JPH0824958A - 2ピース缶用樹脂被覆鋼板 - Google Patents

2ピース缶用樹脂被覆鋼板

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JPH0824958A
JPH0824958A JP18413294A JP18413294A JPH0824958A JP H0824958 A JPH0824958 A JP H0824958A JP 18413294 A JP18413294 A JP 18413294A JP 18413294 A JP18413294 A JP 18413294A JP H0824958 A JPH0824958 A JP H0824958A
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JP
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coated
resin
thermoplastic resin
thickness
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Application number
JP18413294A
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Nobuyoshi Shimizu
信義 清水
Yasuhiko Nakagawa
泰彦 中川
Akio Miyaji
昭夫 宮地
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Toyo Kohan Co Ltd
Original Assignee
Toyo Kohan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 白色顔料を有する熱可塑性樹脂被覆鋼板を缶
の外面側に使用する薄肉化深絞り加工缶もしくは乾式絞
りしごき缶において、加工度を上げて軽量化を進める
と、製缶後の缶外面の白さが暗くなるため、製缶後も鮮
映な白色を呈するような樹脂被覆鋼板を提供する。 【構成】 特定の結晶粒径,中心線平均粗さを有する鋼
板上に、可視光領域における全反射率が高いAl,S
n,Zn,Cr,Niの1種またはこれらの金属の合金
を特定量被覆し、さらに、缶外面側に相当する面に、特
定量の白色顔料を有する熱可塑性樹脂を被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄肉化深絞り加工また
は乾式絞りしごき加工により製造する2ピース缶用の材
料に関する。詳しくは、缶外面が鮮映な白色を呈する2
ピース缶用熱可塑性樹脂被覆鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱可塑性樹脂を被覆した電解クロ
ム酸処理鋼板を、絞り加工および再絞り加工時の肩アー
ルを小さなものとし、その肩部での曲げ、曲げ戻しを大
きな引っ張り力を加えながら缶壁を薄くする再絞り加工
により製造される薄肉化深絞り加工缶,DTR缶(Dr
aw Thin/Redraw Can)が実用化され
ている。これらのDTR缶の外面側には内容品を示す印
刷が施されるが、電解クロム酸処理鋼板の缶の外面とな
る側は、印刷の鮮映性を際だたせるために白色顔料を添
加した熱可塑性樹脂が被覆され、白色の印刷下地層とさ
れている。
【0003】DTR缶の場合、引っ張り力を主体とした
加工によるため、加工時に缶壁の破断が起こりやすく、
缶壁厚さは元板厚の80%(リダクション率20%)程
度であり、絞り加工後しごき加工で製造され、その缶壁
厚さが元板厚の1/3程度にできるDI缶の缶壁に比べ
厚いものとなっている。そのため、缶壁の厚さが元板厚
の40〜70%程度と薄いツーピース缶を乾式絞りしご
