JPH0836915A - セラミック電子部品用焼付型導電性ペースト及びセラミック電子部品 - Google Patents

セラミック電子部品用焼付型導電性ペースト及びセラミック電子部品

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JPH0836915A
JPH0836915A JP6192700A JP19270094A JPH0836915A JP H0836915 A JPH0836915 A JP H0836915A JP 6192700 A JP6192700 A JP 6192700A JP 19270094 A JP19270094 A JP 19270094A JP H0836915 A JPH0836915 A JP H0836915A
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JP
Japan
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baking
conductive paste
type conductive
ceramic
ceramic electronic
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JP6192700A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Shibuya
和行 渋谷
Junichi Yagi
淳一 八木
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/09Use of materials for the conductive, e.g. metallic pattern
    • H05K1/092Dispersed materials, e.g. conductive pastes or inks
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Abstract

(57)【要約】 【目的】積層セラミックコンデンサの外部電極のセラミ
ック素体、内部電極に対する接着性を向上し、静電容量
抜けを防止し、外部電極が作製容易であり、ガラス粉末
を少なくでき、内部電極のニッケルの外部電極に対する
拡散を抑制できる焼付型導電性ペースト及びこれを用い
た積層セラミックコンデンサを提供すること。 【構成】銅粉末と、硼化ニッケル粉末と、バインダーを
少なくとも含有する焼付型導電性ペースト及びこれを用
いた外部電極を有する積層セラミックコンデンサ。 【効果】積層セラミックコンデンサの外部電極のセラミ
ック素体、内部電極に対する接着性を向上し、静電容量
抜けを防止し、外部電極が作製容易であり、ガラス粉末
を少なくでき、内部電極のニッケルの外部電極に対する
拡散を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば積層セラミック
コンデンサの外部電極のようにセラミック素体に導電膜
を形成するための焼付型導電性ペースト及びこれを用い
て得たセラミック電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックコンデンサ、ハイブリッドI
Cのような電子部品は電子製品の回路構成部品として広
く使用されている。これらの内、積層セラミックコンデ
ンサは、セラミック誘電体層と内部電極を交互に積層
し、その積層体のセラミック素体の両側端面に当該内部
電極の端部を引き出し、その内部電極の端部に接続する
外部電極を該端面に形成し、この外部電極をプリント基
板のはんだ付けランドにはんだ付けして使用されるもの
であり、また、ハイブリッドICはセラミック層内及び
その表面に電子回路が形成されるものであるが、いずれ
もセラミック素体の表面には前者では外部電極、後者で
は回路導体としての導電膜が形成されるものである。こ
れらの外部電極や導電膜を形成するには、焼付型導電性
ペーストを用いることが行われているが、例えば積層セ
ラミックコンデンサの外部電極の場合には、セラミック
グリーンシートにニッケルを導電性粉末とする導電膜を
形成した未焼成材料シートを積層して得たチップを高温
で焼成し、そのチップのセラミック素体にニッケルを導
電粉末とする焼付型導電性ペーストを上記導電膜の焼成
体である内部電極に接続するように塗布し、焼付ける。
そして、その焼付け膜に銅メッキを行ってからニッケル
メッキを行って、銅メッキ膜を緩衝膜とすることにより
