JPH0838088A - 卵入り起泡性油脂組成物及び卵入り凍結起泡食品の製造法 - Google Patents
卵入り起泡性油脂組成物及び卵入り凍結起泡食品の製造法Info
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- JPH0838088A JPH0838088A JP3361475A JP36147591A JPH0838088A JP H0838088 A JPH0838088 A JP H0838088A JP 3361475 A JP3361475 A JP 3361475A JP 36147591 A JP36147591 A JP 36147591A JP H0838088 A JPH0838088 A JP H0838088A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 乳脂肪を使用せず、卵を利用した美味な新規
起泡性食品組成物及び凍結起泡食品を提供すること。 【構成】 本発明の起泡性食品組成物は、糖類とリン酸
塩類及び/又はクエン酸ナトリウムとの共存下に緩慢な
熱変性を受けた卵液と、水と、食用油脂と、乳化剤とを
含み、普通の起泡手段により卵の風味を有する美味な耐
凍性起泡物を与える。卵液は、例えば2〜4℃/分の割
合で徐々に昇温されたものであることが好ましい。
起泡性食品組成物及び凍結起泡食品を提供すること。 【構成】 本発明の起泡性食品組成物は、糖類とリン酸
塩類及び/又はクエン酸ナトリウムとの共存下に緩慢な
熱変性を受けた卵液と、水と、食用油脂と、乳化剤とを
含み、普通の起泡手段により卵の風味を有する美味な耐
凍性起泡物を与える。卵液は、例えば2〜4℃/分の割
合で徐々に昇温されたものであることが好ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品用素材として有用
な起泡食品用卵液に関する。
な起泡食品用卵液に関する。
【0002】
【従来の技術】気泡入りクリームは、別名ホィップドク
リームとして知られ、その口当たりの良さから、洋菓子
類やデザート類のデコレーションやアイシング(掛け
物)若しくは内部へのフィリング(詰め物)又はウィン
ナコーヒーへの添加物などとして広く利用されている。
このホィップドクリームは、本来牛乳から分離したクリ
ーム(俗に「フレッシュ」ともいう)を起泡させて作ら
れるが、近来では、健康志向などの理由から乳脂肪の代
りに植物脂を用いた植物性起泡性クリームも市販されて
いる。しかしながら、上の植物性クリームは、どうして
も生クリームの持つ風味には欠けており、このため、生
クリームと混合したり又はフレーバーを強化してその風
味を補っているのが現状である。
リームとして知られ、その口当たりの良さから、洋菓子
類やデザート類のデコレーションやアイシング(掛け
物)若しくは内部へのフィリング(詰め物)又はウィン
ナコーヒーへの添加物などとして広く利用されている。
このホィップドクリームは、本来牛乳から分離したクリ
ーム(俗に「フレッシュ」ともいう)を起泡させて作ら
れるが、近来では、健康志向などの理由から乳脂肪の代
りに植物脂を用いた植物性起泡性クリームも市販されて
いる。しかしながら、上の植物性クリームは、どうして
も生クリームの持つ風味には欠けており、このため、生
クリームと混合したり又はフレーバーを強化してその風
味を補っているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の実情に鑑み、本
発明は、乳脂肪を使用せず、卵を利用した美味な新規起
泡性食品組成物及び卵入り凍結起泡食品を提供すること
を目的とする。
発明は、乳脂肪を使用せず、卵を利用した美味な新規起
泡性食品組成物及び卵入り凍結起泡食品を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】 概念 卵が好ましい風味を有する比較的安価な食品素材である
ことは周知である。加えて、卵の蛋白質は、カゼインと
並ぶ栄養的に高品質の蛋白質でもある。本発明者は、卵
が持つ以上の特長に鑑み、これを利用した起泡食品の製