き加工により製造することが試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】乾式絞りしごき加工に
おいては元板厚が40〜70%程度の薄肉化が可能とな
ったが、板厚の減少に伴い被覆された熱可塑性樹脂の厚
さも減少し、缶外面となる側の白色顔料を添加した熱可
塑性樹脂の隠蔽力が低下する。その結果、白さが減少し
黒ずんだ外観を呈するようになり、その上に施される印
刷の鮮映性が失われる。本発明においては板厚を元板厚
の70〜90%程度にする薄肉化深絞り加工や、特に、
元板厚の40〜70%程度にする乾式絞りしごき加工後
も、缶外面が十分な白さを保持している缶を提供するこ
とを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、薄肉化
深絞り加工や乾式絞りしごき加工された後も、缶外面が
十分な白さを保持している2ピース缶用の熱可塑性樹脂
被覆鋼板を得ることである。この目的を達成するため
に、結晶粒径を4〜30μm、中心線平均粗さを0.0
1〜0.3μm、板厚を 0.15〜 0.30mmとした
鋼板上に、400〜700nmの可視光領域波長におけ
る全反射率が65%以上である金属を被覆した金属被覆
鋼板を、熱可塑性樹脂被覆鋼板の下地基板とする。この
金属被覆鋼板の少なくとも片面に、5〜50重量%の白
色顔料を有する厚さ5〜30μmの熱可塑性樹脂を被覆
することにより、薄肉化深絞り加工や乾式絞りしごき加
工後も、缶外面が十分な白さを保持している2ピース缶
用の熱可塑性樹脂被覆鋼板が得られる。鋼板上に被覆さ
れる金属の中で、400〜700nmの可視光領域波長
における全反射率が65%以上である金属としては、A
l,Sn,Zn,Cr,Niなどのいずれか、またはこ
れらの2種以上からなる合金が好ましい。また被覆され
る熱可塑性樹脂としてはポリエステル樹脂,ポリオレフ
ィン樹脂,ポリカーボネート樹脂またはポリアミド樹脂
などが好ましく、その厚さは5〜30μmであることが
好ましい。さらにポリエステル樹脂としては、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂、エチレンテレフタレート単位
を主体とする共重合ポリエステル樹脂がより適してい
る。これらの熱可塑性樹脂には5〜50重量%の酸化チ
タン系白色顔料が添加されていることが必要である。こ
れらの種々の特性を定めることにより、薄肉化深絞り加
工や乾式絞りしごき加工を施された後も、缶外面が十分
な白さを保持している2ピース缶用の熱可塑性樹脂被覆
鋼板を得ることが可能となる。
【0006】
【作用】以下、本発明の限定理由、作用などについて詳
細に説明する。本発明は、薄肉化深絞り加工や乾式絞り
しごき加工を施された後も、缶外面が十分な白さを保持
している2ピース缶用の熱可塑性樹脂被覆鋼板を得るこ
とを目的とする。白色顔料を有する熱可塑性樹脂被覆鋼
板の表面の白さの程度は、拡散反射L* (エルスターと
読み、明度を表す)値と相関性があり、拡散反射L* 値
が大であるほど熱可塑性樹脂被覆鋼板の表面が白くな
る。ただし、ここで言う拡散反射L* 値とは、例えば日
本電色(株)製の分光色差計SZS−Σ90などで入射
光を試料の法線方向に対して10度の角度で入射した時
の拡散反射成分を測定したL* 値である。缶外面となる
片側に白色顔料を有する熱可塑性樹脂を被覆した電解ク
ロム酸処理鋼板を薄肉化深絞り加工や乾式絞りしごき加
工すると、図1に示すように板厚の減少に伴って白さの
程度を示す拡散反射L* 値が減少する。鋼板上に金属ク
ロムとクロム水和酸化物からなる皮膜を被覆した電解ク
ロム酸処理鋼板の表面の色調はクロム水和酸化物のため
暗い色調をしている。白色顔料を有する熱可塑性樹脂を
被覆した電解クロム酸処理鋼板を加工すると、板厚の減
少に伴って白色顔料を有する熱可塑性樹脂の厚さも減少
し、下地の電解クロム酸処理鋼板の黒ずんだ表面の色調
を隠蔽するのに不十分な厚さとなる。また、後述のよう
に、加工により露出する鉄の反射率は低いため、樹脂の