ニッケルメッキ膜が剥がれないようにし、さらにプリン
ト基板のはんだ付けランドに良くはんだ付けができるよ
うに半田メッキを行って外部電極としている。ところ
が、近年、銅粉末を含有する焼付型導電性ペーストをセ
ラミック素体に直接に塗布し、焼付けて外部電極とする
ことがコストの低減をはかる目的から行われている。
【0003】例えば実公昭58−14600号公報に
は、銅又はニッケルと、ホウ酸バリウムガラスからなる
外部電極を有する積層セラミックコンデンサが記載され
ており、その外部電極用の焼付型導電性ペーストも記載
されている。このような焼付型導電性ペーストには、銅
粉末にホウケイ酸鉛ガラス(PbO−B2 3 −SiO
2 )を3.5重量%と、適量のバインダーを混合したも
のも知られており、積層セラミックコンデンサのセラミ
ック素体に対するその塗布膜は窒素等の中性又は還元性
雰囲気中で焼付けられている。このようにすると、バイ
ンダーは高熱により分解除去され、銅とホウケイ酸鉛ガ
ラスからなる外部電極がセラミック素体表面に形成され
ることになり、ガラスが固着剤となって銅をセラミック
素体表面に接着させる。実際には中性又は還元性雰囲気
を得るためには比較的低廉な窒素ガスを用いているが、
市販の窒素ガスには数ppmの酸素が含まれており、僅
かな酸素を含む窒素雰囲気中で塗膜の焼付けが行われて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな僅かな酸素を含む窒素雰囲気中で塗膜の焼付けを行
うと、バインダーは完全には分解除去されることができ
ず、バインダーが炭化してそのカーボンが残留すること
になって、その焼付膜のセラミック素体に対する密着強
度が弱くなるという問題がある。窒素雰囲気中の酸素濃
度を高めると、残留したカーボンは酸化され、炭酸ガス
等となって除去され、残留するカーボンは無くなるの
で、この密着強度が弱くなるという問題は改善される
が、今度は銅が酸化されることにより銅の酸化物が生
じ、この酸化物を含む外部電極は積層セラミック素体の
両側端面に導出されている内部電極引き出し導体との接
着強度が不足し、その多数の接続のうちには断線するも
のもあり、コンデンサとしての所定の静電容量が得られ
ない、いわゆる静電容量抜けという現象を生じることが
ある。
【0005】本発明の第1の目的は、例えば積層セラミ
ックコンデンサの外部電極の如き導電膜のセラミック素
体に対する密着強度の大きい焼付型導電性ペースト及び
これを用いて得たセラミック電子部品を提供することに
ある。本発明の第2の目的は、例えば積層セラミックコ
ンデンサにおいてセラミック素体の両側端面に導出され
ている内部電極引き出し導体との接着強度が大きく、静
電容量抜けのない外部電極を形成できる焼付型導電性ペ
ースト及びこれを用いて得たセラミック電子部品を提供
することにある。本発明の第3の目的は、例えば積層セ
ラミックコンデンサにおいてセラミック素体に対する外
部電極の製造工程を短縮し、生産性を向上できる焼付型
導電性ペースト及びこれを用いて得たセラミック電子部
品を提供することにある。本発明の第4の目的は、酸素
をある程度含有しても良くその酸素濃度コントロールを
厳密に行う必要のない中性又は還元性雰囲気中で焼付け
を行った場合でも上記第1〜第3の目的を達成できる焼
付型導電性ペースト及びこれを用いて得たセラミック電
子部品を提供することにある。本発明の第5の目的は、
固着剤としてのガラス粉末を少なくできる焼付型導電性
ペースト及びこれを用いて得たセラミック電子部品を提
供することにある。本発明の第6の目的は、例えば積層
セラミックコンデンサのように内部電極にニッケルを用
いた場合に外部電極の銅にニッケルが拡散することを抑
制できる焼付型導電性ペースト及びこれを用いて得たセ
ラミック電子部品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)銅粉末と、硼化ニッケル粉末と、
バインダーを少なくとも含有するセラミック電子部品用
焼付型導電性ペーストを提供するものである。また、本
発明は、(2)ガラスフリットを含有する上記(1)の
セラミック電子部品用焼付型導電性ペースト、(3)ガ
ラスフリットはホウケイ酸アルカリ酸化物系ガラスフリ
ットである上記(1)又は(2)のセラミック電子部品
用焼付型導電性ペースト、(4)硼化ニッケル粉末は銅
粉末に対して0.1重量%以上10重量%以下である上
記(1)ないし(3)のいずれかのセラミック電子部品
用焼付型導電性ペースト、(5)硼化ニッケルがNi
B、Ni2 B、Ni3 B、Ni4 3 の群の少なくとも
