JPH083780A - 電鋳装置 - Google Patents

電鋳装置

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JPH083780A
JPH083780A JP13453294A JP13453294A JPH083780A JP H083780 A JPH083780 A JP H083780A JP 13453294 A JP13453294 A JP 13453294A JP 13453294 A JP13453294 A JP 13453294A JP H083780 A JPH083780 A JP H083780A
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稔 田添
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望 鮎川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電鋳槽のアノードとカソードとを最適な対向
間隔に調整自在とし、電鋳時間の削減、高品質の電鋳品
を製造する電鋳装置を提供する。 【構成】 電鋳液が充填された電鋳槽7に電鋳材9を配
設する。被電鋳材24が取り付けられたカソード板12
が設けられた回転軸21を含む回転ヘッド部材11と、
回転駆動機構27とから構成された回転ヘッド機構10
を、回転ヘッド支持機構20に支持する。回転ヘッド支
持機構20は、支軸33に支持された回転ヘッド支持ブ
ロック部材32を有し、カソード板12を電鋳槽7に進
入させて被電鋳材24を電鋳材9に対向位置させる。回
転ヘッド部材11を軸方向に移動させて被電鋳材24と
電鋳材9との対向間隔を調整する回転ヘッド調動機構5
0を備える。軸方向に調動される回転ヘッド部材11を
ガイドする回転ヘッドガイド機構40を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスク、光磁気デ
ィスク等の円盤状記録媒体の製作する際の原盤となるス
タンパ等を製造するために用いられる電鋳装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光ディスク、光磁気ディスク等の円盤状
記録媒体は、主面上の信号記録領域に音声や映像等の記
録信号が微小な穴によって構成されるピットとして記録
され、また信号記録領域には信号記録を行うための微小
な案内溝であるグルーブ或いはアドレス情報等のための
ピットが基板上に設けられている。これらピット、グル
ーブは、一般にニッケル金型のスタンパを用いて透明な
樹脂材料基板に転写形成されて円盤状記録媒体が構成さ
れる。
【0003】スタンパは、大別するとガラス基板からガ
ラス原盤を製作するマスタリング工程と、ガラス原盤か
らニッケルスタンパを製作する電鋳工程とからなる。マ
スタリング工程は、ガラス基板上にレジスト層を形成す
る工程と、ピット或いはグルーブに対応する部分を残し
て他のレジスト層をレーザカッテイングするカッティン
グ工程と、レジスト層を現像する現像工程と、レジスト
層上に銀またはニッケル膜を形成する導電化処理の工程
とからなる。
【0004】電鋳工程は、ガラス原盤上にニッケルの厚
膜を形成してニッケルファザーを製作する電鋳工程と、
この電鋳工程によって得たニッケルファザーをガラス原
盤から剥離する剥離工程と、ニッケルファザーの表面に
施す脱銀処理の工程と、ニッケルファザーを基にしたニ
ッケルの厚膜であるマザーニッケルを製作する電鋳工程
と、この電鋳工程によって得たマザーニッケルをニッケ
ルファザーから剥離する剥離工程と、マザーニッケルを
基にしてスタンパを製作する電鋳工程等の各工程からな
る。これらの電鋳工程は、電鋳装置を用いて行われる。
【0005】従来の光ディスクの電鋳工程に用いられる
電鋳装置100は、図8に示すように、スルファミン酸
ニッケル、ホウ酸、塩化ニッケル及びレベリング剤等を
混合した電鋳液102が循環装置103によって循環供
給される電鋳槽101を備えている。電鋳液102は、
電鋳加工時は、一定の温度、例えば40℃〜60℃に保
持されるとともに、循環装置103によって電鋳槽10
1内を循環させられかつオーバフローさせてフイルター
等によって不純物が除去される。この電鋳槽101の内
部には、アノード側を構成する電鋳材として硫黄含有ニ
ッケルチップ104が配置されている。電鋳槽101に
は、図示しないが、ニッケルチップ104と後述するよ
うに対向位置されたガラス基板110との間に位置して
溶出されたニッケルイオンをガラス基板110上に効率
的に吹き付けて付着させるノズル機構が設けられてい
る。
【0006】また、電鋳装置100は、電鋳槽101の
上部に位置して回転ヘッド支持機構105によって支持
された回転ヘッド機構106が配設されている。回転ヘ
ッド支持機構105を構成する回転ブロック部材は、図
示しない装置フレームに支架した支軸107上に回動自
在に軸装されている。回転ヘッド機構106は、一端側
に配設したモータ107によって回転駆動される回転軸
を有しており、この回転軸の先端部にカソード板109
が設けられている。このカソード板109の主面には、
被電鋳材であるガラス原盤110が取り付けられる。な
お、ガラス原盤110は、必要に応じて適当な開口形状
のバッフル板を介してカソード板109に取り付けられ
る。
【0007】以上のように構成された従来の電鋳装置1
