JPH083781A - 印刷鮮映性とフイルム密着性に優れたスリーピース缶用錫めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

印刷鮮映性とフイルム密着性に優れたスリーピース缶用錫めっき鋼板及びその製造方法

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JPH083781A
JPH083781A JP13559394A JP13559394A JPH083781A JP H083781 A JPH083781 A JP H083781A JP 13559394 A JP13559394 A JP 13559394A JP 13559394 A JP13559394 A JP 13559394A JP H083781 A JPH083781 A JP H083781A
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Tomohiko Hayashi
知彦 林
Hiromitsu Date
博充 伊達
Tomoya Oga
智也 大賀
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、ラミネートスリーピース缶
に適しためっき鋼板を提供することにある。 【構成】 全ての面方向の粗度がRaで0.35μm以
下の鋼板に、片面の錫付着量が0.5〜2.5g/m2
形成し、かつ光沢度が250%以上であることを特徴と
する。錫皮膜は、錫(II)、硫酸、オキシエチレン鎖を
有する界面活性剤、二重結合を有する芳香族カルボニル
化合物から成るめっき浴から形成させる。このめっき浴
から得られる錫めっき皮膜は、高光沢度を有するため、
印刷フイルム積層面の印刷鮮映性の良好なものが得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、缶容器、特に缶胴の接
合を溶接によって行うスリーピース缶用鋼板に関するも
ので、更に詳しくは、従来の塗装及び印刷にかわってフ
イルムを積層させた、フイルム積層スリーピース缶用の
錫めっき鋼板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】缶容器を製缶プロセスの面から見ると、
大きく二種類に分類される。一つは缶底と缶胴が一体と
なったものに天蓋を巻締めたもので、通常ツーピース缶
と呼ばれ、代表的な缶としては、絞り・しごき加工によ
って製缶されるDI缶(Draw and Ironi
ng缶)と、絞り加工によって製缶するDrD缶(Dr
aw and Redrawn缶)等がある。もう一つ
は胴部に地蓋及び天蓋を巻締めたもので、通常スリーピ
ース缶と呼ばれ、代表的な缶として、半田缶・接着缶・
溶接缶等があるが、現在は接着缶と溶接缶が主流となっ
ている。
【0003】スリーピース缶用素材としては、鋼板に錫
めっきとクロメート処理を施したブリキ系素材、鋼板に
ニッケルめっきとクロメート処理を施したニッケルめっ
き系素材、鋼板に金属クロムと水和酸化クロムの二層皮
膜を有するティンフリースチール系素材、その他が使用
されている。これらの素材を用いて缶胴とする場合に
は、殆どの場合、缶内面は内容物保持性(耐食性)の点
から塗装を施し、又缶外面は内容物表示のため商標デザ
インの印刷を施している。特に缶外面側は印刷デザイン
の鮮映性の点から、多くの場合白色顔料を添加した塗料
を塗装した上に商標デザインを印刷するのが普通であ
る。
【0004】缶用素材としては、前記しためっき鋼板以
外に、缶コスト低減のためフイルムを鋼板に積層させた
材料が、従来から検討されてきている。例えば、特開昭
58−82717号公報、特開昭62−227642号
公報に見られるように、フイルム積層鋼板の用途は従来
から主に絞り缶や絞りしごき缶と言ったツーピース缶や
18リットル缶及び缶蓋用途であった。ところが、近年
はスリーピース缶への検討もなされてきている。例えば
特開平5−112361号公報、特開平5−13160
7号公報に見られるように、内外面共にラミネートした
缶体が提案されている。上述のように、内外面共にフイ
ルムラミネートした鋼板の場合、缶コストの低減から鋼