造手段について長年に亙り研究を進めてきた。その過程
で、発明者は、当初従来の植物性起泡食品の製造工程に
準じて卵液の使用を試みたが、原料油脂と卵液との乳化
工程及び事後の殺菌工程において卵の蛋白質が急激な熱
変性を起こすのを避けることができず、従ってそこに得
られた試製品は、起泡性、造花性、品質安定性等の諸点
で不充分であり、実用的とは言えないものであった。
ことは周知である。加えて、卵の蛋白質は、カゼインと
並ぶ栄養的に高品質の蛋白質でもある。本発明者は、卵
が持つ以上の特長に鑑み、これを利用した起泡食品の製
造手段について長年に亙り研究を進めてきた。その過程
で、発明者は、当初従来の植物性起泡食品の製造工程に
準じて卵液の使用を試みたが、原料油脂と卵液との乳化
工程及び事後の殺菌工程において卵の蛋白質が急激な熱
変性を起こすのを避けることができず、従ってそこに得
られた試製品は、起泡性、造花性、品質安定性等の諸点
で不充分であり、実用的とは言えないものであった。
【0005】しかるにその後の引続く研究の結果、原料
卵液中の蛋白質に予め緩慢な熱変性を起こさせることに
より、以後の乳化、殺菌等の工程を経ても起泡性、造花
性、品質安定性等の諸点において優れ、しかも卵固有の
風味を持つ新規かつ美味な起泡性油脂組成物を取得でき
ること、及びここに創製された油脂組成物は、以後常法
通り起泡させたとき、凍結及び解凍に耐えるという特性
を持つことが分った。
卵液中の蛋白質に予め緩慢な熱変性を起こさせることに
より、以後の乳化、殺菌等の工程を経ても起泡性、造花
性、品質安定性等の諸点において優れ、しかも卵固有の
風味を持つ新規かつ美味な起泡性油脂組成物を取得でき
ること、及びここに創製された油脂組成物は、以後常法
通り起泡させたとき、凍結及び解凍に耐えるという特性
を持つことが分った。
【0006】 概要 以上の知見に基き、本発明は、糖類とリン酸塩類及び/
又はクエン酸ナトリウムとの共存下に緩慢な熱変性を受
けた卵液と、水と、食用油脂と、乳化剤とを含むことを
特徴とする卵入り起泡性油脂組成物;及び糖類とリン酸
塩類及び/又はクエン酸ナトリウムとの共存下に緩慢な
熱変性を受けた卵液と、水と、食用油脂と、乳化剤とを
含む卵入り起泡性油脂組成物と、水と、食用油脂と、乳
化剤と、乳化安定剤とを含む卵入り起泡性油脂組成物を
常法に従って起泡させ、該起泡物を凍結させることを特
徴とする卵入り凍結起泡食品の製造法を要旨とする。以
下、発明を構成する諸要素などについて説明する。
又はクエン酸ナトリウムとの共存下に緩慢な熱変性を受
けた卵液と、水と、食用油脂と、乳化剤とを含むことを
特徴とする卵入り起泡性油脂組成物;及び糖類とリン酸
塩類及び/又はクエン酸ナトリウムとの共存下に緩慢な
熱変性を受けた卵液と、水と、食用油脂と、乳化剤とを
含む卵入り起泡性油脂組成物と、水と、食用油脂と、乳
化剤と、乳化安定剤とを含む卵入り起泡性油脂組成物を
常法に従って起泡させ、該起泡物を凍結させることを特
徴とする卵入り凍結起泡食品の製造法を要旨とする。以
下、発明を構成する諸要素などについて説明する。
【0007】 熱変性卵液 本発明に係る新規起泡食品中の重要な成分は、予め緩慢
な熱変性を受けた卵液である。この卵液は、全卵液、卵
白液、卵黄液若しくはそれらの混合液又は粉末鶏卵溶液
(以下単に「卵液」と総称する。)に水と糖類並びにリ
ン酸塩類及び/又はクエン酸ナトリウムを加え、例えば
2〜4分につき1℃の割合で徐々に加熱・昇温させるこ
とにより得られる。この加熱に際し、風味の増進を兼ね
て多少のエタノール含有物を添加するのが好ましい。
な熱変性を受けた卵液である。この卵液は、全卵液、卵
白液、卵黄液若しくはそれらの混合液又は粉末鶏卵溶液
(以下単に「卵液」と総称する。)に水と糖類並びにリ
ン酸塩類及び/又はクエン酸ナトリウムを加え、例えば
2〜4分につき1℃の割合で徐々に加熱・昇温させるこ
とにより得られる。この加熱に際し、風味の増進を兼ね
て多少のエタノール含有物を添加するのが好ましい。
【0008】以上の各成分の配合割合は、後述する加熱
条件との兼合や目的とする起泡食品製品に対する設計品
質などにより相当の幅で変化しうるが、一般的には下記