00は、回転ヘッド支持機構104が支軸107を中心
として同図反時計方向に回動動作されることによって、
ガラス原盤110を取り付けたカソード板109が電鋳
槽101中に挿入される。電鋳槽101に挿入されたカ
ソード板109は、アノード側であるニッケルチップ1
04と対向位置される。したがって、両電極に通電する
と、電解液から溶出したニッケルイオンがカソード板1
09に取り付けられたガラス原盤110の表面に付着し
てニッケル層が積層形成される。
【0008】スタンパは、一般に、300±5μm程度
の厚み寸法、精度を以って形成される。この精度を得る
ため、電鋳装置100は、両電極に供給される電流量を
制御するとともに、モータ108によって回転軸が回転
されることによってカソード板109を回転動作して、
ガラス原盤110の表面上にニッケル層が均一に形成さ
れるように構成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かかる光ディスクの電
鋳工程に用いられる電鋳装置100においては、ニッケ
ルチップ104とガラス原盤110、換言すればアノー
ドとカソードとの間には上述したように溶出したニッケ
ルイオンをガラス原盤110の表面上に効率的に吹き付
けて付着させるための図示しないノズル機構等が配設さ
れることによって間隙が存在する。この間隙は、電気回
路的には抵抗として作用する。したがって、アノードと
カソードとの間隔が大きくて抵抗が大きい場合には、大
きな電流値を供給することが困難となる。ニッケルイオ
ンの溶出量は、供給される電流値によって規制される。
したがって、電鋳工程の効率化を図るためには、アノー
ドとカソードとの間隔が最小であることが好ましい。
【0010】一方、電鋳工程においては、電流密度が小
さい場合にはニッケルの結晶粒界が小さくなって平滑か
つ硬度が大きいニッケル層が形成され、電流密度が大き
い場合には結晶粒界が大きくなりやや粗いニッケル層が
形成されるといった特徴を有している。従来の電鋳装置
100においては、上述したように、アノードとカソー
ドとは、ノズル機構に妨げのない間隙を以って構成され
ていることから、電鋳工程の効率化と調和を図った電流
密度の調整が困難であり、高品質の電鋳品を得ることが
極めて困難であるといった問題点があった。
【0011】また、ノズル機構とガラス原盤110と
は、供給される電流値、電鋳液温度等の種々の電鋳条件
に基づいて、ニッケルイオンが均一な状態でかつ効率的
にガラス原盤110に吹き付けられて均一な厚み寸法の
ニッケル層が形成されるように、最適な間隔に設定され
ることが好ましい。しかしながら、従来の電鋳装置10
0においては、カソード板109に取り付けられたガラ
ス原盤110とノズル機構との間隔は一定であり、ニッ
ケル層が不均一に形成されるといった問題点があった。
【0012】したがって、本発明は、電鋳槽のアノード
とカソードとを最適な対向間隔に調整自在とすることに
よって、電鋳時間の削減或いは膜厚が一定で返りの発生
が無い高品質の電鋳品を製造し得るようにした電鋳装置
を提供することを目的に提案されたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成した本発
明に係る電鋳装置は、循環装置を介して循環供給された
電鋳液中にアノードの電鋳材が配設された電鋳槽と、一
端部に被電鋳材が取り付けられるカソード板が設けられ
た回転軸を含む回転ヘッド部材と、回転軸の支持側とは
反対側に設けた駆動モータを含む回転駆動機構とから構
成された回転ヘッド機構と、回転ヘッド部材を支持する
とともに装置フレームに支架した支軸に回動自在に軸装
された回転ヘッド支持ブロック部材を有し、回転ヘッド
機構を被電鋳材が取り付けらたカソード板が電鋳槽に対
して挿脱されるように回動動作させる回転ヘッド支持機
構と、回転ヘッド支持機構に対して回転ヘッド機構を移
動動作させることによって電鋳槽に挿入されたカソード
板に取り付けられた被電鋳材と電鋳槽側のアノードであ
る電鋳材との対向間隔を調整する回転ヘッド調動機構
と、回転ヘッド部材と回転ヘッド支持ブロック部材との
間に設けられ、回転ヘッド調動機構によって移動動作さ
れる回転ヘッド部材が軸方向に移動されるようにガイド
する回転ヘッドガイド機構とを備えて構成される。
【0014】また、本発明に係る電鋳装置は、回転ヘッ
ド調動機構を、回転ヘッド支持ブロック部材の側面部に
回転ヘッド部材の移動方向に対してねじ回わしされる調
整ボルトと、この調整ボルトに軸方向に対して固定され
て組み合わされたセットカラーと、このセットカラーと
回転ヘッド機構とを連結する調動ブラケット部材とから
構成する。
【0015】さらに、本発明に係る電鋳装置は、回転ヘ
ッド調動機構を、回転ヘッド支持ブロック部材に設けた
支持ブラケット部材に組み付けられるとともに先端部が
回転ヘッド機構と連結されたピストンロッドを回転ヘッ
ド機構の軸方向と平行に進退動作させるシリンダによっ
て構成する。
【0016】さらにまた、本発明に係る電鋳装置は、回
転ヘッド調動機構を、回動ブロック部材に設けられた回
転ヘッド機構の軸方向と平行なねじ孔を貫通し、先端部
が回転ヘッド機構と連結された調整ネジによって構成す
る。
【0017】また、本発明に係る電鋳装置は、回転ヘッ
ドガイド機構を、回転ヘッド支持ブロック部材に脱着さ
れるとともに回転ヘッド機構の軸方向と平行なキー溝が
形成されたガイド部材と、回転ヘッド支持ブロック部材