板に直接フイルムを積層することが検討されている。こ
の場合、缶用途としては、外面の印刷鮮映性と内外面の
フイルム密着性を同時に兼備しなくてはならないが、従
来の鋼板では対応が難しく改善が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、スリ
ーピース缶の分野では缶コストの低減から、内外面共鋼
板に直接フイルムを積層した鋼板で対応しようとする検
討がなされている。しかし、印刷鮮映性とフイルム密着
性を兼備できる缶用鋼板はこれまでに提示されていな
い。本発明はこうした技術動向の中で、外面に関しては
印刷鮮映性及び密着性確保、内面に関しては密着性確保
と言った、印刷鮮映性と密着性の両方を兼備するスリー
ピース缶用めっき鋼板及びその製造方法を提供すること
を目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のスリーピース缶
用めっき鋼板は、全ての面方向の粗度がRaで0.35
μm未満の鋼板に、片面の錫付着量が0.5〜2.5g
/m2 の錫めっき皮膜形成し、かつ前記錫めっき皮膜面
の全ての面方向の光沢度Gsが250%以上であること
を特徴とする。そして、その製造方法は、錫めっき原板
として前述のように粗度を規定した鋼板に錫めっきを行
うが、錫めっき浴組成としては、硫酸;5〜50g/
l、錫(II);10〜100g/l、オキシエチレン鎖
を有する界面活性剤;1×10-4〜1×10-2mol/
l及び二重結合を有する芳香族カルボニル化合物;5×
10 -4〜2×10-2mol/lから成る浴にてめっきを
行うことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。缶外面
の印刷は有色インキで商標デザインが印刷されるが、デ
ザインの鮮映性の点から多くの場合白色インキも併せて
印刷される。この白色印刷部の白さが十分に確保されな
いと、デザイン全体の鮮映性が確保されない。この印刷
鮮映性の確保、即ち白色インキ部の白さを確保するに
は、鋼板表面に分光反射率の高い金属を被覆すると共
に、併せて光沢度を高くすることが重要な因子となって
いる。通常、金属の色調は基本的には金属自体の持つ分
光反射率によって決まる。例えば、白さの程度は、波長
400nm〜700nmの範囲における分光反射率が高
い方が白く見える。この分光反射率の高い金属を調べた
結果、錫は現在容器用鋼板として用いられるめっき金属
の内で、錫が比較的この分光反射率が高い金属であるこ
とが明らかになった。そこで、本発明のスリーピース缶
用鋼板としては錫めっき鋼板を適用する。
【0008】更に、同一金属の場合、一般的には表面粗
度が大きく光沢度が低い方が乱反射するため白く見え、
表面粗度の小さく光沢度の高いものは、正反射率が高い
ためかえって黒っぽく見える。しかし、本発明のよう
に、印刷されたフイルムを缶外面に当たる面に積層した
場合には、これとは全く逆となり、缶外面の光沢度が高
い方が白色インキ部の白さは良く印刷鮮映性は良くな
る。そこで、本発明では、錫めっき皮膜面の全ての面方
向の光沢度Gsを250%以上とする。ここで、光沢度
GsとはJIS Z 8741で規定されている鏡面光
沢度を指す。この光沢度Gsの測定には、市販されてい
る光沢度の測定機器として、例えばビック−ガードナー
社製のヘイズーグロス リフレクトメーターを用いるこ
とができる。
【0009】本発明では、この市販機器のGs(60
°)での測定値をもって光沢度値としたものである。全
ての面方向で光沢度Gsを250%以上と限定した理由
は以下の通りである。めっき表面の面方向の光沢の違い
は、印刷フイルムを積層した場合、色具合に微妙に影響
を及ぼす。また、見る方向によっては印刷デザインの鮮
映性に違いが現れ、商品価値を損ねることとなる。従っ
て、全ての面方向の光沢を、ある一定以上に確保するた
めに光沢度Gsを限定する必要がある。光沢度Gsが2
50%未満では白さが十分に確保されないのでGsを2
50%以上とする。特に、白インキの付着量が少ない場
合やフイルム中に含有させる白色顔料が少ない場合、使
用する鋼板の影響が顕著に現れるため、より高い光沢度
が必要となる。表面光沢としては、好ましくは光沢度G
sは300%以上が良い。