の範囲内である。 水:卵液100重量部に対し25〜90重量部 糖類:卵液と水との混合物100重量部とに対し60〜
80重量部 リン酸塩類:同じく0.5〜1.5重量部 クエン酸ナトリウム:同じく0.1〜0.3 重量部エタノール含有物:同じく7〜12重量部
条件との兼合や目的とする起泡食品製品に対する設計品
質などにより相当の幅で変化しうるが、一般的には下記
の範囲内である。 水:卵液100重量部に対し25〜90重量部 糖類:卵液と水との混合物100重量部とに対し60〜
80重量部 リン酸塩類:同じく0.5〜1.5重量部 クエン酸ナトリウム:同じく0.1〜0.3 重量部エタノール含有物:同じく7〜12重量部
【0009】以上において、糖類としてはシュクロー
ス、マルトース、グルコース、フラクトース、キシロー
スなどの可食性の単糖類又は二糖類が採択されるが、特
にマルトース又は水飴は、変性卵液を用いた起泡性組成
物からの起泡物に冷凍耐性を付加するため有効である。
ス、マルトース、グルコース、フラクトース、キシロー
スなどの可食性の単糖類又は二糖類が採択されるが、特
にマルトース又は水飴は、変性卵液を用いた起泡性組成
物からの起泡物に冷凍耐性を付加するため有効である。
【0010】またリン酸塩類としては、乳化安定剤とし
て食品工業上慣用されているもの、例えばリン酸ナトリ
ウム、リン酸水素ナトリウム(第一及び第二),ポリリ
ン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリ
ン酸ナトリウムなどを使用できる。更にエタノール含有
物としては、リキュール、ホワイトリカー、ラム、ワイ
ン等の酒類が適する。
て食品工業上慣用されているもの、例えばリン酸ナトリ
ウム、リン酸水素ナトリウム(第一及び第二),ポリリ
ン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリ
ン酸ナトリウムなどを使用できる。更にエタノール含有
物としては、リキュール、ホワイトリカー、ラム、ワイ
ン等の酒類が適する。
【0011】熱変性のための加熱は、通常品温が70〜
100℃に達する迄、2〜4分1℃づつ該温度を上昇さ
せる速度で行なわれる。従って、所要加熱時間は普通3
0分以上に達するが、上記糖類とリン酸塩類及び/又は
クエン酸ナトリウムとの共存は、変性速度を遅延させ
る。
100℃に達する迄、2〜4分1℃づつ該温度を上昇さ
せる速度で行なわれる。従って、所要加熱時間は普通3
0分以上に達するが、上記糖類とリン酸塩類及び/又は
クエン酸ナトリウムとの共存は、変性速度を遅延させ
る。
【0012】 起泡性油脂組成物 上述の如くにして得られた卵液は、次いで乳化剤を含む
水/油脂共存系内において乳化され、起泡性の油脂組成
物に加工される。この際、油脂としては融点20℃以上
の油脂、例えばヤシ油、パーム核油、硬化ダイズ油若し
くはナタネ油又はこれらのエステル交換油脂などがエス
テル交換油脂や硬化油脂が起泡物の保形性を向上させる
点で望ましい。特にSCI曲線が平坦なエステル交換油
脂は、起泡時の温度変化に対する耐性が大きい点で目的
上好適である。
水/油脂共存系内において乳化され、起泡性の油脂組成
物に加工される。この際、油脂としては融点20℃以上
の油脂、例えばヤシ油、パーム核油、硬化ダイズ油若し
くはナタネ油又はこれらのエステル交換油脂などがエス
テル交換油脂や硬化油脂が起泡物の保形性を向上させる
点で望ましい。特にSCI曲線が平坦なエステル交換油
脂は、起泡時の温度変化に対する耐性が大きい点で目的
上好適である。
【0013】乳蛋白は、目的上不可欠の成分ではなく、
特に変性された卵液の使用量が充分に多ければ省略され
ることも可能であるが、一般にはクリームらしい風味を
与えるため、併用されるのが好ましい。本蛋白の供給源
としては、市乳、濃縮乳、脱脂乳、全脂粉乳、脱脂粉
乳、練乳などが使用されるが、特に乳脂を含む乳蛋白資
料は、含有乳脂も協同して製品に風味を付加するので、
目的上有用である。
特に変性された卵液の使用量が充分に多ければ省略され
ることも可能であるが、一般にはクリームらしい風味を
与えるため、併用されるのが好ましい。本蛋白の供給源