に設けたキー溝とに相対係合するようにして組み込まれ
た平行キー部材とから構成する。
【0018】
【作用】以上のように構成された本発明に係る電鋳装置
によれば、カソード板に取り付けられた被電鋳材は、回
転ヘッド支持機構が回動動作することによって電鋳槽中
へと挿入され、この電鋳槽に配設されたアノードである
電鋳材に対向位置する。カソード板及びアノードには、
電流が供給されることによって、電鋳液中に溶出した金
属イオンがノズル機構等を介して被電鋳材の表面上に吹
き付けられて付着し、金属膜層を積層形成する。被電鋳
材の表面に付着する金属イオンは、回転駆動機構によっ
てカソード板が回転動作することにより、均一な状態で
被電鋳材の表面に付着する。
【0019】回転ヘッド調動機構は、回転ヘッド支持機
構に対して回転ヘッド機構を軸方向に移動動作させるこ
とによって、カソード板に取り付けられた被電鋳材と電
鋳層のアノードとの対向間隔を調整する。回転ヘッド機
構は、回転ヘッドガイド機構によって、軸方向への移動
動作がガイドされる。この回転ヘッド機構の移動動作に
より、カソード板に取り付けられた被電鋳材と電鋳槽に
配設されたアノードの電鋳材との対向間隔が調整され
る。
【0020】アノードとカソード板との対向間隔が最少
に設定調整されることにより、間隙抵抗値の減少が図ら
れ、これら両極に大きな電流を供給することが可能とな
る。大きな電流の供給は、電鋳材からの金属イオンの溶
出を促進し、電鋳時間の短縮が図られる。アノードとカ
ソード板との対向間隔が最適な状態に調整されることに
より、溶出する金属イオンが被電鋳材へ良好な状態で付
着することを可能とする。したがって、薄厚の被電鋳材
においては、電流密度を少なくして返り発生の減少が図
られる。また、アノードとカソード板との最適な対向間
隔は、バッフル板等の簡素化、電鋳槽の精度によるアノ
ードの取付け位置の誤差補正、被電鋳材の厚み寸法仕様
の対応等が図られる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を図面を参照
して詳細に説明する。実施例電鋳装置1は、上述した図
8の電鋳装置100と同様に、光ディスクの製造工程、
例えばガラス原盤からニッケルスタンパを製作する際の
電鋳工程に用いられる電鋳装置であって、図2に示すよ
うに、電鋳槽7が配設支持された下部筐体部2と、回転
ヘッド機構10等が配設支持された上部筐体部3及びこ
の上部筐体部3の天井部に配設された電源部4とによっ
て組み立てられている。これら下部筐体部2及び上部筐
体部3は、フレーム材によってしっかりと組み立てられ
ており、表面には外装パネルが取り付けられている。
【0022】下部筐体部2は、底板部分にキャリヤ5が
配設されることによってこの電鋳装置1を移動自在とす
るとともに、スタンド6によってしっかりと設置固定さ
れるように構成されている。電鋳槽7は、強化プラスチ
ック材料によって成形され、一方側面部7Aが略45°
の傾斜面として構成されている。電鋳槽7には、電鋳液
が充填されている。電鋳液は、上述した従来の電鋳装置
100と同様に、例えばスルファミン酸ニッケル、ホウ
酸、塩化ニッケル及びレベリング剤等の混合液からな
り、後述する電鋳加工時には、一定の温度、例えば40
℃〜60℃に保持される。
【0023】また、電鋳槽7は、図2に示すように、一
部が2重槽として構成されており、外槽壁に対して内槽
壁の高さを小とすることによってオーバフロー槽として
構成されている。そして、この電鋳槽7には、底面部側
に位置して4本のダクト8A乃至8Dが接続されてい
る。第1のダクト8Aは、オーバフロー路7Bに連通す
るオーバフローダクトであって、図示しないオーバフロ
ータンクへと電鋳液を循環させる。なお、このオーバフ
ローダクト8Aとオーバフロータンクとの間には、電鋳
液に混入したレジスト等の不純物を除去する吸着剤、フ
ィルター等が配設されている。
【0024】第2のダクト8Bは、電鋳槽7へ電鋳液を
供給する供給ダクトであり、第3のダクト8Cは、電鋳
槽7から電鋳液が排出される排出ダクトである。また、
電鋳槽7の底部に配設された第4のダクト8Dは、通常
は閉鎖されており、槽内清掃等に際して電鋳液を排出す
るドレンダクトである。上述した4本のダクト8A乃至
8D及び図示しない循環槽、循環ポンプは、電鋳液の循
環装置を構成する。
【0025】電鋳槽7には、アノード側を構成する電鋳
材として硫黄含有ニッケルチップが収納されたアノード
ケース9が配設されている。このアノードケース9は、
電鋳槽7の傾斜側面部7Aとほぼ等しい長さ寸法を有し
ており、傾斜側面部7Aと平行して精度よく位置決めさ
れて配設される。したがって、アノードケース9は、略
45°の傾斜角が付されて電鋳槽7の内部に配設されて
いる。
【0026】以上のように構成された電鋳槽7は、アノ
ードケース9を含み、従来の電鋳装置100と基本構成
をほぼ同じくしている。
【0027】上部筐体部4には、回転ヘッド支持機構3
0によって回動自在に支持された回転ヘッド機構10が
配設されている。この回転ヘッド機構10は、図1及び
図3に示すように、回転ヘッド部材11と、カソード板
12と、このカソード板12を回転駆動する駆動モータ
13と、伝達歯車機構14と、ロータリコネクタ15及
び連結ロッド16、17等の部材、機構によって構成さ
れている。回転ヘッド部材11は、ヘッドフレーム18
に対して片持ち状態で軸方向に対して移動自在に支持さ
れた筒状の外筒部材19と、この外筒部材19の両側開