1つである上記(1)ないし(4)のいずれかのセラミ
ック電子部品用焼付型導電性ペースト、(6)セラミッ
ク素体に導電膜を有するセラミック電子部品において、
該導電膜は上記(1)ないし(5)のいずれかのセラミ
ック電子部品用焼付型導電性ペーストの塗布膜の焼付膜
であるセラミック電子部品を提供するものである。
【0007】本発明において、「硼化ニッケル」とは、
ニッケルの硼化物をいい、具体的には例えばNiB、N
2 B、Ni3 B、Ni4 3 等のNiとBからなる化
合物が挙げられ、これらは単独又は複数組み合わせて用
いられる。その硼化ニッケル粉末の使用量は、銅粉末に
対して0.05重量%以上11重量%以下が好ましい。
この範囲より少ないと、中性又は還元性雰囲気下で焼付
膜を得る際にその雰囲気に酸素が含まれ、銅が酸化され
るときに、後述するような機構(作用の項での説明、以
下同様)によるその酸化が抑制される効果が少なく、こ
の範囲より多いと焼付膜中における銅の含有量が少なく
なるので、その導電抵抗が大きくなるのみならず、積層
セラミックコンデンサの場合には内部電極との接着強度
も小さくなり、静電容量抜けが生じることがあるので好
ましくない。これらの点から特に好ましくは、0.1重
量%以上10重量%以下である。硼化ニッケルの使用量
は、焼付膜を得る際の雰囲気の酸素濃度を高くするほど
多くすることが好ましいが、その雰囲気中の酸素濃度と
しては後述の実施例に挙げたように100ppm〜70
0ppmを例示することができるが、これに限らない。
硼化ニッケルの平均粒径は0.5〜3μmが好ましい。
【0008】本発明は、上記(1)〜(6)において、
ガラス粉末を用いるが、これにはホウケイ酸アルカリ酸
化物系ガラスを用いることが後述するような機構により
生じるニッケルと銅の合金に対する濡れの点で好ましい
が、上述のホウ酸バリウムガラス、ホウケイ酸鉛系ガラ
ス(PbO−B2 3 −SiO2 )その他のガラスも単
独又はホウケイ酸アルカリ酸化物系ガラスその他のもの
と混合して用いることができる。銅粉末には、ニッケル
粉末を併用したり、銅とニッケルの合金粉末を用いるこ
ともできる。このようにすると、銅がニッケルとより確
実に合金化され、その合金のホウケイ酸アルカリ酸化物
系ガラスに対する濡れを良くすることがより確実になり
好ましい。この場合には、上記(1)〜(6)におい
て、「銅粉末と、」の代わりに、「銅とニッケルを主要
成分とする導電粉末と、」と表現することができる。ホ
ウケイ酸アルカリ酸化物系ガラスは、一般式、R2 O−
2 3 −SiO2(但しR2 OはLi2 O、Na
2 O、K2 Oのいずれか単独又はこれらの任意の複数の
各成分任意の混合割合の組み合わせを示す。)で示され
ガラスを主要成分とすることをいい、本発明は、この一
般式のガラスを含有するセラミック電子部品用焼付型導
電性ペースト及びこれを用いて得た電子部品を提供する
ことができるということもできる。ホウケイ酸アルカリ
酸化物系ガラスは銅に対して0.8重量%以上15重量
%以下が好ましい。これが0.8重量%より少ないと焼
付膜のセラミック素体に対する密着強度が良くなく、1
5重量%より多いと、例えば積層セラミックコンデンサ
の場合には内部電極との接着が弱く、静電容量を大きく
することができないことがある。ガラスフリットの粒径
としては0.5〜3.0μmが好ましい。
【0009】本発明における「バインダー」とは、ビヒ
クルとも言われるが、有機物を主体としたものが好まし
く、これには少なくとも樹脂を含有し、常温又は加温下
で液状の樹脂も使用できその場合には溶剤を使用としな
い場合でも良いことがあるが、一般には固形樹脂の場合
のみならず溶剤を使用する。本発明は、上記(1)〜
(6)において、有機物を主体とした、いわゆる有機物
バインダーとしては、銅粉末、硼化ニッケル粉末及び必
要に応じてガラスフリットを主とする固形分に対して1
0重量%以上40重量%以下が好ましい。これより少な
いと流動性の点で塗布作業性が良くないことがあり、ま
た、セラミック素地に塗布しても素地に接着できなかっ
たり、形を保持することができないことがあり、したが
って、焼付膜のセラミック素地に対する密着強度を損な
ったり、静電容量抜けが生じたりすることがある。ま
た、40重量%より多いと、固形分重量比が小さくな
り、十分な厚さの導電膜を形成することができない。
【0010】樹脂としては、エチルセルロース等のセル
ロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリビニルアルコール等のビニル系の非硬化型樹
脂、エポキシ、アクリル等の好ましくは過酸化物を併用