としては、市乳、濃縮乳、脱脂乳、全脂粉乳、脱脂粉
乳、練乳などが使用されるが、特に乳脂を含む乳蛋白資
料は、含有乳脂も協同して製品に風味を付加するので、
目的上有用である。
【0014】界面活性剤は、必要に応じ、後の加熱滅
菌、冷凍及び解凍等の苛酷な処理条件に対しても充分安
定な乳化状態を付与する目的で添加される。この界面活
性剤としては、例えば大豆レシチン、ポリグリセロール
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、
脂肪酸モノグリセリド、その他一切の可食性非イオン界
面活性剤を自由に選択できるが、一般的には、親油性活
性剤(HLB7未満)と親水性活性剤(HLB7以上)
とを併用するのが好ましい。
菌、冷凍及び解凍等の苛酷な処理条件に対しても充分安
定な乳化状態を付与する目的で添加される。この界面活
性剤としては、例えば大豆レシチン、ポリグリセロール
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、
脂肪酸モノグリセリド、その他一切の可食性非イオン界
面活性剤を自由に選択できるが、一般的には、親油性活
性剤(HLB7未満)と親水性活性剤(HLB7以上)
とを併用するのが好ましい。
【0015】 凍結起泡食品の製造 以上の乳化用各材料は、ホモミキサーの如き高速攪拌機
を用いて予備的に乳化された後、ホモジナイザーを通し
て本乳化され、次いで加熱殺菌又は減菌され、最後に無
菌的に容器内へ充填される 以上の如くして得らたれ無
菌起泡性組成物は、必要に応じて更にホィッパーを用い
て起泡後、絞り袋内へ充填され、冷凍庫内で冷凍された
後、その状態で市場へ出荷される。
を用いて予備的に乳化された後、ホモジナイザーを通し
て本乳化され、次いで加熱殺菌又は減菌され、最後に無
菌的に容器内へ充填される 以上の如くして得らたれ無
菌起泡性組成物は、必要に応じて更にホィッパーを用い
て起泡後、絞り袋内へ充填され、冷凍庫内で冷凍された
後、その状態で市場へ出荷される。
【0016】
【作用】糖類と、リン酸塩類及び/又はクエン酸ナトリ
ウムとの共存下に緩慢な熱変性により、卵蛋白の熱変性
が充分に行なわれる結果、以後、本卵液を用いた起泡性
組成物の加熱減菌後の物理性乃至該組成物を起泡させて
得られる起泡物の凍結及び解凍処理後の物理性が極めて
安定化されると共に、糖類(及びエタノール含有物)と
卵蛋白質及びその分解物(各種アミノ酸及びペプタイド
その他、卵中の諸成分との間でメイラード反応その他の
複雑な化学反応を生じ、これにより起泡食品として好ま
しいフレーバーが醸成される。
ウムとの共存下に緩慢な熱変性により、卵蛋白の熱変性
が充分に行なわれる結果、以後、本卵液を用いた起泡性
組成物の加熱減菌後の物理性乃至該組成物を起泡させて
得られる起泡物の凍結及び解凍処理後の物理性が極めて
安定化されると共に、糖類(及びエタノール含有物)と
卵蛋白質及びその分解物(各種アミノ酸及びペプタイド
その他、卵中の諸成分との間でメイラード反応その他の
複雑な化学反応を生じ、これにより起泡食品として好ま
しいフレーバーが醸成される。
【0017】
【実施例】以下、参考例及び実施例を掲げて発明実施の
態様を説明するが、例示は当然単なる説明用のものであ
って、発明精神の限定を意図したものではない。なお、
以下の処方中百分率は重量百分率を意味するものとす
る。
態様を説明するが、例示は当然単なる説明用のものであ
って、発明精神の限定を意図したものではない。なお、
以下の処方中百分率は重量百分率を意味するものとす
る。
【0018】参考例(卵液の製造) [配合] 生卵黄 41.0重量% 糖 40.0〃 % リキュール 5.0〃 % ヘキサメタリン酸塩 0.5〃 % クエン酸ソーダ 0.1〃 % 水 13.4〃 %
【0019】[調製]ジャケット付き横型攪拌混合機に
砂糖を入れ、攪拌しながら少量づつ生卵黄を混合した。
砂糖と卵黄がよく混り合った時点で温水にリン酸塩、ク
エン酸ソーダーを溶解分散させたものを少しづつ添加し
て攪拌混合し、完全に混り合ったときさらにエタノール
含有物を添加した。
砂糖を入れ、攪拌しながら少量づつ生卵黄を混合した。