口部にそれぞれ設けられた軸受け部材20A、20Bに
回転自在に支持された回転軸21及び外筒部材19の自
由端側開口部に位置して回転軸21に固定された回転盤
22等の部材によって構成されている。
【0028】カソード板12は、第1の連結ロッド16
及び第2の連結ロッド17を介して回転ヘッド部材11
の先端部に取り付けられている。カソード板12は、上
述した従来の電鋳装置100のカソード板109と基本
構造を同一としており、例えば塩化ビニール樹脂等によ
って円板状に形成され、主面には図示しない取付け機構
によってバッフル板23等を介してガラス原盤24が取
り付けられるとともにロータリコネクタ15を介して給
電される。また、カソード板12は、後述するように、
回転ヘッド支持機構25が動作することによって、電鋳
槽7中へと進入され、アノードケース9と対向位置す
る。
【0029】第1の連結ロッド16は、導電材料によっ
て全体筒状を呈して形成され、一端側には回転盤22に
接合固定されるフランジ盤16Aが一体に形成されると
ともに、他端側の開口部には第2の連結ロッド17が挿
入固定されている。この第2の連結ロッド17もまた、
導電材料によって形成されている。これら第1の連結ロ
ッド16及び第2の連結ロッド17は、外周面にそれぞ
れFRPコーティングが施されている。
【0030】回転軸21には、基端側に伝達歯車機構1
4を構成する平歯車14Bが固定されている。この平歯
車14Bは、伝達歯車機構14を構成する駆動歯車14
Aと噛合している。駆動歯車14Aは、駆動モータ13
の出力軸13Aに固定されている。駆動モータ13と伝
達歯車機構14は、回転ヘッド部材11の回転駆動機構
27を構成する。したがって、駆動モータ13の回転出
力は、出力軸13A−駆動歯車14A−平歯車14B−
回転軸21−回転盤22−第1の連結ロッド16−第2
の連結ロッド17の伝達系を介してカソード板12へと
伝達され、このカソード板12を回転駆動する。
【0031】また、回転軸21は、その基端部がヘッド
フレーム18を貫通して延長されており、ロータリーコ
ネクタ15を介してマイナス電荷の給電を受ける。この
マイナス電荷は、回転軸21−回転盤22−第1の連結
ロッド16−第2の連結ロッド17の伝達系を介してカ
ソード板12へと印加される。
【0032】以上のように構成された回転ヘッド機構1
0は、図2に示すように、回転ヘッド支持機構30の筐
体を構成する回転ヘッド支持筐体31に外装される。回
転ヘッド支持筐体31には、その一側面にガイド筒体2
5が取り付けられており、このガイド筒体25から第2
の連結ロッド17が貫通している。また、ガイド筒体2
5には、後述するように回転ヘッド機構10が回転動作
された際に、電鋳槽7を閉塞する蓋部材26が、45°
の角度を以って取り付けられている。
【0033】回転ヘッド支持機構30は、図1及び図3
に示すように、回転ヘッド支持筐体31と、回転ヘッド
支持ブロック部材32と、回転支軸33と、駆動モータ
34及びストッパ部材35等の部材によって構成されて
いる。上述した回転ヘッド機構10の回転ヘッド部材1
1は、回転ヘッド支持ブロック部材32の主面32A上
に軸方向に移動自在に支持されている。すなわち、回転
ヘッド部材11を構成する外筒部材19は、底面部27
が軸方向にいわゆるDカットされることによって平坦面
として構成され、この底面部27が後述する回転ヘッド
ガイド機構40を介して回転ヘッド支持ブロック部材3
2の主面32A上に支持されている。
【0034】駆動モータ34は、装置フレームに取り付
けられており、その出力軸に回転支軸33が連結されて
いる。回転支軸33は、回転ヘッド支持筐体31に図示
しない軸受け部材を介して回転自在に支架されていて、
回転ヘッド支持ブロック部材32が回転方向に対して固
定された状態で組み合わされている。回転ヘッド支持ブ
ロック部材32には、一方コーナ部に突出するようにし
てストッパ部材35が組み付けられている。回転ヘッド
支持ブロック部材32は、後述する電鋳工程に際して、
駆動モータ34が回転動作することによって、図3反時
計方向へと回動動作され、ストッパ部材35がストッパ
36に突き当たる。
【0035】なお、ストッパ36は、装置フレームに回
転ヘッド部材11の軸方向と平行な状態で支持されてお
り、ストッパ部材35の先端部が突き当たるストッパ片
と、ダンパーとから構成されている。このストッパ36
と回転ヘッド支持ブロック部材32とは、回転ヘッド支
持機構30が回動動作した状態において、カソード板1
2に取り付けられたガラス原盤24がアノードケース9
と平行に対峙するように、位置決めされる。この位置決
め動作は、ストッパ36のダンパーを調動することによ
って行われる。
【0036】回転ヘッドガイド機構40は、回転ヘッド
支持ブロック部材32の主面32Aに設けられたキー溝
41と、回転ヘッド部材11を構成する外筒部材19と
回転ヘッド支持ブロック部材32との間に配設されたガ
イド部材42と、このガイド部材42に設けられたキー
溝43及び平行キー部材44等の部材とから構成されて
いる。ガイド部材42は、回転ヘッド支持ブロック部材
32の幅寸法よりも大きい長さ寸法を有する板状の部材
として構成され、回転ヘッド支持ブロック部材32の主
面32Aと外筒部材19との間に介挿配置されている。
また、ガイド部材42は、回転ヘッド支持筐体31に図
示しない取付けねじによって取付け固定される。
【0037】このガイド部材42は、回転ヘッド支持ブ