膜厚減少による作用以上に缶外面の白さが損なわれる。
さらに、白色顔料を有する熱可塑性樹脂被覆鋼板の表面
の拡散反射L* 値は下地基板の表面粗度にも影響され、
図2に示すように鋼板の表面粗度の増大に伴って樹脂被
覆後の表面の拡散反射L* 値が減少する。したがって薄
肉化深絞り加工や乾式絞りしごき加工による缶において
は肌荒れにより鋼板の表面粗度が増加するため、表面粗
度の増加による白さの低下も伴っている。したがって、
加工後の表面粗度はできるだけ小さいほうが好ましく、
この点から鋼板の結晶粒径、表面粗度(中心線平均粗
さ)が規定される。
【0007】まず、鋼の結晶粒径は4〜30μmに限定
する。結晶粒径が小さい方が加工による肌荒れが少な
く、缶外面の白さの低下を抑制する点からは好ましい
が、結晶粒径が小さいほど加工硬化が大きく加工性を悪
化させる。結晶粒径が30μm以上となると加工による
肌荒れが生じやすく、缶外面の白さの低下をもたらす。
以上の理由により結晶粒径の上限および下限が限定され
るが、より望ましくは6〜15μmの結晶粒径が本発明
の目的に適する。この鋼の結晶粒径は鋼の化学組成、熱
間圧延の仕上げ温度、熱間圧延後の巻き取り温度、冷間
圧延後の再結晶条件の変更により調整される。
【0008】また、鋼板の表面粗度は0.01〜0.3
μmの中心線平均粗さであることが好ましい。中心線平
均粗さが0.3μm以上であると、薄肉化深絞り加工や
乾式絞りしごき加工後の缶外面の白さが著しく低下す
る。一方、中心線平均粗さが0.01μm以下の鋼板を
安定して製造するのは困難であり、この点から下限を
0.01μmとした。
【0009】加工後の缶は、缶内が陽圧、あるいは陰圧
の状態で用いられるが、そのような圧に耐えるためには
缶底、缶壁ともに一定以上の強度が必要である。鋼板の
板厚の下限はこの耐圧強度、および均一な厚さの鋼板を
連続的に安定して高速生産する点から 0.15mmに限
定する。鋼板の板厚の上限は、得られる缶体の耐圧強度
の点から、0.3mm以上必要な例は少なく、また経済
性の点からも上限を0.3mmとする。
【0010】図3は400〜700nmの可視光領域波
長における金属の全反射率を示したものである。ここで
言う全反射率とは正反射と拡散反射の両方の成分を含む
全反射率を全波長域で測定した値である。図3に示すよ
うに、Al、Sn、Znは高い全反射率を有する金属で
あり、CrおよびNiも鋼の主成分であるFeよりも高
い全反射率を有している。これらの金属の平均反射率と
全反射L* 値との対応を図4に示すが、両者は強い相関
性を有しており、平均反射率の高い金属ほど高い全反射
L* 値を有していることがわかる。ここで言う平均反射
率とは全波長域で測定した全反射率を平均化した値であ
り、また、全反射L* 値とは正反射成分と拡散反射成分
の両方を加味した時の金属のL*値である。上記の金属
のうち、Al、Sn、Znを8g/m2被覆した鋼板と通
常の電解クロム酸処理鋼板上に、白色顔料を16重量%
有する熱可塑性樹脂を被覆した表面の拡散反射L* 値と
の関係を図5に示す。前述のように、白色顔料を有する
熱可塑性樹脂被覆表面の白さの程度は拡散反射L* 値と
相関性があり、拡散反射L* 値が大であるほど熱可塑性
樹脂被覆表面が白くなる。図5から明らかなようにA
l、Sn、Znのように全反射L* 値が高い金属を被覆
した鋼板ほど、その上に白色顔料を有する熱可塑性樹脂
を被覆した表面の拡散反射L* 値が大となり、白さの程
度が優れており、Feめっき鋼板上に白色顔料を有する
熱可塑性樹脂を被覆した表面の白さは最も劣っているこ
とがわかる。さらに図5より、乾式絞りしごき加工によ
り元板厚の65%(リダクション率35%)に減少させ
た後もこの傾向は変わらず、Al、Sn、Znを被覆し
た鋼板を下地基板とした場合は、薄肉化深絞り加工や乾
式絞りしごき加工後もFeめっき鋼板を下地基板とする
未加工状態の樹脂被覆表面と同等の白さを有しているこ
とがわかる。