した熱硬化性樹脂、さらには紫外線硬化型樹脂、電子線
硬化型樹脂その他の樹脂が挙げられ、後者の2つの例と
しては、エポキシアクリレート、ポリブタジエンアクリ
レート、ウレタンアクリレート等のアクリル酸、メタク
リル酸変性物、不飽和ポリエステル等が挙げられ、紫外
線硬化型樹脂として使用するときは光開始剤としてベン
ゾイン、アセトフェノン、ベンジル、ベンゾフェノン、
ベンゾインブチルエーテル等を併用できる。また、溶剤
としては、テルピネオール(ターピネオール)、テトラ
リン、ブチルカルビトール、カービトールアセテート等
が単独又は複数混合して用いられる。樹脂と溶剤の使用
割合としては、樹脂が全体の7〜10%前後が好まし
く、その樹脂溶液の粘度は5ポイズ前後が好ましい。
【0011】本発明の焼付型導電性ペーストを作製する
には、銅粉末と、硼化ニッケル粉末と、バインダーを少
なくとも配合し、さらには必要に応じてガラスフリット
を混合撹拌することにより得られるが、これにはボール
ミル、三本ロール等の混合用機械が使用できる。焼付型
導電性ペーストの粘度としては、固形分2.0〜4.0
で30〜40ポイズであることが、塗布作業性等の点で
好ましい。本発明の焼付型導電性ペーストをセラミック
素地に塗布するには、例えばスクリーン印刷、ディッピ
ング法等が好ましい。
【0012】本発明の焼付型導電性ペーストを用いてセ
ラミック電子部品を作製するには、例えば積層セラミッ
クコンデンサの場合には、具体的には例えば後述する実
施例に記載された方法が挙げられるが、一般的には次の
方法が挙げられ、本発明の焼付型導電性ペーストは次の
ように用いられる。すなわち、セラミック粉末と、バイ
ンダー樹脂を含有するセラミックグリーンシート用組成
物を用いてセラミックグリーンシートを形成する工程
と、このセラミックグリーンシートの複数枚のそれぞれ
にニッケル等を導電性粉末として含有する内部電極材料
ペーストを用いて導電体部を形成する工程と、この導電
体部を形成したセラミックグリーンシートを積層する工
程と、この積層体を圧着する工程と、この圧着積層体を
酸化性又は非酸化性雰囲気中の仮焼成を経てあるいはこ
れを経ずに中性又は還元性雰囲気中で焼成する工程と、
上記導電体部が焼成されることによって形成された内部
電極に接続する外部電極を形成する工程を有し、該外部
電極は上記(1)〜(5)の焼付型導電性ペーストを上
記仮焼した後又は焼成した後の積層体に塗布し、中性又
は還元性雰囲気中で焼付ける工程を有する積層セラミッ
クコンデンサの製造方法である。この場合の「中性又は
還元性雰囲気」としては窒素ガス等の不活性ガスが挙げ
られるが、これらには酸素を含有しても良く、例えば数
ppmの以上の酸素を含有していても良く、この場合に
は「酸素を含有しその含有量を厳密にコントロールしな
くても良い中性又は還元性雰囲気」とすることができ
る。
【0013】本発明の焼付型導電性ペーストを用いた焼
付膜の導電膜を形成するセラミック電子部品としては、
積層セラミックコンデンサのほかにハイブリッドIC、
積層LCフイルター、積層部品表面に他の回路を形成し
た複合電子部品等が挙げられ、セラミック素体とは電極
その他の回路部品を内蔵するセラミック材料焼成体やこ
れらを内蔵しない、いわゆる基板と言われるものも含
む。
【0014】
【作用】銅粉末と、硼化ニッケル粉末を含有する焼付型
導電性ペーストの焼付膜は、その加熱により硼化ニッケ
ルは硼素(B)とニッケル(Ni)に分解し、Bは銅
(Cu)の酸化物の還元剤となり、比較的酸素濃度が高
い中性又は還元性雰囲気中でCuの酸化物が生じても、
そのCuの酸化物を還元し、その酸化物が残存しないよ
うにできる。一方、Bは酸化物となってガラス成分とな
るためペーストにガラスフリットを配合しないかその配
合量を少なくできる。また、焼付膜にニッケル(Ni)
が含まれることにより、積層セラミックコンデンサの内
部電極にニッケルを用いた場合には、焼付膜のCu中に
内部電極のNiが拡散する現象を抑制する、いわゆるカ
ーケンドール効果を抑制することができる。また、比較
的酸素濃度が高い中性又は還元性雰囲気中で焼付けるこ
とにより、バインダーは良く酸化分解(燃焼)され、除
去される。なお、付随的な作用として、焼付膜にNiが
生じると、これがCuと合金を作り、この合金のホウケ
イ酸アルカリ酸化物系ガラスに対する濡れが銅単独とホ
ウケイ酸アルカリ酸化物系ガラスとの濡れに比べて向上
するため、焼付膜とセラミック素体との密着性が向上
し、さらに積層セラミックコンデンサの場合にはセラミ
ック素体の端面に導出された内部電極引き出し導体との