ロック部材32の主面32Aとの対向面に、これら両部
材を組み合わせた状態において、回転ヘッド支持ブロッ
ク部材32の主面32Aに設けたキー溝41と協動して
上下方向を閉塞されたキー溝を構成するキー溝43が幅
方向に設けられている。また、ガイド部材42には、図
示しないが、幅方向の両側面に沿って長穴が設けられて
いる。これら長穴は、回転ヘッド部材11を構成する外
筒部材19の底面部19Aに設けたねじ穴に対応して設
けられている。したがって、ガイド部材42と外筒部材
19とは、長穴の範囲において、この長穴を貫通してね
じ穴にねじ込まれる止めねじ45による締め付け位置が
調整自在とされる。
【0038】回転ヘッド支持ブロック部材32の主面3
2Aに設けたキー溝41とガイド部材42に設けたキー
溝43とが協動して構成するキー溝には、平行キー部材
44が組み合わされている。平行キー部材44は、幅寸
法がキー溝の溝幅とほぼ等しくまた長手寸法がキー溝4
1の長さよりもやや小さい板状の部材として構成されて
いる。したがって、ガイド部材42は、キー溝43に相
対係合する平行キー部材44の作用によって、回転ヘッ
ド支持ブロック部材32に対して回転方向には固定され
かつ軸方向には移動可能とされて組み合わされる。
【0039】ガイド部材42、換言すれば回転ヘッド部
材11は、回転ヘッド支持ブロック部材32に対して回
転ヘッド調動機構50によって軸方向に移動動作され
る。回転ヘッド調動機構50は、回転ヘッド支持ブロッ
ク部材32を貫通して設けた調整ねじ穴51にねじ合わ
される調整ボルト52と、セットカラー53及び調動ブ
ラケット部材54等の部材から構成される。すなわち、
調整ねじ穴51は、図1に示すように、回転ヘッド部材
11と平行する貫通ねじ穴として回転ヘッド支持ブロッ
ク部材32に設けられている。
【0040】この調整ねじ穴51にねじ合わされた調整
ボルト52には、そのシャンク部52Aにセットカラー
53がセットビスを介して固定されている。調動ブラケ
ット部材54は、一端側がシャンク部52Aと頭部52
Bとの間に介挿されるようにして調整ボルト52に支持
され、自由端側が回転ヘッド部材11と平行に折曲され
た全体が略L字状に形成された部材として構成されてい
る。そして、この調動ブラケット部材54は、自由端側
が図1に示すように、回転ヘッド部材11を構成する外
筒部材19の基端部に形成したフランジ部19Aに固定
された連結部材55とねじ56によって接合固定されて
いる。
【0041】なお、実施例電鋳装置1は、詳細な図示を
省略するが、上部筐体3に操作パネル盤28が設けられ
ており、メインスイッチや、回転ヘッド機構10の駆動
モータ13或いは回転ヘッド支持機構30の駆動モータ
34等の起動スイッチ等が配設されている。
【0042】以上のように構成された実施例電鋳装置1
は、上述したように、ガラス原盤24の表面上にニッケ
ル層を積層形成してニッケルスタンパを製作する電鋳工
程に用いられる。電鋳工程に際して、電鋳装置1は、ガ
ラス原盤24の取付け、回転ヘッド部材11の調動等の
段取り工程が施される。すなわち、カソード板12に
は、図示しない取付け機構を介してガラス原盤24が配
設固定される。このカソード板12が先端部に設けられ
た回転ヘッド部材11は、ガラス原盤24の板厚仕様、
印加電圧仕様、電鋳液温度等の電鋳条件によってカソー
ド板12とアノードケース9とが最適な対向間隔に設定
されるように、回転ヘッド調動機構50によって軸方向
に調動される。
【0043】電鋳装置1は、上述した段取り工程が行わ
れた後、回転ヘッド支持機構30の駆動モータ34に電
源が投入される。回転ヘッド支持機構30は、駆動モー
タ34が回転駆動することによって、回転ヘッド支持ブ
ロック部材32が回転支軸33を介して、図4に示すよ
うに、反時計方向へと回動動作する。したがって、回転
ヘッド機構10は、この回転ヘッド支持機構30に支持
されて全体が回動動作し、先端部に設けられたカソード
板12が電鋳槽7へと挿入される。この回転ヘッド機構
10の回動動作は、回転ヘッド支持機構30のストッパ
部材35がストッパ36と突き当たることによって停止
される。
【0044】ストッパ部材35とストッパ36とが突き
当たった状態において、カソード板12は、アノードケ
ース9と平行に対峙した状態に位置される。カソード板
12は、アノードケース9が傾斜側面部7Aと平行な状
態で電鋳槽7に配設されていることから、初期位置から
約45°の角度分、回転ヘッド支持機構30によって回
動動作されることになる。電鋳槽7は、カソード板12
がアノードケース9と対向するようにして回動動作され
た状態において、蓋部材26によって閉塞される。この
蓋部材26は、電鋳槽7から比較的高温の電鋳液が飛び
散ったり、異物が混入したりすることを防止する。
【0045】回転ヘッド調動機構50によって調整され
た対向間隔を以って対峙するアノードケース9とカソー
ド板12には、電源が投入される。カソード板12への
電源の投入は、回転軸21の一端部に配設したロータリ
ーコネクタ15を介して供給される。アノードケース9
とカソード板12への電源の投入により、電解液から
は、ニッケルイオンが溶出してカソード板12に取り付
けられたガラス原盤24の表面に付着してニッケル層が
積層形成される。このガラス原盤24の表面上へのニッ
ケル層の電鋳の原理は、従来周知であり、詳細な説明は
省略するが、実施例電鋳装置1においても、アノードケ
ース9とカソード板12に供給される電流量が精密に制