【0011】一方、電解クロム酸処理鋼板においては、
金属クロムとクロム水和酸化物からなる皮膜はそれぞれ
が 0.015μm程度の極めて薄いかつ延性に乏しい皮
膜であるため、乾式絞りしごき加工後においては皮膜が
破壊されて熱可塑性樹脂との接着面で平均反射率が低い
下地の鋼が露出しており、乾式絞りしごき加工後の缶外
面の白色顔料を有する熱可塑性樹脂を被覆した表面の白
さが低下する一つの原因となっている。
【0012】上記の理由により、本発明の熱可塑性樹脂
被覆鋼板の下地基板としては板厚が0.15〜0.30m
mの鋼板上に、400〜700nmの可視光領域波長に
おける全反射率が65%以上である金属、好ましくはA
l、Sn、Zn、Cr、Niの1種またはこれらの金属
の2種以上からなる合金を被覆した金属被覆鋼板が用い
られる。 被覆量は0.05g/m2以下では本発明の最
終目的とする40〜70%程度の乾式絞りしごき加工を
施された後に下地鋼板が露出しやすく、30g/m2以上
では乾式絞りしごき加工後の下地鋼板の露出は認められ
なくなるが、効果が飽和し不経済となるため、0.05
〜30g/m2に限定する。さらに熱可塑性樹脂との接着
性を向上させるために、この金属被覆層のさらに上層に
加工後の缶外面の白さを損なわない範囲でクロム水和酸
化物層を設けてもよい。
【0013】次に、上記の金属を被覆した鋼板上に熱可
塑性樹脂が被覆されるが、鋼板の両側とも白色顔料が添
加された熱可塑性樹脂で被覆されてもよいし、缶外面と
なる側のみ白色顔料が添加された熱可塑性樹脂で被覆さ
れ、缶内面となる側は顔料が添加されていない透明な熱
可塑性樹脂で被覆されてもよい。熱可塑性樹脂としては
厚さが5〜30μm、100〜300℃の融点を有する
ものが適用できる。被覆された熱可塑性樹脂層の厚さを
5〜30μmとするが、缶外面となる側においては、そ
の厚さが5μm以下の場合は加工により厚さが減少し、
樹脂中に最大限度まで白色顔料を添加しても下地金属の
隠蔽力が不十分で適正な白さが得られない。また絞り加
工やしごき加工時にダイスと下地鋼板が直接接触する危
険性が大となり、缶壁の破断の危険性が増大する。また
缶内面側となる側においては耐食性が不十分となる恐れ
がある。さらに、両面側とも熱可塑性樹脂を鋼板上に連
続的に安定して被覆することが難しくなる。一方被覆さ
れた熱可塑性樹脂の厚さの上限は、缶外面となる側にお
いては下地金属の隠蔽力が飽和すること、また両面側と
も絞り加工時にしわが発生しやすくなること、および、
経済性の点から30μmに限定する。
【0014】本発明に適用可能な熱可塑性樹脂としては
ポリエステル樹脂,ポリオレフィン樹脂,ポリカーボネ
ート樹脂,ポリアミド樹脂などが挙げられる。ポリエス
テル樹脂は種々のものを使用することができるが、具体
的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレンテレ
フタレート単位を主体とした共重合ポリエステル樹脂、
あるいはこれらの混合物からなるポリエステル樹脂が挙
げられる。特に75〜95モル%のポリエチレンテレフ
タレートと5〜25モル%のポリエチレンイソフタレー
ト、ポリエチレンセバケートあるいはポリエチレンアジ
ペートなどからなる共重合ポリエステル樹脂、ポリエチ
レンテレフタレートまたは上記の共重合ポリエステル樹
脂にポリブチレンテレフタレートをブレンドしたポリエ
ステル樹脂が適用できる。
【0015】上記のポリエステル樹脂を鋼板に被覆する
方法として、鋼板の両面に直接溶融したポリエステル樹
脂を押し出し積層する方法、溶融押し出し後、常法によ
りフィルム成形した未延伸あるいは延伸配向させたフィ
ルムを熱融着により、または接着剤を介して積層する方
法、およびこれらの方法を併用した方法などがあり、い
ずれの方法も本発明の樹脂被覆鋼板の製造方法として適
用可能であるが、成形加工された缶の内面側には、被覆
された樹脂層の耐衝撃加工性、腐食性の強い内容物に対