砂糖と卵黄がよく混り合った時点で温水にリン酸塩、ク
エン酸ソーダーを溶解分散させたものを少しづつ添加し
て攪拌混合し、完全に混り合ったときさらにエタノール
含有物を添加した。
【0020】全成分が均質に混合された後、品温を2〜
4分に1℃づつ上昇させる程度に徐々に加熱して卵黄を
変性させ(この加温により、卵黄独特の好ましい風味や
フレーバーが発現した。)、品温が90〜95℃に到達
した後、冷水で20〜30℃まで冷却して卵液ミックス
を得た。
4分に1℃づつ上昇させる程度に徐々に加熱して卵黄を
変性させ(この加温により、卵黄独特の好ましい風味や
フレーバーが発現した。)、品温が90〜95℃に到達
した後、冷水で20〜30℃まで冷却して卵液ミックス
を得た。
【0021】実施例1 (卵成分入り起泡組成物の製造) 上記実施例で得た卵液ミックス15部に、乳製品(加糖
全脂煉乳又は脱脂粉乳)8部、パーム核油とヤシ油の混
合硬化油29部、糖類(水飴又は砂糖)15部、乳化剤
(レシチン、ショ糖脂肪酸エステル又はソルビタン脂肪
酸エステル)0.7部及び水32.3部を加え、60〜
70℃に加熱後、攪拌、混合して予備乳化し、水中油型
エマルジョンを形成させた。これを均質化圧力70Kg
/cm2の条件でホモジナイザーを通して均質化後、V
TIS(直接加熱式瞬間滅菌装置の商品名)により14
5℃にて4秒間加熱、減菌後、直ちに均質化圧力120
kg/cm2で無菌的に再均質化処理した。次いで、こ
のものを10℃以下まで冷却後、容器内に無菌充填して
卵黄入りホィップ用起泡食品液を得た。
全脂煉乳又は脱脂粉乳)8部、パーム核油とヤシ油の混
合硬化油29部、糖類(水飴又は砂糖)15部、乳化剤
(レシチン、ショ糖脂肪酸エステル又はソルビタン脂肪
酸エステル)0.7部及び水32.3部を加え、60〜
70℃に加熱後、攪拌、混合して予備乳化し、水中油型
エマルジョンを形成させた。これを均質化圧力70Kg
/cm2の条件でホモジナイザーを通して均質化後、V
TIS(直接加熱式瞬間滅菌装置の商品名)により14
5℃にて4秒間加熱、減菌後、直ちに均質化圧力120
kg/cm2で無菌的に再均質化処理した。次いで、こ
のものを10℃以下まで冷却後、容器内に無菌充填して
卵黄入りホィップ用起泡食品液を得た。
【0022】この卵黄入りホィップ用起泡食品を、ケー
キミキサーで起泡したところ、オーバラン150〜17
0%の起泡されたクリーム状組成物が得られた。このも
のは、良好な保形性及び卵黄の持つ上品でしかもリッチ
な風味を有すると共に、併せて練乳のコクを備えた新し
い風味を有するのみならず、通常のクリーム類と遜色の
ない保存性を有していた。なお、糖類中の水飴の比率を
増加させることにより、起泡物に好ましい冷凍耐性を付
与することができる。
キミキサーで起泡したところ、オーバラン150〜17
0%の起泡されたクリーム状組成物が得られた。このも
のは、良好な保形性及び卵黄の持つ上品でしかもリッチ
な風味を有すると共に、併せて練乳のコクを備えた新し
い風味を有するのみならず、通常のクリーム類と遜色の
ない保存性を有していた。なお、糖類中の水飴の比率を
増加させることにより、起泡物に好ましい冷凍耐性を付
与することができる。
【0023】 注) レシチン、シュガーエステル、脂肪酸モノグリセリ
ド及びソルビタン脂肪酸エステルの混合物。 NaHPO4・12H2O,(NaPO3)6及び
NaHCO3の混合物。
ド及びソルビタン脂肪酸エステルの混合物。 NaHPO4・12H2O,(NaPO3)6及び
NaHCO3の混合物。
【0024】[調製]上記各成分を60〜85℃にて予
備混合後、混合物を均質化圧力70Kg/cm2の条件
でホモジナイズした。この均質化物を、VTIS(前
述)により145℃にて4秒間加熱減菌後、再度均質化
圧力120Kg/cm2 で無菌的に再均質化処理し、
直ちに10℃まで冷却して卵入り凍結起泡食品用水中油
型乳化油脂組成物を得た。
備混合後、混合物を均質化圧力70Kg/cm2の条件
でホモジナイズした。この均質化物を、VTIS(前
述)により145℃にて4秒間加熱減菌後、再度均質化
圧力120Kg/cm2 で無菌的に再均質化処理し、