接続強度も向上できる。また、比較的酸素濃度が高い中
性又は還元性雰囲気中で焼付けを行うと、塗膜中のバイ
ンダーは酸化され、除去され易くなるが、銅とニッケル
の合金とホウケイ酸アルカリ酸化物系ガラスとの濡れが
良くなることにより、焼付膜にカーボンが残存すること
があってもその焼付膜とセラミック素体との密着強度に
及ぼす影響はその実用強度を害するほど大きくはなく、
また、焼付膜に銅酸化物が生じても静電容量抜けを生じ
させるほどの影響はないものと考えることができるが、
この点は完全に解明されているわけではなく、この考え
方に限定されるものではない。
【0015】
【実施例】
実施例1 下記各成分を秤量して得た配合物を1リットルのポリエ
チレン性ポットに仕込み、60rpm、15時間ボール
ミル法により湿式混合し、スラリーを得た。 セラミック粉末(チタン酸バリウム) 88.65重量部 バインダー樹脂(ポリビニルブチラール樹脂) 9.85重量部 可塑剤(ジ−n−ブチルフタレート) 1.50重量部 エタノール 100重量部 トルエン 100重量部 なお、セラミック粉末としては、チタン酸バリウム9
0.2重量%、ジルコン酸カルシウム0.8重量%、炭
酸バリウム0.5重量%、炭酸マグネシウム0.24重
量%、酸化ニオブ0.15重量%のものを使用しても良
い。
【0016】得られたスラリーを脱泡処理した後、寸法
100×100mmのシリコン系離型剤処理したPET
フィルムからなるキャリアフィルム上に、隙間100μ
mのドクターブレードにて寸法50×50mmとなるよ
うに塗布し、乾燥させ、剥離させて厚さ30μmのセラ
ミック誘電体グリーンシートを得た。このようにして作
製したセラミック誘電体グリ−ンシートの片面に次の組
成の内部電極材料導電性ペーストを塗布し、120℃、
2時間乾燥させる。 ニッケル粉末 43.4重量部 エチルセルロース 4.0重量部 ターピネオール 52.6重量部 このような内部電極材料膜を形成したセラミック誘電体
グリーンシートを所定枚数作製して表裏重ねて積層し、
その両面にさらに内部電極材料を形成していないセラミ
ック誘電体グリーンシートを重ねて熱圧着(80℃で1
50Kgf/cm2 )し、未焼成圧着積層体を作製す
る。
【0017】次に上記の未焼成圧着積層体について、こ
れは多数のコンデンサ単位を含むように作製されている
ので、個々の単位毎に裁断してチップ化する。これらの
チップを500℃で通常の方法で酸化性雰囲気中で加熱
して脱バインダー処理を行い、さらに1300℃で中性
又は還元性雰囲気中(市販の窒素ガス(数ppmの酸素
を含有)を使用)で焼成して積層セラミックコンデサ素
体を得た。この積層セラミックコンデサ素体の上記内部
電極材料の焼成体である内部電極の導体が引き出されて
いる両端面に下記組成の焼付型導電性ペーストをスクリ
ーン印刷により塗布し、酸素を200ppm含有する窒
素ガス雰囲気中、750℃で10分間焼付け、チップの
積層セラミックコンデンサを得た。 銅粉末 74.2重量部 硼化ニッケル(NiB) 1.4重量部 Na2 O−B2 3 −SiO2 ガラスフリット 2.4 量部 アクリル樹脂 1.5重量部 (三菱レイヨン社性BR−126) ターピネオール 20.5重量部 この導電ペーストは、銅粉末、硼化ニッケル粉末、ガラ
スフリットの3者の固形分を乳鉢で良く混ぜたのち、ア
クリル樹脂をターピネオールで溶かしたバインダーを前
者の固形分に対し、20重量%添加し、再度乳鉢中で良
くかきまぜ、さらに三本ロールにて練り合わせ、ペース
トとしたものである。その粘度は回転円板型粘度計で測
定したところ32ポイズであった。
【0018】上記の焼付膜のセラミック素体に対する密
着強度を測定するために、上記のセラミック誘電体グリ
ーンシートのみを積層し、圧着した後、上記と同様に焼
成して得た基板上に、上記焼付型導電性ペーストの内硼
化ニッケル粉末、ガラスフリットの銅に対する割合を表
1に示す割合にした以外は同様にして得た焼付型導電性
ペーストをスクリーン印刷により塗布し、表1に示す酸
素濃度(ppm)の窒素ガス雰囲気下、750℃で10
分間焼付けた焼付膜について、2mm角のピール強度
(密着強度(Kgf))を測定した結果を表1に示す。
なお、ピール強度測定方法は、2mm角の基板のランド
にリード線をL字形に曲げて、リード線が垂直に立つよ
うに半田付けする。このリード線を垂直方向に引っ張
り、リード線が半田付けされた部分から剥がれる強度
(Kgf)をプッシュブルゲージで測定した。測定値は
100個の平均値である。測定値が高いほど密着強度は
大きい。
【0019】また、316形状(横1.6mm、縦3.