する耐透過性などの点から、二軸配向ポリエステル樹脂
フィルムを用いることが好ましい。
【0016】なお、上記のポリエステル樹脂フィルムを
接着剤層を介して鋼板に積層することは腐食性の強い内
容物を充填する缶の内面用には好ましい。用いられる接
着剤は公知のものも使用可能であるが、エポキシ基を分
子内に有する熱硬化性重合組成物がより好ましく、熱可
塑性樹脂フィルムの鋼板と接する面に塗布、乾燥して
も、あるいは鋼板の表面に塗布、乾燥してもよい。
【0017】さらに、缶内面となる側においては、熱融
着により積層したポリエステル樹脂層の鋼板と非接触の
面(フリー面)および鋼板と接する面の樹脂フィルムの
延伸配向状態を好ましい状態に制御することを容易にす
るため、それぞれ融点が異なる上層樹脂と下層樹脂の二
層からなるポリエステル樹脂の二軸配向フィルムを用い
ることも可能である。
【0018】熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂である
場合は、ポリプロピレン,ポリエチレンまたはこれらの
ブレンド物などが本発明に適用可能である。
【0019】また熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂
である場合は耐熱性の面から芳香族ポリカーボネート樹
脂であることが好ましく、具体的にはポリ−ジオキシジ
フェニル−2,2−プロパンカーボネート(ビスフェノ
ールAポリカーボネート)、ポリ−ジオキシジフェニル
メタンカーボネート、ポリ−ジオキシジフェニルエタン
カーボネート、ポリ−ジオキシジフェニル−2,2−ブ
タンカーボネート、ポリ−ジオキシジフェニル−2,2
−ペンタンカーボネート、ポリ−ジオキシジフェニル−
3,3−ペンタンカーボネート、ポリ−ジオキシジフェ
ニル−2,2−ヘキサンカーボネート、4,4´−ジオ
キシジフェニルメタンカーボネートの中央メタンの炭素
にアルキル基、またはフェニル基が結合した芳香族ポリ
カーボネートなどが、本発明に適用可能である。
【0020】さらにポリアミド樹脂としては6−ナイロ
ン、6,6−ナイロン、6−6,6−コポリマーナイロ
ン、6,10−ナイロン、7−ナイロン、11−ナイロ
ンなどが本発明に適用可能である。
【0021】これらの熱可塑性樹脂を、一軸方向または
二軸方向に延伸したフィルム、あるいは未延伸フィルム
の状態で鋼板に積層してもよいし、溶融樹脂を直接鋼板
上に押し出し積層してもよい。さらに、缶内面用の樹脂
として上記のポリカーボネート樹脂およびポリアミド樹
脂を単独で用いてもよいし、前記のポリエステル樹脂と
共押し出しして得られる二層構造あるいは三層構造のフ
ィルムの上層あるいは中間層として、またこれらの樹脂
を前記のポリエステル樹脂にブレンドした樹脂を用いて
もよい。さらに、該ブレンド樹脂フィルムの上層として
前記ポリエステル樹脂を設けた二層フィルムとしての適
用も可能である。
【0022】さらに、本発明においては、薄肉化深絞り
加工や乾式絞りしごき加工後の缶外面の白さを適正な範
囲に保持するために、缶外面となる側に被覆される熱可
塑性樹脂に適正量の白色顔料が添加されていることが不
可欠である。顔料としては、無機系、有機系の適用も可
能であり用途により選択されるが、酸化チタン系の顔料
を用いることが白さの鮮映性をもたらす上でより好まし
い。添加量としては、5重量%以下では下地鋼板上に高
反射率の金属を被覆しても、加工後の十分な白さを確保
するには不十分であり、50重量%以上添加すると樹脂
をフィルム状に成形することが不可能となるため、5〜
50重量%の添加範囲に限定する。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1〜実施例4 鋼板の板厚0.17mm,平均結晶粒径6〜15μm,
中心線平均粗さ0.15μmで、通常の化学組成を有す
る冷延鋼板を脱脂,酸洗後、可視光領域の全反射率が6
5%以上であるSn,Zn,Cr,Niなどの金属をそ