御されるとともに、カソード板12が回転動作されて、
ガラス原盤24の表面上にニッケル層が所定の厚み寸
法、精度を以って均一に形成されるように構成される。
【0046】回転ヘッド部材11は、駆動モータ13に
電源が供給されると、回転駆動力が伝達歯車機構14を
介して伝達される。この回転ヘッド部材11は、上述し
たように出力軸13A−駆動歯車14A−平歯車14B
−回転軸21−回転盤22−第1の連結ロッド16−第
2の連結ロッド17の伝達系によって回転して、駆動モ
ータ13の回転出力をカソード板12へと伝達する。
【0047】電鋳装置1は、所定時間の経過後、アノー
ドケース9とカソード板12への電源の投入が停止され
るとともに、回転ヘッド支持機構30の駆動モータ34
に電源が再投入される。回転ヘッド支持機構30は、駆
動モータ34が回転駆動することによって、回転ヘッド
支持ブロック部材32が回転支軸33を介して図2時計
方向へと回動動作する。したがって、回転ヘッド機構1
0は、この回転ヘッド支持機構30に支持されて全体が
復帰回動し、カソード板12が電鋳槽7から脱出する。
しかる後、表面にニッケル層が積層形成されたガラス原
盤24は、カソード板12から取り外される。
【0048】電鋳装置1は、上述したように、電鋳工程
の段取り工程として、アノードケース9とカソード板1
2との対向間隔を調整するため、回転ヘッド調動機構5
0を介して回転ヘッド部材11を軸方向へと移動する調
動操作が行われる。この回転ヘッド機構10の調動操作
は、外筒部材19と回転ヘッドガイド機構40のガイド
部材42との固定状態を解除した状態で、調整ボルト5
2を左右に回転操作することによって行う。
【0049】回転ヘッド機構10を構成する外筒部材1
9は、通常、止めねじ45によって回転ヘッド支持筐体
31に固定されたガイド部材42と結合されている。し
たがって、回転ヘッド機構10は、回転ヘッド支持ブロ
ック部材32の主面32A上に支持されるとともにガイ
ド部材42を介して回転ヘッド支持筐体31に固定され
た状態にある。回転ヘッド機構10は、止めねじ45を
緩めることによって、外筒部材19とガイド部材42と
の結合状態が解除される。しかる後、調整ボルト52の
回転操作が行われる。
【0050】例えば、回転ヘッド機構10は、図6に示
すように、調整ボルト52を右回りに回転することによ
って、この調整ボルト52が回転ヘッド支持ブロック部
材32に設けた調整ねじ穴51にねじ込まれていく。こ
の調整ボルト52のねじ込み動作により、調整ブラケッ
ト部材54は、調整ボルト52と一体的に同図矢印で示
すように、左側へと移動動作する。調整ブラケット部材
54の動作は、連結部材55を介して回転ヘッド機構1
0を構成する外筒部材19へと伝達される。したがっ
て、回転ヘッド機構10は、全体として同図矢印で示す
ように、左側へと移動動作する。
【0051】この場合、外筒部材19は、回転ヘッドガ
イド機構40を構成するガイド部材42のキー溝43
と、回転ヘッド支持ブロック部材32の主面32Aに設
けたキー溝41とに組み込まれた平行キー部材44の作
用により、軸方向に直線的に移動動作する。回転ヘッド
機構10の移動動作により、カソード板12もまた、左
側へと移動動作する。回転ヘッド機構10を構成する外
筒部材19は、止めねじ45が締め付けられることによ
って、ガイド部材42に再び固定される。したがって、
カソード板12は、回転ヘッド支持機構30の回転支軸
33からの間隔が大となり、回転ヘッド支持機構30が
動作してカソード板12が電鋳槽7に進入した状態にお
いて、アノードケース9との相対する間隔が狭められる
方向に調動される。
【0052】また、回転ヘッド機構10は、図7に示す
ように、調整ボルト52を左回りに回転することによっ
て、この調整ボルト52が回転ヘッド支持ブロック部材
32に設けた調整ねじ穴51から抜け出ていく。この調
整ボルト52の回動操作によって、調整ブラケット部材
54は、調整ボルト52と一体的に、同図矢印で示すよ
うに、右側へと移動動作する。この調整ブラケット部材
54の動作は、連結部材55を介して回転ヘッド機構1
0を構成する外筒部材19へと伝達される。したがっ
て、回転ヘッド機構10は、全体として同図矢印で示す
ように、右側へと移動動作する。
【0053】上述した調動操作と同様に、外筒部材19
は、回転ヘッドガイド機構40を構成するガイド部材4
2のキー溝43と、回転ヘッド支持ブロック部材32の
主面32Aに設けたキー溝41とに組み込まれた平行キ
ー部材44の作用により、軸方向に直線的に移動動作す
る。回転ヘッド機構10の移動動作により、カソード板
12もまた、右側へと移動動作する。回転ヘッド機構1
0を構成する外筒部材19は、止めねじ45が締め付け
られることによって、ガイド部材42に再び固定され
る。したがって、カソード板12は、回転ヘッド支持機
構30の回転支軸33からの間隔が小となり、回転ヘッ
ド支持機構30が動作してカソード板12が電鋳槽7に
進入した状態において、アノードケース9との相対する
間隔が大となる方向に調動される。
【0054】以上の操作によって、回転ヘッド機構10
は、ガラス原盤24の板厚仕様、印加電圧仕様、電鋳液
温度等の電鋳条件或いは電鋳槽7やアノードケース9の
取付け精度等に対応して、回転ヘッド調動機構50を介
してカソード板12とアノードケース9との対向間隔が
最適な状態に設定される。また、この操作に際して、回