【0010】面方向の光沢度に関しては、鋼板の長手方
向の光沢度(Gs(L))と幅方向の光沢度(Gs
(C))の比、Gs(C)/Gs(L)も重要であり、
0.5%以上が好ましい。この理由は基本的には上述し
たのと同じ理由で、Gs(C)/Gs(L)が0.5未
満では、見る方向によって白さが異なり、印刷デザイン
の鮮映性に違いが現れるので好ましくない。鋼板の長手
方向の光沢度(Gs(L))と幅方向の光沢度(Gs
(C))の比は、めっき前の鋼板(めっき原板)粗度と
直接関係していることは言うまでもない。めっき前の鋼
板粗度については後述する。なお、白さの判断は見る人
によって若干異なるので、統一評価のためには、例えば
ミノルタ分光測色計CM−1000等の測色計で測定さ
れるL*値でもって評価することが出来る。このL*値
が高いほど白いと評価される。
【0011】次に、錫めっき面の錫付着量について述べ
る。本発明の錫付着量は、片面で0.5〜2.5g/m
2 に限定する。付着量の下限値が0.5g/m2 未満で
は、めっき前の鋼板の表面粗度が大きく影響するため
に、鏡面光沢を得るのが難しいばかりでなく、溶接方式
で製胴する場合に高速溶接性が問題となる。一方、上限
値の2.5g/m2 を超えると、光沢度は余り向上せ
ず、付着量の増加分に見合う光沢度の向上は期待できな
いため、むしろ経済的でない。錫の付着量としては、
0.8〜2.3g/m2 が好適である。
【0012】次に、めっき前の鋼板について説明する。
錫めっき鋼板の光沢度は、前述したように、めっき前の
鋼板の粗度によって影響を受ける。特に、本発明の構成
因子であるめっき面における光沢度のGs(C)/Gs
(L)を決める要因として、めっき原板の面方向におけ
る粗度が重要となる。本発明に適用されるめっき前の鋼
板の粗度は、鋼板の全ての面方向のRaを0.35μm
未満とする。できれば0.30μmが好適である。めっ
き前の鋼板のRaが0.35μm以上の場合、本発明に
適用される錫付着量の範囲においては、全ての面方向の
光沢度Gsを250%以上の確保できない場合がある。
また、特に錫付着量が少ない場合、めっき前の鋼板の粗
度の影響が出て、Gs(C)/Gs(L)の光沢度比
0.5以上の確保が難しくなる。同一光沢度を得る場
合、めっき前鋼板の粗度が小さい方が、少ない錫付着量
で光沢度の確保が可能となる。
【0013】更には、全ての面方向での表面粗度Raの
変動幅は0.20μm以下、好ましくは、0.15μm
以下が良い。面内方向での表面粗度Raの変動幅が0.
20μm以下でないと、前述した鋼板の長手方向の光沢
と幅方向の光沢の違いが顕著になり、見る方向による白
さの程度が、更には印刷デザインの鮮映性が異なり好ま
しくない。以上のようなめっき前の鋼板の粗度は、通
常、焼鈍後に施される調質圧延時のロール粗度によっ
て、制御することが可能である。調質圧延の時にロール
の粗度が鋼板に転写されることによって、鋼板の粗度が
確保される。ロールの粗度はいかなる方法で調整しても
かまわないが、ロールの粗度としてはRaで0.7μm
以下とするのが良い。このロールの粗度は、できれば、
冷間圧延時のロールまでさかのぼって粗度の管理を行う
ことが望ましい。
【0014】次に、本発明の錫めっき方法について述べ
る。まず、従来の錫めっき方法について若干説明する。
従来から広く適用されている通称フェロスタン浴と呼ば
れているフェノールスルホン酸と錫(II)を主成分とし
ためっき浴や、硫酸錫浴等からめっきされたものでは、
鏡面光沢は得られない。そこで、鏡面光沢が必要な場合
には、錫めっき後にリフロー処理もしくはメルト処理な
どと呼ばれる錫の融点以上の温度に加熱溶融した後冷却
する処理を行い、鏡面光沢を有する表面にするのが一般
的である。勿論、錫めっき後のリフロー処理は、上述し
た鏡面光沢を得ることだけが目的ではなく、錫めっき鋼
板の耐食性向上の目的も併せ持っていることは言うまで
もない。
【0015】この錫の融点以上の温度に加熱溶融した後
冷却する処理は、通常空気中で行われるため、処理中に
錫皮膜の表面は酸化され錫酸化物が生成してしまう。こ
の錫酸化物は塗装を施して使用する場合、塗料の濡れ性
が悪いため塗膜欠陥の発生原因となると同時に、非常に
脆いため塗装後の塗膜の加工密着性不良の原因となるこ
