差稜線部には、当該周面
    に鈍角に交差する円筒面により、該交差稜線部が延びる
    方向に沿って湾曲する凸状面が形成されており、この凸
    状面と上記少なくとも一方の側面との交差稜線上に切刃
    が形成されていることを特徴とするスローアウェイチッ
    プ。
  2. 【請求項2】 上記凸状面を画成する上記円筒面の半径
    が、2000mm以下とされていることを特徴とする請求
    項1に記載のスローアウェイチップ。
  3. 【請求項3】 上記凸状面を画成する上記円筒面と上記
    周面とがなす交差角が、160°以上とされていること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のスローア
    ウェイチップ。
  4. 【請求項4】 上記一対の側面と上記周面とが互いに直
    交する方向に配置されたネガティブスローアウェイチッ
    プであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のい
    ずれかに記載のスローアウェイチップ。
  5. 【請求項5】 上記一方の側面と上記周面とが互いに鋭
    角に交差する方向に配置されたポジティブスローアウェ
    イチップであることを特徴とする請求項1ないし請求項
    3のいずれかに記載のスローアウェイチップ。
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