転ヘッド機構10は、回転ヘッドガイド機構40によっ
て、軸方向に正確に移動動作される。
【0055】本発明は、上述した第1の実施例電鋳装置
1に限定されるものでは無く、例えば回転ヘッド調動機
構については、図8、図9に示した第2或いは第3の実
施例電鋳装置60、70に備えられた回転ヘッド調動機
構のようにそれぞれ展開される。図8は、第2の実施例
電鋳装置60の要部の構成を模式的に説明する図であ
り、上記第1の実施例電鋳装置1の構成各部材、機構と
同一部分については同一符号を付すことによって説明を
省略する。
【0056】この電鋳装置60に備えられた回転ヘッド
調動機構61は、回転ヘッド機構10と回転ヘッド支持
機構30との間に配設されたエアーシリンダ62を有し
ている。すなわち、エアーシリンダ62は、回転ヘッド
支持機構30を構成する回転ヘッド支持ブロック部材3
2の側面部に取り付けられた取付けブラケット部材63
とヘッドフレーム18との間に介挿配置されている。そ
して、エアーシリンダ62は、ピストンロッド64がヘ
ッドフレーム18と結合されている。
【0057】以上のように構成された第2の実施例電鋳
装置60によれば、回転ヘッドガイド機構40を構成す
るガイド部材42と回転ヘッド部材11を構成する外筒
部材19とを結合固定する止めねじ45が緩められた状
態で、エアーシリンダ62が動作される。このエアーシ
リンダ62の動作は、ピストンロッド64が結合された
ヘッドフレーム18を介して、回転ヘッド機構10へと
伝達され、この回転ヘッド機構10が回転ヘッドガイド
機構40にガイドされながら軸方向へと移動動作する。
【0058】回転ヘッド機構10の移動動作により、カ
ソード板12もまた軸方向に移動動作される。しかる
後、回転ヘッド機構10を構成する外筒部材19は、止
めねじ45が締め付けられることによって、ガイド部材
42に再び固定される。したがって、カソード板12
は、回転ヘッド支持機構30が動作してカソード板12
が電鋳槽7に進入した状態において、アノードケース9
との相対する間隔が調動される。
【0059】図9は、第3の実施例電鋳装置70の要部
の構成を模式的に説明する図であり、上記第1の実施例
電鋳装置1の構成各部材、機構と同一部分については同
一符号を付すことによって説明を省略する。この電鋳装
置70に備えられた回転ヘッド調動機構71は、上述し
た第1の電鋳装置1と同様に、回転ヘッド支持機構30
を構成する回転ヘッド支持ブロツク部材32を貫通して
設けたねじ穴72にねじ込まれた調整ボルト73を有し
ている。
【0060】調整ボルト73は、回転ヘッド支持ブロツ
ク部材32の一方側面部からねじ込まれて他端部がこの
回転ヘッド支持ブロツク部材32の他方側面部に露呈す
る充分な長さ寸法を有している。そして、この調整ボル
ト73の露呈端部73Aには、連結ブラケット部材74
の一端部が結合されている。そして、この連結ブラケッ
ト部材74の他端部は、ヘッドフレーム18に結合され
ている。
【0061】以上のように構成された第3の実施例電鋳
装置70によれば、回転ヘッドガイド機構40を構成す
るガイド部材42と回転ヘッド部材11を構成する外筒
部材19とを結合固定する止めねじ45が緩められた状
態で、調整ボルト73が回転操作される。この調整ボル
ト73の操作によって、露呈端部73Aは、回転ヘッド
支持ブロツク部材32からの突出量が調整される。そし
て、調整ボルト73の操作は、連結ブラケット部材74
が結合されたヘッドフレーム18を介して、回転ヘッド
機構10へと伝達され、この回転ヘッド機構10が回転
ヘッドガイド機構40にガイドされながら軸方向へと移
動動作する。
【0062】回転ヘッド機構10の移動動作により、カ
ソード板12もまた軸方向に移動動作する。しかる後、
回転ヘッド機構10を構成する外筒部材19は、止めね
じ45が締め付けられることによって、ガイド部材42
に再び固定される。したがって、カソード板12は、回
転ヘッド支持機構30が動作してカソード板12が電鋳
槽7に進入した状態において、アノードケース9との相
対する間隔が調動される。
【0063】なお、上述した各実施例電鋳装置において
は、回転ヘッドガイド機構40は、回転ヘッド支持ブロ
ック部材32の主面32Aに設けたキー溝41と、回転
ヘッド機構10を構成する外筒部材19にねじ止め固定
されるガイド部材42に設けたキー溝43とが協動して
構成するキー溝に平行キー部材44を組み合わせて構成
したが、本発明は、かかる構造に限定されるものでは無
い。例えば、回転ヘッド支持ブロック部材32とガイド
部材42とには、それぞれの対向面に、相対係合するキ
ー溝とキー凸部とを形成する等していわゆる平行キー構
造を構成し、この平行キー構造によって回転ヘッドガイ
ド機構を構成してもよい。
【0064】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る電鋳装置によれば、回転ヘッド支持機構に支持された
回転ヘッド機構は、回転ヘッド調動機構を操作すること
によって、回転ヘッドガイド機構にガイドされて軸方向
に移動動作されるように構成されたことにより、カソー
ドとアノードとの対向間隔を最適な状態に調整すること
ができる。したがって、電鋳装置は、例えばカソードと
アノードとを最少の対向間隔に設定することによって、
これらカソードとアノードとに高電流を供給することが
でき、電鋳時間の大幅な短縮を図ることができる。
【0065】また、電鋳装置は、例えば、被電鋳部材の