とは良く知られている。そこで、塗装適性の向上の点か
ら、リフロー処理後に化成処理と呼ばれる錫酸化物の還
元と塗膜密着性改善を目的とした処理が行われる。多く
の場合、この化成処理はクロム酸の電解処理が行われる
ことから、クロメート処理とも呼ばれる。
【0016】上述したような、従来の錫めっき方法に対
して、本発明では、特に錫めっき浴の組成に特徴を有す
る。錫めっき浴の組成としては、錫(II);10〜10
0g/l、硫酸;5〜50g/l、オキシエチレン鎖
(CH2 CH2 O)n を有する界面活性剤;1×10 -4
〜1×10-2mol/l、二重結合を有する芳香族カル
ボニル化合物(φ−CH=CH−CO−(φは芳香
基));5×10-4〜2×10-2mol/lに規定す
る。本発明において、錫めっき鋼板の光沢を得るために
はオキシエチレン鎖を有する界面活性剤と二重結合を有
する芳香族カルボニル化合物の共存は必須であり、単独
では効果は発揮しない。
【0017】オキシエチレン鎖を有する界面活性剤とし
ては、例えばエトキシ化α−ナフトールスルホン酸(通
称ENSA)、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン
(POOA)等が挙げられる。このような界面活性剤の
量は、析出した錫めっき皮膜の光沢を得るためには1×
10-4mol/l以上が必要であるが、1×10-2mo
l/lを超えると効果は飽和する。二重結合を有する芳
香族カルボニル化合物としては、例えばベンザルアセト
ン、シンナムアルデヒド等が挙げられる。二重結合を有
する芳香族カルボニル化合物の添加量は特に重要で、5
×10-4mol/l未満では十分な光沢が得られず、一
方2×10-2mol/lを超えると効果は飽和するばか
りでなく鋼板への吸着が多くなり、錫めっき皮膜自身の
密着性の点からむしろ好ましくない。
【0018】錫(II)の量としては10〜100g/l
である。10g/l未満ではめっき焼けが起こり、光沢
が得られないばかりでなく、品質全体が低下する。一方
100g/l超では、スラッジと呼ばれる錫酸化物の発
生が多く、実用上効率的でない。硫酸の量は5〜50g
/lである。5g/l未満では電解時に陰極近傍のpH
が上昇し、錫の水酸化物が生成し沈澱してめっき外観を
低下させる原因となる。一方50g/l超では、鋼帯の
溶解が激しくなり、浴中の鉄濃度がアップし安定した光
沢が得られない場合がある。
【0019】以上が本発明において特徴とする錫めっき
浴の組成であるが、さらに好適な組成範囲としては、硫
酸;10〜50g/l、錫(II);20〜80g/l、
オキシエチレン鎖を有する界面活性剤;3×10-4〜5
×10-3mol/l、二重結合を有する芳香族カルボニ
ル化合物;1×10-3〜1×10-2mol/lにすると
良い。めっき条件としては、温度40〜55℃、電流密
度は20〜250A/dm2と広い範囲で適用できる。
勿論、電流密度は、錫(II)量が少ない場合では高くす
ると焼け発生の原因となるため、錫(II)量との兼ね合
いで設定する必要があることは言うまでもない。本発明
では、錫めっき自体で高光沢度のものが得られるため、
前述したリフロー処理は不要であるが、リフロー処理を
行うことも可能である。
【0020】フイルム密着性については、本発明の錫め
っき鋼板は、前述したような従来のめっき浴から得られ
る錫めっきの場合、光沢度を得るためのリフロー処理を
行わなくて済むことから、錫酸化物が生成しないため良
好である。これも、本発明で適用される錫めっき鋼板の
特徴である。しかし、めっき鋼板が使用されるまでの防
錆の点から、更には有機皮膜とのより高い密着性の確保
の点から、化成処理を施す方が好ましいことは言うまで
もない。化成処理としては、従来からぶりき(錫めっき
鋼板)の化成処理として用いられているCDC処理と呼
ばれるクロメート処理、金属クロム/水和酸化クロムか
ら成る皮膜であるクロム・クロメート処理等の化成処理
を施すと良い。この化成処理は、密着性確保の点で極め
て有効であるが、多いと光沢度の低下原因となるので、
光沢度と密着性のバランスを見きわめて化成処理を施す
必要がある。
【0021】なお、本発明では、錫めっき皮膜の下に、
下地めっきとしてニッケル付着量として0.01〜0.