れぞれ8g/m2鋼板上にめっきした。さらに密着性改
良のために後処理を施した。これらの表面処理鋼板の全
反射L*を測定した後、これらの表面処理鋼板に以下の
要領で熱可塑性樹脂を被覆した。次に、これらの原板を
240℃に加熱し、缶内面側となる面にはポリエチレン
テレフタレート88モル%、ポリエチレンイソフタレー
ト12モル%からなる二軸延伸した共重合ポリエステル
樹脂フィルム(厚さ:25μm、面配向係数:0.12
6 、融点:229℃)を、缶外面側となる面には12
重量%の酸化チタン顔料を添加し白色に着色した前記と
同一組成の二軸延伸した共重合ポリエステル樹脂フィル
ム(厚さ:20μm)を同時に積層し、直ちに水中に浸
漬冷却した。 積層後、乾燥し、その両面にパラフィン
系ワックスを約50mg/m2 塗布し、以後の加工を実
施した。まず、直径160mmのブランクに打ち抜き
後、缶径が100mmの絞り缶とした。ついで再絞り加
工により缶径80mmの再絞り缶とした。この再絞り缶
を複合加工により再絞り加工と同時にしごき加工を行
い、缶径66mmの乾式絞りしごき缶とした。この複合
加工において、缶の上端部となる再絞り加工部としごき
加工部間の間隔は20mm、再絞りダイスの肩アールは
板厚の 1.5倍、再絞りダイスとポンチのクリアランス
は板厚の 1.0倍、しごき加工部のクリアランスは元板
厚の65%、となる条件で加工した。いずれの加工にお
いても水系冷却、潤滑剤は使用せず、乾式で実施した。
製缶後の缶外面の白さを日本電色(株)製の分光色差
計SZS−Σ90で拡散反射L*を測定した値と視覚で
感じる白さの両方で評価した。視覚で感じる白さの程度
は以下に示す基準で評価した。 ◎:優、○:良、△:やや不良、×:不良
【0024】実施例5〜実施例7 鋼板の板厚0.17mm,平均結晶粒径10μm,中心
線平均粗さ0.015〜0.3μmで、通常の化学組成
の冷延鋼板を脱脂,酸洗後、可視光領域の全反射率が6
5%以上であるZnをこれらの鋼板上にめっきした。こ
れらのめっき鋼板の全反射L*値を測定した後、実施例
1と同様に缶外面側となる面に12重量%の酸化チタン
顔料を添加した共重合ポリエステル樹脂フィルムを積層
した。実施例1と同様に製缶し、製缶後の缶外面側の白
さを同様に評価した。
【0025】比較例1 鋼板の板厚0.17mm,平均結晶粒径10μm,中心
線平均粗さ0.15μmで、通常の化学組成の冷延鋼板
を脱脂,酸洗後、可視光領域の全反射率が65%未満で
あるFeを8g/m2、この鋼板上にめっきした。この
めっき鋼板の全反射L*値を測定した後、実施例1と同
様に缶外面側となる面に12重量%の酸化チタン顔料を
添加した20μmの共重合ポリエステル樹脂フィルムを
積層した。実施例1と同様に製缶し、製缶後の缶外面側
の白さを同様に評価した。
【0026】比較例2 鋼板の中心線平均粗さを0.4μmにした以外は実施例
2と同じ試料を作製し、実施例1と同様に製缶し、製缶
後の缶外面側の白さを同様に評価した。
【0027】比較例3 鋼板の平均結晶粒径を35μmにした以外は実施例1と
同様の冷延鋼板に通常の電解クロム酸処理を行い、金属
クロム量0.1g/m2,クロム水和酸化物量15mg
/m2の通常の電解クロム酸処理鋼板を得た。実施例1
と同じ共重合ポリエステル樹脂フィルムを缶外面側とな
る面に積層し、実施例1と同様に製缶し、製缶後の缶外
面側の白さを同様に評価した。
【0028】評価した結果を、表1に示したが、本発明
の熱可塑性樹脂被覆鋼板は元板厚の40〜70%の乾式
絞りしごき加工後も優れた缶外面の白さを保持している
ことがわかる。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明の2ピース缶用樹脂被覆鋼板を用
いることにより、白色顔料を有する熱可塑性樹脂層の厚
さを減少させても、あるいは、薄肉化深絞り加工や乾式
絞りしごき加工の加工度を上げて軽量化を進めても、缶