厚み寸法仕様、電流仕様等の電鋳条件に基づいて、カソ
ードとアノードとの間隔が最適に設定されることによっ
て、反り等の発生が防止され或いは電鋳層の厚み寸法が
均一とされた高品質の被電鋳品を製作することができ
る。
【0066】さらに、電鋳装置は、カソードとアノード
との間隔が最適に設定されることによって、カソードに
取り付けた被電鋳部材に被着するマスク部材を簡易化か
ることができ、製造コストの低減を図ることができる。
そして、電鋳装置は、電鋳槽がいわゆる手作り品で製作
されるが、寸法のバラツキによる電鋳精度の改善を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電鋳装置の要部縦断面図であり、
回転ヘッド機構、回転ヘッド支持機構、回転ヘッドガイ
ド機構及び回転ヘッド調動機構部分を示す。
【図2】同電鋳装置の全体構成を説明する一部切欠き側
面図である。
【図3】同電鋳装置の回転ヘッド機構部を説明する要部
側面図である。
【図4】同電鋳装置による電鋳工程時の操作状態を説明
する要部側面図である。
【図5】同電鋳装置において、回転ヘッド機構の調動操
作を説明するための一部切欠き要部側面図である。
【図6】同回転ヘッド機構の調動操作を説明するための
一部切欠き側面図であり、カソード板をアノードケース
側に接近させる方向に移動操作する状態を示す。
【図7】同回転ヘッド機構の調動操作を説明するための
一部切欠き側面図であり、カソード板をアノードケース
側に離間させる方向に移動操作する状態を示す。
【図8】本発明に係る電鋳装置の第2の実施例を示し、
回転ヘッド機構部を説明する要部側面図である。
【図9】本発明に係る電鋳装置の第3の実施例を示し、
回転ヘッド機構部を説明する要部側面図である。
【図10】従来の電鋳装置の構成を説明する概略構成図
である。
【符号の説明】
1 電鋳装置 7 電鋳槽 9 アノードケース(電鋳材) 10 回転ヘッド機構 11 回転ヘッド部材 12 カソード板 13 駆動モータ 18 ヘッドフレーム 19 外筒部材 21 回転軸 24 ガラス原盤(被電鋳部材) 27 回転駆動機構 30 回転ヘッド支持機構 32 回転ヘッド支持ブロック部材 33 回転支軸 34 駆動モータ 40 回転ヘッドガイド機構 41 キー溝 42 ガイド部材 43 キー溝 44 平行キー部材 45 止めねじ 50 回転ヘッドガイド機構 51 調整ボルト 53 セットカラー 54 調整ブラケット部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 循環装置を介して循環供給された電鋳液
    中にアノードの電鋳材が配設された電鋳槽と、 一端部に被電鋳材が取り付けられるカソード板が設けら
    れた回転軸を含む回転ヘッド部材と、回転軸の支持側と
    は反対側に設けた駆動モータを含む回転駆動機構とから
    構成された回転ヘッド機構と、 回転ヘッド部材を支持するとともに装置フレームに支架
    した支軸に回動自在に軸装された回転ヘッド支持ブロッ
    ク部材を有し、回転ヘッド機構を被電鋳材が取り付けら
    たカソード板が電鋳槽に対して挿脱されるように回動動
    作させる回転ヘッド支持機構と、 回転ヘッド支持機構に対して回転ヘッド機構を移動動作
    させることによって電鋳槽に挿入されたカソード板に取
    り付けられた被電鋳材と電鋳槽側のアノードである電鋳
    材との対向間隔を調整する回転ヘッド調動機構と、 回転ヘッド部材と回転ヘッド支持ブロック部材との間に
    設けられ、回転ヘッド調動機構によって移動動作される
    回転ヘッド部材が軸方向に移動されるようにガイドする
    回転ヘッドガイド機構とを備えた電鋳装置。
  2. 【請求項2】 回転ヘッド調動機構は、回転ヘッド支持
    ブロック部材の側面部に回転ヘッド部材の移動方向に対
    してねじ回わしされる調整ボルトと、この調整ボルトに
    軸方向に対して固定されて組み合わされたセットカラー
    と、このセットカラーと回転ヘッド機構とを連結する調
    動ブラケット部材とから構成されたことを特徴とする請
    求項1記載の電鋳装置。
  3. 【請求項3】 回転ヘッド調動機構は、回転ヘッド支持
    ブロック部材に設けた支持ブラケット部材に組み付けら
    れるとともに先端部が回転ヘッド機構と連結されたピス
    トンロッドを回転ヘッド機構の軸方向と平行に進退動作
    させるシリンダによって構成されたことを特徴とする請
    求項1記載の電鋳装置。
  4. 【請求項4】 回転ヘッド調動機構は、回動ブロック部
    材に設けられた回転ヘッド機構の軸方向と平行なねじ孔
    を貫通し、先端部が回転ヘッド機構と連結された調整ネ
    ジによって構成されたことを特徴とする請求項1記載の
    電鋳装置。
  5. 【請求項5】 回転ヘッドガイド機構は、回転ヘッド支
    持ブロック部材に組み合わされるとともに回転ヘッド機
    構の軸方向と平行なキー溝が形成されたガイド部材と、
    回転ヘッド支持ブロック部材に設けたキー溝とに相対係
    合するようにして組み込まれた平行キー部材とから構成
    されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれか
    1項記載の電鋳装置。
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