5g/m2 のNi含有めっき層を形成させることも可能
である。この場合、Ni含有の下層めっきとしてはNi
単独のみならずFe−Ni,Fe−Ni−Sn合金等を
適用すると良い。
【0022】
【実施例】以下、実施例で本発明の効果を具体的に示
す。 実施例1 表1に示すような種々の表面粗度を有するめっき原板と
しての冷延鋼板(板厚0.19mm)に、硫酸錫(II)
108.6g/l、濃硫酸16.7g/l、ENSA
0.004mol/l、ベンザルアセトン0.0034
mol/l、のめっき浴組成と、循環セルの流速200
m/分、温度45℃、電流密度120A/dm2 のめっ
き条件で錫めっきを行った。なお、比較のため表1の比
較例(No.10,11)について、上述しためっき浴
にて錫めっきを行った。また、表1の比較例(No.1
2)については、現在一般的に適用されている通称フェ
ロスタン浴と呼ばれているフェノールスルホン酸と錫
(II)を主成分としためっき浴にて錫めっきを行った。
得られた錫めっき鋼板は、ビック−ガードナー社製のヘ
イズーグロス リフレクトメーターでGs60°の光沢
度を測定した。結果は表1に示した。本発明例はいずれ
もGs60°は250%以上が得られている。
【0023】
【表1】
【0024】次に、厚み15μmの二軸延伸ポリエステ
ル樹脂フイルムに、有色インキ4色と白インキを用いて
商標デザインをグラビア印刷し、乾燥後にインキ面に乾
燥厚みとして2.3μmのウレタン系接着剤を塗布して
積層用の印刷フイルムを準備した。そして、めっき鋼板
を加熱ロールで加熱し、上記の印刷フイルムを積層し
た。その白色インキ部の白さについてミノルタ分光測色
計CM−1000でL*値を測定した。結果は表2に示
した。本発明例のL*値は74以上で、比較例よりも高
く、良好な白さが得られている。次に、得た印刷フイル
ム積層鋼板のフイルム積層面が缶外面となるようにして
250mlのジュース缶胴を溶接法にて製胴し、溶接部
を補修塗装し、最高到達温度(補修塗装部の局部温度)
250℃にて乾燥させ、溶接缶胴を得た。その後外観観
察を行った。またフイルム収縮幅の測定を光学顕微鏡観
察で行った。結果は表2に示した。
【0025】
【表2】
【0026】本発明の鋼板から得られた缶体の缶胴外面
は、光沢が良好で色ムラはなく、しかもデザインの鮮映
性は、肉眼観察の結果では、現行のスリーピース缶に比
べ良好であった。また、白さ、フイルム収縮共に問題な
く良好であった。更に、本発明の鋼板から得られた缶胴
をネックドイン加工し、一方の端部に天蓋を巻締めた
後、内容物を充填し、地蓋を巻締めて密封してから、1
25℃で30分レトルト処理を行い、皮膜の外観変化、
密封性を調べた結果、密着性、光沢、色ムラ、密封性
等、全く変化なく良好な外観を有するものであった。こ
れに対して、比較例(No.10〜12)の缶胴外面
は、全体的に鮮映性が悪く、現行缶に比べ印刷外観は劣
るものであった。
【0027】実施例2 実施例1で用いた本発明例のめっき鋼板(No.1〜
9)を加熱ロール方式で加熱し、乾燥厚みとして2.5
μmのウレタン系接着剤を塗布した、厚み15μmの二
軸延伸ポリエステル樹脂の透明フイルムを積層した。こ
うして得られた透明フイルム積層鋼板を、フイルム面が
内面になるように、実施例1の手順に従って溶接缶胴の
製造、溶接部の補修塗装、乾燥を行った。その後に、実
施例1と同様に、フイルム収縮幅の測定を行った。結果
は、実施例1と同様に良好であった。その測定結果を表
2に示した。更に、缶胴をネックドイン加工し、一方の
端部に天蓋を巻締めた後、コーヒーを充填し、地蓋を巻
締めて密封してから、125℃で30分レトルト処理を
行い、皮膜密着性、密封性、耐食性等を調べた結果、皮
膜密着性、密封性とも全く問題なく良好で、耐食性も問
題なかった。以上の実施例で示したように、本発明のめ