外面が優れた白さを有している2ピース缶の製造が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】12%の白色顔料を添加した20μmの熱可塑
性樹脂を被覆した電解クロム酸処理鋼板の加工度(リダ
クション率)と、缶外面の拡散反射L* 値の関係を示す
図である。
【図2】金属板の表面粗度と、その上に12%の白色顔
料を添加した20μmの熱可塑性樹脂被覆鋼板を元板厚
の65%(リダクション率35%)の乾式絞りしごき加
工を施した時の缶外面の拡散反射L* 値との関係を示す
図である。
【図3】400〜700nmの可視光領域波長における
金属の全反射率を示す図である。
【図4】金属の平均反射率と金属の全反射L* 値の関係
を示す図である。
【図5】本発明の熱可塑性樹脂被覆鋼板の下地鋼板上に
被覆した金属の全反射L* 値と、製缶前後の熱可塑性樹
脂被覆表面の拡散反射L* 値の関係を示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 30/00 B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼の結晶粒径:4〜30μm、中心線平
    均粗さ:0.01〜0.3μm、板厚: 0.15〜0.
    30mmの鋼板上に、400〜700nmの可視光領域
    波長における全反射率が65%以上であるAl,Sn,
    Zn,Cr,Niなどの金属またはこれらの金属の2種
    以上からなる合金を0.05〜30g/m2被覆した表面
    処理鋼板の少なくとも片面に、5〜50重量%の白色顔
    料を有する厚さ5〜30μmの熱可塑性樹脂を被覆して
    なる乾式絞りしごき加工缶用樹脂被覆鋼板。
  2. 【請求項2】 鋼の結晶粒径:4〜30μm、中心線平
    均粗さ:0.01〜0.3μm、板厚: 0.15〜0.
    30mmの鋼板上に、400〜700nmの可視光領域
    波長における全反射率が65%以上であるAl,Sn,
    Zn,Cr,Niなどの金属またはこれらの金属の2種
    以上からなる合金を0.05〜30g/m2被覆した表面
    処理鋼板の少なくとも片面に、5〜50重量%の白色顔
    料を有する厚さ5〜30μmの熱可塑性樹脂を被覆して
    なる薄肉化深絞り加工缶用樹脂被覆鋼板。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂,ポリ
    オレフィン樹脂,ポリカーボネート樹脂またはポリアミ
    ド樹脂であることを特徴とする、請求項1または2の2
    ピース缶用樹脂被覆鋼板。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂層が接着剤層を介して表面
    処理鋼板に被覆されていることを特徴とする、請求項1
    または2の2ピース缶用樹脂被覆鋼板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09253772A (ja) * 1996-03-19 1997-09-30 Kishimoto Akira 2ピースシームレスアルミニウム容器とその製造方法
WO2005068184A1 (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Toyo Kohan Co., Ltd. 2ピース缶用ラミネート鋼板およびそれを用いた2ピース缶
US20230027626A1 (en) * 2019-12-20 2023-01-26 Posco Electrogalvanized steel sheet having superb whiteness and method for manufacturing same

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