直ちに10℃まで冷却して卵入り凍結起泡食品用水中油
型乳化油脂組成物を得た。
【0025】以上の組成物を、公知のケーキミキサーに
より起泡させてオーバーラン150〜170%に起泡さ
せた後、−20℃以下に迄冷却し、凍結起泡食品を得
た。これを冷蔵庫内で解凍したものは、優れた造花性と
保形性を示した。
より起泡させてオーバーラン150〜170%に起泡さ
せた後、−20℃以下に迄冷却し、凍結起泡食品を得
た。これを冷蔵庫内で解凍したものは、優れた造花性と
保形性を示した。
【0026】
【発明の効果】以上、説明し、かつ実証した如く、本発
明は、好ましい風味を備える新規の卵入り起泡性油脂組
成物及び凍結起泡食品を提供しうることにより、国民の
食生活に貢献する。
明は、好ましい風味を備える新規の卵入り起泡性油脂組
成物及び凍結起泡食品を提供しうることにより、国民の
食生活に貢献する。
Claims (3)
- 【請求項1】 糖類とリン酸塩類及び/又はクエン酸ナ
トリウムとの共存下に緩慢な熱変性を受けた卵液と、水
と、食用油脂と、乳化剤とを含むことを特徴とする卵入
り起泡性油脂組成物。 - 【請求項2】 卵液が、全卵液、卵白液、卵黄液もしく
はそれらの混合物又は粉末鶏卵溶液である請求項1の組
成物。 - 【請求項3】 糖類とリン酸塩類及び/又はクエン酸ナ
トリウムとの共存下に緩慢な熱変性を受けた卵液と、水
と、食用油脂と、乳化剤とを含む卵入り起泡性油脂組成
物と、水と、食用油脂と、乳化剤と、乳化安定剤とを含
む卵入り起泡性油脂組成物を常法に従って起泡させ、該
起泡物を凍結させることを特徴とする卵入り凍結起泡食
品の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3361475A JP2570043B2 (ja) | 1991-12-28 | 1991-12-28 | 卵入り起泡性油脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3361475A JP2570043B2 (ja) | 1991-12-28 | 1991-12-28 | 卵入り起泡性油脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0838088A true JPH0838088A (ja) | 1996-02-13 |
JP2570043B2 JP2570043B2 (ja) | 1997-01-08 |
Family
ID=18473741
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3361475A Expired - Fee Related JP2570043B2 (ja) | 1991-12-28 | 1991-12-28 | 卵入り起泡性油脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2570043B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023199788A1 (ja) * | 2022-04-15 | 2023-10-19 | 株式会社J-オイルミルズ | 油脂組成物、卵風味付与剤、油脂組成物の製造方法、飲食品へ卵風味を付与する方法、飲食品の製造方法、及び飲食品 |
-
1991
- 1991-12-28 JP JP3361475A patent/JP2570043B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023199788A1 (ja) * | 2022-04-15 | 2023-10-19 | 株式会社J-オイルミルズ | 油脂組成物、卵風味付与剤、油脂組成物の製造方法、飲食品へ卵風味を付与する方法、飲食品の製造方法、及び飲食品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2570043B2 (ja) | 1997-01-08 |
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