っき鋼板から得られる缶体は、外面は印刷外観特に商標
デザインの鮮映性に優れ現行の缶体より良好である。ま
た、缶体の内面についても良好な耐食性を示し、良好で
ある。更にフイルムの密着性についても良好である。一
方、本発明の範囲から外れためっき鋼板から得られる缶
体は、外面の印刷外観が問題であり実用上好ましくな
い。
【0028】
【発明の効果】めっき鋼板の外面は印刷フイルムラミネ
ートし、内面に透明フイルムをラミネートしてスリーピ
ース缶を得る手段として本発明のめっき鋼板を適用する
ことにより、従来の鋼板に比べ以下に多くの利点が得ら
れる。 (1)現行の外面印刷缶に比べ、外面の印刷鮮映性と内
外面のフイルム密着性を兼備出来る。従って印刷の深み
がでることから商標デザインの鮮映性に優れ、又、缶内
面についても従来の塗装に比べ高耐食性を有しており、
消費者の多様化、高級化に対応したスリーピース缶を供
給できる。 (2)更に、従来の塗装缶に対しても勿論使用可能であ
るため、幅広い使用が出来る。また、波及効果として以
下に示すような工程省略による省力化、従来のスリーピ
ース缶の低コスト化に対する製造上の問題等を一挙に解
決することができる。 (3)従来印刷下地塗膜をして行われていたホワイトコ
ートやサイズコートが省略できる。 (4)コイル製品を使用した連続塗装印刷を幅広のまま
高速にて製造することが可能となり、切板塗装ラインに
比べ2倍以上の生産性を確保できる。 (5)多数回のライン通板が不要なため仕上がり期間が
短くて済む。 (6)コイル製品での取扱いなため、素材板厚が極薄化
しても、大きな操業上の問題を生じない利点を有してい
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全ての面方向の粗度がRaで0.35μ
    m未満の鋼板に、片面の錫付着量が0.5〜2.5g/
    2 の錫めっき皮膜を形成し、かつ全ての面方向の光沢
    度Gsが250%以上であることを特徴とする印刷鮮映
    性とフイルム密着性に優れたスリーピース缶用錫めっき
    鋼板。
  2. 【請求項2】 全ての面方向の粗度がRaで0.35μ
    m未満の鋼板を、硫酸;5〜50g/l、錫(II);1
    0〜100g/l、オキシエチレン鎖を有する界面活性
    剤;1×10-4〜1×10-2mol/l及び二重結合を
    有する芳香族カルボニル化合物;5×10-4〜2×10
    -2mol/lを成分とした錫めっき浴中にて、片面の錫
    付着量として0.5〜2.5g/m2 にて錫めっきを行
    うことを特徴とする印刷鮮映性とフイルム密着性に優れ
    たスリーピース缶用錫めっき鋼板の製造方法。
JP13559394A 1994-06-17 1994-06-17 印刷鮮映性とフイルム密着性に優れたスリーピース缶用錫めっき鋼板及びその製造方法 Withdrawn JPH083781A (ja)

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JP13559394A Withdrawn JPH083781A (ja) 1994-06-17 1994-06-17 印刷鮮映性とフイルム密着性に優れたスリーピース缶用錫めっき鋼板及びその製造方法

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010047689A (ko) * 1999-11-23 2001-06-15 이구택 냉간압연강판, 표면광택도가 우수한 주석도금강판 및 그제조방법
WO2010016503A1 (ja) 2008-08-04 2010-02-11 東洋製罐株式会社 加飾缶体及びその製造方法

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