2mmの寸法)に形成した上述の積層セラミックコンデ
ンサ(JIS F475)について、銅粉末、ニッケル
粉末及びガラスフリットの配合割合を表1に示した以外
は上記と同様にして得た焼付型導電性ペーストを用い、
その塗布膜を750℃、10分間窒素雰囲気(数ppm
の酸素を含有)中で焼付けて外部電極を形成し、そのそ
れぞれについて室温にて静電容量を測定した結果を表1
に示す。測定値は100個の平均値である。
【0020】比較例1 表1中、上記焼付型導電性ペーストの内、硼化ニッケル
粉末の配合量を0とし、ガラスフリットの配合量を銅に
対して5.0重量%とし、焼付けを行う際の窒素ガス雰
囲気中の酸素濃度を10ppm以下とした以外は同様に
して得た焼付型導電性ペーストを用いて上記と同様に試
験した結果を表1に示す。
【0021】比較例2 表1中、上記焼付型導電性ペーストの内、硼化ニッケル
粉末の配合量を0とし、ガラスフリットの配合量を銅に
対して5.0重量%とし、焼付けを行う際の窒素ガス雰
囲気中の酸素濃度を100ppmとした以外は同様にし
て得た焼付型導電性ペーストを用いて上記と同様に試験
した結果を表1に示す。
【0022】比較例3 表1中、上記焼付型導電性ペーストの内、硼化ニッケル
粉末の配合量を0とし、ガラスフリットの種類をホウケ
イ酸鉛ガラス(PbO−B2 3 −SiO2 )に代えて
その配合量を銅に対して3.5重量%とし、それ以外は
同様にして得た焼付型導電性ペーストを用いて上記と同
様に試験した結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】上記実施例において、バインダー(アクリ
ル樹脂とターピネオールの合計)の添加量は銅、ニッケ
ル、ガラスフリットの合計に対し、10重量%未満、4
0重量%より多い範囲では上記の積層セラミックコンデ
ンサ本体への塗布が困難であった。このことから、使用
できるバインダーの配合量は、10重量%≦バインダー
の銅、ニッケル、ガラスフリットの合計に対する添加量
≦40重量%とすることができる。
【0025】表1の結果より、比較例1、2のNiBの
添加が無い場合は、前者の焼付け雰囲気中の酸素濃度が
低すぎる場合には(市販の窒素ガスに相当)、ピール強
度が小さく、後者の焼付け雰囲気中の酸素濃度が高くな
ると、ピール強度は向上するが、静電容量が小さい。こ
れに対し、実施例1の試料No.1〜No.6のNiB
の添加量を焼付け雰囲気中の酸素濃度とともに増加させ
た場合には、ピール強度は比較例1よりは顕著に良く、
静電容量は比較例2より顕著に良い。特に試料No.1
〜No.5のNiB濃度が0.10重量〜10.0重量
%のものは、焼付け雰囲気中の酸素濃度が100〜50
0ppmとその広い範囲にわたって変化していても、ピ
ール強度及び静電容量の両方が優れることがわかる。ま
た、試料No.5、No.6ではガラスフリットが無い
場合でも、焼付け雰囲気中の酸素濃度が500ppm、
700ppmでは、前者はピール強度及び静電容量の両
方が優れ、後者ではピール強度が特に優れるが、静電容
量は若干劣る。これらの結果から、ピール強度及び静電
容量の一方だけではなく両方が比較例より良いとするた
めには、0.05重量%≦Cuに対するNiB量≦12
重量%であるといえるが、0.10重量%≦Cuに対す
るNiB量≦10重量%において、ピール強度及び静電
容量の両方が特に良いといえる。
【0026】実施例2 実施例1において、Na2 O−B2 3 −SiO2 ガラ
スフリットの代わりにLi2 O−B2 3 −SiO2
ラスフリット、K2 O−B2 3 −SiO2 ガラスフリ
ットを用い、アクリル樹脂の代わりにエチルセルロース
又はポリビニルブチラール樹脂を用いても同様な結果が
得られた。但し、溶剤の種類は適宜変えることができ
る。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、焼付型導電性ペースト
に銅粉末及び硼化ニッケル粉末を用いたので、酸素を含
有する中性又は還元性雰囲気中でセラミック素体に対す
るそのペースト塗膜を焼付けても、硼化ニッケルが分解
して生じた硼素が銅の酸化物を還元することにより塗膜
には銅として存在することができる。これにより、例え
ば積層セラミックコンデンサの場合に、例えばニッケル
からなる内部電極の導出されているセラミック素体の端
面にその塗膜からなる外部電極を設ける場合でも、その
銅を含有する外部電極とそのニッケルからなる内部電極
のとの接触を良く保つことができ、静電容量抜けを防止
することができる。その際、外部電極にはNiも含まれ
るので内部電極のNiが外部電極に拡散する現象も抑制
できる。一方、焼付けの際の雰囲気は酸素を含有するの
で焼付型導電性ペーストの塗布膜中のバインダーは良く
酸化分解され、除去されるので、バインダーが炭化して
カーボンを生じるようなこともなく、その焼付膜からな
る導電膜のセラミック素体に対する密着強度も大きくな
る。また、硼化ニッケルが分解して生じた硼素が銅の酸
化物を還元するが、硼素は酸化され、その酸化物はガラ
スの成分となることができるから、焼付型導電性ペース
トにガラスフリットを含有しない場合でも銅粒子をセラ
ミック素体表面に良く接着することができる。このよう
にして、従来の銅粉末だけを導電性粉末として有する焼
付型導電性ペーストのセラミック素体に対する塗布膜を
中性又は還元性雰囲気中で焼付けた場合の問題点を解決
できるとともに、従来のニッケル粉末だけを導電性粉末
として有する焼付型導電性ペーストを用いて例えば積層
セラミックコンデンサの外部電極を形成する場合の工程
の煩わしさを避けて工程を短縮し、生産性を向上するこ
とができる。また、焼付けの際の雰囲気中の酸素濃度は
多少変化しても上述したように硼化ニッケルが銅の酸化
物を還元するので、その酸素の含有量は厳密にコントロ
ールする必要がないから、その点からも生産性を向上で
きる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅粉末と、硼化ニッケル粉末と、バイン
    ダーを少なくとも含有するセラミック電子部品用焼付型
    導電性ペースト。
  2. 【請求項2】 ガラスフリットを含有する請求項1記載
    のセラミック電子部品用焼付型導電性ペースト。
  3. 【請求項3】 ガラスフリットはホウケイ酸アルカリ酸
    化物系ガラスフリットである請求項2記載のセラミック
    電子部品用焼付型導電性ペースト。
  4. 【請求項4】 硼化ニッケル粉末は銅粉末に対して0.
    1重量%以上10重量%以下である請求項1ないし3の
    いずれかに記載のセラミック電子部品用焼付型導電性ペ
    ースト。
  5. 【請求項5】 硼化ニッケルがNiB、Ni2 B、Ni
    3 B、Ni4 3 の群の少なくとも1つである請求項1
    ないし4のいずれかに記載のセラミック電子部品用焼付
    型導電性ペースト。
  6. 【請求項6】 セラミック素体に導電膜を有するセラミ
    ック電子部品において、該導電膜は請求項1ないし5の
    いずれかのセラミック電子部品焼付型導電性ペーストの
    塗布膜の焼付膜であるセラミック電子部品。
JP6192700A 1994-07-26 1994-07-26 セラミック電子部品用焼付型導電性ペースト及びセラミック電子部品 Pending JPH0836915A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009283744A (ja) * 2008-05-23 2009-12-03 Panasonic Corp セラミック電子部品の製造方法
JP2013098540A (ja) * 2011-11-04 2013-05-20 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 積層セラミック電子部品及びその製造方法

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